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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031472
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】登録装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
G07G1/01 301B
G07G1/01 301D
G07G1/01 301E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135042
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】秋月 香穂
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142AA01
3E142BA07
3E142BA08
3E142BA18
3E142DA07
3E142DA08
3E142FA42
(57)【要約】
【課題】登録装置の視認性とデザイン性を両立する。
【解決手段】商品の登録を行う登録装置1であって、筐体3と、店員に向けられ、少なくとも登録装置に登録された商品の情報を表示する店員側表示手段2と、筐体の上部に回動可能に連結され、店員と対向する顧客に向けて配置される顧客側表示手段4と、顧客側表示手段を固定する固定部6と、を備える登録装置1。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の登録を行う登録装置であって、
筐体と、
店員に向けられ、少なくとも前記登録装置に登録された商品の情報を表示する店員側表示手段と、
前記筐体の上部に回動可能に連結され、前記店員と対向する顧客に向けて配置される顧客側表示手段と、
前記顧客側表示手段を固定する固定部と、
を備える登録装置。
【請求項2】
前記固定部は、前記筐体の上端部を前記顧客側に向かって斜めに形成された第1傾斜部と、前記顧客側表示手段の下端部に、前記第1傾斜部に沿って設けられる第2傾斜部と、を備え、
前記固定部は、前記第1傾斜部と前記第2傾斜部とを当接させることで、前記顧客側表示手段の左右方向の回動を規制する、
請求項1記載の登録装置。
【請求項3】
前記固定部は、前記筐体の上部と前記顧客側表示手段の下端部に設けられた凹凸部であって、
前記固定部は、前記凹凸部を嵌合させることで、前記顧客側表示手段の左右方向の回動を規制する、請求項1記載の登録装置。
【請求項4】
前記顧客側表示手段と前記筐体とは上下に回動可能に連結され、
前記顧客側表示手段を上方向に回転させ、後方に倒すと、前記固定部による規制が解除される、
請求項2または3に記載の登録装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、登録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケットなどの店舗では、顧客が購入する商品の登録を行うPOS(Point Of Sales)装置が用いられている。
例えば、特許文献1では、顧客用表示器が支柱に対して角度を持って連結されている据え置き型スキャナ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-26417号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
顧客側表示器は、顧客からの視認性を高くする必要がある。一方、店舗のデザインを確保するためには、装置のデザイン性にも配慮する必要がある。
【0005】
そこで本発明は、視認性とデザイン性を両立した登録装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る登録装置は、商品の登録を行う登録装置であって、筐体と、店員に向けられ、少なくとも登録装置に登録された商品の情報を表示する店員側表示手段と、筐体の上部に回動可能に連結され、店員と対向する顧客に向けて配置される顧客側表示手段と、顧客側表示手段を固定する固定部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係る登録装置の外観を示す図であって、(a)店員側から見た外観斜視図、(b)顧客側から見た外観斜視図、(c)側面図、(d)顧客側表示部と筐体との連結部分の様子を示す部分拡大側面、である。
図2】本発明の別の実施形態において、登録装置が載置されるカウンター台を示す図であって、(a)店員側から見た概略斜視図、(b)上記カウンター台の引出を引き出した様子を示す概略部分拡大斜視図である。
図3】上記登録装置が有する顧客側表示部の可動の様子を示す図であって、(a)第1形態、(b)第2形態、(c)第3形態、(d)第4形態、を示す図である。
図4】上記顧客側表示部と上記筐体との篏合部の様子を示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態に係る登録装置について、図を参照して説明する。
【0009】
●概要
図1に示す登録装置1は、購入対象の商品を登録する商品登録処理を行う装置である。商品の登録は、例えば、スキャナを用いて、商品に付されているバーコードを読み取るか、商品登録画面に表示されたプリセットボタン等を操作することにより行われる。以降の説明において、店員側を-y方向、顧客側を+y方向、鉛直方向上向きを+z方向、鉛直方向下向きを-z方向とする。
【0010】
登録装置1は、登録された商品に関するデータであって精算に用いられる情報(以下、登録データという)を生成し、記憶する。登録データは、当該登録データを識別するための登録データ識別情報、登録日時、登録された各商品の商品識別情報、登録された各商品の商品名、販売価格、値引き情報、購入対象の商品の品数を示す取引点数(購入点数)、購入対象の商品の総額(合計金額)を含む。登録データは、例えば登録装置1がネットワークを通じて接続される精算装置において精算処理に用いられる。精算処理とは、登録された商品の代金を、現金、電子マネー、クレジットカードなどを選択的に用いて支払い、決済する処理である。
【0011】
登録装置1および精算装置は、ストアコントローラや管理装置等とともにPOS(Point Of Sales)システムを構成する。なお、POSシステムに含まれる登録装置1および精算装置の台数は、任意である。POSシステムは、スーパーマーケット、ホームセンター、コンビニエンスストア、各種用品店など、種々の店舗に導入可能である。
【0012】
●機能構成
図1(a)は、登録装置1の店員側から見た外観斜視図であって、店員側に向く側面が現れている。図1(b)は、登録装置1の顧客側から見た外観斜視図であって、顧客側に向く側面が現れている。店員側に向く側面と顧客側に向く側面とは対蹠位置にあり、使用時において店員と顧客は向かい合うように立つことになる。
【0013】
図1(a)および(b)に示すように、登録装置1は、主として、店員側表示部2と、筐体3と、顧客側表示部4と、を備える。
【0014】
店員側表示部2は、店員側表示手段の例である。店員側表示部2は、店員側画面21と、キー操作部22と、を備える。店員側画面21には、店舗の店員が商品の読取時に参照する商品登録画面が表示され、読取後の商品の種類および価格等が表示される。また、店員側画面21はタッチパネルディスプレイにより構成され、タッチ入力を受け付けてもよい。この場合、店員側画面21には、例えば、読み取る商品の選択を受け付けるプリセットキーが表示されてもよい。キー操作部22は、各種のキー(ハードウェアキー、ボタン)から構成され、店員から種々の入力を受け付ける。例えば、キー操作部22の各キーにはプリセットキーが割り当てられ、読み取る商品の選択を受け付ける。
【0015】
筐体3は、店員側表示部2と顧客側表示部4とを支持して起立する部材である。筐体3は、柱状の部材であり、正面側(-y方向)に店員側表示部2が連結され、店員側表示部2の対蹠位置、すなわち登録装置1の背面側(+y方向)に顧客側表示部4が連結されている。筐体3は、例えばカウンター台100上に自立してもよいし、筐体3の底面がカウンター台100に連結されてもよい。筐体3は、内部に例えば、CPU、ROM、RAM、およびハードディスク等を備えており、これらは、バスを介して相互に通信可能である。
また、筐体3は、主として、読取部31、印刷部32、収容部33、および背面表示部34を備える。
【0016】
ここで、図2(a)および図2(b)に示すように、CPU、ROM、RAM、およびハードディスク等の各ハードウェア構成240の少なくとも一部が、カウンター台200に収容されていてもよい。この構成によれば、筐体3をスリムにすることができる。また、図2(b)に示すように、カウンター台200の載置面210に貫通孔220を設け、この貫通孔220の下方の引出230に、ハードウェア構成240を収容してもよい。貫通孔220は、筐体3が挿通され筐体3を保持してもよい。また、貫通孔220からケーブル類を通し、引出230内のハードウェア構成240に接続してもよい。この構成によれば、引出230を引き出した状態でケーブル類を差し込む作業をすることができる。ハードウェア構成240を引出230に収容する構成によれば、ハードウェア構成240が床面から離れているため、カウンター台200の下部に設置する構成に比べて、店舗の床を清掃する際にも水に濡れるおそれがなく、安全を担保できる。
【0017】
読取部31は、各種の情報を光学的に読み取ることで、登録装置1に登録される商品情報を取得する。また、読取部31は、商品に付されているバーコード(商品コード等)の他、お会計券(登録商標)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)を光学的に読み取ってもよい。さらに、読取部31は、上記に加えて、品券類(商品券、クーポン券、優待券)や、各種カード(例えば、会員カード、ポイントカード等)に印刷されているコード(バーコード、2次元コード等)を読み取ってもよい。また、読取部31は、コード決済における読取処理にも使用される。また、読取部31は、固定スキャナ、ハンディスキャンのいずれであってもよいし、両方によって構成されていてもよい。
【0018】
印刷部32は、各種媒体(レシート、お会計券等)を印刷して出力する。印刷部32は、例えば、ロール紙、印字ヘッド、ロール紙の切断機構等を有する。印刷部32による各種媒体の排出方向は、例えば店員側(-y方向)に排出されるが、顧客側(+y方向)の他、任意の方向に排出されてもよい。
【0019】
読取部31のカバーの表面および印刷部32のカバーの表面は、互いに連続する形状となっていて、筐体3の-y側の外側面を一体的に構成している。
【0020】
収容部33は、おしぼり等の備品を収容するくぼみである。筐体3の前面には、登録装置1の底面に沿って連結されるトレイ状の部材33aが配設されている。収容部33は、筐体3の側面に形成される凹部と、トレイ状の部材33aの凹部とにより構成される。
【0021】
図1(b)に示す背面表示部34は、筐体3の、顧客側(+y側)に向く側面に配設される表示部である。背面表示部34は、顧客に視認させる情報を表示する部材であり、例えば筐体3の背面に透明パネルが連結されて構成されている。透明パネルは、外縁の一部が筐体3に連結され、筐体3の背面と透明パネルの間に、紙状の広告等が差し入れられるようになっている。より具体的な背面表示部34と透明パネルとの連結態様は、例えば、下部は開口しており所謂差込式となっていて、上部はマグネットで固定されている。なお、具体的な態様は左記の構成によらず、任意である。
【0022】
また、背面表示部34は、上述の構成に代えて、液晶パネル等のディスプレイにより構成され、情報が電気的に表示される構成であってもよい。
【0023】
また、カウンター台100上には、筐体3の周囲に緩衝部50が配設されていてもよい。緩衝部50は、トレイ状の部材33aの外縁に沿って湾曲する細い棒状の部材であり、筐体3の前方(-y方向)に対をなして配設されている。緩衝部50は、筐体3の左方および右方に、互いに同様の形状のものが1個ずつ配設される。すなわち、緩衝部50は、1種類の部品で両側方に配設可能な形状になっている。また、緩衝部50の両端は、筐体3の正面略中央および側方のカウンター台100上に連結されている。より具体的には、カウンター台100に穿設されている穴に、緩衝部50の両端を挿通することで取り付けられる。これにより、買い物かごやショッピングカートの買い物かごの載置部等がカウンター台100の上方又はカウンター台100上を移動し、筐体3に近接する場合にも、緩衝部50がそれらに当接することで筐体3の損傷を防止できる。
【0024】
図1(b)に示すように、顧客側表示部4は、店員と対向する顧客に向けて配置される。顧客側表示部4は、顧客に所定の情報を表示する表示手段の一つを構成する。顧客側表示部4は、略中央に顧客側表示画面41を備える。顧客側表示画面41は、例えば液晶パネルである。特に図1(b)および図1(c)においては、顧客側表示部4の位置が規制されている状態を示している。以降の説明において、顧客側表示部4の可動が規制されている状態を「規制状態」、規制が解除されている状態を「開放状態」ともいう。
【0025】
この状態において顧客側表示部4と、筐体3の側面とが略連続して一体的に配置されている。すなわち、顧客側表示画面41は、背面表示部34と略同一面に配設されている。この構成によれば、背面側からの美観が保たれる。また、登録装置1を複数並列させた場合にも、各面が互いに略平行に整列するため、統一感を持たせることができる。また、規制状態において、顧客側表示部4の左右両端辺は、筐体3の左右両端辺と連続的になっており、左右側方から見た統一感が保たれている。また、顧客側表示画面41と筐体3の側面の広告スペースが、略同一面、すなわち筐体と一体的に見えるように配置されているため、顧客側表示画面41と広告スペースとに同じ表示を表示させることで、訴求力を向上させることができる。
【0026】
図1(d)に示すように、顧客側表示部4は、顧客側表示画面41の対蹠位置に連結部42が配設されている。顧客側表示部4は、連結部42により、筐体3の上部に回動可能に連結されている。連結部42は、筐体3の上面に連結され、左右(z軸を回転軸とする回転方向)に回動可能である。連結部42にはバネ等の弾性体が配設され、顧客側表示部4が背面(+y方向)を向くように付勢されていてもよい。この構成によれば、顧客側表示部4の角度を一定に保ち、美観を保つことができる。
【0027】
また、登録装置1は、顧客側表示部4を筐体3に対する回動を規制して固定する固定部6を備える。固定部6は、筐体3の上端部に顧客側に向かって斜めに形成された第1傾斜部36と、顧客側表示部4の下端部に、第1傾斜部36に沿って設けられる第2傾斜部46と、を備える。固定部6は、第1傾斜部36と第2傾斜部46とを当接させることで、顧客側表示部4の左右方向の回動を規制する。
【0028】
言い換えれば、筐体3の上面は、第1傾斜部36と第2傾斜部46との連結部分を頭頂にして、店員側の側面又は顧客側の側面に向かうに従い下方に傾斜している。そして、店員側表示部2は第1傾斜部36に配設されている。また、顧客側表示部4は第2傾斜部46に配設されている。このような筐体3上面の傾斜部36、46に各表示部2、4を配設する構成によれば、筐体3にハードウェア構成が収容されている場合にも、店員側表示部2および顧客側表示部4の高さを抑え、一般的な操作者の操作しやすい高さに配置することができる。
【0029】
店員側表示部2の下端部分は、筐体3の店員側の上端部よりも上方に位置している。また、店員側表示部2の下端部分について、店員側への突出量が、筐体3の店員側の側面上端部と略同一になっている。言い換えれば、特に図1(c)の側面視において明らかなように、店員側表示部2の下端部分は、筐体3の店員側の上端部と略同一面に位置している。これらの構成によれば、当該側面視において非常にスリムな印象を与えることができ、また店員視点で見ると、店員側表示部2が読取部31を遮ることはないので、店員は店員側画面21を見ながら商品登録をすることができる。
【0030】
また、顧客側表示部4と筐体3とは連結部42を介して上下に回動可能である。
図2(a)は、顧客側表示部4を上方向に回転させ、後方(-y方向)に倒した状態を示す。顧客側表示画面41は、規制状態に比べてやや上方を向いている。同図においては、第1傾斜部36と第2傾斜部46とが離間し、固定部6による固定が解除されている。その結果、顧客側表示部4は、筐体3に対して左右方向に回動可能である。図2(b)は顧客側表示部4が+x方向に回動している状態、図2(c)は顧客側表示部4が-x方向に回動している状態を示している。
【0031】
このような構成によれば、店舗内での配置等に応じて、顧客側表示部4を所望の向きに回動させることができる。特に、購入される商品が店員により+x側から-x側へ移動させられる場合、顧客は-x側、すなわち読取後の商品の滞留側に待機し、店員による読取作業を待つ蓋然性が高い。そこで、顧客側表示部4を-x側に向くように回動させておくことで、顧客からの視認性を高めることができる。
【0032】
また、図1(c)に示すように、店員側表示部2の背面(+y側)には、店員側表示部2と筐体3とを少なくとも上下方向に回動可能に連結する第2連結部23が配設されている。顧客側表示部4が後方(-y方向)に倒され、左右いずれかに回動している場合に、店員側表示部2が顧客側表示部4側(+y側)に倒されると、顧客側表示部4に当接する。顧客側表示部4の上端の角部は丸く加工されており、これにより店員側表示部2からの押圧力によって顧客側表示部4は前方(+y側)に起立し、規制状態になる。このような構成によれば、店員は、顧客側に回り込むことなく、店員側表示部2を倒すことで顧客側表示部4を回動させ、規制状態にすることができる。
【0033】
図1(d)に示すように、顧客側表示部4を、下方向に回動させると、第1傾斜部36と第2傾斜部46の互いの角度が沿う。その結果、顧客側表示部4を左右に僅かに回動させると、第1傾斜部36と第2傾斜部46が当接し、固定部6により顧客側表示部4の左右方向の回動が規制される。したがって、顧客側表示部4の角度を筐体3の側面に沿う角度に揃えることができる。また、顧客側表示部4の角度を一定にする構成によれば、複数の登録装置1を並設する場合にも、顧客側表示部4の角度を互いに一定にすることができる。したがって、視認性とデザイン性を両立した登録装置を実現できる。
【0034】
図4に示すように、第1傾斜部36と第2傾斜部46には、規制状態において互いに篏合する篏合部61、62が形成されている。篏合部61、62は、例えば左右に対をなして配設される。なお、篏合部61、62は本実施形態の個数に限られず、3個以上あってもよいし、左右に複数個ずつ配設されていてもよい。篏合部61、62は、例えば第1傾斜部36に形成される凹部361、362と、第2傾斜部46に形成される凸部461、462によりそれぞれ構成される。凸部461、462は、それぞれ対をなす小凸部461a、461bと、小凸部462a、462bとなっていて、顧客側表示部4側にいくにしたがって突出量が小さくなっている。凹部361は、小凸部461a、461bを包含する、凸部461に対応する1個の凹みであり、凹み量は背面表示部34側に向かうにつれ小さくなっている。また、凹部362は、小凸部462a、462bを包含する、凸部462に対応する1個の凹みであり、凹み量は背面表示部34側に向かうにつれ小さくなっている。
【0035】
なお、篏合部61、62における篏合は、凹部361、362と凸部461、462との各面が隙間なく当接する構成に限らず、回動を規制する程度に少なくとも一部が互いに当接する、篏合性の低い態様、いわゆる係止状態又は緩篏合状態であってよい。
【0036】
顧客側表示部4が起立し、第1傾斜部36と第2傾斜部46とが互いに沿う状態においては、篏合部61、62は篏合し、顧客側表示部4は図中左右方向の回動が規制される。この構成によれば、第1傾斜部36と第2傾斜部46の当接のみで回動を規制する構成に比べて、顧客側表示部4の位置をより確実に規定することができる。
【0037】
顧客側表示部4が図4中後方に倒されると、第1傾斜部36と第2傾斜部46とが離間するとともに篏合部61、62の篏合が解除され、顧客側表示部4が筐体3に対して回動可能になる。
【0038】
凹部361、362が筐体3に配設され、凸部461、462が顧客側表示部4に配設される構成によれば、顧客側表示部4が回動し、第2傾斜部46が篏合部61、62のいずれかの前方まで飛び出している状態であっても、篏合部61、62が顧客側表示画面41を遮ることがない。すなわち、筐体3に凸部がある構成に比べて、顧客からの視認性を確保することができる。なお、筐体3に凸部があり、顧客側表示部4に凹部がある構成であってもよい。
【0039】
また、篏合部61、62は、筐体3の左右端部よりも連結部42の回転軸寄りに形成されていてもよい。この構成によれば、顧客側表示部4が左右に回動している状態においても、回転角度が小さい限りにおいて篏合部61、62が露出しづらい。したがって、登録装置1の美観を保つことができる。
【0040】
また、登録装置1は、顧客側表示部4の機構の状態を検知する検知機能部を有していてもよい。例えば、登録装置1は、顧客側表示部4が規制状態か開放状態かを検知してよい。具体的な構成として例えば、検知機能部は、近接センサ等により篏合部61又は62が篏合しているかを検知する。また、顧客側表示画面41および背面表示部34の少なくともいずれかの表示制御部は、検知機能部による検知に基づいて、顧客側表示画面41および背面表示部34の表示態様を変更するものとしてもよい。例えば、表示制御部は、顧客側表示画面41および背面表示部34が共にディスプレイにより構成されている場合であって、顧客側表示部4が規制状態である場合には、顧客側表示画面41および背面表示部34に、互いに連続又は関連するデジタルサイネージを表示してもよい。また、表示制御部は、顧客側表示部4が開放状態である場合には、顧客側表示画面41および背面表示部34に互いに関連性のない又は独立した表示を行ってもよい。
【0041】
●実施形態総括
本発明は、登録装置に関する。
【0042】
従来、スーパーマーケットなどの店舗では、顧客が購入する商品の登録を行うPOS(Point Of Sales)装置が用いられている。
例えば、特許文献1(特開2014-26417号公報)では、顧客用表示器が支柱に対して角度を持って連結されている据え置き型スキャナ装置が開示されている。
【0043】
顧客側表示器は、顧客からの視認性を高くする必要がある。一方、店舗のデザインを確保するためには、装置のデザイン性にも配慮する必要がある。
【0044】
そこで本発明は、視認性とデザイン性を両立した登録装置を提供することを目的の一つとする。
【0045】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る登録装置は、商品の登録を行う登録装置であって、筐体と、店員に向けられ、少なくとも前記登録装置に登録された商品の情報を表示する店員側表示手段と、前記筐体の上部に回動可能に連結され、前記店員と対向する顧客に向けて配置される顧客側表示手段と、前記顧客側表示手段を固定する固定部と、を備える。
【0046】
前記固定部は、前記筐体の上端部を前記顧客側に向かって斜めに形成された第1傾斜部と、前記顧客側表示手段の下端部に、前記第1傾斜部に沿って設けられる第2傾斜部と、を備え、前記固定部は、前記第1傾斜部と前記第2傾斜部とを当接させることで、前記顧客側表示手段の左右方向の回動を規制するものとしてもよい。
【0047】
前記顧客側表示手段と前記筐体とは上下に回動可能に連結され、前記顧客側表示手段を上方向に回転させ、後方に倒すと、前記第1傾斜部と前記第2傾斜部とが離間し、前記固定部による規制が解除されるものとしてもよい。
【0048】
前記顧客側表示手段を、下方向に回動させ、前記第1傾斜部と前記第2傾斜部とが当接すると、前記固定部により前記顧客側表示手段の左右方向の回動が規制されるものとしてもよい。
【0049】
以上の本発明の実施形態に係る登録装置によれば、視認性とデザイン性を両立することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 :登録装置
2 :店員側表示部
3 :筐体
36 :第1傾斜部
4 :顧客側表示部
46 :第2傾斜部
6 :固定部

図1
図2
図3
図4