(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031386
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】高周波モジュールおよび通信装置
(51)【国際特許分類】
H04B 1/18 20060101AFI20240229BHJP
H04B 1/00 20060101ALI20240229BHJP
H03F 1/26 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
H04B1/18 D
H04B1/00 260
H04B1/00 257
H03F1/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134904
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 大介
【テーマコード(参考)】
5J500
5K062
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA53
5J500AC50
5J500AC52
5J500AC81
5J500AC92
5J500AF10
5J500AH25
5J500AH33
5J500AH39
5J500AK44
5J500AK66
5J500AQ06
5J500AS13
5J500AT01
5J500AT05
5J500LV07
5K062AB05
5K062AC01
5K062AD04
5K062AE02
5K062BA01
5K062BB03
5K062BC01
(57)【要約】
【課題】増幅器出力の過渡応答特性の劣化が抑制された高周波モジュールを提供する。
【解決手段】高周波モジュール1は、低雑音増幅器11および12と、共通端子21a、選択端子21bおよび21cを有するスイッチ21と、選択端子21bに接続されたフィルタ41と、選択端子21cに接続されたフィルタ43と、フィルタ42と、共通端子21aと低雑音増幅器11の入力端との間に接続されたインダクタ31と、フィルタ42と低雑音増幅器12の入力端との間に接続されたインダクタ32と、共通端子21aと低雑音増幅器11の入力端とを結ぶ受信経路10とグランドとの間に接続されたスイッチ23と、フィルタ42と低雑音増幅器12の入力端とを結ぶ受信経路20とグランドとの間に接続されたスイッチ24と、受信経路10と受信経路20との間に接続されたインダクタ30と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1増幅器と、
第2増幅器と、
第1共通端子、第1選択端子および第2選択端子を有する第1スイッチと、
前記第1選択端子に接続された第1フィルタと、
前記第2選択端子に接続された第2フィルタと、
第3フィルタと、
前記第1共通端子と前記第1増幅器の入力端との間に接続された第1インダクタと、
前記第3フィルタと前記第2増幅器の入力端との間に接続された第2インダクタと、
前記第1共通端子と前記第1増幅器の入力端とを結ぶ第1経路とグランドとの間に接続された第2スイッチと、
前記第3フィルタと前記第2増幅器の入力端とを結ぶ第2経路とグランドとの間に接続された第3スイッチと、
前記第1経路と前記第2経路との間に接続された第3インダクタと、を備える、
高周波モジュール。
【請求項2】
前記第1増幅器がオン状態の場合、前記第1共通端子と前記第1選択端子および前記第2選択端子の一方とが接続され、前記第2スイッチが非導通状態となり、前記第3スイッチが導通状態となり、
前記第2増幅器がオン状態の場合、前記第3スイッチが非導通状態となり、前記第2スイッチが導通状態となる、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項3】
さらに、
第2共通端子、第3選択端子および第4選択端子を有する第4スイッチと、
前記第4選択端子に接続された第4フィルタと、を備え、
前記第2経路は、前記第2共通端子と前記第2増幅器の入力端とを結び、
前記第3フィルタは、前記第3選択端子に接続され、
前記第2インダクタは、前記第2共通端子と前記第2増幅器の入力端との間に接続されている、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項4】
前記第1増幅器がオン状態の場合、前記第1共通端子と前記第1選択端子および前記第2選択端子の一方とが接続され、前記第2スイッチが非導通状態となり、前記第3スイッチが導通状態となり、
前記第2増幅器がオン状態の場合、前記第2共通端子と前記第3選択端子および前記第4選択端子の一方とが接続され、前記第3スイッチが非導通状態となり、前記第2スイッチが導通状態となる、
請求項3に記載の高周波モジュール。
【請求項5】
前記第3インダクタのインダクタンス値は、前記第1インダクタのインダクタンス値よりも大きく、かつ、前記第2インダクタのインダクタンス値よりも大きい、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項6】
前記第2スイッチは、前記第1経路のうちの前記第1インダクタと前記第1増幅器の入力端とを結ぶ経路とグランドとの間に接続され、
前記第3スイッチは、前記第2経路のうちの前記第2インダクタと前記第2増幅器の入力端とを結ぶ経路とグランドとの間に接続されている、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項7】
前記第2スイッチは、前記第1経路のうちの前記第1共通端子と前記第1インダクタとを結ぶ経路とグランドとの間に接続され、
前記第3スイッチは、前記第2経路のうちの前記第3フィルタと前記第2インダクタとを結ぶ経路とグランドとの間に接続されている、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項8】
さらに、
前記第1経路とグランドとの間に、前記第2スイッチと直列接続された第1抵抗と、
前記第2経路とグランドとの間に、前記第3スイッチと直列接続された第2抵抗と、を備える、
請求項1に記載の高周波モジュール。
【請求項9】
さらに、
第1主面、第2主面および第3主面を有するモジュール基板を備え、
前記第1主面と前記第2主面とは対向し、
前記第3主面と前記第2主面とは対向し、
前記第1主面と前記第2主面との距離は、前記第3主面と前記第2主面との距離よりも大きく、
前記第1インダクタおよび前記第2インダクタは、前記第3主面に配置され、
前記第3インダクタは、前記第1主面に配置されている、
請求項1~8のいずれか1項に記載の高周波モジュール。
【請求項10】
前記第1フィルタ、前記第2フィルタおよび前記第3フィルタは、前記第1主面に配置され、
前記第1増幅器、前記第2増幅器、前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、および前記第3スイッチは、前記第2主面に配置されている、
請求項9に記載の高周波モジュール。
【請求項11】
前記第1増幅器、前記第2増幅器、前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、および前記第3スイッチは、前記第2主面に配置された半導体ICに含まれている、
請求項10に記載の高周波モジュール。
【請求項12】
高周波信号を処理する信号処理回路と、
前記信号処理回路とアンテナとの間で前記高周波信号を伝送する、請求項1~8のいずれか1項に記載の高周波モジュールと、を備える、
通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波モジュールおよび通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(
図4B)には、第1低雑音増幅器および第2低雑音増幅器と、第1フィルタおよび第2フィルタと、第1低雑音増幅器と第1フィルタとの接続および第2低雑音増幅器と第2フィルタとの接続を切り替えるスイッチと、当該スイッチと第1低雑音増幅器との間に接続された第1整合回路と、当該スイッチと第2低雑音増幅器との間に接続された第2整合回路と、を備えるフロントエンドモジュール(高周波モジュール)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された高周波モジュールでは、第1フィルタと第1低雑音増幅器とを結ぶ第1経路、および、第2フィルタと第2低雑音増幅器とを結ぶ第2経路のうち、高周波信号を伝送する経路は直流的な電位が不安定であるため、増幅器出力の過渡応答特性が劣化するという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、増幅器出力の過渡応答特性の劣化が抑制された高周波モジュールおよび通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る高周波モジュールは、第1増幅器と、第2増幅器と、第1共通端子、第1選択端子および第2選択端子を有する第1スイッチと、第1選択端子に接続された第1フィルタと、第2選択端子に接続された第2フィルタと、第3フィルタと、第1共通端子と第1増幅器の入力端との間に接続された第1インダクタと、第3フィルタと第2増幅器の入力端との間に接続された第2インダクタと、第1共通端子と第1増幅器の入力端とを結ぶ第1経路とグランドとの間に接続された第2スイッチと、第3フィルタと第2増幅器の入力端とを結ぶ第2経路とグランドとの間に接続された第3スイッチと、第1経路と第2経路との間に接続された第3インダクタと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、増幅器出力の過渡応答特性の劣化が抑制された高周波モジュールおよび通信装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態に係る高周波モジュールおよび通信装置の回路構成図である。
【
図2A】実施の形態に係る高周波モジュールのバンドAの信号伝送時の回路状態を示す図である。
【
図2B】実施の形態に係る高周波モジュールのバンドCの信号伝送時の回路状態を示す図である。
【
図3A】比較例1に係る高周波モジュールの回路構成図である。
【
図3B】比較例2に係る高周波モジュールの回路構成図である。
【
図4A】実施の形態および比較例1に係る高周波モジュールの低雑音増幅器の入力インピーダンスを示すスミスチャートである。
【
図4B】実施の形態および比較例1に係る高周波モジュールの出力の過渡応答特性を示すグラフである。
【
図5A】変形例1に係る高周波モジュールの回路構成図である。
【
図5B】変形例2に係る高周波モジュールの回路構成図である。
【
図5C】変形例3に係る高周波モジュールの回路構成図である。
【
図6】実施の形態に係る高周波モジュールの平面図および断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。以下の実施例および変形例における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、図面に示される構成要素の大きさまたは大きさの比は、必ずしも厳密ではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化する場合がある。
【0010】
また、本開示において、平行および垂直等の要素間の関係性を示す用語、および、矩形状等の要素の形状を示す用語、ならびに、数値範囲は、厳格な意味のみを表すのではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する。
【0011】
また、本開示において、「接続される」とは、接続端子および/または配線導体で直接接続される場合だけでなく、他の回路素子を介して電気的に接続される場合も含むことを意味する。また、「AとBとの間に接続される」、「AおよびBの間に接続される」とは、AおよびBを結ぶ経路上でAおよびBと接続されることを意味する。
【0012】
また、本開示において、基板の平面視とは、基板および基板に実装された回路素子を基板の主面に平行な平面に正投影して見ることを意味する。
【0013】
また、本開示の部品配置において、「部品が基板に配置される」とは、部品が基板の主面上に配置されること、および、部品が基板内に配置されることを含む。「部品が基板の主面上に配置される」とは、部品が基板の主面に接触して配置されることに加えて、部品が主面と接触せずに当該主面の上方に配置されること(例えば、部品が主面と接触して配置された他の部品上に積層されること)を含む。また、「部品が基板の主面に配置される」は、主面に形成された凹部に部品が配置されることを含んでもよい。「部品が基板内に配置される」とは、部品がモジュール基板内にカプセル化されることに加えて、部品の全部が基板の両主面の間に配置されているが部品の一部が基板に覆われていないこと、および、部品の一部のみが基板内に配置されていることを含む。
【0014】
また、本開示において、「経路」とは、高周波信号が伝搬する配線、当該配線に直接接続された電極、および当該配線または当該電極に直接接続された端子等で構成された伝送線路であることを意味する。
【0015】
また、本開示において、「部品Aが経路Bに直列配置される」とは、部品Aの信号入力端および信号出力端の双方が、経路Bを構成する配線、電極、または端子に接続されていることを意味する。
【0016】
(実施の形態)
[1 高周波モジュール1および通信装置4の構成]
本実施の形態に係る高周波モジュール1および通信装置4の回路構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係る高周波モジュール1および通信装置4の回路構成図である。
【0017】
[1.1 通信装置4の回路構成]
まず、本実施の形態に係る通信装置4の回路構成について説明する。通信装置4は、通信システムで用いられる装置であり、例えばスマートフォンまたはタブレットコンピュータなどの携帯端末である。
図1に示すように、通信装置4は、高周波モジュール1と、アンテナ2と、RF信号処理回路(RFIC)3と、を備える。
【0018】
高周波モジュール1は、アンテナ2とRFIC3との間で高周波信号を伝送する。本実施の形態では、高周波モジュール1は、高周波信号の一例である受信信号を伝送するが、これに限定されない。高周波モジュール1は、高周波信号の一例である送信信号を伝送してもよい。高周波モジュール1の詳細な回路構成については後述する。
【0019】
アンテナ2は、高周波モジュール1のアンテナ接続端子100に接続され、外部から高周波信号を受信して高周波モジュール1へ出力する。アンテナ2は、高周波モジュール1から出力された高周波信号を送信してもよい。
【0020】
RFIC3は、高周波信号を処理する信号処理回路の一例である。具体的には、RFIC3は、高周波モジュール1の受信経路を介して入力された受信信号をダウンコンバートなどにより信号処理し、当該信号処理して生成された受信信号をベースバンド信号処理回路(BBIC、図示せず)へ出力する。また、RFIC3は、BBICから入力された送信信号をアップコンバートなどにより信号処理し、当該信号処理して生成された送信信号を、高周波モジュール1の送信経路に出力してもよい。また、RFIC3は、高周波モジュール1が有するスイッチおよび増幅器などを制御する制御部を有する。RFIC3の制御部は、例えば、高周波モジュール1が有する各増幅器に供給される電源電圧およびバイアス電圧を制御する。
【0021】
なお、RFIC3の制御部としての機能の一部又は全部は、RFIC3の外部に実装されてもよく、例えば、BBICまたは高周波モジュール1に実装されてもよい。
【0022】
なお、
図1に示された通信装置4の回路構成は、例示であり、これに限定されない。例えば、通信装置4は、アンテナ2を備えなくてもよい。あるいは、通信装置4は、複数のアンテナ2を備えてもよい。
【0023】
[1.2 高周波モジュール1の回路構成]
次に、本実施の形態に係る高周波モジュール1の回路構成について説明する。
【0024】
図1に示すように、高周波モジュール1は、低雑音増幅器11および12と、フィルタ41、42、43および44と、スイッチ21、22、23、24、25および26と、インダクタ30、31および32と、アンテナ接続端子100と、信号出力端子110と、を備える。
【0025】
アンテナ接続端子100は、アンテナ2に接続されている。アンテナ接続端子100には、アンテナ2で受信された受信信号が入力される。
【0026】
信号出力端子110は、RFIC3に接続されている。信号出力端子110からは、高周波モジュール1を伝送した受信信号が出力される。
【0027】
低雑音増幅器11は、第1増幅器の一例であり、スイッチ21とスイッチ26との間に接続されている。低雑音増幅器11は、アンテナ接続端子100から入力されたバンドAおよびバンドBの受信信号を増幅する。低雑音増幅器11の入力端はインダクタ31の一端に接続され、低雑音増幅器11の出力端はスイッチ26の選択端子26bに接続されている。
【0028】
低雑音増幅器12は、第2増幅器の一例であり、スイッチ22とスイッチ26との間に接続されている。低雑音増幅器12は、アンテナ接続端子100から入力されたバンドCよびバンドDの受信信号を増幅する。低雑音増幅器12の入力端はインダクタ32の一端に接続され、低雑音増幅器12の出力端はスイッチ26の選択端子26cに接続されている。
【0029】
スイッチ21は、第1スイッチの一例であり、共通端子21a(第1共通端子)、選択端子21b(第1選択端子)および21c(第2選択端子)を有し、共通端子21aと選択端子21bとの接続および共通端子21aと選択端子21cとの接続を切り替える。共通端子21aはインダクタ31の他端およびインダクタ30の一端に接続され、選択端子21bはフィルタ41の一端に接続され、選択端子21cはフィルタ43の一端に接続されている。スイッチ21は、例えばSPDT(Single-Pole Double-Throw)型のスイッチ回路で構成される。
【0030】
スイッチ22は、第4スイッチの一例であり、共通端子22a(第2共通端子)、選択端子22b(第3選択端子)および22c(第4選択端子)を有し、共通端子22aと選択端子22bとの接続および共通端子22aと選択端子22cとの接続を切り替える。共通端子22aはインダクタ32の他端およびインダクタ30の他端に接続され、選択端子22bはフィルタ42の一端に接続され、選択端子22cはフィルタ44の一端に接続されている。スイッチ22、例えばSPDT型のスイッチ回路で構成される。
【0031】
フィルタ41は、第1フィルタの一例であり、バンドAの少なくとも一部を通過帯域に含む。フィルタ43は、第2フィルタの一例であり、バンドBの少なくとも一部を通過帯域に含む。フィルタ42は、第3フィルタの一例であり、バンドCの少なくとも一部を通過帯域に含む。フィルタ44は、第4フィルタの一例であり、バンドDの少なくとも一部を通過帯域に含む。
【0032】
なお、バンドA~Dは、標準化団体など(例えば3GPP(登録商標)およびIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)等)によって予め定義された無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)を用いて構築される通信システムのための周波数バンドである。通信システムとしては、例えば5G-NR(5th Generation New Radio)システム、LTE(Long Term Evolution)システムおよびWLAN(Wireless Local Area Network)システム等を用いることができるが、これに限定されない。
【0033】
インダクタ31は、第1インダクタの一例であり、共通端子21aと低雑音増幅器11の入力端との間に接続されている。インダクタ32は、第2インダクタの一例であり、共通端子22aと低雑音増幅器12の入力端との間に接続されている。インダクタ30は、第3インダクタの一例であり、共通端子21aと低雑音増幅器11の入力端とを結ぶ受信経路10(第1経路)と、共通端子22aと低雑音増幅器12の入力端とを結ぶ受信経路20(第2経路)との間に接続されている。
【0034】
スイッチ23は、第2スイッチの一例であり、受信経路10とグランドとの間に接続されている。スイッチ24は、第3スイッチの一例であり、受信経路20とグランドとの間に接続されている。
【0035】
スイッチ25は、共通端子25a、選択端子25b、25c、25dおよび25eを有し、共通端子25aと、選択端子25b~25eのうちの1つとの接続を切り替える。共通端子25aはアンテナ接続端子100に接続され、選択端子25bはフィルタ41の他端に接続され、選択端子25cはフィルタ43の他端に接続され、選択端子25dはフィルタ42の他端に接続され、選択端子25eはフィルタ44の他端に接続されている。スイッチ25、例えばSP4T(Single-Pole 4-Throw)型のスイッチ回路で構成される。
【0036】
スイッチ26は、共通端子26a、選択端子26bおよび26cを有し、共通端子26aと選択端子26bとの接続および共通端子26aと選択端子26cとの接続を切り替える。共通端子26aは信号出力端子110に接続され、選択端子26bは低雑音増幅器11の出力端に接続され、選択端子26cは低雑音増幅器12の出力端に接続されている。スイッチ26は、例えばSPDT型のスイッチ回路で構成される。
【0037】
スイッチ21~26は、複数のFET(Field Effect Transistor)などのスイッチング素子によって実現される。
【0038】
なお、本実施の形態に係る高周波モジュール1において、スイッチ25および26は、高周波モジュール1の外部に配置されてもよく、また、無くてもよい。スイッチ25が無い場合、アンテナ接続端子100は、フィルタ41の他端、フィルタ42の他端、フィルタ43の他端およびフィルタ44の他端と接続されていてもよい。また、スイッチ26が無い場合、信号出力端子110は、低雑音増幅器11の出力端および低雑音増幅器12の出力端と接続されていてもよい。
【0039】
また、本実施の形態に係る高周波モジュール1において、フィルタ44およびスイッチ22は無くてもよい。この場合、インダクタ30の他端およびインダクタ32の他端はフィルタ42の一端と接続されていてもよい。
【0040】
これによれば、受信経路10と受信経路20とがインダクタ30で接続され、受信経路10にはシャントスイッチであるスイッチ23が接続され、受信経路20にはシャントスイッチであるスイッチ24が接続されている。これにより、受信経路10および20は直流的に導通状態となる。低雑音増幅器11をオン状態にして受信経路10に高周波信号を伝送する場合、スイッチ24をオン状態にして受信経路10および20を直流的にグランドに設定できる。また、低雑音増幅器12をオン状態にして受信経路20に高周波信号を伝送する場合、スイッチ23をオン状態にして受信経路10および20を直流的にグランドに設定できる。つまり、高周波信号を伝送する場合、低雑音増幅器11および12の入力端の電位を安定化(プルダウン)できるので、スイッチ21の切り替え時、ならびに低雑音増幅器11および12の動作切り替え時に発生する出力電力の過渡応答特性の不安定期間を短縮できる。また、受信経路10と受信経路20とは、インダクタ30のインピーダンスにより高周波的にアイソレーションが向上する。よって、低雑音増幅器11および12の過渡応答特性の不安定期間を短縮できるとともに、受信経路10および20の間のアイソレーションを向上できる。
【0041】
[1.3 高周波モジュール1の信号伝送状態]
図2Aは、実施の形態に係る高周波モジュールのバンドAの信号伝送時の回路状態を示す図である。高周波モジュール1がバンドAの受信信号を伝送する場合、低雑音増幅器11がオン状態となり、共通端子25aと選択端子25bとが接続され、共通端子21aと選択端子21bとが接続され、スイッチ23が非導通状態となり、スイッチ24が導通状態となる。この場合、バンドAの受信信号は、アンテナ2、アンテナ接続端子100、スイッチ25、フィルタ41、スイッチ21、インダクタ31、低雑音増幅器11、スイッチ26、および信号出力端子110を流れる。これによれば、低雑音増幅器11の入力端に接続される整合回路は、受信経路10に直列配置されたインダクタ31と、受信経路10およびグランドの間に互いに直列接続されたインダクタ30および32と、で構成される。
【0042】
また、高周波モジュール1がバンドBの受信信号を伝送する場合(図示せず)、低雑音増幅器11がオン状態となり、共通端子25aと選択端子25cとが接続され、共通端子21aと選択端子21cとが接続され、スイッチ23が非導通状態となり、スイッチ24が導通状態となる。この場合、バンドBの受信信号は、アンテナ2、アンテナ接続端子100、スイッチ25、フィルタ43、スイッチ21、インダクタ31、低雑音増幅器11、スイッチ26、および信号出力端子110を流れる。これによれば、低雑音増幅器11の入力端に接続される整合回路は、受信経路10に直列配置されたインダクタ31と、受信経路10およびグランドの間に互いに直列接続されたインダクタ30および32と、で構成される。
【0043】
図2Bは、実施の形態に係る高周波モジュールのバンドCの信号伝送時の回路状態を示す図である。高周波モジュール1がバンドCの受信信号を伝送する場合、低雑音増幅器12がオン状態となり、共通端子25aと選択端子25dとが接続され、共通端子22aと選択端子22bとが接続され、スイッチ24が非導通状態となり、スイッチ23が導通状態となる。この場合、バンドCの受信信号は、アンテナ2、アンテナ接続端子100、スイッチ25、フィルタ42、スイッチ22、インダクタ32、低雑音増幅器12、スイッチ26、および信号出力端子110を流れる。これによれば、低雑音増幅器12の入力端に接続される整合回路は、受信経路20に直列配置されたインダクタ32と、受信経路20およびグランドの間に互いに直列接続されたインダクタ30および31と、で構成される。
【0044】
また、高周波モジュール1がバンドDの受信信号を伝送する場合(図示せず)、低雑音増幅器12がオン状態となり、共通端子25aと選択端子25eとが接続され、共通端子22aと選択端子22cとが接続され、スイッチ24が非導通状態となり、スイッチ23が導通状態となる。この場合、バンドDの受信信号は、アンテナ2、アンテナ接続端子100、スイッチ25、フィルタ44、スイッチ22、インダクタ32、低雑音増幅器12、スイッチ26、および信号出力端子110を流れる。これによれば、低雑音増幅器12の入力端に接続される整合回路は、受信経路20に直列配置されたインダクタ32と、受信経路20およびグランドの間に互いに直列接続されたインダクタ30および31と、で構成される。
【0045】
高周波モジュール1の上記回路動作によれば、低雑音増幅器11および12が動作する状態において、インダクタ30を共通の整合素子として使用できるので、整合回路の回路規模を小さくできる。
【0046】
[1.4 実施の形態および比較例に係る高周波モジュールの特性比較]
図3Aは、比較例1に係る高周波モジュール500の回路構成図である。
図3Aに示された比較例1に係る高周波モジュール500は、従来の高周波モジュールの一例であり、低雑音増幅器11および12と、フィルタ41、42、43および44と、スイッチ21、22、23、24、25および26と、インダクタ31および32と、を備える。比較例1に係る高周波モジュール500は、実施の形態に係る高周波モジュール1と比較して、インダクタ30が配置されていない点のみが異なる。
【0047】
比較例1に係る高周波モジュール500がバンドAの受信信号を伝送する場合、低雑音増幅器11がオン状態となり、共通端子25aと選択端子25bとが接続され、共通端子21aと選択端子21bとが接続され、スイッチ23が非導通状態となる。また、高周波モジュール500がバンドBの受信信号を伝送する場合、低雑音増幅器11がオン状態となり、共通端子25aと選択端子25cとが接続され、共通端子21aと選択端子21cとが接続され、スイッチ23が非導通状態となる。また、高周波モジュール500がバンドCの受信信号を伝送する場合、低雑音増幅器12がオン状態となり、共通端子25aと選択端子25dとが接続され、共通端子22aと選択端子22bとが接続され、スイッチ24が非導通状態となる。また、高周波モジュール500がバンドDの受信信号を伝送する場合、低雑音増幅器12がオン状態となり、共通端子25aと選択端子25eとが接続され、共通端子22aと選択端子22cとが接続され、スイッチ24が非導通状態となる。
【0048】
図3Bは、比較例2に係る高周波モジュール600の回路構成図である。
図3Bに示された比較例2に係る高周波モジュール600は、従来の高周波モジュールの一例であり、低雑音増幅器11および12と、フィルタ41、42、43および44と、スイッチ21、22、23、24、25および26と、インダクタ31および32と、を備える。比較例2に係る高周波モジュール600は、比較例1に係る高周波モジュール500と比較して、受信経路10と受信経路20とが短絡されている点のみが異なる。
【0049】
比較例2に係る高周波モジュール600がバンドAの受信信号を伝送する場合、低雑音増幅器11がオン状態となり、共通端子25aと選択端子25bとが接続され、共通端子21aと選択端子21bとが接続され、スイッチ23が非導通状態となり、スイッチ24が導通状態となる。また、高周波モジュール600がバンドBの受信信号を伝送する場合、低雑音増幅器11がオン状態となり、共通端子25aと選択端子25cとが接続され、共通端子21aと選択端子21cとが接続され、スイッチ23が非導通状態となり、スイッチ24が導通状態となる。また、高周波モジュール600がバンドCの受信信号を伝送する場合、低雑音増幅器12がオン状態となり、共通端子25aと選択端子25dとが接続され、共通端子22aと選択端子22bとが接続され、スイッチ24が非導通状態となり、スイッチ23が導通状態となる。また、高周波モジュール600がバンドDの受信信号を伝送する場合、低雑音増幅器12がオン状態となり、共通端子25aと選択端子25eとが接続され、共通端子22aと選択端子22cとが接続され、スイッチ24が非導通状態となり、スイッチ23が導通状態となる。
【0050】
図4Aは、実施の形態および比較例1に係る高周波モジュールの低雑音増幅器の入力インピーダンスを示すスミスチャートである。また、
図4Bは、実施の形態および比較例1に係る高周波モジュールの出力の過渡応答特性を示すグラフである。
【0051】
図4Aには、実施の形態に係る高周波モジュール1において、フィルタ41または42の一端から低雑音増幅器11を見たインピーダンス(実施の形態における低雑音増幅器11の入力インピーダンス)、および、比較例1に係る高周波モジュール500において、フィルタ41または42の一端から低雑音増幅器11を見たインピーダンス(比較例1における低雑音増幅器11の入力インピーダンス)が示されている。インダクタ31および32のインダクタンス値を調整することにより、
図4Aに示すように、実施の形態における低雑音増幅器11の入力インピーダンスおよび比較例1における低雑音増幅器11の入力インピーダンスは、ほぼ同じ値を有している。なお、図示していないが、低雑音増幅器12においても、実施の形態および比較例1において、ほぼ同じインピーダンス値を有している。
【0052】
しかしながら、実施の形態および比較例1に係る高周波モジュールにおいて、低雑音増幅器11および12の出力過渡応答特性に差異が生じる。
図4Bには、時間10μ秒において、低雑音増幅器11がオフ状態からオン状態へとステップ状に変化した場合の低雑音増幅器11の出力特性が示されている。
【0053】
比較例1に係る高周波モジュール500において、低雑音増幅器11をオン状態にしてバンドAまたはバンドBの受信信号を伝送する場合、スイッチ23は非導通状態であるので、スイッチ21と低雑音増幅器11の入力端とを結ぶ受信経路10の電位は直流的にグランドとはならず不定状態となる。このため、
図4Bの(b)に示すように、低雑音増幅器11のオフ状態からオン状態への変化時刻(時間10μ秒)において、低雑音増幅器11の出力の過渡応答特性において、出力電力が定常状態へと安定化するまでの時間(不安定期間)が長くなる。
【0054】
これに対して、実施の形態に係る高周波モジュール1では、低雑音増幅器11をオン状態にして受信経路10に高周波信号を伝送する場合、スイッチ24をオン状態にして受信経路10および20を直流的にグランドに設定できる。また、低雑音増幅器12をオン状態にして受信経路20に高周波信号を伝送する場合、スイッチ23をオン状態にして受信経路20および10を直流的にグランドに設定できる。つまり、高周波信号を伝送する場合、低雑音増幅器11および12の入力端の電位をグランド電位に安定化(プルダウン)できる。これにより、
図4Bの(b)に示すように、低雑音増幅器11および12の動作切り替え時に発生する出力電力の過渡応答特性の不安定期間を短縮できる。
【0055】
なお、低雑音増幅器11および12の過渡応答特性の不安定期間を抑制する構成として、比較例2に係る高周波モジュール600の構成が挙げられる。比較例2に係る高周波モジュール600では、受信経路10と受信経路20とが短絡されているため、低雑音増幅器11をオン状態にして受信経路10に高周波信号を伝送する場合、スイッチ24をオン状態にして受信経路10および20を直流的にグランドに設定できる。また、低雑音増幅器12をオン状態にして受信経路20に高周波信号を伝送する場合、スイッチ23をオン状態にして受信経路20および10を直流的にグランドに設定できる。しかしながら、受信経路10と受信経路20とが短絡線で接続されているため、バンドAまたはバンドBを受信経路10にて伝送する場合、バンドAまたはバンドBの受信信号が受信経路20へ漏洩してしまうという問題が生じる。また、バンドCまたはバンドDを受信経路20にて伝送する場合、バンドCまたはバンドDの受信信号が受信経路10へ漏洩してしまうという問題が生じる。さらに、例えばバンドAの受信信号を受信経路10にて伝送する場合、受信経路10に配置された共通端子21aには、受信経路10および20を接続する短絡線により、選択端子21bとの間のオフ容量だけでなく、共通端子22aと選択端子22bとの間のオフ容量および共通端子22aと選択端子22cとの間のオフ容量が並列付加される。このため、共通端子21aにおけるオフ容量が増大し、スイッチ21の伝送損失が増大するという問題が生じる。
【0056】
これに対して、実施の形態に係る高周波モジュール1では、受信経路10および20を接続するのはインダクタ30であるので、受信経路10および20を直流的にグランド電位とすることで、低雑音増幅器11および12の動作切り替え時に発生する出力電力の過渡応答特性の不安定期間を短縮でき、かつ、インダクタ30のインダクタンス値で規定されるインピーダンスにより受信経路10と受信経路20との高周波的なアイソレーションを確保できる。
【0057】
よって、低雑音増幅器11および12間のアイソレーションを向上しつつ、増幅器出力の過渡応答特性の劣化を抑制することが可能となる。
【0058】
なお、実施の形態に係る高周波モジュール1において、インダクタ30のインダクタンス値は、インダクタ31のインダクタンス値よりも大きく、かつ、インダクタ32のインダクタンス値よりも大きいことが望ましい。
【0059】
これによれば、インダクタ30のインダクタンス値を大きくできるので、インダクタ30の高周波的なインピーダンスを大きく確保でき、受信経路10と受信経路20との間のアイソレーションを向上できる。また、受信経路10および20の直流的なグランド電位を強化できる。
【0060】
また、実施の形態に係る高周波モジュール1において、
図1に示すように、スイッチ23は、受信経路10のうちのインダクタ31と低雑音増幅器11の入力端とを結ぶ経路とグランドとの間に接続され、かつ、スイッチ24は、受信経路20のうちのインダクタ32と低雑音増幅器12の入力端とを結ぶ経路とグランドとの間に接続されていることが望ましい。
【0061】
これによれば、グランド接続されるスイッチ23および24が、それぞれ低雑音増幅器11および12の入力端の直近に接続されるので、低雑音増幅器11および12の入力端を、より安定的に直流的にグランド電位とできる。よって、低雑音増幅器11および12の雑音指数等の特性を改善できる。
【0062】
[1.5 変形例に係る高周波モジュールの回路構成]
図5Aは、変形例1に係る高周波モジュール1Aの回路構成図である。同図に示すように、高周波モジュール1Aは、低雑音増幅器11および12と、フィルタ41、42、43および44と、スイッチ21、22、23、24、25および26と、インダクタ30、31および32と、アンテナ接続端子100と、信号出力端子110と、を備える。本変形例に係る高周波モジュール1Aは、実施の形態に係る高周波モジュール1と比較して、スイッチ23および24の接続位置が異なる。以下、本変形例に係る高周波モジュール1Aについて、実施の形態に係る高周波モジュール1と同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0063】
スイッチ23は、第2スイッチの一例であり、受信経路10のうちの共通端子21aとインダクタ31とを結ぶ経路とグランドとの間に接続されている。スイッチ24は、第3スイッチの一例であり、受信経路20のうちの共通端子22aとインダクタ32とを結ぶ経路とグランドとの間に接続されている。
【0064】
高周波モジュール1AがバンドAまたはバンドBの受信信号を伝送する場合、低雑音増幅器11の入力端に接続される整合回路は、受信経路10に直列配置されたインダクタ31と、受信経路10およびグランドの間に接続されたインダクタ30と、で構成される。
【0065】
また、高周波モジュール1AがバンドCまたはバンドDの受信信号を伝送する場合、低雑音増幅器12の入力端に接続される整合回路は、受信経路20に直列配置されたインダクタ32と、受信経路20およびグランドの間に接続されたインダクタ30と、で構成される。
【0066】
上記構成によれば、低雑音増幅器11および12の過渡応答特性の不安定期間を短縮できるとともに、受信経路10および20の間のアイソレーションを向上できる。
【0067】
図5Bは、変形例2に係る高周波モジュール1Bの回路構成図である。同図に示すように、高周波モジュール1Bは、低雑音増幅器11および12と、フィルタ41、42、43および44と、スイッチ21、22、23、24、25および26と、インダクタ30、31および32と、抵抗33および34と、アンテナ接続端子100と、信号出力端子110と、を備える。本変形例に係る高周波モジュール1Bは、変形例1に係る高周波モジュール1Aと比較して、抵抗33および34が付加されている点が異なる。以下、本変形例に係る高周波モジュール1Bについて、変形例1に係る高周波モジュール1Aと同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0068】
抵抗33は、第1抵抗の一例であり、受信経路10とグランドとの間に、スイッチ23と直列接続されている。抵抗34は、第2抵抗の一例であり、受信経路20とグランドとの間に、スイッチ24と直列接続されている。
【0069】
なお、抵抗33および34は、表面実装型の抵抗素子であってもよく、また、配線抵抗であってもよい。
【0070】
上記構成によれば、低雑音増幅器11および12の過渡応答特性の不安定期間を短縮できるとともに、受信経路10および20の間のアイソレーションを向上できる。
【0071】
図5Cは、変形例3に係る高周波モジュール1Cの回路構成図である。同図に示すように、高周波モジュール1Cは、低雑音増幅器11および12と、フィルタ41、42、43および44と、スイッチ21、22、23、24、25および26と、インダクタ30、31および32と、抵抗33および34と、アンテナ接続端子100と、信号出力端子110と、を備える。本変形例に係る高周波モジュール1Cは、実施の形態に係る高周波モジュール1と比較して、抵抗33および34が付加されている点が異なる。以下、本変形例に係る高周波モジュール1Cについて、実施の形態に係る高周波モジュール1と同じ構成については説明を省略し、異なる構成を中心に説明する。
【0072】
抵抗33は、第1抵抗の一例であり、受信経路10とグランドとの間に、スイッチ23と直列接続されている。抵抗34は、第2抵抗の一例であり、受信経路20とグランドとの間に、スイッチ24と直列接続されている。
【0073】
なお、抵抗33および34は、表面実装型の抵抗素子であってもよく、また、配線抵抗であってもよい。
【0074】
上記構成によれば、低雑音増幅器11および12の過渡応答特性の不安定期間を短縮できるとともに、受信経路10および20の間のアイソレーションを向上できる。
【0075】
[1.6 高周波モジュール1の配置構成]
実施の形態に係る高周波モジュール1の部品配置構成について、
図6を参照しながら説明する。
【0076】
図6は、実施の形態に係る高周波モジュール1の平面図および断面図である。
図6の(a)は、高周波モジュール1の平面図であり、z軸正側からモジュール基板90の主面を透視した図であり、
図6の(b)は、高周波モジュール1の断面図である。
図6の(b)における高周波モジュール1の断面は、
図6の(a)のVIb-VIb線における断面である。また、
図6において、モジュール基板90および各回路部品を接続する配線の図示が省略されている。
【0077】
図6に示すように、高周波モジュール1は、
図1に示された回路構成に加えて、さらに、モジュール基板90と、樹脂部材81および82と、外部接続端子80と、を有している。
【0078】
モジュール基板90は、主面90a(第1主面)、主面90b(第2主面)、および主面90c(第3主面)を有し、高周波モジュール1の回路部品を実装する基板である。主面90aと主面90bとは対向し、主面90cと主面90bとは対向している。主面90aと主面90bとの距離は、主面90cと主面90bとの距離よりも大きい。
【0079】
モジュール基板90としては、例えば、複数の誘電体層の積層構造を有する低温同時焼成セラミックス(Low Temperature Co-fired Ceramics:LTCC)基板、高温同時焼成セラミックス(High Temperature Co-fired Ceramics:HTCC)基板、部品内蔵基板、再配線層(Redistribution Layer:RDL)を有する基板、または、プリント基板等が用いられる。
【0080】
樹脂部材81は、モジュール基板90の主面90aおよび90cに配置され、高周波モジュール1を構成する回路部品の少なくとも一部、主面90aおよび90cを覆っており、上記回路部品の機械強度および耐湿性などの信頼性を確保する機能を有している。樹脂部材82は、モジュール基板90の主面90bに配置され、半導体IC70の側面および主面90bを覆っており、半導体IC70の機械強度および耐湿性などの信頼性を確保する機能を有している。なお、樹脂部材81および82は、本発明に係る高周波モジュールに必須の構成要素ではない。
【0081】
なお、
図6に示された高周波モジュール1は、さらに、樹脂部材81、モジュール基板90、および樹脂部材82の少なくとも一部を覆うシールド電極層を備えてもよい。
【0082】
図6に示すように、高周波モジュール1ではフィルタ41、42、43および44、ならびにインダクタ30は、主面90aに配置されている。また、インダクタ31および32は、主面90cに配置されている。また、半導体IC70および外部接続端子80は、主面90bに配置されている。
【0083】
低雑音増幅器11および12、スイッチ21、22、23、24、25および26は半導体IC70に含まれている。なお、スイッチ26は、半導体IC70に含まれていなくてもよい。また、低雑音増幅器11および12は、半導体IC70と異なる半導体ICに含まれていてもよい。
【0084】
半導体IC70は、例えばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いて構成され、具体的にはSOI(Silicon on Insulator)プロセスにより製造されてもよい。なお、半導体IC70は、CMOSに限定されない。
【0085】
これによれば、高周波モジュール1を構成する回路部品が、主面90aおよび90cと主面90bとに振り分けて配置されているので、高周波モジュール1を小型化できる。また、増幅器およびスイッチが、半導体ICで形成されているので、高周波モジュール1を小型化できる。
【0086】
インダクタ31および32は、高周波信号の伝搬経路である受信経路10および20に直列配置されているので、低損失伝送を実現すべく高Q値を有するインダクタであることが要求される。一方、インダクタ30は、並列腕経路に配置されるので、インダクタ31および32と比較して高いQ値は要求されない。この観点から、高Q値を確保するため大きなサイズとなるインダクタ31および32を主面90cに配置し、小さなサイズでよいインダクタ30を主面90aに配置することにより、インダクタ30、31および32の高さを揃えることができ、高周波モジュール1を低背化できる。
【0087】
なお、
図6に示された高周波モジュール1は、さらに、樹脂部材81、モジュール基板90、および樹脂部材82の少なくとも一部を覆うシールド電極層を備えてもよい。
【0088】
[2 効果など]
以上のように、本実施の形態に係る高周波モジュール1は、低雑音増幅器11および12と、共通端子21a、選択端子21bおよび21cを有するスイッチ21と、選択端子21bに接続されたフィルタ41と、選択端子21cに接続されたフィルタ43と、フィルタ42と、共通端子21aと低雑音増幅器11の入力端との間に接続されたインダクタ31と、フィルタ42と低雑音増幅器12の入力端との間に接続されたインダクタ32と、共通端子21aと低雑音増幅器11の入力端とを結ぶ受信経路10とグランドとの間に接続されたスイッチ23と、フィルタ42と低雑音増幅器12の入力端とを結ぶ受信経路20とグランドとの間に接続されたスイッチ24と、受信経路10と受信経路20との間に接続されたインダクタ30と、を備える。
【0089】
これによれば、スイッチ23または24が導通状態となることで、受信経路10および20は直流的に導通状態となる。つまり、高周波信号を伝送する場合、低雑音増幅器11および12の入力端の電位を安定化(プルダウン)できるので、スイッチ21の切り替え時、ならびに低雑音増幅器11および12の動作切り替え時に発生する出力電力の過渡応答特性の不安定期間を短縮できる。また、受信経路10と受信経路20とは、インダクタ30のインピーダンスにより高周波的にアイソレーションが向上する。よって、低雑音増幅器11および12の過渡応答特性の劣化を抑制できる。さらに、受信経路10および20の間のアイソレーションを向上できる。
【0090】
また例えば、高周波モジュール1において、低雑音増幅器11がオン状態の場合、共通端子21aと選択端子21bおよび21cの一方とが接続され、スイッチ23が非導通状態となり、スイッチ24が導通状態となる。一方、低雑音増幅器12がオン状態の場合、スイッチ24が非導通状態となり、スイッチ23が導通状態となる。
【0091】
これによれば、高周波信号を伝送する場合、低雑音増幅器11および12の入力端の電位を安定化(プルダウン)できるので、スイッチ21の切り替え時、ならびに低雑音増幅器11および12の動作切り替え時に発生する出力電力の過渡応答特性の不安定期間を短縮できる。
【0092】
また例えば、高周波モジュール1は、さらに、共通端子22a、選択端子22bおよび22cを有するスイッチ22と、選択端子22cに接続されたフィルタ44と、を備え、受信経路20は、共通端子22aと低雑音増幅器12とを結び、フィルタ42は、選択端子22bに接続され、インダクタ32は、共通端子22aと低雑音増幅器12の入力端との間に接続されていてもよい。
【0093】
これによれば、スイッチ23または24が導通状態となることで、受信経路10および20は直流的に導通状態となる。つまり、高周波信号を伝送する場合、低雑音増幅器11および12の入力端の電位を安定化(プルダウン)できるので、スイッチ21および22の切り替え時、ならびに低雑音増幅器11および12の動作切り替え時に発生する出力電力の過渡応答特性の不安定期間を短縮できる。
【0094】
また例えば、高周波モジュール1において、低雑音増幅器11がオン状態の場合、共通端子21aと選択端子21bおよび21cの一方とが接続され、スイッチ23が非導通状態となり、スイッチ24が導通状態となり、低雑音増幅器12がオン状態の場合、共通端子22aと選択端子22bおよび22cの一方とが接続され、スイッチ24が非導通状態となり、スイッチ23が導通状態となる。
【0095】
これによれば、高周波信号を伝送する場合、低雑音増幅器11および12の入力端の電位を安定化(プルダウン)できるので、スイッチ21および22の切り替え時、ならびに低雑音増幅器11および12の動作切り替え時に発生する出力電力の過渡応答特性の不安定期間を短縮できる。
【0096】
また例えば、高周波モジュール1において、インダクタ30のインダクタンス値は、インダクタ31のインダクタンス値よりも大きく、かつ、インダクタ32のインダクタンス値よりも大きくてもよい。
【0097】
これによれば、インダクタ30のインダクタンス値を大きくできるので、インダクタ30の高周波的なインピーダンスを大きく確保でき、受信経路10と受信経路20との間のアイソレーションを向上できる。また、受信経路10および20の直流的なグランド電位を強化できる。
【0098】
また例えば、高周波モジュール1において、スイッチ23は、受信経路10のうちのインダクタ31と低雑音増幅器11の入力端とを結ぶ経路とグランドとの間に接続され、スイッチ24は、受信経路20のうちのインダクタ32と低雑音増幅器12の入力端とを結ぶ経路とグランドとの間に接続されていてもよい。
【0099】
これによれば、グランド接続されるスイッチ23および24が、それぞれ低雑音増幅器11および12の入力端の直近に接続されるので、低雑音増幅器11および12の入力端を、より安定的に直流的にグランド電位とできる。よって、低雑音増幅器11および12の雑音指数等の特性を改善できる。
【0100】
また例えば、高周波モジュール1Aおよび1Bにおいて、スイッチ23は、受信経路10のうちの共通端子21aとインダクタ31とを結ぶ経路とグランドとの間に接続され、スイッチ24は、受信経路20のうちのフィルタ42とインダクタ32とを結ぶ経路とグランドとの間に接続されていてもよい。
【0101】
これによれば、低雑音増幅器11および12の過渡応答特性の不安定期間を短縮できるとともに、受信経路10および20の間のアイソレーションを向上できる。
【0102】
また例えば、高周波モジュール1Bおよび1Cは、さらに、受信経路10とグランドとの間に、スイッチ23と直列接続された抵抗33と、受信経路20とグランドとの間に、スイッチ24と直列接続された抵抗34と、を備えてもよい。
【0103】
これによれば、低雑音増幅器11および12の過渡応答特性の不安定期間を短縮できるとともに、受信経路10および20の間のアイソレーションを向上できる。
【0104】
また例えば、高周波モジュール1は、さらに、主面90a、90bおよび90cを有するモジュール基板90を備え、主面90aと主面90bとは対向し、主面90cと主面90bとは対向し、主面90aと主面90bとの距離は、主面90cと主面90bとの距離よりも大きく、インダクタ31および32は主面90cに配置され、インダクタ30は主面90aに配置されていてもよい。
【0105】
これによれば、高Q値を確保するため大きなサイズとなるインダクタ31および32を主面90cに配置し、小さなサイズでよいインダクタ30を主面90aに配置することにより、インダクタ30、31および32の高さを揃えることができ、高周波モジュール1を低背化できる。
【0106】
また例えば、高周波モジュール1において、フィルタ41~43は主面90aに配置され、低雑音増幅器11および12、ならびにスイッチ21、23および24は、主面90bに配置されていてもよい。
【0107】
これによれば、高周波モジュール1を構成する回路部品が、主面90aおよび90cと主面90bとに振り分けて配置されているので、高周波モジュール1を小型化できる。
【0108】
また例えば、高周波モジュール1において、低雑音増幅器11および12、スイッチ21、23および24は、主面90bに配置された半導体IC70に含まれていてもよい。
【0109】
これによれば、増幅器およびスイッチが、半導体IC70で形成されているので、高周波モジュール1を小型化できる。
【0110】
また、本実施の形態に係る通信装置4は、高周波信号を処理するRFIC3と、RFIC3とアンテナ2との間で高周波信号を伝送する高周波モジュール1と、を備える。
【0111】
これによれば、高周波モジュール1の効果を通信装置4で実現することができる。
【0112】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る高周波モジュールおよび通信装置について、実施の形態および変形例を挙げて説明したが、本発明に係る高周波モジュールおよび通信装置は、上記実施の形態および変形例に限定されるものではない。上記実施の形態および変形例における任意の構成要素を組み合わせて実現される別の実施の形態や、上記実施の形態および変形例に対して本発明の主旨を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例や、上記高周波モジュールおよび通信装置を内蔵した各種機器も本発明に含まれる。
【0113】
例えば、上記実施の形態および変形例に係る高周波モジュールおよび通信装置において、図面に開示された各回路素子および信号経路を接続する経路の間に、別の回路素子および配線などが挿入されていてもよい。
【0114】
以下に、上記実施の形態および変形例に基づいて説明した高周波モジュールおよび通信装置の特徴を示す。
【0115】
<1>
第1増幅器と、
第2増幅器と、
第1共通端子、第1選択端子および第2選択端子を有する第1スイッチと、
前記第1選択端子に接続された第1フィルタと、
前記第2選択端子に接続された第2フィルタと、
第3フィルタと、
前記第1共通端子と前記第1増幅器の入力端との間に接続された第1インダクタと、
前記第3フィルタと前記第2増幅器の入力端との間に接続された第2インダクタと、
前記第1共通端子と前記第1増幅器の入力端とを結ぶ第1経路とグランドとの間に接続された第2スイッチと、
前記第3フィルタと前記第2増幅器の入力端とを結ぶ第2経路とグランドとの間に接続された第3スイッチと、
前記第1経路と前記第2経路との間に接続された第3インダクタと、を備える、高周波モジュール。
【0116】
<2>
前記第1増幅器がオン状態の場合、前記第1共通端子と前記第1選択端子および前記第2選択端子の一方とが接続され、前記第2スイッチが非導通状態となり、前記第3スイッチが導通状態となり、
前記第2増幅器がオン状態の場合、前記第3スイッチが非導通状態となり、前記第2スイッチが導通状態となる、<1>に記載の高周波モジュール。
【0117】
<3>
さらに、
第2共通端子、第3選択端子および第4選択端子を有する第4スイッチと、
前記第4選択端子に接続された第4フィルタと、を備え、
前記第2経路は、前記第2共通端子と前記第2増幅器の入力端とを結び、
前記第3フィルタは、前記第3選択端子に接続され、
前記第2インダクタは、前記第2共通端子と前記第2増幅器の入力端との間に接続されている、<1>に記載の高周波モジュール。
【0118】
<4>
前記第1増幅器がオン状態の場合、前記第1共通端子と前記第1選択端子および前記第2選択端子の一方とが接続され、前記第2スイッチが非導通状態となり、前記第3スイッチが導通状態となり、
前記第2増幅器がオン状態の場合、前記第2共通端子と前記第3選択端子および前記第4選択端子の一方とが接続され、前記第3スイッチが非導通状態となり、前記第2スイッチが導通状態となる、<3>に記載の高周波モジュール。
【0119】
<5>
前記第3インダクタのインダクタンス値は、前記第1インダクタのインダクタンス値よりも大きく、かつ、前記第2インダクタのインダクタンス値よりも大きい、<1>~<4>のいずれかに記載の高周波モジュール。
【0120】
<6>
前記第2スイッチは、前記第1経路のうちの前記第1インダクタと前記第1増幅器の入力端とを結ぶ経路とグランドとの間に接続され、
前記第3スイッチは、前記第2経路のうちの前記第2インダクタと前記第2増幅器の入力端とを結ぶ経路とグランドとの間に接続されている、<1>~<5>のいずれかに記載の高周波モジュール。
【0121】
<7>
前記第2スイッチは、前記第1経路のうちの前記第1共通端子と前記第1インダクタとを結ぶ経路とグランドとの間に接続され、
前記第3スイッチは、前記第2経路のうちの前記第3フィルタと前記第2インダクタとを結ぶ経路とグランドとの間に接続されている、<1>~<5>のいずれかに記載の高周波モジュール。
【0122】
<8>
さらに、
前記第1経路とグランドとの間に、前記第2スイッチと直列接続された第1抵抗と、
前記第2経路とグランドとの間に、前記第3スイッチと直列接続された第2抵抗と、を備える、<1>~<7>のいずれかに記載の高周波モジュール。
【0123】
<9>
さらに、
第1主面、第2主面および第3主面を有するモジュール基板を備え、
前記第1主面と前記第2主面とは対向し、
前記第3主面と前記第2主面とは対向し、
前記第1主面と前記第2主面との距離は、前記第3主面と前記第2主面との距離よりも大きく、
前記第1インダクタおよび前記第2インダクタは、前記第3主面に配置され、
前記第3インダクタは、前記第1主面に配置されている、<1>~<8>のいずれかに記載の高周波モジュール。
【0124】
<10>
前記第1フィルタ、前記第2フィルタおよび前記第3フィルタは、前記第1主面に配置され、
前記第1増幅器、前記第2増幅器、前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、および前記第3スイッチは、前記第2主面に配置されている、<9>に記載の高周波モジュール。
【0125】
<11>
前記第1増幅器、前記第2増幅器、前記第1スイッチ、前記第2スイッチ、および前記第3スイッチは、前記第2主面に配置された半導体ICに含まれている、<10>に記載の高周波モジュール。
【0126】
<12>
高周波信号を処理する信号処理回路と、
前記信号処理回路とアンテナとの間で前記高周波信号を伝送する、<1>~<11>のいずれかに記載の高周波モジュールと、を備える、通信装置。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明は、マルチバンド/マルチモード対応のフロントエンド回路などとして、携帯電話などの通信機器に広く利用できる。
【符号の説明】
【0128】
1、1A、1B、1C、500、600 高周波モジュール
2 アンテナ
3 RFIC
4 通信装置
10、20 受信経路
11、12 低雑音増幅器
21、22、23、24、25、26 スイッチ
21a、22a、25a、26a 共通端子
21b、21c、22b、22c、25b、25c、25d、25e、26b、26c 選択端子
30、31、32 インダクタ
33、34 抵抗
41、42、43、44 フィルタ
70 半導体IC
80 外部接続端子
81、82 樹脂部材
90 モジュール基板
90a、90b、90c 主面
100 アンテナ接続端子
110 信号出力端子