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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031489
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】取付具及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   F16M 11/04 20060101AFI20240229BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20240229BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240229BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
F16M11/04 Z
H05K5/02 E
F16M11/04 L
G03B21/00 D
G09F9/00 351
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135066
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤倉 拓史
【テーマコード(参考)】
2K203
4E360
5G435
【Fターム(参考)】
2K203GC19
2K203MA40
4E360AA02
4E360AB05
4E360AB08
4E360AD01
4E360BD02
4E360EA14
4E360EA22
4E360EB01
4E360EC14
4E360EC16
4E360ED02
4E360ED07
4E360ED08
4E360ED17
4E360ED28
4E360EE20
4E360FA02
4E360FA14
4E360FA20
4E360GA07
4E360GA08
4E360GB01
4E360GC02
5G435BB17
5G435EE50
5G435LL15
(57)【要約】
【課題】安定して電子機器本体を設置することができる取付具及び電子機器を提供する。
【解決手段】取付具200は、投影装置本体100の第1被取付面110に取り付けることができる第1取付面210と、投影装置本体100と異なる支持装置300の第2取付面325,326に取り付けられることができる第2被取付面232と、を有し、投影装置本体100の重心を第1被取付面110に投影した第1投影重心位置G1が、投影装置本体100の第1被取付面110の重心位置Cと異なっており、第2被取付面232には、第2取付面325,326に固定されるための複数の第2被固定点228が設けられ、複数の第2被固定点228を頂点とした幾何中心が、投影装置本体100の左右方向の重量を均等に区切る重心線GL上に位置するよう設定されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1取付対象の被取付面に取り付けることができる第1取付対象取付面と、
前記第1取付対象と異なる第2取付対象の取付面に取り付けられることができる第2取付対象被取付面と、
を有し、
前記第1取付対象の重心を前記被取付面に投影した投影重心位置が、前記第1取付対象の前記被取付面の重心位置と異なっており、
前記第2取付対象被取付面には、前記第2取付対象の前記取付面に固定されるための複数の被固定点が設けられ、
前記複数の被固定点を頂点とした幾何中心が、前記第1取付対象の左右方向の重量を均等に区切る重心線上に位置するよう設定されている、取付具。
【請求項2】
前記第1取付対象取付面は、前記第1取付対象の前記被取付面に固定される複数の第1固定点を含み、
ねじによって前記複数の第1固定点において前記第1取付対象の前記被取付面に取り付け自在である、請求項1に記載の取付具。
【請求項3】
前記第2取付対象被取付面の反対側に収容面をさらに有し、
前記第1取付対象取付面が前記第1取付対象の前記被取付面に取り付けられた場合に、前記収容面と前記第1取付対象の前記被取付面との間に収容空間が形成されるよう設定されている、請求項1に記載の取付具。
【請求項4】
前記第1取付対象取付面及び前記第2取付対象被取付面は、それぞれ板金の一方の面と他方の面であり、前記板金は、前記第1取付対象取付面を有する互いに離間して設けられる複数の取付板と、前記第2取付対象被取付面を有する被取付板と、各前記取付板と前記被取付板とを接続する2つの接続板と、を有する、
請求項1に記載の取付具。
【請求項5】
前記板金は、規制板を有する、
請求項4に記載の取付具。
【請求項6】
前記板金は、前記第1取付対象に取り付けられた場合に、前記第1取付対象の前記被取付面に設けられた機能部位が露出される開口を有する、
請求項4に記載の取付具。
【請求項7】
前記複数の被固定点は、VESA(Video Electronics Standard Association)規格に準じた位置に配置される、請求項1に記載の取付具。
【請求項8】
ハンドルをさらに備える、請求項1に記載の取付具。
【請求項9】
前記第2取付対象被取付面は、前記第1取付対象及前記取付具を支持する前記第2取付対象としての支持装置に取り付けられることができる、請求項1に記載の取付具。
【請求項10】
第1取付対象の被取付面に取り付けることができる第1取付対象取付面及び前記被取付面に対向する収容面を有し、
前記第1取付対象取付面が前記第1取付対象の前記被取付面に取り付けられた場合に、前記収容面と前記第1取付対象の前記被取付面との間に収容空間が形成されるよう設定されている、取付具。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10の何れかに記載の取付具と、
前記第1取付対象としての電子機器本体と、
を備えた電子機器。
【請求項12】
前記電子機器本体は投影装置本体を有する請求項11に記載の電子機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付具及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、取付対象である電子機器本体を支持装置等と接続する取付具及び取付具を備える電子機器が開示されている。例えば、特許文献1には、ディスプレイ等の電子機器の背面に設けられる取付金具と、スタンドの支柱に固定された取付具と、を有する電子機器が開示されている。この電子機器では、取付具と取付金具とが、ねじ部材とナットの螺合により接続され、固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-71267号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の電子機器では、スタンドの支柱における軸線と、取付具が取り付けられる電子機器本体の取付面の左右方向(すなわち重力方向に直交する方向)の中心とが略合致するよう構成される。しかしながら、電子機器本体によっては、筐体内に収納される機器の配置により、筐体の中心に重心が設定されていないことがある。すると、従来の電子機器では、電子機器本体を安定して設置できない場合がある。
【0005】
本発明は、安定して電子機器本体を設置することができる取付具及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の取付具は、第1取付対象の被取付面に取り付けることができる第1取付対象取付面と、前記第1取付対象と異なる第2取付対象の取付面に取り付けられることができる第2取付対象被取付面と、を有し、前記第1取付対象の重心を前記被取付面に投影した投影重心位置が、前記第1取付対象の前記被取付面の重心位置と異なっており、前記第2取付対象被取付面には、前記第2取付対象の前記取付面に固定されるための複数の被固定点が設けられ、前記複数の被固定点を頂点とした幾何中心が、前記第1取付対象の左右方向の重量を均等に区切る重心線上に位置するよう設定されている。
【0007】
本発明の電子機器は、上述の取付具と、前記第1取付対象としての電子機器本体と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、安定して電子機器本体を設置することができる取付具及び電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る投影装置を後側から見た斜視図である。
図2】実施形態に係る投影装置を後側から見た分解斜視図である。
図3】実施形態に係る取付具を後側から見た斜視図である。
図4】実施形態に係る取付具を前側から見た斜視図である。
図5】実施形態に係る投影装置において、支持装置を省略して示す後面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図に基づいて、本発明の実施形態を説明する。図1は、電子機器である投影装置10を示す。投影装置10は、電子機器本体とされる投影装置本体100(第1取付対象)と、取付具200と、投影装置本体100及び取付具200を支持する支持装置300(第2取付対象)とを備える。支持装置300は、設置面から立設する図示しない固定支柱から枝状にステー310が延設されてなる。ステー310は、支持装置300に投影装置本体100及び取付具200が取り付けられた状態で固定支柱周りに回転したり、固定支柱に沿って上下方向に移動したりすることができる。
【0011】
投影装置本体100は、対向する広い面と、該広い面の間に4面設けられる側面とを有する略偏平直方体状のケース150を備える。ケース150は、広い面のうち支持装置300側の面が第1被取付面110(第1取付対象の被取付面)とされている。第1被取付面110は、略平坦面状とされている。図1の状態において投影装置本体100は、投影装置本体100の投影口101から下方に向けて投影光LWが出射され、床面やデスク等に投影されるよう設置されている。従って、投影光LWが出射される投影装置本体100の投影口101は、ケース150の下側に向くよう投影装置本体100が設置されている。投影口101は、支持装置300側から見て左側に配置されており、投影装置本体100は、液晶表示装置と比べて、左右方向で非対称性の内部機構となっている。
【0012】
なお、以下の説明においては、投影光LWの方向である投影方向を下とし、その反対を上とする。ここで、重力は下向きであり、重力方向は、本実施形態においては上下方向とされる。また、支持装置300から見た左側を左、右側を右とし、投影装置本体100側を前、支持装置300側を後として説明する。
【0013】
図2に示すように、投影装置本体100の第1被取付面110は、複数の第1被固定点111を含む。第1被固定点111には、本実施形態においては、ケース150の内部に埋設される雌ねじが設けられている。第1被固定点111は、本実施形態においては3つ設けられている。第1被取付面110の上側の縁部における左右方向略中央部には、一の第1被固定点111-1が設けられている。他の2つの第1被固定点111-2,111-3は、第1被固定点111-1よりも下側(投影方向側)に、重力方向と直交する左右方向に並べて所定間隔を空けて配置されている。
【0014】
第1被取付面110における、上側の第1被固定点111-1の左右には、2つの位置決め用のピン112が立設している。また、第1被取付面110の略中央部には、雌ねじ113(機能部位)が設けられている。なお、雌ねじ113は、投影装置本体100単体を三脚等で支持する場合に、雲台等を取り付けるための雌ねじであり、本実施形態における投影装置10においては、雌ねじ113を利用しない例を以下に説明する。
【0015】
図2に示すように、取付具200は、板金材料からなる取付具本体201と、ハンドル280と、伸縮性のクッション282,283とを有する。取付具200の取付具本体201は、第1被取付面110に対向する側の第1取付面210(図4参照、第1取付対象取付面)を備えて2箇所に離間して設けられる2つの取付板220と、2つの取付板220の間に位置し、第1取付面210と反対側に面する第2被取付面232(第2取付対象被取付面)を備える被取付板230と、取付板220と被取付板230とを接続する2つの接続板240と、を有する。取付板220、被取付板230及び接続板240は一枚の板金を折り曲げ加工によって形成されているため、一体化している。
【0016】
以下に図3及び図4を参照して、取付具200について、より詳細に説明する。取付具本体201の上下には、2つの取付板220として、上側に上取付板221、下側に下取付板222が設けられている。前述の通り、取付板220には、前面に第1取付面210(図4参照)が設けられている。上取付板221には、第1取付面210としての上第1取付面211が設けられ、下取付板222には第1取付面210としての下第1取付面212が設けられている。
【0017】
取付板220には、複数の第1固定点215が設けられている。換言すれば、第1取付面210は、複数の第1固定点215を含む。本実施形態においては、複数の第1固定点215は、貫通する丸孔(ねじ孔)とされている。上取付板221は、左右方向に長く、前後方向に板面を配置する略長矩形板状に設けられており、取付具200が投影装置本体100に取り付けられた場合、投影装置本体100における取付具200が取り付けられている面側から見て、左右方向の中央略右寄りには複数の第1固定点215としての第1固定点215-1が設けられている。上取付板221の左右両端は下方に突出し、夫々ピン孔216,217が設けられている。投影装置本体100における取付具200が取り付けられている面側から見て、左側のピン孔216は、丸孔とされ、右側のピン孔217は、左右方向にやや長い長孔とされている。
【0018】
下取付板222は、左右方向に長い略長矩形板状に設けられている。下取付板222は、上取付板221よりも上下方向に長く、左右方向は上取付板221よりも短く設けられている。下取付板222の下端は、後側に90度折れ曲がって設けられるハンドル取付板223が設けられている。ハンドル取付板223には、略U字状のハンドル280が設けられている。ハンドル280は、略U字状の2箇所の先端に雌ねじが設けられ、ハンドル取付板223に設けられる2つの図示しないねじ孔を介して夫々ボルト281が螺合する。ハンドル280は、このようにして、ハンドル取付板223に固定される。したがって、操作者は、投影装置10の投影位置を調整すべく、取付具200及び支持装置300に組付けられた投影装置本体100を移動させる場合、ハンドル280を持つことによって移動させることができ、投影装置本体100の露出された投影口101を操作者が触ることがないため、投影された画像が投影口101の汚れを抑え、クリアな画像を投影することができる。
【0019】
下取付板222の上側には、複数の第1固定点215としての2つの第1固定点215-2,215-3が設けられている。したがって取付具200には、3つの第1固定点215(第1固定点215-1,215-2,215-3)が設けられている。
【0020】
また、取付具200の取付具本体201には、第2被取付面232を備える被取付板230が設けられている。第2被取付面232は、第1取付面210と異なる面である。被取付板230は、左右方向に長い略長矩形板状であって、板面が前後方向に配置され、その前面が第1被取付面110に対向する収容面231であり、その後面が第2被取付面232とされている。そして、各取付板220(上取付板221、下取付板222)と被取付板230は、それぞれ2つの接続板240(上接続板241、下接続板242)を介して接続されている。
【0021】
2つの接続板240は、板面を上下方向に向けて配置されている。上取付板221と被取付板230は、2つの接続板240のうち、上接続板241を介して接続している。下取付板222と被取付板230は、下接続板242を介して接続している。各接続板240(上接続板241の下面及び下接続板242の上面)には、クッション282,283が設けられている。
【0022】
被取付板230は、2つの接続板240と接続している領域を除いた領域に、後述するように、投影装置本体100における取付具200が取り付けられている面側から見て、それぞれ左側及び右側に突出している突出板236,237及び右側に突出している規制板239を有しているため、被取付板230における突出板236,237及び規制板239が設けられている領域の左右方向の寸法は、突出板236,237及び規制板239が設けられていない領域である2つの接続板240と接続している領域の左右方向の寸法より長いため、これらの領域間には左右方向に段差がある段差部分235が設けられている。そして被取付板230における段差部分235の左右方向の寸法と、2つの接続板240の左右方向の寸法と、下取付板222の左右方向の寸法は、略同一とされている。上接続板241は、上取付板221におけるピン孔216,217が設けられる両端の突出部分の間で上取付板221と接続されている。
【0023】
第2被取付面232は、複数の第2被固定点228(複数の被固定点)を含む。すなわち、被取付板230には、4つの第2被固定点228-1~228-4がそれぞれ正四角形の頂点に位置するように配置されている。本実施形態においては、各第2被固定点228は、貫通する丸孔(ねじ孔)とされている。4つの第2被固定点228-1~228-4は、被取付板230における接続板240(上接続板241、下接続板242)との接続部近傍に配置されている。各第2被固定点228は、図4に示すように、前面側にボス状に突出し(又は、前面にナットが固定されることにより)、雌ねじが設けられている。
【0024】
取付具200が投影装置本体100に取り付けられた場合、投影装置本体100における取付具200が取り付けられている面側から見て、被取付板230には、左右方向略中央右寄りに、大きく円形の開口233が設けられている。図5に示すように、開口233は、雌ねじ113が露出されるように配置されている。従って、投影装置本体100を、開口233を覆っている支持装置300から取り外した場合、取付具200を投影装置本体100に取り付けた状態であっても、取付具200を投影装置本体100から取り外すことなく雌ねじ113を利用することができる。
【0025】
図3図4に戻り、取付具本体201の被取付板230は、投影装置本体100における取付具200が取り付けられている面側から見て、それぞれ左側及び右側に突出する突出板236,237が設けられている。突出板236,237には、四隅を角R状とした略四角形状の開口236a,237aが設けられている。左側の突出板236は、上下の基端が段差部分235と接続している。また、突出板236の上側左端には、前側に90度に折れ曲がる略舌片状の規制板238が設けられている。
【0026】
突出板236,237の開口236a,237aには、例えば、壁や天井といった固定部材に一端が固定されたセキュリティワイヤーを挿通させておくことができる。
【0027】
右側の突出板237は、上側の基端が段差部分235と接続している。突出板237の下側における、突出板237と段差部分235との間には、前側に90度に折れ曲がる略舌片状の規制板239が設けられている。
【0028】
図1図2を参照して、取付具200の各第1固定点215は、投影装置本体100の各第1被固定点111に固定される。本実施形態における具体的には、ねじ孔とされる第1固定点215-1を介してねじ部材20-1(ねじ部材20)が第1被固定点111-1の雌ねじに螺合して、第1固定点215-1が第1被固定点111-1に固定される。同様に、ねじ部材20-2により、第1固定点215-2が第1被固定点111-2に固定され、ねじ部材20-3により第1固定点215-3が第1被固定点111-3に固定される。すると、取付具200の第1取付面210(上第1取付面211、下第1取付面212)は、投影装置本体100の第1被取付面110に当接して、取付具200は投影装置本体100の第1被取付面110に固定される。
【0029】
なお、ねじ部材20(ねじ部材20-1~20-3)を締め付ける前に、第1被取付面110のピン112をピン孔216,217に挿通させることで、第1被取付面110(第1被固定点111)に対して容易に取付具200を位置決めすることができる。また、本実施形態においては、第1被固定点111と第1固定点215をねじ部材20及び第1被固定点111の雌ねじの螺合により固定したが、溶接やリベットによる固定等、他の固定方法を用いることもできる。
【0030】
図1に示すように、取付具200を第1被取付面110に取り付けると、取付具200の第2被取付面232と第1被取付面110との間には、収容空間Sが画成される。収容空間Sは、上下方向にクッション282,283を備える接続板240が配置されている。したがって、取付具200を投影装置本体100に取り付ける前に、収容空間Sとなる空間にACアダプタ180が配置されてから、取付具200を投影装置本体100に取り付けることによって、収容空間Sには、下側のクッション283(下接続板242)に載置するように、ACアダプタ180を収容することができる。
【0031】
ACアダプタ180は、図示しないが、一方のコードを交流電源と接続し、他方のコードを投影装置本体100の電源ジャック102(図5参照)と接続して、使用することができる。また、ACアダプタ180は、収容空間Sでは、左右方向において、規制板238,239により左右方向の移動が規制され、接続板240(上接続板241、下接続板242)並びに接続板240(クッション282,283)によって上下方向の移動が規制されているため、投影装置本体100が、支持装置300等によっていかなる姿勢に設定されていても、ACアダプタ180が収容空間Sから脱落することはない。
【0032】
一方、図2に示すように、支持装置300のステー310の先端には、取付具200と接続される接続具320が固定されている。接続具320は、板金材料からなり、表裏が前後方向に向いた板面が上下方向に長い略長矩形状に設けられている。接続具320は、前側から見て中央部が凹状とされ、該凹状部分の上下端は開放されている。
【0033】
接続具320は、左右に、それぞれ上下方向に長い長矩形板状の2つの固定板321,322が設けられている。固定板321,322の前面は、夫々、第2取付面325,326(第2取付対象の取付面)とされている。各固定板321,322には、2個ずつ、合計4個の第2固定点328が設けられている。すなわち、第2取付面325,326は、複数の第2固定点328を含む。本実施形態において第2固定点328は、貫通する丸孔(ねじ孔)とされている。
【0034】
支持装置300の各第2固定点328は、取付具200の各第2被固定点228に固定される。具体的には、ねじ孔とされる第2固定点328-1を介してねじ部材30-1(ねじ部材30)が第2被固定点228-1の雌ねじに螺合して、第2固定点328-1が第2被固定点228-1に固定される。同様に、ねじ部材30-2により、第2固定点328-2が第2被固定点228-2に固定され、ねじ部材30-3により第2固定点328-3が第2被固定点228-3に固定され、ねじ部材30-4により第2固定点328-4が第2被固定点228-4に固定される。すると、支持装置300の第2取付面325,326は、取付具200の第2被取付面232に当接する。このようにして、支持装置300と取付具200が接続され固定される。
【0035】
ここで、複数の第2被固定点228は、VESA(Video Electronics Standard Association)規格に準じた位置に配置されている。従って、複数の第2固定点328も、VESA規格に準じた位置に配置されている。なお、本実施形態においては、第2被固定点228と第2固定点328をねじ部材30及び第2被固定点228の雌ねじの螺合により固定したが、溶接やリベットによる固定等、他の固定方法を用いることもできる。
【0036】
投影装置本体100は、投影装置本体100における取付具200が取り付けられている面側から見て、投影口101から投影光を出射する鏡筒(不図示)が投影装置本体100の左寄りに設けられている。この鏡筒は、複数のレンズを備えて、比較的重量が重い。従って、投影装置本体100の重心は、投影装置本体100における取付具200が取り付けられている面側から見て、投影装置本体100の中心よりも左寄りに配置される。
【0037】
ここで、図5に示すように、中心線CLは、左右方向における投影装置本体100の第1被取付面110の幾何学的な中心線である。第1被取付面110の幾何学的な重心(幾何中心)Cは、中心線CL上に位置する。第1投影重心位置G1(投影重心位置)は、投影装置本体100の重心を第1被取付面110に投影した重心位置である。第1被取付面110の法線方向が重力方向(上下方向)と直交し、且つ第1被取付面110の両側面を左右方向(水平方向)に位置するように投影装置本体100の姿勢を設定した場合、重心線GLは、第1投影重心位置G1を通る重力方向(上下方向)の直線である。換言すれば、投影装置本体100における左右方向の重量バランスは重心線GLで均衡を保っており、投影装置本体100における重心線GLの左側の重量と重心線GLの右側の重量は等しい。したがって、重心線GLは、左右方向における投影装置本体100の重量を均等に区切り、且つ第1投影重心位置G1は、必ず重心線GL上に位置することになる。第1投影重心位置G1及び重心線GLは、投影装置本体100における取付具200が取り付けられている面側から見て、中心線CLよりも左寄りに位置される。換言すれば、第1投影重心位置G1は、第1被取付面110の幾何学的な重心(幾何中心)Cと異なる。
【0038】
一方、第2投影重心位置G2は、4つである複数の第2被固定点228を頂点とした多角形の幾何学的な重心(幾何中心)を第1被取付面110に投影した重心位置である。そして、第2投影重心位置G2は、重心線GL上に位置するように、複数の第2被固定点228の各位置を設定している。具体的には、第2投影重心位置G2は、第1投影重心位置G1よりも上側の重心線GL上に位置する。換言すれば、複数の第2被固定点228の重心を第1被取付面110に投影した第2投影重心位置G2は、第1投影重心位置G1と重力方向に並んで配置されている。従って、投影装置本体100は、左右のバランスよく支持装置300に固定されることとなる。
【0039】
以上、本発明の実施形態によれば、取付具200は、投影装置本体100の第1被取付面110(第1取付対象の被取付面)に取り付けることができる第1取付面210(第1取付対象取付面)と、投影装置本体100(第1取付対象)と異なる支持装置300の第2取付面325,326(第2取付対象の取付面)に取り付けられることができる第2被取付面232(第2取付対象被取付面)と、を有し、投影装置本体100の重心を第1被取付面110に投影した第1投影重心位置G1(投影重心位置)が、投影装置本体100の第1被取付面110の重心位置Cと異なっており、第2被取付面232には、第2取付面325,326に固定されるための複数の第2被固定点228(被固定点)が設けられ、複数の第2被固定点228を頂点とした幾何中心(すなわち、図5のように、第1被取付面110の平面視において同位置となる第2投影重心位置G2)が、投影装置本体100の左右方向の重量を均等に区切る重心線GL上(第1被取付面110の平面視における重心線GL上)に位置するよう設定されている。
【0040】
これにより、例えば重力方向に対して当該重力方向に直交する方向(左右方向)のバランスよく投影装置本体100を支持装置300により支持できるので、安定して投影装置本体100を設置することができる投影装置10を提供することができる。
【0041】
また、第1取付面210は、投影装置本体100の第1被取付面110に固定される複数の第1固定点215を含み、ねじ部材20(ねじ)によって複数の第1固定点215において投影装置本体100の第1取付面210に取り付け自在である。これにより、第1被取付面110には第1取付面210を当接させて、ねじ部材20により容易に取付具200を投影装置本体100に取り付けることができる。
【0042】
また、取付具200は、第2被取付面232の反対側に収容面231をさらに有し、第1取付面210が投影装置本体100の第1被取付面110に取り付けられた場合に、収容面231と投影装置本体100の第1被取付面110との間に収容空間Sが形成されるよう設定されている。これにより、投影装置本体100に接続される装置(例えば、ACアダプタ180)を付随させて投影装置本体100を設置することができるので、配線等を整理して、コンパクトに投影装置本体100を設置することができるとともに、接続される装置が、自重によって投影装置本体100との接続端子から脱落することがない。
【0043】
また、第1取付面210及び第2被取付面232は、それぞれ板金の一方の面と他方の面であり、この板金は、第1取付面210(上第1取付面211、下第1取付面212)を有する互いに離間して設けられる複数の取付板220(上取付板221、下取付板222)と、第2被取付面232を有する被取付板230と、各取付板220と被取付板230とを接続する2つの接続板240と、を有する。これにより、板金材料で剛性を高くしつつ、簡単な構造の取付具200とすることができる。なお、板金の形状を工夫することで、取付具200にカメラモジュールを取り付けることで画像認識と投影装置本体100を連動させたり、冷却ファンを取り付けて投影装置本体100の冷却効果を高めたり、スピーカを取り付けて投影装置本体100に内蔵されるスピーカの音圧を向上させたりすることができる。
【0044】
また、被取付板230は、被取付板230から第1被取付面110に折れ曲がる規制板238,239を有する。これにより、被取付板230と第1被取付面110との間に収容空間Sを設けた場合であっても、対向して設けられる接続板240と直交する開放側(左右方向)への収容空間Sに収容される物品の移動を規制することができる。
【0045】
また、被取付板230は、開口233,236a,237aを有する。これにより、開口233,236a,237aを利用して他の物品等を接続したり、取付具200を投影装置本体100に取り付けたまま支持装置300から取り外しても、投影装置本体100が備える装備(雌ねじ113等)を活用することができる。
【0046】
また、複数の第2被固定点228は、VESA規格に準じた位置に配置される。これにより、VESA規格に準じた固定点を備える支持装置等に、投影装置本体100を取付具200を介して容易に取り付けることができる。
【0047】
また、取付具200は、ハンドル280を備える。これにより、投影装置本体100が種々の方向に可動自在な支持装置300に取り付けられた場合にハンドル280を把持すれば、投影装置本体100の移動を容易に行うことができる。
【0048】
また、第2被取付面232は、投影装置本体100及び取付具200を支持する支持装置300に取り付けられることができる。これにより、例えば組み込みシステムに投影装置本体100を組み込んだ投影装置10とすることができる。
【0049】
また、取付対象である投影装置本体100の第1被取付面110は複数の第1被固定点111を含み、他の取付対象である支持装置300の第2取付面325,326は複数の第2固定点328を含んでおり、これに対して取付具200は、複数の第1被固定点111に固定するための複数の第1固定点215を含む第1取付面210と、複数の第2固定点328に固定される複数の第2被固定点228を含む第2被取付面232と、を有し、取付対象の投影装置本体100の重心を第1被取付面110に投影した第1投影重心位置G1は、第1被取付面110の重心(幾何中心)位置Cと異なり、複数の第2被固定点228の重心を第1被取付面110に投影した第2投影重心位置G2は、第1投影重心位置G1と重力方向に並んで配置される。これにより、投影装置本体100を支持装置300に安定して設置することができる取付具200を提供することができる。
上記実施形態では、電子機器として投影装置10を用いて説明したが、重心の位置関係が上述の説明の通りであれば、投影装置に限らず、液晶表示装置、有機EL表示装置、撮影カメラ、照明装置等の電子機器に適用できる。
上記実施形態では、電子機器のACアダプタ180を収容空間Sに収納自在としたが、ACアダプタに限らず、外付けの記憶装置等、電子機器の付属品を収納自在となるよう設定してもよい。いずれの場合においても、規制板238,239は、付属品が脱落しないような形状、寸法に設定する必要がある。
【0050】
以上説明した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
10 投影装置
20,20-1,20-2,20-3 ねじ部材
30,30-1,30-2,30-3,30-4 ねじ部材
100 投影装置本体 101 投影口
102 電源ジャック 110 第1被取付面
111,111-1,111-2,111-3 第1被固定点
112 ピン 113 雌ねじ
150 ケース 180 ACアダプタ
200 取付具 201 取付具本体
210 第1取付面 211 上第1取付面
212 下第1取付面
215,215-1,215-2,215-3 第1固定点
216 ピン孔 217 ピン孔
220 取付板 221 上取付板
222 下取付板 223 ハンドル取付板
228,228-1,228-2,228-3,228-4 第2被固定点
230 被取付板 232 第2被取付面
233 開口 235 段差部分
236 突出板 236a 開口
237 突出板 237a 開口
238 規制板 239 規制板
240 接続板 241 上接続板
242 下接続板 280 ハンドル
281 ボルト 282 クッション
283 クッション 300 支持装置
310 ステー 320 接続具
321 固定板 322 固定板
325 第2取付面 326 第2取付面
328,328-1,328-2,328-3,328-4 第2固定点
CL 中心線 G1 第1投影重心位置
G2 第2投影重心位置 GL 重心線
図1
図2
図3
図4
図5