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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031520
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】媒体搬送装置、記録システム
(51)【国際特許分類】
   B65H 5/06 20060101AFI20240229BHJP
   B65H 37/00 20060101ALI20240229BHJP
   B41J 11/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B65H5/06 P
B65H37/00
B65H5/06 D
B41J11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135122
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130535
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 明
(74)【代理人】
【識別番号】100183025
【弁理士】
【氏名又は名称】大角 孝一
(72)【発明者】
【氏名】下村 正樹
【テーマコード(参考)】
2C058
3F049
3F108
【Fターム(参考)】
2C058AB16
2C058AC07
2C058AE02
2C058BA01
2C058BA08
2C058BA27
3F049AA04
3F049DA12
3F049EA17
3F049LA07
3F049LB03
3F108GA04
3F108GB01
3F108GB07
(57)【要約】
【課題】胴内排出部に第1処理ユニットを設置可能な構成において、紙ジャム処理を容易にする。
【解決手段】媒体に記録を行う記録部を備えた記録装置における胴内排出部に設置可能な媒体搬送装置であって、前記記録装置において前記胴内排出部に媒体を排出する第1排出経路と、前記胴内排出部に排出された媒体に対し第1の処理を行う第1処理ユニットと、の間に位置する搬送部であって、前記第1排出経路から排出された媒体を前記第1処理ユニットへ搬送する搬送部と、前記搬送部を手動で操作可能な操作部と、を有することを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に記録を行う記録部を備えた記録装置における胴内排出部に設置可能な媒体搬送装置であって、
前記記録装置において前記胴内排出部に媒体を排出する第1排出経路と、前記胴内排出部に排出された媒体に対し第1の処理を行う第1処理ユニットと、の間に位置する搬送部であって、前記第1排出経路から排出された媒体を前記第1処理ユニットへ搬送する搬送部と、
前記搬送部を手動で操作可能な操作部と、を有する、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の媒体搬送装置において、
前記搬送部は、駆動源の動力により回転することで媒体を搬送する回転体を備え、
前記操作部は、
手動で操作力を入力可能な入力部と、
前記操作力を前記回転体に伝達する伝達状態と、前記操作力を前記回転体に伝達しない切断状態と、を切換可能な切換部と、
を有し、
前記駆動源の動力によって前記回転体が駆動される場合、前記切換部は、前記切断状態をとる、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載の媒体搬送装置において、
前記操作部は、
前記入力部を支持する第1支持部と、
前記切換部を支持する第2支持部と、
を更に有し、
前記第1支持部と前記第2支持部とが相対的に回転可能である、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項4】
請求項2に記載の媒体搬送装置において、
前記回転体は、
第1回転方向に回転することで媒体を搬送方向の下流に搬送し、
前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転することで媒体を前記搬送方向の上流に搬送し、
前記入力部に前記操作力を入力した際に、前記回転体は前記第2回転方向にのみ回転可能である、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項5】
請求項1に記載の媒体搬送装置において、前記第1処理ユニットを載置するユニット載置部を備え、
前記ユニット載置部は、媒体の搬送方向において前記第1処理ユニットの下流に位置するユニットであって前記第1処理ユニットから受け入れた媒体に第2の処理を行う第2処理ユニットを更に載置可能である、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項6】
請求項5に記載の媒体搬送装置において、
前記第1の処理は、媒体に穿孔する処理であり、
前記第2の処理は、媒体を綴じる処理である、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項7】
請求項1に記載の媒体搬送装置において、前記操作部が着脱可能に構成される、
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の前記媒体搬送装置と、
媒体に記録を行う記録部を備えた前記記録装置と、
を備え、
前記駆動源は、前記記録装置に設けられる、
ことを特徴とする記録システム。
【請求項9】
請求項8に記載の記録システムにおいて、前記第1排出経路を備える装置本体に対し着脱可能な第1経路形成部材を備え、
前記第1経路形成部材を前記装置本体に装着することで前記第1排出経路が形成される、
ことを特徴とする記録システム。
【請求項10】
請求項9に記載の記録システムにおいて、前記記録装置は、前記装置本体に対し開閉可能に設けられた開閉体であって前記第1経路形成部材を着脱する際に開放する開閉体を備え、
前記開閉体を開放することにより前記操作部が露呈する、
ことを特徴とする記録システム。
【請求項11】
請求項8に記載の記録システムにおいて、
前記記録部は、前記搬送部の下方に位置し、
前記搬送部は、媒体を搬送する搬送経路において発生する異物を保持可能な保持部を有する、
ことを特徴とする記録システム。
【請求項12】
請求項8に記載の記録システムにおいて、
前記記録部は、媒体に液体を吐出して記録する、
ことを特徴とする記録システム。
【請求項13】
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の前記媒体搬送装置と、
媒体に記録を行う記録部を備えた前記記録装置と、を備えた記録システムであって、
前記記録装置は、前記第1排出経路を備える装置本体に対し開閉可能に設けられた開閉体であって前記第1排出経路にアクセスする際に開放する開閉体を備え、
前記開閉体を開放することにより前記操作部が露呈し、
前記入力部に前記操作力を入力することにより、媒体が前記第1排出経路に送り込まれ、
前記切換部は前記開閉体によって押圧可能な被押圧部を有し、
前記開閉体が閉状態の場合、前記被押圧部が前記開閉体によって押圧されることで前記切換部が前記切断状態をとり、
前記開閉体が開状態の場合、前記被押圧部が前記開閉体によって押圧されないことで前記切換部が前記伝達状態をとる、
ことを特徴とする記録システム。
【請求項14】
請求項13に記載の記録システムにおいて、前記搬送部は、前記回転体と同軸で回転する歯車を有し、
前記切換部は、
前記伝達状態において前記歯車と接続する接続位置に位置し、前記切断状態において前記歯車から離間する離間位置に位置する切換歯車と、
前記被押圧部を有し、前記切換歯車を前記接続位置から前記離間位置に変位させる変位部と、
前記切換歯車を前記接続位置に向けて押圧する押圧部と、
を有する、
ことを特徴とする記録システム。
【請求項15】
請求項7に記載の前記媒体搬送装置と、
媒体に記録を行う記録部を備えた前記記録装置と、を備えた記録システムであって、
前記記録装置の装置本体は、前記第1排出経路に加え、前記胴内排出部に媒体を排出する経路であって前記第1排出経路の上部に位置する第2排出経路を形成可能であり、
前記装置本体に対し着脱可能な第1経路形成部材を装着することで前記第1排出経路が形成され、
前記装置本体に対し着脱可能な第2経路形成部材を前記第1経路形成部材に代えて装着することで前記第1排出経路と前記第2排出経路とが形成され、
前記操作部は、前記装置本体において前記第1経路形成部材と干渉しない位置であって前記第2経路形成部材と干渉する位置に配置される、
ことを特徴とする記録システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体を搬送する媒体搬送装置、およびこれを備えた記録システムに関する。
【背景技術】
【0002】
シート等の媒体に綴じ処理や穿孔処理等の処理を行う処理装置を備えた装置システムが従来から知られており、その一例が特許文献1に示されている。
特許文献1記載の画像形成装置は、画像形成部で印刷された用紙を収納する空間、すなわち胴内排紙空間を有している。胴内排紙空間には、用紙搬送方向の上流側から順に、穿孔ユニット、反転ユニット、及び後処理ユニットが装着可能に構成されている。
後処理ユニットはスライド可能であり、スライドすることで後処理ユニットと反転ユニットとの間に開口を形成することができ、そしてこの開口を介してジャム処理を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-85431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の画像形成装置では、後処理ユニットと反転ユニットとの間の開口を介してジャム処理を行うことができるが、反転ユニットにおける上流位置や反転ユニットより上流の穿孔ユニットでジャムが生じた場合のジャム処理方法については提示されておらず、ジャム処理が困難な虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為の、本発明の媒体搬送装置は、媒体に記録を行う記録部を備えた記録装置における胴内排紙空間に設置可能な媒体搬送装置であって、前記記録装置において前記胴内排紙空間に媒体を排出する第1排出経路と、前記胴内排紙空間に排出された媒体に対し第1の処理を行う第1処理ユニットと、の間に位置する搬送部であって、前記第1排出経路から排出された媒体を前記第1処理ユニットへ搬送する搬送部と、前記搬送部を手動で操作可能な操作部と、を有することを特徴とする。
【0006】
また本発明の記録システムは、上記媒体搬送装置と、媒体に記録を行う記録部を備えた記録装置と、を備えたことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】プリンターの媒体搬送経路を示す図。
図2】第1排出経路に加えて第2排出経路が形成された記録システムの媒体搬送経路を示す図。
図3】記録装置に媒体搬送装置、第1処理ユニット、及び第2処理ユニットを設けた記録システムの媒体搬送経路を示す図。
図4】第1開閉体と第2開閉体を開いた状態を示す図。
図5】媒体搬送装置の斜視図。
図6】媒体搬送装置の部分拡大斜視図。
図7】操作ユニットの斜視図。
図8】操作ユニットを装着した場合の装着部位の斜視図。
図9】操作ユニットの装着部位の斜視図。
図10】操作ノブから第2歯車へ操作力を伝達する構成を示す図。
図11】(A)は装着状態での操作ユニットの状態を示す図、(B)は装着過程での操作ユニットの状態を示す図、
図12】切換部が切断状態をとる際の操作ユニットの斜視図。
図13】切換部が伝達状態をとる際の操作ユニットの斜視図。
図14】操作ノブおよびワンウェイクラッチの断面斜視図。
図15】記録装置に媒体搬送装置、第1処理ユニット、及び第2処理ユニットを設けた記録システムの媒体搬送経路を示す図であって、第2処理ユニットと第1処理ユニットとの間に間隔を設けた状態の図。
図16】媒体排出方向から見た第1処理ユニットと第1ガイド部材との位置関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を概略的に説明する。
第1の態様に係る媒体搬送装置は、本発明の媒体搬送装置は、媒体に記録を行う記録部を備えた記録装置における胴内排出部に設置可能な媒体搬送装置であって、前記記録装置において前記胴内排出部に媒体を排出する第1排出経路と、前記胴内排出部に排出された媒体に対し第1の処理を行う第1処理ユニットと、の間に位置する搬送部であって、前記第1排出経路から排出された媒体を前記第1処理ユニットへ搬送する搬送部と、前記搬送部を手動で操作可能な操作部と、を有することを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、前記第1排出経路と前記第1処理ユニットとの間に位置する前記搬送部を備えた媒体搬送装置は、前記搬送部を手動で操作可能な操作部を備えることから、前記搬送部に係わった状態で詰まっている媒体を移動させることができ、ジャム処理を適切に行うことができる。
この作用効果は、前記第1処理ユニットがスライド可能な場合とスライド不可能な場合とのいずれにおいても得ることができるが、特に前記第1処理ユニットがスライド不可能な場合においてはジャム処理を適切に行うことができる。
【0010】
第2の態様は、第1の態様において、前記搬送部は、駆動源の動力により回転することで媒体を搬送する回転体を備え、前記操作部は、手動で操作力を入力可能な入力部と、前記操作力を前記回転体に伝達する伝達状態と、前記操作力を前記回転体に伝達しない切断状態と、を切換可能な切換部と、を有し、前記駆動源の動力によって前記回転体が駆動される場合、前記切換部は、前記切断状態をとることを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、前記駆動源の動力によって前記回転体が駆動される場合、前記切換部は、前記切断状態をとることから、前記駆動源の動力によって前記回転体が駆動される場合には前記駆動源の動力が前記入力部に伝達されない。これにより前記駆動源が前記回転体を駆動する際に前記入力部が負荷とならず、適切に前記駆動源によって前記搬送部を駆動することができ、また騒音や部品の摩耗も抑制できる。
【0012】
第3の態様は、第2の態様において、前記操作部は、前記入力部を支持する第1支持部と、前記切換部を支持する第2支持部と、を更に有し、前記第1支持部と前記第2支持部とが相対的に回転可能であることを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、前記入力部を支持する第1支持部と前記切換部を支持する第2支持部とが相対的に回転可能である為、前記操作部を取り付ける際に前記操作部が通り難い空間、例えば狭い空間や障害物のある空間に前記操作部を通す際に、前記操作部を通すことができ、ひいては前記操作部を取り付けることが可能となる。
尚、本態様は上記第2の態様に限らず、上記第1の態様に適用しても良い。
【0014】
第4の態様は、第2の態様において、前記回転体は、第1回転方向に回転することで媒体を搬送方向の下流に搬送し、前記第1回転方向とは反対の第2回転方向に回転することで媒体を前記搬送方向の上流に搬送し、前記入力部に前記操作力を入力した際に、前記回転体は前記第2回転方向にのみ回転可能であることを特徴とする。
【0015】
詰まった媒体を前記搬送部から前記搬送方向の下流、即ち前記第1処理ユニットに向けて送ると、媒体が取り出せなくなる虞があるが、本態様によれば前記入力部に前記操作力を入力した際に、前記回転体は媒体を前記搬送方向の上流に搬送する回転方向(前記第2回転方向)にのみ回転可能であることから、詰まった媒体が前記第1処理ユニットに向けて送られて取り出せなくなる問題の発生を抑制できる。
尚、本態様は上記第2の態様に限らず、上記第3の態様に適用しても良い。
【0016】
第5の態様は、第1の態様において、前記第1処理ユニットを載置するユニット載置部を備え、前記ユニット載置部は、媒体の搬送方向において前記第1処理ユニットの下流に位置するユニットであって前記第1処理ユニットから受け入れた媒体に第2の処理を行う第2処理ユニットを更に載置可能であることを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、前記第1処理ユニットを載置するユニット載置部は、更に前記第2処理ユニットを載置可能であることから、媒体に施す処理の種類を増やすことができる。
尚、本態様は上記第1の態様に限らず、上記第2から第4の態様のいずれかに適用しても良い。
【0018】
第6の態様は、第5の態様において、前記第1の処理は、媒体に穿孔する処理であり、前記第2の処理は、媒体を綴じる処理であることを特徴とする。
本態様によれば、前記第1の処理が、媒体に穿孔する処理であり、前記第2の処理が、媒体を綴じる処理である構成において、上述した第5の態様の作用効果が得られる。
【0019】
第7の態様は、第1の態様において、前記操作部が着脱可能に構成されることを特徴とする。
本態様によれば、前記操作部が着脱可能に構成されることから、前記操作部を装着しない場合には前記操作部の装着スペースを有効活用できる。
尚、本態様は上記第1の態様に限らず、上記第2から第6の態様のいずれかに適用しても良い。
【0020】
第8の態様に係る記録システムは、第1から第7の態様のいずれかに係る前記媒体搬送装置と、媒体に記録を行う記録部を備えた前記記録装置と、を備え、前記駆動源は、前記記録装置に設けられる、ことを特徴とする。
本態様によれば、記録システムにおいて、上述した第1から第7の態様のいずれかの作用効果が得られる。
【0021】
第9の態様は、第8の態様において、前記第1排出経路を備える装置本体に対し着脱可能な第1経路形成部材を備え、前記第1経路形成部材を前記装置本体に装着することで前記第1排出経路が形成されることを特徴とする。
本態様によれば、前記第1経路形成部材を取り外すことで前記第1排出経路を露呈させることができ、前記第1排出経路においてジャムが生じた場合に詰まった媒体を容易に除去することができる。
【0022】
第10の態様は、第9の態様において、前記記録装置は、前記装置本体に対し開閉可能に設けられた開閉体であって前記第1経路形成部材を着脱する際に開放する開閉体を備え、前記開閉体を開放することにより前記操作部が露呈することを特徴とする。
本態様によれば、前記開閉体を開くことで、前記操作部の操作と、前記第1排出経路へのアクセスとの双方を行うことができ、ユーザーの利便性が向上する。
【0023】
第11の態様は、第8の態様において、前記記録部は、前記搬送部の下方に位置し、前記搬送部は、媒体を搬送する搬送経路において発生する異物を保持可能な保持部を有することを特徴とする。
【0024】
前記記録部が前記搬送部の下方に位置する構成においては、前記搬送部において発生する異物が前記記録部に向けて落下し、記録品質が低下する虞がある。しかしながら本態様によれば、前記搬送部は、媒体を搬送する搬送経路において発生する異物を保持可能な保持部を有することから、前記搬送経路において発生する異物が前記記録部に向けて落下することを抑制でき、ひいては記録品質の低下を抑制できる。
尚、本態様は上記第8の態様に限らず、上記第9または第10の態様に適用しても良い。
【0025】
第12の態様は、第8の態様において、前記記録部は、媒体に液体を吐出して記録することを特徴とする。
前記記録部が媒体に液体を吐出して記録する構成においては、媒体に液体を吐出することで媒体が変形し易く、ひいてはジャムが生じ易いが、前記搬送部を手動で操作可能な操作部を備えることから、詰まった媒体を移動させることができ、ジャム処理を適切に行うことができる。
尚、本態様は上記第8の態様に限らず、上記第9から第11の態様のいずれかに適用しても良い。
【0026】
第13の態様に係る記録システムは、第2から第4の態様のいずれかに係る前記媒体搬送装置と、媒体に記録を行う記録部を備えた前記記録装置と、を備えた記録システムであって、前記記録装置は、前記第1排出経路を備える装置本体に対し開閉可能に設けられた開閉体であって前記第1排出経路にアクセスする際に開放する開閉体を備え、前記開閉体を開放することにより前記操作部が露呈し、前記入力部に前記操作力を入力することにより、媒体が前記第1排出経路に送り込まれ、前記切換部は前記開閉体によって押圧可能な被押圧部を有し、前記開閉体が閉状態の場合、前記被押圧部が前記開閉体によって押圧されることで前記切換部が前記切断状態をとり、前記開閉体が開状態の場合、前記被押圧部が前記開閉体によって押圧されないことで前記切換部が前記伝達状態をとることを特徴とする。
【0027】
本態様によれば、前記切換部の状態が、前記開閉体の開閉に連動して切り換わる構成である為、前記切換部の状態をユーザーが自ら切り換える必要がなく、ユーザーの利便性が向上する。
【0028】
第14の態様は、第13の態様において、前記搬送部は、前記回転体と同軸で回転する歯車を有し、前記切換部は、前記伝達状態において前記歯車と接続する接続位置に位置し、前記切断状態において前記歯車から離間する離間位置に位置する切換歯車と、前記被押圧部を有し、前記切換歯車を前記接続位置から前記離間位置に変位させる変位部と、前記切換歯車を前記接続位置に向けて押圧する押圧部とを有することを特徴とする。
本態様によれば、前記切換歯車が前記接続位置と前記離間位置との間で変位することにより前記切換部が前記切断状態と前記伝達状態とを切り換える構成である為、前記切換部を簡単な仕組みで構成できる。
【0029】
第15の態様に係る記録システムは、第7の態様に係る前記媒体搬送装置と、媒体に記録を行う記録部を備えた前記記録装置と、を備えた記録システムであって、前記記録装置の装置本体は、前記第1排出経路に加え、前記胴内排出部に媒体を排出する経路であって前記第1排出経路の上部に位置する第2排出経路を形成可能であり、前記装置本体に対し着脱可能な第1経路形成部材を装着することで前記第1排出経路が形成され、前記装置本体に対し着脱可能な第2経路形成部材を前記第1経路形成部材に代えて装着することで前記第1排出経路と前記第2排出経路とが形成され、前記操作部は、前記装置本体において前記第1経路形成部材と干渉しない位置であって前記第2経路形成部材と干渉する位置に配置されることを特徴とする。
【0030】
本態様によれば、前記第1排出経路に加えて前記第2排出経路を形成可能であるので、前記胴内排出部の利用の自由度が向上する。
ここで前記第2排出経路を利用して前記胴内排出部に媒体を排出する形態においては、前記媒体搬送装置及び前記第1処理ユニットが邪魔になり、前記媒体搬送装置と前記第1処理ユニットは利用されない。この為、前記操作部も不要となり、前記操作部は取り外すことができる。そして前記操作部は、前記第2経路形成部材と干渉する位置に配置されている為、前記第2排出経路を形成する前記第2経路形成部材は、前記操作部を取り外すことで確保されたスペースを利用して取り付けられる。この様な構成によって、前記第2経路形成部材と前記操作部とを同時に装着するスペースの確保が不要となり、装置の大型化を抑制できる。
【0031】
以下、本発明を具体的に説明する。
以下では記録用紙に代表される媒体に対し、インクに代表される液体を吐出することで記録を行うインクジェットプリンター1を、記録装置の一例として説明する。以下においてインクジェットプリンター1は、プリンター1と略称する。
【0032】
各図において示すX-Y-Z座標系は直交座標系であって、Y軸方向が媒体の搬送方向と交差する幅方向であり、また装置奥行き方向である。Y軸方向のうち矢印の向く方向である+Y方向は装置前面から装置背面に向かう方向であり、+Y方向とは反対の-Y方向は装置背面から装置前面に向かう方向である。
またX軸方向は装置幅方向であり、プリンター1の操作者から見て矢印の向く方向である+X方向が左側、その反対の-X方向が右側となる。Z軸方向は鉛直方向即ち装置高さ方向であり、矢印の向く方向である+Z方向が上方向、その反対の-Z方向が下方向となる。以下、「上」の用語を用いる場合は+Z方向を意味し、「下」の用語を用いる場合は-Z方向を意味する。
【0033】
またG軸方向は後述するラインヘッド34のインク吐出面35に対する法線方向であって、矢印の向く方向である+G方向は後述するヘッドユニット33が搬送ベルト7から離間する方向であり、その反対の-G方向はヘッドユニット33が搬送ベルト7に近接する方向である。
またF軸方向はインク吐出面35に平行な方向であって、インク吐出面35と対向する位置における媒体搬送方向であり、矢印の向く方向である+F方向が搬送方向下流となり、その反対の-F方向が搬送方向上流となる。尚、以下では媒体が送られていく方向を「下流」と言い、またその反対方向を「上流」と言う場合がある。
【0034】
図1において媒体搬送経路は破線で示されている。プリンター1において媒体は、破線で示す媒体搬送経路を通って搬送される。
プリンター1の装置本体2は給送前の媒体を収容する第1媒体カセット3と第2媒体カセット4とを備えている。符号Pは、各媒体カセットに収容される媒体を示している。第1媒体カセット3及び第2媒体カセット4は、装置本体2に対して装置前方側から着脱可能に設けられている。
第1媒体カセット3に対しては、収容された媒体を送り出すピックローラー9が設けられ、第2媒体カセット4に対しては、収容された媒体を送り出すピックローラー10が設けられている。
【0035】
また第1媒体カセット3に対しては、送り出された媒体を斜め上方向に給送する給送ローラー対11が設けられている。また第2媒体カセット4に対しては、送り出された媒体を斜め上方向に給送する給送ローラー対12と、媒体を上方向に搬送する搬送ローラー対13とが設けられている。
尚、以下では「ローラー対」とは、特に説明しない限り不図示のモーターによって駆動される駆動ローラーと、この駆動ローラーに接して従動回転する従動ローラーとで構成されるものとする。
【0036】
各媒体カセットから送り出された媒体は搬送ローラー対14及び搬送ローラー対15によって搬送ローラー対16に送られる。搬送ローラー対16から送り力を受ける媒体は、ラインヘッド34と、搬送ベルト7との間、つまりラインヘッド34と対向する位置に送られる。
【0037】
ラインヘッド34は、ヘッドユニット33に設けられ、媒体の面にインクを吐出して記録を実行する。ラインヘッド34は、インクを吐出するノズル(不図示)が媒体幅方向の全域をカバーする様に構成されたインク吐出ヘッドであり、媒体幅方向への移動を伴わないで媒体幅全域に記録が可能なインク吐出ヘッドとして構成されている。ラインヘッド34は、媒体に記録を行う記録部の一例である。
【0038】
ヘッドユニット33に対し-X方向には、インクを収容する複数のインクカートリッジ38と、インクカートリッジ38が着脱可能な装着部39と、インク流路においてインクカートリッジ38とラインヘッド34との間に位置する部位であってインクカートリッジ38から供給されたインクを貯留するリザーバタンク40とが設けられている。インクカートリッジ38は、装置前方側から着脱可能である。
リザーバタンク40に貯留されたインクは、インクチューブ41を介してラインヘッド34へと供給される。
【0039】
リザーバタンク40に対し下側にはメンテナンスボックス42が設けられている。メンテナンスボックス42は不図示のメンテナンス部と、不図示のインクチューブによって接続されており、ラインヘッド34からメンテナンス部に対して吐出されたインク(廃インク)がメンテナンスボックス42へと送られ、貯留される。
メンテナンスボックス42は、装置前方側から着脱可能である。
【0040】
搬送ベルト7、プーリー8a、8bは、ベルトユニット6を構成する。搬送ベルト7は、媒体搬送方向に沿って配置されるプーリー8a及びプーリー8bに掛け回される無端ベルトである。搬送ベルト7は、プーリー8a及びプーリー8bのうち少なくとも一方が不図示のモーターにより駆動されることで回転する。
媒体は、搬送ベルト7のベルト面に吸着されつつラインヘッド34と対向する位置を搬送される。
【0041】
ラインヘッド34と対向する位置を通る媒体搬送経路は、水平方向及び鉛直方向の双方に対して交差しており、斜め上方向に媒体を搬送する構成である。この斜め上向きの搬送方向は、図1において-X方向成分と+Z方向成分とを含む方向であり、このような構成により、プリンター1の水平方向寸法を抑制できる。
尚本実施形態では、ラインヘッド34と対向する位置を通る媒体搬送経路は水平方向に対して50°~70°の範囲の傾斜角に設定され、より具体的には60°の傾斜角に設定されている。
【0042】
ラインヘッド34により第1面に記録が行われた媒体は、搬送ベルト7の下流に位置する搬送ローラー対17により、更に斜め上方向に送られる。
搬送ローラー対17から下流の媒体搬送経路は二つに分岐し、その分岐部には上流フラップ23が設けられており、この上流フラップ23によって媒体の進行方向が切り換えられる。
【0043】
記録の行われた媒体をそのまま排出する場合、搬送ローラー対17から下流の媒体進行方向は搬送ローラー対20に向かう方向に設定される。搬送ローラー対20から下流の搬送経路については、後に改めて説明する。
【0044】
媒体の第1面に加えて更に第2面に記録を行う場合、搬送ローラー対17から下流の媒体進行方向は搬送ローラー対22に向かう方向に設定される。これにより媒体は分岐位置K1を通り、分岐位置K1から上方のスイッチバック経路H3に送られる。このスイッチバック経路H3には搬送ローラー対22が設けられており、スイッチバック経路H3に入った媒体は、搬送ローラー対22によって上方向に搬送される。搬送ローラー対22によって上方向に搬送される媒体の先端は、サイズによってスイッチバック排出口52から胴内排出部30へ突出する。ここで胴内排出部30には第1ガイド部材50が設けられており、スイッチバック排出口52から胴内排出部30に突出する媒体は、第1ガイド部材50によって下方に垂れ下がらない様に支持される。尚、符号50aは第1ガイド部材50を支持するベース部である。スイッチバック排出口52から胴内排出部30に突出する媒体は、サイズによって更に第1ガイド部材50から+X方向に突出する。しかしながら第1ガイド部材50が設けられていることで、スイッチバック排出口52から胴内排出部30に突出する媒体は、後述する第2排出トレイ28(図2参照)に接触することが抑制され、また後述する第1処理ユニット110や第2処理ユニット120(図3参照)に接触することが抑制される。すなわち、媒体の損傷や搬送負荷の増加、搬送不良などを抑制することができる。
そしてスイッチバック経路H3に入った媒体の後端が分岐位置K1を通過したら、搬送ローラー対22の回転方向が切り換えられ、これにより媒体は下方向に搬送される。
【0045】
搬送ローラー対22によって下方向に搬送された媒体は搬送ローラー対18、及び搬送ローラー対19から送り力を受けて搬送ローラー対15に到達し、更にその下流の搬送ローラー対16によって再びベルトユニット6へと搬送される。
再びラインヘッド34と対向する位置に送られた媒体は、既に記録が行われた第1面に対し反対側の第2面がラインヘッド34と対向し、媒体の第2面に対しラインヘッド34による記録が可能となる。
【0046】
続いて搬送ローラー対20から下流の搬送経路即ち媒体の排出経路について説明する。搬送ローラー対20から下流の排出経路は、図1図2に示す第1排出経路H1と、図2にのみ示す第2排出経路H2とが形成可能である。
第1排出経路H1は、装置本体2に対して着脱可能な第1経路形成部材48を装着するか(図1)、或いは装置本体2に対して着脱可能な第2経路形成部材49を第1経路形成部材48に代えて装着することで形成される。
【0047】
第1排出経路H1に送られた媒体は第1排出ローラー対25によって胴内排出部30に排出され、第1排出トレイ27によって支持される。尚、詳しくは後述するが第1排出経路H1は、第1処理ユニット110(図3参照)や第2処理ユニット120(図3参照)によって媒体に処理を行う際にも利用される。
胴内排出部30は装置本体2に設けられた内部空間であって記録の行われた媒体を排出する為の空間であり、-Y方向と+X方向に開口し、ユーザーは胴内排出部30から記録の行われた媒体を取り出すことができる。胴内排出部30は、+Z方向から見て装置本体2の筐体天面とオーバーラップしている。
第1排出トレイ27と第1排出ローラー対25は、装置本体2に対して着脱可能である。
【0048】
第1排出経路H1の上部には、図2に示す様に第2排出経路H2が形成可能である。第2排出経路H2は、装置本体2に対して着脱可能な第2経路形成部材49を装着することで形成される。上述した様に第2経路形成部材49は、図1に示した第1経路形成部材48に代えて着脱する部材である。
第2経路形成部材49の下部には下流フラップ24が設けられており、搬送ローラー対20により搬送される媒体は、下流フラップ24によって第1排出経路H1への搬送と第2排出経路H2への搬送とが切り換えられる。
【0049】
胴内排出部30において第1排出トレイ27の上部には、第2排出トレイ28と第2排出ローラー対26とが着脱可能であり、第2排出経路H2に送られた媒体は第2排出ローラー対26によって胴内排出部30に排出され、第2排出トレイ28によって支持される。
第2排出トレイ28は、胴内排出部30において着脱可能に設けられている。第2排出トレイ28が装着される場合、図1に示した第1ガイド部材50とベース部50aは取り外される。そして第1ガイド部材50とベース部50aに代えて、第2経路形成部材49、第2排出ローラー対26、及び第2ガイド部材51が装着される。第2ガイド部材51は、上述した第1ガイド部材50と同様な機能を奏するものであり、即ちスイッチバック排出口52から胴内排出部30に突出する媒体を支持する部材である。
なお、第1ガイド部材50を装着したままにすることで、第2ガイド部材51を不要な構成としても良い。
【0050】
第1経路形成部材48と第2経路形成部材49は、装置本体2の-X方向の側面に設けられた第1開閉体45とその内側の第2開閉体46を開くことで着脱することができる。図4は、一例として第2経路形成部材49を装着した状態を示している。第1開閉体45と第2開閉体46は、装置本体2の-X方向の側面に開閉可能に設けられた開閉体であって第1排出経路H1或いは第2排出経路H2にユーザーがアクセスする際に開放する開閉体である。第2開閉体46は第1開閉体45の内側にあり、第1開閉体45を開くと、搬送ローラー対17から搬送ローラー対22に至る媒体搬送経路、及び搬送ローラー対22から上方のスイッチバック経路H3を開放することができる。
【0051】
そして第1開閉体45に加えて更に第2開閉体46を開くことで、搬送ローラー対17と搬送ローラー対20との間の媒体搬送経路を露呈させることができる。その際、第2経路形成部材49が装着されていれば、第2排出経路H2を露呈させることができる。また更にその状態から第2経路形成部材49を取り外すことで第1排出経路H1を露呈させることができる。
第1経路形成部材48が装着されていれば、第2開閉体46を開くことで、搬送ローラー対17と搬送ローラー対20との間の媒体搬送経路を露呈させることができる。また更にその状態から第1経路形成部材48を取り外すことで、第1排出経路H1を露呈させることができる。
尚、第1開閉体45と第2開閉体46を開放することにより後述する操作ユニット80(図8参照)が露呈する。操作ユニット80については、後に詳述する。
【0052】
また胴内排出部30には、図3に示す様に媒体搬送装置60、第1処理ユニット110、及び第2処理ユニット120が着脱可能である。媒体搬送装置60を装着する場合、図1に示す状態から第1排出トレイ27と第1排出ローラー対25を取り外し、第1排出トレイ27と第1排出ローラー対25に代えて媒体搬送装置60を装着し、次いで第1処理ユニット110及び第2処理ユニット120を装着する。
尚その際、上述した第1ガイド部材50は取り外すことなく、第1処理ユニット110及び第2処理ユニット120を装着することが可能に構成されている。図16図3の位置X1において第1ガイド部材50の方向を見た図であり、第1ガイド部材50の外形と第1処理ユニット110の外形を実線で示し、装置本体2の外形を二点鎖線で示し、その他の構成は図示を省略している。図16に示す様に第1処理ユニット110には逃げ部110aが形成されており、逃げ部110aの内側に第1ガイド部材50を配置することができる。これにより第1処理ユニット110及び第2処理ユニット120を装着する際、第1ガイド部材50は取り外すことなく、第1処理ユニット110及び第2処理ユニット120を装着することができる。
尚、図示は省略するが第2処理ユニット120にも同様な逃げ部が形成されており、第1処理ユニット110を装着せずに第2処理ユニット120のみを装着する際にも、第1ガイド部材50を取り外すことなく、第2処理ユニット120を装着することができる。
また胴内排出部30には、装置本体2に対し+X方向に設置可能な外部処理ユニット(不図示)へと媒体を中継搬送する中継搬送装置(不図示)を装着可能であり、この中継搬送装置(不図示)にも第2ガイド部材51との干渉を避ける逃げ部が形成されている。
【0053】
図3に戻り、媒体搬送装置60、第1処理ユニット110、及び第2処理ユニット120は、プリンター1に装着されることで、プリンター1とともに記録システム1Sを構成する。
第1処理ユニット110は、本実施形態では媒体に対し第1の処理として穿孔処理を行う。符号110は、媒体に対し穿孔処理を行う第1処理部である。また第2処理ユニット120は、本実施形態では媒体に対し第2の処理として綴じ処理を行う。符号121は、媒体に対し綴じ処理を行う第2処理部である。また符号122は、媒体を一時的に積載する処理トレイである。綴じ処理が行われた媒体は、不図示の排出手段によって積載トレイ123に向けて排出され、積載される。尚、第1処理ユニット110と第2処理ユニット120における媒体搬送経路や媒体搬送手段の詳細については図示と説明を省略する。
また上記第1の処理と第2の処理は、一例であってその他の処理であっても良い。
また本実施形態においては第1処理ユニット110と第2処理ユニット120の二つの処理ユニットを備えるが、いずれか一方のみを備えていても良い。またその場合の処理ユニットにおける処理内容は、ステープラー等による綴じ処理、媒体に穿孔する穿孔処理、媒体束を中綴じする中綴じ処理、媒体幅方向において媒体束の排出位置を交互にずらして排出するシフト排出処理等が挙げられる。
【0054】
上記の第1処理ユニット110と第2処理ユニット120は、媒体搬送装置60を構成するユニット載置部73(図5も参照)に載置され、不図示のねじによって媒体搬送装置60に対し固定される。
【0055】
図3において媒体搬送装置60は、第1排出経路H1と、第1処理ユニット110と、の間に位置する搬送部であって、第1排出経路H1から排出された媒体を第1処理ユニット110へ搬送する搬送部61を備えている。搬送部61は、ユニット載置部73と一体に構成される。
搬送部61は、搬送ローラー対62を備え、搬送ローラー対62の回転によって媒体が第1処理ユニット110に向けて搬送される。図3において符号59は、搬送ローラー対62の駆動源である駆動モーターである。搬送ローラー対62は、駆動モーター59によって駆動される駆動ローラー64と、従動回転可能な従動ローラー65とで構成される。駆動ローラー64は、媒体に接し回転することで媒体を搬送する回転体の一例である。
【0056】
搬送部61は、図5に示す様にベースフレーム70の上部にガイドフレーム71を備えている。第1排出経路H1から排出される媒体は、ガイドフレーム71によって搬送ローラー対62に向けて案内される。
ガイドフレーム71には図6に示す様にガイドリブ71aが形成され、第1排出経路H1から排出される媒体は、ガイドリブ71aによって第1排出経路H1から搬送部61へと受け渡される。
【0057】
ガイドフレーム71の上流端には、図6に示す様にY軸方向即ち媒体幅方向に沿って保持部69が設けられている。本実施形態において保持部69は、凹形状として形成されている。ここで図3に示す様に記録部であるラインヘッド34が搬送部61の下方に位置しており、この様な構成においては搬送部61において発生する異物がラインヘッド34に向けて落下し、記録品質が低下する虞がある。しかしながら保持部69が設けられていることで、搬送部61における搬送経路において発生する異物、例えば紙粉等がガイドフレーム71からラインヘッド34に向けて落下することを抑制でき、ひいては記録品質の低下を抑制できる。
【0058】
次に、第2処理ユニット120は、第1処理ユニット110に対してX軸方向にスライド可能に設けられており、図3の状態から第2処理ユニット120を図15に示す様に+X方向にスライドさせることができ、第1処理ユニット110と第2処理ユニット120との間に開口C1を形成することができる。これにより、第1処理ユニット110或いは第2処理ユニット120において紙ジャムが生じた場合に詰まった媒体を除去することができる。
【0059】
ここで、本実施形態において第1処理ユニット110はスライド不可であり、第1処理ユニット110と搬送部61との間に開口を形成することはできない。この為、第1処理ユニット110において搬送部61寄りの位置で紙ジャムが生じた場合や、搬送部61において紙ジャムが生じた場合は、ジャム処理が困難となる。
そこで本実施形態に係る媒体搬送装置60は、搬送部61を手動で操作可能な操作部である操作ユニット80(後述)を備えており、操作ユニット80によって駆動ローラー64を手動で回転させることができる。その際の駆動ローラー64の回転方向は、図3において反時計回り方向となり、即ち媒体を第1排出経路H1に戻す方向である。操作ユニット80は装置本体2に対して着脱可能であり、図8は操作ユニット80を装着した状態である。
【0060】
操作ユニット80は、上述した第1開閉体45と第2開閉体46を開くことで着脱可能となる。図8は、上述した第1経路形成部材48を装着し、且つ、操作ユニット80を装着した状態である。本実施形態において操作ユニット80は、装置本体2に対して着脱可能であるが、ユーザーがアクセス可能な位置であればこれに限られず、例えば搬送部61に対して着脱可能であっても良い。
操作ユニット80は、ユーザーが手動で操作力を入力可能な入力部である操作ノブ81を有しており、操作ノブ81を回転させることで駆動ローラー64を図3の反時計回り方向に回転させることができる。これにより、搬送ローラー対62に係わっている状態で詰まっている媒体を第1排出経路H1に戻すことができ、そして取り除くことができる。
【0061】
操作ユニット80の装着領域ASは、上述した第2経路形成部材49の装着領域と重なっており、第2経路形成部材49を装着した状態で操作ユニット80を装着することはできない構成である。操作ユニット80は、第1経路形成部材48と干渉しない位置に配置されるが、第2経路形成部材49と干渉する位置に配置される。
ここで第2排出経路H2を利用して胴内排出部30の第2排出トレイ28へ媒体を排出する形態においては、媒体搬送装置60及び第1処理ユニット110が邪魔になり、媒体搬送装置60と第1処理ユニット110は利用されない。この為、操作ユニット80も不要となり、操作ユニット80は取り外すことができる。そして操作ユニット80は、第2経路形成部材49と干渉する位置に配置されている為、第2排出経路H2を形成する第2経路形成部材49は、操作ユニット80を取り外すことで確保されたスペースを利用して取り付けられる。この様な構成によって、第2経路形成部材49と操作ユニット80とを同時に装着するスペースの確保が不要となり、装置の大型化を抑制できる。
【0062】
以下、操作ユニット80の構成について詳述する。
図7において操作ユニット80は、第1支持部材83、第2支持部材84、及び支持フレーム93を備え、これらの部材によってベースが構成されている。第1支持部材83には、操作ノブ81、歯車86、87が回転可能に支持されている。第2支持部材84と支持フレーム93には、歯車88、89と、切換歯車90とが回転可能に支持されている。また第2支持部材84は、支持フレーム93を支持する。また支持フレーム93は、回転レバー91を回転可能に支持する。
【0063】
操作ノブ81には回転方向を示す矢印81aが付されており、また第1支持部材83には操作ノブ81の回転方向を示す矢印83aが付されている。これによりユーザーは操作ノブ81の操作方向を容易に把握することができる。
【0064】
歯車85は操作ノブ81と同軸で回転する歯車であり、歯車86と噛み合っている。歯車86には歯車87が噛み合い、歯車87には歯車88が噛み合っている。歯車88には歯車89が一体で設けられ、歯車89は切換歯車90と噛み合っている。以上により操作ノブ81が回転すると、切換歯車90が回転する様に構成されている。
【0065】
図5に示す様に駆動ローラー64の回転軸63の軸端には、第1歯車66と第2歯車67とが取り付けられている。図10に示す様に、第1歯車66には駆動モーター59(図3参照)の動力が動力中継部58を介して第1歯車66に伝達され、これにより駆動ローラー64が回転する(図3の時計回り方向)。
そして上述した切換歯車90が、第2歯車67と噛み合い可能に構成されている。切換歯車90は、第2歯車67に接続して噛み合う接続位置と、第2歯車67から離間する離間位置とを変位可能に構成されている。切換歯車90が接続位置にある場合、切換部82は操作ノブ81によって入力された操作力を駆動ローラー64に伝達する伝達状態となる。切換歯車90が離間位置にある場合、切換部82は操作ノブ81によって入力された操作力を駆動ローラー64に伝達しない切断状態となる。図10は、切換歯車90が第2歯車67から離間した離間位置にあり、切換部82が切断状態となった様子を示している。
切換歯車90は、第2開閉体46が開いた状態では接続位置に位置し、この状態から第2開閉体46を閉じると接続位置から離間位置に変位する。そしてこの状態から第2開閉体46を開くと離間位置から接続位置に変位する。
【0066】
図7において操作ユニット80は、切換部82を備えている。切換部82は、切換歯車90と、回転レバー91と、圧縮コイルばね94とを備えている。
切換歯車90は、円筒部90aとフランジ部90bとを一体に備えているとともに、Y軸方向に延びるスライド軸97(図12参照)に対してスライド可能に設けられている。スライド軸97は、一端が第2支持部材84によって支持され、他端が支持フレーム93によって支持される。そして切換歯車90は、Y軸方向にスライドすることで、離間位置(図12参照)と接続位置(図13参照)との間で変位する。
【0067】
回転レバー91は、Z軸方向に延びる軸92に対して回転可能に設けられている。軸92は、支持フレーム93によって支持される軸である。回転レバー91は、軸92から延びる第1アーム部91bと第2アーム部91cとを備えており、第1アーム部91bには被押圧部91aが形成されている。被押圧部91aは、第2開閉体46(図10参照)によって押圧される部位である。
第2アーム部91cは、切換歯車90と一体に形成されたフランジ部90bと係わり合っており、回転レバー91の回転に伴ってフランジ部90b即ち切換歯車90を+Y方向に変位させる。
【0068】
図7において支持フレーム93とフランジ部90bとの間には圧縮コイルばね94が設けられており、フランジ部90b即ち切換歯車90と、回転レバー91の第2アーム部91cは、圧縮コイルばね94によって-Y方向に押圧されている。
切換部82は上記の様に構成されたことで、第2開閉体46が閉じると、図10に示す様に被押圧部91aが第2開閉体46によって押圧される。これにより回転レバー91の第2アーム部91cが、圧縮コイルばね94の押圧力に抗してフランジ部90b即ち切換歯車90を+Y方向に変位させ、切換部82は図12に示す様に切換歯車90が第2歯車67から+Y方向に離間する状態(切換歯車90の離間位置)、即ち切断状態となる。
【0069】
この状態から第2開閉体46を開くと、圧縮コイルばね94の押圧力によってフランジ部90b即ち切換歯車90が-Y方向に変位し、切換部82は図13に示す様に切換歯車90が第2歯車67と接続する状態(切換歯車90の接続位置)、即ち伝達状態となる。
この様に第2開閉体46を開くことで、操作ノブ81の回転が第2歯車67に伝達され、操作ノブ81を回転させることで駆動ローラー64を回転させることが可能となる。
【0070】
尚、図14に示す様に操作ノブ81の回転軸81bと操作ノブ81との間にはワンウェイクラッチ98が設けられており、操作ノブ81を図7に示す矢印81aとは反対方向に回転させても、操作ノブ81の回転が回転軸81bに伝達されない様に構成されている。即ち駆動ローラー64は、操作ノブ81の回転によって図3の時計回り方向には回転しない構成である。
【0071】
以上の操作ユニット80は、図8図9に示す様に装置本体2を構成する第1フレーム100と第2フレーム101に対してねじ固定される。より詳しくは、第1フレーム100はX-Z平面に平行なフレーム面を有している。第1フレーム100には二つの位置決め穴100bが形成されている。操作ユニット80には図12図13に示す様に二つの位置決めピン96が第2支持部材84から-Y方向に突出する様に設けられており、この二つの位置決めピン96が、図9に示す二つの位置決め穴100bに入り込み、第1フレーム100に対する操作ユニット80の位置が規定される。
【0072】
第1フレーム100にはねじ穴100aが形成されており、操作ユニット80の第1支持部材83が、ねじ104によって第1フレーム100に対し固定される。第1支持部材83に形成されたねじ挿通穴83bは、ねじ104を挿通させる穴である。
【0073】
次に、第2フレーム101は第1折り曲げ部101aと第2折り曲げ部101bとを有している。第1折り曲げ部101aと第2折り曲げ部101bは、Y-Z平面に平行なフレーム面を成す折り曲げ部であり、操作ユニット80の支持フレーム93は、第1折り曲げ部101aと第2折り曲げ部101bとの間に配置される。
第1折り曲げ部101aにはねじ穴101cが形成されており、また第2折り曲げ部101bにはねじ穴101dが形成されている。そして操作ユニット80の支持フレーム93が、ねじ102によって第1折り曲げ部101aに固定され、またねじ103によって第2折り曲げ部101bに固定される。支持フレーム93に形成されたねじ挿通穴93aは、ねじ102を挿通させる穴であり、また支持フレーム93に形成されたねじ挿通穴93bは、ねじ103を挿通させる穴である。
【0074】
ここで支持フレーム93を第1折り曲げ部101aと第2折り曲げ部101bとの間に配置する際、支持フレーム93は第2折り曲げ部101bを乗り越える必要がある。このとき、歯車86、第1支持部材83、操作ノブ81などが、第2開閉体46を開いた際の開口の上部2aと干渉する位置にあり、これらが作業の邪魔となる。
そこで本実施形態に係る操作ユニット80は、第1支持部材83が、第2支持部材84に対して相対的に回転可能に構成されている。図11(A)、(B)において符号95は第1支持部材83と第2支持部材84とが相対的に回転可能となる様に第1支持部材83と第2支持部材84とを連結する連結軸である。連結軸95は、歯車87の回転軸でもある。
【0075】
図11(A)は、操作ユニット80を装置本体2に装着した際の第1支持部材83と第2支持部材84の状態である。この状態では、操作ユニット80の構成要素のうち歯車86の上端部が最も+Z方向に位置する部位となり、次いで操作ノブ81の上端部が+Z方向に位置する部位となる。位置X1は、図11(A)の状態における、歯車86の上端部のZ軸方向位置である。
これに対し図11(B)は、第1支持部材83を図11(A)の状態から-Z方向に回転させた状態である。位置X2は、図11(B)の状態における、歯車86の上端部のZ軸方向位置である。
【0076】
この様に第1支持部材83を第2支持部材84に対して相対的に回転させることで、歯車86の上端部のZ軸方向位置を下げることができる。その結果、第2開閉体46を開いた際の開口の上部2a(図9参照)と操作ユニット80との干渉を防止することができ、支持フレーム93を第1折り曲げ部101aと第2折り曲げ部101bとの間に配置することができる。その結果、操作ユニット80を着脱する為に必要なZ軸方向の領域を抑制でき、ひいては装置本体2のZ軸方向寸法を抑制することができる。
【0077】
以上説明した様に本実施形態に係る媒体搬送装置60は、プリンター1の第1排出経路H1と、第1排出経路H1から胴内排出部30に排出された媒体に対し第1の処理を行う第1処理ユニット110と、の間に位置する搬送部61と、搬送部61を手動で操作可能な操作部である操作ユニット80とを有する。これにより搬送部61に係わった状態で詰まっている媒体を移動させることができ、ジャム処理を適切に行うことができる。
尚この作用効果は、第1処理ユニット110がスライド可能な場合とスライド不可能な場合とのいずれにおいても得ることができるが、特に本実施形態の様に第1処理ユニット110がスライド不可能であって第1処理ユニット110と搬送部61との間に開口を形成できない構成においては、ジャム処理を適切に行うことができる。
【0078】
また本実施形態において搬送部61は、駆動モーター59の動力により回転することで媒体を搬送する回転体である駆動ローラー64を備え、操作ユニット80は、手動で操作力を入力可能な入力部である操作ノブ81と、操作力を駆動ローラー64に伝達する伝達状態と、操作力を駆動ローラー64に伝達しない切断状態と、を切換可能な切換部82と、を有している。そして駆動モーター59の動力によって駆動ローラー64が駆動される場合、切換部82は、図12の切断状態をとる。これにより駆動モーター59の動力によって駆動ローラー64が駆動される場合には駆動モーター59の動力が操作ノブ81に伝達されない。その結果、駆動モーター59が駆動ローラー64を駆動する際に操作ノブ81が負荷とならず、適切に駆動モーター59によって搬送部61を駆動することができ、また騒音や部品の摩耗も抑制できる。
但しこの様な構成に限らず、切換部82を省略し、駆動モーター59の動力によって駆動ローラー64が駆動される場合に常に操作ノブ81に駆動力が伝達される構成とすることもできる。
【0079】
また本実施形態において操作ユニット80は、操作ノブ81を支持する第1支持部である第1支持部材83と、切換部82を支持する第2支持部である第2支持部材84と、を更に有し、第1支持部材83と第2支持部材84とが相対的に回転可能である。これにより、上述した様に操作ユニット80を取り付ける際に操作ユニット80が通り難い空間、例えば狭い空間や障害物のある空間に操作ユニット80を通す際に、操作ユニット80を通すことができ、ひいては操作ユニット80を取り付けることが可能となる。
但しこの様な構成に限らず、第1支持部材83と第2支持部材84とが相対的に回転不可能な構成であっても良い。
【0080】
また本実施形態において駆動ローラー64は、第1回転方向(図3において時計回り方向)に回転することで媒体を搬送方向の下流に搬送し、第1回転方向とは反対の第2回転方向(図3において反時計回り方向)に回転することで媒体を搬送方向の上流に搬送し、操作ノブ81に操作力を入力した際に、図14を参照して説明した様に駆動ローラー64は第2回転方向にのみ回転可能である。これにより以下の作用効果が得られる。
即ち搬送部61に係わった状態で詰まっている媒体を搬送部61から下流方向即ち第1処理ユニット110に向けて送ると、媒体が取り出せなくなる虞がある。しかしながら上記の様に操作ノブ81に操作力を入力した際に、操作ノブ81は第2回転方向即ち媒体を搬送部61から上流に送る方向にのみ回転可能であることから、詰まった媒体が第1処理ユニット110に向けて送られて取り出せなくなる問題の発生を抑制できる。
但しこの様な構成に限らず、操作ノブ81の回転方向に応じて駆動ローラー64が第1回転方向と第2回転方向のいずれの方向にも回転できる構成であっても良い。
また本実施形態においてワンウェイクラッチ98(図14参照)は、操作ノブ81の回転軸81bと操作ノブ81との間に設けられているが、操作ノブ81に操作力を入力した際に駆動ローラー64が第2回転方向にのみ回転可能であれば、ワンウェイクラッチ98はどの様な位置に設けられていても良く、歯車85から切換歯車90への動力伝達経路における適宜の位置に設けられていても良い。また操作ノブ81に操作力を入力した際に、駆動ローラー64が第2回転方向にのみ回転可能となる為の手段は、ワンウェイクラッチ98に限られず、遊星歯車機構などのその他の手段であっても良い。
【0081】
また本実施形態において媒体搬送装置60は第1処理ユニット110を載置するユニット載置部73を備え、ユニット載置部73は、搬送方向において第1処理ユニット110の下流に位置するユニットであって第1処理ユニット110から受け入れた媒体に第2の処理を行う第2処理ユニット120を更に載置可能である。これにより媒体に施す処理の種類を増やすことができる。
また本実施形態において第1処理ユニット110が媒体に対して行う第1の処理は、媒体に穿孔する処理であり、第2処理ユニット120が媒体に対して行う第2の処理は、媒体を綴じる処理である。
【0082】
また本実施形態において操作ユニット80は着脱可能である。これにより操作ユニット80を装着しない場合には操作ユニット80の装着スペースを有効活用できる。
但しこの様な構成に限らず、操作ユニット80が固定的に設けられていても良い。
【0083】
また本実施形態においてプリンター1は、第1排出経路H1を備える装置本体2に対し開閉可能に設けられた開閉体であって第1経路形成部材48を着脱する際即ち第1排出経路H1にアクセスする際に開放する第1開閉体45と第2開閉体46を備え、第1開閉体45と第2開閉体46を開放することにより操作ユニット80が露呈する構成である。この様な構成により、第1開閉体45と第2開閉体46を開くことで、操作ノブ81への操作力の入力と、第1排出経路H1へのアクセスとを行うことができ、ユーザーの利便性が向上する。
尚、本実施形態において開閉体は第1開閉体45と第2開閉体46の2つであるが、開閉体は一つであっても良く、即ち第1開閉体45を開くことで操作ユニット80が露呈する構成であっても良い。また或いは、三つ以上の開閉体を開くことで操作ユニット80が露呈する構成であっても良い。
【0084】
また本実施形態では、切換部82は第2開閉体46によって押圧可能な被押圧部91aを有し、第2開閉体46が閉状態の場合、被押圧部91aが第2開閉体46によって押圧されることで切換部82が切断状態をとり、第2開閉体46が開状態の場合、被押圧部91aが第2開閉体46によって押圧されないことで切換部82が伝達状態をとる構成である。即ち切換部82の状態が、第2開閉体46の開閉に連動して切り換わる構成である為、切換部82の状態をユーザーが自ら切り換える必要がなく、ユーザーの利便性が向上する。
但しこの様な構成に限らず、ユーザーが手動で切換部82の状態を切り換える構成であっても良い。またソレノイド等のアクチュエーターによって切換部82の状態を切り換える構成であっても良い。その場合、ユーザーがプリンター1の操作パネル(不図示)を介して切換部82の状態切換えを実行する構成であっても良い。
【0085】
また本実施形態において切換部82は切換歯車90を有し、切換歯車90は伝達状態において駆動ローラー64と同軸で回転する第2歯車67と接続する接続位置に位置し(図13参照)、切断状態において第2歯車67から離間する離間位置に位置する(図12参照)。また本実施形態において切換部82は被押圧部91aを有する部材であって、切換歯車90を接続位置から離間位置に変位させる変位部としての回転レバー91と、切換歯車90を接続位置に向けて押圧する押圧部としての圧縮コイルばね94とを有する。これにより、切換部82を簡単な仕組みで構成できる。
尚、本実施形態において切換歯車90は回転軸線方向に沿って変位することで接続位置と離間位置とに移動するが、これに限られず、例えば径方向に沿って変位することで接続位置と離間位置とに移動する構成でも良い。
【0086】
また本実施形態においてプリンター1のラインヘッド34は、媒体に液体の一例であるインクを吐出して記録する。ここで媒体に液体の一例であるインクを吐出して記録する構成においては、媒体にインクを吐出することで媒体が変形し易く、ひいてはジャムが生じ易いが、搬送部61を手動で操作可能な操作ユニット80を備えることから、詰まった媒体を移動させることができ、ジャム処理を適切に行うことができる。
【0087】
本発明は上記において説明した各実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0088】
1…インクジェットプリンター、1S…記録システム、2…装置本体、2a…上部、
3…第1媒体カセット、4…第2媒体カセット、6…ベルトユニット、7…搬送ベルト、8a、8b…プーリー、9、10…ピックローラー、11、12…給送ローラー対、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22…搬送ローラー対、23…上流フラップ、24…下流フラップ、25…第1排出ローラー対、26…第2排出ローラー対、27…第1排出トレイ、28…第2排出トレイ、30…胴内排出部、33…ヘッドユニット、34…ラインヘッド、35…インク吐出面、38…インクカートリッジ、39…装着部、40…リザーバタンク、41…インクチューブ、42…メンテナンスボックス、45…第1開閉体、46…第2開閉体、48…第1経路形成部材、49…第2経路形成部材、50…第1ガイド部材、50a…ベース部、51…第2ガイド部材、58…動力中継部、59…駆動モーター、60…媒体搬送装置、61…搬送部、62…搬送ローラー対、63…回転軸、64…駆動ローラー、65…従動ローラー、66…第1歯車、67…第2歯車、69…保持部、70…ベースフレーム、71…ガイドフレーム、71a…ガイドリブ、73…ユニット載置部、80…操作ユニット、81…操作ノブ、81a…矢印、81b…回転軸、82…切換部、83…第1支持部材、83a…矢印、83b…ねじ挿通穴、84…第2支持部材、85、86、87、88、89…歯車、90…切換歯車、90a…円筒部、90b…フランジ部、91…回転レバー、91a…被押圧部、91b…第1アーム部、91c…第2アーム部、92…軸、93…支持フレーム、93a、93b…ねじ挿通穴、94…圧縮コイルばね、95…連結軸、96…位置決めピン、97…スライド軸、98…ワンウェイクラッチ、100…第1フレーム、100a…ねじ穴、100b…位置決め穴、101…第2フレーム、101a…第1折り曲げ部、101b…第2折り曲げ部、101c、101d…ねじ穴、102、103、104…ねじ、110…第1処理ユニット、111…第1処理部、120…第2処理ユニット、121…第2処理部、122…処理トレイ、123…積載トレイ、H1…第1排出経路、H2…第2排出経路、H3…スイッチバック経路
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