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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031533
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】異物除去デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
A61B17/22 528
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135168
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】390030731
【氏名又は名称】朝日インテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100160691
【弁理士】
【氏名又は名称】田邊 淳也
(74)【代理人】
【識別番号】100157277
【弁理士】
【氏名又は名称】板倉 幸恵
(72)【発明者】
【氏名】牛島 弘高
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE22
4C160MM36
4C160NN09
(57)【要約】
【課題】異物除去デバイスにおいて、外側チューブの損傷を抑制すると共に、使い勝手を向上させる。
【解決手段】異物除去デバイスは、内側チューブと、内側チューブの周囲を取り囲んで配置された外側チューブと、内側チューブの外周面と、外側チューブの内周面との間に配置された筒状の拡張体と、を備える。拡張体は、異物除去デバイスの軸線方向にスライド移動することにより、内側チューブと外側チューブとに対する相対位置を変更することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異物除去デバイスであって、
内側チューブと、
前記内側チューブの周囲を取り囲んで配置された外側チューブと、
前記内側チューブの外周面と、前記外側チューブの内周面との間に配置された筒状の拡張体と、
を備え、
前記拡張体は、前記異物除去デバイスの軸線方向にスライド移動することにより、前記内側チューブと前記外側チューブとに対する相対位置を変更することができる、異物除去デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の異物除去デバイスであって、
前記拡張体は、
前記拡張体の先端と基端との両方が、前記外側チューブの先端よりも基端側に位置した第1位置と、
前記拡張体の先端が、前記外側チューブの先端よりも先端側に位置すると共に、前記拡張体の基端が、前記外側チューブの先端よりも基端側に位置した第2位置と、
の間でスライド移動する、異物除去デバイス。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の異物除去デバイスであって、
前記内側チューブの外周面と、前記外側チューブの内周面との間であって、前記拡張体よりも基端側には、環状の支持部材が備えられている、異物除去デバイス。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の異物除去デバイスであって、
前記内側チューブの先端部は、前記外側チューブの先端よりも先端側に位置しており、
前記内側チューブの外周面のうち、前記外側チューブの先端よりも先端側には、前記内側チューブの外周面が外側に向かって隆起した隆起部が設けられている、異物除去デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異物除去デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
血管内を閉塞する血栓等の異物を、物理的に除去するデバイスが知られている。例えば、特許文献1には、外側チューブと、内側チューブとを備える吸引用カテーテルが開示されている。特許文献1に記載のデバイスでは、内側チューブの先端に弾性変形部が設けられており、弾性変形部を含む内側チューブ全体が外側チューブに収容されているとき、弾性変形部は外側チューブに押さえつけられて収縮状態にあり、内側チューブが外側チューブから突出したとき、弾性変形部が拡張状態となって異物の除去が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-66178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
血栓等の異物を除去するデバイスでは、血管内の異物を残さず取り除くために、弾性変形部が、拡張状態において血管の内径とほぼ等しい外径まで拡張する。この点、引用文献1に記載のデバイスでは、内側チューブの先端に弾性変形部が設けられているため、弾性変形部は、内側チューブの外径と等しい外径から、血管の内径と等しい外径まで拡張する必要がある。ここで、デバイスの先端部を血栓等の異物がある病変部までデリバリする際には、弾性変形部は収縮状態とされて、内側チューブと共に外側チューブ内に収容されている。この時、収縮状態の弾性変形部は、外側チューブの内壁(内周面)によって押さえつけられて、外側チューブの内径以下の外径になるように圧縮されている。
【0005】
上述の通り、特許文献1に記載のデバイスでは、弾性変形部の拡張幅(換言すれば、弾性変形部の拡張前後の外径の差)が、「血管の内径-内側チューブの外径」であるため、弾性変形部には高い拡張力が必要となる。このように高い拡張力を有する弾性変形部は、内側チューブを外側チューブから突出させて弾性変形部を拡張させる際に、外側チューブの内壁(内周面)との間での摺動抵抗が高くなり、外側チューブの変形や、外側チューブの内壁損傷、操作性の低下につながるという課題があった。なお、このような課題は、弾性変形部が、血管の内径まで拡張する場合に限らず、外側チューブよりも大きな任意の外径まで拡張する場合の全般に共通する。また、このような課題は、血管系に限らず、リンパ腺系、胆道系、尿路系、気道系、消化器官系、分泌腺及び生殖器官等、人体内の各器官内の異物を除去するデバイス全般に共通する。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、異物除去デバイスにおいて、外側チューブの損傷を抑制すると共に、使い勝手を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0008】
(1)本発明の一形態によれば、異物除去デバイスが提供される。この異物除去デバイスは、内側チューブと、前記内側チューブの周囲を取り囲んで配置された外側チューブと、前記内側チューブの外周面と、前記外側チューブの内周面との間に配置された筒状の拡張体と、を備え、前記拡張体は、前記異物除去デバイスの軸線方向にスライド移動することにより、前記内側チューブと前記外側チューブとに対する相対位置を変更することができる。
【0009】
この構成によれば、拡張体は、内側チューブの外周面と外側チューブの内周面との間に配置されているため、拡張体の拡張幅(換言すれば、拡張体の拡張前後の外径の差)を、「拡張状態の拡張体の外径-収縮状態の拡張体の外径」とできる。ここで、拡張状態の拡張体の外径は、例えば、血管の内径である。また、収縮状態の拡張体の外径は、例えば、内側チューブの外径より大きく外側チューブの内径よりも小さい任意の外径である。このように本構成では、拡張体が内側チューブの先端に設けられている場合と比較して、拡張体の拡張幅を小さくすることができるため、拡張体の拡張力を、拡張体が内側チューブの先端に設けられている場合と比較して弱く設計できる。この結果、本構成によれば、拡張体をスライド移動させた際の、拡張体と外側チューブの内壁(内周面)との間の摺動抵抗を低くすることができるため、外側チューブの変形や、外側チューブの内壁損傷を抑制できると共に、拡張体のスライド移動に要する力を小さくすることによって異物除去デバイスの操作性を向上できる。
【0010】
(2)上記形態の異物除去デバイスであって、前記拡張体は、前記拡張体の先端と基端との両方が、前記外側チューブの先端よりも基端側に位置した第1位置と、前記拡張体の先端が、前記外側チューブの先端よりも先端側に位置すると共に、前記拡張体の基端が、前記外側チューブの先端よりも基端側に位置した第2位置と、の間でスライド移動してもよい。
この構成によれば、拡張体は、第1位置と第2位置との間でスライド移動する。第1位置では、拡張体の先端と基端との両方が外側チューブの先端よりも基端側に位置しているため、拡張体を収縮状態とできる。また、第2位置では、拡張体の先端が外側チューブの先端よりも先端側に位置しているため、拡張体の先端側を拡張させた拡張状態とできる。さらに、第2位置では、拡張体の基端が外側チューブの先端よりも基端側に位置しているため、第2位置へとスライド移動した拡張体が、外側チューブの先端側から脱落することを抑制できる。
【0011】
(3)上記形態の異物除去デバイスであって、前記内側チューブの外周面と、前記外側チューブの内周面との間であって、前記拡張体よりも基端側には、環状の支持部材が備えられていてもよい。
この構成によれば、内側チューブの外周面と外側チューブの内周面との間であって、拡張体よりも基端側には、環状の支持部材が備えられている。このため、異物除去デバイスの基端側から、内側チューブの外周面と外側チューブの内周面との間に作動流体を供給して支持部材に圧力(陽圧)を加えることで、支持部材から拡張体へと先端側に向かう力を付加して、拡張体を先端側にスライド移動させることができる。同様に、供給された作動流体を抜いて支持部材に陰圧を加えることで、支持部材から拡張体へと基端側に向かう力を付加して、拡張体を基端側にスライド移動させることができる。すなわち、支持部材を利用して、拡張体を異物除去デバイスの軸線方向にスライド移動させることができる。また、本構成によれば、第2位置へとスライド移動した拡張体が、外側チューブの先端側から脱落することをより一層抑制できる。
【0012】
(4)上記形態の異物除去デバイスであって、前記内側チューブの先端部は、前記外側チューブの先端よりも先端側に位置しており、前記内側チューブの外周面のうち、前記外側チューブの先端よりも先端側には、前記内側チューブの外周面が外側に向かって隆起した隆起部が設けられていてもよい。
この構成によれば、内側チューブの先端部は、外側チューブの先端よりも先端側に位置しており、内側チューブの外周面のうち、外側チューブの先端よりも先端側には隆起部が設けられている。この隆起部があることによって、拡張体が第1位置から第2位置へとスライド移動した際に、スムーズに拡張体を拡張状態へと導くことができる。また、隆起部によって、内側チューブの先端部(外側チューブから突出した部分)と、拡張状態の拡張体の内部との間に、捕捉された血栓等の異物が入り込むことを抑制できる。また、拡張状態の拡張体が内側チューブ及び外側チューブと同軸に配置され易くなる。
【0013】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、異物除去デバイス、異物を除去する拡張体を備えたカテーテル、及びこれらの製造方法などの形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態の異物除去デバイスの全体構成を示す説明図である。
図2】異物除去デバイスの先端側を拡大した縦断面図を示す。
図3図2のA-A線における横断面図を示す。
図4】異物除去デバイスの基端側を拡大した縦断面図を示す。
図5】拡張体について説明する図である。
図6】異物除去デバイスによって異物を除去する様子を示す図である。
図7】第2実施形態の異物除去デバイスの構成を例示した説明図である。
図8】第3実施形態の異物除去デバイスの構成を例示した説明図である。
図9】第4実施形態の異物除去デバイスの構成を例示した説明図である。
図10】第5実施形態の異物除去デバイスの構成を例示した説明図である。
図11】第6実施形態の異物除去デバイスの構成を例示した説明図である。
図12】第7実施形態の異物除去デバイスの構成を例示した説明図である。
図13】第8実施形態の異物除去デバイスの構成を例示した説明図である。
図14】第9実施形態の異物除去デバイスの構成を例示した説明図である。
図15】変形例の異物除去デバイスの構成を例示した説明図である。
図16】変形例の異物除去デバイスの構成を例示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の異物除去デバイス1の全体構成を示す説明図である。異物除去デバイス1は、血管内を閉塞する血栓等の異物を物理的に除去するために使用される医療用デバイスである。なお、異物除去デバイス1は、心血管や脳血管をはじめとする血管のほか、リンパ腺系、胆道系、尿路系、気道系、消化器官系、分泌腺及び生殖器官といった、生体管腔内の対象物(異物)を除去するためのデバイスとして構成できる。異物除去デバイス1は、チューブ10と、チューブ10の先端側に設けられた拡張体20と、チューブ10の基端側に設けられたコネクタ30とを有している。図1では、拡張体20が拡張した拡張状態を図示している。
【0016】
図1では、異物除去デバイス1の中心を通る軸を軸線O(一点鎖線)で表す。図1の例では、軸線Oは、チューブ10及び拡張体20の中心を通る軸とそれぞれ一致している。しかし、軸線Oは、チューブ10及び拡張体20の中心軸と相違していてもよい。また、図1には、相互に直交するXYZ軸を図示する。X軸は異物除去デバイス1の長手方向に対応し、Y軸は異物除去デバイス1の高さ方向に対応し、Z軸は異物除去デバイス1の幅方向に対応する。図1の右側(+X軸方向)を異物除去デバイス1及び各構成部材の「先端側」と呼び、図1の左側(-X軸方向)を異物除去デバイス1及び各構成部材の「基端側」と呼ぶ。また、異物除去デバイス1及び各構成部材の長手方向(X軸方向)における両端のうち、先端側に位置する一端を「先端」と呼び、基端側に位置する他端を「基端」と呼ぶ。また、先端及びその近傍を「先端部」と呼び、基端及びその近傍を「基端部」と呼ぶ。先端側は生体内部へ挿入され、基端側は医師等の術者により操作される。これらの点は、図1以降においても共通する。
【0017】
図2は、異物除去デバイス1の先端側を拡大した縦断面図を示す。図3は、図2のA-A線における横断面図を示す。図2及び図3では、拡張体20が収縮した収縮状態を図示している。チューブ10は、異物除去デバイス1の軸線方向に沿って延びる外側チューブ11と、内側チューブ12とを含んでいる。外側チューブ11と、内側チューブ12とは、いずれも、先端と基端とに開口を有し、内側に内腔を有する円筒形状(換言すれば、管形状)の部材である。
【0018】
外側チューブ11は、図2に示すように、内側チューブ12の外側に配置されて、内側チューブ12の周囲を取り囲んでいる。図2の例では、外側チューブ11の先端111と、内側チューブ12の先端121とは、異物除去デバイス1の軸線方向において概ね同じ位置とされている。外側チューブ11の先端部には、外側チューブ11の外径及び内径が共に、基端側から先端側に向かって縮小した縮径部113(図2において破線枠で囲んだ部分)が設けられている。縮径部113よりも基端側においては、外側チューブ11の外径及び内径は略一定である。図3に示すように、外側チューブ11の肉厚部には、補強体119が埋設されている。補強体119は、円筒形状(換言すれば、管形状)の網組体である。
【0019】
内側チューブ12は、外側チューブ11の内腔に配置されている。内側チューブ12の外周面12aのうち、内側チューブ12の先端121よりも基端側の任意の位置には、基端ストッパ123が設けられている。基端ストッパ123は、内側チューブ12の外周面12aから、内側チューブ12の肉厚の一部分が、外側チューブ11の内周面11bに向かって隆起した凸形状を有する部分である。基端ストッパ123が設けられた部分を除いて、内側チューブ12の外径及び内径は略一定である。図3に示すように、内側チューブ12の肉厚部には、補強体129が埋設されている。補強体129は、円筒形状(換言すれば、管形状)の網組体である。
【0020】
図3に示すように、内側チューブ12の外径Φ1は、外側チューブ11の内径Φ3よりも小さい。このため、外側チューブ11の内周面11bと、内側チューブ12の外周面12aとの間には、流体が流通可能な外側ルーメン11Lが形成されている。外側ルーメン11Lは、二重管構造の外側チューブ11と内側チューブ12との間に形成されたルーメンであるため、図3に示すような円筒状を有している。また、内側チューブ12の内側には、流体が流通可能な内側ルーメン12Lが形成されている。内側ルーメン12Lは、内側チューブ12の内側に形成されたルーメンであるため、図3に示すような円柱状を有している。
【0021】
図4は、異物除去デバイス1の基端側を拡大した縦断面図を示す。図4では、コネクタ30を断面図として図示すると共に、外側チューブ11及び内側チューブ12を概観図として図示する。図4の下部には、内側チューブ12の基端部近傍を拡大した拡大図を示している。図4に示すように、異物除去デバイス1の基端側では、外側チューブ11の基端112から、内側チューブ12の基端側の一部分が突出している。コネクタ30は、二股に延伸した第1延伸部31と、第2延伸部32とを有している。
【0022】
第1延伸部31は、チューブ10(外側チューブ11及び内側チューブ12)の延伸方向、換言すれば、異物除去デバイス1の軸線方向に沿って延びる部分である。第1延伸部31の内側には、吸引用ルーメン31L(内腔)が形成されている。吸引用ルーメン31Lは、基端側から先端側に向かって徐々に縮径している。吸引用ルーメン31Lの中央部近傍には、図4下部の拡大図に示すように、吸引用ルーメン31Lの内径が拡大することによって、段差部34が形成されている。換言すれば、段差部34は、コネクタ30の内壁が段付きになった部分である。段差部34には、内側チューブ12の基端122が当接することによって、内側チューブ12が固定されている。このような構成によって、吸引用ルーメン31Lと内側ルーメン12Lとを連通させて、内側ルーメン12Lから吸引用ルーメン31Lへの流体の流通を可能にすると共に、吸引用ルーメン31Lから外側ルーメン11Lへと流体が迷入することを抑制している。第1延伸部31の基端部には、第1開口311と、第1嵌合部312とが形成されている。第1開口311は、吸引用ルーメン31Lと外部とを連通する開口である。第1嵌合部312は、シリンジや吸引装置等を取り付けることが可能なねじ構造を有する部分である。
【0023】
第2延伸部32は、チューブ10の延伸方向と交差する方向に沿って延びる部分である。第2延伸部32の内側には、ルーメン32L(内腔)が形成されている。ルーメン32Lは、基端側から先端側に向かって徐々に縮径している。ルーメン32Lの先端は、段差部34よりも先端側のコネクタ30の内壁と、外側チューブ11から突出した内側チューブ12の外周面と、の間に形成された円筒状の空間(内腔)に連通している。このような構成によって、ルーメン32Lと外側ルーメン11Lとを連通させて、ルーメン32Lから外側ルーメン11Lへの流体の流通を可能としている。第2延伸部32の基端部には、第2開口321と、第2嵌合部322とが形成されている。第2開口321は、ルーメン32Lと外部とを連通する開口である。第2嵌合部322は、シリンジ等を取り付けることが可能なねじ構造を有する部分である。
【0024】
コネクタ30の先端部には、外側チューブ11の基端部を把持して固定する係止部33が設けられている。また、上述の通り、内側チューブ12は、基端122が段差部34に当接することによって固定されている。すなわち、本実施形態では、外側チューブ11と内側チューブ12とは、コネクタ30によって互いに固定されている。なお、外側チューブ11と内側チューブ12とは、エポキシ系接着剤などの任意の接合剤によって接合されることによって、固定されていてもよい。
【0025】
図5は、拡張体20について説明する図である。図5(A)は、拡張体20が収縮状態から拡張状態へと移行する様子を示す。図5(B)は、拡張状態の拡張体20を示す。図5(B)の下部には、内側チューブ12及び外側チューブ11の先端部近傍を拡大した拡大図を示している。なお、上述した図2は、収縮状態の拡張体20を示している。
【0026】
拡張体20は、内側チューブ12の外周面12aと、外側チューブ11の内周面11bとの間に配置されている。拡張体20は、拡張部21と、支持部材22とを有している。拡張体20の拡張部21は、素線を網目織りにしたメッシュ状の網組体であって、筒状(換言すれば、管状)を有する部材である。拡張部21の素線の目開きの大きさは任意に決定できるが、後述する血流の遮断効果を得るためには、目開きの大きさは流体の流れを遮断する、あるいは弱めることが可能な程度の大きさにされることが好ましい。拡張体20の拡張部21は、弾性変形可能であり、図2に示す収縮状態から、図5(B)に示す拡張状態へと拡張するように付勢されている。すなわち、拡張体20の拡張部21は、自己拡張式のメッシュ体とも言える。図3に示すように、拡張体20の拡張部21は、収縮状態において、内側チューブ12の外径Φ1よりも大きく、かつ、外側チューブ11の内径Φ3よりも小さい外径Φ2を有している。
【0027】
拡張体20の支持部材22は、拡張部21と同様に、内側チューブ12の外周面12aと、外側チューブ11の内周面11bとの間に配置されている。支持部材22は、拡張部21の基端(拡張体20の基端)に固定された環状の部材である。なお、環状とは、完全な環状ではなく周方向の一部分が開いたC状などの「略環状」も含む。拡張体20の拡張部21と支持部材22とは、一体的に形成されていてもよく、別々の部材として構成されてもよい。拡張部21と支持部材22とは、同じ材料で形成されてもよく、異なる材料で形成されてもよい。例えば、拡張部21を金属材料で形成し、支持部材22を樹脂材料で形成してもよい。
【0028】
拡張体20の収縮状態では、図2に示すように、拡張体20の全体(換言すれば、拡張体20の先端211と基端212との両方)が、外側チューブ11の先端111よりも基端側に位置している。換言すれば、収縮状態では、拡張体20の全体が、外側ルーメン11L内に収容されている。収縮状態では、拡張体20の支持部材22が、内側チューブ12の基端ストッパ123に当接することによって、支持部材22が基端ストッパ123よりも基端側に移動することが抑制されている。換言すれば、収縮状態では、支持部材22と基端ストッパ123とによって、拡張体20の基端側への更なる移動が規制されている。この時、拡張体20の引っ込み長さ(換言すれば、外側チューブ11の先端111から、拡張体20の先端211までの長さ)はL1である。拡張体20の引っ込み長さL1は任意に決定できる。拡張体20の先端212と基端212との両方が、外側チューブ11の先端111よりも基端側に位置しているときの拡張体20の位置を「第1位置」と呼ぶ。図2には、第1位置に配置された拡張体20が示されている。
【0029】
拡張体20の拡張状態では、図5(B)に示すように、拡張体20の先端211が、外側チューブ11の先端111よりも先端側に位置すると共に、拡張体20の基端に設けられた支持部材22が、外側チューブ11の先端111よりも基端側に位置している。換言すれば、拡張状態では、拡張体20の先端側の一部分が、外側ルーメン11Lから外部に突出しており、拡張体20の基端側の一部分が、外側ルーメン11L内に収容されている。拡張状態では、拡張体20の支持部材22が、外側チューブ11の縮径部113の内側面に当接することによって、支持部材22が縮径部113よりも先端側に移動することが抑制されている。換言すれば、拡張状態では、支持部材22と縮径部113とによって、拡張体20の先端側への更なる移動が規制されて、拡張体20が外側チューブ11の先端側から脱落することが抑制されている。拡張体20の先端211が、外側チューブ11の先端111よりも先端側に位置すると共に、拡張体20の基端212が、外側チューブ11の先端111よりも基端側に位置しているときの拡張体20の位置を「第2位置」と呼ぶ。図5(B)には、第2位置に配置された拡張体20が示されている。
【0030】
使用時において、異物除去デバイス1は、拡張体20を図2に示す収縮状態(換言すれば、拡張体20が第1位置にある状態)とした上で、血管内に挿入されて、血栓等の異物がある病変部までデリバリされる。異物除去デバイス1の先端部を病変部までデリバリした後、術者は、コネクタ30の第2嵌合部322に作動流体(例えば、生理食塩水や、空気等)を満たしたシリンジ等を取り付けて、第2開口321から作動流体を供給する。第2開口321から供給された作動流体は、ルーメン32Lを経由して、外側ルーメン11Lに流れ込む。術者が作動流体の供給を継続することによって、図5(A)に示すように、外側ルーメン11L内が作動流体で満たされて、拡張体20の支持部材22に圧力(陽圧)が加えられる。これにより、支持部材22から拡張体20へと先端側に向かう力が付与されて、図5(A)に白抜き矢印で示すように、拡張体20は、異物除去デバイス1の軸線方向に沿って先端側へとスライド移動する。拡張体20が異物除去デバイス1の軸線方向にスライド移動することにより、拡張体20と外側チューブ11の相対位置が変更されると共に、拡張体20と内側チューブ12の相対位置が変更される。拡張体20は、図5(B)で説明したように、支持部材22が縮径部113に当接するまで、先端側へと移動する。
【0031】
拡張体20の拡張部21は、弾性変形可能であり、収縮状態から拡張状態へと拡張するように付勢されている。図5(A),(B)に示すように、拡張体20の拡張部21のうち、外側チューブ11の先端111よりも先端側に位置する部分(換言すれば、外側ルーメン11Lから外部に突出した部分)は、外側チューブ11による圧縮を受けないため、外径が拡大して広がった状態となる。異物除去デバイス1は、拡張体20を図5(B)に示す拡張状態(換言すれば、拡張体20が第2位置にある状態)にした状態で、病変部を構成する異物の除去に用いられる。拡張体20の拡張部21のうち、図5(B)に示す拡張状態において、外側ルーメン11Lから外部に突出し、かつ、外側チューブ11の側に位置する一部分21bは、基端側から先端側に向かって徐々に拡径したテーパ形状である。一方、拡張体20の拡張部21のうち、図5(B)に示す拡張状態において、外側ルーメン11Lから外部に突出し、かつ、外側チューブ11から遠い側(すなわち先端側)に位置する先端側部分21aは、略一定の外径を有する円筒形状である。
【0032】
図6は、異物除去デバイス1によって異物を除去する様子を示す図である。図6には、異物除去デバイス1に加えて、血管91と、血管91を閉塞する血栓等の異物92と、異物除去デバイス1によって回収されている血栓等の異物93と、を図示している。異物除去デバイス1は、予め血管91内に挿入されたガイドワイヤやマイクロカテーテル等に沿って、異物92の位置までデリバリされる。異物除去デバイス1の先端部が異物92の位置まで到達した後、上述した手順によって、拡張体20が拡張状態とされる(図6では、拡張状態の拡張体20を図示している)。本実施形態の例では、拡張状態の拡張体20のうち、最も大きな先端側部分21aの外径は、血管91の内径とほぼ等しい。
【0033】
ここで、図6において、血管91内の血流の方向を黒い矢印BFで表す。図示のように、拡張体20の先端側部分21aは、拡張状態において、血管91の内径とほぼ等しい外径まで拡張して血流BFを遮るため、血流BFによって異物92,93が、病変部から血流BFの下流側へと流されることを抑制できる。術者は、図6の状態において、コネクタ30の第1嵌合部312に、血栓を吸引するための装置(例えば、シリンジや、吸引装置等)を取り付けて、陰圧を掛ける。これにより、血管91内の異物92,93は、拡張体20の先端開口201から、拡張体20の拡張部21の内側に吸引されて、内側ルーメン12L及び吸引用ルーメン31Lを介して、血栓を吸引するための装置内部へと回収される。このように、拡張体20が血流BFを遮るため、血流BFがルーメン12Lに引き込まれ難くなる。このため、陰圧が異物92,93に十分に付与されることから、異物92,93をより確実に除去することができる。
【0034】
異物を回収した後、術者は、コネクタ30の第2嵌合部322に取り付けたシリンジ等を用いて、外側ルーメン11L内の作動流体を吸引する。術者が作動流体の吸引を継続することによって、拡張体20の支持部材22に陰圧が加えられる。これにより、支持部材22から拡張体20へと基端側に向かう力が付与されて、拡張体20は、異物除去デバイス1の軸線方向に沿って基端側へとスライド移動する。拡張体20は、図2で説明したように、支持部材22が基端ストッパ123に当接するまで、基端側へと移動する。このように、本実施形態の拡張体20は、チューブ10に固定されておらず(換言すれば、外側チューブ11と内側チューブ12とのどちらにも固定されておらず)、外側ルーメン11L内をスライド移動することで、収縮状態と拡張状態とを自在に変化させることができる。
【0035】
外側チューブ11及び内側チューブ12は、抗血栓性、可撓性、生体適合性を有することが好ましく、樹脂材料や金属材料で形成することができる。樹脂材料としては、例えば、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂等を採用できる。金属材料としては、例えば、SUS304等のステンレス鋼、ニッケルチタン合金、コバルトクロム合金等を採用できる。補強体119及び補強体129は、例えば、SUS304等のステンレス鋼、ニッケルチタン合金、コバルトクロム合金等の、任意の金属材料により形成できる。
【0036】
拡張体20の拡張部21及び支持部材22は、金属材料または樹脂材料により形成されている。金属材料としては、例えば、SUS304等のステンレス鋼、ニッケルチタン合金、コバルトクロム合金等を採用できる。拡張部21の材料として、放射線不透過材料である金、白金、タングステン、またはこれらの元素を含む合金を採用すれば、拡張部21のX線透視下での視認性を向上させることができる。樹脂材料としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリエーテルエーテルケトン等を採用できる。なお、支持部材22は、天然ゴムや合成ゴムにより形成されてもよいが、支持部材22は、チューブ10(外側チューブ11及び内側チューブ12)との間の摩擦抵抗が少ない材料により形成されることが好ましい。コネクタ30は、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、そのほかの公知の樹脂材料により形成できる。
【0037】
以上のように、第1実施形態の異物除去デバイス1によれば、拡張体20は、内側チューブ12の外周面12aと外側チューブ11の内周面11bとの間に配置されているため、拡張体20の拡張幅、換言すれば、拡張体20の拡張前後の外径の差を、「拡張状態の拡張体の外径-収縮状態の拡張体の外径」とできる。ここで、拡張状態の拡張体の外径は、例えば、図6に示す血管91の内径と等しい先端側部分21aの外径である。また、収縮状態の拡張体の外径は、例えば、図3に示す内側チューブ12の外径Φ1より大きく、かつ、図3に示す外側チューブ11の内径Φ3よりも小さい任意の外径Φ2である。このように、本実施形態の異物除去デバイス1では、拡張体が内側チューブの先端に設けられている場合(換言すれば、拡張体の外径=Φ1である場合)と比較して、拡張体20の拡張幅をΦ2-Φ1の分だけ小さくすることができる。このため、拡張体20の拡張力を、拡張体が内側チューブの先端に設けられている場合と比較して弱く設計できる。この結果、本実施形態の異物除去デバイス1によれば、拡張体20をスライド移動させた際の、拡張体20と外側チューブ11の内壁(内周面11b)との間の摺動抵抗を低くすることができるため、外側チューブ11の変形や、外側チューブ11の内壁損傷を抑制できると共に、拡張体20のスライド移動に要する力を小さくすることによって異物除去デバイス1の操作性を向上できる。
【0038】
また、第1実施形態の異物除去デバイス1によれば、拡張体20は、図2に示す第1位置と、図5(B)に示す第2位置と、の間でスライド移動する。第1位置では、拡張体20の先端211と基端212との両方が外側チューブ11の先端111よりも基端側に位置しているため、外側チューブ11の押圧によって、拡張体20を収縮状態とできる。また、第2位置では、拡張体20の先端211が外側チューブ11の先端111よりも先端側に位置しているため、拡張体20の先端側を拡張させた拡張状態とできる。さらに、第2位置では、拡張体20の基端(支持部材22)が外側チューブ11の先端111よりも基端側に位置しているため、第2位置へとスライド移動した拡張体20が、外側チューブ11の先端側から脱落することを抑制できる。
【0039】
さらに、第1実施形態の異物除去デバイス1によれば、内側チューブ12の外周面12aと外側チューブ11の内周面11bとの間であって、拡張体20の基端には、環状の支持部材22が備えられている。このため、図5(A)に示すように、異物除去デバイス1の基端側から、内側チューブ12の外周面12aと外側チューブ11の内周面11bとの間(外側ルーメン11L)に作動流体を供給して支持部材22に圧力(陽圧)を加えることで、支持部材22から拡張体20へと先端側に向かう力を付加して、拡張体20を先端側にスライド移動させることができる。同様に、供給された作動流体を抜いて支持部材22に陰圧を加えることで、支持部材22から拡張体20へと基端側に向かう力を付加して、拡張体20を基端側にスライド移動させることができる。すなわち、支持部材22を利用して、拡張体20を異物除去デバイス1の軸線方向にスライド移動させることができる。また、支持部材22が、外側チューブ11の先端部に設けられた縮径部113に引っかかることによって、第2位置へとスライド移動した拡張体20が、外側チューブ11の先端側から脱落することをより一層抑制できる。
【0040】
さらに、第1実施形態の異物除去デバイス1によれば、外側チューブ11と内側チューブ12とは、コネクタ30によって互いに固定された二重管構造となっている。このため、先端に拡張体を備える第1デバイスと、第1デバイスを覆って拡張体の拡張を抑えると共に第1デバイスを病変部までデリバリするためのガイドとなる第2デバイスと、を併用する場合と比べて、異物除去デバイス1の使い勝手を向上できる。また、第1デバイスと第2デバイスとを併用する場合と比べて、異物除去デバイス1の外径(特にチューブ10の外径)の制約を少なくできる。詳細には、拡張体20の拡張力を抑えることができるため、拡張体20を収縮した状態で収容する外側チューブ11の肉厚を薄くすることができる。
【0041】
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態の異物除去デバイス1Aの構成を例示した説明図である。図7は、拡張体20が収縮状態にあるときの異物除去デバイス1Aの先端側を拡大した縦断面図である。異物除去デバイス1Aは、第1実施形態の構成において、チューブ10に代えてチューブ10Aを備えている。チューブ10Aは、内側チューブ12に代えて内側チューブ12Aを備えている。
【0042】
内側チューブ12Aは、基端ストッパ123Aが形成されている位置が、図2に示した第1実施形態よりも、さらに基端側(-X軸方向)である点において、内側チューブ12と相違する。この結果、異物除去デバイス1Aでは、拡張体20の引っ込み長さL1A(換言すれば、外側チューブ11の先端111から、拡張体20の先端211までの長さL1A)が、図2に示した第1実施形態よりも長い。ここで、拡張体20が外側ルーメン11Lに収容されている部分は、拡張体20の分だけ、チューブ10Aの剛性が高くなる。この点、異物除去デバイス1Aは、拡張体20の引っ込み長さL1Aを長くすることによって、チューブ10Aの先端部を柔軟にできる。
【0043】
このように、チューブ10Aの構成は種々の変更が可能であり、基端ストッパ123Aは任意の位置に形成されてよい。以上のような第2実施形態の異物除去デバイス1Aによっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0044】
<第3実施形態>
図8は、第3実施形態の異物除去デバイス1Bの構成を例示した説明図である。図8は、拡張体20が収縮状態にあるときの異物除去デバイス1Bの先端側を拡大した縦断面図である。異物除去デバイス1Bは、第1実施形態の構成において、チューブ10に代えてチューブ10Bを備えている。チューブ10Bは、外側チューブ11に代えて外側チューブ11Bを備え、内側チューブ12に代えて内側チューブ12Bを備えている。
【0045】
外側チューブ11Bは、縮径部113(図2)に代えて、基端ストッパ114を有している。基端ストッパ114は、外側チューブ11Bの内周面11bから、外側チューブ11Bの肉厚の一部分が、内側チューブ12Bの外周面12aに向かって隆起した凸形状を有する部分である。基端ストッパ114は、異物除去デバイス1Bの軸線方向において、基端ストッパ123(図2)と同じ位置に設けられている。基端ストッパ114は、拡張体20の支持部材22を当接させることで、収縮状態の拡張体20が、基端側へさらに移動することを規制する。すなわち、基端ストッパ114は、第1実施形態の基端ストッパ123(図2)と同じ機能を有する。
【0046】
内側チューブ12Bは、基端ストッパ123(図2)に代えて、先端ストッパ124を有している。先端ストッパ124は、内側チューブ12Bの外周面12aから、内側チューブ12Bの肉厚の一部分が、外側チューブ11Bの内周面11bに向かって隆起した凸形状を有する部分である。先端ストッパ124は、異物除去デバイス1Bの軸線方向において、縮径部113(図2)と同じ位置、換言すれば、外側チューブ11Bの先端部に設けられている。先端ストッパ124は、拡張体20の支持部材22を当接させることで、拡張状態の拡張体20が、先端側へさらに移動することを規制する。すなわち、先端ストッパ124は、第1実施形態の縮径部113(図2)と同じ機能を有する。
【0047】
このように、チューブ10Bの構成は種々の変更が可能であり、拡張体20の支持部材22を当接させることで、拡張体20のスライド移動を規制する部分は、外側チューブ11Bと、内側チューブ12Bとのうち、どちらに設けられていてもよい。拡張体20のスライド移動を規制する部分は、第1実施形態の縮径部113(図2)のように、外側チューブ11(あるいは内側チューブ12)の外径及び内径を縮径させて構成してもよく、本実施形態のように、外側チューブ11B(あるいは内側チューブ12B)に肉盛りすることで構成してもよい。以上のような第3実施形態の異物除去デバイス1Bによっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0048】
<第4実施形態>
図9は、第4実施形態の異物除去デバイス1Cの構成を例示した説明図である。図9は、拡張体20Cが拡張状態にあるときの異物除去デバイス1Cの先端側を拡大した縦断面図である。異物除去デバイス1Cは、第1実施形態の構成において、拡張体20に代えて拡張体20Cを備えている。拡張体20Cは、拡張状態における拡張体20Cの形状が、第1実施形態で説明した拡張体20とは相違する。具体的には、図9に示すように、拡張状態において拡張体20Cは、拡張部21Cの全体が、基端側から先端側に向かって徐々に拡径したテーパ形状である。
【0049】
このように、拡張体20Cの構成は種々の変更が可能であり、拡張状態における拡張体20Cの形状は、任意に決定してよい。例えば、拡張体20Cにおいて、拡張部21Cは、図9に示すような中空の円錐台形状のほか、円錐台形状と他の形状とを組み合わせた形状でもよく、決まった形状が無い不定形状(網状)でもよい。以上のような第4実施形態の異物除去デバイス1Cによっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0050】
<第5実施形態>
図10は、第5実施形態の異物除去デバイス1Dの構成を例示した説明図である。図10は、拡張体20Dが拡張状態にあるときの異物除去デバイス1Dの先端側を拡大した縦断面図である。異物除去デバイス1Dは、第1実施形態の構成において、拡張体20に代えて拡張体20Dを備えている。
【0051】
拡張体20Dは、拡張状態における拡張体20Dの形状が、第1実施形態で説明した拡張体20とは相違する。具体的には、図10に示すように、拡張状態において拡張体20Dは、基端側から先端側に向かって、非拡張部23と、テーパ形状の部分21bと、先端側部分21aと、を有する形状となる。非拡張部23は、外側ルーメン11Lから外部に突出しても拡張せず、収縮状態と同じ外径Φ2を有する部分である。テーパ形状の部分21bは、基端側から先端側に向かって徐々に拡径した部分である。先端側部分21aは、外側チューブ11から遠い側に位置し、略一定の外径を有する円筒形状に拡張した部分である。
【0052】
拡張体20Dにはさらに、基端側の一部分に、膜24を有している。膜24は、拡張部21及び非拡張部23を構成する素線の外側面または内側面に形成された膜状の部材である。膜24は、例えば、樹脂材料から形成することができる。樹脂材料の例としては、ポリアミド、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂が挙げられる。拡張体20Dの膜24が設けられている部分においては、拡張体20Dの内外における流体の流通が完全に遮断される。このため、拡張体20Dでは、図6に示す使用状態において、血流BFを完全に遮断できるため、血流BFによって異物92,93が、病変部から血流BFの下流側へと流されることをより一層抑制できる。
【0053】
このように、拡張体20Dの構成は種々の変更が可能であり、拡張状態における拡張体20Dの形状は、任意に決定してよい。例えば、拡張体20Dにおいては、外側ルーメン11Lから外部に突出しても拡張しない非拡張部23を設けてもよい。また、拡張体20Dには、膜24のように、流体の流通を遮断する構成を設けてもよい。膜24は、拡張部21及び非拡張部23を構成する素線の隙間を埋めるように、素線と素線の間に形成されていてもよい。また、膜24の形状、及び、膜24が設けられる範囲は任意に変更できる。例えば、膜24は、拡張体20Dの全体に設けられていてもよい。以上のような第5実施形態の異物除去デバイス1Dによっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0054】
<第6実施形態>
図11は、第6実施形態の異物除去デバイス1Eの構成を例示した説明図である。図11は、拡張体20Eが収縮状態にあるときの異物除去デバイス1Eの先端側を拡大した縦断面図である。異物除去デバイス1Eは、第1実施形態の構成において、拡張体20に代えて拡張体20Eを備えている。拡張体20Eは、支持部材22に代えて支持部材22Eを備えている。支持部材22Eは、拡張部21の基端212よりも先端側の任意の位置に固定されている点において、支持部材22と相違する。この結果、支持部材22Eよりも基端側には、拡張部21の一部分が延伸している。
【0055】
このように、拡張体20Eの構成は種々の変更が可能であり、支持部材22Eは、拡張部21の基端とは異なる任意の場所に設けられてよい。以上のような第6実施形態の異物除去デバイス1Eによっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0056】
<第7実施形態>
図12は、第7実施形態の異物除去デバイス1Fの構成を例示した説明図である。図12(A)は、拡張体20が収縮状態にあるときの異物除去デバイス1Fの先端側を拡大した縦断面図である。図12(B)は、拡張体20が拡張状態にあるときの異物除去デバイス1Fの先端側を拡大した縦断面図である。異物除去デバイス1Fは、第1実施形態の構成において、チューブ10に代えてチューブ10Fを備えている。チューブ10Fは、内側チューブ12に代えて内側チューブ12Fを備えている。
【0057】
図12(A)に示すように、内側チューブ12Fは、内側チューブ12Fの先端部125(先端側の一部分125)が、外側チューブ11の先端111よりも先端側に位置している。換言すれば、内側チューブ12Fの先端部125は、外側チューブ11から突出している。先端部125の突出長さ(すなわち、外側チューブ11の先端111よりも先端側に位置している内側チューブ12Fの長さ)は、任意に決定してよい。図12(B)に示すように、拡張体20が拡張状態になった際、内側チューブ12Fの先端部125は、拡張体20の拡張部21の内側に収容された状態となる。
【0058】
このように、チューブ10Fの構成は種々の変更が可能であり、内側チューブ12Fの先端部125が外側チューブ11から突出した構成としてもよい。以上のような第7実施形態の異物除去デバイス1Fによっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、異物除去デバイス1Fによれば、内側チューブ12Fの先端部125が外側チューブ11から突出していて、その周囲には外側チューブ11が配置されていないため、第1実施形態の構成と比較して、チューブ10Fの先端側を柔軟にできる。この結果、異物除去デバイス1Fの安全性を向上できる。
【0059】
<第8実施形態>
図13は、第8実施形態の異物除去デバイス1Gの構成を例示した説明図である。図13(A)は、拡張体20が収縮状態にあるときの異物除去デバイス1Gの先端側を拡大した縦断面図である。図13(B)は、拡張体20が拡張状態にあるときの異物除去デバイス1Gの先端側を拡大した縦断面図である。異物除去デバイス1Gは、第1実施形態の構成において、チューブ10に代えてチューブ10Gを備えている。チューブ10Gは、内側チューブ12に代えて内側チューブ12Gを備えている。
【0060】
図13(A)に示すように、内側チューブ12Gは、内側チューブ12Gの先端部125が、外側チューブ11の先端111よりも先端側に位置している。換言すれば、内側チューブ12Gの先端部125は、外側チューブ11から突出している。また、内側チューブ12Gの外周面12aのうち、外側チューブ11の先端111よりも先端側には、内側チューブ12Gの外周面12aが外側に向かって隆起した隆起部126が設けられている。換言すれば、内側チューブ12Gの先端部125に相当する部分は、外周面12aに隆起部126が設けられている。隆起部126は、中央部が最も隆起し、端部側(先端側及び基端側)に行くにつれて外径が徐々に縮小した形状を有している。
【0061】
図13(B)に示すように、隆起部126は、拡張体20が収縮状態から拡張状態へと遷移するのを補助する。具体的には、拡張体20が第1位置から第2位置へとスライド移動するとき、拡張体20が、隆起部126のうちの、外径が徐々に拡大した基端側の面に沿うことによって、自然に拡張される。また、隆起部126は、異物除去デバイス1Gを用いて血栓等の異物92,93を除去するとき(図6)、塊状の異物92から剥がれて、拡張体20の内部へと捕捉された異物93が、内側チューブ12Gの先端部125と、拡張体20の拡張部21の内部と、の間に入り込むことを抑制できる。また、拡張状態の拡張体20がチューブ10Gと同軸に配置され易くなる。
【0062】
このように、チューブ10Gの構成は種々の変更が可能であり、内側チューブ12Gの先端部125が外側チューブ11から突出した構成とし、かつ、内側チューブ12Gの先端部125に相当する部分には隆起部126が設けられていてもよい。以上のような第8実施形態の異物除去デバイス1Gによっても、上述した第1実施形態と同様の効果を奏することができる。また、異物除去デバイス1Gによれば、内側チューブ12Gの先端部125は、外側チューブ11の先端111よりも先端側に位置しており、内側チューブ12Gの外周面12aのうち、外側チューブ11の先端111よりも先端側には隆起部126が設けられている。この隆起部126があることによって、拡張体20が第1位置から第2位置へとスライド移動した際に、スムーズに拡張体20を拡張状態へと導くことができる。また、隆起部126によって、内側チューブ12Gの先端部125(外側チューブ11から突出した部分)と、拡張状態の拡張体20の内部との間に、捕捉された血栓等の異物が入り込むことを抑制できる。
【0063】
<第9実施形態>
図14は、第9実施形態の異物除去デバイス1Hの構成を例示した説明図である。図14は、拡張体20が収縮状態にあるときの異物除去デバイス1Hの先端側を拡大した縦断面図である。異物除去デバイス1Hは、第1実施形態の構成において、チューブ10に代えてチューブ10Hを備えている。チューブ10Hは、内側チューブ12に代えて内側チューブ12Hを備えている。
【0064】
図14に示すように、内側チューブ12Hは、内側チューブ12Hの先端部125が、外側チューブ11の先端111よりも先端側に位置している。換言すれば、内側チューブ12Hの先端部125は、外側チューブ11から突出している。また、内側チューブ12Hの外周面12aのうち、外側チューブ11の先端111よりも先端側には、内側チューブ12Hの外周面12aが外側に向かって隆起した隆起部126Hが設けられている。換言すれば、内側チューブ12Hの先端部125に相当する部分は、外周面12aに隆起部126Hが設けられている。隆起部126Hは、基端側は、先端側から基端側に向かって外径が縮小したテーパ形状であり、先端側は、略一定の外径を有する円筒形状である。このように、本実施形態の隆起部126Hは、拡張体20の拡張部21と同様の形状(基端側がテーパ形状で、先端側が円筒形状)である。
【0065】
このように、チューブ10Hの構成は種々の変更が可能であり、隆起部126Hは、種々の形状としてよい。以上のような第9実施形態の異物除去デバイス1Hによっても、上述した第1実施形態、及び、第8実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0066】
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0067】
[変形例1]
上記第1~9実施形態では、異物除去デバイス1,1A~1Hの構成の一例を示した。しかし、異物除去デバイス1の構成は種々の変更が可能である。例えば、外側チューブ11,11Bの補強体119は省略してもよく、内側チューブ12,12A,12B,12F~12Hの補強体129は省略してもよい。例えば、補強体119や補強体129は、網組体ではなく、素線を螺旋状に巻回したコイル体であってもよい。例えば、外側チューブ11と内側チューブ12とは、上述した外側ルーメン11L及び内側ルーメン12Lを有するように一体成型された二重管であってもよい。例えば、外側チューブ11の外周面や、内側チューブ12の内周面には、親水性樹脂や、疎水性樹脂からなるコーティングが施されていてもよい。
【0068】
[変形例2]
上記第1~9実施形態では、拡張体20,20C~20Eの構成の一例を示した。しかし、拡張体20の構成は種々の変更が可能である。例えば、拡張体20は、自己拡張式でなくてもよい。この場合、拡張体20は、弾性変形しないメッシュ体であって、傘のように折りたたまれた状態で外側ルーメン11L内に収容されていてもよい。例えば、支持部材22には、外側ルーメン11L内における摺動抵抗を低減可能なコーティングが施されていてもよい。
【0069】
例えば、拡張体20が第2位置に移動した状態において、拡張体20の基端は、外側チューブ11の先端111よりも先端側に位置してもよい。この場合、拡張体20が異物除去デバイス1から脱落することを抑制するために、拡張体20の基端は、外側チューブ11(または内側チューブ12)の先端と、固定部材によって固定されていることが望ましい。固定部材は、素線あってもよいし、膜体であってもよい。
【0070】
図15は、変形例の異物除去デバイス1Iの構成を例示した説明図である。図15(A)は、拡張体20が収縮した収縮状態を示す。図15(B)は、拡張体20が収縮状態から拡張状態へと移行する様子を示す。上記第1実施形態では、拡張体20は、自己拡張式のメッシュ体である拡張部21と、拡張部21に固定された支持部材22とを備えるとした。しかし、図15に示すように、拡張体20と支持部材22とは固定されていなくてもよい。図15(A)の例では、収縮状態において、拡張体20と支持部材22とは離間している。異物除去デバイス1Iでは、内側チューブ12の外周面12aと、外側チューブ11の内周面11bとの間には、基端側から先端側に向かって、支持部材22と、シール部25によって把持された拡張体20と、が設けられている。支持部材22は、拡張体20よりも基端側に配置されている。シール部25は、チューブ10の先端部に設けられており、拡張体20の基端側の一部分を、拡張体20とシール部25とが共に軸線方向にスライド移動可能な状態で把持している。この構成では、図15(B)に示すように、外側ルーメン11Lに作動流体WFが供給されたとき、支持部材22に圧力(陽圧)が加えられ、先端側に移動した支持部材22が、拡張体20の基端を押すことによって、拡張体20とシール部25とは、異物除去デバイス1の軸線方向に沿って先端側へとスライド移動する。また、外側ルーメン11L内の作動流体が吸引されたとき、シール部25に陰圧が加えられることによって、拡張体20とシール部25とは、異物除去デバイス1の軸線方向に沿って基端側へとスライド移動する。このように、拡張体20と支持部材22とは固定されていなくてもよい。
【0071】
図16は、変形例の異物除去デバイス1Jの構成を例示した説明図である。図16(A)は、拡張体20が収縮状態から拡張状態へと移行する様子を示す。図16(B)は、拡張状態の拡張体20を示す。上記第1~第9実施形態では、異物除去デバイスは、基端ストッパと、先端ストッパ(または縮径部)とを有していた。図16に示すように、異物除去デバイスは、基端ストッパと、先端ストッパ(または縮径部)とを有していなくとも良い。外側ルーメン11Lへの流体(例えば、液体)の供給量を調節することにより、拡張体20を所定の位置に配置することができる。支持部材22は、内側チューブ12Jの外周面と、外側チューブ11Jの内周面との間に配置された状態において、支持部材22の内径が、内側チューブ12Jの外径に等しく、支持部材22の外径が、外側チューブ11Jの内径に等しいことが好ましい。これにより前記のような流体の供給量の調節により、拡張体20を、所定の位置に、より精度良く配置することができる。
【0072】
本発明の異物除去デバイスの実施形態(例えば、前記第1~9の実施形態)に、以下の(1)~(4)に記載された構成を採用することができる。
(1)基端ストッパと、先端ストッパ(または縮径部)とを有さない構成。
(2)基端ストッパを有し、先端ストッパ(または縮径部)を有さない構成。
(3)基端ストッパを有さず、先端ストッパ(または縮径部)を有する構成。
(4)基端ストッパと、先端ストッパ(または縮径部)とを有する構成。
【0073】
基端ストッパとしては、内側チューブの外周面から外周側に突出する突起部、または外側チューブの内周面から内周側に突出する突起部を用いることができる。先端ストッパとしては、内側チューブの外周面から外周側に突出する突起部、または外側チューブの内周面から内周側に突出する突起部を用いることができる。先端ストッパに代えて、外側チューブに形成した縮径部(例えば、図2に示す縮径部113)または内側チューブに形成した拡径部を用いることができる。
【0074】
第1~9の実施形態の異物除去デバイスでは、図4に示すように、外側チューブ11と内側チューブ12とが、コネクタ30を介して、間接的に固定されている。しかし、外側チューブと内側チューブとは、直接的に固定されていてもよいし、間接的に固定されていてもよい。間接的に固定する際には、前記のコネクタ30や、内側チューブの外周面と外側チューブの内周面とを接続するスペーサ等を用いることができる。
【0075】
例えば、第1~9の実施形態の異物除去デバイスにおいて、内側チューブの内腔に通じる流体の排出口(例、図4の第1開口311)と、内側チューブと外側チューブとの間で、かつ拡張体よりも基端側の隙間に通じる流体の供給排出口(例、図4の第2開口312)とを備えていてもよい。
【0076】
[変形例3]
第1~9実施形態の異物除去デバイス1,1A~1Hの構成、及び、上記変形例1,2の異物除去デバイス1,1A~1Hの構成は、適宜組み合わせてもよい。例えば、第2,3実施形態で説明した拡張体20のスライド移動を規制する部分の構成と、第4,5,6実施形態で説明した拡張体20C,20D,20Eの構成と、第7,8,9実施形態で説明したチューブ10F,10G,10Hの構成とは、適宜組み合わせてもよい。
【0077】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【符号の説明】
【0078】
1,1A~1J…異物除去デバイス
10,10A,10B,10F~10H…チューブ
11,11B,11J…外側チューブ
11L…外側ルーメン
11b…内周面
12,12A,12B,12F~12H,12J…内側チューブ
12L…内側ルーメン
12a…外周面
20,20C~20E…拡張体
21,21C…拡張部
22,22E…支持部材
23…非拡張部
24…膜
25…シール部
30…コネクタ
31…第1延伸部
31L…吸引用ルーメン
32…第2延伸部
32L…ルーメン
33…係止部
34…段差部
113…縮径部
114…基端ストッパ
119…補強体
123,123A…基端ストッパ
124…先端ストッパ
125…先端部
126,126H…隆起部
129…補強体
201…先端開口
311…第1開口
312…第1嵌合部
321…第2開口
322…第2嵌合部
図1
図2
図3
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