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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031717
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】LED照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 33/00 20060101AFI20240229BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20240229BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240229BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20240229BHJP
【FI】
F21V33/00 400
F21S8/04 110
F21S8/04 310
F21S8/04 100
F21Y115:10
F21Y113:13
【審査請求】未請求
【請求項の数】59
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022143320
(22)【出願日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】393001372
【氏名又は名称】瀧住電機工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】小林 英明
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014RB00
(57)【要約】
【課題】従来、紫外線による消毒・殺菌作用は専用の照射器具を必要としていたので一般照明用とは別の照射器具が必要であり、非経済的でかつ室内の空間を占有するものであり、さらに室内照明とは別に保守する必要があった。
【解決手段】本発明は、可視光LEDによる一般照明機能と、近紫外線を含む放射照度最大値の波長が可視光LEDより短い単数または複数の短波長LED素子を用いて、消毒・滅菌機能を有するとともに一般照明器具として使用することが出来る消毒・殺菌機能を備えたLED照明器具を提供し、さらには消毒・殺菌機能を一般照明機能と交互にまたは併用して動作させることができるLED照明器具を提供するものである。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
造営部材に設けられた被接続部材に接続する接続部材と、
前記接続部材に一端を接続した電源線と、
前記電源線の他端に電気的に接続された電源回路と、
略水平に配された平板状の本体ベースの下側面に密着して固定したLED基板と、
前記本体ベースの上方に配置されて前記電源回路を収納する収納部と、
前記LED基板を下方から覆う下面カバーと、
前記収納部上部に載置されて係合するセードと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDと、放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDとを、
前記LED基板の前記本体ベースと反対側である下側面に配置して構成されたLED照明器具。
【請求項2】
LED基板の中心から外径の略半分の範囲に短波長LEDが配置されるとともに、外径の外方の略半分の範囲に可視光LEDが配置される請求項1に記載のLED照明器具。
【請求項3】
造営部材に設けられた被接続部材に接続する接続部材と、
前記接続部材に一端を接続した電源線と、
前記電源線の他端に電気的に接続された電源回路と、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを下側面に備え上側面を円板状の本体ベースに密着して固定した可視光LED基板と、
前記本体ベースの上方に配置されて前記電源回路を収納する収納部と、
前記可視光LED基板を下方から覆う下面カバーと、
前記収納部上部に載置されて係合するセードと、
前記本体ベースに備えられ一端を開口したホルダーと、
前記ホルダーに収納され光を下方に照射する放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
前記ホルダーの前記短波長LED照射方向を覆う短波長カバーと、
で構成されたLED照明器具。
【請求項4】
短波長LEDを短波長LED基板に取付けホルダーに収納するともに、短波長LED基板が可視光LED基板よりも下方に位置する構成の請求項3に記載のLED照明器具。
【請求項5】
短波長LEDを収納したホルダーを本体ベースに機械的かつ電気的に着脱自在に備えた構成の請求項3に記載のLED照明器具。
【請求項6】
短波長LEDの照射する範囲をホルダーの取付け方向を変化させる角度調節部を備えて、手動で短波長LEDの照射方向を平面上前後左右に可変にできる構成の請求項3に記載のLED照明器具。
【請求項7】
短波長カバーを透光率の高い透明樹脂であるポリメタクリル樹脂で形成して構成した請求項3に記載のLED照明器具。
【請求項8】
短波長LEDと短波長カバーの間に位置し400ナノメートル以下の波長の光線を遮蔽する遮光フィルターを備えた請求項7に記載のLED照明器具。
【請求項9】
可視光LEDによる照射範囲と短波長LEDによる照射範囲が同等範囲か短波長LEDによる照射範囲が可視光LEDによる照射範囲内に位置する請求項1または請求項3のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項10】
電源線に長さ調節が可能な電源線長調節部を備えた請求項1または請求項3のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項11】
接続部材への給電を開閉するスイッチと、短時間の給電と断電をすることによるプルレス動作によって電源回路から短波長LEDへの給電を制御する請求項1または請求項3のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項12】
短波長LEDへの給電を可視光LEDへの給電に関係なく常時通電する請求項1または請求項3のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項13】
短波長LEDの照射角がセードの下端を照射しない範囲の照射角である請求項1または請求項3のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項14】
短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲である請求項1または請求項3のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項15】
可視光LEDと短波長LEDは共通の電源回路から電源を供給される構成とした請求項1または請求項3のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項16】
造営部材に設けられた被接続部材に接続する接続部材と、
前記接続部材に係止される略円板状の本体ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを下側面に備え上側面を前記本体ベースの下側面に密着して固定した可視光LED基板と、
前記本体ベース下面に保持された電源回路と、
前記可視光LED基板を下方から覆う保護カバーと、
前記可視光LED基板と前記電源回路とを下方から覆う下カバーと、
前記本体ベースに備えられ一端を開口したホルダーと、
前記ホルダーに収納され光をホルダー開口方向に照射する放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
前記ホルダーの開口を覆う短波長カバーと、
で構成されたLED照明器具。
【請求項17】
本体ベースに角度調節部を介してホルダーを備え、手動で短波長LEDの照射する範囲をホルダーの取付け方向を変化させて、短波長LEDの照射方向を平面上前後左右に可変にできる構成の請求項16に記載のLED照明器具。
【請求項18】
角度調節部を自由雲台構造とした請求項16に記載のLED照明器具。
【請求項19】
短波長LEDの照射方向にプリズムを備え、プリズムの位置を手動で変化させることで短波長LEDの照射範囲を変える構成とした請求項16に記載のLED照明器具。
【請求項20】
本体ベースにホルダーを複数個備えて、手動で任意の方向に短波長LEDの光を照射できる構成とした請求項16に記載のLED照明器具。
【請求項21】
ホルダーの照射角度を制限するために、角度調節部に駆動限界角停止部を備えて,短波長LEDの照射角度を制限する構成とした請求項16に記載のLED照明器具。
【請求項22】
本体ベースとホルダーの機械的接続と電気的接続を着脱自在に構成し、機械的接続を解除すると電気的接続も解除される構成にした請求項16に記載のLED照明器具。
【請求項23】
ホルダーの機械的接続と電気的接続をラインダクト構成とした請求項22に記載のLED照明器具。
【請求項24】
本体ベースに取付け機構を介してホルダーを備え、取付け機構は本体ベースの略中心から本体ベース外周にアームを放射方向で略水平に伸設して略中心を支点に回動自在に備えられる構成とした請求項16または請求項17のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項25】
短波長カバーを透光率の高い透明樹脂であるポリメタクリル酸メチル樹脂で形成して構成した請求項16に記載のLED照明器具。
【請求項26】
短波長LEDと短波長カバーの間に位置し400ナノメートル以下の波長の光線を遮蔽する遮光フィルターを備えた請求項16または請求項25のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項27】
造営部材に設けられた被接続部材に接続する接続部材と、
前記接続部材に係止される略円板状の本体ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを下側面に固定し上側面を前記本体ベースの下側面に密着して固定した可視光LED基板と、
前記本体ベース下面に保持された電源回路と、
前記可視光LED基板を下方から覆う保護カバーと、
前記可視光LED基板と前記電源回路とを下方から覆う下カバーと、
前記可視光LEDとともに可視光LED基板の下側面に備えられた放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
で構成されたLED照明器具。
【請求項28】
LED基板の中心から外径の略半分の範囲に短波長LEDが配置されるとともに、外径の外方の略半分の範囲に可視光LEDが配置される請求項27に記載のLED照明器具。
【請求項29】
可視光LEDと短波長LEDとが、可視光LED基板に交互に配列された請求項27に記載のLED照明器具。
【請求項30】
短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲である請求項16から22、請求項25、請求項27から29のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項31】
可視光LEDと短波長LEDは共通の電源回路または同一の電源基板から電源を供給される構成とした請求項16または請求項27のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項32】
造営部材に取り付けられた本体ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを一面に備え他面を前記本体ベースに内包した固定金具に密着して固定した可視光LED基板と、
前記本体ベースに備えられた電源回路と、
前記可視光LED基板を外方から覆う保護カバーと、
前記可視光LED基板と前記電源回路とを外方から覆うグローブと、
前記本体ベースに備えられ一端を開口したホルダーと、
前記ホルダーに収納され放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
前記本体ベースと前記グローブとの間を水密的に保持する防水手段と、
前記本体ベースと前記造営部材との間を水密的に保持する防水部材と、
で構成されたLED照明器具。
【請求項33】
ホルダーに収納された短波長LEDの照射方向である開口に透明材料であるポリメタクリル酸メチル樹脂で形成した短波長グローブを備えた請求項32に記載のLED照明器具。
【請求項34】
短波長LEDへの通電を制御する通電制御部を備え、可視光LEDの消灯後に乾燥待機時間を経過してから短波長LEDへ一定時間通電し、短波長LEDと可視光LEDを通電停止状態にする請求項32に記載のLED照明器具。
【請求項35】
通電制御部は浴室乾燥機の通電を検知し、乾燥待機時間を短縮する制御を行う構成とした請求項34に記載のLED照明器具。
【請求項36】
室温検知部を備え、室温を常時検知して平均室温が所定の温度に対して高いときは通電制御部により短波長LED照射時間を所定の時間よりも長く動作させる請求項34に記載のLED照明器具。
【請求項37】
本体ベースに角度調節部を介してホルダーを備え、手動で短波長LEDの照射する範囲をホルダーの取付け方向を変化させて、短波長LEDの照射方向を可変にできる構成の請求項32に記載のLED照明器具。
【請求項38】
人感センサを備え、人を検知すると短波長LEDへの通電を停止するとともに、人が不在であることを検知すると短波長LEDへの通電制御部が通電を停止した時点から再開する構成の請求項32に記載のLED照明器具。
【請求項39】
短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲である請求項32から請求項38のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項40】
短波長LEDと短波長カバーの間に位置し400ナノメートル以下の波長の光線を遮蔽する遮光フィルターを備えた請求項39に記載のLED照明器具。
【請求項41】
短波長LED通電時のはじめに、通電制御部により所定時間の間短波長LEDの通電を点滅させた後に短波長LEDを連続通電する構成の請求項39に記載のLED照明器具。
【請求項42】
短波長LED通電時のはじめに、通電制御部により所定時間の間短波長LEDの通電を点滅させた後に短波長LEDを連続通電する構成の請求項34または請求項35に記載のLED照明器具。
【請求項43】
短波長LED通電時のはじめに、可視光LEDを所定時間点滅さてせた後に短波長LEDに通電する制御を行う構成の請求項34または請求子35に記載のLED照明器具。
【請求項44】
造営部材に取り付けられた本体ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを一面に備え他面を前記本体ベースに内包した固定金具に密着して固定した可視光LED基板と、
前記本体ベースに備えられた電源回路と、
前記可視光LED基板を外方から覆う保護カバーと、
前記可視光LED基板と前記電源回路とを外方から覆うグローブと、
前記可視光LED基板に備えられた放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
前記本体ベースと前記グローブとの間を水密的に保持する防水手段と、
前記本体ベースと前記造営部材との間を水密的に保持する防水部材と、
で構成されたLED照明器具。
【請求項45】
LED基板の中心から外径の略半分の範囲に短波長LEDが配置されるとともに、外径の外方の略半分の範囲に可視光LEDが配置される請求項44に記載のLED照明器具。
【請求項46】
可視光LEDと短波長LEDとが、可視光LED基板に交互に配列された請求項44に記載のLED照明器具。
【請求項47】
短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲である請求項44から46のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項48】
可視光LEDと短波長LEDは共通の電源回路または同一の電源基板から電源を供給される構成とした請求項32または請求項44のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項49】
造営部材に固定された熱伝導性の材料で形成された長尺状の平面ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを下側面に備え、上側面を前平面ベースの下側面に密着して固定した可視光LED基板と、
前記平面ベース下面側に保持された電源回路と、
前記可視光LED基板を下方から覆う下カバーと、
前記平面ベースに備えられ下端を開口した遮光性材料で形成された収容部と、
前記収容部に収容され光を開口方向に照射する放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
前記収容部の開口を覆う短波長カバーとで構成されたLED照明器具。
【請求項50】
短波長LEDと短波長カバーの間に位置し400ナノメートル以下の波長の光線を遮蔽する遮光フィルターを備えた請求項49に記載のLED照明器具。
【請求項51】
収容部の照射角度を制限するために、角度調節部に照射角制限部を備えて,短波長LEDの照射角度を制限する構成とした請求項49に記載のLED照明器具。
【請求項52】
平面ベースと収容部の機械的接続と電気的接続を着脱自在に構成し、機械的接続を解除すると電気的接続も解除される構成にした請求項49に記載のLED照明器具。
【請求項53】
短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲である請求項49から52のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項54】
造営部材に固定された熱伝導性の材料で形成された長尺状の平面ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを下側面に備え上側面を前記平面ベース下側面の平面部に密着して固定した可視光LED基板と、
前記平面ベース下面側に保持された電源回路と、
前記可視光LED基板を下方から覆う下カバーと、
前記可視光LEDとともに可視光LED基板の下側面に備えられた放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDとで構成されたLED照明器具。
【請求項55】
平面ベースを鉄またはアルミニウムで形成した請求項54に記載のLED照明器具。
【請求項56】
可視光LED基板は略長方形で平面ベースの長手方向に沿って水平に保持されて、前記可視光LED基板は長手方向の略中心から長手方向両端の半分の距離範囲に短波長LEDが振り分けて配置されるとともに、長手方向の両端に近い側の半分の距離範囲に可視光LEDが配置される請求項54に記載のLED照明器具。
【請求項57】
可視光LEDと短波長LEDとが、可視光LED基板に交互に配列された請求項54に記載のLED照明器具。
【請求項58】
短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲である請求項54から57のいずれかに記載のLED照明器具。
【請求項59】
可視光LEDと短波長LEDは共通の電源回路または同一の電源基板から電源を供給される構成とした請求項49または請求項54のいずれかに記載のLED照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、近紫外線を含む可視光線を照射するとともに一般照明用にも併用できるLED照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献3に開示されるように、段落0012に電源は前記可視光LEDと前記近紫外線LEDを独立して駆動するように制御され、前記照明装置は、生活環境が無人状態の場合に前記近紫外線LEDが発する近紫外線を前記生活環境に照射すると開示されている。これは、生活環境が無人状態の場合を選択して近紫外線LEDにより近紫外線を照射するものであり、無人状態のセンシング装置が必要であるといった課題があった。
【0003】
また、下記特許文献2に開示されるように段落0022に紫外光XAAは、紫外帯域(380nm以下)の光、深紫外帯域(200nm以上300nm以下)の光、又は、UV-C帯域(280nm以下)の光、波長222nmの光を含むと開示されている。つまり、紫外線帯域の放射であり、段落0028にセンサを備えたりやプルレス対応照明器具にするなどの記載があるように付加機能による自動や手動操作が必要であるといった課題があった。
【0004】
さらに、下記特許文献1に開示されるように、段落0010に第1用途用の光を出射する複数個の第1LEDと、前記第1用途と異なる第2用途用の光を出射する1個又は複数個の第2LEDとを備え、前記第2LEDは、2個以上の前記第1LEDを接続する導電路上に接続されていると開示されている。また、段落0046に従来の照明装置に対して、所定数の白色LED11を紫外線LED13に置き換えたものであり、この紫外線LED13を実装する構成以外の他の構成は、従来の照明装置の構成を利用できると開示されている。つまり、電源回路に接続されたLEDの直列回路の第1LEDを第2LEDに置き換えることで電源回路の共用化を意図したものであり、第1LEDと第2LEDは同時に点灯と消灯動作をするものである。この構成では第1LEDと第2LEDを個別に点灯や消灯することができないといった課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-029846
【特許文献2】特開2021-185991
【特許文献3】特許6453550
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、上記の問題点に鑑み、可視光を放射すつと同時に強すぎない紫外線を照射するLEDを用いることで、長時間の照射による殺菌効果で室内の殺菌効果を得ると同時に居室内に人や動物が存在してもダメージがなく、センサなどが不要な照明機能を発揮することができるLED照明器具を提供することにある。また、好みに応じて紫外線殺菌機能の通電と停止を選択することもできるLED照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
【0008】
本発明は第1に、造営部材に設けられた被接続部材に接続する接続部材と、
前記接続部材に一端を接続した電源線と、
前記電源線の他端に電気的に接続された電源回路と、
略水平に配された平板状の本体ベースの下側面に密着して固定したLED基板と、
前記本体ベースの上方に配置されて前記電源回路を収納する収納部と、
前記LED基板を下方から覆う下面カバーと、
前記収納部上部に載置されて係合するセードと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDと、放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDとを、
前記LED基板の前記本体ベースと反対側である下側面に配置して構成されたLED照明器具である。
【0009】
また、本発明は第2に、LED基板の中心から外径の略半分の範囲に短波長LEDが配置されるとともに、外径の外方の略半分の範囲に可視光LEDが配置される構成としたLED照明器具である。
【0010】
また、本発明は第3に、造営部材に設けられた被接続部材に接続する接続部材と、
前記接続部材に一端を接続した電源線と、
前記電源線の他端に電気的に接続された電源回路と、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを下側面に備え上側面を円板状の本体ベースに密着して固定した可視光LED基板と、
前記本体ベースの上方に配置されて前記電源回路を収納する収納部と、
前記可視光LED基板を下方から覆う下面カバーと、
前記収納部上部に載置されて係合するセードと、
前記本体ベースに備えられ一端を開口したホルダーと、
前記ホルダーに収納され光を下方に照射する放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
前記ホルダーの前記短波長LED照射方向を覆う短波長カバーと、
で構成されたLED照明器具である。
【0011】
また、本発明は第4に、短波長LEDを短波長LED基板に取付けホルダーに収納するともに、短波長LED基板が可視光LED基板よりも下方に位置する構成のLED照明器具である。
【0012】
また、本発明は第5に、短波長LEDを収納したホルダーを本体ベースに機械的かつ電気的に着脱自在に備えた構成のLED照明器具である。
【0013】
また、本発明は第6に、短波長LEDの照射する範囲をホルダーの取付け方向を変化させる角度調節部を備えて、手動で短波長LEDの照射方向を平面上前後左右に可変にできる構成のLED照明器具である。
【0014】
また、本発明は第7に、短波長カバーを透光率の高い透明樹脂であるポリメタクリル樹脂で形成して構成したLED照明器具である。
【0015】
また、本発明は第8に、短波長LEDと短波長カバーの間に位置し400ナノメートル以下の波長の光線を遮蔽する遮光フィルターを備えたLED照明器具である。
【0016】
また、本発明は第9に、可視光LEDによる照射範囲と短波長LEDによる照射範囲が同等範囲か短波長LEDによる照射範囲が可視光LEDによる照射範囲内に位置するLED照明器具である。
【0017】
また、本発明は第10に、電源線に長さ調節が可能な電源線長調節部を備えたLED照明器具である。
【0018】
また、本発明は第11に、接続部材への給電を開閉するスイッチと、短時間の給電と断電をすることによるプルレス動作によって電源回路から短波長LEDへの給電を制御するLED照明器具である。
【0019】
また、本発明は第12に、短波長LEDへの給電を可視光LEDへの給電に関係なく常時通電するLED照明器具である。
【0020】
また、本発明は第13に、短波長LEDの照射角がセードの下端を照射しない範囲の照射角であるLED照明器具である。
【0021】
また、本発明は第14に、短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲であるLED照明器具である。
【0022】
また、本発明は第15に、可視光LEDと短波長LEDは共通の電源回路から電源を供給される構成としたLED照明器具である。
【0023】
また、本発明は第16に、造営部材に設けられた被接続部材に接続する接続部材と、
前記接続部材に係止される略円板状の本体ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを下側面に備え上側面を前記本体ベースの下側面に密着して固定した可視光LED基板と、
前記本体ベース下面に保持された電源回路と、
前記可視光LED基板を下方から覆う保護カバーと、
前記可視光LED基板と前記電源回路とを下方から覆う下カバーと、
前記本体ベースに備えられ一端を開口したホルダーと、
前記ホルダーに収納され光をホルダー開口方向に照射する放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
前記ホルダーの開口を覆う短波長カバーと、
で構成されたLED照明器具である。
【0024】
また、本発明は第17に、本体ベースに角度調節部を介してホルダーを備え、手動で短波長LEDの照射する範囲をホルダーの取付け方向を変化させて、短波長LEDの照射方向を平面上前後左右に可変にできる構成のLED照明器具である。
【0025】
また、本発明は第18に、角度調節部を自由雲台構造としたLED照明器具である。
【0026】
また、本発明の第19に、短波長LEDの照射方向にプリズムを備え、プリズムの位置を手動で変化させることで短波長LEDの照射範囲を変える構成としたLED照明器具である。
【0027】
また、本発明は第20に、本体ベースにホルダーを複数個備えて、手動で任意の方向に短波長LEDの光を照射できるLED照明器具である。
【0028】
また、本発明は第21に、ホルダーの照射角度を制限するために、角度調節部に駆動限界角停止部を備えて,短波長LEDの照射角度を制限する構成としたLED照明器具である。
【0029】
また、本発明は第22に、本体ベースとホルダーの機械的接続と電気的接続を着脱自在に構成し、機械的接続を解除すると電気的接続も解除される構成にしたLED照明器具である。
【0030】
また、本発明は第23に、ホルダーの機械的接続と電気的接続をラインダクト構成としたLED照明器具である。
【0031】
また、本発明は第24に、本体ベースに取付け機構を介してホルダーを備え、取付け機構は本体ベースの略中心から本体ベース外周にアームを放射方向で略水平に伸設して略中心を支点に回動自在に備えられる構成としたLED照明器具である。
【0032】
また、本発明は第25に、短波長カバーを透光率の高い透明樹脂であるポリメタクリル酸メチル樹脂で形成して構成したLED照明器具である。
【0033】
また、本発明は第26に、短波長LEDと短波長カバーの間に位置し400ナノメートル以下の波長の光線を遮蔽する遮光フィルターを備えたLED照明器具である。
【0034】
また、本発明は第27に、造営部材に設けられた被接続部材に接続する接続部材と、
前記接続部材に係止される略円板状の本体ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを下側面に固定し上側面を前記本体ベースの下側面に密着して固定した可視光LED基板と、
前記本体ベース下面に保持された電源回路と、
前記可視光LED基板を下方から覆う保護カバーと、
前記可視光LED基板と前記電源回路とを下方から覆う下カバーと、
前記可視光LEDとともに可視光LED基板の下側面に備えられた放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
で構成されたLED照明器具である。
【0035】
また、本発明は第28に、LED基板の中心から外径の略半分の範囲に短波長LEDが配置されるとともに、外径の外方の略半分の範囲に可視光LEDが配置されるLED照明器具である。
【0036】
また、本発明は第29に、可視光LEDと短波長LEDとが、可視光LED基板に交互に配列されたLED照明器具である。
【0037】
また、本発明は第30に、短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲であるLED照明器具である。
【0038】
また、本発明は第31に、可視光LEDと短波長LEDは共通の電源回路または同一の電源基板から電源を供給される構成としたLED照明器具である。
【0039】
また、本発明は第32に、造営部材に取り付けられた本体ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを一面に備え他面を前記本体ベースに内包した固定金具に密着して固定した可視光LED基板と、
前記本体ベースに備えられた電源回路と、
前記可視光LED基板を外方から覆う保護カバーと、
前記可視光LED基板と前記電源回路とを外方から覆うグローブと、
前記本体ベースに備えられ一端を開口したホルダーと、
前記ホルダーに収納され放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
前記本体ベースと前記グローブとの間を水密的に保持する防水手段と、
前記本体ベースと前記造営部材との間を水密的に保持する防水部材と、
で構成されたLED照明器具である。
【0040】
また、本発明は第33に、ホルダーに収納された短波長LEDの照射方向である開口に透明材料であるポリメタクリル酸メチル樹脂で形成した短波長グローブを備えたLED照明器具である。
【0041】
また、本発明は第34に、短波長LEDへの通電を制御する通電制御部を備え、可視光LEDの消灯後に乾燥待機時間を経過してから短波長LEDへ一定時間通電し、短波長LEDと可視光LEDを通電停止状態にするLED照明器具である。
【0042】
また、本発明は第35に、通電制御部は浴室乾燥機の通電を検知し、乾燥待機時間を短縮する制御を行う構成としたLED照明器具である。
【0043】
また、本発明は第35に、室温検知部を備え、室温を常時検知して平均室温が所定の温度に対して高いときは通電制御部により短波長LED照射時間を所定の時間よりも長く動作させるLED照明器具である。
【0044】
また、本発明は第37に、本体ベースに角度調節部を介してホルダーを備え、手動で短波長LEDの照射する範囲をホルダーの取付け方向を変化させて、短波長LEDの照射方向を可変にできる構成のLED照明器具である。
【0045】
また、本発明は第38に、人感センサを備え、人を検知すると短波長LEDへの通電を停止するとともに、人が不在であることを検知すると短波長LEDへの通電制御部が通電を停止した時点から再開するLED照明器具である。
【0046】
また、本発明は第39に、短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲であるLED照明器具である。
【0047】
また、本発明は第40に、短波長LEDと短波長カバーの間に位置し400ナノメートル以下の波長の光線を遮蔽する遮光フィルターを備えたLED照明器具である。
【0048】
また、本発明は第41に、短波長LED通電時のはじめに、通電制御部により所定時間の間短波長LEDの通電を点滅させた後に短波長LEDを連続通電する構成のLED照明器具である。
【0049】
また、本発明は第42に、短波長LED通電時のはじめに、通電制御部により所定時間の間短波長LEDの通電を点滅させた後に短波長LEDを連続通電する構成のLED照明器具である。
【0050】
また、本発明は第43に、短波長LED通電時のはじめに、可視光LEDを所定時間点滅さてせた後に短波長LEDに通電する制御を行う構成のLED照明器具である。
【0051】
また、本発明は第44に、造営部材に取り付けられた本体ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを一面に備え他面を前記本体ベースに内包した固定金具に密着して固定した可視光LED基板と、
前記本体ベースに備えられた電源回路と、
前記可視光LED基板を外方から覆う保護カバーと、
前記可視光LED基板と前記電源回路とを外方から覆うグローブと、
前記可視光LED基板に備えられた放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
前記本体ベースと前記グローブとの間を水密的に保持する防水手段と、
前記本体ベースと前記造営部材との間を水密的に保持する防水部材と、
で構成されたLED照明器具である。
【0052】
また、本発明は第45に、LED基板の中心から外径の略半分の範囲に短波長LEDが配置されるとともに、外径の外方の略半分の範囲に可視光LEDが配置されるLED照明器具である。
【0053】
また、本発明は第46に、可視光LEDと短波長LEDとが、可視光LED基板に交互に配列されたLED照明器具である。
【0054】
また、本発明は第47に、短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲であるLED照明器具である。
【0055】
また、本発明は第48に、可視光LEDと短波長LEDは共通の電源回路または同一の電源基板から電源を供給される構成としたLED照明器具である。
【0056】
また、本発明は第49に、造営部材に固定された熱伝導性の材料で形成された長尺状の平面ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを下側面に備え、上側面を前平面ベースの下側面に密着して固定した可視光LED基板と、
前記平面ベース下面側に保持された電源回路と、
前記可視光LED基板を下方から覆う下カバーと、
前記平面ベースに備えられ下端を開口した遮光性材料で形成された収容部と、
前記収容部に収容され光を開口方向に照射する放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
前記収容部の開口を覆う短波長カバーとで構成されたLED照明器具である。
【0057】
また、本発明は第50に、短波長LEDと短波長カバーの間に位置し400ナノメートル以下の波長の光線を遮蔽する遮光フィルターを備えた請求項49に記載のLED照明器具である。
【0058】
また、本発明は第51に、収容部の照射角度を制限するために、角度調節部に照射角制限部を備えて,短波長LEDの照射角度を制限する構成としたLED照明器具である。
【0059】
また、本発明は第52に、平面ベースと収容部の機械的接続と電気的接続を着脱自在に構成し、機械的接続を解除すると電気的接続も解除される構成にしたLED照明器具である。
【0060】
また、本発明は第53に、短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲であるLED照明器具である。
【0061】
また、本発明は第54に、造営部材に固定された熱伝導性の材料で形成された長尺状の平面ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを下側面に備え上側面を前記平面ベース下側面の平面部に密着して固定した可視光LED基板と、
前記平面ベース下面側に保持された電源回路と、
前記可視光LED基板を下方から覆う下カバーと、
前記可視光LEDとともに可視光LED基板の下側面に備えられた放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDとで構成されたLED照明器具である。
【0062】
また、本発明は第55に、平面ベースを鉄またはアルミニウムで形成したLED照明器具である。
【0063】
また、本発明は第56に、可視光LED基板は略長方形で平面ベースの長手方向に沿って水平に保持されて、前記可視光LED基板は長手方向の略中心から長手方向両端の半分の距離範囲に短波長LEDが振り分けて配置されるとともに、長手方向の両端に近い側の半分の距離範囲に可視光LEDが配置されるLED照明器具である。
【0064】
また、本発明は第57に、可視光LEDと短波長LEDとが、可視光LED基板に交互に配列されたLED照明器具である。
【0065】
また、本発明は第58に、短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲であるLED照明器具である。
【0066】
さらに、本発明は第59に、可視光LEDと短波長LEDは共通の電源回路または同一の電源基板から電源を供給される構成としたLED照明器具である。
【発明の効果】
【0067】
本発明は第1に、造営部材に設けられた被接続部材に接続する接続部材と、
前記接続部材に一端を接続した電源線と、
前記電源線の他端に電気的に接続された電源回路と、
略水平に配された平板状の本体ベースの下側面に密着して固定したLED基板と、
前記本体ベースの上方に配置されて前記電源回路を収納する収納部と、
前記LED基板を下方から覆う下面カバーと、
前記収納部上部に載置されて係合するセードと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDと、放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDとを、
前記LED基板の前記本体ベースと反対側である下側面に配置して構成されたLED照明器具を提供するものである。
すなわち、可視光LEDと可視光LEDよりも短波長のLEDからおのおの照射される光と近紫外線により、照明器具としての光の照射と同時に近紫外線による殺菌効果も発揮するものである。
【0068】
また、本発明は第2に、LED基板の中心から外径の略半分の範囲に短波長LEDが配置されるとともに、外径の外方の略半分の範囲に可視光LEDが配置される構成としたLED照明器具であり、可視光LEDの照射範囲を目視することで短波長LEDの照射範囲を確認することができる。
【0069】
また、本発明は第3に、造営部材に設けられた被接続部材に接続する接続部材と、
前記接続部材に一端を接続した電源線と、
前記電源線の他端に電気的に接続された電源回路と、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを下側面に備え上側面を円板状の本体ベースに密着して固定した可視光LED基板と、
前記本体ベースの上方に配置されて前記電源回路を収納する収納部と、
前記可視光LED基板を下方から覆う下面カバーと、
前記収納部上部に載置されて係合するセードと、
前記本体ベースに備えられ一端を開口したホルダーと、
前記ホルダーに収納され光を下方に照射する放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
前記ホルダーの前記短波長LED照射方向を覆う短波長カバーと、
で構成されたLED照明器具を提供するものである。
すなわち、可視光LEDによる照明機能と可視光LEDよりも短波長のLEDをホルダーに収納して近紫外線を照射することができる。
【0070】
また、本発明は第4に、短波長LEDを短波長LED基板に取付けホルダーに収納するともに、短波長LED基板が可視光LED基板よりも下方(床側)に位置する構成のLED照明器具を提供するものであり、可視光LED基板への近紫外線照射を防ぐことができる。
【0071】
また、本発明は第5に、短波長LEDを収納したホルダーを本体ベースに機械的かつ電気的に着脱自在に備えた構成のLED照明器具を提供するものであり、短波長LEDの劣化などにより短波長LEDを収納したホルダーを任意に取り換えることができる。
【0072】
また、本発明は第6に、短波長LEDの照射する範囲をホルダーの取付け方向を変化させる角度調節部を備えて、手動で短波長LEDの照射方向を平面上前後左右に可変にできる構成のLED照明器具を提供するものであり、所望の方向に短波長LEDの光と近紫外線を照射することができる。
【0073】
また、本発明は第7に、短波長カバーを透光率の高い透明樹脂であるポリメタクリル樹脂で形成して構成したLED照明器具を提供するものであり、短波長LEDの照射を効率の良い照射にすることが可能である。
【0074】
また、本発明は第8に、短波長LEDと短波長カバーの間に位置し400ナノメートル以下の波長の光線を遮蔽する遮光フィルターを備えたLED照明器具を提供するものであり、近紫外線よりも波長の短い照射を遮蔽することができる。
【0075】
また、本発明は第9に、可視光LEDによる照射範囲と短波長LEDによる照射範囲が同等範囲か短波長LEDによる照射範囲が可視光LEDによる照射範囲内に位置するLED照明器具を提供するものであり、目視により近紫外線の照射範囲を確認することができる。
【0076】
また、本発明は第10に、電源線に長さ調節が可能な電源線長調節部を備えたLED照明器具であり、放射状に照射する短波長LEDの照射範囲の大小を電源線の長さ調整により調整することができる。
【0077】
また、本発明は第11に、接続部材への給電を開閉するスイッチと、短時間の給電と断電をすることによるプルレス動作によって電源回路から短波長LEDへの給電を制御するLED照明器具であり、可視光LEDとは別に短波長LEDへの通電と断電を制御することができる。
【0078】
また、本発明は第12に、短波長LEDへの給電を可視光LEDへの給電に関係なく常時通電するLED照明器具であり、可視光LEDによる照明動作の有無に関係なく短波長LEDによる殺菌効果を持続することができる。
【0079】
また、本発明は第13に、短波長LEDの照射角がセードの下端を照射しない範囲の照射角であるLED照明器具であり、近紫外線によるセード材料の劣化を防止することができる。
【0080】
また、本発明は第14に、短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲であるLED照明器具であり、短波長の可視光を放射すると同時に近紫外線を放射することで殺菌作用を得ることができる。
【0081】
また、本発明は第15に、可視光LEDと短波長LEDは共通の電源回路から電源を供給される構成としたLED照明器具であり、経済的なLED照明器具を提供することができる。
【0082】
また、本発明は第16に、造営部材に設けられた被接続部材に接続する接続部材と、
前記接続部材に係止される略円板状の本体ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを下側面に備え上側面を前記本体ベースの下側面に密着して固定した可視光LED基板と、
前記本体ベース下面に保持された電源回路と、
前記可視光LED基板を下方から覆う保護カバーと、
前記可視光LED基板と前記電源回路とを下方から覆う下カバーと、
前記本体ベースに備えられ一端を開口したホルダーと、
前記ホルダーに収納され光をホルダー開口方向に照射する放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
前記ホルダーの開口を覆う短波長カバーと、
で構成されたLED照明器具であり、シーリングライトで照明機能を得ながら短波長LEDによる殺菌機能も得ることができる。
【0083】
また、本発明は第17に、本体ベースに角度調節部を介してホルダーを備え、手動で短波長LEDの照射する範囲をホルダーの取付け方向を変化させて、短波長LEDの照射方向を平面上前後左右に可変にできる構成のLED照明器具であり、所望の方向に短波長LEDからの照射を向けることができる。
【0084】
また、本発明は第18に、角度調節部を自由雲台構造としたLED照明器具であり、短波長LEDの放射方向を所望の方向に簡便に設定することができる。
【0085】
また、本発明の第19に、短波長LEDの照射方向にプリズムを備え、プリズムの位置を手動で変化させることで短波長LEDの照射範囲を変える構成としたLED照明器具であり、短波長LEDの放射方向をプリズム操作により所望の方向に簡便に設定することができる。
【0086】
また、本発明は第20に、本体ベースにホルダーを複数個備えて、手動で任意の方向に短波長LEDの光を照射できるLED照明器具であり、複数の所望の方向に短波長LEDの放射方向を設定することができる。
【0087】
また、本発明は第21に、ホルダーの照射角度を制限するために、角度調節部に駆動限界角停止部を備えて,短波長LEDの照射角度を制限する構成としたLED照明器具であり、所定の短波長LED照射範囲内での照射方向設定が可能である。
【0088】
また、本発明は第22に、本体ベースとホルダーの機械的接続と電気的接続を着脱自在に構成し、機械的接続を解除すると電気的接続も解除される構成にしたLED照明器具であり、短波長LEDを備えたホルダーを取り換えることができる。
【0089】
また、本発明は第23に、ホルダーの機械的接続と電気的接続をラインダクト構成としたLED照明器具であり、本体ベースとは別のラインダクトにホルダーを取り付けて使用することができる。
【0090】
また、本発明は第24に、本体ベースに取付け機構を介してホルダーを備え、取付け機構は本体ベースの略中心から本体ベース外周にアームを放射方向で略水平に伸設して略中心を支点に回動自在に備えられる構成としたLED照明器具であり、本体ベースの中央付近を中心にしてホルダーを任意の回転角度に設定することができる。
【0091】
また、本発明は第25に、短波長カバーを透光率の高い透明樹脂であるポリメタクリル酸メチル樹脂で形成して構成したLED照明器具であり、短波長LEDの高い照射効率を得ることができる。
【0092】
また、本発明は第26に、短波長LEDと短波長カバーの間に位置し400ナノメートル以下の波長の光線を遮蔽する遮光フィルターを備えたLED照明器具であり、紫外線領域の放射を遮蔽することができ、紫外線による材料劣化や変色を防止することができる。
【0093】
また、本発明は第27に、造営部材に設けられた被接続部材に接続する接続部材と、
前記接続部材に係止される略円板状の本体ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを下側面に固定し上側面を前記本体ベースの下側面に密着して固定した可視光LED基板と、
前記本体ベース下面に保持された電源回路と、
前記可視光LED基板を下方から覆う保護カバーと、
前記可視光LED基板と前記電源回路とを下方から覆う下カバーと、
前記可視光LEDとともに可視光LED基板の下側面に備えられた放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
で構成されたLED照明器具であり、可視光LEDと短波長LEDを同一の可視光LED基板に取り付けることでコンパクトなLED照明器具を得ることができる。
【0094】
また、本発明は第28に、LED基板の中心から外径の略半分の範囲に短波長LEDが配置されるとともに、外径の外方の略半分の範囲に可視光LEDが配置されるLED照明器具であり、可視光LEDの照射範囲を目視することで短波長LEDの照射範囲を確認することができる。
【0095】
また、本発明は第29に、可視光LEDと短波長LEDとが、可視光LED基板に交互に配列されたLED照明器具であり、可視光LEDの照射範囲を目視することで短波長LEDの照射範囲を確認することができる。
【0096】
また、本発明は第30に、短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲であるLED照明器具であり、近紫外線と可視光を照射することができる。
【0097】
また、本発明は第31に、可視光LEDと短波長LEDは共通の電源回路または同一の電源基板から電源を供給される構成としたLED照明器具であり、経済的な電源回路を得ることで安価なLED照明器具を得ることができる。
【0098】
また、本発明は第32に、造営部材に取り付けられた本体ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを一面に備え他面を前記本体ベースに内包した固定金具に密着して固定した可視光LED基板と、
前記本体ベースに備えられた電源回路と、
前記可視光LED基板を外方から覆う保護カバーと、
前記可視光LED基板と前記電源回路とを外方から覆うグローブと、
前記本体ベースに備えられ一端を開口したホルダーと、
前記ホルダーに収納され放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
前記本体ベースと前記グローブとの間を水密的に保持する防水手段と、
前記本体ベースと前記造営部材との間を水密的に保持する防水部材と、
で構成されたLED照明器具であり、防水可能な可視光LEDの照射と短波長LEDを備えた照明器具を得ることができる。
【0099】
また、本発明は第33に、ホルダーに収納された短波長LEDの照射方向である開口に透明材料であるポリメタクリル酸メチル樹脂で形成した短波長グローブを備えたLED照明器具であり、短波長LEDの効率的な照射をすることができる。
【0100】
また、本発明は第34に、短波長LEDへの通電を制御する通電制御部を備え、可視光LEDの消灯後に乾燥待機時間を経過してから短波長LEDへ一定時間通電し、短波長LEDと可視光LEDを通電停止状態にするLED照明器具であり、浴室などの壁が乾燥する時間を経過した後に短波長LEDを作動させて近紫外線などを照射することができる。
【0101】
また、本発明は第35に、通電制御部は浴室乾燥機の通電を検知し、乾燥待機時間を短縮する制御を行う構成としたLED照明器具であり、浴室乾燥機の動作時は乾燥待機時間を短くして短時間で効率的な殺菌効果を得ることができる。
【0102】
また、本発明は第35に、室温検知部を備え、室温を常時検知して平均室温が所定の温度に対して高いときは通電制御部により短波長LED照射時間を所定の時間よりも長く動作させるLED照明器具であり、高温時に繁殖した細菌などを長い時間で確実に殺菌することができる。
【0103】
また、本発明は第37に、本体ベースに角度調節部を介してホルダーを備え、手動で短波長LEDの照射する範囲をホルダーの取付け方向を変化させて、短波長LEDの照射方向を可変にできる構成のLED照明器具であり、浴室内の所望の方向に短波長LEDの照射を可能にする。
【0104】
また、本発明は第38に、人感センサを備え、人を検知すると短波長LEDへの通電を停止するとともに、人が不在であることを検知すると短波長LEDへの通電制御部が通電を停止した時点から再開するLED照明器具であり、人が室内に居る場合は短波長LEDの動作を停止するとともに、人が不在になると停止した時点から再開することができる。
【0105】
また、本発明は第39に、短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲であるLED照明器具であり、可視光と近紫外線を同時に放射することができる。
【0106】
また、本発明は第40に、短波長LEDと短波長カバーの間に位置し400ナノメートル以下の波長の光線を遮蔽する遮光フィルターを備えたLED照明器具であり、紫外線を遮蔽することで居室内の材料劣化や変色を防止することができる。
【0107】
また、本発明は第41に、短波長LED通電時のはじめに、通電制御部により所定時間の間短波長LEDの通電を点滅させた後に短波長LEDを連続通電する構成のLED照明器具であり、人が居室内に居る時に短波長LEDを照射し始めても、点滅により人が気付くことができる。
【0108】
また、本発明は第42に、短波長LED通電時のはじめに、通電制御部により所定時間の間短波長LEDの通電を点滅させた後に短波長LEDを連続通電する構成のLED照明器具であり、人が居室内に居る時に短波長LEDを照射し始めても、点滅により人が気付くことができる。
【0109】
また、本発明は第43に、短波長LED通電時のはじめに、可視光LEDを所定時間点滅さてせた後に短波長LEDに通電する制御を行う構成のLED照明器具であり、人が居室内に居る時に可視光LEDを点滅させることで、点滅により人が短波長LEDの照射に気付くことができる。
【0110】
また、本発明は第44に、造営部材に取り付けられた本体ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを一面に備え他面を前記本体ベースに内包した固定金具に密着して固定した可視光LED基板と、
前記本体ベースに備えられた電源回路と、
前記可視光LED基板を外方から覆う保護カバーと、
前記可視光LED基板と前記電源回路とを外方から覆うグローブと、
前記可視光LED基板に備えられた放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
前記本体ベースと前記グローブとの間を水密的に保持する防水手段と、
前記本体ベースと前記造営部材との間を水密的に保持する防水部材と、
で構成されたLED照明器具であり、同一の可視光LED基板に可視光LEDと短波長LEDを備えることでコンパクトなLED照明器具を得ることができる。
【0111】
また、本発明は第45に、LED基板の中心から外径の略半分の範囲に短波長LEDが配置されるとともに、外径の外方の略半分の範囲に可視光LEDが配置されるLED照明器具であり、可視光LEDの照射範囲を目視確認することで短波長LEDの照射範囲を確認することができる。
【0112】
また、本発明は第46に、可視光LEDと短波長LEDとが、可視光LED基板に交互に配列されたLED照明器具であり、可視光LEDの照射範囲がほぼ短波長LEDの照射範囲であることを目視確認することができる。
【0113】
また、本発明は第47に、短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲であるLED照明器具であり、可視光と近紫外線を同時に放射することができる。
【0114】
また、本発明は第48に、可視光LEDと短波長LEDは共通の電源回路または同一の電源基板から電源を供給される構成としたLED照明器具であり、経済的でコンパクトなLED照明器具を得ることができる。
【0115】
また、本発明は第49に、造営部材に固定された熱伝導性の材料で形成された長尺状の平面ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを下側面に備え、上側面を前平面ベースの下側面に密着して固定した可視光LED基板と、
前記平面ベース下面側に保持された電源回路と、
前記可視光LED基板を下方から覆う下カバーと、
前記平面ベースに備えられ下端を開口した遮光性材料で形成された収容部と、
前記収容部に収容され光を開口方向に照射する放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDと、
前記収容部の開口を覆う短波長カバーとで構成されたLED照明器具であり、棚下から流し台などを可視光LEDで照明しながら短波長LEDで殺菌することができる。
【0116】
また、本発明は第50に、短波長LEDと短波長カバーの間に位置し400ナノメートル以下の波長の光線を遮蔽する遮光フィルターを備えた請求項49に記載のLED照明器具であり、紫外線を遮蔽することで居室内の材料劣化や変色を防止することができる。
【0117】
また、本発明は第51に、収容部の照射角度を制限するために、角度調節部に照射角制限部を備えて,短波長LEDの照射角度を制限する構成としたLED照明器具であり、LED照明器具の材料劣化や変色を防止することができる。
【0118】
また、本発明は第52に、平面ベースと収容部の機械的接続と電気的接続を着脱自在に構成し、機械的接続を解除すると電気的接続も解除される構成にしたLED照明器具であり、短波長LEDの劣化などにより短波長LEDを収納した収容部を任意に取り換えることができる。
【0119】
また、本発明は第53に、短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲であるLED照明器具であり、可視光と近紫外線を同時に放射することができる。
【0120】
また、本発明は第54に、造営部材に固定された熱伝導性の材料で形成された長尺状の平面ベースと、
放射照度の最大値が可視光波長の範囲内である特性を備えた複数の可視光LEDを下側面に備え上側面を前記平面ベース下側面の平面部に密着して固定した可視光LED基板と、
前記平面ベース下面側に保持された電源回路と、
前記可視光LED基板を下方から覆う下カバーと、
前記可視光LEDとともに可視光LED基板の下側面に備えられた放射照度最大値の波長が前記可視光LEDより短い単数または複数の短波長LEDとで構成されたLED照明器具であり、可視光LEDと短波長LEDを同一の可視光LED基板に備えることでコンパクトなLED照明器具を得ることができる。
【0121】
また、本発明は第55に、平面ベースを鉄またはアルミニウムで形成したLED照明器具であり、特に発熱の大きい短波長LEDから平面ベースを介して外部に熱伝導と放熱をすることができる。
【0122】
また、本発明は第56に、可視光LED基板は略長方形で平面ベースの長手方向に沿って水平に保持されて、前記可視光LED基板は長手方向の略中心から長手方向両端の半分の距離範囲に短波長LEDが振り分けて配置されるとともに、長手方向の両端に近い側の半分の距離範囲に可視光LEDが配置されるLED照明器具であり、可視光LEDの照射範囲を目視確認することで短波長LEDの照射範囲を確認することができる。
【0123】
また、本発明は第57に、可視光LEDと短波長LEDとが、可視光LED基板に交互に配列されたLED照明器具であり、可視光LEDの照射範囲がほぼ短波長LEDの照射範囲であることを目視確認することができる。
【0124】
また、本発明は第58に、短波長LEDのピーク波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの範囲であるLED照明器具であり、可視光と近紫外線を同時に放射することができる。
【0125】
さらに、本発明は第59に、可視光LEDと短波長LEDは共通の電源回路または同一の電源基板から電源を供給される構成としたLED照明器具であり、経済的でコンパクトなLED照明器具を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例1のLED照明器具を示す全体断面図である。
図2】本発明の実施例2のLED照明器具を示す断面図である。
図3】本発明の実施例2の遮光フィルターの透過特性グラフである。
図4】(a)本発明の実施例2のホルダーの部分断面図である。(b)本発明の実施例2のホルダーが傾斜した状態の部分断面図である。
図5】本発明の実施例3のLED照明器具の部分断面図である。
図6】本発明の実施例4のLED照明器具を示す断面図である。
図7】本発明の実施例5のLED照明器具を示す断面図である。
図8】(a)本発明の実施例6のLED照明器具の断面図である。(b)本発明の実施例6のプリズムを用いたLED照明器具の斜視図である。
図9】本発明の実施例7のLED照明器具を示す断面図である。
図10】本発明の実施例8のLED照明器具を示す断面図である。
図11】本発明の実施例9を示すLED照明器具の断面図である。
図12】本発明の実施例10を示すLED照明器具の断面図である。
図13】本発明の実施例11の可視光LED照明器具の断面図である。
図14】本発明の実施例11の可視光LED基板の平面図である。
図15】本発明の実施例12を示すLED照明器具の断面図である。
図16】本発明の実施例13を示すLED照明器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0126】
このLED照明器具は、主に下方に光を発出する天井などからの吊り下げ型(ペンダント型)と、天井などに接続アダプタを介して取り付けられるシーリング型と、浴室などの壁や天井に取り付けられる防水・防滴型と、台所などの棚下に固定される長尺型の棚下灯において、可視光LEDを取り付けた可視光LED基板と短波長LEDを別基板に取り付ける構成のものと、短波長LEDと可視光LEDとを可視光LED基板に集約して取り付ける構成の実施形態を示す。
また、短波長LEDの照射範囲を制限することで、短波長LEDの照射範囲を目視で確認することができる構成のものも含む。
なお、同一符合で同一名称の部材は同一形状で同一材料のものとして説明を繰り返さない。
【実施例0127】
図1は、本発明の実施例1のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。
初めに構成要素の概要を説明した後にその動作や操作と作用を説明する。
【0128】
1.LED照明器具
このLED照明器具は、LED照明器具本体1を、主に和室や天井の高い部屋に天井から吊り下げて使用するものである。日本国内では被接続部である引掛けシーリング2のような接続構成が普及しているので、これに合わせる接続部材である電源接続部3を備えることが互換性や設置時の利便性を各段に向上させるものとなる。そして、電源線4は電気的な接続とともに機械的にLED照明器具本体1を吊り下げる機能も併せ持つものである。電源線4の中ほどには電源線4の長さを調整する機能を持つ電源線調節部であるリーラー5が備えられている。リーラー5はLED照明器具を吊り下げた状態でも長さ調整をすることができる。LED照明器具本体1を所望の高さに調整することで、LED照明器具本体1による光の照射範囲が異なってくる。LED照明器具本体1は主に下方に光を照射し、上方は電源線4で天井とつながっているのみである。
【0129】
LED照明器具本体1を上から被うように角形や円形のセード6を被せるのが一般的であり、居室に合わせてセード6を取り換えることができるように共通の取り付け形状をしていることが一般的な形態となっている。セード6自体はデザイン性が重視されるために、多種多様なデザインのものが存在し好みに合わせて選択できる場合が多い。
【0130】
2.LED照明器具本体
LED照明器具本体1は略水平に配置されたLED基板7から光を下方に照射する構成であるので、LED基板7がLED照明器具本体1の下部に位置することになる。LED基板7に電力を供給する電源回路を形成する電源基板8は、鋼鈑をプレス加工したシャーシ9を上方に凸に絞って下方を開口して形成した凸部10の内側面と本体ベースを構成する放熱板11上側面とで囲まれて形成された収納部12に収容されて、LED基板7が放熱板11を介して電源基板8の下方に位置する構成にしてある。電源基板8がLED基板7より上方に位置するのは、LED基板7から照射される光が下方向に照射されるので、電源基板8がこの光を遮蔽することを避けるためである。また電源基板8で発生する熱は収納部12内の空気の対流によって電源基板8から凸部10に伝わり、多くの熱は凸部10から直接室内に放熱される。
【0131】
シャーシ9の下部にはシャーシ9のフランジ13外周より大きな円形をした略平面形状を成しシャーシ9と同心円状に水平に保持されるように放熱板11が取り付けられている。放熱板11下側面にはLED基板7が熱的に密着してねじなどで固定して取り付けられている。
略円形を基本とした円盤状のLED照明器具本体1は、放熱板11下部にLED照明器具本体1の下方を覆って取り付けられた半透明で摺りガラス状の透光性の下面カバー14が位置する。下面カバー14は上方を水平面で円形に開口していて、放熱板11外周と下面カバー14外周が密に嵌合して密閉性を維持している。
【0132】
3.電源線
電源線4は袋打ち電線やケーブル電線で形成されている。電源線4は商用電源とLED照明器具本体1を電気的に接続するとともに、LED照明器具本体1を造営部材である天井等から吊り下げる機械的な強度を要求される。そのため、袋打ちコードやケーブル電線を用いることが多い。
電源線4の両端の途中に備えられたルーラー5により居室内のLED照明器具本体1の高さを調整することができるので、略下方向に光を照射するLED照明器具本体1の高さを高く設定すると照射範囲は広くなり、低くすると照射範囲は狭くなる。
【0133】
4.シャーシ
シャーシ9は板厚が0.5mm程度の印刷鋼板をプレス加工して上方に天面16を備えて略円筒状に絞り、略円筒状の外壁15を形成している。外壁15の下端から水平面に沿って径方向に外に向かってフランジ13が約30mm伸設されている。シャーシ9の天面16と外壁15とで凸部10を形成している。凸部10の下方は開口している。フランジ13の外周はシャーシ9の凸部10と同心円状に形成されている。フランジ13の下面は概略水平な平面になっている。
【0134】
シャーシ9の天面16の外周角部はセード6を係止する係止部17が形成されている。係止部17は、角形や丸形で素材が木製や樹脂材料などのさまざまな装飾用セード6を安定して載せるための位置決めを兼ねている。セード6は概略下方に開口して上側の略中央を略円形に貫通していて形成した穴部18を設け、シャーシ9の天面16外周に形成された係止部17に載せる形状をしている。
【0135】
セード6の上面の穴部18が係止部17に係止されて位置決めと同時にLED照明器具本体1のシャーシ9の天面16に載置される。つまりシャーシ9の上部に位置する係止部17がセード6中央の穴部18に収まって位置決めしてセード6を支持する。この状態で天面16は天井側の居室空間に露出しているとともに、セード6内の空間にフランジ13と放熱板11の上側面が露出していることになる。
【0136】
また、収納部12内には電源基板8が配置されているので、発生する熱を放出するためにセード6上面を略円形に貫通した穴部18からシャーシ9本体の天面16が空中に露出することで、天面16が効率的に熱を排出する放熱フィンの役割を果たしている。また、穴部18がシャーシ9の係止部17に載せてあることで、フランジ13と放熱板11の上側面がセード6内方の空間に開放されている。
【0137】
LED基板7で発生する熱が放熱板11を介してセード6内の空間に排出されることとなる。LED照明器具本体1で発生する熱の大部分である電源基板8とLED基板で発生する熱が、一方でセード6の上側で電源基板8からの熱は天面16を介して放熱され、他方でセード6の内側でLED基板7の熱をフランジ13や放熱板11を介してセード6内方の空間に放熱されることとなる。
【0138】
5.電源基板
電源基板8は、略長方形に形成されてLED基板7に電力を供給するとともに、LED照明器具本体1の制御回路機能も含んでいる。電源基板8には電源線4が電気的に接続されて天井の引掛けシーリング2を介して電気が供給される。電源基板8はLED照明器具本体1内では略水平に保持され下側面に各種の電気部品が配置されている。上側面は主に銅箔により各電気部品を接続するとともに各電気部品が落下しないように半田付けによって固定している。電源基板8はシャーシ9下方から凸部10の収納部12内に収容されてシャーシ9本体および電源基板8上側面と絶縁距離を約10mm保持してネジやスペーサなどで固定されている。
電源基板8は商用電源から電力を供給されてLED基板7への電力供給を制御する。
【0139】
6.LED基板
LED基板7は八角形または略円形で、スペクトル分布で相対放射強度のピークの波長が460と570ナノメートルの白色の可視光を照射する可視光LED19が下面側に同心円状に配置されている。LED基板7下側面には銅箔(図示せず)による電気回路が形成されていて、各可視光LED19は直列と並列の組み合わせによる様々な発光パターンを実現できる。
【0140】
LED基板7の下面側で可視光LED19の配置の同心円状で内周側にはスペクトル分布で相対放射強度のピークの波長が405ナノメートルプラスマイナス5ナノメートルの短波長LED20が円周状に配置されている。短波長LED20の電気接続は、可視光LED19と並列に電源基板8に接続されており、可視光LED19とは独立に制御される。
【0141】
また、可視光LED19及び短波長LED20はLED基板7下側面に概略均一な密度で配置されている。これは発光分布を均一にすると同時に発熱をできるだけ均等に分散させるためである。特に短波長LED20は隣あう短波長LED20との間隔は可視光LED19どうしの間隔よりも大きくしてある。これは短波長LED20単品の発熱量が可視光LED19単品の発熱量よりも大きいためである。
【0142】
LED基板7上側面は部品等を配置せずにエポキシ樹脂やフェノール樹脂等の平坦な平面状態としている。LED基板7の中央には直径約40mmの略円形の貫通穴21が設けてある。LED基板7を下方から見ると外周と貫通穴21から放熱板11が見えることとなる。
【0143】
可視光LED19及び短波長LED20から照射された可視光と近紫外線は下面カバー14を透過中に散乱されながら居室に向かって略下方に照射される。可視光LED19と短波長LED20の照射角度は実効角が約120度であり、ほぼ同等である。従ってLED基板7の中央寄りに配置されている短波長LED20が照射する近紫外線が照射する範囲は、LED基板7の外周寄りに配置されている可視光LED19が照射する範囲の略内側に限定されることとなる。
【0144】
7.放熱板
放熱板11は略円形状で、水平に配置された厚さが約0.5mmの亜鉛メッキ鋼板等をプレス加工して形成されている。LED基板7の上側面は平坦な面をしているので、LED基板7は放熱板11にねじ等で密着的に固定されて熱的にも結合されることとなる。可視光LED19の発熱がLED基板7を介して放熱板11に伝わることとなる。放熱板11は略円形であり最外周は全周を下方向に約3mm絞り加工して補強している(図示せず)。放熱板11外周と下面カバー14の外周は密着してほこりや虫等が下面カバー14と放熱板11の間から侵入することを防止する構成としている。
【0145】
8.下面カバー
LED照明器具本体1の下部には中空ドーナツ形状の軸を垂直にして配置したものを水平面で上下に切断した下側の形状をした下面カバー14が配置されている。厚さは約2mmで材質は透明なプラスチックに光拡散剤を添加したものである。下面カバー14の中央には貫通孔21に相対して中心穴22が設けられている。
【0146】
下面カバー14の外周または中央部と放熱板11をネジで締結することで下面カバー14が放熱板11を介してLED照明器具本体1に一体化されることとなる。固定方法はネジで締結すること以外でも良いが、経済的にも組立性や分解しやすさを考慮するとネジ止めが良い。
【0147】
下面カバー14下側面はシボ加工や凹凸に加工してあり上側から下側へ透過する光を適度に拡散させる。その目的は可視光LED19から発出された光をより散乱させて居室全体をより均一に照明することにある。下面カバー14の内側面(上側面)は円滑な鏡面に近い表面状態である。これは可視光LED19からの光を反射させることで光を減衰することなく乱反射により散乱させるためである。前述のように下面カバー14は外周または中心近くの部位を放熱板11に当接してネジ等で放熱板11を介してLED照明器具本体1と一体的に固定される。
【0148】
下面カバー13は可視光LED18からの光を減衰することを抑えて透過させるとともに居室全体に散乱させることが主な機能である。さらには可視光LED基板6を下方から直接触れられることが無いように保護する役割もある。
【0149】
9.放熱板
LED基板7を放熱板11に固定ネジなどで固定することで密着性をよくしている。そしてLED基板7の可視光LED19及び短波長LED20の発熱を、一方で放熱板11からフランジ13を介してシャーシ9に伝導させるとともに、他方で放熱板11上側面のフランジ13より外周側部分から直接空中に放熱する構成としてある。
【0150】
放熱板11と下面カバー14でLED基板7を略密封する構成となるので、ホコリや虫がLED基板7に付着または下面カバー14内に入り込んで可視光LED19及び短波長LED20からの放射光を遮って放射光が減衰することを防止するとともに、下面カバー14を居室から見たときに、下面カバー14内方に侵入したホコリや虫が下面カバー14を介して見えることがないようにできる。
【0151】
以上の構成要素の動作や操作およびその作用を以下に説明する。
このLED照明器具本体1は天井面に予め設置されている引掛けシーリング2などの配線器具に電気的接続と機械的に吊り下げるための機構的接続が可能な電源接続部3を介して着脱自在に装着される。
【0152】
一端を電源接続部3に接続し、他端をLED照明器具本体1上部中央に接続された電源線4は、引掛けシーリング2などの配線器具とLED照明器具本体1を電気的に接続するとともに機械的にLED照明器具本体1を天井から吊り下げる。電源線4の長さは通常は約1mであるが、天井の高さや居室の条件また趣向によりリーラー5によって0.3メートルから1メートルの間で任意に調整できるようにしてある。
【0153】
LED照明器具本体1は天井の引掛けシーリング2に電源接続部3によって電源線4を介して吊り下げられる。
【0154】
放熱板11の中心には下面カバー14の中心穴から約5mmの断熱空間を設けてLED基板7の貫通穴21の内側端面が位置している。この断熱空間があることで、LED基板7に配置された可視光LED19及び短波長LED20から発生する熱がLED基板7を伝わって来ても、貫通穴21付近で放熱板11に熱伝導する。従って断熱空間を介しているので下面カバー14の中心穴22付近の温度は大きくは上昇しない。また、LED基板7からの熱が断熱空間で遮断されるので、下面カバー14の温度は、温度の高いLED基板7に近い中心穴22付近の温度よりも低いこととなる。また、LED基板7の可視光LED19及び短波長LED20直下に位置する下面カバー14の下方へのふくらみ部分はLED基板7からの断熱空間の距離が一番大きいので、LED基板7からの輻射や対流による熱伝達が少なく、従って下面カバー14の温度上昇はその材質の耐熱温度以下になる。
【0155】
図1において、可視光LED19と短波長LED20から机上面(TB1)までの距離(L1)のときは、可視光LED19が机上面(TB1)を照射する範囲(Y1)に対して、短波長LED20の照射範囲は(W1)となるが、リーラー5によってLED照明器具本体1を天井に向けて上方向に移動するために電源線4の長さを短くすると、机との距離は(L2)に変化して可視光LED19が机上面(TB2)を照射する範囲は(Y2)となり、短波長LEDの照射範囲は(W2)となる。
【0156】
リーラー5を調整して可視光LED19や短波長LED20の照射範囲を所望の範囲に変化させても、短波長LED20の照射範囲は可視光LED19の照射範囲の内側に限定されることとなる。
つまり、机上面を照明しようとして、机上面を可視光LED19が照射する範囲をリーラー5によってLED照明器具本体1の高さを調整すると、短波長LED20が近紫外線を照射する範囲が必然的に可視光LED19の照射範囲の内側に設定されるので、目に見えない近紫外線の照射範囲を可視光LED19の照射範囲から目視確認することが可能となる。
【0157】
短波長LED20からは青色の可視光も照射されるが、可視光LED19から照射される可視光が十分に強いので視認されにくい。それを補うように可視光LED19の照射範囲を確認すれば、その範囲内に短波長LEDからの近紫外線が照射されていることが認識できる。
【0158】
短波長LEDから照射される波長405ナノメートルを中心とする近紫外線から紫色の可視光までの範囲の光の照射は、殺菌効果を出すためには数時間から10時間程度の照射が必要になる反面、人体や動物に短時間照射されても無害であるので、短波長LED20を可視光LED19と同時に照射することで照明器具としての役割とともに、殺菌作用が期待できる。
【0159】
以上のように、本実施例では、可視光LED19と短波長LED20を同じLED基板7に実装したが、別の基板に分けても良い。
【0160】
また、可視光LED19と短波長LED20は同じ高さの平面に配置されたが、短波長LED19が可視光LED19よりも床面に近い下側方向に位置しても良い。
【0161】
さらに、可視光LED19と短波長LED20とは電源基板に対して独立した回路として接続されているので、点灯と消灯の切り替えは、電源基板8に備えられた制御機能により独立した制御をすることが可能である。近紫外線も紫外線の一部であるので、紫外線の人体への照射を好まない場合には居室に人が在室していることを検知して短波長LEDの照射を消灯する制御を組み込むことが可能である。この制御回路等については既存の技術で実現可能である。
【0162】
以上、本発明の一実施例を説明したが、本発明はこれらの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なし得る各種変形や修正もまた本発明に含まれる。
【実施例0163】
図2図3図4(a)(b)は、本発明の実施例2のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。
なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。実施例1で用いた名称と符号が同一のものは実施例1と同じ形状や材質や機能である。
初めに構成要素の概要を説明した後にその動作や操作と作用を説明する。
【0164】
LED基板31には可視光LED19のみが同心円状に配置されている。隣り合う可視光LED19は均等な距離で配置されており、光照射により発熱する可視光LED19からの放熱によるLED基板31の温度上昇を均等に保つことができる。
【0165】
下面カバー32の概略形状は実施例1に記載の下面カバー14と同じであるが、中心穴22に、下方に徐々に開口が大きくなる筒状で上下に開口したホルダー33が固定されている。ホルダー33には短波長LEDを単数または複数備えた短波長LED基板34が収納されて下方に可視光と近紫外線を照射する構成になっている。
【0166】
ホルダー33の下端開口をアクリル樹脂で形成された短波長カバー35が取り付けてあり、短波長LED20からの光を透過して居室の下方向に照射することとなる。短波長カバーは下方に凹んでいる形状で外周をホルダー33に固定されている。短波長カバー35の上方で短波長カバー35と短波長LED基板34の間に位置して遮光フィルター36がホルダー33内に備えられて固定されている。
遮光フィルター36の遮光特性を図3に示す。横軸は波長(単位はナノメートル)で縦軸は透過率(単位はパーセント)である。400ナノメートル以下の波長の光を通さない特性となっている。
【0167】
短波長カバーの中央は外周の肉厚よりも薄く形成されていて全体として凹レンズを形成している。上方から短波長LED20の照射した光を下方に透過するときに照射角度を広くする機能がある。
【0168】
LED基板7と短波長LED基板34は電源基板8にそれぞれ独立した回路として並列に電気的に接続されている。短波長LED基板34はホルダー33の上部開口を介して電源基板8に接続されている。
【0169】
自由雲台37は一端を放熱板11に固定し他端をホルダー33の上端に接続されている。短波長LED20の照射方向を所望の方向に調整する場合は、ホルダー33の下端を操作して任意の方向にホルダー33下端を向けると、自由雲台37によってホルダー33の向きが保持される。照射方向を調整する場合は、ホルダー33の向きを調整すればそのまま保持されることとなる。図4の(a)のように向きが真下のホルダー33を操作すると、自由雲台37を中心に振り子のようにホルダー33下端の向きを変えることができる。図4の(b)は所望の向きにホルダー33を操作した後に手を放した状態であり、操作した向きに保持されている。ホルダー33の照射方向の角度調整囲は、下面カバー32の中央部凹形状により制限されることとなる。
【0170】
短波長LED基板34はLED基板7よりも下方に位置している。短波長LED20から照射された可視光と近紫外線は遮光フィルター36と短波長カバー35を透過した後にそのまま居室内に照射されることとなり、LED基板7や下面カバー32やセード6に近紫外線を照射することはない。つまり、短波長LED20の照射角内にLED基板7や下面カバー32やセード6が位置しない。
【0171】
以上の構成要素の動作や操作およびその作用を以下に説明する。
ホルダー33内に収納されている短波長LED基板34から近紫外線を含む可視光が下方に照射される。遮光フィルター36を通過するときに、波長が400ナノメートル以下の可視光と近紫外線はカットされて短波長カバーに到達し、その後に居室に放射される。
【0172】
図2において、可視光LED19と短波長LED20から机上面(TB1)までの距離(H1)のときは、可視光LED19が机上面(TB1)を照射する範囲(V1)に対して、短波長LED20の照射範囲は(R1)となるが、リーラー5によってLED照明器具本体1を天井に向けて上方向に移動するために電源線4の長さを短くすると、机との距離は(H2)に変化して可視光LED19が机上面(TB2)を照射する範囲は(V2)となり、短波長LEDの照射範囲は(R2)となる。
【0173】
リーラー5を調整して可視光LED19や短波長LED20の照射範囲を所望の範囲に変化させても、短波長LED20の照射範囲は可視光LED19の照射範囲の内側に限定されることとなる。
つまり、机上面を照明しようとして、机上面を可視光LED19が照射する範囲をリーラー5によってLED照明器具本体1の高さを調整すると、短波長LED20が近紫外線を照射する範囲が必然的に可視光LED19の照射範囲の内側に設定されるので、目に見えない近紫外線の照射範囲を可視光LED19の照射範囲から目視確認することが可能となる。
【0174】
ここで、ホルダー33の向きを変える場合は、自由雲台37の稼働範囲が下面カバー32の中央部凹形状によって制限されているので、短波長LED20の照射範囲は可視光LED19の照射範囲内に収まるように自由雲台37の調整範囲を制限しているので、短波長LED20から照射される近紫外線が可視光LED19の照射範囲から外れることは無く、常に可視光の照射範囲を目視確認することで、近紫外線の照射範囲を確認することができることとなる。
【0175】
電源基板8への電源供給を壁スイッチ(図示せず)などで行うが、プルレス機能を電源基板にもたせてある。壁スイッチ(図示せず)により電源基板8への給電を短時間にオンとオフを繰り返すことで電源基板8は短波長LED基板34へのみ給電して短波長LED20から可視光と近紫外線が照射される。室内の殺菌などが終了したら手動で壁スイッチ(図示せず)を操作して電源基板8への通電を停止すると短波長LED基板34は消灯する。
また、可視光LED19のみを動作させたいときは、壁スイッチ(図示せず)を規定の回数オンとオフを繰り返すと、電源基板8が通電を制御してLED基板7への給電のみを開始し、可視光LED19のみが光を照射することとなす。通電を停止するときは壁スイッチ(図示せず)で消灯する。
【0176】
なお、短波長LED基板34への給電は、プルレス操作にしても良いし、機能として電源が供給されると無条件に短波長LED基板34に給電される構成でも良い。短波長LED基板34への給電方法は用途により設定できるものである。
【実施例0177】
図5は、本発明の実施例3のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。
なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。実施例1と2で用いた名称と符号が同一のものは実施例1と2と同じ形状や材質や機能である。
初めに構成要素の概要を説明した後にその動作や操作と作用を説明する。
【0178】
自由雲台41にはメス型コネクタ42が取り付けてあり、メス型端子43は電源基板8に電気的に接続されている。ホルダー44の上端開口外周にはオス型コネクタ45が取り付けてある。オス型コネクタ45にはオス型端子46が取り付けてあり短波長LED基板34に電気的に接続されている。ホルダー44の上端のオス型コネクタ45を自由雲台41のメス型コネクタ42に挿入すると、メス型端子43にオス型端子46が接触して短波長LED基板34と電源基板8が電気的に接続されるとともに、メス型コネクタ42とオス型コネクタ45により機械的に結合固定されることとなる。以降は電源基板8により短波長LED20の点灯を制御することができる。
【0179】
ホルダー44下端には短波長カバー35が取り付けられている。短波長LED20と短波長カバー35との間には遮光フィルター36が備えられている。短波長LED20から照射された光と近紫外線は遮光フィルター36を透過して400ナノメートル以下の波長を遮蔽する。遮光フィルター36を透過した光は短波長カバー35を透過して居室内に照射されることとなる。
【0180】
メス型コネクタ42とオス型コネクタ45は電球の口金のように螺着構造でも良いし、バヨネット構造でも良い。また爪などによる引掛け構造でも良い。既存の結合構造を利用すれば良い。
【0181】
以上の構成要素の動作や操作およびその作用を以下に説明する。
短波長LED20は発熱が可視光LED19に比べて一般的に発熱量が多く従って温度上昇が大きいので、相対的に寿命が短い。長期間使用している間に短波長LED20が劣化しても可視光LED19は使用可能である場合に、短波長LED20の交換を所望する場合はホルダー44を取り換えることで可能になる。
【0182】
ホルダー44を交換する場合は、自由雲台41のメス型コネクタ42からホルダー44のオス型コネクタ45を取り外す。メス型端子43からオス型端子46が離脱して短波長LED基板34が電源基板8から電気的に分離すると同時にホルダー44が自由雲台41から離脱するので、ホルダー44ごと短波長LED基板に取り付けられた短波長LED20を交換することができる。
短波長LED20を所望の照射方向に変更する場合は、自由雲台41を調整してホルダー44の向きを変えることで可能になる。自由雲台41の調整可能範囲は短波長LED20の照射範囲が可視光LED19の照射範囲内に制限されている。
なお、ホルダー44を交換する構成は、後述する実施例4から実施例8についても適用することができる。
【実施例0183】
図6は本発明の実施例4のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。
なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。実施例1から3で用いた名称と符号が同一のものは実施例1から3と同じ形状や材質や機能である。
初めに構成要素の概要を説明した後にその動作や操作と作用を説明する。
【0184】
1.シーリング照明器具
一般的に、日本国内の居室の天井に被接続部である引掛けシーリング51が標準的に備えられている。これに係合する互換性のある標準的な接続アダプタ52を回転して着脱自在に接続することで、電気的にも機械的にも任意のLEDシーリング照明器具53を着脱自在に取り付けることができる。つまり所望のデザインや仕様のLEDシーリング照明器具53を選んで取り付けることができることとなる。
【0185】
LEDシーリング照明器具53の多くは、お手入れ可能にするために、LEDシーリング照明器具53の下面を着脱自在に覆う下カバー54が螺着的に取り付けてある。お手入れを所望の場合は下カバー54を90度程度回転して着脱することができるものが主流である。
【0186】
2.ベース部
ベース部55は厚さ0.6mmの塗装鋼鈑をプレス加工等で円板状に加工し、中央に直径が約75mmの係合穴56を設け、外周は円形をしたドーナツ状をしている。ベース部55の係合穴56を接続アダプタ52に係合することでベース部55を水平に保持する。接続アダプタ52を操作することでベース部55を接続アダプタ52から着脱することができる。
【0187】
3.LED基板
ベース部55の床面側の面は白色などに塗装されていて光の反射率が大きくなるようにしてある。これにより、同じ光源を用いても室内に届く光束が比較的大きくなる。ベース部55下側面には、同心円状に1枚または複数枚に分割されたLED基板57が配置されている。各LED基板57には可視光LED19が配置されている。LED基板57はベース部55に密着するようにネジ止めなどで固定されている。
【0188】
LED基板57の上側面は平面でありベース部55と密着することにより、LED基板57で発生する熱をベース部55に伝える。LED基板57下側面にはエッチング加工により銅箔で形成された電気回路が設けられ、可視光LED19が半田付けされている。
LED基板57の下方を覆う形状のLEDカバー58がベース部55に固定されている。
【0189】
ベース部55下側面に同心円状に配置されたLED基板57の外周外側に、LED基板57を制御する電源基板59が取り付けられている。電源基板59は接続アダプタ52から交流の商用電力を供給され、LED基板57に直流電源を供給するとともに点灯や光の強弱などの制御を行う。
【0190】
4.短波長LED
ベース部55上面に一端を固定したアーム60の他端を角度調節部である自由雲台61を介して円筒状のホルダー62の根元を保持している。ホルダー62は内部に短波長LED20を備えた短波長LED基板63を自由雲台61側に収納している。短波長LED20の照射した光は、ホルダー62内に備えられたコーン状の反射円錐板64の小口径側から入射し、内面を反射しながらホルダー62の自由雲台61と反対側の反射円錐板64の大口径側の開口部65を経て、開口部65に取り付けられた短波長カバー66を透過して居室内に照射される。
従って、開口部65から照射される可視光と近紫外線の照射角度は限定されることとなり、所望の方向に集中して放射することができ、必要に応じて照射方向を手動で任意の方向に変えることができる。
短波長カバー66は光透過率の高いアクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)を用いるが、ポリカーボネート樹脂やスチレン樹脂を用いても減衰量は少なくて済む。
【0191】
短波長LED20の照射方向を所望の方向に調整する場合は、ホルダー62の開口部65を所望の方向に向けると自由雲台61がその方向を保持する。自由雲台61はホルダー62全体の重量を任意の方向に保持固定する保持力を有しているので、所望の方向に向けるだけでその方向を維持するし、保持力以上の力で操作すればホルダー62の方向を変えることができる。そして短波長LED20に通電すれば調整した方向に短波長LED20の光が照射されることとなる。
【0192】
5.電源基板
電源基板59にはLED基板57と並列に短波長LED基板63が接続されていて、LED基板57と短波長LED基板63の点灯制御は個別に行うことができる。つまり、LED基板57と短波長LED基板63の各々に対して個別に電源を供給する回路として電源基板59を有している。
【0193】
電源基板59の下面全体を覆うように電源カバー67がベース部55に固定されていて、直接手指で電源基板60に触れることができないようにしてある。電源カバー67は乳白色のポリカーボネート樹脂などの難燃性樹脂を射出成型して形成してある。
【0194】
6.LEDカバー
LED基板59の下方全体を覆うように透明な樹脂を射出成型したLEDカバー58が放熱板にネジ止などの方法で取り付けてある。LEDカバー58はLED基板57下面を覆うので、LED基板57に類似した略ドーナツ状をしている。
【0195】
LEDカバー58全体はLED基板57から5mmから30mm程度の距離に位置する。これにより、LED基板57とLED基板57下方のLEDカバー58との間に断熱空間を形成している。これらの断熱空間の効果は、LEDカバー58がLED基板57に密着または接近することで、可視光LED19から発生する熱によりLEDカバー58が変形することや、長時間の後に樹脂劣化することを避けることができることである。
【0196】
つまり、LEDカバー58の内周と外周がLED基板57から約5mm以上離れて断熱空間を形成していることで、可視光LED19で発生した熱がLED基板57を介してLEDカバー58に伝わることを防いでいる。
【0197】
LEDカバー58の上面(内面)は鏡面加工されていて光が反射しやすい表面状態にしてある。一方LEDカバー58の下面(外面)は鏡面ではなく、シボ加工または凹凸加工されていて可視光LED19からの光が透過するときに乱反射するようにしてある。
【0198】
ベース部55に固定された略ドーナツ状のLEDカバー58の内周と外周はベース部55の下面に密着していて、LED基板57を下方から覆うこととなる。LEDカバー58の内周と外周がベース部55に密着することで、手指がLED基板57に直接触れることを防いでいる。
【0199】
7.下カバー
一般に、下カバー54は透明樹脂に光拡散剤を添加したシート材を圧空成形して膨らませて形成することが多い。下カバー54の基材の材料としては、アクリル(ポリメタクリル酸メチル)、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの樹脂を多く用いる。また、光拡散剤を添加することで、LEDカバー58で一度拡散させた光をさらに拡散させて居室全体に均等に照射することができる。
【0200】
下カバー54に光拡散剤を添加するのは、LEDカバー58により可視光LED19が発出する光を一度乱反射させて拡散させているが、さらに居室全体に拡散させることと同時に、電源カバー67などの部材が見えないようにするためのデザイン的な意味がある。つまり、居室からLEDシーリング照明器具53を見上げたときに目視できるのは、下カバー54とベース部55の外周の一部とホルダー62のみとなる。
【0201】
以上の構成要素の動作や操作およびその作用を以下に説明する。
引掛けシーリング51に接続アダプタ52を取り付けて、LEDシーリング照明器具53本体を水平に保持した状態のまま、中央に設けた係合穴56を接続アダプタ52に対して下から押し上げて、LEDシーリング照明器具53本体を接続アダプタ52に係止する。
【0202】
この時点で下カバー54はまだ取り付けられていない。次にコネクタ(図示せず)で接続アダプタ52と電源基板59を電気的に接続する。商用電源に電源基板59が接続されているので電源基板59とLED基板57及び短波長LED基板63の充電部には電気を供給することが可能になる。しかし、LEDカバー58および電源カバー67が取り付けられているので手指が可視光LED19や電源基板59などの充電部に触れることはない。
居室から天井方向を目視すると、電源カバー67、LEDカバー58および接続アダプタ52が直視できる状態である。下カバー54をベース部55に取り付けることでLEDシーリング照明器具53としての取付けが完成する。
【0203】
短波長LED20から照射される近紫外線を照射したい方向にホルダー62の方向を手動で調整する。自由雲台61によってホルダー62の方向は維持される。短波長LED20は波長が405ナノメートルを中心に可視光(紫色)から近紫外線の範囲の光を照射する。一方、LED基板57の可視光LED19から放射される光の照射範囲はほぼLEDシーリング照明器具53の下方であるのに対して、短波長LED20の照射方向は可視光LED19の照射範囲とは異なる方向になる。短波長LED20が照射するのは近紫外線と同時に400ナノメートル以上の波長の可視光(紫色)を照射するので、可視光(紫色)の照射範囲を目視確認すれば、近紫外線が照射されている範囲を確認することができる。
【0204】
LEDシーリング照明器具53を点灯させると、電源基板59からLED基板57に電気が供給されて可視光LED19及び短波長LED20が光を発出する。可視光LED19から発出された光はLEDカバー58を透過してさらに下カバー54を透過してから居室内の下方向に照射される。
【0205】
ホルダー62は所望の方向を向いているので、可視光LED19の照射範囲の内外を照射する。このとき、短波長LED20からは近紫外線と同時に波長が405ナノメートルの可視光(紫色)を同じ照射範囲に照射するので、目視で近紫外線の照射範囲を確認することができることとなる。
【0206】
以上のように、本実施例では短波長LED20の照射方向を絞るために反射円錐板64を用いたが、レンズなどで照射方向を絞っても良い。
また、ホルダー62の開口部65に短波長カバー66と短波長LED20との間に400ナノメートル以下の波長の近紫外線を含む光線をカットする遮光フィルターを追加で備えても良い。短波長LED20の照射する光線は紫色の光線を含むので、目視による射範囲の確認が可能となる。
【実施例0207】
図7は本発明の実施例5のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。
なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。実施例1から4で用いた名称と符号が同一のものは実施例1から4と同じ形状や材質や機能である。
初めに構成要素の概要を説明した後にその動作や操作と作用を説明する。
【0208】
実施例4にはホルダー62に短波長LED20と反射円錐板63を収容してベース部55にアーム60と自由雲台61を介して1セットのみを備えていた。
本実施例ではベース部55の係合穴56を中心に放射状に均等角度に分割した位置にアーム60を放射状方向にしてアーム60の一端を固定し、放射状方向に自由雲台61を介してホルダー62を備えている。均等角度に分割する分割数は4から8分割でありホルダー62はこの分割数だけ取り付けてある。
【0209】
自由雲台61の周囲にはアーム60に固定されてホルダー62の照射角度を制限する駆動限界停止部68が設けてある。駆動限界停止部には略円錐状の金属で形成された制限壁469が伸設されている。駆動限界停止部68はアーム60に固定されている。自由雲台61の外周に駆動限界停止部の円錐形状をした制限壁69が位置する。ホルダー62を所望の照射方向に手動で変化させると、ホルダー62の円筒状の外形が制限壁69に当接してそれ以上傾斜することができないこととなる。これによりホルダー62が自由雲台61により変化できる傾斜角は駆動限界停止部68の制限壁69によって制限されることとなり、LED照明器具の一部を照射することはない。
【0210】
以上の構成要素の動作や操作およびその作用を以下に説明する。
係合穴56を中心に放射状に複数のアーム60を介して各々のアーム60の先端にはホルダー62が備えられている。各々のホルダー62には短波長LED20と反射円錐板64と短波長カバー66が取り付けてある。
【0211】
可視光LED19に給電して居室を照明することができるとともに、複数箇所の殺菌のために同時に各々のホルダー62を手動で方向を設定した後に電源基板59から短波長LED基板63に給電する。各短波長LED20から近紫外線と同時に可視光(紫色)が同じ照射範囲に照射される。可視光(紫色)を目視確認することで、必要に応じて手動でホルダー62の方向を調整して近紫外線を所望の方向に照射することができる。
【0212】
自由雲台61を介してホルダー62を手動で所望の照射方向に向けるときに、不用意にLED照明器具を照射したり、天井に向かって照射したりしないように駆動限界停止部68によりホルダー62の照射角度は予め制限されているので、ホルダー62が動ける範囲で所望の角度に変更することができる。不要な照射方向に向かないように注意する必要はなく安心して制限範囲内で操作することができる。
【0213】
以上のように、複数のホルダー62をベース部55に取り付けることにより、複数の場所に近紫外線を照射することができる。
また、ホルダー62のすべてに給電する必要が無い場合は、各々のホルダーへの給電を制御するスイッチを追加することで必要な量の近紫外線を照射することができて、省エネで経済的である。
さらに、手動でホルダー62の照射角度を変更する場合、駆動限界停止部68によって変更可能な角度が予め制限されているので、制限された角度内であれば安心して手動操作することができる。
【実施例0214】
図8(a)(b)は本発明の実施例6のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。
なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。実施例1から5で用いた名称と符号が同一のものは実施例1から5と同じ形状や材質や機能である。
初めに構成要素の概要を説明した後にその動作や操作と作用を説明する。
【0215】
ベース部55にアーム60と自由雲台61を介してホルダー71が取り付けられている。ホルダー71の自由雲台61側には短波長LED基板63に短波長LED20が取り付けられて、ホルダー71の自由雲台61と反対側に設けられた開口部65側に向けて反射円錐板64が備えられている。反射円錐板64の小口径側に短波長LED20が位置し反対の大口径側であり開口部側にはプリズム72が取り付けてある。
【0216】
プリズム72はホルダー71の長手方向に対して直交する方向に長手状のプリズム72の長手方向の軸を位置させる。プリズム72の軸方向に回転軸73をプリズム72に固定する。回転軸73は一端をプリズム72に結合し他端をつまみ74に結合してある。ホルダー71に軸受を設けてホルダー71外方につまみ74が位置しており、つまみ74と回転軸73とプリズム72は連動して回転する。
【0217】
つまみ74を回転させると回転軸73を介してプリズム72が連動して回転し、プリズム72の入射角と出射角が変化するので、同一方向から照射される短波長LEDの照射光は、プリズムからの出射方向が変化する。つまり、短波長LED20から出射される照射光は同一方向であるが、プリズム72が回転されることで、プリズム72からの出射方向が変化するので、結果としてホルダー71から短波長カバー66を透過して放射される照射光の方向が変化する。つまみ74を手動で回転させることで所望の方向に短波長LED20の照射光を照射することが可能となる。
【0218】
以上の構成要素の動作や操作およびその作用を以下に説明する。
ホルダー71に短波長LED20を収納し電源基板59から給電すると、短波長LED20から照射した光線が反射円錐板64を反射しながら通過した後に、プリズム72に入射する。入射した光線はプリズム72を出るときにわずかに分光されるが、近紫外線と可視光(紫色)は概略同じ方向に出射する。
【0219】
図8(b)に示すように、このとき手動でつまみ73を回転させると、プリズム72も回転し、プリズムからの出射方向が図8(b)の実線の方向から点線の方向に変化する。短波長LED20からの照射光は同一方向に照射しているが、プリズム72を回転させることでプリズム72からの出射光の方向が変化する。つまり、つまみ74を回転して調整することで所望の角度方向に短波長LED20からの照射光を照射することができることとなる。
【0220】
以上のように、本実施例ではホルダー71にプリズム72を備えて、つまみ74を操作することでプリズム72の方向を変化させることで短波長LED20の照射光の方向を変えたが、自由雲台61を省略してプリズム72をつまみ74で調整する構成にしても短波長LED20の照射角度を調整することができる。
【0221】
また、ホルダー71を1個取り付けたが、複数個をベース部55に取り付けて複数箇所を同時に短波長LED20の光で照射しても良い。
【実施例0222】
図9は本発明の実施例7のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。
なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。実施例1から6で用いた名称と符号が同一のものは実施例1から6と同じ形状や材質や機能である。
初めに構成要素の概要を説明した後にその動作や操作と作用を説明する。
造営部材である天井に被接続部材である引掛けシーリング51を取り付ける。引掛けシーリング51に接続部材である接続アダプタ52を接続する。接続アダプタ52にLEDシーリング照明器具本体81のベース部82を取り付ける。ベース部82と接続アダプタ52との接続状態で、接続アダプタ52外周のベース部82には接続アダプタ52を中心にして円環状回転アーム83の一端が接続アダプタ52を中心に回動自在に備えてある。円環状回転アーム83の他端には角度調節部である自由雲台61を介して短波長LED20を内蔵した筒状のホルダー62が備えられている。
【0223】
ホルダー62は内部に短波長LED20を備えた短波長LED基板63を自由雲台61側に収納している。短波長LED20の照射した光は、ホルダー62内に備えられたコーン状の反射円錐板64の小口径側から入射し、内面を反射しながらホルダー62の自由雲台61と反対側の反射円錐板64の大口径側の開口部65を経て、開口部65に取り付けられた短波長カバー66を透過して居室内に照射される。
従って、開口部65から照射される可視光と近紫外線の照射角度は限定されることとなり、所望の方向に集中して放射することができ、必要に応じてホルダー62を所望の方向に手動で任意の方向に変えることができる。
【0224】
以上の構成要素の動作や操作およびその作用を以下に説明する。
LEDシーリング照明器具81を挟んでホルダー62と反対側に短波長LED20の光を照射したいときは、その状態ではLEDシーリング照明器具本体81で遮られるので、接続アダプタ52を中心にして回動する円環状回転アーム83を手動でホルダー62を所望の位置まで回転させる。LEDシーリング照明器具本体81が短波長LED20の光を遮らない位置まで回動することとなる。この位置で改めて自由雲台61に備えられたホルダー62の照射方向を手動で調整することで居室全体の任意の位置に短波長LED20の光を照射することができる。
【0225】
なお、本実施例では、環状回転アーム83にホルダー62を1個のみ取り付けたが、円環状回転アーム83については、接続アダプタ52を中心に放射状に複数個備えてその各々のアーム83の先端にホルダー62を備える構成にすることで、同時に複数箇所を短波長LED20で照射することができ、さらに、接続アダプタ52を中心に環状回転アーム83を手動で回動することで短波長LED20の照射方向を調整することができる。。
【実施例0226】
図10は本発明の実施例8のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。
なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。実施例1から7で用いた名称と符号が同一のものは実施例1から7と同じ形状や材質や機能である。
初めに構成要素の概要を説明した後にその動作や操作と作用を説明する。
【0227】
アーム91の一端には自由雲台61を介してホルダー61が備えられている。ホルダー62は自由雲台61によりホルダー61の方向を所望の方向に調節して短波長LED20の照射光を照射することができる。アーム91の他端はレールアダプタ92に固定されているレールアダプタ92は規格製品である断面がコ字状のダクトレール93内を摺動するように断面が略長方形をして対向して一対の接触電極94が備えられている。
【0228】
レールアダプタ92とホルダー62は電気的に接続されている。レールアダプタ92はダクトレール93に接触電極93を介して機械的にも電気的にも接続されている。レールアダプタ92はダクトレール93を摺動しながらダクトレール93の任意の位置に保持できる。このとき常にダクトレール93からレールアダプタ92は電気的に接続されているので、ホルダー62には常に電気が供給されていることとなる。
【0229】
以上の構成要素の動作や操作およびその作用を以下に説明する。
ダクトレール93の任意の位置にレールアダプタ92を摺動させて保持する。接触電極94によってアーム91が保持されるとともに接触電極94を介してホルダー62に電気が供給される構成となっている。自由雲台61を介して備えられたホルダー62は手動により所望の照射方向に向きを変えることができる。必要に応じてホルダー62の向きを変えることで短波長LEDの照射方向を変えることができることとなる。
なお、駆動限界停止部68と制限壁69の機能は短波長LED20の照射方向を制限するためにホルダー62の向けを制限するために備えられているものである。
【実施例0230】
図11は本発明の実施例9のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。
なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。実施例1から8で用いた名称と符号が同一のものは実施例1から8と同じ形状や材質や機能である。
初めに構成要素の概要を説明した後にその動作や操作と作用を説明する。
造営部材である天井に設けられた被接続部材を形成する引掛けシーリング51に電気的にも機械的にも接続される接続部材である接続アダプタ52を接続し、LED照明器具本体101が接続されている。接続アダプタ52には略円板状のベース部102が係止されて保持されているベース部102の下側面の同心円状に可視光LED基板103がネジ止めなどで固定されて、熱的にもベース部102に結合されている。可視光LED基板103の下面には銅箔で電気的に接続された可視光LED19が同心円状に配置されている。可視光LED19の同心円内側の同心円状に短波長LED20が配置されている。可視光LED19の配置面積と短波長LED20の配置面積はほぼ等しい。中心には接続アダプタ52が位置している。
【0231】
可視光LED19外周方向のベース部102下側面には、電源基板104が備えられている。可視光LED基板103の下面に電気的に備えられた可視光LED19と短波長LED20を下方から覆うように円環状パイプを水平に切断した形状の保護カバー105がベース部102に固定されている。保護カバー105は透光性の樹脂材料で形成されている。保護カバー105は可視光LED10や短波長LED20とともに充電部を保護して人が触れることがないように備えられている。電源基板104には難燃性樹脂で形成された電源カバー106が下方から覆って電源基板を保護して人が触れないように構成されている。
【0232】
ベース部102の下側面には可視光LED基板103と保護カバー105や電源基板104と電源カバー106を下方から覆う下カバー107がベース部10に取り付けられる。下カバー107は乳白色の半透明樹脂であるアクリル樹脂(ポリメタクリル酸メチル樹脂)またはスチレン樹脂やポリカーボネート樹脂などで形成される。下カバー107は透光性があり適度に光を拡散する材料であれば良い。
【0233】
以上の構成要素の動作や操作およびその作用を以下に説明する。
引掛けシーリング51から供給された電気は接続アダプタ52を介して電源基板104に供給され、電源基板104で商用電流から直流電流に変換されて可視光LED基板103に供給される。可視光LED基板103で可視光LED19と短波長LED20に供給されるが、電気回路としては可視光LED19と短波長LED20それぞれ別回路として供給される。つまり、電源基板104は共通の電源でありひとつの電源から二系統の回路に電力を供給する構成となる。
【0234】
同心円状に配置された短波長LED20とその外周に位置する同心円状に配置された可視光LED19が照射する範囲は図11において、可視光LEDは「K1」の範囲であり、短波長LEDは「K2」の範囲となる。つまり、可視光が照射されている範囲内に短波長LED20が照射する光の照射範囲が含まれていることになる。使用者は可視光の範囲を目視することで、短波長LED20の照射範囲にほぼ近い範囲を目視確認することが可能となる。
【0235】
なお、可視光LED19と短波長LED20へ電源基板104から同時に電力を供給したが、片方だけまたは両方ともへの供給などの制御を既存の技術を使い実施する構成にしても良い。
また、可視光LED19の配置面積と短波長LEDの配置面積を等しくしたが、可視光LED19と短波長LED20の配置を同心円の半径の外側半分の範囲を可視光LED19とし、内側半分の範囲を短波長LED20としてもよい。
さらに、可視光LED19と短波長LED20を交互に配置してもよい。電気回路は可視光LED19と短波長LED20が各々独立した回路であり電源基板104から各々電源を供給される構成であれば良い。
【実施例0236】
図12は本発明の実施例10のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。
なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。実施例1から9で用いた名称と符号が同一のものは実施例1から9と同じ形状や材質や機能である。
初めに構成要素の概要を説明した後にその動作や操作と作用を説明する。
造営部材である天井にネジなどで固定されたLED照明器具本体110の上部を形成する本体ベース111を固定する。本体ベース111の下側面には放熱用の板金で形成された固定金具112がネジなどで固定されている。固定金具112の下側面には可視光LED基板113が固定されている。本体ベース111と固定金具112の間の空間に電源回路である電源基板114が備えられている。電源基板114にはスイッチ操作や各種センサからの入力により可視光LED19と短波長LED20を別々に制御する制御機能を備えている。
【0237】
可視光LED基板113を下方から覆う下方に凸形状をした保護カバー115が固定金具を介して本体ベース111に固定されている。さらに本体ベース111下方から下方に凸形状をして可視光LED基板113や保護カバー115や電源基板114を水密的に覆うグローブ116が備えられている。
【0238】
本体ベース111の外周壁117とグローブ116の間には防水手段であるシリコン発泡ゴム118がグローブ116の端部であるフランジ119に輪ゴムのようにはめ込まれている。シリコン発泡ゴム118はその弾性で外周壁117とフランジ119の間を水密的に遮蔽する。本体ベース111の外周近くと天井の間には防水部材である発砲シール120が備えられている。発泡シール120は本体ベース111の上側面の平面部に円周方向に外周近くの縁部に円周状に貼り付けられている。本体ベース111が天井に取り付けられると発砲シール120は本体ベース111と天井の間に挟まれることとなり、本体ベース111を天井に固定することで天井と本体ベース111の間で圧縮されて、発泡シール120により天井と本体ベース111の間が水密的にシールされる。
【0239】
天井には電源線121を通すがめの穴122が設けてあり、電源線121を通して電源基板に接続して電気を供給する。穴122の周囲は発泡シール120の作用により室内の湿気を遮断して電源線131を湿気から保護する。シリコン発泡ゴム118は湿気が本体ベース111とグローブ116の間から侵入するのを防ぐことができる。発泡シール120とシリコン発泡ゴム118の作用により、LED照明器具本体110内に湿気が侵入することはない。
【0240】
グローブ116内の固定金具112には円筒状のホルダー123が角度調節部である自由雲台124を介して取り付けてある。ホルダー123内には一端に短波長LED20が備えられていて、短波長LED20と反対方向に向かって反射円錐板64が備えられている。反射円錐板64の短波長LEDと反対側の開口部65にはポリメタクリル酸メチル樹脂(アクリル樹脂)で形成された短波長カバー125が備えられている。短波長カバー125と短波長LED20の間に400ナノメートル以下の光線を遮蔽する遮光フィルター129が備えられている。遮光フィルター129の機能は遮光フィルター36と同じである。
【0241】
ホルダー123の短波長LEDが照射する方向に位置するグローブ116の一部はポリメタクリル酸メチル樹脂(アクリル樹脂)で形成された短波長グローブ130が形成されている。グローブ116と短波長グローブ130の接続部は水密的にかつ機械的強度を保持して接着されている。短波長グローブ130はグローブ116が本体ベース111にセットされた状態では、常にホルダー123の下側に位置するように配置されている。
【0242】
可視光LED19と短波長LED20は電源基板114に接続されているが、それぞれ独立した回路として制御される。可視光LED19のみまたは短波長LED20のみが独立して制御されることで様々な機能を持たせている。各々の動作については後述する。
【0243】
室温検知部である室温センサが本体ベース111と天井の間の穴122近傍に備えられて、湿気に影響されないように室温を測定している。電源基板114には浴室乾燥機(図示せず)の動作信号を入力する信号線127が接続されている。可視光LED基板113の略中央には保護カバー115方向を向いて検知する人感センサ128が備えられている。人感センサ128は室内に人が存在するとその体温や光の変化を検知する働きをする。
【0244】
以上の構成要素の動作や操作およびその作用を以下に説明する。
最初にグローブ116を外してホルダー123を手動で所望の方向に向けて調節する。自由雲台124によりホルダー123の向きは保持される。グローブ116を取り付けてLED照明器具本体110の水密性を保持しておく。
【0245】
シリコン発泡ゴム118と発泡シール120の機能により、LED照明器具本体110が浴室などに設置されても内部には湿気は侵入しない構成になっている。浴室内に取り付けられたLED照明器具本体120を動作させる場合に、壁スイッチ(図示せず)を操作することで可視光LED19への通電を停止する。その後1時間のタイマー機能が動作し浴室が1時間程度でほぼ乾燥した後に短波長LED20が通電される。その間に浴室内に短波長LED20が照射することで殺菌効果が得られることになる。5時間の短波長LED20通電の後に照射は停止し、LED照明器具本体はすべて停止することとなる。
【0246】
また、浴室乾燥機(図示せず)の通電を信号線127から受信した場合は、1時間のタイマー機能を停止してすぐに短波長LED20の照射を開始する。
また、室温センサ126により蓄積した室温データがカビなどの繁殖が多い温度(約30度)以上であると判断した場合には5時間のタイマー時間を2時間延長する制御を行う。
また、人感センサ128が動作することで、短波長LED20の照射中に人が浴室に入ってきたことを検知すると、短波長LED20の照射を一時中断し人を検知しなくなった時点で照射を継続する。短波長LED20の照射時間合計は一定となる。
【0247】
また、短波長LED20を連続点灯する前に、約5分間短波長LED20を点滅させる。これにより、人が浴室に居た場合に短波長LED20を照射することが視認できるので短波長LED20の照射に含まれる遠紫外線を浴びることを避けることができる。
さらに、短波長LED20を連続点灯する前に、約5分間可視光LED19を点滅させても良い。人が浴室に居た場合に短波長LED20の連続点灯時に浴室内に居ることを避けることができる。
【実施例0248】
図13及び図14は本発明の実施例11のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。
なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。実施例1から10で用いた名称と符号が同一のものは実施例1から10と同じ形状や材質や機能である。
初めに構成要素の概要を説明した後にその動作や操作と作用を説明する。
天井に取り付けられたLED照明器具本体141の本体ベース111下面に固定金具112が取り付けられている。固定金具112下側面には可視光LED基板142がネジなどで固定されている。可視光LED基板142は固定金具112と熱的にも結合している。本体ベース111下側で固定金具112との間に電源基板114が備えられている。可視光LED基板142を下方から覆うポリメタクリル酸メチル樹脂(アクリル樹脂)で形成された保護カバー143が固定金具112を介して本体ベース111に固定されている。保護カバー143で覆われた可視光LED基板142全体を覆い外周上部にフランジ144を備えた下方に凹状のグローブ145が備えられている。フランジ144は本体ベース111の外周壁117にシリコン発泡ゴム118を圧縮して水密的に保持されている。本体ベース111と天井との間は略円形の発砲シール120を圧縮することで水密的に保持されている。
【0249】
穴122付近には室温センサ126が備えられており、浴室内の湿気から遮断されている。浴室乾燥機(図示せず)からの通電信号は信号線127から電源基板114に伝達される。
可視光LED基板142は略円形をしており中央下側面には人感センサ128が備えられて電源基板114に接続されている。短波長LED20が可視光LED基板142の略半径の中央寄り半分の範囲に均等な間隔で配置されている。可視光LED19が可視光LED基板142の略半径の外周寄り半分の範囲に均等な間隔で配置されている。図14は可視光LED基板142に可視光LED19と短波長LED20を配置した図である。中央寄りに短波長LED20を配置し、外周よりに可視光LED19を配置している。
【0250】
電源基板114と可視光LED基板142は電気的に接続されているが、電源基板114と可視光LED19及び電源基板114と短波長LED20との接続は、可視光LED19回路と短波長LED20回路は独立して電源基板114に接続されている。従って可視光LED19と短波長LED20は独立した制御が可能となっている。
【0251】
ポリメタクリル酸メチル樹脂(アクリル樹脂)で構成されたグローブ145は下方に凸形状を成し、上部のフランジ144が全周に形成されているので、本体ベース111の全周に形成された外周壁117に発泡シール120を介して水密的に保持されている。
【0252】
以上の構成要素の動作や操作およびその作用を以下に説明する。
可視光LED基板142の略中央寄りに配置された可視光LED19から照射される光の照射範囲は図13のN1の範囲である。この範囲は可視光LED19を点灯すると目視で確認できる。短波長LED20の照射範囲は図13のN2の範囲であり、可視光LED19と同時に点灯する場合は可視光LED19の照射範囲の内側であるので、短波長LED20の照射範囲の概略を目視で確認することができる。
【0253】
なお、電源基板114に可視光LED19と短波長LED20は独立した回路として接続されているので、可視光LED19のみを単独で点灯することもできる。
また、可視光LED19と短波長LED20を交互に配列しても良い。交互に配列した場合は、短波長LED20の照射範囲の概略を可視光LEDの照射範囲として視認することができるので、実用上は短波長LED20の照射範囲を認識できることになる。
【実施例0254】
図15は本発明の実施例12のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。
なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。実施例1から11で用いた名称と符号が同一のものは実施例1から11と同じ形状や材質や機能である。
初めに構成要素の概要を説明した後にその動作や操作と作用を説明する。
台所などの棚下に備えられるLED照明器具本体150は造営部材である棚下面にネジなどで固定されている。LED照明器具本体150の上部に設けられたアルミ押し出し加工された平面ベース151は長尺状の外形をしている。平面ベース151には貫通穴152が設けてあり、平面ベース151の下側面と天井との間を貫通している。天井からは商用電力を供給する電源線153が貫通穴152を通って平面ベース151の下側面に達している。平面ベース151の下側面の長手平面部154には長手方向の下面に可視光LED19を備えた長尺状の可視光LED基板155が密着してネジなどで固定されている。密着しているので可視光LED基板155と平面ベース151は長手平面部154を介して熱的に結合されている。
【0255】
可視光LED基板155近傍には円筒状のホルダー156が一端を角度調節部である自由雲台157を介して平面ベース151に取り付けられている。ホルダー156は自由雲台157を起点に下方に角度調節が可能である。ホルダー156の自由雲台157側には短波長LED20が備えられていて自由雲台157と反対側に照射するようにしてある。
【0256】
ホルダー156の自由雲台157から他端までの円筒状の外郭は内面が鏡面加工されて光を反射する照射角制限部を構成する反射筒158である。反射筒158は短波長LED20が照射する光を反射筒158内面で反射させながら短波長LED20と反対側の開口部159から出射する。このとき反射筒158からの照射角度が短波長LED20の照射角度の半分以下になっている。従って、短波長LED20からの照射は照射角が小さい照射となり、所望の照射部位に的確に照射することが可能になる。
【0257】
反射筒158の開口部159にはポリメタクリル酸メチル樹脂で形成された弱い凸レンズである短波長カバー160が備えられて、短波長LED20を保護すると同時に照射光の拡散を防止している。反射筒158の働きとともに短波長LED20の照射光を分散させない働きがある。
短波長カバー160と短波長LED20の間に遮光フィルター36が備えられている。遮光フィルター36により短波長LED20から照射される光のうち400ナノメートル以下の光線は遮断されることとなる。遮光フィルター36の透光性を示す波長特性は図3に示されている。
【0258】
平面ベース151の下側面で自由雲台157を挟んで、長手方向の可視光LED基板155と反対側には電源回路を構成する電源基板161が備えられている。電源基板161には電源線153が電気的に接続されている。電源基板161には電源線からの電気のスイッチ162とスイッチ162を操作する引き紐が備えられている。平面ベース151下側全面を覆うようにポリメタクリル酸メチル樹脂で形成された下カバー164が備えられている。下カバー164は可視光LED基板155や電源基板161を覆うが、ホルダー156の開口部159を覆う短波長カバー160などは下カバー164を貫通している。
【0259】
電源基板161からの電力供給は、可視光LED基板155と短波長LED20は独立した回路として供給される。電源基板161内に可視光LED基板155と短波長LED20に電力を供給する制御を行う回路を備えているので、スイッチ162の操作により交互にまたは同時に点灯や消灯させることが可能である。
【0260】
以上の構成要素の動作や操作およびその作用を以下に説明する。
台所の棚下面に取り付けられたLED照明器具本体150の引き紐163を引くとスイッチ162により電源基板161への電力が供給される。スイッチ162操作により可視光LED基板155への給電と短波長LED20への給電が各々独立して行われる。最初は同時に給電される。可視光LED19は台所の棚下方向を照明する。一方、短波長LED20はホルダー156の向きによりその照射方向が変わるが、所望の照射方向に手動でホルダー156の反射筒158部を操作する。自由雲台157の作用で操作した方向を保持するので所望の照射が可能となる。短波長LED20の光は遮光フィルター36により400ナノメートル以下の光線は遮断され、反射筒158と短波長カバー160の集光作用により所望の方向に短波長LED20の光線を照射することができる。
【0261】
なお、平面ベース151はアルミ押し出しにより形成したが、鉄や銅などの素材を用いても良いし、加工はプレス加工や鋳造などの加工方法でも良い。長手平面部154が形成できれば良い。
また、電源基板161から可視光LED基板155への給電と短波長LED20への給電はスイッチ162により独立した制御がされるが、常に同時に点灯と消灯する構成にしても良い。
さらに、スイッチ162を引き紐163で操作する構成としたが、電源基板161への電源供給ができれば制御形態は既存の技術を用いれば良い。
【実施例0262】
図16は本発明の実施例13のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。
なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。実施例1から12で用いた名称と符号が同一のものは実施例1から12と同じ形状や材質や機能である。
初めに構成要素の概要を説明した後にその動作や操作と作用を説明する。
台所などの棚下に備えられるLED照明器具本体170は造営部材である棚下面にネジなどで固定されている。LED照明器具本体170の上部に設けられた平面ベース151には貫通穴152が設けてある。天井からは商用電力を供給する電源線153が貫通穴152を通って平面ベース151の下側面に達している。平面ベース151の下側面の長手平面部154には長手方向の下面に水平面に沿って可視光LED19と短波長LED20を備えた長尺状の可視光LED基板171が密着してネジなどで固定されている。密着しているので可視光LED基板171と平面ベース151は長手平面部154を介して熱的に結合されている。
【0263】
可視光LED基板171の下側面に設けられた可視光LED19と短波長LED20の配置は、可視光LED基板171の長手方向の両端から中央に向かって可視光LED19が配置され、中央付近には短波長LED20が配置されている。具体的には長手方向の中央から端までの約半分の端側に可視光LED19を配し、中央寄りの約半分に短波長LED20を配している。
【0264】
平面ベース151の下側面で、長手方向の可視光LED基板171と長手方向に並んで電源基板161が備えられている。
平面ベース151下側全面を覆うようにポリメタクリル酸メチル樹脂で形成された下カバー172が備えられている。下カバー172は可視光LED基板171と電源基板161を覆う。
【0265】
電源基板161からの電力供給は、可視光LED基板171の可視光LED19と短波長LED20は独立した回路として供給される。電源基板161内に可視光LED19回路と短波長LED20回路に独立して電力を供給する制御を行う回路を備えているので、スイッチ162の操作により交互にまたは同時に点灯や消灯させることが可能である。照射された光線は床面やテーブルなどの照射面173に達することとなる。
【0266】
以上の構成要素の動作や操作およびその作用を以下に説明する。
引き紐163でスイッチ162を操作して、最初に電源基板161から可視光LED基板171に設けられた可視光LED19と短波長LED20に同時に電力を供給する。このとき長尺状の可視光LED基板171の略中央に配置された短波長LED20が照射する光線は図16の照射面173にT1の範囲に照射される。可視光LED基板171の両端に配置された可視光LED19が照射する可視光は図16のT2の範囲に照射される。同時に照射されることにより目視で短波長の照射範囲を認識することが可能である。
【0267】
スイッチ162の操作により短波長LED20への通電のみを停止することも可能であり、殺菌灯が必要な場合は短波長LED20のみを通電して可視光LED19への通電を停止することも可能である。所望の照射方法を選択することが可能である。
なお、可視光LED19と短波長LED20の配置については、可視光LED19の照射範囲内に短波長LED20を配置することで、目視による短波長LED20の照射範囲を認識できる範囲であれば任意の配置が可能であり、配置する個数比率も任意に選択することができる。
【実施例0268】
図17は本発明の実施例14のLED照明器具を示す。図面を参照しながら詳細を説明する。
なお、本実施例は実施形態の一例であり、これに限定されるものではない。実施例1から13で用いた名称と符号が同一のものは実施例1から13と同じ形状や材質や機能である。
初めに構成要素の概要を説明した後にその動作や操作と作用を説明する。
台所などの棚下に備えられるLED照明器具本体180は造営部材である棚下面にネジなどで固定されている。LED照明器具本体180の可視光LED基板181以外の部材は実施例13と同じ構造である。可視光LED基板181には可視光LED19と短波長LED20が等間隔に配置されている。可視光LED19と短波長LED20は可視光LED基板181上では機構的配置として互いに約5mm程度の接近した距離に配置してある。
【0269】
電源基板161からの電力供給は、可視光LED基板181の可視光LED19と短波長LED20は独立した回路として供給される。電源基板161内に可視光LED19回路と短波長LED20回路に独立して電力を供給する制御を行う回路を備えているので、スイッチ162の操作により交互にまたは同時に点灯や消灯させることが可能である。照射された光線は床面やテーブルなどの照射面173に達することとなる。
【0270】
以上の構成要素の動作や操作およびその作用を以下に説明する。
引き紐163でスイッチ162を操作して、最初に電源基板161から可視光LED基板181に設けられた可視光LED19と短波長LED20に同時に電力を供給する。このとき長尺状の可視光LED基板181に交互に配置された可視光LED19と短波長LED20が交互に照射するので、可視光と短波長光線はほぼ混合して照射されることとなる。図17において、可視光LED19の照射範囲はS1であり、短波長LED20の照射範囲はS2となる。可視光LED19と短波長LED20が同時に照射されると、照射範囲のズレは各LED素子の配置ピッチ分である約5mmであり、ほぼ同じ範囲を照射していると考えて支障はない。そして、同時に照射されることにより可視光範囲とほぼ同じ範囲に短波長光線が照射されることになるので、目視により短波長LED20の照射範囲が認識できることが可能になる。
【0271】
また、スイッチ162操作によって可視光LED19のみを照射する場合や短波長LED20のみを照射する場合もほぼ同等の範囲を照射することとなるので、可視光LED19の照射範囲を目視確認することで、短波長LED20の照射範囲を認識することができる。
スイッチ162の操作により短波長LED20への通電のみを停止することも可能であり、殺菌灯が必要な場合は短波長LED20のみを通電して可視光LED19への通電を停止することも可能である。所望の照射方法を選択することが可能である。
【0272】
なお、可視光LED19と短波長LED20の配置については、可視光LED19の個数と短波長LED20の個数を一定の比率にしたパターンで交互に配置することで、適度に可視光線と短波長光線を混合することとなるので、目視による短波長LED20の照射範囲を認識できる範囲であれば任意の配置が可能であり、配置する個数比率も任意に選択することができる。
【産業上の利用可能性】
【0273】
本発明は、食卓テーブルやリビングの天井や浴室の側壁や台所の棚下などに設置して、LED照明器具として使用するとともに、殺菌・消毒などを所望する場所に近紫外線を照射することができる。
【符号の説明】
【0274】
1 LED照明器具本体
2 引掛けシーリング(被接続部)
3 電源接続部(接続部材)
4 電源線
5 リーラー(電源線長調節部)
6 セード
7 LED基板
8 電源基板(電源回路)
9 シャーシ
10 凸部
11 放熱板(本体ベース)
12 収納部
13 フランジ
14 下面カバー
15 外壁
16 天面
17 係止部
18 穴部
19 可視光LED
20 短波長LED
21 貫通穴
22 中心穴
31 LED基板
32 下面カバー
33 ホルダー
34 短波長LED基板
35 短波長カバー
36 遮光フィルター
37 自由雲台
41 自由雲台
42 メス型コネクタ
43 メス型端子
44 ホリダー
45 オス型コネクタ
46 オス型端子
51 引掛けシーリング(被接続部材)
52 接続アダプタ(接続部材)
53 LEDシーリング照明器具
54 下面カバー
55 ベース部
56 係合穴
57 LED基板
58 LEDカバー
59 電源基板
60 アーム
61 自由雲台(開度調節部)
62 ホルダー
63 短波長LED基板
64 反射円錐板
65 開口部
66 短波長カバー
67 電源カバー
68 駆動限界停止部
69 制限壁
71 ホルダー
72 プリズム
73 回転軸
74 つまみ
81 LEDシーリング照明器具本体
82 ベース部
83 円環状回転アーム
91 アーム
92 レールアダプタ
93 ダクトレール
94 接触電極
101 LED照明器具本体
102 ベース部
103 可視光LED基板
104 電源基板
105 保護カバー
106 電源カバー
107 下カバー
110 LED照明器具本体
111 本体ベース
112 固定金具
113 可視光LED基板
114 電源基板(電源回路)
115 保護カバー
116 グローブ
117 外周壁
118 シリコン発泡ゴム
119 フランジ
120 発泡シール
121 電源線
122 穴
123 ホルダー
124 自由雲台
125 短波長カバー
126 室温センサ(室温検知部)
127 信号線
128 人感センサ
129 遮光フィルター
130 短波長グローブ
141 LED照明器具本体
142 可視光LED基板
143 保護カバー
144 フランジ
145 グローブ
150 LED照明器具本体
151 平面ベース
152 貫通穴
153 電源線
154 長手平面部
155 可視光LED基板
156 ホルダー
157 自由雲台(角度調節部)
158 反射筒(照明各制御部)
159 開口部
160 短波長カバー
161 電源基板(電源回路)
162 スイッチ
163 引き紐
164 下カバー
170 LED照明器具本体
171 可視光LED基板
172 下カバー
173 照射面
180 LED照明器具本体
181 可視光LED基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
【手続補正書】
【提出日】2022-10-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
図1】本発明の実施例1のLED照明器具を示す全体断面図である。
図2】本発明の実施例2のLED照明器具を示す断面図である。
図3】本発明の実施例2の遮光フィルターの透過特性グラフである。
図4】(a)本発明の実施例2のホルダーの部分断面図である。(b)本発明の実施例2のホルダーが傾斜した状態の部分断面図である。
図5】本発明の実施例3のLED照明器具の部分断面図である。
図6】本発明の実施例4のLED照明器具を示す断面図である。
図7】本発明の実施例5のLED照明器具を示す断面図である。
図8】(a)本発明の実施例6のLED照明器具の断面図である。(b)本発明の実施例6のプリズムを用いたLED照明器具の斜視図である。
図9】本発明の実施例7のLED照明器具を示す断面図である。
図10】本発明の実施例8のLED照明器具を示す断面図である。
図11】本発明の実施例9を示すLED照明器具の断面図である。
図12】本発明の実施例10を示すLED照明器具の断面図である。
図13】本発明の実施例11の可視光LED照明器具の断面図である。
図14】本発明の実施例11の可視光LED基板の平面図である。
図15】本発明の実施例12を示すLED照明器具の断面図である。
図16】本発明の実施例13を示すLED照明器具の断面図である。
図17】本発明の実施例14を示すLED照明器具の断面図である。