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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031757
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】空気動力発電システム
(51)【国際特許分類】
   F03D 9/17 20160101AFI20240229BHJP
   F03D 7/04 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
F03D9/17
F03D7/04 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023026546
(22)【出願日】2023-02-22
(31)【優先権主張番号】111132321
(32)【優先日】2022-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】507225355
【氏名又は名称】張添明
【住所又は居所原語表記】1F., No.422, Sec.1, Shepi Rd., Wandan Township, Pingtung County, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】張 添明
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA40
3H178AA47
3H178AA61
3H178AA70
3H178BB31
3H178DD23X
3H178DD48X
(57)【要約】
【課題】汚染物質を生成することなく利用可能なエネルギーを貯蔵できる空気動力発電システムを提供する。
【解決手段】空気貯蔵装置と、第1の軸線を回転軸として回転可能に空気貯蔵装置に取り付けられるハウジングアセンブリと、空気貯蔵装置に連通するようにハウジングアセンブリ内に配置され、且つ、空気を圧縮空気に圧縮して空気貯蔵装置に送り込むことが出来るように構成されたエアコンプレッサと、風により駆動されて第1の軸線に略直交する第2の軸線を回転軸として回転することにより、エアコンプレッサの作動時に必要な動力を提供するように構成された羽根車アセンブリと、発電装置と、を備え、発電装置は、空気貯蔵装置から放出される圧縮空気により作動される空気作動モータで発電機を駆動して電力を生成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気貯蔵装置と、第1の軸線を回転軸として回転可能に前記空気貯蔵装置に取り付けられるハウジングアセンブリと、前記空気貯蔵装置に連通するように前記ハウジングアセンブリ内に配置され、且つ、空気を圧縮空気に圧縮して前記空気貯蔵装置に送り込むことが出来るように構成されたエアコンプレッサと、前記エアコンプレッサに接続するように前記ハウジングアセンブリに配置され、且つ、風により駆動されて前記第1の軸線に略直交する第2の軸線を回転軸として回転することにより、前記エアコンプレッサの作動時に必要な動力を提供するように構成された羽根車アセンブリと、発電装置と、を備え、
前記発電装置は、前記空気貯蔵装置に連通する空気作動モータと、前記空気作動モータに接続される発電機と、を有し、前記空気貯蔵装置から放出される圧縮空気により作動される前記空気作動モータで前記発電機を駆動して電力を生成するように構成されることを特徴とする空気動力発電システム。
【請求項2】
前記空気貯蔵装置は、互いに離間するように配置された複数の空気貯蔵槽と、各前記空気貯蔵槽を連通させる複数の接続管と、各前記空気貯蔵槽に取り付けられる第1のサポート部材と、各前記接続管に取り付けられる第2のサポート部材と、を有し、
各前記空気貯蔵槽はそれぞれ内部に圧縮空気を収容するための空気収容空間を囲み、且つ、1つの前記空気貯蔵槽の前記空気収容空間は前記エアコンプレッサに直接的に連通しており、
各前記接続管と各前記空気貯蔵槽は、それぞれ並列するように配列され、そして各前記接続管は、いずれも隣接する2つの前記空気貯蔵槽の前記空気収容空間に連通しており、
前記ハウジングアセンブリ は前記第1のサポート部材に取り付けられ、前記空気作動モータ及び前記発電機は前記第2のサポート部材に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載の空気動力発電システム。
【請求項3】
前記ハウジングアセンブリは、前記エアコンプレッサを収容し、且つ、前記羽根車アセンブリが取り付けられるハウジング本体と、前記ハウジング本体に取り付けられる案内部材と、を有し、
前記ハウジング本体は回転可能に前記空気貯蔵装置に取り付けられており、
前記案内部材及び前記羽根車アセンブリは、前記ハウジング本体の反対する両端部にそれぞれ配置されており、
前記案内部材 は、前記ハウジング本体に接続し、且つ、異なる方向へそれぞれ延伸する2つの板状体を有することを特徴とする請求項2に記載の空気動力発電システム。
【請求項4】
各前記板状体は、いずれも前記第1の軸線に略平行する方向に沿って延伸する板状体であり、そして2つの前記板状体は、前記第2の軸線に沿う方向における断面が、合わせてV字形を呈するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の空気動力発電システム。
【請求項5】
前記ハウジングアセンブリは、
前記エアコンプレッサを内側に収容し、且つ、前記羽根車アセンブリが取り付けられるハウジング本体と、
前記第1のサポート部材に固定される環状部材と、
前記環状部材の周りに回転可能に配置される回転部材と、
前記環状部材と前記回転部材との間に配置される複数のローラーと、
前記回転部材と前記ハウジング本体との間に固定される筒状部材と、
前記筒状部材内に配置される第1の挿入端部 から、前記環状部材内に挿入される第2の挿入端部まで延伸する挿入部材と、を有するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の空気動力発電システム。
【請求項6】
前記ハウジング本体により囲まれるハウジング空間内に前記エアコンプレッサが収容されており、
前記筒状部材は、内側に内部空間を囲むように形成されており、
前記挿入部材は前記第1の挿入端部と前記第2の挿入端部 の他に、前記第1の挿入端部と前記第2の挿入端部との両端部にそれぞれ開口を有するように前記第1の挿入端部から前記第2の挿入端部まで延伸する通気チャンネルを有するように中空に形成されており、
また、該空気動力発電システムは、
前記ハウジング空間と前記内部空間とに連通する第1の空気バルブと、前記通気チャンネルの前記第2の挿入端部にある開口と連通するように前記第1のサポート部材に接続される第2の空気バルブと、両端がそれぞれ前記エアコンプレッサと前記第1の空気バルブとに連通する第1のチューブと、両端がそれぞれ前記第2の空気バルブと1つの前記空気貯蔵槽とに連通する第2のチューブと、を有するように構成され、前記エアコンプレッサからの圧縮空気を前記第2の空気バルブに連通する前記1つの前記空気貯蔵槽に送り込むことができる空気供給装置を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の空気動力発電システム。
【請求項7】
前記羽根車アセンブリは、前記ハウジングアセンブリ 内に挿入して前記エアコンプレッサに接続される駆動軸を有する駆動スピンドルと、前記ハウジングアセンブリの外側に配置されて前記駆動スピンドルの前記エアコンプレッサの反対側に接続される羽根車ユニットと、を有し、
前記羽根車ユニットは、前記駆動スピンドルに接続されるハブと、前記ハブを囲む環状枠と、それぞれ前記ハブから前記環状枠まで延伸する複数の羽根と、を有するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の空気動力発電システム。
【請求項8】
前記駆動スピンドルは前記第2の軸線に沿って延伸し、各前記羽根は、いずれも前記ハブに接続される第1の端部と、前記環状枠に接続される第2の端部と、を有し、且つ、前記第2の端部に直交する仮想平面において前記第2の軸線が投影される仮想線と前記第2の端部とが成す角度は、45°~65°の範囲内にあることを特徴とする請求項7に記載の空気動力発電システム。
【請求項9】
前記角度は45°であることを特徴とする請求項8に記載の空気動力発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発電システムに関し、特に、空気動力発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
風力発電は水力発電や太陽光発電のように、サステナブルでエコロジーな発電手段である。現在、風力発電により生成された電力は、大抵はバッテリーに貯蔵され、そして使用されるバッテリーに関しては、リチウム電池が代表的である。しかし、リチウム電池の使用寿命は限られている上、リチウム電池の更新及び廃棄が新たな汚染源となることも疑問視されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-78332
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、従来技術の少なくとも1つの欠点を解決できる空気動力発電システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点に鑑みて、本発明は、空気貯蔵装置と、第1の軸線を回転軸として回転可能に前記空気貯蔵装置に取り付けられるハウジングアセンブリと、前記空気貯蔵装置に連通するように前記ハウジングアセンブリ内に配置され、且つ、空気を圧縮空気に圧縮して前記空気貯蔵装置に送り込むことが出来るように構成されたエアコンプレッサと、前記エアコンプレッサに接続するように前記ハウジングアセンブリに配置され、且つ、風により駆動されて前記第1の軸線に略直交する第2の軸線を回転軸として回転することにより、前記エアコンプレッサの作動時に必要な動力を提供するように構成された羽根車アセンブリと、発電装置と、を備え、
前記発電装置は、前記空気貯蔵装置に連通する空気作動モータと、前記空気作動モータに接続される発電機と、を有し、前記空気貯蔵装置から放出される圧縮空気により作動される前記空気作動モータで前記発電機を駆動して電力を生成するように構成されることを特徴とする空気動力発電システムを提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の空気動力発電システムは風力の運動エネルギーを利用して空気を圧縮して貯蔵し、そして貯蔵した圧縮空気を放出する際に圧縮空気の運動エネルギーを利用して電力を生成することができるので、汚染物質を生成することなく利用可能なエネルギーを貯蔵する手段を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の空気動力発電システムの実施例が示される斜視図である。
図2】同実施例の断面図である。
図3】同実施例の一部拡大断面図である。
図4】同実施例の使用状態が示される上面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
具体的説明に入る前に、本発明において同じ役割を担う構成要素に関しては、全く同じものでなくても、同じ符号が振り分けられている。また、以下の説明における「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」などの用語は、各部材の間の相対的位置関係をわかりやすく説明するために用いられるものであり、本発明の構成を限定するものではない。
【0009】
図1図3に風力を利用して作動する本発明の空気動力発電システムの一つの実施例の構成が示されている。すなわち、この実施例における空気動力発電システムは、空気の流れである風により駆動されて作動して発電するものであるが、本発明の空気動力発電システムを駆動できるものであれば、空気以外の気体の流れを駆動力として利用することも可能である。
【0010】
この実施例における空気動力発電システムは、空気貯蔵装置1と、第1の軸線Zを回転軸として空気貯蔵装置1に回転可能に取り付けられるハウジングアセンブリ2と、空気貯蔵装置1に連通するようにハウジングアセンブリ2内に配置されるエアコンプレッサ3と、エアコンプレッサ3に接続するようにハウジングアセンブリ2に配置される羽根車アセンブリ4と、発電装置5と、空気供給装置6と、を備える。
【0011】
空気貯蔵装置1は、例えば地面に配置されるものであり、貯蔵ユニット11を有する。この実施例において、貯蔵ユニット11は互いに離間して平行に配置される4つの空気貯蔵槽12と、それぞれ2つの空気貯蔵槽12の間に介在して該2つの空気貯蔵槽12を連通させる複数本の接続管13と、各空気貯蔵槽12に取り付けられる第1のサポート部材14と、一部(この実施例ではハウジングアセンブリ2側)の接続管13に取り付けられる第2のサポート部材15と、を有するように構成される。
【0012】
各空気貯蔵槽12は、いずれも内部に圧縮空気を収容する空気収容空間121を囲むように中空の管状体に形成されている。また、4つの空気貯蔵槽12における1つは、後述の第2のチューブ64を経由してエアコンプレッサ3に直接的に連通する。ちなみに、この実施形態において、各空気貯蔵槽12が互いに縦方向(第1の軸線Zに平行する方向)に延伸するのに対し、各接続管13は横方向(第1の軸線Zに略直交する第2の軸線Xに平行する方向)に延伸して隣接する2つの空気貯蔵槽12を接続する。このように各接続管13を配置する構成により、各空気貯蔵槽12内の空気収容空間121が互いに連通するようになると共に、各空気貯蔵槽12を構造的にサポートすることもできる。
【0013】
図2図4に示されるように、ハウジングアセンブリ2は第1のサポート部材14に取り付けられており、且つ、環状部材21と、回転部材22と、複数のローラー23と、筒状部材24と、挿入部材25と、ハウジング本体26と、案内部材27と、を有する。環状部材21は第1のサポート部材14に固定される。回転部材22は第1の軸線Zを回転軸として回転可能に環状部材21に配置される。各ローラー23は、環状部材21と回転部材22との間に配置されて回転部材22の環状部材21に対する回転をサポートする。筒状部材24は回転部材22とハウジング本体26との間に固定される。挿入部材25は、筒状部材24に挿入される第1の挿入端部251と、第1の挿入端部251の反対側において環状部材21に挿入される第2の挿入端部252とを有する。第1のサポート部材14に固定される環状部材21に回転部材22が回転可能に取り付けられ、そして筒状部材24は回転部材22とハウジング本体26との間に固定されているので、ハウジング本体26は回転可能に空気貯蔵装置1に取り付けられることになる。また、案内部材27はハウジング本体26に取り付けられている。
【0014】
この実施例において、回転部材22は環状部材21と合わせて回転可能な構造を形成する。環状部材21は複数の固定部材91により第1のサポート部材14に固定される。
【0015】
筒状部材24は中空の円柱体に形成されて複数の固定部材91により回転部材22に固定されるので、回転部材22と共に挿入部材25に対して回転するようになっている。
【0016】
挿入部材25は、上述の第1の挿入端部251と第2の挿入端部252の他に、通気チャンネル253を有するように形成される。この実施例において、第1の挿入端部251はディスク状に形成されると共に、気密的に筒状部材24内に配置されている。第2の挿入端部252はシリンダー状に形成されて環状部材21内に挿入される。通気チャンネル253は第1の挿入端部251と第2の挿入端部252とにそれぞれ開口を有するように形成され、筒状部材24により囲まれて第1の挿入端部251と筒状部材24との間に画成される内部空間241に連通する。
【0017】
ハウジング本体26内にはエアコンプレッサ3が収容され、そして羽根車アセンブリ4はハウジング本体26に取り付けられている。ハウジング本体26は、第2の軸線Xに平行に延伸して管状に形成されたメイン収容部261と、メイン収容部261の一端から延伸する先細り円錐部262と、を有する。メイン収容部261と先細り円錐部262は、共に外部空間に連通するハウジング空間263を画成し、エアコンプレッサ3はハウジング空間263内に収容されている。
【0018】
案内部材27は、先細り円錐部262の反対側に位置するようにハウジング本体26のメイン収容部261に配置され、羽根車アセンブリ4は先細り円錐部262の先細り先端に取り付けられている。
【0019】
案内部材27はハウジング本体26に接続され、且つ、異なる方向へそれぞれ延伸する2つの板状体271を有し、各板状体271は、いずれも第1の軸線Zに略平行する方向に沿って延伸する板状体であり、そしてこの2つの板状体271は、合わせてV字形の水平断面(第2の軸線(X)に沿う方向における断面)を有するように構成されている(図4参照)。
【0020】
エアコンプレッサ3は支持枠92により支持されるようにハウジング空間263内に配置されている。エアコンプレッサ3は空気を圧縮空気に圧縮して空気貯蔵装置1内に送り込むことができるように構成されている。本実施形態で用いる気体は空気なので、圧縮空気とは空気圧が1大気圧より高いものを指す。特に、この実施例において、圧縮空気の空気圧は20kg/cmであることが貯蔵と利用の観点から好ましい。
【0021】
羽根車アセンブリ4は駆動スピンドル41と羽根車ユニット42とを有する。
【0022】
図4に示されるように、駆動スピンドル41は第2の軸線Xを回転軸として回転できるようにハウジングアセンブリ2のハウジング本体26に取り付けられると共に、エアコンプレッサ3に接続されている。また、図2に示されるように、駆動スピンドル41は支持枠92に取り付けられる2つのベアリング部材93により保持されている。駆動スピンドル41はエアコンプレッサ3に接続する端部から、2つのベアリング部材93を経由して先端が先細り円錐部262外に露出するように延伸する。
【0023】
図1図2図4に示されるように、羽根車ユニット42はハウジングアセンブリ2のハウジング本体26外に位置し、駆動スピンドル41と共に回転するように駆動スピンドル41の先細り円錐部262外に露出する先端に接続されている。羽根車ユニット42は駆動スピンドル41と共に回転するように駆動スピンドル41に接続されているハブ421と、ハブ421を囲む環状枠422と、それぞれハブ421から環状枠422まで延伸する複数の羽根423と、を有する。
【0024】
各羽根423はいずれもハブ421に接続される第1の端部424と、環状枠422に接続される第2の端部425とを有する。また、図4に示されるように、各羽根423がそれぞれ有する第2の端部425については、第2の端部425に直交する仮想平面において駆動スピンドル41の延伸方向である第2の軸線Xが投影される仮想線と第2の端部425とが成す角度A11は45°である。
【0025】
この実施例において、角度A11は45°であるが、他の実施例では、必要に応じて角度A11を45°~65°の範囲内で設定することができる。
【0026】
図1図3に示されるように、発電装置5は、空気貯蔵装置1に連通する空気作動モータ51と、空気作動モータ51に接続される発電機52と、を有する。空気作動モータ51及び発電機52は第2のサポート部材15に取り付けられる。また、空気作動モータ51はカバー53により覆われる。
【0027】
この実施例において、空気作動モータ51は空気貯蔵装置1から放出される圧縮空気により作動されて発電機52を駆動して電力を生成する構成になっているが、空気作動モータ51と発電機52の具体的構成に関しては、従来技術を利用できるので、詳しい説明を省略する。
【0028】
空気供給装置6は、エアコンプレッサ3からの圧縮空気を空気貯蔵槽12に送り込む。空気供給装置6は、第1の空気バルブ61と、第2の空気バルブ62と、第1のチューブ63と、第2のチューブ64と、第3のチューブ65と、を有する。第1の空気バルブ61はハウジング空間263及び内部空間241に連通する。第2の空気バルブ62は、第1のサポート部材14に接続すると共に、通気チャンネル253の第1のサポート部材14に隣接する開口に連通する。第1のチューブ63は、エアコンプレッサ3と第1の空気バルブ61との間に介在し、エアコンプレッサ3と第1の空気バルブ61とを連通させる。第2のチューブ64は第2の空気バルブ62と4つの空気貯蔵槽12における1つとの間に介在して第2の空気バルブ62と該空気貯蔵槽12とを連通させる。第3のチューブ65は、空気作動モータ51と他の1つの空気貯蔵槽12との間に介在し、空気作動モータ51と該他の1つの空気貯蔵槽12とを連通させる。
【0029】
第1のチューブ63と第2のチューブ64と第3のチューブ65としては、市販の210kg/cmに耐えられる高圧ホースを採用することができる。このような高圧ホースや空気バルブの具体的構成に関しては、従来技術を利用できるので、詳しい説明を省略する。
【0030】
本発明の空気動力発電システムは、本実施例において、風力を利用して羽根車ユニット42を駆動し、羽根車ユニット42と共に回転する駆動スピンドル41でエアコンプレッサ3を駆動することにより、エアコンプレッサ3はハウジング空間263内の空気を圧縮する。エアコンプレッサ3により圧縮された空気は、各空気貯蔵槽12の空気収容空間121内の空気圧が20kg/cmになるまで、第1のチューブ63と第1の空気バルブ61と内部空間241と通気チャンネル253と第2の空気バルブ62と第2のチューブ64とを経由して各空気貯蔵槽12の空気収容空間121内に送り込まれ続ける。ちなみに、各空気収容空間121内の圧力を計測する手段に関しては、従来技術を用いて達成できるので、詳しい説明を省略する。
【0031】
発電する際は、各空気貯蔵槽12の空気収容空間121内に貯蔵される圧縮空気を第3のチューブ65経由で放出して空気作動モータ51に当てることにより、空気作動モータ51の回転により駆動される発電機52で電力を生成して出力する。
【0032】
このように、本発明の空気動力発電システムは風力の運動エネルギーを利用して空気を圧縮して貯蔵し、そして貯蔵した圧縮空気を放出する際に圧縮空気の運動エネルギーを利用して電力を生成することができるので、汚染物質を生成することなく利用可能なエネルギーを貯蔵する手段を提供することができる。
【0033】
また、図1図2図4に示されるように、ハウジングアセンブリ2のハウジング本体26は環状部材21と回転部材22と筒状部材24とを利用して回転可能に空気貯蔵装置1に取り付けられる上、ハウジング本体26に案内部材27が取り付けられるので、風力によって押し動かされる案内部材27はハウジング本体26を回転させ、羽根車ユニット42を風上に向けることができるようになり、すなわち、風力を効率よく利用することができる。各羽根423の第2の端部425がそれぞれ環状枠422に接続されることにより、羽根車ユニット42は騒音を生じずに安定的に回転することができる。
【0034】
この実施例において、空気貯蔵装置1は4つの空気貯蔵槽12を有する1つの貯蔵ユニット11のみを有する構成になっているが、貯蔵ユニット11の個数は1つに限らず、複数の貯蔵ユニット11を有することも可能であり、そして複数の貯蔵ユニット11を有する場合、各貯蔵ユニット11がそれぞれ有する空気貯蔵槽12の数に関しても4つに限らない。貯蔵したい圧縮空気の量に応じて、空気貯蔵槽12や貯蔵ユニット11の数やサイズを適切に設定することが可能である。
【0035】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 空気貯蔵装置
11 貯蔵ユニット
12 空気貯蔵槽
121 空気収容空間
13 接続管
14 第1のサポート部材
15 第2のサポート部材
2 ハウジングアセンブリ
21 環状部材
22 回転部材
23 ローラー
24 筒状部材
241 内部空間
25 挿入部材
251 第1の挿入端部
252 第2の挿入端部
253 通気チャンネル
26 ハウジング本体
261 メイン収容部
262 先細り円錐部
263 ハウジング空間
27 案内部材
271 板状体
3 エアコンプレッサ
4 羽根車アセンブリ
41 駆動スピンドル
42 羽根車ユニット
421 ハブ
422 環状枠
423 羽根
424 第1の端部
425 第2の端部
5 発電装置
51 空気作動モータ
52 発電機
53 カバー
6 空気供給装置
61 第1の空気バルブ
62 第2の空気バルブ
63 第1のチューブ
64 第2のチューブ
65 第3のチューブ
91 固定部材
92 支持枠
93 ベアリング部材
A11 角度
X 第2の軸線
Z 第1の軸線
図1
図2
図3
図4