(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031298
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】検出器ユニットの固定構造と測定装置と検出器ユニットの固定方法
(51)【国際特許分類】
G01J 1/02 20060101AFI20240229BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20240229BHJP
G01N 21/76 20060101ALN20240229BHJP
【FI】
G01J1/02 D
H05K7/20 B
G01N21/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134770
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000219451
【氏名又は名称】東亜ディーケーケー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】加賀 健一郎
(72)【発明者】
【氏名】小野 篤広
(72)【発明者】
【氏名】高野 航
【テーマコード(参考)】
2G054
2G065
5E322
【Fターム(参考)】
2G054AA01
2G054AB10
2G054CA06
2G054EA01
2G054FA10
2G054FA12
2G054FA36
2G054FA37
2G054GB10
2G054JA20
2G065AB15
2G065AB19
2G065BA18
2G065BA36
2G065BB48
2G065CA19
2G065DA07
2G065DA08
5E322AA01
5E322BA01
5E322BA03
5E322BB03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】検出器ユニットのメンテナンスが容易となる検出器ユニットの固定構造を提供する。
【解決手段】検出器ユニットの固定構造Sは、検出器と、検出器ケースと、検出器ケースを収容・保温する発泡樹脂製の保温部材30と、を備える検出器ユニット3を測定装置1の筐体の内部に固定する検出器ユニットの固定構造である。保温部材は、組付けおよび分割可能な複数の分割片31~33により構成され、分割片同士を組付けるための係合部を備える。全ての分割片が組付けられた検出器ユニットにおいて、分割片それぞれの分割方向は、分割片同士の当接面と係合部と制限される。固定構造は、分割方向において保温部材に対向する位置に配置され、分割方向への検出器ユニットの移動を規制する分割移動規制部材4b,4d,4eと、分割方向を除く検出器ユニットが移動可能な他方向への検出器ユニットの移動を規制する移動規制部材4a,5,7と、を有してなる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出器と、
前記検出器を収容する検出器ケースと、
前記検出器ケースを収容し、保温する発泡樹脂製の保温部材と、
を備える検出器ユニットを測定装置の筐体の内部に固定する検出器ユニットの固定構造であって、
前記保温部材は、組付けおよび分割可能な複数の分割片により構成され、
前記分割片同士を組付けるための係合部、
を備え、
前記係合部は、前記分割片それぞれの当接面同士の相対する位置に形成される凹部および凸部により構成され、
全ての前記分割片が組付けられた前記検出器ユニットにおいて、前記分割片それぞれの分割方向は、前記当接面および前記係合部により制限され、
前記分割方向において前記保温部材に対向する位置に配置され、前記分割方向への前記検出器ユニットの移動を規制する分割移動規制部材と、
前記分割方向を除く前記検出器ユニットが移動可能な他方向への前記検出器ユニットの移動を規制する移動規制部材と、
を有してなる、
ことを特徴とする検出器ユニットの固定構造。
【請求項2】
相互に直交する3軸をそれぞれX軸、Y軸およびZ軸とし、前記X軸に沿う方向をX軸方向とし、前記Y軸に沿う方向をY軸方向とし、前記Z軸に沿う方向をZ軸方向としたとき、
全ての前記分割片が組付けられた前記検出器ユニットにおいて、前記分割片それぞれの前記分割方向は、前記当接面および前記係合部により、+X方向、-X方向、+Y方向、-Y方向、+Z方向、および-Z方向の6方向のうち、3方向以下に制限され、
前記分割移動規制部材は、前記6方向のうち、前記分割方向への前記検出器ユニットの移動を規制し、
前記移動規制部材は、前記6方向のうち、前記分割方向を除く前記他方向への前記検出器ユニットの移動を規制する、
請求項1に記載の検出器ユニットの固定構造。
【請求項3】
前記検出器ユニットは、
前記保温部材の外部に配置される外部部材、
を備え、
前記移動規制部材は、前記外部部材に当接する第1移動規制部材、
を備える、
請求項2に記載の検出器ユニットの固定構造。
【請求項4】
前記検出器ユニットは、
前記検出器ケースに取り付けられ、前記検出器ケースを冷却することにより前記検出器の温度を調節する冷却ユニット、
を備え、
前記外部部材は、前記冷却ユニットからの熱を放熱するヒートシンクユニットであり、
前記第1移動規制部材は、前記ヒートシンクユニットから放熱された熱を含む空気が排気される排気経路を構成する排気フードにより構成される、
請求項3に記載の検出器ユニットの固定構造。
【請求項5】
前記第1移動規制部材は、前記他方向のうち、2方向への前記検出器ユニットの移動を規制する、
請求項4に記載の検出器ユニットの固定構造。
【請求項6】
前記移動規制部材は、
前記筐体に取り付けられ、前記他方向のうち、1方向への前記検出器ユニットの移動を規制する第2移動規制部材、
を備え、
前記分割移動規制部材は、前記第2移動規制部材と一体に構成される、
請求項3に記載の検出器ユニットの固定構造。
【請求項7】
前記保温部材は、
前記X軸方向に直交する+X面および-X面と、
前記Y軸方向に直交する+Y面および-Y面と、
前記Z軸方向に直交する+Z面および-Z面と、
の6面を備え、
前記分割移動規制部材は、前記6面のうち、いずれかの面に当接する、
請求項2乃至6のいずれか1項に記載の検出器ユニットの固定構造。
【請求項8】
検出器ユニットと、
前記検出器ユニットを収容する筐体と、
前記筐体の内部において、前記検出器ユニットを固定する固定構造と、
を有してなり、
前記検出器ユニットは、
検出器と、
前記検出器を収容する検出器ケースと、
前記検出器ケースを収容し、保温する発泡樹脂製の保温部材と、
を備え、
前記保温部材は、組付けおよび分割可能な複数の分割片により構成され、
前記分割片同士を組付けるための係合部、
を備え、
前記係合部は、前記分割片同士の当接面における相対する位置に形成される凹部および凸部により構成され、
全ての前記分割片が組付けられた状態における前記分割片それぞれの分割方向は、前記当接面および前記係合部により制限され、
前記固定構造は、
前記分割方向において前記保温部材に対向する位置に配置され、前記分割方向への前記検出器ユニットの移動を規制する分割移動規制部材と、
前記分割方向を除く前記検出器ユニットが移動可能な他方向への前記検出器ユニットの移動を規制する移動規制部材と、
を有してなる、
ことを特徴とする測定装置。
【請求項9】
検出器ユニットと、
前記検出器ユニットを収容する筐体と、
前記筐体の内部において、前記検出器ユニットを固定する固定構造と、
を備える測定装置における前記検出器ユニットの固定方法であって、
前記検出器ユニットは、
検出器と、
前記検出器を収容する検出器ケースと、
前記検出器ケースを収容し、保温する発泡樹脂製の保温部材と、
を備え、
前記保温部材は、組付けおよび分割可能な複数の分割片により構成され、
前記分割片同士を組付けるための係合部、
を備え、
前記係合部は、前記分割片同士の当接面における相対する位置に形成される凹部および凸部により構成され、
全ての前記分割片が組付けられた状態における前記分割片それぞれの分割方向は、前記当接面および前記係合部により制限され、
前記分割方向において前記保温部材が分割移動規制部材に対向する位置に、前記検出器ユニットが配置されるステップと、
前記分割方向を除く前記検出器ユニットが移動可能な他方向への前記検出器ユニットの移動を規制する移動規制部材により、前記検出器ユニットを固定するステップと、
を含む、
ことを特徴とする検出器ユニットの固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出器ユニットの固定構造と、測定装置と、検出器ユニットの固定方法と、に関する。
【背景技術】
【0002】
検出器は、自然環境や人工的な環境において様々な質的・量的な情報を検出して、これらの情報を電気信号などの信号に変換する。このような検出器は、計測機器(例えば、ガス濃度測定装置など)に組み込まれた状態で用いられることがある。例えば、計測機器が温度の低い(または高い)計測環境下で用いられる場合、または、検出器が冷却されて用いられる場合、検出器の検出精度を維持するため、検出器の温度は、ペルチェ素子などの温度調節部材により調節される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された技術では、検出器(光電子増倍管)には冷却ブロックが取り付けられ、冷却ブロックにはペルチェ素子の吸熱面が取り付けられている。検出器と冷却ブロックとペルチェ素子とは、金属製のボックスに収容されている。また、ペルチェ素子の放熱面には、放熱フィンを有する放熱板(いわゆるヒートシンク)がボックスと一体となるように取り付けられている。この冷却構造では、検出器はペルチェ素子により室温以下に冷却され、ペルチェ素子からの熱は放熱板から放熱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、同技術では、検出器と冷却ブロックとペルチェ素子などへの結露の発生を防ぐため、ボックス内の空間(隙間)には、断熱材として機能する発泡ウレタンが充填されている。したがって、同技術では、検出器ユニットのメンテナンス(例えば、ペルチェ素子の交換、光電子増倍管(PMT:photomultiplier tube)のメンテナンスなど)をするためには、充填されている発泡ウレタンの除去が必要となる。その結果、同技術では、検出器ユニットのメンテナンスは容易でない。
【0006】
本発明は、検出器ユニットのメンテナンスが容易な検出器ユニットの固定構造と、測定装置と、検出器ユニットの固定方法と、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る検出器ユニットの固定構造は、検出器と、検出器を収容する検出器ケースと、検出器ケースを収容し、保温する発泡樹脂製の保温部材と、を備える検出器ユニットを測定装置の筐体の内部に固定する検出器ユニットの固定構造であって、保温部材は、組付けおよび分割可能な複数の分割片により構成され、分割片同士を組付けるための係合部、を備え、係合部は、分割片同士の当接面における相対する位置に形成される凹部および凸部により構成され、全ての分割片が組付けられた検出器ユニットにおいて、分割片それぞれの分割方向は、当接面および係合部により制限され、分割方向において保温部材に対向する位置に配置され、分割方向への検出器ユニットの移動を規制する分割移動規制部材と、分割方向を除く検出器ユニットが移動可能な他方向への検出器ユニットの移動を規制する移動規制部材と、を有してなる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、検出器ユニットのメンテナンスが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る測定装置の実施の形態を示す斜視図である。
【
図3】
図1の測定装置が備える検出器ユニットの分解斜視図である。
【
図4】
図3の検出器ユニットが備える保温部材を構成する分割片の模式図であり、(a)は分割片の模式右側面図であり、(b)は分割片の模式上面図であり、(c)は別の分割片の模式左側面図であり、(d)は別の分割片の模式背面図であり、(e)はさらに別の分割片の模式左側面図であり、(f)はさらに別の分割片の模式正面図である。
【
図5】
図1の測定装置が備える排気フードの斜視図である。
【
図6】
図1の測定装置が備える筐体の内部に固定されている検出器ユニットの部分拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る検出器ユニットの固定構造(以下「本構造」という。)と、測定装置(以下「本装置」という。)と、検出器ユニットの固定方法(以下「本方法」という。)と、の実施の形態について説明する。以下の説明において、同一の構造または機能を有する要素については同一の符号が付され、重複する説明は省略される。また、各要素の寸法比率は、各図面に図示されている比率に限定されない。
【0011】
また、各図において、X軸、Y軸およびZ軸は相互に直交する3軸であり、X軸に沿う方向はX軸方向であり、Y軸に沿う方向はY軸方向であり、Z軸に沿う方向はZ軸方向である。また、「+X軸方向」は前方であり、「-X軸方向」は後方であり、「+Y軸方向」は左方向であり、「-Y軸方向」は右方向であり、「+Z方向」は上方向であり、「-Z軸方向」は下方向である。X軸方向は、本発明における第1方向の一例である。
【0012】
以下の説明において、本装置は、大気中の窒素酸化物(NOx)の濃度を測定するNOx濃度測定装置であり、後述される検出器ユニットはPMTを用いて窒素酸化物の濃度を測定するPMTユニットであるものとする。すなわち、以下の説明において、NOx濃度測定装置は本装置の一例であり、PMTは本発明における検出器の一例である。
【0013】
●測定装置●
●測定装置の構成
図1は、本装置の実施の形態を示す斜視図である。
図2は、
図1の本装置の分解斜視図である。
図1と
図2それぞれは、説明の便宜上、本装置1の一部の内部のみを図示している。
【0014】
本装置1は、筐体2と、検出器ユニット3と、保持板4と、固定部材5と、冷却ファン6と、排気フード7と、電源ユニット8と、を備える。保持板4と固定部材5と排気フード7とは、後述される本構造Sを構成する。
【0015】
筐体2は、検出器ユニット3と、保持板4と、固定部材5と、冷却ファン6と、排気フード7と、電源ユニット8と、を収容する。筐体2は、例えば、中空の直方体状である。筐体2は、少なくとも、前後方向に直交する(垂直な)後壁2aを備える。後述される
図7に示されるとおり、後壁2aは、複数のスリットから構成される吸気孔2a1と排気孔2a2とを備える。排気孔2a2は、吸気孔2a1の上方に配置されている。
【0016】
【0017】
検出器ユニット3は、本体ユニット10と、温度調節ユニット20と、保温部材30と、断熱部材40と、3つのスペーサ51,52,53と、ヒートシンクユニット60と、を備える。
【0018】
本体ユニット10は、PMT(不図示。以下同じ。)と、PMTケース11と、反応槽12と、反応槽ホルダ13と、オゾン発生器14と、を備える。
【0019】
PMTは、一酸化窒素がオゾンと反応して二酸化窒素を生成する過程で生じる化学発光を検出する。PMTは、PMTケース11に収容されている。
【0020】
PMTケース11は、PMTを収容する。PMTケース11は、例えば、上下左右前後方向に面を有する略直方体状である。PMTケース11は、本発明における検出器ケースの一例である。
【0021】
反応槽12は、測定対象(一酸化窒素)をオゾンと反応させて、PMTに検出される化学発光を発光させる。反応槽12は、反応槽ホルダ13に保持されている。
【0022】
反応槽ホルダ13は、反応槽12を保持する。反応槽ホルダ13は、PMTケース11に取り付けられ、PMTケース11の上方に突出している。
【0023】
オゾン発生器14は、反応槽12内に供給するオゾンを発生させる。オゾン発生器14は、反応槽12の右方であって、PMTケース11の上方に配置されている。オゾン発生器14の上面14aの後端部には、雌ねじ孔14bが配置されている。
【0024】
温度調節ユニット20は、PMTケース11を冷却することにより、PMTケース11を介して、PMTの温度を調節する。温度調節ユニット20は、PMTケース11の後面11aに取り付けられている。温度調節ユニット20は、ペルチェ素子21と、2つの熱伝導シート22,23と、を備える。温度調節ユニット20は、本発明における冷却ユニットの一例である。
【0025】
ペルチェ素子21は、例えば、金属を介して直列に接続された複数のp型とn型の半導体が2つの絶縁板に挟み込まれている構造を有する、公知のペルチェ素子である。ペルチェ素子21は、矩形(正方形)板状である。
【0026】
熱伝導シート22,23は、例えば、弾性を有するアクリル樹脂系の熱伝導シートである。熱伝導シート22,23は、ペルチェ素子21とほぼ同じ面積を有する矩形シート状である。熱伝導シート22,23はペルチェ素子21の両面に貼り付けられている。
【0027】
保温部材30は、PMTケース11を収容し、保温する。保温部材30は、例えば、発泡スチロールなどの発泡樹脂製である。保温部材30は、組付けおよび分割可能な複数(本実施の形態では3つ)の分割片31,32,33により構成されている。各分割片31~33が組付けられた状態において、保温部材30は、中空の直方体状である。保温部材30は、前面30aと、後面30bと、左面30cと、右面30dと、上面30eと、下面30fと、2つの切欠き(開口部)30g,30hと、を備える。前面30aと後面30bとは前後方向に直交する面であり、左面30cと右面30dとは左右方向に直交する面であり、上面30eと下面30fとは上下方向に直交する面である。
【0028】
分割片31~33が組付けられた状態において、切欠き30gは、矩形状で、後面30bに配置されている。切欠き30hは、矩形状で、上面30eに配置されている。保温部材30の内方には、PMTケース11の外形に応じた形状の内部空間S1が形成されている。切欠き30gは切欠き30hと連通し、切欠き30g、30hは内部空間S1に連通している。
【0029】
図4は、保温部材30の模式断面図であって、(a)は分割片31の模式右側面図であり、(b)分割片31の模式上面図であり、(c)は分割片32の模式左側面図であり、(d)は分割片32の模式背面図であり、(e)は分割片33の模式左側面図であり、(f)は分割片33の模式正面図である。同図において、説明の便宜上、後述される凹部Rと凸部Pそれぞれの符号には、それぞれを区別するための数字が括弧と共に付されている。また、同図は、説明の便宜上、凹部Rをやや濃いグレーで示し、凸部Pをやや淡いグレーで示している。
【0030】
分割片31は、3つの当接面31a,31b,31cを備える。分割片32は、4つの当接面32a,32b,32c,32dを備える。分割片33は、2つの当接面33a,33bを備える。分割片31~33が組付けられた状態において、当接面31aは隣接する(相対する)当接面32aと当接し、当接面31bは隣接する当接面32bと当接し、当接面31cは隣接する当接面32c,33aと当接し、当接面32dは隣接する当接面33bと当接している。各当接面31a~33bは、凹部Rまたは凸部Pを備える。凹部Rと凸部Pとは、凸部Pが相対する凹部Rに嵌め込まれるように、各当接面31a~33bの端辺部の相対する位置に配置されている。相対する位置に配置されている一組の凹部Rと凸部Pとは、分割片31~33同士を組付けるための係合部を構成している。
【0031】
当接面31a,31cは、右方に面し、左右方向に直交する面である。当接面31bは、上方に面し、上下方向に直交する面である。当接面31aの上辺部には、前後方向に沿う凹部R(11)が配置されている。当接面31aの前辺部の上部には、上下方向に沿う凹部R(12)が配置されている。当接面31aの前辺部の下部には、上下方向に沿う凹部R(21)が配置されている。当接面31bの前辺部には、左右方向に沿う凹部R(22)が配置されている。当接面31cの前辺部には、上下方向に沿う凹部R(23)が配置されている。当接面31cの下辺部には、前後方向に沿う凹部R(24)が配置されている。凹部R(11,12)は連続して1つの凹部R(1)を構成し、凹部R(21~24)は連続して1つの凹部R(2)を構成している。
【0032】
当接面32a,32cは、左方に面し、左右方向に直交する面である。当接面32bは、下方に面し、上下方向に直交する面である。当接面32aの上辺部には、前後方向に沿う凸部P(11)が配置されている。当接面32aの前辺部の上部には、上下方向に沿う凸部P(12)が配置されている。当接面32aの前辺部の下部には、上下方向に沿う凸部P(21)が配置されている。当接面32bの前辺部には、左右方向に沿う凸部P(22)が配置されている。当接面32cの前辺部には、上下方向に沿う凸部P(23)が配置されている。当接面32cの下辺部には、前後方向に沿う凸部P(24)が配置されている。凸部P(11,12)は連続して1つの凸部P(1)を構成し、凸部P(21~24)は連続して1つの凸部P(2)を構成している。
【0033】
当接面32dは、後方に面し、前後方向に直交する面である。当接面32dの上辺部には、左右方向に沿う凸部P(31)が配置されている。当接面32dの右辺部の上部には、上下方向に沿う凸部P(32)が配置されている。当接面32dの下辺部には、左右方向に沿う凸部P(41)が配置されている。当接面32dの右辺部の下部には、上下方向に沿う凸部P(42)が配置されている。凸部P(31,32)は連続して1つの凸部P(3)を構成している。凸部P(41,42)は連続して1つの凸部P(4)を構成している。
【0034】
当接面33aは、左方に面し、左右方向に直交する面である。当接面33bは、前方に面し、前後方向に直交する面である。当接面33aの下辺部には、前後方向に沿う凸部P(5)が配置されている。当接面33bの上辺部には、左右方向に沿う凹部R(31)が配置されている。当接面33bの右辺部の上部には、上下方向に沿う凹部R(32)が配置されている。当接面33bの下辺部には、左右方向に沿う凹部R(41)が配置されている。当接面33bの右辺部の下部には、上下方向に沿う凹部R(42)が配置されている。凹部R(31,32)は連続して1つの凹部R(3)を構成し、凹部R(41,42)は連続して1つの凹部R(4)を構成している。
【0035】
分割片31~33が組付けられた状態において、凹部R(1)と凸部P(1)とは相対する位置に配置され、凸部P(1)は凹部R(1)に嵌め込まれている。凹部R(2)と凸部P(2,5)とは相対する位置に配置され、凸部P(2,5)は凹部R(2)に嵌め込まれている。凹部R(3)と凸部P(3)とは相対する位置に配置され、凸部P(3)は凹部R(3)に嵌め込まれている。凹部R(4)と凸部P(4)とは相対する位置に配置され、凸部P(4)は凹部R(4)に嵌め込まれている。その結果、全ての分割片31~33が組付けられた状態において、分割片31の分割方向は、当接面31a~31c,32a~32c,33aと、対応する係合部と、により右方向のみに制限されている。分割片32の分割方向は、当接面31a~31c,32a~32d,33bと、対応する係合部と、により前方と左方のみに制限されている。分割片33の分割方向は、当接面31c,32d,33a,33bと、対応する係合部と、により後方のみに制限されている。すなわち、各分割片31~33の分割方向は、当接面31a~33bと係合部とにより、6方向のうち、3方向以下(本実施の形態では2方向以下)に制限されている。
【0036】
図3に戻る。
断熱部材40は、例えば、発泡ウレタンなどの弾性を有する多孔性材料製である。断熱部材40は、後方視において、保温部材30の切欠き30gと略同じ大きさを有する、矩形板状である。断熱部材40は、ユニット収容部40aと、3つのスペーサ収容部40b,40c,40dと、3つのスペーサ取付ねじB2と、を備える。
【0037】
ユニット収容部40aは、温度調節ユニット20を収容する矩形(正方形)状の孔である。ユニット収容部40aは、断熱部材40の略中央に配置されている。
【0038】
スペーサ収容部40b,40cはスペーサ51,52を収容する矩形状の孔であり、スペーサ収容部40dはスペーサ53を収容する矩形状の切り欠きである。スペーサ収容部40bはユニット収容部40aの左方に配置され、スペーサ収容部40c,40dはユニット収容部40aの右方に配置されている。スペーサ収容部40dは、スペーサ収容部40cの下方に並んで配置されている。
【0039】
スペーサ51~53は、後述するヒートシンク61による温度調節ユニット20と断熱部材40への負荷(圧縮力)を調整する。スペーサ51~53は、例えば、ABS樹脂などの合成樹脂製である。スペーサ51~53は、上下方向に細長い矩形板状である。
【0040】
ヒートシンクユニット60は、温度調節ユニット20(ペルチェ素子21)からの熱を放熱する。ヒートシンクユニット60は、ヒートシンク61と、ヒートシンクカバー62と、4つのヒートシンク取付ねじB3と、8つのカバー取付ねじB4と、を備える。
【0041】
ヒートシンク61は、温度調節ユニット20に対する放熱部材として機能している公知のヒートシンクである。ヒートシンク61は、カバー取付ねじB4がねじ込まれる8つの雌ねじ孔61a(一部不図示。)を備える。
【0042】
ヒートシンクカバー62は、ヒートシンク61の後方と左方と右方と上方とを覆う。ヒートシンクカバー62は、中空の略直方体状である。ヒートシンクカバー62は、後面62aと、左面62bと、右面62cと、上面62dと、2つの切欠き(開口部)62e,62fと、を備える。左面62bと右面62cと上面62dそれぞれには、カバー取付ねじB4が挿通される8つの挿通孔62gが配置されている。ヒートシンクカバー62は、第1カバー621と第2カバー622とから構成されている。第1カバー621は、後面62aの一部と左面62bと上面62dの一部とから構成されている。第2カバー622は、後面62aの他の一部と右面62cと上面62dの他の一部とから構成されている。
【0043】
ヒートシンクカバー62がヒートシンク61に取り付けられた状態において、切欠き62eは、矩形状で、後面62aに配置されている。切欠き62fは、矩形状で、上面62dに配置されている。ヒートシンクカバー62の内方には、ヒートシンク61が収容される収容空間S2が形成されている。切欠き62eは切欠き62fと連通し、切欠き62e,62fは収容空間S2に連通している。
【0044】
図1と
図2とに戻る。
保持板4は、検出器ユニット3を保持する。保持板4は、上下方向に直交する板状である。保持板4は、例えば、ステンレス鋼などの金属製である。保持板4は、本体部4aと、第1規制部4bと、第2規制部4cと、第3規制部4dと、第4規制部4eと、第1取付部4fと、第2取付部4gと、を備える。
【0045】
本体部4aは、筐体2の内部において、検出器ユニット3を下方から保持し、検出器ユニット3の下方向への移動を規制する。本体部4aは、上下方向に直交する矩形板状である。本体部4aは、保持板4(本体部4a)を筐体2の内部に固定するための保持板固定ねじ(不図示。以下同じ。)が挿通される挿通孔4a1を備える。前後方向において、本体部4aの長さは、検出器ユニット3の長さと略同じである。左右方向において、本体部4aの長さは、検出器ユニット3の長さと略同じである。本体部4aは、本発明における移動規制部材(第2移動規制部材)の一例である。
【0046】
第1~第4規制部4b~4eは、検出器ユニット3の前方向と左右方向への移動を規制する。第1規制部4bと第2規制部4cとは、前後方向に直交する矩形板状である。第1規制部4bは、本体部4aの前端部の右端部から上方に向けて延設されている。第2規制部4cは、本体部4aの前端部の左端部から上方に向けて延設されている。第3規制部4dと第4規制部4eとは、左右方向に直交する矩形板状である。第3規制部4dは、本体部4aの右端部の前端部から上方に向けて延設されている。第4規制部4eは、本体部4aの左端部の前端部から上方に向けて延設されている。第1規制部4bと第3規制部4dとは、上方視においてL字状となるように一体に構成されている。第2規制部4cと第4規制部4eとは、上方視においてL字状となるように一体に構成されている。第1規制部4bと第3規制部4dと第4規制部4eそれぞれは、本発明における分割移動規制部材の一例である。第2規制部4cは、本発明における移動規制部材(第2移動規制部材)の一例である。
【0047】
本体部4aの前端部の中央部は、前方に向けて矩形板状に突出して、第1取付部4fを構成している。本体部4aの右端部の後端部は、右方に向けて矩形板状に突出して、第2取付部4gを構成している。第1取付部4fは、保持板固定ねじが挿通される挿通孔4f1を備える。第2取付部4gは、保持板固定ねじが挿通される挿通孔4g1を備える。
【0048】
固定部材5は、検出器ユニット3を筐体2の内部に固定する。固定部材5は、例えば、ステンレス鋼などの金属製である。固定部材5は、側方視においてL字状の板状であり、前後方向と左右方向とに平行な第1板状部5aと、左右方向と上下方向とに平行な第2板状部5bと、により構成され、2つの固定ねじB1を備える。第1板状部5aには、右上から左下に向かう長孔である挿通孔5a1が配置されている。第2板状部5bには、前後方向に長い長孔である挿通孔5b1が配置されている。
【0049】
冷却ファン6は、ヒートシンク61の冷却風となる空気を吸気・送風する。冷却ファン6は、前後方向に扁平な直方体状である。
【0050】
図5は、排気フード7の斜視図である。
以下の排気フード7の説明において、
図1~
図3は、適宜参照される。
【0051】
排気フード7は、ヒートシンク61のから放熱された熱を含む空気が排気される排気経路EP(
図6参照)を構成する。排気フード7は、例えば、ステンレス鋼などの金属製である。排気フード7は、中空で、傾斜面を前斜め上方に向けたほぼ直角三角柱状である。排気フード7は、傾斜壁7aと、左壁7bと、右壁7cと、2つの規制部7d,7eと、取付部7fと、を備える。
【0052】
傾斜壁7aは、矩形板状であり、水平面に対して前斜め上方に向けて傾斜している。左壁7bと右壁7cそれぞれは、斜辺部を前斜め上方に向けた略直角三角形状である。傾斜壁7aの左辺部は左壁7bの斜辺部と一体に連結され、同右辺部は右壁7cの斜辺部と一体に連結されている。左壁7bの下端部の後端部は、下方に向けて延出されて矩形板状の規制部7dを構成している。規制部7dの下半部は、右方に直角に折り曲げられている。右壁7cの下端部の後端部は、下方に矩形板状に延出されて規制部7eを構成している。その結果、側方視において、排気フード7の下端部は、L字状に形成されている。右壁7cの後端部は、右方に矩形板状に延出されて取付部7fを構成している。取付部7fの上部には、上下方向に長い長孔である挿通孔7f1が配置されている。
【0053】
排気フード7の下面7gと後面7iそれぞれは、開口面である。下面7gのうち、規制部7d,7eよりも前方の領域(以下「前領域7g1」という。)の開口面積は、ヒートシンクカバー62の切欠き62f(
図3参照)の開口面積よりも僅かに大きい。
【0054】
排気フード7は、後面7iが後壁2aの排気孔2a2(
図7参照)を覆うように、後壁2aの前面(内面)に取り付けられている。
【0055】
図1と
図2とに戻る。
電源ユニット8は、検出器ユニット3や冷却ファン6などの電力を必要とする機器に電力を供給する。電源ユニット8は、電源(不図示。以下同じ。)と、電源を収容する電源カバー8aと、を備える。電源カバー8aは、後面が開口面となる矩形箱状である。電源カバー8aの前面8bには、雌ねじ孔8cが配置されている。
【0056】
●検出器ユニットの組立方法
次に、検出器ユニット3の組立方法が、以下に説明される。以下の説明において、
図2~
図4は、適宜参照される。
【0057】
先ず、各スペーサ51~53が、スペーサ取付ねじB2により、PMTケース11の後面11aに取り付けられる。
【0058】
次いで、各分割片31~33が個別にPMTケース11(本体ユニット10)に取り付けられ、組付けられることにより、保温部材30がPMTケース11に取り付けられる。このとき、当接面31aは当接面32aに当接し、当接面31bは当接面32bに当接し、当接面31cは当接面32c,33aに当接し、当接面32dは当接面33bに当接している。その結果、各凸部Pは、相対する位置に配置されている凹部Rに嵌め込まれている。また、PMTケース11は内部空間S1に収容され、保温部材30の内面に当接している。反応槽ホルダ13は切欠き30h内に配置され、反応槽12は保温部材30よりも上方に突出している。オゾン発生器14は、保温部材30の外部の上方(すなわち、外部)に配置されている。
【0059】
このように、保温部材30が組付けおよび分割可能な複数の分割片31~33により構成されていることにより、反応槽12やオゾン発生器14がPMTケース11の外側に突出するように取り付けられていても、保温部材30は、これらを避けた状態でPMTケース11に容易に取り付け可能である。また、分割片31~33が分割されることにより、保温部材30は、PMTケース11から容易に取外し可能である。
【0060】
次いで、温度調節ユニット20が後面11aの所定位置に仮配置される。次いで、断熱部材40が後面11aに取り付けられる。このとき、断熱部材40は、切欠き30g内に嵌め込まれる。その結果、PMTケース11の全面は、保温部材30と断熱部材40とにより覆われる。また、スペーサ51~53が対応するスペーサ収容部40b~40dそれぞれに収容される。さらに、温度調節ユニット20の位置は適宜動かされ、温度調節ユニット20はユニット収容部40aに収容される。
【0061】
次いで、ヒートシンク61が、ヒートシンク取付ねじB3により、スペーサ51~53に取り付けられる。その結果、温度調節ユニット20と断熱部材40とスペーサ51~53それぞれは、PMTケース11とヒートシンク61とに当接し、これらの間に配置されている。このとき、前後方向において、温度調節ユニット20(熱伝導シート22,23)と断熱部材40それぞれは、厚さがスペーサ51~53の厚さになるまで、ヒートシンク61により前後方向に圧縮(押圧)される。その結果、ヒートシンク61からの圧縮力は、温度調節ユニット20と断熱部材40それぞれの全面に均等に加えられている。また、ヒートシンクユニット60は保温部材30の後方(すなわち、外部)に配置され、ヒートシンク61は保温部材30(分割片31,33)の後面30bに当接している。そのため、分割片33はPMTケース11とヒートシンク61とに挟持され、分割片33の分割方向(後方)への移動はヒートシンク61により規制されている。
【0062】
次いで、ヒートシンクカバー62が、複数のカバー取付ねじB4により、ヒートシンク61に取り付けられる。このとき、一部のカバー取付ねじB4は、切欠き62fよりも前方に配置されている。また、ヒートシンクカバー62は、保温部材30の後方(すなわち、外部)に配置されている。その結果、ヒートシンクユニット60は、保温部材30(すなわち、PMTケース11)の後方に配置されている。
【0063】
ここで、分割片31~33のみが組付けられたとき、分割片31の分割方向は左方であり、分割片32の分割方向は前方と右方とであり、分割片33の分割方向は後方である。一方、分割片31~33が組付けられた検出器ユニット3において、分割片31,32の分割方向は変わらないが、分割片33の分割方向(後方)への移動は、同分割方向において分割片33と対向する位置に配置されている(分割片33に当接している)ヒートシンク61により規制されている。すなわち、本実施の形態において、検出器ユニット3において組付けられた分割片33は、単独で分割不可能である。そのため、本実施の形態において、同分割片33に対する分割方向(後方)は、本発明における分割方向ではない。
【0064】
このように組み立てられた検出器ユニット3では、ヒートシンクユニット60が取り外されるだけで、保温部材30は容易に分解し、取り外すことができ、本体ユニット10と温度調節ユニット20とは容易に取り出すことができる。その結果、本体ユニット10のメンテナンスや、温度調節ユニット20の交換などのメンテナンス作業は、容易になる。
【0065】
●測定装置の組立方法
次に、本方法を含む本装置1の組立方法が、以下に説明される。以下の説明において、
図1~
図5は、適宜参照される。また、以下の説明において、「作業者」は、本方法を用いて本装置1を製造(組立)する者である。
【0066】
前述のとおり、本体ユニット10は保温部材30に収容され、保温部材30の外部に配置される部分は、ヒートシンクユニット60と反応槽12とオゾン発生器14のみである。また、PMTケース11を収容している保温部材30は、発泡スチロール製である。そのため、筐体2の内部に検出器ユニット3を固定するためのねじが保温部材30に直接ねじ込まれると、保温部材30が破損し得る。さらに、分割片31~33は、凹部Rと凸部Pとにより構成される係合部により、無負荷の状態では容易に分割されない程度に組付けられている。一方、外力が分割方向に加えられると、分割片31~33は、容易に分割される。そして、この分割を阻止するために分割片31~33同士がねじ止めされると、分割片31~33(保温部材30)が破損し得る。したがって、筐体2の内部に検出器ユニット3を固定するためには、分割片31~33の分割を阻止し、かつ、保温部材30を破損させない本構造S(本方法)が、必要となる。
【0067】
先ず、電源ユニット8が、筐体2の後壁2aの前面に取り付けられる。
【0068】
次いで、冷却ファン6が、後壁2aの吸気孔2a1(
図7参照)を塞ぐように、後壁2aの前面に取り付けられる。このとき、冷却ファン6の右斜め上方には、電源ユニット8が配置されている。
【0069】
次いで、保持板4が、保持板固定ねじにより、筐体2の内部に固定される。このとき、保持板4の後端部は、冷却ファン6の前端部と、電源カバー8aの前半部と、の下方に配置されている。すなわち、後壁2aと保持板4との間には、冷却ファン6の厚さ(電源カバー8aの厚さの半分)と略同じ長さの間隔を有する作業空間S3が形成されている。
【0070】
次いで、組み立てられた状態の検出器ユニット3が、筐体2の内部に収容される。前述のとおり、保持板4の後方には、作業空間S3が形成されている。そのため、作業者は作業空間S3に手を挿入することができ、作業者の作業性は向上する。また、ヒートシンクカバー62の後面62aには、切欠き62eが配置されている。ここで、切欠き62eの開口面積は、冷却ファン6の外形よりも僅かに大きい。そのため、作業者は、切欠き62f内に冷却ファン6の前半部を挿入することにより、保持板4の本体部4aの上において、第1~第2規制部4b,4cから後方に離れた位置に検出器ユニット3を仮置きできる。また、作業者は、作業空間S3と切欠き62fとを利用することにより、本体部4aの真上からだけでなく、本体部4aの上斜め前方からも、検出器ユニット3を筐体2の内部に収容できる。
【0071】
次いで、検出器ユニット3が、後方から第1~第2規制部4b,4cに突き当てられる。このとき、第1規制部4bは、保温部材30(分割片32)の前面30aに対向する位置に配置され、同前面30aに当接している。第2規制部4cは、保温部材30(分割片31)の前面30aに対向する位置に配置され、同前面30aに当接している。また、第3規制部4dは、保温部材30(分割片32)の右面30dに対向する位置に配置され、同右面30dに当接している。第4規制部4eは、保温部材30(分割片31)の左面30cに対向する位置に配置され、同左面30cに当接している。冷却ファン6は、ヒートシンク61の後方に配置され、ヒートシンク61に対向している。
【0072】
次いで、排気フード7が、挿通孔7f1に挿通されたフード取付けねじ(不図示。以下同じ。)により、後面7iが後壁2aの排気孔2a2(
図7参照)を覆うように、後壁2aの前面に取り付けられる。このとき、上下方向における排気フード7の位置(高さ)は、長孔である挿通孔7f1内のフード取付けねじの位置により調整される。その結果、排気フード7の下端部のうち、前領域7g1は、ヒートシンクカバー62の上面62dに当接する。また、規制部7d,7eの前端部は、ヒートシンクカバー62の後面62aに当接する。すなわち、排気フード7のうち、ヒートシンクユニット60側の端部は、ヒートシンクカバー62の後面62aと上面62dとに当接している。また、排気フード7の下面7gのうち前領域7g1は、ヒートシンクカバー62の切欠き62fを上方から覆っている。その結果、排気フード7により構成される排気経路EPは、切欠き62fと排気孔2a2との間を接続している。
【0073】
次いで、固定部材5が、固定ねじB1により、電源カバー8aとオゾン発生器14とに取り付けられる。このとき、前後左右上下方向における固定部材5の位置は、長孔である挿通孔5a1,5b1内の固定ねじB1の位置により、調整される。その結果、検出器ユニット3は、筐体2の内部に固定される。
【0074】
図6は、筐体2の内部に固定されている検出器ユニット3の部分拡大側面図である。
【0075】
排気フード7の規制部7d,7e(規制部7dは
図5参照)は、ヒートシンクカバー62の後面62aに当接し、検出器ユニット3の後方への移動を規制している。また、排気フード7の前領域7g1は、ヒートシンクカバー62の上面62dに当接し、検出器ユニット3の上方への移動を規制している。すなわち、排気フード7は、6方向のうち、後方と上方との2方向への検出器ユニット3の移動を規制している。一方、固定部材5は、電源カバー8aとオゾン発生器14とに取り付けられ、検出器ユニット3の6方向への移動を規制している。
【0076】
図1と
図2とに戻る。
検出器ユニット3が筐体2の内部に固定されているとき、第1,第3,第4規制部4b,4d,4eは、保温部材30に当接している。そして、分割片31の分割方向(左方)への移動は、同分割方向において分割片31と対向する位置に配置されている第4規制部4eにより規制されている。また、分割片31の一方の分割方向(前方)への移動は、同分割方向において分割片32と対向する位置に配置されている第1規制部4bにより規制されている。さらに、分割片32の他の分割方向(右方)への移動は、同分割方向において分割片32と対向する位置に配置されている第3規制部4dにより規制されている。すなわち、第1,第3,第4規制部4b,4d,4eは、本発明における分割移動規制部材として機能している。
【0077】
一方、検出器ユニット3が筐体2の内部に固定されているとき、本体部4aと固定部材5と排気フード7とは、検出器ユニット3に当接している。そして、検出器ユニット3の下方への移動は、本体部4aと固定部材5とにより規制されている。また、検出器ユニット3の後方と上方への移動は、固定部材5と排気フード7とにより規制されている。換言すれば、6方向のうち、本発明における分割方向(前方、左方、右方)を除く、他方向(後方、上方、下方)への検出器ユニット3の移動は、本体部4aと固定部材5と排気フード7とにより規制されている。すなわち、本体部4aと固定部材5と排気フード7とは本発明における移動規制部材として機能している。このとき、固定部材5と排気フード7とは、検出器ユニット3に対して着脱可能であり、本発明における第1移動規制部材として機能している。また、オゾン発生器14とヒートシンクユニット60とは、本発明における外部部材として機能している。一方、本体部4aは、本発明における第2移動規制部材として機能している。
【0078】
このように、検出器ユニット3の6方向への移動は、本発明における分割移動規制部材として機能している第1,第3,第4規制部4b,4d,4eと、本発明における移動規制部材として機能している本体部4aと固定部材5と排気フード7と、により規制されている。その結果、検出器ユニット3は、第1,第3,第4規制部4b,4d,4eと、本体部4aと固定部材5と排気フード7と、により、筐体2の内部に固定されている。すなわち、保持板4(本体部4a、第1,第3,第4規制部4b,4d,4e)と固定部材5と排気フード7とは、本構造Sとして機能している。つまり、本装置1は、本構造Sを備える。
【0079】
本構造Sにおいて、第1~第4規制部4b~4eは、本体部4aと一体に構成されている。すなわち、保持板4は、分割移動規制部材と移動規制部材として機能し、6方向のうち、4方向への検出器ユニット3の移動を規制している。また、排気フード7は、移動規制部材として機能し、6方向のうち、他の2方向への検出器ユニット3の移動を規制している。さらに、固定部材5は、移動規制部材として機能し、検出器ユニット3の6方向への移動を規制している。すなわち、本構造Sを構成している各部材は、1つの部材で、検出器ユニット3の複数の方向への移動を規制している。その結果、本構造Sに必要な部品点数は、少なくなる。
【0080】
また、本構造Sにおいて、保温部材30に当接する部材は、全て面により当接する構造を有している。そのため、本構造Sは、保温部材30の破損を生じさせない。このように、本構造Sは、保温部材30へのねじ止めを用いることなく、分割片31~33の固定と、筐体2の内部への検出器ユニット3の固定と、を実現している。そのため、筐体2の内部において分割片31~33は分割されず、固定に際して保温部材30の破損は生じず、保温部材30は繰り返し使用できる。
【0081】
さらに、本構造Sでは、排気経路EPとして機能する排気フード7が2方向への移動規制部材としても機能している。すなわち、本構造Sには、検出器ユニット3の移動の規制のためにのみ用いられる部材(保持板4、固定部材5)だけでなく、他の用途にも用いられている部材(排気フード7)も、含まれている。その結果、PMTケースが金属製のボックスに収容されている検出器ユニットを筐体の内部に固定する従来の固定構造(以下「従来構造」という。)に代えて、本構造Sが用いられるときに必要となる追加部品の数は、少なくできる。
【0082】
さらにまた、本構造Sでは、第1移動規制部材として機能する固定部材5と排気フード7とが検出器ユニット3から取り外されるだけで、検出器ユニット3は、筐体2の内部から容易に取り出すことができる。このとき、作業者は、検出器ユニット3を、上方だけでなく、作業空間S3により後方(すなわち、他方向)にも移動させることができ、筐体2からの検出器ユニット3の取外しを容易に実行できる。
【0083】
図7は、本装置1の模式拡大断面図である。
同図は、左右方向における冷却ファン6の中央部を上下方向に沿って切断した断面を模式的に示している。
【0084】
検出器ユニット3が筐体2の内部に固定されている状態では、ヒートシンクカバー62の下方は、本体部4aの後部により覆われている。ヒートシンクカバー62の切欠き62e(
図3参照)のほぼ全ては、冷却ファン6により塞がれている。そのため、ヒートシンクカバー62の収容空間S2は、切欠き62fを除き、塞がれている。したがって、冷却ファン6により吸気された空気はヒートシンク61に送風され、ヒートシンク61からの熱を含んだ状態で切欠き62fと排気経路EPと介して排気孔2a2から筐体2の外部に排気される。
【0085】
ここで、排気孔2a2を構成する複数のスリットの内面は、排気孔2a2から排気される空気が排気孔2a2の下方に配置されている吸気孔2a1へ向かわないように、所定の方向(本実施の形態では斜め上方)に傾斜している。したがって、排気孔2a2が吸気孔2a1に隣接するように配置されていても、排気孔2a2から排気された熱を含んだ空気は、直接的に吸気孔2a1に吸気されない。
【0086】
●まとめ
以上説明した実施の形態によれば、保温部材30は、組付けおよび分割可能な複数の分割片31~33により構成され、係合部を構成する凹部Rと凸部Pとを備える。分割片31~33が組付けられた検出器ユニット3において、分割片31~33それぞれの分割方向は、当接面31a~31c,32a~32d,33a,33bと係合部とにより制限されている。本構造Sは、検出器ユニット3を筐体2の内部に固定している。本構造Sは、分割移動規制部材(第1,第3,第4規制部4b,4d,4e)と、移動規制部材(本体部4a、固定部材5、排気フード7)と、を備える。分割移動規制部材は、分割片31~33の分割方向において、保温部材30に対向する位置に配置され、分割方向への検出器ユニット3の移動を規制している。移動規制部材は、分割方向を除く検出器ユニット3が移動可能な他方向への検出器ユニット3の移動を規制している。この構成によれば、保温部材30は、組付けおよび分解可能な複数の分割片31~33で構成されている。したがって、検出器ユニット3において、保温部材30は容易に組付けおよび分解でき、本体ユニット10のメンテナンスや、温度調節ユニット20の交換などのメンテナンス作業は、容易になる。また、分割方向への検出器ユニット3の移動は、保温部材30に対向して配置されている分割移動規制部材により規制されている。また、他方向への検出器ユニット3の移動は、移動規制部材により規制されている。そのため、本構造Sは、保温部材30の破損を容易に生じさせる構造を用いることなく、分割片31~33の分割を阻止し、かつ、検出器ユニット3を筐体2の内部に容易に固定できる。さらに、検出器ユニット3の移動は移動規制部材と分割移動規制部材とにより規制されているため、いずれかの規制が解除されることにより、筐体2への検出器ユニット3の取り付けと、筐体2からの検出器ユニット3の取外しとは、容易に実行可能である。
【0087】
また、以上説明した実施の形態によれば、分割片31~33が組付けられた検出器ユニット3において、分割片31~33それぞれの分割方向は、2方向以下に制限されている。分割移動規制部材は、6方向のうち、分割方向への検出器ユニット3の移動を規制している。移動規制部材は、6方向のうち、分割方向を除く検出器ユニット3が移動可能な他方向への検出器ユニット3の移動を規制している。この構成によれば、6方向のうち、分割方向への検出器ユニット3の移動は、保温部材30に対向して配置されている分割移動規制部材により規制されている。また、6方向のうち、他方向への検出器ユニット3の移動は、移動規制部材により規制されている。そのため、本構造Sは、保温部材30の破損を容易に生じさせる構造を用いることなく、分割片31~33の分割を阻止し、かつ、検出器ユニット3を筐体2の内部に容易に固定できる。さらに、検出器ユニット3の移動は6方向から規制されているため、いずれか1方向以上の規制が解除されることにより、筐体2への検出器ユニット3の取り付けと、筐体2からの検出器ユニット3の取外しとは、容易に実行可能である。
【0088】
さらに、以上説明した実施の形態によれば、検出器ユニット3は、保温部材30の外部に配置される外部部材(反応槽12、オゾン発生器14、ヒートシンクユニット60)を備える。移動規制部材(本体部4a、固定部材5、排気フード7)は、外部部材(オゾン発生器14、ヒートシンクユニット60)に当接する第1移動規制部材(固定部材5、排気フード7)を備える。この構成によれば、第1移動規制部材は、保温部材30に接触することなく、検出器ユニット3の他方向への移動を規制できる。したがって、第1移動規制部材は、保温部材30に適用すると保温部材30の破損を招く構造(例えば、金属部材のエッジ部分や、ねじによる締結など)が用いられることなく、検出器ユニット3を固定できる。
【0089】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、検出器ユニット3は、PMTケース11に取り付けられ、PMTケース11を冷却することによりPMTの温度を調節する温度調節ユニット20を備える。ヒートシンクユニット60は本発明における外部部材として機能し、排気フード7は本発明における第1移動規制部材として機能している。この構成によれば、ヒートシンク61を冷却する空気の経路を構成している部材(ヒートシンクカバー62、排気フード7)が、本発明における第1移動規制部材としても機能している。その結果、本構造Sに必要な部品点数は、少なくなる。また、従来構造に代えて、本構造Sが用いられるときに必要となる追加部品の数は、少なくできる。
【0090】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、排気フード7は、他方向(後方、上方、下方)のうち、2方向への検出器ユニット3の移動を規制している。この構成によれば、本構造Sに必要な部品点数は、さらに少なくできる。
【0091】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、ヒートシンクユニット60はPMTケース11の後方に配置され、排気フード7の下端部はヒートシンクカバー62の後面62aと上面62dとに当接している。すなわち、排気フード7は、1つの部材で、2方向への検出器ユニット3の移動を規制している。この構成によれば、本構造Sに必要な部品点数は、さらに少なくできる。
【0092】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、分割移動規制部材は、保温部材30に当接している。一部の移動規制部材(固定部材5、排気フード7)は、検出器ユニット3に対して着脱可能である。同移動規制部材が検出器ユニット3から取り外されたとき、検出器ユニット3は、他方向(後方、上方)に移動可能である。この構成によれば、検出器ユニット3が筐体2の内部に着脱されるとき、作業者は、移動規制部材が取り付けられていない検出器ユニット3を他方向に移動させて着脱させることができる。換言すれば、検出器ユニット3の作業スペースが確保可能である。また、他方向が複数方向であるとき、作業者は、筐体2内において、複数の方向から検出器ユニット3を固定位置に搬送できる。さらに、移動規制部材の着脱により、筐体2への検出器ユニット3の取り付けと、筐体2からの検出器ユニット3の取外しとは、容易に実行可能である。その結果、本体ユニット10のメンテナンスや、温度調節ユニット20の交換などのメンテナンス作業は、さらに容易になる。
【0093】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、移動規制部材は、他方向のうち、下方向への検出器ユニット3の移動を規制する第2移動規制部材(本体部4a)を備える。分割移動規制部材は、第2移動規制部材と一体に構成されている。この構成によれば、本構造Sに必要な部品点数は、さらに少なくできる。
【0094】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、保温部材30は、前面30aと、後面30bと、左面30cと、右面30dと、上面30eと、下面30fと、の6面を備える。分割移動規制部材は、6面のうち、いずれかの面(前面30a、左面30c、右面30d)に当接している。この構成によれば、分割移動規制部材は、保温部材30を破損させることなく、検出器ユニット3の分割方向への移動を規制でき、分割片31~33の分割を阻止できる。
【0095】
●その他の実施形態
なお、本発明における検出器はPMTに限定されない。また、本発明に係る検出器ユニットが組み込まれる測定機器は、NOx濃度測定装置に限定されない。すなわち、例えば、測定機器は、アルシンガス検知装置でもよい。
【0096】
また、本発明において、温度調節ユニットは、検出器の動作温度によっては、検出器を加熱するために用いられていてもよい。この場合、ヒートシンクは、吸熱部材として機能する。
【0097】
さらに、以上説明した実施の形態において、本構造は、固定部材を備えていなくてもよい。この構成でも、検出器ユニットの他方向の移動は、本体部と排気フードとにより規制されている。
【0098】
さらにまた、本発明において、保持板における分割移動規制部材の位置と数とは、分割片の数とその分割方向とに対応していればよく、本実施の形態に限定されない。
【0099】
さらに、本発明において、移動規制部材の位置と数とは、他方向の方向と数とに対応していればよく、本実施の形態に限定されない。
【0100】
さらにまた、本発明において、排気フードは、後方と上方とのいずれか一方の方向のみへの検出器ユニットの移動を規制していてもよい。この場合であっても、他の方向への検出器ユニットの移動は、固定部材により規制されている。
【0101】
さらにまた、本発明において、保持板の本体部の形状は、検出器ユニットの下方への移動を規制可能な形状であればよく、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、本体部は、枠状でもよい。
【0102】
さらにまた、本発明において、X軸方向とY軸方向とZ軸方向それぞれの向きは、本構造が検出器ユニットを筐体の内部に固定可能であればよく、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、Y軸方向が本発明における第1方向であってもよい。
【0103】
さらにまた、本発明において、保温部材の分割片の構成(数、形状、係合部の構成など)は、保温部材がPMTケースを保温可能であり、かつ、分割片同士が組付けおよび分解可能であればよく、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、分割片の数は、「2」でもよく、あるいは、「4以上」でもよい。
【0104】
さらにまた、本発明において、係合部を構成する凹部と凸部の構成は、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、凹部と凸部それぞれは、当接面の中央に配置されていてもよい。また、例えば、凸部は円柱状などの突起により構成され、凹部は凸部の形状に対応する穴により構成されていてもよい。さらに、凹部と凸部それぞれは、1つの当接面または複数の当接面において連続的に形成されていてもよく、あるいは、断続的に形成されていてもよい。
【0105】
さらにまた、本発明において、各分割片の分割方向は、本実施の形態に限定されない。すなわち、例えば、各分割片の分割方向は、6方向のうち、本実施の形態に記載された方向以外の方向であってもよく、あるいは、6方向ではない方向(例えば、3軸のいずれか1軸に対して傾斜した方向)を含んでいてもよい。
【0106】
さらにまた、本発明において、固定部材が当接する外部部材は、オゾン発生器に限定されない。すなわち、例えば、固定部材は、反応槽に当接していてもよい。この場合、反応槽は、本発明における外部部材として機能している。また、例えば、固定部材は、ヒートシンクカバーに当接していてもよい。
【0107】
さらにまた、本発明において、固定部材は、オゾン発生器に当接するが、ねじ止めされていなくてもよい。この構成でも、固定部材は、検出器ユニットの上方への移動を規制できる。
【0108】
さらにまた、本発明において、固定部材は、保温部材に当接していてもよい。この場合、固定部材は、保温部材にねじ止めされていない。
【0109】
さらにまた、本発明において、排気フードはヒートシンクカバーに当接せず、排気フードとヒートシンクカバーとの間には、僅かな隙間が形成されていてもよい。
【0110】
さらにまた、本発明において、分割移動規制部材および移動規制部材の一部と検出器ユニットとの間には、検出器ユニットが過剰に(分割片が分割されない程度に)移動しない程度の隙間が形成されていてもよい。
【0111】
さらにまた、本発明において、検出器ユニットが筐体から取り出されているとき、保持板は筐体に対して着脱可能である。そのため、保持板は、本発明における第1移動規制部材として取り扱われていてもよい。
【0112】
さらにまた、本発明において、保持板は、保温部材の後面に対向する位置に配置される規制部を備えていてもよい。この構成では、保持板に対して検出器ユニットが移動可能な方向は、上方に限定される。
【0113】
さらにまた、本発明において、第1規制部と第2規制部とは一体に構成されていてもよい。この場合、例えば、第1~第4規制部は、一体に構成されていてもよい。また、例えば、第1規制部は第3規制部と別体に構成され、第2規制部は第4規制部と別体に構成されていてもよい。また、例えば、第1規制部と第2規制部とは、前辺部の全域に亘って配置されている1つの板状部でもよく、あるいは、前辺部のうち、分割片同士の当接部近傍にのみ配置されている1つの板状部でもよい。
【0114】
さらにまた、本発明において、第1規制部は第3規制部と別体に構成され、第2規制部は第4規制部と別体に構成されていてもよい。
【0115】
さらにまた、本発明において、第1~第4規制部それぞれは、本体部と別体に構成されていてもよい。
【0116】
さらにまた、本発明において、固定部材の形状は、筐体または筐体に取り付けられている部材と、検出器ユニットと、に当接可能であればよく、本実施の形態に限定されない。
【0117】
さらにまた、本発明において、固定部材が取り付けられる位置は、電源カバーの前面に限定されない。すなわち、例えば、固定部材は、電源カバーの右面に取り付けられてもよく、あるいは、筐体の後面に取り付けられていてもよい。
【0118】
さらにまた、本発明において、排気フードは、カバー取付ねじに当接することにより、検出器ユニットの後方への移動を規制していてもよい。
【0119】
さらにまた、本発明において、保温部材の外面のうち、分割移動規制部材と移動規制部材のいずれかに対向する位置が6面の一部を構成していればよく、保温部材の形状は直方体状に限定されない。すなわち、例えば、保温部材の前面のうち、第1、第2規制部に対向する部分のみが、左右方向と上下方向とに平行な面に形成されていればよく、他の部分は凹状、凸状、または曲面状に形成されていてもよい。
【0120】
さらにまた、本発明において、断熱部材の材料は、保温部材と同じ材料でもよい。この場合、断熱部材は、本発明における保温部材として機能していてもよい。
【0121】
さらにまた、本発明において、外部部材は、検出器ユニットの種類と構成とにより定まり、オゾン発生器とヒートシンクユニットとに限定されない。
【0122】
さらにまた、本発明において、排気フードは、必ずしも移動規制部材として機能していなくてもよい。この場合、本装置は、他の専用部材または兼用部材を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0123】
1 測定装置
2 筐体
3 検出器ユニット
4 保持板
4a 本体部(移動規制部材、第2移動規制部材)
4b 第1規制部(分割移動規制部材)
4c 第2規制部(移動規制部材、第2移動規制部材)
4d 第3規制部(分割移動規制部材)
4e 第4規制部(分割移動規制部材)
5 固定部材(移動規制部材、第1移動規制部材)
7 排気フード(移動規制部材、第1移動規制部材)
11 PMTケース(検出器ケース)
14 オゾン発生器(外部部材)
20 温度調節ユニット(冷却ユニット)
30 保温部材
30a 前面
30b 後面
30c 左面
30d 右面
30e 上面
30f 下面
31 分割片
31a 当接面
31b 当接面
31c 当接面
32 分割片
32a 当接面
32b 当接面
32c 当接面
32d 当接面
33 分割片
33a 当接面
33b 当接面
60 ヒートシンクユニット(外部部材)
62 ヒートシンクカバー(外部部材)
P 凸部
R 凹部