(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031715
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】装身具
(51)【国際特許分類】
A44C 5/00 20060101AFI20240229BHJP
A44C 25/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
A44C5/00 501C
A44C25/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022142570
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】522354399
【氏名又は名称】有限会社小島工芸
(72)【発明者】
【氏名】小島 民男
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA01
3B114AA08
3B114BD06
3B114CC07
(57)【要約】
【課題】装着性が良好でかつ美的外観に優れ、健康効果を期待することのできる装身具を提供すること
【解決手段】 複数の装飾体(2a,2b)と、前記複数の装飾体(2a,2b)に挿通される芯線(10)と、前記複数の装飾体(2a,2b)の少なくとも一つに前記芯線を係止する係止構造と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の装飾体(2a,2b)と、
前記複数の装飾体(2a,2b)に挿通される芯線(10)と、
前記複数の装飾体(2a,2b)の少なくとも一つに前記芯線(10)を係止する係止構造と、
を備える装身具。
【請求項2】
前記複数の装飾体(2a,2b)および前記芯線(10)はいずれもチタンからなる請求項1記載の装身具。
【請求項3】
前記係止構造は、
前記複数の装飾体(2a,2b)に形成される挿通孔(3)と、
前記挿通孔(3)に対して略直交する方向に形成され、当該挿通孔(3)に貫通する下孔(4)と、
前記下孔(4)を通じて螺入される螺子(5)と、
前記芯線(10)に形成され、前記挿通孔(3)の内部に突出した前記螺子(5)の部分に接して前記芯線(10)が前記挿通孔(3)から抜け出るのを防止するストッパ部(11)と、を備える、請求項1または2に記載の装身具。
【請求項4】
前記螺子(5)と前記下孔(4)のひっかかり率を所定値以下とする、請求項3に記載の装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ブレスレットやネックレス等の装身具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のブレスレットやネックレス等の装身具において、複数の球体の装飾体等に芯線を通し、端部を解放端としたC型形状のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、ヘリカルまたは波形状を維持可能とするため、芯線にニッケルチタン合金のような形状記憶素材を適用することが記載されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1において、ニッケルチタン合金のような形状記憶素材を用いるのは、着用中の「ベタベタ」感を防止するためである。このため特許文献1では着用面に対して立体形状を呈するようにすることで、人体に直接的には接触しない部分を得るようにしている。
【0006】
一方、本発明は、装着性が良好でかつ健康効果を期待することのできる装身具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)一実施形態に係る装身具(1,100)は、複数の装飾体(2a,2b)と、前記複数の装飾体(2a,2b)に挿通される芯線(10)と、前記複数の装飾体(2a,2b)の少なくとも一つに前記芯線(10)を係止する係止構造と、を備える装身具である。
【0008】
(2)前記複数の装飾体(2a,2b)および前記芯線(10)はいずれもチタンからなる。
【0009】
(3)前記係止構造は、
前記複数の装飾体に形成される挿通孔(3)と、
前記挿通孔(3)に対して略直交する方向に形成され、当該挿通孔(3)に貫通する下孔(4)と、
前記下孔(4)を通じて螺入される螺子(5)と、
前記芯線(10)に形成され、前記挿通孔(3)の内部に突出した前記螺子(5)の部分に接して前記芯線(10)が前記挿通孔(3)から抜け出るのを防止するストッパ部(11)と、を備える。
【0010】
(4)前記螺子(5)と前記下孔(4)のひっかかり率を所定値以下とする。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、装着性が良好でかつ健康効果を期待することのできる装身具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図4】 他の実施形態に係る装身具の正面図である。
【
図5】 実施形態に係る装身具を人体に装着した様子を示す図である。
【
図7】 実施形態に係る装身具の端部係止構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつながら本発明の実施形態を説明する。
【0014】
<全体構造>
図1は実施形態に係る装身具1の正面図、
図2は装身具1の上面図、
図3は装身具1の下面図である。装身具1の左右側面図は
図2と同様である。装身具1は、ブレスレットやネックレス等の装身具であって、複数の球体の装飾体2a,2b,...に芯線10を通し、端部を解放端としたC型形状を有するものである。装飾体2a,2bの形状は球に限らず、任意の立方体としてもよい。あるいは球体と直方体とを組み合わせてもよい。
図1の装身具1において、装飾体2aと装飾体2bとは、球の直径が相対的に異なるようにしている。
図4は、他の実施形態に係る装身具100を示すものであって、両端2つの装飾体2a以外は、均一な大きさの装飾体2bとしている。
【0015】
図5は、実施形態に係る装身具1を人体(例えば右手首)に装着した様子を示す図である。端部を解放端としたC型形状により、装着や脱着は容易である。芯線10は、純チタンによる形状記憶素材としている。装着時や脱着時には、手指の軽微な力を受けて芯線10が曲がり、開口部が広がる。装着後は、芯線10は当初の形状に戻ってこれを維持し続け、手首から容易に脱落しない。このように、芯線10を形状記憶としているため装着性が良好である。
【0016】
また、本実施形態は、芯線10のみならず複数の球体の装飾体2a,2b,...についても純チタンとする。これにより、形状記憶の機能ならびに血流改善などの健康効果を期待する。
【0017】
<係止構造>
図6は、実施形態に係る芯線10の上面図、
図7は実施形態に係る装身具1の端部係止構造を示す断面図である。実施形態に係る装身具1の係止構造は、装飾体2aに形成される挿通孔3と、挿通孔3に対して略直交する方向に形成され、当該挿通孔3に貫通する下孔4と、下孔4を通じて螺入される螺子5と、芯線10に形成され、挿通孔3の内部に突出した螺子5の部分に接して芯線10が挿通孔3から抜け出るのを防止するストッパ部11と、を備える。螺子5の先端部は、芯線10のストッパ11に接着剤でより強固に固着してもよい。
【0018】
<チタンの加工>
なお、チタンの難加工性を考慮して、螺子5と下孔4のひっかかり率を所定値以下としてもよい。下孔4をタップ(ダイヤモンド、セラミック、超硬合金等からなる)により形成する場合において、ひっかかり率を所定値以下とする(浅くする)ことによりタップの破損を防ぎつつ、上述の係止構造があることによって、装飾体2aと芯線10とを強固に接続することができる。
【0019】
<実施形態の効果>
(1)芯線を形状記憶としているため装着性が良好であり、(2)芯線のみならず装飾体をもチタンまたはチタンとすることで健康効果を期待することができる。
【符号の説明】
【0020】
1,100 装身具
2a,2b 装飾体
3 挿通孔
4 下孔
5 螺子
10 芯線
11 ストッパ