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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031306
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】情報提供装置及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/109 20230101AFI20240229BHJP
【FI】
G06Q10/10 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134788
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】坂下 奈々美
(72)【発明者】
【氏名】矢萩 幸一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA12
(57)【要約】
【課題】会議の参加者に適正化された有用な情報を提供することができる情報提供装置及び情報提供方法を提供する。
【解決手段】情報提供装置(20)は、複数の参加者による意思伝達が行われる会議に関連する情報を複数の参加者に対応付けられる複数の端末装置(10)に提供する。情報提供装置(20)は、参加者情報取得部(25)と、情報レベル取得部(27)と、情報選定部(28)とを備える。参加者情報取得部(25)は、各参加者の会議での発言に基づいて各参加者の会議に関連する知識のレベルを取得する。会議レベル取得部(26)は、参加者のレベルと会議の内容とに基づいて会議のレベルを取得する。情報レベル取得部(27)は、会議に関連する情報のレベルを取得する。情報選定部(28)は、参加者のレベルと、会議のレベルと、情報のレベルとに基づいて、各端末装置に共通に提供する第1情報と、個別に提供する第2情報とを選定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の参加者による意思伝達が行われる会議に関連する情報を前記複数の参加者に対応付けられる複数の端末装置(10)に提供する情報提供装置(20)であって、
前記複数の参加者の前記会議での発言に基づいて前記複数の参加者の前記会議に関連する知識に係わる情報を取得する参加者情報取得部(25)と、
前記参加者情報取得部によって取得される前記参加者の情報と前記会議の内容とに基づいて前記会議のレベルを取得する会議レベル取得部(26)と、
前記会議に関連する情報のレベルを取得する情報レベル取得部(27)と、
前記参加者の情報と、前記会議のレベルと、前記情報のレベルとに基づいて、前記複数の端末装置の各々に提供する情報を選定する情報選定部(28)と
を備え、
前記情報選定部は、前記複数の端末装置の各々の第1表示部に共通に表示させる第1情報と、前記複数の端末装置の少なくとも1つで前記第1表示部と異なる第2表示部に表示させる第2情報とを選定する
ことを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
前記参加者情報取得部は、
過去及び進行中の少なくともいずれかの前記会議での前記発言を数値化することによって前記参加者の情報の階層を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記参加者情報取得部は、
前記発言の数値化から偏差値を取得し、前記偏差値に応じて前記参加者の情報の階層を取得する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記参加者情報取得部は、
前記参加者の情報の階層に応じて前記発言に対応付ける点数に重み付けを行う
ことを特徴とする請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記参加者情報取得部は、
前記参加者の情報の階層が高い前記参加者が多くなることに伴い、前記発言に対応付ける前記点数を増大させるように重み付けを行う
ことを特徴とする請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記参加者情報取得部は、
前記複数の参加者の前記偏差値の平均値が低くなることに伴い、前記発言に対応付ける前記点数を低下させるように重み付けを行う
ことを特徴とする請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記情報レベル取得部は、
過去の前記会議で前記複数の端末装置に提供した前記情報の有用性に応じて前記情報のレベルを取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記情報レベル取得部は、
過去の前記会議での前記参加者の意見を数値化することによって前記情報の有用性の階層を取得する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記情報レベル取得部は、
過去の前記会議で提供した前記情報に対応する前記参加者の肯定的発言又は否定的発言を数値化することによって前記情報の有用性の階層を取得する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報提供装置。
【請求項10】
前記情報レベル取得部は、
過去の前記会議で提供した前記情報の表示が維持される時間を数値化することによって前記情報の有用性の階層を取得する
ことを特徴とする請求項7に記載の情報提供装置。
【請求項11】
前記情報レベル取得部は、
過去の前記会議で提供した前記情報が拡大表示されることに伴い、前記情報の有用性を増大させる
ことを特徴とする請求項7に記載の情報提供装置。
【請求項12】
前記情報レベル取得部は、
過去の前記会議で提供した前記情報の表示が繰り返されることに伴い、前記情報の有用性を増大させる
ことを特徴とする請求項7に記載の情報提供装置。
【請求項13】
前記情報レベル取得部は、
過去の前記会議で前記情報を提供した回数が増大することに伴い、前記情報の優先度を低下させる
ことを特徴とする請求項12に記載の情報提供装置。
【請求項14】
前記情報選定部は、
複数の前記第1情報の表示優先順位を前記会議のレベルに応じて設定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項15】
前記情報選定部は、
前記複数の前記第1情報の表示優先順位を前記参加者の情報及び前記第1情報のレベルに応じて設定する
ことを特徴とする請求項14に記載の情報提供装置。
【請求項16】
前記情報選定部は、
前記第1情報を対応する前記情報のレベルとともに前記第1表示部に表示させる
ことを特徴とする請求項15に記載の情報提供装置。
【請求項17】
前記情報選定部は、
前記第1情報のレベルと前記参加者の情報との差を補完する情報を前記第2情報として選定する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項18】
前記情報選定部は、
前記参加者が既知ではない前記情報を前記第2情報として選定し、前記会議の開始前に提供する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項19】
前記情報選定部は、
前記会議のレベルと前記参加者の情報との差が所定値より大きい場合には、前記会議に関連する情報を前記会議の開始前に提供する
ことを特徴とする請求項18に記載の情報提供装置。
【請求項20】
複数の参加者による意思伝達が行われる会議に関連する情報を前記複数の参加者に対応付けられる複数の端末装置(10)に提供する情報提供方法であって、
前記複数の参加者の前記会議での発言に基づいて前記複数の参加者の前記会議に関連する知識に係わる情報を取得する第1ステップと、
前記第1ステップによって取得される前記情報と前記会議の内容とに基づいて前記会議のレベルを取得する第2ステップと、
前記会議に関連する情報のレベルを取得する第3ステップと、
前記参加者の情報と、前記会議のレベルと、前記情報のレベルとに基づいて、前記複数の端末装置の各々に提供する情報を選定する第4ステップと
を含み、
前記第4ステップは、前記複数の端末装置の各々の第1表示部に共通に表示させる第1情報と、前記複数の端末装置の少なくとも1つの前記第1表示部と異なる第2表示部に表示させる第2情報とを選定する
ことを特徴とする情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば会議又は会話等で得られる音声データから検索キーワードを抽出し、検索キーワードに関連する情報をインターネット等の情報通信網から取得する情報端末が知られている(例えば、特許文献1参照)。この情報端末は、音声データから自動的に抽出した検索キーワードのうち、利用者によって選択された検索キーワードに関連する情報をリアルタイムに取得することによって、会議又は会話等の円滑な進行を促す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-297645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した従来技術の情報端末は、利用者の選択に応じた情報であっても、利用者にとって有用性が低い情報を提供するおそれがある。例えば、情報通信網から得られる膨大な情報には、難易度及び新しさ又は古さ等に応じて、利用者にとっての有用性が変動する情報が含まれる。利用者にとって難しすぎる情報又は陳腐化した情報等の有用性が低い情報が提供された場合、会議又は会話等の円滑な進行が抑制されてしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、会議の参加者に適正化された有用な情報を提供することができる情報提供装置及び情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は以下の態様を採用した。
本発明の一態様に係る情報提供装置(20)は、複数の参加者による意思伝達が行われる会議に関連する情報を前記複数の参加者に対応付けられる複数の端末装置(10)に提供する情報提供装置(20)であって、前記複数の参加者の前記会議での発言に基づいて前記複数の参加者の前記会議に関連する知識に係わる情報を取得する参加者情報取得部(25)と、前記参加者情報取得部によって取得される前記参加者の情報と前記会議の内容とに基づいて前記会議のレベルを取得する会議レベル取得部(26)と、前記会議に関連する情報のレベルを取得する情報レベル取得部(27)と、前記参加者の情報と、前記会議のレベルと、前記情報のレベルとに基づいて、前記複数の端末装置の各々に提供する情報を選定する情報選定部(28)とを備え、前記情報選定部は、前記複数の端末装置の各々の第1表示部に共通に表示させる第1情報と、前記複数の端末装置の少なくとも1つで前記第1表示部と異なる第2表示部に表示させる第2情報とを選定する。
【0007】
上記に記載の情報提供装置では、前記参加者情報取得部は、過去及び進行中の少なくともいずれかの前記会議での前記発言を数値化することによって前記参加者の情報の階層を取得してもよい。
【0008】
上記に記載の情報提供装置では、前記参加者情報取得部は、前記発言の数値化から偏差値を取得し、前記偏差値に応じて前記参加者の情報の階層を取得してもよい。
【0009】
上記に記載の情報提供装置では、前記参加者情報取得部は、前記参加者の情報の階層に応じて前記発言に対応付ける点数に重み付けを行ってもよい。
【0010】
上記に記載の情報提供装置では、前記参加者情報取得部は、前記参加者の情報の階層が高い前記参加者が多くなることに伴い、前記発言に対応付ける前記点数を増大させるように重み付けを行ってもよい。
【0011】
上記に記載の情報提供装置では、前記参加者情報取得部は、前記複数の参加者の前記偏差値の平均値が低くなることに伴い、前記発言に対応付ける前記点数を低下させるように重み付けを行ってもよい。
【0012】
上記に記載の情報提供装置では、前記情報レベル取得部は、過去の前記会議で前記複数の端末装置に提供した前記情報の有用性に応じて前記情報のレベルを取得してもよい。
【0013】
上記に記載の情報提供装置では、前記情報レベル取得部は、過去の前記会議での前記参加者の意見を数値化することによって前記情報の有用性の階層を取得してもよい。
【0014】
上記に記載の情報提供装置では、前記情報レベル取得部は、過去の前記会議で提供した前記情報に対応する前記参加者の肯定的発言又は否定的発言を数値化することによって前記情報の有用性の階層を取得してもよい。
【0015】
上記に記載の情報提供装置では、前記情報レベル取得部は、過去の前記会議で提供した前記情報の表示が維持される時間を数値化することによって前記情報の有用性の階層を取得してもよい。
【0016】
上記に記載の情報提供装置では、前記情報レベル取得部は、過去の前記会議で提供した前記情報が拡大表示されることに伴い、前記情報の有用性を増大させてもよい。
【0017】
上記に記載の情報提供装置では、前記情報レベル取得部は、過去の前記会議で提供した前記情報の表示が繰り返されることに伴い、前記情報の有用性を増大させてもよい。
【0018】
上記に記載の情報提供装置では、前記情報レベル取得部は、過去の前記会議で前記情報を提供した回数が増大することに伴い、前記情報の優先度を低下させてもよい。
【0019】
上記に記載の情報提供装置では、前記情報選定部は、複数の前記第1情報の表示優先順位を前記会議のレベルに応じて設定してもよい。
【0020】
上記に記載の情報提供装置では、前記情報選定部は、前記複数の前記第1情報の表示優先順位を前記参加者の情報及び前記第1情報のレベルに応じて設定してもよい。
【0021】
上記に記載の情報提供装置では、前記情報選定部は、前記第1情報を対応する前記情報のレベルとともに前記第1表示部に表示させてもよい。
【0022】
上記に記載の情報提供装置では、前記情報選定部は、前記第1情報のレベルと前記参加者の情報との差を補完する情報を前記第2情報として選定してもよい。
【0023】
上記に記載の情報提供装置では、前記情報選定部は、前記参加者が既知ではない前記情報を前記第2情報として選定し、前記会議の開始前に提供してもよい。
【0024】
上記に記載の情報提供装置では、前記情報選定部は、前記会議のレベルと前記参加者の情報との差が所定値より大きい場合には、前記会議に関連する情報を前記会議の開始前に提供してもよい。
【0025】
本発明の一態様に係る情報提供方法は、複数の参加者による意思伝達が行われる会議に関連する情報を前記複数の参加者に対応付けられる複数の端末装置(10)に提供する情報提供方法であって、前記複数の参加者の前記会議での発言に基づいて前記複数の参加者の前記会議に関連する知識に係わる情報を取得する第1ステップと、前記第1ステップによって取得される前記情報と前記会議の内容とに基づいて前記会議のレベルを取得する第2ステップと、前記会議に関連する情報のレベルを取得する第3ステップと、前記参加者の情報と、前記会議のレベルと、前記情報のレベルとに基づいて、前記複数の端末装置の各々に提供する情報を選定する第4ステップとを含み、前記第4ステップは、前記複数の端末装置の各々の第1表示部に共通に表示させる第1情報と、前記複数の端末装置の少なくとも1つの前記第1表示部と異なる第2表示部に表示させる第2情報とを選定する。
【発明の効果】
【0026】
上記によれば、会議の全参加者に提供する第1情報は、参加者の知識に係わる情報と、会議のレベルと、情報のレベルとに基づいて選定されるので、会議の全参加者の理解度を高めることができ、会議の円滑な進行を促すことができる。
情報選定部は、全員に提供する第1情報に加えて、個別に提供する第2情報を選定することによって、会議での各参加者の理解度を均等にすることができ、会議の円滑な進行をより一層に促すことができる。
参加者の知識に係わる情報と、会議のレベルと、情報のレベルとに基づいて選定される情報によれば、例えば、既知の情報が繰り返し提供される等の問題が生じることを抑制し、会議の参加者に適正化された有用な情報を提供することができる。
【0027】
上記の場合、会議での発言の数値化によって参加者の知識に係わる情報の階層を取得するので、各参加者の知識及び理解度等に応じて、適正化された有用な情報を提供することができる。
【0028】
上記の場合、発言の数値化から取得する偏差値に応じて参加者の知識に係わる情報の階層を取得するので、例えば参加者の数及び難易度等が異なる会議に対して参加者の知識に係わる情報の階層を適正に取得することができる。
【0029】
上記の場合、参加者の知識に係わる情報の階層に応じて発言に対応付ける点数に重み付けを行うので、参加者の発言を適正に評価することができる。
【0030】
上記の場合、例えば知識の高い参加者が多い会議では高度な議論が行われる可能性が高いので、発言に対応付ける点数を増大させることによって、参加者の知識及び理解度を適正に評価することができる。
【0031】
上記の場合、例えば知識の低い参加者が多い会議での多くの発言に対して点数を付与すると、より高度な会議等の他の会議との相対的な評価にアンバランスが生じるおそれがある。参加者の偏差値の平均値が低くなることに伴って、発言に対応付ける点数を低下させることによって、異なる会議で適正な評価を行うことができる。
【0032】
上記の場合、情報レベル取得部は、提供した情報の有用性に応じて情報のレベルを取得するので、例えば参加者が既知の情報等の不要な情報を提供することを防ぎ、適正な情報を提供することができる。
上記の場合、提供した情報に対する参加者の意見に応じて情報の有用性の階層を取得するので、提供した情報の参加者に対する有用性を適切に評価することができる。
【0033】
上記の場合、提供した情報に対応する参加者の肯定的発言又は否定的発言を数値化することによって情報の有用性の階層を取得するので、参加者による実際の対応に応じて提供した情報の有用性を適正に評価することができる。
【0034】
上記の場合、表示の維持又は拡大表示の有無に応じて情報の有用性を適正に評価することができる。
【0035】
上記の場合、過去の会議で提供した情報の表示が繰り返されることに伴い、参加者にとって有用性が高い情報であると認識することができ、情報の有用性を適正に増大させることができる。
【0036】
上記の場合、過去の会議で提供した回数が増大することに伴い、情報の陳腐化が進むと認識することができる。提供した回数が増大することに伴い、情報の優先度を低下させることによって、情報の優先度を適正に低下させることができる。
【0037】
上記の場合、複数の参加者に共通に提供する第1情報の表示優先順位を会議のレベルに応じて設定することにより、各参加者が有用な情報を容易に得やすくすることができる。
【0038】
上記の場合、複数の第1情報の表示優先順位を参加者の知識に係わる情報及び第1情報のレベルに応じて設定することにより、各参加者の会議での理解度を向上させることができる。例えば、参加者に対して難易度が高すぎる情報を下位に表示することによって、会議での理解度の低下が生じることを抑制することができる。
【0039】
上記の場合、第1情報をレベルとともに表示することによって、各参加者が知識及び理解度の程度に応じて順次に適切なレベルの情報を確認することができ、各参加者の理解度の向上を容易に促すことができる。
【0040】
上記の場合、第2情報は第1情報のレベルと参加者の知識に係わる情報との差を補完するので、参加者全員の理解度を向上させることができる。
【0041】
上記の場合、参加者が既知ではない情報(第2情報)を会議の開始前に提供するので、会議中に提供する情報が多くなることを抑制し、会議の円滑な進行を促すことができる。
【0042】
上記の場合、会議のレベルと参加者の知識に係わる情報との差が所定値より大きい場合に会議の開始前に情報を提供することによって、例えば会議の開始前に過剰な情報を提供することを抑制しながら、各参加者の知識及び理解度を向上させることができる。
【0043】
上記によれば、会議の参加者の全員に提供する第1情報は、参加者の知識に係わる情報と、会議のレベルと、情報のレベルとに基づいて選定されるので、会議での全ての参加者の理解度を高めることができ、会議の円滑な進行を促すことができる。
参加者の全員に提供する第1情報に加えて、個別に提供する第2情報を選定することによって、会議での各参加者の理解度を均等にすることができ、会議の円滑な進行をより一層に促すことができる。
参加者の知識に係わる情報と、会議のレベルと、情報のレベルとに基づいて選定される情報によれば、例えば、既知の情報が繰り返し提供される等の問題が生じることを抑制し、会議の参加者に適正化された有用な情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1】本発明の実施形態の情報提供システムに備えられる情報提供装置の機能構成を示すブロック図。
図2】本発明の実施形態の情報提供システムに備えられる端末装置の機能構成を示すブロック図。
図3】本発明の実施形態での会議中の端末装置の表示画面の一例を示す図。
図4】本発明の実施形態での会議開始前の端末装置の表示画面の一例を示す図。
図5】本発明の実施形態での情報提供装置の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0045】
以下、本発明の実施形態の情報提供装置及び情報提供方法について、添付図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態の情報提供システム1に備えられる情報提供装置20の機能構成を示すブロック図である。図2は、実施形態の情報提供システム1に備えられる端末装置10の機能構成を示すブロック図である。
実施形態の情報提供システム1は、複数の参加者による意思伝達が行われる会議で各参加者に会議に関連する情報を提供する。
図1に示すように、情報提供システム1は、例えば、複数の端末装置10と、情報提供装置20とを備える。複数の端末装置10と情報提供装置20とは、例えば、インターネット又は閉域ネットワーク等の情報通信網30を介して接続される。情報通信網30は、例えば、複数の端末装置10及び情報提供装置20に加えて、他のサーバ等に接続されてもよい。
【0046】
端末装置10は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末及びスマートフォン等の情報端末である。複数の端末装置10は、会議の複数の参加者の各々に1つずつ対応付けられている。
図2に示すように、端末装置10は、例えば、マイク11と、カメラ12と、入力機器13と、通信機器14と、スピーカー15と、表示機器16とを備える。
マイク11は、操作者(会議の参加者)の音声を収音して、音声の信号を出力する。
カメラ12は、操作者を撮像して、撮像画像の信号を出力する。
入力機器13は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル及び操作ボタン等である。入力機器13は、操作者の入力操作を受け付け、入力操作に応じた信号を出力する。
通信機器14は、例えば有線及び無線のネットワークのインターフェースである。通信機器14は、情報通信網30を介して情報提供装置20及び他のサーバ等と通信を行う。
スピーカー15は、例えば情報提供装置20から受け取る会議の参加者の音声等の音を出力する。
表示機器16は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等のディスプレイである。表示機器16は、例えば情報提供装置20から受け取る会議に関する情報及び情報通信網30に接続された他のサーバから取得する会議に関する情報等の各種情報を表示する。
【0047】
制御装置17は、端末装置10の動作を制御する。制御装置17は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能するソフトウェア機能部である。ソフトウェア機能部は、CPUなどのプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)及びタイマーなどの電子回路を備えるECU(Electronic Control Unit)である。なお、制御装置17の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路であってもよい。
【0048】
制御装置17は、情報提供装置20に接続される複数の端末装置10を用いる会議が行われる場合、例えばマイク11、カメラ12及び入力機器13の各々の出力に応じた信号等を情報提供装置20に送信する。制御装置17は、情報提供装置20から提供される会議に関する情報及び参加者の発言のデータ等を受信し、受信した信号に応じてスピーカー15及び表示機器16の動作を制御する。
【0049】
図1に示すように、情報提供装置20は、例えば、通信機器21と、記憶装置22と、制御装置23とを備える。
通信機器21は、例えば有線及び無線のネットワークのインターフェースである。通信機器21は、情報通信網30を介して複数の端末装置10及び他のサーバ等と通信を行う。
記憶装置22は、制御装置23の動作に用いられるデータ及び制御装置23の動作によって生成されるデータ等を記憶する。例えば、記憶装置22は、過去の会議での議事録、過去の会議での参加者の情報、過去の会議で参加者に提供した情報及び将来の会議に関連する情報等を記憶する。
【0050】
制御装置23は、情報提供装置20の動作を制御する。制御装置23は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサによって所定のプログラムが実行されることにより機能するソフトウェア機能部である。ソフトウェア機能部は、CPUなどのプロセッサ、プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)及びタイマーなどの電子回路を備えるECU(Electronic Control Unit)である。なお、制御装置23の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)などの集積回路であってもよい。
【0051】
制御装置23は、例えば、発言認識部24と、参加者情報取得部25と、会議レベル取得部26と、情報レベル取得部27と、情報選定部28とを備える。
発言認識部24は、会議の進行中に複数の端末装置10の各々から送信される各参加者の発言のデータを取得する。各参加者の発言のデータは、例えば音声又は文字入力により生成されたテキスト等である。発言認識部24は、音声のデータに対して所定の音声認識モデルによる音声認識処理を実行し、音声の発話内容をテキストに変換する。発言認識部24は、各参加者の発言のテキストを参加者情報取得部25に出力する。
【0052】
参加者情報取得部25は、発言認識部24から出力される各参加者の発言のテキスト並びに記憶装置22から取得する過去の会議の議事録及び参加者の情報に基づいて、各参加者の会議に関連する知識に係わる情報を取得する。各参加者の会議に関連する知識に係わる情報は、例えば、会議に関連する知識のレベル(参加者のレベル)等である。参加者情報取得部25は、例えば、会議の進行中に発言認識部24から出力される各参加者の発言のテキストに基づき、各参加者の発言を数値化することによって複数の参加者の情報(例えば、知識のレベル等)の階層を取得する。参加者情報取得部25は、例えば、会議の開催前に記憶装置22から取得する過去の会議の議事録及び参加者の情報に基づき、過去の会議での各参加者の発言を数値化することによって複数の参加者の知識のレベルの階層を取得する。
【0053】
参加者情報取得部25は、例えば、発言の数値化から偏差値を取得し、偏差値に応じて参加者のレベルの階層を取得する。参加者情報取得部25は、例えば、参加者のレベルの階層に応じて発言に対応付ける点数に重み付けを行う。参加者情報取得部25は、例えば、参加者のレベルの階層が高い参加者が多くなることに伴い、発言に対応付ける点数を増大させるように重み付けを行う。参加者情報取得部25は、例えば、複数の参加者の偏差値の平均値が低くなることに伴い、発言に対応付ける点数を低下させるように重み付けを行う。
【0054】
例えば、参加者情報取得部25は、各会議での参加者の知識のレベルに応じて、1回の発言に対して付与するポイント(発言ポイント)αを設定する。発言ポイントαは、例えば、会議の参加人数mと、専門性に置換した人数kとによって、α=k/mで算出される。専門性に置換した人数kは、例えば、専門性が高いと定義するポイントの偏差値y(例えば、y=60等)と、全参加者のポイントの偏差値の総数zとによって、k=z/yで算出される。
例えば、下記表1に示すように、相対的に参加者のレベルが高い第1会議の場合、専門性に置換した人数kは、専門性が高いと定義するポイントの偏差値y(=60)と、偏差値の総数z(=165.5)とによって、k=2.75である。第1会議での発言ポイントαは、各会議の参加人数m(=3)と、専門性に置換した人数k(=2.75)とによって、α=0.9である。
例えば、下記表1に示すように、相対的に参加者のレベルが低い第2会議の場合、専門性に置換した人数kは、専門性が高いと定義するポイントの偏差値y(=60)と、偏差値の総数z(=126.7)とによって、k=2.1である。第2会議での発言ポイントαは、各会議の参加人数m(=3)と、専門性に置換した人数k(=2.1)とによって、α=0.7である。
【0055】
【表1】
【0056】
なお、参加者情報取得部25は、任意の参加者のポイントの偏差値Xを、下記数式(1)に示すように算出する。
下記数式(1)に示すように、全ての参加者のポイントの平均値aは、参加者の総数nと、任意の自然数i(=1,…,n)と、任意の参加者のポイント(得点)xとによって記述される。全ての参加者のポイントの標準偏差sは、参加者の総数nと、任意の自然数i(=1,…,n)と、任意の参加者のポイントxと、全ての参加者のポイントの平均値aとによって記述される。任意の参加者のポイントの偏差値Xは、任意の自然数i(=1,…,n)と、任意の参加者のポイントxと、全ての参加者のポイントの平均値aと、標準偏差sとによって記述される。
【0057】
【数1】
【0058】
参加者情報取得部25は、参加者のレベルを参加者のポイントの偏差値Xに応じて設定する。例えば参加者のレベルが1である場合、偏差値Xは25から35程度である。例えば参加者のレベルが2である場合、偏差値Xは35から45程度である。例えば参加者のレベルが3である場合、偏差値Xは45から55程度である。例えば参加者のレベルが4である場合、偏差値Xは55から65程度である。例えば参加者のレベルが5である場合、偏差値Xは65から75程度である。
【0059】
会議レベル取得部26は、参加者情報取得部25によって取得される参加者のレベルと、会議の内容とに基づいて会議のレベルを取得する。会議の内容は、例えば会議の件名、議題の技術内容及び概要等の情報である。
会議レベル取得部26は、例えば、各会議の参加人数mと、全参加者のポイントの偏差値の総数zとによる平均偏差値(=z/m)に基づいて会議のレベルを設定する。例えば会議のレベルが1である場合、平均偏差値は25から35程度である。例えば会議のレベルが2である場合、平均偏差値は35から45程度である。例えば会議のレベルが3である場合、平均偏差値は45から55程度である。例えば会議のレベルが4である場合、平均偏差値は55から65程度である。例えば会議のレベルが5である場合、平均偏差値は65から75程度である。
【0060】
情報レベル取得部27は、複数の端末装置10に提供する会議に関連する情報(提供情報)のレベルを取得する。会議に関連する情報(提供情報)は、例えば、情報通信網30の適宜のサーバ及び記憶装置22から取得されるウェブページ等のデータ及び各種ファイル等である。各種ファイルは、例えば、文書ファイル、画像ファイル、音声ファイル及び動画ファイル等である。
例えば、インターネット上の適宜のサーバで提供されている情報、論文、ニュース記事及びコラム等の情報のレベルは、1から4程度である。例えば、社内会議の録画データ等の情報のレベルは、3から4程度である。例えば、社内資料等の情報のレベルは、4から5程度である。なお、例えば1から5の情報のレベルでは、数値が大きくなるほど、難度及び専門性が高い情報である。また、例えば、社内会議の録画データ及び社内資料等の各々の情報のレベルは、会議の内容、時間経過及び提供回数等に応じて変化してもよい。例えば、会議の内容に応じたレベルが高い場合、社内会議の録画データ等の情報のレベルは、4から5程度に大きくなるように変化してもよい。例えば、時間経過及び提供回数等が増大することに伴い、社内会議の録画データ及び社内資料等の各々の情報のレベルは、2から3程度又は1から2程度等に小さくなるように変化してもよい。つまり、社内会議の録画データ及び社内資料等の各々の情報のレベルは、例えば、1から5の間で変化してもよい。
【0061】
情報レベル取得部27は、例えば、過去の会議での提供情報の有用性に応じて提供情報のレベルを取得する。情報レベル取得部27は、例えば、過去の会議での複数の参加者に対する質問調査により得られる提供情報に関する意見を数値化することによって提供情報の有用性の階層を取得する。情報レベル取得部27は、例えば、過去の会議での提供情報に対応する参加者の肯定的発言又は否定的発言を数値化することによって提供情報の有用性の階層を取得する。情報レベル取得部27は、例えば、過去の会議での各端末装置10で提供情報の表示が維持される時間を数値化することによって提供情報の有用性の階層を取得する。情報レベル取得部27は、例えば、過去の会議での各端末装置10で提供情報が拡大表示されることに伴い、提供情報の有用性を増大させる。情報レベル取得部27は、例えば、過去の会議での各端末装置10で提供情報の表示が繰り返されることに伴い、提供情報の有用性を増大させる。情報レベル取得部27は、例えば、過去の会議での提供回数が増大することに伴い、提供情報の優先度を低下させる。
【0062】
情報選定部28は、参加者のレベルと、会議のレベルと、情報のレベルとに基づいて、複数の端末装置10の各々に提供する情報を選定する。情報選定部28は、各端末装置10の表示機器16の異なる表示部に表示させる複数の情報を選定する。
図3は、実施形態での会議中の端末装置10の表示画面の一例を示す図である。図4は、実施形態での会議開始前の端末装置10の表示画面の一例を示す図である。
図3及び図4に示すように、情報選定部28は、例えば、複数の端末装置10の各々の第1表示部31に共通に表示させる第1情報と、複数の端末装置10の少なくとも1つで第1表示部31と異なる第2表示部32に表示させる第2情報とを選定する。
第1情報は、例えば、情報レベル取得部27によって取得される情報のレベルのうち会議のレベルに対応するレベルの情報であって、参加者全員に共通に提供される。
第2情報は、例えば、情報レベル取得部27によって取得される情報のレベルのうち各参加者のレベルに対応するレベルの情報であって、各参加者に個別に提供される。第2情報は、例えば、相対的に知識が不足している参加者に第1情報の補完用に提供される情報である。
【0063】
なお、図3に示すように、会議中の各端末装置10の表示画面は、例えば、第1表示部31と、第2表示部32と、第3表示部33とを備える。第1表示部31は、例えば、複数の第1情報の項目を表示するリスト表示部31aと、リスト表示部31aから選択された第1情報の内容を確認するためのプレビュー表示部31bとを備える。第2表示部32は、例えば、複数の第2情報の項目を表示するリスト表示部32aと、リスト表示部32aから選択された第2情報の内容を確認するためのプレビュー表示部32bとを備える。第3表示部33は、例えば、会議の参加者及び資料等を表示する。
また、図4に示すように、会議開始前の各端末装置10の表示画面は、例えば、第1表示部34と、第2表示部35と、第3表示部36とを備える。第1表示部34は、例えば、複数の第1情報の項目及び会議の進行表等を表示する。第2表示部35は、例えば、複数の第2情報の項目及び未参加の会議に関連する情報等を表示する。第3表示部36は、例えば、会議の参加案内等を表示する。
【0064】
情報選定部28は、例えば、複数の第1情報の表示優先順位を会議のレベルに応じて設定する。情報選定部28は、例えば、複数の第1情報の表示優先順位を第1情報のレベルに応じて設定する。情報選定部28は、例えば、第1情報のレベルが高くなることに伴い、第1情報の表示優先順位を低下させる。情報選定部28は、例えば、第1情報を対応する情報のレベルとともに表示させる。
情報選定部28は、例えば、第1情報のレベルと参加者のレベルとの差を補完する情報を第2情報として選定する。
情報選定部28は、例えば、参加者が既知ではない情報を第2情報として選定し、会議の開始前に提供する。
情報選定部28は、例えば、会議のレベルと参加者のレベルとの差が所定値より大きい場合には、会議に関連する情報を会議の開始前に提供してもよい。
【0065】
例えば、下記表2に示すように、会議のレベルが5、第1情報のレベルが5、参加者のレベルが5である場合、第2情報のレベルは5に設定される。
例えば、会議のレベルが5、第1情報のレベルが5、参加者のレベルが4である場合、第2情報のレベルは4及び5に設定され、レベルが4である第2情報はレベルが5である第2情報よりも優先的に表示されるように設定される。
例えば、会議のレベルが5、第1情報のレベルが5、参加者のレベルが3である場合、第2情報のレベルは3、4及び5に設定され、レベルが3である第2情報はレベルが4及び5である第2情報よりも優先的に表示されるように設定される。
例えば、会議のレベルが4、第1情報のレベルが4、参加者のレベルが5である場合、第2情報は選定されない。
例えば、会議のレベルが4、第1情報のレベルが4、参加者のレベルが4である場合、第2情報は選定されない。
例えば、会議のレベルが4、第1情報のレベルが4、参加者のレベルが3である場合、第2情報のレベルは3及び4に設定され、レベルが3である第2情報はレベルが4である第2情報よりも優先的に表示されるように設定される。
【0066】
【表2】
【0067】
以下、情報提供装置20の動作として、制御装置23が実行する処理について説明する。図5は、実施形態での情報提供装置20の動作を示すフローチャートである。
【0068】
先ず、図5に示すステップS11にて、参加者情報取得部25は、発言認識部24から出力される各参加者の発言のテキスト並びに記憶装置22から取得する過去の会議の議事録及び参加者の情報に基づいて、各参加者の会議に関連する知識のレベル(参加者のレベル)を取得する。
次に、ステップS12にて、会議レベル取得部26は、参加者情報取得部25によって取得される参加者のレベルと、会議の内容とに基づいて会議のレベルを取得する。
次に、ステップS13にて、情報レベル取得部27は、複数の端末装置10に提供する会議に関連する情報(提供情報)のレベルを取得する。
次に、ステップS14にて、情報選定部28は、参加者のレベルと、会議のレベルと、情報のレベルとに基づいて、複数の端末装置10の各々に提供する情報を選定する。
次に、ステップS15にて、制御装置23は、情報選定部28によって各参加者に対して選定された情報を参加者に対応する端末装置10に送信する。
そして、制御装置23は、処理をエンドに進める。
【0069】
上述したように、実施形態の情報提供装置20は、会議の全参加者に提供する第1情報を、参加者の知識に係わる情報と、会議のレベルと、情報のレベルとに基づいて選定するので、会議の全参加者の理解度を高めることができ、会議の円滑な進行を促すことができる。
情報選定部28は、全員に提供する第1情報に加えて、個別に提供する第2情報を選定することによって、会議での各参加者の理解度を均等にすることができ、会議の円滑な進行をより一層に促すことができる。
参加者の知識に係わる情報と、会議のレベルと、情報のレベルとに基づいて選定される情報によれば、例えば、既知の情報が繰り返し提供される等の問題が生じることを抑制し、会議の参加者に適正化された有用な情報を提供することができる。
【0070】
(変形例)
以下、実施形態の変形例について説明する。なお、上述した実施形態と同一部分については、同一符号を付して説明を省略又は簡略化する。
上述した実施形態では、会議の参加者の発言は、口頭に限らず、文字入力による文書で意見を述べる場合を含んでもよい。本願での会議は、複数の参加者間で意思伝達を行うことである。本願での発言は、言語を用いて意思を伝達することであり、音声により意思を伝達することに限らず、文字によるテキスト等の他の種別の情報媒体により意思を伝達してもよい。文字入力の場合、発言認識部24は、音声認識処理を省略して、直接的にテキストを作成してもよい。
上述した実施形態では、端末装置10はマイク11を備えるとしたが、これに限定されず、情報提供装置20は、複数の入力部(マイク)を各端末装置10とは別に備えてもよい。例えば、情報提供装置20は、複数のマイクから取得する音声信号に対して音源定位等の処理を行なうことによって話者を同定してもよい。
上述した実施形態では、複数の端末装置10は情報通信網30を介して情報提供装置20に接続されるとしたが、これに限定されず、例えば適宜のバスを介した有線接続等によって、直接的に情報提供装置20に接続されてもよい。
【0071】
なお、各参加者に個別に提供される第2情報は、例えば、参加者が内部又は外部のメンバーであるか否かに応じて変更されてもよい。例えば、社内の従業員には社内情報を提供し、社外の参加者には一般情報を提供してもよい。例えば、社内の同じ組織のメンバーには社内のチーム内の情報を提供してもよい。
なお、参加者全員に共通に提供される第1情報及び各参加者に個別に提供される第2情報の各々の言語は、例えば、会議及び参加者の使用言語に応じて変更されてもよい。例えば、会議が第1言語(例えば、英語等)で行われ、参加者は第2言語(例えば、日本語等)を主に使用している場合、第1情報は第1言語で提供され、第2情報は第2言語で提供されてもよい。
なお、各参加者に個別に提供される第2情報は、例えば、各参加者の専門性に応じて変更されてもよい。例えば、社内の会議での共通画面に前回の議事録又は資料等を表示している場合、技術開発者には他社の技術情報を提供し、マーケティング部の参加者には他社の競合商品又は競合サービス等の情報を提供し、知財部門の参加者には他社の特許に関連する情報を提供してもよい。
参加者情報取得部25は、各参加者の会議に関連する知識に係わる情報として、会議に関連する知識のレベル(参加者のレベル)に限らず、例えば参加者の分類、属性及び特性等を取得してもよい。例えば、参加者の属性は、社内及び社外の参加者の属性、若手、中堅及び専門的な知識を有する参加者の属性、社内の各部門(例えば、技術開発部、マーケティング部門及び知財部門等)による属性、使用言語による属性並びに年齢、性別及び所在地等に関する属性等であってもよい。
【0072】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0073】
1…情報提供システム、10…端末装置、20…情報提供装置、23…制御装置、24…発言認識部、25…参加者情報取得部、26…会議レベル取得部、27…情報レベル取得部、28…情報選定部。
図1
図2
図3
図4
図5