(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031445
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】タッチパネル
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20240229BHJP
G06F 3/045 20060101ALI20240229BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20240229BHJP
H01H 36/00 20060101ALI20240229BHJP
H01H 13/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G06F3/041 550
G06F3/041 420
G06F3/045
G06F3/044 120
G06F3/044 110
H01H36/00 J
H01H13/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022134994
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】501398606
【氏名又は名称】FCLコンポーネント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087480
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 修平
(72)【発明者】
【氏名】牧内 祐仁
【テーマコード(参考)】
5G046
5G206
【Fターム(参考)】
5G046AA01
5G046AB02
5G046AC24
5G046AD02
5G046AE02
5G206AS10
5G206HU03
5G206KS07
5G206KU15
5G206KU36
(57)【要約】
【課題】小型化が可能なタッチパネルを提供する。
【解決手段】タッチパネルは、第1導電膜10の第1領域51と、間に空隙17aを挟み前記第1領域に積層された第2導電膜20aと、を備え、前記第1領域と前記第2導電膜とが接触した位置に対応する座標を検出する座標検出部50と、前記第1導電膜の前記第1領域と重ならない第2領域53と、前記第2導電膜と電気的に分離され前記第2領域に積層された第3導電膜20bと、を備えた静電容量式のスイッチ部52と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電膜の第1領域と、間に空隙を挟み前記第1領域に積層された第2導電膜と、を備え、前記第1領域と前記第2導電膜とが接触した位置に対応する座標を検出する座標検出部と、
前記第1導電膜の前記第1領域と重ならない第2領域と、前記第2導電膜と電気的に分離され前記第2領域に積層された第3導電膜と、を備えた静電容量式のスイッチ部と、
を備えるタッチパネル。
【請求項2】
前記第1導電膜に設けられた第1電極と、
前記第2導電膜に設けられた第2電極と、
前記第3導電膜に設けられた第3電極と、
前記第1導電膜と前記第2導電膜とが接触しているか否か判定し、
前記第1導電膜と前記第2導電膜とが接触していると判定したとき、前記第1電極と前記第2電極とを用い、前記座標を検出し、
前記第1導電膜と前記第2導電膜とが接触していないと判定したとき、前記第1電極と前記第3電極とを用い、前記スイッチ部のオンおよびオフを判定する、制御部を備える請求項1に記載のタッチパネル。
【請求項3】
前記第3導電膜は、空隙を挟み前記第2領域に積層され、
前記制御部は、
前記第1導電膜と前記第3導電膜とが接触しているか否か判定し、
前記第1導電膜と前記第3導電膜とが接触していると判定したとき、前記スイッチ部がオンと判定し、
前記第1導電膜と前記第3導電膜とが接触していないと判定したとき、前記第3電極を用いた静電容量式により前記スイッチ部のオンおよびオフを判定する請求項2に記載のタッチパネル。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第3電極を用いた前記スイッチ部のオンおよびオフの第1判定を行い、
前記第1電極と前記第3電極とを用いた前記スイッチ部のオンおよびオフの第2判定を行い、
前記第1判定の結果および前記第2判定の結果に基づき前記スイッチ部のオンおよびオフを判定する請求項2または3に記載のタッチパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルに関する。
【背景技術】
【0002】
抵抗膜式の座標検出部と静電容量式の座標検出部を有するタッチパネルが知られている。座標検出部とスイッチ部とを有するタッチパネルが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-177663号公報
【特許文献2】特開2013-186501号公報
【特許文献3】特開2017-126299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
静電容量方式は、フリック操作、または、複数の点における操作入力(マルチタッチ)等の操作性に優れるという利点があり、抵抗膜方式は、例えば手袋を嵌めている場合のように素手ではない状態で操作入力が可能という利点がある。特許文献1では、抵抗膜式の座標検出部の導電膜と静電容量式の座標検出部の導電膜とは独立に設けられている。このため、導電膜に設ける電極、電極に接続される配線の数が増え、タッチパネルが大型化する。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、小型化が可能なタッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、第1導電膜の第1領域と、間に空隙を挟み前記第1領域に積層された第2導電膜と、を備え、前記第1領域と前記第2導電膜とが接触した位置に対応する座標を検出する座標検出部と、前記第1導電膜の前記第1領域と重ならない第2領域と、前記第2導電膜と電気的に分離され前記第2領域に積層された第3導電膜と、を備えた静電容量式のスイッチ部と、を備えるタッチパネルである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、小型化が可能なタッチパネルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例1に係るタッチパネルの平面図である。
【
図2】実施例1に係るタッチパネルの平面図である。
【
図3】実施例1に係るタッチパネルの平面図である。
【
図4】実施例1に係るタッチパネルの平面図である。
【
図6】実施例1におけるタッチパネルの概念図である。
【
図7】実施例1における制御部のフローチャートである。
【
図8】実施例1における制御部のフローチャートである。
【
図9】実施例1の変形例1に係るタッチパネルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の実施例を説明する。
【実施例0010】
図1から
図4は、実施例1に係るタッチパネルの平面図である。
図5は、
図1から
図4のA-A断面図である。
図1は、タッチパネルを上方から見た平面図である。
図2は、基板14、導電膜10、電極12a、12b、配線13aおよび13bを示している。
図2では、導電膜10、電極12a、12b、配線13aおよび13bはクロスハッチングされている。
図3は、絶縁層16および絶縁層16の開口15aおよび15bを示している。
図3では、絶縁層16はクロスハッチングされている。
図4は、基板24、導電膜20a、20b、電極22a、22b、22c、配線23a、23bおよび23cを示している。
図4では、導電膜20a、20b、電極22a、22b、22cおよび配線23a、23b、23cはクロスハッチングされている。タッチパネルの上面25の法線方向をZ方向、座標検出部50の短辺の延伸する方向をX方向(第1方向)、長辺の延伸する方向をY方向(第1方向に交差する第2方向)とする。
【0011】
図1に示すように、タッチパネル100における基板24の上面25には座標検出部50およびスイッチ部52が設けられている。座標検出部50は、指等のユーザの一部が上面25に接触した箇所の座標を検出する。スイッチ部52は、指等のユーザの一部が上面25に接触したか否かを検出する。スイッチ部52は複数設けられていてもよい。
【0012】
図2および
図5に示すように、透明な基板14の上面(+Z側の面)に透明な導電膜10(第1導電膜)が設けられている。導電膜10のうち、
図1の座標検出部50およびスイッチ部52に相当する領域は領域51(第1領域)および領域53(第2領域)である。領域51と53とは重なっていない。導電膜10の上面に電極12aおよび12b(一対の第1電極)が設けられている。電極12aおよび12bは導電膜10に電気的に接触する。電極12aおよび12bに配線13aおよび13bがそれぞれ電気的に接続されている。配線13aおよび13bは端子等(不図示)に電気的に接続されている。電極12aは導電膜10の+X側の辺に沿ってY方向に延伸する。電極12bは導電膜10の-X側の辺に沿ってY方向に延伸する。電極12bは、X方向において領域51を挟み電極12aと対向する。電極12bは、領域51と53との間に設けられていてもよい。
【0013】
図3および
図5に示すように、導電膜10の+Z側に絶縁層16が設けられている。絶縁層16における、
図1の座標検出部50およびスイッチ部52に相当する箇所に開口15aおよび15bがそれぞれ設けられている。開口15aおよび15b内はそれぞれ空気等の気体が充満した空隙17aおよび17bである。
【0014】
図4および
図5のように、絶縁層16の+Z側に透明な基板24が設けられている。基板24の下面(-Z側の面)に透明な導電膜20a(第2導電膜)および20b(第3導電膜)が設けられている。導電膜20aは、導電膜10の領域51に空隙17aを挟み積層されている。導電膜20bは、導電膜10の領域53に空隙17bを挟み積層されている。導電膜20aと20bとは電気的に分離されている。導電膜20aの下面に電極22aおよび22b(一対の第2電極)が設けられている。電極22aおよび22bは導電膜20aに電気的に接触する。電極22aおよび22bに配線23aおよび23bがそれぞれ電気的に接続されている。配線23aおよび23bは端子等(不図示)に電気的に接続されている。電極22aは導電膜20aの-Y側の辺に沿ってX方向に延伸する。電極22bは導電膜20aの+Y側の辺に沿ってX方向に延伸する。これにより、電極22aと22bとはY方向において領域51を挟み対向する。導電膜20bの下面に電極22c(第3電極)が設けられている。電極22cは導電膜20bに電気的に接触する。電極22cに配線23cが電気的に接続されている。配線23cは端子等(不図示)に電気的に接続されている。電極22cは導電膜20bの-Y側の辺に沿って設けられている。
【0015】
基板14の下方(-Z方向)には例えばディスプレイ18が設けられている。ユーザがタッチパネル100を上方からみると、座標検出部50およびスイッチ部52では、ディスプレイ18の画像が視認できる。基板24および導電膜20aおよび20bと、電極22a、22b、22c、配線23a、23b、23cおよび絶縁層16と、の間における座標検出部50およびスイッチ部52以外の領域に加飾層が設けられていてもよい。加飾層は不透明であり、加飾層の上面には、文字、記号および模様等の装飾が施されている。加飾層が設けられることで、上方から電極22a、22b、22c、配線23a、23bおよび23c等が視認できなくなり、意匠性が向上する。
【0016】
電極12aおよび12bは領域51を挟み設けられていればよく、電極22aおよび22bは領域51を挟み設けられていればよい。例えば電極12aおよび12bはX方向に延伸し、電極22aおよび22bはY方向に延伸していてもよい。電極22cは導電膜20bに電気的に接続されていればよい。絶縁層16は、導電膜10、電極12a、12b、配線13aおよび13b上に設けられた絶縁層と、導電膜20a、20b、電極22a、22b、22c、配線23a、23bおよび23c下に設けられた絶縁層と、2つの絶縁層を接合する両面テープと、を備えていてもよい。
【0017】
基板14は、例えばガラス基板であり、透明であり剛性を有する。基板24は、例えばPET(Polyethylene terephthalate)等の樹脂膜であり透明であり可撓性を有する。導電膜10、20aおよび20bは例えばITO(Indium Tin Oxide)であり、透明であり導電性を有する。電極12a、12b、22a、22b、22c、配線13a、13b、23a、23bおよび23cは、例えば銀層、金層または銅層等の金属層であり、導電膜10、20aおよび20bより電気伝導率の高い材料からなる。絶縁層16は、例えば樹脂層である。
【0018】
基板24は可撓性を有するため、ユーザが座標検出部50内の基板24の上面25にタッチすると、導電膜10と20aとが接触する。ユーザがスイッチ部52をタッチすると、導電膜10と20bとが接触する。導電膜10と20bとが接触しない場合でも、導電膜10と20bとの間の静電容量が変化する。
【0019】
図6は、実施例1におけるタッチパネルの概念図である。
図6に示すように、タッチパネル装置102は、タッチパネル100、制御部30、検出部32、34、スイッチSW1、SW2、SW3、SW4およびSW5を備えている。制御部30、スイッチSW1、SW2、SW3、SW4およびSW5は、例えば
図5のディスプレイ18より-Z方向に設けられている。電極12a、12b、22a、22bおよび22cは、それぞれスイッチSW1、SW2、SW3、SW4およびSW5と接続されている。
【0020】
スイッチSW1は電極12aを電位VDDおよび検出部32のいずれか一方に接続する。スイッチSW2は電極12bをグランドおよび検出部34のいずれか一方に接続する。スイッチSW3は電極22aをグランドに接続する。スイッチSW4は電極22bを電位VDDおよび検出部32のいずれか一方に接続する。スイッチSW5は、電極22cを検出部34に接続する。制御部30は、スイッチSW1、SW2、SW3、SW4およびSW5を制御し、検出部32から検出した電圧値を取得し、検出部34からスイッチ部52のオン/オフに関する情報を取得する。制御部30は、検出部32が検出した電圧値に基づき、座標検出部50におけるユーザが基板24の上面25をタッチした位置(タッチ位置)のX座標およびY座標を検出する。制御部30は、検出部34が出力した情報(例えばパルス電圧の波形)に基づき、スイッチ部52のオンおよびオフを判定する。制御部30は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、ソフトウェアと協働し検出部として機能する。
【0021】
図7は、実施例1における制御部のフローチャートである。
図7に示すように、制御部30は導電膜10と20aとが接触しているか否かを判定する(S10)。例えば、制御部30は、スイッチSW1に電極12aを電位VDDに接続させ、スイッチSW2に電極12bを開放させ、スイッチSW3に電極22aを開放させ、スイッチSW4に電極22bを検出部32に接続させ、スイッチSW5に電極22cを開放させる。制御部30は、検出部32が電極22bの電位としてVDDを検出したとき導電膜10と20aとが接触していると判定し、検出部32が電極22bの電位としてVDDを検出しないとき導電膜10と20aとが接触していないと判定する。その後、制御部30は、スイッチSW1、SW2、SW3、SW4およびSW5を開放とする。
【0022】
Yesのとき、制御部30は、座標検出部50におけるユーザが上面25にタッチしたタッチ位置の座標の検出を行う(S20)。例えば、制御部30は、スイッチSW1に電極12aを電位VDDに接続させ、スイッチSW2に電極12bをグランドに接続させ、スイッチSW3に電極22aを開放させ、スイッチSW4に電極22bを検出部32に接続させ、スイッチSW5に電極22cを開放させる。制御部30は、検出部32が出力する電圧値に基づき、タッチ位置のX座標を検出する。その後、制御部30は、スイッチSW1に電極12aを検出部32に接続させ、スイッチSW2に電極12bを開放させ、スイッチSW3に電極22aをグランドに接続させ、スイッチSW4に電極22bを電位VDDに接続させ、スイッチSW5を開放させる。制御部30は、検出部32が出力する電圧値に基づき、タッチ位置のY座標を検出する。タッチ位置のY座標の検出をX座標の検出の前に行ってもよい。その後、制御部30は、スイッチSW1、SW2、SW3、SW4およびSW5を開放とする。その後、終了する。
【0023】
S10においてNoとき、制御部30は導電膜10と20bとが接触しているか否かを判定する(S12)。例えば、制御部30は、スイッチSW1に電極12aを電位VDDに接続させ、スイッチSW2に電極12bを開放させ、スイッチSW3に電極22aを開放させ、スイッチSW4に電極22bを開放させ、スイッチSW5に電極22cを検出部34に接続させる。制御部30は、検出部34が出力する電極22cの電圧値に基づき、スイッチ部52における導電膜10と20bとの接触を判定する。例えば、制御部30は、電極22cの電圧値がVDDのとき導電膜10と20bとは接触していると判定し、電極22cの電圧値がVDD以外のとき導電膜10と20bとは接触していないと判定する。
【0024】
Yesのとき、制御部30は、スイッチ部52がオン2と判定する(S22)。オン2は、スイッチ部52がユーザにより強く押し込まれたときのオンである。その後、制御部30は、スイッチSW1、SW2、SW3、SW4およびSW5を開放とする。その後、終了する。
【0025】
S12においてNoのとき、制御部30は、スイッチ部52の真偽(T/F:TRUE/FALSE)を、自己容量式を用い判定する(S14)。その後、制御部30は、スイッチ部52の真偽(T/F)を、相互容量式を用い判定する(S16)。制御部30は、S14における真偽判定の結果とS16における真偽判定の結果とに基づき、スイッチ部52がオン1か否かを判定する(S18)。オン1は、ユーザの指等がスイッチ部52の上面25に軽く触れたときまたは指等が上面25に近づいたときのオンである。スイッチ部52がオン1でないと判定された場合、スイッチ部52はオフである。S14とS16の順番は逆でもよい。その後終了し、ステップS10に戻る。
【0026】
図8は、実施例1における制御部のフローチャートであり、
図8のS14、S16およびS18の詳細を示すフローチャートである。
図8に示すように、S30、S32およびS34は
図7の自己容量式を用いた判定(S14)に相当し、S36、S38およびS40は
図7の相互容量式を用いた判定(S16)に相当し、S42、S44、S46、S48、S50、S52、S54およびS56は、
図7のオン1判定(S18)に相当する。
【0027】
制御部30は、スイッチSWを設定する(S30)。例えば、制御部30は、スイッチSW1に電極12aを開放させ、スイッチSW2に電極12bをグランドに接続させ、スイッチSW3に電極22aを開放させ、スイッチSW4に電極22bを開放させ、スイッチSW5に電極22cを検出部34に接続させる。電極12aをグランドに接続することで、導電膜10はシールドとして機能する。
【0028】
制御部30は、検出部34に電極22cに電圧を印加させる(S32)。例えば検出部34は、電極22cにパルス電圧を印加する。制御部30は、検出部34からパルス電圧の波形を取得する。例えば、ユーザの指等がスイッチ部52の上面25に触れるまたは近づくと、導電膜20bに付加される静電容量が変化する。静電容量が変化すると、パルス電圧の波形が変化する。
【0029】
制御部30は、パルス電圧の波形に基づき、判定Sを行う(S34)。例えば、制御部30は、ユーザの指等がスイッチ部52に触れるまたは近づいた真(T)であるか、ユーザの指等がスイッチ部52に触れていないおよび近づいていない偽(F)であるかを判定する。なお、制御部30および検出部34は、パルス電圧の波形以外に基づき、導電膜20bに付加される静電容量の変化を検出し、制御部30は、導電膜20bに付加される静電容量の変化に基づき、判定Sを行ってもよい。
【0030】
制御部30は、スイッチSWを設定する(S36)。例えば制御部30は、スイッチSW1に電極12aを開放させ、スイッチSW2に電極12bを検出部34に接続させ、スイッチSW3に電極22aを開放させ、スイッチSW4に電極22bを開放させ、スイッチSW5に電極22cを検出部34に接続させる。
【0031】
制御部30は、検出部34に電極12bに電圧を印加させる(S38)。例えば検出部34は、電極12bにパルス電圧を印加する。制御部30は、検出部34から電極22cにおけるパルス電圧の波形を取得する。電極12bを送信電極(または駆動電極)として用い、電極22cを受信電極として用いる。ユーザの指等がスイッチ部52の上面25に触れるまたは近づくと、導電膜20bと10との間の静電容量が変化する。導電膜20bと10との間の静電容量が変化すると、電極22cから取得されたパルス電圧の波形が変化する。
【0032】
制御部30は、パルス電圧の波形に基づき、判定Mを行う(S40)。例えば、制御部30は、電極22cにおけるパルス電圧の波形に基づき、ユーザの指等がスイッチ部52の上面25に触れるまたは近づいた真(T)であるか、ユーザの指等がスイッチ部52の上面25に触れていないおよび近づいていない偽(F)であるかを判定する。なお、制御部30および検出部34は、パルス電圧の波形以外に基づき、導電膜20bと10との間の静電容量の変化を検出し、制御部30は、導電膜20bと10との間の静電容量の変化に基づき、判定Mを行ってもよい。その後、制御部30は、スイッチSW1、SW2、SW3、SW4およびSW5を開放とする。
【0033】
制御部30は、S34における判定SがTかFかを判定する(S42)。Tのとき、制御部30は、S40における判定MがTかFかを判定する(S44)。Tのとき、制御部30は、TT(判定SはTであり判定MはT)と判定する(S48)。S44においてFのとき、制御部30は、TF(判定SはTであり判定MはF)と判定する(S50)。S42においてFのとき、制御部30は、S40における判定MがTかFかを判定する(S46)。Tのとき、制御部30は、FT(判定SはFであり判定MはT)と判定する(S52)。S46においてFのとき、制御部30は、FF(判定SはFであり判定MはF)と判定する(S54)。
【0034】
制御部30は、スイッチ部52がオン1か否かを判定する(S56)。例えば、制御部30は、TTのときスイッチ部52はオン1と判定し、FFのとき、スイッチ部52はオフと判定する。自己容量式では、スイッチ部52の上面25に水等の異物が付着していると、ユーザがスイッチ部52に触れていなくとも真と誤判定することがある。相互容量式では、ノイズによりユーザがスイッチ部52に触れていなくとも真と誤判定することがある。そこで、TFおよびFTの場合には、タッチパネル装置102が用いられる用途により、制御部30は、オン1と判定してもよく、オフと判定してもよい。例えば、水に濡れやすい環境ではTFをオフと判定しFTをオンと判定する。例えばノイズが多い環境ではTFをオンと判定しFTをオフと判定する。その後、終了する。
【0035】
実施例1によれば、タッチパネル100は、導電膜10の領域51と導電膜20aとを備え、導電膜10と20aとが接触した位置に対応する座標を検出する座標検出部50と、導電膜10の領域53と導電膜20bとを備えた静電容量式のスイッチ部52とを備えている。座標検出部50の導電膜10とスイッチ部52の導電膜10が共通であるため、導電膜に設ける電極、電極に接続される配線の数を減らすことができる。例えば、導電膜10に設けられた電極12aおよび12bの少なくも一方の電極(例えば電極12b)を、座標検出部50とスイッチ部52との共用とすることができる。これにより、タッチパネル100を小型化できる。
【0036】
図7および
図8のように、制御部30は、導電膜10と20aとが接触しているか否か判定し(S10)、導電膜10と20aとが接触していると判定したとき、電極12aおよび12bと電極22aおよび22bとを用い、座標を検出する(S20)。制御部30は、導電膜10と20aとが接触していないとき、電極12bと電極22cを用い、スイッチ部52のオンおよびオフを判定する(S18,S22)。これにより、電極12bを座標検出部50とスイッチ部52との共用とすることができる。
【0037】
制御部30は、導電膜10と20bとが接触しているか否か判定し(S12)、導電膜10と20bとが接触していると判定したとき、スイッチ部52がオン2と判定する(S22)。制御部30は、導電膜10と20bとが接触していないと判定したとき、電極12bと22cとを用いた静電容量式によりスイッチ部52のオンおよびオフを判定する(S18)。これにより、ユーザがスイッチ部52を強く押し込んだ場合、制御部30は、スイッチ部52をオン2と判定し、ユーザがスイッチ部52に軽く触れた場合または近づいた場合、制御部30はスイッチ部52をオン1と判定する。よって、スイッチ部52に複数の入力を割り当てることができる。
【0038】
導電膜10と20bとが接触していないとき、S14のように、制御部30は、電極22cを用いた自己容量式を用いスイッチ部52のオンおよびオフを判定する。また、S16のように、制御部30は、電極12bと22cとを用いた相互容量式を用いスイッチ部52のオンおよびオフを判定する。これにより、制御部30はスイッチ部52をオン/オフを判定できる。S14とS16はいずれか一方のみを行い、他方を行わなくてもよい。
【0039】
制御部30は、自己容量式を用いスイッチ部52のオンおよびオフの判定S(第1判定)を行い(S14)、相互容量式を用いスイッチ部52のオンおよびオフの判定M(第2判定)を行う(S16)。制御部30は、判定Sの結果および判定Mの結果に基づきスイッチ部52のオンおよびオフを判定する(S18)。これにより、スイッチ部52のオン1の判定を精度よく行うことができる。
【0040】
[実施例1の変形例1]
図9は、実施例1の変形例1に係るタッチパネルの断面図である。
図9に示すように、実施例1の変形例1に係るタッチパネル104では、スイッチ部52における絶縁層16に開口15bが設けられていない。
図7において、制御部30は、S12およびS22を行わない。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。実施例1の変形例1のように、スイッチ部52のオン2の判定は行わなくてもよい。
【0041】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。