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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003142
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】放射線療法のシードとアプリケータ
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/10 20060101AFI20231228BHJP
   A61M 36/04 20060101ALI20231228BHJP
【FI】
A61N5/10 U
A61M36/04
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023193080
(22)【出願日】2023-11-13
(62)【分割の表示】P 2020544280の分割
【原出願日】2019-03-07
(31)【優先権主張番号】62/640,077
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519371231
【氏名又は名称】アルファ タウ メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ケルソン、イザーク
(72)【発明者】
【氏名】ケイサリ、ヨナ
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】メガン、オファ
(72)【発明者】
【氏名】ソスノヴィッチ、アミタイ
(72)【発明者】
【氏名】ケレット、ガイ
(72)【発明者】
【氏名】ガット、アムノン
(57)【要約】
【課題】放射線療法のシードとアプリケータを提供する。
【解決手段】患者にインプラントするための1つまたは複数の近接照射療法シードを保持しているケーシングであって、シードは放射線治療のために放射性元素の原子を担持し、ケーシングは1つまたは複数の近接照射療法シードからの放射線がケーシングを出ないように粘性液体で満たされている。ケーシングは、身体組織に挿入するように構成された金属製または非金属製の細長い管、または、針に挿入するための、医師にシードを送達するためのバイアルを含むことができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接照射療法のための装置であって、
ケーシングと;
前記ケーシング内の、放射線療法治療のための放射性元素の原子を担持する、患者に移植するための1つまたは複数の近接照射療法シードと;そして
前記1つまたは複数の近接照射療法シードからの放射線が前記ケーシングを出るのを防止する、前記ケーシング内の粘性液体と;
を有することを特徴とする、近接照射療法のための装置。
【請求項2】
前記ケーシングが針を有する、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記粘性液体がグリセリンを有する、ことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記ケーシングが、前記患者への挿入に適合された管と、前記管内のスタイレットと、を有するシードアプリケータを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記ケーシングが細長い前記管の近位端にハブを有し、前記ハブが、加熱滅菌により粘性液体が膨張したときに、前記細長い管から過剰な粘性液体を収集するように構成される空のチャンバを有する、ことを特徴とする請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記細長い管に接続する前記ハブの遠位端が、前記ハブに入る前記細長い管からの粘性液体が前記細長い管に戻ることを可能にするように構成される漏斗形状を有する、ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記ケーシングが、第1の端に針ポートを有し、第2の端に1つまたは複数の近接照射療法シードを担持するピストンを有する、シードカプセルを有し、前記ピストンの動きが前記針ポート内の針の中に前記1つまたは複数の近接照射療法シードを押し出す、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記針ポートは、前記1つ以上の近接照射療法シードが粘性液体の一部と共に前記針に入るような向きで前記針を受け入れるように構成される、ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
近接照射療法シードを針に装填する方法であって、
前記針の動きを防止する態様で、身体組織に入るための鋭い先端を有する針を握るステップと;
前記近接照射療法シードを前記針の先端に隣接する点に持っていくステップと;そして
前記鋭い先端経由で、前記近接照射療法シードを前記針の中に押し込むステップと;
を有する、ことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記近接照射療法シードを押し込む前記ステップは、前記シードを前記針の中に押し込むスタイレットを押すステップを有する、ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
近接照射療法用シード装填装置であって:
前記近接照射療法シードを保管する中央チャンバと;
針の鋭い先端が前記中央チャンバ内の前記近接照射療法シードと整列する方向に前記針を固定するように構成される、針ポートと;そして
前記近接照射療法シードを前記針ポートに固定された前記針の中に押し込むように構成されるピストンと;
を有することを特徴とする装置。
【請求項12】
前記中央チャンバがさらに、前記近接照射療法シードにより放出されたラドンが前記装填装置を離れることを防止する、粘性液体を貯蔵する、ことを特徴とする請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記針ポートは、締められたときに前記針を前記針ポートに固定するネジを有する、ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項14】
回転されたときに前記ピストンを前記中央チャンバに向かって押すピストンネジをさらに有する、ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項15】
近接照射療法シードアプリケータであって、
身体組織への挿入用に構成された非金属の細長い管と;
前記管の近位端のハブと;
前記管内の、放射性粒子を担持する1つ以上の近接照射療法シードと;そして
前記管に挿入され、前記1つ以上の近接照射療法シードを前記細長い管の遠位端に押すように構成されたスタイレットと;
を有することを特徴とする近接照射療法シードアプリケータ。
【請求項16】
前記1つ以上の近接照射療法シードがアルファ放出性粒子を担持する、ことを特徴とする請求項15に記載の近接照射療法シードアプリケータ。
【請求項17】
前記1つまたは複数の近接照射療法シードがラジウムシードを担持する、ことを特徴とする請求項15に記載の近接照射療法シードアプリケータ。
【請求項18】
前記非金属の細長い管が、前記アプリケータの超音波画像内の前記1つ以上の近接照射療法シードの観察を可能にする、ことを特徴とする請求項15に記載の近接照射療法シードアプリケータ。
【請求項19】
前記非金属の細長い管が、放射性粒子の娘核が前記非金属の細長い管から出るのを防止する、ことを特徴とする請求項15に記載の近接照射療法シードアプリケータ。
【請求項20】
前記1つ以上の近接照射療法シードが、前記非金属の細長い管の遠位先端から少なくとも1センチメートル離れている、ことを特徴とする請求項15に記載の近接照射療法シードアプリケータ。
【請求項21】
前記非金属の細長い管がカプトンを含む、ことを特徴とする請求項15に記載の近接照射療法シードアプリケータ。
【請求項22】
近接照射療法針に対するスタイレットの動きを制御するためのストッパーであって:
本体構造と;
前記近接照射療法針の針ハブを把持するための、前記本体構造上の第1のコネクタと;
前記スタイレットが遠位方向に移動するのを防止するようにスタイレットハブを把持するための、前記本体構造上の第2のコネクタと;そして
前記スタイレットが近位および遠位の両方に移動するのを防止するように前記タイレットハブを把持するための、前記本体構造上の第3のコネクタと;
を有することを特徴とするストッパー。
【請求項23】
前記第1のコネクタは、前記針ハブを把持するように構成されたスロットを備える、ことを特徴とする請求項22に記載のストッパー。
【請求項24】
前記第2のコネクタは、前記スタイレットの近位の動きを妨げることなく、前記スタイレットの遠位の動きを防止するように構成される、ことを特徴とする請求項22に記載のストッパー。
【請求項25】
前記第2および第3のコネクタは、前記針に対して異なる軸方向位置で前記スタイレットハブを把持するように構成される、ことを特徴とする請求項22に記載のストッパー。
【請求項26】
前記本体構造は、前記第2および第3のコネクタが前記スタイレットハブを把持する軸方向位置を変更するような態様で伸長可能である、ことを特徴とする請求項22に記載のストッパー。
【請求項27】
近接照射療法シードを身体組織に挿入する方法であって:
内部に近接照射療法シードを備える針を提供するステップであって、スタイレットが前記針の近位端を通して挿入され、そしてストッパーが前記スタイレットのハブを前記スタイレットの第1のコネクタに保持し、それにより前記針に対して遠位および近位の両方で前記スタイレットの動きを防止する、ステップと;
前記針の先端を腫瘍に挿入するステップと;
前記スタイレットのハブを前記第1のコネクタから第2のコネクタに押しだすステップであって、それにより、前記スタイレットのハブが、前記第1のコネクタとは異なる、前記スタイレットのハブの軸方向位置に遠位に移動するのを防止する、ステップと;そして
前記ストッパーを外して、前記シードを腫瘍内に残すように、前記針を前記スタイレットに対して近位に後退させるステップと;
を有することを特徴とする方法。
【請求項28】
近接照射療法インプラントであって:
中空の生体適合性ワイヤと;
前記中空の生体適合性ワイヤに取り付けられた、内部チャネルを画定する少なくとも1つの管状シードと;そして
前記少なくとも1つの管状シードに配置された放射線治療用の放射性粒子と;
を有することを特徴とする近接照射療法インプラント。
【請求項29】
前記中空の生体適合性ワイヤが、0.5ミリメートル未満の直径を有する内部チャネルを画定する、ことを特徴とする請求項28に記載のインプラント。
【請求項30】
前記中空の生体適合性ワイヤが生分解性ではない、ことを特徴とする請求項28に記載のインプラント。
【請求項31】
前記少なくとも1つの管状シードが、前記中空生体適合性ワイヤの両端から少なくとも10ミリメートル離れて、前記中空生体適合性ワイヤの中間に配置される、ことを特徴とする請求項28に記載のインプラント。
【請求項32】
近接照射療法シードを身体組織に挿入する方法であって:
針の先端が第2の点で組織を出るまで、第1の点を介して前記針を前記身体組織に挿入するステップと;
1つ以上の前記近接照射療法シードを担持するストランドの遠位端を、前記針の遠位先端から押し出すステップと;
前記ストランドの遠位端を把持するステップと;そして
前記ストランドの遠位端を把持しながら前記針を前記組織から近位方向に回収し、1つ以上の前記近接照射療法シードが前記組織内に残るようにするステップと;
を有することを特徴とする方法。
【請求項33】
前記ストランドの遠位端を引っ張って、前記組織内の1つ以上の前記近接照射療法シードの位置を調整するステップをさらに有する、ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ストランドの遠位端を把持するステップは、鉗子で把持するステップを有する、ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記針を身体組織に挿入するステップは、前記ストランドを内部に有する前記針を挿入するステップを有する、ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に放射線療法に関し、特に患者にアルファ粒子シードを適用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近接照射療法は、悪性腫瘍を含む腫瘍の放射線療法のための強力な手段である。埋め込まれた粒子エミッタを持つシードの適切な送達は、治療の成功にとって重要である。送達は、放射性物質やその他の不健康な物質に患者や他の組織が時期尚早に曝されることなく、シードを腫瘍内に正確に配置する必要がある。
【0003】
米国特許出願公開2015/0375011(特許文献1)、その開示全体は参照により本明細書に組み込まれる、は、シードを適切な場所に固定するために、体温に晒されたときに「丸まる」バイメタルストリップを備えた近接照射療法シードについて記載している。
【0004】
多くの場合、近接照射療法装置は腫瘍に永久的に埋め込まれ、取り外されない。
【0005】
米国特許出願公開2003/0088144(特許文献2)、Terwilliger氏他、タイトル:「中空シードを使用した間質性放射線治療のための改善された送達システムおよび方法」、その開示は全体として参照により本明細書に組み込まれるが、は、その上に複数の管状の中空放射性シードが取り付けられる、生体吸収性シードストランドの使用を示唆している。
【0006】
他のケースでは、近接照射療法装置は、一時的近接照射療法と呼ばれるもので、通常は数時間までの短い期間埋め込まれる。
【0007】
引用によりその開示全体が本明細書に組み込まれる、Kader氏らほかの米国特許第9,272,160号(特許文献3)は、ストランドの除去に使用され得る、テザーを有する近接照射療法ストランドを記載している。
【0008】
米国特許出願公開2010/0249487(特許文献4)、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、は、尾部が体外に延在する、体内に埋め込まれる可撓性近接照射療法装置を記載している。尾部は、治療完了時に近接照射療法装置を取り外すために使用できる。
【0009】
中空針とスタイレットを使用してシードを腫瘍のインプラント位置に送達することが提案されている。
【0010】
Ferguson氏の米国特許出願公開2003/0191355(特許文献5)、その開示全体が参照により本明細書に組み入れられるが、は、スタイレットを使用したシードアレイの針への送達を記載している。
【0011】
Lamoureux氏の米国特許出願公開2008/0269540(特許文献6)、その開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる、は、シードおよび任意のスペーサーをシードカートリッジ組立体から中空針を通して中空針の遠位端へと促し、スタイレットが所定の位置に保持されている間に中空針を後退させ、それによりシードおよび任意のスペーサーを所望の位置に配置する。長いスタイレットと短いスタイレットが参照される。
【0012】
Hoskins氏らの米国特許第6,752,753号(特許文献7)、その開示は参照により本明細書に組み込まれる、には、腫瘍にシードを送達するための針およびスタイレットが記載されている。
【0013】
近接照射療法装置の利用における重要な課題は、望ましくない放射線からの健康な組織の保護である。
【0014】
米国特許出願公開2014/0048729(特許文献8)、その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる、は、敏感な身体器官に装着される軽量保護装置を記載している。
【0015】
米国特許出願公開2018/0082760(特許文献9)、その開示はその全体が参照により本明細書に組み入れられる、は、透明な放射線シールドを記載している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許出願公開2015/0375011
【特許文献2】米国特許出願公開2003/0088144
【特許文献3】米国特許第9,272,160号
【特許文献4】米国特許出願公開2010/0249487
【特許文献5】米国特許出願公開2003/0191355
【特許文献6】米国特許出願公開2008/0269540
【特許文献7】米国特許第6,752,753号
【特許文献8】米国特許出願公開2014/0048729
【特許文献9】米国特許出願公開2018/0082760
【発明の概要】
【0017】
本発明のいくつかの実施形態の一局面は、近接照射療法のための装置であって、ケーシングと;ケーシング内に、放射線療法治療のための放射性元素の原子を担持する、患者に移植するための1つまたは複数の近接照射療法シードと;そして1つまたは複数の近接照射療法シードからの放射線がケーシングを出るのを防止する、ケーシング内の粘性液体と;を有することを特徴とする、近接照射療法のための装置を提供する。選択肢として、ケーシングが針を有する。あるいは、ケーシングが、患者への挿入に適合された管と、管内のスタイレットと、を有するシードアプリケータを備えるさらにあるいは、ケーシングが、第1の端に針ポートを有し、第2の端に1つまたは複数の近接照射療法シードを担持するピストンを有する、シードカプセルを有し、ピストンの動きが針ポート内の針に1つまたは複数の近接照射療法シードを押し出す。
【0018】
選択肢として、粘性液体がグリセリンを有する。選択肢として、ケーシングが細長い管の近位端にハブを有し、ハブが、加熱滅菌により粘性液体が膨張したときに、細長い管から過剰な粘性液体を収集するように構成された空のチャンバを有する。選択肢として、細長い管に接続するハブの遠位端が、ハブに入る細長い管からの粘性液体が細長い管に戻ることを可能にするように構成される漏斗形状を有する。選択肢として、針ポートは、1つ以上の近接照射療法シードが粘性液体の一部と共に針に入るような向きで針を受け入れるように構成される。
【0019】
本発明の実施形態によれば、さらに近接照射療法シードを針に装着する方法であって、針の動きを防止する態様で、組織に入るための鋭い先端を有する針を握るステップと;近接照射療法のシードを針の先端に隣接する点に持っていくステップと;そして鋭い先端経由で、近接照射療法シードを針に押し込むステップと;を有する、ことを特徴とする方法が提供される。
【0020】
選択肢として、近接照射療法シードを押し込むステップは、シードを針に押し込むスタイレットを押すステップを有する。
【0021】
本発明の実施形態によれば、さらに近接照射療法用シード装填装置であって:近接照射療法シードを保管する中央チャンバと;針の鋭い先端が中央チャンバ内の近接照射療法シードと整列する方向に針を固定するように構成される、針ポートと;そして近接照射療法シードを針ポートに固定された針に押し込むように構成されるピストンと;を有することを特徴とする装置が提供される。
【0022】
選択肢として、中央チャンバがさらに、近接照射療法シードにより放出されたラドンが装填装置を離れることを防止する、粘性液体を貯蔵する。選択肢として、針ポートは、締められたときに針を針ポートに固定するネジを有する。選択肢として、回転したときにピストンを中央チャンバに向かって押すピストンネジをさらに有する。
【0023】
本発明の実施形態によれば、さらに近接照射療法シードアプリケータであって、組織への挿入用に構成された非金属の細長い管と;管の近位端のハブと;管内の、放射性粒子を担持する1つ以上の近接照射療法シードと;そして管に挿入され、1つ以上の近接照射療法シードを細長い管の遠位端に押すように構成されたスタイレットと;を有する近接照射療法シードアプリケータが提供される。
【0024】
選択肢として、1つ以上の近接照射療法シードがアルファ放出性粒子を担持する。選択肢として、1つまたは複数の近接照射療法シードがラジウムシードを担持する。選択肢として、非金属の細長い管が、アプリケータの超音波画像内の1つ以上の近接照射療法シードの観察を可能にする。選択肢として、非金属の細長い管が、放射性粒子の娘核が非金属の細長い管から出るのを防止する。選択肢として、1つ以上の近接照射療法シードが、非金属の細長い管の遠位先端から少なくとも1センチメートル離れている。選択肢として、非金属の細長い管がカプトンを含む。
【0025】
本発明の実施形態によれば、さらに近接照射療法針に対するスタイレットの動きを制御するためのストッパーであって:本体構造と;近接照射療法針の針ハブを把持するための、本体構造上の第1のコネクタと;スタイレットが遠位方向に移動するのを防止するようにスタイレットハブを把持するための、本体構造上の第2のコネクタと;そしてスタイレットが近位および遠位の両方に移動するのを防止するようにタイレットハブを把持するための、本体構造上の第3のコネクタと;を有することを特徴とするストッパー、が提供される。
【0026】
選択肢として、第1のコネクタは、針ハブを把持するように構成されたスロットを備える。選択肢として、第2のコネクタは、スタイレットの近位の動きを妨げることなく、スタイレットの遠位の動きを防止するように構成される。選択肢として、第2および第3のコネクタは、針に対して異なる軸方向位置でスタイレットハブを把持するように構成される。選択肢として、本体構造は、第2および第3のコネクタがスタイレットハブを把持する軸方向位置を変更するように拡張可能である。
【0027】
本発明の実施形態によれば、さらに近接照射療法シードを身体組織に挿入する方法であって:内部に近接照射療法シードを備える針を提供するステップであって、スタイレットが針の近位端を通して挿入され、そしてストッパーがスタイレットのハブをスタイレットの第1のコネクタに保持し、それにより針に対して遠位および近位の両方でスタイレットの動きを防止する、ステップと;針の先端を腫瘍に挿入するステップと;スタイレットのハブを第1のコネクタから第2のコネクタに押しだすステップであって、それにより、スタイレットのハブが、第1のコネクタとは異なる、スタイレットのハブの軸方向位置に遠位に移動するのを防止する、ステップと;そしてストッパーを外して、シードを腫瘍内に残すように、針をスタイレットに対して近位に後退させるステップと;を有することを特徴とする方法、が提供される。
【0028】
本発明の実施形態によれば、さらに近接照射療法インプラントであって:中空の生体適合性ワイヤと;中空の生体適合性ワイヤに取り付けられた、内部チャネルを画定する少なくとも1つの管状シードと;そして少なくとも1つの管状シードに配置された放射線治療用の放射性粒子と;を有することを特徴とする近接照射療法インプラント、が提供される。
【0029】
選択肢として、中空の生体適合性ワイヤが、0.5ミリメートル未満の直径を有する内部チャネルを画定する。選択肢として、中空の生体適合性ワイヤが生分解性ではない。選択肢として、少なくとも1つの管状シードが、中空生体適合性ワイヤの両端から少なくとも10ミリメートル離れて、中空生体適合性ワイヤの中央に配置される。
【0030】
本発明の実施形態によれば、さらに近接照射療法シードを身体組織に挿入する方法であって:針の先端が第2の点で組織を出るまで、第1の点を介して針を身体組織に挿入するステップと;1つ以上の近接照射療法シードを担持するストランドの遠位端を、針の遠位先端から押し出すステップと;ストランドの遠位端を把持するステップと;そしてストランドの遠位端を把持しながら針を組織から近位方向に回収し、1つ以上の近接照射療法シードが組織内に残るようにするステップと;を有することを特徴とする方法が提供される。選択肢として、ストランドの遠位端を引っ張って、組織内の1つ以上の近接照射療法シードの位置を調整するステップをさらに有する。選択肢として、ストランドの遠位端を把持するステップは、鉗子で把持するステップを有する。選択肢として、針を身体組織に挿入するステップは、ストランドを内部に有する針を挿入するステップを有する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施形態による、拡散アルファエミッタ放射線療法(DaRT)インプラントの概略図である。
図2】本発明の実施形態による、1つ以上のシードを患者の位置に送達するためのアプリケータの概略図である。
図3】本発明の実施形態による、患者の腕の腫瘍にDaRTインプラントを送達する際に実行される行動のフローチャートである。
図4A】本発明の実施形態による、患者の腕の腫瘍へのDaRTインプラントの送達中のアプリケータの概略図である。
図4B】本発明の実施形態による、患者の腕にインプラントを固定する行為の概略図である。
図5】本発明の別の実施形態による、アプリケータの概略図である。
図6】本発明の実施形態によるシードバイアルの概略図である。
図7A】本発明の実施形態による、アプリケータの概略図である。
図7B】本発明の実施形態による、図7Aのアプリケータの構成要素の概略図である。
図8A-8B】本発明の実施形態による、スタイレットおよび針を複数の異なる相対的状態に保持するために使用される外部ストッパーの概略図である。
図9】本発明の別の実施形態による、拡散アルファエミッタ放射線療法(DaRT)インプラントの概略図である。
図10】本発明の実施形態による、ボタンクリップの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、シードからの粒子の望ましくない散逸を防止する粘性液体によってそれらが囲まれている、パッケージ内の放射線療法シードのパッケージングに関する。必要に応じて、粘性液体は、ラドン(Rn)-220などの娘核の放出を防ぐ。選択肢として粘性液体は、加熱滅菌中に沸騰しない。いくつかの実施形態では、粘性液体は、生体適合性グリセリン、選択肢としてUSPクラスVIグリセリンを含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、シードは、アプリケータ装置の細長い送達管に事前装填されて提供され、そして細長い送達管は粘性液体で満たされている。粘性液体はシードから放出された娘核を集める。シードが腫瘍に挿入されると、粘性液体がシードとともに腫瘍に入り、粘性液体内の放射性娘核が近接照射療法の治療に参加する。
【0034】
いくつかの実施形態では、細長い管は、硬い針では到達するのが難しい場所に到達するために使用可能な可撓性管である。他の実施形態では、細長い送達管は、内部送達チャネルを画定する針を含む。選択肢として、シードは、管内の送達ワイヤ、たとえば生体適合性糸縫合糸または金属(たとえば、ステンレス鋼、ニチノール)ワイヤに事前装填される。
【0035】
アプリケータ装置は、針または他の細長い管の近位側に、加熱滅菌中に粘性液体を収集するための生体適合性ハブを選択肢として含む。ハブが針または他の細長い管に接続する生体適合性ハブの遠位端は、選択肢として、漏斗形状の内部表面を有し、加熱滅菌が完了した後、粘性液体を細長い管に単純に戻すことができる。滅菌中、細長い管を離れる粘性液体の量を最小限に抑えるために、細長い管の遠位端を下に向けた状態でアプリケータを保持することが好ましい。
【0036】
他の実施形態では、シードは、シードの針への容易な装填を可能にするように設計され、グリセリンで満たされた、密封カプセル内に所定の位置で提供される。カプセルは、グリセリンの一部と共にシードを針に装填する向きに、カプセルに針を受け入れるように画定された針アダプタヘッドを備えている。したがって、近接照射療法シードは、送達および針または他のアプリケータへの装填を通じて、粘性液体によって保護される。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、近位端からではなく、針の遠位端(すなわち、患者に挿入される端部)から近接照射療法シードを針アプリケータに装填することに関する。遠位端から針に装填すると、シードがアプリケータの内部チャネル内を通過しなければならない距離が短くなり、そのような通路による損傷の可能性が減少する。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、近接照射療法シードをアプリケータに装填するためのカプセルに関する。カプセルは、密封チャンバ内に近接照射療法シードを保持するように構成されている。選択肢として、チャンバの第1の端部は針を受け入れるように適合され、他端は第1の端部を通して受け入れた針にシードを押し込むように構成されるピストンを含む。
【0039】
いくつかの実施形態の一態様は、1つまたは複数のアルファ放出近接照射療法シードをヒト組織に送達するように構成された非金属管を含むアプリケータ装置に関する。非金属管は、管からのアルファの放出を防ぐように構成され、したがって、健康な組織への放射線の時期尚早の放出を防ぐ。非金属管を使用すると、超音波などの画像モダリティを使用してシードを正確に配置できるが、一方でシードは管の内部にあり、アルファを健康な組織に放出することはできない。選択肢として、シードは、管の遠位端からの放射線漏れを防止するために、管の遠位端から少なくとも3ミリメートル、少なくとも5ミリメートル、またはさらには少なくとも9ミリメートルだけ離れている。
【0040】
選択肢として、腫瘍内のシードの位置が、例えば超音波またはコンピューター断層撮影(CT)によって確認された後、アプリケータ管が患者の組織から取り除かれる。管の除去により、近接照射療法の治療が活性化され、シードからのアルファ核と娘核が患者の組織に到達できるようになる。透明な細長い管は、選択肢として、カプトンなどのポリマーを含む。あるいは、管は、生体適合性ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など、滅菌に使用される熱および/または放射線レベルで耐久性のある他の適切な生体適合性ポリマーで形成される。
【0041】
いくつかの実施形態では、アプリケータ装置は、管の遠位端に対する細長い管内のシードの位置を制御するためのメカニズムを含む。選択肢として、初期状態では、シードは、細長い管の遠位端から距離を置いて細長い管内に保持される。シーリングキャップは、ラドンまたは他の材料が管の遠位端から出るのを防ぐ。腫瘍に対する管の遠位端の位置が確認された後、アプリケータ装置を使用して、シードを細長い管の遠位端に移動させる。その後、細長い管が近位方向に引っ込められて、シードが患者の体内の位置に残る。
【0042】
いくつかの実施形態の一態様は、アプリケータの細長い管に対するスタイレットの動きを制御するためのストッパーに関し、それは、近位および遠位の両方の動きを制限または防止する少なくとも1つの状態を有する。選択肢としてストッパーは、ストッパーが遠位の動きのみを制限し、近位の動きを制限しない少なくとも1つの状態をさらに有する。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態の一態様は、送達ワイヤ上に取り付けられた、粒子エミッタを担持する、1つまたは複数の管状のシードを含む近接照射療法インプラントに関する。本発明のいくつかの実施形態では、送達ワイヤは中空管からなる。送達ワイヤとして中空管を使用すると、押圧されていないワイヤの部分が外側に膨らむような方法でワイヤを押圧することにより、ワイヤを簡単に固定することができる。
【0044】
いくつかの実施形態の一態様は、患者に近接照射療法シードを埋め込む方法に関する。この方法は、シードを担持する送達ストランドを、身体の器官に、一方の側から器官に入り、別の側から出る針で挿入することを含む。医師は、送達ストランドの遠位端をつかみ、送達ストランドの遠位端を動かすことにより、シードの位置を調整する。
【0045】
いくつかの実施形態では、針は、送達ストランドが針内に封入された状態で臓器に挿入される。選択肢として、針が臓器に挿入された後、ストランドが針に挿入される。例えば、送達ストランドは、可撓性管内を通過して、事前に身体器官に挿入された別個の針に通されてもよい。
【0046】
図1は、本発明の実施形態による、拡散アルファエミッタ放射線療法(DaRT)インプラント100の概略図である。インプラント100は、その上に取り付けられた1つ以上の近接照射療法シード102を伴う送達ワイヤ104を備える。各シード102は、送達ワイヤ104が通過する内部トンネルを備えた円筒管からなる。図1では、2つのシード102を有する送達ワイヤ104が示されているが、送達ワイヤ104は、単一のシード102または複数のシード102、場合によっては3つ以上または5つ以上を含む、特定の患者のニーズに応じて任意の適切な数のシードを有してもよい。送達ワイヤ104は、選択肢として可撓性であり、それによりシード102によって覆われていないその長さに沿った領域において、患者に適合するために必要に応じて曲がることができる。ワイヤ104上にシードを取り付けることにより、複数のシード102を一緒に患者に挿入することが可能になる。送達ワイヤ104は、シード102を患者内の適所に固定するために使用され得、および/または治療セッション後にシード102を患者から除去するために使用され得る。
【0047】
各シード102は、選択肢として、少なくとも0.2センチメートル、0.5センチメートル、さらには少なくとも0.8センチメートルの長さを有する。必要に応じて、シード102は、2.1センチメートルより短いか、または1.5または1.2センチメートルより短い。いくつかの実施形態では、シード102は、約1センチメートルの長さを有する。シードは、選択肢として、少なくとも0.3ミリメートル、少なくとも0.5ミリメートル、またはさらには少なくとも0.6ミリメートルの外径を有する。いくつかの実施形態では、シード102は約0.7ミリメートルの外径を有するが、他の実施形態では、シード102は0.35ミリメートルの外径を有する。シード102の内径は、選択肢として、0.2ミリメートルを超え、0.4ミリメートルを超え、またはさらには0.5ミリメートルを超える。いくつかの実施形態では、シード102の内径は、2ミリメートル未満、1ミリメートル未満、またはさらには0.5ミリメートル未満である。いくつかの実施形態では、内径は約0.25ミリメートルまたは0.4ミリメートルである。管状シード102は、選択肢として、それらの外径の少なくとも2倍、少なくとも5倍、またはさらには少なくとも10倍の長さを有する。シード102は、選択肢としてテンレス鋼、例えば、316LVMステンレス鋼、チタン、ニチノール、および/または任意の他の適切な生体適合性導電材料からなる。
【0048】
送達ワイヤ104は、シード102の内径とほぼ同じサイズの外径を有する。いくつかの実施形態では、ワイヤ104の外径は、シード102の内径よりも小さいので、ワイヤ104はシード内で自由に動く。他の実施形態では、ワイヤ104の直径はシード102の内径に実質的に等しいので、シード102は、少なくとも所定の力を加えることなくワイヤ104に対して移動しない。シード102の内径とワイヤ104の外径との間の差は、選択肢として5ミクロンよりも大きく、15ミクロンよりも大きく、さらには25ミクロンよりも大きい。シード102の内径と送達ワイヤ104の外径との間の差は、好ましくは、60ミクロンよりも小さく、40ミクロンよりも小さく、さらには30ミクロンよりも小さい。
【0049】
送達ワイヤ104は、選択肢としてニチノールまたはステンレス鋼、例えば316LVMステンレス鋼などの金属からなる。選択肢として、ワイヤ104は、生体適合性縫合糸からなる。例えば、送達ワイヤ104は、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)および/またはPEEKなどのポリマー糸からなってもよい。送達ワイヤ104は、選択肢として、生分解性材料で形成される。選択肢として、送達ワイヤ104は生分解性ではなく、治療間隔後に送達ワイヤ104を使用して患者からシード102を除去することができる。治療間隔は、選択肢として、少なくとも1週間、少なくとも1ヶ月、または少なくとも3ヶ月でさえある。
【0050】
選択肢として、シード102は、当技術分野で知られている任意の適切な方法を使用して、送達ワイヤ104上でのそれらの滑動を防止するために、送達ワイヤ104に固定される。いくつかの実施形態では、送達ワイヤ104は、シード102が送達ワイヤ104に沿ってスライドするのを防ぐために膨張する生体適合性ポリマー糸を含む。選択肢として、または追加として、シード102は送達ワイヤ104の歪み、例えばシード102の端にある結び目により送達ワイヤ104上で固定される。
【0051】
いくつかの実施形態では、送達ワイヤ104は、加熱されると膨張する材料で形成される。送達ワイヤ104が1つ以上のシード102に挿入された後、ワイヤは加熱され、それによりワイヤがシードに固定される。いくつかの実施形態では、送達ワイヤ104は、中空管からなり、それは以下で説明するように、送達ワイヤ104の固定に使用できるように、医師が容易に変形できる。
【0052】
送達ワイヤ104上のシード102は、互いに離れていても、互いに隣接していてもよく、隣接するシード102の端部間の間隔は非常に小さい(たとえば、0.5ミリメートル未満または0.05ミリメートル未満でさえありうる)。
【0053】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のシード102は、シード102の両側に送達ワイヤ104の自由端を残すように、送達ワイヤ104の中間に取り付けられる。選択肢としてシード102によって覆われない送達ワイヤの端部は、少なくとも5ミリメートル、少なくとも10ミリメートル、さらには少なくとも20ミリメートルの長さを有する。したがって、医師は、送達ワイヤ104の両端を使用して、腫瘍内のシード102の位置を調整する、および/または腫瘍内にシード102を固定することができる。さらに、治療期間の後、送達ワイヤ104を使用して、シード102を患者から取り除くことができる。
【0054】
他の実施形態では、1つまたは複数のシード102は送達ワイヤ104の端部に取り付けられ、それはシード位置の調整および/または固定および/または処置が完了した後のシードの除去のための、尾部として機能する。
【0055】
シード102には放射性物質の粒子が搭載されている。選択肢として、放射性物質は、シード102の外面にアルファ放射原子を含む。粒子は、「放射線治療のための方法および装置」と題されたKelson氏らの米国特許第8,834,837号および「放射性表面源およびそれを生成するための方法」と題された、Kelsonらの米国特許出願公開2009/0136422に記載されている方法を含む、当技術分野で既知の任意の方法を使用してシードに搭載される。いくつかの実施形態では、シードはラジウム-223またはラジウム-224粒子を担持する。選択肢として、シードは、ラドン-219、ラドン-220またはトリウム-228などの他の適切な粒子を担持する。必要に応じて、シード102は最大5μCiおよび/または最大185kBqのラジウム224を含みうる。ただし、他の実施形態では、シード102には他の量の放射性物質またはベータ粒子やガンマ粒子など他の粒子を放出する他の放射性物質が装填される。
【0056】
図2は、本発明の実施形態による、1つ以上のシード102を患者の場所に送達するためのアプリケータ200の概略図である。アプリケータ200は、インプラント100を受容するように構成され、ハンドルとして機能する近位管ハブ204を有する細長い中空管202を含む。アプリケータ200は、細長い中空管202に挿入されるように構成されたスタイレット210をさらに含む。スタイレット210は、少なくとも部分的に管ハブ204内の中空チャネルに嵌合する近位スタイレットハブ212を有する。選択肢として、安全ネジ220を使用して、管ハブ204内の孔206をスタイレットハブ212内の対応する孔216に固定し、それにより、スタイレット210の遠位端を管ハブ204内または細長い中空管202の近位部分内の所定の位置に固定する。選択肢として保護キャップ222が、取り扱いの間、細長い管202を覆う。
【0057】
いくつかの実施形態では、細長い中空管202は、剛性の針、例えばステンレス鋼の針からなる。代替として、細長い中空管202は、カプトン管、例えば、透明なカプトン管などの可撓性管からなり、医師が細長い中空管202内のシード102を見ることができるようにする。選択肢として、この代替案において、中空管202を患者に挿入するために、任意の所望の形状(例えば、直線、湾曲)の別個の中空針を患者に挿入し、管202をその別個の針に挿入する。
【0058】
送達ワイヤ104は、選択肢として、細長い管202内に完全に保持される。送達ワイヤ104上の1つまたは複数のシード102を患者に挿入するために、細長い管202が、所望のインプラント位置にもたらされる。次に、安全ネジ220が取り外され、細長い管202の遠位端から送達ワイヤ104の遠位部分を押し出すようにスタイレット210が前方に押される。細長い中空管202から送達ワイヤ104を押し出すためのスタイレット210の使用は、シード102が輸送中および実際の使用前に細長い管202の遠位端から離れることを可能にし、それにより望ましくない放射線漏れを防止する。選択肢として、輸送中、細長い中空管202の最も遠位のシード102の遠位端は、細長い中空管202の遠位端から少なくとも1センチメートルまたは1.5センチメートルさえ離れている。
【0059】
スタイレット210は、いくつかの実施形態では、スタイレット210の遠位先端が針202の遠位端に到達しないように、針202よりも短い。選択肢としてあるタイレット210は、送達ワイヤ104の遠位端の小さな部分が針202から突出する、点まで送達ワイヤ104を遠位に押すのに適した長さを有する。スタイレット210は、選択肢として、送達ワイヤ104の近位端を、送達ワイヤ104の遠位端が針202からわずかに突出する点まで押すのに十分な長さを有する。スタイレット210によって押された後に送達ワイヤ104が針202から突出する程度は、選択肢として20ミリメートル未満、10ミリメートル未満、またはさらには8ミリメートル未満である。選択肢としてスタイレット210の長さは、針202の長さと、針104内に配置されると考えられる最短の送達ワイヤ104との間の差より少し長い。あるいは、スタイレット210は、シード102を遠位端に押すのに適した長さ、例えば、針202とシード102の長さの差に等しい長さを有する。短いスタイレットの使用は、針が身体器官に挿入され、身体器官の反対側から出ている場合に特に実現可能である。そのような場合、医師は、針202から突出する送達ワイヤ104の遠位端に簡単にアクセスでき、したがって、スタイレット210を使用せずにシード102の位置を調整することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、アプリケータ200は、細長い管202の近位端または細長い管202の近位端近くの管ハブ204の遠位部分に入口シール236を備えている。入口シール236は、細長い管202内で発生するラドンガスが細長い管202から近位に出ることを防ぐ。選択肢として、入口シール236は、スタイレット210が入口シール236を通過して細長い管202に入るときでさえその密封属性を維持するウィルソンシールからなる。あるいは、入口シール236は、伸張されたホイルを含む。さらに代替的に、入口シール236は、G.M Hofz氏著、「拡張宇宙ミッションのためのアクチュエータシャフト密封技術の調査」、National Aeronautics and Space Administration、1972年12月15日、その開示は参照により本明細書に組み込まれるが、に記載の任意の適合するシールのような他の任意のシールからなる。アプリケータ200は、選択肢として、細長い管202の遠位端に遠位シール238も有する。遠位シール238は、例えば、ミツロウプラグまたは生体適合性ホイルを含み、ラドンガスの遠位端からの流出を防ぐ。あるいは、インプラント100が細長い管202を出るときに容易に除去され得る他の任意の適切なシーリング材料が使用され得る。
【0061】
図3は、本発明の実施形態による、患者の腕402(図4)の腫瘍にDaRTインプラントを送達する際に実行される行為のフローチャートである。移植プロセスは、アプリケータの細長い中空管202(図2)から保護キャップ222を取り外すステップで始まる(ステップ302)。細長い中空管202が、腫瘍が位置する患者の腕に挿入される(ステップ304)。細長い中空管202が針である実施形態では、針は腕に直接挿入される。他の実施形態では、別個の針が患者の腕に挿入され、細長い中空管202がその別個の針に挿入される。
【0062】
細長い中空管202の遠位端が適切に配置されていると判断されると(ステップ306)、例えば、安全ネジ220を取り外すことによって、細長い中空管202に対するスタイレット210の固定が外される(ステップ308)。その後、管ハブ204を保持しながら、スタイレット210の遠位端がインプラント100を遠位に押し、それにより送達ワイヤ104の遠位端が細長い管202から出るように、スタイレットハブ212が遠位に押される(ステップ310)。
【0063】
図4Aは、本発明の実施形態による、患者の腕402の腫瘍へのDaRTインプラントの送達中のアプリケータ200の概略図である。図4Aは、スタイレットハブ212が遠位に押された(ステップ310)後のアプリケータ200を示す。
【0064】
医師は、例えば鉗子を使用して送達ワイヤ104の遠位部分を把持し(ステップ312)、アプリケータ200は患者から近位に取り外され、送達ワイヤ104および1つまたは複数のシード102は患者の腕402内に残される。ワイヤ104は、必要に応じて移動され、その位置が調整され(ステップ314)、そして適切に配置されると、送達ワイヤ104は適所に固定される(ステップ316)。
【0065】
いくつかの実施形態では、送達ワイヤの固定(ステップ316)は、両側の固定ボタンを使用して達成される。Davidson氏の「縫合固定手段(Suture Retainer)」と題された米国特許第2,075,508号、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれるが、に記載のボタンのような任意の適切な固定ボタンが使用されてもよい。選択肢として、ワイヤ104の端部に固定ボタンを配置した後、ボタンに隣接したワイヤが変形され、ボタンを患者に押し付けたままにする。上述のように、いくつかの実施形態では、ワイヤ104は中空管からなる。これらの実施形態では、選択肢としてワイヤ104は、鉗子または他の任意の適切なツールを使用してワイヤを押圧することによって変形され、圧力が加えられないワイヤの側面を外側に膨張させる。
【0066】
図4Bは、本発明の実施形態による、患者の腕402にインプラント100(図1)を固定することの概略図である。図4Bは、送達ワイヤ104の近位端に既に配置された第1のボタン406Aと、設置準備が完了した第2のボタン406Bとを示す。ボタンを固定するために、鉗子404を使用して、ボタンを所定の位置に固定するクリップを押す。あるいは、図10を参照して以下で説明されるように、クリップとして機能するボタンが使用され、ボタンを押すために鉗子404が使用される。さらに代替的に、送達ワイヤ104自体がボタンを所定の位置に固定するように変形される。送達ワイヤ104が中空である実施形態では、送達ワイヤへの圧力は、圧力が加えられる点でワイヤを陥没させ、圧力が加えられていない場所で膨張するようにワイヤを変形させる。これにより、第1のボタン406Aが送達ワイヤ104から脱落することが防止される。他の実施形態では、固定は、送達ワイヤ104を横に曲げることによって達成される。選択肢として、送達ワイヤ104が可撓性縫合糸からなる実施形態では、固定は、縫合糸を結ぶことによって達成される。
【0067】
処理中にシード102からの放射線が放出されるのを防ぐための入口シール236および/または遠位シール238を使用する代わりに、またはそれに加えて、中空管202は、ラドン粒子の放出を防ぐ粘性液体で満たされる。さらに、シードが適切に配置されていないと判断された場合、粘性液体は、中空管202から部分的に出たシード102を吸引して中空管202に戻す真空効果を生成する。この真空効果は、中空管202が金属であり、シード102の正確な位置決めのために本明細書で説明される他の手段が使用されない実施形態で特に有用である。選択肢として、利用可能な手段を使用して針の先端およびシード102が適切に配置されていることを判断した(ステップ306)後、医師は、シードを中空管202の遠位先端から部分的に出させるのに必要な量だけスタイレット210を押す。次に、シード102の位置が確認され、シードを細長い管202から押し出すことを続行するか、またはシード102を細長い管202に吸い戻し、管202の先端の位置を調整してより正確にシード102を解放するかについて判断がなされる。
【0068】
選択肢として粘性液体は、摂氏約160度での滅菌に耐えることができる生体適合性材料を含む。いくつかの実施形態では、粘性液体は、摂氏20度で少なくとも10、20、またはさらには50センチポイズ(cP)の粘度を有する。必要に応じて、粘性液体は、グリセリン、例えば、USPクラスVIグリセリンを含む。グリセリンは、選択肢として、5%未満、2%未満、またはさらには1%未満の含水量を有する。いくつかの実施形態では、近位管ハブ204は、粘性液体が熱滅菌により膨張したときに、細長い中空管202から過剰な粘性液体を収集するように設計された内部空チャンバを画定する。選択肢として、細長い管202に接続する近位管ハブ204の遠位端は、ハブ204に入る細長い管からの粘性液体が細長い管202に戻ることができるように構成される漏斗形状226を有する。
【0069】
必要に応じて、細長い中空管202の遠位端から細長い中空管202にグリセリンを装填する。選択肢として、グリセリンを保持するシリンジを細長い中空管202の遠位端に接続し、シリンジからグリセリンを管202に押し込む。
【0070】
粘性液体は、細長い中空管202を完全に満たしてもよいし、シード102を取り囲む管202の一部だけを満たしてもよい。選択肢として、粘性液体は、シード102の両側から少なくとも10ミリメートルを覆う。
【0071】
図5は、本発明の別の実施形態による、アプリケータ500の概略図である。アプリケータ200と同様に、アプリケータ500は、針502、針ハブ504、スタイレットハブ506および針ハブ504内のスタイレットハブ506の遠位端にスタイレット(図示せず)を含む。そのスタイレットはより長く、ほぼ針502の長さを有することが意図されており、医師が針502の内容物全体を針から押し出すことを可能にする。したがって、アプリケータ500は、針502が反対側から患者から出ず、シード102および/または送達ワイヤ104を反対側から引っ張ることができない場所に、1つまたは複数のシードを患者に挿入するために使用することができる。いくつかの実施形態では、アプリケータ500は、患者に挿入される針502の長さを調整するために使用される深度アダプタ510を含む。選択肢として、深度は、針ハブ504の外面上のネジ山の周りに深度アダプタ510を回転させることによって調整される。
【0072】
アプリケータ500は、いくつかの実施形態では、シードが挿入される場所を画定するテンプレートと一緒に使用される。これは、たとえば、Pitman氏の「近接照射療法フィデューシャルニードル固定システム」と題される米国特許出願公開2017/0319871、および/またはシュワルツ氏の「近接照射療法支援装置」と題される米国特許出願公開2014/0296612、それらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるが、に記載されている。
【0073】
いくつかの実施形態では、アプリケータ200および/または500は、1つまたは複数のシード102が予め装填されて医師に提供される。これらの実施形態では、医師は、アプリケータの針を患者に挿入するだけでよい。他の実施形態では、医師は、1つまたは複数のシード102を針に装填する。選択肢としてアプリケータ200および/または500の針は、事前に装填されたシード102なしで供給され、医師は所望の数のシード102を針に装填する。あるいは、針には、最小限の数のシード、たとえば1つのシードが事前に装填されて供給され、医師は必要に応じて1つ以上の追加のシードを装填する。
【0074】
図6は、本発明の実施形態によるシードバイアル600の概略図である。シードバイアル600は、近接照射療法シード102を保管するように設計された狭い中央チャンバ604を片側に画定する管602と、反対側にピストン608を受け入れるように構成された広いチャンバ606を備え、狭いチャンバ604内に保持されたシード102を針に押し込む。Oリング620は、選択肢としてピストン608の端に向かって配置されているため、ピストン608が広いチャンバ606に押し込まれると、広いチャンバ606内の液体が狭いチャンバ604に押し込まれる。広いチャンバの側の管602の外側面はネジ山610を画定し、それはピストンネジ612と適合し、ピストンネジ612は、ピストン608を広いチャンバ606に押し込む態様でネジ山610の上にネジ込むことができる。シードバイアル600は、針アダプタ614および針ネジ616をさらに含む。針アダプタ614は、一方の側に、管602上の対応するネジ山624にネジ込まれる内部ネジ山を有するレセプタクル622を含む。反対側の端では、針アダプタ614は、外部ネジ山618を有する弾性部材628を備える。針ネジ616の内部ネジが針アダプタ614の外部ネジ山618にネジ込まれると、弾性部材628が内側に押され、針アダプタ614の内部針チャネル630を狭める。針が針チャネル630内にあるとき、弾性部材628への圧力は、針が動くのを防ぐ。
【0075】
選択肢として管602はグリセリンで満たされ、シード102からの放射線がシードバイアル600から漏れるのを防ぐ。シードバイアル600は、ネジ山610の限られた端部だけにネジ込まれたピストンネジ612と、ネジ山618の限られた端部だけにネジ込まれた針ネジ616を備える。シードバイアル600内のシード102を針に装填するために、針は、針ネジ616および針アダプタ614を介して管602の狭いチャンバ604に挿入される。次に、針ネジ616を針アダプタ614の上に締め付けることにより、針が定位置に固定される。その後ピストンネジ612がネジ山610にネジ込まれ、それによりピストン608を針に向けて押し、従ってシード102を管602内のいくらかのグリセリンと共に針に押し込む。次に、針ネジ616が緩められ、針がシードバイアル600から取り出される。いくつかの実施形態では、シリコーンシール644がレセプタクル622に配置され、管602からの漏れを防止する。いくつかの実施形態では、シードバイアル600は、約10ミリリットルのグリセリンを含む。
【0076】
ネジ山610およびピストンネジ612の代わりに、他の任意の適切な手段を使用して、ピストン608を広いチャンバ606に押し込むことができることに留意されたい。
【0077】
シードバイアル600を使用したアプリケータ200および/または500へのシード102の装填は、細長い中空管202の遠位端を介する。アプリケータ200の製造者により実行され、そしてアプリケータは事前装填されて医師に提供される場合も、遠位端からの装填は実行されうる。シード102を遠位端からアプリケータ200内に装填することにより、シード102がアプリケータの内部チャネル内を通過する必要がある距離、およびそのような通路による起こり得る損傷が減少する。場合によっては、アプリケータの内部チャネルが1メートルを超える、または1.5メートルを超える場合もあり、そのような長さの狭いチャネルをシードが通過すると、シード上のかなりの割合の放射性核種がこすれる可能性がありうる。シード102が、通常、実質的な保護カバーで覆われていないアルファ放射を提供する場合、遠位端からの装填は特に重要である。
【0078】
上記の説明では、アプリケータ200および500のスタイレットは2つの状態を有する。第1の状態では、安全ネジ220がスタイレットを引っ込んだ状態に保持し、インプラント100は完全に細長い管202の中にある。一方第2の状態では、安全ネジ220が取り外された後、スタイレットは前に押されインプラント100の一部または全体を細長い管202の外に押し出す。いくつかの実施形態では、スタイレット210に対して3つ以上の状態を定義することが望ましい。第1の状態では、スタイレットは引っ込められ、細長い管202の遠位シード102は、細長い管の端部から離れていて、現存する細長い管202からの放射を防止する。第2の状態では、細長い管202内の遠位シード102が細長い管202の遠位端にもたらされ、医師が遠位シードの位置を容易に知ることができるようにする。第3の状態では、細長い管202が引っ込められ、スタイレット210が細長い管202に対して最も遠位の位置に配置される。これらの状態は、医師による注意深い手動制御によって達成できるが、いくつかの実施形態では、アプリケータを3つの異なる状態に維持するメカニズムをアプリケータが備えている。本明細書の記載は3つの状態に関しているが、いくつかの実施形態では、アプリケータを複数の状態に維持するために使用される機構は、4つより多い状態を可能にすることに留意されたい。
【0079】
図7Aは、本発明の実施形態による、アプリケータ700の概略図である。図7Bは、本発明の実施形態による、アプリケータ700の構成要素の概略図である。アプリケータ700は、1つ以上のシード102(図1)を担持し、近位針ハブ704を有する針702を含む。アプリケータ700は、スタイレットハブ712を有するスタイレット710をさらに含む。針ハブ704は、安全ネジ720を受容するように構成され、複数の異なる状態で針702内のスタイレット710の相対的な向きを固定するために使用されるスロット730を画定する。選択肢としてスロット730は、逆L字型である。スタイレットハブ712は、安全ネジ720を受け入れるように構成された1つまたは複数の開口部734を画定する。選択肢として、開口部734は、安全ネジ720を受け入れるように構成された内部ネジ山を持っている。あるいは開口部734は安全ネジ720を固定するのに適した任意の構造を有する。示されるように、スタイレットハブ712はスタイレットハブの長さに沿った異なる位置にある複数の開口部734を画定する。医師は、針702内に配置されるシード102の数および/または長さに応じて、ネジ720を通す1つの開口部734の使用を選択することができる。
【0080】
第1の状態では、安全ネジ720は、針ハブ704の最も近位の位置でL字形スロット730の脚部に配置される。この状態では、シード102は、針702の先端から離れた針702内に配置される。第2の状態では、ネジ720は、スロットの最遠位点でL字形スロット730の頭部に配置されている。第2の状態では、スタイレット710の遠位端は、シード102を針702の先端に押す位置にある。第3の状態では、ネジ720が取り外され、針702がスタイレットハブ712の近位端738に向かって引っ込められ、患者の中にシード102を残す。
【0081】
図8Aおよび図8Bは、本発明の実施形態による、スタイレットおよび針を複数の異なる相対的状態に保持するために使用される外部ストッパー800の概略図である。ストッパー800は、スタイレットハブ802を把持するように設計された複数のアームペアを有する。ストッパー800は、針ハブ808の近位ノッチ806を受け入れるように設計された下部スロット804をさらに有する。図8Aに示すように、第1の状態ではスタイレットハブ802は頂部アームペア814と上部アームペア812の間に保持される。第1の状態では、スタイレットが遠位に移動して時期尚早に1つまたは複数のシード102を針から押し出すことが防止される。さらに、針が患者の組織に挿入された場合に、スタイレットが近位に、つまり後方に移動することが防止される。
【0082】
シード102を針の遠位先端に押すことが望まれる場合、スタイレットハブ802は、アームペア812および814によって規定されるくぼみから下部アームペア816に押し出される。選択肢として、下部アームペア816は上部アームペア812よりも長く、スタイレットハブ802が第1の状態から第2の状態に容易に移動する。第3の状態に移動するために、外部ストッパー800が針ハブ808から取り外され、針をスタイレット上に後退させることができる。
【0083】
選択肢として、下部スロット804から上部アームペア814までのストッパー800の長さは、ノブ820を使用して調整可能である。いくつかの実施形態では、ストッパー800は、互いに対してスライド可能な2つの別個の部品を含む。第1の部分822は、下部スロット804を画定する外側フレームを有し、第2の部分824は、アームペア812、814、および816を有する。いくつかの実施形態では、ノッチは、針内のシード102の異なる数に対応して、ストッパー800の事前設定の調節可能な寸法に対して画定される。
【0084】
図9は、本発明の別の実施形態による、DaRTインプラント190の概略図である。DaRTインプラント190は、図1のインプラント100に似ているが、シード102の一部またはすべての端部にシーリングリングを備え、ラドンがシードの近くから逃げるのを防ぐ。示されるように、左側のシード102は、シード自体に完全に取り付けられたシーリングリング194を含む。リング194は、細長い管202の内径と一致するように構成された外径を有し、シード102と管202との間の空間を密封する。シールは、シード102上の放射性核種を離れるラドンガスが細長い管202から散逸するのを防ぐ。右側のシード102には、シード102の一部分と送達ワイヤ104の一部分に取り付けられたシーリングリング192が含まれている。従って、シーリングリング192は、送達ワイヤ104に適合する内径と、シード102に適合する内径と、の2つの異なる内径を有する。
【0085】
シーリングリング192および194は、選択肢としてシリコーン、例えばUSPクラスVIシリコーンからなる。あるいは、リング192および/または194は、ガス漏れを密閉および防止するのに適した任意の他の材料からなる。シーリングリング192および/または194は、入口シール236、遠位シール238、および/または細長い管202の粘性液体充填の代わりに、またはそれに加えて使用される。
【0086】
図10は、本発明の実施形態による、ボタンクリップ950の概略図である。選択肢として、ボタン406Aおよび/または406Bの代わりに、ボタンクリップ950を使用して送達ワイヤを固定する。ボタンクリップ950は、ピボットによって接続され、互いに固定するノッチを含む2つの半円を有する。ボタンクリップ950を送達ワイヤ104上に固定するために、ボタンクリップは送達ワイヤ104の周りに配置され、2つの半円は互いに向かって押され、半円の間で送達ワイヤ104を固定する。
【0087】
上記の方法および装置は、方法を実行するための装置および装置を使用する方法を含むものとして解釈されるべきであることが理解されよう。一実施形態に関して説明される特徴および/またはステップは、他の実施形態とともに使用される場合があり、本発明のすべての実施形態が、特定の図に示されるかまたは特定の実施形態の1つに関して記載される特徴および/またはステップのすべてを有するわけではないことを理解されたい。タスクは、説明されているとおりの順序で実行されるとは限らない。
【0088】
上述の実施形態のいくつかは、本発明に必須ではない可能性があり、例として説明されている構造、動作、または構造および動作の詳細を含む場合があることに留意されたい。本明細書で記載する構造および動作は、当技術分野で知られているように、構造または動作が異なっていても、同じ機能を実行する同等物で置き換えることができる。上述の実施形態は例として引用されたものであり、本発明は、上記で特に示され記載されたものに限定されない。むしろ、本発明の範囲は、上記の様々な特徴の組み合わせおよびサブ組み合わせの両方、ならびに上記の説明を読んだときに当業者が想起する、先行技術に開示されていないその変形および修正を含む。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲で使用される要素および制限によってのみ制限され、「備える」、「含む」、「有する」という用語およびそれらの共役は、特許請求の範囲で使用される場合、「含むが、必ずしもそれに限定されない」ことを意味する。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7A
図7B
図8A-8B】
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-11-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近接照射療法インプラントであって:
中空の生体適合性ワイヤと;
前記中空の生体適合性ワイヤの外側に取り付けられた内部チャネルを有する少なくとも1つの管状シードと;
前記少なくとも1つの管状シードに配置された放射線治療用の放射性粒子と;
を有することを特徴とするインプラント。
【請求項2】
前記中空の生体適合性ワイヤが、0.5ミリメートル未満の直径を有する内部チャネルを画定する、ことを特徴とする請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記中空の生体適合性ワイヤが生分解性ではない、ことを特徴とする請求項1又は2に記載のインプラント。
【請求項4】
前記少なくとも1つの管状シードが、前記中空の生体適合性ワイヤの両端から少なくとも10ミリメートル離れて、前記中空の生体適合性ワイヤの中間に配置される、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項5】
前記少なくとも1つの管状シードが複数の管状シードを含み、前記管状シードが前記中空の生体適合性ワイヤに沿って取り付けられている、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項6】
前記少なくとも1つの管状シードが、前記中空の生体適合性ワイヤの周囲に円周方向に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項7】
前記中空の生体適合性ワイヤは、前記管状シードの前記内部チャネルにおける内径のサイズの外径を有する、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のインプラント。
【外国語明細書】