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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031462
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】決済装置及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240229BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240229BHJP
   G07F 9/00 20060101ALI20240229BHJP
   G06Q 30/06 20230101ALI20240229BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G07G1/12 331H
G07G1/00 311Z
G07F9/00 110A
G06Q30/06
G07G1/00 331Z
G07G1/01 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135024
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】杉山 秀明
【テーマコード(参考)】
3E044
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E044AA07
3E044BA01
3E044BA02
3E044BA05
3E044CA10
3E044DD04
3E044EA01
3E044EA02
3E044EB02
3E142BA01
3E142CA12
3E142CA20
3E142DA04
3E142DA08
3E142EA04
3E142FA03
3E142FA08
3E142GA02
3E142GA41
3E142JA01
3E142KA05
3E142KA08
5L049BB21
(57)【要約】
【課題】無人店舗システムに不具合があっても客がセルフで操作してスムーズに決済できるようにする。
【解決手段】決済装置は、取得手段と、表示制御手段と、修正受付手段と、第1決済手段と、第2決済手段とを備える。取得手段は、決済者が商品販売エリアで入手した商品の情報を外部システムから取得する。表示制御手段は、取得手段により取得した商品の情報を表示デバイスに表示させる。修正受付手段は、商品の情報に対する修正指示を受け付ける。第1決済手段は、修正指示を受け付けていない場合に、取得手段により取得した商品の情報に基づいて決済する。第2決済手段は、修正指示を受け付けた場合に、取得手段により取得した商品の情報を破棄し、入力デバイスを介して取得した商品の情報に基づいて決済する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済者が商品販売エリアで入手した商品の情報を外部システムから取得する取得手段と、
前記取得手段により取得した前記商品の情報を表示デバイスに表示させる表示制御手段と、
前記商品の情報に対する修正指示を受け付ける修正受付手段と、
前記修正指示を受け付けていない場合に、前記取得手段により取得した前記商品の情報に基づいて決済する第1決済手段と、
前記修正指示を受け付けた場合に、前記取得手段により取得した前記商品の情報を破棄し、入力デバイスを介して取得した商品の情報に基づいて決済する第2決済手段と、
を具備する決済装置。
【請求項2】
前記第1決済手段又は前記第2決済手段による決済の終了に応じて、前記外部システムに前記取得手段で取得した前記商品の情報の削除を通知する第1通知手段、
をさらに具備する請求項1記載の決済装置。
【請求項3】
前記取得手段による前記商品の情報の取得に失敗すると、係員を呼び出すための信号を出力する呼出手段、
をさらに具備する請求項1記載の決済装置。
【請求項4】
決済装置が設けられた決済エリアに前記決済者が入場すると、前記商品販売エリアから前記決済エリアへの入場口を閉塞し、前記第1決済手段又は前記第2決済手段による決済の終了に応じて前記入場口を開放する開閉手段、
をさらに具備する請求項1乃至3のうちいずれか一記載の決済装置。
【請求項5】
前記取得手段により取得した前記商品の情報に基づく決済の中止指示を受け付ける中止受付手段と、
前記中止指示を受け付けると、前記外部システムに前記取得手段で取得した前記商品の情報の削除を通知する第2通知手段と、
をさらに具備し、
前記開閉手段は、前記外部システムから前記商品の情報の削除が許容されたことを示す応答を受信したことを条件に前記入場口を開放する、請求項4記載の決済装置。
【請求項6】
外部システムとのインターフェースと、表示デバイスと、入力デバイスと、を備えた決済装置のコンピュータを、
決済者が商品販売エリアで入手した商品の情報を、前記インターフェースを介して前記外部システムから取得する取得手段、
前記取得手段により取得した前記商品の情報を前記表示デバイスに表示させる表示制御手段、
前記商品の情報に対する修正指示を受け付ける修正受付手段、
前記修正指示を受け付けていない場合に、前記取得手段により取得した前記商品の情報に基づいて決済する第1決済手段、及び、
前記修正指示を受け付けた場合に、前記取得手段により取得した前記商品の情報を破棄し、入力デバイスを介して取得した商品の情報に基づいて決済する第2決済手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、決済装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品販売エリアで客が入手した商品を当該客と関連付けてリアルタイムに認識し、客が決済エリアに入ると、その客と関連付けられた商品の情報を決済装置の表示デバイスに表示させて決済するようにした無人店舗システムが開発され、駅の売店等として既に実用化されている。このような無人店舗システムにおいては、システムに不具合があっても客がセルフで操作してスムーズに決済できる決済装置が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-108208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、無人店舗システムに不具合があっても客がセルフで操作してスムーズに決済できる決済装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態において、決済装置は、取得手段と、表示制御手段と、修正受付手段と、第1決済手段と、第2決済手段とを備える。取得手段は、決済者が商品販売エリアで入手した商品の情報を外部システムから取得する。表示制御手段は、取得手段により取得した商品の情報を表示デバイスに表示させる。修正受付手段は、商品の情報に対する修正指示を受け付ける。第1決済手段は、修正指示を受け付けていない場合に、取得手段により取得した商品の情報に基づいて決済する。第2決済手段は、修正指示を受け付けた場合に、取得手段により取得した商品の情報を破棄し、入力デバイスを介して取得した商品の情報に基づいて決済する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、無人店舗システムが構築された店舗1の概略構成を示す模式図である。
図2図2は、取引ファイルに保存される主要なデータを示す模式図である。
図3図3は、決済端末の要部回路構成を示すブロック図である。
図4図4は、決済端末のプロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図5図5は、決済端末のプロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図6図6は、決済端末のプロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図7図7は、決済端末のプロセッサが実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。
図8図8は、初期画面に表示される画像の一例を示す模式図である。
図9図9は、会員確認画面に表示される画像の一例を示す模式図である。
図10図10は、買物袋選択画面に表示される画像の一例を示す模式図である。
図11図11は、明細画面に表示される画像の一例を示す模式図である。
図12図12は、支払い選択画面に表示される画像の一例を示す模式図である。
図13図13は、決済終了画面に表示される画像の一例を示す模式図である。
図14図14は、支払い中止画面に表示される画像の一例を示す模式図である。
図15図15は、確認画面に表示される画像の一例を示す模式図である。
図16図16は、呼出し中画面に表示される画像の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、無人店舗システムに不具合があっても客がセルフで操作によりスムーズに決済できる決済装置の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0008】
[無人店舗システムの構成説明]
図1は、無人店舗システムが構築された店舗1の概略構成を示す模式図である。店舗1は、商品販売エリア2と、決済エリア3と、店員エリア4と、を含む。商品販売エリア2は、複数品目の商品が品目毎に陳列される商品棚が設置されたエリアである。決済エリア3は、商品販売エリア2で商品を入手した客が決済を行うエリアである。店員エリア4は、係員である店員が商品の補充、システム障害の対応等を行うために待機しているエリアである。
【0009】
商品販売エリア2には、客が出入り可能な出入口5が設けられている。決済エリア3には、決済を終えた客が店外に退出するための出口6が設けられている。商品販売エリア2と決済エリア3とは、仕切りによって仕切られている。仕切りには入場口7が形成されている。入場口7には、ゲート70が設けられている。
【0010】
出入口5から商品販売エリア2に入った客は、商品棚に陳列されている商品の中から購入する商品を手に取る。商品は手で持ってもよいし、バッグ等に収容してもよい。商品を入手した客は、入場口7から決済エリア3へと入る。客は、決済エリア3に入ることで決済者となる。決済者となった客は、入手した商品の決済をセルフで行う。決済を終えた客は、出口6から店舗1の外に出る。
【0011】
このような店舗1の商品販売エリア2には、動線追跡システム21、行動検出システム22、商品識別システム23、ファイルシステム24、及びゲートシステム25が構成されている。決済エリア3には、客のセルフ操作に対応した決済装置として、決済端末30が設置されている。店員エリア4には、店員端末40が設置されている。
【0012】
店員端末40は、決済端末30からの呼出指令に対して報知動作を行う端末である。報知動作は、音、音声又は表示等によるものである。店員端末40は、店員が携帯していてもよい。店員端末40を店員が携帯する場合、呼出があった際に店員が速やかに対応できるのであれば、店員エリア4は、商品販売エリア2及び決済エリア3とは離れた場所にあってもよい。
【0013】
動線追跡システム21は、出入口5から商品販売エリア2に入った客の動線を追跡するシステムである。動線追跡システム21は、例えば商品販売エリア2の天井等に取り付けられた多数のビデオカメラで撮影されるフレーム画像を時系列に処理することにより、客の動線を追跡する。
【0014】
行動検出システム22は、陳列棚の前に立つ客の行動を検出するシステムである。行動検出システム22は、例えば商品棚の前に立つ客を撮影する三次元カメラの3D画像を解析することにより人の骨格を推定し、骨格の推定によって得られた手の動きから、客が商品棚から商品を手に取るという行動を検出する。
【0015】
商品識別システム23は、商品棚に設けられた重量センサ、赤外線センサ等のセンサの信号を分析して、商品棚から取り出された商品を識別する。このような動線追跡システム21、行動検出システム22及び商品識別システム23は、既存の無人店舗システムで利用されている周知のシステムであるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0016】
ファイルシステム24は、商品販売エリア2に入った客毎に作成される取引ファイル240(図2を参照)を管理するシステムである。ファイルシステム24は、同時に複数名の客の取引ファイル240を管理することができる。
【0017】
図2は、取引ファイル240に保存される主要なデータを示す模式図である。図示するように取引ファイル240には、客ID、入店日時、購入商品点数n、点数n分の商品販売データ、合計金額、決済フラグ、削除フラグ等が保存される。
【0018】
客IDは、出入口5から商品販売エリア2に入店した客を認識した動線追跡システム21により、その客に対して設定された一意のコードである。動線追跡システム21は、客IDを設定し得た客の商品販売エリア2内における動線を追跡する。入店日時は、商品販売エリア2に入店した客が動線追跡システム21によって認識された日時である。
【0019】
購入商品点数nは、客IDによって特定される客が商品棚から入手したと推定される商品の点数である。客がどの商品を入手したかという情報は、行動検出システム22と商品識別システム23とによって決定される。商品販売データは、その入手したと推定される商品の情報である。情報は、商品コード、商品名、単価、販売点数、値割引額、販売金額等を含む。商品コード、商品名及び単価は、予め商品マスタファイルに設定されている情報である。販売点数は、商品コードで識別される商品を入手した数である。値割引額は、商品コードで識別される商品に対して値引額又は割引率が設定されていた場合にその値引額又は割引率から導出される金額である。販売金額は、単価に販売点数を乗算した金額から値割引額を減じた金額である。合計金額は、購入商品点数n分の商品販売データの販売金額を合算した金額である。なお、本実施形態では、商品に課せられる税が内税であることを想定している。
【0020】
決済フラグは、客IDによって特定される客が決済者であるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、決済者でないときの決済フラグの値を“0”とし、決済者であるときの決済フラグの値を“1”とする。動線追跡システム21によって追跡される動線により、客が入場口7を通って商品販売エリア2から決済エリア3に入ったか否かを特定することは可能である。客が決済エリア3に入ったことが特定されると、その客は決済者となる。そして、その客IDを保存した取引ファイル240の決済フラグが“0”から“1”へと変化する。
【0021】
削除フラグは、取引ファイル240が削除状態にあるか否かを識別するための1ビットデータである。本実施形態では、削除状態にないときの削除フラグの値を“0”とし、削除状態にあるときの削除フラグの値を“1”とする。客IDで識別される客の決済が終了するまでは、取引ファイル240を保存しておく必要がある。決済が終了すると、取引ファイル240を保存しておく必要はない。その結果、削除フラグは“0”から“1”へと変化する。このような決済フラグ及び削除フラグの値の変化は、ファイルシステム24によって制御される。
【0022】
ゲートシステム25は、入場口7に設けられたゲート70の開放と閉塞とを制御するシステムである。ゲートシステム25によってゲート70が開放されている間、客は、入場口7を通って決済エリア3に進入することができる。しかし、ゲート70が閉塞されると、客は決済エリア3に進入することはできない。また、決済エリア3に居る客が入場口7を通って商品販売エリア2へと戻ることもできない。
【0023】
[決済端末の構成]
図3は、決済端末30の要部回路構成を示すブロック図である。決済端末30は、プロセッサ31、メインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34、通信インターフェース35、釣銭機インターフェース36、複数のデバイスインターフェース371~374、及びシステム伝送路38を備える。システム伝送路38は、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む。決済端末30は、プロセッサ31とメインメモリ32、補助記憶デバイス33、時計34、通信インターフェース35、釣銭機インターフェース36及び複数のデバイスインターフェース371~374とをシステム伝送路38で接続することにより、コンピュータを構成する。そして決済端末30は、各デバイスインターフェース371~374に、それぞれタッチパネル391、スキャナ392、カードリーダ393及びプリンタ394の各種デバイスを接続する。
【0024】
プロセッサ31は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ31は、オペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムに従って、決済端末30としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。プロセッサ31は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。
【0025】
メインメモリ32は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ32は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はアプリケーションプログラムを記憶する。メインメモリ32は、プロセッサ31が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性又は揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ32は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ31によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。不揮発性のメモリ領域は、例えばROM(Read Only Memory)である。揮発性のメモリ領域は、例えばRAM(Random Access Memory)である。
【0026】
補助記憶デバイス33は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等が補助記憶デバイス33となり得る。補助記憶デバイス33は、プロセッサ31が各種の処理を行う上で使用するデータ、又は、プロセッサ31での処理によって作成されたデータ等を保存する。補助記憶デバイス33は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
【0027】
時計34は、日付と時刻を計時する。プロセッサ31は、時計34によって計時されている日付と時刻を現在日時として処理する。
【0028】
通信インターフェース35は、通信ネットワークを介して外部のコンピュータシステムとデータ通信を行うための回路である。外部のコンピュータシステムには、前述したファイルシステム24とゲートシステム25とが含まれる。
【0029】
釣銭機インターフェース36は、自動釣銭機300との間でデータ通信を行うための回路である。自動釣銭機300は、投入口から投入された紙幣又は硬貨の枚数を金種別に計数して投入金額を求め、投入金額データを決済端末30へと出力する機能と、決済端末30から受信した釣銭データを基に、釣銭相当の紙幣又は硬貨を払出口から払い出す機能とを有する。すなわち釣銭機インターフェース36は、自動釣銭機300から投入金額データを受信する機能と、自動釣銭機300に釣銭データを送信する機能とを有する。
【0030】
デバイスインターフェース371は、タッチパネル391との間でデータ通信を行うための回路である。タッチパネル391は、ディスプレイに文字、記号、画像等からなる表示要素を表示可能な表示デバイスである。またタッチパネル391は、ディスプレイに対するタッチ操作位置をセンサで検知し、その位置の表示要素が入力されたものとして処理する入力デバイスでもある。
【0031】
デバイスインターフェース372は、スキャナ392との間でデータ通信を行うための回路である。スキャナ392は、バーコード、二次元コード等の機械可読コードを光で走査して読み取る光学式の入力デバイスである。スキャナ392は、カメラで撮影した画像から機械可読コードを読み取る撮像式の入力デバイスであってもよい。スキャナ392は、商品等に付された機械可読コードだけでなく、スマートフォン等の端末のディスプレイに表示された機械可読コードを読み取ることもできる。
【0032】
デバイスインターフェース373は、カードリーダ393との間でデータ通信を行うための回路である。カードリーダ393は、例えばクレジットカード、電子マネーカード、会員カード等のカード媒体からデータを読み取り、読み取ったカードデータを処理する入力デバイスである。カードリーダ393は、磁気カードに対応した磁気カードリーダであってもよいし、ICカードに対応したICカードリーダであってもよい。また、磁気カードリーダとICカードリーダとが併用されていてもよい。ICカードリーダは、非接触式のICカードリーダであってもよいし、接触式のICカードリーダであってもよい。また、カードリーダは、データの書込み機能を備えたカードリーダ・ライタであってもよい。
【0033】
デバイスインターフェース374は、プリンタ394との間でデータ通信を行うための回路である。プリンタ394は、取引の決済に係るデータを紙媒体に印刷して、レシートを発行する印刷デバイスである。なお、レシートは、紙レシートでなく電子レシートとして客に発行されてもよい。
【0034】
かかる構成の決済端末30は、無人店舗システムに不具合があっても客がセルフで操作によりスムーズに決済できる決済装置として動作するために、プロセッサ31が、取得手段310、表示制御手段311、修正受付手段312、第1決済手段313、第2決済手段314、第1通知手段315、呼出手段316、開閉手段317、中止受付手段318及び第2通知手段319としての機能を有している。
【0035】
取得手段310は、決済者が商品販売エリア2で入手した商品の情報を外部のコンピュータシステムから取得する機能である。外部のコンピュータシステムは、具体的にはファイルシステム24である。すなわち取得手段310は、決済者を特定する客IDが設定された取引ファイル240のデータをファイルシステム24から取得する。
【0036】
表示制御手段311は、取得手段310により取得した商品の情報を表示デバイスに表示させる機能である。表示デバイスは、具体的にはタッチパネル391である。すなわち表示制御手段311は、取得手段310により取得した取引ファイル240に保存されている購入商品点数、合計金額、及び、1乃至複数の商品販売データの商品名、単価、販売点数、値割引額、販売金額等の情報をタッチパネル391に表示させる。
【0037】
修正受付手段312は、商品の情報に対する修正指示を受け付ける機能である。修正指示は、例えばタッチパネル391に表示されている任意の表示要素に対するタッチ操作によって発生する。すなわち修正受付手段312は、任意の表示要素に対するタッチ操作を検知すると、その操作を商品の情報に対する修正指示として受け付ける。
【0038】
第1決済手段313は、修正指示を受け付けていない場合に、取得手段310により取得した商品の情報に基づいて決済する機能である。第2決済手段314は、修正指示を受け付けた場合に、取得手段310により取得した商品の情報を破棄し、入力デバイスを介して取得した商品の情報に基づいて決済する機能である。入力デバイスは、具体的にはスキャナ392である。入力デバイスは、タッチパネル391であってもよい。入力デバイスは、スキャナ392とタッチパネル391とが併用されてもよい。
【0039】
第1通知手段315は、第1決済手段313又は第2決済手段314による決済の終了に応じて、外部のコンピュータシステム、つまりはファイルシステム24に取得手段310で取得した商品の情報の削除を通知する機能である。この通知を受けて、ファイルシステム24は、該当する取引ファイル240を削除する。具体的にはファイルシステム24は、該当する取引ファイル240の削除フラグの値を“0”から“1”に変更する。
【0040】
呼出手段316は、取得手段310による商品の情報の取得に失敗すると、係員を呼び出すための信号を出力する機能である。信号の出力先は、店員端末40である。店員端末40は、この信号を受けて、係員を呼び出すための報知動作を行う。報知動作は、前述したとおりである。
【0041】
開閉手段317は、決済エリア3に決済者が入場すると、商品販売エリア2から決済エリア3への入場口7を閉塞し、第1決済手段313又は第2決済手段314による決済の終了に応じて入場口7を開放する機能である。開閉手段317は、ゲートシステム25と連動する。具体的には開閉手段317は、決済エリア3に決済者が入場すると、入場口7に設けたゲート70を閉塞するための信号をゲートシステム25に出力する。この信号を受けて、ゲートシステム25は、ゲート70を閉塞する。その後、その決済者による決済が終了すると、開閉手段317は、ゲート70を開放するための信号をゲートシステム25に出力する。この信号を受けて、ゲートシステム25は、ゲート70を開放する。
【0042】
中止受付手段318は、取得手段310により取得した商品の情報に基づく決済の中止指示を受け付ける機能である。中止指示は、例えばタッチパネル391に表示されている任意の表示要素に対するタッチ操作によって発生する。すなわち中止受付手段318は、任意の表示要素に対するタッチ操作を検知すると、その操作を決済の中止指示として受け付ける。
【0043】
第2通知手段319は、中止指示を受け付けると、外部のコンピュータシステム、つまりはファイルシステム24に取得手段310で取得した商品の情報の削除を通知する。この場合も、ファイルシステム24は、該当する取引ファイル240の削除フラグの値を“0”から“1”に変更する。
【0044】
取得手段310、表示制御手段311、修正受付手段312、第1決済手段313、第2決済手段314、第1通知手段315、呼出手段316、開閉手段317、中止受付手段318及び第2通知手段319としての機能は、プロセッサ31が決済プログラムに従って実行する情報処理によって実現される。決済プログラムは、補助記憶デバイス33にインストールされている。決済プログラムは、メインメモリ32にインストールされてもよい。決済プログラムをメインメモリ32又は補助記憶デバイス33にインストールする方法は特に限定されない。リムーバブルな記録媒体に決済プログラムを記録して、あるいはネットワークを介した通信により決済プログラムを配信して、決済プログラムをメインメモリ32又は補助記憶デバイス33にインストールすることができる。記録媒体は、SDメモリカード、USBメモリ等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。
【0045】
[無人店舗システムの動作説明]
図4乃至図7は、決済端末30のプロセッサ31が決済プログラムに従って実行する情報処理の要部手順を示す流れ図である。また、図8乃至図16は、この情報処理に応じて決済端末30のタッチパネル391に表示される画像の一例である。以下、各図を用いて、決済端末30を含む無人店舗システムの主要な動作を説明する。なお、以下に説明する情報処理の手順及び内容は一例である。同様な作用効果を奏し得るのであれば、その手順及び内容は適宜変更することができる。また、図8乃至図16に示される画像も一例である。表示要素の数、レイアウト、テキスト等は適宜変更することができる。
【0046】
はじめに、客が出入口5から商品販売エリア2に入ると、動線追跡システム21の作用により、その客に対して固有の客IDが設定される。そして、その客IDを含む取引ファイル240がファイルシステム24の作用により形成される。このとき、取引ファイル240に保存される決済フラグと削除フラグの値はいずれも“0”である。
【0047】
客が商品販売エリア2内を移動すると、動線追跡システム21の作用によりその客の動線が追跡される。そして、客が商品棚から購入する商品を入手すると、行動検出システム22と商品識別システム23の作用によりその商品が特定され、商品販売データが当該客の客IDを含む取引ファイル240に保存される。また、取引ファイル240の購入商品点数nが1点ずつ加算され、合計金額が算出される。
【0048】
購入する商品を入手し終えた客は、開放されているゲート70を通って入場口7から決済エリア3に入る。なお、ゲート70が閉塞されている場合には、客は、ゲート70が開放されるのを待って決済エリア3に入る。客が入場口7から決済エリア3に入ったことが動線追跡システム21により検知されると、当該客の客IDが保存された取引ファイル240の決済フラグの値が“0”から“1”に変更される。かくして、決済エリア3に入った客は、決済者となる。決済エリア3に入った客は、決済端末30をセルフで操作して、入手した商品の決済を行う。
【0049】
決済端末30のプロセッサ31は、図4に示すように、ACT1としてタッチパネル391に初期画面SCa(図8を参照)の画像を表示させる。そしてプロセッサ31は、ACT2としてスタート操作を待ち受けている。
【0050】
図8は、初期画面SCaに表示される画像の一例を示す模式図である。図示するように初期画面SCaには、「スタート」なるテキストが表示された第1ボタンBTaと、「商品を購入しない お店を出る」なるテキストが表示された第2ボタンBTbの画像が配置されている。第1ボタンBTa及び第2ボタンBTbは、いずれもタッチ操作することで入力されるソフトウェアキーである。なお、後述する第3ボタンBTc乃至第19ボタンBTuも、同様のソフトウェアキーである。すなわちプロセッサ31は、ACT2において第1ボタンBTaが入力されるのを待ち受けている。
【0051】
初期画面SCaを確認した客は、「スタート」なるテキストが表示された第1ボタンBTaをタッチ操作する。タッチ操作により第1ボタンBTaが入力されると、プロセッサ31は、スタート操作を受け付ける。プロセッサ31は、ACT2からACT3へと進む。
【0052】
プロセッサ31は、ACT3として、開閉手段317としての機能により、ゲート70の閉塞を指示する信号をゲートシステム25に出力する。この信号を受けたゲートシステム25は、ゲート70を閉塞する。このように、決済エリア3に入った客が決済端末30の操作を開始すると、ゲート70が閉塞される。したがって、決済エリア3に他の客が入ってくるのを阻止することができる。
【0053】
またプロセッサ31は、ACT4として、取得手段310としての機能により、客が入手した商品の商品販売データを含む取引ファイル240を要求するための信号をファイルシステム24に出力する。この信号を受けたファイルシステム24は、決済フラグの値が“1”であり、削除フラグの値が“0”の取引ファイル240を選択し、決済端末30に転送する。原則、このような取引ファイル240は、決済エリア3に入った客の客IDを含む取引ファイル240しか存在しない。
【0054】
ファイルシステム24に上記の信号を出力したプロセッサ31は、ACT5としてタッチパネル391に問合せ中画面の画像を表示させる。この画像は、例えば「取引内容を問合せ中です」なるテキストを含む画像である。プロセッサ31は、ACT6として所定時間内に取引ファイル240を受信したか否かを確認する。所定時間内に取引ファイル240を受信すると、プロセッサ31は、ACT6からACT7へと進む。しかし、例えばファイルシステム24と決済端末30との間の通信に不具合があり、所定時間内に取引ファイル240を受信できなかった場合には、プロセッサ31は、ACT6からACT14へと進む。ACT14以降の処理については後述する。
【0055】
取引ファイル240を受信したプロセッサ31は、ACT7としてタッチパネル391に会員確認画面SCb(図9を参照)の画像を表示させる。
【0056】
図9は、会員確認画面SCbに表示される画像の一例を示す模式図である。図示するように会員確認画面SCbには、「会員カードをお持ちのお客様」なるテキストが表示された第3ボタンBTcと、「会員カードをお持ちでないお客様」なるテキストが表示された第4ボタンBTdの画像が配置される。会員確認画面SCbを確認した客は、店舗1の会員である場合には第3ボタンBTcをタッチ操作し、非会員である場合には第4ボタンBTdをタッチ操作する。また、第3ボタンBTcをタッチ操作した客、すなわち会員である客は、会員コードを決済端末30に入力するための操作を行う。例えば会員コードを記録した会員カードを所持している客は、その会員カードのデータをカードリーダ393によって読み取らせる。会員専用のアプリケーションソフトウェアをスマートフォンにインストールしている客は、スマートフォンに表示された会員コードを表すバーコード又は二次元コードをスキャナ392でスキャニングする。
【0057】
会員確認画面SCbの画像を表示させたプロセッサ31は、ACT8として第3ボタンBTc又は第4ボタンBTdが入力されるのを待ち受ける。第3ボタンBTcが入力されると、プロセッサ31は、ACT8からACT9へと進む。プロセッサ31は、ACT9として会員コードを取得する。すなわち、会員カードのデータがカードリーダ393によって読み取られた場合には、プロセッサ31は、そのデータから会員コードを取得する。会員コードを表すバーコード又は二次元コードがスキャナ392でスキャニングされた場合には、プロセッサ31は、そのバーコード又は二次元コードから会員コードを取得する。
【0058】
一方、ACT8において第4ボタンBTdがタッチ操作された場合には、プロセッサ31は、ACT9の処理をスキップする。ACT9の処理を実行するかスキップすると、プロセッサ31は、ACT10へと進む。プロセッサ31は、ACT10としてタッチパネル391に買物袋選択画面SCc(図10を参照)の画像を表示させる。
【0059】
図10は、買物袋選択画面SCcに表示される画像の一例を示す模式図である。図示するように買物袋選択画面SCcには、買物袋のサイズ別に、「-」なる記号が表示された第5ボタンBTeと、「+」なる記号が表示された第6ボタンBTfの画像が配置されている。また買物袋選択画面SCcには、「確定」なるテキストが表示された第7ボタンBTgと、「購入しない」なるテキストが表示された第8ボタンBThの画像も配置されている。なお、図10では、買物袋のサイズを「Sサイズ」、「Mサイズ」、「Lサイズ」の3種類としたが、サイズは2種類又は4種類以上であってもよい。あるいは、買物袋のサイズは1種類のみであってもよい。買物袋選択画面SCcを確認した客は、買物袋が必要か否かを判断する。買物袋が不要な客は、第8ボタンBThをタッチ操作する。買物袋が必要な客は、第5ボタンBTe又は第6ボタンBTfを操作して所望のサイズの購入枚数を設定した後、第7ボタンBTgをタッチ操作する。
【0060】
買物袋選択画面SCcの画像を表示させたプロセッサ31は、ACT11として第7ボタンBTg又は第8ボタンBThが入力されるのを待ち受ける。第7ボタンBTgが入力されると、プロセッサ31は、ACT11からACT12へと進む。プロセッサ31は、ACT12として買物袋の商品販売データを取引ファイル240に追加する。例えば客が「Sサイズ」の買物袋の購入枚数を「1」として第7ボタンBTgをタッチ操作した場合、プロセッサ31は、「Sサイズ」の買物袋の商品コード及び商品名と、単価3円と、販売点数1点と、値割引額0円と、販売金額3円の商品販売データを取引ファイル240に追加する。また、購入商品点数nを1点加算し、合計金額を3円増額する。
【0061】
一方、ACT11においてタッチ操作により第8ボタンBThが入力された場合には、プロセッサ31は、ACT12の処理をスキップする。ACT12の処理を実行するかスキップすると、プロセッサ31は、ACT13へと進む。プロセッサ31は、ACT13として、表示制御手段311としての機能により、タッチパネル391に明細画面SCd(図11を参照)の画像を表示させる。
【0062】
図11は、明細画面SCdに表示される画像の一例を示す模式図である。図示するように明細画面SCdには、購入商品リストTAaの画像が配置されている。また明細画面SCdには、「会計」なるテキストが表示された第9ボタンBTiと、「修正」なるテキストが表示された第10ボタンBTjと、「中止」なるテキストが表示された第11ボタンBTkの画像が配置されている。
【0063】
購入商品リストTAaは、取引ファイル240に含まれる購入商品点数nと、その点数n分の商品販売データと、合計金額と、に基づいて作成される。因みに、図10に示す購入商品リストTAaは、単価が3円のSサイズの買物袋と、単価100円の商品AAAと、単価200円で値割引額が10円の商品BBBとをそれぞれ1点ずつ購入した客に対するリストである。明細画面SCdを確認した客は、購入商品リストTAaの内容が正しいか否かを判断する。正しい場合、客は、第9ボタンBTiをタッチ操作する。
【0064】
ところが、例えば客が商品棚から商品を入手した際に、商品識別システム23の不具合により別の商品の商品販売データが取引ファイル240に保存される場合があり得る。また、行動検出システム22の不具合により、入手した商品の商品販売データが取引ファイル240に保存されない場合もあり得る。あるいは、客が商品販売エリア2から決済エリア3へと移動した際に、動線追跡システム21の不具合により、別の客の取引ファイル240における決済フラグが“1”に変更される場合があり得る。無人店舗システムにおいて、このような不具合が発生すると、明細画面SCdに表示された購入商品リストTAaの内容が正しくない。その場合、客は第10ボタンBTjをタッチ操作する。
【0065】
また、決済エリア3に入ったが、例えば財布を忘れた等の理由から決済を中止する客は、第11ボタンBTkをタッチ操作する。
【0066】
明細画面SCdの画像を表示させたプロセッサ31は、図5のACT21へと進む。プロセッサ31は、ACT21として第9ボタンBTiが入力されたか否かを確認する。第9ボタンBTiが入力されていない場合、プロセッサ31は、ACT22へと進む。プロセッサ31は、ACT22として、修正受付手段312としての機能により、第10ボタンBTjが入力されたか否かを確認する。第10ボタンBTjが入力されていない場合、プロセッサ31は、ACT23へと進む。プロセッサ31は、ACT23として、中止受付手段318としての機能により、第11ボタンBTkが入力されたか否かを確認する。第11ボタンBTkが入力されていない場合、プロセッサ31は、ACT21へと戻る。このように、明細画面SCdの画像を表示させたプロセッサ31は、ACT21乃至ACT23として、第9ボタンBTiが入力されるか、第10ボタンBTjが入力されるか、第11ボタンBTkが入力されるのを待ち受ける。
【0067】
ACT21乃至ACT23の待ち受け状態において、「会計」なるテキストが表示された第9ボタンBTiが入力されると、プロセッサ31は、ACT21からACT24へと進む。プロセッサ31は、ACT24としてタッチパネル391に支払い選択画面SCe(図12を参照)の画像を表示させる。
【0068】
図12は、支払い選択画面SCeに表示される画像の一例を示す模式図である。図示するように支払い選択画面SCeには、「クレジット」なるテキストが表示された第12ボタンBTmと、「コード決済」なるテキストが表示された第13ボタンBTnと、「現金」なる敵とが表示された第14ボタンBTpと、「電子マネー」なるテキストが表示された第15ボタンBTqとが配置されている。支払い選択画面SCeを確認した客は、合計金額に相当する代金をクレジットカードで支払う場合には、第12ボタンBTmをタッチ操作する。コード決済により支払う客は、第13ボタンBTnをタッチ操作する。現金で支払う客は、第14ボタンBTpをタッチ操作する。電子マネーで支払う客は、第15ボタンBTqをタッチ操作する。
【0069】
支払い選択画面SCeの画像を表示させたプロセッサ31は、ACT25として第12ボタンBTm、第13ボタンBTn、第14ボタンBTp又は第15ボタンBTqのいずれかが入力されるのを待ち受ける。第12ボタンBTm、第13ボタンBTn、第14ボタンBTp又は第15ボタンBTqのいずれかが入力されると、プロセッサ31は、ACT25からACT26へと進む。プロセッサ31は、ACT26として、第1決済手段313としての機能により、選択された支払い方法に応じた決済処理を実行する。
【0070】
例えば第12ボタンBTmが入力された場合、すなわちクレジットカード支払いが選択された場合には、プロセッサ31は、カードリーダ393で読み取ったクレジットカードのデータを基にクレジット決済処理を実行する。例えば第13ボタンBTnが入力された場合、すなわちコード決済支払いが選択された場合には、プロセッサ31は、スキャナ392で読み取ったバーコード又は二次元コードのデータを基にコード決済処理を実行する。例えば第14ボタンBTpが入力された場合、すなわち現金支払いが選択された場合には、プロセッサ31は、自動釣銭機300と連動して現金決済処理を実行する。例えば第15ボタンBTqが入力された場合、すなわち電子マネー支払いが選択された場合には、プロセッサ31は、スキャナ392又はカードリーダ393で読み取った電子マネーのデータを基に電子マネー決済処理を実行する。これらのクレジット決済処理、コード決済処理、現金決済処理及び電子マネー決済処理は周知の処理であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0071】
決済処理を終えたプロセッサ31は、ACT27へと進む。プロセッサ31は、ACT27としてプリンタ394を制御してレシートを発行する。またプロセッサ31は、ACT28としてタッチパネル391に決済終了画面SCf(図13を参照)の画像を表示させる。
【0072】
図13は、現金決済処理が終了した後の決済終了画面SCfに表示される画像の一例を示す模式図である。図示するように決済終了画面SCfには、金額リストTAbの画像が配置されている。金額リストTAbには、合計点数及び合計金額と、自動釣銭機300に投入された預かり金額と、自動釣銭機300から払い出された釣銭額とが表示される。決済終了画面SCfを確認した客は、プリンタ394から発行されたレシートを取って、出口6から退出する。
【0073】
決済終了画面SCfの画像を表示させたプロセッサ31は、ACT29へと進む。プロセッサ31は、ACT29として、開閉手段317としての機能により、ゲート70の開放を指示する信号をゲートシステム25に出力する。この信号を受けたゲートシステム25は、ゲート70を開放する。このように、決済エリア3に入った客の決済が終了すると、ゲート70が開放される。その結果、次の客が決済エリア3に入ることができる。
【0074】
またプロセッサ31は、ACT30として、第1通知手段315としての機能により、取得した取引ファイル、つまりはACT6において受信した取引ファイル240の削除を要求するための信号をファイルシステム24に出力する。この信号を受けたファイルシステム24は、決済フラグの値が“1”であり、削除フラグの値が“0”の取引ファイル240を選択し、その取引ファイル240の削除フラグの値を“0”から“1”に変更する。そして、ファイルシステム24は、許諾応答信号を決済端末30に返す。
【0075】
取引ファイル240の削除を要求したプロセッサ31は、ACT31へと進む。プロセッサ31は、ACT31として許諾応答信号を待ち受ける。そして許諾応答信号を受信すると、プロセッサ31は、ACT32へと進む。プロセッサ31は、ACT32として決済終了画面SCfを消去する。以上で、プロセッサ31は、明細画面SCdの第9ボタンBTiが入力された場合の情報処理を終了する。プロセッサ31は、アイドル状態に戻る。プロセッサ31は、タッチパネル391の画面を初期画面SCaの画像に戻す。
【0076】
ACT21乃至ACT23の待ち受け状態において、「修正」なるテキストが表示された第10ボタンBTjが入力された場合には、プロセッサ31は、ACT22から図6のACT41へと進む。プロセッサ31は、ACT41として買物袋を購入済か否かを判定する。ACT12において取引ファイル240に買物袋の商品販売データが追加されていた場合、プロセッサ31は、買物袋を購入済と認定する。買物袋を購入済でない場合、プロセッサ31は、ACT41からACT42へと進む。プロセッサ31は、ACT42として、ACT6において受信した取引ファイル240に保存されている全ての商品販売データを削除する。したがって、購入商品点数nは“0”となる。合計金額は0円となる。
【0077】
これに対し、買物袋を購入済の場合には、プロセッサ31は、ACT41からACT43へと進む。プロセッサ31は、ACT43として、ACT6において受信した取引ファイル240から買物袋の商品販売データを除く全ての商品販売データを削除する。したがって、購入商品点数nは“1”となる。合計金額は、購入した買物袋の価格となる。
【0078】
ACT42又はACT43の処理を終えると、プロセッサ31は、ACT44へと進む。プロセッサ31は、ACT44として明細画面SCdの購入商品リストTAaを更新する。すなわち、ACT42の処理を経た場合には、プロセッサ31は、購入商品の商品名、単価、販売点数、値割引額及び販売金額が全てクリアされるように購入商品リストTAaを更新する。ACT43の処理を経た場合には、プロセッサ31は、買物袋を除く購入商品の商品名、単価、販売点数、値割引額及び販売金額が全てクリアされるように購入商品リストTAaを更新する。
【0079】
明細画面SCdを更新したプロセッサ31は、ACT45へと進む。プロセッサ31は、ACT45として商品登録を待ち受ける。例えばプロセッサ31は、スキャナ392によって商品のバーコードがスキャニングされるのを待ち受ける。因みに、「修正」なるテキストが表示された第10ボタンBTjをタッチ操作した客は、商品販売エリア2で入手した商品に付されているバーコードを1品ずつスキャナ392でスキャニングすることとなる。
【0080】
商品のバーコードがスキャニングされる毎に、プロセッサ31は、ACT45からACT46へと進む。プロセッサ31は、ACT46としてスキャニングされたバーコードから得られる商品コードで識別される商品の商品販売データを取引ファイル240に追加する。この処理により、明細画面SCdの購入商品リストTAaには、追加された商品の商品名、単価、販売点数、値割引額及び販売金額が表示される。また、合計点数及び合計金額が更新される。その後、プロセッサ31は、ACT45に戻り、次の商品のバーコードがスキャニングされるのを待ち受ける。
【0081】
入手した商品のバーコードを全てスキャニングした客は、明細画面SCdの「会計」なるテキストが表示された第9ボタンBTiをタッチ操作する。プロセッサ31は、ACT47として第9ボタンBTiが入力されたか否を確認する。第9ボタンBTiが入力された場合、プロセッサ31は、ACT47からACT48へと進む。プロセッサ31は、ACT48としてタッチパネル391に支払い選択画面SCeの画像を表示させる。支払い選択画面SCeの画像は、前述したACT24の処理で説明した画像と同一である。以後、プロセッサ31は、ACT48乃至ACT55として、前述したACT24乃至ACT32と同一の処理を実行する。すなわちプロセッサ31は、第2決済手段314としての機能により、支払い選択画面SCeで選択された支払い方法で、スキャナ392によりスキャニングされた商品の決済処理を実行する。プロセッサ31は、レシートの発行を制御し、タッチパネル391に決済終了画面SCfの画像を表示させる。プロセッサ31は、ゲート70の開放を指示する信号をゲートシステム25に出力する。プロセッサ31は、第1通知手段315としての機能により、ACT6において受信した取引ファイル240の削除を要求するための信号をファイルシステム24に出力する。その後、許諾応答信号を受信すると、プロセッサ31は、決済終了画面SCfを消去する。以上で、プロセッサ31は、明細画面SCdの第10ボタンBTjが入力された場合の情報処理を終了する。プロセッサ31は、アイドル状態に戻る。プロセッサ31は、タッチパネル391の画面を初期画面SCaの画像に戻す。
【0082】
かくして、「修正」なるテキストが表示された第10ボタンBTjをタッチ操作した客との決済が終了する。客は、出口6から退出する。また、決済の終了に応じて、ゲート70が開放される。ACT6において受信した取引ファイル240であって、ファイルシステム24で管理されている取引ファイル240は、削除フラグの値が“0”から“1”に変更される。
【0083】
ACT21乃至ACT23の待ち受け状態において、「中止」なるテキストが表示された第11ボタンBTkが入力された場合には、プロセッサ31は、ACT23から図7のACT61へと進む。プロセッサ31は、ACT61として、第2通知手段319としての機能により、取得した取引ファイル240、つまりはACT6において受信した取引ファイル240の削除を要求するための信号をファイルシステム24に出力する。そしてプロセッサ31は、ACT62として許諾応答信号を待ち受ける。そして許諾応答信号を受信すると、プロセッサ31は、ACT63へと進む。プロセッサ31は、ACT63としてタッチパネル391に支払い中止画面SCg(図14を参照)の画像を表示させる。
【0084】
図14は、支払い中止画面SCgに表示される画像の一例を示す模式図である。図示するように支払い中止画面SCgには、支払いが中止されたことを示すメッセージとともに、「確認」なるテキストが表示された第16ボタンBTrの画像が配置されている。支払い中止画面SCgを確認した客は、第16ボタンBTrをタッチ操作する。
【0085】
支払い中止画面SCgの画像を表示させたプロセッサ31は、ACT64として第16ボタンBTrが入力されるのを待ち受ける。タッチ操作により第16ボタンBTrが入力されると、プロセッサ31は、ACT64からACT65へと進む。プロセッサ31は、ACT65としてタッチパネル391に確認画面SCh(図15を参照)の画像を表示させる。
【0086】
図15は、確認画面SChに表示される画像の一例を示す模式図である。図示するように確認画面SChには、会計が済んでいない商品があるか否かの確認を依頼するメッセージとともに、「買物に戻る」なるテキストが表示された第17ボタンBTsと、「店を出る」なるテキストが表示された第18ボタンBTtの画像が配置されている。確認画面SChを確認した客は、会計が済んでいない商品があるか否かを判断する。会計が済んでいない商品がある客は、第17ボタンBTsをタッチ操作する。会計が済んでいない商品がない客は、第18ボタンBTtをタッチ操作する。
【0087】
確認画面SChの画像を表示させたプロセッサ31は、ACT66として第17ボタンBTsが入力されるか、ACT67として第18ボタンBTtが入力されるのを待ち受ける。ACT66及びACT67の待ち受け状態において、第17ボタンBTsが入力された場合には、プロセッサ31は、ACT66からACT68へと進む。プロセッサ31は、ACT68としてタッチパネル391に明細画面SCdの画像を表示させる。因みに、この時点では、ファイルシステム24から取得した取引ファイル240は削除されているので、購入商品リストTAaはクリアされている。その後、プロセッサ31は、図6のACT45へと進む。以後、プロセッサ31は、ACT45乃至ACT55の処理を前述したのと同様に実行する。ただし、ACT53及びACT54の処理はスキップする。
【0088】
すなわち、会計が済んでいない商品がある客は、その会計が済んでいない商品のバーコードをスキャナ392でスキャニングする。そして、商品のバーコードを全てスキャニングした客は、明細画面SCdの「会計」なるテキストが表示された第9ボタンBTiをタッチ操作する。かくして、「買物に戻る」なるテキストが表示された第17ボタンBTsをタッチ操作した客との決済が終了する。客は、出口6から退出する。また、決済の終了に応じて、ゲート70が開放される。
【0089】
ACT66又はACT67の待ち受け状態において、第18ボタンBTtが入力された場合には、プロセッサ31は、ACT67からACT69へと進む。プロセッサ31は、ACT69としてゲート70の開放を指示する信号をゲートシステム25に出力する。またプロセッサ31は、ACT70として確認画面SChを消去する。以上で、プロセッサ31は、明細画面SCdの第11ボタンBTkが入力された場合の情報処理を終了する。プロセッサ31は、アイドル状態に戻る。プロセッサ31は、タッチパネル391の画面を初期画面SCaの画像に戻す。
【0090】
すなわち、会計が済んでいない商品がない客は、決済をすることなく出口6から退出する。ゲート70は、開放される。
【0091】
図4のACT14以降の処理について説明する。
ACT6において所定時間内に取引ファイル240を受信できなかったプロセッサ31は、ACT14として、呼出手段316としての機能により、店員呼出指令の信号を店員端末40に出力する。またプロセッサ31は、タッチパネル391に呼出し中画面SCi(図16を参照)の画像を表示させる。
【0092】
図16は、呼出し中画面SCiに表示される画像の一例を示す模式図である。図示するように呼出し中画面SCiには、店員を呼び出していることを客に通知するメッセージとともに、「店員が確認」なるテキストが表示された第19ボタンBTuの画像が配置されている。
【0093】
店員呼出指令の信号を受信した店員端末40においては、報知動作が実行される。この報知動作を確認した店員は、決済エリア3に移動する。そして店員は、客に取引ファイル240を取得できないエラーが発生したことを通知し、第19ボタンBTuをタッチ操作する。
【0094】
呼出し中画面SCiの画像を表示させたプロセッサ31は、ACT16として第19ボタンBTuが入力されるのを待ち受ける。第19ボタンBTuが入力されると、プロセッサ31は、ACT16からACT17へと進む。プロセッサ31は、ACT17として呼出し中画面SCiを消去する。その後、プロセッサ31は、ACT7へと進む。そしてプロセッサ31は、ACT7以降の処理を前述したのと同様に実行する。
【0095】
したがって、客が会員確認画面SCbを操作し、続いて買物袋選択画面SCcを操作すると、タッチパネル391の画面が明細画面SCdとなる。この場合、客は「修正」なるテキストの第10ボタンBTjをタッチ操作する。そして客は、入手した商品のバーコードをスキャナ392でスキャニングする。そうすることにより、客は、入手した商品の決済をセルフで行うことができる。呼び出しを受けた店員は、客に対し、上述したような操作手順を説明すればよい。
【0096】
以上、詳述したように、取得手段310、表示制御手段311、修正受付手段312、第1決済手段313及び第2決済手段314としての機能を有したプロセッサ31を備え決済端末30によれば、無人店舗システムの不具合により、ファイルシステム24から取得した取引ファイル240のデータに誤りがあった場合においても、客は、決済端末30をセルフで操作してスムーズに決済を行うことができる。
【0097】
その上、プロセッサ31が第1通知手段315としての機能を有しているので、決済を終えた客の取引ファイル240だけでなく、システムの不具合により別の客の取引ファイル240が決済端末30に転送された場合においても、その取引ファイル240を削除状態にすることができる。
【0098】
また、プロセッサ31が呼出手段316としての機能を有しているので、ファイルシステム24から取引ファイル240を取得できなかった場合においても、店員が来て速やかに対処することができる。その結果、客は、決済端末30をセルフで操作してスムーズに決済を行うことができる。
【0099】
また、プロセッサ31は、開閉手段317としての機能も有している。したがって、1名または1組の客が決済を行っている間は、他の客が決済エリア3に進入してくることはない。
【0100】
しかも、プロセッサ31は、中止受付手段318及び第2通知手段319としての機能を有しているので、決済エリア3に入った客が決済を中止することも可能である。
【0101】
以上、無人店舗システムに不具合があっても客がセルフで操作によりスムーズに決済できる決済装置の実施形態について説明したが、かかる実施形態はこれに限定されるものではない。
【0102】
例えば前記実施形態では、商品販売エリア2に、動線追跡システム21、行動検出システム22、商品識別システム23、ファイルシステム24、及びゲートシステム25を備える場合を例示した。商品販売エリア2の構成は、これに限定されるものではない。要は、決済者が商品販売エリア2で入手した商品の情報を決済端末30が取得できる構成であればよい。
【0103】
例えば会員制を導入しない店舗に適用する場合には、図4において、ACT7乃至ACT9の処理を省略すればよい。また、有料の買物袋を販売しない店舗に適用する場合には、図4において、ACT10乃至ACT12の処理を省略すればよい。
【0104】
なお、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態及びその変形は、発明の範囲に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0105】
1…店舗、2…商品販売エリア、3…決済エリア、4…店員エリア、21…動線追跡システム、22…行動検出システム、23…商品識別システム、24…ファイルシステム、25…ゲートシステム、30…決済端末、31…プロセッサ、32…メインメモリ、33…補助記憶デバイス、34…時計、35…通信インターフェース、36…釣銭機インターフェース、40…店員端末、240…取引ファイル、300…自動釣銭機、310…取得手段、311…表示制御手段、312…修正受付手段、313…第1決済手段、314…第2決済手段、315…第1通知手段、316…呼出手段、317…開閉手段、318…中止受付手段、319…第2通知手段、371~374…複数のデバイスインターフェース、391…タッチパネル、392…スキャナ、393…カードリーダ、394…プリンタ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16