(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031531
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理システム、家電システム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240229BHJP
G06Q 10/00 20230101ALI20240229BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135166
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】林 航平
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA22
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】利便性の向上を図ることができるプログラム、情報処理システム、家電システム、および情報処理方法を提供することである。
【解決手段】実施形態のプログラムは、レシピ提供システムと通信可能な端末装置であるコンピュータに、前記レシピ提供システムが提供するレシピに関して、ユーザによる使用が制限される使用制限物を指定する前記ユーザの操作を受け付ける第1受付部と、前記使用制限物に関して、前記ユーザが使用可能となる使用可能条件を指定する前記ユーザの操作を受け付ける第2受付部と、前記第1受付部および前記第2受付部により受け付けられた前記ユーザの操作に基づき得られる情報を前記レシピ提供システムに出力する出力部と、を実現させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシピ提供システムと通信可能な端末装置であるコンピュータに、
前記レシピ提供システムが提供するレシピに関して、ユーザによる使用が制限される使用制限物を指定する前記ユーザの操作を受け付ける第1受付部と、
前記使用制限物に関して、前記ユーザが使用可能となる使用可能条件を指定する前記ユーザの操作を受け付ける第2受付部と、
前記第1受付部および前記第2受付部により受け付けられた前記ユーザの操作に基づき得られる情報を前記レシピ提供システムに出力する出力部と、
を実現させるプログラム。
【請求項2】
前記第2受付部は、前記使用制限物に関して前記使用可能条件となり得る1つ以上の条件候補を前記端末装置の表示画面に表示させ、前記1つ以上の条件候補のなかから少なくとも1つの条件候補を選択する前記ユーザの操作を、前記使用可能条件を指定する前記ユーザの操作として受け付ける、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記ユーザの所定の操作を受け付ける操作受付部をさらに備え、
前記操作受付部は、前記使用可能条件、または前記使用制限物に代わる代替使用物に関して、第1可能条件と、前記第1可能条件とは異なる第2可能条件とが存在する場合、前記端末装置の表示画面上で、前記第1可能条件に対応するレシピと前記第2可能条件に対応するレシピとを切り替える前記ユーザの操作を受け付け可能である、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記コンピュータに、
食物以外に関する前記ユーザの特別事情と所定の関係を有する使用注意物が前記レシピに含まれる場合に前記レシピの内容の変更または所定の報知を行うために、前記特別事情を指定する前記ユーザの操作を受け付ける第3受付部をさらに実現させる、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
レシピ提供システムと通信可能な端末装置であるコンピュータに、
前記レシピ提供システムが提供するレシピに関して、食物以外に関するユーザの特別事情と所定の関係を有する使用注意物が前記レシピに含まれる場合に前記レシピの内容の変更または所定の報知を行うために、前記特別事情を指定する前記ユーザの操作を受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けられた前記ユーザの操作に基づき得られる情報を前記レシピ提供システムに出力する出力部と、
を実現させるプログラム。
【請求項6】
レシピに関してユーザによる使用が制限される使用制限物を示す第1情報と、前記使用制限物に関して前記ユーザが使用可能となる使用可能条件または前記使用制限物に代わる代替使用物を示す第2情報とに基づき、複数のレシピのなかから1つ以上のレシピを選択して提供するレシピ提供部、
を備える情報処理システム。
【請求項7】
前記使用制限物に関して前記使用可能条件となり得る1つ以上の条件候補を表示画面に表示する表示制御部をさらに備え、
前記レシピ提供部は、前記1つ以上の条件候補のなかから少なくとも1つの条件候補を選択する前記ユーザの操作に基づいて前記第2情報を取得する、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記1つ以上のレシピのうち少なくとも1つのレシピは、前記レシピに含まれる前記使用制限物に関して、前記使用可能条件または前記代替使用物に関する条件が満たされるか否かに関する判定に用いられる判定用情報を含む、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記レシピ提供部は、前記第1情報、前記第2情報、および前記判定用情報に基づき、前記複数のレシピのなかから前記1つ以上のレシピを選択して提供する、
請求項8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記レシピ提供部は、所定条件が満たされる場合、前記第2情報に応じて前記レシピの内容を変更して提供する、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記レシピ提供部は、前記使用可能条件または前記代替使用物に関して、第1可能条件と、前記第1可能条件とは異なる第2可能条件とが存在する場合、前記第1可能条件を選択する前記ユーザの操作に応じて前記第1可能条件に対応する前記レシピを提供し、前記第2可能条件を選択する前記ユーザの操作に応じて前記第2可能条件に対応する前記レシピを提供する、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記レシピには、調理用家電機器により利用される加熱情報が関連付けられ、
前記レシピに関連付けられた前記加熱情報を前記使用可能条件に応じて変更して前記調理用家電機器に出力する加熱情報出力部をさらに備える、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記レシピ提供部は、前記第1情報および前記第2情報に加え、前記使用制限物と所定の関係を有する第1使用注意物、または食物以外に関する前記ユーザの特別事情と所定の関係を有する第2使用注意物を示す第3情報に基づき、前記複数のレシピのなかから前記1つ以上のレシピを選択して提供する、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記レシピ提供部は、前記使用制限物と所定の関係を有する第1使用注意物、または食物以外に関する前記ユーザの特別事情と所定の関係を有する第2使用注意物が前記レシピに含まれる場合、前記レシピの内容を変更して提供する、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記使用制限物と所定の関係を有する第1使用注意物、または食物以外に関する前記ユーザの特別事情と所定の関係を有する第2使用注意物が前記レシピに含まれる場合、所定の報知を行う報知情報提供部をさらに備える、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記レシピが前記使用可能条件を満たす場合、前記レシピが前記使用可能条件を満たすことを示す情報を提供する付加情報提供部をさらに備える、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記レシピ提供部が前記第2情報に基づいて前記複数のレシピのなかから前記使用可能条件を満たす1つ以上のレシピを選択して提供する場合、前記使用可能条件を満たす前記レシピが選択されて提供されていることを示す情報を提供する付加情報提供部をさらに備える、
請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項18】
レシピを提供するレシピ提供部と、
ユーザによる使用が制限される使用制限物と所定の関係を有する第1使用注意物、または食物以外に関する前記ユーザの特別事情と所定の関係を有する第2使用注意物が前記レシピに含まれる場合、所定の報知を行う報知情報提供部と、
を備える情報処理システム。
【請求項19】
調理用の加熱装置と、
ユーザによる使用が制限される使用制限物を示す第1情報、または前記使用制限物に関して前記ユーザが使用可能となる使用可能条件を示す第2情報を受け付ける設定受付部と、
前記設定受付部により受け付けられた前記第1情報または前記第2情報に基づき、前記加熱装置を制御する制御部と、
を備える家電システム。
【請求項20】
前記制御部は、前記使用制限物がレシピに含まれる場合であって、第1加熱情報と、前記使用可能条件に応じて調整された第2加熱情報とを外部から受信する場合、前記第2加熱情報に基づき前記加熱装置を制御する、
請求項19に記載の家電システム。
【請求項21】
前記制御部は、前記使用制限物がレシピに含まれる場合であって、加熱情報を外部から受信する場合、受信した前記加熱情報を前記使用可能条件に応じて変更し、変更した前記加熱情報に基づき前記加熱装置を制御する、
請求項19に記載の家電システム。
【請求項22】
前記制御部は、レシピと関係しない調理を行う場合であっても、前記使用制限物を含む調理を行う場合、前記使用可能条件と同一または類似の条件に基づき前記加熱装置を制御する、
請求項19に記載の家電システム。
【請求項23】
前記設定受付部は、前記ユーザによる別の家電機器の使用態様に基づき、前記ユーザの特別事情、または前記特別事情と所定の関係を有する使用注意物を示す第3情報を取得し、
前記制御部は、前記第3情報に基づき、前記加熱装置を制御する、
請求項19に記載の家電システム。
【請求項24】
前記使用可能条件に応じた制御が行われる場合、前記使用可能条件に応じた制御が行われることを表示画面に表示させる表示制御部をさらに備える、
請求項19に記載の家電システム。
【請求項25】
コンピュータが、
レシピに関してユーザによる使用が制限される使用制限物を示す第1情報と、前記使用制限物に関して前記ユーザが使用可能となる使用可能条件を示す第2情報に基づき、複数のレシピのなかから1つ以上のレシピを選択して提供する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プログラム、情報処理システム、家電システム、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レシピ情報にアレルギー関連の料理であることを示す識別子が含まれる情報処理システムが提案されている。このような情報処理システムは、利便性のさらなる向上が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、利便性の向上を図ることができるプログラム、情報処理システム、家電システム、および情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のプログラムは、レシピ提供システムと通信可能な端末装置であるコンピュータに、前記レシピ提供システムが提供するレシピに関して、ユーザによる使用が制限される使用制限物を指定する前記ユーザの操作を受け付ける第1受付部と、前記使用制限物に関して、前記ユーザが使用可能となる使用可能条件を指定する前記ユーザの操作を受け付ける第2受付部と、前記第1受付部および前記第2受付部により受け付けられた前記ユーザの操作に基づき得られる情報を前記レシピ提供システムに出力する出力部と、を実現させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の情報処理システムの全体構成を示す図。
【
図2】第1実施形態のオーブンレンジの機能構成を示すブロック図。
【
図3】第1実施形態の端末装置の機能構成を示すブロック図。
【
図5】第1実施形態のサービス一覧画面の一例を示す図。
【
図6】第1実施形態の使用制限物と使用可能条件の一例を示す図。
【
図7】第1実施形態の概要レシピ一覧表示画面の一例を図。
【
図8】第1実施形態の詳細レシピ表示画面の一例を図。
【
図9】第1実施形態のサーバの機能構成を示すブロック図。
【
図10】第1実施形態のレシピDBの内容の一例を示す図。
【
図11】第1実施形態の加熱パターンDBの内容の一例を示す図。
【
図12】第1実施形態の機器DBの内容の一例を示す図。
【
図13】第1実施形態の使用制限物DBの内容の一例を示す図。
【
図14】第1実施形態の特別事情DBの内容の一例を示す図。
【
図15】第1実施形態の関連使用制限物DBの内容の一例を示す図。
【
図16】第1実施形態の使用注意物DBの内容の一例を示す図。
【
図17】第1実施形態の処理の全体の流れの一例を示すシーケンス図。
【
図18】第1実施形態のユーザ情報設定処理の流れの一例を示す図。
【
図19】第1実施形態のユーザ情報設定処理における画面遷移の一例を示す図。
【
図20】第1実施形態のレシピ検索処理の流れの一例を示す図。
【
図21】第1実施形態の詳細レシピ生成処理の流れの一例を示す図。
【
図22】第1実施形態の報知情報生成処理の流れの一例を示す図。
【
図23】第1実施形態の注意喚起メッセージ画面の一例を示す図。
【
図24】第1実施形態の第3変形例の注意喚起メッセージ画面の一例を示す図。
【
図25】第1実施形態の第4変形例の注意喚起メッセージ画面の一例を示す図。
【
図26】第1実施形態の第5変形例の詳細レシピ表示画面の一例を示す図。
【
図27】第1実施形態の第8変形例の詳細レシピ表示画面の一例を示す図。
【
図28】第1実施形態の第9変形例の詳細レシピ表示画面の一例を示す図。
【
図29】第1実施形態の第11変形例の加熱パターンDBの内容の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態のプログラム、情報処理システム、家電システム、および情報処理方法を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本出願で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。また「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。本出願で「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。XXおよびYYは、任意の要素(例えば任意の情報)である。
【0008】
本出願で「取得」とは、送信要求を送信して能動的に取得する場合に限定されず、他の装置から送信される情報を受動的に受信することで取得する場合も含み得る。また「取得」とは、外部から得られた情報に対して演算または加工などを行い目的の情報を生成することで目的の情報を取得する場合も含み得る。また以下の説明において「検出」とは、「取得」の意味で用いられる場合がある。このため以下の説明における「検出」との用語は「取得」と読み替えられてもよい。本出願では「データベース」を「DB」と表記する。
【0009】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の情報処理システム1の全体構成を示す図である。情報処理システム1は、例えば、調理用家電機器100、サーバ200、および端末装置300を備える。なお、本出願で言う「情報処理システム」は、上記例に限定されず、サーバ200のみで実現されてもよく、端末装置300の家電管理アプリAPPのみで実現されてもよく、サーバ200と端末装置300の家電管理アプリAPPとにより実現されてもよい。サーバ200は、「レシピ提供システム」の一例である。調理用家電機器100は、「家電システム」の一例である。なお、本出願で言う「家電システム」は、上記例に限定されず、調理用家電機器100と、端末装置300の家電管理アプリAPPとにより実現されてもよい。ネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、LPWA(Low Power Wide Area)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、またはその他の公衆回線や専用回線などを状況に応じて利用すればよい。
【0010】
(調理用家電機器の構成)
調理用家電機器100は、例えば、オーブンレンジであり、以下、オーブンレンジ100という。ただし、調理用家電機器100は、オーブンレンジに限られず、電子レンジ、トースターなどでもよい。オーブンレンジ100は、ユーザUの住居内に設置される。オーブンレンジ100は、ユーザUの住居内に設置される無線ルータWRおよびモデムMを介してネットワークNWに接続する。
【0011】
図2に示すように、オーブンレンジ100は、例えば、加熱装置11、通信部12、制御部13、表示制御部14、操作受付部15、および記憶部16を備える。制御部13、表示制御部14、および操作受付部15は、例えば、オーブンレンジ100に搭載されたCPU(Central Processing Unit)のような1つ以上のハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより実現されるソフトウェア機能部である。
【0012】
加熱装置11は、例えば、ヒータにより加熱を行う装置である。通信部12は、無線通信モジュールであり、無線ルータWRおよびモデムMを介してネットワークNWに接続し、サーバ200との間でデータの送受信を行う。表示制御部14は、外部から視認可能な液晶ディスプレイなどの表示画面であってオーブンレンジ100が備える表示画面にデータを表示する。操作受付部15は、オーブンレンジ100が備える入力装置を介してユーザUの操作を受け付け、受け付けた操作に応じた制御信号を制御部13に出力する。制御部13は、通信部12を介してサーバ200が送信するデータを受信して取得したり、操作受付部15が出力するデータを取得したりする。制御部13は、取得したデータに基づいて、例えば、加熱装置11に加熱を行わせたりする。記憶部16は、例えば、フレンチトーストモードといった各種の調理モードに関するデータ、例えば、調理の際に加熱装置11に加熱を行わせる場合の加熱温度や加熱時間などの加熱条件を示す加熱情報などを記憶する。
【0013】
(端末装置の構成)
端末装置300は、ユーザUが使用する端末装置である。端末装置300は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末装置のような携帯端末装置であってもよいし、パーソナルコンピュータなどであってもよい。端末装置300は、図示しない通信モジュールを備えており、無線ルータWRおよびモデムMを介してネットワークNWに接続し、サーバ200との間でデータの送受信を行う。端末装置300は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示画面301aを含む表示装置301と、ユーザUの入力を受け付け可能な入力装置302とを備える。入力装置302は、例えば、表示装置301の表示画面301aと重ねるように備えられたタッチパネルである。入力装置302は、端末装置300に設けられたカメラやマイクなどを含み得る。
【0014】
図3に示すように、端末装置300は、例えば、記憶部30、表示制御部31、操作受付部32、機器登録部33、ユーザ情報受付部34、レシピ検索要求部35(出力部)、詳細レシピ要求部36(出力部)、および加熱指示部37を備える。記憶部30は、ハードウェア機能部であり、予めインストールされるアプリケーションプログラムPのデータと、登録情報310とを記憶する。端末装置300に搭載されたCPUのような1つ以上のハードウェアプロセッサが、アプリケーションプログラムPを実行することにより構築されるソフトウェア機能部のことを、まとめて「家電管理アプリAPP」という。
【0015】
登録情報310には、ユーザUに固有のユーザ識別情報であって端末装置300とサーバ200との間で共有されるユーザ識別情報が含まれる。以下、ユーザ識別情報を、ユーザID(Identifier)という。ユーザIDは、家電管理アプリAPPの利用が開始される際に定められて、登録情報310に記録される。ここで、あるデータを登録情報310に記録するとは、当該あるデータが、登録情報310を形成する情報に含まれることをいう。
【0016】
表示制御部31、操作受付部32、機器登録部33、ユーザ情報受付部34、レシピ検索要求部35、詳細レシピ要求部36、および加熱指示部37は、上記した家電管理アプリAPPに含まれるソフトウェア機能部である。
【0017】
表示制御部31は、例えば、表示装置301に対して、画像や文字などの表示に関するデータを自ら出力、または、他の機能部から受けて出力することにより、当該データに応じた画像や文字などを表示画面301aに表示する。また、表示制御部31は、起動すると、例えば、
図4に示すホーム画面501を表示画面301aに表示する。
【0018】
操作受付部32は、ユーザUの所定の操作を受け付ける。操作受付部32は、ユーザUが入力装置302に対して行った操作を検出し、検出した操作に応じた制御信号を出力する。例えば、ユーザUが、
図4に示す表示画面301aに表示されたホーム画面501の画像内に仮想的に設けられた操作部51を操作して選択したとする。なお、入力装置302に対してユーザUが行う操作とは、入力装置302がタッチパネルである場合、例えば、表示画面301aに対するタップ操作である。この場合、操作受付部32は、表示画面301aにホーム画面501が表示された状態で、入力装置302において操作部51の位置が選択された操作を検出し、検出した操作に応じた制御信号を表示制御部31に出力する。当該制御信号を受けて表示制御部31は、例えば、
図5に示すサービス一覧画面502を表示画面301aに表示する。
【0019】
機器登録部33は、ユーザUが、
図4に示すホーム画面501の画像内に仮想的に設けられた操作部52を操作して選択することにより、操作受付部32が出力する起動を示す制御信号を受けて起動する。機器登録部33は、ユーザUのユーザIDと、ユーザUが使用するオーブンレンジ100に対応する機器IDとを関連付ける機器登録の処理を行う。ここで、機器IDとは、例えば、オーブンレンジ100の製造番号である。機器登録部33は、機器IDを登録情報310に記録し、登録情報310に含まれるユーザIDと、機器IDとをサーバ200に送信する。
【0020】
ユーザ情報受付部34は、ユーザUのユーザ情報を受け付ける。ここで、ユーザUのユーザ情報とは、例えば、ユーザUが有しているアレルギーなどに関する情報である。ユーザ情報受付部34が受け付ける情報として、例えば、使用制限物、使用可能条件、特別事情という3種類の情報がある。
【0021】
使用制限物とは、例えば、ユーザUのアレルギーのために、食材として使用することが制限される食物である。使用可能条件とは、使用制限物を食材として使用することができる場合の条件である。
図6に示す表は、使用制限物および使用可能条件の一例を示す表である。例えば、ユーザUが、生卵や半熟卵を食べることができないが、十分に加熱された卵であれば、食べることができるアレルギーを有しているとする。この場合、ユーザUは、自らに関する使用制限物として「卵」を指定し、使用可能条件として「A(加熱してあれば可)」を指定する。
【0022】
特別事情とは、例えば、花粉症、喘息、ゴムや金属に対するアレルギーなどをユーザUが有しているといった、食物以外に関してユーザUが持つ特有の事情である。特別事情を示す情報は、例えば、以下のような目的で利用される情報である。一例として、花粉症がある人は、菜の花を食べないのが好ましいとされている。ただし、自らに花粉症があることを把握していても、菜の花を食べないのが好ましいということまで把握している人は多くない。この場合に、多くの人が把握している花粉症などの症状を特別事情とし、この特別事情と上記のような所定の関係を有する食材(例えば菜の花)を使用注意物として予め対応付けしておく。このような対応付けをしておくことにより、ユーザUが自らの特別事情を指定すれば、ユーザUが食する際に注意しなければならない使用注意物が特定され、当該使用注意物がレシピに含まれる場合、レシピの内容の変更または所定の報知を行うことができる。ここで説明した使用注意物は、食材以外に関するユーザUの特別事情と所定の関係を有し、使用に注意が必要な食材であり、「第2使用注意物」の一例である。
【0023】
ユーザ情報受付部34は、使用制限物受付部34-1(第1受付部)、使用可能条件受付部34-2(第2受付部)、および特別事情受付部34-3(第3受付部)を備える(
図3参照)。使用制限物受付部34-1は、使用制限物を指定するユーザUの操作を受け付ける。使用制限物受付部34-1は、受け付けた使用制限物を示す情報(第1情報の一例)を登録情報310に記録するとともに、使用可能条件受付部34-2に出力する。使用可能条件受付部34-2は、使用制限物受付部34-1が出力する使用制限物に対応する使用可能条件を指定するユーザUの操作を受け付ける。使用可能条件受付部34-2は、受け付けた使用制限物ごとの使用可能条件を示す情報(第2情報の一例)を登録情報310に記録する。なお、使用可能条件受付部34-2は、使用可能条件に代えて/加えて、代替使用物を示す情報(第2情報の別の一例)を受け付けてもよい。「代替使用物」とは、使用制限物に代えて使用することができる食材である。なお、使用可能条件受付部34-2は、使用制限物受付部34-1が出力する使用制限物に対して、いかなる場合でも使用不可であることを示すユーザUの操作を受け付けてもよい。特別事情受付部34-3は、特別事情を指定するユーザUの操作を受け付ける。特別事情受付部34-3は、受け付けた特別事情を示す情報(第3情報の一例)を登録情報310に記録する。なお、ユーザが指定することができる使用制限物および特別事情は、予め定められており、使用可能条件は、使用制限物ごとに予め定められていてもよい。
【0024】
レシピ検索要求部35は、例えば、ユーザUが、
図5に示すサービス一覧画面502の画像内に設けられた「レシピ」の文字を含む操作部53を操作して選択することにより、操作受付部32が出力する起動を示す制御信号を受けて起動する。レシピ検索要求部35は、登録情報310に含まれるユーザIDおよびユーザ情報を含むレシピ検索要求信号をサーバ200に送信する。レシピ検索要求部35は、
図7に示す概要レシピ一覧表示画面503の文字入力領域56を通じて検索文字列が与えられた場合、与えられた検索文字列を更に含むレシピ検索要求信号をサーバ200に送信する。レシピ検索要求部35は、「出力部」の一例である。また、ユーザ情報は、使用制限物受付部34-1、使用可能条件受付部34-2、または特別事情受付部34-3により受け付けられたユーザUの操作に基づき得られる情報の一例である。なお、登録情報310に含まれるユーザIDおよびユーザ情報は、レシピ検索とは異なるタイミング(例えば、家電管理アプリAPPの初期設定時、または家電管理アプリAPPのレシピ関連機能の初期設定時)に、端末装置300からサーバ200に送信されてもよい。また、ユーザIDおよびユーザ情報をサーバ200に送信する(出力する)出力部は、レシピ検索要求部35とは独立して設けられてもよい。
【0025】
レシピ検索要求部35は、レシピ検索要求信号に対応するレシピ検索応答信号をサーバ200から受信する。レシピ検索要求部35は、受信したレシピ検索応答信号に含まれるデータに基づいて、表示制御部31を介して表示画面301aに、例えば、
図7に示す概要レシピ一覧表示画面503を表示する。ここで、「表示制御部31を介して表示画面301aに・・・を表示する」という処理は、例えば、表示制御部31が、他の機能部が出力する何らかのデータを取り込み、取り込んだデータから生成する画像などを表示画面301aに表示する処理を意味する。
【0026】
詳細レシピ要求部36は、例えば、ユーザUが、
図7に示す概要レシピ一覧表示画面503の画像内に含まれている「レシピ画像1」の画像領域に対応する操作部55を操作して選択することにより、操作受付部32が出力する起動を示す制御信号を受けて起動する。操作部55には、少なくともレシピ1に予め付与されているレシピIDが対応付けられている。ここで、レシピIDとは、レシピの各々を識別可能なレシピ識別情報であり、サーバ200にレシピのデータが登録される際に、レシピのデータの各々に付与される情報である。
【0027】
詳細レシピ要求部36は、例えば、操作部55に対する操作に起因して起動した場合、操作部55に対応付けられているレシピ1のレシピIDと、登録情報310に含まれるユーザIDおよびユーザ情報とを含む詳細レシピ要求信号をサーバ200に送信する。詳細レシピ要求部36は、詳細レシピ要求信号に対応する詳細レシピ応答信号をサーバ200から受信する。詳細レシピ要求部36は、受信した詳細レシピ検索応答信号に含まれている詳細レシピデータに基づいて、表示制御部31を介して表示画面301aに、例えば、
図8に示す詳細レシピ表示画面504を表示する。
【0028】
図8に示す詳細レシピ表示画面504には、レシピ1の画像、レシピ1の名称、レシピ1の食材リスト、レシピ1の調理手順といった、詳細レシピデータに含まれる情報が表示される。これに対して、
図7に示す概要レシピ一覧表示画面503には、例えば、レシピ1に関しては、レシピ1のサムネイル画像とレシピ1の名称などレシピ1の概要を示す情報のみが表示される。以下、
図7の概要レシピ一覧表示画面503に表示される個々のレシピに関するデータであってレシピIDを含むデータを、詳細レシピデータと区別するために、概要レシピデータという。
【0029】
加熱指示部37は、例えば、ユーザUが、
図8に示す詳細レシピ表示画面504の画像内に設けられた「送信」の文字を含む操作部57を操作して選択することにより、操作受付部32が出力する起動を示す制御信号を受けて起動する。操作部57には、少なくともレシピ1に対応するレシピIDが対応付けられている。加熱指示部37は、操作部57に対する操作に起因して起動した場合、操作部57に対応付けられているレシピ1のレシピIDと、登録情報310に含まれているユーザIDおよび機器IDとを含む加熱指示信号をサーバ200に送信する。
【0030】
(サーバの構成)
サーバ200は、1つまたは複数のサーバ装置(例えばクラウドサーバ)により構成される。サーバ200は、図示しない通信モジュールを備えており、ネットワークNWに接続する。サーバ200は、ユーザIDを端末装置300との間で共有する際に、ネットワークNWにおいて端末装置300を特定するアドレス情報と、ユーザIDと関連付けて記憶する。そのため、サーバ200は、データを送信する際に、ユーザIDを含めて送信することにより、ユーザIDに対応する端末装置300にデータを送信することができる。サーバ200は、ネットワークNWのルータに含まれる情報処理部など、エッジコンピューティングやフォグコンピューティングを行う情報処理部を含んでもよい。サーバ200は、クラウドサーバに限定されず、ユーザUの住居にあるコンピュータでもよく、家庭内ルータ(例えば無線ルータWR)などでもよい。
【0031】
図9に示すように、サーバ200は、例えば、記憶部20、DB登録処理部21、レシピ提供部22、報知情報提供部23、および加熱情報出力部24を備える。DB登録処理部21、レシピ提供部22、報知情報提供部23、および加熱情報出力部24は、例えば、サーバ200に搭載されたCPUのような1つ以上のハードウェアプロセッサがプログラムを実行することにより実現されるソフトウェア機能部である。これら機能部は、複数のサーバ装置に分かれて備えられてもよい。また、これら機能部のうち1つ以上の機能部が、サーバ200に代えて、端末装置300またはオーブンレンジ100に備えられていてもよい。
【0032】
記憶部20は、ハードウェア機能部であり、レシピDB201、加熱パターンDB202、機器登録DB203、使用制限物DB204、特別事情DB205、関連使用制限物DB206、および使用注意物DB207を備える。
【0033】
図10は、レシピDB201の内容の一例を示す図である。レシピDB201は、例えば、レシピID、レシピ名称、レシピ画像、食材リスト、食材利用形態、調理手順、および加熱パターンを示す情報を対応付けて記憶する。以下、レシピDB201における1つの行に含まれているデータをレシピレコードという。なお、本出願において、「レシピ」と記載する場合、原則として、レシピレコードを示しているが、レシピレコードの一部から生成される詳細レシピデータや概要レシピデータを示す場合もある。
【0034】
「レシピID」と「調理手順」の項目には、レシピレコードごとに付与されるレシピIDと、レシピレコードごとのレシピの内容、すなわち、調理手順を示す内容とがそれぞれ記憶される。「食材リスト」の項目には、「種類」と「分量」のサブ項目があり、「種類」と「分量」の項目には、レシピレコードごとの食材の種類と分量が記憶される。「レシピ名称」と「レシピ画像」の項目には、レシピレコードごとの「調理手順」の項目の調理手順にしたがって、「食材リスト」の項目の食材を調理することにより得られる料理の名称と、当該料理の一例を撮影した画像データとがそれぞれ記憶される。
【0035】
「食材利用形態」の項目には、対応する食材リストの種類の項目に使用制限物が含まれている場合に、当該使用制限物の利用形態を示す情報が記憶される。例えば、予め定められている使用制限物が「卵」であるとする。この場合に、食材リストの種類の項目に「卵」が含まれているときに、「卵」がどのような利用形態で提供されるのかを示す情報が、「食材利用形態」の項目に記憶される。食材利用形態を示す情報は、端末装置300においてユーザUが指定した使用制限物と、使用可能条件との組み合わせを満たすレシピであるか否かに関する判定に用いられる情報(判定用情報)の一例である。食材利用形態の「利用形態」の項目に記憶される情報は、例えば、食材利用形態の「種類」の項目が示す使用制限物に対して予め定められている使用可能条件のいずれかに対応する情報に限定され得る。なお、「食材利用形態」の項目に登録される判定用情報は、レシピに含まれる使用制限物に関して代替使用物に関する条件が満たされるか否か(すなわち、使用制限物に代わる代替使用物を含むレシピであるか否か)が判定可能な情報でもよい。このような判定用情報は、例えば、食材利用形態の項目に、種類:「卵(使用制限物)」、利用形態:「ゼラチンで代替」と示され、食材リストの種類の項目に「ゼラチン」が含まれることを示す情報でもよい。
【0036】
図10のレシピID「A011」,「A012」のレシピレコードを例として説明する。レシピID「A011」のレシピレコードの食材リストの種類の項目には「卵」が含まれる。ここで、レシピID「A011」のレシピでは、卵の利用形態が加熱される利用形態であるとする。この場合、レシピID「A011」のレシピレコードの食材利用形態の「種類」の項目には「卵」が記憶され、食材利用形態の「利用形態」の項目には、使用可能条件のA(加熱してあれば可)に対応するA(加熱)が記憶される。これに対して、
図10のレシピID「A012」のレシピにおける卵の利用形態が、半熟であるとする(例えば、レシピID「A012」のレシピは、1個の卵をつなぎとして利用すると共に、できあがったハンバーグに、残りの1個の卵を半熟の目玉焼きにしてのせるようなレシピであるとする)。この場合、レシピID「A012」のレシピレコードの食材リストの種類の項目には「卵」が含まれるが、卵の利用形態が、半熟であるため、
図6に示す「卵」の使用可能条件のいずれにも該当しない。そのため、食材利用形態の項目は、空欄になる。
【0037】
図11は、加熱パターンDB202の内容の一例を示す図である。同じレシピであっても、オーブンレンジ100の種類(型式)によって、オーブンレンジ100の加熱装置11によって加熱する際の加熱温度や加熱時間などの加熱条件は異なる。そのため、
図10に示すように、レシピD201の「加熱パターン」の項目には、加熱条件を示す加熱情報ではなく、「パターンA」,「パターンB」,…といった加熱パターンの名称が記憶される。加熱パターンDB202は、
図11に示すように、オーブンレンジ100の種類(型式)を示す型式情報ごとの「パターンA」,「パターンB」,…の各々に対応する加熱情報を特定できるデータ形式のデータを記憶する。
【0038】
機器登録DB203は、
図12に示すように、ユーザIDと、ユーザIDが示すユーザが使用するオーブンレンジ100の機器IDと、オーブンレンジ100の通信部12に割り当てられているアドレス情報と、オーブンレンジ100の種類(型式)を示す型式情報とを対応付けて記憶する。なお、オーブンレンジ100の通信部12に割り当てられるアドレス情報は、例えば、DB登録処理部21が機器登録DB203に対してユーザIDと機器IDとが記録する際に、DB登録処理部21により検出される情報である。
【0039】
使用制限物DB204は、
図13に示すように、ユーザUのユーザIDと、ユーザUにより指定された使用制限物と、個々の使用制限物に対応してユーザUにより指定された使用可能条件とを対応付けて記憶する。特別事情DB205は、
図14に示すように、ユーザUのユーザIDと、ユーザUにより指定された特別事情とを対応付けて記憶する。なお、
図12、
図13、
図14では、ユーザIDが「U100」のユーザUに関するデータのみを記憶する例を示している。これに対して、複数のユーザIDに関するデータを記憶する場合、機器登録DB203、使用制限物DB204、および特別事情DB205は、複数のユーザIDごとに、
図12、
図13、
図14の各々に示すデータ形式のデータを記憶する。
【0040】
図15は、関連使用制限物DB206の内容の一例を示す図である。ここで、関連使用制限物について説明する。一例として、小麦に対してアレルギー症状が出る人の場合、大麦についてもアレルギー症状が出る可能性があることが知られている。この例において、ユーザUにより「小麦」が使用制限物として指定される場合、ユーザUにとって「大麦」が関連使用制限物になる。より一般的に言えば、ある使用制限物に対してアレルギー症状がある人が食するとアレルギー症状が出る可能性があるという所定の関係を有する食物が、当該使用制限物に対応する関連使用制限物である。
【0041】
関連使用制限物DB206は、「使用制限物」、「関連使用制限物」、および「使用可能条件」の項目を有する。「使用制限物」の項目には、関連使用制限物が存在する使用制限物を示す情報が記憶される。「関連使用制限物」の項目には、対応する「使用制限物」の項目に記憶された使用制限物に対応する関連使用制限物を示す情報(第3情報の一例)が記憶される。「使用可能条件」の項目には、対応する「関連使用制限物」の項目に記憶された関連使用制限物を食材として使用することができる条件を示す情報が記憶される。ここで説明した関連使用制限物は、使用制限物と所定の関係を有し、使用に注意が必要な食材であり、「第1使用注意物」の一例である。
【0042】
使用注意物DB207は、
図16に示すように、「特別事情」および「使用注意物」の項目を有する。「特別事情」の項目には、使用注意物が存在する特別事情(食物以外に関してユーザが持ち得る特有の事情)が記憶される。「使用注意物」の項目には、対応する「特別事情」の項目に記憶された特別事情に対応する使用注意物を示す情報(第3情報の一例)が記憶される。ここで説明した使用注意物は、食材以外に関するユーザUの特別事情と所定の関係を有し、使用に注意が必要な食材であり、「第2使用注意物」の一例である。
【0043】
サーバ200において、DB登録処理部21は、レシピDB201、加熱パターンDB202、機器登録DB203、使用制限物DB204、特別事情DB205、関連使用制限物DB206、使用注意物DB207に対する登録処理を行う。レシピDB201、加熱パターンDB202、関連使用制限物DB206、使用注意物DB207については、例えば、情報処理システム1の運用者が、サーバ200に接続された装置を介してDB登録処理部21を操作することによって、DB登録処理部21が、外部から与えられるデータを記録する登録処理を行う。これに対して、機器登録DB203、使用制限物DB204、特別事情DB205については、DB登録処理部21が、ユーザUによる操作に基づいて端末装置300から受信するデータを記録する登録処理を行う。
【0044】
レシピ提供部22は、ユーザUによる使用が制限される使用制限物を示す第1情報と、使用制限物に関してユーザUが使用可能となる使用可能条件または使用制限物に代わる代替使用物を示す第2情報とに基づき、複数のレシピのなかから1つ以上のレシピを選択して提供する。本実施形態では、レシピ提供部22は、上記第1情報と、上記第2情報と、後述する判定用情報とに基づき、複数のレシピのなかから1つ以上のレシピを選択して提供する。本出願で「レシピを提供する」とは、例えば、選択したレシピに関する情報を端末装置300に送信することを意味する。
【0045】
なお、レシピ提供部22は、以下に説明する処理に代えて、上記第1情報と、上記第2情報と、使用制限物と所定の関係を有する第1使用注意物、または食物以外に関するユーザUの特別事情と所定の関係を有する第2使用注意物を示す情報(第3情報の一例)に基づき、複数のレシピのなかから1つ以上のレシピを選択して提供してもよい。すなわち、以下の説明における「使用制限物」は、「第1使用注意物」または「第2使用注意物」と読み替えられてもよい。
【0046】
本実施形態では、レシピ提供部22は、レシピ検索要求信号を端末装置300から受信すると、レシピDB201が記憶するデータ(複数のレシピが登録されたデータ)から条件に該当する1つ以上のレシピを選択し、選択した1つ以上のレシピを示す概要レシピデータを生成する。レシピ提供部22は、生成した概要レシピデータを含むレシピ検索応答信号を端末装置300に送信する。レシピ提供部22は、詳細レシピ要求信号を端末装置300から受信すると、レシピDB201が記憶するデータから条件に該当する詳細レシピデータを生成する。レシピ提供部22は、生成した詳細レシピデータを含む詳細レシピ応答信号を端末装置300に送信する。
【0047】
報知情報提供部23は、使用制限物と所定の関係を有する第1使用注意物、または食物以外に関するユーザUの特別事情と所定の関係を有する第2使用注意物がレシピに含まれる場合、所定の報知を行う。以下では、第2使用注意物がレシピに含まれる場合に報知情報提供部23により所定の報知が行われる例について説明する。第1使用注意物がレシピに含まれる場合に報知情報提供部23により所定の報知が行われる例については、以下の説明において「第2使用注意物」を「第1使用注意物」と読み替えればよい。本出願で言う「所定の報知を行う」とは、例えば、報知用の情報(報知情報)を端末装置300に送信することで、端末装置300を介してユーザUに報知が行われる場合を含み得る。
【0048】
本実施形態では、報知情報提供部23は、例えば、レシピ提供部22が詳細レシピデータを生成した際に、当該詳細レシピデータに基づいて報知情報を生成し、生成した報知情報を、レシピ提供部22を介して提供する。加熱情報出力部24は、加熱指示信号を端末装置300から受信すると、加熱指示信号に対応する加熱情報を、レシピDB201、加熱パターンDB202、および機器登録DB203に基づいて検出する。加熱情報出力部24は、検出した加熱情報をオーブンレンジ100に送信する。
【0049】
なお、オーブンレンジ100の制御部13、表示制御部14、および操作受付部15、並びに、サーバ200のDB登録処理部21、レシピ提供部22、報知情報提供部23、および加熱情報出力部24のうち1つ以上は、ソフトウェア機能部によって実現することに限られない。これらの機能部の一部または全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0050】
オーブンレンジ100の記憶部16、端末装置300の記憶部30、およびサーバ200の記憶部20は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、HDD(Hard Disk Drive)、またはSSD(Solid State Drive)などの組み合わせにより実現される。
【0051】
(第1実施形態の情報処理システムによる処理)
図17は、第1実施形態の情報処理システム1によって行われる処理の全体の流れを示すシーケンス図である。
図17に示す処理が開始される前に、以下に示す状態になっているとする。
【0052】
端末装置300のユーザUに対してユーザID「U100」が付与され、付与されたユーザID「U100」が端末装置300とサーバ200とにおいて共有されている。サーバ200のレシピDB201、加熱パターンDB202、関連使用制限物DB206、および使用注意物DB207には、
図10、
図11、
図15、
図16に示すデータが、DB登録処理部21によってそれぞれ登録されている。端末装置300において、記憶部30に記憶されたアプリケーションプログラムPが実行されて家電管理アプリAPPが構築されている。機器登録部33およびDB登録処理部21によるオーブンレンジ100に関する機器登録の処理が完了しているものとする。そのため、端末装置300の登録情報310は、ユーザID「U100」と、オーブンレンジ100の機器ID「B001」とが含む状態である。サーバ200の機器登録DB203は、
図12に示すデータを記憶している。
【0053】
ユーザUが、機器登録の処理の完了後に表示画面301aに表示されている
図4に示すホーム画面501の操作部51を操作して選択すると、表示制御部31は、
図5に示すサービス一覧画面502を表示画面301aに表示する。ユーザUが、サービス一覧画面502の「レシピ」の文字を含む操作部53を操作して選択する。操作受付部32は、当該操作を検出すると、登録情報310に、使用制限物および特別事情の少なくとも1つが含まれるか否かを判定する。操作受付部32は、登録情報310に、使用制限物および特別事情の少なくとも1つが含まれると判定した場合、起動を示す制御信号をレシピ検索要求部35に出力する(S1)。この場合、S2の処理は行われず、S3の処理が開始される。一方、操作受付部32は、登録情報310に、使用制限物および特別事情の両方が含まれていないと判定した場合、起動を示す制御信号をユーザ情報受付部34の使用制限物受付部34-1に出力する(S1)。これにより、
図18に示すユーザ情報設定処理のサブルーチンが開始される(S2)。
【0054】
(ユーザ情報設定処理のサブルーチン)
使用制限物受付部34-1は、操作受付部32が出力する起動を示す制御信号を受けて起動すると、表示制御部31を介して表示画面301aに、
図19に示す使用制限物選択画面505を表示する。使用制限物選択画面505に表示されている「卵」、「小麦」、「蕎麦」、「乳」、「エビ」、「蟹」、「落花生」は、予め定められた7個の使用制限物である。なお、使用制限物選択画面505には、「その他」の項目も表示されるが、第1実施形態では、「その他」の項目は、存在しないものとして説明し、「その他」の項目の扱いについては、後述する。
【0055】
「卵」、「小麦」、「蕎麦」、「乳」、「エビ」、「蟹」、「落花生」の各々の文字の左側の角丸四角形の領域は、対応する使用制限物を選択するか(すなわち指定するか)否かを示す操作部である。ユーザUが、当該操作部を操作して選択することにより、ユーザUは、自らに該当する使用制限物を指定する。例えば、ユーザUが、「卵」の文字の左側の角丸四角形の操作部を操作すると、操作受付部32は、当該操作を検出して、「卵」を使用制限物として指定するための制御信号を使用制限物受付部34-1に出力する。当該制御信号を受けると使用制限物受付部34-1は、「卵」を使用制限物として指定するユーザUの操作を受け付ける(Sa1)とともに、表示制御部31を介して表示画面301aに表示されている使用制限物選択画面505の「卵」の左側の角丸四角形の内部の色を予め定められた色に変更する、または選択されたことを示す表示を付す。
図19に示す例では、「卵」と「小麦」とに対応する角丸四角形に選択されたことを示す表示が付された状態、すなわち「卵」と「小麦」とがユーザUによって使用制限物として選択された状態を示す。
【0056】
ユーザUが、使用制限物選択画面505の「次へ」の文字を含む操作部61を操作して選択する。操作受付部32は、当該操作を検出すると、使用制限物の選択の終了を示す制御信号を使用制限物受付部34-1に出力する。使用制限物受付部34-1は、上記終了を示す制御信号を操作受付部32から受けると、受けた時点で使用制限物選択画面505において選択された使用制限物が存在するか(使用制限物を指定するユーザUの操作が受け付けられたか)否かを判定する(Sa2)。
【0057】
使用制限物受付部34-1は、選択された使用制限物が存在しないと判定した場合(Sa2、No)、起動を示す制御信号を特別事情受付部34-3に出力し、表示制御部31を介して表示画面301aから使用制限物選択画面505を消去する。この場合、処理は、Sa4の処理に進められる。一方、使用制限物受付部34-1は、選択された使用制限物が存在すると判定した場合(Sa2、Yes)、選択された使用制限物を示す情報(第1情報)を検出する。使用制限物受付部34-1は、検出した使用制限物を登録情報310に記録する。使用制限物受付部34-1は、検出した使用制限物を示す情報を含む起動を示す制御信号を使用可能条件受付部34-2に出力し、表示制御部31を介して表示画面301aから使用制限物選択画面505を消去する。ここでは、一例として、使用制限物受付部34-1は、「卵」と「小麦」とが使用制限物として選択されたと判定し、「卵」と「小麦」を含む起動を示す制御信号を使用可能条件受付部34-2に出力する場合を説明する。
【0058】
使用可能条件受付部34-2は、使用制限物受付部34-1が出力する「卵」と「小麦」を含む起動を示す制御信号を取り込むと、表示制御部31を介して表示画面301aに、
図19に示す使用可能条件選択画面506を表示する。使用可能条件選択画面506には、起動を示す制御信号に含まれている「卵」と「小麦」との各々に対して予め定められた1つ以上(例えば複数の)使用可能条件となり得る条件候補が表示される。使用可能条件選択画面506では、
図6に示した「卵」に対して予め定められた5個の条件候補が表示された例を示す。なお、「小麦」については、表示画面301aの表示範囲に一部が含まれていない。そのため、ユーザUが下方向にスクロールする操作を行うと、
図6に示した「小麦」についての、予め定められた2個の条件候補、すなわち「加熱してあれば可」と「少量なら可」が表示画面301aに表示される。ユーザUは、使用制限物選択画面505の場合と同様に、使用可能条件選択画面506において、条件候補の左側の角丸四角形の操作部を操作して、自らに該当する使用可能条件を選択する。すなわち、使用可能条件受付部34-2は、使用制限物と関連付けて表示された使用可能条件となり得る1つ以上の条件候補のなかから少なくとも1つの条件候補を選択するユーザUの操作を、使用可能条件を指定するユーザUの操作として受け付ける。ここでは、ユーザUは、「卵」に対して「加熱してあれば可」(使用可能条件「A」)と「つなぎとしてなら可」(使用可能条件「E」)の2個を選択し、「小麦」に対して「加熱してあれば可」(使用可能条件「A」)を選択した場合を示す。
【0059】
ユーザUが、使用可能条件選択画面506の「次へ」の文字を含む操作部62を操作して選択する。操作受付部32は、当該操作を検出すると、使用可能条件の選択の終了を示す制御信号を使用可能条件受付部34-2に出力する。使用可能条件受付部34-2は、上記終了を示す制御信号を操作受付部32から受けると、受けた時点で使用可能条件選択画面506において、選択された使用制限物ごとの使用可能条件を示す情報(第2情報)を検出する。使用可能条件受付部34-2は、検出した使用制限物ごとの使用可能条件を登録情報310に記録する。なお、ユーザUによって使用可能条件が選択されなかった場合、使用制限物のみが登録情報310に記録される。
【0060】
ここでは、使用可能条件受付部34-2は、「卵」に関連付けられた「加熱してあれば可」及び「つなぎとしてなら可」という情報と、「小麦」に関連付けられた「加熱してあれば可」という情報とを登録情報310に記録する。使用可能条件受付部34-2は、登録情報310への記録が終了すると、起動を示す制御信号を特別事情受付部34-3に出力し、表示制御部31を介して表示画面301aから使用可能条件選択画面506を消去する(Sa3)。
【0061】
特別事情受付部34-3は、使用制限物受付部34-1、または、使用可能条件受付部34-2のいずれか一方が出力する起動を示す制御信号を取り込むと、表示制御部31を介して表示画面301aに、
図19に示す特別事情選択画面507を表示する。特別事情選択画面507には、
図19に示すように、符号64に示す領域に、「注意喚起を表示する」と、「注意喚起を表示しない」という2個の文字列と、2個の文字列の各々の左側に角丸四角形の操作部とが示される。ユーザUは、使用制限物選択画面505の場合と同様に、特別事情選択画面507において、「注意喚起を表示する」と、「注意喚起を表示しない」という2個の文字列のいずれか一方に対応する操作部を選択する操作を行う。操作受付部32は、当該操作を検出すると、選択された操作部に対応する「注意喚起を表示する」と、「注意喚起を表示しない」とのいずれか一方の文字列に対応する信号を特別事情受付部34-3に出力する。特別事情受付部34-3は、操作受付部32が出力する信号が、「注意喚起を表示する」と、「注意喚起を表示しない」とのいずれに対応するかを判定する(Sa4)。
【0062】
特別事情受付部34-3は、操作受付部32が出力する信号が「注意喚起を表示しない」に対応する信号であると判定した場合(Sa4、使用しない)、特別事情に基づく注意喚起をユーザUが使用しないと判定する。この場合、特別事情受付部34-3は、起動を示す制御信号をレシピ検索要求部35に出力し、表示制御部31を介して表示画面301aから特別事情選択画面507を消去してサブルーチンを終了する。一方、特別事情受付部34-3は、操作受付部32が出力する信号が「注意喚起を表示する」に対応する信号である場合(Sa4、使用する)、特別事情に基づく注意喚起をユーザUが使用すると判定する。
【0063】
特別事情選択画面507には、
図19に示すように、予め定められた4個の特別事情である「花粉症」、「喘息」、「ゴム」、「金属」が表示される。「花粉症」については、更に、花粉症の原因となる植物であって、予め定められた4個の「スギ」、「ヒノキ」、「イネ」、「白樺」が表示される。なお、「金属」については、表示画面301aの表示範囲に一部が含まれていないため、ユーザUが表示画面301aを下方向にスクロールする操作を行うと、「金属」の文字列と、「金属」の左側の角丸四角形の操作部が表示される。ユーザUは、使用制限物選択画面505の場合と同様に、特別事情選択画面507において、角丸四角形の操作部を操作して、自らに該当する特別事情を選択する。これにより、特別事情受付部34-3は、特別事情を指定するユーザUの操作を受け付ける。ここでは、ユーザUは、「花粉症」と「喘息」とを選択し、更に、「花粉症」に対して「スギ」を選択した例を示す。
【0064】
ユーザUが、特別事情選択画面507の「設定を完了する」の文字を含む操作部63を操作して選択する。操作受付部32は、当該操作を検出すると、特別事情の選択の終了を示す制御信号を特別事情受付部34-3に出力する。特別事情受付部34-3は、上記終了を示す制御信号を操作受付部32から受けると、受けた時点で特別事情選択画面507において、選択された特別事情を示す情報(第3情報)を検出する。特別事情受付部34-3は、検出した特別事情を登録情報310に記録する。ここでは、特別事情受付部34-3は、特別事情として、「花粉症」に関連付けられた「スギ」を示す情報と、「喘息」を示す情報とを登録情報310に記録する。特別事情受付部34-3は、登録情報310に対する記録が終了すると、起動を示す制御信号をレシピ検索要求部35に出力し、表示制御部31を介して表示画面301aから特別事情選択画面507を消去して(Sa5)、サブルーチンを終了する。
【0065】
これにより、登録情報310には、Sa5の処理が終了した際に、ユーザID「U100」と、機器ID「B001」と、ユーザ情報としての使用制限物と使用可能条件の組み合わせである「卵/A(加熱してあれば可)」、「卵/E(つなぎとしてなら可)」、「小麦/A(加熱してあれば可)」と、特別事情「花粉症/スギ」、「喘息」とが含まれる。
【0066】
なお、
図18のユーザ情報設定処理のサブルーチンを開始するタイミングは、S1の処理の後のタイミングに限られない。例えば、
図7に示す概要レシピ一覧表示画面503や、
図8に示す詳細レシピ表示画面504が表示画面301aに表示されている状態であれば、これらの画面の操作部58をユーザUが操作することにより、任意のタイミングで
図18のユーザ情報設定処理のサブルーチンを開始することができる。またこれら処理は、上述したように、レシピの検索とは別に、家電管理アプリAPPの初期設定、または家電管理アプリAPPのレシピ関連機能の初期設定の一部として行われてもよい。
【0067】
図17に戻り、レシピ検索要求部35は、操作受付部32、または、特別事情受付部34-3のいずれか一方が出力する起動を示す制御信号を受けて起動する。上記したように、レシピ検索要求部35は、検索文字列を含まないレシピ検索要求信号と、検索文字列を含むレシピ検索要求信号とのいずれか一方を生成する。ここでは、
図7に示す概要レシピ一覧表示画面503の文字入力領域56を通じて「ハンバーグ」の検索文字列が与えられる例について説明する。この場合、レシピ検索要求部35は、登録情報310に含まれるユーザIDと、ユーザ情報と、「ハンバーグ」の検索文字列とを含むレシピ検索要求信号を生成する。レシピ検索要求部35は、生成したレシピ検索要求信号をサーバ200に送信する(S3)。
【0068】
レシピ提供部22は、レシピ検索要求部35が送信したレシピ検索要求信号を受信する。レシピ提供部22は、受信したレシピ検索要求信号に含まれるユーザIDと、ユーザ情報とを読み出し、読み出したユーザIDと、ユーザ情報とをDB登録処理部21に出力する。DB登録処理部21は、レシピ提供部22が出力するユーザIDと、ユーザ情報とを取り込むと、以下の登録処理を行う(S4)。
【0069】
DB登録処理部21は、取り込んだユーザIDと、取り込んだユーザ情報に含まれる使用制限物と使用可能条件の組み合わせとを使用制限物DB204に記録する。なお、DB登録処理部21は、記録するユーザIDに対応するテーブルが使用制限物DB204に存在する場合、当該テーブルに記憶された使用制限物と使用可能条件の組み合わせを、取り込んだ使用制限物と使用可能条件の組み合わせに書き換える。
【0070】
DB登録処理部21は、取り込んだユーザIDと、取り込んだユーザ情報に含まれる特別事情とを特別事情DB205に記録する。なお、DB登録処理部21は、記録するユーザIDに対応するテーブルが特別事情DB205に存在する場合、当該テーブルに記憶された特別事情を、取り込んだ特別事情に書き換える。これにより、使用制限物DB204は、
図13に示すデータを記憶し、特別事情DB205は、
図14に示すデータを記憶することになる。なお、これら処理は、レシピの検索とは別に、家電管理アプリAPPの初期設定、または家電管理アプリAPPのレシピ関連機能の初期設定の一部として行われてもよい。この場合、使用制限物を示す第1情報、使用可能条件を示す第2情報、および特別事情を示す第3情報をサーバ200に出力する出力部は、レシピ検索要求部35または詳細レシピ要求部36とは別に設けられてもよい。
【0071】
レシピ提供部22は、レシピ検索要求信号から読み出したユーザIDと、ユーザ情報とをDB登録処理部21に出力した後、
図20に示すレシピ検索処理のサブルーチンを開始する(S5)。
【0072】
(レシピ検索処理のサブルーチン)
レシピ提供部22は、レシピDB201から「レシピ名称」の項目の文字列に、レシピ検索要求信号に含まれている「ハンバーグ」の検索文字列を含むレシピレコードのレシピIDを検出する(Sb1)。ここでは、レシピ提供部22は、
図10に示す「A011」~「A015」の5個のレシピIDを検出したとする。
【0073】
レシピ提供部22は、使用制限物の指定があるか否かを判定する。レシピ提供部22は、例えば、レシピ検索要求信号から読み出したユーザ情報に使用制限物が含まれるか否かに基づいて、使用制限物の指定があるか否かを判定する(Sb2)。レシピ提供部22は、使用制限物が含まれていない場合、使用制限物の指定がないと判定し(Sb2、No)、Sb1の処理において検出した全てのレシピIDを内部の記憶領域に設けた表示リストに記録して(Sb3)、サブルーチンを終了する。この場合、レシピ提供部22がSb1の処理で検出した全てのレシピIDが、レシピ検索処理における検索結果となる。
【0074】
一方、レシピ提供部22は、使用制限物が含まれている場合、使用制限物の指定があると判定する(Sb2、Yes)。レシピ提供部22は、レシピ検索要求信号から読み出したユーザ情報に含まれる使用制限物に対応する関連使用制限物を、関連使用制限物DB206から検出する(Sb4)。ここでは、使用制限物として「卵」と「小麦」が含まれている。また、
図15に示すように、関連使用制限物DB206は、使用制限物「小麦」に対応して関連使用制限物「大麦」を記憶している。そのため、レシピ提供部22は、使用制限物「小麦」に対応する関連使用制限物として「大麦」を検出する。なお、レシピ提供部22は、Sb4の処理において、関連使用制限物を検出しなかった場合、関連使用制限物が存在しないものとして以下の処理を行う。
【0075】
レシピ提供部22は、ループ処理Lb1s~Lb1eの最初の処理として、Sb1の処理において検出したレシピIDからいずれか1つを選択する。レシピ提供部22は、ループ処理Lb2s~Lb2eの最初の処理として、レシピ検索要求信号に含まれている使用制限物、およびSb4の処理で検出した関連使用制限物のなかからいずれか1つを選択して判定対象使用制限物とする。
【0076】
レシピ提供部22は、選択中のレシピIDに対応するレシピレコードの「食材リスト」の「種類」の項目に、選択した判定対象使用制限物が含まれるか否かを判定する(Sb5)。レシピ提供部22は、選択した判定対象使用制限物が含まれると判定した場合(Sb5、Yes)、Sb7の処理を行う。一方、レシピ提供部22は、選択した判定対象使用制限物が含まれないと判定した場合(Sb5、No)、選択中のレシピIDと、判定対象使用制限物とを関連付けて内部の記憶領域に設けた表示リストに記録する。(Sb6)。その後、処理は、ループ処理Lb2s~Lb2eの次の処理に進められる。
【0077】
例えば、選択中の判定対象使用制限物が「卵」である場合、レシピID「A011」,「A012」,「A015」のレシピレコードの「食材リスト」の「種類」の項目には「卵」が含まれる。そのため、レシピ提供部22は、レシピID「A011」,「A012」,「A015」のいずれかを選択した場合、Sb7の処理を行う。これに対して、レシピID「A013」,「A014」のレシピは、「卵」に替えて「ゼラチン」をつなぎとして使用するレシピであり、これらのレシピレコードの「食材リスト」の「種類」の項目には「卵」が含まれない。そのため、レシピ提供部22は、レシピID「A013」,「A014」のいずれかを選択した場合、Sb6の処理、すなわち、選択中のレシピIDと、判定対象使用制限物である「卵」とを関連付けて内部の記憶領域の表示リストに記録する処理を行う。
【0078】
レシピ提供部22は、Sb5の処理において「Yes」の判定をした場合、レシピ検索要求信号に含まれるユーザ情報と、関連使用制限物DB206とを参照して、判定対象使用制限物に対応する使用可能条件を検出する(Sb7)。例えば、選択中の判定対象使用制限物が「卵」である場合、レシピ提供部22は、レシピ検索要求信号に含まれるユーザ情報から「A(加熱してあれば可)」と「E(つなぎとしてなら可)」を使用可能条件として検出する。選択中の判定対象使用制限物が「小麦」である場合、レシピ提供部22は、レシピ検索要求信号に含まれるユーザ情報から「A(加熱してあれば可)」を使用可能条件として検出する。選択中の判定対象使用制限物が「大麦」である場合、レシピ提供部22は、関連使用制限物DB206から「A(加熱してあれば可)」を使用可能条件として検出する。なお、レシピ提供部22は、使用可能条件を検出しなかった場合、使用可能条件がないものとして、以下の処理を行う。
【0079】
レシピ提供部22は、選択中のレシピIDに対応するレシピレコードの「食材利用形態」の項目の種類と利用形態の組み合わせが、選択中の判定対象制限物と使用可能条件の組み合わせによって示される条件を満たしているか否かを判定する(Sb8)。
【0080】
例えば、選択中のレシピIDが「A011」であるとする。この場合、レシピ提供部22は、レシピID「A011」の「食材利用形態」の項目の「種類」に、判定対象使用制限物である「卵」が含まれるので、「食材利用形態」の「卵」と「A(加熱)」の組み合わせを検出する。レシピ提供部22が検出した「卵」と「A(加熱)」の組み合わせは、選択中の判定対象使用制限物の「卵」と、判定対象使用制限物「卵」に対応する使用可能条件「A(加熱してあれば可)」に一致する。そのため、レシピ提供部22は、選択中のレシピID「A011」に対して、Sb8の処理において条件を満たすとして「Yes」の判定をする。これに対して、選択中のレシピIDが「A012」である場合、レシピID「A012」の「食材利用形態」の項目の「種類」には、判定対象使用制限物である「卵」が含まれていない。そのため、レシピ提供部22は、選択中のレシピID「A012」に対して、Sb8の処理において条件を満たさないとして「No」の判定をする。
【0081】
Sb8の処理において「Yes」の判定をした場合、レシピ提供部22は、選択中のレシピIDと、Sb8の処理における条件を満たした判定対象使用制限物と使用可能条件の組み合わせとを関連付けて内部の記憶領域の表示リストに記録にする(Sb9)。一方、Sb8の処理において「No」の判定をした場合、レシピ提供部22は、内部の記憶領域に設けた除外リストに選択中のレシピIDを記録する(Sb10)。
【0082】
Sb6、Sb9、Sb10のいずれかの処理の後、レシピ提供部22は、以下の処理を行う。レシピ提供部22は、レシピ検索要求信号に含まれている使用制限物、およびSb4の処理で検出した関連使用制限物のなかから、処理中のLb2s~Lb2eのループ処理において判定対象使用制限物として選択していない、いずれか1つを選択する。レシピ提供部22は、新たに選択した判定対象使用制限物に基づいて、再び、Sb5の処理を行う。
【0083】
判定対象使用制限部として選択することができる使用制限物と、関連使用制限物とが無くなると、Lb2s~Lb2eのループ処理が終了する。Lb2s~Lb2eのループ処理が終了すると、レシピ提供部22は、Sb1の処理において検出したレシピIDのなかから、まだ判定対象としていない、いずれか1つのレシピIDを選択する。レシピ提供部22は、新たなループ処理Lb2s~Lb2eを開始するため、レシピ検索要求信号に含まれている使用制限物、およびSb4の処理で検出した関連使用制限物のなかからいずれか1つを選択して判定対象使用制限物とする。レシピ提供部22は、新たに選択したレシピIDと、新たに選択した判定対象使用制限物とに基づいて、再び、Sb5の処理を行う。
【0084】
レシピID「A011」~「A015」の全てを判定対象として選択すると、Lb1s~Lb1eのループ処理が終了する。Lb1s~Lb1eのループ処理が終了すると、レシピ提供部22は、内部の記憶領域の表示リストと、除外リストとを参照する。レシピ提供部22は、表示リストに記憶されているレシピIDに関するデータのうち、除外リストに記憶されているレシピIDに関するデータを削除し(Sb11)、サブルーチンを終了する。
【0085】
なお、レシピ検索処理のサブルーチンにおいて、レシピ提供部22は、レシピ検索要求信号に含まれるユーザ情報を参照して、ユーザUの使用制限物および使用可能条件を特定する。これに代えて、レシピ提供部22は、レシピ検索要求信号に含まれるユーザIDに基づいて、使用制限物DB204を参照して、ユーザUの使用制限物および使用可能条件を特定してもよい。
【0086】
レシピID「A011」~「A015」が、
図20に示すレシピ検索処理により、Sb11の処理の後に表示リストと、除外リストのいずれに記録されるかについて説明する。判定対象使用制限物として使用制限物「卵」が選択されている場合、レシピID「A013」,「A014」は、Sb6の処理において、「卵」が関連付けられて表示リストに記録される。レシピID「A011」は、Sb9の処理において、「卵」、「A(加熱してあれば可)」が関連付けられて表示リストに記録される。レシピID「A015」は、Sb9の処理において、「卵」、「E(つなぎとしてなら可)」が関連付けられて表示リストに記録される。レシピID「A012」は、Sb10の処理において、除外リストに記録される。
【0087】
判定対象使用制限物として使用制限物「小麦」が選択されている場合、レシピID「A011」,「A012」,「A014」,「A015」は、Sb6の処理において、「小麦」が関連付けられて表示リストに記録される。レシピID「A013」は、Sb9の処理において、「小麦」、「A(加熱してあれば可)」が関連付けられて表示リストに記録される。
【0088】
判定対象使用制限物として関連使用制限物「大麦」が選択されている場合、レシピID「A011」,「A012」,「A013」,「A014」は、Sb6の処理において、「大麦」が関連付けられて表示リストに記録される。レシピID「A015」は、Sb10の処理において、除外リストに記録される。
【0089】
したがって、Sb11の処理を開始する際には、除外リストにレシピID「A012」,「A015」が記憶されていることになる。そのため、表示リストからレシピID「A012」,「A015」に関するデータが削除されると、表示リストには、「A011:卵/(A加熱してあれば可):小麦:大麦」と、「A013:卵:小麦/(A加熱してあれば可):大麦」と、「A014:卵:小麦:大麦」とが残ることになる。
【0090】
図17に戻り、レシピ提供部22は、内部の記憶領域の表示リストに記憶されているレシピIDを読み出して検索結果とする。レシピ提供部22は、レシピDB201を参照し、検索結果とした1つ以上のレシピIDに対応するレシピレコードから、上記1つ以上のレシピIDに対応する1つ以上のレシピを示す概要レシピデータを生成する。概要レシピデータは、レシピIDと、レシピ名称と、レシピ画像のデータとを含むデータである。レシピ提供部22は、受信したレシピ検索要求に含まれていたユーザID「U100」と、生成した概要レシピデータを含むレシピ検索応答信号を生成する。レシピ提供部22は、生成したレシピ検索応答信号を端末装置300に送信する(S6)。
【0091】
レシピ検索要求部35は、レシピ提供部22が送信したレシピ検索応答信号を受信する。レシピ検索要求部35は、表示制御部31を介して表示画面301aに、受信したレシピ検索応答信号に含まれる概要レシピデータに基づいて生成する概要レシピ一覧表示画面503を表示する(S7)。これにより、
図7に示すような形式で、概要レシピデータに含まれているレシピ画像のデータと、レシピ名称とが、一覧表示される。一覧表示されている概要レシピデータは、ユーザUが、S2のユーザ情報設定処理において選択した使用制限物、および使用可能条件によって定められる条件に基づいて、S5のレシピ検索処理において絞り込まれた概要レシピデータになる。
【0092】
上記したように、概要レシピ一覧表示画面503に表示されるレシピ画像領域の各々は、操作部になっており、各々に対応するレシピIDが対応付けられている。ここで、ユーザUが、例えば、レシピID「A011」のレシピ画像領域に対応する操作部を操作したとする。当該操作により、詳細レシピ要求部36が起動し、詳細レシピ要求部36は、レシピID「A011」と、登録情報310に含まれるユーザID「U100」と、ユーザ情報とを含む詳細レシピ要求信号を生成する。詳細レシピ要求部36は、生成した詳細レシピ要求信号をサーバ200に送信する(S8)。レシピ提供部22は、詳細レシピ要求部36が送信した詳細レシピ要求信号を受信する。レシピ提供部22は、受信した詳細レシピ要求信号に含まれているユーザID「U100」と、ユーザ情報とを読み出し、読み出したユーザID「U100」と、ユーザ情報とをDB登録処理部21に出力する。その後、DB登録処理部21によって、S4と同一の登録処理が行われる(S9)。
【0093】
レシピ提供部22は、受信した詳細レシピ要求信号に含まれているユーザID「U100」と、ユーザ情報とをDB登録処理部21に出力した後、
図21に示す詳細レシピ生成処理のサブルーチンを開始する(S10)。
【0094】
(詳細レシピ生成処理のサブルーチン)
レシピ提供部22は、受信した詳細レシピ要求信号に含まれているレシピID「A011」に対応するレシピレコードをレシピDB201から読み出す(Sc1)。レシピ提供部22は、読み出したレシピID「A011」に対応するレシピレコードから詳細レシピデータを生成する(Sc2)。なお、詳細レシピデータは、レシピIDと、レシピ名称と、レシピ画像のデータと、食材リストのデータと、調理手順のデータとを含むデータである。
【0095】
レシピ提供部22は、生成した詳細レシピデータと、受信した詳細レシピ要求信号に含まれるユーザID「U100」とを報知情報提供部23に出力する。報知情報提供部23は、レシピ提供部22から詳細レシピデータと、ユーザID「U100」とを受けると、
図22に示す報知情報生成処理のサブルーチンを開始する(Sc3)。
【0096】
(報知情報生成処理のサブルーチン)
報知情報提供部23は、レシピ提供部22が出力するレシピID「A011」の詳細レシピデータと、ユーザID「U100」とを取り込む(Sd1)。報知情報提供部23は、特別事情DB205からユーザID「U100」に対応する特別事情を検出する(Sd2)。なお、Sc2の処理において、レシピ提供部22が、詳細レシピデータと、ユーザID「U100」と、ユーザ情報とを報知情報提供部23に出力するようにしてもよい。この場合、報知情報提供部23は、特別事情DB205を参照することなく、レシピ提供部22が出力するユーザ情報から特別事情を検出する。
【0097】
報知情報提供部23は、特別事情を検出したか否かを判定する(Sd3)。報知情報提供部23は、特別事情を検出していないと判定した場合(Sd3、No)、ユーザID「U100」と、レシピID「A011」とをレシピ提供部22に出力してサブルーチンを終了する。一方、報知情報提供部23は、特別事情を検出したと判定した場合(Sd3、Yes)、使用注意物DB207から、検出した特別事情に対応する使用注意物を検出する(Sd4)。
【0098】
例えば、報知情報提供部23は、Sd2の処理において、
図14に示す特別事情DB205からユーザID「U100」に対応する特別事情として「花粉症/スギ」と、「喘息」とを検出したとする。この場合、報知情報提供部23は、
図16に示す使用注意物DB207から、「花粉症/スギ」に対応する「菜の花」と、「喘息」に対応する「はちみつ」とを使用注意物として検出する。
【0099】
報知情報提供部23は、検出した使用注意物を1つずつ選択して、以下の処理を繰り返し行う(Ld1s~Ld1eのループ処理)。報知情報提供部23は、取り込んだ詳細レシピデータにおける「食材リスト」の「種類」を示すデータに、選択中の使用注意物が含まれるか否かを判定する(Sd5)。報知情報提供部23は、選択中の使用注意物が含まれないと判定した場合(Sd5、No)、次の使用注意物を選択して、再びSd5の処理を行う。一方、報知情報提供部23は、選択中の使用注意物が含まれると判定した場合(Sd5、Yes)、選択中の使用注意物を示す情報に基づいて、注意喚起メッセージのデータを生成して報知情報とする。報知情報提供部23は、内部の記憶領域に、生成した報知情報を記録し(Sd6)、次の使用注意物を選択して、再びSd5の処理を行う。
【0100】
例えば、レシピID「A011」の詳細レシピデータの場合、使用注意物である「菜の花」が含まれる。そのため、報知情報提供部23は、取り込んだ詳細レシピデータがレシピID「A011」の詳細レシピデータであって、選択中の使用注意物が「菜の花」である場合、Sd5の処理において「Yes」の判定を行う。続くSd6の処理において、報知情報提供部23は、例えば、
図23に示す文字列の注意喚起メッセージのデータを生成して報知情報とする。
【0101】
報知情報提供部23は、Ld1s~Ld1eのループ処理が終了すると、内部の記憶領域から報知情報を読み出す。報知情報提供部23は、内部の記憶領域に報知情報が記憶されている場合、内部の記憶領域から読み出した報知情報と、ユーザID「U100」と、レシピID「A011」とをレシピ提供部22に出力してサブルーチンを終了する。これに対して、報知情報提供部23は、内部の記憶領域に報知情報が記憶されていない場合、ユーザID「U100」と、レシピID「A011」とをレシピ提供部22に出力してサブルーチンを終了する(Sd7)。
【0102】
図21に戻り、レシピ提供部22は、報知情報が存在するか否かを判定する(Sc4)。より詳細には、レシピ提供部22は、報知情報提供部23からユーザIDと、レシピIDとを受けた場合、報知情報が存在しないと判定し、報知情報提供部23からユーザIDと、レシピIDと、報知情報とを受けた場合、報知情報が存在すると判定する。
【0103】
レシピ提供部22は、報知情報が存在しないと判定した場合(Sc4、No)、詳細レシピデータ取得処理のサブルーチンを終了する。一方、レシピ提供部22は、報知情報が存在すると判定した場合(Sc4、Yes)、報知情報提供部23が出力するユーザID「U100」と、レシピID[A011]と、報知情報とを取り込み、ユーザID「U100」およびレシピID[A011]に対応する詳細レシピデータに、取り込んだ報知情報を関連付けて(Sc5)、詳細レシピデータ取得処理のサブルーチンを終了する。
【0104】
図17に戻り、レシピ提供部22は、受信した詳細レシピ要求信号に含まれているユーザID「U100」と、S10の処理において生成した詳細レシピデータを含む詳細レシピ応答信号を生成する。レシピ提供部22は、詳細レシピデータに報知情報が関連付けられている場合、報知情報が関連付けられている詳細レシピデータを含む詳細レシピ応答信号を生成する。レシピ提供部22は、生成した詳細レシピ応答信号を端末装置300に送信する(S11)。
【0105】
詳細レシピ要求部36は、レシピ提供部22が送信した詳細レシピ応答信号を受信する。詳細レシピ要求部36は、表示制御部31を介して表示画面301aに、受信した詳細レシピ応答信号に含まれている詳細レシピデータに基づいて生成する詳細レシピ表示画面504を表示する。詳細レシピデータに報知情報が関連付けられた場合、詳細レシピ要求部36は、表示制御部31を介して表示画面301aに、報知情報から生成される注意喚起メッセージ画面を、例えば、詳細レシピ表示画面504よりも前面に表示されるように表示する。これにより、
図8に示すような形式で、レシピID「A011」の詳細レシピデータが表示され、更に、その前の画面として、例えば、
図23に示す注意喚起メッセージ画面が表示される。これにより、ユーザUは、レシピID「A011」のレシピの食材に、自らが選択した特別事情である「花粉症」の場合に使用を注意した方がよい「菜の花」が含まれることを、レシピID「A011」のレシピを参照する前に知ることができる。このような注意喚起は、「所定の報知」の一例である。
【0106】
図23に示す注意喚起メッセージ画面は、操作部になっており、当該操作部に対するユーザUの操作により、表示制御部31によって消去される。詳細レシピ表示画面504の「送信」の文字を含む操作部57を操作すると、加熱指示部37は、操作部57に対応付けられたレシピID「A011」と、登録情報310に含まれているユーザID「U001」と、機器ID「B001」とを含む加熱指示信号を生成する。加熱指示部37は、生成した加熱指示信号をサーバ200に送信する(S13)。
【0107】
加熱情報出力部24は、加熱指示部37が送信した加熱指示信号を受信し、受信した加熱指示信号に含まれるレシピID「A011」と、ユーザID「U001」と、機器ID「B001」とを読み出す。加熱情報出力部24は、レシピDB201からレシピID「A011」に対応するレシピレコードを検出し、検出したレシピレコードの「加熱パターン」の項目から「パターンA」を検出する。加熱情報出力部24は、
図12に示す機器登録DB203から機器IDに対応する型式情報を検出し、
図11に示す加熱パターンDBから加熱パターン「パターンA」および型式情報に対応する加熱情報「蒸し20分、200℃/5分」を検出する。加熱情報出力部24は、
図12に示す機器登録DB203からユーザID「U100」と、機器ID「B001」とに対応するオーブンレンジ100のアドレス情報を検出する。加熱情報出力部24は、検出したアドレス情報を宛先情報として、検出した「蒸し20分、200℃/5分」の加熱情報をオーブンレンジ100に送信する(S14)。
【0108】
オーブンレンジ100の通信部12は、加熱情報出力部24が送信した加熱情報を受信する。通信部12は、受信した加熱情報を制御部13に出力する。制御部13は、通信部12が出力する加熱情報を取り込み、取り込んだ加熱情報にしたがって、加熱装置11に加熱処理を開始させる。これにより、加熱装置11は、加熱情報「蒸し20分、200℃/5分」にしたがった加熱処理を開始する(S15)。
【0109】
(利点)
第1実施形態では、S2のユーザ情報設定処理において、例えば、ユーザUが把握しているアレルギー症状を起こす可能性のある使用制限物を選択すると共に、使用制限物を使用することが可能になる使用可能条件とを選択することができる。S5のレシピ検索処理では、S2のユーザ情報設定処理において選択された使用制限物、および使用可能条件によって定められる検索条件に基づいて、提供する概要レシピデータを絞り込む処理が行われる。そのため、レシピ検索処理において検索されるレシピは、単に使用制限物を含まないレシピだけでなく、使用制限物を含んでいても使用可能条件を満たすレシピが含まれるので、レシピの選択肢が多くなるという利点がある。
【0110】
このようなレシピ検索処理によって検索結果として得られたレシピが概要レシピ一覧表示画面503において表示される。そのため、概要レシピ一覧表示画面503において、ユーザUがアレルギー症状を起こす可能性のあるレシピを選択できないようにしつつ、単に使用制限物を含まないレシピを表示する場合よりも、多くのレシピが表示されるようにすることができる。これにより、利便性の向上を図ることができる。
【0111】
また、レシピ検索処理において用いられる検索条件には、関連使用制限物、および関連使用制限物に対応する使用可能条件に関する条件も含まれる。そのため、ユーザUが把握していないかもしれないアレルギー症状を起こす可能性のある関連使用制限物を含むレシピを除外したり、関連使用制限物を含んでいても使用可能条件を満たすレシピを検索結果に含めたりする検索処理を行うことを可能にしている。これにより、利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0112】
第1実施形態では、S2のユーザ情報設定処理において、例えば、ユーザUが把握しているアレルギー症状を示す特別事情を選択する。そして、この特別事情を用いて、レシピ提供部22が提供する詳細レシピデータに、ユーザUの特別事情と所定の関係を有する使用注意物が含まれている場合に、詳細レシピデータに追加される注意喚起メッセージのデータを生成する。これにより、表示画面301aに詳細レシピ表示画面504を表示する際に、詳細レシピデータに関連付けられている報知情報に対応する注意喚起メッセージ画面を表示することができる。そのため、ユーザUは、詳細レシピ表示画面504に示されているレシピを参照する前に、当該レシピには、アレルギー症状を起こす可能性がある食材が含まれることを知ることができる。これにより、利便性のさらなる向上を図ることができる。
【0113】
(第1実施形態の第1変形例)
上述した第1実施形態では、使用制限物は、
図19の使用制限物選択画面505に示される7個に予め定められる。これに対して、例えば、使用制限物選択画面505に示される「その他」を選択した上で、「その他」の項目の下の入力欄に、任意の食材を入力することにより、入力された食材を使用制限物と受け付けてもよい。この場合、例えば、入力欄に「おくら/1人前当たり2gまで」といった情報を入力することにより、予め定められていない使用制限物「おくら」を指定するだけでなく、当該使用制限物に対応する使用可能条件「1人前当たり2gまで」を指定するようにしてもよい。これにより、予め定められた使用制限物、および使用可能条件以外に、任意の使用制限物および任意の使用可能条件を、レシピ提供部22が行うレシピ検索処理における検索条件に加えることが可能になる。例えば、「おくら/1人前当たり2gまで」が検索条件に含まれる場合、レシピ提供部22は、レシピDB201の「食材リスト」の項目を参照して、検索条件に該当するか否かを判定する。なお、この場合、使用制限物受付部34-1(第1受付部、第2受付部)が、使用可能条件受付部34-2を兼ねることになる。
【0114】
(第1実施形態の第2変形例)
上述した第1実施形態では、
図15の関連使用制限物DB206に示したように「使用可能条件」の項目に、関連使用制限物の使用可能条件、例えば、「A(加熱してあれば可)」を記憶させる。これに対して、関連使用制限物DB206の「使用可能条件」の項目に、「対応する使用制限物の使用可能条件と同じ使用可能条件を適用」といった条件を記憶させてもよい。このような条件を関連使用制限物DB206の「使用可能条件」の項目に記憶させる場合、レシピ提供部22は、
図20のSb7の処理において、以下のような処理を行う。レシピ提供部22は、判定対象使用制限物が関連使用制限物である場合、関連使用制限物DB206から、関連使用制限物である判定対象使用制限物に対応する使用制限物を検出する。レシピ提供部22は、検出した使用制限物に対応する使用可能条件を受信したレシピ検索要求信号に含まれるユーザ情報から検出し、検出した使用可能条件を、関連使用制限物である判定対象使用制限物に対応する使用可能条件とする。
【0115】
(第1実施形態の第3変形例)
上述した第1実施形態では、
図20のレシピ検索処理に示したように、使用制限物および関連使用制限物から判定対象使用制限物を選択する。これに対して、関連使用制限物に対して、以下のような処理を行ってもよい。例えば、Lb2s~Lb2eのループ処理では、使用制限物のみを判定対象使用制限物とし、関連使用制限物を判定対象使用制限物に含めない。サーバ200において、更に、関連使用制限物に対する報知情報生成処理を行う報知情報提供部23aを備えるようにする。報知情報提供部23aは、以下に示す処理以外については、
図22の報知情報生成処理と同一の処理を行う。すなわち、Sd2の処理において、使用制限物DB204と、関連使用制限物DB206とを参照して、ユーザID「U100」に対応する関連使用制限物を検出する処理を行う。報知情報提供部23aは、Sd3の処理において、関連使用制限物を検出したか否かを判定する処理を行い、Sd4の処理を行わずに、Ld1s~Ld1eのループ処理において、使用注意物を関連使用制限物に読み替えた処理を行う。これにより、報知情報提供部23aは、関連使用制限物に対して、使用注意物に対して報知情報提供部23が行う処理と、同様の処理を行うことができる。報知情報提供部23aによる報知情報生成処理のサブルーチンを、
図21の詳細レシピ生成処理のSc3の処理の前、または、後に追加する。これにより、例えば、関連使用制限物が「大麦」である場合に、
図17のS12の処理において、レシピID「015」の詳細レシピデータを表示する際に、
図24に示す注意喚起メッセージ画面を表示することができる。そのため、詳細レシピデータに関連使用制限物が含まれている場合に、注意喚起を行うことが可能になる。
【0116】
(第1実施形態の第4変形例)
第1実施形態の第4変形例では、報知情報提供部23は、
図22のSd6の処理において、
図23に示す報知情報に替えて、
図25に示す「今後「菜の花」について注意を表示しない」という文字列を含む操作部65を加えた報知情報を生成する。ユーザUは、例えば、「菜の花」を食してもアレルギー症状が出ないことを知っており、今後、
図25に示す注意喚起メッセージ画面が表示されないようにしたい場合、操作部65を操作する。当該操作が行われると詳細レシピ要求部36は、報知情報提供部23に、ユーザID「U100」と、操作部65が操作されたことを示す情報(以下、操作部65の操作情報という)とを関連付けたデータを送信する。
【0117】
報知情報提供部23は、ユーザID「U100」と、操作部65の操作情報とが関連付けられたデータを受信すると、例えば、特別事情DB205に設けられた記憶領域にユーザID「U100」に関連付けて「菜の花」を使用注意物としないことを示す情報(以下、使用注意物除外情報という)を記録する。報知情報提供部23は、その後の処理において、特別事情DB205に記録された使用注意物除外情報を参照して、
図25に示す内容の報知情報を生成するか否かを選択する。これにより、ユーザUによって操作部65が操作された場合、
図25に示す注意喚起メッセージ画面を表示させないようにすることができる。
【0118】
また、使用注意物除外情報の記録を行う際に、報知情報提供部23は、サーバ200が備える時計などの計時手段から記録する時点での年月日時分秒を含む時刻を示す情報を取得し、使用注意物除外情報に関連付けて時刻を示す時刻情報を記録するようにしてもよい。時刻情報を記録しておくことにより、どの時点まで「菜の花」が、ユーザUにとって問題のない食材であったかを、後から確認することができる。なお、上記の報知情報提供部23に適用する構成を、第1実施形態の第3変形例において示した、関連使用制限物に対する同様の処理を行う報知情報提供部23aに適用するようにしてもよい。
【0119】
(第1実施形態の第5変形例)
上述した第1実施形態において、
図20のレシピ検索処理が終了した際に、レシピ提供部22の表示リストには、例えば、「A011:卵/(A加熱してあれば可):小麦:大麦」といったデータ(以下、このデータを調理状態データという)が記憶される。この調理データは、レシピID「A011」のレシピでは、小麦と大麦を含まず、卵を含んでいるが加熱される状態に食材が調理されるということを意味する。この調理状態データを利用して、例えば、以下のような処理を行うようにしてもよい。レシピ提供部22は、例えば、レシピID「A011」の概要レシピデータを生成する際に、レシピID「A011」の調理状態データを含めて概要レシピデータを生成して端末装置300に送信する。これにより、詳細レシピ要求部36は、レシピID「A011」を含む詳細レシピ要求信号を生成する場合、レシピID「A011」の調理状態データを含めて生成することができる。
【0120】
サーバ200は、例えば、付加情報提供部25(
図9参照)をさらに備える。付加情報提供部25は、レシピが使用可能条件を満たす場合、レシピが使用可能条件を満たすことを示す情報を提供する(例えば端末装置300の表示画面301aに表示させる)。
【0121】
例えば、レシピ提供部22は、端末装置300から詳細レシピ要求信号を受信すると、受信した詳細レシピ要求信号に含まれる調理状態データを、
図21に示す詳細レシピ生成処理のSc3の処理の前、または、後のタイミングで付加情報提供部25に出力する。付加情報提供部25は、レシピ提供部22が出力する調理状態データ「A011:卵/(A加熱してあれば可):小麦:大麦」に基づいて、使用制限物である「卵」、「小麦」に関する付加情報であって、例えば、
図26の符号71で示す付加情報を生成する。レシピ提供部22は、付加情報提供部25が生成した付加情報を、詳細レシピデータに追加して端末装置300に送信する。これにより、
図17のS12の処理において、端末装置300の表示画面301aに、例えば、
図26に示すような詳細レシピ表示画面504aを表示することができる。この詳細レシピ表示画面504aを参照した、ユーザUは、食材リストを参照することなく、レシピID「A011」については、使用制限物である「小麦」が含まれていないこと、および使用制限物である「卵」が含まれているが使用可能条件を満たすこと(加熱されること)を把握することが可能になる。なお、付加情報提供部25は、サーバ200の機能の一部として設けられることに代えて、端末装置300の表示制御部31の一部として設けられてもよい。
【0122】
(第1実施形態の第6変形例)
サーバ200が、使用制限物と使用可能条件の設定状態(例えばレシピの検索条件を規定する設定状態)を示す付加情報を生成する付加情報提供部25aを更に備えてもよい。付加情報提供部25aは、レシピ提供部22が上記第2情報に基づいて複数のレシピのなかから使用可能条件を満たす1つ以上のレシピを選択して提供する場合、上記使用可能条件を満たすレシピが選択されて提供されていること(例えば、表示画面301aに表示中の複数のレシピが上記使用可能条件を満たす検索が行われた結果として表示されていること)を示す情報を提供する。「情報を提供する」とは、例えば、所定の情報を端末装置300に送信することで、端末装置300を介してユーザUに情報が提供される場合を含み得る。
【0123】
付加情報提供部25aは、例えば、
図17のS6、およびS11の処理において、以下の処理を行う。付加情報提供部25aは、レシピ提供部22からユーザ情報を取得し、取得したユーザ情報から使用制限物と使用可能条件とを検出する。または、付加情報提供部25aは、レシピ提供部22からユーザID「U100」を取得し、取得したユーザID「U100」に対応する使用制限物と使用可能条件とを使用制限物DB204から検出する。
【0124】
付加情報提供部25aは、検出した使用制限物と使用可能条件から、例えば、「現在、以下の設定がされています。(卵:加熱してあれば可,つなぎとしてなら可,小麦:加熱してあれば可)」といった付加情報を生成する。付加情報提供部25aは、生成した付加情報を、レシピ提供部22に出力する。S6の処理の場合、レシピ提供部22は、レシピ検索応答信号に、付加情報提供部25aが生成した付加情報を追加して送信する。S11の処理の場合、レシピ提供部22は、詳細レシピ応答信号に、付加情報提供部25aが生成した付加情報を追加して送信する。これにより、概要レシピ一覧表示画面503と、詳細レシピ表示画面504とにおいて、上記の付加情報を表示することができる。これにより、ユーザUは、その時点で、選択している使用制限物と、使用可能条件とを容易に把握することが可能になるとともに、使用制限物および使用可能条件に基づいて検索が行われたレシピが提供されることを知ることができる。なお、付加情報提供部25aは、サーバ200の機能の一部として設けられることに代えて、端末装置300の表示制御部31の一部として設けられてもよい。
【0125】
(第1実施形態の第7変形例)
報知情報提供部23,23a、および付加情報提供部25,25aを、端末装置300の家電管理アプリAPPに含まれる機能部として備えてもよい。この場合、報知情報提供部23,23a、および付加情報提供部25,25aは、詳細レシピ要求部36が詳細レシピ応答信号を受信した際に、詳細レシピ要求部36からの要求を受けて起動する。付加情報提供部25aについては、更に、レシピ検索要求部35がレシピ検索応答信号を受信した際に、レシピ検索要求部35からの要求を受けた場合にも起動する。
【0126】
(第1実施形態の第8変形例)
本変形例では、操作受付部32は、使用可能条件、または使用制限物に代わる代替使用物に関して、第1可能条件(第1可能態様)と、第1可能条件とは異なる第2可能条件(第2可能態様)とが存在する場合、端末装置300の表示画面301a上で、上記第1可能条件に対応するレシピと上記第2可能条件に対応するレシピとを切り替えるユーザUの操作を受け付け可能である。
【0127】
例えば、第5変形例において説明した調理状態データを用いて、以下のような処理を行うようにしてもよい。レシピ提供部22は、
図20のレシピ検索処理のSb11の処理が終了した際に、表示リストに記憶されたレシピIDごとの調理状態データを、ユーザID「U100」に関連付けて記憶部20に設けた記憶領域に記録する。ここでは、例えば、当該記憶領域に、ユーザID「U100」に関連付けられた「A011:卵/(A加熱してあれば可):小麦:大麦」と、「A013:卵:小麦/(A加熱してあれば可):大麦」と、「A014:卵:小麦:大麦」とが記録されるとする。レシピ提供部22は、端末装置300からユーザID「U100」と、レシピID「A011」とを含む詳細レシピ要求信号を受信して、
図21に示す詳細レシピ生成処理を開始したとする。レシピ提供部22は、Sc2の処理において詳細レシピデータを生成すると、記憶部20の調理状態データを記憶する記憶領域を参照し、生成した詳細レシピデータのレシピID「A011」以外のレシピIDの調理状態データを読み出す。ここでは、レシピ提供部22は、「A013:卵:小麦/(A加熱してあれば可):大麦」と、「A014:卵:小麦:大麦」とを読み出す。
【0128】
レシピ提供部22は、読み出した「A013:卵:小麦/(A加熱してあれば可):大麦」の調理状態データに基づいて、
図27に示す操作部72-1の内部に示されるレシピID「A013」の内容を案内する案内情報を生成する。レシピ提供部22は、読み出した「A014:卵:小麦:大麦」の調理状態データに基づいて、
図27に示す操作部72-2の内部に示されるレシピID「A014」の内容を案内する案内情報を生成する。レシピ提供部22は、生成した2個の案内情報の各々を含む操作部72-1,72-2を、生成した詳細レシピデータに追加する。これにより、
図17のS12の処理において、端末装置300の表示画面301aに、例えば、
図27に示すような詳細レシピ表示画面504bを表示することができる。ユーザUが、操作部72-1を操作することにより、表示画面301aの表示をレシピID「A013」に関する詳細レシピデータの表示に切り替えることができる。同様に、ユーザUが、操作部72-2を操作することにより、表示画面301aの表示をレシピID「A014」に関する詳細レシピデータの表示に切り替えることができる。なお、操作部72-1と、操作部72-2の両方を表示するのではなく、いずれ1つを詳細レシピ表示画面504bにおいて表示するようにしてもよい。
【0129】
上述した例において、「卵を含まず小麦を加熱するレシピ」は、「第1可能条件」の一例であり、「卵を含まないレシピ」は、「第2可能条件」の一例である。操作部72-1および操作部72-2の各々は、上記第1可能条件に対応するレシピと上記第2可能条件に対応するレシピとを切り替えるユーザUの操作を受け付け可能な操作部の一例である。なお、第1可能条件および第2可能条件は、上記例に限定されず、例えば、複数の使用可能条件に関する条件(第1可能条件:加熱してあれば可、第2可能条件:卵黄のみであれば可)でもよく、複数の代替使用物に関する条件(第1可能条件:代替使用物がゼラチンであれば可、第2可能条件:代替使用物がデンプンであれば可)でもよく、使用可能条件または代替使用物に関する条件(第1可能条件:加熱してあれば可、代替使用物がゼラチンであれば可)でもよい。また、第1可能条件および第2可能条件の一方は、「使用制限物を含まない」ことでもよい。
【0130】
(第1実施形態の第9変形例)
レシピ提供部22は、
図17のS6の処理において、概要レシピデータを含むレシピ検索応答信号を生成する際に、以下のような処理を行うようにしてもよい。レシピ提供部22は、上記の第8変形例で記憶部20に設けた記憶領域に記憶されている表示リストに含まれている調理状態データから、例えば、
図28の符号73-1,73-2,73-3に示す案内情報を生成する。レシピ提供部22は、符号73-1の案内情報をレシピID「A014」の概要レシピデータに関連付け、符号73-2の案内情報をレシピID「A011」の概要レシピデータに関連付け、符号73-3の案内情報をレシピID「A013」の概要レシピデータに関連付けて、レシピ検索応答信号を生成して送信する。これにより、
図17のS7の処理において、端末装置300の表示画面301aに、例えば、
図28に示すような概要レシピ一覧表示画面503aを表示することができる。これにより、ユーザUは、概要レシピ一覧表示画面503aに表示される概要レシピデータの各々における使用制限物の有無の状態と、使用可能条件を満たしているか否かを容易に把握することができる。
【0131】
(第1実施形態の第10変形例)
例えば、情報処理システム1は、ユーザUが使用する他の家電機器を含む。当該他の家電機器は、ネットワークNWに接続される。サーバ200の機器登録DB203には、当該他の家電機器に関する情報が記憶されている。他の家電機器は、例えば、洗濯乾燥機であり、ユーザUの花粉症や喘息などの特別事情に関する情報を記憶する。この場合、特別事情受付部34-3は、機器登録DB203を参照して、当該他の家電機器に接続し、当該他の家電機器からユーザUの特別事情を取得する。特別事情受付部34-3は、取得した特別事情を特別事情DB205に記録する。これにより、ユーザUが、
図18に示すユーザ情報設定処理において、特別事情の選択を行わなくても、ユーザUの特別事情が特別事情DB205に記録される。
【0132】
(第1実施形態の第11変形例)
第11変形例では、レシピ提供部22は、所定条件が満たされる場合、使用可能条件を示す情報(第2情報)に応じてレシピの内容を変更して提供する。例えば、上述した第1実施形態では、
図10のレシピDB201のレシピID「A012」のレシピレコードの場合、
図20のレシピ検索処理のSb8の処理において使用可能条件を満たさないことから、Sb10の処理において除外リストに記録される。第11変形例では、除外リストに記録されたレシピIDに対して、レシピ提供部22は、以下に示すようなレシピレコードの内容を変更する処理(レシピの内容を変更する処理の一例)と、送信する加熱情報を変更する処理(レシピの内容を変更する処理の別の一例)とを行って、除外リストに記録されたレシピIDのレシピレコードを提供してもよい。
【0133】
例えば、レシピ提供部22は、Sb10の処理において、除外リストにレシピID「A012」を記録する際に、除外された理由を示す情報を関連付けて記録する。例えば、レシピID「A012」の場合、「卵:A(加熱してあれば可),E(つなぎとしてなら可)を満たしていない」といった理由を示す情報を記録する。レシピ提供部22は、Sb11の処理を行わず、
図17のS6の処理において、レシピ検索応答信号を生成する際に、除外リストに記録されたレシピIDについても概要レシピデータを生成する。レシピ提供部22は、除外リストに記録されたレシピIDの概要レシピデータを生成する際に、除外された理由を示す情報を含めて概要レシピデータを生成する。
【0134】
詳細レシピ要求部36は、
図17のS8の処理において、レシピID「A012」を含む詳細レシピ要求信号を送信する際に、レシピID「A012」の除外された理由を示す情報を含めて詳細レシピ要求信号を送信する。レシピ提供部22は、レシピID「A012」を含む詳細レシピ要求信号を受信して開始する
図21に示す詳細レシピ生成処理のSc2の処理において、詳細レシピ要求信号に除外された理由を示す情報が含まれている場合、以下の処理を行う。レシピ提供部22は、除外された理由を示す情報に基づいて、レシピID「A012」のレシピレコードの「調理手順」の項目に該当する調理手順データを参照し、除外された理由を満たさない手順を検出する。ここでは、例えば、「A(加熱してあれば可)」の理由を満たさない、「半熟の目玉焼きをのせる」という手順を検出したとする。レシピ提供部22は、検出した手順を、満たさなかった理由である「A(加熱してあれば可)」に基づいて、「完全に加熱した目玉焼きをのせる」に変更して詳細レシピデータを生成する。レシピ提供部22は、生成した詳細レシピデータに、手順の変更の理由となった使用可能条件「A(加熱してあれば可)」を含める。これにより、
図17のS12の処理において、端末装置300の表示画面301aに表示される詳細レシピ表示画面504には、レシピID「A012」のレシピの内容であって、(作り方)の項目に示される手順の一部が、「完全に加熱した目玉焼きをのせる」に変更された内容が表示されることになる。
【0135】
レシピID「A012」に関する詳細レシピ表示画面504において、ユーザUが、「送信」の文字列を含む操作部57を操作する。操作部57には、レシピID「A012」と、詳細レシピデータに含まれる使用可能条件「A(加熱してあれば可)」とが関連付けられている。加熱指示部37は、操作部57がユーザUによって操作されると、レシピID「A012」と、ユーザID「U100」と、機器ID「B001」と、使用可能条件「A(加熱してあれば可)」を含む加熱指示信号をサーバ200に送信する。
【0136】
サーバ200の記憶部20は、加熱パターンDB202に替えて、
図29に示す加熱パターンDB202aを備える。加熱パターンDB202aは、加熱パターンDB202に対して「使用可能条件」の項目が追加されており、同一の加熱パターンに対して、使用可能条件ごとに異なる加熱情報が対応付けて記憶されている。加熱情報出力部24は、
図17のS14の処理を行い、レシピDB201からレシピID「A012」に対応する「パターンB」の加熱パターンを検出する。加熱情報出力部24は、加熱パターンDB202aを参照し、検出した「パターンB」の加熱パターンと、型式情報「B001」と、使用可能条件「A(加熱してあれば可)」とに該当する「蒸し20分、200℃/5分」の加熱情報を検出する。加熱情報出力部24は、検出した加熱情報をオーブンレンジ100に送信する。
【0137】
これにより、除外リストに記録されたレシピIDであっても、ユーザUに提示することが可能になるため、ユーザUが選択するレシピの選択肢を、更に増やすことが可能になる。また、レシピの表示内容を変更するだけでなく、変更した表示内容に応じた加熱情報をオーブンレンジ100に送信することができるので、ユーザUは、変更された表示内容にしたがって、自らオーブンレンジ100の設定を変更する必要がない。そのため、利便性が向上することになる。
【0138】
なお、レシピ提供部22は、以上説明したように使用制限物に関してレシピの内容を変更することに代えて/加えて、上述した関連使用制限物(第1使用注意物)、またはユーザUの特別事情と所定の関係を有する使用注意物(第2使用注意物)がレシピに含まれる場合、第1使用注意物または第2使用注意物に関する使用可能条件が満たされるように、或いは、第1使用注意物または第2使用注意物の代わりに代替使用物が使用されるように、レシピの内容を変更してもよい。
【0139】
(第1実施形態の第12変形例)
除外リストに記録されたレシピIDに対して、レシピレコードの内容と、送信する加熱情報とを変更する手法は、第11変形例の手法に限られず、以下のような手法でもよい。例えば、レシピID「A012」のレシピレコードを複製したレシピレコードであって「調理手順」の項目が、卵を完全に加熱する手順に書き換えられ、「加熱パターン」の項目が、「パターンB」から、卵を完全に加熱する「パターンA」に書き換えられたレシピレコードを、レシピID「A012-1」として予め生成しておく。更に、レシピID「A012」のレシピレコードに、生成したレシピID[A012-1]のレシピレコードと、使用可能条件「A(加熱してあれば可)」とを関連付けてレシピDB201に記憶させておく。レシピID「A012-1」のように、他のレシピID「A012」に関連付けられてレシピDB201に記憶されているレシピレコードは、
図20のレシピ検索処理において検索の対象にならないものとする。
【0140】
図17のS5~S8の処理として、上記した第11変形例と同一の処理が行われる。レシピ提供部22は、レシピID「A012」を含む詳細レシピ要求信号を受信して開始する
図21に示す詳細レシピ生成処理のSc2の処理において、詳細レシピ要求信号に除外された理由を示す情報が追加されている場合、以下の処理を行う。レシピ提供部22は、レシピID「A012」に関連付けられた他のレシピIDのレシピレコードであって、除外された理由を示す情報に関連付けられている他のレシピIDのレシピレコードを検出する。除外された理由を示す情報が「A(加熱してあれば可)」である場合、レシピ提供部22は、レシピID「A012-1」のレシピレコードを検出することになる。レシピ提供部22は、検出したレシピID「A012-1」のレシピレコードに基づいて詳細レシピデータを生成する。この場合、レシピID「A012-1」のレシピレコードの「加熱パターン」の項目の内容は、予め卵を完全に加熱する「パターンA」に書き換えられている。そのため、
図17のS13~S15の処理は、第1実施形態と同一の処理が行われることになる。これにより、本変形例において、第11変形例と同様の利点が得られることになる。
【0141】
第11変形例において、加熱情報出力部24が、使用可能条件「A(加熱してあれば可)」に該当する加熱情報をオーブンレンジ100に送信した場合、または第12変形例において、加熱情報出力部24が、レシピID「A012-1」の加熱情報をオーブンレンジ100に送信した場合、加熱情報出力部24は、以下の処理を行うようにしてもよい。例えば、加熱情報出力部24は、「アレルギー対応の加熱情報を送信しました」といった報知情報を生成し、生成した報知情報を端末装置300に送信する。端末装置300の加熱指示部37は、加熱情報出力部24が送信した報知情報を受信すると、表示制御部31を介して表示画面301aに受信した報知情報を表示する。これにより、通常とは異なる加熱情報がオーブンレンジ100に送信された場合、そのことを示す情報が、端末装置300の表示画面301aに表示される。そのため、ユーザUは、変更された内容に沿って調理がオーブンレンジ100において行われることを把握することができる。
【0142】
(第1実施形態のその他の変形例)
上述した第1実施形態では、使用制限物とは、例えば、ユーザUのアレルギーのために、食材として使用することができない食物であるとしているが、宗教、文化などのアレルギー以外の理由で使用を避けたい食物であってもよい。また、使用制限物は、食物以外に、調理において使用する物であってもよい。例えば、ユーザUがラテックスアレルギーを有している場合、使用制限物として、ゴム手袋などが含まれてもよく、また、ユーザUが金属アレルギーを有する場合、使用制限物として、金属皿などが含まれてもよい。例えば、「ゴム手袋」や「金属皿」が使用制限物に含まれる場合、レシピ提供部22は、レシピDB201の「調理手順」の項目を参照して、検索条件に該当するか否かを判定する。
【0143】
第1実施形態の端末装置300において、登録情報310に含まれる使用制限物、使用可能条件、および特別事情を、例えば、様々なアプリケーションで参照可能な共通のフォーマットに変換した上で、他の端末装置に送信することができるようにしてもよい。このようにすることで、例えば、医療関係者のような第3者が使用する端末装置に、ユーザUのアレルギーに関する情報を提供することができる。
【0144】
第1実施形態の加熱情報出力部24は、端末装置300から加熱指示信号を受信した場合、以下のような処理を行ってもよい。加熱情報出力部24は、機器登録DB203において、加熱指示信号に含まれる機器IDに対して、加熱指示信号に含まれるユーザIDとは、異なるユーザIDが対応付けられたことを検出したとする。加熱情報出力部24は、更に、使用制限物DB204を参照して、当該異なるユーザIDに対する使用制限物が記憶されていることを検出したとする。この場合、加熱情報出力部24は、加熱指示信号に含まれるユーザIDに対応する端末装置300に対して、同一のオーブンレンジ100を使用するユーザに使用制限物(例えばアレルギーがある食材)があることを示す報知情報を送信する。この報知情報は、例えば、以下のような場面において役立つ。例えば、家族で、オーブンレンジ100を共有しており、子供が自らの端末装置300を操作して使用制限物などを設定しているとする。この場合に、親が自らの端末装置300を操作してレシピを選択してオーブンレンジ100を利用する際に、上記の報知情報が表示されるので、選択したレシピが子供のアレルギーに該当する食材を含んでいないか、または調理方法が適切であるかの再確認を親に促すことができる。
【0145】
(第2実施形態)
上述した第1実施形態では、端末装置300は、ユーザ情報受付部34を有する。これに対して、第2実施形態では、オーブンレンジ100が、少なくとも使用制限物受付部34-1と、使用可能条件受付部34-2とを含むユーザ情報受付部34(設定受付部)を備える。ユーザ情報受付部34は、受け付けた使用制限物を示す情報(第1情報)と、使用可能条件を示す情報(第2情報)とを記憶部16に記録する。
【0146】
オーブンレンジ100の記憶部16には、上記したように調理モードに関するデータが含まれる。この調理モードに関するデータは、例えば、サーバ200のレシピDB201に相当するデータと、加熱パターンDB202に相当するデータであって自機の機器IDに対応する部分(自機の型式に対応する部分)のみを含むデータとを含む。ここで、「調理モード」とは、第1実施形態の「レシピ」と同義であるものとし、レシピID「A011」~「A015」の各々が、「ハンバーグモードA」~「ハンバーグモードE」という5つの調理モードに対応するものとして以下の説明を行う。
【0147】
オーブンレンジ100の制御部13は、記憶部16に記憶された使用制限物および使用可能条件に基づいて、加熱装置11を制御可能である。例えば、制御部13は、記憶部16に記憶された使用制限物および使用可能条件に基づいて、記憶部16に記憶された調理モードに関するデータに対して、
図20に示すレシピ検索処理に相当する処理を行う。これにより、オーブンレンジ100の表示制御部14は、使用制限物および使用可能条件によって定められる検索条件に該当する調理モードを、オーブンレンジ100の表示画面に表示することになる。すなわち、オーブンレンジ100の表示画面には、使用制限物を含まない調理モードと、使用制限物を含んでいるが使用可能条件を満たしている調理モードとが表示される。そのため、第2実施形態では、ユーザUがアレルギー症状を起こす可能性のある調理モードを選択できないようにしつつ、単に使用制限物を含まない調理モードを表示する場合よりも、多くの調理モードが表示されるようにすることができる。これにより、利便性の向上を図ることができる。
【0148】
(第2実施形態の第1変形例)
第2実施形態の第1変形例では、制御部13は、使用制限物がレシピに含まれる場合であって、加熱情報を外部から受信する場合、受信した加熱情報を使用可能条件に応じて変更し、変更した加熱情報に基づき加熱装置11を制御する。
【0149】
例えば、以下のような処理を行うようにしてもよい。オーブンレンジ100の記憶部16は、調理モードに関するデータとして、サーバ200の加熱パターンDB202に替えて
図29に示す加熱パターンDB202aに相当するデータであって自機の機器IDに対応する部分(自機の型式に対応する部分)のみを含むデータを含む。オーブンレンジ100の制御部13は、上述した第1実施形態の第11変形例の手法によって、調理モードの内容と、使用する加熱情報とを変更する処理を行うようにしてもよい。第2実施形態において、第1実施形態の第11変形例の手法に替えて、第1実施形態の第12変形例の手法を用いて、調理モードの内容と、使用する加熱情報とを変更する処理を行うようにしてもよい。これにより、オーブンレンジ100を直接操作して調理を行う場合であっても、第1実施形態の第11変形例と同様の利点が得られることになる。
【0150】
(第2実施形態の第2変形例)
第2実施形態において、サーバ200の加熱情報出力部24は、端末装置300から加熱指示信号を受信した場合、以下のような処理を行ってもよい。加熱情報出力部24は、加熱指示信号に含まれるレシピIDのレシピレコードのレシピIDと、「食材リスト」の項目のデータである食材リストデータと、「食材利用形態」の項目のデータである食材利用形態データとを、送信する加熱情報に関連付けてオーブンレンジ100に送信する。オーブンレンジ100の記憶部16には、
図29に示す加熱パターンDB202aに相当するデータであって自機の機器IDに対応する部分(自機の型式に対応する部分)のみを含むデータ(以下、このデータを加熱パターンデータという)が予め記憶されている。
【0151】
オーブンレンジ100の制御部13は、通信部12がサーバ200から受信して出力するレシピIDと、食材リストデータと、食材利用形態データとが関連付けられた加熱情報を取り込む。制御部13は、取り込んだレシピIDと、食材リストデータと、食材利用形態データとに対して、記憶部16に記憶されている使用制限物と、使用可能条件とに基づいて、
図20のレシピ検索処理のSb5~Sb10の処理を行う。制御部13は、当該処理の後、取り込んだレシピIDが、表示リストに記録されるレシピIDであるか、除外リストに記録されるレシピIDであるかを判定する。制御部13は、取り込んだレシピIDが、表示リストに記録されるレシピIDであると判定した場合、取り込んだ加熱情報に基づいて加熱装置11に処理を行わせる。
【0152】
一方、制御部13は、取り込んだレシピIDが、除外リストに記録されるレシピIDであると判定した場合、除外リストに記録する理由となった使用可能条件が「A(加熱してあれば可)」である場合、記憶部16の加熱パターンデータを参照し、取り込んだ加熱情報に一致する加熱パターンを検出する。例えば、加熱パターンデータが、
図29の機器ID「B001」の部分に相当するデータであって、制御部13が取り込んだ加熱情報が「150℃/5分」である場合、制御部13は、「パターンB」を検出する。制御部13は、加熱パターンデータから、加熱パターンが「パターンB」であって、使用可能条件が「A(加熱してあれば可)」に対応する加熱情報「蒸し20分、200℃/5分」を検出する。制御部13は、検出した加熱情報「蒸し20分、200℃/5分」に基づいて加熱装置11に処理を行わせる。
【0153】
(第2実施形態の第3変形例)
第2実施形態の第3変形例では、制御部13は、記憶部16に記憶された使用制限物がレシピに含まれる場合であって、第1加熱情報と、上記使用制限物に関する使用可能条件に応じて調整された第2加熱情報とを外部から受信する場合、第2加熱情報に基づき加熱装置11を制御する。例えば、制御部13は、上記場合において、ユーザUまたはサーバ200から第2加熱情報を使用する旨の指示の有無に関わらず、第1加熱情報と第2加熱情報のうち第2加熱情報を選択して使用する。
【0154】
例えば、サーバ200のレシピDB201に、例えば、第1実施形態の第12変形例で示したように、レシピID「A012」に関連付けて、卵を完全に加熱するレシピID「A012-1」が記憶されるとする。また、ユーザUが、端末装置300において、使用制限物および使用可能制限物が選択されていないために、サーバ200の使用制限物DB204にユーザUに関するデータが記憶されていないとする。この場合に、端末装置300の加熱指示部37が、
図17のS13の処理において、レシピID「A012」を含む加熱指示信号をサーバ200に送信したとする。サーバ200の加熱情報出力部24は、端末装置300からレシピID「A012」を含む加熱指示信号を受信すると、使用制限物DB204を参照する。加熱情報出力部24は、使用制限物DB204にユーザUに関するデータが記憶されていないことを検出すると、レシピDB201を参照して、レシピID「A012」に、他のレシピIDが関連付けられているか否かを判定する。
【0155】
加熱情報出力部24は、レシピID「A012」に、他のレシピIDが関連付けられていないと判定した場合、第1実施形態のS14と同一の処理を行って加熱情報を検出し、検出した加熱情報をオーブンレンジ100に送信する。一方、加熱情報出力部24は、レシピID「A012」に、他のレシピID「A012-1」が関連付けられていると判定したとする。この場合、加熱情報出力部24は、レシピID「A012」とレシピID「A012-1」の各々に対応する加熱情報をレシピDB201と、加熱パターンDB202とから検出する。加熱情報出力部24は、検出したレシピID「A012」の加熱情報と、レシピID「A012」と、レシピID「A012」の食材リストデータと、食材利用形態データとを含む第1送信データを生成する。加熱情報出力部24は、検出したレシピID「A012-1」の加熱情報と、レシピID「A012-1」と、レシピID「A012-1」の食材リストデータと、食材利用形態データとを含む第2送信データを生成する。加熱情報出力部24は、第1送信データと、第2送信データとを含む加熱情報判定用データをオーブンレンジ100に送信する。
【0156】
オーブンレンジ100の制御部13は、通信部12がサーバ200から受信して出力する加熱情報判定用データを取り込む。制御部13は、取り込んだ加熱情報判定用データに含まれる第1送信データと、第2送信データとの各々に対して、記憶部16に記憶されている使用制限物と、使用可能条件とに基づいて、
図20のSb5~Sb10の処理を行う。制御部13は、当該処理において、表示リストに記録された方のレシピIDに対応する加熱情報を選択し、選択した加熱情報に基づいて加熱装置11に処理を行わせる。なお、上記の例の場合、レシピID「A012-1」が表示リストに記録され、レシピID「A012」が除外リストに記録されるので、制御部13は、レシピID「A012-1」に対応する加熱情報に基づいて加熱装置11に処理を行わせることになる。
【0157】
第2実施形態の第2変形例または第3変形例により、ユーザUが、端末装置300において、使用制限物および使用可能条件が選択されていない場合であっても、オーブンレンジ100は、ユーザUの使用制限物と、使用可能条件とによって定められる条件を満たさないレシピに関する加熱情報を受信した場合、加熱情報がユーザUの使用制限物と、使用可能条件とによって定められる条件を満たすようにレシピの内容を変更することが可能になる。また、この場合、表示制御部14は、使用可能条件に応じて加熱装置11が制御される場合、使用可能条件に応じた制御が行われることをオーブンレンジ100の表示画面に表示させる。
【0158】
第2実施形態の第2変形例または第3変形例では、オーブンレンジ100のユーザ情報受付部34(設定受付部)は、第1実施形態の第10変形例と同様に、ユーザUによる別の家電機器の使用態様に基づき、ユーザUの特別事情、または特別事情と所定の関係を有する第2使用注意物を示す第3情報を取得する。この場合、制御部13は、上記第3情報に基づき、加熱装置11を制御する。すなわち、レシピが第2注意使用物を含む場合、第2注意使用物の使用可能条件に基づきレシピの内容を変更して加熱装置11を制御する。
【0159】
上記の第2実施形態の第1変形例において、制御部13が変更した加熱情報を用いる場合、第2実施形態の第2変形例において、制御部13が加熱情報「蒸し20分、200℃/5分」を用いる場合、または第3変形例において、制御部13がレシピID「A012-1」に対応する加熱情報を用いる場合、制御部13は、以下の処理を行うようにしてもよい。例えば、制御部13は、例えば、「アレルギー対応の加熱情報で加熱しました」といったメッセージを生成し、生成したメッセージを、表示制御部14を介してオーブンレンジ100の表示画面に表示するようにしてもよい。これにより、ユーザUは、通常とは異なる加熱情報にしたがってオーブンレンジ100が加熱を行っていることを把握することができる。
【0160】
(第2実施形態のその他の変形例)
第2実施形態では、オーブンレンジ100が備えるユーザ情報受付部34によって、ユーザUのユーザ情報を、オーブンレンジ100に設定するようにしている。これに対して、オーブンレンジ100が、サーバ200からユーザ情報を取得するようにしてもよい。例えば、サーバ200が、加熱情報をオーブンレンジ100に送信するタイミング、または、任意のタイミングで、ユーザ情報を送信することにより、オーブンレンジ100がユーザ情報を取得するようにしてもよい。また、オーブンレンジ100が任意のタイミングでユーザ情報を要求する要求信号をサーバ200に送信し、サーバ200が当該要求信号の応答としてユーザ情報を含む応答信号を送信することにより、オーブンレンジ100がユーザ情報を取得するようにしてもよい。
【0161】
第2実施形態では、制御部13は、レシピと関係しない調理を行う場合であっても、使用制限物を含む調理を行う場合、使用可能条件と同一または類似の条件に基づき加熱装置11を制御してもよい。すなわち、ユーザUの使用制限物が記憶部16に記憶される場合であって、上記使用制限物と関係する調理モードを実行する場合、標準的な調理モードの内容を使用可能条件と同一または類似の条件に基づき変更して実行する。例えば、使用制限物が「卵」であり、「卵」に関係する調理モードとしてフレンチトーストモードがある場合は、以下のような処理が行われる。すなわち、サーバ200から加熱情報が送信されない場合であっても、フレンチトーストモードが実行される場合、フレンチトーストモードにおける加熱時間が使用可能条件を満たすように延長される。なお、「使用可能条件と同一または類似の条件」とは、使用可能条件と同一の条件に限定されず、オーブンレンジ100の機能に基づき、使用可能条件と同一と見做すことができる処理が行われる条件である。例えば、使用可能条件が「500Wで5分間加熱」である場合、「使用可能条件と類似の条件」とは、「10分間の蒸し工程の追加」などが該当し得る。
【0162】
第2実施形態では、第1実施形態と同様に、サーバ200は、端末装置300からユーザUのユーザ情報を取得してもよいし、オーブンレンジ100からユーザUのユーザ情報を取得するようにしてもよい。
【0163】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、情報処理システムは、ユーザの使用制限物と、使用可能条件とを用いることにより、使用制限物を含むレシピであっても、その使用制限物に対応する使用可能条件を満たすレシピである場合に、このレシピをユーザが利用することができるレシピとして提供する。これにより、利便性の向上を図ることができる。
【0164】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0165】
1…情報処理システム、100…オーブンレンジ(調理用家電機器)、11…加熱装置、13…制御部、14…表示制御部、200…サーバ、22…レシピ提供部、23…報知情報提供部、24…加熱情報出力部、300…端末装置、301a…表示画面、31…表示制御部、32…操作受付部、34…ユーザ情報受付部(設定受付部)、34-1…使用制限物受付部(第1受付部)、34-2使用可能条件受付部(第2受付部)、34-3…特別事情受付部(第3受付部)、35…レシピ検索要求部(出力部)、36…詳細レシピ要求部(出力部)、37…加熱指示部