IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サン電子工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-空気浄化装置及び車両用空気浄化装置 図1
  • 特開-空気浄化装置及び車両用空気浄化装置 図2
  • 特開-空気浄化装置及び車両用空気浄化装置 図3
  • 特開-空気浄化装置及び車両用空気浄化装置 図4
  • 特開-空気浄化装置及び車両用空気浄化装置 図5
  • 特開-空気浄化装置及び車両用空気浄化装置 図6
  • 特開-空気浄化装置及び車両用空気浄化装置 図7
  • 特開-空気浄化装置及び車両用空気浄化装置 図8
  • 特開-空気浄化装置及び車両用空気浄化装置 図9
  • 特開-空気浄化装置及び車両用空気浄化装置 図10
  • 特開-空気浄化装置及び車両用空気浄化装置 図11
  • 特開-空気浄化装置及び車両用空気浄化装置 図12
  • 特開-空気浄化装置及び車両用空気浄化装置 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031408
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】空気浄化装置及び車両用空気浄化装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/16 20060101AFI20240229BHJP
   A61L 9/20 20060101ALI20240229BHJP
   B01D 46/00 20220101ALI20240229BHJP
   B01D 46/52 20060101ALI20240229BHJP
   F24F 8/22 20210101ALI20240229BHJP
   F24F 8/108 20210101ALI20240229BHJP
   B60H 3/06 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
A61L9/16 F
A61L9/20
B01D46/00 F
B01D46/52 Z
F24F8/22
F24F8/108 210
B60H3/06 B
B60H3/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134944
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】595122132
【氏名又は名称】サン電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河道 修一
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 祐司
(72)【発明者】
【氏名】松本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】押領司 豊
【テーマコード(参考)】
3L211
4C180
4D058
【Fターム(参考)】
3L211BA10
3L211DA73
4C180AA02
4C180AA07
4C180AA10
4C180AA16
4C180AA17
4C180DD03
4C180DD09
4C180HH19
4C180KK10
4C180LL20
4D058JA14
4D058TA07
4D058UA25
(57)【要約】
【課題】空気中に含まれる塵、埃、花粉、カビ、細菌、ウィルス等を捕集するとともに、フィルタに付着したカビ、細菌、ウィルス等を短時間に死滅させる。
【解決手段】空気を浄化する空気浄化装置は、流入口から流入して流出口から流出する空気が通過するようにケースの内部に配置されたフィルタ部材と、ケースに配置されてフィルタ部材に対して紫外線光を照射する光照射部と、を有する。光照射部は、紫外線光を出射する光源部と、光源部からの紫外線光をフィルタ部材の前記厚み方向の一方側の流入面に導く導光棒と、を有する。導光棒の出光部とフィルタ部材の流入面との距離は、フィルタ部材の空気が通過する方向の厚みよりも小さい。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を浄化する空気浄化装置であって、
箱状であって厚み方向の一方側の底板部に形成された流入口と他方側の蓋部に形成された流出口とを有するケースと、
前記流入口から流入して前記流出口から流出する空気が通過するように前記ケースの内部に配置されたフィルタ部材と、
前記ケースに配置されて前記フィルタ部材に対して紫外線光を照射する光照射部と、を有し、
前記光照射部は、
紫外線光を出射する光源部と、
前記光源部からの紫外線光を前記フィルタ部材の前記厚み方向の一方側の流入面に導く導光棒と、を有し、
前記導光棒は、
前記光源部からの紫外線光を受光する受光部と、
前記フィルタ部材の前記流入面と前記厚み方向に対向し、前記受光部で受光した前記光源部からの紫外線光を前記フィルタ部材に対して照射する出光部と、を有し、
前記導光棒の出光部と前記フィルタ部材の前記流入面との距離は、前記フィルタ部材の空気が通過する方向の厚みよりも小さい空気浄化装置。
【請求項2】
前記フィルタ部材は、前記導光棒と前記厚み方向に対向するプリーツ形状の面状フィルタを含み、
前記フィルタ部材は、前記プリーツ形状の折り線が前記導光棒と交差するように配置される請求項1に記載の空気浄化装置。
【請求項3】
前記流入口は、前記厚み方向の一方側から見たとき矩形状の貫通孔であり、
前記ケースは、
前記流入口の対角線上に配置された梁部を有し、
前記梁部は、前記厚み方向の他方側に前記導光棒を保持する請求項2に記載の空気浄化装置。
【請求項4】
前記ケースは、
前記底板部の前記厚み方向の他方側の面から他方側に向かって延びる矩形筒状の側壁部を有し、
前記梁部は、隣り合う前記側壁部の内壁面により構成される角部から前記流入口の中央に延びて中央で連結されるように4つ備えられ、
各前記梁部のそれぞれは1の前記導光棒を保持する請求項3に記載の空気浄化装置。
【請求項5】
前記側壁部は、前記厚み方向から見たときに前記流入口の外側を囲み、
各前記導光棒の前記角部の近傍に配置される端面が前記受光部であり、
前記各角部に配置された4個の光源部を有する請求項4に記載の空気浄化装置。
【請求項6】
前記側壁部の4つの内壁面のそれぞれと平行に配置された4つの長尺状の導光板を有し、
前記導光板は、長手方向の端面が受光部であり、前記流入口に向かう面が出光部である請求項5に記載の空気浄化装置。
【請求項7】
前記厚み方向から見て前記側壁部の内壁面よりも内側に、前記内壁面と隙間を介して配置される4つの遮光板を有し、
4つの前記遮光板は、前記底板部と一体的に形成されており、
各前記遮光板には、それぞれ1の前記導光板が接触して配置される請求項6に記載の空気浄化装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の空気浄化装置を車両に装着した車両用空気浄化装置であって、
前記光照射部には、前記車両に搭載された電源部からの電力で充電されて前記電源部をバックアップする電源バックアップコンデンサからの電力供給が可能であり、
前記車両が緊急停止以外で動作を終了するとき、前記光照射部が、電源バックアップコンデンサからの電力で駆動される車両用空気浄化装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気浄化装置に関し、特に車両に搭載される車両用空気浄化装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気浄化装置は、空気がプリーツ形状のフィルタを通過するときに、フィルタによって空気に含まれる埃、塵、細菌、ウィルス等の異物を捕集する。フィルタによって捕集された埃、塵、細菌、ウィルス等の異物に対し、紫外線ランプから紫外線を照射することで、埃、塵等に発生するカビ、細菌、ウィルス等を死滅させることで、消臭するようにしているものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003―190269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の構成の場合、紫外線ランプをフィルタから離して配置し、紫外線をフィルタに広く照射する構成であるため、フィルタの深部に紫外線光が到達しにくく、カビ、細菌、ウィルス等を十分に死滅させるためには照射に時間がかかる。
【0005】
そこで、本発明は、空気中に含まれる塵、埃、花粉、細菌、ウィルス等を捕集するともに、捕集した塵、埃、花粉等で繁殖したカビ、細菌、ウィルス等を短時間に死滅させることができる空気浄化装置及び車両用空気浄化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の空気浄化装置は、空気を浄化する空気浄化装置である。空気浄化装置は、箱状であって厚み方向の一方側の底板部に形成された流入口と他方側の蓋部に形成された流出口とを有するケースと、前記流入口から流入して前記流出口から流出する空気が通過するように前記ケースの内部に配置されたフィルタ部材と、前記ケースに配置されて前記フィルタ部材に対して紫外線光を照射する光照射部と、を有する。前記光照射部は、紫外線光を出射する光源部と、前記光源部からの紫外線光を前記フィルタ部材の前記厚み方向の一方側の流入面に導く導光棒と、を有する。前記導光棒は、前記光源部からの紫外線光を受光する受光部と、前記フィルタ部材の前記流入面と前記厚み方向に対向し、前記受光部で受光した前記光源部からの紫外線光を前記フィルタ部材に対して照射する出光部と、を有する。前記導光棒の出光部と前記フィルタ部材の前記流入面との距離は、前記フィルタ部材の空気が通過する方向の厚みよりも小さい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、空気中に含まれる塵、埃、花粉、細菌、ウィルス等を捕集するともに、捕集した塵、埃、花粉等で繁殖したカビ、細菌、ウィルス等を短時間に死滅させることができる空気浄化装置及び車両用空気浄化装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態にかかる空気浄化装置の斜視図である。
図2図1に示す空気浄化装置の分解斜視図である。
図3】ベース部材の第1角部の近傍を拡大した平面図である。
図4】一方側から見たフィルタ部材と蓋部との分解斜視図である。
図5】フィルタ部材を蓋部に組付けた状態を一方側から見た斜視図である。
図6】光照射部の取り付け状態を示す斜視図である。
図7】導光板の取り付け状態を示す斜視図である。
図8】カバーの取り付け状態を示す斜視図である。
図9】フィルタ部材を保持した蓋部の取り付け状態を示す斜視図である。
図10】空気浄化装置の部分断面図である。
図11】自動車に搭載された本発明の一実施形態にかかる空気浄化装置の概略配置図である。
図12図11に示す自動車の電装機器の電気的な接続状態を示すブロック図である。
図13】自動車の電装機器の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本発明の一実施形態の空気浄化装置1について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる空気浄化装置1の斜視図である。図2は、図1に示す空気浄化装置1の分解斜視図である。図3は、ベース部材21の第1角部211の近傍を拡大した平面図である。図4は、一方側から見たフィルタ部材3と蓋部26との分解斜視図である。図5は、フィルタ部材3を蓋部26に組付けた状態を一方側から見た斜視図である。図6は、光照射部4の取り付け状態を示す斜視図である。図7は、導光板7の取り付け状態を示す斜視図である。図8は、カバー25の取り付け状態を示す斜視図である。図9は、フィルタ部材3を保持した蓋部26の取り付け状態を示す斜視図である。なお、図1に示す空気浄化装置1を基準として、上下方向を厚み方向とし、下側を厚み方向の一方側とする。また、上側を厚み方向の他方側とする。
【0010】
図1に示すように空気浄化装置1は、偏平箱型の直方体である。空気浄化装置1において、最も短い辺に沿う方向が厚み方向である。空気は、厚み方向に流れる。さらに説明すると、空気浄化装置1では、図1において、下から上に向かって空気浄化装置1の内部を通過する。空気浄化装置1は、通過する空気に含まれる、塵、埃、花粉、カビ、細菌、ウィルス等の異物を捕集することで、浄化された空気を排出する。図1図2に示すように、空気浄化装置1は、ケース2と、フィルタ部材3と、光照射部4と、を有する。
【0011】
<ケース2>
図1図2等に示すように、ケース2は、厚み方向に見たとき、矩形状である。ケース2は、ベース部材21と、カバー25と、蓋部26と、を有する。
【0012】
<ベース部材21>
ベース部材21は、底板部22と、側壁部23と、遮光板24と、を有する。底板部22は、長方形の板状であり、中央に厚み方向に貫通する流入口220を有する。
【0013】
図2図6図7等に示すように、流入口220は、矩形状であり、ここでは、正方形状である。流入口220は、空気の流れ方向の上流側に配置され、空気は、流入口220から空気浄化装置1の内部に流入する。
【0014】
ベース部材21は、4つの側壁部を有する。4つの側壁部は、第1側壁部231、第2側壁部232、第3側壁部233及び第4側壁部234である。第1側壁部231、第2側壁部232、第3側壁部233及び第4側壁部234は、平面視において環状に接続されている。第1側壁部231は、平面視において最も厚い。第2側壁部232及び第3側壁部233は、第1側壁部231の長手方向の両端のそれぞれと接続される。第4側壁部234は、第1側壁部231と対向して配置されるとともに、第2側壁部232及び第3側壁部233と接続される。
【0015】
なお、第1側壁部231、第2側壁部232、第3側壁部233及び第4側壁部234を、代表して側壁部23とする場合がある。つまり、各側壁部23は、平面視において、矩形の環状に配置される。各側壁部23は、底板部22の辺縁部の厚み方向の他方側の面から他方側に延びる。
【0016】
また、ベース部材21は、4つの角部を有する。4つの角部は、それぞれ、第1角部211、第2角部212、第3角部213及び第4角部214である。第1角部211は、第1側壁部231と第2側壁部232との間の角部である。第2角部212は、第1側壁部231と第3側壁部233との間の角部である。第3角部213は、第3側壁部233と第4側壁部234との間の角部である。第4角部214は、第2側壁部232と第4側壁部234との間の角部である。
【0017】
図2図6図7等に示すように、第1側壁部231の長手方向の中間部分には、保持溝236が形成されている。保持溝236には、光照射部4の後述する電力供給部43が挿入される。保持溝236は、電力供給部43を挿入可能であるとともに、電力供給部43を保持できる形状である。
【0018】
また、図2図6図7等に示すように、第2側壁部232及び第3側壁部233の厚み方向の他方側の端面には、他方側に突出する係合突起235が形成されている。係合突起235は、先端部分が内側に屈曲したいわゆるスナップフィット形状である。厚み方向の他方側からカバー25及び蓋部26を厚み方向の一方側に移動させることで、係合突起235は、カバー25及び蓋部26の辺縁部の後述する係合凹部254及び係合凹部263と係合する。なお、本実施形態では、係合突起235は、第2側壁部232及び第3側壁部233に配置されているが、これに限定されない。第4側壁部234に配置されてもよい。また、3つの側壁部に設けられてもよい。
【0019】
遮光板24は、底板部22の厚み方向の他方側の面から他方側に延びる板状である。遮光板24は、第1側壁部231、第2側壁部232及び第3側壁部233の内側にスリット215を介して対向するように配置される。なお、第1側壁部231と対向する遮光板24を第1遮光板241、第2側壁部232と対向する遮光板24を第2遮光板242、第3側壁部233と対向する遮光板24を第3遮光板243とする。
【0020】
スリット215には、光照射部4の後述するフレキシブル基板42が配置される。遮光板24の長手方向の両端は、ケース2の内側に屈曲した素子配置部244が形成されている。そして、隣り合う遮光板24の素子配置部244同士は、隙間216を開けて形成されている。隙間216には、光照射部4の後述する光源部41の後述する光源素子416が配置される。
【0021】
また、第4側壁部234のケース2の内側の長手方向の両端には、第2遮光板242及び第3遮光板243の素子配置部244と隙間を介して同一面を形成するように配置された素子配置部238を有する。第2遮光板242の素子配置部244と第3遮光板243の素子配置部244と、第4側壁部234の両端の素子配置部238との間にも、隙間217が形成される。この隙間217にも光源素子416が配置される。
【0022】
底板部22は、各角部から延びる4つの梁部を有する。4つの梁部は、長尺状である。4つの梁部は、それぞれ、第1梁部271、第2梁部272、第3梁部273及び第4梁部274である。第1梁部271は、第1角部211から第3角部213に向かって延びる。第2梁部272は、第2角部212から第4角部214に向かって延びる。第3梁部273は、第3角部213から第1角部211に向かって延びる。第4梁部274は、第4角部214から第2角部212に向かって延びる。なお、第1梁部271、第2梁部272、第3梁部273及び第4梁部274を代表して梁部27とする場合がある。
【0023】
平面視において第1梁部271、第2梁部272、第3梁部273及び第4梁部274は、中央部で交差する。第1梁部271、第2梁部272、第3梁部273及び第4梁部274のケース2の内面側には、それぞれ、第1保持溝281、第2保持溝282、第3保持溝283及び第4保持溝284が形成される。なお、第1保持溝281、第2保持溝282、第3保持溝283及び第4保持溝284を代表して、保持溝28とする場合がある。
【0024】
また、底板部22は、4つの導光板保持部29を有する。4つの導光板保持部29は、流入口220の各辺の長手方向の中間部(ここでは、中央部)の辺縁部から厚み方向の他方側に延びる平板状である。4つの導光板保持部29は、第1遮光板241、第2遮光板242、第3遮光板243及び第4側壁部234と間隙を挟んで対向する。
【0025】
なお、導光板保持部29は、後述する導光板7の出光面76を塞ぐように配置される。そのため、なるべく小さい方が好ましい。
【0026】
底板部22の第1遮光板241、第2遮光板242、第3遮光板243及び第4側壁部234のそれぞれと導光板保持部29との間の部分の長手方向の両端には、厚み方向の他方側に突出する規制リブ224を有する(図3図6等参照)。規制リブ224は、後述する導光板7の長手方向の端面と接触し、導光板7の長手方向の移動を規制する。
【0027】
ケース2の第1角部211、第2角部212、第3角部213及び第4角部214には、4つの光源部配置部が設けられる。4つの光源部配置部は、第1光源部配置部201、第2光源部配置部202、第3光源部配置部203及び第4光源部配置部204である。第1光源部配置部201は、第1角部211に設けられる。第2光源部配置部202は、第2角部212に設けられる。第3光源部配置部203は、第3角部213に設けられる。第4光源部配置部204は、第4角部214に設けられる。なお、第1光源部配置部201、第2光源部配置部202、第3光源部配置部203及び第4光源部配置部204を代表して、光源部配置部20とする場合がある。
【0028】
第1光源部配置部201、第2光源部配置部202、第3光源部配置部203及び第4光源部配置部204には、それぞれ、光照射部4の後述する第1光源部411、第2光源部412、第3光源部413及び第4光源部414が配置される。各光源部配置部20は、平面視において三角形状である。光源部配置部20は、スリット215と連通している。
【0029】
各光源部配置部20には、背面規制部225(図3図6図7等参照)と、側方規制部226(図3参照)と、を有する。背面規制部225は、梁部27の長手方向と直交する方向に拡がる面を有する。なお、本実施形態にかかるケース2において、背面規制部225は、底板部22及び側壁部23と一体的に形成されているが、これに限定されず、別体で形成して、後で、固定するようにしてもよい。
【0030】
側方規制部226は、底板部22から厚み方向に突出するリブである。側方規制部226は、光源部配置部20の梁部27の長手方向と直交する方向に対をなして配置される。側方規制部226は、各光源部41の光源基板415の両端部が接触することで、光源基板415の底板部22に沿うとともに梁部27の長手方向と直交する方向の移動が制限される。
【0031】
<光照射部4>
フィルタ部材3は、通過する空気に含まれる塵、埃、花粉、カビ、細菌、ウィルス等を捕集する。フィルタ部材3において、捕集されたカビ、細菌、ウィルスが増殖する場合がある。そこで、本実施形態にかかる空気浄化装置1では、ケース2の内部に光照射部4を配置し、紫外線光を照射することで、カビ、細菌、ウィルス等を死滅させている。これにより、カビ、細菌、ウィルス等の拡散を抑制するとともに、消臭を行っている。なお、カビ、細菌、ウィルスを死滅させることを、ここでは、殺菌と称する。
【0032】
光照射部4は、光源部41と、フレキシブル基板42と、電力供給部43と、導光棒6と、導光板7と、を有する。
【0033】
電力供給部43は、電力基板431と、電力供給回路432とを有する。電力基板431は、一定の剛性を有するリジット基板で構成される。図6に示すように電力基板431は、長方形状のプリント基板であり、電力供給回路432が実装される。
【0034】
電力供給回路432は、外部の電力源(例えば、後述の電源部200、電源バックアップコンデンサ300等)から供給される電力を変換し、フレキシブル基板42を介して光源素子416の駆動に適した電圧及び電流を光源部41に供給する。
【0035】
光照射部4は、4つの光源部を有する。4つの光源部はそれぞれ第1光源部411、第2光源部412、第3光源部413及び第4光源部414である。第1光源部411は、電力供給部43と隣接して配置され、第1光源部配置部201に収容される。第2光源部412は、電力供給部43と隣接して配置され、第2光源部配置部202に収容される。第3光源部413は第2光源部412の電力供給部43と反対側に配置され、第3光源部配置部203に収容される。第4光源部414は第1光源部411の電力供給部43と反対側に配置され、第4光源部配置部204に収容される。なお、第1光源部411、第2光源部412、第3光源部413及び第4光源部414を代表して、光源部41とする場合がある。
【0036】
各光源部41は、光源基板415と、光源素子416と、を有する。光源基板415は、リジット基板である。光源基板415は、背面を背面規制部225に接触させた状態で固定される。そのため、光源基板415は、表面実装の基板が用いられる。光源素子416は、光源基板415の表面に実装される。光源素子416は、電力が供給されることで、紫外線光を出光する半導体素子、ここでは、紫外線光LEDである。なお、光源基板415の背面の背面規制部225への固定は、例えば、接着によって行われるが、これに限定されない。光源基板415を背面規制部225に強固に固定できる固定方法を広く採用することができる。
【0037】
光照射部4では、電力供給部43の電力基板431と、第1光源部411及び第2光源部412の光源基板415とは、それぞれ、フレキシブル基板42を介して電気的に接続される。また、第1光源部411と第4光源部414とは、フレキシブル基板42を介して電気的に接続される。さらに、第2光源部412と第3光源部413とは、フレキシブル基板42を介して電気的に接続される。フレキシブル基板42は、可撓性を有する回路基板である。
【0038】
図6図7に示すように、光照射部4は、スリット215に配置される。詳しく説明すると、電力供給部43は、保持溝236に挿入される。電力供給部43の電力基板431の両端は、保持溝236の段部237と接触する。これにより、電力基板431、すなわち、電力供給部43の移動が制限される。電力供給部43が保持溝236に挿入されるとき、4つの光源部41は、それぞれ、収容される光源部配置部20の厚み方向の他方側の開口から挿入される。
【0039】
各光源部41の光源基板415は、背面を背面規制部225に接触させる。このとき、光源基板415の表面に実装されている光源素子416は、隙間216に配置される。そして、光源基板415をさらに押し込んで、光源基板415を底板部22に接触させたとき、光源基板415の両端面は側方規制部226と接触し、光源基板415の横方向の移動が規制される。このとき、光源素子416は、隙間216を構成する素子配置部244又は素子配置部238と接触する。
【0040】
これにより、第1光源部411の光源素子416の出光面から出射される紫外線光は、対角線に沿って第3角部213に向かって照射される。第2光源部412の光源素子416は、第4角部214に向かって、第3光源部413の光源素子416は、第1角部211に向かって、第4光源部414の光源素子416は、第2角部212に向かってそれぞれ対角線に沿って紫外線光を照射することができる。そして、フレキシブル基板42は、スリット215に配置される。
【0041】
<導光棒6>
次に導光棒6について説明する。光照射部4には、4つの導光棒6を有する。4つの導光棒は、第1導光棒61、第2導光棒62、第3導光棒63及び第4導光棒64である。第1導光棒61は、第1梁部271の第1保持溝281に保持される。第2導光棒62は、第2梁部272の第2保持溝282に保持される。第3導光棒63は、第3梁部273の第3保持溝283に保持される。第4導光棒64は、第4梁部274の第4保持溝284に保持される。なお、第1導光棒61、第2導光棒62、第3導光棒63及び第4導光棒64を代表して導光棒6とする場合がある。
【0042】
各導光棒6は、光、特に紫外線光が透過可能な材料で形成された長尺状の部材である。本実施形態の空気浄化装置1において、導光棒6は、円柱状である。導光棒6は、受光部65と、第1出光部66と、第2出光部67と、を有する。受光部65は、長手方向の一方側の端面である。第1出光部66は、円柱状の導光棒6の外周面の一部に形成されている。なお、導光棒6の外周面の第1出光部66と反対側は粗面化処理されており、光反射面として形成されている。また、導光棒6の受光部65と反対側の端面が第2出光部67である。
【0043】
各導光棒6は、第1出光部66が、フィルタ部材3に向かうように保持される。導光棒6は、保持溝28に収容された状態で、接着等の固定方法で固定されてもよい。各導光棒6では、受光部65から入射した紫外線光は、導光棒6の内部を移動する。そして、紫外線光は、光反射面で乱反射される。そのため、反射面に入射した紫外線光の一部は、第1出光部66側に向かい、第1出光部66から外部に出射される。つまり、光反射面を形成することで、導光棒6の内部を通過する紫外線光は、第1出光部66の全体から出射される。また、第1出光部66から出射されなかった紫外線光は、第2出光部67から出射される。
【0044】
図6等に示すように、導光棒6が保持溝28に保持されたとき、受光部65は、各光源部41の光源素子416の出光面と流入口220の対角線方向に対向する。なお、4つの導光棒6のいずれもが、光源部材保持溝222に保持されたとき、各導光棒6の受光部65は、それぞれ近接して配置された光源素子416の出光面と対向して配置される。これにより光源素子416から出射された紫外線光の多くが導光棒6の受光部65から入射する。
【0045】
図7に示すように、各導光棒6の第2出光部67は、中央部に集約される。そのため、中央部には、紫外線光が集中しやすく、中央部の紫外線照射による、カビ、細菌、ウィルスの死滅の効果を高めることができる。なお、反射面の構成の仕方によって、第1出光部66から出射される紫外線光の強度を調整してもよい。例えば、異物が溜まりやすい角部の近傍に多くの紫外線を照射するように、反射部を構成することで、紫外線の照射によるカビ、細菌、ウィルス等の死滅の効果を高めることができる。
【0046】
<導光板7>
空気浄化装置1には、4つの導光板が配置される。導光板7は、直方体形状であり、導光棒6と同様、紫外線光が透過可能な材料で形成されている。4つの導光板は、第1導光板71、第2導光板72、第3導光板73及び第4導光板74である。第1導光板71は、第1遮光板241と導光板保持部29との間にそれぞれと接触して配置される。第2導光板72は、第2遮光板242と導光板保持部29との間にそれぞれと接触して配置される。第3導光板73は、第3遮光板243と置規制部(不図示)との間にそれぞれと接触して配置される。第4導光板74は、第4側壁部234と導光板保持部(不図示)との間にそれぞれと接触して配置される。なお、第1導光板71、第2導光板72、第3導光板73及び第4導光板74を代表して導光板7とする場合がある。
【0047】
各導光板7の長手方向の両端は、規制リブ224に接触して位置決めされる。この状態で、導光板7は、底板部22に接着剤にて固定される。なお、固定方法は接着剤による接着に限定されない。導光板7の長手方向の両端面が、受光部75であり、内周面が出光部76である。なお、出光部と反対側の面は、導光棒6と同様、粗面化処理が施されて反射面が形成されてもよい。
【0048】
導光板7を底板部22に固定したとき、導光板7の受光部75は、ベース部材21の各角部に配置された各光源部41の光源素子416の近傍に配置される。光源素子416から紫外線光が出光されるとき、紫外線光は、出光面から多少広がって出射される。導光棒6の受光部65の外側に照射された紫外線光が、導光板7の受光部75から導光板7に入射する。導光板7に入射した紫外線光は、反射面で乱反射され、出光部76の長手方向の全域からケース2の内部に向かって出射する。空気浄化装置1では、導光板7の出光部76から出射される紫外線光は、フィルタ部材3の厚み方向と直交する方向に照射される。なお、フィルタ部材3の第1折り線31及び第2折り線32が延びる方向に配置される導光板7(第1導光板71、第4導光板74)から照射された紫外線光は、プリーツの奥まで到達できる。
【0049】
<カバー25>
図2図8等に示すとおり、カバー25は、厚み方向から見た形状が長方形の板状であり、側壁部23の厚み方向の他方側の端面に接触して配置される。このとき、カバー25の外縁は側壁部23の外面と面一になる。カバー25は、開口部251と、第1保持突起252と、第2保持突起253と、係合凹部254と、を有する。開口部251は、厚み方向に貫通する貫通孔である。開口部251は、流入口220と同様、平面視において正方形であり、流入口220と略同じ大きさである。そして、カバー25を側壁部23の厚み方向の他方側の端部に接触させて配置したとき、開口部251及び流入口220は、重なる又は略重なる。これにより、カバー25は、流入口220から流入した空気の流れを略妨げない。
【0050】
第1保持突起252は、カバー25の厚み方向の一方側の面から一方側に延びる突起である。第1保持突起252は、ベース部材21の各角部に配置された各光源部配置部20に挿入される。第1保持突起252が各光源部配置部20に配置されることで、第1保持突起252の先端が、光源基板415の厚み方向の他方側の端面と接触する。光源基板415の厚み方向の両端面は、底板部22及び第1保持突起252よって挟まれる。これにより、光源基板415の厚み方向の移動が規制される。
【0051】
なお、本実施形態の空気浄化装置1のケース2において、4つの第1保持突起252は、各光源部配置部20の形状に合わせた形状、すなわち、厚み方向と直交する方向の断面が三角形状である。このようにすることで、第1保持突起252の側面が、側壁部23、遮光板24等と接触し、カバー25がベース部材21に対して位置決めされる。しかしながら、第1保持突起252の形状はこの形状に限定されず、光源部配置部20に挿入可能であるとともに、光源基板415の厚み方向の他方側の面と接触可能な形状を広く採用することができる。例えば、4つの第1保持突起252は、それぞれ、異なる形状であってもよい。
【0052】
第2保持突起253は、保持溝236に挿入される。第2保持突起253は、保持溝236に配置される電力供給部43の後述する電力基板431の厚み方向の他方側の面と接触する。これにより、電力基板431は、第1側壁部231の長手方向の移動が規制される。
【0053】
係合凹部254は、カバー25の辺縁部から内方に凹む凹部である。係合凹部254には、係合突起235が配置される。これにより、係合凹部254と係合突起235が接触することで、カバー25の面内方向の移動が規制される。なお、係合突起235は、蓋部26とともに、カバー25と係合することで、カバー25及び蓋部26を保持する。
【0054】
<蓋部26>
図2図4図5に示すとおり、蓋部26は、側壁部23の厚み方向の他方側の端面に接触して配置されたカバー25の厚み方向の他方側の面に接触して配置される。蓋部26は、厚み方向から見た形状が長方形の板状である。蓋部26をカバー25に重ねて配置されたとき、蓋部26の辺縁部はカバー25の辺縁部と厚み方向に重なる。蓋部26は、流出口261と、フィルタ支柱262と、係合凹部263と、フィルタ支持部264と、を有する。
【0055】
流出口261は、厚み方向に貫通する貫通孔である。流出口261は、開口部251及び流入口220と同様、平面視において正方形であり、開口部251及び流入口220よりも小さい。そして、蓋部26をカバー25に重ねて配置したとき、平面視において、流出口261は、開口部251及び流入口220の内部に収まる。
【0056】
フィルタ支柱262は、蓋部26の厚み方向の一方側の面から一方側に突出する。フィルタ支柱262は、2つの平板の端部同士を連結したアングル形状である。フィルタ支柱262の内側の面は、流出口261の隣り合う内周面のそれぞれと滑らかに接続するように構成されている。
【0057】
係合凹部263は、カバー25の係合凹部254と厚み方向に重なるように形成されている。係合凹部263は、蓋部26の辺縁部から内方に凹む凹部である。係合凹部263には、係合突起235が配置される。これにより、係合凹部254と係合突起235が接触することで、カバー25の面内方向の移動が規制される。なお、係合突起235は、蓋部26とともに、カバー25を係合することで、保持する。
【0058】
フィルタ支持部264は、長尺状の部材を十字状に交差させた形状を有する。フィルタ支持部264の長尺状の部材の先端部は、流出口261の内周面と一体的に接続している。本実施形態において、フィルタ支持部264は、流出口261の各辺の中央部と一体的に形成されており、対向する他方の辺に向かって突出する。厚み方向から見たとき、フィルタ支持部264は、梁部27に対して一定の角度(ここでは、45度)ずれている。しかしながら、これに限定されず、フィルタ支持部264は、平面視において梁部27と重なるように配置されていてもよい。また、フィルタ支持部264は、並んで配置されてもよい。
【0059】
<フィルタ部材3>
図4に示すように、蓋部26の厚み方向の一方側には、フィルタ部材3が配置される。フィルタ部材3は、不織布等のシート状のろ材を所定の間隔で折り曲げたプリーツ状の面状フィルタである。フィルタ部材3は、平面視において正方形状であり、厚み方向の一方側には第1折り線31が並んで配置され、厚み方向の他方側には第2折り線32が並んで配置される。プリーツ状の面状フィルタを用いることで、フィルタ部材3は、第1折り線31及び第2折り線32が延びる方向に曲げられにくい。
【0060】
蓋部26の厚み方向の一方側にフィルタ部材3を配置することで、フィルタ部材3の四隅は、フィルタ支柱262に支持される。また、フィルタ部材3の厚み方向の他方側は、フィルタ支持部264に支持される。さらに説明すると、フィルタ支持部264は、平面視において十字状に形成されているため、フィルタ支持部264は、フィルタ部材3の第2折り線32と交差する。また、フィルタ部材3の第2折り線32の一部は、フィルタ支持部264と全長に渡って接触する。
【0061】
このように、フィルタ部材3がフィルタ支柱262及びフィルタ支持部264によって、蓋部26の厚み方向の一方側に取り付けられる。このとき、フィルタ部材3は、平面視における各辺が蓋部26の流出口261の各辺と略平行となるように、蓋部26に取り付けられる。
【0062】
なお、フィルタ部材3は、蓋部26に接着等の固定方法で固定されてもよい。また、蓋部26に配置された係合部材(不図示)をフィルタ部材3に係合させて、フィルタ部材3を保持してもよい。蓋部26をベース部材21に取り付けるため、蓋部26をフィルタ部材3が下向きになるように保持しても、フィルタ部材3の脱落が抑制されるとともに、空気の通過が邪魔されないような固定方法を採用することが好ましい。
【0063】
蓋部26は保持されているフィルタ部材3は、カバー25の開口部251からベース部材21の側壁部23に囲まれた空間に挿入される。このとき、フィルタ支柱262は、カバー25の開口部251の内周面の角部に接触する。これにより、フィルタ支柱262は、カバー25の開口部251に対して位置決めされ、フィルタ部材3は、ケース2の内部に所定の位置に配置される。
【0064】
フィルタ部材3のケース2内部における位置について図面を参照して説明する。図10は、空気浄化装置1の部分断面図である。図10に示すように、ケース2に蓋部26に固定されたフィルタ部材3では、第1折り線31が導光棒6に近接して配置される。フィルタ部材3は、厚み方向における導光棒6と第1折り線31との距離H1が、第1折り線31と第2折り線32の厚み方向の長さH2(つまり、フィルタ部材3の厚みH2)よりも小さくなるように、配置される。そして、平面視において、フィルタ部材3の第1折り線31及び第2折り線32は導光棒6と交差して配置される。
【0065】
空気浄化装置1では、流入口220から空気が流入され、内部に収容されたフィルタ部材3を通過する。このとき、空気に含まれる塵、埃、花粉、カビ、細菌、ウィルス等の異物Ubは、フィルタ部材3の空気の流れる方向の上流側、つまり、流入口220側に捕集される。
【0066】
空気浄化装置1において、梁部27及び梁部27に取り付けられた導光棒6が空気の流れと交差するように配置されている。そして、導光棒6と第1折り線31との距離H1を、第1折り線31と第2折り線32との厚み方向の長さH2よりも短くすることで、空気に含まれる、塵、埃、花粉、カビ、細菌、ウィルス等の異物Ubが、導光棒6の空気の流れ方向の裏側(フィルタ部材3と対向する側)及びフィルタ部材3の第1折り線31の近傍の導光棒6と対向する部分に集中して捕集される(図10参照)ことが、実験によりわかった。
【0067】
導光棒6の第1出光部66は、第1折り線31と厚み方向に対向して配置されている。そのため、導光棒6の第1出光部66から出射される紫外線光が、導光棒66の裏側及びフィルタ部材3の第1折り線31の近傍の導光棒6と対向する部分で集中して捕集された異物Ub及び異物Ubに付着したカビ、細菌、ウィルス等に効果的に照射される。
【0068】
すなわち、空気浄化装置1では、導光棒6の空気の流れと方向の裏側(フィルタ部材3と対向する側)、及び、導光棒6と厚み方向に対向するフィルタ部材3の第1折り線31に埃や雑菌などを集める。捕集された塵、埃、花粉、カビ、細菌、ウィルス等は、導光棒6の第1出光部66と近接した位置に集中して捕集される。そのため、導光棒6の第1出光部66から出射された紫外線光は、近距離から塵、埃、花粉、カビ、細菌、ウィルス等に集中的に照射される。これにより、空気浄化装置1では、効率よく殺菌、消臭が行われる。
【0069】
上述したとおり、平面視において第1梁部271、第2梁部272、第3梁部273及び第4梁部274は、中央部で交差(交差部分275とする)する。交差部分275は、流入口220の中央部であり、空気の流れの中央部で、最も流速が早くなる部分において、空気の流れに対して抵抗となる(妨害する)ように配置される。そのため、フィルタ部材3の交差部分275と厚み方向に対向する部分の近傍では、塵、埃、花粉、カビ、細菌、ウィルス等の異物が集中して捕集される。これは、例えば、川の中央部に存在する橋脚の後ろ側(下流側)にごみが巻き込まれて、集まるのと同じ現象である。
【0070】
第1導光棒61、第2導光棒62、第3導光棒63及び第4導光棒64の第2出光部67は、交差部分275に向かって配置されており、各導光棒6の第2出光部67から出射された紫外線光が交差部分275で集約される。また、上述しているとおり、各導光棒6とフィルタ部材3との距離が近い。そのため、各導光棒6の第2出光部67から出射、梁部27の交差部分275で集約された紫外線光は、フィルタ部材3の交差部分275と厚み方向に対向する部分で捕集される塵、埃、花粉、カビ、細菌、ウィルス等の異物に、集中的に照射される。これにより、空気浄化装置1では、効率よく殺菌、消臭が行われる。
【0071】
また、空気浄化装置1では、ケース2の第1角部211、第2角部212、第3角部213及び第4角部214の近傍にも、塵、埃、花粉、カビ、細菌、ウィルス等の異物が集まりやすい傾向にあることを実験により確認した。
【0072】
第1角部211の近傍には、第1導光板71及び第2導光板72から紫外線光が集中的に照射される。また、第2角部212の近傍には、第1導光板71及び第3導光板から紫外線光が集中的に照射される。第3角部213の近傍には、第3導光板73及び第4導光板74から紫外線光が集中的に照射される。さらに、第4角部214の近傍には、第2導光板72と第4導光板74から紫外線光が集中的に照射される。
【0073】
なお、導光板保持部29が、流入口220の各辺の長手方向の中間部に配置されている。そのため、各導光板71~74の出光部76の長手方向の両端から出射される紫外線光の照射が導光板保持部29に妨げられにくい。これにより、各導光板71~74から出射される紫外線光が、ケース2の第1角部211、第2角部212、第3角部213及び第4角部214に効率よく照射される。その結果、フィルタ部材3の塵、埃、花粉、カビ、細菌、ウィルス等が溜まりやすい部分に効果的に紫外線光が照射され、紫外線光の照射による、殺菌及び消臭の効果を高めることができる。
【0074】
さらに、各導光板7の両端の受光部75には、光源部41からの紫外線光が入射する。そして、各導光板7の出光部76から紫外線光が、ケース2の内側に向かって照射される。フィルタ部材3の側面は、各導光板7の出光部76と対向して配置されている。そのため、各導光板7の出光部76から出射された紫外線光は、フィルタ部材3の各導光板7の出光部76と対向する側面に向けて照射される。特に、第1導光板71及び第4導光板74の出光部76から出射された紫外線光は、プリーツに沿ってフィルタ部材3の内部に到達できる。これにより、異物に付着したカビ、細菌、ウィルス等を効果的に死滅させることができる。
【0075】
フィルタ部材3の第1折り線31及び第2折り線32が導光棒6と交差するように配置されることで、フィルタ部材3は第2折り線31側から第2折り線32に向かって狭くなる。そのため、導光棒6の第1出光部66から出射された紫外線光は第2折り線32の近傍まで届きやすい。これにより、フィルタ部材3の第2折り線32の近傍に溜まった塵、埃、花粉、カビ、細菌、ウィルス等にも紫外線光が効果的に照射され、殺菌及び消臭の効果を得ることができる。
【0076】
以上のことより、本実施形態にかかる空気浄化装置1では、フィルタ部材3にて捕集された異物Ubに付着したカビ、細菌、ウィルス対して、効率よく紫外線光を照射することができる。これにより、紫外線光による殺菌、消臭の効果が高められる。また、このことは、本実施形態にかかる空気浄化装置1では、短時間の光照射部4の駆動でも、捕集された異物Ubに付着したカビ、細菌、ウィルスに紫外線光を照射して死滅させることができる。
【0077】
<自動車100>
次に、本発明にかかる空気浄化装置1が、自動車100に設けられた空気調和装置400の内部に配置されている状態について、図面を参照して説明する。図11は、自動車100に搭載された本発明の一実施形態にかかる空気浄化装置1の概略配置図である。本実施形態にかかる空気浄化装置1は、空気に含まれる塵、埃、花粉、微生物等の異物を捕集し、浄化された空気を放出する。空気浄化装置1は、例えば、自動車100の空気調和装置400に配置され、自動車100の居室101内に流入する空気を浄化する。
【0078】
まず、自動車100及び自動車100に配置された空気調和装置400について説明する。図11に示すように、自動車100は、電源部200と、電源バックアップコンデンサ300と、空気調和装置400と、を有する。
【0079】
図11に示すように、電源部200、電源バックアップコンデンサ300及び空気調和装置400は、自動車100の前部に配置される。電源部200は、空気調和装置400、オーディオ、ライト、パワーウィンドウ、電動ブレーキ等の電動機器を動作させる電量を供給するバッテリーを有する。なお、バッテリーとしては、例えば、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等の二次電池を用いることができる。そして、自動車100が内燃機関のエンジンを有する場合、バッテリーは、エンジンの回転よって充電される。また、自動車100が電気自動車の場合、電気自動車の走行用のバッテリーの電力で充電される。
【0080】
電源バックアップコンデンサ300は、電源部200からの電力で充電可能なコンデンサである。電源バックアップコンデンサ300は、例えば、断線等により電源部200からの電力が喪失された又は電力が低下したときに、パワーウィンドウ、方向指示器、電動ブレーキ等の安全対応機器102に供給する電力を蓄える。つまり、電源部200をバックアップするバックアップ電源である。安全対応機器102としては、上述した機器以外にも、警音器、各種ライト等、自動車100を安全に停車する、停車した自動車100から外部に安全に脱出するために必要な機器を挙げることができる。
【0081】
<空気調和装置400>
空気調和装置400は、空気を調和(例えば、冷却、浄化)し、調和された空気を自動車100の居室101に供給する。図1に示すように、空気調和装置400は、風路401と、送風機402と、熱交換器403と、を有する。送風機402は、風路401の中間部に配置されて、風路401内に空気の流れ(気流)を発生させる。本実施形態において、送風機402として、遠心ファンを用いているが、これに限定されない。例えば、軸流ファンであってもよいし、斜流ファン等、風路401内に気流を発生できる送風装置を広く採用することができる。
【0082】
熱交換器403は、風路401内を流れる空気が通過するように配置されており、通過する空気と熱交換する。空気調和装置400において、熱交換器403は通過する空気を冷却又は加熱する。そして、冷却又は加熱された空気は、自動車100の居室101内に流入する。なお、熱交換器403は、空気の温度を調整する装置であり、風路401内を流れるときに空気の温度が変化することを抑制するため、風路401のなるべく、居室101に近い部分に配置されることが好ましい。空気調和装置400において、熱交換器403は、送風機402よりも空気の流れ方向の下流側に配置される。
【0083】
風路401は、送風機402の駆動により移動される空気が流れる配管である。風路401は、外気取入口404と、内気取入口405と、吹出口406と、切替部407と、を有する。外気取入口404は、自動車100の外部の空気を取り入れるための配管である。外気取入口404は、自動車100の外部の空気を空気調和装置400内に取り込むための開口を有する。
【0084】
内気取入口405は、自動車100の居室101と連通しており、居室101内の空気を空気調和装置400に取り込むための開口を有する。吹出口406は、居室101の内気取入口405とは別の箇所に連通しており、空気調和装置400で調和された空気を居室101に吹き出す。
【0085】
図11に示すように、風路401では、外気取入口404と内気取入口405とが合流する。送風機402は、風路401の外気取入口404と内気取入口405との合流部408の空気の流れ方向の下流側に配置される。外気取入口404と内気取入口405との合流部408に切替部407が配置される。切替部407は、外気取入口404及び内気取入口405のいずれか一方を封鎖し、風路401の他方を送風機402が配置される部分に連通させる、いわゆる、切換ダンパである。つまり、切替部407が内気取入口405を塞ぐことで、風路401に外気取入口404から自動車100の外部の空気が取り入れられる。また、切替部407が外気取入口404を塞ぐことで、風路401に内気取入口405から自動車100の居室101内の空気が取り入れられる。
【0086】
図11に示すように、空気調和装置400には、風路401内を流れる空気に含まれる、塵、埃、花粉、カビ、細菌、ウィルス等の異物を捕集するための空気浄化装置1が備えられる。なお、図1に示すように、空気浄化装置1は、風路401の合流部408と送風機402との間に配置される。空気浄化装置1は、風路401を流れる空気の全てが通過するように、配置される。
【0087】
<自動車100の動作>
次に自動車100に搭載された電装機器の動作について、図面を参照して説明する。図12は、図11に示す自動車100の電装機器の電気的な接続状態を示すブロック図である。図13は、自動車100の電装機器の動作を示すフローチャートである。図12において、信号の送受信は破線で示し、電力の移動は実線で示す。
【0088】
まず、自動車100の電装機器の電気的な接続について説明し、その後、電装機器の動作について説明する。図12に示すように、自動車100は、制御回路103と、記憶部104と、操作部105と、起動スイッチ106と、電源回路107と、電圧検出部108と、容量検出部109と、放電回路110と、を有する。
【0089】
制御回路103は、自動車100に備えられる電装機器を統合的に制御する。制御回路103は、与えられた信号又はデータを処理して各種の演算を行い、演算結果を出力する回路である。制御回路103は、例えば、汎用PC向けのCPU、MPU、GPU、TPU等のプロセッサを挙げることができる。また、制御回路103は、プロセッサに限定されず、FPGA、ASIC、LSI等のプロセッサ、マイコン、あるいはSoC等のチップセットも含む概念である。
【0090】
記憶部104は、各種データを記憶する。記憶部104は、ROM、RAM等の半導体メモリー、フラッシュメモリー等の可搬性を有する半導体メモリー及びハードディスク等の記憶媒体又は記憶媒体が接続される回路である。記憶部104が記憶するデータとしては、例えば、動作プログラム、設定情報、処理履歴等を挙げることができる。なお、記憶部104に記憶された処理プログラムを制御回路103で動作させて、所定の電装機器の制御を行うようにしてもよい。このようにすることで、処理プログラムのバージョンアップを容易に行うことができる。
【0091】
操作部105は、自動車100を操作する者(ここでは、運転者とする)の操作入力を受け付ける。操作部105には、例えば、ハンドル(不図示)、アクセルペダル(不図示)、空気調和装置400のスイッチ(不図示)等が含まれる。操作部105は、制御回路103に接続され、操作部105に信号を送信する。より具体的には、操作部105は、運転者等によって操作されると、操作に対応した信号を制御回路103に送信する。制御回路103は、操作部105から受信した信号に基づいて、対応する機器の操作を行う。例えば、アクセルペダル(不図示)が踏み込まれると、制御回路103は、燃料供給部(不図示)を制御し、供給する燃料を増加させる。このように、操作部105は、運転者等による動作を受け付け、動作を受け付けた旨の信号を制御回路103に送信する。
【0092】
起動スイッチ106は、自動車100のシステムの起動又は動作を終了させるスイッチである。つまり、自動車100では、運転者により起動スイッチ106が押されると、起動信号が制御回路103に入力される。これにより、制御回路103が起動するとともに、制御回路103は、電装機器を動作可能な状態(スタンバイ状態)にする。なお、自動車100が内燃機関を有する自動車の場合、起動スイッチ106によって内燃機関が動作される。また、電気自動車の場合、不図示のモータに電力を供給する不図示のインバータに電力を供給して、インバータをスタンバイ状態にする。起動スイッチ106は、運転者による操作を受け付けるスイッチであり、操作部105の一種であるといえる。本実施形態では、起動スイッチ106の操作に基づいて、空気浄化装置1が動作する場合があるため、図2に示すブロック図では、起動スイッチ106を操作部105と独立して設けている。
【0093】
電源回路107は、自動車100の電装機器に電力を供給する回路である。電源回路107は、制御回路103に接続されており、制御回路103から受信する制御信号に基づいて動作する。電源回路107には、電源部200、電源バックアップコンデンサ300、安全対応機器102、空気浄化装置1が接続されている。
【0094】
電源回路107は、例えば、エンジンに取り付けられた発電機(不図示)、モータ駆動用のバッテリ(不図示)等の電力源に接続されており、電力源から電力の供給を受けることができる。そして、電源回路107は、供給された電力を電源部200の充電に適した電圧及び電流に変換するとともに、電源部200を充電する。
【0095】
また、電源回路107は、電源部200から電力の供給を受けることも可能である。さらに詳しく説明すると、自動車100が通常動作しており電源部200の充電量が一定量以上のとき、電源回路107は、電源部200から電力の供給を受け、自動車100の各電装機器に電力を供給する。つまり、電源回路107は、外部の電力源から電力を受けて電源部200に電力を供給できるとともに、電源部200から電力を受けて自動車100の電装機器に電力を供給することができる。また、電源回路107は、電源部200から電力の供給を受けて、電源バックアップコンデンサ300に電圧を印加し、電源バックアップコンデンサ300を充電できる。なお、電源回路107は、電源部200を充電する上述の電力源(不図示)から供給される電力で電源バックアップコンデンサ300を充電してもよい。
【0096】
電源回路107は、双方向に電圧及び電流を変換できる変換部を備えている。電源回路107が電力を供給する電装機器には、安全対応機器102、空気浄化装置1の光照射部4も含まれる。つまり、自動車100が通常動作状態のときには、安全対応機器102及び空気浄化装置1の光照射部4の電力供給部43には、電源回路107から電力が供給されている。電力供給部43に電力が供給されることで、光照射部4の光源部41の光源素子416から紫外線光が照射される。紫外線光は、導光棒6及び導光板7によって導かれて、フィルタ部材3に照射される。フィルタ部材3は、紫外線光の照射によって、殺菌、消臭される。
【0097】
電圧検出部108は、制御回路103に接続されている。電圧検出部108は、電源部200の出力電圧を検出し、制御回路103に送信する。電源部200は充電量が減少すると出力電圧が低下する。つまり、電圧検出部108が電源部200の出力電圧を測定し、制御回路103に送信することで、制御回路103は、電源部200の残充電量を取得できる。
【0098】
電源部200は、各電装機器に電力を供給することで、残充電量が減少する。つまり、電圧検出部108による出力電圧の測定値が減少する。このことを利用して、制御回路103は、電圧検出部108からの信号に基づいて電源部200の残充電量を取得する。制御回路103は、電源部200の残充電量が一定量以下になったとき、電源部200を充電するように電源回路107を制御する。これにより、電源部200は、常に、一定量以上の充電量に維持される。
【0099】
容量検出部109は、制御回路103に接続されている。容量検出部109は、電源バックアップコンデンサ300に貯まっている電荷(以下、充電量とする)を検出し、制御回路103に送信する。電源バックアップコンデンサ300は、電源部200から供給される電力が何らかの事情で喪失されたときに、電源部200に替わって、電力を供給する。
【0100】
なお、電源バックアップコンデンサ300の充電量は、電源部200に比べて非常に少ない。そのため、電源バックアップコンデンサ300の充電は、少なくとも、自動車100が安全に停車する及び運転者が停車した自動車100から安全に脱出する等のために必要な安全対応機器102の緊急動作(少なくとも、1回の動作)できる程度の充電量以上である。
【0101】
制御回路103は容量検出部109からの信号に基づいて電源バックアップコンデンサ300の充電量を取得する。制御回路103は、充電容量が一定量以下のときに電源部200からの電力で電源バックアップコンデンサ300を充電する。なお、電源バックアップコンデンサ300は、電源部200のバックアップのために設けられている。そのため、電源バックアップコンデンサ300は、電源部200が正常に動作している間、充電された状態で維持される。
【0102】
自動車100の動作を考慮すれば、電源バックアップコンデンサ300は、自動車100の起動/動作終了にかかわらず、充電されていてもよい。一般的にコンデンサは、充電状態が続くと、部材としての寿命が短くなる。そのため、自動車100において、電源バックアップコンデンサ300は、自動車100の起動時に電源部200からの電力で充電され、動作終了時に放電される。
【0103】
放電回路110は、制御回路103に接続され、制御回路103からの制御信号に基づいて動作する。放電回路110は、電源バックアップコンデンサ300に接続しており、電源バックアップコンデンサ300を放電させる。また、放電回路110は、安全対応機器102及び空気浄化装置1の光照射部4のいずれかに電源バックアップコンデンサ300の放電による電力を供給できる。
【0104】
断線、電源部200の異常等の問題の発生により電源部200からの電力の喪失を検知し、安全対応機器102の操作を検知したとき、制御回路103は、放電回路110を動作させて、電源バックアップコンデンサ300に充電されている電力を安全対応機器102に供給する。なお、電源部200の電圧より予め決められた電圧以上になったとき(過充電状態のとき)に、制御回路103は、電源部200を自動車100の電装機器の電力系統から切り離し、電源バックアップコンデンサ300からの電力を安全対応機器102に供給可能な状態にするように、各部を制御してもよい。つまり、電源部200の出力電圧が、一定の範囲から外れたときに、制御回路103は電源バックアップコンデンサ300からの電力を供給可能になるように、電装機器の電力系統を制御するようにしてもよい。
【0105】
また、電源部200の出力電圧が一定の電圧範囲内にある状態で、自動車100の動作を終了させるときには、制御回路103は放電回路110を動作させて、空気浄化装置1の光照射部4の電力供給部43に電力を供給することで、電源バックアップコンデンサ300を放電する。このようにすることで、電源バックアップコンデンサ300は、自動車100の動作が終了する毎に、放電され、電源バックアップコンデンサ300の劣化が抑制される。また、自動車100の故障で、電源部200の電力が喪失した場合でも、電源バックアップコンデンサ300の放電が完了しているので、診断、修理等の作業に迅速に取り掛かることができる。
【0106】
次に、図13に示すフローチャートを参照して自動車100の動作及び空気浄化装置1の動作について説明する。以下に説明する動作では、最初、自動車100は、停止している状態である。このとき、自動車100では、少なくとも、制御回路103及び起動スイッチ106には、電力が供給されている。この状態で、制御回路103は、運転者によって起動スイッチ106が操作されたか否か判定する(ステップS101)。制御回路103は、起動スイッチ106が操作されない場合(ステップS101でNoの場合)、制御回路103は、ステップS101を繰り返し、起動スイッチ106の操作の判定を繰り返す。換言すると、制御回路103は、起動スイッチ106が操作されるまで、現在の状態で待機する。
【0107】
起動スイッチ106が動作された場合(ステップS101でYesの場合)、制御回路103は、運転者が自動車100に乗り込み、自動車100を起動させたと判断する。そして、制御回路103は、容量検出部109から電源バックアップコンデンサ300の充電残量を取得し、電源バックアップコンデンサ300の充電残量が一定量以上であるか否か判定する(ステップS102)。詳細は後述するが、電源バックアップコンデンサ300は、自動車100の動作が終了する毎に放電する。そのため、通常の運用時において、ステップS102では、電源バックアップコンデンサ300の充電残量は、一定量未満であることがほとんどである。
【0108】
電源バックアップコンデンサ300の充電残量が一定量未満の場合(ステップS102でNoの場合)、制御回路103は、電源回路107を制御して、電源バックアップコンデンサ300を充電する(ステップS103)。上述したとおり、電源バックアップコンデンサ300の充電は、電源部200からの電力で行われてもよいし、電源部200を充電する電力源(不図示)から行われてもよい。
【0109】
ステップS102において、電源バックアップコンデンサ300の充電残量が一定量以上であった場合(ステップS102でYesの場合)又はステップS103で電源バックアップコンデンサ300の充電が完了した場合、制御回路103は、起動スイッチ106が操作されたか否か判定する(ステップS104)。自動車100が動作している状態で、起動スイッチ106が操作されると、自動車100の動作は終了(OFF)される。起動スイッチ106の操作がない場合(ステップS104でNoの場合)、制御回路103は、自動車100の動作が継続されると判断する。そして、制御回路103は、電圧検出部108からの信号を取得したときに、その信号に基づいて電源部200の出力電圧が正常値、換言すると、一定の範囲内に入っているか否か確認する(ステップS105)。
【0110】
電源部200の出力電圧が正常値の場合(ステップS105でYesの場合)、制御回路103は、ステップS104に戻り、起動スイッチ106が操作されたか否かの確認から再開する。電源部200の出力電圧が正常値から外れている場合(ステップS105でNoの場合)、制御回路103は、電源部200、電源部200に接続する回路の一部等のいずれかの箇所に不具合が発生していると判定する。そして、制御回路103は、安全対応機器102に対する操作が実行されたか否か判定する(ステップS106)。
【0111】
安全対応機器102が操作されない場合(ステップS106でNoの場合)、ステップS106を繰り返し、制御回路103は、安全対応機器102が操作されるのを待つ。また、安全対応機器102が操作された場合(ステップS106でYesの場合)、制御回路103は、放電回路110の動作を開始する(ステップS107)。ステップS107において、放電回路110は、電源バックアップコンデンサ300の放電による電力を、安全対応機器102に供給されるように動作する。そして、電力の供給により安全対応機器102が動作する(ステップS108)。
【0112】
また、自動車100が通常運行されている状態で、起動スイッチ106が操作された(OFFにされた)場合(ステップS104でYesの場合)、制御回路103は、運転者等による自動車100の動作を終了させる通常の手続きが実行されたと判定する。そして、制御回路103は、放電回路110を駆動する(ステップ109)。このとき、放電回路110は、空気浄化装置1の光照射部4の電力供給部43に電力を供給するように動作する。
【0113】
電力供給部43は、電源バックアップコンデンサ300の放電により供給された電力を、各光源部41に供給する。各光源部41は、それぞれに備えられた光源素子416の出光面から紫外線光を出射する(ステップS110)。各光源部41の光源素子416から出射された紫外線光は、上述のように導光棒6及び導光板7を介して、フィルタ部材3に照射される。これにより、フィルタ部材3は殺菌、消臭される。
【0114】
空気浄化装置1において、各光源部41から紫外線光が照射されているとき、制御回路103は、容量検出部109からの信号に基づいて電源バックアップコンデンサ300の充電残量を測定するとともに、充電残量が一定値以下になったか否か判定する(ステップS111)。充電残量が一定値以下にならない場合(ステップS111でNoの場合)、制御回路103は、電源バックアップコンデンサ300の放電が不十分と判断し、ステップS110に戻り、フィルタ部材3への紫外線光の照射を継続する。また、電源バックアップコンデンサ300の充電残量が一定値以下になった場合(ステップS111でYesの場合)、制御回路103は、自動車100の動作を終了する通常の手順が完了したとして、放電回路110の動作を停止させ、自動車100の動作を終了する。
【0115】
上述のとおり、電源バックアップコンデンサ300の充電量は、電源部200に比べて少ない。そのため、電源バックアップコンデンサ300の放電時間も短い場合がある。このような構成の場合、電源バックアップコンデンサ300の放電は短時間に行われるため、上述のフローチャートのうち、電源バックアップコンデンサ300の残充電量の確認のステップ(ステップS111)を、省略してもよい。
【0116】
上述したとおり、本実施形態の空気浄化装置1の光照射部4は、導光棒6及び導光板7とフィルタ部材3との位置関係によって、紫外線光の照射時間が短くても、フィルタ部材3の隅々に紫外線光を照射できる。そのため、本実施形態にかかる空気浄化装置1を用いることで、電源バックアップコンデンサ300の放電による電力で、空気浄化装置1の光照射部4から紫外線光がケース2の内部に照射される時間が短くても、フィルタ部材3の殺菌、消臭が可能である。
【0117】
このように、自動車100に空気浄化装置1を搭載し、自動車100の動作を終了するときに、電源バックアップコンデンサ300を放電する。これにより、空気浄化装置1の内部、特にフィルタ部材3の殺菌、消臭をある程の頻度で実行できる。その結果、同一のフィルタ部材3を長期間にわたり使用することが可能である。また、自動車100の動作が停止しているときの電源バックアップコンデンサ300を放電する。そのため、電源バックアップコンデンサ300の劣化を抑制することができる。
【符号の説明】
【0118】
100 自動車
101 居室
102 安全対応機器
103 制御回路
104 記憶部
105 操作部
106 起動スイッチ
107 電源回路
108 電圧検出部
109 容量検出部
110 放電回路
200 電源部
300 電源バックアップコンデンサ
400 空気調和装置
401 風路
402 送風機
403 熱交換器
404 外気取入口
405 内気取入口
406 吹出口
407 切替部
408 合流部
1 空気浄化装置
2 ケース
20 光源部配置部
201 第1光源部配置部
202 第2光源部配置部
203 第3光源部配置部
204 第4光源部配置部
21 ベース部材
211 第1角部
212 第2角部
213 第3角部
214 第4角部
215 スリット
216 隙間
217 隙間
22 底板部
220 流入口
221 第1側壁部
222 光源部材保持溝
223 導光板保持部
224 規制リブ
225 背面規制部
226 側方規制部
23 側壁部
231 第1側壁部
232 第2側壁部
233 第3側壁部
234 第4側壁部
235 係合突起
236 保持溝
237 段部
238 素子配置部
24 遮光板
241 第1遮光板
242 第2遮光板
243 第3遮光板
244 素子配置部
25 カバー
251 開口部
252 第1保持突起
253 第2保持突起
254 係合凹部
26 蓋部
261 流出口
262 フィルタ支柱
263 係合凹部
264 フィルタ支持部
27 梁部
271 第1梁部
272 第2梁部
273 第3梁部
274 第4梁部
275 交差部分
28 保持溝
281 第1保持溝
282 第2保持溝
283 第3保持溝
284 第4保持溝
29 導光板保持部
3 フィルタ部材
31 第1折り線
32 第2折り線
4 光照射部
41 光源部
411 第1光源部
412 第2光源部
413 第3光源部
414 第4光源部
415 光源基板
416 光源素子
42 フレキシブル基板
43 電力供給部
431 電力基板
432 電力供給回路
6 導光棒
61 第1導光棒
62 第2導光棒
63 第3導光棒
64 第4導光棒
65 受光部
66 第1出光部
67 第2出光部
7 導光板
71 第1導光板
72 第2導光板
73 第3導光板
74 第4導光板
75 受光部
76 出光部
H1 距離
H2 長さ
Ub 異物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13