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  • 特開-ペット用おもちゃ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031422
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ペット用おもちゃ
(51)【国際特許分類】
   A01K 15/02 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
A01K15/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134965
(22)【出願日】2022-08-26
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000111638
【氏名又は名称】ドギーマンハヤシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】弁理士法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】山田 真也
(57)【要約】
【課題】 ペットの運動不足及びストレスの解消を図ることができ、かつ、ペットが怪我しにくく、更に壊れにくいペット用おもちゃを提供する。
【解決手段】 把持部材と、前記把持部材の先端に装着される揺動体と、を具備するペット用おもちゃであって、前記揺動体が、先端部と、略同じ径で延びる同径部、及び、当該同径部を径の小さい他の同径部又は前記先端部に繋ぐ接続部、の組合せを少なくとも1つ含む延長部と、を含み、前記先端部が前記延長部の先端から縮径しつつ延びること、を特徴とするペット用おもちゃ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部材と、前記把持部材の先端に装着される揺動体と、を具備するペット用おもちゃであって、
前記揺動体が、
先端部と、
略同じ径で延びる同径部、及び、当該同径部を径の小さい他の同径部又は前記先端部に繋ぐ接続部、の組合せを少なくとも1つ含む延長部と、を含み、
前記先端部が前記延長部の先端から縮径しつつ延びる構成を有すること、
を特徴とするペット用おもちゃ。
【請求項2】
前記揺動体がシリコンゴムの一体成型品であること、
を特徴とする請求項1に記載のペット用おもちゃ。
【請求項3】
前記同径部の長さが前記他の同径部の長さよりも長いこと、
を特徴とする請求項1又は2に記載のペット用おもちゃ。
【請求項4】
前記先端部の長さが前記同径部の長さよりも長いこと、
を特徴とする請求項3に記載のペット用おもちゃ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、猫等のペットを遊ばせるためのペット用おもちゃに関する。
【背景技術】
【0002】
猫等のペットを遊ばせるための玩具として、針金などの線材の基部に把持部を形成すると共に、線材の先端部にペット誘惑体を取付けたものがある(例えば特許文献1:実用新案登録第3233074号)。この種の従来のペット用玩具は、羽等のペット誘惑体をペットの前で動かして、ペットにじゃれつかせるようにして使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3233074号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、針金などの線材は、ペットに怪我をさせる可能性がある。また、ペットが線材及びペット誘惑体を引っ張ることで、ペット誘惑体が線材から外れたり、壊れたりする可能性がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、ペットの運動不足及びストレスの解消を図ることができ、かつ、ペットが怪我しにくく、更に壊れにくいペット用おもちゃを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決すべく、本発明は、
把持部材と、前記把持部材の先端に装着される揺動体と、を具備するペット用おもちゃであって、
前記揺動体が、
先端部と、
略同じ径で延びる同径部、及び、当該同径部を径の小さい他の同径部又は前記先端部に繋ぐ接続部、の組合せを少なくとも1つ含む延長部と、を含み、
前記先端部が前記延長部の先端から縮径しつつ延びる構成を有すること、
を特徴とするペット用おもちゃ、を提供する。
例えば、揺動部が1組の同径部及び接続部から構成される場合、揺動体は同径部、接続部及び先端部の順に配置され、先端に向かうに連れて細くなる。また、揺動部が3組の同径部及び接続部から構成される場合、揺動体は同径部(1)、接続部(1)、同径部(2)、接続部(2)、同径部(3)、接続部(3)、及び先端部の順に配置され、先端に向かうに連れて細くなる。
【0007】
本発明のペット用おもちゃでは、前記揺動体がシリコンゴムの一体成型品であること、が好ましい。
【0008】
また、本発明のペット用おもちゃでは、前記同径部の長さが前記他の同径部の長さよりも長いこと、が好ましい。
例えば、揺動部が3組の同径部及び接続部から構成される場合、同径部(1)、同径部(2)、同径部(3)の順に長さが長い。
【0009】
また、本発明のペット用おもちゃでは、前記先端部の長さが前記同径部の長さよりも長いこと、が好ましい。
例えば、揺動部が3組の同径部及び接続部から構成される場合、先端部の長さは同径部(1)の長さよりも長い。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ペット用おもちゃが、把持部材と揺動体といった2パーツから構成されており、非常にシンプルであり壊れにくく、またペットを傷付けにくい。また、製造コストを抑えることができる。
また、揺動体は基端から先端に向かうにつれて細くなっているので、ユーザーが竿を動かしたときに、先端ほど揺動が大きくなり、かつ複雑な動きをする。これにより、ペットの関心を惹き、ペットを楽しませることができる。したがって、ペットの運動不足及びストレスの解消を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態に係るペット用おもちゃ1の斜視図である。
図2】揺動体5の斜視図である。
図3】揺動体5の正面図及び断面図である。
図4】ペット用おもちゃ1の使用の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係るペット用おもちゃの代表的な実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明はこれら図面に限定されるものではない。図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
【0013】
図4に例示するように、ペット用おもちゃ1は、ペットP、特に猫と遊ぶために好適に使用される。図1に示すように、ペット用おもちゃ1は、竿3及び揺動体5を含む。
【0014】
竿3は、把持部材の一例であり、棒状ないし管状の部材である。竿3は略同径で略直線状に延びるが、これに限られない。竿3の先端3Aに揺動体5が装着される。
竿3は、揺動体5を装着してスイングしたときに容易に変形しない程度の剛性を有する。
竿3は竹、木、樹脂、金属などの材料で作製されてよい。
【0015】
揺動体5は、竿3の先端3Aに装着して使用され、ユーザーUによる竿3のスイングにより揺動する(図4参照)。揺動体5は、例えば、シリコンゴムなどの樹脂材料の一体成型品として作製され、全体として基端から先端に向かうに連れて先細るように延びる。
かかる揺動体5は、基端部11、延長部12、及び先端部13を含む。以下、順に説明する。
【0016】
基端部11は、略同一の外径を有する棒状ないし管状の部分であり、竿3の先端3Aを受け入れる凹部11Aを有する。凹部11Aは例えば穴であり、その内径は竿3の先端3Aの外径と実質的に同じかやや小さい。
【0017】
基端部11からは延長部12が延びている。延長部12は、略同じ径で延びる同径部、及び、当該同径部を径の小さい他の同径部又は先端部に繋ぐ接続部、の組合せを少なくとも1つ含む。本実施形態では、延長部12の要素として、3組の同径部21,23,25及び接続部22,24,26を含む。
【0018】
すなわち、同径部21は、基端部11の外径と概ね等しいかやや小さい径D1で長さL1だけ延びる。
また、同径部23は、同径部21の径D1よりも小さい径D2で、長さL2だけ延びる。
更に、同径部25は、同径部23の径D2よりも小さい径D3で、長さL3だけ延びる。
【0019】
接続部22,24,26はそれぞれ、同径部21,23,25及び先端部13の間に介在するテーパー状の部分である。
すなわち、接続部22は、同径部21,23の間を繋ぐものであり、その径は基端部11側から先端部13側に向けてD1からD2に縮小(縮径)する。
また、接続部24は、同径部23,25の間を繋ぐものであり、その径は基端部11側から先端部13側に向けてD2からD3に縮小(縮径)する。
接続部26は、同径部25と先端部13との間を繋ぐものであり、その径は基端部11側から先端部13側に向けてD3からD4に縮小(縮径)する。
【0020】
先端部13は、先端側の接続部26から長さL4だけ延びる円錐状の部分である。先端部13の径は、基端部11側ではD4であり、先端に向かうに連れてD5に縮小する。
【0021】
ここで、同径部21,23,25の径D1~D3の間には、D1>D2>D3の関係がある。また、同径部21,23,25の長さL1~L3の間には、L1>L2>L3の関係がある。更に、同径部21の長さL1と先端部13の長さL4との間には、L1<L4の関係がある。
すなわち、揺動体5は、先端に向かうに連れて細くなるので、先端ほど柔軟になる。したがって、揺動体5は、ユーザーUの揺動動作に伴って、先端に近い部位ほど大きくかつ多彩に揺動し、ペットPの関心を強く惹く。
【0022】
[作製例]
ペット用おもちゃ1の作製例を挙げる。なお、本発明がこの作製例に限られないことは言うまでも無い。
竿3は、直径4mm、長さ360mmである。
揺動体5は全長320mmである。揺動体5の硬度はA70(JIS K6253 デュロメータ タイプAに準拠)である。
基端部11は直径7mm、長さ25mmであり、穴12は内径3.25mm、奥行き20mmである。
同径部21は直径6mm、長さ60mmであり、同径部23は直径5mm、長さ50mmであり、同径部25は直径4mm、長さ40mmである。
接続部22,24,26はいずれも同じ長さ5mmである。
先端部13は基端側から先端側に向かって直径3~1mmまで縮径し、長さ130mmである。
【0023】
なお、本発明者らは、揺動体5について種々の寸法及び形状の構造を有する試作品を多数作製し、下記の寸法範囲であれば、有効に機能する本発明に係るペット用おもちゃを実現できることを見出している。
・揺動体5 全長 160mm~960mm
・基端部11 直径 3.5mm~21mm
長さ 12.5mm~75mm
・同径部21 直径 3mm~18mm
長さ 30mm~180mm
・同径部23 直径 2.5mm~15mm
長さ 25mm~150mm
・同径部25 直径 2mm~12mm
長さ 20mm~120mm
・接続部22等 長さ 2.5mm~15mm
・先端部13 基端側直径1.5mm~9mm、先端側直径0.5mm~3mm
長さ 65mm~390mm
【0024】
次にペット用おもちゃ1の使用方法を説明する。
ユーザーUは、揺動体5の基端部11(凹部11A)に竿3の先端3Aを差し込むことで、揺動体5を竿3に装着する。そして、ユーザーUが竿3を把持し、ペットPの前でペット用おもちゃ1を揺らすと、揺動体5が揺動し、ペットPの関心を惹きつける。例えば、ペットPは揺動体5を目で追ったり掴みに来たりして、遊びに興じる。
また、不使用時には揺動体5を竿3から取り外すことで、コンパクトに収納できる。
【0025】
以上説明したとおり、本実施形態では、ペット用おもちゃ1が、竿3と揺動体5といった2パーツから構成されており、非常にシンプルである。揺動体5は比較的柔軟な樹脂の一体成型品であるので、壊れにくく、またペットPを傷付けにくい。また、製造コストを抑えることができる。
【0026】
また、揺動体5は基端から先端に向かうにつれて細くなっているので、ユーザーUが竿3を動かしたときに、先端ほど揺動が大きくなり、かつ複雑な動きをする。これにより、ペットPの関心を惹き、ペットPを楽しませることができる。したがって、ペットPの運動不足及びストレスの解消に有用である。
【0027】
以上、本発明の一実施形態に係るペット用おもちゃの具体的な態様について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更に係るものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0028】
例えば、本実施形態では、3組の同径部21,23,25及び接続部22,24,26で延長部12を構成したが、延長部12は、1組又は2組の同径部及び接続部で構成されてもよいし、あるいは、4組以上の同径部及び接続部で構成されてもよい。
【0029】
また、本実施形態では、把持部材として竿3を例示したが、例えば機械的又は電気的に回転する回転体をこの把持部材として用い、前記回転体の軸に本実施形態の揺動体を接続してもよい。この場合、前記回転体は、前記軸を中心にする機構・構造を有していてもよいが、前記軸に対して偏心回転する機構・構造を有していてもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 ペット用おもちゃ
3 竿
5 揺動体
11 基端部
11A 凹部
12 延長部
13 先端部
21,23,25 同径部
22,24,26 接続部
図1
図2
図3
図4