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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031645
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】書籍類の切出し装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 59/08 20060101AFI20240229BHJP
   B65G 47/06 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B65G59/08
B65G47/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135320
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】392024909
【氏名又は名称】ホクショー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹本 順一
【テーマコード(参考)】
3F080
【Fターム(参考)】
3F080AA19
3F080BA05
3F080CD09
3F080DB06
(57)【要約】
【課題】真空装置を使用する必要がないうえに、書籍類を傷めることもなく切り出しが行えるようになる書籍類の切出し装置を提供する。
【解決手段】積み重ねられた書籍Bを後工程ラインとなる搬送コンベヤ4へ供給するための書籍類の切出し装置1である。
そして、書籍を載せる受台部21と、受台部を昇降させる昇降シリンダ22と、受台部を傾斜させる角度調整部3とを備えている。ここで、受台部の搬送コンベヤ側には前方受板211が設けられていて、前方受板の上縁から搬送コンベヤに向けて案内プレート23が張り出されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積み重ねられた書籍類を後工程ラインへ供給するための書籍類の切出し装置であって、
前記書籍類を載せる受台部と、
前記受台部を昇降させる昇降手段部と、
前記受台部を傾斜させる角度調整部とを備えたことを特徴とする書籍類の切出し装置。
【請求項2】
前記受台部の前記後工程ライン側には前方受板が設けられていて、
前記前方受板の上縁から前記後工程ラインに向けて案内プレートが張り出されていることを特徴とする請求項1に記載の書籍類の切出し装置。
【請求項3】
前記案内プレートの前記前方受板側の縁部には、前記書籍類を前記後工程ラインへ供給する際には収納される切出しピンが設けられていることを特徴とする請求項2に記載の書籍類の切出し装置。
【請求項4】
前記切出しピンの前記書籍類が接触する当接面が平面に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の書籍類の切出し装置。
【請求項5】
前記案内プレートの上面は、低摩擦材によって形成されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の書籍類の切出し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積み重ねられた図書や雑誌などの書籍類を後工程ラインへ供給するための書籍類の切出し装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1,2に開示されているように、書籍類の発送、集荷作業などのために、選別仕分けラインなどの後工程ラインに書籍類を自動的に切出す装置が知られている。例えば特許文献1に開示されている切出し装置では、積載部に載置した書籍類の最上部の書籍類が、切出部の吸引パッドの作動位置まで上昇し、書籍類を1冊ずつ吸引パッドによって吸着することで切り出しが行われる。
【0003】
一方、特許文献2に開示された切出し装置では、ベルトコンベヤを長手搬送方向と幅方向の一側に向けてそれぞれ傾斜させて3次元の傾斜面を形成し、3次元の傾斜面の下端側表面上にそれぞれ受板を立てて書籍整頓部を設ける。そして、その書籍整頓部に積み重ねられた書籍類の最下位の書籍のみを、ベルトコンベヤに設けられた吸着孔による吸着によって1冊ずつ切り出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8-91575号公報
【特許文献2】特開平8-91577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、吸着に必要となる真空装置は真空状態を保つのが難しく、吸着を確実に行わせるためには、吸引力を大きめに設定することになる。吸着は書籍の表面を傷めるおそれがあり、吸引力が大きくなると、損傷する可能性も高くなる。
【0006】
そこで、本発明は、真空装置を使用する必要がないうえに、書籍類を傷めることもなく切り出しが行えるようになる書籍類の切出し装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の書籍類の切出し装置は、積み重ねられた書籍類を後工程ラインへ供給するための書籍類の切出し装置であって、前記書籍類を載せる受台部と、前記受台部を昇降させる昇降手段部と、前記受台部を傾斜させる角度調整部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
ここで、前記受台部の前記後工程ライン側には前方受板が設けられていて、前記前方受板の上縁から前記後工程ラインに向けて案内プレートが張り出されている構成とすることができる。
【0009】
また、前記案内プレートの前記前方受板側の縁部には、前記書籍類を前記後工程ラインへ供給する際には収納される切出しピンが設けられている構成とすることができる。さらに、前記切出しピンの前記書籍類が接触する当接面が平面に形成されているのが好ましい。そして、前記案内プレートの上面は、低摩擦材によって形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
このように構成された本発明の書籍類の切出し装置は、書籍類を載せる受台部が昇降手段部によって昇降可能なうえに、受台部を所定の角度に傾斜させる角度調整部を備えている。
【0011】
このため、重力を利用して最上部の書籍類から切り出していくことができ、真空装置を使用する必要がないうえに、吸着などによって書籍類を傷めることもなく切り出しを行うことが可能になる。
【0012】
また、受台部上から切り出された書籍類を後工程ラインに向けて案内する案内プレートが設けられていれば、後工程ラインへの供給を、確実かつスムーズに行うことができるようになる。
【0013】
さらに、案内プレートの縁部に上下動が可能な切出しピンが設けられていれば、切り出される書籍類を1冊ずつ適切なタイミングで、後工程ラインへ供給することができる。また、切出しピンの書籍類が接触する当接面が平面に形成されていれば、接触した書籍類を損傷させることもない。そして、案内プレートの上面が低摩擦材によって形成されていれば、書籍類を滑らかに送り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施の形態の書籍類の切出し装置の構成を示した説明図である。
図2】本実施の形態の書籍類の切出し装置を供給コンベヤ側から見た斜視図である。
図3】本実施の形態の書籍類の切出し装置の動作を説明する側面図である。
図4】切出しピンの構成を示した説明図である。
図5】本実施の形態の書籍類の切出し装置の構成を説明する平面図である。
図6】本実施の形態の書籍類の切出し装置を搬送コンベヤ側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1図6は、本実施の形態の書籍類の切出し装置1の構成を説明するための図である。
【0016】
本実施の形態の書籍類の切出し装置1は、図書や雑誌などの書籍類である書籍Bを、後工程ラインとなる選別仕分けラインなどに供給するための装置である。出版社や図書館や書店などにおいては、書籍Bの発送作業や集荷作業などのために、書籍Bを搬送コンベヤ4などに対して自動的に切り出す作業が行われる。
【0017】
本実施の形態の書籍類の切出し装置1は、積み重ねられた書籍Bを、仕分けなどの後工程ラインに、1冊ずつ切り出すための装置である。すなわち本実施の形態の書籍類の切出し装置1は、書籍類を載せる受台部21と、受台部21を昇降させる昇降手段部(22)と、受台部21の角度を昇降手段部ごと旋回させる角度調整部3とを備えている。
【0018】
切出し装置1は、図1,2に示すように、書籍Bを供給する供給コンベヤ5と、後工程ラインとなる搬送コンベヤ4との間に配置され、供給コンベヤ5から受け取った積み重ねられた複数冊の書籍Bを、1冊ずつ搬送コンベヤ4に送り出す。図1,2には、供給コンベヤ5と搬送コンベヤ4との間に、2台の切出し装置1が配置された例を示している。
【0019】
2台の切出し装置1は、図2に示すように、一方が搬送コンベヤ4に書籍Bを切り出している間に、他方が供給コンベヤ5から書籍Bを受け取るというように、効率的に書籍Bの切り出しが行える配置となっている。
【0020】
切出し装置1の昇降機2は、図1に示すように、積み重ねられた書籍Bを載せる受台部21と、受台部21を昇降させる昇降手段部となる昇降シリンダ22とによって主に構成される。
【0021】
受台部21は、例えば複数のローラを並列に並べたローラコンベヤのように形成することができる。ローラコンベヤの搬送方向と供給コンベヤ5の搬送方向とを一致させておくことで、供給コンベヤ5から受台部21に送り込まれた書籍Bを、受台部21の奥までそのまま移動させることができる。
【0022】
一方、受台部21の周縁には、積載された書籍Bを揃えるとともに、落下を防ぐための受板(211,212)が設けられる。詳細には、図2図3に示すように、供給コンベヤ5に向けた開口とは反対側の縁部に沿って設けられる側方受板212と、搬送コンベヤ4側に設けられる前方受板211とを備えている。
【0023】
供給コンベヤ5から受台部21上に送り込まれた積み重ねられた書籍Bは、ローラコンベヤである受台部21上を移動して、側方受板212に縁が当たることで揃えられる。また、角度調整部3によって受台部21が搬送コンベヤ4側に傾けられた際には、書籍Bの縁が前方受板211に当たって揃えられるとともに、書籍Bの落下も防止される。
【0024】
受台部21は、図1図3に示すように、昇降シリンダ22の伸縮によって上昇又は下降する。昇降シリンダ22は、すべりねじを回転駆動させることでピストンロッドの伸縮を行う電動式であり、伸縮長さの停止精度が高く、微調整も可能である。また、油圧シリンダのように油漏れの心配もない。
【0025】
受台部21に積載した書籍Bを搬送コンベヤ4に切り出す際には、1冊ずつ書籍Bが切り出されるのに併せて昇降シリンダ22が伸長し、受台部21が上昇することになる。このため、昇降シリンダ22の停止精度を向上させ、微調整ができるようにするためには、電動式の昇降シリンダ22を使用するのが好ましい。
【0026】
一方、供給コンベヤ5に隣接する位置に移動して書籍Bを受け取る際には、昇降シリンダ22を収縮させて、受台部21の上面と供給コンベヤ5の上面との位置を、ほぼ同じ高さにする。
【0027】
角度調整部3は、電動式の旋回モータ31を備えていて、図3に示すように、昇降機2を旋回モータ31の回転によって所定の角度θに傾けて、その姿勢で固定させることができる。すなわち角度調整部3によって昇降シリンダ22ごと旋回させることで、受台部21を所定の角度に傾斜させることができる。
【0028】
角度調整部3によって昇降機2を傾ける角度θは、例えば昇降機2が鉛直姿勢となる0°から搬送コンベヤ4側に40°から45°程度傾斜する角度まで、任意の角度に設定することができる。要するに電動式の旋回モータ31によって昇降機2の傾斜角度を可変にしているので、書籍Bの種類に合わせて受台部21の傾斜する角度を微調整することが容易にできる。
【0029】
書籍Bの表面は、表紙の種類、カバーの有無、ビニール袋などに封入されているか否かなどによって摩擦係数が異なる。特にビニール袋に封入された書籍B同士は、静電気などによって付着することがあり、滑りに対する抵抗が大きくなることがある。
【0030】
本実施の形態の切出し装置1は、受台部21を傾斜させた際に書籍Bの自重によって生じる重力による滑り力を利用するので、書籍Bの重量や対向する面との間の摩擦抵抗の大きさによって、必要となる受台部21を傾斜させる角度が変わってくる。このため、書籍Bの種類や大きさなどに合わせて、受台部21の傾斜角度を適切な角度に調整できるように、角度調整部3を設ける。
【0031】
一方、前方受板211の上縁には、搬送コンベヤ4に向けて案内プレート23が張り出されている。案内プレート23は、前方受板211に対して、ほぼ直角となるように設けられる。受台部21から切り出される書籍Bは、1冊ずつ案内プレート23の上面を滑り落ちて搬送コンベヤ4に向けて排出されることになる。
【0032】
案内プレート23の前方受板211側の縁部には、突出と収納の切り替えが可能な切出しピン24が設けられる。例えば図3に示すように、切出しピン24に隣接して書籍Bの感知センサ25を取り付けておき、書籍Bの有無に応じて切出しピン24を上下動させる。
【0033】
例えば、切出しピン24を突出した状態で停止させておき、感知センサ25が書籍Bを検知した際には、切出しピン24を下げて案内プレート23の下方に収容させる。そして、書籍Bの全体が切出しピン24上を通過する程度の時間が経過した後に、切出しピン24を上げて案内プレート23から突出した状態に戻す。
【0034】
切出しピン24は、図4に示すように、円柱状の棒材によって形成することができる。切出しピン24の円柱状の基部242の上方には、書籍Bを接触させる当接面241が形成される。
【0035】
当接面241が形成される切出しピン24の上部は、例えば優弧の両端を直線で繋いだ断面や半円断面となる。受台部21上から滑り出てきた書籍Bの縁は、平面に形成された当接面241に当たって一旦停止する。当接面241のように接触面が広い平面に形成されていれば、移動してきた書籍Bの側面に作用する力を分散させることができるので、書籍Bの損傷を防ぐことができるようになる。
【0036】
こうした切出しピン24は、図5に示すように、案内プレート23の幅方向に間隔を置いて複数が設けられる。図5では、上方の切出し装置1の案内プレート23には収納された状態の切出しピン24を図示し、下方の切出し装置1の案内プレート23には突出した状態の切出しピン24を図示している(図2も併せて参照)。
【0037】
さらに、案内プレート23の上面には、低摩擦材によって被覆層231が形成されている。被覆層231は、その上面を滑りながら通過する書籍Bとの摩擦抵抗を低減させるために設けられる。
【0038】
被覆層231を形成するための低摩擦材としては、超高分子量ポリエチレン(UHMW-PE)などの特殊樹脂を使用することができる。低摩擦材によって被覆層231の摩擦係数を低くすることで、案内プレート23上の書籍Bをスムーズに搬送することができるようになる。
【0039】
次に、本実施の形態の書籍類の切出し装置1を使用した書籍Bの切り出し作業について、図6を参照しながら説明する。
【0040】
出版社や書店などの倉庫などでは、入ってきた書籍Bを仕分けして送り出す発送作業や集荷作業などが行われる。ここで、入ってきた書籍Bは、ベルト式の供給コンベヤ5に積み重ねて載せられ、切出し装置1に向けて搬送される。
【0041】
供給コンベヤ5の端には、受台部21が空になった切出し装置1が待機しており、ベルト式の供給コンベヤ5によって安定して運ばれてきた積み重ねられた複数の書籍Bが、同じ高さの位置で待機している昇降機2の受台部21に送り込まれる。
【0042】
受台部21に送り込まれた書籍Bは、ローラコンベヤ上を滑って移動し、側方受板212に側面が当たって揃えられる(図6の左側の切出し装置1参照)。そして、昇降機2は鉛直姿勢のままで、切出し装置1が搬送コンベヤ4に向けて移動する。
【0043】
搬送コンベヤ4との位置関係が所定の距離になったときに、切出し装置1は停止して、角度調整部3の旋回モータ31が動作することで、受台部21が昇降機2ごと設定された角度θに傾く。このとき、受台部21上の書籍Bは、受台部21の傾斜によって前方受板211側に移動して揃えられる。
【0044】
続いて、昇降シリンダ22が伸長して、受台部21が上昇する。受台部21が、積み重ねられた書籍Bの最上部の書籍Bの厚さ程度上昇すると、最上部の書籍Bが重力によって滑り出して案内プレート23に向けて移動する。
【0045】
案内プレート23に差し掛かった書籍Bは、縁部に突出した切出しピン24に当たって止まった状態になる(図4参照)。この状態は、感知センサ25(図3参照)によって検知されて、昇降シリンダ22の伸長が停止するとともに、切出しピン24が下がって、案内プレート23の下方に収納される。
【0046】
切出しピン24が下がると、書籍Bの移動を制限するものがなくなるため、書籍Bは低摩擦材によって形成された被覆層231の上をスムーズに滑り落ちる(図6の右側の切出し装置1参照)。
【0047】
案内プレート23を滑り落ちて搬送コンベヤ4に書籍Bが切り出されると、設定された時間の経過によって再び切出しピン24が案内プレート23上に突出し、昇降シリンダ22の伸長も再開される。
【0048】
こうした1冊ずつの搬送コンベヤ4に向けた書籍Bの切り出しは、受台部21に積み重ねられた書籍Bのすべてが搬送コンベヤ4に送り出されるまで、繰り返される。また、最上部の書籍Bが案内プレート23に向けて滑り落ちない場合は、旋回モータ31を動作させて角度θを大きくする調整を行うことができる。
【0049】
こうして受台部21が空になった切出し装置1では、受台部21が下降するとともに、昇降機2が鉛直姿勢(角度θ=0°)となるように角度調整部3による旋回が行われる。その後、切出し装置1は供給コンベヤ5の端まで移動して、再び供給コンベヤ5から積み重ねられた書籍Bを受け取ることになる。
【0050】
次に、本実施の形態の書籍類の切出し装置1の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態の書籍類の切出し装置1は、書籍Bを載せる受台部21が昇降シリンダ22によって昇降可能なうえに、受台部21を昇降シリンダ22ごと傾斜させる角度調整部3を備えている。
【0051】
このため、重力を利用して最上部の書籍Bから切り出していくことができ、真空装置を使用する必要がないうえに、吸着などによって書籍Bを傷めることもなく切り出しを行うことができる。
【0052】
また、受台部21上から切り出された書籍Bを後工程ラインとなる搬送コンベヤ4に向けて案内する案内プレート23が設けられていれば、搬送コンベヤ4への供給を、確実かつスムーズに行うことができるようになる。
【0053】
さらに、案内プレート23の縁部に上下動が可能な切出しピン24が設けられていれば、切り出される書籍Bを1冊ずつ適切なタイミングで、搬送コンベヤ4へ供給することができる。
【0054】
また、切出しピン24の書籍Bの側面が接触する当接面241が平面に形成されていれば、接触した書籍Bを損傷させることもない。そして、案内プレート23の上面が低摩擦材によって形成された被覆層231となっていれば、書籍Bを滑らかに送り出すことができる。
【0055】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0056】
例えば、前記実施の形態では、昇降手段部として電動式の昇降シリンダ22を使用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、油圧シリンダを昇降手段部として使用することもできる。
【0057】
また、前記実施の形態では、電動式の旋回モータ31が組み込まれた角度調整部3を使用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、昇降機2の角度θを多段階で切り替えられるのであれば、例えば機械式の角度調整部であってもよい。
【0058】
さらに、前記実施の形態では、感知センサ25の検知によって下降する切出しピン24の構成について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば設定された時間間隔で上下動する切出しピンであってもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 :切出し装置
21 :受台部
211 :前方受板
22 :昇降シリンダ(昇降手段部)
23 :案内プレート
231 :被覆層
24 :切出しピン
241 :当接面
3 :角度調整部
4 :搬送コンベヤ(後工程ライン)
B :書籍(書籍類)
図1
図2
図3
図4
図5
図6