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特開2024-31406二酸化炭素の消費量算出システム、二酸化炭素の消費量計算方法、及び二酸化炭素の排出権取引支援システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031406
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】二酸化炭素の消費量算出システム、二酸化炭素の消費量計算方法、及び二酸化炭素の排出権取引支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240229BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240229BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134942
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 広樹
(72)【発明者】
【氏名】梁川 貴行
(72)【発明者】
【氏名】安田 裕
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB21
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】二酸化炭素を原料として二酸化炭素由来の生成物を製造する二酸化炭素利活用装置において消費された二酸化炭素の量をより正確に算出する。
【解決手段】二酸化炭素の消費量算出システム70は、第1検出部71と第2検出部72とデータ処理装置75(算出部)とを備える。第1検出部71は、二酸化炭素の供給元である供給部90と、供給部90から供給される二酸化炭素を原料として二酸化炭素由来の生成物を製造する二酸化炭素利活用装置80と、の間の第1供給路91に配置される。第1検出部71は、第1供給路91を介して供給される二酸化炭素に関する第1パラメータを検出する。第2検出部72は、二酸化炭素利活用装置80で生成された生成物に含まれる二酸化炭素に関する第2パラメータを検出する。データ処理装置75(算出部)は、第1パラメータ及び第2パラメータに基づいて、二酸化炭素利活用装置80で消費された二酸化炭素の消費量を算出する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化炭素の供給元である供給部と、前記供給部から供給される二酸化炭素を原料として二酸化炭素由来の生成物を製造する二酸化炭素利活用装置と、の間の原料供給経路に配置され、前記原料供給経路を介して供給される二酸化炭素に関する第1パラメータを検出する第1検出部と、
前記二酸化炭素利活用装置で生成された前記生成物に含まれる二酸化炭素に関する第2パラメータを検出する第2検出部と、
前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて、前記二酸化炭素利活用装置で消費された二酸化炭素の消費量を算出する算出部と、
を有する二酸化炭素の消費量算出システム。
【請求項2】
前記算出部は、前記第1パラメータに基づいて特定される二酸化炭素の供給量と、前記第2パラメータに基づいて特定される前記生成物内の二酸化炭素の残存量と、の差分に基づいて、前記消費量を算出する
請求項1に記載の二酸化炭素の消費量算出システム。
【請求項3】
前記第2検出部は、前記二酸化炭素利活用装置の下流側に設けられた生成物経路内の前記生成物に含まれる二酸化炭素に関する前記第2パラメータを検出し、
更に、前記二酸化炭素利活用装置の下流側において前記生成物以外の排ガスが通過するように設けられた排ガス経路内の、前記排ガスに含まれる二酸化炭素に関する第3パラメータを検出する第3検出部を有し、
前記算出部は、前記第1パラメータと前記第2パラメータと前記第3パラメータとに基づいて前記消費量を算出する
請求項1に記載の二酸化炭素の消費量算出システム。
【請求項4】
前記第1パラメータ及び前記第2パラメータの少なくともいずれかを、ハッシュ化してブロックチェーンに記録する記録部を有する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の二酸化炭素の消費量算出システム。
【請求項5】
前記算出部は、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて前記消費量を算出するプログラムを備え、
更に、前記プログラムの変更履歴を、ハッシュ化してブロックチェーンに記録する記録部を有する
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の二酸化炭素の消費量算出システム。
【請求項6】
前記第1パラメータ及び前記第2パラメータの少なくともいずれかを含むデータを、クラウドに記録する記録部と、
前記第1検出部及び前記第2検出部の少なくともいずれかが前記第1パラメータ及び前記第2パラメータの少なくともいずれかを含む現在データを生成した場合に、前記現在データの生成前に前記クラウドに記録されたデータと前記現在データとを比較する比較部と、
を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の二酸化炭素の消費量算出システム。
【請求項7】
二酸化炭素の供給元である供給部と、前記供給部から供給される二酸化炭素を原料として二酸化炭素由来の生成物を製造する二酸化炭素利活用装置と、の間の原料供給経路を介して供給される二酸化炭素に関する第1パラメータと、前記二酸化炭素利活用装置で生成された前記生成物に含まれる二酸化炭素に関する第2パラメータと、に基づいて、前記二酸化炭素利活用装置で消費された二酸化炭素の消費量を算出する
二酸化炭素の消費量計算方法。
【請求項8】
前記第1パラメータに基づいて特定される二酸化炭素の供給量と、前記第2パラメータに基づいて特定される前記生成物内の二酸化炭素の残存量と、の差分に基づいて、前記消費量を算出する
請求項7に記載の二酸化炭素の消費量計算方法。
【請求項9】
前記二酸化炭素利活用装置の下流側において前記生成物以外の排ガスが通過するように設けられた排ガス経路内の、前記排ガスに含まれる二酸化炭素に関する第3パラメータを有し、
前記第1パラメータと前記第2パラメータと前記第3パラメータとに基づいて前記消費量を算出する
請求項7に記載の二酸化炭素の消費量計算方法。
【請求項10】
トークンを発行するトークン発行部を有する管理システムと、
前記管理システムに対応付けられた管理者ウォレットと、
を備え、
利活用者アカウントと利活用者ウォレットとが対応付けられ且つ二酸化炭素の消費量を通知する消費信号が前記利活用者アカウントに対応付けられた利活用者端末から前記管理システムに発信された場合に、前記トークン発行部は、前記消費信号に基づいて前記トークンを発行し、前記管理システムは、発行された前記トークンを、前記利活用者ウォレットに保管する指示を行い、
請求項7から請求項9のいずれか一項に記載の二酸化炭素の消費量計算方法で算出された消費量に基づいて前記消費信号を生成及び発信する
二酸化炭素の排出権取引支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、二酸化炭素の消費量算出システム、二酸化炭素の消費量計算方法、及び二酸化炭素の排出権取引支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される二酸化炭素排出権の取引方法では、排出権譲受者が、エネルギー消費機器の使用により発生し得る二酸化炭素排出権を算出し、算出された二酸化炭素排出権に相当する対価をエネルギー消費機器の使用者に還元する。この取引方法は、機器提供者から提供されるエネルギー消費機器ごとに付される機器IDを、排出権譲受者側に設置される管理データベースに記録する機器ID記録工程と、機器IDごとのエネルギー消費機器のエネルギー消費量から二酸化炭素の削減量を算出し、削減量から使用者が取得する二酸化炭素排出権を算出する排出権算出工程と、を含んでいる。特許文献1に開示される取引方法では、販売される電気自動車の一般的な耐久走行距離の走行で削減可能なCOの排出量に基づいて、排出権譲受者により予め確保するCO排出クレジットが予測算出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-134179号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術は、電気自動車の走行で削減可能なCOの排出量を算出しており、「二酸化炭素由来の生成物を製造する二酸化炭素利活用装置」での消費量を算出する思想は無い。
【0005】
本発明は、二酸化炭素を原料として二酸化炭素由来の生成物を製造する二酸化炭素利活用装置において消費された二酸化炭素の量をより正確に算出する技術を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る二酸化炭素の消費量算出システムは、
二酸化炭素の供給元である供給部と、前記供給部から供給される二酸化炭素を原料として二酸化炭素由来の生成物を製造する二酸化炭素利活用装置と、の間の原料供給経路に配置され、前記原料供給経路を介して供給される二酸化炭素に関する第1パラメータを検出する第1検出部と、
前記二酸化炭素利活用装置で生成された前記生成物に含まれる二酸化炭素に関する第2パラメータを検出する第2検出部と、
前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて、前記二酸化炭素利活用装置で消費された二酸化炭素の消費量を算出する算出部と、
を有する。
【0007】
本発明の一態様に係る二酸化炭素の消費量計算方法は、
二酸化炭素の供給元である供給部と、前記供給部から供給される二酸化炭素を原料として二酸化炭素由来の生成物を製造する二酸化炭素利活用装置と、の間の原料供給経路を介して供給される二酸化炭素に関する第1パラメータと、
前記二酸化炭素利活用装置で生成された前記生成物に含まれる二酸化炭素に関する第2パラメータと、
前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて、前記二酸化炭素利活用装置で消費された二酸化炭素の消費量を算出する。
【0008】
本発明の一態様に係る二酸化炭素の排出権取引支援システムは、
上記の二酸化炭素の消費量算出システムと、
トークンを発行するトークン発行部を有する管理システムと、
前記管理システムに対応付けられた管理者ウォレットと、
を備え、
利活用者アカウントと利活用者ウォレットとが対応付けられ且つ二酸化炭素の消費量を通知する消費信号が前記利活用者アカウントに対応付けられた利活用者端末から前記管理システムに発信された場合に、前記トークン発行部は、前記消費信号に基づいて前記トークンを発行し、前記管理システムは、発行された前記トークンを、前記利活用者ウォレットに保管する指示を行い、
上記の二酸化炭素の消費量計算方法で算出された消費量に基づいて前記消費信号を生成及び発信する。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、二酸化炭素を原料として二酸化炭素由来の生成物を製造する二酸化炭素利活用装置において消費された二酸化炭素の量をより正確に算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、第1実施形態に係る二酸化炭素の消費量算出システムが適用される二酸化炭素の利活用システム等を説明する説明図である。
図2図2は、図1に示される二酸化炭素の利活用システムの一部を構成する反応装置を例示する断面概略図である。
図3図3は、第1実施形態に係る二酸化炭素の消費量算出システムが適用される二酸化炭素の排出権取引支援システム及び取引システムを概略的に示す説明図である。
図4図4は、図3の取引システムを図3とは異なる観点で説明する説明図である。
図5図5(A)は、ブロックチェーンに記憶された管理者アカウントと管理者ウォレットの対応関係を簡略的に示す説明図である。図5(B)は、ブロックチェーンに記憶された各利活用者アカウントと各利活用者ウォレットの対応関係を簡略的に示す説明図である。図5(C)は、ブロックチェーンに記憶された各排出者アカウントと各排出者ウォレットの対応関係を簡略的に示す説明図である。
図6図6は、図3の取引システムにおいて管理システム、利活用者端末、排出者端末、及び各ウォレットでのデータのやり取りを説明する説明図である。
図7図7は、図6とは異なる方法でのデータのやり取りを説明する説明図である。
図8図8は、第2実施形態に係る二酸化炭素の消費量算出システムが適用される二酸化炭素の利活用システム等を説明する説明図である。
図9図8に示される二酸化炭素の消費量算出システムが適用される取引システム及び支援システムを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の[1]~[14]には、実施形態の一例が列挙される。
【0012】
[1]二酸化炭素の供給元である供給部と、前記供給部から供給される二酸化炭素を原料として二酸化炭素由来の生成物を製造する二酸化炭素利活用装置と、の間の原料供給経路に配置され、前記原料供給経路を介して供給される二酸化炭素に関する第1パラメータを検出する第1検出部と、
前記二酸化炭素利活用装置で生成された前記生成物に含まれる二酸化炭素に関する第2パラメータを検出する第2検出部と、
前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて、前記二酸化炭素利活用装置で消費された二酸化炭素の消費量を算出する算出部と、
を有する二酸化炭素の消費量算出システム。
【0013】
上記の[1]の二酸化炭素の消費量算出システムは、原料供給経路を介して供給される二酸化炭素に関する第1パラメータを、第1検出部によって検出することができる。そして、二酸化炭素利活用装置で生成された生成物に含まれる二酸化炭素に関する第2パラメータを、第2検出部によって検出することができる。そして、上記消費量算出システムは、二酸化炭素投入前の経路で得られた第1パラメータと、二酸化炭素投入後に得られた生成物に基づく第2パラメータと、を反映し、「二酸化炭素利活用装置において消費された二酸化炭素の量」をより正確に算出することができる。
【0014】
[2]前記算出部は、前記第1パラメータに基づいて特定される二酸化炭素の供給量と、前記第2パラメータに基づいて特定される前記生成物内の二酸化炭素の残存量と、の差分に基づいて、前記消費量を算出する
[1]に記載の二酸化炭素の消費量算出システム。
【0015】
「第1パラメータに基づいて特定される二酸化炭素の供給量」と「第2パラメータに基づいて特定される生成物内の二酸化炭素の残存量」の差分は、二酸化炭素利活用装置で消費された二酸化炭素の量と一致しているか、近似している可能性が高い。よって、上記[2]の二酸化炭素の消費量算出システムが、上記差分に基づいて上記消費量を算出すれば、「二酸化炭素利活用装置において消費された二酸化炭素の量」を、より一層正確に算出することができる。
【0016】
[3]前記第2検出部は、前記二酸化炭素利活用装置の下流側に設けられた生成物経路内の前記生成物に含まれる二酸化炭素に関する前記第2パラメータを検出し、
更に、前記二酸化炭素利活用装置の下流側において前記生成物以外の排ガスが通過するように設けられた排ガス経路内の、前記排ガスに含まれる二酸化炭素に関する第3パラメータを検出する第3検出部を有し、
前記算出部は、前記第1パラメータと前記第2パラメータと前記第3パラメータとに基づいて前記消費量を算出する
[1]に記載の二酸化炭素の消費量算出システム。
【0017】
上記の[3]の二酸化炭素の消費量算出システムは、二酸化炭素利活用装置において上記生成物と上記排ガスが生じる場合に、排ガスに含まれる二酸化炭素に関する第3パラメータを、第3検出部によって検出することができる。そして、上記消費量算出システムは、二酸化炭素投入前の経路で得られた第1パラメータと、二酸化炭素投入後に得られた生成物に基づく第2パラメータと、残存した排ガスに含まれる二酸化炭素に基づく第3パラメータと、を反映し、「二酸化炭素利活用装置において消費された二酸化炭素の量」をより正確に算出することができる。
【0018】
[4]前記第1パラメータ及び前記第2パラメータの少なくともいずれかを、ハッシュ化してブロックチェーンに記録する記録部を有する
[1]から[3]のいずれか一つに記載の二酸化炭素の消費量算出システム。
【0019】
上記の[4]の二酸化炭素の消費量算出システムは、第1パラメータ及び第2パラメータの少なくともいずれかを、ブロックチェーンを用いて管理することができ、パラメータの不正な改ざんを防止する機能を高めることができる。よって、この消費量算出システムは、パラメータの信頼性を担保しつつ、システムを運用することができる。
【0020】
[5]前記算出部は、前記第1パラメータ及び前記第2パラメータに基づいて前記消費量を算出するプログラムを備え、
更に、前記プログラムの変更履歴を、ハッシュ化してブロックチェーンに記録する記録部を有する
[1]から[4]のいずれか一つに記載の二酸化炭素の消費量算出システム。
【0021】
上記の[5]の二酸化炭素の消費量算出システムは、プログラムの変更履歴を、ブロックチェーンを用いて管理することができ、プログラムの不正な改ざんを防止する機能を高めることができる。よって、この消費量算出システムは、プログラムの信頼性を担保しつつ、システムを運用することができる。
【0022】
[6]前記第1パラメータ及び前記第2パラメータの少なくともいずれかを含むデータを、クラウドに記録する記録部と、
前記第1検出部及び前記第2検出部の少なくともいずれかが前記第1パラメータ及び前記第2パラメータの少なくともいずれかを含む現在データを生成した場合に、前記現在データの生成前に前記クラウドに記録されたデータと前記現在データとを比較する比較部と、
を有する[1]から[5]のいずれか一つに記載の二酸化炭素の消費量算出システム。
【0023】
上記の[6]の二酸化炭素の消費量算出システムは、第1パラメータ及び第2パラメータの少なくともいずれかを含む現在データを生成した場合に、その現在データを、当該現在データの生成前にクラウドに記録されたデータと比較して検証することができる。
【0024】
[7]二酸化炭素の供給元である供給部と、前記供給部から供給される二酸化炭素を原料として二酸化炭素由来の生成物を製造する二酸化炭素利活用装置と、の間の原料供給経路を介して供給される二酸化炭素に関する第1パラメータと、前記二酸化炭素利活用装置で生成された前記生成物に含まれる二酸化炭素に関する第2パラメータと、に基づいて、前記二酸化炭素利活用装置で消費された二酸化炭素の消費量を算出する
二酸化炭素の消費量計算方法。
【0025】
上記の[7]の二酸化炭素の消費量計算方法は、原料供給経路を介して供給される二酸化炭素に関する第1パラメータと、二酸化炭素利活用装置で生成された生成物に含まれる二酸化炭素に関する第2パラメータと、を反映し、「二酸化炭素利活用装置において消費された二酸化炭素の量」をより正確に算出することができる。
【0026】
[8]前記第1パラメータに基づいて特定される二酸化炭素の供給量と、前記第2パラメータに基づいて特定される前記生成物内の二酸化炭素の残存量と、の差分に基づいて、前記消費量を算出する
[7]に記載の二酸化炭素の消費量計算方法。
【0027】
「第1パラメータに基づいて特定される二酸化炭素の供給量」と「第2パラメータに基づいて特定される生成物内の二酸化炭素の残存量」の差分は、二酸化炭素利活用装置で消費された二酸化炭素の量と一致しているか、近似している可能性が高い。よって、上記[8]の二酸化炭素の消費量計算方法により、上記差分に基づいて上記消費量を算出すれば、「二酸化炭素利活用装置において消費された二酸化炭素の量」を、より一層正確に算出することができる。
【0028】
[9]前記二酸化炭素利活用装置の下流側において前記生成物以外の排ガスが通過するように設けられた排ガス経路内の、前記排ガスに含まれる二酸化炭素に関する第3パラメータを有し、
前記第1パラメータと前記第2パラメータと前記第3パラメータとに基づいて前記消費量を算出する
[7]に記載の二酸化炭素の消費量計算方法。
【0029】
上記の[9]の二酸化炭素の消費量計算方法は、二酸化炭素投入前の経路で得られた第1パラメータと、二酸化炭素投入後に得られた生成物に基づく第2パラメータと、残存した排ガスに含まれる二酸化炭素に基づく第3パラメータと、を反映し、「二酸化炭素利活用装置において消費された二酸化炭素の量」をより正確に算出することができる。
【0030】
[10]トークンを発行するトークン発行部を有する管理システムと、
前記管理システムに対応付けられた管理者ウォレットと、
を備え、
利活用者アカウントと利活用者ウォレットとが対応付けられ且つ二酸化炭素の消費量を通知する消費信号が前記利活用者アカウントに対応付けられた利活用者端末から前記管理システムに発信された場合に、前記トークン発行部は、前記消費信号に基づいて前記トークンを発行し、前記管理システムは、発行された前記トークンを、前記利活用者ウォレットに保管する指示を行い、
[7]から[9]のいずれか一項に記載の二酸化炭素の消費量計算方法で算出された消費量に基づいて前記消費信号を生成及び発信する
二酸化炭素の排出権取引支援システム。
【0031】
上記[10]の排出権取引支援システムは、二酸化炭素の消費(削減)に寄与する利活用者に対し、利活用者ウォレットにトークンを付与する形でインセンティブを与えることができる。更に、上記の排出権取引支援システムは、二酸化炭素利活用装置において二酸化炭素が消費された場合に、消費された二酸化炭素の量をより正確に算出することができ、算出された消費量に基づいて、トークンをより適切に発行することができる。
【0032】
[11]前記利活用者ウォレットが保管する前記トークンの売却を要求する売却リクエストが前記利活用者端末から前記管理システムに通知された場合に、前記管理システムは前記売却リクエストに基づいて前記利活用者ウォレットから前記管理者ウォレットに前記トークンを移転する
[10]に記載の二酸化炭素の排出権取引支援システム。
【0033】
上記[11]の支援システムは、リクエストに基づいて、利活用者ウォレットから管理者ウォレットにトークンを移転させるトランザクションを実行する。これにより、利活用者ウォレットで保管されるトークンを、売却リクエストによって管理者ウォレットに移転することが随時できるため、利活用者がトークンをより自由に利用しやすくなる。
【0034】
[12]排出者アカウントと排出者ウォレットとが対応付けられ且つ前記トークンの購入を要求する購入リクエストが前記排出者アカウントに対応付けられた排出者端末から前記管理システムに通知された場合に、前記管理システムは前記購入リクエストに基づいて前記管理者ウォレットから前記排出者ウォレットに前記トークンを移転する
[11]に記載の二酸化炭素の排出権取引支援システム。
【0035】
上記[12]の支援システムは、利活用者端末から売却リクエストがあり、排出者端末から購入リクエストがあった場合に、リクエストに基づいて、管理者ウォレットから排出者ウォレットにトークンを移転させるトランザクションを実行する。これにより、利活用者ウォレットのトークンを一旦管理者ウォレットに移転した後に、排出者ウォレットに移転することができる。この支援システムは、売却リクエストと購入リクエストの時期がずれても、利活用者ウォレットのトークンを排出者ウォレットに移転しやすい。
【0036】
[13]排出者アカウントと排出者ウォレットとが対応付けられ且つ前記トークンの購入を要求する購入リクエストが前記排出者アカウントに対応付けられた排出者端末から前記管理システムに通知され且つ前記利活用者ウォレットが保有する前記トークンの売却を要求する売却リクエストが前記利活用者端末から前記管理システムに通知された場合に、前記管理システムは前記購入リクエスト及び前記売却リクエストに基づいて前記利活用者ウォレットから前記排出者ウォレットに前記トークンを移転する
[10]又は[11]に記載の二酸化炭素の排出権取引支援システム。
【0037】
上記[13]の支援システムは、利活用者端末から売却リクエストがあり、排出者端末から購入リクエストがある場合に、管理システムはリクエストに基づいて、利活用者ウォレットから排出者ウォレットにトークンを移転させるトランザクションを実行する。これにより、管理者ウォレットでの一時的な保管を省略し、利活用者ウォレットから排出者ウォレットへとトークンを移転させることができる。よって、この支援システムは、管理者ウォレットの負担をより抑えることができる。
【0038】
[14]トークンを発行するトークン発行部を有する管理システムと、
前記管理システムに対応付けられた管理者ウォレットと、
を用い、
利活用者アカウントと利活用者ウォレットとが対応付けられ且つ二酸化炭素の消費量を通知する消費信号が前記利活用者アカウントに対応付けられた利活用者端末から前記管理システムに発信された場合に、前記トークン発行部が、前記消費信号に基づいて前記トークンを発行し、前記管理システムが、発行された前記トークンを、前記利活用者ウォレットに保管する指示を行い、
[7]から[9]のいずれか一項に記載の二酸化炭素の消費量計算方法で算出された消費量に基づいて前記消費信号を生成及び発信する
二酸化炭素の排出権取引支援方法。
【0039】
<第1実施形態>
1.二酸化炭素の利活用システム9の概要
図1には、二酸化炭素の利活用システム9等が例示される。二酸化炭素の利活用システム9は、単に利活用システム9とも称される。利活用システム9は、主に、原料投入部81と二酸化炭素利活用装置80と二酸化炭素の消費量算出システム70とを備える。二酸化炭素利活用装置80は、単に利活用装置80とも称される。二酸化炭素の消費量算出システム70は、単に消費量算出システム70とも称される。利活用システム9は、原料として投入される二酸化炭素を消費させて二酸化炭素由来の生成物を生成することができ、且つ、その生成過程での二酸化炭素の消費量を算出することができるシステムである。
【0040】
原料投入部81は、二酸化炭素供給部90、第1供給路91、調節弁92、逆止弁93、水素供給部94、第2供給路95、調節弁96、逆止弁97、合流路98、仕切弁99を備える。原料投入部81は、二酸化炭素由来の生成物(例えば、メタン)を製造するための複数種類の原料を投入する部分である。
【0041】
二酸化炭素供給部90は、供給部の一例に相当する。二酸化炭素供給部90は、二酸化炭素の供給元として機能する。二酸化炭素供給部90は、例えば、液体の二酸化炭素を収容しつつ保持し得るタンクである。二酸化炭素供給部90内の二酸化炭素は、例えば、二酸化炭素発生場所(例えば、工場等)で発生した二酸化炭素が公知の方法で回収され、液化されたものである。但し、二酸化炭素供給部90内に投入する二酸化炭素の準備方法は限定されず、公知の様々な方法が採用され得る。第1供給路91は、原料供給経路の一例に相当し、二酸化炭素供給部90(供給部)と利活用装置80との間で二酸化炭素を流す流路として機能する。第1供給路91は、二酸化炭素供給部90から利活用装置80へ二酸化炭素を供給する経路である。第1供給路91は、二酸化炭素供給部90から供給される二酸化炭素(第1の原料ガス)を通す配管であり、上流から下流へ順に調節弁92、逆止弁93が配置されている。
【0042】
水素供給部94は、公知の水素製造システム(例えば、固体酸化物形電解セル(SOEC)を用いた水素製造システム)によって製造された水素を収容しつつ保持し得るタンクである。第2供給路95は、水素供給部94から供給される水素(第2の原料ガス)を通す配管であり、上流から下流へ順に調節弁96、逆止弁97が配置されている。合流路98は、第1供給路91と第2供給路95のそれぞれの下流端に接続された合流配管であり、第1供給路91を通って流れ込む二酸化炭素と第2供給路95を通って流れ込む水素とを合流させて反応容器82側へと通す配管である。合流路98には仕切弁99が配置されている。第1の原料ガスである二酸化炭素と第2の原料ガスである水素は、それぞれ調節弁92,96を経て最適な混合比に設定され、2つの原料ガスが混ざった混合ガス(原料ガス)は、仕切弁99を経て反応容器82に供給される。代表例では、二酸化炭素供給部90から供給される二酸化炭素と水素供給部94から供給される水素が、1:4のモル比率となるように混合比が設定され、このモル比率で二酸化炭素及び水素が反応容器82に供給される。
【0043】
利活用装置80は、二酸化炭素供給部90から供給される二酸化炭素を原料として二酸化炭素由来の生成物を製造する装置である。利活用装置80は、反応容器82、ヒータ83、凝縮器84、下流流路85、タンク87などを備える。以下で説明される代表例では、利活用装置80は、原料投入部81によって投入された複数種類の原料(二酸化炭素を含む原料)を反応させ、二酸化炭素由来の生成物としてメタンを生成するメタネーション装置として構成される。
【0044】
反応容器82は、合流路98を通って流れ込む混合ガスを流通させつつ反応させる容器である。反応容器82は適度な圧力に設定されると共にヒータ83によって加熱され、以下の化学反応式で表されるサバティエ反応を生じさせてメタン製造(メタネーション)を行う。
CO+4H→CH+2H
【0045】
図2は、反応容器82内の構成を例示する断面図である。図2に示される矢印は、反応容器82を原料ガスが流通する方向を示す。反応容器82は触媒82X,82Z及び低活性触媒82Yを内包する。反応容器82は、原料ガスの流れの方向に沿って(上流から下流に向かって)、順に第1部82A、第2部82B、第3部82Cを含み、第1部82A、第2部82B、第3部82Cの順にガスが流れる構成をなす。水素と二酸化炭素とが混ざった原料ガスが合流路98から反応容器82に送り込まれると、原料ガスは順に第1部82A、第2部82B、第3部82Cを通過し、反応容器82ないでメタンと水を生成する化学反応が進行する。
【0046】
代表例では、第1部82A及び第3部82Cがそれぞれ触媒82X,82Zを含み、第2部82Bは、触媒82X82Zの触媒活性よりも触媒活性が低い低活性触媒82Yを含む。触媒82X,82Z及び低活性触媒82Yは、化学反応の活性化エネルギーを下げ、化学反応を進行させやすくする。触媒活性が低いとは、化学反応の活性化エネルギーを下げる度合いが小さいことをいう。更に、代表例では、第1部82Aの触媒82Xの触媒活性は、第3部82Cの触媒82Zの触媒活性と同じ、又は、第3部82Cの触媒82Zの触媒活性より低い。また、代表例では、原料ガスの流れの方向における第1部82Aの厚さは、原料ガスの流れの方向における第3部82Cの厚さよりも小さい。但し、このような代表例に限定されるわけではなく、CO+4H→CH+2HOの化学反応式で表されるメタン製造(メタネーション)を行い得る構成であれば、反応容器82内の詳細は様々に変更され得る。例えば、触媒の種類や第1部82A、第2部82B、第3部82Cの厚さは、上述の例に限定されず様々に変更され得る。また、代表例では、第1部82A、第2部82B、第3部82Cが設けられ、3つの領域に区分けされているが、4以上の領域に区分けされていてもよく、2以下の領域であってもよい。
【0047】
触媒82X,82Z及び低活性触媒82Yは、各種の化学反応に適した触媒が制限なく用いられる。触媒82X,82Z及び低活性触媒82Yは、担体に粒子が担持された粉末、ペレット又は多孔質構造体が例示される。担体は、アルミナ、シリカ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、ニオビア、シリカ・アルミナ、ゼオライト、リン酸カルシウムの1種以上を含む酸化物の粉末、ペレット又は多孔質構造体が例示される。多孔質構造体は原料ガスが通過できる通気性を有する。また、粉末およびペレットの間の空隙を原料ガスが通過する。
【0048】
担体に担持される粒子は、Fe,Co,Ni,Cu,Ru,Rh,Pd,Ag,Ir,Pt,Auの1種以上を含む金属が例示される。触媒は、担体および粒子の材料および粒子径が同じであれば、触媒活性は担体が担持する粒子の表面積に比例するので、触媒82X,82Zに比べ、担体が担持する粒子の表面積を小さくすることにより低活性触媒82Yが得られる。
【0049】
また、触媒活性を有しない不活性粒子を触媒82X,82Zに混合し、一定量中に含まれる触媒82X,82Zの量を少なくすることにより低活性触媒82Yが得られる。不活性粒子は、アルミナ、シリカ、マグネシア、チタニア、ジルコニア、ニオビア、シリカ・アルミナ、ゼオライト、リン酸カルシウムの1種以上を含む酸化物の粉末またはペレットが例示される。
【0050】
反応容器82での反応によって生じた生成物は反応容器82の下流に接続された凝縮器84に送り込まれ、凝縮器84によって冷却されることにより、メタンを含むガスと水とに分離される。凝縮器84によって分離された「メタンを含むガス」には、原料ガスの水素と二酸化炭素とが含まれていてもよく、これらの一方又は両方を含んでいなくてもよい。第1実施形態の代表例では、原料投入部81において、二酸化炭素と水素が、1:4のモル比率となるように混合比が設定され、このモル比率で二酸化炭素及び水素が反応容器82に供給される。つまり、代表例では、反応過程で二酸化炭素が全て消費されるため、凝縮器84によって分離された「メタンを含むガス」は、二酸化炭素が含まれていないメタンである。このメタンが二酸化炭素由来の生成物として下流流路85を流れる。下流流路85を流れたメタンは、例えば図示されていないコンプレッサにて圧縮され、タンク87に貯蔵される。タンク87は、例えば、圧縮されたメタンが貯蔵されるメタンボンベである。
【0051】
2.二酸化炭素の消費量算出システム70の詳細
消費量算出システム70は、利活用装置80で消費された二酸化炭素の消費量を算出するシステムである。消費量算出システム70は、二酸化炭素の消費量を算出する機能に加え、この機能以外の様々な機能も有している。消費量算出システム70は、主に、第1検出部71と第2検出部72とデータ処理装置75とを有する。
【0052】
第1検出部71は、第1供給路91を介して供給される二酸化炭素に関する第1パラメータを検出する装置である。代表例では、第1検出部71は、第1供給路91を流れるCO(二酸化炭素)の流量を検出する。第1検出部71は、例えば流量計とガスクロマトグラフィーとを有する。流量計は、第1供給路91を流れる気体の流量を計測する。ガスクロマトグラフィーは、第1供給路91を流れる気体に含まれる各成分(CO、HO等)の濃度(体積比)を計測する。例えば、第1検出部71に含まれる流量計によって計測された第1供給路91を流れる気体の流量が100L/minであり、第1供給路91を流れる気体において、COの体積比が20vol%、HOの体積比が0vol%であることが、第1検出部71に含まれるガスクロマトグラフィーの計測結果に基づいて特定される場合、Hの体積比が80vol%であることが特定され、上記流量及び各気体の各体積比に基づいて、第1供給路91を流れるCOの流量を20L/minと特定し、第1供給路91を流れるHの流量を80L/minと特定し、第1供給路91を流れるHOの流量を0L/minと特定することができる。この例では、第1供給路91を流れるCOの流量が第1パラメータの一例に相当する。
【0053】
第2検出部72は、二酸化炭素利活用装置80で生成された生成物に含まれる二酸化炭素に関する第2パラメータを検出する装置である。代表例では、第2検出部72は、下流流路85を流れるメタンの流量を検出する。第2検出部72は、例えば流量計とガスクロマトグラフィーとを有する。流量計は、利活用装置80で生成された生成物が流れる下流流路において気体の流量を計測する。ガスクロマトグラフィーは、下流流路を流れる気体に含まれる各成分の濃度(体積比)を計測する。例えば、第2検出部72に含まれる流量計によって計測された下流流路85を流れる気体の流量が60L/minであり、下流流路85を流れる気体において、COの体積比が0vol%、HOの体積比が67vol%、CHの体積比が33vol%、COの体積比が0vol%であることが、第2検出部72に含まれるガスクロマトグラフィーの計測結果に基づいて特定される場合、下流流路85を流れるCOの流量を0L/minと特定し、下流流路85を流れるHOの流量を40L/minと特定し、下流流路85を流れるCHの流量を20L/minと特定し、下流流路85を流れるCOの流量を0L/minと特定することができる。この例では、下流流路85を流れるCOの流量が第2パラメータの一例に相当する。
【0054】
データ処理装置75は、算出部の一例に相当する。データ処理装置75は、上述の第1パラメータ及び第2パラメータに基づいて、利活用装置80で消費された二酸化炭素の消費量を算出する。例えば、データ処理装置75(算出部)は、第1パラメータに基づいて特定される二酸化炭素の供給量と、第2パラメータに基づいて特定される生成物内の二酸化炭素の残存量と、の差分に基づいて、利活用装置80での消費量を算出することができる。算出する「利活用装置80での消費量」は、単位時間当たりの消費量であってもよく、所定の算出対象期間での総消費量であってもよい。例えば、第1供給路91を流れるCOの流量X1と下流流路85を流れるCOの流量X2との差分(X1-X2)を二酸化炭素の消費量(具体的には単位時間当たりの消費量)として算出してもよい。例えば、上述の具体例では、第1供給路91を流れるCOの流量X1が20L/minであり、下流流路85を流れるCOの流量X2が0L/minであるため、これらの差分(X1-X2)である20L/minを利活用装置80での二酸化炭素の消費量としてもよい。
【0055】
データ処理装置75(算出部)は、第1パラメータ及び第2パラメータに基づいて消費量を算出するプログラムを備える。プログラムは、第1パラメータと第2パラメータとを変数として消費量を算出する演算式又はテーブルを含んでいる。
【0056】
データ処理装置75は、第1パラメータ及び第2パラメータの少なくともいずれかを含むデータを、クラウドに記録する記録部として機能する。クラウドは、後述のブロックチェーン110を含んだクラウドシステムであってもよく、ブロックチェーンではない記憶システム(サーバ等を含む記憶システム)であってもよい。ここで、第1パラメータ及び第2パラメータの少なくともいずれかを含むデータとは、測定データであってよいが、ハッシュ可により変換されたデータ、又は、検出部に応じたシリアルNOとともにハッシュ化されたデータであってもよい。以下の代表例では、第1パラメータ及び第2パラメータを含むデータをハッシュ化してブロックチェーン110に記憶する例を挙げる。
【0057】
データ処理装置75は、第1パラメータ及び第2パラメータいずれかを、ハッシュ化してブロックチェーンに記録する記録部として機能する。本実施形態では、利活用システム9は、複数のノード102を有する。各ノード102は、ブロックチェーンを実現する装置である。複数のノード102によって実現されるブロックチェーンは、パブリック型ブロックチェーン(パブリックチェーン)であってもよく、プライベート型ブロックチェーン(プライベートチェーン)であってもよく、又は他のタイプのブロックチェーンであってもよい。
【0058】
利活用システム9がプライベート型ブロックチェーンとして実現される場合、データ処理装置75によってデータの収集がなされると、データ内容を示すトランザクションが生成され、生成されたトランザクションが複数のノード102によって検証及び承認される。そして、管理者ノード(例えば利活用システム9を構成するノード102)などの所定ノード又は管理者ノードなどから指定されたノードがハッシュ値を算出し、ブロックが、算出されたハッシュ値を用いて承認済みのトランザクションから構成される。構成されたブロックはブロックチェーンに追加され、各ノード102に分散格納される。一方、利活用システム9がパブリック型ブロックチェーンとして実現される場合、データの収集が実行されると、データの収集内容を示すトランザクションが生成され、生成されたトランザクションがノード102によって検証及び承認される。そして、いずれかのマイナーがハッシュ値を算出し、ブロックが、算出されたハッシュ値を用いて承認済みのトランザクションから構成される。構成されたブロックはブロックチェーンに追加され、各ノード102に分散格納される。
【0059】
データ処理装置75は、上述のプログラム(第1パラメータ及び第2パラメータに基づいて消費量を算出するプログラム)の変更履歴を、ハッシュ化してブロックチェーンに記録する記録部としても機能する。
【0060】
データ処理装置75又はデータ処理装置75とは異なる管理装置が比較部として機能してもよく、この場合、比較部は、第1検出部71及び第2検出部72の少なくともいずれかが第1パラメータ及び第2パラメータの少なくともいずれかを含む現在データを生成した場合に、現在データの生成前にクラウドに記録されたデータと現在データとを比較し、照合することができる。この例において、クラウドに記録されたデータおよび現在データは、例えばハッシュ化されたデータであることが望ましい。さらに、第1検出部71及び第2検出部72で得られたシリアル値に基づくデータを比較してもよい。データの比較については、データ処理装置75又はクラウドに記録されたデータを保管している管理装置などによって所定時間毎(例えば、1時間毎)に実行してもよい。
【0061】
3.二酸化炭素の排出権取引システム1の構成
図3は、二酸化炭素の排出権取引システム1を概念的に示す説明図である。二酸化炭素の排出権取引システム1は、単に取引システム1とも称される。以下で説明される代表例の取引システム1では、少なくとも、上述の消費量算出システム70、管理システム10、及び管理者ウォレット20(図5)を備えて二酸化炭素の排出権取引支援システム8が実現される。なお、図3図4では、管理者ウォレット20(図5)は省略されている。図3では、消費量算出システム70は省略されている。二酸化炭素の排出権取引支援システム8は、単に支援システム8とも称される。
【0062】
取引システム1は、複数のノード2を有する。各ノード2は、ブロックチェーンを実現する装置である。複数のノード2によって実現されるブロックチェーンは、パブリック型ブロックチェーン(パブリックチェーン)であってもよく、プライベート型ブロックチェーン(プライベートチェーン)であってもよく、又は他のタイプのブロックチェーンであってもよい。なお、図3に示されるブロックチェーン100と図1に示されるブロックチェーン110は、別々のブロックチェーンであってもよく、共通のブロックチェーンであってもよい。
【0063】
取引システム1がプライベート型ブロックチェーンとして実現される場合、後述される各取引が実行されると、取引内容を示すトランザクションが生成され、生成されたトランザクションが複数のノード2によって検証及び承認される。そして、管理者ノード(例えば管理システム10を構成するノード2)などの所定ノード又は管理者ノードなどから指定されたノードがハッシュ値を算出し、ブロックが、算出されたハッシュ値を用いて承認済みのトランザクションから構成される。構成されたブロックはブロックチェーンに追加され、各ノード2に分散格納される。一方、取引システム1がパブリック型ブロックチェーンとして実現される場合、後述される各取引が実行されると、取引内容を示すトランザクションが生成され、生成されたトランザクションがノード2によって検証及び承認される。そして、いずれかのマイナーがハッシュ値を算出し、ブロックが、算出されたハッシュ値を用いて承認済みのトランザクションから構成される。構成されたブロックはブロックチェーンに追加され、各ノード2に分散格納される。
【0064】
取引システム1を構成する各ノード2は、例えば、サーバ、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置によって構成される。図3には、6つのノード2が例示されるが、ノード2の数は図3の例よりも多くてもよく、少なくてもよい。
【0065】
複数のノード2のうちの一部は、管理システム10を構成する。管理システム10は、制御部11、通信部12、記憶部13、入力部14、出力部15などを有する。記憶部13は、プログラムやパラメータなどを記憶する装置である。制御部11は、記憶部13に格納されたプログラムやパラメータなどの各種データに従って、ノード2の各種機能及び処理を実行する。通信部12は、制御部11と協働して外部装置と有線通信又は無線通信を行う装置である。入力部14は、操作装置などの入力デバイスであり、出力部15は、表示装置などの出力デバイスである。管理システム10は、1つの装置(例えば、1つのサーバ装置)によって構成されていてもよく、複数の装置によって構成されていてもよい。
【0066】
複数のノード2のうちの一部は、利活用者端末30を構成する。利活用者端末30は、制御部31、通信部32、記憶部33、入力部34、出力部35などを有する。利活用者端末30のハードウェア構成は、管理システム10のハードウェア構成と同様であってもよく、異なっていてもよい。
【0067】
複数のノード2のうちの一部は、排出者端末50を構成する。排出者端末50は、制御部51、通信部52、記憶部53、入力部54、出力部55などを有する。排出者端末50のハードウェア構成は、管理システム10のハードウェア構成と同様であってもよく、異なっていてもよい。
【0068】
図3では、管理システム10、利活用者端末30、排出者端末50以外のノード2の具体的構成は省略されているが、具体的構成が省略されたいずれのノード2も利活用者端末30として構成されていてもよく、排出者端末50として構成されていてもよい。図3に示される利活用者端末30は、排出者端末50の機能を有していてもよい。排出者端末50は、利活用者端末30の機能を有していてもよい。
【0069】
図4のように、管理システム10には、トークン発行部10A及び証明書発行部10Bが含まれる。以下で説明される代表例では、制御部11(図3)がトークン発行部10A及び証明書発行部10Bとして機能する。トークン発行部10Aは、トークンを発行する機能を有する。証明書発行部10Bは、排出権利用証明書や消費証明書を発行する機能を有する。トークンは、取引システム1において取引に用いられる仮想的な通貨又は権利である。
【0070】
図4のように、利活用者端末30が備えられた拠点には、上述の利活用装置80と、上述の消費量算出システム70とが設けられている。
【0071】
本実施形態では、図5(A)のように、管理者に対応付けて管理者アカウントが割り当てられ、管理者アカウントに対して管理者ウォレット20が対応付けられており、管理者アカウントと管理者ウォレットとが対応付けられてブロックチェーン100に記憶されている。管理者アカウントは、管理者を特定する識別情報である。管理者は、トークンの発行を管理する主体である。ブロックチェーン100では、管理者アカウントが特定されれば、管理者ウォレット20の内容が特定される。管理者ウォレット20は、管理システム10に対応付けられたウォレットであり、管理システム10が扱うトークン(管理者のトークン)を保管しておくための仮想的な場所であり、管理者アカウントに対応付けられた仮想的な場所である。
【0072】
本実施形態では、各々の利活用者に対応付けて利活用者アカウントが割り当てられ、利活用者アカウントに対して利活用者ウォレット40が対応付けられている。例えば、図5(B)のように、各々の利活用者アカウントと各利活用者ウォレットとが対応付けられて、ブロックチェーン100に記憶されている。利活用者アカウントは、利活用者ウォレットに対応付けられたアカウントであり、利活用者を特定する識別情報である。利活用者は、二酸化炭素を消費することによりトークンの発行を受ける主体である。利活用者ウォレットは、利活用者が保有するトークンを保管しておくための仮想的な場所であり、利活用者アカウントに対応付けられた仮想的保管場所である。ブロックチェーン100では、例えば、利活用者アカウントA1が特定されれば、利活用者アカウントA1に対応付けられた利活用者ウォレットA2の内容が特定される。利活用者端末30は、利活用者アカウントに基づく通信や取引を行う場合に用いられる端末であり、利活用者アカウントに対応付けられた端末である。利活用者端末30は、消費量算出システム70(図4)を備えていてもよく、消費量算出システム70とは別体であってもよい。
【0073】
本実施形態では、各々の排出者に対応付けて排出者アカウントが割り当てられ、排出者アカウントに対して排出者ウォレット60が対応付けられている。例えば、図5(C)のように、各々の排出者アカウントと各排出者ウォレットとが対応付けられて、ブロックチェーン100に記憶されている。排出者アカウントは、排出者ウォレットに対応付けられたアカウントであり、排出者を特定する識別情報である。排出者は、トークンを購入する主体である。なお、利活用者は排出者になることもあり、排出者は利活用者になることもある。排出者ウォレットは、排出者が保有するトークンを保管しておくための仮想的な場所であり、排出者アカウントに対応付けられた仮想的保管場所である。ブロックチェーン100では、例えば、排出者アカウントP1が特定されれば、排出者アカウントP1に対応付けられた排出者ウォレットP2の内容が特定される。排出者アカウントに対応付けられた排出者端末50(図3等)は、排出者アカウントに基づく通信や取引を行う場合に用いられる端末である。
【0074】
4.二酸化炭素の排出権取引システム1の動作
取引システム1では、利活用者端末30が消費量算出システム70による監視結果に基づいて消費信号を生成及び発信する機能を有し、具体的には、消費量算出システム70が行う消費量計算方法で算出された消費量に基づいて消費信号を生成及び発信する。
【0075】
二酸化炭素利活用装置80において二酸化炭素の消費があった場合、消費量算出システム70は、二酸化炭素利活用装置80で消費された量を検出し、利活用者端末30に与える。利活用者端末30は、消費量算出システム70から二酸化炭素の消費量を取得した場合、図6のように、その消費量の情報を含んだ消費信号を管理システム10に発信する。消費量算出システム70は、利活用装置80での単位時間当たりの二酸化炭素の消費量(L/min)を継続的に監視しているため、利活用装置80で一定時間毎(数時間毎、1日毎、数日毎など)に消費された二酸化炭素の量(体積又は重量)を算出することもできる。このような例では、利活用者端末30は、消費量算出システム70が「利活用装置80での一定時間毎の二酸化炭素の消費量」を算出する毎に算出値(消費量)を取得し、算出値を取得する毎に、取得した算出値(消費量)を含んだ消費信号を管理システム10に発信してもよい。なお、消費量算出システム70が利活用装置80での消費量を算出する算出対象期間は、一定時間毎に限定されず、任意の時間帯であってもよい。
【0076】
図6のように、消費信号(利活用者の二酸化炭素の消費量を通知する信号)が利活用者アカウントに対応付けられた利活用者端末30から管理システム10に発信された場合に、管理システム10のトークン発行部10A(図4)は、消費信号に基づいてトークンを発行する。トークン発行部10Aは、1トークンあたりの二酸化炭素の消費量が予め定めらており、この情報に基づいて、利活用者端末30によって発信された消費信号によって特定される消費量をトークンに換算する。1トークンあたりの二酸化炭素の消費量は、例えば1tである。この例では、消費信号によって特定される二酸化炭素の消費量が10tである場合、トークン発行部10Aは、10トークンを発行する。トークン発行部10Aは、トークンを発行する場合、有効期限を定めてトークンを発行する。有効期限は、例えば発行日から所定日数が経過するまで(例えば、8年経過するまで)であってもよく、予め定められた年月日が到来するまであってもよい。
【0077】
トークン発行部10Aは、無効化部としても機能し、トークンに対して定められた有効期限が経過した場合にトークンを無効にする処理を行う。トークン発行部10Aは、トークンを無効にする場合、有効期限が経過したトークンを保有するウォレットに対してトークンの消去を指示するように動作してもよく、その他の方法で無効化してもよい。
【0078】
トークン発行部10Aがトークンを発行した場合、管理システム10(例えば、トークン発行部10A)は、発行されたトークンを、利活用者ウォレット40に保管する指示を行う。管理システム10(例えば、トークン発行部10A)は、トークン発行部10Aがトークンを発行した場合、発行したトークンを直接的に利活用者ウォレット40に保管させるように指示してもよい。或いは、管理システム10は、トークン発行部10Aがトークンを発行した場合、このトークンを一旦は管理者ウォレット20に保管させてから、この保管されたトークンを利活用者ウォレット40に移動させて保管させるように指示してもよい。いずれの場合でも、発行されたトークンは最終的に、利活用者ウォレット40に保管される。
【0079】
管理システム10の証明書発行部10Bは、利活用者端末30から管理システム10に発信された消費信号に応じてトークン発行部10Aが利活用者ウォレット40にトークンを与えた場合に、上記消費信号に基づいて利活用者アカウントに対して消費証明書を発行する。消費証明書は、上記消費信号によって特定される消費量の二酸化炭素が消費されたことを証明する情報が含まれている。消費証明書は、上記利活用者アカウントによって特定される利活用者の氏名又は名称と、上記消費量の二酸化炭素が消費された事実とが情報として含まれ、証明者の情報(例えば管理者の氏名又は名称)が含まれていてもよい。上記消費証明書は、文字、数字等の記号や画像などを含んだ電子データであることが望ましい。消費証明書が上記電子データである場合、利活用者アカウントに基づく通信や取引を行い得る利活用者端末30が上記消費証明書を取得し得る。利活用者端末30は、上記消費証明書が利活用者アカウントに対して発行(付与)された場合、消費証明書を電子データとして保持したり使用したりすることができ、紙などの媒体に印刷等によって形成してもよい。
【0080】
本実施形態では、管理システム10は、消費信号の履歴及びトークンの取引に関する履歴の少なくともいずれか(望ましくは両方)を、ハッシュ化して上述のブロックチェーンに記録する。従って、管理システム10に与えられる全ての消費信号の履歴や複数のノード2間で行われるトークンの取引に関する全ての履歴がハッシュ化されてブロックチェーンに記録される。
【0081】
図6のように、管理システム10では、利活用者ウォレット40が保管するトークンの売却を要求する売却リクエストが利活用者端末30から管理システム10に通知された場合に、管理システム10は売却リクエストに基づいて利活用者ウォレット40から管理者ウォレット20にトークンを移転する。
【0082】
そして、トークンの購入を要求する購入リクエストが排出者アカウントに対応付けられた排出者端末50から管理システム10に通知された場合に、管理システム10は購入リクエストに基づいて管理者ウォレット20から排出者ウォレット60にトークンを移転する。なお、排出者端末50から管理システム10に与えられる購入リクエストは、トークンの量のみを指定した購入リクエストであってもよく、トークンの量及び最低有効期限を指定した購入リクエストであってもよい。
【0083】
図6のように、管理システム10は、排出者ウォレット60にトークンが保管されている場合において、排出権利用証明書の発行を要求する発行リクエストが排出者端末50から管理システム10に通知されたあとに、管理システム10は排出者ウォレット60に保管されているトークンを上記発行リクエストに基づいて消去し、証明書発行部10Bは排出者アカウントに対して排出権利用証明書を発行する。このようにすることで、排出者はトークン(例えば購入したトークン)を利用することができ、利用した証明書として排出権利用証明書を受け取ることができる。なお、上述の発行リクエストはウォレットに保管されているトークン量を上限として要求することが可能であり、保管されているトークン量の一部のみを使用する形で要求することも可能である。例えば排出者ウォレット60内に10トークンが保管される場合には、排出者端末50は、1~10トークンの範囲で発行リクエストを通知することで任意の量の排出権利用証明書を受け取ることができる。上記排出権利用証明書は、トークンを利用したことの証明書である。具体的には、排出者ウォレット60に保管(保有)されるトークンのうちの上記発行リクエストによって要求される分のトークンが管理システム10によって消去され、消去された分のトークンが利用されたことを特定する情報を含んだ排出権利用証明書が排出者アカウントに付与される。排出権利用証明書には、例えば、上記発行リクエストが要求する量のトークンが利用された事実が情報として含まれ、上記排出者アカウントによって特定される排出者の氏名又は名称や、証明者の情報(例えば管理者の氏名又は名称)が含まれていてもよい。上記排出権利用証明書は、文字、数字等の記号や画像などを含んだ電子データであることが望ましい。排出権利用証明書が上記電子データである場合、排出者アカウントに基づく通信や取引を行い得る排出者端末50が、上記排出権利用証明書を取得し得る。排出者端末50は、上記排出権利用証明書が排出者アカウントに対して発行(付与)された場合、排出権利用証明書を電子データとして保持したり使用したりすることができ、紙などの媒体に印刷等によって形成してもよい。なお、本明細書において、「所定量のトークン」は、所定量のトークンに相当する量の二酸化炭素を排出する排出権として機能する。そして、「排出者ウォレット60に保管(保有)されるトークンが利用されること」は、その利用されるトークン(消去されるトークン)の分だけ排出権が利用されることでもある。従って、排出権利用証明書には、利用される排出権を特定する情報(例えば、トークンの利用分(消去される分)に相当する量の二酸化炭素を排出する権利(排出権)を証明する情報)が含まれていてもよい。
【0084】
なお、図6のような取引を、図7のようにしてもよい。図7の例では、トークンの購入を要求する購入リクエストが排出者端末50から管理システム10に通知され且つ利活用者ウォレット40が保有するトークンの売却を要求する売却リクエストが利活用者端末30から管理システム10に通知された場合に、管理システム10はこれら購入リクエスト及び売却リクエストに基づいて利活用者ウォレット40から排出者ウォレット60にトークンを移転させるトランザクションを実行する。上記トランザクションは、利活用者ウォレット40から排出者ウォレット60に直接的にトークンを移転させる指示であり、このトランザクションを受けた利活用者端末30は、利活用者ウォレット40から排出者ウォレット60に直接的にトークンを移転させるように処理する。この例では、支援システム8は、利活用者端末30から売却リクエストがあり、排出者端末50から購入リクエストがある場合に売却リクエストと購入リクエストとをマッチングさせることで、管理者ウォレット20での一時的な保管を省略し、利活用者ウォレット40から排出者ウォレット60へとトークンを移転させることができる。よって、この支援システム8は、管理者ウォレット20の負担をより抑えることができる。
【0085】
5.効果の例
消費量算出システム70は、第1供給路91を介して供給される二酸化炭素に関する第1パラメータを、第1検出部71によって検出することができる。そして、二酸化炭素利活用装置80で生成された生成物に含まれる二酸化炭素に関する第2パラメータを、第2検出部72によって検出することができる。消費量算出システム70によって実現される消費量算出方法は、二酸化炭素投入前の経路で得られた第1パラメータと、二酸化炭素投入後に得られた生成物に基づく第2パラメータと、を反映し、「二酸化炭素利活用装置80において消費された二酸化炭素の量」をより正確に算出することができる。
【0086】
具体的には、消費量算出システム70によって実現される消費量計算方法は、「第1パラメータに基づいて特定される二酸化炭素の供給量」と「第2パラメータに基づいて特定される生成物内の二酸化炭素の残存量」の差分に基づき、「二酸化炭素利活用装置80において消費された二酸化炭素の量」を、より一層正確に算出することができる。
【0087】
消費量算出システム70は、第1パラメータ及び第2パラメータの少なくともいずれかを、ハッシュ化してブロックチェーンに記録する記録部(データ処理装置75)を有するため、第1パラメータ及び第2パラメータの少なくともいずれかを、ブロックチェーンを用いて管理することができる。よって、消費量算出システム70は、パラメータの不正な改ざんを防止する機能を高めることができ、パラメータの信頼性を担保しつつ、システムを運用することができる。
【0088】
消費量算出システム70は、プログラムの変更履歴を、ハッシュ化してブロックチェーンに記録する記録部(データ処理装置75)を有するため、プログラムの変更履歴を、ブロックチェーンを用いて管理することができる。よって、消費量算出システム70は、プログラムの不正な改ざんを防止する機能を高めることができる。よって、この消費量算出システム70は、プログラムの信頼性を担保しつつ、システムを運用することができる。
【0089】
消費量算出システム70は、第1パラメータ及び第2パラメータの少なくともいずれかを含む現在データを生成した場合に、その現在データを、当該現在データの生成前にクラウドに記録されたデータと比較して検証することができる。
【0090】
排出権取引支援システム8は、二酸化炭素の消費(削減)に寄与する利活用者に対し、利活用者ウォレット40にトークンを付与する形でインセンティブを与えることができる。更に、排出権取引支援システム8は、利活用装置80において二酸化炭素が消費された場合に、消費された二酸化炭素の量をより正確に算出することができ、算出された消費量に基づいて、トークンをより適切に発行することができる。
【0091】
<第2実施形態>
次の説明は、図8図9に示される第2実施形態に係る二酸化炭素の消費量算出システム270及びこれを用いた二酸化炭素利活用システム209に関する。二酸化炭素の消費量算出システム270は、単に消費量算出システム270とも称される。二酸化炭素利活用システム209は、単に利活用システム209とも称される。
【0092】
第2実施形態の消費量算出システム270が適用される利活用システム209は、二酸化炭素利活用装置80に変えて二酸化炭素利活用装置280を用いる点、及び第3検出部73を用いる点が上述の利活用システム9(図1)とは異なる。その他の点は、上述の利活用システム9(図1)と同一であるため、利活用システム209において利活用システム9(図1)と同一の構成については利活用システム9と同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。二酸化炭素利活用装置280は、単に利活用装置280とも称される。
【0093】
なお、上述の排出権取引支援システム8(図4等)は、第1実施形態に係る消費量算出システム70を備えて実現されるが、消費量算出システム70に代えて第2実施形態に係る消費量算出システム270を備えて排出権取引支援システム8が実現されてもよい。この場合、消費量算出システム70に代えて消費量算出システム270によって消費量を算出する点だけが上述の排出権取引支援システム8(図4等)と異なり、それ以外の点は上述の排出権取引支援システム8(図4等)と同一である。
【0094】
図8の利活用システム209において、原料投入部81の構成及び機能は上述の利活用システム9(図1)の原料投入部81と同一である。
【0095】
利活用装置280は、二酸化炭素供給部90から供給される二酸化炭素を原料として二酸化炭素由来の生成物を製造する装置である。利活用装置280は、反応容器82、ヒータ83、凝縮器84、下流流路284、分離部281、生成物経路285、排ガス経路286、タンク87などを備える。以下で説明される例では、利活用装置280は、原料投入部81によって投入された複数種類の原料(二酸化炭素を含む原料)を反応させ、二酸化炭素由来の生成物としてメタンを生成するメタネーション装置として構成される。
【0096】
反応容器82は、合流路98を通って流れ込む混合ガスを流通させつつ反応させる容器である。反応容器82は適度な圧力に設定されると共にヒータ83によって加熱され、例えば、以下の化学反応式で示されるサバティエ反応及び水性ガスシフト反応を生じさせてメタンを生成する。
3CO+6H→CH+2CO+4H
【0097】
反応容器82で生じた生成物は、凝縮器84によって冷却されることにより、メタンを含むガスと水とに分離され、メタンを含むガスは、下流流路284に送られる。凝縮器84によって分離された「メタンを含むガス」には、原料ガスの水素と二酸化炭素とが含まれていてもよい。
【0098】
凝縮器84の下流側の下流流路284には、分離部281が設けられている。代表例では、分離部281は、下流流路284を通る気体(メタンを含むガス)からCHを選択的に分離する分離膜である。分離部281が下流流路284を通る気体からCHを主とする気体と、それ以外の気体とを分離することにより、CHを生成物経路285へと流し、それ以外の気体(生成物経路285へ流れた気体以外の気体)を排ガス経路286へ流す。生成物経路285に送り込まれる気体は、CHのみであってもよく、CH以外の気体がわずかに含まれていてもよい。生成物経路285を流れたメタンは、例えば図示されていないコンプレッサにて圧縮され、図1と同様のタンク87に貯蔵される。
【0099】
この例でも、第1検出部71は、第1実施形態と同様の方法で、第1供給路91を流れる気体に含まれる各成分(CO、HO等)の濃度(体積比)を計測し、第1供給路91を流れる気体の流量を計測する。例えば、第1検出部71に含まれる流量計によって計測された第1供給路91を流れる気体の流量が90L/minであり、第1供給路91を流れる気体において、COの体積比が33vol%、HOの体積比が0vol%であることが、第1検出部71に含まれるガスクロマトグラフィーの計測結果に基づいて特定される場合、Hの体積比が67vol%であることが特定され、上記流量及び各気体の各体積比に基づいて、第1供給路91を流れるCOの流量を30L/minと特定し、第1供給路91を流れるHの流量を60L/minと特定し、第1供給路91を流れるHOの流量を0L/minと特定することができる。この例では、第1供給路91を流れるCOの流量X1が第1パラメータの一例に相当する。
【0100】
第2検出部72は、利活用装置80の下流側に設けられた生成物経路285内の生成物(生成物経路285を通るガス)に含まれる二酸化炭素に関する第2パラメータを検出する。第2検出部72は、流量計とガスクロマトグラフィーを有し、生成物経路285を流れる気体における、CH4、CO、CO、HOのそれぞれの体積比と、生成物経路285を流れる気体のガス流量を測定する。例えば、第2検出部72に含まれる流量計によって計測された生成物経路285を流れる気体の流量が5L/minであり、生成物経路285を流れる気体において、COの体積比が0vol%、HOの体積比が0vol%、CHの体積比が100vol%、COの体積比が0vol%であることが、第2検出部72に含まれるガスクロマトグラフィーの計測結果に基づいて特定される場合、生成物経路285を流れるCOの流量を0L/minと特定し、生成物経路285を流れるHOの流量を0L/minと特定し、生成物経路285を流れるCHの流量を5L/minと特定し、生成物経路285を流れるCOの流量を0L/minと特定することができる。この例では、生成物経路285を流れるCOの流量X2が第2パラメータの一例に相当する。
【0101】
第3検出部73は、利活用装置280の下流側において生成物以外の排ガスが通過するように設けられた排ガス経路286内の「排ガスに含まれる二酸化炭素」に関する第3パラメータを検出する。具体的には、第3検出部73は、排ガス経路286を流れる気体における、CO、CO、HOのそれぞれの体積比と、排ガス経路286を流れる気体のガス流量を測定する。例えば 第3検出部73に含まれる流量計によって計測された排ガス経路286を流れる気体の流量が75L/minであり、排ガス経路286を流れる気体において、COの体積比が20vol%、HOの体積比が27vol%、CHの体積比が0vol%、COの体積比が13vol%であることが、第3検出部73に含まれるガスクロマトグラフィーの計測結果に基づいて特定される場合、排ガス経路286を流れるCOの流量を15L/minと特定し、排ガス経路286を流れるHOの流量を20L/minと特定し、排ガス経路286を流れるCHの流量を0L/minと特定し、排ガス経路286を流れるCOの流量を10L/minと特定し、排ガス経路286を流れるHの流量を30L/minと特定することができる。この例では、排ガス経路286を流れるCOの流量X3が第3パラメータの一例に相当する。なお、排ガス経路286を流れるCOは、燃料などに利用してもよい。
【0102】
データ処理装置75(算出部)は、第1パラメータと第2パラメータと第3パラメータとに基づいて消費量を算出する。例えば、第1供給路91を流れるCOの流量X1と生成物経路285を流れるCOの流量X2との差分(X1-X2)から、更に排ガス経路286を流れるCOの流量X3を減じた値(X1-X2-X3)を二酸化炭素の消費量として算出してもよい。上述の具体例では、第1供給路91を流れるCOの流量X1が30L/minであり、生成物経路285を流れるCOの流量X2が0L/minであり、排ガス経路286を流れるCOの流量X3が15L/minであるため、この場合、X1-X2-X3の値に相当する15L/minを、利活用装置80で消費された二酸化炭素の消費量(具体的には単位時間当たりの消費量)として算出することができる。
【0103】
このように、第2実施形態に係る消費量算出システム270は、利活用装置280において上記生成物(メタン)と上記生成物以外の排ガスが生じる場合に、排ガスに含まれる二酸化炭素に関する第3パラメータを、第3検出部73によって検出することができる。そして、消費量算出システム270は、二酸化炭素投入前の経路で得られた第1パラメータと、二酸化炭素投入後に得られた上記生成物(メタン)に基づく第2パラメータと、残存した排ガスに含まれる二酸化炭素に基づく第3パラメータと、を反映し、「二酸化炭素利活用装置280において消費された二酸化炭素の量」をより正確に算出することができる。
【0104】
<他の実施形態>
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態の特徴は、以下のように変更されてもよい。
【0105】
上述された実施形態では、二酸化炭素利活用装置80,280がメタネーション装置であったが、この例に限定されず、二酸化炭素を原料として二酸化炭素とは異なる二酸化炭素由来の生成物を生成し得る装置であればよい。例えば、二酸化炭素利活用装置80,280がエタノールを製造する装置であってもよい。この場合、図1図8と同様に原料投入部81を構成して水素と二酸化炭素を原料とし、反応容器82において以下の化学反応式でエタノールが生成されればよい。
6H+2CO→CHCHOH+3H
例えば、図1の構成をエタノール製造に適用する例では、第1実施形態と同様に、第1検出部71では、第1供給路91を流れる気体の流量(ガス流量)と第1供給路91を流れる気体におけるCO、HOの各体積比を測定する。例えば、第1供給路91を流れる気体の流量が80L/minであり、第1供給路91を流れる気体において、COの体積比が25vol%、HOの体積比が0vol%であることが、第1検出部71に含まれるガスクロマトグラフィーの計測結果に基づいて特定される場合、Hの体積比が75vol%であることが特定され、上記流量及び各気体の各体積比に基づいて、第1供給路91を流れるCOの流量を20L/minと特定し、第1供給路91を流れるHの流量を60L/minと特定し、第1供給路91を流れるHOの流量を0L/minと特定することができる。この例では、第1供給路91を流れるCOの流量X1が第1パラメータの一例に相当する。
そして、第2検出部72は、下流流路85を流れる気体の流量を検出する。例えば、第2検出部72に含まれる流量計によって計測された下流流路85を流れる気体の流量が40L/minであり、下流流路85を流れる気体において、COの体積比が0vol%、HOの体積比が75vol%、エタノールの体積比が25vol%、COの体積比が0vol%であることが、第2検出部72に含まれるガスクロマトグラフィーの計測結果に基づいて特定される場合、下流流路85を流れるCOの流量を0L/minと特定し、下流流路85を流れるHOの流量を30L/minと特定し、下流流路85を流れるエタノールの流量を10L/minと特定し、下流流路85を流れるCOの流量を0L/minと特定することができる。この例では、下流流路85を流れるCOの流量X2が第2パラメータの一例に相当する。
この例でも、データ処理装置75は、上述の第1パラメータ及び第2パラメータに基づいて、利活用装置80での二酸化炭素の消費量を算出することができ、例えば、第1パラメータと第2パラメータの差分(X1―X2)を利活用装置80での二酸化炭素の消費量とすることができる。
【0106】
第1実施形態や第1実施形態を変更した他の実施形態では、第1パラメータと第2パラメータの差分(X1―X2)そのものを利活用装置80での二酸化炭素の消費量とすることができるが、差分(X1―X2)に対して何らかの補正演算を行った値を利活用装置80での二酸化炭素の消費量としてもよい。同様に第2実施形態でも、上述の値(X1―X2-X3)に対して何らかの補正演算を行った値を利活用装置280での二酸化炭素の消費量としてもよい。
【0107】
上述の実施形態では、消費量算出システムが「供給部」「二酸化炭素利活用装置」を含まない構成である。但し、この構成に限定されず、「供給部」「二酸化炭素利活用装置」のいずれか一方又は両方が消費量算出システムに含まれていてもよい。例えば、第1実施形態を例に挙げると、消費量算出システム70の構成要素として、二酸化炭素供給部90及び二酸化炭素利活用装置80のいずれか一方又は両方が含まれていてもよい。
【0108】
上述の実施形態では、第1パラメータが上述の流量X1であるが、第1パラメータは、第1供給路91を流れるCOの量を特定し得るパラメータであればよい。例えば、第1供給路91を流れる気体の流量及び第1供給路91を流れる気体におけるCO、HO、Hのそれぞれの体積比が第1パラメータであってもよい。或いは、第1パラメータは、単位時間あたりに流れる量でなくてもよく、所定時間内に反応容器82に投入された二酸化炭素の体積であってもよく、この体積を特定し得る他の指標(圧力、温度等)であってもよい。
【0109】
第1実施形態では、第2パラメータは上述の流量X2であるが、第2パラメータは、下流流路85を流れるCOの量を特定し得るパラメータであればよい。例えば、下流流路85を流れる気体の流量及び下流流路85を流れる気体におけるCO、HO、Hのそれぞれの体積比が第2パラメータであってもよい。或いは、第2パラメータは、単位時間あたりに流れる量でなくてもよく、所定時間内にタンク87に送り込まれた二酸化炭素の体積であってもよく、この体積を特定し得る他の指標(圧力、温度等)であってもよい。
【0110】
第2実施形態では、第2パラメータは上述の流量X2であるが、生成物経路285を流れるCOの量を特定し得るパラメータであればよい。例えば、生成物経路285を流れる気体の流量及び生成物経路285を流れる気体におけるCO、HO、Hのそれぞれの体積比が第2パラメータであってもよい。或いは、第2パラメータは、所定時間内にタンク87に送り込まれた二酸化炭素の体積であってもよく、この体積を特定し得る他の指標(圧力、温度等)であってもよい。
【0111】
第2実施形態では、第3パラメータは、排ガス経路286を流れるCOの量を特定し得るパラメータであればよい。例えば、排ガス経路286を流れる気体の流量及び排ガス経路286を流れる気体におけるCO、HO、Hのそれぞれの体積比が第2パラメータであってもよい。或いは、第2パラメータは、所定時間内に排ガス経路286を通過した二酸化炭素の体積であってもよく、この体積を特定し得る他の指標(圧力、温度等)であってもよい。
【0112】
上述の実施形態では、管理システム10及び管理者ウォレット20によって支援システム8が構成されたが、いずれの実施形態に係る支援システム8でも、利活用者端末30及び排出者端末50のいずれか一方又は両方が支援システム8に含まれていてもよい。或いは、利活用者ウォレット40及び排出者ウォレット60のいずれか一方又は両方が支援システム8に含まれていてもよい。
【0113】
なお、今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0114】
8 :排出権取引支援システム
9 :二酸化炭素の利活用システム
10 :管理システム
10A :トークン発行部
20 :管理者ウォレット
30 :利活用者端末
40 :利活用者ウォレット
70,270 :消費量算出システム
71 :第1検出部
72 :第2検出部
73 :第3検出部
75 :データ処理装置(算出部、記録部、比較部)
80,280 :二酸化炭素利活用装置
90 :二酸化炭素供給部(供給部)
91 :第1供給路(原料供給経路)
100 :ブロックチェーン
110 :ブロックチェーン
270 :消費量算出システム
281 :分離部
285 :生成物経路
286 :排ガス経路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9