(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031519
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ハードルアーの組立用治具装置
(51)【国際特許分類】
A01K 85/00 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
A01K85/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135120
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】598015095
【氏名又は名称】株式会社 デュオ
(74)【代理人】
【識別番号】100086438
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 喬彦
(74)【代理人】
【識別番号】100217168
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】安達 政弘
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307BA41
2B307BA45
2B307BA70
(57)【要約】
【課題】 ハードタイプの釣り用ルアーを構成する一対のルアー要素部材を、最中合わせ状に接合するにあたり、接合後の保持作業を省力化することができるようにした組立用治具装置の開発を技術課題とした。
【解決手段】 本発明の組立用治具装置1は、基部治具2が、一方のルアー要素部材W1を、その内側開放面を上向きに支持する保持部21を具え、また押さえ治具3が、クランプユニット31の作用部に押さえ片43を具え、この押さえ片43は、基部治具2側に接近移動できるように構成されるとともに、基部治具2一基当たり一または複数個設けられ、基部治具2に保持されているルアー要素部材W1と、これに対し接着剤Gを介して最中合わせ状に仮置きされた他のルアー要素部材W2とを押さえ付けるものであることを特徴とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部治具と、これに対向的に配置される押さえ治具とを具え、一対のルアー要素部材を最中合わせ状に接合して組み立てるハードルアーの組立用治具装置であって、
前記基部治具は、一方のルアー要素部材を、その内側開放面を上向きに支持する保持部を具え、
一方、前記押さえ治具は、クランプユニットの作用部に押さえ片を具え、この押さえ片は、基部治具側に接近移動できるように構成されるとともに、基部治具一基当たり一または複数個設けられ、基部治具に保持されているルアー要素部材と、これに対し接着剤を介して最中合わせ状に仮置きされた他のルアー要素部材とを押さえ付けるものであることを特徴とする、ハードルアーの組立用治具装置。
【請求項2】
前記基部治具は、基台ブロックに対し、保持するルアー要素部材の外形状に合致する凹陥状の保持部を具えるものであり、
一方、前記押さえ治具は、トグルクランプ機構を適用し、その作動アームに対し前記押さえ片が設けられることを特徴とする請求項1記載の、ハードルアーの組立用治具装置。
【請求項3】
前記基部治具と押さえ治具との組み合わせは、複数組が同一のターンテーブル上において円環状に配設されていることを特徴とする請求項1または2記載の、ハードルアーの組立用治具装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対のルアー要素部材を最中合わせ状に組み合わせて構成されるハードルアーの組立治具装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
釣り用ルアーとしてハードタイプのルアーが知られている(例えば特許文献1~3参照)。このハードタイプの釣り用ルアーは、一般的には対となった二片のルアー要素部材を最中合わせ状に組み合わせて構成される。その製造にあたっては、一方のルアー要素部材に内部機構部材やフック用のアイ等を組み込み、他方のルアー要素部材の周縁部に接着剤を塗布して、これらを最中合わせ状に組み付けて接合し、その状態を一定時間、保持して、接着剤の固化を図り、ルアーの組立体を得ている。
【0003】
このような手法に因み、一例として
図8に示すように、接着後のルアー要素部材W1・W2を一定時間保持しておくために、一つのルアー(ハードルアーW)に対して何カ所かを、ピンチ状のクリップCを使って押さえ込む作業を行っている。このクリップCによる押さ込み作業は、従来、専ら作業者の手作業によって行われており、一定の作業時間を要することは否めない。加えて種々の形状のハードルアーWに対し、クリップCによる押さえ込み位置の選択にあたっても、押圧力の分布バランス等を考慮して挟み込み位置を適切に設定しなければならず、一見単純な作業に思われても、かなりの熟練を要するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3230287号公報
【特許文献2】実用新案登録第3207733号公報
【特許文献3】実用新案登録第3198089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような背景を考慮してなされたものであって、一対のルアー要素部材を最中合わせ状に接合してハードルアーを製作するにあたり、接合後の保持作業を省力化することのできるようにした、ハードルアーの組立用治具装置を開発することを技術課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち請求項1記載の、ハードルアーの組立用治具装置は、
基部治具と、これに対向的に配置される押さえ治具とを具え、一対のルアー要素部材を最中合わせ状に接合して組み立てるハードルアーの組立用治具装置であって、
前記基部治具は、一方のルアー要素部材を、その内側開放面を上向きに支持する保持部を具え、
一方、前記押さえ治具は、クランプユニットの作用部に押さえ片を具え、この押さえ片は、基部治具側に接近移動できるように構成されるとともに、基部治具一基当たり一または複数個設けられ、基部治具に保持されているルアー要素部材と、これに対し接着剤を介して最中合わせ状に仮置きされた他のルアー要素部材とを押さえ付けるものであることを特徴として成るものである。
【0007】
また請求項2記載の、ハードルアーの組立用治具装置は、前記請求項1記載の要件に加え、
前記基部治具は、基台ブロックに対し、保持するルアー要素部材の外形状に合致する凹陥状の保持部を具えるものであり、
一方、前記押さえ治具は、トグルクランプ機構を適用し、その作動アームに対し前記押さえ片が設けられることを特徴として成るものである。
【0008】
また請求項3記載の、ハードルアーの組立用治具装置は、前記請求項1または2記載の要件に加え、
前記基部治具と押さえ治具との組み合わせは、複数組が同一のターンテーブル上において円環状に配設されていることを特徴として成るものである。
そして、これら各請求項記載の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
【発明の効果】
【0009】
まず請求項1記載の発明によれば、治具による押さえ付けであるため、最中合わせ状に組み合わせたルアー要素部材を確実に保持することができ、またこの状態を維持する押さえ片の位置セッティングも容易に決定することができる。
【0010】
また請求項2記載の発明によれば、トグルクランプ機構を適用するため、作動アームを増力的(倍力的)に倒伏させることができ、最中合わせ状に組み合わせて接着したルアー要素部材同士を、より強固に且つ確実に押さえ付けることができる。
【0011】
また請求項3記載の発明によれば、例えば基部治具と押さえ治具との組み合わせを複数、同一のターンテーブル上において円環状(円弧状)に等角度間隔で配設(等配)することができる。従って、一対のルアー要素部材の接着・押さえ付けを行った後、適宜の角度、ターンテーブルを回転(回動)させ、再度、次なる一対のルアー要素部材の接着・押さえ付けを行い、これを繰り返し行うことにより、ターンテーブルを一巡させた際には、最初に接着した一対のルアー要素部材の接着固定が完了する状態を得ることができ、一対のルアー要素部材の接着・押さえ付けを、絶えず(順次)、行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の組立用治具装置(ハードルアーの組立用治具装置)の一例、すなわち基部治具と押さえ治具との組み合わせを、一基のターンテーブル上にほぼ等角度間隔で十組配設(十等配)した構成例を示す斜視図(a)、並びに基部治具と押さえ治具との組み合わせによって接合したハードルアーを押さえ込む(挟み込む)様子を拡大して示す斜視図(b)である。
【
図2】同上、組立用治具装置の一例を側面視状態で示す投影図(a)、並びに接合したハードルアーを押さえ込む(挟み込む)様子を拡大して示す側面断面図(b)である。
【
図3】接合したハードルアーを押さえ込む(挟み込む)様子を拡大して示す斜視図(a)、並びに押さえヘッド部分を拡大して示す斜視図(b)である。
【
図4】押さえ治具を側面視状態で示す投影図(a)、並びにリンク接続された構成部材を分解状態で示す説明図(b)である。
【
図5】押さえヘッドの構成部材を拡大状態で示す分解斜視図である。
【
図6】ハードルアーの組付作業(製造過程)を段階的に示す説明図である。
【
図7】組立用治具装置の改変例を二種示す説明図(a)・(b)である。
【
図8】一対のルアー要素部材を接着剤で接合した後、これらをピンチによって挟み込み、接合組付状態を保持するようにした従来手法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態は、以下の実施例に示すとおりであるが、これらの実施例に対して本発明の技術的思想の範囲内において適宜変更を加えることも可能である。
【実施例0014】
以下、本発明を図示の実施例に基づいて具体的に説明する。なお説明にあたっては、ハードルアーの組立用治具装置1(以下、単に「組立用治具装置1」とする)の説明に先立ち、まず加工対象となる釣り用のハードルアーWについて説明する。
【0015】
釣り用のハードルアーWは、一例として
図1~
図3に示すように、多くは射出成形された一対のルアー要素部材を最中合わせ状に組み合わせて(接合して)形成される。ここで、本明細書では、完成したハードルアーを符号Wで示し、組み合わせる側の一方のルアー要素部材をW1、他方のルアー要素部材をW2とする。
【0016】
ルアー要素部材W1は、組立用治具装置1において下方に保持されるものであり、このルアー要素部材W1には、予めルアーの内部構成部材やフック用のアイ等が組み込まれている。これに対し、もう一方のルアー要素部材W2は、当該ルアー要素部材W1の上に被せられ、双方が最中合わせ状となるように組み付けられる。なお実際の組み付けにあたっては、ルアー要素部材W2の周縁部に接着剤Gが塗布され、この接着剤Gを介して、一対のルアー要素部材W1・W2が一体固着するように接合される。
【0017】
次に組立用治具装置1について説明する。
組立用治具装置1は、一例として
図3(a)・
図1(b)・
図2(b)に示すように、基部治具2と押さえ治具3とを具えて成る。
このうち基部治具2は、一方のルアー要素部材W1を、その内側開放面を上向きとした状態で支持するものであり、そのため基台ブロック20に対し、保持部21が凹陥状態に形成されている。なお保持部21の凹陥形成は、保持するルアー要素部材W1の外形状になじんだ形状とするものであり、実際には基台ブロック20を発泡ウレタン樹脂素材で形成した場合、サンプルとなるルアー要素部材W1を押し付けるようにして型取りし、凹陥状の保持部21を得る。
【0018】
また基台ブロック20は、基台ケース22に収められた状態でベース板23に固定されるものであり、ベース板23と基台ケース22との間はベース板23から突出するように設けられたピン24と、このピン24に対応して基台ケース22に穿孔されたピン孔25との嵌め合いによって位置決めが図られる構成となっている。すなわち基部治具2をベース板23上にセットする際、基台ケース22のピン孔25に、ベース板23のピン24を嵌め入れることにより、基部治具2をベース板23上において正確に位置させることができる構成となっている。
【0019】
次に押さえ治具3について説明する。
押さえ治具3は、一例として
図3(a)に示すように、クランプ基台30がレール台32上を移動できるように取り付けられており、この構成は接合組付後のハードルアーWの長手方向において、適切な位置でクランプできるようにするものである。
クランプ基台30は、クランプユニット31を具え、このクランプユニット31は、昇降自在の押さえ片43を具え、このものが基部治具2側に向かって移動できるように構成されている。ここで本実施例では、一基の基部治具2(一つのハードルアーW)に対し、三基のクランプユニット31が、後述する固定用レール33に沿って整列状態に設けられているが(言わば直列状)、クランプユニット31の数は適宜変更可能である。以下、当該クランプユニット31について更に説明する。
【0020】
クランプユニット31自体は、前記ベース板23に設けられたレール台32に支持される固定用レール33に対し、クランプ基台30における固定ボルト34と、固定プレート34a(
図4参照)とにより、固定用レール33に沿う位置が適宜設定できるように取り付けられている。
またクランプユニット31は、一例として
図3(a)・
図4に示すように、側面視で三角形状のリンク支持ブラケット35を具え、このリンク支持ブラケット35に対し、いわゆるトグルクランプ機構を構成すべく、操作レバー36・作動アーム37・中継リンク38がリンク接続されている。
【0021】
具体的には操作レバー36は、リンク支持ブラケット35の下方前方、すなわち押さえ治具3側に操作ピボットP1を具えるものであり、後方を適宜、指でつまむようにして、作動アーム37の扛伏操作を行う。また、作動アーム37は、前記リンク支持ブラケット35の頂部近くに設けた作動ピボットP2において、回動自在に支持されている。この作動アーム37は、その自由端側において押さえヘッド支持スロット39が形成され、この押さえヘッド支持スロット39には、前記押さえ片43を取り付けるための位置設定ボルト42が貫通状態に設けられる(これについては後述する)。
また操作レバー36と作動アーム37とは、中継リンク38を介してトグル接続される。この中継リンク38は、まず操作レバー36の長手方向のほぼ中間付近に設けられた操作トグルピボットP3において、操作レバー36に対し回動自在に接続される。更に中継リンク38の他端は、作動アーム37の基部側付近に設けられた作動トグルピボットP4において、作動アーム37に対し回動自在に接続される。このような構成により、前記操作レバー36の回動動作に従い、作動アーム37が増力的(倍力的)に倒伏(扛伏)し、操作トグルピボットP3と作動トグルピボットP4との位置関係により、倒伏状態の位置固定が図られる。
【0022】
そして前記作動アーム37の押さえヘッド支持スロット39に対して、押さえ片43を具えた押さえヘッド40が取り付けられる。すなわち実質的にクランプユニット31の作動部たる作動アーム37に対し、押さえ片43が設けられる。
押さえヘッド40は、一例として
図5に示すように、ヘッドブロック41を具え、当該ヘッドブロック41は、例えばこのものに植え込みボルト状に立設された位置設定ボルト42が、上述したように前記押さえヘッド支持スロット39内を通り抜けて保持される構成となっており、これにより作動アーム37(押さえヘッド支持スロット39)の下方において押さえヘッド40(ヘッドブロック41)を、押さえヘッド支持スロット39に沿った適宜の位置で固定できる構成となっている。
またヘッドブロック41の下方には、左右に二個の押さえ片43が設けられるものであり、この押さえ片43は、支持ボルト43aの先端に、作用部としての当たり片43bが設けられている。因みに、このような構成から、本実施例では、接着後の一つのハードルアーWを計六個の当たり片43bによって押さえ込む態様となっている(
図1(b)参照)。
【0023】
本発明の組立用治具装置1は、以上述べたような構成を基本構造とするものであるが、上述した基部治具2と押さえ治具3との組み合わせについては、これらの組み合わせ(組立用治具装置1)をターンテーブル5上に複数、円環状(円弧状)にほぼ等角度間隔で配設し、実際の製造現場における作業性を向上させることができる。
以下、このターンテーブル5について説明する。
ターンテーブル5は、一例として
図1(a)・
図2(a)に示すように、平面視円盤状のテーブル板50を具える。このテーブル板50は、支持架台51の上方に支持されるものであって、支持架台51の芯ガイド52が、テーブル板50の回転中心となる。そして、この芯ガイド52に対し、テーブル板50下面のガイド受け53によって回転中心が規制されて、テーブル板50が回転自在に支持される。
またターンテーブル5は、テーブル板50の下部において支持架台51の外周寄りに受けローラ54を複数基設けるものであり、この受けローラ54によってテーブル板50が全体的に支持され、テーブル板50を回転自在としている。
【0024】
なお
図6(b)中の符号6で示すものが、組立時(製造時)においてルアー要素部材W2に対し接着剤Gを塗布する接着剤パッドである。この接着剤パッド6は、接着剤トレー61内にパッド本体62を設けてなり、接着剤トレー61に供給された液状の接着剤Gをパッド本体62がスポンジ作用で上面に導き、その上にルアー要素部材W2の接着縁を載せて、そこに接着剤Gを転着させる構成となっている。
【0025】
このような装置を用い、以下述べるようにハードルアーWの組立作業(製造)がなされる。
まず、準備段階では、加工するハードルアーWに応じて基部治具2における基台ブロック20の保持部21として適切なものが用意される。具体的には、ルアー要素部材W1を押型とし、このものを基台ブロック20に押し付けて、凹陥状の保持部21を得る。
【0026】
一方、押さえ治具3側は、本実施例では三基のクランプユニット31の各々の位置(または六個の押さえ片43の位置)を設定すべく、固定ボルト34、ヘッドブロック41の位置設定ボルト42によって、押さえ片43が適切な位置にくるように設定する。すなわち複数のクランプユニット31についても一基の基台ブロック20が、それぞれ適切な位置に配置されるようにクランプユニット31における固定ボルト34を緩めて適切な位置を選択し、その後、この固定ボルト34を締め込むことにより、一例として
図4(b)に示すように、固定プレート34aが固定用レール33の一部を挟んで、クランプユニット31の位置が調節される。
次いでヘッドブロック41の位置設定ボルト42を調整することにより、ヘッドブロック41を押さえヘッド支持スロット39に沿った適宜の前後位置に合わせ、押さえ片43を適切な位置とするとともに、押さえ片43の高さ位置も支持ボルト43aのねじ込み加減によって調整する。
【0027】
このようにした後、一例として
図6(a)に示すように、作業者は、基部治具2の保持部21に対し、ルアー要素部材W1をセットする。この際、ルアー要素部材W1の内側開放面が上向きとなるようにルアー要素部材W1をセットするものである。
一方、これに最中合わせ状に被せる、もう一方のルアー要素部材W2については、一例として
図6(b)に示すように、接着剤パッド6におけるパッド本体62の上面に、これを押し付けて、その外周縁部に接着剤Gを塗布した状態とする。
その後、既に基台ブロック20上に保持されている下方のルアー要素部材W1に対して、ルアー要素部材W2を最中合わせ状に置くものである。
【0028】
その後、一例として
図4(a)に示すように、クランプ基台30における操作レバー36の操作端を上方に向けるように回動させて、作動アーム37の自由端側が基台ブロック20に接近するように回動させる。これにより作動アーム37の自由端側に取り付けられている押さえ片43が、上方に被せられたルアー要素部材W2を押さえ込むように作用し、一例として
図6(c)に示すように、一体化状態に組み付けた一対のルアー要素部材W1・W2を圧着状態に保つものである。
そして、このような装置が単独で用いられる場合には、一例として
図6(d)に示すように、ハードルアーWの乾燥固化を一定時間待ってから、基部治具2と押さえ治具3とによる押さえ付けを解除し、基部治具2からハードルアーWを取り出すものである。
【0029】
しかしながら、例えば一例として
図1・
図2に示すように、ターンテーブル5上に基部治具2と押さえ治具3との組み合わせが、複数、円環状にほぼ等角度間隔で配設されている場合には、順次その作業、つまり押さえ込みと適宜の回動(ターンテーブル5の回動)とを繰り返し行うことにより、ターンテーブル5が一巡する例えば数分の時間内で、接着剤Gによる一対のルアー要素部材W1・W2の接着固定が完了する。逆に言えば、ターンテーブル5を一回転させる際に、最初に接着したルアー要素部材W1・W2が乾燥固化するように、ターンテーブル5の大きさ(径寸法)や、基部治具2と押さえ治具3との組み合わせ数を設定し、当該組み合わせをターンテーブル5上に、ほぼ等角度間隔で配設することが望ましい。
【0030】
〔他の実施例〕
本発明は以上述べた実施例を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
まず上述した基本の実施例では、トグルクランプ機構によって作動アーム37、ひいては押さえ片43を倍力的に回動させて、接着後の一対のルアー要素部材W1・W2を強固に押さえ込む構成とした。しかしながら、接着後の一対のルアー要素部材W1・W2を押さえ込むには、必ずしもこのようなトグルクランプ機構を採用する必要はなく、例えば
図7(a)に示すように、押さえ片43をほぼ垂直方向に上下動させるように構成しておき、押さえ片43の下降動作で一対のルアー要素部材W1・W2を押さえ込むようにしても構わない。
【0031】
また、先に述べた基本の実施例では、計六個の押さえ片43(当たり片43b)によって、換言すれば複数カ所の点押圧によって、接着後の一対のルアー要素部材W1・W2を押さえ込むように構成した。しかしながら、接着後の一対のルアー要素部材W1・W2を押さえ込むにあたっては、必ずしも複数カ所の点押圧に限定されるものではなく、例えば
図7(b)に示すように、ルアー要素部材W2の外形を、上側から全体的に押さえ込むような構成も採り得る。この場合、このような全体的な押型(押さえヘッド40に相当)を得るには、保持部21と同様に、発泡ウレタン樹脂素材に、ルアー要素部材W2の表面(外形状)を押し付けて、ブロック状の押型を得、これを押さえヘッド40とすることが好ましい。