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特開2024-31412忙しさ予測装置、システム、方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031412
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】忙しさ予測装置、システム、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240229BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134951
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000232140
【氏名又は名称】NECフィールディング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 大樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA10
(57)【要約】
【課題】社員に応じた個別の忙しさ予測を行って職場内のコミュニケーションを図るタイミングを見極めることに貢献することができる忙しさ予測装置等を提供すること。
【解決手段】忙しさ予測装置は、確認対象者ごとに過去のバイタルデータを整理したバイタルデータベースと、前記確認対象者ごとにスケジュールデータを整理したスケジュールデータベースと、確認要求者が使用する確認要求者端末からの前記確認対象者の忙しさに係る忙しさ情報要求を受信したときに、前記確認対象者に装着されたウェアラブル端末に新たなバイタルデータを要求して前記ウェアラブル端末から前記新たなバイタルデータを取得するように構成された制御部と、前記新たなバイタルデータ、前記バイタルデータベース及び前記スケジュールデータベースに基づいて、前記確認対象者の忙しさを予測するように構成された予測部と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
確認対象者ごとに過去のバイタルデータを整理したバイタルデータベースと、
前記確認対象者ごとにスケジュールデータを整理したスケジュールデータベースと、
確認要求者が使用する確認要求者端末からの前記確認対象者の忙しさに係る忙しさ情報要求を受信したときに、前記確認対象者に装着されたウェアラブル端末に新たなバイタルデータを要求して前記ウェアラブル端末から前記新たなバイタルデータを取得するように構成された制御部と、
前記新たなバイタルデータ、前記バイタルデータベース及び前記スケジュールデータベースに基づいて、前記確認対象者の忙しさを予測するように構成された予測部と、
を備える、
忙しさ予測装置。
【請求項2】
前記予測部は、
前記バイタルデータベースにおける、前記忙しさ情報要求に対応する前記確認対象者の前記過去のバイタルデータに基づいて繁閑基準を作成し、前記新たなバイタルデータ及び前記繁閑基準に基づいて繁閑度合いを算出し、前記スケジュールデータ及び前記繁閑度合いに基づいて忙しさを予測するように構成されている、
請求項1記載の忙しさ予測装置。
【請求項3】
前記バイタルデータは、前記確認対象者の生体情報を含み、
前記繁閑基準は、前記過去のバイタルデータにおける前記生体情報の平均値である、
請求項2記載の忙しさ予測装置。
【請求項4】
前記バイタルデータは、前記確認対象者の生体情報と、前記生体情報を取得したときの日時情報と、を含み、
前記繁閑基準は、前記過去のバイタルデータにおける、前記新たなバイタルデータにおける前記日時情報の時刻に対応する時刻の前記生体情報の平均値である、
請求項2記載の忙しさ予測装置。
【請求項5】
前記バイタルデータは、前記確認対象者の生体情報と、前記生体情報を取得したときの気象データを含み、
前記新たなバイタルデータは、前記新たなバイタルデータにおける前記生体情報を、前記気象データを用いて補正したときの値であり、
前記繁閑基準は、前記過去のバイタルデータにおける前記生体情報を、前記気象データを用いて補正したときの平均値である、
請求項2記載の忙しさ予測装置。
【請求項6】
前記繁閑度合いは、前記新たなバイタルデータにおける前記生体情報に対して前記繁閑基準で割った値である、
請求項3乃至5のいずれか一に記載の忙しさ予測装置。
【請求項7】
情報を送信するように構成された送信部をさらに備え、
前記制御部は、前記確認要求者端末からの前記忙しさ情報要求を受信したときに、前記忙しさ情報要求に対応する前記確認対象者について、前記忙しさ情報要求の受信回数を1つカウントして前記バイタルデータベースに登録するように構成され、
前記予測部は、前記バイタルデータベースを参照して、前記確認対象者に関する忙しさ情報要求の受信回数が閾値に達しているか否かを判断するように構成され、
前記送信部は、前記受信回数が前記閾値に達しているときに前記確認対象者以外の社員に相談を行うように促す所定メッセージを、前記忙しさに係る忙しさ情報とともに前記確認要求者端末に送信するように構成されている、
請求項1記載の忙しさ予測装置。
【請求項8】
請求項1記載の忙しさ予測装置と、
前記確認対象者が使用する確認対象者端末と、
前記確認対象者に装着される前記ウェアラブル端末と、
前記確認要求者が使用する前記確認要求者端末と、
を備え、
前記ウェアラブル端末は、定期的に、前記過去のバイタルデータに対応する前記バイタルデータを前記忙しさ予測装置に向けて送信し、前記バイタルデータの定期的な送信とは別に、前記忙しさ情報要求に対応する前記バイタルデータを前記忙しさ予測装置に向けて送信するように構成され、
前記確認対象者端末は、前記確認対象者の操作によって入力された前記スケジュールデータを前記忙しさ予測装置に送信するように構成され、
前記確認要求者端末は、前記確認要求者の操作によって入力された前記忙しさ情報要求を前記忙しさ予測装置に送信し、前記忙しさ予測装置で予測された前記忙しさに係る忙しさ情報を受信して表示するように構成されている、
忙しさ予測システム。
【請求項9】
ハードウェア資源によって実行される方法であって、
前記ハードウェア資源は、
確認対象者ごとに過去のバイタルデータを整理したバイタルデータベースと、
前記確認対象者ごとにスケジュールデータを整理したスケジュールデータベースと、
を備え、
前記方法は、
確認要求者が使用する確認要求者端末からの前記確認対象者の忙しさに係る忙しさ情報要求を受信したときに、前記確認対象者に装着されたウェアラブル端末に新たなバイタルデータを要求するステップと、
前記ウェアラブル端末から前記新たなバイタルデータを取得するステップと、
前記新たなバイタルデータ、前記バイタルデータベース及び前記スケジュールデータベースに基づいて、前記確認対象者の忙しさを予測するステップと、
を含む、
忙しさ予測方法。
【請求項10】
確認対象者の忙しさを予測する処理をハードウェア資源に実行させるプログラムであって、
前記ハードウェア資源は、
前記確認対象者ごとに過去のバイタルデータを整理したバイタルデータベースと、
前記確認対象者ごとにスケジュールデータを整理したスケジュールデータベースと、
を備え、
前記プログラムは、
確認要求者が使用する確認要求者端末からの前記確認対象者の忙しさに係る忙しさ情報要求を受信したときに、前記確認対象者に装着されたウェアラブル端末に新たなバイタルデータを要求する処理と、
前記ウェアラブル端末から前記新たなバイタルデータを取得する処理と、
前記新たなバイタルデータ、前記バイタルデータベース及び前記スケジュールデータベースに基づいて、前記確認対象者の忙しさを予測する処理と、
を前記ハードウェア資源に実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、忙しさ予測装置、システム、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの企業でリモートワークが導入されるようになったことで、社員は通勤によるストレスがなくなり、また通勤時間をプライベートの時間に充てることができるようになったことで、ワークライフバランスが実現できるようになっている。一方で、リモートワークでは他の社員と直接顔を合わせることがないため、コミュニケーションが取り辛く、また相手の状況や予定を把握し辛いことから、業務効率化の足枷になっている。ただし、仮に出社したとしても、他の社員が相談に時間を割く余裕があるか否かを判断することは容易ではない。したがって、仕事の相談をしたくてもタイミングを掴めず、本来であれば早めに終わらせられる仕事が長引いてしまう場合がある。そこで、企業によっては、各社員のスケジュールを共有できるスケジュール共有システムを導入し、他の社員とのコミュニケーションを図るタイミングを調整しやすくしている。
【0003】
しかしながら、スケジュール共有システムでは、スケジュールに登録されている各業務の重要度や緊急性までは把握できず、忙しさの度合いとなると本人であっても把握することは困難である。また、スケジュールを細かく記載することである程度は忙しさの度合いを把握することができるが、スケジュールの記載に余計な工数が発生してしまう。さらに、工数をかけてスケジュールを作成したとしても、会議が延長したり、急なトラブル対応に追われたり、不測の事態が発生する可能性もある。スケジュール上は余裕があるように見えても、実際は忙しい状況も十分に考えられることから、スケジュール共有だけでコミュニケーションを図るタイミングを見極めることは困難である。そこで、社員に装着されたウェアラブル型センサから心拍数、体温等のバイタルデータを取得し、当該バイタルデータに基づいて社員の忙しさの度合いを推定するようにした技術がある(例えば、特許文献1-3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-186435号
【特許文献2】特開2017-26568号
【特許文献3】特開2009-20672号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の分析は、本願発明者により与えられる。
【0006】
しかしながら、バイタルデータは個人差があるため、特許文献1-3に記載の技術では、社員に応じた個別の忙しさの予測を行うことが困難である。
【0007】
本発明の主な課題は、社員に応じた個別の忙しさ予測を行って職場内のコミュニケーションを図るタイミングを見極めることに貢献することができる忙しさ予測装置、システム、方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の視点に係る忙しさ予測装置は、確認対象者ごとに過去のバイタルデータを整理したバイタルデータベースと、前記確認対象者ごとにスケジュールデータを整理したスケジュールデータベースと、確認要求者が使用する確認要求者端末からの前記確認対象者の忙しさに係る忙しさ情報要求を受信したときに、前記確認対象者に装着されたウェアラブル端末に新たなバイタルデータを要求して前記ウェアラブル端末から前記新たなバイタルデータを取得するように構成された制御部と、前記新たなバイタルデータ、前記バイタルデータベース及び前記スケジュールデータベースに基づいて、前記確認対象者の忙しさを予測するように構成された予測部と、を備える。
【0009】
第2の視点に係る忙しさ予測システムは、前記第1の視点に係る忙しさ予測装置と、前記確認対象者が使用する確認対象者端末と、前記確認対象者に装着されるウェアラブル端末と、前記確認要求者が使用する確認要求者端末と、を備え、前記ウェアラブル端末は、定期的に、前記過去のバイタルデータに対応する前記バイタルデータを前記忙しさ予測装置に向けて送信し、前記バイタルデータの定期的な送信とは別に、前記忙しさ情報要求に対応する前記バイタルデータを忙しさ予測装置に向けて送信するように構成され、前記確認対象者端末は、前記確認対象者の操作によって入力された前記スケジュールデータを前記忙しさ予測装置に送信するように構成され、前記確認要求者端末は、前記確認要求者の操作によって入力された前記忙しさ情報要求を前記忙しさ予測装置に送信し、前記忙しさ予測装置で予測された前記忙しさに係る忙しさ情報を受信して表示するように構成されている。
【0010】
第3の視点に係る忙しさ予測方法は、ハードウェア資源によって実行される方法であって、前記ハードウェア資源は、確認対象者ごとに過去のバイタルデータを整理したバイタルデータベースと、前記確認対象者ごとにスケジュールデータを整理したスケジュールデータベースと、を備え、前記方法は、確認要求者が使用する確認要求者端末からの前記確認対象者の忙しさに係る忙しさ情報要求を受信したときに、前記確認対象者に装着されたウェアラブル端末に新たなバイタルデータを要求するステップと、前記ウェアラブル端末から前記新たなバイタルデータを取得するステップと、前記新たなバイタルデータ、前記バイタルデータベース及び前記スケジュールデータベースに基づいて、前記確認対象者の忙しさを予測するステップと、を含む。
【0011】
第4の視点に係るプログラムは、確認対象者の忙しさを予測する処理をハードウェア資源に実行させるプログラムであって、前記ハードウェア資源は、前記確認対象者ごとに過去のバイタルデータを整理したバイタルデータベースと、前記確認対象者ごとにスケジュールデータを整理したスケジュールデータベースと、を備え、前記プログラムは、確認要求者が使用する確認要求者端末からの前記確認対象者の忙しさに係る忙しさ情報要求を受信したときに、前記確認対象者に装着されたウェアラブル端末に新たなバイタルデータを要求する処理と、前記ウェアラブル端末から前記新たなバイタルデータを取得する処理と、前記新たなバイタルデータ、前記バイタルデータベース及び前記スケジュールデータベースに基づいて、前記確認対象者の忙しさを予測する処理と、を前記ハードウェア資源に実行させる。
【0012】
なお、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録することができる。記憶媒体は、半導体メモリ、ハードディスク、磁気記録媒体、光記録媒体等の非トランジェント(non-transient)なものとすることができる。また、本開示では、コンピュータプログラム製品として具現することも可能である。プログラムは、コンピュータ装置に入力装置又は外部から通信インタフェイスを介して入力され、記憶装置に記憶されて、プロセッサを所定のステップないし処理に従って駆動させ、必要に応じ中間状態を含めその処理結果を段階毎に表示装置を介して表示することができ、あるいは通信インタフェイスを介して、外部と交信することができる。そのためのコンピュータ装置は、一例として、典型的には互いにバスによって接続可能なプロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備える。
【発明の効果】
【0013】
前記第1-4の視点によれば、社員に応じた個別の忙しさ予測を行って職場内のコミュニケーションを図るタイミングを見極めることに貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態1に係る忙しさ予測システムの構成を模式的に示したブロック図である。
図2】実施形態1に係る忙しさ予測システムにおいて用いられるバイタルデータ及びスケジュールデータの構成を示した模式図である。
図3】実施形態1に係る忙しさ予測システムの動作を模式的に示したフローチャート図である。
図4】実施形態1に係る忙しさ予測システムにおける忙しさ予測装置の動作を模式的に示したフローチャートである。
図5】実施形態3に係る忙しさ予測装置の構成を模式的に示したブロック図である。
図6】ハードウェア資源の構成を模式的に示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、本願において図面参照符号を付している場合は、それらは、専ら理解を助けるためのものであり、図示の態様に限定することを意図するものではない。また、下記の実施形態は、あくまで例示であり、本発明を限定するものではない。また、以降の説明で参照する図面等のブロック間の接続線は、双方向及び単方向の双方を含む。一方向矢印については、主たる信号(データ)の流れを模式的に示すものであり、双方向性を排除するものではない。さらに、本開示に示す回路図、ブロック図、内部構成図、接続図などにおいて、明示は省略するが、入力ポート及び出力ポートが各接続線の入力端及び出力端のそれぞれに存在する。入出力インタフェイスも同様である。プログラムはコンピュータ装置を介して実行され、コンピュータ装置は、例えば、プロセッサ、記憶装置、入力装置、通信インタフェイス、及び必要に応じ表示装置を備え、コンピュータ装置は、通信インタフェイスを介して装置内又は外部の機器(コンピュータを含む)と、有線、無線を問わず、交信可能に構成される。
【0016】
[実施形態1]
実施形態1に係る忙しさ予測システムについて図面を用いて説明する。図1は、実施形態1に係る忙しさ予測システムの構成を模式的に示したブロック図である。図2は、実施形態1に係る忙しさ予測システムにおいて用いられるバイタルデータ及びスケジュールデータの構成を示した模式図である。
【0017】
忙しさ予測システム1は、確認対象者の忙しさを予測するシステムである(図1参照)。忙しさ予測システム1は、忙しさ予測装置10と、ウェアラブル端末20と、確認対象者端末30と、確認要求者端末40と、ネットワーク50と、を備える。
【0018】
忙しさ予測装置10は、確認要求者の要求により確認対象者の忙しさを予測する装置である(図1参照)。忙しさ予測装置10には、例えば、プロセッサ、メモリ、ネットワークインタフェイス等を含むコンピュータを備えるサーバ装置を用いることができる。忙しさ予測装置10は、ネットワーク50を介してウェアラブル端末20、確認対象者端末30、及び確認要求者端末40と通信可能に接続されている。忙しさ予測装置10は、所定のプログラムを実行することにより、仮想的に、バイタルデータベース11と、スケジュールデータベース12と、受信部13と、制御部14と、予測部15と、送信部16と、を備えた構成とすることができる。
【0019】
バイタルデータベース11は、確認対象者ごとに過去のバイタルデータを整理したデータベースである(図1参照)。ここで、バイタルデータは、識別情報、生体情報、日時情報を含む(図2参照)。識別情報は、ウェアラブル端末20を装着した確認対象者を識別するための情報であり、例えば、確認対象者の識別番号、メールアドレス、IP(Internet Protocol)アドレス等を用いることができる。生体情報は、ウェアラブル端末20を用いて確認対象者から取得した生体の状態に係る情報であり、例えば、体温、脈拍、血圧等の数値を用いることができる。日時情報は、生体情報を取得した日時に係る情報である。バイタルデータには、生体情報に影響を与えうる気温、気圧、湿度等の気象データも含むようにしてもよい。バイタルデータベース11では、定期的に収集したバイタルデータ(繁閑基準を作成するためのバイタルデータ)を蓄積し、現在から過去に遡った所定期間までバイタルデータを保持し、当該所定期間を超えた古いバイタルデータを削除するようにしてもよい。また、バイタルデータベース11は、定期的に収集したバイタルデータとは別に、確認要求者端末40から忙しさ情報要求を受けてウェアラブル端末20から取得したバイタルデータ(繁閑度合いの算出の基礎となるバイタルデータ)を、確認対象者ごとに記憶するようにしてもよい。
【0020】
スケジュールデータベース12は、確認対象者ごとにスケジュールデータを整理したデータベースである(図1参照)。ここで、スケジュールデータは、識別情報、時刻スケジュール情報、詳細スケジュール情報を含む(図2参照)。識別情報は、ウェアラブル端末20を装着した確認対象者を識別するための情報であり、例えば、確認対象者の識別番号、メールアドレス、IPアドレス等を用いることができる。時刻スケジュール情報は、時刻に関するスケジュール情報であり、例えば、確認対象者の業務開始時刻、業務終了時刻に加え、移動を伴う業務の場合は、行きの移動開始時刻、現地到着時刻、帰りの移動開始時刻、次の目的地(帰社含む)到着時刻などの時刻情報を含む。詳細スケジュール情報は、詳細なスケジュール情報であり、例えば、確認対象者の業務内容、業務場所、業務で想定される忙しさレベル(確認対象者が任意で入力するレベル)などの詳細情報を含む。スケジュールデータは、確認対象者が自身で確認対象者端末30を用いることによってスケジュールデータベース12に登録される。スケジュールデータベース12は、確認対象者が確認対象者端末30を用いてスケジュールデータの変更を行うと、即座にデータの更新が行われる。
【0021】
受信部13は、ウェアラブル端末20、確認対象者端末30、確認要求者端末40からの情報を受信するように構成された機能部である(図1参照)。受信部13で受信される情報として、ウェアラブル端末20からのバイタルデータ(図2参照)、確認対象者端末30からのスケジュールデータ(図2参照)、確認要求者端末40からの忙しさ情報要求等が挙げられる。
【0022】
制御部14は、バイタルデータベース11、スケジュールデータベース12、受信部13、制御部14、予測部15、及び、送信部16を制御するように構成された機能部である(図1参照)。制御部14は、受信部13で受信したバイタルデータやスケジュールデータを、確認対象者ごとに整理してバイタルデータベース11やスケジュールデータベース12に格納する。制御部14は、送信部16から、忙しさ情報要求に対応する確認対象者のウェアラブル端末20に対してバイタルデータ要求を送信させる。
【0023】
予測部15は、バイタルデータ要求に応じて取得したバイタルデータ、バイタルデータベース11及びスケジュールデータベース12に基づいて、確認対象者の現在の忙しさを予測するように構成された機能部である(図1参照)。予測部15は、バイタルデータ要求に応じて取得したバイタルデータがバイタルデータベース11に登録されると、バイタルデータベース11から、定期的に収集したバイタルデータを読み出し、読み出されたバイタルデータに基づいて繁閑基準を作成する。予測部15は、バイタルデータ要求に応じて取得したバイタルデータ、及び、繁閑基準に基づいて、繁閑度合いを算出する。例えば、バイタルデータにおける生体情報のうち脈拍に基づいて繁閑度合いを算出する場合、バイタルデータ要求に応じて取得したバイタルデータにおける脈拍(気象データで補正する場合は補正後の脈拍)に対して、脈拍に係る繁閑基準で割った値を繁閑度合いとすることができる。予測部15は、読み出したスケジュールデータにおける詳細スケジュール情報、及び、算出された繁閑度合いに基づいて忙しさを予測する。忙しさの予測では、例えば、詳細スケジュール情報において忙しさレベルが含まれている場合は、忙しさレベルに繁閑度合いを掛け合わせることにより忙しさを予測(算出)することができる。詳細スケジュール情報において忙しさレベルが含まれていない場合、繁閑度合いを忙しさとしてもよい。
【0024】
ここで、繁閑基準の作成では、例えば、読み出されたバイタルデータに基づいて、バイタルデータにおける生体情報(脈拍、体温、血圧等)の平均値を算出することによって繁閑基準(各種の生体情報の平均値からなる基準)を作成することができる。また、繁閑基準の作成では、例えば、読み出されたバイタルデータにおいて気象データ(気温、気圧、湿度等)が含まれている場合には、算出された各種の生体情報を常温常圧時の生体情報に補正した上で平均値を算出することによって繁閑基準を作成するようにしてもよい。この場合、定期的に収集したバイタルデータは、当該定期的に収集したバイタルデータにおける生体情報を常温常圧時の生体情報に補正したときの値とする。さらに、繁閑基準の作成では、例えば、生体情報の平均値を算出する際、読み出されたバイタルデータにおける日時情報を用いて、バイタルデータ要求に応じて取得したバイタルデータにおける日時情報の時刻に対応する時刻の生体情報を選択して平均値を算出することによって繁閑基準を作成するようにしてもよい。
【0025】
送信部16は、ウェアラブル端末20、確認要求者端末40に情報を送信するように構成された機能部である(図1参照)。送信部16は、受信部13で確認要求者端末40から忙しさ情報要求を受信したときに、忙しさ情報要求に対応する確認対象者のウェアラブル端末20に対してバイタルデータ要求を送信する。送信部16は、予測部15で予測された忙しさに係る情報(忙しさ情報)を、忙しさ情報要求に対応する確認要求者の確認要求者端末40に送信する。忙しさ情報には、必要に応じて確認対象者のスケジュールデータ(例えば、忙しさ情報に対応する日時のスケジュールデータ)を含めるようにしてもよい。
【0026】
ウェアラブル端末20は、確認対象者の身体の所定の箇所に装着される端末である(図1参照)。ウェアラブル端末20には、例えば、プロセッサ、メモリ、ネットワークインタフェイス、ディスプレイ、センサを備えるウェアラブルコンピュータ、スマートウォッチ、リストバンド端末等を用いることができる。ウェアラブル端末20は、ネットワーク50を介して忙しさ予測装置10と通信を行うようにしてもよく、確認対象者端末30及びネットワーク50を介して忙しさ予測装置10と通信を行うようにしてもよい。ウェアラブル端末20は、センサとして、確認対象者の生体の状態(例えば、体温、脈拍、血圧等)を測定するセンサを備える。また、ウェアラブル端末20は、センサとして、確認対象者がおかれている気象データ(例えば、気温、気圧、湿度等)を測定(検出)するセンサを備えていてもよい。ウェアラブル端末20は、定期的に、計測したバイタルデータを忙しさ予測装置10に向けて送信する。また、ウェアラブル端末20は、バイタルデータの定期的な送信とは別に、バイタルデータ要求を受けて、計測したバイタルデータを忙しさ予測装置10に向けて送信する。
【0027】
確認対象者端末30は、確認対象者が使用する端末である(図1参照)。確認対象者端末30は、忙しさ予測システム1において、少なくとも1台あればよく、複数台あってもよい。確認対象者端末30は、確認対象者が確認要求者の立場になったときは、確認要求者端末40になってもよい。確認対象者端末30は、ネットワーク50を介して忙しさ予測装置10と通信可能である。確認対象者端末30には、例えば、プロセッサ、メモリ、ネットワークインタフェイス、ディスプレイ、入力デバイス等を含むパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等を用いることができる。確認対象者端末30は、情報(例えば、スケジュール等)を入出力、送受信、表示することができる。確認対象者端末30は、確認対象者の操作によって入力されたスケジュールデータを忙しさ予測装置10に送信する。確認対象者端末30は、ウェアラブル端末20とネットワーク50との間の通信を中継するようにしてもよい。
【0028】
確認要求者端末40は、確認要求者が使用する端末である(図1参照)。確認要求者端末40は、忙しさ予測システム1において、少なくとも1台あればよく、複数台あってもよい。確認要求者端末40は、確認要求者が確認対象者の立場になったときは、確認対象者端末30になってもよい。確認要求者端末40は、ネットワーク50を介して忙しさ予測装置10と通信可能である。確認要求者端末40には、例えば、プロセッサ、メモリ、ネットワークインタフェイス、ディスプレイ、入力デバイス等を含むパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等を用いることができる。確認要求者端末40は、情報(例えば、忙しさ情報要求、忙しさ情報等)を入出力、送受信、表示することができる。確認要求者端末40は、確認要求者が確認対象者の忙しさを確認する際に、確認要求者の操作によって入力された忙しさ情報要求を忙しさ予測装置10に送信する。忙しさ情報要求には、確認対象者の識別情報と、確認要求者の識別情報とが含まれる。確認要求者端末40は、忙しさ予測装置10からの忙しさ情報を受信して表示する。
【0029】
ネットワーク50は、忙しさ予測装置10、ウェアラブル端末20、確認対象者端末30、確認要求者端末40との間の通信を行う有線又は無線の通信網である(図1参照)。ネットワーク50には、例えば、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)等の通信網を用いることができる。
【0030】
次に、実施形態1に係る忙しさ予測システムの動作について図面を用いて説明する。図3は、実施形態1に係る忙しさ予測システムの動作を模式的に示したフローチャート図である。
【0031】
まず、スケジュールデータの新規登録時や更新時(更新回数不問)において、確認対象者端末30は、任意の時点で、確認対象者の操作により、スケジュールデータを入力(更新する場合は変更、追加、削除)して忙しさ予測装置10に送信する(ステップA1)。
【0032】
次に、忙しさ予測装置10は、確認対象者端末30からのスケジュールデータを受信し、受信したスケジュールデータをスケジュールデータベース12に登録(更新)する(ステップA2)。
【0033】
また、バイタルデータの定期的な収集時において、ウェアラブル端末20は、予め設定された定期的な時点で、確認対象者の生体の状態を検出し、検出した生体情報を含むバイタルデータを忙しさ予測装置10に送信する(ステップB1)。
【0034】
次に、忙しさ予測装置10は、ウェアラブル端末20からのバイタルデータを受信し、受信したバイタルデータをバイタルデータベース11に蓄積する(ステップB2)。なお、ステップB1及びステップB2は、定期的に繰り返し行われる。
【0035】
さらに、確認要求者が確認対象者と面談しようとする時において、確認要求者端末40は、確認対象者の操作により、確認対象者を選択して、確認対象者の識別情報を含む忙しさ情報要求を忙しさ予測装置10に送信する(ステップC1)。
【0036】
次に、忙しさ予測装置10は、受信した忙しさ情報要求に対応する確認対象者のウェアラブル端末20に対してバイタルデータ要求を送信する(ステップC2)。
【0037】
次に、ウェアラブル端末20は、忙しさ予測装置10からのバイタルデータ要求を受信することにより、リアルタイムの確認対象者の生体情報を計測し、計測された生体情報を含むバイタルデータを忙しさ予測装置10に送信する(ステップC3)。
【0038】
次に、忙しさ予測装置10は、ウェアラブル端末20からのバイタルデータを受信し、受信したバイタルデータを、定期的に収集したバイタルデータとは別に、バイタルデータベース11に登録する(ステップC4)。
【0039】
次に、忙しさ予測装置10は、受信した忙しさ情報要求に対応する確認対象者について、バイタルデータベース11から、定期的に収集したバイタルデータを読み出し、読み出されたバイタルデータに基づいて繁閑基準を作成する(ステップC5)。
【0040】
次に、忙しさ予測装置10は、バイタルデータ要求に応じて取得したバイタルデータ、及び、繁閑基準に基づいて、繁閑度合いを算出する(ステップC6)。
【0041】
次に、忙しさ予測装置10は、読み出したスケジュールデータにおける詳細スケジュール情報、及び、算出された繁閑度合いに基づいて忙しさを予測する(ステップC7)。なお、詳細スケジュール情報において忙しさレベルが含まれていない場合、繁閑度合いを忙しさとしてもよい。
【0042】
次に、忙しさ予測装置10は、予測された忙しさに係る情報(忙しさ情報)を、忙しさ情報要求に対応する確認要求者の確認要求者端末40に送信する(ステップC8)。
【0043】
次に、確認要求者端末40は、忙しさ予測装置10からの忙しさ情報を受信して表示し(ステップC9)、その後、終了する。
【0044】
実施形態1によれば、確認対象者(社員)のスケジュールデータと、確認対象者の過去のバイタルデータと、忙しさ情報要求に対応する新たなバイタルデータと、を用いることで、社員に応じた個別の忙しさ予測を行って職場内のコミュニケーションを図るタイミングを見極めることに貢献することができる。その結果、無駄な業務時間が発生せず、職場内のコミュニケーション不足も解消することができる。
【0045】
また、実施形態1によれば、ウェアラブル端末から確認対象者(社員)のバイタルデータを自動的に収集しているので、社員の負担を増やすことなく社員一人一人の現在の忙しさを算出することができる。その結果、容易に他の社員の忙しさを把握できるようになるため、案件相談の待ち時間の削減や社員同士の声掛け機会の増加といった業務効率と職場の雰囲気改善に寄与する。
【0046】
さらに、実施形態1によれば、確認対象者(社員)のバイタルデータや気象データに基づいて、社員一人一人に合った標準的な繁閑基準を作成して忙しさを予測しているので、脈拍や体温等のバイタルデータの個人差を吸収することができる。
【0047】
[実施形態2]
実施形態2に係る忙しさ予測システムについて図面を用いて説明する。図4は、実施形態1に係る忙しさ予測システムにおける忙しさ予測装置の動作を模式的に示したフローチャートである。なお、実施形態2に係る忙しさ予測システムの基本構成については、実施形態1に係る忙しさ予測システムの構成と同様であるので、図1を参照されたい。
【0048】
実施形態2は、実施形態1の変形例であり、忙しさ予測装置10で、現在から過去に遡った所定期間内における、確認要求者端末40から忙しさ情報要求を受けた受信回数をカウントし、カウントされた受信回数が閾値に達したときに、確認対象者において属人化している業務が多いと判定し、業務の分散化を促すために、確認対象者以外の社員に相談を行うように促す所定メッセージを、忙しさ情報とともに確認要求者端末に送信するようにしたものである。
【0049】
バイタルデータベース11は、現在から過去に遡った所定期間内における、確認要求者端末40から忙しさ情報要求の受信回数も、確認対象者ごとに記憶する。
【0050】
制御部14は、受信部13で確認要求者端末40からの忙しさ情報要求を受信したときに、忙しさ情報要求に対応する確認対象者について、忙しさ情報要求の受信回数を1つカウントしてバイタルデータベース11に登録する。
【0051】
予測部15は、忙しさを予測した後、バイタルデータベース11を参照して、確認対象者に関する忙しさ情報要求の受信回数が閾値に達しているか否かを判断する。なお、閾値は、予め設定された定数とすることができ、確認対象者のそれぞれの忙しさ情報要求の受信回数から閾値を算出して適宜変更することが可能である。閾値を算出する際、例えば、忙しさ情報要求の受信回数の多いものから数えて30%目(例えば、10個の受信回数の多いものから数えて3番目)の受信回数を閾値に設定するようにしてもよい。
【0052】
送信部16は、忙しさ情報要求の受信回数が閾値に達していないときに、予測部15で予測された忙しさに係る情報(忙しさ情報)を、忙しさ情報要求に対応する確認要求者の確認要求者端末40に送信する。送信部16は、忙しさ情報要求の受信回数が閾値に達しているときに、確認対象者以外の社員に相談を行うように促す所定メッセージを、予測部15で予測された忙しさ情報とともに、忙しさ情報要求に対応する確認要求者の確認要求者端末40に送信する。
【0053】
その他の構成は、実施形態1の構成と同様である。実施形態2に係る忙しさ予測システムでは、実施形態1に係る忙しさ予測システムの動作における図3のステップA1~ステップA2及びステップB1~ステップB2と同様であるが、ステップC1~ステップC9における忙しさ予測装置10の動作(ステップC2、ステップC4~ステップC8)の代わりに以下のような動作(ステップD1~D11)が行われる。
【0054】
確認要求者が確認対象者と面談しようとする時において、忙しさ予測装置10は、確認要求者端末40からの忙しさ情報要求を受信する(ステップD1)。
【0055】
次に、忙しさ予測装置10は、受信した忙しさ情報要求に対応する確認対象者について、忙しさ情報要求の受信回数をカウント(1回分加算)する(ステップD2)。
【0056】
次に、忙しさ予測装置10は、受信した忙しさ情報要求に対応する確認対象者のウェアラブル端末20に対してバイタルデータ要求を送信する(ステップD3)。これにより、ウェアラブル端末20は、忙しさ予測装置10からのバイタルデータ要求を受信することにより、リアルタイムの確認対象者の生体情報を計測し、計測された生体情報を含むバイタルデータを忙しさ予測装置10に送信することになる。
【0057】
次に、忙しさ予測装置10は、ウェアラブル端末20からのバイタルデータを受信する(ステップD4)。
【0058】
次に、忙しさ予測装置10は、受信したバイタルデータを、定期的に収集したバイタルデータとは別に、バイタルデータベース11に登録する(ステップD5)。
【0059】
次に、忙しさ予測装置10は、受信した忙しさ情報要求に対応する確認対象者について、バイタルデータベース11から、定期的に収集したバイタルデータを読み出し、読み出されたバイタルデータに基づいて繁閑基準を作成する(ステップD6)。
【0060】
次に、忙しさ予測装置10は、バイタルデータ要求に応じて取得したバイタルデータ、及び、繁閑基準に基づいて、繁閑度合いを算出する(ステップD7)。
【0061】
次に、忙しさ予測装置10は、読み出したスケジュールデータにおける詳細スケジュール情報、及び、算出された繁閑度合いに基づいて忙しさを予測する(ステップD8)。なお、詳細スケジュール情報において忙しさレベルが含まれていない場合、繁閑度合いを忙しさとしてもよい。
【0062】
次に、忙しさ予測装置10は、バイタルデータベース11を参照して、確認対象者に関する忙しさ情報要求の受信回数が閾値に達しているか否かを判断する(ステップD9)。
【0063】
忙しさ情報要求の受信回数が閾値に達していない場合(ステップD9のNO)、忙しさ予測装置10は、予測された忙しさに係る情報(忙しさ情報)を、忙しさ情報要求に対応する確認要求者の確認要求者端末40に送信し(ステップD10)、その後、終了する。これにより、確認要求者端末40は、忙しさ予測装置10からの忙しさ情報を受信して表示することになる。
【0064】
忙しさ情報要求の受信回数が閾値に達している場合(ステップD9のYES)、忙しさ予測装置10は、確認対象者以外の社員に相談を行うように促す所定メッセージを、予測された忙しさ情報とともに、忙しさ情報要求に対応する確認要求者の確認要求者端末40に送信し(ステップD11)、その後、終了する。これにより、確認要求者端末40は、忙しさ予測装置10からの所定メッセージ及び忙しさ情報を受信して表示することになる。
【0065】
実施形態2によれば、実施形態1と同様に、社員に応じた個別の忙しさ予測を行って職場内のコミュニケーションを図るタイミングを見極めることに貢献することができるとともに、確認対象者について忙しさ情報要求の受信回数が閾値に達しているときに確認要求者端末40に確認対象者以外の社員に相談を行うように促す所定メッセージを送信することにより、業務が多すぎる確認対象者の業務の分散化を促すことができる。
【0066】
[実施形態3]
実施形態3に係る忙しさ予測装置について図面を用いて説明する。図5は、実施形態3に係る忙しさ予測装置の構成を模式的に示したブロック図である。
【0067】
忙しさ予測装置10は、確認対象者の忙しさを予測するように構成された装置である(図5参照)。忙しさ予測装置10は、バイタルデータベース11と、スケジュールデータベース12と、制御部14と、予測部15と、を備える。
【0068】
バイタルデータベース11は、確認対象者ごとに過去のバイタルデータを整理したデータベースである。スケジュールデータベース12は、確認対象者ごとにスケジュールデータを整理したデータベースである。制御部14は、確認要求者が使用する確認要求者端末40からの確認対象者の忙しさに係る忙しさ情報要求を受信したときに、確認対象者に装着されたウェアラブル端末20に新たなバイタルデータを要求してウェアラブル端末20から新たなバイタルデータを取得するように構成されている。予測部15は、新たなバイタルデータ、バイタルデータベース及びスケジュールデータベースに基づいて、確認対象者の忙しさを予測するように構成されている。
【0069】
実施形態3によれば、確認対象者(社員)のスケジュールデータと、確認対象者の過去のバイタルデータと、忙しさ情報要求に対応する新たなバイタルデータと、を用いることで、社員に応じた個別の忙しさ予測を行って職場内のコミュニケーションを図るタイミングを見極めることに貢献することができる。
【0070】
なお、実施形態1、2に係る忙しさ予測装置は、いわゆるハードウェア資源(情報処理装置、コンピュータ)により構成することができ、図6に例示する構成を備えたものを用いることができる。例えば、ハードウェア資源100は、内部バス104により相互に接続される、プロセッサ101、メモリ102、ネットワークインタフェイス103等を備える。
【0071】
なお、図6に示す構成は、ハードウェア資源100のハードウェア構成を限定する趣旨ではない。ハードウェア資源100は、図示しないハードウェア(例えば、入出力インタフェイス)を含んでもよい。あるいは、装置に含まれるプロセッサ101等のユニットの数も図6の例示に限定する趣旨ではなく、例えば、複数のプロセッサ101がハードウェア資源100に含まれていてもよい。プロセッサ101には、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processor Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等を用いることができる。
【0072】
メモリ102には、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。
【0073】
ネットワークインタフェイス103には、例えば、LAN(Local Area Network)カード、ネットワークアダプタ、ネットワークインタフェイスカード等を用いることができる。
【0074】
ハードウェア資源100の機能は、上述の処理モジュールにより実現される。当該処理モジュールは、例えば、メモリ102に格納されたプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。また、そのプログラムは、ネットワークを介してダウンロードするか、あるいは、プログラムを記憶した記憶媒体を用いて、更新することができる。さらに、上記処理モジュールは、半導体チップにより実現されてもよい。即ち、上記処理モジュールが行う機能は、何らかのハードウェアにおいてソフトウェアが実行されることによって実現できればよい。
【0075】
上記実施形態の一部または全部は以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0076】
[付記1]
確認対象者ごとに過去のバイタルデータを整理したバイタルデータベースと、
前記確認対象者ごとにスケジュールデータを整理したスケジュールデータベースと、
確認要求者が使用する確認要求者端末からの前記確認対象者の忙しさに係る忙しさ情報要求を受信したときに、前記確認対象者に装着されたウェアラブル端末に新たなバイタルデータを要求して前記ウェアラブル端末から前記新たなバイタルデータを取得するように構成された制御部と、
前記新たなバイタルデータ、前記バイタルデータベース及び前記スケジュールデータベースに基づいて、前記確認対象者の忙しさを予測するように構成された予測部と、
を備える、
忙しさ予測装置。
[付記2]
前記予測部は、
前記バイタルデータベースにおける、前記忙しさ情報要求に対応する前記確認対象者の前記過去のバイタルデータに基づいて繁閑基準を作成し、前記新たなバイタルデータ及び前記繁閑基準に基づいて繁閑度合いを算出し、前記スケジュールデータ及び前記繁閑度合いに基づいて忙しさを予測するように構成されている、
付記1記載の忙しさ予測装置。
[付記3]
前記バイタルデータは、前記確認対象者の生体情報を含み、
前記繁閑基準は、前記過去のバイタルデータにおける前記生体情報の平均値である、
付記2記載の忙しさ予測装置。
[付記4]
前記バイタルデータは、前記確認対象者の生体情報と、前記生体情報を取得したときの日時情報と、を含み、
前記繁閑基準は、前記過去のバイタルデータにおける、前記新たなバイタルデータにおける前記日時情報の時刻に対応する時刻の前記生体情報の平均値である、
付記2記載の忙しさ予測装置。
[付記5]
前記バイタルデータは、前記確認対象者の生体情報と、前記生体情報を取得したときの気象データを含み、
前記新たなバイタルデータは、前記新たなバイタルデータにおける前記生体情報を、前記気象データを用いて補正したときの値であり、
前記繁閑基準は、前記過去のバイタルデータにおける前記生体情報を、前記気象データを用いて補正したときの平均値である、
付記2記載の忙しさ予測装置。
[付記6]
前記繁閑度合いは、前記新たなバイタルデータにおける前記生体情報に対して前記繁閑基準で割った値である、
付記3乃至5のいずれか一に記載の忙しさ予測装置。
[付記7]
前記スケジュールデータは、業務で想定される忙しさレベルを含み、
前記忙しさは、前記忙しさレベルに前記繁閑度合いを掛け合わせた値である、
付記2記載の忙しさ予測装置。
[付記8]
前記忙しさに係る忙しさ情報を前記確認要求者端末に送信するように構成された送信部をさらに備える、
付記1記載の忙しさ予測装置。
[付記9]
情報を送信するように構成された送信部をさらに備え、
前記制御部は、前記確認要求者端末からの前記忙しさ情報要求を受信したときに、前記忙しさ情報要求に対応する前記確認対象者について、前記忙しさ情報要求の受信回数を1つカウントして前記バイタルデータベースに登録するように構成され、
前記予測部は、前記バイタルデータベースを参照して、前記確認対象者に関する忙しさ情報要求の受信回数が閾値に達しているか否かを判断するように構成され、
前記送信部は、前記受信回数が前記閾値に達しているときに前記確認対象者以外の社員に相談を行うように促す所定メッセージを、前記忙しさに係る忙しさ情報とともに前記確認要求者端末に送信するように構成されている、
付記1記載の忙しさ予測装置。
[付記10]
付記1記載の忙しさ予測装置と、
前記確認対象者が使用する確認対象者端末と、
前記確認対象者に装着される前記ウェアラブル端末と、
前記確認要求者が使用する前記確認要求者端末と、
を備え、
前記ウェアラブル端末は、定期的に、前記過去のバイタルデータに対応する前記バイタルデータを前記忙しさ予測装置に向けて送信し、前記バイタルデータの定期的な送信とは別に、前記忙しさ情報要求に対応する前記バイタルデータを前記忙しさ予測装置に向けて送信するように構成され、
前記確認対象者端末は、前記確認対象者の操作によって入力された前記スケジュールデータを前記忙しさ予測装置に送信するように構成され、
前記確認要求者端末は、前記確認要求者の操作によって入力された前記忙しさ情報要求を前記忙しさ予測装置に送信し、前記忙しさ予測装置で予測された前記忙しさに係る忙しさ情報を受信して表示するように構成されている、
忙しさ予測システム。
[付記11]
ハードウェア資源によって実行される方法であって、
前記ハードウェア資源は、
確認対象者ごとに過去のバイタルデータを整理したバイタルデータベースと、
前記確認対象者ごとにスケジュールデータを整理したスケジュールデータベースと、
を備え、
前記方法は、
確認要求者が使用する確認要求者端末からの前記確認対象者の忙しさに係る忙しさ情報要求を受信したときに、前記確認対象者に装着されたウェアラブル端末に新たなバイタルデータを要求するステップと、
前記ウェアラブル端末から前記新たなバイタルデータを取得するステップと、
前記新たなバイタルデータ、前記バイタルデータベース及び前記スケジュールデータベースに基づいて、前記確認対象者の忙しさを予測するステップと、
を含む、
忙しさ予測方法。
[付記12]
確認対象者の忙しさを予測する処理をハードウェア資源に実行させるプログラムであって、
前記ハードウェア資源は、
前記確認対象者ごとに過去のバイタルデータを整理したバイタルデータベースと、
前記確認対象者ごとにスケジュールデータを整理したスケジュールデータベースと、
を備え、
前記プログラムは、
確認要求者が使用する確認要求者端末からの前記確認対象者の忙しさに係る忙しさ情報要求を受信したときに、前記確認対象者に装着されたウェアラブル端末に新たなバイタルデータを要求する処理と、
前記ウェアラブル端末から前記新たなバイタルデータを取得する処理と、
前記新たなバイタルデータ、前記バイタルデータベース及び前記スケジュールデータベースに基づいて、前記確認対象者の忙しさを予測する処理と、
を前記ハードウェア資源に実行させる、
プログラム。
【0077】
なお、上記の特許文献の各開示は、本書に引用をもって繰り込み記載されているものとし、必要に応じて本発明の基礎ないし一部として用いることが出来るものとする。本発明の全開示(特許請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態ないし実施例の変更・調整が可能である。また、本発明の全開示の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態ないし実施例の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択(必要により不選択)が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、本願に記載の数値及び数値範囲については、明記がなくともその任意の中間値、下位数値、及び、小範囲が記載されているものとみなされる。さらに、上記引用した文献の各開示事項は、必要に応じ、本願発明の趣旨に則り、本願発明の開示の一部として、その一部又は全部を、本書の記載事項と組み合わせて用いることも、本願の開示事項に含まれる(属する)ものと、みなされる。
【符号の説明】
【0078】
1 忙しさ予測システム
10 忙しさ予測装置
11 バイタルデータベース
12 スケジュールデータベース
13 受信部
14 制御部
15 予測部
16 送信部
20 ウェアラブル端末
30 確認対象者端末
40 確認要求者端末
50 ネットワーク
100 ハードウェア資源
101 プロセッサ
102 メモリ
103 ネットワークインタフェイス
104 内部バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6