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特開2024-31400情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031400
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240229BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G08G1/00 A
G08G1/13
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134934
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】太田 洋介
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181DD01
5H181EE03
5H181FF07
5H181FF10
5H181MC12
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】交通情報を生成する際の処理を行う情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、位置情報と地図情報とに基づいてマップマッチングを行った結果に基づいて、車両走行情報を道路地図に記録される複数の道路区間それぞれに対応して分割して分割走行情報を生成する分割部と、異なるタイミングで取得した同一車両の一連の走行についての複数の車両走行情報に基づいて、分割部によって同一の道路区間で複数の分割走行情報が生成された場合、その複数の分割走行情報を結合して結合走行情報を生成する結合部と、分割走行情報及び結合走行情報のうち少なくとも一方の情報としての推定対象情報に基づいて、車両が道路区間を走破したかを推定する推定部と、道路区間を走破したと推定した推定対象情報に基づいて道路区間を走行する車両の交通に関する交通情報を生成する生成部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一車両の一連の走行について所定のタイミング毎に生成された車両走行情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得した車両走行情報に含まれる位置情報と、道路地図に関する地図情報とに基づいて、車両の走行位置を道路地図にマッチングするマップマッチング部と、
前記マップマッチング部によって車両の走行位置を道路地図にマッチングした結果に基づいて、車両走行情報を道路地図に記録される複数の道路区間それぞれに対応して分割して分割走行情報を生成する分割部と、
前記取得部によって異なるタイミングで取得した同一車両の一連の走行についての複数の車両走行情報に基づいて、前記分割部によって同一の道路区間で複数の分割走行情報が生成された場合、当該複数の分割走行情報を結合して結合走行情報を生成する結合部と、
前記分割部で分割した分割走行情報及び前記結合部で生成した結合走行情報のうち少なくとも一方の情報としての推定対象情報に基づいて、車両が道路区間を走破したかを推定する推定部と、
前記推定部によって道路区間を走破したと推定した推定対象情報に基づいて、道路区間を走行する車両の交通に関する交通情報を生成する生成部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、
同一車両の一連の走行についての車両走行情報に基づく、複数の道路区間のうちの推定の対象となる第1道路区間に対応する推定対象情報を第1推定対象情報、前記第1道路区間に対して車両の進行方向の直前の第2道路区間に対応する推定対象情報を第2推定対象情報、及び、前記第1道路区間に対して車両の進行方向の直後の第3道路区間に対応する推定対象情報を第3推定対象情報とすると、
第2推定対象情報及び第3推定対象情報に基づいて、前記第1道路区間を走破したかを推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、
1つの道路区間の両端の位置のうち、車両の進行方向に対して最初に通過する位置を始点とし、前記始点を通過した後にさらに通過する位置を終点とすると、
第2推定対象情報に基づいて前記第2道路区間の少なくとも一部を車両が走行していれば前記始点を通過したと推定し、
第3推定対象情報に基づいて前記第3道路区間の少なくとも一部を車両が走行していれば前記終点を通過したと推定し、
前記始点及び前記終点の両方を車両が通過した場合に、前記第1道路区間を走破したと推定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、推定対象情報に記録される位置情報及び時刻に関する時刻情報に基づいて、前記始点を通過した時刻を基準に所定の第1時間以上が経過しても同一の道路区間の前記終点を通過したと推定できない場合には、当該道路区間を走破したと推定しない
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、推定対象情報に記録される走行速度に関する走行速度情報及び時刻に関する時刻情報に基づいて、所定の第2時間以上、車両の走行速度が時速0km/hの場合、車両が道路区間を走破したと推定しない
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記結合部は、同一の道路区間に対応する複数の分割走行情報として、当該同一の道路区間の始点を通過する直前の他の道路区間に対応する他の分割走行情報と連関する第1分割走行情報と、前記同一の道路区間の終点を通過した直後の他の道路区間に対応する他の分割走行情報と連関する第2分割走行情報とがある場合、第1分割走行情報に記録される時刻情報と、第2分割走行情報に記録される時刻情報とが時間的に連続しない欠落状態の場合でも、第1分割走行情報及び第2分割走行情報を結合する
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータが、
同一車両の一連の走行について所定のタイミング毎に生成された車両走行情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップによって取得した車両走行情報に含まれる位置情報と、道路地図に関する地図情報とに基づいて、車両の走行位置を道路地図にマッチングするマップマッチングステップと、
前記マップマッチングステップによって車両の走行位置を道路地図にマッチングした結果に基づいて、車両走行情報を道路地図に記録される複数の道路区間それぞれに対応して分割して分割走行情報を生成する分割ステップと、
前記取得ステップによって異なるタイミングで取得した同一車両の一連の走行についての複数の車両走行情報に基づいて、前記分割ステップによって同一の道路区間で複数の分割走行情報が生成された場合、当該複数の分割走行情報を結合して結合走行情報を生成する結合ステップと、
前記分割ステップで分割した分割走行情報及び前記結合ステップで生成した結合走行情報のうち少なくとも一方の情報としての推定対象情報に基づいて、車両が道路区間を走破したかを推定する推定ステップと、
前記推定ステップによって道路区間を走破したと推定した推定対象情報に基づいて、道路区間を走行する車両の交通に関する交通情報を生成する生成ステップと、
を実行する情報処理方法。
【請求項8】
コンピュータに、
同一車両の一連の走行について所定のタイミング毎に生成された車両走行情報を取得する取得機能と、
前記取得機能によって取得した車両走行情報に含まれる位置情報と、道路地図に関する地図情報とに基づいて、車両の走行位置を道路地図にマッチングするマップマッチング機能と、
前記マップマッチング機能によって車両の走行位置を道路地図にマッチングした結果に基づいて、車両走行情報を道路地図に記録される複数の道路区間それぞれに対応して分割して分割走行情報を生成する分割機能と、
前記取得機能によって異なるタイミングで取得した同一車両の一連の走行についての複数の車両走行情報に基づいて、前記分割機能によって同一の道路区間で複数の分割走行情報が生成された場合、当該複数の分割走行情報を結合して結合走行情報を生成する結合機能と、
前記分割機能で分割した分割走行情報及び前記結合機能で生成した結合走行情報のうち少なくとも一方の情報としての推定対象情報に基づいて、車両が道路区間を走破したかを推定する推定機能と、
前記推定機能によって道路区間を走破したと推定した推定対象情報に基づいて、道路区間を走行する車両の交通に関する交通情報を生成する生成機能と、
を実現させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視対象の挙動を監視する監視装置が存在する(特許文献1参照)。その監視装置は、リアルタイム処理を行うものである。監視装置のリアルタイム処理部は、取得部によってセンサで測定されるデータを受信した場合、ウィンドウ幅(区間幅)分のデータが蓄積されるのを待つ。リアルタイム処理部は、ウィンドウ幅分のデータを入力現象データとして、算出部等に出力する。リアルタイム処理部は、抽出開始位置をウィンドウ幅部加算することがシフトし、データが蓄積されるのを待つことを繰り返す。すなわち、リアルタイム処理部は、ステップ幅ずつシフトしたウィンドウ毎の入力現象データを出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO2017/026002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した監視装置は、センサで測定されるデータに基づいて監視対象の挙動を監視するものである。
ところで、車両が走行する際の交通情報等においてもリアルタイムで処理することが求められる場合があるが、上述した監視装置のリアルタイム処理をそのまま適用することができない。すなわち、交通情報を生成する際には、その交通情報の生成に適した準備段階の処理が求められる。
【0005】
本開示は、交通情報を生成する際の処理を行う情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様の情報処理装置は、同一車両の一連の走行について所定のタイミング毎に生成された車両走行情報を取得する取得部と、取得部によって取得した車両走行情報に含まれる位置情報と、道路地図に関する地図情報とに基づいて、車両の走行位置を道路地図にマッチングするマップマッチング部と、マップマッチング部によって車両の走行位置を道路地図にマッチングした結果に基づいて、車両走行情報を道路地図に記録される複数の道路区間それぞれに対応して分割して分割走行情報を生成する分割部と、取得部によって異なるタイミングで取得した同一車両の一連の走行についての複数の車両走行情報に基づいて、分割部によって同一の道路区間で複数の分割走行情報が生成された場合、その複数の分割走行情報を結合して結合走行情報を生成する結合部と、分割部で分割した分割走行情報及び結合部で生成した結合走行情報のうち少なくとも一方の情報としての推定対象情報に基づいて、車両が道路区間を走破したかを推定する推定部と、推定部によって道路区間を走破したと推定した推定対象情報に基づいて、道路区間を走行する車両の交通に関する交通情報を生成する生成部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
一態様によれば、交通情報を生成する際の処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る情報処理装置について説明するための図である。
図2】一実施形態に係る情報処理装置が行う処理の概要について説明するための図である。
図3】一実施形態に係る情報処理装置について説明するためのブロック図である。
図4】1次情報の一例について説明するため図である。
図5】推定部の判定パターンの一例について説明するための図である。
図6】一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態について説明する。
【0010】
[情報処理装置100の概要]
まず、一実施形態に係る情報処理装置100の概要について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理装置100について説明するための図である。
図2は、一実施形態に係る情報処理装置100が行う処理の概要について説明するための図である。
【0011】
情報処理装置100は、例えば、車両200の交通に関する交通情報を生成する際に情報の前処理を行う情報前処理装置等として構成されてもよい。また、情報処理装置100は、交通情報を生成する交通情報生成装置等として構成されてもよい。情報処理装置100は、上述した一例の装置に限らず、種々の装置等を構成してもよい。
情報処理装置100は、例えば、サーバ、デスクトップ、ラップトップ、タブレット及びスマートフォン等のコンピュータであってもよい。
【0012】
図1に例示するように、情報処理装置100は、同一車両200の一連の走行について所定のタイミング毎に生成された車両走行情報301を取得する。車両走行情報301の一例は、車両200で生成されたプローブ情報及びCAN(Controller Area Network)情報等であってもよい。車両走行情報301は、例えば、車両200が走行する際に取得した位置情報を含んでいてもよい。ここで、車両200は、例えば、GNSS(全球測位衛星システム)等を利用することにより、位置情報を取得してもよい。一連の走行は、車両200が出発地から目的地まで走行する際のその出発地から目的地までの1トリップの走行であってもよい。車両200は、1トリップの間の所定のタイミング毎に、車両走行情報を情報処理装置100等に送信する。所定のタイミング毎は、例えば、所定の時間毎等であってもよい。
【0013】
情報処理装置100は、例えば、道路地図に関する地図情報を記憶する。情報処理装置100は、車両走行情報301に含まれる位置情報と、地図情報とに基づいて、車両200が走行した位置(走行位置)を道路地図にマッチング(マップマッチング)を行う。
【0014】
情報処理装置100は、例えば、マップマッチングを行った結果に基づいて、車両走行情報301を道路地図に記録される複数の道路区間Sそれぞれに対応して分割して分割走行情報302を生成する(図2参照)。すなわち、情報処理装置100は、所定のタイミング毎の車両走行情報301を、複数の道路区間S(区間A、区間B、区間C、…)毎に分割する。ここで、情報処理装置100は、図1に例示するように2台の車両200(200a,200b)がある場合には、車両200a,200bに対応する車両走行情報301(301a,301b)をそれぞれ分割して分割走行情報302(302a,302b)を生成する。
【0015】
ここで、車両走行情報301が生成されるタイミングによっては、1つの道路区間Sが1つのタイミングの車両走行情報301で満たされない場合もある。すなわち、複数のタイミングの車両走行情報301によって、1つの道路区間Sが満たされる場合もある。
すなわち、情報処理装置100は、1トリップの際に同一車両200が生成した複数の車両走行情報301(異なるタイミングで取得した複数の車両走行情報301)に基づいて、1つの道路区間S(同一の道路区間S)で複数の分割走行情報302が生成される場合がある。
この場合、情報処理装置100は、同一の道路区間Sについての複数の分割走行情報302を結合して、結合走行情報303を生成する。
一例として図2に示すように、情報処理装置100は、分割走行情報302を区間S(区間A、区間B、区間C,…)毎に時刻順(時系列)で並べ、同一車両200の分割走行情報302、具体例として、車両200aに関する区間Aのトリップ111に対応する分割走行情報302(302a)、車両200bに関する区間Bのトリップ222に対応する分割走行情報302(302b)等を結合して、結合走行情報303(303a,303b)を生成する。
【0016】
情報処理装置100は、上述した同一区間Sについての1つの分割走行情報302と、同一の道路区間Sについての複数の分割走行情報302を結合して生成した結合走行情報303とのうちの少なくとも一方の情報(推定対象情報304)に基づいて、車両200が道路区間Sを走破したかを推定する。
情報処理装置100は、道路区間Sを走破したと推定した推定対象情報304に基づいて、道路区間Sを走行する車両200の交通に関する交通情報を生成する。
このように、情報処理装置100は、適宜アップロードされる車両走行情報301を逐次処理・集計を行う「ストリームデータ処理」により、情報の鮮度及び精度を実現することが可能になる。
【0017】
[情報処理装置100の詳細]
次に、一実施形態に係る情報処理装置100について詳細に説明する。
図3は、一実施形態に係る情報処理装置100について説明するためのブロック図である。
【0018】
情報処理装置100は、例えば、通信部121、記憶部122、表示部123及び制御部110等を備える。通信部121、記憶部122及び表示部123は、出力部の一実施形態であってもよい。制御部110は、例えば、取得部111、マップマッチング部112、分割部113、結合部114、推定部115、生成部116及び出力制御部117等を備える。制御部110は、例えば、情報処理装置100の演算処理装置等によって構成されてもよい。制御部110(例えば、演算処理装置等)は、例えば、記憶部122等に記憶される各種プログラム等を適宜読み出して実行することにより、各部(例えば、取得部111、マップマッチング部112、分割部113、結合部114、推定部115、生成部116及び出力制御部117等)の機能を実現してもよい。
【0019】
通信部121は、例えば、情報処理装置100の外部にある装置(外部装置)等との間で種々の情報の送受信が可能な通信インターフェースである。外部装置は、例えば、車両200及びサーバ(図示せず)等であってもよい。
【0020】
記憶部122は、例えば、種々の情報及びプログラムを記憶してもよい。記憶部122の一例は、メモリ、ソリッドステートドライブ及びハードディスクドライブ等であってもよい。なお、記憶部122は、例えば、クラウド上にある記憶領域及びサーバ等であってもよい。
記憶部122は、例えば、道路地図に関する地図情報等を記憶してもよい。
【0021】
表示部123は、例えば、種々の文字、記号及び画像等を表示することが可能なディスプレイである。
【0022】
取得部111は、同一車両の一連の走行について所定のタイミング毎に生成された車両走行情報を取得する。取得部111は、例えば、リアルタイムで車両走行情報を取得してもよい。換言すると、取得部111は、例えば、時間的に最新の車両走行情報を常時(又は、相対的に短い時間間隔で)取得してもよい。
【0023】
取得部111は、例えば、通信部121を介して、外部装置から車両走行情報を取得してもよい。外部装置は、例えば、車両200及びサーバ(図示せず)等であってもよい。ここで、サーバは、車両で車両走行情報が生成された場合、車両から取得した車両走行情報を記憶してもよい。
又は、取得部111は、例えば、車両走行情報が外部メモリ(図示せず)等に記憶され、その外部メモリが情報処理装置100に配されるインターフェース(図示せず)に接続された場合、その外部メモリから車両走行情報を取得してもよい。
【0024】
ここで、車両は、出発地から目的地まで走行する際の1トリップ(一例の走行)において車両走行情報を生成し、所定のタイミング毎に車両走行情報を外部(例えば、情報処理装置100及びサーバ(図示せず)等)に送信する。車両走行情報には、例えば、車両を識別する識別情報が記録されてもよい。また、車両走行情報には、例えば、車両の走行位置を示す位置情報が記録されてもよい。所定のタイミング毎は、例えば、所定の時間毎等であってもよい。具体的な一例として、所定のタイミング毎は、1分毎、2分毎、3分毎、5分毎、8分毎及び10分毎等の種々の時間毎等であってもよい。すなわち、車両は、例えば、1トリップの情報を1分単位等でまとめた車両走行情報として情報処理装置100にアップロードする。
【0025】
マップマッチング部112は、取得部111によって取得した車両走行情報に含まれる位置情報と、道路地図に関する地図情報とに基づいて、車両の走行位置を道路地図にマッチングする。マップマッチング部112は、位置情報に基づく車両の走行位置を道路地図にプロットする、すなわち、マップマッチングを行う。マップマッチング部112は、例えば、種々の公知技術等を利用して、マップマッチングを行うことが可能である。
【0026】
分割部113は、マップマッチング部112によって車両の走行位置を道路地図にマッチングした結果に基づいて、車両走行情報を道路地図に記録される複数の道路区間それぞれに対応して分割して分割走行情報を生成する。すなわち、分割部113は、マップマッチングを行った車両走行情報を、道路の予め設定された区間(道路区間)毎に分割する。
すなわち一例として、分割部113は、マップマッチングを行った、車両走行情報(位置情報)に基づく車両の一連の走行位置を、複数の道路区間毎にまとめて分割走行情報を生成する。
道路区間は、例えば、道路の特徴点を示すノードと、隣接するノードを接続するリンクとで表現される道路ネットワークにおける、隣接する2つのノードの間の道路区間(例えば、1つのリンク等)、又は、隣接する3つ以上のノードのうち所定の2つのノード(両端となるノード(例えば、複数の連続するリンク等))の間の道路区間等であってもよい。
又は、道路区間は、例えば、道路のうちの2つの特定地点の間の区間等であってもよい。特定地点は、例えば、交差点、自動車専用道路の出入口(又は、インターチェンジ等)、及び、その他の道路において特徴として設定可能な種々の地点等であってよい。
又は、道路区間は、例えば、道路のうち所定距離毎に区切られる区間等であってもよい。
【0027】
図4は、1次情報の一例について説明するため図である。
【0028】
分割部113は、上述した道路区間単位(例えば、リンク単位等)で車両走行情報301の分割処理を行う場合、対象の道路区間(例えば、対象リンク等)の前後に隣接するリンクに対応する車両走行情報301の有無を示す1次情報を付与する。
【0029】
図4に例示するように、車両走行情報301に対応する道路区間として区間A、区間B、区間C及び区間Dを走行した「トリップ333」の情報が有る場合を考える。
この場合、分割部113は、例えば、区間A、区間B、区間C及び区間Dの道路区間毎に同一車両のトリップ333の車両走行情報301を分割して分割走行情報302を生成する。
さらに、分割部113は、例えば、区間Aよりも車両の進行方向に対して直前の道路区間(前リンク)を走行した車両走行情報301(又は、分割走行情報302等)が有るかを判定し、判定結果を区間Aの分割走行情報302に付与する。同様に、分割部113は、例えば、区間Aよりも車両の進行方向に対して直後の道路区間(後リンク)を走行した車両走行情報301(又は、分割走行情報302等)が有るかを判定し、判定結果を区間Aの分割走行情報302に付与する。分割部113は、例えば、他の道路区間(前リンク及び後リンク)の車両走行情報301(又は、分割走行情報302)が有れば、「True」を1次情報として付与する。分割部113は、例えば、他の道路区間(前リンク及び後リンク)の車両走行情報301(又は、分割走行情報302)が無ければ、「False」を1次情報として付与する。
【0030】
図4に例示する場合、分割部113は、トリップ333の車両走行情報301に区間Aよりも前の他の道路区間の車両走行情報301が無い(不明の)ため、区間Aの分割走行情報302の1次情報として前リンクには「False」を付与する。また、図4に例示する場合、分割部113は、トリップ333の車両走行情報301に区間Aよりも後の他の道路区間(区間B)の車両走行情報301が有るため、区間Aの分割走行情報302の1次情報として後リンクには「True」を付与する。
【0031】
図4に例示する場合、分割部113は、区間B、区間C及び区間Dの分割走行情報302にも、上述した区間Aの場合と同様に、前リンク及び後リンクの1次情報を付与する。
これにより、情報処理装置100は、1次情報により、対象の道路区間に対して前後する道路区間(前リンク及び後リンク)を車両が通過したか判定することができる。
【0032】
ここで、同一車両の1トリップにおいて異なるタイミングで複数の車両走行情報が生成される。この場合、車両走行情報を生成するタイミングによっては、同一の道路区間(ある1つの道路区間)において2つ以上の車両走行情報が生成される可能性がある。すなわち、車両は、例えば、ある1つの道路区間を走行する途中で車両走行情報を情報処理装置100にアップロードする場合がある。この場合、分割部113は、同一車両の2つ以上の車両走行情報それぞれに基づいて、同一の道路区間の異なる分割走行情報を生成する。すなわち、同一の道路区間において、2つ以上の分割走行情報が生成される可能性がある。
後述する結合部114は、分割部113において同一車両の同一の道路区間において2つ以上の分割走行情報が生成された場合、同一の道路区間内の2つ以上の分割走行情報を1つにするように結合する。
【0033】
すなわち、結合部114は、取得部111によって異なるタイミングで取得した同一車両の一連の走行についての複数の車両走行情報に基づいて、分割部113によって同一の道路区間で複数の分割走行情報が生成された場合、その複数の分割走行情報を結合して結合走行情報を生成する。結合部114は、同一の道路区間内の2つ以上の分割走行情報を1つにまとめて結合走行情報を生成する。この場合、結合部114は、複数の分割走行情報に記録される時刻情報(時刻に関する情報)に基づいて、時系列に沿って複数の分割走行情報を並べて結合してもよい。
【0034】
ここで、結合部114は、マップマッチング部112において車両走行情報を道路地図にマッチングした際の道路(道路区間及び道路リンク)が存在する場合、同一の道路区間(同一の道路リンク)において複数の分割走行情報を結合してもよい。
すなわち、車両は、例えば、走行中の道路から外れて施設(例えば、駐車場等)に入場する場合があり、また施設(例えば、駐車場等)から道路に入ってその道路を走行する場合がある。上述したマップマッチングは、車両が道路から外れた際の車両走行情報に基づく走行位置を道路地図にマッチングすることができない場合があり、すなわち車両の走行位置に対応する道路区間(道路リンク)が無い場合がある。結合部114は、このような車両が路外を走行する場合を除くため、車両の走行位置に対応して道路区間(道路リンク)が存在する場合、同一の道路区間(同一の道路リンク)において複数の分割走行情報を結合してもよい。
【0035】
結合部114は、同一の道路区間に対応する複数の分割走行情報として、その同一の道路区間の始点を通過する直前の他の道路区間に対応する他の分割走行情報と連関する第1分割走行情報と、同一の道路区間の終点を通過した直後の他の道路区間に対応する他の分割走行情報と連関する第2分割走行情報とがある場合、第1分割走行情報に記録される時刻情報と、第2分割走行情報に記録される時刻情報とが時間的に連続しない欠落状態の場合でも、第1分割走行情報及び第2分割走行情報を結合してもよい。
【0036】
すなわち、結合部114は、例えば、同一の道路区間において複数の分割走行情報があり、それら複数の分割走行情報が時系列の沿った一連の情報として並べられない場合、すなわち、時刻情報に基づく時刻において分割走行情報が連続しない場合、分割走行情報に欠落が有ると推定する。このような欠落が有る場合でも、結合部114は、同一の道路区間において複数の分割走行情報が有る場合には、複数の分割走行情報を結合してもよい。
【0037】
この場合、結合部114は、例えば、同一の道路区間の始点を通過した直後の分割走行情報(第1分割走行情報)と、その同一の道路区間の終点を通過した直前の分割走行情報(第2分割走行情報)とがあり、第1分割走行情報と第2分割走行情報との間に分割走行情報の欠落が有る場合でも、第1分割走行情報と第2分割走行情報とを結合して結合走行情報を生成してもよい。
【0038】
なお、結合部114は、上述した欠落として、同一の道路区間において、1つの分割走行情報が欠落している場合に限らず、連続した位置又は連続していない異なる位置の2つの分割走行情報が欠落している場合でも、同一の道路区間内の複数の分割走行情報を結合してもよい。
【0039】
推定部115は、分割部113で分割した分割走行情報及び結合部114で生成した結合走行情報のうち少なくとも一方の情報としての推定対象情報に基づいて、車両が道路区間を走破したかを推定する。すなわち、推定部115は、ある道路区間の分割走行情報又は結合走行情報(例えば、推定対象情報)に基づいて、車両がその道路区間を走破したかを推定してもよい。推定部115は、例えば、道路区間の始点から終点まで車両が走行していれば、道路区間を走破したと推定してもよい。又は、推定部115は、例えば、車両が道路区間の始点及び終点の両方を通過した場合、道路区間を走破したと推定してもよい。
【0040】
推定部115は、例えば、1つの道路区間(例えば、第1道路区間等)を走破したかを推定する際に、他の道路区間(例えば、第2道路区間及び第3道路区間等)の推定対象情報を利用してもよい。
ここで、推定対象情報のうちの第1推定対象情報、第2推定対象情報及び第3推定対象情報の定義について説明する。
【0041】
第1推定対象情報は、同一車両の一連の走行についての車両走行情報に基づく、複数の道路区間のうちの推定の対象となる第1道路区間に対応する推定対象情報である。すなわち、第1推定対象情報は、同一車両の1トリップにおいて生成される1又は複数の車両走行情報に基づく推定対象情報を利用して、ある特定の道路区間(第1道路区間)を車両が走破したか推定する場合の、その推定対象情報のことである。
【0042】
第2推定対象情報は、第1道路区間に対して車両の進行方向の直前の第2道路区間に対応する推定対象情報である。すなわち、第2推定対象情報は、第2道路区間と第1道路区間とがその順に連続する場合、その第2道路区間の推定対象情報のことである。
【0043】
第3推定対象情報は、第1道路区間に対して車両の進行方向の直後の第3道路区間に対応する推定対象情報である。すなわち、第3推定対象情報は、第1道路区間と第3道路区間とがその順に連続する場合、その第3道路区間の推定対象情報のことである。
【0044】
推定部115は、第2推定対象情報及び第3推定対象情報に基づいて、第1道路区間を走破したかを推定してもよい。推定部115は、第2道路区間を走行した第2推定対象情報が有る場合、第1道路区間の始点を通過したと推定してもよい。また、推定部115は、第3道路区間を走行した第3推定対象情報が有る場合、第1道路区間の終点を通過したと推定してもよい。推定部115は、第1道路区間の始点及び終点の両方を通過したと推定する場合、第1道路区間を走破したと推定してもよい。
【0045】
すなわち一例として、図4に例示する場合では、推定部115は、第2道路区間(前リンク)の1次情報が「True」の場合に、第1道路区間の始点を通過したと推定してもよい。
一方、推定部115は、第2道路区間(前リンク)の1次情報が「False」の場合に、第1道路区間の始点を通過していない(始点不明と)推定してもよい。この場合、推定部115は、第1道路区間の始点から終点の途中において、車両が第1道路区間に進入したと推定してもよい。
【0046】
同様に一例として、図4に例示する場合では、推定部115は、第3道路区間(後リンク)の1次情報が「True」の場合に、第1道路区間の終点を通過したと推定してもよい。
一方、推定部115は、第3道路区間(後リンク)の1次情報が「False」の場合に、第1道路区間の終点を通過していない(終点不明)と推定してもよい。この場合、推定部115は、第1道路区間の始点から終点の途中において、車両が第1道路区間から退出したと推定してもよい。
【0047】
推定部115は、第2道路区間(前リンク)及び第3道路区間(後リンク)ぞれぞれの1次情報が「False」の場合、第1道路区間の始点及び終点を通過していない(始点終点不明)と推定してもよい。推定部115は、第1道路区間の始点から終点の途中において、車両が第1道路区間に進入し、かつ、その車両が第1道路区間から退出したと推定してもよい。又は、推定部115は、同一の道路区間において複数(相対的に多数)の分割走行情報が生成するような酷い渋滞と推定してもよい。
【0048】
換言すると、1つの道路区間の両端の位置のうち、車両の進行方向に対して最初に通過する位置を始点とし、始点を通過した後にさらに通過する位置を終点とする。
推定部115は、第2推定対象情報に基づいて第2道路区間の少なくとも一部を車両が走行していれば始点を通過したと推定してもよい。第2道路区間の少なくとも一部には、例えば、第2道路区間の終点(第1道路区間の始点)を含んでいてもよく、終点を除く第2道路区間のその他の一部を含んでいてもよい。
推定部115は、第3推定対象情報に基づいて第3道路区間の少なくとも一部を車両が走行していれば終点を通過したと推定してもよい。第3道路区間の少なくとも一部には、例えば、第3道路区間の始点(第1道路区間の終点)を含んでいてもよく、始点を除く第3道路区間のその他の一部を含んでいてもよい。
推定部115は、推定対象の道路区間(第1道路区間)の始点及び終点の両方を車両が通過した場合に、第1道路区間を走破したと推定してもよい。
【0049】
推定部115は、推定対象情報に記録される位置情報及び時刻に関する時刻情報に基づいて、始点を通過した時刻を基準に所定の第1時間以上が経過しても同一の道路区間の終点を通過したと推定できない場合には、その道路区間を走破したと推定しないこととしてもよい。ここで、車両が、道路が渋滞した区間を走行する場合、渋滞の度合いによってはほとんど進行できない場合(車両が酷い渋滞を走行する場合)がある。この場合、車両は、1つの道路区間の始点を通過してから時間が経過した場合でも、その道路区間の終点を通過できない。そこで、推定部115は、位置情報及び時刻情報に基づいて、車両が酷い渋滞を走行しているかを推定する。すなわち、推定部115は、ある1つの道路区間の推定対象情報に基づいて、その道路区間の始点を通過してから第1時間以上が経過しても、その道路区間の終点を通過したと推定できない場合、その道路区間を通過したと推定しない。第1時間は、例えば、一般道路及び自動車専用道路等の道路の違いに応じ、渋滞の状況によって適宜設定される時間である。
【0050】
なおこの場合、推定部115において道路区間を走破したと推定しない場合でも、推定対象情報に基づいて、一定時間にわたり相対的に遅い速度で車両が走行している場合には、後述する生成部116は、酷い渋滞と推定してもよい。
【0051】
推定部115は、推定対象情報に記録される走行速度に関する走行速度情報及び時刻に関する時刻情報に基づいて、所定の第2時間以上、車両の走行速度が時速0km/hの場合、車両が道路区間を走破したと推定しないこととしてもよい。ここで、車両は、例えば、道路の路肩等に駐車する場合がある。また、車両は、例えば、信号待ち等で停車する場合がある。車両が駐車する場合の駐車時間は、車両が信号待ち等で停車する停車時間よりも長くなると考えられる。推定部115には、駐車時間と停車時間との長さの違いに基づいた、車両が駐車していると推定される時間(第2時間)が設定される。すなわち、推定部115は、推定対象情報に基づいて、車両の走行速度が時速0km/hが第2時間以上続く場合は、車両が駐車していると推定する。推定部115は、上記のように車両が駐車している推定した場合には、車両が道路区間を走破したと推定しない。
換言すると、推定部115は、信号で停止する車両、施設の駐車場に進入する車両、及び、事故当事者車両等に基づく推定対象情報に基づいて、後述する生成部116で渋滞と判定しないように、所定の条件の場合、すなわち所定の第2時間以上、車両の走行速度が時速0km/hの場合、車両が道路区間を走破したと推定しなくともよい。
【0052】
生成部116は、推定部115によって道路区間を走破したと推定した推定対象情報に基づいて、道路区間を走行する車両の交通に関する交通情報を生成する。
生成部116は、例えば、推定対象情報に記録される車両の走行速度が所定の第1速度未満であると渋滞と推定してもよい。生成部116は、例えば、推定対象情報に記録される車両の走行速度が所定の第2速度以上(第1速度<第2速度)であると順調に走行と推定してもよい。生成部116は、例えば、推定対象情報に記録される車両の走行速度が所定の第1速度以上第2速度未満であると混雑と推定してもよい。これらの場合、生成部116は、例えば、同時刻(又は略同時刻)の同一の道路区間において、車両の走行台数が所定の台数以上ある場合に、渋滞、順調に走行又は混雑と推定してもよい。生成部116は、例えば、車両走行情報(推定対象情報)に含まれる識別情報に基づいて、車両の走行台数を計数してもよい。
生成部116は、上述した一例に限らず、車両走行情報(推定対象情報)に記録される位置情報、時刻情報及び走行速度情報等を始めとする種々の情報に基づいて、種々の内容の交通情報を生成することが可能である。
【0053】
出力制御部117は、例えば、生成部116が生成した交通情報を出力するよう出力部を制御してもよい。出力部は、例えば、通信部121、記憶部122及び表示部123等であってもよい。
一例として、出力制御部117は、交通情報を情報処理装置100の外部(外部装置)に出力するよう通信部121を制御してもよい。外部装置は、例えば、車両200及びサーバ(図示せず)等であってもよい。この場合のサーバには、交通情報を知らせる種々の機関(例えば、交通情報センタ等)のサーバが含まれてもよい。
また一例として、出力制御部117は、交通情報を記憶するよう記憶部122を制御してもよい。
また一例として、出力制御部117は、交通情報を表示するよう表示部123を制御してもよい。
【0054】
[推定部115の推定パターン例]
次に、上述した推定部115において第1道路区間の始点及び終点の通過(走破)を判定する際の判定パターンの一例について説明する。
【0055】
図5は、推定部115の判定パターンの一例について説明するための図である。
【0056】
トリップID(trip_id)がaaaの場合では、前リンクの1次情報が「True」であり、後リンクの1次情報が「True」であるため、推定部115は、対象の道路区間を走破したと判定する。
【0057】
トリップID(trip_id)がbbbの場合では、前リンクの1次情報が「False」であり、後リンクの1次情報が「True」であるため、推定部115は、対象の道路区間の始点が不明と判定する。
【0058】
トリップID(trip_id)がcccの場合では、前リンクの1次情報が「True」であり、後リンクの1次情報が「False」であるため、推定部115は、対象の道路区間の終点が不明と判定する。
【0059】
トリップID(trip_id)がdddの場合では、集計のタイミングによって、推定部115の判定が変化する。すなわち、タイムスタンプ(gps_timestamp)がnの場合では、前リンクの1次情報が「True」であり、後リンクの1次情報が「False」であるが、その後のタイムスタンプがn+1の場合では、前リンクの1次情報が「False」であり、後リンクの1次情報が「True」であり、タイムスタンプがnとn+1とで1つの道路区間(同じトリップID)に対応するため、推定部115は、対象の道路区間を走破したと判定する。
【0060】
なお、数分間の情報の欠落が存在する場合でも、集計期間内に同じトリップIDに対応する分割走行情報が有れば、結合部114によって分割走行情報を結合し、推定部115は、結合後の結合走行情報に基づいて、対象の道路区間を走破したと判定する。
【0061】
トリップID(trip_id)がgggの場合では、前リンクの1次情報が「False」であり、後リンクの1次情報が「False」であるため、推定部115は、対象の道路区間の始点及び終点が不明と判定する。
【0062】
トリップID(trip_id)がwwwの場合では、前リンクの1次情報が「False」であり、後リンクの1次情報が「True」であるときの始点が不明と、
前リンクの1次情報が「True」であり、後リンクの1次情報が「True」であるときの走破との2つの判定がるため、推定部115は、対象の道路区間の途中から車両が道路に進入し、その道路区間を周回したと推定してもよい。
【0063】
[情報処理方法]
次に、一実施形態に係る情報処理方法について説明する。
図6は、一実施形態に係る情報処理方法について説明するためのフローチャートである。
【0064】
ステップST101において、取得部111は、同一車両の一連の走行について所定のタイミング毎に生成された車両走行情報を取得する。
【0065】
ステップST102において、マップマッチング部112は、ステップST101で取得した車両走行情報に含まれる位置情報と、道路地図に関する地図情報とに基づいて、車両の走行位置を道路地図にマッチングする。地図情報は、例えば、記憶部122等に記憶されていてもよい。
【0066】
ステップST103において、分割部113は、ステップST102で車両の走行位置を道路地図にマッチングした結果に基づいて、車両走行情報を道路地図に記録される複数の道路区間それぞれに対応して分割して分割走行情報を生成する。
【0067】
ステップST104において、結合部114は、ステップST102で異なるタイミングで取得した同一車両の一連の走行についての複数の車両走行情報に基づいて、ステップST103で同一の道路区間で複数の分割走行情報が生成された場合、その複数の分割走行情報を結合して結合走行情報を生成する。
【0068】
ここで、結合部114は、同一の道路区間に対応する複数の分割走行情報として第1分割走行情報と第2分割走行情報とがある場合、第1分割走行情報に記録される時刻情報と、第2分割走行情報に記録される時刻情報とが時間的に連続しない欠落状態の場合でも、第1分割走行情報及び第2分割走行情報を結合してもよい。
【0069】
第1分割走行情報は、例えば、同一の道路区間(例えば、第1道路区間等)の始点を通過する直前の他の道路区間(例えば、第2道路区間等)に対応する他の分割走行情報と連関する情報である。
他の分割走行情報に連関する第1分割走行情報は、例えば、他の分割走行情報に記録される時刻情報、及び、第1分割走行情報に記録される時刻情報に基づき、他の分割走行情報と第1分割走行情報とが時間的に連続している場合等であってもよい。
又は、他の分割走行情報に連関する第1分割走行情報は、第2道路区間の他の分割走行情報と、その第2道路区間に連続する第1道路区間の第1分割走行情報とが関連している場合等であってもよい。
【0070】
第2分割走行情報は、例えば、同一の道路区間(例えば、第1道路区間等)の終点を通過した直後の他の道路区間(例えば、第3道路区間等)に対応する他の分割走行情報と連関する情報である。
他の分割走行情報に連関する第2分割走行情報は、例えば、上述した第1分割走行情報の場合と同様の関係であってもよい。
すなわち、他の分割走行情報に連関する第2分割走行情報は、例えば、第2分割走行情報に記録される時刻情報、及び、他の分割走行情報に記録される時刻情報に基づき、第2分割走行情報と他の分割走行情報とが時間的に連続している場合等であってもよい。
又は、他の分割走行情報に連関する第2分割走行情報は、第1道路区間の第1分割走行情報と、その第1道路区間に連続する第3道路区間の他の分割走行情報とが関連している場合等であってもよい。
【0071】
ステップST105において、推定部115は、ステップST103で生成した分割走行情報及びステップST104で生成した結合走行情報のうち少なくとも一方の情報(推定対象情報)に基づいて、車両が道路区間を走破したかを推定する。
【0072】
この場合、推定部115は、第2道路区間に対応する第2推定対象情報、及び、第3道路区間に対応する第3推定対象情報に基づいて、第1道路区間を走破したかを推定してもよい。
一例として、推定部115は、第2推定対象情報に基づいて第2道路区間の少なくとも一部を車両が走行していれば、第1道路区間の始点を通過したと推定してもよい。また、推定部115は、第3推定対象情報に基づいて第3道路区間の少なくとも一部を車両が走行していれば、第1道路区間の終点を通過したと推定してもよい。推定部115は、第1道路区間の始点及び終点の両方を車両が通過したと推定した場合、第1道路区間を走破したと推定してもよい。
【0073】
また、推定部115は、推定対象情報(例えば、位置情報及び時刻情報等)に基づいて、第1道路区間の始点を通過した時刻を基準に所定の第1時間以上が経過しても、第1道路区間の終点を通過したと推定できない場合には、第1道路区間を走破したと推定しないこととしてもよい。
【0074】
また、推定部115は、推定対象情報(例えば、走行速度情報及び時刻情報)に基づいて、所定の第2時間以上、車両の走行速度が時速0km/hの場合、車両が第1道路区間を走破したと推定しないこととしてもよい。
【0075】
ステップST106において、生成部116は、ステップST106で車両が第1道路区間を走破したと推定した場合、その第1道路区間に対応する推定対象情報(第1推定対象情報)の位置情報及び走行速度情報等に基づいて、第1道路区間を走行する車両の交通に関する交通情報を生成する。
出力制御部117は、例えば、生成部116が生成した交通情報を出力するよう出力部を制御してもよい。出力部は、例えば、通信部121、記憶部122及び表示部123等であってもよい。
【0076】
上述した情報処理装置100の各部は、コンピュータの演算処理装置等の機能として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置100の取得部111、マップマッチング部112、分割部113、結合部114、推定部115、生成部116及び出力制御部117(制御部110)は、コンピュータの演算処理装置等による取得機能、マップマッチング機能、分割機能、結合機能、推定機能、生成機能及び出力制御機能(制御機能)としてそれぞれ実現されてもよい。
情報処理プログラムは、上述した各機能をコンピュータに実現させることができる。情報処理プログラムは、例えば、メモリ、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ又は光ディスク等の、コンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体等に記録されていてもよい。記録媒体は、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体と言い換えてもよい。
また、上述したように、情報処理装置100の各部は、コンピュータの演算処理装置等で実現されてもよい。その演算処理装置等は、例えば、集積回路等によって構成される。このため、情報処理装置100の各部は、演算処理装置等を構成する回路として実現されてもよい。すなわち、情報処理装置100の取得部111、マップマッチング部112、分割部113、結合部114、推定部115、生成部116及び出力制御部117(制御部110)は、コンピュータの演算処理装置等を構成する取得回路、マップマッチング回路、分割回路、結合回路、推定回路、生成回路及び出力制御回路(制御回路)として実現されてもよい。
また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123(出力部)は、例えば、演算処理装置等の機能を含む通信機能、記憶機能及び表示機能(出力機能)として実現されもよい。また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123(出力部)は、例えば、集積回路等によって構成されることにより通信回路、記憶回路及び表示回路(出力回路)として実現されてもよい。また、情報処理装置100の通信部121、記憶部122及び表示部123(出力部)は、例えば、複数のデバイスによって構成されることにより通信装置、記憶装置及び表示装置(出力装置)として構成されてもよい。
【0077】
情報処理装置100は、上述した複数の各部のうち1又は任意の複数を組み合わせることが可能である。
本開示では、「情報」の文言を使用しているが、「情報」の文言は「データ」と言い換えることができ、「データ」の文言は「情報」と言い換えることができる。
【0078】
[本実施形態の態様及び効果]
次に、本実施形態の一態様及び各態様が奏する効果について説明する。なお、以下に記載する各態様は出願時の一例であり、本実施形態は以下に記載する態様に限定されることはない。すなわち、本実施形態は以下に記載する各態様に限定されることはなく、上述した各部を適宜組み合わせて実現されてもよい。また、下位の態様は、それよりも上位の態様のいずれでも引用できる場合がある。
また、以下に記載する効果は一例であり、各態様が奏する効果は以下に記載するものに限定されることはない。また、各態様は、例えば、以下に記載する少なくとも1つの効果を奏してもよい。
【0079】
(態様1)
一態様の情報処理装置は、同一車両の一連の走行について所定のタイミング毎に生成された車両走行情報を取得する取得部と、取得部によって取得した車両走行情報に含まれる位置情報と、道路地図に関する地図情報とに基づいて、車両の走行位置を道路地図にマッチングするマップマッチング部と、マップマッチング部によって車両の走行位置を道路地図にマッチングした結果に基づいて、車両走行情報を道路地図に記録される複数の道路区間それぞれに対応して分割して分割走行情報を生成する分割部と、取得部によって異なるタイミングで取得した同一車両の一連の走行についての複数の車両走行情報に基づいて、分割部によって同一の道路区間で複数の分割走行情報が生成された場合、その複数の分割走行情報を結合して結合走行情報を生成する結合部と、分割部で分割した分割走行情報及び結合部で生成した結合走行情報のうち少なくとも一方の情報としての推定対象情報に基づいて、車両が道路区間を走破したかを推定する推定部と、推定部によって道路区間を走破したと推定した推定対象情報に基づいて、道路区間を走行する車両の交通に関する交通情報を生成する生成部と、を備える。
これにより、情報処理装置は、交通情報を生成する際の処理を行うことができる。
情報処理装置は、マップマッチングを行うので、道路区間毎に対応して車両走行情報を分割することができる。
また、情報処理装置は、交通情報の生成に際してより最新の車両走行情報が必要になるが、より最新の車両走行情報を取得するために、同一車両の1トリップにおいて所定のタイミング毎に車両走行情報を取得する。すなわち、情報処理装置は、車両が出発地から目的地まで移動する際(移動中)に、車両走行情報を順次取得する。情報処理装置は、車両走行情報を取得するタイミングによっては、同一の道路区間内において複数の分割車両情報が生成される可能性があるため、同一の道路区間内において複数の分割車両情報を結合する。これにより、情報処理装置は、車両が道路区間を走破したか推定することができる。
また、情報処理装置は、道路区間を走破していれば車両が駐車していない等と推定できるので、交通情報の生成に際してノイズとなる推定対象情報を除外することができる。すなわち、情報処理装置は、車両が道路区間を走破したか又は走破していないかの推定に応じて、ノイズとなる推定対象情報を除外することができる。
また、情報処理装置は、交通情報の生成に適した推定対象情報に基づいて、交通情報を生成することができる。
また、情報処理装置は、車両走行情報を取得すると、大量かつ高精度の情報の受け渡しに適した、本実施形態の各部のデータストリーミングサービスに入力することにより、ライブ交通情報を生成することができる。すなわち、情報処理装置は、ストリーミングサービスで受け取った情報が所定の条件を満たす場合には情報(分割走行情報)の連結処理を行い、その後、道路区間の「走破」と判定した推定対象情報を利用して交通情報を生成することができる。
【0080】
(態様2)
一態様の情報処理装置では、推定部は、同一車両の一連の走行についての車両走行情報に基づく、複数の道路区間のうちの推定の対象となる第1道路区間に対応する推定対象情報を第1推定対象情報、第1道路区間に対して車両の進行方向の直前の第2道路区間に対応する推定対象情報を第2推定対象情報、及び、第1道路区間に対して車両の進行方向の直後の第3道路区間に対応する推定対象情報を第3推定対象情報とすると、第2推定対象情報及び第3推定対象情報に基づいて、第1道路区間を走破したかを推定することとしてもよい。
すなわち、情報処理装置は、車両が走破したかの推定対象となる道路区間(第1道路区間)に接続する他の道路区間(第2,3道路区間)それぞれの推定対象情報(第2,3推定対象情報)に基づいて、第1道路区間を走破したか推定することができる。
【0081】
(態様3)
一態様の情報処理装置では、推定部は、1つの道路区間の両端の位置のうち、車両の進行方向に対して最初に通過する位置を始点とし、始点を通過した後にさらに通過する位置を終点とすると、第2推定対象情報に基づいて第2道路区間の少なくとも一部を車両が走行していれば始点を通過したと推定し、第3推定対象情報に基づいて第3道路区間の少なくとも一部を車両が走行していれば終点を通過したと推定し、始点及び終点の両方を車両が通過した場合に、第1道路区間を走破したと推定することとしてもよい。
すなわち、情報処理装置は、第2,3推定対象情報に基づいて、第1道路区間を走破したか推定することができる。
【0082】
(態様4)
一態様の情報処理装置では、推定部は、推定対象情報に記録される位置情報及び時刻に関する時刻情報に基づいて、始点を通過した時刻を基準に所定の第1時間以上が経過しても同一の道路区間の終点を通過したと推定できない場合には、その道路区間を走破したと推定しないこととしてもよい。
これにより、情報処理装置は、車両が道路区間を走破したと推定しない(例えば、走破していないと推定する)ことにより、交通情報の生成に対してノイズとなるその道路区間の推定対象情報を除外することができる。
【0083】
(態様5)
一態様の情報処理装置では、推定部は、推定対象情報に記録される走行速度に関する走行速度情報及び時刻に関する時刻情報に基づいて、所定の第2時間以上、車両の走行速度が時速0km/hの場合、車両が道路区間を走破したと推定しないこととしてもよい。
これにより、情報処理装置は、車両が道路区間を走破したと推定しない(例えば、走破していないと推定する)ことにより、交通情報の生成に対してノイズとなるその道路区間の推定対象情報を除外することができる。
【0084】
(態様6)
一態様の情報処理装置では、結合部は、同一の道路区間に対応する複数の分割走行情報として、その同一の道路区間の始点を通過する直前の他の道路区間に対応する他の分割走行情報と連関する第1分割走行情報と、同一の道路区間の終点を通過した直後の他の道路区間に対応する他の分割走行情報と連関する第2分割走行情報とがある場合、第1分割走行情報に記録される時刻情報と、第2分割走行情報に記録される時刻情報とが時間的に連続しない欠落状態の場合でも、第1分割走行情報及び第2分割走行情報を結合することとしてもよい。
すなわち、情報処理装置は、同一の道路区間に対応して複数の分割走行情報が生成された場合、その同一道路区間内の分割走行情報に欠落があり、複数の分割走行情報が時間的に連続しない場合(欠落状態の場合)でも、それらの複数の分割走行情報に基づいて結合走行情報を生成することができる。
これにより、情報処理装置は、より最新の交通情報を生成するようなリアルタイム性が必要な本実施形態の場合でも、車両が道路区間を走破したかを推定することができる。
【0085】
(態様7)
一態様の情報処理方法では、コンピュータが、同一車両の一連の走行について所定のタイミング毎に生成された車両走行情報を取得する取得ステップと、取得ステップによって取得した車両走行情報に含まれる位置情報と、道路地図に関する地図情報とに基づいて、車両の走行位置を道路地図にマッチングするマップマッチングステップと、マップマッチングステップによって車両の走行位置を道路地図にマッチングした結果に基づいて、車両走行情報を道路地図に記録される複数の道路区間それぞれに対応して分割して分割走行情報を生成する分割ステップと、取得ステップによって異なるタイミングで取得した同一車両の一連の走行についての複数の車両走行情報に基づいて、分割ステップによって同一の道路区間で複数の分割走行情報が生成された場合、その複数の分割走行情報を結合して結合走行情報を生成する結合ステップと、分割ステップで分割した分割走行情報及び結合ステップで生成した結合走行情報のうち少なくとも一方の情報としての推定対象情報に基づいて、車両が道路区間を走破したかを推定する推定ステップと、推定ステップによって道路区間を走破したと推定した推定対象情報に基づいて、道路区間を走行する車両の交通に関する交通情報を生成する生成ステップと、を実行する。
これにより、情報処理方法は、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【0086】
(態様8)
一態様の情報処理プログラムは、コンピュータに、同一車両の一連の走行について所定のタイミング毎に生成された車両走行情報を取得する取得機能と、取得機能によって取得した車両走行情報に含まれる位置情報と、道路地図に関する地図情報とに基づいて、車両の走行位置を道路地図にマッチングするマップマッチング機能と、マップマッチング機能によって車両の走行位置を道路地図にマッチングした結果に基づいて、車両走行情報を道路地図に記録される複数の道路区間それぞれに対応して分割して分割走行情報を生成する分割機能と、取得機能によって異なるタイミングで取得した同一車両の一連の走行についての複数の車両走行情報に基づいて、分割機能によって同一の道路区間で複数の分割走行情報が生成された場合、その複数の分割走行情報を結合して結合走行情報を生成する結合機能と、分割機能で分割した分割走行情報及び結合機能で生成した結合走行情報のうち少なくとも一方の情報としての推定対象情報に基づいて、車両が道路区間を走破したかを推定する推定機能と、推定機能によって道路区間を走破したと推定した推定対象情報に基づいて、道路区間を走行する車両の交通に関する交通情報を生成する生成機能と、を実現させる。
これにより、情報処理プログラムは、上述した一態様の情報処理装置と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0087】
100 情報処理装置
110 制御部
111 取得部
112 マップマッチング部
113 分割部
114 結合部
115 推定部
116 生成部
117 出力制御部
121 通信部
122 記憶部
123 表示部
200 車両
301 車両走行情報
302 分割走行情報
303 結合走行情報
304 推定対象情報
S 道路区間
図1
図2
図3
図4
図5
図6