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  • 特開-人物キャラクター画像の判別システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031705
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】人物キャラクター画像の判別システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20170101AFI20240229BHJP
【FI】
G06T7/00 660A
G06T7/00 300F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135436
(22)【出願日】2022-08-26
(71)【出願人】
【識別番号】521499675
【氏名又は名称】株式会社glow
(74)【代理人】
【識別番号】110002804
【氏名又は名称】弁理士法人フェニックス特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 侑也
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096FA66
5L096GA51
5L096JA03
5L096JA11
(57)【要約】
【課題】 コンピュータに高い負荷をかけることがなく、新規人物キャラクター画像が、どのオリジナル人物キャラクターの二次創作物に該当するかを迅速かつ高精度に判別するシステムを提供すること。
【解決手段】
オリジナル人物キャラクターの顔面特徴データを作成する顔面特徴データ作成手段と;複数の異なるオリジナル人物キャラクターの前記顔面特徴データを、類似するキャラクター毎にグループ化して格納するメモリ手段と;前記新規人物キャラクター画像のデータの入力受付手段と;前記受け付けた新規人物キャラクター画像から、顔面特徴データを作成する新規顔面特徴データ作成手段と;当該新規人物キャラクターが属するべき、類似キャラクターグループを照合する属性グループ照合手段と;最も類似するオリジナル人物キャラクターを、前記類似キャラクターグループ内から特定する特定手段と;前記特定した結果を表示する表示手段とを具備して構成する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
新規人物キャラクター画像に描かれた人物キャラクターが、予め登録されたオリジナル人物キャラクターのうちの何れの二次創作物であるかを判別するためのシステムであって、
前記オリジナル人物キャラクターの複数の画像から、顔面の特徴部分を画像解析して、フェイスデータとオブジェクトデータとを含む顔面特徴データを作成する顔面特徴データ作成手段と;
複数の異なるオリジナル人物キャラクターの前記顔面特徴データを、閾値に基づいて類似するキャラクター毎にグループ化して格納するメモリ手段と;
前記新規人物キャラクター画像のデータの入力を受け付ける入力受付手段と;
前記受け付けた新規人物キャラクター画像から、顔面の特徴部分を画像解析して、フェイスデータとオブジェクトデータとを含む顔面特徴データを作成する新規顔面特徴データ作成手段と;
前記画像解析した新規人物キャラクターの顔面特徴部分に基づいて、当該新規人物キャラクターが属するべき、前記オリジナル人物キャラクターの類似キャラクターグループを前記メモリ手段から照合する属性グループ照合手段と;
前記属性グループ照合結果から、前記新規人物キャラクター画像に描かれた人物について最も類似するオリジナル人物キャラクターを、前記類似キャラクターグループ内から特定する特定手段と;
前記特定した結果を表示する表示手段とを具備して構成したことを特徴とする人物キャラクター画像の判別システム。
【請求項2】
オリジナル人物キャラクターの顔面の特徴部分におけるフェイスデータは、当該キャラクターの複数枚の平面画像における、キャラクターの顔面の各基準部位の二点間の距離数値に基づいて構成されていることを特徴とする請求項1記載の人物キャラクター画像の判別システム。
【請求項3】
人物キャラクターの顔面の特徴部分におけるオブジェクトデータは、キャラクターの外見に含まれる身飾品や化粧などの身体形状以外の特徴要素から構成されていることを特徴とする請求項1記載の人物キャラクター画像の判別システム。
【請求項4】
複数の異なるオリジナル人物キャラクターのフェイスデータにおいて、前記各基準部位の二点間の距離数値が閾値内である部位を抽出して、該当した部位数が多いオリジナル人物キャラクター同士を類似キャラクターとしてグループ化してメモリ手段に格納されていることを特徴とする請求項2記載の人物キャラクター画像の判別システム。
【請求項5】
前記属性グループ照合手段は、前記新規人物キャラクター画像のフェイスデータのみを利用して、前記各基準部位の二点間の距離数値が閾値内である部位数を比較することにより前記類似グループを照合することを特徴とする請求項4記載の人物キャラクター画像の判別システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人物画像判別技術の改良、更に詳しくは、新規人物キャラクター画像が、どのオリジナル人物キャラクターの二次創作物に該当するかを迅速かつ高精度に判別することができる人物キャラクター画像の判別システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
人気のある人物キャラクターにおいては、ファンやクリエイターなどの原作者以外の第三者によってアレンジされた「二次創作物」の創作が盛んに行われており、独立した作品として商品が流通する場合もある。
【0003】
このような二次創作物の流通は、原作者の著作権の利害にも関係してくるため、創作された二次創作物に対して、どのオリジナルキャラクターに基づいた二次創作物に該当するのかを適切に判別する必要がある。
【0004】
ところで、人物キャラクター同士の合致度を判別するためには、人間の比較と同様に、顔面(目鼻立ち)の類似性に重点を置いての比較を行うのが有効である。
【0005】
従来、実在する人物を特定するための顔認証技術が多く開示されており(例えば、特許文献1参照)、このような人物特定の判別処理をコンピュータプログラムによって行う場合には、比較の対象となる人物の特徴を種々の数値データにして予め登録しておき、数値的に比較して演算処理が行われる。
【0006】
しかしながら、実在する人間の特定の場合には、身体的特徴がある程度の想定範囲に収まるために、「素顔」同士の比較が中心であってデータ量も小さくて済んでいた。一方、創作物たる人物キャラクターの場合は、身体的特徴も多種多様であり、奇抜な身飾品やメイクなどの固有の特徴を有していることも多い。
【0007】
また、架空の創作物であることから、生み出されていくペースが早く、登録キャラクター数が次々と蓄積されていくため、キャラクター同士の照合作業を一体ずつ順番に行っていくと、膨大な演算量が必要となり、処理時間がかかるとともに、コンピュータに高い負荷がかかってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平7-302271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来の人物画像判別技術に上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、コンピュータに高い負荷をかけることがなく、新規人物キャラクター画像が、どのオリジナル人物キャラクターの二次創作物に該当するかを迅速かつ高精度に判別することができる人物キャラクター画像の判別システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添付図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
【0011】
即ち、本発明は、新規人物キャラクター画像に描かれた人物キャラクターが、予め登録されたオリジナル人物キャラクターのうちの何れの二次創作物であるかを判別するためのシステムであって、
前記オリジナル人物キャラクターの複数の画像から、顔面の特徴部分を画像解析して、フェイスデータとオブジェクトデータとを含む顔面特徴データを作成する顔面特徴データ作成手段と;
複数の異なるオリジナル人物キャラクターの前記顔面特徴データを、閾値に基づいて類似するキャラクター毎にグループ化して格納するメモリ手段と;
前記新規人物キャラクター画像のデータの入力を受け付ける入力受付手段と;
前記受け付けた新規人物キャラクター画像から、顔面の特徴部分を画像解析して、フェイスデータとオブジェクトデータとを含む顔面特徴データを作成する新規顔面特徴データ作成手段と;
前記画像解析した新規人物キャラクターの顔面特徴部分に基づいて、当該新規人物キャラクターが属するべき、前記オリジナル人物キャラクターの類似キャラクターグループを前記メモリ手段から照合する属性グループ照合手段と;
前記属性グループ照合結果から、前記新規人物キャラクター画像に描かれた人物について最も類似するオリジナル人物キャラクターを、前記類似キャラクターグループ内から特定する特定手段と;
前記特定した結果を表示する表示手段とを具備して構成するという技術的手段を採用したことによって、人物キャラクター画像の判別システムを完成させた。
【0012】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、オリジナル人物キャラクターの顔面の特徴部分におけるフェイスデータを、当該キャラクターの複数枚の平面画像における、キャラクターの顔面の各基準部位の二点間の距離数値に基づいて構成するという技術的手段を採用することもできる。
【0013】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、人物キャラクターの顔面の特徴部分におけるオブジェクトデータを、キャラクターの外見に含まれる身飾品やメイクなどの身体形状以外の特徴要素から構成するという技術的手段を採用することもできる。
【0014】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、複数の異なるオリジナル人物キャラクターのフェイスデータにおいて、前記各部位の二点間の距離数値が閾値内である部位を抽出して、該当した部位数が多いオリジナル人物キャラクター同士を類似キャラクターとしてグループ化してメモリ手段に格納するという技術的手段を採用することもできる。
【0015】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、前記属性グループ照合手段は、前記新規人物キャラクター画像のフェイスデータのみを利用して、前記各部位の二点間の距離数値が閾値内である部位数を比較することにより前記類似グループを照合するという技術的手段を採用することもできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、先に類似グループへの適合条件を照合してから、グループ内の最も類似するオリジナル人物キャラクターを特定するという2段階のプロセスで処理することによって、全てのオリジナル人物キャラクターと逐一照合処理を行う場合と比較して、コンピュータに高い負荷をかけることがなく、新規人物キャラクター画像が、どのオリジナル人物キャラクターの二次創作物に該当するかを迅速かつ高精度に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態の判別システムの概要を表わすフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。本発明は、新規人物キャラクター画像に描かれた人物キャラクターが、予め登録されたオリジナル人物キャラクターのうちの何れの二次創作物であるかを判別するためのシステムである。本発明の判別システムには、公知の演算装置(コンピュータ)を使用し、この演算装置には、CPU、RAM、ROM等の制御部を備えており、また、メモリ手段として、ハードディスクや半導体メモリ、メモリカード等によるデータの記憶部(ストレージ)を備えている。
【0019】
本実施形態における「人物キャラクター」とは、人間の基本的な身体の構成要素が認識できる程度に擬人化したものを対象とする。オリジナル人物キャラクターは、特定の著作者(原作者)が創作したものであり、これらの各オリジナル人物キャラクターには、著作者やキャラクターの名称、各ステータスなどを特定した固有のID(identification)を付与して管理することができる。新規人物キャラクターは、ファンやクリエイターなどの前記原作者以外の第三者によって、オリジナル人物キャラクターをモチーフにアレンジ(改変)して創作されたイラストやアニメーション等である。
【0020】
本実施形態のシステムにおいては、演算装置(コンピュータ)に以下の処理手段(モジュール)を具備しており、各処理手段が実行する処理のフローチャートをステップ〔1〕~〔7〕に沿って説明する。
【0021】
なお、本実施形態における各モジュール(プログラム)の実行処理においては、AI(人工知能)による機械学習を用いたフィードバックループ処理を行うことができる。この処理によって、画像データの照合(同一人物であるかの真偽検証)を高速で行うことができて、キャラクターとして同一性の高いモデリングの精度を高めることができるとともに、初期登録時に必要なオリジナル人物キャラクターの原画の枚数を少なくすることができる。また、後述する新規人物キャラクターとの照合処理を行う際にも、この新規人物キャラクターのデータをオリジナル人物キャラクターの真偽情報として参照して読み込ませることによって、オリジナル人物キャラクターおよび新規人物キャラクターのモデリング精度を高めていくこともできる。
【0022】
次に、本実施形態の顔面特徴データ作成手段は、前記オリジナル人物キャラクターの複数の画像から、顔面の特徴部分を画像解析して、フェイスデータとオブジェクトデータとを含む顔面特徴データを作成するものである(ステップ〔1〕)。この際、AIプログラムを使用することによって、初期登録時に使用するオリジナル人物キャラクターの原画の枚数は20~30枚で十分な精度のモデリングを行うことができる。
【0023】
本実施形態における人物キャラクターの顔面の特徴部分の画像解析には、特に、「フェイスデータ」と「オブジェクトデータ」の2つの特徴分類を定義して行う。
【0024】
まず、フェイスデータとは、当該キャラクターの複数枚の平面画像における、キャラクターの顔面の各基準部位の二点間の距離数値に基づいて構成するものである。本実施形態では、顔面上に13箇所の線分からなる基準部位を設定する。具体的には、目の横方向の距離(左右2箇所)、目尻と顔側縁との距離(左右2箇所)、鼻根部と目頭との距離(左右2箇所)、目頭間の距離、鼻の下端と上唇の上端との距離、鼻筋の上下方向の距離、唇の左右方向の距離、下唇の下端と顎との距離、口角と頬側縁との距離(左右2箇所)の数値を計測する。なお、数値の絶対値のみを計測しても、原画の縮尺や傾斜角によって相異するため、適宜、比率等を演算して数値を補正することができる。
【0025】
また、オブジェクトデータとは、キャラクターの外見に含まれる身飾品やメイクなどの基本的な身体形状以外の特徴要素から構成するものである。身飾品にはピアスなどのアクセサリー類やカラーコンタクト、眼鏡、マスクなどの物品があり、その他、メイク(化粧)やボディペイント、タトゥーなど皮膚の表面に直接施したものがある。更に、キャラクターは架空の創作物であるから、人間にはあり得ない奇抜なものもあり、例えば、角や牙、三つ目、身体に埋め込まれた物体なども特徴要素になりうる。
【0026】
そして、複数の異なるオリジナル人物キャラクターの前記顔面特徴データを、閾値に基づいて類似するキャラクター毎にグループ化してメモリ手段に格納する(ステップ〔2〕)。本実施形態では、複数の異なるオリジナル人物キャラクターのフェイスデータにおいて、前記各基準部位の二点間の距離数値が閾値内である部位を抽出して、該当した部位数が多いオリジナル人物キャラクター同士を類似キャラクターとしてグループ化してメモリ手段に格納する。
【0027】
グループ化するためのキャラクター同士の類似性は、例えば、以下のような閾値を使用して定義する。前述した顔面の13箇所の基準部位の二点間の距離に対し、距離に応じた点数(ポイント)を付与し、原作を2.0ポイントを満点とした場合は、1.9ポイントは閾値(5%)以内であると判断して合致部位とする。そして、13箇所のうちの合致部位数が多い(例えば5部位以上)キャラクター同士を類似グループに分類する。なお、登録されるオリジナル人物キャラクターは蓄積していくため、システムの精度を維持するためには、一つのグループに属するオリジナル人物キャラクターを50体以下にするのが好ましい。
【0028】
次に、前記新規人物キャラクター画像のデータの入力を入力受付手段により受け付ける(ステップ〔3〕)。入力受付手段においては、新規人物キャラクター画像のデータが、コンピュータで作成したものの場合は、その電子データを使用して読み込めば良く、また、紙に書いたイラストや写真などの実体を有するものの場合は、デジタルカメラやスキャナー等で電子化したものを読み込むことができる。また、インターネットや電子メール、SNS等を通じて投稿(送信)されたものを自動で読み込むこともでき、特定のサイトに定期的にアクセスして読み込むこともできる。なお、作品全体として背景とキャラクターとが混在する画像については、境界部分を識別可能な公知の画像処理手段を使用して、画像全体の中から新規人物キャラクター画像をトリミングして抽出することができる。
【0029】
そして、受け付けた新規人物キャラクター画像から、顔面の特徴部分を画像解析して、フェイスデータとオブジェクトデータとを含む顔面特徴データを新規顔面特徴データ作成手段により作成する(ステップ〔4〕)。
【0030】
新規人物キャラクターの顔面の特徴部分の画像解析には、前記のオリジナル人物キャラクター画像の顔面特徴データ作成手段と同じプログラムを採用することができ、同様にして、フェイスデータとオブジェクトデータとを含む顔面特徴データを作成することができる。なお、新規人物キャラクターの場合は、基本的には一点物の作品であるから、オリジナル人物キャラクターのようなモデリングはなされない。
【0031】
次いで、属性グループ照合手段によって、前記画像解析した新規人物キャラクターの顔面特徴部分に基づいて、当該新規人物キャラクターが属するべき、前記オリジナル人物キャラクターの類似キャラクターグループを前記メモリ手段から照合する(ステップ〔5〕)。
【0032】
そして、特定手段によって、前記属性グループ照合結果から、前記新規人物キャラクター画像に描かれた人物について最も類似するオリジナル人物キャラクターを、前記類似キャラクターグループ内から特定する(ステップ〔6〕)。
【0033】
本実施形態では、前記属性グループ照合手段は、前記新規人物キャラクター画像のフェイスデータのみを利用して、前記各部位の二点間の距離数値が閾値内である部位数を比較することにより前記類似グループを照合することができる。即ち、予めグループ化された類似グループ内に属しているオリジナル人物キャラクター同士は所定の数値範囲内であることから、属性グループへの適合条件を、フェイスデータのみを利用して、かつ、部位数の比較のみに限定しても、十分に高い精度で照合することができる。
【0034】
なお、キャラクター同士の類似性を判別する際、基本的にはフェイスデータの比較に重みがあるが、フェイスデータだけでなくオブジェクトデータも用いることができる。オブジェクトデータの場合は、フェイスデータ(身体的特徴)と比較して特徴量が顕著であるため、フェイスデータにおける距離の数値的解析よりも特徴部分の有無のみでも合致性を判断しやすい。
【0035】
このように、本発明では、先に類似グループへの適合条件を照合してから、グループ内の最も類似するオリジナル人物キャラクターを特定するという2段階のプロセスで処理することによって、全てのオリジナル人物キャラクターと逐一照合処理を行う場合と比較して、演算装置の処理の負荷を軽減することができ、処理速度を上げることができる。なお、通常、キャラクターにはカラーデータも有しているが、本発明では、モノクロ(グレースケール)のデータ比較でも十分な精度で照合することが可能であることから、処理速度が低下しないように補助的に使用することが好ましい。また、髪型や服装は、キャラクターにもよるが、人間と同様に同一人物でも流動的で変化が多い要素であるため、特徴要素としての優先度は低い。
【0036】
然る後、前記特定した結果を表示手段に表示する(ステップ〔7〕)。表示手段は公知のモニタやディスプレイを採用することができる。
【0037】
以上の処理によって、コンピュータに高い負荷をかけることがなく、新規人物キャラクター画像が、どのオリジナル人物キャラクターの二次創作物に該当するかを迅速かつ高精度に判別することができる。
【0038】
本発明は、概ね上記のように構成されるが、上記実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明の判別システムを利用することによって、例えば、オリジナル人物キャラクターを収益化したい原著作者と、オリジナル人物キャラクターの二次創作物を収益化したいクリエイター等の二次的著作者とをマッチングさせて、原著作者および二次的著作者の両者に対して適切に利益を分配することができるビジネスモデルを構築することができる。このようして、原著作者だけでなく、二次的著作者にも報酬のインセンティブを与えて、創作意欲を喚起させることができ、キャラクターによるコンテンツビジネス業界を活性化させることができる。
図1