(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031407
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】電池温度調節システム
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6556 20140101AFI20240229BHJP
H01M 10/6568 20140101ALN20240229BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/6568
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134943
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000222484
【氏名又は名称】株式会社ティラド
(72)【発明者】
【氏名】高野 峻吾
(72)【発明者】
【氏名】須山 隆行
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031KK08
(57)【要約】
【課題】 電池の温度調節における精度の向上。
【解決手段】 表面に複数の面を有する電池1と、電池1の少なくとも二つの面に熱交換器2が設置され、各熱交換器2の内部の流路3に熱媒体4が流通し、少なくとも2つの熱交換器2における熱媒体4の流通が互いに同様でないようにする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に複数の面を有する電池(1)と、
電池(1)の少なくとも二つの面に熱交換器(2)が設置され、
各熱交換器(2)の内部の流路(3)に熱媒体(4)が流通し、
少なくとも2つの熱交換器(2)における熱媒体(4)の流通が互いに同様ではない電池温度調節システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電池温度調節システムにおいて、
電池(1)は、その外形が直方体であり、
各熱交換器(2)は外形が長方形の平板型であるとともに、各熱交換器(2)の基本構造は同一であり、前記長方形の1つの辺(2a)に、熱媒体(4)の入口(5)および出口(6)が形成されており、
直方体の中心оを原点とし、直方体の面と直交する直交座標系の軸をX軸、Y軸、Z軸とし、
Y軸の正の部分と直交する面を第1平面(YP)、Y軸の負の部分と直交する面を第2平面(YM)とし、
Z軸の正の部分と直交する面を第3平面(ZP)、Z軸の負の部分と直交する面を第4平面(ZM)としたとき、
第1平面(YP)、第2平面(YM)、第4平面(ZM)に熱交換器(2)が配置され、
第1平面(YP)および第2平面(YM)に配置された熱交換器(2)に配置された各入口(5)は第3平面(ZP)側に位置し、各出口(6)は第4平面(ZM)側に位置する電池温度調節システム。
【請求項3】
請求項2に記載の電池温度調節システムにおいて、
X軸の正の部分と直交する面を第5平面(XP)、X軸の負の部分と直交する面を第6平面(XM)としたとき、
第4平面(ZM)に配置された第3熱交換器(2C)において、その入口(5)および出口(6)が形成された辺(2a)は第5平面(XP)側に位置し、かつその入口(5)は第2平面(YM)側、その出口(6)は第1平面(YP)側に配置されており、
第1平面(YP)に配置された第1熱交換器(2A)の入口(5)および出口(6)の形成された辺(2a)が、第6平面(XM)側に位置し、
第2平面(YM)に配置された第2熱交換器(2B)の入口(5)および出口(6)が形成された辺(2a)が、第5平面(XP)側に位置する電池温度調節システム。
【請求項4】
請求項1に記載の電池温度調節システムにおいて、
電池(1)は、その外形が直方体であり、
各熱交換器(2)は外形が長方形の平板型であるとともに、各熱交換器(2)の基本構造は同一であり、前記長方形の1つの辺(2a)に、熱媒体(4)の入口(5)および出口(6)が形成されており、
直方体の中心оを原点とし、直方体の面と直交する直交座標系の軸をX軸、Y軸、Z軸とし、
Y軸の正の部分と直交する面を第1平面(YP)、Y軸の負の部分と直交する面を第2平面(YM)としたとき、
Z軸の正の部分と直交する面を第3平面(ZP)、Z軸の負の部分と直交する面を第4平面(ZM)、
第1平面(YP)、第2平面(YM)に熱交換器(2)が配置され、
第1平面(YP)に配置された第1熱交換器(2A)の入口(5)は、第3平面(ZP)または第4平面(ZM)の一方の平面側に位置し、出口(6)は他方の平面側に位置し、
第2平面(YM)に配置された第2熱交換器(2B)の入口(5)および出口(6)のそれぞれの位置が、第1熱交換器(2A)の入口(5)および出口(6)の位置とは逆の平面側に位置する電池温度調節システム。
【請求項5】
請求項4に記載の電池温度調節システムにおいて、
X軸の正の部分と直交する面を第5平面(XP)、X軸の負の部分と直交する面を第6平面(XM)としたとき、
第1熱交換器(2A)の入口(5)および出口(6)が配置された辺(2a)と、
第2熱交換器(2B)の入口(5)および出口(6)が配置された辺(2a)とが、
ともにX軸上の同じ平面側に位置している電池温度調節システム。
【請求項6】
請求項4または請求項5のいずれかに記載の電池温度調節システムにおいて、
第1平面(YP)と第2平面(YM)との間の第1面間距離を(W)とし、
第3平面(ZP)と第4平面(ZM)との間の第2面間距離を(b)とし、
第5平面(XP)と第6平面(XM)との間の第3面間距離を(a)としたとき、
W、a、bとの関係が、
W<aであり、
且つ
W<bである電池温度調節システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池の温度調節における精度の向上に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は、従来の電池温度調節システムであり、
図8は、従来の電池温度調節システムにおける電池1内部の温度分布を示している。
電池1は、
図7に示す如く、直方体である。
熱交換器2は外形が長方形の平板型であり、その内部に熱媒体4が流通する流路を有し、長方形の1つの辺2aに熱媒体4の入口5および出口6が形成されている。
この熱交換器2は、電池1の下面に配置され、電池の下面側から冷却するものである。
また、熱交換器が電池の側面に配置されたものが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これらの従来型の電池温度調節システムでは、電池において、一部の平面にしか熱交換器が配置されていないので、
図8に示す如く、電池内部における温度差が大きくなり、精密な温度調整が困難となっていた。
電池内部における温度差が大きくなると、電池の性能の低下につながる。
そこで本発明は、電池の温度調節における精度の向上を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決する第1の発明は、表面に複数の面を有する電池1と、
電池1の少なくとも二つの面に熱交換器2が設置され、
各熱交換器2の内部の流路3に熱媒体4が流通し、
少なくとも2つの熱交換器2における熱媒体4の流通が互いに同様ではない電池温度調節システムである。
【0005】
第2の発明は、第1の発明において、
電池1は、その外形が直方体であり、
各熱交換器2は外形が長方形の平板型であるとともに、各熱交換器2の基本構造は同一であり、前記長方形の1つの辺2aに、熱媒体4の入口5および出口6が形成されており、
直方体の中心оを原点とし、直方体の面と直交する直交座標系の軸をX軸、Y軸、Z軸とし、
Y軸の正の部分と直交する面を第1平面YP、Y軸の負の部分と直交する面を第2平面YMとし、
Z軸の正の部分と直交する面を第3平面ZP、Z軸の負の部分と直交する面を第4平面ZMとしたとき、
第1平面YP、第2平面YM、第4平面ZMに熱交換器2が配置され、
第1平面YPおよび第2平面YMに配置された熱交換器2に配置された各入口5は第3平面ZP側に位置し、各出口6は第4平面ZM側に位置する電池温度調節システムである。
【0006】
第3の発明は、第2の発明において、
X軸の正の部分と直交する面を第5平面XP、X軸の負の部分と直交する面を第6平面XMとしたとき、
第4平面ZMに配置された第3熱交換器2Cにおいて、その入口5および出口6が形成された辺2aは第5平面XP側に位置し、かつその入口5は第2平面YM側、その出口6は第1平面YP側に配置されており、
第1平面YPに配置された第1熱交換器2Aの入口5および出口6の形成された辺2aが、第6平面XM側に位置し、
第2平面YMに配置された第2熱交換器2Bの入口5および出口6が形成された辺2aが、第5平面XP側に位置する電池温度調節システムである。
【0007】
第4の発明は、第1の発明において、
電池1は、その外形が直方体であり、
各熱交換器2は外形が長方形の平板型であるとともに、各熱交換器2の基本構造は同一であり、前記長方形の1つの辺2aに、熱媒体4の入口5および出口6が形成されており、
直方体の中心оを原点とし、直方体の面と直交する直交座標系の軸をX軸、Y軸、Z軸とし、
Y軸の正の部分と直交する面を第1平面YP、Y軸の負の部分と直交する面を第2平面YMとしたとき、
Z軸の正の部分と直交する面を第3平面ZP、Z軸の負の部分と直交する面を第4平面ZM、
第1平面YP、第2平面YMに熱交換器2が配置され、
第1平面YPに配置された第1熱交換器2Aの入口5は、第3平面ZPまたは第4平面ZMの一方の平面側に位置し、出口6は他方の平面側に位置し、
第2平面YMに配置された第2熱交換器2Bの入口5および出口6のそれぞれの位置が、第1熱交換器2Aの入口5および出口6の位置とは逆の平面側に位置する電池温度調節システムである。
【0008】
第5の発明は、第4の発明において、
X軸の正の部分と直交する面を第5平面XP、X軸の負の部分と直交する面を第6平面XMとしたとき、
第1熱交換器2Aの入口5および出口6が配置された辺2aと、
第2熱交換器2Bの入口5および出口6が配置された辺2aとが、
ともにX軸上の同じ平面側に位置している電池温度調節システムである。
【0009】
第6の発明は、第4または第5のいずれかの発明において、
第1平面YPと第2平面YMとの間の第1面間距離をWとし、
第3平面ZPと第4平面ZMとの間の第2面間距離をbとし、
第5平面XPと第6平面XMとの間の第3面間距離をaとしたとき、
W、a、bとの関係が、
W<aであり、
且つ
W<bとなる電池温度調節システムである。
【発明の効果】
【0010】
第1の発明の電池温度調節システムは、表面に複数の面を有する電池1の少なくとも二つの面に熱交換器2が設置され、各熱交換器2の内部の流路3に熱媒体4が流通し、少なくとも2つの熱交換器2における熱媒体4の流通が互いに同様でないことを特徴とする。
複数の面を有する電池1の少なくとも2つの面に熱交換器2が配置されているので、従来の一つの面に熱交換が配置された場合より、電池1内部における温度差が小さくなり、高精度な温度調節が可能となる。
また、少なくとも2つの熱交換器2における熱媒体の流通が互いに同様ではないので、熱交換に伴う熱媒体4の温度変化が当該熱交換器の間で平均化され、前記温度変化によって生じる電池1内部の温度差が抑制され、より高精度な温度調節が可能となる。
【0011】
第2の発明の電池温度調節システムは、直方体の電池1の第1平面YP、第2平面YM、第4平面ZMに熱交換器2が配置され、第1平面YPおよび第2平面YMに配置された熱交換器2に配置された各入口5は第3平面ZP側に位置し、各出口6は第4平面ZM側に位置することを特徴としている。
この構成により、電池1の第1平面YP、第2平面YMの第3平面ZP側を強く温度調整することが可能となるため、電池1の第3平面ZPに熱交換器2を配置せずとも、電池1の内部における温度差を小さくすることができる。
【0012】
第3の発明の電池温度調節システムは、第4平面ZMに配置された第3熱交換器2Cにおいて、その入口5および出口6が形成された辺2aは第5平面XP側に位置し、かつその入口5は第2平面YM側、その出口6は第1平面YP側に配置されており、第1平面YPに配置された第1熱交換器2Aの入口5および出口6の形成された辺2aが、第6平面XM側に位置し、第2平面YMに配置された第2熱交換器2Bの入口5および出口6が形成された辺2aが、第5平面XP側に位置することを特徴とする。
この構成により、熱交換に伴う熱媒体4の流通方向における温度変化が、電池1に配置された各熱交換器(2A、2B、2C)間で平均化されるので、前記温度変化によって生じる電池1内部の温度差が抑制され、より高精度な温度調整が可能となる。
【0013】
第4の発明の電池温度調節システムは、直方体の電池1の第1平面YP、第2平面YMに熱交換器2が配置され、第1平面YPに配置された第1熱交換器2Aの入口5は、第3平面ZPまたは第4平面ZMの一方の平面側に位置し、出口6は他方の平面側に位置し、
第2平面YMに配置された第2熱交換器2Bの入口5および出口6のそれぞれの位置が、第1熱交換器2Aの入口5および出口6の位置とは逆の平面側に位置することを特徴とする。
この構成により、熱交換に伴う熱媒体4の温度変化が、電池に配置された各熱交換器2A、2B間で平均化されるので、前記温度変化によって生じる電池1内部の温度差が抑制され、より高精度な温度調整が可能となる。
【0014】
第5の発明の電池温度調節システムは、第1熱交換器2Aの入口5および出口6が配置された辺2aと、第2熱交換器2Bの入口5および出口6が配置された辺2aとが、ともにX軸上の同じ平面側に位置していることを特徴とする。
熱交換に伴う熱媒体4の流通方向における温度変化が、電池に配置された各熱交換器2A、2B間で平均化されるので、前記温度変化によって生じる電池1内部の温度差が抑制され、より高精度な温度調整が可能となる。
【0015】
第6の発明の電池温度調節システムは、第1平面YPと第2平面YMとの間の第1面間距離をWとし、第3平面ZPと第4平面ZMとの間の第2面間距離をbとし、第5平面XPと第6平面XMとの間の第3面間距離をaとしたとき、
W、a、bとの関係が、
W<aであり、且つ、
W<bとなることを特徴とする。
この場合、電池1における、熱交換器2A、2Bが配置された対向する2つの第1平面YPと第2平面YMの第1面間距離Wが小さく、前記平均化の効果がより顕著となるので、前記温度変化によって生じる電池1内部の温度差が抑制され、より高精度な温度調整が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に用いられる電池1の各面の位置関係を示す斜視図。
【
図4】本発明の電池温度調節システムの第1の実施例を示す分解斜視図。
【
図5】同電池温度調節システムによる電池内部の温度分布を示す説明図。
【
図6】本発明の電池温度調節システムの第2の実施例を示す分解斜視図。
【
図8】従来型電池温度調節システムによる電池内部の温度分布を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の電池温度調節システムは、表面に複数の面を有する電池1の少なくとも二つの面に熱交換器2が設置され、各熱交換器2の内部の流路3に熱媒体4が流通し、少なくとも2つの熱交換器2における熱媒体4の流通が互いに同様ではないことを特徴としている。
ここで、「熱媒体の流通が互いに同様ではない」とは、流路の形状が同様で流通の向きが異なる場合だけでなく、流路そのものが異なる場合も含まれる。
上記特徴から、複数の面を有する電池1の少なくとも2つの面に熱交換器2が配置されているので、従来の一つの面に熱交換が配置された場合より、電池1内部における温度差が小さくなり、高精度な温度調節が可能となる。また、少なくとも2つの熱交換器2における熱媒体の流通が互いに同様ではないので、熱交換に伴う熱媒体4の温度変化が当該熱交換器の間で平均化され、前記温度変化によって生じる電池1内部の温度差が抑制され、より高精度な温度調節が可能となる。
【0018】
次に、図面に基づいて本発明の各実施の形態につき説明する。
各実施例の電池温度調節システムは、
図1に示す如く、外形が直方体の電池1を用いる。
この電池1において、直方体の中心оを原点とし、直方体の面と直交する直交座標系の軸をX軸、Y軸、Z軸とする。
Y軸の正の部分と直交する面を第1平面YP、Y軸の負の部分と直交する面を第2平面YMとし、
Z軸の正の部分と直交する面を第3平面ZP、Z軸の負の部分と直交する面を第4平面ZMとし、
X軸の正の部分と直交する面を第5平面XP、X軸の負の部分と直交する面を第6平面XMとする。
各面は相対的なものであり、電池1の設置姿勢に依らない。
【0019】
また、同システムにおいて、
図2、
図3に示すような熱交換器2を用いる。
同システムでは、同一の基本構造を有する複数の熱交換器2を電池1の複数の面に配置する。
各熱交換器2は、外形が長方形の平板型であり、長方形の1つの辺2aに、熱媒体4の入口5および出口6が形成され、熱交換器2の内部に熱媒体4が流通する偏平な流路3が形成された基本構造を有する。
熱交換器の基本構造以外の構造については、適宜、その構造を変更可能である。
【0020】
各実施例では、
図3に示す如く、熱交換器の電池1と接触する接触面2bが平坦に形成されている。また、
図2に示す如く、長方形の1つの辺2aは熱交換器2の外方に突出しており、その辺2aの部分に間隔をあけて熱媒体4の入口5および出口6が形成されている。
熱交換器2の流路3には、一例として、
図2、
図3に示すような仕切部7が形成されており、熱媒体4が入口5から仕切部7を介して出口6へU字状に流通する。
図2、
図3の例では、1つの仕切部7によりU字状の流路3が形成されているが、複数本の仕切部7によりM字状の流路3を形成することもできる。
熱媒体4が流通する流路の形状は、これらの例に限られない。
熱媒体4は、例として、冷却水、気液二相状態の冷媒等を用いることができる。
【実施例0021】
この第1の実施例では、
図4に示す如く、電池1の側面のうち、第1平面YP、第2平面YM、第4平面ZMに熱交換器2が配置されている。
また、第1平面YPおよび第2平面YMに配置された各熱交換器2A、2Bに配置された各入口5は第3平面ZP側に位置し、各出口6は第4平面ZM側に位置する。
【0022】
対向する熱交換器2A、2Bの熱媒体4の各入口5の配置を電池1の第3平面ZP側にすることにより、電池1の第1平面YP、第2平面YMの第3平面ZP側を強く温度調整することが可能となるため、電池1の第3平面ZPに熱交換器2を配置せずとも、電池1の内部における温度差を小さくすることができる。
【0023】
さらに、第4平面ZMに配置された第3熱交換器2Cにおいて、その入口5および出口6が形成された辺2aは第5平面XP側に位置し、かつその入口5は第2平面YM側、その出口6は第1平面YP側に配置されている。
ここで、第1平面YPに配置された第1熱交換器2Aの入口5および出口6の形成された辺2aが、第6平面XM側に位置し、第2平面YMに配置された第2熱交換器2Bの入口5および出口6が形成された辺2aは、第5平面XP側に位置している。
これにより、熱交換器2Cにおける入口5付近の熱媒体4の流れの向きと熱交換器2Bにおける出口6付近の熱媒体4の流れの向きは対向し、また、熱交換器2Cにおける出口6付近の熱媒体4の流れの向きと熱交換器2Aにおける出口6付近の熱媒体4の流れの向きは対向するようになるので、
図5の電池内部の温度分布の説明図に示す如く、熱交換に伴う熱媒体4の流通方向における温度変化が、電池に配置された各熱交換器(2A、2B、2C)間でより平均化される。
ゆえに、熱交換に伴う熱媒体4の流通方向における温度変化によって生じる電池1の内部の温度差が抑制され、より高精度な温度調整が可能となる。
なお、本実施例において、各熱交換器(2A、2B、2C)の入口5と出口6を全て入れ替えても良い。すなわち、各熱交換器(2A、2B、2C)における熱媒体4の流れの向きを全て逆にしてもよい。
さらに、第1熱交換器2Aの入口5および出口6が配置された辺2aと、第2熱交換器2Bの入口5および出口6が配置された辺2aとが、ともに第5平面XP側に位置している。(第1熱交換器2Aおよび第2熱交換器2Bの入口5および出口6が配置された辺2aは、ともに第6平面XM側に位置していてもよい。)
このため、熱交換に伴う熱媒体4の流通方向における温度変化が、電池に配置された各熱交換器(2A、2B)間でよりいっそう平均化されるので、さらに、温度変化によって生じる電池1内部の温度差が抑制され、より高精度な温度調整が可能となる。
なお、第2の実施例においては、W<a、且つ、W<bの場合、電池1における、熱交換器2A,2Bが配置された対向する2つの第1平面YPと第2平面YMの第1面間距離Wが相対的に小さく、前記平均化の効果がより顕著となるので、前記温度変化によって生じる電池1内部の温度差が抑制され、より高度な温度調整が可能となる。
ここで、
Wは第1平面YPと第2平面YMとの間の第1面間距離であり、
bは第3平面ZPと第4平面ZMとの間の第2面間距離であり、
aは第5平面XPと第6平面XMとの間の第3面間距離である。