(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031433
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】発光装置及び発光装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 33/52 20100101AFI20240229BHJP
H01L 33/60 20100101ALI20240229BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20240229BHJP
H01S 5/02253 20210101ALI20240229BHJP
H01S 5/02255 20210101ALI20240229BHJP
H01S 5/023 20210101ALI20240229BHJP
G02B 5/04 20060101ALN20240229BHJP
【FI】
H01L33/52
H01L33/60
H01L33/62
H01S5/02253
H01S5/02255
H01S5/023
G02B5/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134978
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】櫻木 一義
【テーマコード(参考)】
2H042
5F142
5F173
【Fターム(参考)】
2H042CA01
2H042CA15
2H042CA16
2H042CA17
5F142AA67
5F142AA76
5F142BA32
5F142CA11
5F142CA13
5F142CD02
5F142CD16
5F142CD44
5F142CG06
5F142CG23
5F142CG32
5F142DB02
5F142FA16
5F142FA18
5F173MC04
5F173MD63
5F173MD84
5F173ME32
5F173ME64
5F173ME85
5F173MF03
5F173MF28
5F173MF39
(57)【要約】
【課題】樹脂製の接着材の劣化を抑制することができる発光装置及び発光装置の製造方法を提供する。
【解決手段】発光装置1は、紫外光を発光する半導体発光素子2と、半導体発光素子2を実装する第1基板5と、半導体発光素子2を挟んで第1基板5と反対側に配されるとともに第1基板5を実装する第2基板6と、第2基板6における第1基板5側の面61に樹脂製の接着材8を用いて接着された光学部材7と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外光を発光する半導体発光素子と、
前記半導体発光素子を実装する第1基板と、
前記半導体発光素子を挟んで前記第1基板と反対側に配されるとともに前記第1基板を実装する第2基板と、
前記第2基板における前記第1基板側の面に樹脂製の接着材を用いて接着された光学部材と、を備える
発光装置。
【請求項2】
前記半導体発光素子、前記第1基板及び前記第2基板の並び方向に平行な断面視において、
前記半導体発光素子における、前記第2基板と反対側、かつ、前記並び方向に直交する直交方向の一方側である第1側の端部を第1側素子端部とし、
前記第1基板における、前記第2基板と反対側、かつ、前記直交方向の前記第1側の端部を第1側基板端部とし、
前記第1側素子端部及び前記第1側基板端部を結ぶ第1側仮想直線と、前記第2基板の前記第1基板側の面とが交差する点を第1側交点とし、
前記半導体発光素子における、前記第2基板と反対側、かつ、前記直交方向の前記第1側と反対側である第2側の端部を第2側素子端部とし、
前記第1基板における、前記第2基板と反対側、かつ、前記直交方向の前記第2側の端部を第2側基板端部とし、
前記第2側素子端部及び前記第2側基板端部を結ぶ第2側仮想直線と、前記第2基板の前記第1基板側の面とが交差する点を第2側交点としたとき、
前記接着材の少なくとも一部は、前記第2基板における前記第1基板側の面における前記第1側交点と前記第2側交点との間の領域に配されている、
請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記光学部材は、前記第2基板における前記第1基板側の面に前記接着材を介して接着された底面と、前記底面から凹むよう形成され、前記半導体発光素子及び前記第2基板を収容するとともに前記半導体発光素子から発された光を入射する凹面とを有する、
請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記半導体発光素子、前記第1基板及び前記第2基板の並び方向に平行な断面視において、前記凹面は、前記並び方向において前記第2基板から遠ざかる程、前記並び方向に直交する方向の内側に向かう部位を有する、
請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記凹面は、前記第1基板の側面に沿うよう形成されている、
請求項3に記載の発光装置。
【請求項6】
前記接着材は、紫外線を吸収する紫外線吸収材を含有している、
請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項7】
紫外光を発光する半導体発光素子と、前記半導体発光素子を実装する第1基板と、前記半導体発光素子を挟んで前記第1基板と反対側に配されるとともに前記第1基板を実装する第2基板とを組み付ける工程と、
前記第2基板における前記第1基板側の面に、樹脂製の接着材を用いて光学部材を接着する工程と、備える
発光装置の製造方法。
【請求項8】
前記光学部材は、前記第2基板における前記第1基板側の面に前記接着材を介して接着された底面と、前記底面から凹むよう形成され、前記半導体発光素子及び前記第2基板を収容するとともに前記半導体発光素子から発された光を入射する凹面とを有し、
前記光学部材を前記第2基板における前記第1基板側の面に接着する工程においては、前記凹面内に前記半導体発光素子及び前記第1基板を嵌めることで、前記光学部材と前記半導体発光素子及び前記第1基板との位置決めが行われる、
請求項7に記載の発光装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置及び発光装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、紫外光を発する発光素子と、発光素子を実装する基板と、基板の実装面に接着剤層を用いて接着されたレンズとを有する発光装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
レンズ等の光学部材の固定に際し、生産性向上等の観点から樹脂製の接着材の使用が望まれることがあるが、樹脂製の接着材は、発光素子が発する紫外光を受けて劣化するおそれがある。
【0005】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたものであり、樹脂製の接着材の劣化を抑制することができる発光装置及び発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記の目的を達成するため、紫外光を発光する半導体発光素子と、前記半導体発光素子を実装する第1基板と、前記半導体発光素子を挟んで前記第1基板と反対側に配されるとともに前記第1基板を実装する第2基板と、前記第2基板における前記第1基板側の面に樹脂製の接着材を用いて接着された光学部材と、を備える発光装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、前記の目的を達成するため、紫外光を発光する半導体発光素子と、前記半導体発光素子を実装する第1基板と、前記半導体発光素子を挟んで前記第1基板と反対側に配されるとともに前記第1基板を実装する第2基板とを組み付ける工程と、前記第2基板における前記第1基板側の面に、樹脂製の接着材を用いて光学部材を接着する工程と、備える発光装置の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、樹脂製の接着材の劣化を抑制することができる発光装置及び発光装置の製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1の実施の形態における、発光装置の平面図である。
【
図4】第2の実施の形態における、発光装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態について、
図1乃至
図3を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
【0011】
(発光装置1)
図1は、本形態における発光装置1の平面図である。
図2は、
図1のII-II線矢視断面図である。
【0012】
本形態の発光装置1は、例えば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)又は半導体レーザ(LD:Laser Diode)で構成される半導体発光素子2を備える。半導体発光素子2は、紫外光を発光するものである。本形態の発光装置1は、半導体発光素子2とp側素子電極3とn側素子電極4と第1基板5と第2基板6と光学部材7と接着材8とを備える。
【0013】
図1に示すごとく、半導体発光素子2は、平面視において四角形(本形態においては略正方形)を呈している。
図2に示すごとく、半導体発光素子2は、透明基板21と、透明基板21の成長面に形成された半導体積層構造22とを備える。以後、透明基板21と半導体積層構造22との積層方向(例えば
図2の上下方向)を上下方向Xという。なお、上下の表現は便宜的なものであり、例えば発光装置1の使用時における、鉛直方向に対する発光装置1の姿勢を限定するものではない。
【0014】
透明基板21は、例えばサファイア(Al2O3)基板、窒化アルミニウム(AlN)基板等を採用することができ、半導体積層構造22の発光層が発する紫外光を透過する性質を有する。透明基板21の一方の主面である成長面に、半導体積層構造22が形成されている。
【0015】
半導体積層構造22を構成する半導体としては、例えば、AlxGayIn1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)にて表される2~4元系のIII族窒化物半導体を用いることができる。本形態において、半導体積層構造22の各層は、インジウムを含まないAlzGa1-zN(0≦z≦1)系の半導体にて形成されている。
【0016】
半導体積層構造22は、透明基板21側から順にn型半導体層、発光層、及びp型半導体層を少なくとも備える。発光層においては、n型半導体層から供給される電子と、p型半導体層から供給される正孔とが再結合し、発光が生じる。発光層は、中心波長が200nm以上365nm以下の紫外光、好ましくは中心波長が280nm以下の深紫外光を発する。なお、
図2においては、半導体積層構造22の概形を模式的に表しており、半導体積層構造22の各層の境界の図示は省略している。
【0017】
半導体積層構造22は、エピタキシャル成長により形成され得る。エピタキシャル成長は、有機金属化学気相成長法(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)、分子線エピタキシ法(MBE:Molecular Beam Epitaxy)、ハイドライド気相エピタキシ法(HVPE:Hydride Vapor Phase Epitaxy)等のエピタキシャル成長法を用いることができる。
【0018】
p側素子電極3は、半導体積層構造22のp型半導体層における透明基板21と反対側に接続されている。n側素子電極4は、半導体積層構造22のn型半導体層における透明基板21と反対側に接続されている。図示は省略するが、発光層及びp型半導体層の一部は、n型半導体層を透明基板21と反対側に露出させるべくエッチング等にて除去されており、このようにしてできたn型半導体層の露出面にn側素子電極4が接続されている。
【0019】
半導体発光素子2は、透明基板21が半導体積層構造22を挟んで第1基板5と反対側に位置する姿勢で、第1基板5にフリップチップ実装されている。そして、半導体発光素子2は、p側素子電極3及びn側素子電極4において、図示しないバンプ等の電気接続部を介して第1基板5に接続されている。以後、半導体発光素子2の第1基板5側を下側X1といい、その反対側を上側X2という。
【0020】
本形態において、第1基板5は、サブマウントとも呼ばれるものであり、第1基板5と半導体発光素子2とが接続された構造体は、チップオンサブマウント(CoS:chip on submount)とも呼ばれる。
図1に示すごとく、平面視において、第1基板5は、四角形(本形態においては略正方形)であり、第1基板5の中央位置に半導体発光素子2が配されている。
【0021】
第1基板5は、平板状に形成されている。
図2に示すごとく、第1基板5は、基材51とp側導電部52とn側導電部53とを有する。基材51は、四角形(本形態においては略正方形)の板状に形成されており、電気的絶縁性を有する材料からなる。
【0022】
p側導電部52は、基材51の上面に形成されたp側上面電極521と、基材51の下面に形成されたp側下面電極522と、これらを第1基板5の厚み方向に接続するp側ビア523とを有する。n側導電部53は、基材51の上面に形成されたn側上面電極531と、基材51の下面に形成されたn側下面電極532と、これらを第1基板5の厚み方向に接続するn側ビア533とを有する。p側導電部52とn側導電部53とは、互いに電気的に離隔して形成されている。p側上面電極521は、p側素子電極3と接続されており、n側上面電極531は、n側素子電極4と接続されている。なお、p側上面電極521及びn側上面電極531に、ツェナーダイオード等の定電圧素子が実装されていてもよい。p側下面電極522及びn側下面電極532は、第2基板6に接続されている。
【0023】
第2基板6は、平板状に形成されている。第2基板6は、平面視において、第1基板5よりも大きい。第2基板6は、例えばプリント基板(PCB:Printed Circuit Board)とすることができ、p側下面電極522及びn側下面電極532に接続される図示しない配線パターンが形成されている。
図2に示すごとく、第2基板6の上面61に、半導体発光素子2及び第1基板5を覆うよう光学部材7が設けられている。
【0024】
光学部材7は、光を反射、透過又は屈折等させることを目的とした部材であり、例えばレンズ、リフレクタ、リッド等がある。本形態の光学部材7は、半導体発光素子2から発された光を内部に導くとともに側面73で光取出面74に向けて全反射させることで集光するTIR(Total Internal Reflection)レンズである。一例として、光学部材7は、石英ガラス、硼珪酸ガラス、低融点ガラス、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等から構成することができる。一例として、光学部材7は、上下方向Xが抜き方向となる複数の金型を用いて成形することができる。
【0025】
光学部材7は、外形が、下側程細くなる四角錐台形状を呈している。
図2に示すごとく、光学部材7の表面は、底面71、凹面72、側面73及び光取出面74を有する。底面71は、光学部材7において第2基板6側を向く面であり、
図1に示すごとく四角形環状を呈している。
図2に示すごとく、光学部材7は、底面71が、接着材8を用いて第2基板6に接着されている。
【0026】
図2に示すごとく、凹面72は、底面71から上側X2に凹むよう形成されており、半導体発光素子2及び第1基板5を覆っている。凹面72は、半導体発光素子2から発された光を光学部材7の内側に導く入射面としての役割を有する。凹面72は、四角形(本形態においては略正方形)の凹底面721と、凹底面721の4辺から下側X1に延びた四角形筒状の凹側面722とを有する。本形態において、凹底面721は、上下方向Xに直交する平面状に形成されているが、これに限られず、例えば下側X1に凸の曲面等であってもよい。
【0027】
凹側面722は、第1基板5の側面5aに近接して沿うよう形成されている。凹側面722と第1基板5との間には、凹面72内へ第1基板5を挿入可能とすべく僅かな隙間が形成されている。上下方向Xに平行な発光装置1の断面視において、凹側面722は、上側X2に向かうほど上下方向Xに直交する直交方向Yの内側(すなわち凹面72内の空間側)に向かうよう傾斜して形成されている。以後、単に断面視といったときは、特に断らない限り、上下方向Xに平行な発光装置1の断面視を意味するものとする。
【0028】
側面73は、下側程細くなる四角錐台形の側面形状を呈している。断面視において、側面73は、下側X1に向かうほど直交方向Yの半導体発光素子2側に向かうよう傾斜している。本形態において、上下方向Xに対する側面73の傾斜角度は、上下方向Xに対する凹側面722の傾斜角度よりも大きい。詳細は後述するが、凹側面722及び側面73を上下方向Zに対して前述のように傾斜させることで、半導体発光素子2から発された光が接着材8に向かうことが抑制され、その結果、紫外光照射による接着材8の劣化が抑制される。
【0029】
光取出面74は、第2基板6と反対側を向く面であり、四角形(本形態においては略正方形)を呈している。本形態において、光取出面74は、上下方向Xに直交する平面状に形成されているが、これに限られず、光取出効率を向上させたり、取り出される光を平行にしたりする等の目的に応じた種々の形状を採用することができる。ただし、光取出面74が平面以外の形状の場合、半導体発光素子2及び第1基板5に光学部材7を組み付ける際、光取出面74越しの半導体発光素子2の像が歪むことで、組付けが困難になるおそれがあるため、組付性向上の観点からは光取出面74は平面であることが好ましい。光取出面74は、側面73にて反射された光が取り出される面である。
【0030】
接着材8は、光学部材7の底面71と第2基板6の上面61とを接着している。接着材8にて光学部材7の底面71と第2基板6の上面61とを接着する際は、流動性を有する状態の接着材8が光学部材7の底面71又は第2基板6の上面61に塗布され、光学部材7の底面71が第2基板6の上面61へ向けて押し付けられ、その後、接着材8が硬化される。このとき、接着材8の量によっては、その一部が光学部材7の側面73及び凹側面722に沿って僅かにせり上がり得る。
【0031】
接着材8は、例えば、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂等からなる。本形態において、接着材8は、前述のごとく第2基板6の上面61に位置しているため、半導体発光素子2から発される紫外光の透過性は要求されない。そのため、接着材8に、紫外線吸収するカーボンブラック等の紫外線吸収材を混ぜ込んで接着材の紫外光に対する耐性を高めることが可能となる。なお、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂等は、紫外光に対する耐性が比較的高いが、これらのバインダー、硬化剤等に紫外光のエネルギーよりも結合エネルギーが小さい共有結合が含まれる。そのため、仮に接着材8に強い紫外光が長期間照射された場合、接着材8に、剥離、クラック、変色等の劣化が発生し得る。特に、半導体発光素子2が深紫外光を発する場合、接着材8の劣化速度が著しくなりやすい。
【0032】
そこで、本形態の発光装置1においては、接着材8が半導体発光素子2から発された紫外光の照射を受け難くすべく、接着材8は、第1基板5ではなく、第2基板6の上面61に配されている。また、特に本形態においては、接着材8の少なくとも一部は、光学部材7が取り付けられていない状態の発光装置1において、半導体発光素子2から発された光が第1基板5にて遮られることで影となる第2基板6の上面61の領域R(後述の
図3参照)に配されている。この領域Rについて、次に詳説する。
【0033】
図3は、
図2の一部を拡大した図である。断面視において、後述する第1側素子端部231、第1側基板端部541、第1側仮想直線VL1、第1側交点P1、第2側素子端部232、第2側基板端部542、第2側仮想直線VL2及び第2側交点P2を定義する。第1側素子端部231は、半導体発光素子2における、上側X2かつ直交方向Yの一方側である第1側Y1の端部である。第1側基板端部541は、第1基板5における、上側X2かつ第1側Y1の端部である。第1側仮想直線VL1は、第1側素子端部231と第1側基板端部541とを結ぶ仮想的な直線である。第1側交点P1は、第1側仮想直線VL1と第2基板6の上面61とが交差する点である。第2側素子端部232は、半導体発光素子2における、上側X2かつ直交方向Yの第1側Y1と反対側である第2側Y2の端部である。第2側基板端部542は、第1基板5における、上側X2かつ第2側Y2の端部である。第2側仮想直線VL2は、第2側素子端部232と第2側基板端部542とを結ぶ仮想的な直線である。第2側交点P2は、第2側仮想直線VL2と第2基板6の上面61とが交差する点である。
【0034】
このとき、接着材8の少なくとも一部は、第2基板6の上面61における第1側交点P1と第2側交点P2との間の領域Rに配されている。この領域Rが、前述した、光学部材7が取り付けられていない状態の発光装置1において、半導体発光素子2から発された光が第1基板5にて遮られることで影となる第2基板6の上面61の領域である。
【0035】
次に、
図3の断面図を用いて、第1基板5から露出した第2基板6の上面61のうち、領域Rを構成する部位の長さである長さd2の算出方法について説明する。まず、断面視における発光装置1の第1側Y1の部位について検討する。第1側素子端部231と第1側基板端部541との間の上下方向Xの長さをh1[mm]とし、第1側基板端部541と第2基板6の上面61との間の上下方向Xの長さをh2[mm]とする。また、第1側素子端部231と第1側素子端部231との間の直交方向Yの長さをd1[mm]とし、第1側基板端部541と第1側交点P1との間の直交方向Yの長さをd2[mm]とする。このとき、長さd2(すなわち第1基板5から露出する第2基板6の上面61のうち領域Rを構成する部分の幅)は、以下の式(1)にて表される。
【数1】
【0036】
式(1)から分かるように、長さh1、h2、d1が決まれば、第1基板5から上側X2に露出する第2基板6の上面61のうち、半導体発光素子2から発された光が第1基板5に遮られて影となる範囲である長さd2が算出可能である。算出された長さd2に基づき、光学部材7の形状を設計することで、影となる範囲に接着材8を配することが可能である。断面視における発光装置1の第2側Y2の部位についても同様である。また、
図2及び
図3に示す断面以外の、上下方向Xに平行な発光装置1の断面についても同様である。
【0037】
断面視において、接着材8の幅は1mm以上あることが好ましい。この場合には、光学部材7と第2基板6との接着性の向上及び生産性の向上が図られる。そのため、長さd2が1mm以上となるよう、長さh1、h2及びd1が設計され、接着材8の幅が1mm以上となることが好ましい。また、断面視における光学部材7の底面71の幅も、1mm以上であることが好ましい。
【0038】
なお、接着材8は、全体が、第2基板6の上面61における領域Rの外側に配されていてもよい。この場合でも、接着材8は半導体発光素子2から光学的に遠い位置に配されることとなるため、例えば半導体発光素子2又は第1基板5に直接的に光学部材7を接着している場合等と比べ、接着材8の劣化の抑制が可能である。また、光学部材7を備えた発光装置1においては、第2基板6の上面61における影となる領域が、領域Rよりも広くなり得る。これは、以下説明するように、凹側面722及び側面73の傾斜によって光が屈折するためである。
【0039】
(凹側面722の傾斜及び側面73の傾斜の役割について)
次に、凹側面722及び側面73を前述のように傾斜させることによる役割の例につき説明する。
【0040】
図2には、半導体発光素子2から斜め下側に向かって発された光L1の経路の一例を模式的に示している。凹側面722を傾斜させることで、光L1は、凹側面722から光学部材7に入射されるときに、直交方向Yに近付くよう屈折する。これにより、凹側面722から光学部材7内に入射された光L1が接着材8に向かうことが抑制される。かかる効果を一層得るためには、上下方向Xに対する凹側面722の傾斜角度は、例えば5°以上が好ましい。
【0041】
そして、光L1は、側面73から光学部材7の外部へ出射されるとき、斜め上側に向かうよう屈折する。つまり、光L1は、凹側面722から光学部材7内への入射時の屈折、及び、側面73から光学部材7外への出射時の屈折により、接着材8から遠ざかる側に方向が変わる。これにより、半導体発光素子2から斜め下側に向かって発された光L1が接着材8に到達することが抑制される。
【0042】
また、
図2には、半導体発光素子2から斜め上側に向かって発された光L2の経路の一例を模式的に示している。光L2は、半導体発光素子2から斜め上側に発され、凹底面721を通って光学部材7内を進んでいる。そして、光L2は、その多くが光取出面74から出射されるが、破線で示した一部の光L21が光取出面74において反射される。
【0043】
光取出面74にて反射された光L21は、斜め下側に向かい、側面73にて反射される。このとき、側面73の傾斜により、側面73にて反射された後の光L21は、反射される前よりも直交方向Yに平行な方向に近付く。すなわち、側面73の傾斜により、光L21が接着材8に向かうことが抑制される。そして、光L21は、凹側面722から凹面72内の空間に導かれる。以上のように、凹側面722及び側面73の傾斜は、接着材8に向かって紫外光が導かれることを抑制する役割を有する。
【0044】
(発光装置1の製造方法)
次に、本形態の発光装置1の製造方法の一例につき説明する。
まず、半導体発光素子2、第1基板5及び第2基板6を組み付ける。例えば、第1基板5に半導体発光素子2を実装し、第1基板5を第2基板6に実装する。なお、まず第2基板6に第1基板5を実装し、次いで第1基板5に半導体発光素子2を実装する順番であってもよい。
【0045】
そして、光学部材7の底面71に、流動性を有する状態の接着材8を全周にわたって塗布し、光学部材7の凹面72内に半導体発光素子2及び第1基板5を挿入させながら光学基板の底面71を第2基板6の上面61に載置する。このように、本形態においては、凹面72内に半導体発光素子2及び第1基板5を嵌め込む形になるため、光学部材7と、半導体発光素子2及び第1基板5との間の位置決めが容易に実現される。なお、第2基板6の上面61における、光学部材7の底面71が載置される予定の箇所に流動性を有する状態の接着材8を塗布してもよい。そして、接着材8を硬化させることで、本形態の発光装置1が製造され得る。
【0046】
(第1の実施の形態の作用及び効果)
本形態の発光装置1は、第2基板6の上面61に、樹脂製の接着材8を用いて光学部材7が接着されている。それゆえ、紫外光を受けて劣化し得る樹脂製の接着材8を半導体発光素子2から光学的に遠ざけることができ、接着材8の劣化を抑制することができる。
【0047】
また、発光装置1の断面視において、接着材8の少なくとも一部は、第2基板6の上面61における第1側交点P1と第2側交点P2との間の領域Rに配されている。当該領域Rは、半導体発光素子2から発された光が第1基板5にて遮られて影になりやすいため、領域Rに接着材8の少なくとも一部を設けることで、紫外光照射による接着材8の劣化を抑制しやすい。
【0048】
また、光学部材7は、第2基板6の上面61に接着材8を介して接着された底面71と、底面71から凹むよう形成され、半導体発光素子2及び第2基板6を収容するとともに半導体発光素子2から発された光を入射する凹面72とを有する。これにより、凹面72内に半導体発光素子2及び第1基板5を嵌め込むことで、半導体発光素子2及び第1基板5と光学部材7との間の位置決めを容易に行うことができる。
【0049】
また、発光装置1の断面視において、凹面72は、並び方向において第2基板6から遠ざかる程、直交方向Yの内側に向かう部位(本形態においては凹側面722)を有する。これにより、半導体発光素子2から発されて当該部位から光学部材7内に導入された光は、接着材8から遠ざかる側に屈折するため、接着材8に紫外光が照射されることが一層抑制される。
【0050】
また、凹面72は、第1基板5の側面5aに沿うよう形成されている。これにより、半導体発光素子2及び第1基板5と光学部材7との間の位置決めを正確にしやすい。
【0051】
また、接着材8は、紫外線を吸収する紫外線吸収材を含有してもよい。本形態においては、接着材8が第2基板6の上面61に形成されており、紫外光を透過させる必要がないため、紫外線吸収材を含有させて紫外光に対する接着材の耐性を向上させることが可能となる。
【0052】
また、本形態の発光装置1の製造方法においては、凹面72内に半導体発光素子2及び第1基板5を嵌めることで、光学部材7と半導体発光素子2及び第1基板5との位置決めが行われる。それゆえ、半導体発光素子2及び第1基板5と光学部材7との間の位置決めを容易に行うことができる。
【0053】
以上のごとく、本形態によれば、樹脂製の接着材の劣化を抑制することができる発光装置及び発光装置の製造方法を提供することができる。
【0054】
[第2の実施の形態]
図4は、本形態における発光装置1の平面図である。
図5は、
図4のV-V線矢視断面図である。
図6は、
図5の一部を拡大した図である。
【0055】
本形態は、第1の実施の形態に対し、光学部材7の形状を変更した形態である。本形態において、光学部材7は、外形が、下側程細くなる円錐台形状を呈している。光学部材7の底面71は、円環状を呈している。凹底面721は、円形を呈している。凹側面722は、下側X1に向かうほど拡径する円錐台形状の側面形状に形成されている。凹側面722は、第1基板5の4隅のそれぞれに近接するよう形成されている。これにより、凹面72内に半導体発光素子2及び第1基板5を挿入した際に、半導体発光素子2に対する光学部材7の位置決めが容易に実現される。側面73は、下側X1に向かうほど縮径する円錐台形状の側面形状に形成されている。本形態において、上下方向Xに対する側面73の傾斜角度は、上下方向Xに対する凹側面722の傾斜角度よりも小さい。
【0056】
図6に示すごとく、本形態においても、接着材8の少なくとも一部は、第2基板6の上面61における第1側交点P1と第2側交点P2との間の領域Rに配されている。
【0057】
その他は、第1の実施の形態と同様である。
なお、第2の実施の形態以降において用いた符号のうち、既出の形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
【0058】
(第2の実施の形態の作用及び効果)
本形態においても、第1の実施の形態と同様の作用効果を有する。
【0059】
[変形形態]
第1及び第2の実施の形態において、凹側面722は、傾斜面(すなわち断面直線状)としたが、これに限られず、曲面としてもよい。この場合、断面視において、凹側面722は、上側X2程、直交方向Yの内側に向かうような形成されていることが好ましい。
【0060】
また、凹面72は、凹側面722と凹底面721とが滑らかにつながったドーム状に形成されていてもよい。また、凹側面722と底面71との間の角部、又は底面71と側面73との間の角部が、曲面状に形成されていてもよい。
【0061】
また、光学部材7の側面73は、傾斜面(すなわち断面直線状)としたが、これに限られず、曲面としてもよい。この場合、例えば光学部材7が複合放物面型集光器(CPC:Compound Parabolic Concentrator)を構成するよう側面73が形成されていてもよい。
【0062】
また、第1及び第2の実施の形態においては、光学部材7がTIRレンズである例を示したが、これに限られず、光学部材7は他のレンズであってもよいし、レンズ以外の光学部材7(例えば金属製のリフレクタ等)であってもよい。
【0063】
また、第1及び第2の実施の形態においては、第1基板5及び第2基板6は、導電部(すなわちp側導電部52及びn側導電部53)を有するものを例示したが、これに限られず、導電部を有さないものであってもよい。
【0064】
(実施の形態のまとめ)
次に、以上説明した実施の形態から把握される技術思想について、実施の形態における符号等を援用して記載する。ただし、以下の記載における各符号等は、特許請求の範囲における構成要素を実施の形態に具体的に示した部材等に限定するものではない。
【0065】
[1]本発明の第1の実施態様は、紫外光を発光する半導体発光素子2と、前記半導体発光素子2を実装する第1基板5と、前記半導体発光素子2を挟んで前記第1基板5と反対側に配されるとともに前記第1基板5を実装する第2基板6と、前記第2基板6における前記第1基板5側の面61に樹脂製の接着材8を用いて接着された光学部材7と、を備える発光装置1である。
これにより、樹脂製の接着材8の劣化を抑制することができる。
【0066】
[2]本発明の第2の実施態様は、第1の実施態様において、前記半導体発光素子2、前記第1基板5及び前記第2基板6の並び方向Xに平行な断面視において、前記半導体発光素子2における、前記第2基板6と反対側、かつ、前記並び方向Xに直交する直交方向Yの一方側である第1側Y1の端部を第1側素子端部231とし、前記第1基板5における、前記第2基板6と反対側、かつ、前記直交方向Yの前記第1側Y1の端部を第1側基板端部541とし、前記第1側素子端部231及び前記第1側基板端部541を結ぶ第1側仮想直線VL1と、前記第2基板6の前記第1基板5側の面61とが交差する点を第1側交点P1とし、前記半導体発光素子2における、前記第2基板6と反対側、かつ、前記直交方向Yの前記第1側Y1と反対側である第2側Y2の端部を第2側素子端部232とし、前記第1基板5における、前記第2基板6と反対側、かつ、前記直交方向Yの前記第2側Y2の端部を第2側基板端部542とし、前記第2側素子端部232及び前記第2側基板端部542を結ぶ第2側仮想直線VL2と、前記第2基板6の前記第1基板5側の面61とが交差する点を第2側交点P2としたとき、前記接着材8の少なくとも一部が、前記第2基板6における前記第1基板5側の面61における前記第1側交点P1と前記第2側交点P2との間の領域Rに配されていることである。
これにより、樹脂製の接着材8の劣化を抑制することができる。
【0067】
[3]本発明の第3の実施態様は、第1又は第2の実施態様において、前記光学部材7が、前記第2基板6における前記第1基板5側の面61に前記接着材8を介して接着された底面71と、前記底面71から凹むよう形成され、前記半導体発光素子2及び前記第2基板6を収容するとともに前記半導体発光素子2から発された光を入射する凹面72とを有することである。
これにより、半導体発光素子2及び第1基板5と光学部材7との間の位置決めを容易に行うことができる。
【0068】
[4]本発明の第4の実施態様は、第3の実施態様において、前記半導体発光素子2、前記第1基板5及び前記第2基板6の並び方向Xに平行な断面視において、前記凹面72が、前記並び方向Xにおいて前記第2基板6から遠ざかる程、前記並び方向Xに直交する方向の内側に向かう部位を有することである。
これにより、樹脂製の接着材8の劣化を抑制することができる。
【0069】
[5]本発明の第5の実施態様は、第3又は第4の実施態様において、前記凹面72が、前記第1基板5の側面5aに沿うよう形成されていることである。
これにより、半導体発光素子2及び第1基板5と光学部材7との間の位置決めを容易に行うことができる。
【0070】
[6]本発明の第6の実施態様は、第1乃至第5のいずれか1つの実施態様において、前記接着材8が、紫外線を吸収する紫外線吸収材を含有していることである。
これにより、樹脂製の接着材8の劣化を抑制することができる。
【0071】
[7]本発明の第7の実施態様は、紫外光を発光する半導体発光素子2と、前記半導体発光素子2を実装する第1基板5と、前記半導体発光素子2を挟んで前記第1基板5と反対側に配されるとともに前記第1基板5を実装する第2基板6とを組み付ける工程と、前記第2基板6における前記第1基板5側の面61に、樹脂製の接着材8を用いて光学部材7を接着する工程と、備える発光装置1の製造方法である。
これにより、樹脂製の接着材8の劣化を抑制することができる。
【0072】
[8]本発明の第8の実施態様は、第7の実施態様において、前記光学部材7が、前記第2基板6における前記第1基板5側の面61に前記接着材8を介して接着された底面71と、前記底面71から凹むよう形成され、前記半導体発光素子2及び前記第2基板6を収容するとともに前記半導体発光素子2から発された光を入射する凹面72とを有し、前記光学部材7を前記第2基板6における前記第1基板5側の面61に接着する工程において、前記凹面72内に前記半導体発光素子2及び前記第1基板5を嵌めることで、前記光学部材7と前記半導体発光素子2及び前記第1基板5との位置決めが行われることである。
これにより、半導体発光素子2及び第1基板5と光学部材7との間の位置決めを容易に行うことができる。
【0073】
(付記)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、前述した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0074】
1…発光装置
2…半導体発光素子
231…第1側素子端部
232…第2側素子端部
5…第1基板
5a…側面
541…第1側基板端部
542…第2側基板端部
6…第2基板
61…第2基板の上面
7…光学部材
71…底面
72…凹面
8…接着材
P1…第1側交点
P2…第2側交点
R…領域
VL1…第1側仮想直線
VL2…第2側仮想直線
X…方向
Y…直交方向
Y1…第1側
Y2…第2側
【手続補正書】
【提出日】2023-08-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外光を発光する半導体発光素子と、
前記半導体発光素子を実装する第1基板と、
前記第1基板を挟んで前記半導体発光素子と反対側に配されるとともに前記第1基板を実装する第2基板と、
前記第2基板における前記第1基板側の面に樹脂製の接着材を用いて接着された光学部材と、を備える
発光装置。
【請求項2】
前記半導体発光素子、前記第1基板及び前記第2基板の並び方向に平行な断面視において、
前記半導体発光素子における、前記第2基板と反対側、かつ、前記並び方向に直交する直交方向の一方側である第1側の端部を第1側素子端部とし、
前記第1基板における、前記第2基板と反対側、かつ、前記直交方向の前記第1側の端部を第1側基板端部とし、
前記第1側素子端部及び前記第1側基板端部を結ぶ第1側仮想直線と、前記第2基板の前記第1基板側の面とが交差する点を第1側交点とし、
前記半導体発光素子における、前記第2基板と反対側、かつ、前記直交方向の前記第1側と反対側である第2側の端部を第2側素子端部とし、
前記第1基板における、前記第2基板と反対側、かつ、前記直交方向の前記第2側の端部を第2側基板端部とし、
前記第2側素子端部及び前記第2側基板端部を結ぶ第2側仮想直線と、前記第2基板の前記第1基板側の面とが交差する点を第2側交点としたとき、
前記接着材の少なくとも一部は、前記第2基板における前記第1基板側の面における前記第1側交点と前記第2側交点との間の領域に配されている、
請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記光学部材は、前記第2基板における前記第1基板側の面に前記接着材を介して接着された底面と、前記底面から凹むよう形成され、前記半導体発光素子及び前記第1基板を収容するとともに前記半導体発光素子から発された光を入射する凹面とを有する、
請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記半導体発光素子、前記第1基板及び前記第2基板の並び方向に平行な断面視において、前記凹面は、前記並び方向において前記第2基板から遠ざかる程、前記並び方向に直交する方向の内側に向かう部位を有する、
請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記凹面は、前記第1基板の側面に沿うよう形成されている、
請求項3に記載の発光装置。
【請求項6】
前記接着材は、紫外線を吸収する紫外線吸収材を含有している、
請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項7】
紫外光を発光する半導体発光素子と、前記半導体発光素子を実装する第1基板と、前記第1基板を挟んで前記半導体発光素子と反対側に配されるとともに前記第1基板を実装する第2基板とを組み付ける工程と、
前記第2基板における前記第1基板側の面に、樹脂製の接着材を用いて光学部材を接着する工程と、備える
発光装置の製造方法。
【請求項8】
前記光学部材は、前記第2基板における前記第1基板側の面に前記接着材を介して接着された底面と、前記底面から凹むよう形成され、前記半導体発光素子及び前記第1基板を収容するとともに前記半導体発光素子から発された光を入射する凹面とを有し、
前記光学部材を前記第2基板における前記第1基板側の面に接着する工程においては、前記凹面内に前記半導体発光素子及び前記第1基板を嵌めることで、前記光学部材と前記半導体発光素子及び前記第1基板との位置決めが行われる、
請求項7に記載の発光装置の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、前記の目的を達成するため、紫外光を発光する半導体発光素子と、前記半導体発光素子を実装する第1基板と、前記第1基板を挟んで前記半導体発光素子と反対側に配されるとともに前記第1基板を実装する第2基板と、前記第2基板における前記第1基板側の面に樹脂製の接着材を用いて接着された光学部材と、を備える発光装置を提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、本発明は、前記の目的を達成するため、紫外光を発光する半導体発光素子と、前記半導体発光素子を実装する第1基板と、前記第1基板を挟んで前記半導体発光素子と反対側に配されるとともに前記第1基板を実装する第2基板とを組み付ける工程と、前記第2基板における前記第1基板側の面に、樹脂製の接着材を用いて光学部材を接着する工程と、備える発光装置の製造方法を提供する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
次に、
図3の断面図を用いて、第1基板5から露出した第2基板6の上面61のうち、領域Rを構成する部位の長さである長さd2の算出方法について説明する。まず、断面視における発光装置1の第1側Y1の部位について検討する。第1側素子端部231と第1側基板端部541との間の上下方向Xの長さをh1[mm]とし、第1側基板端部541と第2基板6の上面61との間の上下方向Xの長さをh2[mm]とする。また、第1側素子端部231と第1側
基板端部541との間の直交方向Yの長さをd1[mm]とし、第1側基板端部541と第1側交点P1との間の直交方向Yの長さをd2[mm]とする。このとき、長さd2(すなわち第1基板5から露出する第2基板6の上面61のうち領域Rを構成する部分の幅)は、以下の式(1)にて表される。
【数1】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
また、光学部材7は、第2基板6の上面61に接着材8を介して接着された底面71と、底面71から凹むよう形成され、半導体発光素子2及び第1基板5を収容するとともに半導体発光素子2から発された光を入射する凹面72とを有する。これにより、凹面72内に半導体発光素子2及び第1基板5を嵌め込むことで、半導体発光素子2及び第1基板5と光学部材7との間の位置決めを容易に行うことができる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
[1]本発明の第1の実施態様は、紫外光を発光する半導体発光素子2と、前記半導体発光素子2を実装する第1基板5と、前記第1基板5を挟んで前記半導体発光素子2と反対側に配されるとともに前記第1基板5を実装する第2基板6と、前記第2基板6における前記第1基板5側の面61に樹脂製の接着材8を用いて接着された光学部材7と、を備える発光装置1である。
これにより、樹脂製の接着材8の劣化を抑制することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0067】
[3]本発明の第3の実施態様は、第1又は第2の実施態様において、前記光学部材7が、前記第2基板6における前記第1基板5側の面61に前記接着材8を介して接着された底面71と、前記底面71から凹むよう形成され、前記半導体発光素子2及び前記第1基板5を収容するとともに前記半導体発光素子2から発された光を入射する凹面72とを有することである。
これにより、半導体発光素子2及び第1基板5と光学部材7との間の位置決めを容易に行うことができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0071
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0071】
[7]本発明の第7の実施態様は、紫外光を発光する半導体発光素子2と、前記半導体発光素子2を実装する第1基板5と、前記第1基板5を挟んで前記半導体発光素子2と反対側に配されるとともに前記第1基板5を実装する第2基板6とを組み付ける工程と、前記第2基板6における前記第1基板5側の面61に、樹脂製の接着材8を用いて光学部材7を接着する工程と、備える発光装置1の製造方法である。
これにより、樹脂製の接着材8の劣化を抑制することができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0072】
[8]本発明の第8の実施態様は、第7の実施態様において、前記光学部材7が、前記第2基板6における前記第1基板5側の面61に前記接着材8を介して接着された底面71と、前記底面71から凹むよう形成され、前記半導体発光素子2及び前記第1基板5を収容するとともに前記半導体発光素子2から発された光を入射する凹面72とを有し、前記光学部材7を前記第2基板6における前記第1基板5側の面61に接着する工程において、前記凹面72内に前記半導体発光素子2及び前記第1基板5を嵌めることで、前記光学部材7と前記半導体発光素子2及び前記第1基板5との位置決めが行われることである。
これにより、半導体発光素子2及び第1基板5と光学部材7との間の位置決めを容易に行うことができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-02-20
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫外光を発光する半導体発光素子と、
前記半導体発光素子を実装する第1基板と、
前記第1基板を挟んで前記半導体発光素子と反対側に配されるとともに前記第1基板を実装する第2基板と、
前記第2基板における前記第1基板側の面に樹脂製の接着材を用いて接着された光学部材と、を備え、
前記光学部材は、前記第2基板における前記第1基板側の面に前記接着材を介して接着された底面と、前記底面から凹むよう形成され、前記半導体発光素子及び前記第1基板を収容するとともに前記半導体発光素子から発された光を入射する凹面とを有し、
前記半導体発光素子、前記第1基板及び前記第2基板の並び方向に平行な断面視において、前記凹面は、前記並び方向において前記第2基板から遠ざかる程、前記並び方向に直交する方向の内側に向かう部位を有し、
前記半導体発光素子、前記第1基板及び前記第2基板の並び方向に平行な断面視において、前記光学部材の側面の全体は、前記並び方向において前記第2基板から遠ざかる程、前記並び方向に直交する方向の外側に向かうよう形成されており、
前記光学部材における前記第2基板と反対側を向く光取出面は、平面状に形成されている、
発光装置。
【請求項2】
前記半導体発光素子、前記第1基板及び前記第2基板の並び方向に平行な断面視において、
前記半導体発光素子における、前記第2基板と反対側、かつ、前記並び方向に直交する直交方向の一方側である第1側の端部を第1側素子端部とし、
前記第1基板における、前記第2基板と反対側、かつ、前記直交方向の前記第1側の端部を第1側基板端部とし、
前記第1側素子端部及び前記第1側基板端部を結ぶ第1側仮想直線と、前記第2基板の前記第1基板側の面とが交差する点を第1側交点とし、
前記半導体発光素子における、前記第2基板と反対側、かつ、前記直交方向の前記第1側と反対側である第2側の端部を第2側素子端部とし、
前記第1基板における、前記第2基板と反対側、かつ、前記直交方向の前記第2側の端部を第2側基板端部とし、
前記第2側素子端部及び前記第2側基板端部を結ぶ第2側仮想直線と、前記第2基板の前記第1基板側の面とが交差する点を第2側交点としたとき、
前記接着材の少なくとも一部は、前記第2基板における前記第1基板側の面における前記第1側交点と前記第2側交点との間の領域に配されている、
請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記凹面は、前記第1基板の側面に沿うよう形成されている、
請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記接着材は、紫外線を吸収する紫外線吸収材を含有している、
請求項1又は2に記載の発光装置。
【請求項5】
紫外光を発光する半導体発光素子と、前記半導体発光素子を実装する第1基板と、前記第1基板を挟んで前記半導体発光素子と反対側に配されるとともに前記第1基板を実装する第2基板とを組み付ける工程と、
前記第2基板における前記第1基板側の面に、樹脂製の接着材を用いて光学部材を接着する工程と、備え、
前記光学部材は、前記第2基板における前記第1基板側の面に前記接着材を介して接着された底面と、前記底面から凹むよう形成され、前記半導体発光素子及び前記第1基板を収容するとともに前記半導体発光素子から発された光を入射する凹面とを有し、
前記半導体発光素子、前記第1基板及び前記第2基板の並び方向に平行な断面視において、前記凹面は、前記並び方向において前記第2基板から遠ざかる程、前記並び方向に直交する方向の内側に向かう部位を有し、
前記断面視において、前記光学部材の側面の全体は、前記並び方向において前記第2基板から遠ざかる程、前記並び方向に直交する方向の外側に向かうよう形成されており、
前記光学部材における前記第2基板と反対側を向く光取出面は、平面状に形成されている、
発光装置の製造方法。
【請求項6】
前記光学部材を前記第2基板における前記第1基板側の面に接着する工程においては、前記凹面内に前記半導体発光素子及び前記第1基板を嵌めることで、前記光学部材と前記半導体発光素子及び前記第1基板との位置決めが行われる、
請求項5に記載の発光装置の製造方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明は、前記の目的を達成するため、紫外光を発光する半導体発光素子と、前記半導体発光素子を実装する第1基板と、前記第1基板を挟んで前記半導体発光素子と反対側に配されるとともに前記第1基板を実装する第2基板と、前記第2基板における前記第1基板側の面に樹脂製の接着材を用いて接着された光学部材と、を備え、前記光学部材は、前記第2基板における前記第1基板側の面に前記接着材を介して接着された底面と、前記底面から凹むよう形成され、前記半導体発光素子及び前記第1基板を収容するとともに前記半導体発光素子から発された光を入射する凹面とを有し、前記半導体発光素子、前記第1基板及び前記第2基板の並び方向に平行な断面視において、前記凹面は、前記並び方向において前記第2基板から遠ざかる程、前記並び方向に直交する方向の内側に向かう部位を有し、前記半導体発光素子、前記第1基板及び前記第2基板の並び方向に平行な断面視において、前記光学部材の側面の全体は、前記並び方向において前記第2基板から遠ざかる程、前記並び方向に直交する方向の外側に向かうよう形成されており、前記光学部材における前記第2基板と反対側を向く光取出面は、平面状に形成されている、発光装置を提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また、本発明は、前記の目的を達成するため、紫外光を発光する半導体発光素子と、前記半導体発光素子を実装する第1基板と、前記第1基板を挟んで前記半導体発光素子と反対側に配されるとともに前記第1基板を実装する第2基板とを組み付ける工程と、前記第2基板における前記第1基板側の面に、樹脂製の接着材を用いて光学部材を接着する工程と、備え、前記光学部材は、前記第2基板における前記第1基板側の面に前記接着材を介して接着された底面と、前記底面から凹むよう形成され、前記半導体発光素子及び前記第1基板を収容するとともに前記半導体発光素子から発された光を入射する凹面とを有し、前記半導体発光素子、前記第1基板及び前記第2基板の並び方向に平行な断面視において、前記凹面は、前記並び方向において前記第2基板から遠ざかる程、前記並び方向に直交する方向の内側に向かう部位を有し、前記断面視において、前記光学部材の側面の全体は、前記並び方向において前記第2基板から遠ざかる程、前記並び方向に直交する方向の外側に向かうよう形成されており、前記光学部材における前記第2基板と反対側を向く光取出面は、平面状に形成されている、発光装置の製造方法を提供する。