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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031686
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】建物
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/02 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
E04H1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135389
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】303046244
【氏名又は名称】旭化成ホームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】山崎 敬介
【テーマコード(参考)】
2E025
【Fターム(参考)】
2E025AA25
2E025AA26
(57)【要約】
【課題】収納室と、駐車空間を含む他の空間との間のアクセス性を高めることができる建物を提供する。
【解決手段】本開示に係る建物100は、居室50と、荷物を収納する収納室20と、自動車を駐車する駐車空間10と、居室50及び階段40と収納室20とを接続する廊下30と、駐車空間10と廊下30との間、又は駐車空間10と収納室20との間に設けられた第1出入口扉12と、収納室20と外部空間の間に設けられた第2出入口扉22と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
居室と、
荷物を収納する収納室と、
自動車を駐車する駐車空間と、
前記居室若しくは階段の少なくとも一方と、前記収納室とを接続する廊下と、
前記駐車空間と前記廊下との間、又は前記駐車空間と前記収納室との間に設けられた第1出入口扉と、
前記収納室と外部空間の間に設けられた第2出入口扉と、
を備える、建物。
【請求項2】
前記第2出入口扉は、外部空間側から解錠可能である、請求項1に記載の建物。
【請求項3】
前記駐車空間と前記廊下との間に前記第1出入口扉が設けられている、請求項1又は2に記載の建物。
【請求項4】
前記廊下は、前記第1出入口扉とは異なる主出入口扉と接続されている、請求項1又は2に記載の建物。
【請求項5】
前記廊下における前記駐車空間に近接した位置に手洗所が設けられている、請求項4に記載の建物。
【請求項6】
前記手洗所は、前記主出入口扉から視認できない位置に配置されている、請求項5に記載の建物。
【請求項7】
前記収納室の鍵制御を行うスマートクロークシステムをさらに備え、
前記スマートクロークシステムの制御装置は、前記第2出入口扉の施錠及び解錠を行う、請求項1又は2に記載の建物。
【請求項8】
前記スマートクロークシステムの前記制御装置は、前記第2出入口扉の解錠を行うとき、前記収納室と前記廊下との間に設けられた第3出入口扉の施錠を行う、請求項7に記載の建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、駐車空間との間で荷物を出し入れし易い建物が提案されている。例えば、特許文献1には、駐車空間の床面よりも高く設けられるテラス部と、テラス部の上面よりも高い位置で荷物を載置可能な棚部と、を備える駐車空間の配置構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014- 80813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示された構成では、駐車空間と居住空間6の間でしか荷物の出し入れを行うことができず、荷物へのアクセスのし易さの点で未だ改善の余地があった。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、収納室と、駐車空間を含む他の空間との間のアクセス性を高めることができる建物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の建物は、
[1]
居室と、
荷物を収納する収納室と、
自動車を駐車する駐車空間と、
前記居室若しくは階段の少なくとも一方と、前記収納室とを接続する廊下と、
前記駐車空間と前記廊下との間、又は前記駐車空間と前記収納室との間に設けられた第1出入口扉と、
前記収納室と外部空間の間に設けられた第2出入口扉と、
を備えることを特徴とするものである。
【0007】
また、本開示の建物は、
[2]
上記[1]に記載の構成において、前記第2出入口扉は、外部空間側から解錠可能であることが好ましい。
【0008】
また、本開示の建物は、
[3]
上記[1]又は[2]に記載の構成において、前記駐車空間と前記廊下との間に前記第1出入口扉が設けられていることが好ましい。
【0009】
また、本開示の建物は、
[4]
上記[1]から[3]のいずれかに記載の構成において、前記廊下は、前記第1出入口扉とは異なる主出入口扉と接続されていることが好ましい。
【0010】
また、本開示の建物は、
[5]
上記[1]から[4]のいずれかに記載の構成において、前記廊下における前記駐車空間に近接した位置に手洗所が設けられていることが好ましい。
【0011】
また、本開示の建物は、
[6]
上記[5]に記載の構成において、前記手洗所は、前記主出入口扉から視認できない位置に配置されていることが好ましい。
【0012】
また、本開示の建物は、
[7]
上記[1]から[6]のいずれかに記載の構成において、前記収納室の鍵制御を行うスマートクロークシステムをさらに備え、前記スマートクロークシステムの制御装置は、前記第2出入口扉の施錠及び解錠を行うことが好ましい。
【0013】
また、本開示の建物は、
[8]
上記[7]に記載の構成において、前記スマートクロークシステムの前記制御装置は、前記第2出入口扉の解錠を行うとき、前記収納室と前記廊下との間に設けられた第3出入口扉の施錠を行うことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、収納室と、駐車空間を含む他の空間との間のアクセス性を高めることができる建物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の一実施形態に係る建物の構成を示す平面図である。
図2図1における収納室部分の拡大図である。
図3】本開示の一実施形態に係る建物が備えるスマートクロークシステムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本開示をより具体的に説明する。
【0017】
図1は、本開示の一実施形態に係る建物100の一階部分の構成を示している。本開示にかかる建物100は、例えば鉄骨造の軸組みを有する2階建ての工業化住宅等である。
【0018】
なお、本明細書、特許請求の範囲、又は図面において、単に「外側」と記載した場合には、建物100の外周壁2の外側を意味するものとし、「内側」はその逆側を意味するものとする。また、図1において階段40から主出入口扉34(玄関扉)に向かう方向を前方向、主出入口扉34から階段40に向かう方向を後方向とする。
【0019】
建物100は、地盤に固定された鉄筋コンクリート造の基礎構造と、柱部材や梁部材などの軸組部材で構成された軸組架構等を有し基礎構造に固定された上部構造体と、で構成されている。なお、軸組架構を構成する軸組部材は、規格化(標準化)されたものであり、予め工場にて製造された後に施工現場に搬入されて組み立てられる。
【0020】
基礎構造は、軸組架構の下方に位置し、軸組架構を支持している。具体的に、基礎構造は、鉄筋コンクリート造の外周基礎梁及びフーチングを備えている。基礎構造は、地盤に埋設されており、フーチングの底面に当接して配置される杭体をさらに備えていてもよい。また、外周基礎梁の上端部には、露出型固定柱脚工法により軸組架構の柱部材の柱脚を固定するための柱脚固定部が設けられ、アンカーボルトが外周基礎梁の上面から突出している。基礎構造は、上部構造体の軸組架構からの鉛直荷重を地盤に分散して伝達する機能に加えて、上部構造体における外装部材や床部材を支持する機能を有している。
【0021】
外周基礎梁は、鉄筋コンクリート造であり、上部構造体の下方に位置し、上部構造体を支持している。また、外周基礎梁の下方には、外周基礎梁と一体で形成された、建物100の荷重を地盤に伝える鉄筋コンクリート造のフーチングが設けられている。
【0022】
上部構造体は、複数の柱部材及び柱部材間に架設された複数の梁部材から構成される軸組架構と、この軸組架構の外周部に配置される外周壁2と、階間に位置し階層間を上階屋内空間と下階屋内空間とに隔てる天井材と、室内空間と隣接する他の室内空間とを区画する間仕切壁と、を備えている。
【0023】
外周壁2は、壁版(外壁部材)と、断熱部材と、内装部材と、を含んでいる。壁版は、例えば、軽量気泡コンクリート(以下、「ALC」と記載する。「ALC」とは「autoclaved light weight concrete」の略である。)のパネルにより構成することができ、軸組架構の周囲にALCパネルを複数連接させることにより、外周壁2の外層を形成することができる。断熱部材は、例えば、フェノールフォーム、ポリスチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡樹脂系の材料で形成することができる。内装部材は、例えば仕切り部材であり、石膏ボード等の部材で形成することができる。
【0024】
次に、建物100の構成について以下に詳細に説明する。
【0025】
図1に示すように、本実施形態に係る建物100は、居室50と、後述するスマートクロークとして設けられ荷物を収納する収納室20と、ビルトインガレージとして設けられ自動車を駐車する駐車空間10と、居室50及び階段40と、収納室20とを接続する廊下30と、駐車空間10と廊下30との間に設けられた第1出入口扉12と、収納室20と外部空間の間に設けられた第2出入口扉22と、を備えている。建物100は、また、階段40の前方正面に主出入口扉34(玄関)を備えており、主出入口扉34は、図1に示すように廊下30と接続されている。建物100は、更に収納室20の後方かつ階段40の右方に第2居室60を備えるとともに、居室50の後方に第3居室70を備えている。
【0026】
図1は、本実施形態にかかる建物100の1階部分を図示しており、廊下30と接続された階段40を通じて2階にアクセスすることができる。
【0027】
本実施形態において、居室50はリビングダイニングルームであり、主出入口扉34から入った来客を廊下30を通って左側の居室扉52から居室50内に迎え入れることができる。主出入口扉34は、玄関のたたき34aを介して廊下30と接続されているが、本願明細書では、この玄関のたたき34a部分も主出入口扉34(玄関)の一部に含まれるものとし、主出入口扉34は廊下30に接続されていると解釈する。
【0028】
主出入口扉34の右側には、仕切壁を介して駐車空間10が設けられている。本実施形態において、駐車空間10は建物100の外周壁2によって区画形成されており、ビルトインガレージとして設けられている。駐車空間10は、前部が電動シャッター14によって外部空間と仕切られており、後部には主出入口扉34とは異なる第1出入口扉12(サブ玄関)が設けられている。また、駐車空間10の後方かつ第1出入口扉12の右方には、後述するスマートクロークの構成を備えた収納室20が設けられている。
【0029】
本実施形態において、第1出入口扉12はサブ玄関のたたき12aを介して廊下30と接続されている。第1出入口扉12についても、主出入口扉34と同様に、サブ玄関のたたき12a部分も第1出入口扉12(サブ玄関)の一部に含まれるものとし、第1出入口扉12は廊下30に接続されていると解釈する。
【0030】
本実施形態では、駐車空間10の後方に第1出入口扉12を設け、駐車空間10から第1出入口扉12及び廊下30経由で各居室50,60,70及び収納室20に出入りすることができる。居室50,第2居室60及び第3居室70は、それぞれ廊下30から居室扉52,62,72を通って出入り可能である。収納室20は、廊下30から第3出入口扉24を通って出入り可能である。この構成によって、自動車を利用する際に各居室50,60,70から廊下30及び第1出入口扉12を経由して駐車空間10にスムーズにアクセスすることができる。また、収納室20と、駐車空間10、外部空間及び各居室50,60,70との間の荷物の出し入れを容易に行うことができる。
【0031】
また、本実施形態では、第1出入口扉12に近接した廊下30の左側に手洗所32が設けられている。手洗所32は駐車空間10にも近接している。この構成によって、駐車空間10で作業した際の汚れや、ウィルスを各居室50,60,70内に持ち込みにくくすることができる。また、手洗所32は、図1に示すように主出入口扉34から直接視認できない位置に配置されているため、汚れを除去する作業など来客に認識されたくない場面を視認されにくくすることができる。廊下30を挟んで手洗所32の斜め向かいにはトイレ室36が配置されている。
【0032】
なお、本実施形態では、駐車空間10と廊下30との間に第1出入口扉12が設けられるように構成したが、この態様には限定されず、駐車空間10と収納室20との間に第1出入口扉12が設けられていてもよい。この構成によっても、第1出入口扉12及び収納室20経由で廊下30から各居室50,60,70に出入りすることができる。また、自動車を利用する際に各居室50,60,70から廊下30、収納室20及び第1出入口扉12経由でスムーズにアクセスできる。また、収納室20と自動車との間の荷物の出し入れを容易に行うことができる。
【0033】
本実施形態において、収納室20は、建物100の居住者の利便性を向上させつつ収納室20を介した建物100外から建物100内への人の侵入を抑制することができるスマートクロークである。
【0034】
収納室20は、図2に示すように、室内が収納箱B1として機能し、棚部20sと、外部空間との出入りを可能にする第2出入口扉22と、廊下30との出入りを可能にする第3出入口扉24とを備えている。
【0035】
棚部20sは、例えば宅配物の配達者が第2出入口扉22から出入りして荷物を収納箱B1の棚部20sに収納する。一方、居住者は、各居室50,60,70、又は駐車空間10から第3出入口扉24経由で収納室20内に入り、棚部20sに収容された荷物を運び出したり、棚部20sに荷物を収容することができる。棚部20sは、あらかじめ収納室20の収納箱B1内に備え付けられていてもよいし、居住者が、居住後に棚部20sを収納箱B1内に設置してもよい。
【0036】
収納室20は、配達者等が土足で立ち入ることができる土足領域20bと、居住者が立ち入る土足禁止領域20aとを備えている。この場合、土足領域20bと土足禁止領域20aとで床面の仕上げ材を異ならせてもよい。この構成によって、居住者は各居室50,60,70からさらに収納室20内の荷物にアクセスし易くすることができる。
【0037】
なお、収納室20内を収納箱B1で左右に区画し、配達者は収納箱B1の第2出入口扉22側(図2の右側)のみに出入り可能とし、居住者は、収納箱B1の第3出入口扉24側(図2の左側)から収納箱B1内の荷物にアクセスするようにしてもよい。
【0038】
本実施形態において、第2出入口扉22及び第3出入口扉24は、それぞれ第1電子錠K1及び第2電子錠K2を備えている。第2出入口扉22は、収納箱B1内と建物100の外側を繋いでおり、第3出入口扉24は、収納箱B1内と建物100の廊下30とを繋いでいる。
【0039】
スマートクロークである収納室20を含むスマートクロークシステム200は、図3に示すように、制御装置111と、情報処理装置112と、携帯端末113と、収納箱B1を含む収納室20とを備えており、収納室20の鍵制御を行うように構成されている。
【0040】
制御装置111は、第2出入口扉22に設けた第1電子錠K1を制御し、第2出入口扉22の施錠又は解錠を行う。同様に制御装置111は、第3出入口扉24に設けた第2電子錠K2を制御し、第3出入口扉24の施錠又は解錠を行う。
【0041】
収納箱B1内には、撮像部C1が備えられている。撮像部C1は、無線又は有線による通信により制御装置111と通信可能に接続されている。撮像部C1は、制御装置111からの要求に応じて、撮像部C1による撮像画像の撮像を開始する。そして、撮像部C1は、撮像した撮像画像を制御装置111に送信する。なお、収納箱B1は、撮像部C1を備えない構成であってもよい。
【0042】
制御装置111は、図3に示すスマートクロークシステム200の全体を制御する。制御装置111は、例えばCPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサー111Cでソフトウエアを実行させることによって実現することができる。また、制御装置111は、記憶部111Aと、通信部111Bを備えている。
【0043】
制御装置111が備えるプロセッサー111Cは、記憶部111Aに格納された各種のプログラムを実行する。
【0044】
記憶部111Aは、例えば、EPROM、EEPROM若しくはフラッシュメモリ等の書換え可能でプログラム可能なROM若しくは情報を格納可能な磁気ディスク記憶媒体や光ディスク記憶媒体など、他の有形の記憶媒体又はこれらいずれかの組合せが含まれる。なお、記憶部111Aは、制御装置111内に設けられていてもよいし、制御装置111と接続可能な外部記憶装置内の記憶媒体であってもよい。記憶部111Aは、制御装置111が処理する各種の情報、各種の画像、各種のプログラム等を格納する。
【0045】
通信部111Bは、例えばUSB(Universal Serious Bus)又はEthernet(登録商標)などの有線通信や、Bluetooth(登録商標)又はWiFi(登録商標)などの無線通信に対応した通信装置等で構成される。
【0046】
なお、制御装置111が備えるプロセッサー111Cは、CPUやDSP等に代えて、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等によってハードウエア処理を行うことによって実現するように構成してもよい。
【0047】
制御装置111は、情報処理装置112を介して居住者から受け付けた操作に応じて、第2出入口扉22の施錠又は第2出入口扉22の解錠を第1電子錠K1に行わせる。また、制御装置111は、無線又は有線による通信によって情報処理装置112を介して居住者から当該操作を受け付ける。
【0048】
また、制御装置111は、第2出入口扉22の解錠を第1電子錠K1に行わせる場合、第3出入口扉24の施錠を第2電子錠K2に行わせる。これにより、制御装置111は、収納箱B1を介した建物100外から建物100内への不審者等の侵入を抑制することができる。例えば、第3出入口扉24が開いている場合において、配達者が来て第2出入口扉22を解錠しようとした場合、居住者の安全確保のために第2出入口扉22を解錠できないように制御することができる。なお、収納室20は、配達者に対して第3出入口扉24が開いていることを示す情報を表示する表示部が設けられている構成であってもよく、配達者が保有する携帯端末113に当該情報を通知する構成であってもよい。
【0049】
情報処理装置112は、居住者が所有する情報処理装置である。情報処理装置112は、例えば、ノートPC(Personal Computer)、デスクトップPC、タブレットPC、多機能携帯電話端末(スマートフォン)、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)等であるが、これらに限定されるものではない。本実施形態において、情報処理装置112は、ノートPCである。
【0050】
情報処理装置112には、例えばスマートクロークシステム200に関する処理を行う専用のアプリケーションプログラムがインストールされている。この場合、居住者は、アプリケーションプログラムが実行されることによって情報処理装置112のディスプレイに表示される各種の画面のうちの操作画面を介して、制御装置111を操作することができる。ここで、操作画面は、制御装置111に各種の処理を行わせる操作を受け付ける画面である。例えば、居住者は、操作画面を介して、制御装置111に情報処理装置112のディスプレイへの撮像画像の表示を行わせることができる。また、居住者は、例えば操作画面を介して、居住者が所望する宅配物の配達の発注を、制御装置111に行わせることができる。
【0051】
携帯端末113は、例えば、宅配物を配達する配達者のハンドヘルドコンピューターである。なお、携帯端末113は、ハンドヘルドコンピューターに代えて、配達者のタブレットPC、多機能携帯電話端末、携帯電話端末、PDA等であってもよい。携帯端末113は、制御装置111又は情報処理装置112により予め発行された認証鍵を受け付ける。携帯端末113は、受け付けた認証鍵を、制御装置111に送信する。これにより、配達者は、制御装置111に第2出入口扉22の解錠を行わせることができる。その結果、配達者は、第2出入口扉22を開いて、収納箱B1に宅配物を収納することができる。
【0052】
なお、駐車空間10と収納室20との間に第1出入口扉12を設ける場合には、この第1出入口扉12にも電子錠を設け、第2出入口扉22が解錠されているときには第3出入口扉24に加えて第1出入口扉12も施錠するように制御することが好ましい。この構成によって、駐車空間10を含めた居住空間への不審者等の侵入を抑制することができる。
【0053】
本実施形態では、収納室20の内部が1つの収納箱B1を構成するようにしたが、この態様には限定されない。例えば収納室20が更に複数の収納箱B2を有し、各収納箱B2ごとに廊下30側と外部空間側で個別に施錠及び解錠を行えるように構成してもよい。
【0054】
以上述べたように、本実施形態にかかる建物100は、居室50と、荷物を収納する収納室20と、自動車を駐車する駐車空間10と、居室50及び階段40と収納室20とを接続する廊下30と、駐車空間10と廊下30との間、又は駐車空間10と収納室20との間に設けられた第1出入口扉12と、収納室20と外部空間の間に設けられた第2出入口扉22と、を備えるように構成した。このような構成の採用によって、自動車を利用する際に廊下30及び第1出入口扉12経由で駐車空間10にスムーズにアクセスすることができる。また、収納室20と、駐車空間10や外部空間との間の荷物の出し入れを容易に行うことができる。特に、アウトドア用品を購入した場合には、収納室20に収納された物を容易に自動車で持ち出すことができるので、利便性を更に向上させることができる。
【0055】
また、本実施形態では、第2出入口扉22は、外部空間側から解錠可能であるように構成した。このような構成の採用によって、例えば宅配物の配達者が第2出入口扉22経由で収納室20内に出入りすることができるので、居住者及び配達者の双方にとって利便性を向上させることができる。
【0056】
また、本実施形態では、駐車空間10と廊下30との間に第1出入口扉12が設けられるように構成した。このような構成の採用によって、来客を第1出入口扉12経由で建物100内に通すことができる。また、居住者は、廊下30及び第1出入口扉12経由して、収納室20を経由しないで駐車空間10にアクセスすることができる。したがって、配達員等が出入りする収納室20を経由しないで自動車の利用をすることができる。
【0057】
また、本実施形態では、廊下30は、第1出入口扉12とは異なる主出入口扉34と接続されるように構成した。このような構成の採用によって、主出入口扉34から入った来客を廊下30を通って各居室50,60,70内に迎え入れることができる。したがって、第1出入口扉12を通る居住者の動線とは異なる、来客を迎えるのにより適した動線を確保することができる。
【0058】
また、本実施形態では、廊下30における駐車空間10に近接した位置に手洗所32が設けられるように構成した。このような構成の採用によって、駐車空間10で作業した際の汚れや、ウィルスを各居室50,60,70内に持ち込みにくくすることができる。
【0059】
また、本実施形態では、手洗所32は、主出入口扉34から視認できない位置に配置されるように構成した。このような構成の採用によって、汚れを除去する作業など来客に認識されたくない場面を視認されにくくすることができる。
【0060】
また、本実施形態では、収納室20の鍵制御を行うスマートクロークシステム200をさらに備え、スマートクロークシステム200の制御装置111は、第2出入口扉22の施錠及び解錠を行うように構成した。このような構成の採用によって、収納室20の鍵制御によって収納室20内に直接荷物を運んでもらうことができるので、居住者及び配達者の利便性を向上させることができる。また、商品を購入し収納室20に収納するまでの居住者の負担を低減させることができる。
【0061】
また、本実施形態では、スマートクロークシステム200の制御装置111は、第2出入口扉22の解錠を行うとき、収納室20と廊下30との間に設けられた第3出入口扉24の施錠を行うように構成した。このような構成の採用によって、収納室20を介した建物100外から建物100の居住空間内への人の侵入を抑制することができる。
【0062】
本開示を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形または修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形または修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0063】
例えば、本実施形態では、廊下30は、居室50及び階段40と、収納室20とを接続するように構成したが、この態様には限定されない。廊下30は、居室50又は階段40の少なくとも一方と、収納室20とを接続するように構成されていればよい。廊下30が階段40のみと接続されている場合、2階の居室から、階段40、廊下30及び第1出入口扉12を経由して収納室20又は駐車空間10に容易にアクセスすることができる。
【符号の説明】
【0064】
2 外周壁
10 駐車空間
12 第1出入口扉
12a サブ玄関のたたき
14 電動シャッター
20 収納室
20a 土足禁止領域
20b 土足領域
20s 棚部
22 第2出入口扉
24 第3出入口扉
30 廊下
32 手洗所
34 主出入口扉
34a 玄関のたたき
36 トイレ室
40 階段
50 居室
52 居室扉
60 第2居室
62 居室扉
70 第3居室
72 居室扉
100 建物
111 制御装置
111A 記憶部
111B 通信部
111C プロセッサー
112 情報処理装置
113 携帯端末
200 スマートクロークシステム
B1,B2 収納箱
C1 撮像部
K1 第1電子錠
K2 第2電子錠
図1
図2
図3