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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031609
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】牽引治具
(51)【国際特許分類】
   B62B 5/00 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
B62B5/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135266
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】592184706
【氏名又は名称】SBS東芝ロジスティクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】内田 幸義
(72)【発明者】
【氏名】原田 佳奈
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB02
3D050BB03
3D050KK02
(57)【要約】
【課題】高い作業性を有する牽引治具を提供すること。
【解決手段】搬送車100に連結され、経路R上において台車200を牽引する牽引治具1は、台車200と当接するフレーム21と、フレーム21に設けられ、台車200の移動を規制する第1姿勢及び台車200と当接しない第2姿勢で移動するストッパ本体53と、ストッパ本体53を第1姿勢及び第2姿勢の間で駆動するモータ52と、を備える。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送車に連結され、経路上において台車を牽引する牽引治具であって、
前記台車と当接するフレームと、
前記フレームに設けられ、前記台車の移動を規制する第1姿勢及び前記台車と当接しない第2姿勢で移動するストッパ本体と、
前記ストッパ本体を前記第1姿勢及び前記第2姿勢の間で駆動するモータと、
を備える牽引治具。
【請求項2】
前記ストッパ本体の駆動指令を信号として出力する入力部と、
前記入力部からの信号に基づいて前記モータを制御するプロセッサと、
を備える、請求項1に記載の牽引治具。
【請求項3】
経路における所定の位置を検出するセンサを備え、
前記プロセッサは、前記センサで前記所定の位置を検出すると、前記モータを制御して、前記第1姿勢及び前記第2姿勢の間で、前記ストッパ本体を駆動する、請求項2に記載の牽引治具。
【請求項4】
前記所定の位置に停止してから再発進するまでの時間t1よりも短い、前記センサで前記所定の位置を検出してから経過した時間t2、及び、前記時間t1及び前記時間t2よりも短い、前記第1姿勢から前記第2姿勢へ前記ストッパ本体を移動させる時間t3を記憶するメモリを備え、
前記プロセッサは、前記センサで前記所定の位置を検出してから前記時間t2を経過したあとに、前記時間t3で、前記ストッパ本体を前記第1姿勢から前記第2姿勢へ移動させる、請求項3に記載の牽引治具。
【請求項5】
前記ストッパ本体は、前記フレームの進行方向で後端に設けられ、
前記経路に前記搬送車を誘導する誘導部が設けられ、
前記搬送車は、前記時間t1が経過した後に、前記誘導部に誘導されて、前記フレームの長手方向に、少なくとも前記フレームの長さ以上に直進する、請求項4に記載の牽引治具。
【請求項6】
前記経路に設けられ、前記センサで前記所定の位置を検出する被検出対象を備える、請求項5に記載の牽引治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台車やパレットを牽引する牽引治具に関する。
【背景技術】
【0002】
工場の生産ライン等において荷物を積載及び移動するための器具として、台車やパレットが知られている。台車やパレットは、例えば、搬送車に連結または載置され、積載した荷物とともに搬送される。搬送車としては、例えば、床面に敷設された磁気テープや磁気棒が発する磁気により誘導され、無人走行するAGV(Automatic Guided Vehicle)が知られている。また、複数の台車やパレットを同時に牽引するための牽引治具として、AGVによって牽引されることで、複数の台車を搬送できる牽引台車も知られている(例えば、特許文献1参照)。このような牽引台車は、搬送時に台車が脱離しないように、ストッパにより台車の移動を規制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6464304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
牽引治具は、台車を出し入れするときに、作業者が手作業で牽引台車のストッパを操作している。しかしながら、ストッパの操作のために、AGVの走行ルート上に作業者が待機している必要があり、また、作業者は床面に近いストッパを操作する必要があり、繰り返し操作すると負担が大きい。このため、作業がし易い牽引治具が求められる。
【0005】
そこで、本発明は、高い作業性を有する牽引治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、牽引治具は、搬送車に連結され、経路上において台車を牽引する牽引治具であって、前記台車と当接するフレームと、前記フレームに設けられ、前記台車の移動を規制する第1姿勢及び前記台車と当接しない第2姿勢で移動するストッパ本体と、前記ストッパ本体を前記第1姿勢及び前記第2姿勢の間で駆動するモータと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、高い作業性を有する牽引治具を提供することができる
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る牽引治具の構成を示す斜視図。
図2】同牽引治具の構成であって、平台車を配置した例を示す斜視図。
図3】同牽引治具の構成を示す正面図。
図4】同牽引治具の構成を示す側面図。
図5】同牽引治具の構成を示す平面図。
図6】同牽引治具に用いられる自動ストッパの構成を示す斜視図。
図7】同牽引治具に用いられる自動ストッパ装置の構成を示すブロック図。
図8】同牽引治具を用いた搬送品の搬送の一例を示すシーケンス図。
図9】同牽引治具を用いた搬送品の搬送の一例を示す説明図。
図10】同搬送経路に設けられる誘導部及び被検出対象の一例を示す説明図。
図11】他の実施形態に係る牽引治具の構成を示す斜視図。
図12】他の実施形態に係る牽引治具の構成を示す斜視図。
図13】他の実施形態に係る牽引治具の構成を示す斜視図。
図14】他の実施形態に係る牽引治具の構成を示す斜視図。
図15】他の実施形態に係る牽引治具の構成を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態に係る牽引治具1を図1乃至図5を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る牽引治具1の構成を示す斜視図であり、図2は、牽引治具1の構成であって、平台車200を配置した例を示す斜視図である。図3は、牽引治具1の構成を示す正面図であり、図4は、牽引治具1の構成を示す側面図であり、図5は、牽引治具1の構成を示す平面図である。図6は、牽引治具1に用いられる自動ストッパ23の構成を示す斜視図であり、図7は、牽引治具1に用いられる自動ストッパ装置2の構成を示すブロック図である。図8は、牽引治具1を用いた搬送品の搬送の一例を示すシーケンス図であり、図9は、牽引治具1を用いた搬送品の搬送の一例を示す説明図であり、図10は、搬送経路Rに設けられる誘導部及び被検出対象の一例を示す説明図である。
【0011】
図1及び図2に示すように、牽引治具1は、連結部12により搬送車100に連結され、搬送車100の移動に伴い、キャスター13により床面に沿って移動する。また、牽引治具1は、ベース11により台車200を複数保持した状態で搬送車100により牽引される。
【0012】
先ず、搬送車100及び台車200の説明をする。
【0013】
搬送車100は、AGV(Automatic Guided Vehicle)等の無人搬送車や、ターレットトラック等の有人搬送車である。搬送車100は、例えばAGVであり、本実施形態においては搬送車100をAGV100として、以下説明する。AGV100は、例えば、工場の構内における荷物の搬送のため、図9及び図10に示すように、搬送経路Rに沿って床面に敷設された磁気テープや磁気棒が発する磁気や、床面に敷設されたランドマーク等の誘導部91に誘導され、無人走行する。本実施形態において、AGV100は、例えば、誘導部91としての床面に設置されたランドマーク(以下、ランドマーク91)に基づいて誘導され、搬送経路Rに沿って走行する例を説明する。ここで、ランドマーク91は、AGV100の直進させる指令や、AGV100を所定の時間t1だけ一定時間停止させる指令等、搬送経路Rを走行するAGV100への指令が可能に形成される。また、AGV100は、牽引治具1に連結される被連結部100aを有する。
【0014】
台車200は、例えば、平台車である。なお、台車200は、棚台車等の他の種類の台車であってもよい。本実施形態において、台車200を平台車200として、以下説明する。平台車200は、荷台211と、荷台211に取り付けられる複数のキャスター212と、を備える。荷台211は、荷物を載置可能に、例えば矩形の平板状に形成される。また、荷台211は、例えば、下面に設けられ、一方向に所定の間隔を開けて突出する対の突起211aを含む。ここで、一方向とは、平台車200が牽引治具1に配置されたときに、牽引治具1の走行方向に対して直交する方向(幅方向)である。また、対の突起211aの所定の間隔とは、対の突起211a間に牽引治具1の後述するベース11を配置可能な間隔である。例えば、対の突起211aは、幅方向で所定の間隔を有して配置されていればよい。例えば、荷台211には、走行方向に並んで二箇所に対の突起211aが設けられる、所謂二対の突起211aであってもよく、幅方向で一方の突起211aが1つ設けられる一対の突起211aであってもよい。また、突起211aの形状は、矩形柱状であってもよく、また、主面が走行方向に延設される平板状であってもよい。
【0015】
キャスター212は、荷台211を支持可能、且つ、床面を移動可能に、例えば荷台211の四隅に一つずつ設けられる。四つのキャスター212は、例えば自在輪である。
【0016】
次に、牽引治具1について説明する。図1乃至図5に示すように、牽引治具1は、ベース11と、連結部12と、複数のキャスター13と、バッテリ14と、センサ15と、制御装置16と、を備える。
【0017】
図1乃至図5に示すように、ベース11は、フレーム21と、基部22と、自動ストッパ23と、を備える。フレーム21は、一方向に長い棒状に形成される。例えば、フレーム21は、一方向に長い複数の矩形柱状又は矩形筒状のシャフト21aを長手方向に直交する方向(幅方向)に所定の間隔を開けて複数、例えば、3つ並列に配置し、連結することで形成される。フレーム21は、一端に基部22が設けられ、他端に自動ストッパ23が設けられる。フレーム21は、両端に設けられた基部22及び自動ストッパ23の間に複数の平台車200、例えば、本実施形態においては6台の平台車200を配置可能な長さに設定される。
【0018】
フレーム21の幅は、平台車200の対の突起211aの間隔より若干小さい幅に形成される。即ち、フレーム21は、対の突起211a間に配置可能な幅に設定される。フレーム21の幅方向の側面は、平台車200に設けられた対の突起211aと幅方向で対向することで、平台車200が幅方向へ移動したときに、対の突起211aの内面と当接し、幅方向への平台車200の移動を規制する。
【0019】
基部22は、フレーム21の前端に固定される。基部22は、フレーム21の長手方向に直交する方向に長い。基部22の幅は、例えば、平台車200の幅と同じ幅か又は若干大きい幅に設定される。基部22は、平台車200の側面と当接可能に構成される。即ち、基部22は、フレーム21に配置された複数の平台車200のうち、最前に位置する平台車200の前側面と当接することで、平台車200の進行方向の移動を規制する。
【0020】
また、基部22は、平台車200、平台車200に載置した荷物、及び、走行ルート上の障害物等と接触したときのための複数の緩衝材を含む。具体例として、例えば、基部22は、平台車200と当接する後面に設けられた第1緩衝材22aと、重力方向に立設される矩形枠状の縦フレーム22bと、縦フレーム22bに設けられる第2緩衝材22cと、縦フレーム22bの幅方向の下端側に設けられる第3緩衝材22dと、を備える。
【0021】
第1緩衝材22aは、平台車200が当接したときの衝撃を吸収する。縦フレーム22bは、矩形枠状の主面方向が、幅方向となる姿勢で、基部22に設けられる。第2緩衝材22cは、平板状に形成され、主面方向が幅方向及び重力方向に延設される。例えば、第2緩衝材22cは、複数の矩形柱状の部材を組み合わせることで平板状に形成される。第2緩衝材22cは、ベース11の進行方向で前端側に設けられ、平台車200の荷台211に載置した荷物の進行方向への転倒や飛び出し等の移動を規制する。
【0022】
第3緩衝材22dは、縦フレーム22bの下端側部に設けられる。第3緩衝材22dは、走行路上の障害物と接触したときの衝撃を緩衝し、障害物又は縦フレーム22bの破損等を抑制する。第1緩衝材22a、第2緩衝材22c及び第3緩衝材22dは、衝撃を緩衝可能、又は、非接触物を保護可能に、弾性変形可能な部材、例えば、ゴム部材、発泡性樹脂材料又は中空部材で形成されたクッション等により形成される。
【0023】
自動ストッパ23は、制御装置16に制御される。自動ストッパ23は、ボディ51と、ボディ51に設けられたモータ52と、少なくとも二つの姿勢間で移動するストッパ本体53と、モータ52の駆動をストッパ本体53に伝達する伝達機構54と、を備える。自動ストッパ23は、例えば、モータ52が駆動することで、ストッパ本体53を、平台車200と当接する第1位置である縦の姿勢、及び、平台車200と当接しない第2位置である横の姿勢の二つの姿勢の間で移動可能に形成される。
【0024】
ボディ51は、内部にモータ52、ストッパ本体53及び自動ストッパ23を収容する。また、ボディ51は、少なくともストッパ本体53を平台車200と当接できる位置に移動可能に、少なくとも一部が開口して形成される。ボディ51は、ボルト等の締結部材によって、フレーム21の後端に固定される。
【0025】
また、ボディ51は、フレーム21の後端、即ち、フレーム21の基部22が接続される端部とは反対側の端部に取り付け可能に形成される。具体例として、ボディ51は、前側面に形成され、ボルト等の締結部材51aにより、フレーム21の幅方向で両端側のシャフト21aにそれぞれ締結部材51aで固定される一対の取付座51bを有する。
【0026】
ボディ51は、フレーム21とは反対側の端部の各角部51cは、例えば、面取り形状に傾斜される。換言すると、ボディ51の端部は、漸次幅が小さくなるように、フレーム21に接続される端部側から他端(先端)側に向かって傾斜する。ここで、ボディ51の他端(先端)とは、締結部材51aによってフレーム21に固定される端部とは反対側の端部であり、牽引治具1の走行方向で後端となる。ボディ51の他端の角部51cは、傾斜することで、平台車200の対の突起211a間を挿入するときの案内面となる。
【0027】
モータ52は、制御装置16からの指令に基づいて駆動する。モータ52は、例えば、正逆回転可能に形成される。
【0028】
ストッパ本体53は、横の姿勢及び縦の姿勢の間で移動する。ここで、横の姿勢とは、例えば、ストッパ本体53がボディ51内に配置され、平台車200と当接しない位置である。また、縦の姿勢とは、例えば、ストッパ本体53がボディ51から上方に突出し、平台車200と当接する位置である。換言すると、ストッパ本体53は、横の姿勢において、横の姿勢における上面が、フレーム21の上面と面一か、又は、フレーム21の上面よりも低い。また、ストッパ本体53は、縦の姿勢において、縦の姿勢における上端(先端)が、フレーム21の上面よりも高く、且つ、平台車200の荷台211の下面よりも高い。即ち、図1及び図4に示すように、縦の姿勢のストッパ本体53は、平台車200の側面と当接可能に形成される。これにより、ストッパ本体53は、横の姿勢において、フレーム21へ平台車200を配置可能とし、そして、縦の姿勢において、フレーム21へ配置された平台車200の進行方向とは逆の方向への移動を規制する。
【0029】
ストッパ本体53は、例えば、縦の姿勢において平台車200と当接する部位に、第4緩衝材53aを有する。第4緩衝材53aは、衝撃を緩衝可能、又は、被接触物を保護可能に、弾性変形可能な部材、例えば、ゴム部材、発泡性樹脂材料又は中空部材で形成されたクッション等により形成される。
【0030】
伝達機構54は、モータ52の駆動により、ストッパ本体53を縦の姿勢及び横の姿勢の範囲で、ストッパ本体53を移動可能に形成される。
【0031】
このように構成された自動ストッパ23は、バッテリ14、センサ15、制御装置16及びセンサ15により所定の位置を検出するための被検出対象である磁気テープ92とともに、自動ストッパ装置2を構成する。
【0032】
連結部12は、ベース11とAGV100とを連結可能に構成される。具体例として、連結部12は、例えば、ベース11の基部22に固定される。図3に示すように、連結部12は、例えば、基部22に固定される取付部31と、取付部31と一体に設けられ、AGV100の被連結部100aに固定される固定部32と、を備える。取付部31は、例えば、基部22の縦フレーム22bに固定される。
【0033】
固定部32は、取付部31から延びる棒状に形成され、AGV100の被連結部100aに固定可能に構成される。例えば、AGV100の被連結部100aが円柱状のピンを有する構成である場合には、固定部32は、先端にピンが挿入される孔を有し、ピンと孔とが係合することで、固定部32が被連結部100aに固定される。なお、牽引治具1が搬送経路Rのうちカーブのルートを走行しやすいよう、固定部32は、取付部31及び被連結部100aの少なくとも一方に対して、進行方向及び幅方向の双方に直交する方向(重力方向)に沿った軸周りで回転可能に接続される。
【0034】
図3に示すように、キャスター13は、フレーム21又は基部22に取り付けられる。例えば、キャスター13は、フレーム21の長手方向(走行方向)でフレーム21及び基部22のいずれか複数箇所に設けられ、該長手方向の各位置において、幅方向に複数設けられる。
【0035】
例えば、本実施形態において、キャスター13は、フレーム21の長手方向でベース11の3箇所に設けられ、長手方向の各位置において、例えば、幅方向に2つ設けられる。即ち、ベース11には、2つを対としたキャスター13が三対設けられる。例えば、フレーム21の長手方向で、ベース11の両端側のそれぞれに一対のキャスター13が設けられ、そして、ベース11の長手方向で中央に一対のキャスター13が設けられる。例えば、長手方向でベース11の両端側に設けられる二対のキャスター13は、自在輪であり、一方の対のキャスター13は基部22に設けられ、他方の対のキャスター13は、フレーム21の後端側に設けられる。また、基部22に設けられる対のキャスター13は、基部22の長手方向(幅方向)の両端側に設けられる。また、フレーム21の長手方向でフレーム21の中央側に設けられるキャスター13は、固定輪である。
【0036】
なお、キャスター13の構成は、フレーム21の長手方向で、ベース11の三箇所に設けられる例を説明しているが、キャスター13は四箇所に設けられる構成として、フレーム21の中央側に二対の固定輪を設ける構成としてもよい。また、フレーム21の後端側に設けられる自在輪であるキャスター13は、対でなく、単数でもよい。
【0037】
さらに、キャスター13は、二箇所に設けられる構成として、基部22に自在輪の対のキャスター13を設け、フレーム21に固定輪の単数又は対のキャスター13を設ける構成としてもよい。なお、二箇所にキャスター13を設ける場合において、フレーム21の長さが長い場合には、ベース11の旋回時の半径を小さくするために、フレーム21に設けられるキャスター13はフレーム21の後端でなく、該後端よりも中央側に配置されてもよい。即ち、キャスター13の設けられる位置は、ベース11が転倒せず、そして、ベース11の旋回が好適に行われる配置で、適宜設定できる。
【0038】
バッテリ14は、例えば、二次電池である。バッテリ14は、制御装置16にケーブル等で電気的に接続される。バッテリ14は、例えば、センサ15、制御装置16及び自動ストッパ23のモータ52に電力を供給する。
【0039】
センサ15は、牽引治具1の走行時に、所定の位置であることを検出可能に形成される。センサ15は、例えば、磁気センサであり、図9及び図10に示すように、搬送経路R上に設けられたセンサ15による被検出対象である磁気テープ92を検出することで、牽引治具1(AGV100)の搬送経路Rにおける位置を検出する。また、センサ15は、検出した情報を信号として制御装置16に出力する。
【0040】
制御装置16は、例えば、筐体61と、入力部62と、表示部63と、インターフェース(I/F)64と、メモリ65と、プロセッサ66と、を備える。制御装置16は、例えば、インターフェース64を介して、バッテリ14、センサ15及びモータ52に接続される。
【0041】
筐体61は、制御盤等である。筐体61は、例えば、基部22の縦フレーム22bに固定される。入力部62は、ユーザ入力を受け付けるための入力I/Fである。入力部62は、例えば、押下できるボタンであるが、各種スイッチやキーボードなどであってもよく、タッチスクリーンのように出力I/Fの機能を備えていてもよい。
【0042】
表示部63は、プロセッサ66の処理に応じて、光又は画像を出力するための出力I/Fの一例であり、例えば、点灯及び消灯が切り替えらえるLEDである。なお、表示部63は、動画像、静止画像、テキストなどを表示するための表示デバイスを含み得る。また表示部63は、音声、楽曲などを出力するためのスピーカを含み得る。「表示部」は「出力部」と読み替えてもよい。表示デバイスは、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(electroluminescence)ディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどであってもよい。表示デバイスは、コンテンツを含む表示データを表示する。なお、表示デバイスは、タッチスクリーンのように入力I/Fの機能を備えていてもよい。
【0043】
インターフェース64は、バッテリ14、センサ15及びモータ52とケーブル等により電気的に接続される。
【0044】
メモリ65は、記憶媒体又は記憶領域である。メモリ65は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)(登録商標)、ROM(Read only memory)、RAM(Random Access Memory)又はNAND型フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを含む。また、メモリ65は、例えば、フラッシュメモリを搭載したSSD(Solid State Drive)を含む。
【0045】
メモリ65は、プロセッサ66が各処理を実現するために当該プロセッサ66によって実行されるプログラム、および当該プロセッサ66によって使用されるデータなどを記憶する。メモリ65は、かかるプログラム/データが展開されるワークエリアを有するRAMを含み得る。プログラムとしては、例えば、ファームウェア、OS、通信プログラムなどが適宜、記憶され得る。また、メモリ65は、例えば、入力部62の操作、センサ15から出力された信号に基づいて、自動ストッパ23を駆動するプログラムを記憶する。また、メモリ65は、センサ15から信号が出力されてからストッパ本体53を駆動するまでの時間t2、及び、ストッパ本体53を駆動してからストッパ本体53が停止するまでの時間t3が記憶される。
【0046】
ここで、時間t2は、センサ15で磁気テープを検出してからストッパ本体53を駆動するまでの時間である。時間t2は、ランドマーク91によりAGV100が一定時間停止する時間t1よりも短い時間に設定される。また、時間t3は、ストッパ本体53を横の姿勢から縦の姿勢、及び縦の姿勢から横の姿勢へと移動させる時間である。なお、時間t3に基づいて、モータ52へ出力する電力値(モータ52の回転速度)、及び、モータ52へ電力を供給する時間があらかじめ設定されるか、又は、プロセッサ66により算出される。時間t3は、時間t1及び時間t2よりも短い時間に設定される。また、時間t2と時間t3との和は、時間t1よりも短い時間に設定される。
【0047】
プロセッサ66は、マイコン、CPU、FPGA、DSP、GPUまたはその他の汎用または専用のプロセッサ等である。プロセッサ66は、センサ15から出力された信号を受信すると、時間t2の間、センサ15から出力された信号を受信し続けると、モータ52の駆動を開始し、モータ52の駆動開始から時間t3でストッパ本体53の駆動(モータ52の駆動)を完了させる。例えば、プロセッサ66は、センサ15からの信号を受信してから、ストッパ本体53の駆動完了までを、AGV100の一定時間停止中に完了させる。このため、例えば、AGV100の一定時間停止する時間t1は10秒であり、センサ15からの信号を受信し、モータ52を駆動する迄の時間t2は5秒であり、モータ52の駆動開始からストッパ本体53の駆動完了までの時間t3は1秒である。
【0048】
また、プロセッサ66は、ストッパ本体53の駆動指令として入力部62が操作されると、入力部62から出力される信号を受信し、モータ52を駆動し、ストッパ本体53を移動させる。なお、プロセッサ66は、センサ15からの信号又は入力部62からの信号を受信すると、ストッパ本体53が横の姿勢であるときは縦の姿勢となるように、また、ストッパ本体が縦の姿勢であるときは横の姿勢となるように、モータ52を制御する。
【0049】
このように構成された牽引治具1は、平台車200と、以下の関係に設定される。例えば、キャスター13の接地面からフレーム21の上面までの高さをH1、平台車200のキャスター212の接地面から荷台211の下面までの高さをH2、平台車200のキャスター212の接地面から突起211aの下端までの高さをH3としたときに、H3<H1<H2の関係に設定される。また、キャスター13の接地面から縦の姿勢のストッパ本体53(第4緩衝材53a)の上面までの高さをH4としたときに、H2<H4の関係に設定される。また、基部22は、平台車200の側面と当接可能に形成される。
【0050】
よって、牽引治具1及び平台車200がこれらの関係に設定されることで、牽引治具1がAGV100等に牽引されたときに平台車200が走行方向及び幅方向で、ベース11に当接する。具体的に説明すると、走行方向においては、最前に位置する平台車200の前側面が基部22の後側面に、最後尾に位置する平台車200の後側面が縦の姿勢の自動ストッパ23の前側面に当接できる。また、幅方向においては、各平台車200の突起211aの内側面がフレーム21の幅方向の外側面に、それぞれ当接できる。加えて、走行方向に配置された複数の平台車200は、互いに対向する側面同士が当接できる。よって、牽引治具1が走行したときに、平台車200がベース11に当接するため、牽引治具1は、平台車200を牽引できる。
【0051】
次に、このように構成された牽引治具1の使用の一例について、図8乃至図10を用いて説明する。図8は、搬送品としての荷物を積載した平台車200、AGV100及び自動ストッパ装置2のそれぞれの動作を示すシーケンス図である。図9は、AGV100を用いて搬送品を搬送する、AGV100の搬送経路Rの一例として、搬送品の搬送を行う経路を実線の矢印で示し、搬送品の搬送後の発地点への期間の経路を破線の矢印で示す。ここで、搬送経路Rは、例えば、牽引治具1の待機場所であるポイントA、搬送品である平台車200を牽引治具1に配置して牽引治具1によりAGV100が平台車200の牽引(搬送)を開始するポイントB、及び、AGV100により平台車200の牽引を終了するポイントCを有する。ここで、本実施形態における搬送経路Rの例では、ポイントB及びポイントCを二つずつ有する、即ち、ポイントB及びポイントCの間におけるAGV100の搬送路を二列有する。
【0052】
先ず、待機場所であるポイントAから、複数のポイントBのうち、搬送品の搬送を行う搬送路の開始点であるポイントB1又はポイントB2に、選択的にAGV100を移動させる。ステップST11として、ポイントB1又はポイントB2において、作業者は、荷物を積載した平台車200(搬送品)を牽引治具1に挿入する。このときのストッパ本体53は、横の姿勢である。牽引治具1に搬送する平台車200の全てを挿入後、ストッパ本体53の駆動の指令として、作業者が入力部62を操作する。ステップST21として、入力部62は、ストッパ本体53の駆動の指令としての信号をプロセッサ66に入力する。ステップST22として、プロセッサ66は、入力部62から信号を受信すると、モータ52を制御して、ストッパ本体53を駆動し、ストッパ本体53を横の姿勢から縦の姿勢に移動させる。そして、ステップST23として、プロセッサ66は、ストッパ本体53が縦の姿勢に移動すると、モータ52を停止させて、ストッパ本体53が縦の姿勢で停止させる。また、プロセッサ66は、表示部63を制御し、ストッパ本体53が縦の姿勢であること、換言すると、搬送の準備が整ったことを、表示部63に表示する。例えば、表示部63がLED等である場合には、例えば、プロセッサ66は、LEDを点灯させる。
【0053】
作業者は、表示部63が点灯していることを確認すると、ステップST31として、AGV100に搬送を開始するスタート指令を入力する。スタート指令を受けると、ステップST32として、AGV100は、牽引治具1の自動搬送を開始する。なお、AGV100による牽引治具1の自動搬送において、AGV100は、図9に実線の矢印で示すように、ランドマーク91に沿って移動する。そして、ステップST33として、ポイントC(C1又はC2)において、一定時間停止のランドマーク91により、AGV100は、時間t1だけ一時停止する。
【0054】
なお、図10に示すように、例えば、AGV100が停止したときに、牽引治具1に設けられたセンサ15が磁気を検出する磁気テープ92が、一定時間停止のランドマーク91に隣接して設けられる。このため、AGV100が一定時間停止すると、ステップST24として、センサ15が磁気テープ92の磁気を検出する。
【0055】
プロセッサ66は、センサ15から信号を受信すると、センサ15から信号を受信したときから時間をカウントし、センサ15から信号を受信している時間がメモリ65に記憶された時間t2を経過したか否かを判定する。なお、時間t2が経過する前にセンサ15から信号を受信しなくなった場合には、センサ15による誤検出として、時間t1経過後に搬送を再スタート(再発進)する。センサ15からの信号の受信が時間t2するまで継続する場合には、ステップST25プロセッサ66は、モータ52を制御し、ストッパ本体53を駆動する。そして、プロセッサ66は、モータ52を制御して、時間t3を掛けてストッパ本体53を縦の姿勢から横の姿勢に移動させ、ステップST26として、ストッパ本体53を横の姿勢で停止させる。ストッパ本体53が横の姿勢で停止したときは、センサ15で磁気テープ92を検知した後6秒後(t2+t3)であることから、AGV100は停止中である。
【0056】
そして、時間t1が経過後、ステップST34として、AGV100は、牽引治具1の搬送を再スタートする。このとき、ランドマーク91及び/又はAGV100の機能により、AGV100は、ポイントC(C1又はC2)から直進移動する。そして、ポイントCから直進移動する距離は、少なくとも、ベース11の長さよりも長く設定される。
【0057】
よって、ストッパ本体53が横の姿勢であるベース11が直進移動すると、ステップST12として、平台車200がベース11から切り離されて、ポイントCに平台車200が残り、AGV100及びAGV100に搬送される牽引治具1のみが、ポイントCから移動することになる。このため、ポイントCにおいて、作業者は、ポイントCに残った平台車200を操作して、平台車200を搬送先に搬送する作業だけで良く、ストッパ本体53の操作や、AGV100の発進のための操作を要さない。
【0058】
そして、ステップST35として、AGV100は、ランドマーク91にしたがって、AGVの発地点であるポイントAに移動する。そして、上述したST11以降の流れにより、牽引治具1が連結されたAGV100は、繰り返し搬送品を搬送する。
【0059】
このように構成された牽引治具1によれば、複数の平台車200は、平台車200に設けられた対の突起211a間に配置されたフレーム21、フレーム21の両端に設けられた基部22及び自動ストッパ23によって牽引治具1の走行時に保持される。このため、牽引治具1の走行時の幅は、基部22の幅、平台車200の幅、及び、平台車200に載置された荷物の幅のいずれかが最大幅となる。よって、牽引治具1の走行時の幅を極力小さくすることができることから、走行ルートの走行路の幅が狭い場合であっても、牽引治具1によって複数の平台車200を搬送することができる。
【0060】
また、牽引治具1のベース11は、フレーム21が主構成となるところ、フレーム21の形状を小さくできることから、牽引治具1の重量も低減できる。また、フレーム21の製造に要する材料も少なくて良く、安価に牽引治具1を製造することができる。
【0061】
また、フレーム21に平台車200を配置する作業は、入力部62の操作か、又は、AGV100が所定の位置に移動したことをセンサ15で検出することで、モータ52を駆動し、自動ストッパ23のストッパ本体53を横の姿勢とし、ストッパ本体53の先端からフレーム21へ平台車200を移動させるだけでよく、容易に平台車200をフレーム21に配置することができる。
【0062】
また、所定の台数の平台車200をフレーム21に配置した後に、入力部62を操作することで、モータ52を駆動し、ストッパ本体53を横の姿勢から縦の姿勢へ回転させて、自動ストッパ23を固定するだけで、平台車200をベース11に保持することができる。また、フレーム21から平台車200を取り出す作業は、入力部62の操作か、又は、AGV100が所定の位置に移動したことをセンサ15で検出することで、モータ52を駆動し、ストッパ本体53を縦の姿勢から横の姿勢に回転させて、フレーム21に沿って移動させるだけでよい。また、このとき、平台車200は、牽引治具1をAGV100によって直進移動させるか、又は、作業者が平台車200を操作することで、フレーム21から平台車200を切り離すことができる。
【0063】
このように、牽引治具1は、自動ストッパ23のストッパ本体53を、入力部62の操作、及び、センサ15による所定の位置の検出に基づいてストッパ本体53の駆動源であるモータ52を駆動する構成とした。これにより、牽引治具1は、ストッパ本体53を自動で第1姿勢及び第2姿勢の間で移動させることができるため、ストッパ本体53を作業者が操作して姿勢を変更する必要がなく、高い作業性を有する。
【0064】
これらのように、牽引治具1は、容易に平台車200の配置及び取り出しが可能となり、ストッパ本体53を直接作業者が操作する必要がなく、高い作業性を有する。
【0065】
また、自動ストッパ23は、先細となるように、ボディ51の先端に、傾斜する角部51cを有することで、平台車200の対の突起211a間に、ベース11の先端となるボディ51に平台車200の対の突起211aを挿入し易くなる。よって、牽引治具1は、さらに、容易に平台車200をベース11に配置できる。特に、平台車200の下面に対の突起211aが配置される構成であるところ、作業者は、該突起211aを視認することが困難である。しかしながら、自動ストッパ23のボディ51の角部51cが案内面を構成することで、平台車200のボディ51への挿入性が向上し、結果として、牽引治具1は、高い作業性を有する。
【0066】
また、牽引治具1は、フレーム21の後端に自動ストッパ23を設ける構成であることから、例えば、平台車200の搬送位置において自動ストッパ23を操作してストッパ本体53を横の姿勢とし、その後、AGV100を直進移動させることで、平台車200を搬送位置で自動的に切り離されるため、平台車200を搬送位置に置きながら、AGV100を平台車200の牽引開始位置に移動させることができる。よって、牽引治具1は、台車200の搬送位置において、作業車がベース11から平台車200を取り出す作業を行うことを要さず、高い作業性を有するとともに、平台車200の搬送のサイクルタイムを短くすることができる。
【0067】
上述したように、本実施形態に係る牽引治具1は、自動ストッパ装置2により、ストッパ本体53の姿勢を自動で切り替えることができるので、高い作業性を有する。
【0068】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されない。即ち、牽引治具1は、自動ストッパ装置2を有し、種々の台車を牽引可能であれば、種々の構成に適用できる。以下、他の実施形態の牽引治具1として、複数の例を説明する。なお、各図において、説明の便宜上、自動ストッパ装置2の構成の一部を省略又は簡略化して示す。例えば、上述した例では、牽引治具1が、フレーム21を平台車200の対の突起211aに配置することで、フレーム21、基部22及びストッパ本体53で平台車200の移動を規制する構成したがこれに限定されない。
【0069】
例えば、図11及び図12に示す他の実施形態のように、牽引治具1は、ベース11に選択的に着脱できる、ベース11によって牽引可能な複数の平台車200以外の台車、例えば、カゴ台車300等を搬送できるサブベース81をさらに含む構成であってもよい。例えば、サブベース81は、内部にカゴ台車等の周囲を覆うとともに、一部が開口することで内部にカゴ台車等を配置可能なフレーム81aと、フレーム81aのゲートとなる開口を閉塞し、内部のカゴ台車等と当接する、ゲートを開閉する、ストッパ本体としての可動フレーム81bと、フレーム81aに複数設けられた自在輪等のキャスター81cと、を備える構成とすればよい。
【0070】
また、例えば、サブベース81は、プロセッサ66により制御されるモータ52と、モータ52の駆動により可動フレーム81bを駆動させる伝達機構54とを備える構成としてもよい。
【0071】
即ち、牽引治具1は、上述したような、フレーム21を平台車200の対の突起211aに配置することで、フレーム21、基部22及びストッパ本体53で平台車200の移動を規制する構成以外であっても、自動ストッパ装置2を有する構成であれば、種々の台車200やパレット等を牽引又は搬送できる牽引治具に適用できる。
【0072】
このため、例えば、牽引治具1は、ベース11を有さず、連結部12が設けられた、サブベース81と同様形状のベース81を有し、このベース81の可動フレーム81bをストッパ本体53として自動的に駆動する自動ストッパ装置2を有する構成としてもよい。
【0073】
また、例えば、図13に示すように、自動ストッパ装置2を有する牽引治具1は、ベース11を有さず、ベース81に、二対のキャスター82aと、二対のキャスター82aのうち、前方の対のキャスター82aである前輪82Aと二対のキャスター82aのうち、後方の対のキャスター82aである後輪82Bとの向きをリンクさせるリンク部82bと、を有する4WS機構部82を設ける構成としてもよい。
【0074】
また、自動ストッパ装置2を有する牽引治具1は、図14に示すように、ベース81に、高さを変えることができるとともに、高さを変えることで、高さの異なる平台車200及びカゴ台車300に選択的に当接可能な可動体81dを有する構成としてもよい。
【0075】
また、自動ストッパ装置2を有する牽引治具1は、図14に示すように、自動ストッパ23を、ベース81(牽引治具1)の後方ではなく、側方の一部に設ける構成としてもよい。また、自動ストッパ23は、縦の姿勢及び横の姿勢ではなく、スライド移動することで、フレーム81aの開口を開閉する構成としてもよい。
【0076】
また、牽引治具1は、平台車200やカゴ台車300等を複数搬送できる構成を説明したがこれに限定されず、図15に示すように、1台の台車200を搬送できる構成であってもよい。また、このような牽引治具1は、AGV100の上面に設けられ、牽引治具1が平台車200や棚台車等を牽引する構成であってもよい。
【0077】
即ち、牽引治具1は、自動ストッパ装置2を駆動することで、牽引する台車の移動を規制可能に、ストッパ本体53(可動フレーム81b)を移動できれば、種々の構成を適用することができる。また、自動ストッパ装置2の構成のうち、制御装置16の機能構成を、牽引治具1が有するのではなく、AGV100が制御装置16の機能構成を有する構成としてもよい。
【0078】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0079】
1…牽引治具、2…自動ストッパ装置、11…ベース、12…連結部、13…キャスター、14…バッテリ、15…センサ、16…制御装置、21…フレーム、21a…シャフト、22…基部、22a…第1緩衝材、22b…縦フレーム、22c…第2緩衝材、22d…第3緩衝材、23…自動ストッパ、31…取付部、32…固定部、51…ボディ、51a…締結部材、51b…取付座、51c…角部、52…モータ、53…ストッパ本体、53a…第4緩衝材、54…伝達機構、61…筐体、62…入力部、63…表示部、64…インターフェース(I/F)、65…メモリ、66…プロセッサ、81…ベース、サブベース、81a…フレーム、81b…可動フレーム、81c…キャスター、81d…可動体、82…4WS機構部、82a…キャスター、82A…前輪、82b…リンク部、82B…後輪、91…ランドマーク(誘導部)、92…磁気テープ、100…搬送車(AGV)、100a…被連結部、200…平台車、200…台車、211…荷台、211a…突起、212…キャスター、300…カゴ台車。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15