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  • 特開-カメラ装置 図1
  • 特開-カメラ装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031549
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】カメラ装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 17/02 20210101AFI20240229BHJP
【FI】
G03B17/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135188
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】ニデックプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109896
【弁理士】
【氏名又は名称】森 友宏
(72)【発明者】
【氏名】関澤 宏治
【テーマコード(参考)】
2H100
【Fターム(参考)】
2H100AA41
2H100CC01
2H100FF00
(57)【要約】
【課題】安価な構成で撮影の構図の確認を容易にすることができるカメラ装置を提供する。
【解決手段】カメラ装置1は、写真フィルムを内部に収容するフロントケース2及びリアケース3と、カメラ51とカメラ51で撮影された画像を表示可能なディスプレイ52とを有する携帯端末50を保持可能な端末ホルダ30とを備える。リアケース3は、撮影する被写体を確認するためのファインダ部20を含む。端末ホルダ30は、携帯端末50のカメラ51がリアケース3のファインダ部20に位置合わせされた状態で携帯端末50を保持するように構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
写真フィルムを内部に収容するハウジングであって、撮影する被写体を確認するためのファインダ部を含むハウジングと、
カメラと該カメラで撮影された画像を表示可能なディスプレイとを有する携帯端末を保持可能な端末ホルダと
を備え、
前記端末ホルダは、前記携帯端末の前記カメラが前記ハウジングの前記ファインダ部に位置合わせされた状態で前記携帯端末を保持するように構成される、
カメラ装置。
【請求項2】
前記端末ホルダは、前記携帯端末の三方を取り囲むように延びるガイド部を有する、請求項1に記載のカメラ装置。
【請求項3】
前記端末ホルダは、前記ガイド部の後端から内側に張り出す保持片をさらに有する、請求項2に記載のカメラ装置。
【請求項4】
前記携帯端末に取り付けることで前記端末ホルダ内での前記携帯端末の前記カメラの位置を調整するアダプタをさらに備えた、請求項1から3のいずれか一項に記載のカメラ装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記写真フィルムの交換の際に取り外し可能なカバー部材をさらに含み、
前記端末ホルダの少なくとも一部は前記カバー部材に形成される、
請求項1から3のいずれか一項に記載のカメラ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ装置に係り、特に写真フィルムを内部に収容するカメラ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、撮影後に自動的に現像可能な写真フィルムを使用して、現像後の写真フィルムを外部に排出するカメラ(インスタントカメラ)が知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなカメラにおいては、撮影者がファインダ越しに被写体を見て構図を決定し、レリーズボタンを押すことで撮影が行われる。しかしながら、このようなカメラでは、撮影の構図の確認のために撮影者は毎回小さなファインダをのぞき込まないといけないため、撮影の構図の確認及びこれに続く撮影がしづらい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-56009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、安価な構成で撮影の構図の確認を容易にすることができるカメラ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、安価な構成で撮影の構図の確認を容易にすることができるカメラ装置が提供される。このカメラ装置は、写真フィルムを内部に収容するハウジングと、カメラと該カメラで撮影された画像を表示可能なディスプレイとを有する携帯端末を保持可能な端末ホルダとを備える。上記ハウジングは、撮影する被写体を確認するためのファインダ部を含む。上記端末ホルダは、上記携帯端末の上記カメラが上記ハウジングの上記ファインダ部に位置合わせされた状態で上記携帯端末を保持するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、本発明の一実施形態におけるカメラ装置を示す前方斜視図である。
図2図2は、図1のカメラ装置を携帯端末とともに示す後方斜視図である。
図3図3は、図1のカメラ装置におけるカバー部材をリアケースから取り外した状態を示す後方斜視図である。
図4図4は、図1のカメラ装置における端末ホルダに携帯端末が保持されている状態を模式的に示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明に係るカメラ装置の実施形態について図1から図4を参照して詳細に説明する。図1から図4において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。また、図1から図4においては、各構成要素の縮尺や寸法が誇張されて示されている場合や一部の構成要素が省略されている場合がある。以下の説明では、特に言及がない場合には、「第1」や「第2」などの用語は、構成要素を互いに区別するために使用されているだけであり、特定の順位や順番を表すものではない。
【0008】
図1は、本発明の一実施形態におけるカメラ装置1を示す前方斜視図である。本実施形態におけるカメラ装置1は、撮影後に自動的に現像が行われる写真フィルムを用いるカメラ(インスタントカメラ)であるが、本発明はこのようなインスタントカメラ以外にも適用できることは言うまでもない。図1に示すように、カメラ装置1は、フロントケース2と、フロントケース2の後方に装着されるリアケース3と、フロントケース2とリアケース3とに挟まれるトップカバー4と、フロントケース2の筒状部2Aの内側に収容されるレンズ鏡筒10とを備えている。フロントケース2にはファインダ窓5が形成されており、このファインダ窓5に隣接してフラッシュ部6が配置されている。また、ファインダ窓5の-Y方向側にはレリーズボタン7が配置されている。トップカバー4には、X方向に延びる排出スリット4Aが形成されており、この排出スリット4Aから撮影後に現像された写真フィルムが排出されるようになっている。なお、本実施形態では、便宜的に、図1における+Z方向を「前」又は「前方」といい、-Z方向を「後」又は「後方」ということとする。
【0009】
図2は、カメラ装置1を携帯端末50とともに示す後方斜視図である。本実施形態におけるカメラ装置1は単独でも用いることができるが、以下に述べるように携帯端末50と組み合わせて用いることもできる。図2に示すように、リアケース3の後面には、略矩形板状のカバー部材40が嵌め込まれており、このカバー部材40は、図3に示すようにリアケース3から取り外すことができるようになっている。フロントケース2、リアケース3、トップカバー4、及びカバー部材40は、カメラ装置1を構成する種々の構成要素を収容するハウジングを構成している。また、このハウジングの内部には、現像液を内包した写真フィルム(図示せず)も収容されている。撮影後にこの写真フィルムを両面から押圧することで、内包されていた現像液が写真フィルム内で展開し、写真フィルムの現像処理が自動的に行われる。図3に示すように、カバー部材40をリアケース3から取り外すことで、リアケース3に形成された開口Pを通じてハウジング内に収容されている写真フィルムを交換することができるようになっている。
【0010】
図2に示すように、リアケース3には、ファインダ窓5を通じて前方の被写体の像が結像するファインダ部20が設けられている。撮影者は、このファインダ部20をのぞき込むことによって撮影する被写体及び構図を確認することができる。ファインダ部20をのぞき込んで被写体及び構図を確認することに加え、本実施形態では、携帯端末50を用いて被写体及び構図の確認が可能となっている。
【0011】
携帯端末50は、例えばスマートフォンやタブレットのような電子端末であり、一方の面にカメラ51が埋設され、他方の面にはディスプレイ52が設けられている。ディスプレイ52は、例えばタッチパネルディスプレイとして構成されており、各種のソフトウェアからの出力を表示する出力部として機能するほか、ユーザからの入力を受け付ける入力部としても機能する。携帯端末50の機能の1つとしてカメラ51を用いた撮像機能が含まれており、この撮像機能によって、携帯端末50のカメラ51で撮影する画像をディスプレイ52に表示できるようになっている。
【0012】
本実施形態におけるカメラ装置1は、このような携帯端末50を保持可能な端末ホルダ30を有している。この端末ホルダ30は、携帯端末50の-X方向側の側面54に沿って延びるガイド部31と、携帯端末50の-Y方向側の側面55に沿って延びるガイド部32,33と、携帯端末50の+X方向側の側面56に沿って延びるガイド部34とを有している。また、ガイド部31の後端からは+X方向に保持片35が張り出しており、ガイド部32,33の後端からは+Y方向にそれぞれ保持片36,37が張り出しており、ガイド部34の後端からは-X方向に保持片38が張り出している。本実施形態では、ガイド部31,32はリアケース3に形成されており、ガイド部33,34はカバー部材40に形成されている。
【0013】
これらのガイド部31~34によって囲まれる空間Sは、上述した携帯端末50が保持される空間となっている。より具体的には、X方向に対向するガイド部31とガイド部34との間の距離は携帯端末50のX方向に沿った長さと略等しくなっており、ガイド部31~34のZ方向に沿った高さは携帯端末50のZ方向に沿った厚さと略等しくなっている。このため、ガイド部31~34によって囲まれる空間Sの+Y方向側から空間Sに携帯端末50を挿入すると、携帯端末50の三方(-X方向側、-Y方向側、+X方向側)がガイド部31~34によって取り囲まれて携帯端末50がX方向及びY方向でしっかりと保持される。さらに、携帯端末50の-Z方向側には保持片35~38が位置しているため、保持片35~38によって携帯端末50がZ方向にも保持される。図4は、このときの状態を模式的に示す横断面図である。このような保持片35~38によって携帯端末50が端末ホルダ30から脱落することが抑制される。
【0014】
このような端末ホルダ30に携帯端末50を装填したときには、携帯端末50のカメラ51がリアケース3のファインダ部20の-Z方向側に位置するようになっている。すなわち、携帯端末50のカメラ51がリアケース3のファインダ部20に位置合わせされた状態となる。したがって、例えば、携帯端末50を操作し、その撮像機能を使ってカメラ51により撮影される画像がディスプレイ52に表示されるように設定しておけば、ファインダ部20を通して見える画像が携帯端末50のディスプレイ52に大きく表示される。このため、撮影者は、撮影のたびにファインダ部20をのぞき込んで撮影の構図を確認しなくても、大きなディスプレイ52に表示される画像を見ながら簡単に撮影の構図を確認することが可能となる。このように、本実施形態によれば、カメラ装置1に特別な電子機器を組み込むことなく、安価な構成でいわゆるライブビューを実現することが可能となる。
【0015】
また、上記携帯端末50と異なる大きさの携帯端末やカメラ51の位置が異なる携帯端末を用いる場合には、上述した端末ホルダ30に携帯端末を保持できなかったり、端末ホルダ30に携帯端末を保持できたとしてもカメラ51の位置がリアケース3のファインダ部20の位置と合致しなくなったりすることが考えられる。このため、保持しようとする携帯端末と端末ホルダ30のガイド部31~34との間に位置して携帯端末と端末ホルダ30との間の隙間を埋め、リアケース3のファインダ部20に対する携帯端末のカメラの位置を調整するためのアダプタ(図示せず)を携帯端末に取り付けてもよい。
【0016】
また、上記のようなアダプタに代えて、あるいは上記のようなアダプタに加えて、ガイド部33,34及び保持片37,38の寸法を変化させた複数種類のカバー部材40を用意しておき、保持する携帯端末の寸法に対応するカバー部材40をリアケース3に取り付けてもよい。
【0017】
以上述べたように、本発明の一態様によれば、安価な構成で撮影の構図の確認を容易にすることができるカメラ装置が提供される。具体的には、本発明に係るカメラ装置は、以下のような構成を採用することができる。
【0018】
(構成1)
カメラ装置は、写真フィルムを内部に収容するハウジングと、カメラと該カメラで撮影された画像を表示可能なディスプレイとを有する携帯端末を保持可能な端末ホルダとを備える。上記ハウジングは、撮影する被写体を確認するためのファインダ部を含む。上記端末ホルダは、上記携帯端末の上記カメラが上記ハウジングの上記ファインダ部に位置合わせされた状態で上記携帯端末を保持するように構成される。
【0019】
このような構成によれば、カメラにより撮影される画像をディスプレイに表示するように設定した携帯端末を端末ホルダに保持することで、ファインダ部を通して見える画像を携帯端末のディスプレイに表示させることができる。このため、撮影者は、撮影のたびにファインダ部をのぞき込んで撮影の構図を確認しなくても、携帯端末の大きなディスプレイに表示される画像を見ながら簡単に撮影の構図を確認することが可能となる。このように、本発明によれば、カメラ装置に特別な電子機器を組み込むことなく、安価な構成でいわゆるライブビューを実現することが可能となる。
【0020】
(構成2)
上記構成1において、上記端末ホルダは、上記携帯端末の三方を取り囲むように延びるガイド部を有することが好ましい。このようなガイド部によって携帯端末をしっかりと保持することができる。
【0021】
(構成3)
上記構成2において、上記端末ホルダは、上記ガイド部の後端から内側に張り出す保持片をさらに有することが好ましい。このような保持片によって携帯端末が端末ホルダから脱落することが抑制される。
【0022】
(構成4)
上記構成1から3のいずれかにおいて、上記カメラ装置は、上記携帯端末に取り付けることで上記端末ホルダ内での上記携帯端末の上記カメラの位置を調整するアダプタをさらに備えていてもよい。このようなアダプタによって、異なる大きさの携帯端末やカメラの位置が異なる携帯端末を端末ホルダに保持することが可能となる。
【0023】
(構成5)
上記構成1から4のいずれかにおいて、上記ハウジングは、上記写真フィルムの交換の際に取り外し可能なカバー部材をさらに含んでいてもよい。この場合において、上記端末ホルダの少なくとも一部は上記カバー部材に形成されてもよい。端末ホルダを構成する部分の寸法を変化させた複数種類のカバー部材を用意しておき、保持する携帯端末の寸法に対応するカバー部材をハウジングに取り付けることで、異なる大きさの携帯端末やカメラの位置が異なる携帯端末を端末ホルダに保持することが可能となる。
【0024】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0025】
1 カメラ装置
2 フロントケース
3 リアケース
4 トップカバー
5 ファインダ窓
6 フラッシュ部
7 レリーズボタン
10 レンズ鏡筒
20 ファインダ部
30 端末ホルダ
31~34 ガイド部
35~38 保持片
40 カバー部材
50 携帯端末
51 カメラ
52 ディスプレイ
図1
図2
図3
図4