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特開2024-31596情報提供装置、情報提供プログラム、機器登録システムおよび機器登録方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031596
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供プログラム、機器登録システムおよび機器登録方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/045 20220101AFI20240229BHJP
【FI】
H04L41/045
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135248
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】占部 宏生
(72)【発明者】
【氏名】吉田 勇作
(57)【要約】
【課題】デバイスの通信設定を容易に実行すること。
【解決手段】プロビジョニングサーバ10は、デバイスからデータを送信する先の所在を示す送信先情報が対応付けられる前記デバイスの識別情報を取得し、当該デバイスから送信先情報の問合せを受け付け、問合せの要求元であるデバイスの識別情報と対応付けられる送信先情報を問合せの要求元であるデバイスに通知する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイスからデータを送信する先の所在を示す送信先情報が対応付けられる前記デバイスの識別情報を取得する取得部と、
前記デバイスから前記送信先情報の問合せを受け付ける受付部と、
前記問合せの要求元である前記デバイスの識別情報と対応付けられた前記送信先情報を、前記問合せの要求元である前記デバイスに通知する通知部と、
を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記受付部は、
電源が投入されて初回起動を行った前記デバイスから前記送信先情報の問合せを受け付け、
前記通知部は、
初回起動時の前記デバイスに、前記送信先情報を通知する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記取得部は、
情報管理装置から送信される、前記問合せの要求元であるデバイスに関する前記識別情報および前記識別情報に対応付けられた前記送信先情報を取得する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記取得部は、
情報管理装置に問合せ、前記問合せの要求元であるデバイスに関する前記識別情報および前記識別情報に対応付けられた前記送信先情報を取得する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記受付部は、
前記問合せの要求元である前記デバイスの出荷段階に、前記問合せの要求先として自装置が設定された前記デバイスから前記問合せを受け付ける、
請求項1から4のいずれか1項に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記通知部は、
前記問合せの要求元である前記デバイスの識別情報が、前記情報管理装置から取得した前記識別情報に登録されているか否かを判定し、
登録されている場合は、前記送信先情報を前記デバイスに通知し、登録されていない場合には、未登録である旨を前記デバイスへ出力する、
請求項3に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記取得部により取得された前記識別情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶される前記識別情報のうち、前記送信先情報が通知された前記デバイスの前記識別情報、または、前記取得部によって取得されてから所定の時間が経過した前記識別情報を削除する削除部と、
をさらに備える請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記デバイスは、
プラントから取得したプラント情報を通知された前記送信先情報が示す宛先に送信するプラント機器である、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項9】
コンピュータに、
デバイスからデータを送信する先の所在を示す送信先情報が対応付けられる前記デバイスの識別情報を取得し、
前記デバイスから前記送信先情報の問合せを受け付け、
前記問合せの要求元である前記デバイスの識別情報と対応付けられた前記送信先情報を、前記問合せの要求元である前記デバイスに通知する、
処理を実行させる情報提供プログラム。
【請求項10】
デバイスから受信したデータに指定の処理を実行する情報管理装置と、情報提供装置とを含む機器登録システムにおいて、
前記情報管理装置は、
前記データの送信先を示す送信先情報とともに、前記送信先情報に対応付けられる前記デバイスの識別情報を前記情報提供装置に送信する送信部と、
前記情報提供装置は、
前記情報管理装置から前記送信先情報とともに前記識別情報を取得する取得部と、
前記デバイスから前記送信先情報の問合せを受け付ける受付部と、
前記問合せの要求元であるデバイスの識別情報と対応付けられる前記送信先情報を、前記問合せの要求元であるデバイスに通知する通知部と、
を備える機器登録システム。
【請求項11】
前記情報管理装置は、
前記デバイスに、前記デバイスが記憶する前記送信先情報を削除させることによって、前記デバイスを初期化する指示を通知する、
請求項10に記載の機器登録システム。
【請求項12】
デバイスから受信したデータに指定の処理を実行する情報管理装置と、情報提供装置とを含む機器登録システムが実行する機器登録方法において、
前記情報管理装置が、
前記データの送信先を示す送信先情報とともに、前記送信先情報に対応付けられる前記デバイスの識別情報を前記情報提供装置に送信する、処理と、
前記情報提供装置が、
前記情報管理装置から前記識別情報を取得し、
前記デバイスから前記送信先情報の問合せを受け付け、
前記問合せの要求元であるデバイスの識別情報と対応付けられる前記送信先情報を、前記問合せの要求元であるデバイスに通知する、処理と、
を実行する機器登録方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供プログラム、機器登録システムおよび機器登録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラント等に設置されるゲートウェイ機器、センサ機器、制御機器等の各種デバイスからデータを収集するクラウド環境を用いた技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6421220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、クラウド環境を利用したデータ収集システムの構築において、機器(デバイス)の通信設定を容易に実行することが難しい。なぜならば、従来技術では、クラウド環境、ゲートウェイ機器、センサ機器等の通信接続の階層ごとに個別の設定が必要であり、エンジニアリング上の負担が大きいからである。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、デバイスの通信設定を容易に実行することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、デバイスからデータを送信する先の所在を示す送信先情報が対応付けられる前記デバイスの識別情報を取得する取得部と、前記デバイスから前記送信先情報の問合せを受け付ける受付部と、前記問合せの要求元である前記デバイスの識別情報と対応付けられる前記送信先情報を、前記問合せの要求元である前記デバイスに通知する通知部と、を備える情報提供装置を提供する。
【0007】
また、本発明は、コンピュータに、デバイスからデータを送信する先の所在を示す送信先情報が対応付けられる前記デバイスの識別情報を取得する、前記デバイスから前記送信先情報の問合せを受け付け、前記問合せの要求元である前記デバイスの識別情報と対応付けられる前記送信先情報を、前記問合せの要求元である前記デバイスに通知する、処理を実行させる情報提供プログラムを提供する。
【0008】
また、本発明は、デバイスから受信されたデータに指定の処理を実行する情報管理装置と、情報提供装置とを含む機器登録システムにおいて、前記情報管理装置は、収集対象とするデバイスの識別情報と、前記データの送信先を示す送信先情報とともに、前記送信先情報に対応付けられる前記デバイスの識別情報を前記情報提供装置に送信する送信部と、前記情報提供装置は、前記情報管理装置から前記識別情報を取得する取得部と、前記デバイスから前記送信先情報の問合せを受け付ける受付部と、前記問合せの要求元であるデバイスの識別情報と対応付けられる前記送信先情報を、前記問合せの要求元であるデバイスに通知する通知部と、を備える機器登録システムを提供する。
【0009】
また、本発明は、デバイスから受信されたデータに指定の処理を実行する情報管理装置と、情報提供装置とを含む機器登録システムが実行する機器登録方法において、前記情報管理装置が、収集対象とするデバイスの識別情報と、前記データの送信先を示す送信先情報とともに、前記送信先情報に対応付けられる前記デバイスの識別情報を前記情報提供装置に送信する、処理と、前記情報提供装置が、前記情報管理装置から前記識別情報を取得し、前記デバイスから前記送信先情報の問合せを受け付け、前記問合せの要求元であるデバイスの識別情報と対応付けられる前記送信先情報を、前記問合せの要求元であるデバイスに通知する、処理と、を実行する機器登録方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、デバイスの通信設定を容易に実行することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る機器登録システムの構成例を示す図である。
図2】参考技術の機器登録システムを説明する図である。
図3】実施形態に係る各装置の構成例を示すブロック図である。
図4】実施形態に係るプロビジョニングサーバの機器情報記憶部の一例を示す図である。
図5】実施形態に係るアプリケーションサーバの機器情報記憶部の一例を示す図である。
図6】実施形態に係るアプリケーションサーバのプラント情報記憶部の一例を示す図である。
図7】実施形態に係る機器登録処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図8】ハードウェア構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の一実施形態に係る情報提供装置、情報提供プログラム、機器登録システムおよび機器登録方法を、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0013】
〔実施形態〕
以下に、実施形態に係る機器登録システム100の構成、各装置の構成、処理の流れを順に説明し、最後に実施形態の効果を説明する。
【0014】
〔1.機器登録システム100の構成〕
図1を用いて、実施形態に係る機器登録システム100の構成を詳細に説明する。図1は、実施形態に係る機器登録システム100の構成例を示す図である。以下に、機器登録システム100全体の構成例、機器登録システム100の処理、参考技術の機器登録システム100Pの問題点を順に説明し、最後に機器登録システム100の効果について説明する。なお、実施形態では、プラントに設置されるデバイスであるプラント機器を使用する工場生産遠隔監視を一例にして説明するが、デバイスや利用分野を限定するものではなく、電力モニタ、風力発電、上下水モニタ、河川監視等の環境計測遠隔監視に適用することもできる。
【0015】
(1-1.機器登録システム100全体の構成例)
機器登録システム100は、情報提供装置であるプロビジョニングサーバ10、情報管理装置であるアプリケーションサーバ20、情報収集装置である受信サーバ30およびプラント機器40(ゲートウェイ機器40A、センサ機器40B、制御機器40C)を有する。ここで、プロビジョニングサーバ10、アプリケーションサーバ20および受信サーバ30は、クラウド環境に構築される。また、プラント機器40は、プラントに設置される。
【0016】
図1に示した機器登録システム100には、複数台のプロビジョニングサーバ10、複数台のアプリケーションサーバ20または複数台の受信サーバ30が含まれてもよい。また、アプリケーションサーバ20は、受信サーバ30と統合された構成であってもよい。
【0017】
(1-2.機器登録システム100全体の処理)
上記のような機器登録システム100全体の処理について説明する。なお、下記のステップS1~S7は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS1~S7のうち、省略される処理があってもよい。
【0018】
(1-2-1.機器情報設定処理)
機器登録システム100の管理者であるエンジニアEは、アプリケーションサーバ20に機器情報を設定する(ステップS1)。例えば、エンジニアEは、ゲートウェイ機器40A、センサ機器40B、制御機器40C等の設定を、ネットワークのロジカルな構成を行うネットワークマップ上で実行する。このとき、アプリケーションサーバ20には、機器情報として、ハードウェアの識別番号等のプラント機器40の識別情報、グローバルIP(Internet Protocol)アドレスやセルラー回線の電話番号等のプラント機器40の所在情報、プラント機器40が収集したプラント情報を使用するアプリケーションに関するアプリケーション情報等が登録される。さらに、アプリケーションサーバ20には、各デバイスが送信する送信先の受信サーバ30に関する送信先情報も登録される。
【0019】
(1-2-2.機器情報登録処理)
アプリケーションサーバ20は、機器情報および送信先情報をプロビジョニングサーバ10に送信する(ステップS2)。このとき、プロビジョニングサーバ10には、機器情報として、プラント機器40の識別情報、プラント機器40の所在情報等が登録される。
【0020】
(1-2-3.接続先問合せ処理)
プラント機器40は、プラント機器40の通信接続先(情報送信先)の問合せをプロビジョニングサーバ10に送信する(ステップS3)。このとき、プラント機器40は、通信接続先の問合せとともに、プラント機器40の識別情報をプロビジョニングサーバ10に送信する。また、プラント機器40は、工場出荷時にプラント機器40の記憶領域のパラメータに組み込まれたプロビジョニングサーバ10の所在情報をもとに接続し、プロビジョニングサーバ10に対して通信接続先である受信サーバ30の所在情報である送信先情報を要求する。例えば、プラント機器40は、電源をオンにすることによって、記憶領域に記憶するグローバルIPアドレスまたはURL(Uniform Resource Locator)をもとにプロビジョニングサーバ10に接続し、受信サーバ30の送信先情報を要求する。
【0021】
(1-2-4.接続先回答処理)
プロビジョニングサーバ10は、プラント機器40の通信接続先の回答をプラント機器40に送信する(ステップS4)。このとき、プロビジョニングサーバ10は、機器情報をホワイトリストとして用いてプラント機器40の接続を許可し、許可したプラント機器40に対して、グローバルIPアドレスやURL等の受信サーバ30の所在情報である送信先情報を送信する。すなわち、プロビジョニングサーバ10は、上記のステップS3においてプラント機器40から取得した識別情報が、機器情報に含まれているか否かを判定する。ここで、プロビジョニングサーバ10は、当該識別情報が機器情報に含まれている場合は接続を許可し、当該識別情報が機器情報に含まれていない場合は接続を許可しない。
【0022】
(1-2-5.機器情報削除処理)
プロビジョニングサーバ10は、プラント機器40の機器情報を削除する(ステップS5)。このとき、プロビジョニングサーバ10は、送信先情報を送信したプラント機器40の機器情報を削除する。また、プロビジョニングサーバ10は、上記のステップS2の機器情報の取得時から所定の期間が経過した機器情報を削除する。
【0023】
(1-2-6.プラント情報収集処理)
プラント機器40は、通信接続先(情報送信先)の受信サーバ30にプラント情報を送信する(ステップS6)。このとき、プラント機器40は、接続先をプロビジョニングサーバ10から受信サーバ30に変更して、プラントから取得した測定データや制御データ等のプラント情報を定期的に受信サーバ30に送信する。
【0024】
(1-2-7.プラント情報登録処理)
受信サーバ30は、受信したプラント情報をアプリケーションサーバ20に送信する(ステップS7)。そして、アプリケーションサーバ20に受信されたプラント情報は、アプリケーションサーバ20上のアプリケーションで運用される。
【0025】
(1-3.機器登録システム100P)
図2を用いて、参考技術としての機器登録処理の概要について説明した上で、参考技術の問題点について説明する。図2は、参考技術の機器登録システムを説明する図である。
【0026】
(1-3-1.参考技術の機器登録処理の概要)
図2に示すように、機器登録システム100Pは、アプリケーションサーバ20、受信サーバ30およびプラント機器40(ゲートウェイ機器40A、センサ機器40B、制御機器40C)を有する。ここで、アプリケーションサーバ20および受信サーバ30は、クラウド環境に構築される。また、プラント機器40は、プラントに設置される。以下では、機器登録システム100Pに係る機器登録処理1、機器登録処理2について説明する。
【0027】
(1-3-1-1.機器登録処理1)
機器登録処理1では、現場のエンジニアリングにより、クラウド環境の設定、通信機器であるゲートウェイ機器40Aの設定、ゲートウェイ機器40Aに接続されるセンサ機器40Bや制御機器40Cの設定等の、通信に関する設定が接続の階層ごとに必要となる。また、機器登録処理1では、階層ごとの設定について、それぞれの階層間のシステム上の整合性確認が必要である。すなわち、機器登録処理1では、ゲートウェイ機器40Aから上位側の通信を行う通信設定を行う。また、機器登録処理1では、上位側に対してゲートウェイ機器40Aが接続するデバイスの設定を実施する。このとき、機器登録処理1では、ゲートウェイ機器40Aやセンサ機器40B等への優先接続、またはローカル無線接続により設定を行う。
【0028】
(1-3-1-2.機器登録処理2)
機器登録処理2では、エンジニアリングによる設定を行わないようにする場合、工場にて出荷時に設定する手法も実施できる。このとき、機器登録処理2では、センサ機器40Bやゲートウェイ機器40Aに付与されているQRコード(登録商標)等を用いて、ゲートウェイ機器40Aやクラウド環境の設定の入力を簡略化することもできる。
【0029】
(1-3-2.参考技術の機器登録処理の問題点)
以下では、参考技術の機器登録処理の問題点について、現場でエンジニアリングを行う場合(機器登録処理1)の問題点1、出荷時に設定を完了させる場合(機器登録処理2)の問題点2について説明する。
【0030】
(1-3-2-1.問題点1)
機器登録システム100Pにおいて、現場でエンジニアリングを行う場合には、以下の問題点がある。第1に、通信接続の階層ごとに個別の設定が必要であり、現場作業の通信設定に関する知識が必要であり、現場のエンジニアリングの通信やクラウド環境に関する知識が必要であるので、エンジニアリングができる人員に制限が出てくる。第2に、階層ごとのデバイスの設定が必要であり、接続機器の数が増えると、クラウド環境、ゲートウェイ機器40A、センサ機器40B等、現場で莫大なエンジニアリング工数がかかる。第3に、階層ごとに設定した情報は、全体として整合性の確認が必要であり、確認作業においても多くの工数を必要とする。また、接続元と接続先との設定に、矛盾がないようにする必要がある。第4に、デバイスの数が増えると管理が複雑になり、誤入力も増え、手戻りの工数がかかる。第5に、個々の設定をするので、複数の同様の設定を行う場合でも個別に設定する手間がかかる。
【0031】
(1-3-2-2.問題点2)
機器登録システム100Pにおいて、現場でエンジニアリングを行わない場合か、出荷時に設定を完了させる場合には、以下の問題点がある。すなわち、現場のエンジニアリングで対応しない場合は、クラウド環境のURLやゲートウェイ機器40Aの設定作業が顧客の使い方が決定されないと出荷できない、納期がかかる、生産工程が複雑になる等の問題が発生する。
【0032】
(1-4.機器登録システム100の効果)
以下では、実施形態に係る機器登録システム100の概要について説明した上で、機器登録システム100の効果について説明する。
【0033】
(1-4-1.機器登録システム100の概要)
機器登録システム100において、プロビジョニングサーバ10は、プラント機器40の識別情報とプラント機器40がデータを送信する受信サーバ30の所在を示す送信先情報とが対応付けられる機器情報を取得し、プラント機器40から送信先情報の問合せを受け付け、機器情報に基づき問合せの要求元であるプラント機器40の識別情報と対応付けられる送信先情報を、問合せの要求元であるプラント機器40に通知する。
【0034】
また、プロビジョニングサーバ10は、センサ値等のプラント情報の収集対象とするプラント機器に関して機器情報を保持する複数のアプリケーションサーバ20それぞれから、機器情報を取得する。また、プロビジョニングサーバ10は、プラント機器40がプラントに設置される前の出荷段階で設定された、問合せの要求先を特定する所在情報に基づいた問合せを受け付ける。また、プロビジョニングサーバ10は、問合せの要求元であるプラント機器40の識別情報が機器情報に登録されているか否かを判定し、登録されている場合は送信先情報をプラント機器40に通知し、登録されていない場合には未登録である旨の警告を出力する。さらに、プロビジョニングサーバ10は、取得した機器情報を記憶し、記憶する機器情報のうち、送信先情報が通知されたプラント機器40の機器情報、または取得後に所定の時間が経過した機器情報を削除する。
【0035】
上記のように、機器登録システム100は、現場での機器設定に関するエンジニアリング作業を簡単にし、全体の整合性を一元的に管理することができる。また、機器登録システム100は、出荷されたデバイスを現場で設定することなく、電源を入れるのみで特定のクラウドへ接続することができる。
【0036】
(1-4-2.機器登録システム100の効果)
機器登録システム100において、以下の効果がある。第1に、クラウドのアプリケーションで設定されたものが、下位のシステムに反映されるので、設定情報が一元管理され、整合性が崩れることがない。第2に、現場での設定作業が不要なため、大幅なエンジニアリングの削減が可能である。第3に、ハードウェアに現場で設定情報を書き込む等のエンジニアリングの作業が発生しないので、エンジニアEに高度な通信設定等の知識を必要とせずに現場設置が可能になる。第4に、アプリケーション管理するので、設定のコピーが可能となり、エンジニアEの入力負荷を下げることができる。第5に、プロビジョニングサーバ10の設定データが利用後消されるので、機器情報はアプリケーションサーバ20のみで一元管理される。以上のように、機器登録システム100は、デバイスの通信設定を容易に実行することができる。
【0037】
〔2.機器登録システム100の各装置の構成〕
図3を用いて、図1に示した機器登録システム100が有する各装置の機能構成について説明する。図3は、実施形態に係る各装置の構成例を示すブロック図である。以下では、実施形態に係る機器登録システム100全体の構成例を説明した上で、実施形態に係るプロビジョニングサーバ10、アプリケーションサーバ20、受信サーバ30およびプラント機器40の構成例について詳細に説明する。
【0038】
(2-1.機器登録システム100全体の構成例)
図3に示すように、機器登録システム100は、プロビジョニングサーバ10、アプリケーションサーバ20、受信サーバ30およびプラント機器40を有する。プロビジョニングサーバ10とアプリケーションサーバ20と受信サーバ30とは、クラウド環境の所定の通信網によって通信可能に接続されている。また、プラント機器40は、携帯電話網等の通信網Nによって通信可能となる通信機能を有する。
【0039】
なお、プロビジョニングサーバ10、アプリケーションサーバ20および受信サーバ30は、クラウド環境に構築されるサーバ装置に限定されるものではなく、物理サーバ、仮想マシン、コンテナ等であってもよい。
【0040】
(2-2.プロビジョニングサーバ10の構成例)
まず、図3を用いて、情報提供装置であるプロビジョニングサーバ10の構成例について説明する。プロビジョニングサーバ10は、通信部11、記憶部12および制御部13を有する。なお、プロビジョニングサーバ10は、機器登録システム100の管理者であるエンジニアEから各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0041】
(2-2-1.通信部11)
通信部11は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部11は、ルータ等を介して、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部11は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
【0042】
(2-2-2.記憶部12)
記憶部12は、制御部13が動作する際に参照する各種情報や、制御部13が動作した際に取得した各種情報を記憶する。記憶部12は、機器情報記憶部12aを有する。ここで、記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置等で実現され得る。なお、図3の例では、記憶部12は、プロビジョニングサーバ10の内部に設置されているが、プロビジョニングサーバ10の外部に設置されてもよいし、複数の記憶部が設置されていてもよい。
【0043】
(2-2-2-1.機器情報記憶部12a)
機器情報記憶部12aは、アプリケーションサーバ20から送信された機器情報および送信先情報を記憶する。ここで、図4を用いて、機器情報記憶部12aが記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係るプロビジョニングサーバ10の機器情報記憶部12aの一例を示す図である。図4の例において、機器情報記憶部12aは、「機器ID」、「機器送信先情報」、「サーバ送信先情報」といった項目を有する。
【0044】
「機器ID」は、プラント機器40を識別するための識別情報を示し、例えばプラント機器40の識別番号である。「機器送信先情報」は、プラント機器40の通信接続における所在を特定するための所在情報を示し、例えばプラント機器40のグローバルIPアドレス、セルラー回線の電話番号等である。「サーバ接続先情報」は、受信サーバ30の通信接続における所在を特定するための所在情報を示し、例えば受信サーバ30のグローバルIPアドレス、URL等である。
【0045】
すなわち、図4では、機器ID「機器A」によって識別されるプラント機器40について、機器送信先情報が「AAA.AA.AAA.A」、サーバ送信先情報が「aaa.aa.aaa.a」であり、機器ID「機器C」によって識別されるプラント機器40について、機器送信先情報が「CCC.CC.CCC.C」、サーバ送信先情報が「ccc.cc.ccc.c」である例を示す。なお、機器情報記憶部12aに記憶される機器情報は、後述する制御部13の削除部13dによって適宜削除される。
【0046】
(2-2-3.制御部13)
制御部13は、当該プロビジョニングサーバ10全体の制御を司る。制御部13は、取得部13a、受付部13b、通知部13cおよび削除部13dを有する。ここで、制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現され得る。
【0047】
(2-2-3-1.取得部13a)
取得部13aは、デバイスからデータを送信する先の所在を示す送信先情報が対応付けられるデバイスの識別情報を取得する。例えば、取得部13aは、複数のデバイスそれぞれの識別情報と、複数のデバイスそれぞれのプラント情報の送信先を示す送信先情報とが対応付けられる機器情報を取得する。また、取得部13aは、アプリケーションサーバ20から送信される、問合せの要求元であるデバイスに関する識別情報および識別情報に対応付けられた送信先情報を取得する。このとき、取得部13aは、アプリケーションサーバ20に問合せ、問合せの要求元であるデバイスに関する識別情報および識別情報に対応付けられた送信先情報を取得することもできる。また、取得部13aは、複数のアプリケーションサーバ20それぞれから、各アプリケーションサーバ20が収集対象とするプラント情報の取得を行うデバイスに関する識別情報を取得する。ここで、デバイスとは、例えば、プラントに設置される通信装置およびセンサを含み、プラントから取得したプラント情報(例:センサ値)を通知された送信先情報が示す宛先に送信するプラント機器40である。また、機器情報とは、例えば、ハードウェアの識別番号等のプラント機器40の識別情報、グローバルIPアドレスやセルラー回線の電話番号等のプラント機器40の所在情報である送信先情報、プラント機器40のデータ送信先の受信サーバ30の所在情報である送信情報等を含む情報である。
【0048】
具体的な例について説明すると、取得部13aは、アプリケーションサーバ20から送信されたゲートウェイ機器40Aの機器情報として、ハードウェアの識別番号「機器A」、ゲートウェイ機器40AのグローバルIPアドレス「AAA.AA.AAA.A」、受信サーバ30のグローバルIPアドレス「aaa.aa.aaa.a」を取得する。なお、取得部13aは、取得した機器情報を機器情報記憶部12aに格納する。
【0049】
(2-2-3-2.受付部13b)
受付部13bは、デバイスから、デバイスがデータを送信する先の所在を示す送信先情報の問合せを受け付ける。例えば、受付部13bは、電源が投入されて初回起動を行ったプラント機器40等のデバイスから送信先情報の問合せを受け付ける。ここで、初回起動とは、デバイスが出荷後に1回目の電源を投入された際の起動、またはデバイスが初期化後に1回目の電源を投入された際の起動である。また、受付部13bは、問合せの要求元であるデバイスの出荷段階に、問合せの要求先として自装置(プロビジョニングサーバ10)が設定されたデバイスから問合せを受け付ける。
【0050】
具体的な例について説明すると、受付部13bは、電源が投入されて初回起動を行ったプラント機器40がプラントに設置される前の出荷段階で設定された、プロビジョニングサーバ10のグローバルIPアドレス「XXX.XX.XXX.X」に基づいた、受信サーバ30の送信先情報の問合せを受け付ける。
【0051】
(2-2-3-3.通知部13c)
通知部13cは、問合せの要求元であるデバイスの識別情報と対応付けられる送信先情報を、問合せの要求元であるデバイスに通知する。例えば、通知部13cは、初回起動時のプラント機器40等のデバイスに、送信先情報を通知する。このとき、通知部13cは、問合せの要求元であるデバイスの識別情報が、アプリケーションサーバ20から取得した識別情報に登録されているか否かを判定し、登録されている場合は、送信先情報をデバイスに通知し、登録されていない場合には、未登録である旨をデバイスに出力する。
【0052】
具体的な例について説明すると、通知部13cは、ゲートウェイ機器40A(識別番号「機器A」)から問合せを受け付けた場合には、機器情報記憶部12aを参照し、識別番号「機器A」が登録されているので、ゲートウェイ機器40Aに対して受信サーバ30のグローバルIPアドレス「aaa.aa.aaa.a」を送信する。一方、センサ機器40B(識別番号「機器B」)から問合せを受け付けた場合には、機器情報記憶部12aを参照し、識別番号「機器B」が登録されていないので、センサ機器40Bに対して未登録である旨の警告を送信する。
【0053】
(2-2-3-4.削除部13d)
削除部13dは、機器情報記憶部12aに記憶される識別情報のうち、送信先情報が通知されたデバイスの識別情報、または、取得部13aによってアプリケーションサーバ20から取得されてから所定の時間が経過した識別情報を削除する。
【0054】
具体的な例について説明すると、削除部13dは、ゲートウェイ機器40Aから問合せを受け付け、ゲートウェイ機器40Aに対して受信サーバ30のグローバルIPアドレス「aaa.aa.aaa.a」を送信した場合には、ゲートウェイ機器40Aの識別番号「機器A」、ゲートウェイ機器40AのグローバルIPアドレス「AAA.AA.AAA.A」、受信サーバ30のグローバルIPアドレス「aaa.aa.aaa.a」を機器情報記憶部12aから削除する。また、削除部13dは、アプリケーションサーバ20からセンサ機器40Bの機器情報を取得した後10日が経過した場合には、センサ機器40Bの識別番号「機器B」、センサ機器40BのグローバルIPアドレス「BBB.BB.BBB.B」、受信サーバ30のグローバルIPアドレス「bbb.bb.bbb.b」を機器情報記憶部12aから削除する。
【0055】
(2-3.アプリケーションサーバ20の構成例)
図3を用いて、情報管理装置であるアプリケーションサーバ20の構成例について説明する。アプリケーションサーバ20は、通信部21、記憶部22および制御部23を有する。なお、アプリケーションサーバ20は、機器登録システム100の管理者であるエンジニアEから各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0056】
(2-3-1.通信部21)
通信部21は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部21は、ルータ等を介して、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部21は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
【0057】
(2-3-2.記憶部22)
記憶部22は、制御部23が動作する際に参照する各種情報や、制御部23が動作した際に取得した各種情報を記憶する。記憶部22は、機器情報記憶部22aおよびプラント情報記憶部22bを有する。ここで、記憶部22は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置等で実現され得る。なお、図3の例では、記憶部22は、アプリケーションサーバ20の内部に設置されているが、アプリケーションサーバ20の外部に設置されてもよいし、複数の記憶部が設置されていてもよい。
【0058】
(2-3-2-1.機器情報記憶部22a)
機器情報記憶部22aは、機器登録システム100の管理者であるエンジニアEによって設定された機器情報を記憶する。ここで、図5を用いて、機器情報記憶部22aが記憶する情報の一例を説明する。図5は、実施形態に係るアプリケーションサーバ20の機器情報記憶部22aの一例を示す図である。図5の例において、機器情報記憶部22aは、「機器ID」、「機器送信元情報」、「サーバ送信先情報」、「アプリケーション情報」といった項目を有する。
【0059】
「機器ID」は、プラント機器40を識別するための識別情報を示し、例えばプラント機器40の識別番号である。「機器送信元情報」は、プラント機器40の通信接続における所在を特定するための所在情報を示し、例えばプラント機器40のグローバルIPアドレス、セルラー回線の電話番号等である。「サーバ送信先情報」は、受信サーバ30の通信接続における所在を特定するための所在情報を示し、例えば受信サーバ30のグローバルIPアドレス、URL等である。「アプリケーション情報」は、プラント機器40から収集したプラント情報を処理するアプリケーションを特定するための情報である。
【0060】
すなわち、図5では、機器ID「機器A」によって識別されるプラント機器40について、機器送信元情報が「AAA.AA.AAA.A」、サーバ送信先情報が「aaa.aa.aaa.a」、アプリケーション情報が「アプリケーションA」であり、機器ID「機器B」によって識別されるプラント機器40について、機器送信元情報が「BBB.BB.BBB.B」、サーバ送信先情報が「bbb.bb.bbb.b」、アプリケーション情報が「アプリケーションB」であり、機器ID「機器C」によって識別されるプラント機器40について、機器送信元情報が「CCC.CC.CCC.C」、サーバ送信先情報が「ccc.cc.ccc.c」、アプリケーション情報が「アプリケーションC」である例を示す。
【0061】
(2-3-2-2.プラント情報記憶部22b)
プラント情報記憶部22bは、プラント機器40によって収集され、受信サーバ30を介して受信されたデバイスの識別情報およびプラント情報を記憶する。ここで、図6を用いて、プラント情報記憶部22bが記憶する情報の一例を説明する。図6は、実施形態に係るアプリケーションサーバ20のプラント情報記憶部22bの一例を示す図である。図6の例において、プラント情報記憶部22bは、「機器ID」、「センサ値」といった項目を有する。
【0062】
「機器ID」は、プラント機器40を識別するための識別情報を示し、例えばプラント機器40の識別番号である。「センサ値」は、プラント情報を表し、プラント機器40がプラントにおいて収集した測定データ、制御データ等である。
【0063】
すなわち、図6では、機器ID「機器A」によって識別されるプラント機器40について、センサ値が「XXXXX」であり、機器ID「機器B」によって識別されるプラント機器40について、センサ値が「YYYYY」であり、機器ID「機器C」によって識別されるプラント機器40について、センサ値が「ZZZZZ」である例を示す。
【0064】
(2-3-3.制御部23)
制御部23は、当該アプリケーションサーバ20全体の制御を司る。制御部23は、受信部23aおよび送信部23bを有する。ここで、制御部23は、例えば、CPUやMPU等の電子回路やASICやFPGA等の集積回路により実現され得る。
【0065】
(2-3-3-1.受信部23a)
受信部23aは、デバイスの識別情報を受信する。例えば、受信部23aは、エンジニアEの端末装置から送信されたプラント機器40の識別情報を受信する。また、受信部23aは、エンジニアEの操作によりネットワークのロジカルな構成を行うネットワークマップを介してプラント機器40の機器情報を受信する。このとき、受信部23aは、機器情報として、ハードウェアの識別番号等のプラント機器40の識別情報、グローバルIPアドレスやセルラー回線の電話番号等のプラント機器40の所在情報、プラント機器40が使用するアプリケーションに関するアプリケーション情報等を受信する。なお、送信先情報は、エンジニアEの設定をもとにアプリケーションサーバ20によって設定される。
【0066】
具体的な例について説明すると、受信部23aは、エンジニアEの操作により設定されたゲートウェイ機器40Aの機器情報として、ハードウェアの識別番号「機器A」、ゲートウェイ機器40AのグローバルIPアドレス「AAA.AA.AAA.A」、受信サーバ30のグローバルIPアドレス「aaa.aa.aaa.a」、アプリケーション情報「アプリケーションA」を受信する。なお、受信部23aは、受信した機器情報を機器情報記憶部22aに格納する。
【0067】
また、受信部23aは、デバイスが収集したデータを受信する。例えば、受信部23aは、受信サーバ30が送信したプラント情報を受信する。具体的な例について説明すると、受信部23aは、プラント情報として、ゲートウェイ機器40Aが収集したセンサ値「XXXXX」、センサ機器40Bが収集したセンサ値「YYYYY」、制御機器40Cが収集したセンサ値「ZZZZZ」を受信する。なお、受信部23aは、受信したプラント情報をプラント情報記憶部22bに格納する。
【0068】
(2-3-3-2.送信部23b)
送信部23dは、データの送信先を示す送信先情報とともに、送信先情報に対応付けられるデバイスの識別情報を情報提供装置に送信する。例えば、送信部23dは、プラント機器40の識別情報と、受信サーバ30の送信先情報とを対応付けた機器情報をプロビジョニングサーバ10に送信する。
【0069】
具体的な例について説明すると、送信部23bは、エンジニアEの操作により設定されたゲートウェイ機器40Aの機器情報として、ハードウェアの識別番号「機器A」、ゲートウェイ機器40AのグローバルIPアドレス「AAA.AA.AAA.A」、受信サーバ30のグローバルIPアドレス「aaa.aa.aaa.a」をプロビジョニングサーバ10に送信する。
【0070】
また、送信部23bは、デバイスに、デバイスが記憶する送信先情報を削除させることによって、デバイスを初期化する指示を通知する。例えば、送信部23bは、初回起動後であって、送信先情報としてプロビジョニングサーバ10のグローバルIPアドレスを記憶するプラント機器40に対して初期化指示を通知し、プラント機器40に記憶したグローバルIPアドレスを削除させる。
【0071】
(2-4.受信サーバ30の構成例)
図3を用いて、情報収集装置である受信サーバ30の構成例について説明する。受信サーバ30は、通信部31および制御部32を有する。なお、受信サーバ30は、機器登録システム100の管理者であるエンジニアEから各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0072】
(2-4-1.通信部31)
通信部31は、他の装置との間でのデータ通信を司る。例えば、通信部31は、ルータ等を介して、各通信装置との間でデータ通信を行う。また、通信部31は、図示しないオペレータの端末との間でデータ通信を行うことができる。
【0073】
(2-4-2.制御部32)
制御部32は、当該受信サーバ30全体の制御を司る。制御部32は、受信部32aおよび送信部32bを有する。ここで、制御部32は、例えば、CPUやMPU等の電子回路やASICやFPGA等の集積回路により実現され得る。
【0074】
(2-4-2-1.受信部31a)
受信部31aは、デバイスが収集したデータおよび識別情報を受信する。例えば、受信部31aは、プラント機器40が収集したプラント情報を受信する。具体的な例について説明すると、受信部31aは、プラント情報として、ゲートウェイ機器40Aが収集したセンサ値「XXXXX」、センサ機器40Bが収集したセンサ値「YYYYY」、制御機器40Cが収集したセンサ値「ZZZZZ」を受信する。なお、受信部31aは、受信したプラント情報を図示しない記憶部に格納してもよい。
【0075】
(2-4-2-2.送信部31b)
送信部31bは、デバイスが収集したデータを送信する。例えば、受信部31aは、プラント機器40が収集したプラント情報および識別情報をアプリケーションサーバ20に送信する。具体的な例について説明すると、送信部31bは、プラント情報として、ゲートウェイ機器40Aが収集したセンサ値「XXXXX」、センサ機器40Bが収集したセンサ値「YYYYY」、制御機器40Cが収集したセンサ値「ZZZZZ」をアプリケーションサーバ20に送信する。
【0076】
(2-5.プラント機器40の構成例)
図3を用いて、プラント機器40の構成例について説明する。例えば、プラント機器40は、通信機器であるゲートウェイ機器40A、測定機器であるセンサ機器40B、プラント機器の制御を司る制御機器40C等で構成される。プラント機器40(40A、40B、40C)は、収集部41(41A、41B、41C)および送受信部42(42A、42B、42C)を有する。
【0077】
(2-5-1.収集部41)
収集部41は、データを収集する。例えば、収集部41は、プラントにおけるデータであるプラント情報を収集する。
【0078】
(2-5-2.送受信部42)
送受信部42は、データを送信する。例えば、送受信部42は、収集部41によって収集されたプラント情報を受信サーバ30に送信する。また、送受信部42は、デバイスがデータを送信する先の所在を示す送信先情報の問合せを送信する。例えば、送受信部42は、電源が投入されて初回起動を行った場合には、出荷段階で設定された問合せの要求先を特定するプロビジョニングサーバ10のグローバルIPアドレスを参照し、特定されたプロビジョニングサーバ10に対して、受信サーバ30のグローバルIPアドレスの問合せを送信する。
【0079】
また、送受信部42は、データを受信する。例えば、送受信部42は、プロビジョニングサーバ10から受信サーバ30のグローバルIPアドレスを受信する。また、送受信部42は、プロビジョニングサーバ10から、プラント機器40が未登録である旨の警告を受信する。
【0080】
〔3.機器登録システム100の処理の流れ〕
図7を用いて、実施形態1に係る機器登録システム100の処理の流れについて説明する。図7は、実施形態に係る機器登録処理の流れの一例を示すシーケンス図である。なお、下記のステップS101~S111の処理は、異なる順序で実行することもできる。また、下記のステップS101~S111の処理のうち、省略される処理があってもよい。
【0081】
(3-1.機器情報設定処理)
機器登録システム100の管理者であるエンジニアEは、アプリケーションサーバ20に機器情報を設定する(ステップS101)。例えば、エンジニアEは、プラント機器40の識別情報、プラント機器40の所在情報、アプリケーション情報等を設定する。このとき、アプリケーションサーバ20は、エンジニアEの設定をもとに送信先情報を設定する。
【0082】
(3-2.機器情報登録処理)
アプリケーションサーバ20は、機器情報および送信先情報をプロビジョニングサーバ10に送信する(ステップS102)。そして、プロビジョニングサーバ10は、送信された機器情報を記憶部12に格納する(ステップS103)。例えば、プロビジョニングサーバ10は、プラント機器40の識別情報、プラント機器40の所在情報等を格納する。
【0083】
(3-3.接続先問合せ処理)
プラント機器40は、出荷時に組み込まれたプロビジョニングサーバ10の所在情報をもとに、プラント機器40が接続する受信サーバ30の問合せをプロビジョニングサーバ10に送信する(ステップS104)。このとき、プラント機器40は、通信接続先の問合せとともに、プラント機器40の識別情報をプロビジョニングサーバ10に送信する。
【0084】
(3-4.接続先回答処理)
プロビジョニングサーバ10は、機器情報をもとにプラント機器40の接続先を検索する(ステップS105)。続いて、プロビジョニングサーバ10は、ステップS105で取得した識別情報をもとに、アプリケーションサーバ20から取得した機器情報が登録されていて、プラント機器40を許可した場合には、プラント機器40に対して、データ送信先である受信サーバ30の送信先情報を送信する(ステップS106)。一方、プロビジョニングサーバ10は、ステップS105で取得した識別情報をもとに、アプリケーションサーバ20から取得した機器情報が登録されておらず、プラント機器40を許可しない場合には、プラント機器40に対して、許可しない旨の警告を送信する。
【0085】
(3-5.機器情報削除処理)
プロビジョニングサーバ10は、プラント機器40の機器情報を削除する(ステップS107)。例えば、プロビジョニングサーバ10は、送信先情報を送信したプラント機器40の機器情報を削除する。また、プロビジョニングサーバ10は、機器情報の取得時から所定の期間が経過した機器情報を削除する。
【0086】
(3-6.プラント情報収集処理)
プラント機器40は、プラント情報を収集する(ステップS108)。また、プラント機器40は、通信接続先の受信サーバ30にプラント情報および識別情報を送信する(ステップS109)。
【0087】
(3-7.プラント情報登録処理)
受信サーバ30は、受信したプラント情報および識別情報をアプリケーションサーバ20に送信する(ステップS110)。そして、アプリケーションサーバ20は、送信されたプラント情報を記憶部22に格納し(ステップS111)、処理を終了する。
【0088】
〔4.実施形態の効果〕
最後に、実施形態の効果について説明する。以下では、実施形態に係る処理に対応する効果1~9について説明する。
【0089】
(4-1.効果1)
第1に、上述した実施形態に係る処理では、プロビジョニングサーバ10は、デバイスからデータを送信する先の所在を示す送信先情報が対応付けられる前記デバイスの識別情報を取得し、当該デバイスから送信先情報の問合せを受け付け、問合せの要求元であるデバイスの識別情報と対応付けられる前記送信先情報を問合せの要求元であるデバイスに通知する。このため、本処理では、デバイスの通信設定を容易に実行することができる。
【0090】
(4-2.効果2)
第2に、上述した実施形態に係る処理では、プロビジョニングサーバ10は、電源が投入されて初回起動を行ったデバイスから送信先情報の問合せを受け付け、初回起動時のデバイスに送信先情報を通知する。このため、本処理では、デバイスのデータ送信先を自動で設定することにより、デバイスの通信設定を容易に実行することができる。
【0091】
(4-3.効果3)
第3に、上述した実施形態に係る処理では、プロビジョニングサーバ10は、アプリケーションサーバ20から送信される、問合せの要求元であるデバイスに関する識別情報および識別情報に対応付けられた送信先情報を取得する。このため、本処理では、アプリケーションに対応するデバイスごとにデータ送信先を自動で設定することにより、デバイスの通信設定を容易に実行することができる。
【0092】
(4-4.効果4)
第4に、上述した実施形態に係る処理では、プロビジョニングサーバ10は、アプリケーションサーバ20に問合せ、問合せの要求元であるデバイスに関する識別情報および識別情報に対応付けられた送信先情報を取得する。このため、本処理では、アプリケーションに対応するデバイスごとにデータ送信先を自動で問合せすることにより、デバイスの通信設定を容易に実行することができる。
【0093】
(4-5.効果5)
第5に、上述した実施形態に係る処理では、プロビジョニングサーバ10は、問合せの要求元であるデバイスの出荷段階に、問合せの要求先として自装置が設定されたデバイスから問合せを受け付ける。このため、本処理では、同一のデバイスについては個々の設定を実施する必要がないので、デバイスの通信設定を容易に実行することができる。
【0094】
(4-6.効果6)
第6に、上述した実施形態に係る処理では、プロビジョニングサーバ10は、問合せの要求元であるデバイスの識別情報が、アプリケーションサーバ20から取得した識別情報に登録されているか否かを判定し、登録されている場合は送信先情報をデバイスに通知し、登録されていない場合には未登録である旨をデバイスに出力する。このため、本処理では、設定の誤りによる情報漏洩等の危険性を削減し、デバイスの通信設定を容易に実行することができる。
【0095】
(4-7.効果7)
第7に、上述した実施形態に係る処理では、プロビジョニングサーバ10は、取得した識別情報を保持し、保持する識別情報のうち、送信先情報が通知されたデバイスの識別情報、または、取得してから所定の時間が経過した識別情報を削除する。このため、本処理では、設定の変更があっても機器情報が一元管理できるので、デバイスの通信設定を容易に実行することができる。
【0096】
(4-8.効果8)
第8に、上述した実施形態に係る処理では、デバイスは、プラントから取得したプラント情報を通知された前記送信先情報が示す宛先に送信するプラント機器である。このため、本処理では、プラント機器の通信設定を容易に実行することができる。
【0097】
(4-9.効果9)
第9に、上述した実施形態に係る処理では、アプリケーションサーバ20は、デバイスに、デバイスが記憶する前記送信先情報を削除させることによって、デバイスを初期化する指示を通知する。このため、本処理では、デバイスの再設定が必要な時でも通信設定を容易に実行することができる。
【0098】
〔システム〕
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0099】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0100】
さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0101】
〔ハードウェア〕
次に、情報処理装置であるプロビジョニングサーバ10のハードウェア構成例を説明する。なお、アプリケーションサーバ20、受信サーバ30等の他の装置も同様のハードウェア構成とすることができる。図8は、ハードウェア構成例を説明する図である。図8に示すように、プロビジョニングサーバ10は、通信装置10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、図8に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0102】
通信装置10aは、ネットワークインタフェースカードなどであり、他のサーバとの通信を行う。HDD10bは、図3に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0103】
プロセッサ10dは、図3に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD10b等から読み出してメモリ10cに展開することで、図3等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させる。例えば、このプロセスは、プロビジョニングサーバ10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、取得部13a、受付部13b、通知部13c、削除部13d等と同様の機能を有するプログラムをHDD10b等から読み出す。そして、プロセッサ10dは、取得部13a、受付部13b、通知部13c、削除部13d等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0104】
このように、プロビジョニングサーバ10は、プログラムを読み出して実行することで各種処理方法を実行する装置として動作する。また、プロビジョニングサーバ10は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施形態と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施形態でいうプログラムは、プロビジョニングサーバ10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータまたはサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0105】
このプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【符号の説明】
【0106】
10 プロビジョニングサーバ
11 通信部
12 記憶部
12a 機器情報記憶部
13 制御部
13a 取得部
13b 受付部
13c 通知部
13d 削除部
20 アプリケーションサーバ
21 通信部
22 記憶部
22a 機器情報記憶部
22b プラント情報記憶部
23 制御部
23a 受信部
23b 送信部
30 受信サーバ
31 通信部
32 制御部
32a 受信部
32b 送信部
40 40A 40B 40C プラント機器
41 41A 41B 41C 収集部
42 42A 42B 42C 送受信部
100 機器登録システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8