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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031419
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】記録装置、記録装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/165 20060101AFI20240229BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B41J2/165 101
B41J2/01 401
B41J2/01 451
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134961
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】須永 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】青木 毅
(72)【発明者】
【氏名】天野 祐作
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA17
2C056EA20
2C056EA21
2C056EB07
2C056EB23
2C056EB29
2C056EB36
2C056EC22
2C056EC28
2C056EC38
2C056EC54
2C056EC56
2C056FA13
2C056JA01
2C056JA04
2C056JA05
2C056JA06
(57)【要約】
【課題】記録部とメンテナンスユニットが離間できなくなる虞を低減できる記録装置、記録装置の制御方法を提供する。
【解決手段】媒体に液体を吐出することで記録を行う記録部19と、記録部19と当接し、記録部19のメンテナンスを行うメンテナンスユニット20と、記録部19をメンテナンスユニット20に当接及び離間させる第1移動部18と、記録部19及びメンテナンスユニット20が当接した後に、記録部19のメンテナンスユニット20に向けた移動を抑制可能な制限部21と、を備え、第1移動部18は、駆動源44と、駆動源44の動力を伝達するウォームギア45と、を有し、駆動源44が記録部19をメンテナンスユニット20に当接させる力は、駆動源44が記録部19をメンテナンスユニット20から離間させる力よりも小さい。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に液体を吐出することで記録を行う記録部と、
前記記録部と当接し、前記記録部のメンテナンスを行うメンテナンスユニットと、
前記記録部及び前記メンテナンスユニットの一方を、他方に当接及び離間させる移動部と、
前記記録部及び前記メンテナンスユニットが当接した後に、前記一方の前記他方に向けた移動を抑制可能な制限部と、
を備え、
前記移動部は、
駆動源と、
前記駆動源の動力を伝達するウォームギアと、
を有し、
前記駆動源が前記一方を前記他方に当接させる力は、前記駆動源が前記一方を前記他方から離間させる力よりも小さいことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
前記駆動源が前記一方を前記他方に当接させるときのトルクは、前記駆動源が前記一方を前記他方から離間させるときのトルクよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項3】
前記駆動源が前記一方を前記他方に当接させるときの前記駆動源の電流値は、前記駆動源が前記一方を前記他方から離間させるときの前記駆動源の電流値よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項4】
前記移動部を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記駆動源が前記一方を前記他方に当接させるときの力を、前記駆動源が前記一方を前記他方から離間させるときの力よりも小さく設定することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記駆動源が前記一方を前記他方に当接させるときの前記駆動源の電流値を、前記駆動源が前記一方を前記他方から離間させるときの前記駆動源の電流値よりも小さく設定することを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項6】
前記記録部は、前記液体を吐出するノズル部を有し、
前記メンテナンスユニットは、
前記ノズル部のメンテナンスを行うメンテナンス部と、
前記メンテナンス部を前記ノズル部に向けて付勢する付勢部と、
を有することを特徴とする請求項1~請求項5のうち何れか一項に記載の記録装置。
【請求項7】
前記記録部は、前記液体を吐出するノズル部を有し、
前記メンテナンスユニットは、
前記ノズル部のメンテナンスを行うメンテナンス部と、
前記メンテナンス部を前記ノズル部に向けて付勢する付勢部と、
を有し、
前記制御部は、前記駆動源の負荷が所定値になるまで、前記一方を前記他方に近づく方向に移動させることを特徴とする請求項4に記載の記録装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記駆動源の負荷が前記所定値になったときの前記一方の位置を接触位置に設定し、
前記接触位置より第1所定距離だけ前記他方側に移動した位置を目標位置に設定することを特徴とする請求項7に記載の記録装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記駆動源の駆動力を第1駆動力として、前記一方が前記目標位置に移動可能である場合、前記一方を前記他方に当接させるときの力を前記第1駆動力に設定することを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記駆動源の駆動力を第1駆動力として、前記一方が前記目標位置より第2所定距離だけ前記他方側に移動した確認位置に移動可能である場合、前記一方を前記他方に当接させるときの力を前記第1駆動力に設定することを特徴とする請求項8に記載の記録装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記一方を前記他方に当接させるときの力を所定のタイミングで設定することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の記録装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記一方が前記確認位置に移動不可能である場合、エラーと判定することを特徴とする請求項10に記載の記録装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記第1駆動力で前記一方が前記確認位置に移動不可能であって、前記駆動源の駆動力を前記第1駆動力よりも大きい第2駆動力として、前記一方が前記確認位置に移動可能である場合、前記一方を前記他方に当接させるときの力を前記第2駆動力に設定することを特徴とする請求項10に記載の記録装置。
【請求項14】
媒体に液体を吐出することで記録を行う記録部と、
前記記録部と当接し、前記記録部のメンテナンスを行うメンテナンスユニットと、
前記記録部及び前記メンテナンスユニットの一方を、他方に当接及び離間させる移動部と、
前記記録部及び前記メンテナンスユニットが当接した後に、前記一方の前記他方に向けた移動を抑制可能な制限部と、
を備え、
前記移動部は、
駆動源と、
前記駆動源の動力を伝達するウォームギアと、
を有し、
前記記録部は、前記液体を吐出するノズル部を有し、
前記メンテナンスユニットは、
前記ノズル部のメンテナンスを行うメンテナンス部と、
前記メンテナンス部を前記ノズル部に向けて付勢する付勢部と、
を有する記録装置の制御方法であって、
前記駆動源の負荷が所定値になるまで、前記一方を前記他方に近づく方向に移動させることと、
前記駆動源の負荷が前記所定値になったときの前記一方の位置を接触位置に設定することと、
前記接触位置より第1所定距離だけ前記他方側に移動した位置を目標位置に設定することと、
前記駆動源の駆動力を第1駆動力として、前記一方が前記目標位置より第2所定距離だけ前記他方側に移動した確認位置に移動可能である場合、前記一方を前記他方に当接させるときの力を前記第1駆動力に設定することと、
を含み、
前記第1駆動力は、前記一方を前記他方から離間させるときの前記駆動源の駆動力よりも小さいことを特徴とする記録装置の制御方法。
【請求項15】
前記第1駆動力で前記一方が前記確認位置に移動不可能であって、前記駆動源の駆動力を前記第1駆動力よりも大きい第2駆動力として、前記一方が前記確認位置に移動可能である場合、前記一方を前記他方に当接させるときの力を前記第2駆動力に設定することを特徴とする請求項14に記載の記録装置の制御方法。
【請求項16】
前記一方を前記他方から離間させるときの前記駆動源の駆動力を設定することを含み、
前記一方を前記他方から離間させるときの前記駆動源の駆動力は、前記一方を前記他方に当接させるときの前記駆動源の駆動力よりも大きいことを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の記録装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンターなどの記録装置、記録装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、記録部の一例であるヘッドから液体の一例であるインクを吐出して記録する記録装置の一例であるインクジェットプリンターがある。インクジェットプリンターは、メンテナンスユニットの一例であるキャップユニットを備える。
【0003】
キャップユニットは、ヘッドに接触することで、吐出口を覆う密閉空間を形成する。キャップユニットは、上方に突出する制限部の一例である突き当て凸部を有する。キャップユニットは、突き当て凸部を下からヘッドに突き当てることで、鉛直方向に位置決めされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011-73229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
記録部とメンテナンスユニットは、ウォームギアによって相対移動させることができる。しかし、記録部とメンテナンスユニットとが突き当たった際の力が大きい場合、ウォームギアは、ウォームとウォームホイールとが噛み込んでしまうことがある。ウォームギアの噛み込みが生じると、記録部とメンテナンスユニットを離間させることができなくなる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する記録装置は、媒体に液体を吐出することで記録を行う記録部と、前記記録部と当接し、前記記録部のメンテナンスを行うメンテナンスユニットと、前記記録部及び前記メンテナンスユニットの一方を、他方に当接及び離間させる移動部と、前記記録部及び前記メンテナンスユニットが当接した後に、前記一方の前記他方に向けた移動を抑制可能な制限部と、を備え、前記移動部は、駆動源と、前記駆動源の動力を伝達するウォームギアと、を有し、前記駆動源が前記一方を前記他方に当接させる力は、前記駆動源が前記一方を前記他方から離間させる力よりも小さい。
【0007】
上記課題を解決する記録装置の制御方法は、媒体に液体を吐出することで記録を行う記録部と、前記記録部と当接し、前記記録部のメンテナンスを行うメンテナンスユニットと、前記記録部及び前記メンテナンスユニットの一方を、他方に当接及び離間させる移動部と、前記記録部及び前記メンテナンスユニットが当接した後に、前記一方の前記他方に向けた移動を抑制可能な制限部と、を備え、前記移動部は、駆動源と、前記駆動源の動力を伝達するウォームギアと、を有し、前記記録部は、前記液体を吐出するノズル部を有し、前記メンテナンスユニットは、前記ノズル部のメンテナンスを行うメンテナンス部と、前記メンテナンス部を前記ノズル部に向けて付勢する付勢部と、を有する記録装置の制御方法であって、前記駆動源の負荷が所定値になるまで、前記一方を前記他方に近づく方向に移動させることと、前記駆動源の負荷が前記所定値になったときの前記一方の位置を接触位置に設定することと、前記接触位置より第1所定距離だけ前記他方側に移動した位置を目標位置に設定することと、前記駆動源の駆動力を第1駆動力として、前記一方が前記目標位置より第2所定距離だけ前記他方側に移動した確認位置に移動可能である場合、前記一方を前記他方に当接させるときの力を前記第1駆動力に設定することと、を含み、前記第1駆動力は、前記一方を前記他方から離間させるときの前記駆動源の駆動力よりも小さい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】記録装置の一実施形態の模式図である。
図2】記録部とメンテナンスユニットの模式図である。
図3図2における3-3線矢視断面図である。
図4】第1方向に見たメンテナンス部の平面図である。
図5】調整ルーチンを示すフローチャートである。
図6】調整ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、記録装置、記録装置の制御方法の一実施形態を、図面を参照して説明する。本実施形態の記録装置は、例えば、用紙、布帛、ビニール、プラスチック部品、金属部品などの媒体に液体の一例であるインクを吐出して記録するインクジェット式のプリンターである。
【0010】
図面では、記録装置11が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。以下の説明では、Y軸と平行な方向を奥行方向Yともいう。
【0011】
<記録装置>
図1に示すように、記録装置11は、筐体12と、媒体収容部13と、給送部14と、搬送部15と、スタッカー16と、を備えてもよい。記録装置11は、複数の媒体収容部13と、媒体収容部13と同数の給送部14と、を備えてもよい。記録装置11は、移動部の一例である第1移動部18と、記録部19と、メンテナンスユニット20と、を備える。記録装置11は、制限部21と、第2移動部22と、を備えてもよい。
【0012】
図1では、媒体24が搬送される搬送経路25を一点鎖線で示す。搬送経路25は、媒体収容部13と、スタッカー16と、を結ぶ。スタッカー16は、搬送された媒体24を受ける。
【0013】
媒体収容部13は、複数の媒体24を積層状態で収容可能であってもよい。
給送部14は、対応する媒体収容部13から、この媒体収容部13に収容された媒体24を1枚ずつ搬送経路25に送り出す。
【0014】
搬送部15は、搬送経路25に沿って媒体24を搬送する。搬送部15は、搬送ローラー27と、無端状の搬送ベルト28と、一対のプーリー29と、を備えてもよい。搬送ベルト28は、一対のプーリー29に掛け渡される。搬送部15は、複数の搬送ローラー27を備えてもよい。搬送ローラー27は、媒体24を挟んだ状態で回転することで、媒体24を搬送する。搬送ベルト28は、媒体24を吸着した状態で回転することで、媒体24を搬送する。搬送部15は、搬送した媒体24をスタッカー16に排出する。
【0015】
記録装置11は、第1移動部18を制御する制御部31を備えてもよい。制御部31は、記録装置11における各機構の駆動を統括的に制御し、記録装置11で実行される各種動作を制御する。
【0016】
制御部31は、α:コンピュータープログラムに従って各種処理を実行する1つ以上のプロセッサー、β:各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する1つ以上の専用のハードウェア回路、或いはγ:それらの組み合わせ、を含む回路として構成し得る。ハードウェア回路は、例えば特定用途向け集積回路である。プロセッサーは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリーを含み、メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリーすなわちコンピューター可読媒体は、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆる可読媒体を含む。
【0017】
図2に示すように、記録部19は、液体を吐出するノズル部33を有してもよい。ノズル部33は、ノズル34が開口するノズル面35を有してもよい。記録部19は、ノズル面35が水平面に対して傾いて設けられてもよい。ノズル部33は、ノズル面35に垂直な方向に液体を吐出してもよい。記録部19は、媒体24に液体を吐出することで記録を行う。本実施形態の記録部19は、搬送される媒体24に対して、停止した状態で液体を吐出して記録を行うラインタイプである。
【0018】
記録部19は、図1に示す記録位置Ppと、図2に示す離間位置Psと、に移動可能であってもよい。記録位置Ppは、媒体24に記録を行う位置である。離間位置Psは、記録位置Ppよりも搬送ベルト28から離れた位置である。
【0019】
メンテナンスユニット20は、記録部19と当接し、記録部19のメンテナンスを行う。メンテナンスユニット20は、メンテナンス部37と、付勢部38と、を備えてもよい。メンテナンスユニット20は、複数のメンテナンス部37と、複数の付勢部38と、を備えてもよい。
【0020】
第2移動部22は、メンテナンスユニット20を移動させる。メンテナンスユニット20は、図1に示す退避位置Peと、図2に示すメンテナンス位置Pmと、に移動可能であってもよい。退避位置Peは、記録部19の移動領域から外れた位置である。メンテナンスユニット20が退避位置Peにあるとき、記録部19は、記録位置Ppと離間位置Psとの間を移動可能である。メンテナンス位置Pmは、記録部19のメンテナンスを行う位置である。
【0021】
メンテナンス位置Pmに位置するメンテナンスユニット20は、離間位置Psに位置する記録部19と搬送ベルト28との間に位置する。メンテナンス部37は、フラッシング、加圧クリーニングなどのメンテナンスに伴ってノズル34から排出される液体を、記録部19から離れた状態で受容してもよい。
【0022】
メンテナンス部37は、ノズル部33のメンテナンスを行う。具体的には、メンテナンス位置Pmに位置するメンテナンスユニット20は、離間位置Psから第1方向D1に移動する記録部19にメンテナンス部37が当接することで、記録部19をキャッピングする。キャッピングとは、ノズル34を覆う閉空間を形成するメンテナンスである。当接とは、一方が他方を押すと共に、他方が同じ力で一方を押し返す状態であって、双方が押し合っている状態をいう。
【0023】
付勢部38は、メンテナンス部37をノズル部33に向けて付勢する。付勢とは、対象に力が加わった場合に、この対象を押し返すことをいう。付勢部38は、例えばばねである。付勢部38は、メンテナンスユニット20がメンテナンス位置Pmに位置する状態において、ノズル部33とは反対側から、メンテナンス部37をノズル部33に向けて押す。
【0024】
制限部21は、第1凸部41と、第2凸部42と、を備えてもよい。第1凸部41は、記録部19に設けられる。第1移動部18は、第1凸部41を記録部19と共に移動させてもよい。第2凸部42は、メンテナンスユニット20に設けられる。第2移動部22は、第2凸部42をメンテナンスユニット20と共に移動させてもよい。制限部21は、メンテナンス位置Pmに位置する第2凸部42に、第1方向D1に移動する第1凸部41が当たることで、記録部19の移動を抑制する。制限部21は、複数の第1凸部41と複数の第2凸部42と、を備えてもよい。
【0025】
図3に示すように、複数の第1凸部41は、ノズル部33に対して奥行方向Yの両側に設けられてもよい。
図4に示すように、複数の第2凸部42は、メンテナンス部37に対して奥行方向Yの両側に設けられてもよい。
【0026】
図2に示すように、第1方向D1において、第1凸部41と第2凸部42との距離は、ノズル面35とメンテナンス部37との距離より大きい。そのため、記録部19が第1方向D1に移動する場合、第1凸部41と第2凸部42は、ノズル面35とメンテナンス部37が当接した後に当接する。すなわち、制限部21は、記録部19及びメンテナンスユニット20が当接した後に、記録部19のメンテナンスユニット20に向けた移動を抑制可能である。
【0027】
第1移動部18は、駆動源44と、ウォームギア45と、を有する。ウォームギア45は、ウォーム46と、ウォームホイール47と、を有する。第1移動部18は、ロータリーエンコーダー48と、駆動軸49と、駆動歯車50と、ラック51と、を有してもよい。駆動源44は、ウォーム46を回転させる例えばモーターである。ロータリーエンコーダー48は、駆動源44の回転数を検出してもよい。ウォームギア45は、駆動源44の動力を伝達する。記録部19の移動量は、駆動源44の回転数に比例する。
【0028】
図3に示すように、第1移動部18は、駆動歯車50と、ラック51と、を複数組有してもよい。複数の駆動歯車50は、ウォームホイール47と共に駆動軸49に固定されてもよい。
【0029】
図2に示すように、第1移動部18は、記録部19及びメンテナンスユニット20のうち、記録部19をメンテナンスユニット20に当接及び離間させる。第1移動部18は、記録部19を第1方向D1及び第2方向D2に移動させる。第1方向D1は、記録部19が搬送ベルト28に近づく方向である。第2方向D2は、第1方向D1とは反対の方向である。第2方向D2は、記録部19が搬送ベルト28から離れる方向である。第1方向D1及び第2方向D2は、ノズル面35に垂直な方向であってもよい。記録部19が図示しない湾曲したガイドに沿って移動する場合、第1方向D1及び第2方向D2は、湾曲したガイドに沿う方向であってもよい。
【0030】
第1移動部18は、駆動源44を正転駆動させることで、記録部19を第1方向D1に移動させる。このとき駆動源44を正転駆動させる駆動力を当接駆動力ともいう。第1移動部18は、駆動源44を逆転駆動させることで、記録部19を第2方向D2に移動させる。このとき駆動源44を逆転駆動させる駆動力を離間駆動力ともいう。当接駆動力は、離間駆動力よりも小さい。すなわち、駆動源44が記録部19をメンテナンスユニット20に当接させる力は、駆動源44が記録部19をメンテナンスユニット20から離間させる力よりも小さい。
【0031】
記録部19とメンテナンスユニット20を当接及び離間させる力は、制御部31が設定してもよい。制御部31は、駆動源44が記録部19をメンテナンスユニット20に当接させるときの力を、駆動源44が記録部19をメンテナンスユニット20から離間させるときの力よりも小さく設定してもよい。
【0032】
記録部19とメンテナンスユニット20を当接させる力は、トルクにより調整してもよい。駆動源44が記録部19をメンテナンスユニット20に当接させるときのトルクは、駆動源44が記録部19をメンテナンスユニット20から離間させるときのトルクよりも小さくてもよい。換言すると、記録部19をメンテナンスユニット20から離間させるときのトルクは、記録部19をメンテナンスユニット20に当接させるときのトルクよりも大きくてもよい。トルクは、制御部31が設定してもよい。制御部31は、記録部19とメンテナンスユニット20とを当接させるときのトルクを設定してもよい。制御部31は、記録部19をメンテナンスユニット20から離間させるときのトルクを設定してもよい。
【0033】
記録部19とメンテナンスユニット20を当接させる力は、駆動源44の電流値により調整してもよい。駆動源44が記録部19をメンテナンスユニット20に当接させるときの駆動源44の電流値は、駆動源44が記録部19をメンテナンスユニット20から離間させるときの駆動源44の電流値よりも小さくてもよい。
【0034】
駆動源44の電流値は、制御部31が設定してもよい。制御部31は、駆動源44が記録部19をメンテナンスユニット20に当接させるときの駆動源44の電流値を、駆動源44が記録部19をメンテナンスユニット20から離間させるときの駆動源44の電流値よりも小さく設定してもよい。
【0035】
<調整ルーチン>
次に、図5図6に示すフローチャートを参照し、記録装置11の制御方法について説明する。制御部31は、調整ルーチンを実行することにより、記録部19とメンテナンスユニット20とを当接及び離間させるときの力を設定する。制御部31は、調整ルーチンを所定のタイミングで実行してもよい。すなわち、制御部31は、記録部19をメンテナンスユニット20に当接させるときの力を所定のタイミングで設定してもよい。例えば制御部31は、記録装置11の電源が初めて投入された時、部品の交換時などに調整ルーチンを実行してもよい。
【0036】
図5に示すように、ステップS101において、制御部31は、記録部19を第1駆動力で離間位置Psから第1方向D1に移動させる。ステップS102において、制御部31は、記録部19が規定距離を移動したか否かを判断する。規定距離とは、離間位置Psに位置するノズル面35からメンテナンス部37までの第1方向D1における距離より短い距離であって、予め設定されていてもよい。すなわち、記録部19が規定距離を移動しても、記録部19はメンテナンス部37まで到達しない。
【0037】
ステップS102において、記録部19が規定距離を移動していない場合、ステップS102がNOになり、制御部31は、規定距離を移動するまで待機する。記録部19が規定距離を移動すると、ステップS102がYESになり、制御部31は、処理をステップS103に移行する。記録部19が規定距離を移動した後も、制御部31は、記録部19の第1方向D1への移動を継続させる。
【0038】
ステップS103において、制御部31は、記録部19が規定距離を移動する間の、駆動源44の最大負荷を取得する。ステップS104において、制御部31は、取得した最大負荷に補正値を加えることで所定値を算出する。補正値は、予め設定された定数であってもよいし、最大負荷などに応じて変化する変数であってもよい。
【0039】
ステップS105において、制御部31は、駆動源44の負荷が所定値以上になったか否かを判断する。負荷が所定値より小さい場合、ステップS105がNOになり、制御部31は、負荷が所定値以上になるまで待機する。ステップS105において負荷が所定値以上になると、ステップS105がYESになり、制御部31は、処理をステップS106に移行する。
【0040】
図6に示すように、ステップS106において、制御部31は、接触位置を設定する。接触位置は、駆動源44の負荷が所定値になったときの記録部19の位置である。接触位置は、記録部19がメンテナンス部37に接触を開始する位置である。
【0041】
ステップS107において、制御部31は、目標位置を設定する。目標位置は、接触位置より第1所定距離だけメンテナンスユニット20側に移動した位置である。ステップS108において、制御部31は、確認位置を設定する。確認位置は、目標位置より第2所定距離だけメンテナンスユニット20側に移動した位置である。第1所定距離と第2所定距離は、同じ距離であってもよいし、異なる距離であってもよい。第1所定距離と第2所定距離の合計は、記録部19が接触位置に位置するときの第1凸部41から第2凸部42までの距離より短くてもよい。
【0042】
ステップS109において、制御部31は、第1駆動力で第1方向D1に移動する記録部19が確認位置に移動可能であるかを確認する。記録部19が確認位置に移動可能である場合、ステップS109がYESになり、制御部31は、処理をステップS110に移行する。
【0043】
ステップS110において、制御部31は、当接駆動力を第1駆動力に設定する。すなわち、制御部31は、駆動源44の駆動力を第1駆動力として、記録部19が目標位置に移動可能である場合、記録部19をメンテナンスユニット20に当接させるときの力である当接駆動力を第1駆動力に設定する。
【0044】
ステップS111において、制御部31は、離間駆動力を設定する。このとき、制御部31は、ステップS110において設定された当接駆動力に基づいて離間駆動力を設定する。制御部31は、離間駆動力が当接駆動力より大きくなるように設定する。すなわち、離間駆動力として設定された第1駆動力は、記録部19をメンテナンスユニット20から離間させるときの駆動源44の駆動力である離間駆動力よりも小さい。例えば制御部31は、離間駆動力を当接駆動力の1.5倍に設定する。その後、制御部31は、調整ルーチンを終了する。
【0045】
ステップS109において、記録部19が確認位置に移動不可能である場合、ステップS109がNOになり、制御部31は、処理をステップS112に移行する。ステップS112において、制御部31は、駆動源44の駆動力を第1駆動力よりも大きい第2駆動力にして記録部19を第1方向D1に移動させる。
【0046】
ステップS113において、制御部31は、第2駆動力で第1方向D1に移動する記録部19が確認位置に移動可能であるかを確認する。記録部19が確認位置に移動可能である場合、ステップS113がYESになり、制御部31は、処理をステップS114に移行する。ステップS114において、制御部31は、当接駆動力を第2駆動力に設定する。制御部31は、第1駆動力で記録部19が確認位置に移動不可能であって、第2駆動力で、記録部19が確認位置に移動可能である場合、記録部19をメンテナンスユニット20に当接させるときの力である当接駆動力を第2駆動力に設定する。制御部31は、処理をステップS111に移行する。
【0047】
ステップS111において、制御部31は、離間駆動力を設定する。このとき、制御部31は、ステップS114において設定された当接駆動力より大きくなるように離間駆動力を設定する。例えば制御部31は、離間駆動力を当接駆動力の1.2倍に設定する。制御部31は、当接駆動力が大きいほど、当接駆動力に対する離間駆動力の比率を小さくしてもよい。その後、制御部31は、調整ルーチンを終了する。
【0048】
ステップS113において、記録部19が確認位置に移動不可能である場合、ステップS113がNOになり、制御部31は、処理をステップS115に移行する。ステップS115において、制御部31は、エラーと判定する。制御部31は、記録部19が確認位置に移動不可能である場合、エラーと判定してもよい。その後、制御部31は、調整ルーチンを終了する。なお、エラーと判定した場合には、制御部31は、その旨を報知してから調整ルーチンを終了しても良い。
【0049】
<実施形態の作用>
本実施形態の作用について説明する。
当接駆動力及び離間駆動力を設定する場合、制御部31は、記録部19を離間位置Psに移動させると共に、メンテナンスユニット20をメンテナンス位置Pmに移動させる。
【0050】
制御部31は、離間位置Psに位置する記録部19を第1駆動力で第1方向D1に移動させる。制御部31は、記録部19が離間位置Psから規定距離を移動する間の最大負荷に補正値を加えることで所定値を設定してもよい。
【0051】
記録部19がメンテナンスユニット20に当たると、駆動源44の負荷が大きくなる。制御部31は、駆動源44の負荷が所定値になったときの記録部19の位置を、接触位置に設定してもよい。具体的には、制御部31は、離間位置Psに位置する記録部19が移動を開始してから、駆動源44の負荷が所定値になるまでにロータリーエンコーダー48が検出した第1回転数を取得する。すなわち、記録部19が離間位置Psに位置する状態から、ロータリーエンコーダー48が第1回転数だけ回転したときの記録部19の位置が接触位置である。
【0052】
制御部31は、接触位置に基づいて目標位置と確認位置を設定してもよい。具体的には、制御部31は、目標位置に対応する第2回転数と、確認位置に対応する第3回転数を設定する。
【0053】
第2回転数は、第1回転数に第1補正回転数を加算した数である。第1補正回転数は、記録部19を第1所定距離だけ移動させるために必要なロータリーエンコーダー48の回転数である。記録部19が離間位置Psに位置する状態から、ロータリーエンコーダー48が第2回転数だけ回転したときの記録部19の位置が目標位置である。
【0054】
第3回転数は、第2回転数に第2補正回転数を加算した数である。第2補正回転数は、記録部19を第2所定距離だけ移動させるために必要なロータリーエンコーダー48の回転数である。記録部19が離間位置Psに位置する状態から、ロータリーエンコーダー48が第3回転数だけ回転したときの記録部19の位置が確認位置である。制御部31は、ロータリーエンコーダー48が第3回転数を検出すると、記録部19が確認位置に移動可能であると判断する。
【0055】
制御部31は、駆動源44を第1駆動力で駆動させているときに、ロータリーエンコーダー48が第3回転数を検出すると、当接駆動力を第1駆動力に設定してもよい。予め設定された閾値時間になってもロータリーエンコーダー48が第3回転数を検出しない場合、制御部31は、駆動源44の駆動力を第2駆動力に変更してもよい。駆動源44を第2駆動力で駆動させることで、ロータリーエンコーダー48が第3回転数を検出した場合、制御部31は、当接駆動力を第2駆動力に設定してもよい。制御部31は、設定した当接駆動力に基づいて離間駆動力を設定してもよい。
【0056】
記録部19をキャッピングする場合、制御部31は、記録部19を離間位置Psに移動させると共に、メンテナンスユニット20をメンテナンス位置Pmに移動させる。制御部31は、記録部19を当接駆動力で第1方向D1に移動させる。
【0057】
制御部31は、ロータリーエンコーダー48が第2回転数だけ回転した位置で記録部19を停止させる。すなわち、記録部19は、目標位置で停止する。目標位置は、記録部19がメンテナンス部37により確実にキャッピングされる位置である。
【0058】
記録部19のキャッピングを解除する場合、制御部31は、目標位置に位置する記録部19を当接駆動力より大きい離間駆動力で第2方向D2に移動させる。制御部31は、記録部19を離間位置Psまで移動させる。
【0059】
<実施形態の効果>
本実施形態の効果について説明する。
(1)記録部19とメンテナンスユニット20を当接させる力は、記録部19とメンテナンスユニット20を離間させる力よりも小さい。そのため、記録部19とメンテナンスユニット20を当接させる際に、ウォームギア45が噛み込んでしまったとしても、記録部19とメンテナンスユニット20を離間させることができる。したがって、記録部19とメンテナンスユニット20が離間できなくなる虞を低減できる。
【0060】
(2)記録部19とメンテナンスユニット20を当接させるときのトルクは、記録部19とメンテナンスユニット20を離間させる力よりも小さい。すなわち、トルクの大きさを調整することによって、記録部19とメンテナンスユニット20を当接及び離間させる力を容易に調整することができる。
【0061】
(3)記録部19とメンテナンスユニット20を当接させるときの駆動源44の電流値は、記録部19とメンテナンスユニット20を離間させるときの駆動源44の電流値より小さい。すなわち、駆動源44の電流値を調整することによって、記録部19とメンテナンスユニット20を当接及び離間させる力を容易に調整することができる。
【0062】
(4)記録部19とメンテナンスユニット20を当接及び離間させるときの力を、制御部31により設定する。そのため、例えば歯車などの機構で力を調整する場合に比べ、力の調整を容易に行うことができる。
【0063】
(5)制御部31は、記録部19とメンテナンスユニット20を当接させるときの駆動源44の電流値を、記録部19とメンテナンスユニット20を離間させるときの駆動源44の電流値よりも小さくする。すなわち、制御部31が駆動源44の電流値を調整することによって、記録部19とメンテナンスユニット20を当接及び離間させる力を容易に調整することができる。
【0064】
(6)付勢部38は、メンテナンス部37をノズル部33に向けて付勢する。そのため、記録部19とメンテナンスユニット20を近づけることで、ノズル部33に対してメンテナンス部37を容易に押し当てることができる。
【0065】
(7)駆動源44の負荷は、記録部19とメンテナンスユニット20が当接することで大きくなる。制御部31は、駆動源44の負荷が所定値になるまで記録部19とメンテナンスユニット20とを近づける。したがって、記録部19とメンテナンスユニット20が当接する位置を容易に検出することができる。
【0066】
(8)制御部31は、目標位置を設定する。目標位置は、駆動源44の負荷が所定値になってから、記録部19とメンテナンスユニット20が第1所定距離だけ互いに近づいた位置である。したがって、記録部19とメンテナンスユニット20の当接する圧力を大きくすることができる。
【0067】
(9)制御部31は、記録部19とメンテナンスユニット20の一方を目標位置に移動させることができる第1駆動力で、記録部19とメンテナンスユニット20を当接させる。したがって、目標位置において記録部19とメンテナンスユニット20を当接させることができる。
【0068】
(10)制御部31は、記録部19とメンテナンスユニット20の一方を確認位置に移動させることができる第1駆動力で、記録部19とメンテナンスユニット20を当接させる。確認位置は、目標位置より第2所定距離だけ他方側に移動した位置である。したがって、記録部19とメンテナンスユニット20を目標位置において当接させるのに十分な力で、記録部19とメンテナンスユニット20の一方を移動させることができる。
【0069】
(11)制御部31は、記録部19とメンテナンス部37を当接させる力を、所定のタイミングで設定する。すなわち、記録部19とメンテナンス部37を当接させる力を自動で設定することができるため、ユーザビリティーを向上させることができる。
【0070】
(12)記録部19とメンテナンスユニット20の一方が確認位置に移動不可能である場合、エラーと判定する。そのため、例えば部品の組み立てなどに問題があった場合でも容易に発見することができる。
【0071】
(13)記録部19とメンテナンスユニット20の一方を第1駆動力では確認位置に移動させることができず、第2駆動力では確認位置に移動させることができる場合、制御部31は、第2駆動力で記録部19とメンテナンスユニット20を当接させる。したがって、記録部19とメンテナンスユニット20を当接させる力を自動で調整することができる。
【0072】
(14)制御部31は、記録部19が目標位置に移動可能であることを確認する。そのため、移動できない位置に目標位置が設定されてしまう虞を低減できる。
(15)制御部31は、記録部19が目標位置もしくは確認位置まで移動したときの駆動力を、記録部19をメンテナンスユニット20に当接させるときの力に設定する。そのため、記録部19が目標位置まで移動できないことが生じる虞を低減できる。
【0073】
(16)例えばフォトセンサによって記録部19の位置を検出する場合、飛散した液体であるミストによってフォトセンサが汚れ、位置の検出ができなくなる虞がある。その点、駆動源44の負荷と、ロータリーエンコーダー48により記録部19の位置を検出できるため、ミストの影響を低減することができる。
【0074】
(17)制御部31は、所定のタイミングで調整ルーチンを実行する。そのため、例えばキャッピングを行う前に毎回調整ルーチンを実行する場合に比べ、駆動源44などの耐久性を向上させることができる。
【0075】
(18)制御部31は、記録部19が目標位置もしくは確認位置まで移動できるかの確認を、小さな駆動力から行う。そのため、大きな駆動力から行う場合に比べ、省電力化を図ることができる。
【0076】
(19)制御部31は、記録部19を離間位置Psから規定距離だけ移動させる間の負荷などの実際の条件に応じて所定値を設定する。この設定値を用いることで、接触位置を適切に検出することができる。
【0077】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0078】
・所定値は、予め定められた定数であってもよい。所定値は、記録部19がメンテナンスユニット20に接触しない状態で移動するときの負荷より大きな値であって、例えば実験により予め設定されていてもよい。所定値を予め設定する場合、図5図6に示す調整ルーチンは、ステップS102~ステップS104を省略してもよい。
【0079】
・記録部19をキャッピングする場合、制御部31は、駆動源44の負荷が所定値になってから、ロータリーエンコーダー48が第1補正回転数だけ回転した位置で記録部19を停止させてもよい。すなわち、制御部31は、駆動源44の負荷が所定値になった場合に、記録部19が接触位置まで移動したと判断してもよい。制御部31は、ロータリーエンコーダー48の検出結果に基づいて、接触位置から第1所定距離だけ移動させた位置で記録部19を停止させることで、記録部19を目標位置に位置させてもよい。
【0080】
・第2移動部22は、移動部として機能してもよい。第2移動部22は、駆動源44とウォームギア45と、を備えてもよい。第2移動部22は、記録部19及びメンテナンスユニット20のうち、メンテナンスユニット20を記録部19に当接及び離間させてもよい。第2移動部22は、メンテナンス位置Pmに位置するメンテナンスユニット20を第2方向D2に移動させて記録部19に当接させてもよい。第2移動部22は、記録部19をキャッピングするメンテナンスユニット20を第1方向D1に移動させて、記録部19から離間させてもよい。この場合、制限部21は、メンテナンスユニット20の記録部19に向けた移動を抑制可能である。駆動源44がメンテナンスユニット20を記録部19に当接させる力は、駆動源44がメンテナンスユニット20を記録部19から離間させる力よりも小さい。
【0081】
・駆動源44がメンテナンスユニット20を記録部19に当接させるときのトルクは、駆動源44がメンテナンスユニット20を記録部19から離間させるときのトルクよりも小さくてもよい。
【0082】
・制御部31は、メンテナンスユニット20を記録部19に当接させるときのトルクを設定してもよい。制御部31は、メンテナンスユニット20を記録部19から離間させるときのトルクを設定してもよい。メンテナンスユニット20を記録部19から離間させるときのトルクは、メンテナンスユニット20を記録部19に当接させるときのトルクよりも大きくてもよい。
【0083】
・駆動源44がメンテナンスユニット20を記録部19に当接させるときの駆動源44の電流値は、駆動源44がメンテナンスユニット20を記録部19から離間させるときの駆動源44の電流値よりも小さくてもよい。
【0084】
・制御部31は、駆動源44がメンテナンスユニット20を記録部19に当接させるときの力を、駆動源44がメンテナンスユニット20を記録部19から離間させるときの力よりも小さく設定してもよい。
【0085】
・制御部31は、駆動源44がメンテナンスユニット20を記録部19に当接させるときの駆動源44の電流値を、駆動源44がメンテナンスユニット20を記録部19から離間させるときの駆動源44の電流値よりも小さく設定してもよい。
【0086】
・制御部31は、駆動源44の負荷が所定値になるまで、メンテナンスユニット20を記録部19に近づく第2方向D2に移動させてもよい。
・制御部31は、駆動源44の負荷が所定値になったときのメンテナンスユニット20の位置を接触位置に設定し、接触位置より第1所定距離だけ記録部19側に移動した位置を目標位置に設定してもよい。
【0087】
・制御部31は、駆動源44の駆動力を第1駆動力として、メンテナンスユニット20が目標位置に移動可能である場合、メンテナンスユニット20を記録部19に当接させるときの力を第1駆動力に設定してもよい。
【0088】
・制御部31は、メンテナンスユニット20が目標位置より第2所定距離だけ記録部19側に移動した位置を確認位置に設定してもよい。制御部31は、駆動源44の駆動力を第1駆動力として、メンテナンスユニット20が確認位置に移動可能である場合、メンテナンスユニット20を記録部19に当接させるときの力を第1駆動力に設定してもよい。
【0089】
・制御部31は、メンテナンスユニット20を記録部19に当接させるときの力を所定のタイミングで設定してもよい。
・制御部31は、メンテナンスユニット20が確認位置に移動不可能である場合、エラーと判定してもよい。
【0090】
・制御部31は、第1駆動力でメンテナンスユニット20が確認位置に移動不可能であって、第2駆動力でメンテナンスユニット20が確認位置に移動可能である場合、メンテナンスユニット20を記録部19に当接させるときの力を第2駆動力に設定してもよい。
【0091】
・制御部31は、第1駆動力で記録部19もしくはメンテナンスユニット20が確認位置に移動不可能である場合、エラーと判定してもよい。制御部31は、エラーと判定した場合、図示しない報知部にエラーを報知させてもよい。制御部31は、エラーと判定した場合、外部装置に対してエラーを示す情報を送信してもよい。
【0092】
・制御部31は、記録部19とメンテナンスユニット20を当接させるときの力を予め設定していてもよい。
・制御部31は、駆動源44の駆動力を第1駆動力として、記録部19もしくはメンテナンスユニット20が目標位置に移動可能である場合、記録部19とメンテナンスユニット20を当接させるときの力を第1駆動力に設定してもよい。
【0093】
・制御部31は、接触位置、目標位置、確認位置のうち少なくとも1つを設定しなくてもよい。
・第1移動部18及び第2移動部22は、移動部として機能してもよい。記録部19とメンテナンスユニット20は、双方が移動することで当接及び離間してもよい。
【0094】
・制限部21は、第1凸部41と第2凸部42のうち一方を備える構成としてもよい。制限部21は、第1凸部41がメンテナンスユニット20の例えば平面部に当接することで、記録部19とメンテナンスユニット20の移動を抑制してもよい。制限部21は、第2凸部42が記録部19の例えば平面部に当接することで、記録部19とメンテナンスユニット20の移動を抑制してもよい。
【0095】
・第1凸部41と第2凸部42の少なくとも一方は、弾性を有していてもよい。
・制限部21は、第1凸部41と第2凸部42が接触したあと、第1凸部41と第2凸部42の一方が他方に所定量押し込まれた場合に、記録部19もしくはメンテナンスユニット20の移動を抑制してもよい。
【0096】
・記録部19とメンテナンスユニット20を当接及び離間させる際の力の変更は、制御部31とは異なる機構で行ってもよい。
・記録装置11は、出力するトルクが異なる複数の伝達機構を備えてもよい。第1伝達機構は、駆動源44が正転駆動される場合に駆動力を記録部19に伝達してもよい。記録部19とメンテナンス部37は、第1伝達機構により伝達される駆動力によって当接してもよい。第2伝達機構は、逆転駆動される駆動源44の駆動力を記録部19に伝達してもよい。記録部19とメンテナンス部37は、第2伝達機構により伝達される駆動力によって離間してもよい。第1伝達機構のトルクは、第2伝達機構のトルクより小さい。
【0097】
・記録装置11は、トルクが異なる複数の駆動源44を備えてもよい。第1駆動源のトルクは、第2駆動源のトルクより小さい。第1駆動源は、記録部19とメンテナンスユニット20を当接させてもよい。第2駆動源は、記録部19とメンテナンスユニット20を離間させてもよい。
【0098】
・記録装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりして記録を行う液体噴射装置であってもよい。液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、液体は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属、金属融液、のような流状体を含むものとする。液体は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する装置がある。液体噴射装置は、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。液体噴射装置は、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ、光学レンズ、などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する装置であってもよい。液体噴射装置は、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する装置であってもよい。
【0099】
[定義]
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0100】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0101】
(A)記録装置は、媒体に液体を吐出することで記録を行う記録部と、前記記録部と当接し、前記記録部のメンテナンスを行うメンテナンスユニットと、前記記録部及び前記メンテナンスユニットの一方を、他方に当接及び離間させる移動部と、前記記録部及び前記メンテナンスユニットが当接した後に、前記一方の前記他方に向けた移動を抑制可能な制限部と、を備え、前記移動部は、駆動源と、前記駆動源の動力を伝達するウォームギアと、を有し、前記駆動源が前記一方を前記他方に当接させる力は、前記駆動源が前記一方を前記他方から離間させる力よりも小さい。
【0102】
この構成によれば、記録部とメンテナンスユニットを当接させる力は、記録部とメンテナンスユニットを離間させる力よりも小さい。そのため、記録部とメンテナンスユニットを当接させる際に、ウォームギアが噛み込んでしまったとしても、記録部とメンテナンスユニットを離間させることができる。したがって、記録部とメンテナンスユニットが離間できなくなる虞を低減できる。
【0103】
(B)記録装置において、前記駆動源が前記一方を前記他方に当接させるときのトルクは、前記駆動源が前記一方を前記他方から離間させるときのトルクよりも小さくてもよい。
【0104】
この構成によれば、記録部とメンテナンスユニットを当接させるときのトルクは、記録部とメンテナンスユニットを離間させる力よりも小さい。すなわち、トルクの大きさを調整することによって、記録部とメンテナンスユニットを当接及び離間させる力を容易に調整することができる。
【0105】
(C)記録装置において、前記駆動源が前記一方を前記他方に当接させるときの前記駆動源の電流値は、前記駆動源が前記一方を前記他方から離間させるときの前記駆動源の電流値よりも小さくてもよい。
【0106】
この構成によれば、記録部とメンテナンスユニットを当接させるときの駆動源の電流値は、記録部とメンテナンスユニットを離間させるときの駆動源の電流値より小さい。すなわち、駆動源の電流値を調整することによって、記録部とメンテナンスユニットを当接及び離間させる力を容易に調整することができる。
【0107】
(D)記録装置は、前記移動部を制御する制御部をさらに備え、前記制御部は、前記駆動源が前記一方を前記他方に当接させるときの力を、前記駆動源が前記一方を前記他方から離間させるときの力よりも小さく設定してもよい。
【0108】
この構成によれば、記録部とメンテナンスユニットを当接及び離間させるときの力を、制御部により設定する。そのため、例えば歯車などの機構で力を調整する場合に比べ、力の調整を容易に行うことができる。
【0109】
(E)記録装置において、前記制御部は、前記駆動源が前記一方を前記他方に当接させるときの前記駆動源の電流値を、前記駆動源が前記一方を前記他方から離間させるときの前記駆動源の電流値よりも小さく設定してもよい。
【0110】
この構成によれば、制御部は、記録部とメンテナンスユニットを当接させるときの駆動源の電流値を、記録部とメンテナンスユニットを離間させるときの駆動源の電流値よりも小さくする。すなわち、制御部が駆動源の電流値を調整することによって、記録部とメンテナンスユニットを当接及び離間させる力を容易に調整することができる。
【0111】
(F)記録装置において、前記記録部は、前記液体を吐出するノズル部を有し、前記メンテナンスユニットは、前記ノズル部のメンテナンスを行うメンテナンス部と、前記メンテナンス部を前記ノズル部に向けて付勢する付勢部と、を有してもよい。
【0112】
この構成によれば、付勢部は、メンテナンス部をノズル部に向けて付勢する。そのため、記録部とメンテナンスユニットを近づけることで、ノズル部に対してメンテナンス部を容易に押し当てることができる。
【0113】
(G)記録装置において、前記記録部は、前記液体を吐出するノズル部を有し、前記メンテナンスユニットは、前記ノズル部のメンテナンスを行うメンテナンス部と、前記メンテナンス部を前記ノズル部に向けて付勢する付勢部と、を有し、前記制御部は、前記駆動源の負荷が所定値になるまで、前記一方を前記他方に近づく方向に移動させてもよい。
【0114】
駆動源の負荷は、記録部とメンテナンスユニットが当接することで大きくなる。この構成によれば、制御部は、駆動源の負荷が所定値になるまで記録部とメンテナンスユニットとを近づける。したがって、記録部とメンテナンスユニットが当接する位置を容易に検出することができる。
【0115】
(H)記録装置において、前記制御部は、前記駆動源の負荷が前記所定値になったときの前記一方の位置を接触位置に設定し、前記接触位置より第1所定距離だけ前記他方側に移動した位置を目標位置に設定してもよい。
【0116】
この構成によれば、制御部は、目標位置を設定する。目標位置は、駆動源の負荷が所定値になってから、記録部とメンテナンスユニットが第1所定距離だけ互いに近づいた位置である。したがって、記録部とメンテナンスユニットの当接する圧力を大きくすることができる。
【0117】
(I)記録装置において、前記制御部は、前記駆動源の駆動力を第1駆動力として、前記一方が前記目標位置に移動可能である場合、前記一方を前記他方に当接させるときの力を前記第1駆動力に設定してもよい。
【0118】
この構成によれば、制御部は、記録部とメンテナンスユニットの一方を目標位置に移動させることができる第1駆動力で、記録部とメンテナンスユニットを当接させる。したがって、目標位置において記録部とメンテナンスユニットを当接させることができる。
【0119】
(J)記録装置において、前記制御部は、前記駆動源の駆動力を第1駆動力として、前記一方が前記目標位置より第2所定距離だけ前記他方側に移動した確認位置に移動可能である場合、前記一方を前記他方に当接させるときの力を前記第1駆動力に設定してもよい。
【0120】
この構成によれば、制御部は、記録部とメンテナンスユニットの一方を確認位置に移動させることができる第1駆動力で、記録部とメンテナンスユニットを当接させる。確認位置は、目標位置より第2所定距離だけ他方側に移動した位置である。したがって、記録部とメンテナンスユニットを目標位置において当接させるのに十分な力で、記録部とメンテナンスユニットの一方を移動させることができる。
【0121】
(K)記録装置において、前記制御部は、前記一方を前記他方に当接させるときの力を所定のタイミングで設定してもよい。
この構成によれば、制御部は、記録部とメンテナンス部を当接させる力を、所定のタイミングで設定する。すなわち、記録部とメンテナンス部を当接させる力を自動で設定することができるため、ユーザビリティーを向上させることができる。
【0122】
(L)記録装置において、前記制御部は、前記一方が前記確認位置に移動不可能である場合、エラーと判定してもよい。
この構成によれば、記録部とメンテナンスユニットの一方が確認位置に移動不可能である場合、エラーと判定する。そのため、例えば部品の組み立てなどに問題があった場合でも容易に発見することができる。
【0123】
(M)記録装置において、前記制御部は、前記第1駆動力で前記一方が前記確認位置に移動不可能であって、前記駆動源の駆動力を前記第1駆動力よりも大きい第2駆動力として、前記一方が前記確認位置に移動可能である場合、前記一方を前記他方に当接させるときの力を前記第2駆動力に設定してもよい。
【0124】
この構成によれば、記録部とメンテナンスユニットの一方を第1駆動力では確認位置に移動させることができず、第2駆動力では確認位置に移動させることができる場合、制御部は、第2駆動力で記録部とメンテナンスユニットを当接させる。したがって、記録部とメンテナンスユニットを当接させる力を自動で調整することができる。
【0125】
(N)記録装置の制御方法は、媒体に液体を吐出することで記録を行う記録部と、前記記録部と当接し、前記記録部のメンテナンスを行うメンテナンスユニットと、前記記録部及び前記メンテナンスユニットの一方を、他方に当接及び離間させる移動部と、前記記録部及び前記メンテナンスユニットが当接した後に、前記一方の前記他方に向けた移動を抑制可能な制限部と、を備え、前記移動部は、駆動源と、前記駆動源の動力を伝達するウォームギアと、を有し、前記記録部は、前記液体を吐出するノズル部を有し、前記メンテナンスユニットは、前記ノズル部のメンテナンスを行うメンテナンス部と、前記メンテナンス部を前記ノズル部に向けて付勢する付勢部と、を有する記録装置の制御方法であって、前記駆動源の負荷が所定値になるまで、前記一方を前記他方に近づく方向に移動させることと、前記駆動源の負荷が前記所定値になったときの前記一方の位置を接触位置に設定することと、前記接触位置より第1所定距離だけ前記他方側に移動した位置を目標位置に設定することと、前記駆動源の駆動力を第1駆動力として、前記一方が前記目標位置より第2所定距離だけ前記他方側に移動した確認位置に移動可能である場合、前記一方を前記他方に当接させるときの力を前記第1駆動力に設定することと、を含み、前記第1駆動力は、前記一方を前記他方から離間させるときの前記駆動源の駆動力よりも小さい。この方法によれば、上記記録装置と同様の効果を奏することができる。
【0126】
(O)記録装置の制御方法において、前記第1駆動力で前記一方が前記確認位置に移動不可能であって、前記駆動源の駆動力を前記第1駆動力よりも大きい第2駆動力として、前記一方が前記確認位置に移動可能である場合、前記一方を前記他方に当接させるときの力を前記第2駆動力に設定してもよい。この方法によれば、上記記録装置と同様の効果を奏することができる。
【0127】
(P)記録装置の制御方法は、前記一方を前記他方から離間させるときの前記駆動源の駆動力を設定することを含み、前記一方を前記他方から離間させるときの前記駆動源の駆動力は、前記一方を前記他方に当接させるときの前記駆動源の駆動力よりも大きくてもよい。この方法によれば、上記記録装置と同様の効果を奏することができる。
【0128】
(Q)記録装置は、媒体に液体を吐出することで記録を行う記録部と、前記記録部と当接し、前記記録部のメンテナンスを行うメンテナンスユニットと、前記記録部及び前記メンテナンスユニットの一方を、他方に当接及び離間させる移動部と、を備え、前記移動部は、駆動源と、前記駆動源の動力を伝達するウォームギアと、を有し、前記駆動源が前記一方を前記他方に当接させる力は、前記駆動源が前記一方を前記他方から離間させる力よりも小さい。
【0129】
特許文献1のキャップユニットは、ヘッドに接触することで、ノズルの一例である吐出口を覆う密閉空間を形成する。記録部とメンテナンスユニットを当接させる際の力が小さい場合、ノズルを覆う空間を十分に密閉できない。しかし、記録部とメンテナンスユニットを当接させる際の力が大きすぎる場合、ウォームとウォームホイールとが噛み込んでしまうことがある。その点、記録部とメンテナンスユニットを当接させる力は、記録部とメンテナンスユニットを離間させる力よりも小さい。そのため、記録部とメンテナンスユニットを当接させる際に、ウォームギアが噛み込んでしまったとしても、記録部とメンテナンスユニットを離間させることができる。したがって、記録部とメンテナンスユニットが離間できなくなる虞を低減できる。
【符号の説明】
【0130】
11…記録装置、12…筐体、13…媒体収容部、14…給送部、15…搬送部、16…スタッカー、18…第1移動部、19…記録部、20…メンテナンスユニット、21…制限部、22…第2移動部、24…媒体、25…搬送経路、27…搬送ローラー、28…搬送ベルト、29…プーリー、31…制御部、33…ノズル部、34…ノズル、35…ノズル面、37…メンテナンス部、38…付勢部、41…第1凸部、42…第2凸部、44…駆動源、45…ウォームギア、46…ウォーム、47…ウォームホイール、48…ロータリーエンコーダー、49…駆動軸、50…駆動歯車、51…ラック、D1…第1方向、D2…第2方向、Pe…退避位置、Pm…メンテナンス位置、Pp…記録位置、Ps…離間位置、Y…奥行方向。
図1
図2
図3
図4
図5
図6