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特開2024-31739伝熱管を含むチラー及び伝熱管の汚染度を判断するためのチラーの制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031739
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】伝熱管を含むチラー及び伝熱管の汚染度を判断するためのチラーの制御方法
(51)【国際特許分類】
   F25B 49/02 20060101AFI20240229BHJP
   F25B 39/04 20060101ALI20240229BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20240229BHJP
   F28D 7/16 20060101ALI20240229BHJP
   F28F 27/00 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
F25B49/02 570B
F25B39/04 J
F25B1/00 101Z
F28D7/16 A
F25B49/02 A
F25B1/00 399Y
F28F27/00 511K
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022199980
(22)【出願日】2022-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2022-0106373
(32)【優先日】2022-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】ユンジン キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョンボム リ
(72)【発明者】
【氏名】ソルリ リュ
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA31
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、伝熱管を含むチラー及び伝熱管の汚染度を判断するためのチラーの制御方法を提供する。
【解決手段】外気と熱交換する冷却水を貯蔵する冷却塔と、冷却塔から供給される冷却水が流れる伝熱管を含み、伝熱管の冷却水と熱交換する冷媒が流入する凝縮器と、凝縮器から冷却水を排出する冷却水流出配管に備えられ、排出される冷却水の温度を検出する冷却水出口温度センサーと、凝縮器の内部に備えられ、凝縮器の内部の冷媒圧力を検出する凝縮器圧力センサーと、冷却水出口温度センサーで検出された温度の値と凝縮器圧力センサーで検出された冷媒圧力の値から換算された冷媒温度値との差の値を計算することにより運転データを収集して、凝縮器の伝熱管で冷却水の異物が沈着する汚染度を認識するコントローラと、差の値に関する情報が予め設定された値を外れていると認識すると、汚染度に関する情報を出力するディスプレイ部と、を含むチラー。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気と熱交換する冷却水を貯蔵する冷却塔と、
前記冷却塔から供給される冷却水が流れる伝熱管を含み、前記伝熱管の冷却水と熱交換する冷媒が流入する凝縮器と、
前記凝縮器から冷却水を排出する冷却水流出配管に備えられ、前記排出される冷却水の温度を検出する冷却水出口温度センサーと、
前記凝縮器の内部に備えられ、前記凝縮器の内部の冷媒圧力を検出する凝縮器圧力センサーと、
前記冷却水出口温度センサーで検出された温度の値と前記凝縮器圧力センサーで検出された冷媒圧力の値から換算された冷媒温度値との差の値を計算することにより運転データを収集して、前記凝縮器の伝熱管で冷却水の異物が沈着する汚染度を認識するコントローラと、
前記差の値に関する情報が予め設定された値を外れていると認識すると、前記汚染度に関する情報を出力するディスプレイ部と、を含むチラー。
【請求項2】
運転周期毎に前記差の値に関する情報をアップデートして格納するメモリ部をさらに含み、
前記コントローラは、前記メモリ部に格納される複数の運転周期毎の複数の差の値の平均値を計算する、請求項1に記載のチラー。
【請求項3】
前記コントローラは、
前記平均値が予め設定された第1設定値以上であると認識される回数が設定回数以上であると認識すると、前記伝熱管の汚染度に関する情報を前記ディスプレイ部に出力する、請求項2に記載のチラー。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記複数の運転周期毎の前記平均値の変化量が第2設定値以上であると認識すると、前記伝熱管の汚染度に関する情報を前記ディスプレイ部に出力する、請求項2に記載のチラー。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記汚染度を認識する過程で、予め設定されたイベントが発生すると、前記差の値を計算して運転データを収集するプロセスを中止する、請求項1に記載のチラー。
【請求項6】
前記凝縮器に貯蔵される冷媒の水位を検出する凝縮器レベルセンサーをさらに含み、
前記コントローラは、前記凝縮器レベルセンサーで検出された水位の値が設定値以上であると認識すると、前記運転データの収集を中止する、請求項5に記載のチラー。
【請求項7】
前記コントローラは、
前記冷却水出口温度センサーで検出された温度の値と前記凝縮器圧力センサーで換算された冷媒温度値との差の値が設定値以下であると認識すると、前記運転データの収集を中止する、請求項5に記載のチラー。
【請求項8】
前記凝縮器で凝縮された冷媒を減圧するための膨張装置と、
前記膨張装置で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
前記凝縮器と前記蒸発器を連結する連結配管に設置され、前記凝縮器の内部の冷媒を前記蒸発器へとバイパスするように開放されるホットガスバルブと、をさらに含む、請求項5に記載のチラー。
【請求項9】
前記コントローラは、
前記ホットガスバルブが開放されたと認識されると、前記運転データの収集を中止する、請求項8に記載のチラー。
【請求項10】
前記凝縮器に冷却水を流入させる冷却水流入配管に備えられ、前記流入する冷却水の温度を検出する冷却水入口温度センサーをさらに含み、
前記コントローラは、
前記凝縮器の入水温度と出水温度の差値が設定値以上になると認識すると、前記運転データの収集を中止する、請求項5に記載のチラー。
【請求項11】
前記凝縮器の伝熱管の両側に備えられ、冷却水が流れるフロー空間を提供するウォーターボックスをさらに含み、
前記冷却水流出配管は、前記ウォーターボックスに結合される、請求項1に記載のチラー。
【請求項12】
前記ウォーターボックスは、前記冷却水流出配管が結合される第1ウォーターボックスと、前記第1ウォーターボックスの反対側に提供される第2ウォーターボックスと、を含み、
前記第1ウォーターボックスの内部には、前記凝縮器の内部に冷却水を流入させるための第1空間と前記凝縮器で熱交換された冷却水を排出するための第2空間とを区画する区画板が提供される、請求項11に記載のチラー。
【請求項13】
前記凝縮器の伝熱管は、分離板によって区画される第1伝熱管および第2伝熱管を含み、
前記分離板と前記凝縮器の両端の間には、前記第1伝熱管で熱交換された冷媒を前記第2伝熱管側にガイドするフローホールが形成される、請求項1に記載のチラー。
【請求項14】
前記凝縮器に冷媒を流入させるための冷媒流入部と、
前記凝縮器の内部に提供され、前記冷媒流入部に隣接して配置されて、前記冷媒流入部を介して流入した冷媒がぶつかるガイド板と、をさらに含む、請求項1に記載のチラー。
【請求項15】
チラーの制御方法であって、
前記チラーは、
外気と熱交換する冷却水を貯蔵する冷却塔と、
前記冷却塔から供給される冷却水が流れる伝熱管を含み、前記伝熱管の冷却水と熱交換する冷媒が流入する凝縮器と、
前記凝縮器から冷却水を排出する冷却水流出配管に備えられ、前記排出される冷却水の温度を検出する冷却水出口温度センサーと、
前記凝縮器の内部の冷媒圧力を検出する凝縮器圧力センサーと、
を含み、
前記チラーの制御方法は、
コントローラによって、前記冷却水出口温度センサーで検出された温度の値と前記凝縮器圧力センサーで検出された冷媒圧力の値から換算された冷媒温度値との差の値を計算することにより運転データを収集するステップと、
前記コントローラによって、前記差の値に関する情報が予め設定された値を外れていると認識すると、前記汚染度に関する情報をディスプレイ部に出力するステップと、を含むチラーの制御方法。
【請求項16】
前記チラーは、運転周期毎に前記差の値に関する情報をアップデートして格納するメモリ部をさらに含み、
前記コントローラは、前記メモリ部に格納される複数の運転周期毎の複数の差の値の平均値を計算する、請求項15に記載のチラーの制御方法。
【請求項17】
前記コントローラは、
前記平均値が第1設定値以上であると認識される回数が設定回数以上であるか、または、前記複数の運転周期毎の前記平均値の変化量が第2設定値以上であると認識すると、前記伝熱管の汚染度に関する情報を前記ディスプレイ部に出力する、請求項16に記載のチラーの制御方法。
【請求項18】
前記コントローラは、
前記汚染度を認識する過程で、予め設定されたイベントが発生すると、前記差の値を計算して運転データを収集するプロセスを中止し、
前記予め設定されたイベントは、
凝縮器レベルセンサーで検出された水位の値が設定値以上であると認識する第1イベントと、
前記冷却水出口温度センサーで検出された温度の値と前記凝縮器圧力センサーで換算された冷媒温度値との差の値が設定値以下であると認識する第2イベントと、
前記凝縮器の内部の冷媒を蒸発器へとバイパスするように開放されるホットガスバルブが開放されたと認識する第3イベントと、
前記凝縮器の入水温度と出水温度の差の値が設定値以上になると認識する第4イベントのうち少なくとも1つを含む、請求項15に記載のチラーの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
伝熱管を含むチラー及び伝熱管の汚染度を判断するためのチラーの制御方法(a chiller including a heat transfer tube and a control method the same for determining the degree of contamination of the heat transfer tube)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、チラーは、冷水を冷水需要先に供給するものとして、冷凍システムを循環する冷媒と、冷水需要先と冷凍システムの間を循環する冷水の間で熱交換が行われて、前記冷水を冷却させることを特徴とする。チラーは、大容量設備として、規模の大きい建物等に設置される。
【0003】
チラーは、冷却水を冷却するための冷却塔を含むことができる。冷却塔は、外部環境に露出される開放型冷却塔として提供され、冷却塔に貯蔵される冷却水は、外気との熱交換を通じて冷却される。
【0004】
冷却水の冷却過程で外部の異物が冷却塔に流入することがあり、前記異物は、チラーの熱交換器に流動して熱交換器内部の伝熱管にくっつくことになる。
【0005】
一方、冷却水は、冷却塔と凝縮器を循環する流体として、数十トン程度の大容量が必要となり、冷却水の蒸発過程で足りなくなった冷却水の量だけ持続的に供給する必要がある。従って、冷却水の投入費用が製造社の立場では大きな負担として作用し、これを解決するために、冷却水は相対的に安い工業用水を使用することになる。
【0006】
従って、前記工業用水自体の汚染程度によって、熱交換器の伝熱管には異物がくっつく可能性が高くなる。
【0007】
このように、伝熱管にくっつく異物によって熱交換器の熱交換性能が低下し、製品の信頼性を低下させることになる。
【0008】
これを解決するために、熱交換器の伝熱管は、洗浄が必須的である。ただし、熱交換器の伝熱管が、洗浄が必要であるほど汚染されているのか否かを確認することが容易ではない。
【0009】
最も確実な方法は、伝熱管内部の汚染状態を内視鏡等で確認することであるが、このような確認のためには、冷却塔と熱交換器を循環する大容量の冷却水を外部に捨てなければならない負担が伴う。
【0010】
従って、冷却水を捨てなくても熱交換器の汚染程度を比較的正確に判断し、伝熱管の洗浄が必要であると判断されると、ユーザに洗浄の知らせを提供する判断方法が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような問題点を解決するために提案されたものとして、伝熱管の汚染度を判断し、伝熱管を洗浄するのか否かに関する知らせを提供するチラーを提供することを目的とする。
【0012】
本発明は、伝熱管の汚染度を判断するための別途の部品を備えることなく、チラーの運転データを分析して前記汚染度を判断できるチラーを提供することを目的とする。
【0013】
本発明は、チラーのサイクル運転のために、既存に備えられるセンサーの感知値を認識し、認識されたデータを加工して熱交換器の性能因子を計算できる運転ロジックが備えられるチラーを提供することを目的とする。
【0014】
本発明は、チラーの運転中に認識される多数の運転データのうち、伝熱管の汚染度判断に使用できる特定データを選別的に抽出する運転ロジックが備えられるチラーを提供することを目的とする。
【0015】
前記特定データを選別するために、チラーのサイクル運転が安定化する時間を待機した後、運転データを抽出することができる。
【0016】
前記特定データを選別するために、凝縮器に備えられる凝縮器レベルセンサーの値が特定範囲に属する時に認識される運転データを抽出することができる。
【0017】
前記特定データを選別するために、凝縮器冷媒温度と冷却水出口温度の差値が設定範囲に属する時に認識される運転データを抽出することができる。
【0018】
前記特定データを選別するために、チラーに備えられるホットガスバルブがオフ状態である時に認識される運転データを抽出することができる。
【0019】
前記特定データを選別するために、冷却水出水温度と冷却水入水温度の差値が設定範囲に属する時に認識される運転データを抽出することができる。
【0020】
本発明は、長時間にわたって徐々に累積される伝熱管の異物を考慮する時、チラーの運転周期に応じて運転データを累積して貯蔵し、貯蔵された運転データを加工することにより汚染度の増加傾向を判断できるチラーを提供することを目的とする。
【0021】
前記運転周期に関連して、チラーがオフされた後オン作動した時、新たな運転周期が開始する。または1日以上チラーが継続してオン作動する場合には、1日のうち特定時点が経過する時、新たな運転周期が開始する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の実施例は、冷却水が流動する伝熱管を有する凝縮器を含み、前記伝熱管の汚染度を認識するために凝縮器の冷媒温度及び冷却水の温度を感知するセンサーを含むことができる。
【0023】
前記センサーは、凝縮器を通過する冷媒の圧力を感知するための凝縮器圧力センサーを含むことができる。前記凝縮器圧力センサーで感知された圧力から飽和温度を計算することができ、前記計算された飽和温度が前記凝縮器の冷媒温度として認識される。
【0024】
前記センサーは、前記凝縮器から排出される冷却水の出水温度を感知するための冷却水出水温度センサーを含むことができる。
【0025】
前記凝縮器の冷媒温度と冷却水温度の差値に基づいて、伝熱管の汚染度を認識できるコントローラを含むことができる。前記温度の差値は、凝縮器の熱交換性能を示す因子を構成することができる。
【0026】
前記コントローラは、チラーが運転される期間の間、チラーの運転状態に応じて選別的に運転データを収集することができる。
【0027】
前記コントローラは、前記チラーがオン駆動された後、サイクルが安定化する時間が経過した後、前記センサーで感知されるデータを収集し、収集されたデータを通じて伝熱管の汚染度を判断することができる。
【0028】
一例として、前記サイクルが安定化する時間は、5~10分の範囲で決定される時間値であってもよい。
【0029】
前記コントローラは、凝縮器に備えられる凝縮器レベルセンサーの値を認識し、前記認識された凝縮器の冷媒レベルに基づいて運転データを選別的に収集することができる。
【0030】
一例として、前記凝縮器の冷媒レベルが設定レベル以下である場合に運転データを収集し、設定レベル以上になる場合には運転データの収集を中止することができる。
【0031】
前記コントローラは、凝縮器冷媒温度と冷却水出口温度の差値を認識し、前記差値に基づいて運転データを選別的に収集することができる。
【0032】
一例として、前記差値が設定値以上である場合に運転データを収集し、設定値以下である場合には運転データの収集を中止することができる。
【0033】
前記コントローラは、チラーに備えられるホットガスバルブがオン開放またはオフ閉鎖であるのかを認識し、認識結果に基づいて運転データを選別的に収集することができる。
【0034】
一例として、前記ホットガスバルブがオフ閉鎖された場合に運転データを収集し、前記ホットガスバルブがオン開放された場合には運転データの収集を中止することができる。
【0035】
前記コントローラは、冷却水出水温度と冷却水入水温度の差値を認識し、前記差値に基づいて運転データを選別的に収集することができる。
【0036】
一例として、前記差値が設定値以内である時に運転データを収集し、設定値以上になると運転データの収集を中止することができる。
【0037】
前記コントローラは、チラーの運転周期別に、運転データを収集及びアップデートして、収集された運転データを加工して汚染度の増加傾向を判断することができる。前記運転データは、凝縮器の冷媒温度と冷却水の出水温度の差値に関するデータであってもよい。
【0038】
一例として、前記運転周期は、チラーのオフ以後オン駆動される時点を基準として区分されるか、1日以上運転が持続する場合、1日のうち特定時点を基準として区分されてもよい。
【0039】
前記コントローラは、多数の運転周期に対して収集された運転データの平均値を計算することができる。一例として、平均値は、各運転周期に対する平均値であってもよく、2つ以上の運転周期を統合した平均値であってもよい。
【0040】
単純な制御ロジックを具現するために、一例として、コントローラは1ヵ月に該当する多数の運転周期の平均値を計算することができる。
【0041】
前記コントローラは、前記計算された平均値の変化量を計算することができる。一例として、前記コントローラは、最初の1ヵ月に該当する運転データの第1平均値、その次の1ヵ月に該当する運転データの第2平均値、及びその後の1ヵ月に該当する運転データの第3平均値に基づいて、その変化量を計算することができる。
【0042】
一例として、このような平均値の変化量計算は、6ヵ月から12ヵ月の間行われてもよい。
【0043】
前記コントローラは、前記平均値または前記平均値の変化量に基づいて凝縮器の伝熱管汚染度を認識することができる。
【0044】
一例として、前記平均値が予め設定された値以上であると認識される回数が設定回数以上である場合、または前記平均値の変化量が予め設定された値以上であると認識される場合、前記コントローラは、前記凝縮器の伝熱管に汚染度が深刻になったと認識することができる。
【0045】
この場合、前記コントローラは、伝熱管の洗浄に関する知らせをディスプレイ部を通じて出力することができる。
【0046】
一観点で、本発明の実施例に係るチラーは、外気と熱交換する冷却水を貯蔵する冷却塔と、前記の冷却塔から供給される冷却水が流動する伝熱管を含み、前記伝熱管の冷却水と熱交換する冷媒が流入する凝縮器と、前記凝縮器から冷却水を排出する冷却水流出配管に備えられ、前記排出される冷却水の温度を感知する冷却水出口温度センサーと、前記凝縮器の内部に備えられ、前記凝縮器内部の冷媒圧力を感知する凝縮器圧力センサーとを含むことができる。
【0047】
前記チラーは、前記凝縮器の伝熱管で冷却水の異物が沈着する汚染度を認識するように、前記冷却水出口温度センサーで感知される値と前記凝縮器圧力センサーで換算された冷媒温度値の差値を計算して運転データを収集するコントローラをさらに含むことができる。
【0048】
前記チラーは、前記差値に関する情報が設定された値をはずれると認識すると、前記汚染度に関する情報を出力するディスプレイ部をさらに含むことができる。
【0049】
運転周期別に前記差値に関する情報をアップデートして貯蔵するメモリ部をさらに含み、前記コントローラは、前記メモリ部に貯蔵される多数の運転周期別の差値の平均値を計算することができる。
【0050】
前記コントローラは、前記平均値が予め設定された第1設定値以上であると認識される回数が設定回数以上であると認識すると、前記伝熱管の汚染度に関する情報を前記ディスプレイ部に出力することができる。
【0051】
前記コントローラは、前記多数の運転周期別に前記平均値の変化量が第2設定値以上であると認識すると、前記伝熱管の汚染度に関する情報を前記ディスプレイ部に出力することができる。
【0052】
前記コントローラは、前記汚染度を認識する過程で、予め設定されたイベントが発生すると、前記差値を計算して運転データを収集するプロセスを中止することができる。
【0053】
前記凝縮器に貯蔵される冷媒の水位を感知する凝縮器レベルセンサーをさらに含み、前記コントローラは、前記凝縮器レベルセンサーで感知される値が設定値以上であると認識すると、前記運転データの収集を中止することができる。
【0054】
前記コントローラは、前記冷却水出口温度センサーで感知される値と前記凝縮器圧力センサーで換算された冷媒温度値の差値が設定値以下であると認識すると、前記運転データの収集を中止することができる。
【0055】
前記凝縮器で凝縮された冷媒を減圧するための膨張装置と、前記膨張装置で減圧された冷媒を蒸発する蒸発器と、前記凝縮器と前記蒸発器を連結する連結配管に設置され、前記凝縮器内部の冷媒を前記蒸発器へとバイパスするように開放されるホットガスバルブとをさらに含むことができる。
【0056】
前記コントローラは、前記ホットガスバルブが開放されたと認識されると、前記運転データの収集を中止することができる。
【0057】
前記凝縮器に冷却水を流入させる冷却水流入配管に備えられ、前記流入する冷却水の温度を感知する冷却水入口温度センサーをさらに含み、前記コントローラは、前記凝縮器の入水温度と出水温度の差値が設定値以上になると認識すると、前記運転データの収集を中止することができる。
【0058】
前記凝縮器の伝熱管の両側に備えられ、冷却水の流動空間を提供するウォーターボックスをさらに含み、前記冷却水流出配管は、前記ウォーターボックスに結合される。
【0059】
前記凝縮器の伝熱管は、分離板によって区画される第1、2伝熱管を含み、前記分離板と前記凝縮器の両端の間には、前記第1伝熱管で熱交換された冷媒を前記第2伝熱管側にガイドする流動ホールが形成される。
【0060】
別の観点で、本発明の実施例に係るチラーの制御方法は、外気と熱交換する冷却水を貯蔵する冷却塔と、前記の冷却塔から供給される冷却水が流動する伝熱管を含み、前記伝熱管の冷却水と熱交換する冷媒が流入する凝縮器と、前記凝縮器から冷却水を排出する冷却水流出配管に備えられ、前記排出される冷却水の温度を感知する冷却水出口温度センサーと、前記凝縮器の内部に備えられ、前記凝縮器内部の冷媒圧力を感知する凝縮器圧力センサーとを含むチラーの制御方法に関するものである。
【0061】
前記制御方法は、コントローラが前記冷却水出口温度センサーで感知される値と前記凝縮器圧力センサーで換算された冷媒温度値の差値を計算して運転データを収集するステップを含むことができる。
【0062】
前記制御方法は、前記差値に関する情報が設定された値をはずれると認識すると、前記コントローラは、前記汚染度に関する情報をディスプレイ部に出力するステップをさらに含むことができる。
【0063】
前記チラーは、運転周期別に前記差値に関する情報をアップデートして貯蔵するメモリ部をさらに含み、前記コントローラは、前記メモリ部に貯蔵される多数の運転周期別の差値の平均値を計算することができる。
【0064】
前記平均値が第1設定値以上であると認識される回数が設定回数以上であるか、前記多数の運転周期別に前記平均値の変化量が第2設定値以上であると認識すると、前記伝熱管の汚染度に関する情報を前記ディスプレイ部に出力することができる。
【0065】
前記コントローラは、前記汚染度を認識する過程で、予め設定されたイベントが発生すると、前記差値を計算して運転データを収集するプロセスを中止することができる。
【0066】
前記予め設定されたイベントは、凝縮器レベルセンサーで感知される値が設定値以上であると認識する第1イベントと、前記冷却水出口温度センサーで感知される値と前記凝縮器圧力センサーで換算された冷媒温度値の差値が設定値以下であると認識する第2イベントと、前記凝縮器内部の冷媒を前記蒸発器へとバイパスするように開放されるホットガスバルブが開放されたと認識する第3イベントと、前記凝縮器の入水温度と出水温度の差値が設定値以上になると認識する第4イベントのうち少なくとも1つを含むことができる。
【発明の効果】
【0067】
本発明によれば、伝熱管の汚染度を判断し、伝熱管の洗浄するのか否かに関する知らせを提供できるので、チラーの効率的な管理が可能であり、チラーの運転性能を良好に維持することができる。
【0068】
本発明によれば、伝熱管の汚染度を判断するための別途の部品を備えることなく、チラーの運転データを分析して前記汚染度を判断できるので、経済性が改善される。
【0069】
本発明によれば、チラーのサイクル運転のために、既存に備えられるセンサーの感知値を認識し、認識されたデータを加工して熱交換器の性能因子を計算できる運転ロジックが備えられるので、単純な運転ロジックの具現が可能である。
【0070】
本発明によれば、チラーの運転中に認識される多数の運転データのうち、伝熱管の汚染度判断に使用できる特定データを選別的に抽出する運転ロジックが備えられるので、伝熱管の汚染度判断に関する正確性が向上する。
【0071】
即ち、チラーの運転後、常に伝熱管の汚染度を判断するための運転データを収集するのではなく、サイクル運転モードに応じて前記運転データが伝熱管の汚染度を反映できないイベントが発生する場合には運転データを収集しないことで、収集される運転データのエラーを防止することができる。
【0072】
本発明によれば、長時間にわたって徐々に累積される伝熱管の異物を考慮する時、チラーの運転周期に応じて運転データを累積して貯蔵し、貯蔵された運転データを加工して汚染度の増加傾向を判断できるので、チラーの持続的かつ効率的な管理が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図1図1は、本発明の実施例に係るチラーの構成を示す概略図である。
図2図2は、本発明の実施例に係るチラーの構成を示すサイクル図である。
図3図3は、本発明の実施例に係るチラーの一部構成を示す図面である。
図4図4は、本発明の実施例に係るチラーの凝縮器の内部構成を示す断面図である。
図5図5は、図4の5-5’に沿って切開した断面図である。
図6図6は、本発明の実施例に係るチラーの制御の構成を示すブロック図である。
図7図7は、本発明の実施例に係るチラーの制御方法を示すフローチャートである。
図8図8は、本発明の実施例に係るチラーの制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0074】
以下、本発明の一部実施例を例示的な図面を参照して詳細に説明する。各図面において、同じ構成要素に対しては同じ符号を付する。また、本発明の実施例の説明において、係る公知構成または機能に対する具体的な説明が、本発明の実施例の理解を妨害すると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0075】
また、本発明の実施例の構成要素の説明において、第1、第2、A、B、(a)、(b)等の用語を用いることができる。このような用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該構成要素の本質または順序等が限定されるものではない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」または「接続」されると記載された場合、その構成要素は他の構成要素に直接的に連結または接続される場合と、各構成要素の間にさらに他の構成要素が「連結」、「結合」または「接続」される場合を全て含む。
【0076】
図1は、本発明の実施例に係るチラーの構成を示す概略図であり、図2は、本発明の実施例に係るチラーの構成を示すサイクル図である。
【0077】
図1及び図2を参照すると、本発明の実施例に係るチラー10は、冷凍サイクルが形成される冷却モジュール100及び前記冷却モジュール100に冷却水を供給する冷却塔20を含むことができる。
【0078】
前記冷却塔20は、外気に露出され、冷却塔20に貯蔵される冷却水は、外気と熱交換して冷却される。前記冷却水は、外気と熱交換して蒸発することができ、蒸発過程で冷却される。
【0079】
前記冷却塔20には、貯蔵された冷却水の水位を感知するフロースイッチが備えられ、蒸発によって冷却水の水位が低下すると、ポンプが作動して前記冷却塔20に冷却水が補充される。
【0080】
前記冷却モジュール100と熱交換される冷水は、需要先30に供給される。前記需要先30は、冷水を利用して空気調和を行う装置または空間であると理解することができる。
【0081】
前記冷却モジュール100と冷却塔20の間には、冷却水循環流路40が提供される。前記冷却水循環流路40は、冷却水が前記冷却塔20と冷却モジュール100の凝縮器120を循環するようにガイドする配管であると理解することができる。
【0082】
前記冷却水循環流路40には、冷却水が前記凝縮器120に流入するようガイドする冷却水入水流路42及び前記凝縮器120で加熱された冷却水が前記冷却塔20に流動するようガイドする冷却水出水流路44が含まれる。
【0083】
前記冷却水入水流路42及び冷却水出水流路44のうち少なくとも1つの流路には、冷却水流動のために駆動される冷却水ポンプ46が提供される。一例として、図1には、前記冷却水入水流路42に前記冷却水ポンプ46が提供されるものと図示される。
【0084】
前記冷却水出水流路44には、前記冷却塔20に流入する冷却水の温度を感知する出水温度センサー47が提供される。そして、前記冷却水入水流路42には、前記冷却塔20から吐出される冷却水の温度を感知する入水温度センサー48が提供される。
【0085】
前記冷却モジュール100と需要先30の間には、冷水循環流路50が提供される。前記冷水循環流路50は、冷水が前記需要先30と冷却モジュール100の蒸発器140を循環するようにガイドする配管であると理解することができる。
【0086】
前記冷水循環流路50には、冷水が前記蒸発器120に流入するようガイドする冷水入水流路52及び前記蒸発器140から冷却された冷水が前記需要先30に流動するようガイドする冷水出水流路54が含まれる。
【0087】
前記冷水入水流路52及び冷水出水流路54のうち少なくとも1つの流路には、冷水の流動のために駆動される冷水ポンプ56が提供される。一例として、図1には、前記冷水入水流路52に前記冷水ポンプ56が提供されるものと図示される。
【0088】
前記需要先30は、空気を冷水と熱交換させる水冷式空調機であってもよい。
【0089】
一例として、前記需要先30には、室内空気と室外空気を混合した後、混合空気を冷水と熱交換させて室内に吐出するエアハンドリングユニット(AHU:Air Handling Unit)、室内に設置され、室内空気を冷水と熱交換させた後、室内に吐出するファンコイルユニット(FCU:Fan Coil Unit)及び室内の床に埋設された床配管ユニットのうち少なくとも1つのユニットが含まれる。
【0090】
図1には、一例として、前記需要先30がエアハンドリングユニットで構成されるものと図示される。
【0091】
詳しくは、前記エアハンドリングユニットには、ケーシング61と、前記ケーシング61の内部に設置され、冷水が通過する冷水コイル62と、前記冷水コイル62の両側に提供され、室内空気と室外空気を吸入して室内に送風する送風機63、64が含まれる。
【0092】
前記送風機63、64には、室内空気と室外空気が前記ケーシング61の内部に吸入されるようにする第1送風機63及び空調空気が前記ケーシング61の外部に排出されるようにする第2送風機64が含まれる。
【0093】
前記ケーシング61には、室内空気吸入部65と、室内空気排出部66と、外気吸入部67及び空調空気排出部68が形成される。
【0094】
前記送風機63、64が駆動されると、室内から前記室内空気吸入部65に吸入された空気の一部は室内空気排出部66へと排出され、前記室内空気排出部66へと排出されない残りは、前記外気吸入部67に吸入された室外空気と混合されて冷水コイル62と熱交換される。
【0095】
そして、前記冷水コイル62と熱交換された(冷却された)混合空気は、前記空調空気排出部68を通じて室内に吐出される。
【0096】
前記冷却モジュール100には、冷媒を圧縮する圧縮機110と、前記圧縮機110で圧縮された高温高圧の冷媒が流入する凝縮器120と、前記凝縮器120で凝縮された冷媒を減圧させる膨張装置130及び前記膨張装置130で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器140が含まれる。
【0097】
前記膨張装置130は、一例として開度調節が可能な電子膨張バルブ(EEV)を含むことができる。
【0098】
前記冷却モジュール100には、前記圧縮機110の入口側に提供され、前記蒸発器140から吐出された冷媒を前記圧縮機110にガイドする吸入配管101及び前記圧縮機110の出口側に提供され、前記圧縮機110から吐出された冷媒を前記凝縮器120にガイドする吐出配管102が含まれる。
【0099】
そして、前記蒸発器140と前記圧縮機110の間には、前記蒸発器140の内部に存在するオイルを前記圧縮機110の吸入側に案内するオイル回収配管108が提供される。
【0100】
前記凝縮器120と蒸発器140は、冷媒と水の間で熱交換が可能であるように、シェルアンドチューブ式(shell and tube)熱交換装置として構成される。
【0101】
詳しくは、前記凝縮器120には、外観を形成するシェル121と、前記シェル121の一側に形成され、前記圧縮機110で圧縮された冷媒が流入する冷媒流入部122及び前記シェル121の他側に形成され、前記凝縮器120で凝縮された冷媒流出部123が含まれる。前記シェル121は、略円筒状に形成される。
【0102】
前記凝縮器120には、前記シェル121の内部に提供され、冷却水の流動をガイドする内部配管125と前記シェル121の端部に形成され、前記内部配管125に冷却水が流入するようにする冷却水流入配管151及び前記シェル121の端部に形成され、前記冷却水配管125から冷却水が排出されるようにする冷却水流出配管152が含まれる。
【0103】
前記内部配管125には冷却水が流動し、前記冷媒流入部122を介して流入したシェル121内部の冷媒と熱交換される。前記内部配管125を「冷却水伝熱管」と称することができる。
【0104】
前記冷却水流入配管151は、前記冷却水入水流路42と連結され、前記冷却水流出配管152は、前記冷却水出水流路44と連結される。
【0105】
前記蒸発器140には、外観を形成するシェル141と、前記シェル141の一側に形成され、前記膨張装置130で膨張した冷媒が流入する冷媒流入部142及び前記シェル141の他側に形成され、前記蒸発器140で蒸発した冷媒が流出する冷媒流出部143が含まれる。前記冷媒流出部143は、前記吸入配管101に連結される。
【0106】
前記蒸発器140には、前記シェル141の内部に提供され、冷水の流動をガイドする内部配管145と、前記シェル141の端部に形成され、前記内部配管145に冷水が流入するようにする冷水流入配管161及び前記シェル141の端部に形成され、前記内部配管145から冷水が流出するようにする冷水流出配管162が含まれる。
【0107】
前記内部配管145の内部には冷水が流動し、前記冷媒流入部142を介して流入したシェル141内部の冷媒と熱交換される。前記内部配管145を「冷水伝熱管」と称することができる。
【0108】
前記冷水流入配管161は、前記冷水入水流路52と連結され、前記冷水流出配管162は、前記冷水出水流路54と連結される。
【0109】
前記凝縮器120の内部配管125及び前記蒸発器140の内部配管145を合わせて「水配管」と称することができる。
【0110】
図3は、本発明の実施例に係るチラーの一部構成を示す図面であり、図4は、本発明の実施例に係るチラーの凝縮器の内部構成を示す断面図であり、図5図4の5-5’に沿って切開した断面図である。
【0111】
図3図5を参照すると、本発明の実施例に係る冷却モジュール100は、圧縮機110、凝縮器120及び蒸発器140を含むことができる。
【0112】
一例として、前記凝縮器120及び前記蒸発器140は、左右方向に並んで配置され、前記圧縮機110は、前記蒸発器140の上側に配置される。
【0113】
前記冷却モジュール100は、前記圧縮機110から下方に延長され、前記凝縮器120に連結される吐出配管102及び前記蒸発器140から上方に延長され、前記蒸発器140に連結される吸入配管101を含むことができる。
【0114】
前記冷却モジュール100は、圧縮機110の電力を制御するためのインバータ175をさらに含むことができる。前記インバータ175は、一例として、凝縮器120の上側に配置される。
【0115】
前記冷却モジュール100は、凝縮器120と蒸発器140を連結するホットガス配管に設置されるホットガスバルブ171をさらに含むことができる。前記ホットガス配管は、前記凝縮器120の上端と前記蒸発器140の上端を連結する配管であると理解することができる。
【0116】
前記冷却モジュール100は、圧縮機110の容量を制御するための容量制御バルブ180をさらに含むことができる。前記容量制御バルブ180は、前記圧縮機110の吸入配管101に提供される。
【0117】
前記凝縮器120には、冷媒の状態を感知するためのセンサーが設置される。前記センサーは、前記凝縮器120の内部に存在する冷媒の水位を感知するための凝縮器レベルセンサー220を含むことができる。
【0118】
前記凝縮器レベルセンサー220は、前記凝縮器120のシェル121の下端部より設定高さだけ高い位置に設置される。一例として、前記凝縮器レベルセンサー220は、冷媒がシェル121の内部容量の70%を満たす時オンする位置に設置されてもよい。
【0119】
前記センサーは、前記凝縮器120内部の冷媒圧力を感知できる凝縮器圧力センサー210をさらに含むことができる。前記凝縮器圧力センサー210で感知された圧力値は、飽和温度に換算されて凝縮器の冷媒温度と認識される。一例として、前記凝縮器圧力センサー210は、前記凝縮器120のシェル121の外周面に設置されてもよい。
【0120】
前記冷却モジュール100は、チラー10の運転を制御するためのコントローラ200をさらに含むことができる。一例として、前記コントローラ200は、圧縮機110の一側に隣接して配置されてもよい。
【0121】
前記冷却モジュール100は、凝縮器120の冷媒を蒸発器140に供給するように開放されるホットガスバルブ171をさらに含むことができる。前記ホットガスバルブ171は、前記凝縮器120の上端と蒸発器140の上端を連結する連結配管170に設置される。
【0122】
チラー10で要求される冷却負荷が大きくない時、前記ホットガスバルブ171は開放され、開放されたホットガスバルブ171を通じて高圧の凝縮器120の冷媒は、低圧の蒸発器140に流動することができる。従って、前記凝縮器120の凝縮容量は低くなり、前記凝縮器120を通過する凝縮器の冷媒温度または冷却水の出水温度は、相対的に低い温度を維持することができる。
【0123】
前記凝縮器120へと冷却水の流入をガイドする冷却水流入配管151には、流入する冷却水の温度を感知するための冷却水入口温度センサー231が設置される。前記凝縮器120から冷却水の排出をガイドする冷却水流出配管152には、排出される冷却水の温度を感知するための冷却水出口温度センサー235が設置される。
【0124】
前記冷却水入口温度センサー231及び冷却水出口温度センサー235は、各配管151、152の外周面に設置され、各配管151、152の内部に突出して冷却水の温度を感知するように構成される。
【0125】
前記蒸発器140に冷水の流入をガイドする冷水流入配管161には、流入する冷水の温度を感知するための冷水入口温度センサー241が設置される。前記蒸発器140から冷水の排出をガイドする冷水流出配管162には、排出される冷水の温度を感知するための冷水出口温度センサー245が設置される。
【0126】
前記冷水入口温度センサー241及び冷水出口温度センサー245は、各配管161、162の外周面に設置され、各配管161、162の内部に突出して冷水の温度を感知するように構成される。
【0127】
前記冷却モジュール100は、前記凝縮器120及び蒸発器140のそれぞれの両側に提供されるウォーターボックス150、160を含むことができる。前記ウォーターボックス150、160は、冷却水または冷水の流動空間を提供する。
【0128】
前記ウォーターボックス150、160は、前記凝縮器120の両側に備えられて冷却水の流動空間を提供する凝縮器ウォーターボックス150を含むことができる。前記ウォーターボックス150、160は、前記蒸発器140の両側に備えられて冷水の流動空間を提供する蒸発器ウォーターボックス160を含むことができる。
【0129】
前記凝縮器ウォーターボックス150は、前記凝縮器120と凝縮器120の冷却水流入配管151、152の間に提供される。前記冷却水流入配管151を通じて流入する冷却水は、前記凝縮器ウォーターボックス150を経由して前記凝縮器120の内部に流入することができる。
【0130】
前記凝縮器120で冷媒と熱交換された冷却水は、前記凝縮器ウォーターボックス150に排出され、前記冷却水流出配管152を通じて外部に排出される。
【0131】
前記蒸発器ウォーターボックス160は、前記蒸発器140と蒸発器140の冷水流入配管161、162の間に提供される。前記冷水流入配管161を通じて流入する冷水は、前記蒸発器ウォーターボックス160を経由して前記蒸発器140の内部に流入することができる。
【0132】
前記蒸発器140で冷媒と熱交換された冷水は、前記蒸発器ウォーターボックス160に排出され、前記冷水流出配管162を通じて外部に排出される。
【0133】
図4を参照して、凝縮器120の内部構成及び周辺構成についてより詳細に説明する。
【0134】
前記凝縮器120は、内部空間を規定し、略横方向に横になっている円筒状のシェル121と、前記シェル121の内部に提供され、冷却水の流動をガイドする多数の内部配管125及び前記シェル121の両側に提供され、冷却水の流動空間を形成する凝縮器ウォーターボックス150を含むことができる。
【0135】
前記多数の内部配管125は、前記シェル121の一側から他側まで横方向に延長され、シェル結合板129に結合される。前記シェル結合板129は、前記シェル121の両側に提供される。
【0136】
前記シェル121の上端部には、冷媒流入部122が備えられて冷媒の流入をガイドし、前記シェル121の下端部には、冷媒流出部123が備えられて冷媒の排出をガイドすることができる。
【0137】
前記多数の内部配管125は、上下方向に多数の列をなすように構成される。前記冷媒流入部122を通じて流入した冷媒は、前記多数の内部配管125のうち上部の配管と熱交換して凝縮され、下放に流動し、下部の配管と継続的に熱交換することができる。
【0138】
前記下部の配管と熱交換して凝縮された冷媒は、前記冷媒流出部123を通じてシェル121の外部に排出される。
【0139】
前記多数の内部配管125は、前記上部配管を形成する第1伝熱管125a及び前記下部配管を形成する第2伝熱管125bを含むことができる。
【0140】
前記第1伝熱管125aは、凝縮器120に流入した気相冷媒を凝縮するための凝縮伝熱管であると理解することができ、前記第2伝熱管125bは、前記第1伝熱管125aで凝縮された冷媒を追加冷却する過冷却伝熱管であると理解することができる。
【0141】
前記第1伝熱管125aと第2伝熱管125bの間には、分離板127が提供される。前記分離板127は、前記第1伝熱管125aと熱交換された冷媒が収集される収集板であると理解することができる。
【0142】
前記分離板127と前記シェル結合板129の間には、冷媒が前記第2伝熱管125b側に流動することをガイドする流動ホール127aが形成される。前記流動ホール127aは、前記分離板127の両側に形成される。
【0143】
前記流動ホール127aを通じて下方に流動した冷媒は、前記第2伝熱管125bの中央側に流動し、冷媒流出部123を通じてシェル121の外部に排出される。前記冷媒流出部123は、前記シェル121の横方向を基準に略中央部に位置することができる。このような構成により、冷媒と第1、2伝熱管125a、125bとの熱交換面積が増加し、熱交換効率が改善される。
【0144】
前記シェル121の内部には、前記冷媒流入部122を通じて流入する冷媒を第1伝熱管125aの両側にガイドするガイド板126が提供される。前記ガイド板126は、前記冷媒流入部122に隣接して配置される。
【0145】
前記ガイド板126によって、前記冷媒流入部122を通じて流入する冷媒が第1伝熱管125aに直接衝突することを防止し、冷媒の流速が低減して、第1伝熱管125aとの熱交換を容易にすることができる。
【0146】
前記シェル結合板129の外側には、凝縮器ウォーターボックス150が結合される。前記凝縮器ウォーターボックス150は、冷却水流入配管151及び冷却水流出配管152が結合される第1ウォーターボックス150aを含むことができる。
【0147】
前記第1ウォーターボックス150aの内部には、前記第1ウォーターボックス150aの内部空間を分離する区画板155が提供される。前記区画板155によって区画された第1空間は、前記冷却水流入配管151を通じて流入した冷却水が流動する流入空間を形成し、区画された第2の空間は、前記冷却水流出配管152を通じて排出される冷却水が流動する流出空間を形成することができる。
【0148】
前記区画された第1空間は、前記第1伝熱管125aの一部配管及び前記第2伝熱管125bと連通することができる。前記第1空間の冷却水は、前記第1伝熱管125aの一部配管及び前記第2伝熱管125bに流入して熱交換することができる。
【0149】
前記区画された第1空間と、前記第1伝熱管125aの一部配管及び前記第2伝熱管125bは、冷却水の流入領域Z1(図5参照)を形成することができる。
【0150】
前記区画された第2空間と、前記第1伝熱管125aの残りの配管は、冷却水の流出領域Z2(図5参照)を形成することができる。
【0151】
前記凝縮器ウォーターボックス150は、前記第1ウォーターボックス150aの反対側に提供される第2ウオーターボックス150bを含むことができる。前記、冷却水の流入領域Z1を通じて凝縮器120の内部に流入した冷却水は、前記第2ウオーターボックス150bに流入することができる。
【0152】
前記第2ウオーターボックス150bの冷却水は、前記第1伝熱管125aの残りの配管を流動して熱交換することができる。前記熱交換された冷却水は、前記区画された第2の空間に流入し、前記冷却水流出配管152を通じて凝縮器120の外部に排出される。
【0153】
このような凝縮器120における冷却水流動により、前記内部配管125には、冷却水に含まれた異物Fが沈着することがある。前記冷却モジュール100を長時間使用する過程で、前記沈着した異物の量が多くなると、前記内部配管125の流動断面積が減り、前記の異物によって冷媒と冷却水の間の熱交換性能が低下する。
【0154】
このような問題点を解決するため、内部配管125の内部を直接確認しなくても冷却モジュール100の運転データを解析することで、内部配管125の汚染度を判断する必要がある。
【0155】
図6は、本発明の実施例に係るチラーの制御の構成を示すブロック図であり、図7及び図8は、本発明の実施例に係るチラーの制御方法を示すフローチャートである。
【0156】
まず、図6を参照すると、本発明の実施例に係るチラー10は、チラーの運転に関する情報を確認できる多数のセンサーを含むことができる。
【0157】
前記多数のセンサーは、前記凝縮器120に流入する冷却水の温度を感知するための冷却水入口温度センサー231及び前記凝縮器120から排出される冷却水の温度を感知するための冷却水出口温度センサー235を含むことができる。
【0158】
前記多数のセンサーは、前記凝縮器120内部の冷媒圧力を感知するための凝縮器圧力センサー210をさらに含むことができる。
【0159】
前記多数のセンサーは、前記凝縮器120に貯蔵される冷媒の水位を感知するための凝縮器レベルセンサー220を含むことができる。
【0160】
前記チラー10は、チラー10の運転時間を感知するためのタイマー260をさらに含むことができる。前記タイマー260は、前記チラー10がオン駆動した後経過する時間、前記多数のセンサーで特定値を感知した後経過する時間または圧縮機110、膨張装置130及びポンプ46、56が駆動した後経過する時間を積算することができる。
【0161】
前記チラー10は、チラー10の運転に関する情報を貯蔵するメモリ部270をさらに含むことができる。一例として、チラー10は、予め設定された周期に応じて運転を行うことができ、各周期で感知された運転データは、前記メモリ部270にアップデートされる。
【0162】
前記チラー10は、前記多数のセンサー231、235、210、220で感知された情報、タイマー260で積算される時間情報または前記メモリ部270に貯蔵された情報に基づいて、圧縮機110、膨張装置130及びポンプ46、56の駆動を制御するコントローラ200をさらに含むことができる。
【0163】
前記チラー10は、前記凝縮器120の内部配管125に異物等による汚染度が設定汚染度以上になったと判断された時、ユーザに汚染度に関する情報をディスプレイしたり、内部配管125の洗浄が必要であることを知らせるディスプレイ部250をさらに含むことができる。
【0164】
以下では、図7及び図8を参照して、凝縮器120の内部配管125の汚染度を判断するためのチラー10の制御方法について説明する。
【0165】
チラー10の電源がオンされて運転が開始すると(S11)、コントローラ200は、以前周期で運転された情報をローディングすることができる(S12)。
【0166】
一例として、前記チラー10の運転周期は、1日を基準として特定時間(午前12時)を基準にリセットされてもよい。これに加えて、チラー10の電源がオフした後、再びオン駆動する時リセットされてもよい。
【0167】
前記運転された情報は、熱交換器120、140の熱交換能力を判断する指標に関する情報(以下、熱交換指標情報)を含むことができる。
【0168】
前記熱交換指標情報は、冷媒と水の間の熱交換能力を判断する基準となり、水と冷媒の間の温度差に基づいて決定される。
【0169】
前記熱交換器120、140のうち蒸発器140の熱交換指標情報は、冷水出口温度と蒸発器冷媒温度の差値に基づいて決定される。前記蒸発器140には、閉回路に沿って循環する冷水の特性に起因して、蒸発器140の内部配管には異物による汚染が発生する可能性が低い。
【0170】
前記熱交換器120、140のうち凝縮器120の熱交換指標情報は、凝縮器の冷媒温度と冷却水出口温度の差に基づいて決定される。一例として、前記凝縮器120の熱交換指標情報は、(凝縮器の冷媒温度-冷却水出口温度)の値で決定される。
【0171】
前記凝縮器120には、外気に露出される冷却塔20を循環する冷却水の特性に起因して、凝縮器120の内部配管には異物による汚染が発生する可能性が高い。
【0172】
前記凝縮器の冷媒温度は、前記凝縮器圧力センサー210で感知された圧力値を飽和温度に換算して計算される。前記冷却水出口温度は、前記冷却水出口温度センサー235を通じて感知される温度値であると理解することができる。
【0173】
前記凝縮器の冷媒温度は、運転されるサイクルの状態によって変化する因子として、人為的な調節ができない。従って、前記凝縮器120の熱交換指標情報は、冷却水出口温度の変化に応じて決定される。
【0174】
前記凝縮器120の熱交換指標値が大きいほど冷媒と冷却水の間の熱交換能力は相対的に減少し、前記熱交換指標値が小さいほど冷媒と冷却水の間の熱交換能力は相対的に増加すると理解することができる。冷却水が冷媒を冷却する現象に基づいて、冷媒温度と冷却水温度の差値が小さいほど熱交換能力が増加すると理解することができる。
【0175】
前記チラー10が運転された後、サイクルの安定化時間が経過することを待機することができる。前記チラー10がオンし運転し始めた後、要求されるサイクルの圧力/温度分布を形成するために設定時間を待機する必要がある。一例として、前記設定時間は、前記チラー10がオン駆動された後、5~10分範囲内に決定されてもよい。
【0176】
前記設定時間が経過する前に感知される凝縮器の熱交換指標値は、運転されるサイクルの正確な状態を反映するのが難しいからである。
【0177】
勿論、チラー10が以前周期から現在周期まで継続して駆動(常時駆動)される場合であれば、このような安定化時間の経過まで待機するプロセスは不必要となる(S13)。
【0178】
前記サイクルの安定化時間が経過すると、凝縮器120の内部配管、即ち第1、2伝熱管125a、125bの汚染度を判断するための運転データを収集することができる。ただし、運転データは、サイクルの状態または運転モード等に基づいた多様な原因により異常値(abnormal value)を表すことがある。従って、このような異常値をエラーメッセージとして除去する必要がある。
【0179】
このために、運転データの収集が制限されるイベントが発生したのか否かを認識することができる(S15)。運転データの収集を中止するイベントは、一例として、以下のようである。
【0180】
第1イベントとして、前記凝縮器レベルセンサー220で感知される値が設定値以上であるのか否かである。一例として、前記の設定値は、冷媒がシェル121の内部容量の70%を満たす時、前記センサー220で感知される値であると理解することができる。
【0181】
前記凝縮器レベルセンサー220で感知される値が設定値以上である場合には、運転データの収集を中止する。前記凝縮器レベルセンサー220で感知される値が設定値以上であると、前記凝縮器120に貯蔵される冷媒の水位が過剰に高い場合に該当し、この場合には相対的に凝縮器120の冷媒凝縮がスムーズに行われなくなる。
【0182】
この状態で、凝縮器120の熱交換指標値は過剰に高くなり、これを凝縮器の伝熱管汚染度を判断するための情報として使用する場合には、凝縮器120の伝熱管汚染度に関する判断が不正確となる。即ち、前記伝熱管の汚染度が小さくても、実際の汚染度が高いと判断するエラーが発生することになる。
【0183】
第2イベントとして、前記凝縮器の熱交換指標値が設定値以下であるのか否かである。一例として、前記の設定値は、0.5~0.6の範囲内値で決定されてもよい。
【0184】
前記凝縮器の熱交換指標値が低いほど、凝縮器の熱交換性能が高いことを意味するとしても、前記指標値が低過ぎる場合には、サイクルの正常範囲をはずれる何らかの原因が発生したと理解することができる。一例として、前記原因は、センサーまたはポンプの故障または異常動作である可能性がある。
【0185】
前記凝縮器の熱交換指標値が設定値以下である場合には、運転データの収集を中止する。
【0186】
第3イベントとして、前記ホットガスバルブ171がオン開放される場合である。前記ホットガスバルブ171がオン開放された場合には、運転データの収集を中止することができる。
【0187】
チラー10で要求される冷却負荷が大きくない時、前記ホットガスバルブ171は開放され、開放されたホットガスバルブ171を通じて高圧の凝縮器120の冷媒は、低圧の蒸発器140に流動することができる。従って、前記凝縮器120の凝縮容量は低くなり、凝縮器の冷媒温度または前記凝縮器120を通過する冷却水の出水温度は、相対的に低い温度を維持することができる。
【0188】
このように、前記ホットガスバルブ171が開放される運転モードにおいては、一般的なサイクルの温度と圧力範囲からはずれるので、凝縮器伝熱管の汚染度を正確に判断することが制限される。
【0189】
第4イベントとして、前記凝縮器120の入水温度と出水温度の差値が設定値以上になる場合である。前記凝縮器120の入水温度と出水温度の差値が設定値以上になると、運転データの収集を中止することができる。
【0190】
前記前記凝縮器120の入水温度と出水温度の差値が設定値以上になると、サイクルの正常な運転範囲をはずれる何らかの原因が発生したと理解することができる。一例として、前記原因はセンサーまたはポンプの故障または異常動作である可能性がある。
【0191】
このような第1~4イベントのうちいずれか1つのイベントが発生すると、当該イベントが維持される時間の間、運転データの収集を停止することができる(S16)。
【0192】
反面、このようなイベントが発生しなければ、凝縮器伝熱管の汚染度を判断するための熱交換能力指標に関する情報を獲得してメモリ部270に貯蔵することができる。即ち、凝縮器の冷媒温度と冷却水の出口温度の差値を利用して凝縮器の熱交換能力指標値を認識することができる(S17)。
【0193】
このような凝縮器の熱交換能力指標値は、現在周期が維持されている間リアルタイムで計算されるか、特定時点(一例として、毎時ちょうど)に計算され、メモリ部270に貯蔵することができる。このようなプロセスにより、前記メモリ部270には以前周期の運転データに累積して、現在周期の運転データがアップデートされる(S18)。
【0194】
このような方式で蓄積されたデータを通じて、凝縮器120の熱交換能力指標値の平均値またはその変化量が計算される(S19)。
【0195】
詳しくは、前記コントローラ200は、多数の運転周期に対して収集された運転データの平均値を計算することができる。一例として、平均値は、各運転周期に対する平均値であってもよく、2つ以上の運転周期を統合した平均値であってもよい。
【0196】
単純な制御ロジックを具現するために、一例として、コントローラは1ヵ月に該当する多数の運転周期の平均値を計算することができる。
【0197】
前記コントローラ200は、前記計算された平均値の変化量を計算することができる。一例として、前記コントローラは、最初の1ヵ月に該当する運転データの第1平均値、その次の1ヵ月に該当する運転データの第2平均値、及びその後の1ヵ月に該当する運転データの第3平均値に基づいて、その変化量を計算することができる。
【0198】
一例として、このような平均値及び平均値の変化量計算は、6ヵ月から12ヵ月の間行われてもよい。
【0199】
前記コントローラ200は、前記平均値または前記平均値の変化量に基づいて凝縮器の伝熱管汚染度を認識することができる。即ち、前記平均値または平均値の変化量と設定値が比較される(S20)。
【0200】
一例として、前記平均値が第1設定値以上であると認識される回数が設定回数以上である場合には、前記凝縮器の伝熱管に異物が過剰に含まれたと認識することができる。例えば、前記第1の設定値は3度であり、設定回数は3回以上であってもよい。
【0201】
別の例として、前記平均値の周期別の変化量が第2設定値以上であると認識される場合、前記コントローラ200は、前記凝縮器の伝熱管に異物が過剰に含まれたと認識することができる。例えば、前記第2の設定値は2度であってもよい(S21、S22)。
【0202】
前記コントローラ200は、前記凝縮器の伝熱管に異物が過剰に含まれたと認識した場合、ディスプレイ部250を通じて伝熱管の汚染度に関する情報をディスプレイしたり、伝熱管の洗浄が必要であることを知らせるアラームを出力することができる(S23)。
【0203】
このような制御方法によれば、チラー10の運転中に凝縮器の伝熱管に汚染が発生したことを示す運転データを正確に分析することができ、分析結果に基づいてユーザに汚染度情報または伝熱管の洗浄必要の知らせを提供できるので、ユーザの利便性が増大し、システムの管理効率性が向上する。
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