(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031772
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20240229BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20240229BHJP
H10B 41/50 20230101ALI20240229BHJP
H10B 43/50 20230101ALI20240229BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
H10B43/27
H10B41/27
H10B41/50
H10B43/50
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023047179
(22)【出願日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2022134523
(32)【優先日】2022-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 信彬
(72)【発明者】
【氏名】千葉 明彦
(72)【発明者】
【氏名】的場 賢一
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 春菜
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP02
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP76
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA04
5F083JA05
5F083JA19
5F083JA35
5F083JA36
5F083JA37
5F083JA39
5F083JA40
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F101BA02
5F101BA46
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】高集積化が可能な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】半導体記憶装置は、半導体基板200に設けられ、第1方向X及び第1方向と交差する第2方向Yに並ぶ複数のトランジスタWLSWと、半導体基板と複数の電圧供給配線CGIとの間に設けられた第1配線層と、を備える。複数のトランジスタは、それぞれ、ソース領域R
SOと、ソース領域と第2方向に並ぶドレイン領域R
DRとを含む。第1配線層は、第1方向及び第2方向と交差する第3方向Zから見て複数のソース領域と重なる位置に設けられ、複数のソース領域及び複数の電圧供給配線に電気的に接続された複数の第1接続部と、第3方向から見て複数のソース領域と重なる位置に設けられ、複数のドレイン領域及び複数の導電層に電気的に接続された複数の第2接続部と、第2方向に並ぶ一対の第2接続部の間に設けられた通過配線領域とを含む。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
複数の電圧供給配線と、
前記半導体基板に設けられ、第1方向に並ぶと共に、前記第1方向と交差する第2方向に並ぶ複数のトランジスタと、
前記半導体基板と前記複数の電圧供給配線との間に設けられた第1配線層と、
を備え、
前記複数のトランジスタは、それぞれ、ソース領域と、前記ソース領域と前記第2方向に並ぶドレイン領域とを含み、
前記第1配線層は、
前記第1方向及び前記第2方向と交差する第3方向から見て前記複数のソース領域と重なる位置に設けられ、前記複数のソース領域及び前記複数の電圧供給配線に電気的に接続された複数の第1接続部と、
前記第3方向から見て前記複数のソース領域と重なる位置に設けられ、前記複数のドレイン領域及び複数の導電層に電気的に接続された複数の第2接続部と、
前記第2方向に並ぶ一対の前記第2接続部の間に設けられた通過配線領域と
を含み、
前記通過配線領域は、前記第1方向に延伸する一又は複数の通過配線を含む
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記半導体基板と前記第1配線層との間に設けられた第2配線層を備え、
前記第2配線層は、
前記第3方向から見て前記複数のソース領域と重なる位置に設けられ、前記複数の第1接続部及び前記複数のソース領域に電気的に接続された複数の第3接続部と、
前記第3方向から見て前記複数のソース領域と重なる位置に設けられ、前記複数の第2接続部に電気的に接続された複数の第4接続部と
前記第3方向から見て前記複数のドレイン領域と重なる位置に設けられ、前記複数の第4接続部及び前記複数のドレイン領域に電気的に接続された複数の第5接続部と
を含む
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記複数の第4接続部の前記第1方向の位置と、前記複数の第5接続部の前記第1方向の位置とは、同一であり又は異なる
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第2接続部と前記通過配線領域との間に、前記第1方向に延伸するシールド配線が設けられる
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第3方向に並ぶ前記複数の導電層を含み、前記複数の導電層が前記第2方向に並ぶ複数の積層構造と、
前記複数の積層構造に対応して設けられ、前記第3方向に延伸し、前記複数の導電層と対向する複数の半導体柱を含むメモリ領域と、
前記複数の積層構造に対応して設けられ、前記第3方向に延伸し、前記複数の導電層に電気的に接続された複数の第1ビアコンタクト電極を含むフックアップ領域と
を備える請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記複数のトランジスタは、前記第3方向から見て前記フックアップ領域及び前記メモリ領域の一部と重なる位置に設けられる
請求項5記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記複数の電圧供給配線は、前記第2方向に延伸し、前記第3方向に並ぶ
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第2接続部と前記シールド配線との間に設けられたフックアップ配線領域を備え、
前記フックアップ配線領域は、前記第1方向に離間した2つの前記第2接続部を接続するフックアップ配線が複数設けられる
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記フックアップ配線の前記第2方向の幅は、前記第2接続部に近い前記フックアップ配線よりも、前記シールド配線に近い前記フックアップ配線の方が大きい
請求項8記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記通過配線は、電圧を伝達する第1通過配線と、制御信号を伝達する第2通過配線とを含み、
前記第1通過配線の前記第2方向の幅は、前記第2通過配線の前記第2方向の幅よりも大きい
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記第1方向の第1の位置において第2方向に延伸する直線を横切るフックアップ配線の数が、前記第1方向の第2の位置において前記直線を横切る前記フックアップ配線の数よりも多く、前記第1の位置を含む前記フックアップ配線の第1部分における前記第2方向の幅を、前記第1部分以外の第2部分における前記第2方向の幅よりも小さくする
請求項8記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記複数の第1接続部及び前記複数の第3接続部は、それぞれ前記第3方向から見て重なり、
前記複数の第2接続部及び前記複数の第4接続部は、それぞれ前記第3方向から見て重なる
請求項2記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記複数の第1接続部は、前記第3方向から見て、前記第1方向に並ぶ前記複数のソース領域をまたがる領域と重なる第1領域において、前記第1方向に並び、
前記複数の第2接続部は、前記第1領域と前記第2方向の両側に近接した第2領域において、前記第1方向に並ぶ
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
前記複数の第1接続部及び前記複数の第2接続部は、前記第3方向から見て、前記第1方向に並ぶ前記複数のソース領域をまたがる領域と重なる第1領域において、前記第1方向に並び、
2つの前記第2接続部の間に前記第1接続部が設けられる
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項15】
前記第3方向に並び、複数の貼合電極を介して貼合された第1チップ及び第2チップを備え、
前記第1チップは、
前記第3方向に並ぶ前記複数の導電層を含み、前記第2方向に並ぶ複数の積層構造と、
前記複数の積層構造に対応して設けられ、前記第3方向に延伸し、前記複数の導電層と対向する複数の半導体柱を含むメモリ領域と、
前記複数の積層構造に対応して設けられ、前記第3方向に延伸し、前記複数の導電層及び前記複数の貼合電極に電気的に接続された複数の第1ビアコンタクト電極を含むフックアップ領域と
を備え、
前記第2チップは、
前記半導体基板と、
前記複数の電圧供給配線と、
前記複数のトランジスタと、
前記第1配線層と
を備える
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項16】
前記第3方向に並ぶ複数の導電層を含み、前記第2方向に並ぶ複数の積層構造と、
前記複数の積層構造に対応して設けられ、前記第3方向に延伸し、前記複数の導電層と対向する複数の半導体柱を含むメモリ領域と、
前記複数の積層構造に対応して設けられ、前記第3方向に延伸し、前記複数の導電層に電気的に接続された複数の第1ビアコンタクト電極を含むフックアップ領域と
を備え、
前記複数の積層構造と前記半導体基板とが前記第3方向に並び、
前記複数の積層構造と前記半導体基板との間に、前記複数のトランジスタ、前記第1配線層、及び前記複数の電圧供給配線が設けられる
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項17】
前記トランジスタの前記第2方向のピッチは、前記積層構造の前記第2方向のピッチと同じである
請求項5記載の半導体記憶装置。
【請求項18】
前記トランジスタの前記第2方向のピッチの3倍は、前記積層構造の前記第2方向のピッチの2倍と同じである
請求項5記載の半導体記憶装置。
【請求項19】
前記半導体基板と前記複数の電圧供給配線との間に設けられた、前記第3方向に隣接して並ぶ2つの配線層を備え、
前記2つの配線層に設けられる複数の配線は、前記第1方向を長手方向とする配線が前記第2方向を長手方向とする配線より多い
請求項1記載の半導体記憶装置。
【請求項20】
前記半導体基板と前記複数の電圧供給配線との間に設けられた、前記第3方向に隣接して並ぶ複数の配線層を備え、
前記複数の配線層は、それぞれ、前記第3方向から見て前記複数のソース領域と重なる位置に設けられた、前記複数のドレイン領域及び複数の導電層に電気的に接続された複数の接続部を備え、
前記複数の配線層における前記複数の接続部は、それぞれ、前記第3方向から見て重なる位置に設けられ、
前記複数の接続部のうち、フックアップ配線が接続された前記接続部は、ビアコンタクト電極を介して、隣接する前記電圧供給配線側の配線層における前記接続部と接続され、
前記複数の接続部のうち、前記フックアップ配線が接続された前記接続部に隣接する前記半導体基板側の配線層における前記接続部は、電気的に絶縁されている
請求項1記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板と、この基板の表面と交差する方向に積層された複数の導電層と、これら複数の導電層に対向する半導体層と、導電層及び半導体層の間に設けられたゲート絶縁層と、を備える半導体記憶装置が知られている。ゲート絶縁層は、例えば、窒化シリコン(SiN)等の絶縁性の電荷蓄積層やフローティングゲート等の導電性の電荷蓄積層等の、データを記憶可能なメモリ部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2021/0082896号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2021/0320094号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2022/0085003号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高集積化が可能な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態に係る半導体記憶装置は、半導体基板と、複数の電圧供給配線と、半導体基板に設けられ、第1方向に並ぶと共に、第1方向と交差する第2方向に並ぶ複数のトランジスタと、半導体基板と複数の電圧供給配線との間に設けられた第1配線層と、を備える。複数のトランジスタは、それぞれ、ソース領域と、ソース領域と第2方向に並ぶドレイン領域とを含む。第1配線層は、第1方向及び第2方向と交差する第3方向から見て複数のソース領域と重なる位置に設けられ、複数のソース領域及び複数の電圧供給配線に電気的に接続された複数の第1接続部と、第3方向から見て複数のソース領域と重なる位置に設けられ、複数のドレイン領域及び複数の導電層に電気的に接続された複数の第2接続部と、第2方向に並ぶ一対の第2接続部の間に設けられた通過配線領域と、を含む。通過配線領域は、第1方向に延伸する一又は複数の通過配線を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】メモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。
【
図2】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図3】電圧生成回路VG、ドライバ回路DRV及びロウデコーダRDの構成を示す模式的な回路図である。
【
図4】周辺回路PCの一部の構成を示す模式的な回路図である。
【
図5】第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示す模式的な分解斜視図である。
【
図6】チップC
Mの構成例を示す模式的な底面図である。
【
図7】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図8】メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図9】チップC
Mの一部の構成を示す模式的な底面図である。
【
図10】チップC
Mの一部の構成を示す模式的な断面図である。
【
図11】フックアップ領域R
HUの構成例を示す模式的な平面図である。
【
図12】チップC
Pの構成例を示す模式的な平面図である。
【
図14】制御回路SYN及び通過配線TWを示す模式的な平面図である。
【
図15】ワード線スイッチWLSWの構成例を示す模式的な平面図である。
【
図16】ワード線スイッチWLSW及びメモリブロックBLKの位置関係を示す模式的な図である。
【
図17】ワード線スイッチWLSW、接続部及びビアコンタクト電極の構造を示す模式的な断面図である。
【
図18】導電層110とワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWとの間の経路を示す模式的な断面図である。
【
図19】フックアップ領域R
HUにおける貼合電極P
I2の位置を示す模式的な平面図である。
【
図20】配線層D4に設けられた配線CGI及び接続部d42の位置を示す模式的な平面図である。
【
図21】配線層D3に設けられた接続部d31,d32の位置を示す模式的な平面図である。
【
図22】配線層D3に設けられたシールド配線s3及び通過配線領域R
TW3の位置を示す模式的な平面図である。
【
図23】配線層D3における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
【
図24】配線層D2に設けられたシールド配線s2及び通過配線領域R
TW2の位置を示す模式的な平面図である。
【
図25】配線層D2における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
【
図26】配線層D1における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
【
図27】配線層D0における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
【
図28】接続部d02及びフックアップ配線W0の幅を示す模式的な平面図である。
【
図29】フックアップ配線W3の幅を示す模式的な平面図である。
【
図30】フックアップ配線W2の幅を示す模式的な平面図である。
【
図31】第2実施形態に係るメモリダイMD2の構成例を示す模式的な平面図である。
【
図32】メモリダイMD2の構成例を示す模式的な断面図である。
【
図34】第2実施形態に係る半導体基板500の構成例を示す模式的な平面図である。
【
図36】第2実施形態に係るワード線スイッチWLSW、接続部及びビアコンタクト電極の構造を示す模式的な断面図である。
【
図37】第3実施形態に係る配線層D3に設けられた接続部d31,d32の位置を示す模式的な平面図である。
【
図38】第4実施形態に係る配線層D3に設けられた接続部d31,d32の位置を示す模式的な平面図である。
【
図39】第5実施形態に係るワード線スイッチWLSW及びメモリブロックBLKの位置関係を示す模式的な図である。
【
図40】第5実施形態に係る配線層D3に設けられた接続部d31,d32の位置を示す模式的な平面図である。
【
図41】第5実施形態に係る配線層D3に設けられた接続部d31,d32の他の位置を示す模式的な平面図である。
【
図42】第5実施形態に係るワード線スイッチWLSW及びメモリブロックBLKの配線接続の関係を示す模式的な図である。
【
図43】第6実施形態の配線層D3における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
【
図44】第6実施形態の配線層D2における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
【
図45】第6実施形態の配線層D1における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
【
図46】第6実施形態の配線層D0における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
【
図47】第7実施形態の配線層D2における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
【
図48】第7実施形態の配線層D1における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
【
図49】第7実施形態の配線層D0における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
【
図50】ビアコンタクト電極CCの変形例を示す模式的な断面図である。
【
図51】第8実施形態に係るフックアップ配線W0~W3の配線抵抗R
WRを示す図である。
【
図53】第8実施形態に係るフックアップ配線W0の配線長の概略を示す図である。
【
図54】フックアップ配線W0の密度の求め方を示す図である。
【
図55】フックアップ配線W1の密度の求め方を示す図である。
【
図56】フックアップ配線W2の密度の求め方を示す図である。
【
図57】第8実施形態に係るフックアップ配線W0のY方向の幅w
a,W
bを示す図である。
【
図58】第8実施形態の配線層D0の配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
【
図59】第9実施形態に係るフックアップ配線W0の密度の求め方を示す図である。
【
図60】第9実施形態の配線層D0の配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
【
図61】第10実施形態に係るフックアップ配線W0を示す図である。
【
図62】第11実施形態に係るフックアップ配線W0の密度の求め方を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、実施形態に係る半導体記憶装置を、図面を参照して詳細に説明する。尚、以下の実施形態はあくまでも一例であり、本発明を限定する意図で示されるものではない。また、以下の図面は模式的なものであり、説明の都合上、一部の構成等が省略される場合がある。また、複数の実施形態について共通する部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0008】
また、本明細書において「半導体記憶装置」と言った場合には、メモリダイを意味する事もあるし、メモリチップ、メモリカード、SSD(Solid State Drive)等の、コントローラダイを含むメモリシステムを意味する事もある。更に、スマートホン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等の、ホストコンピュータを含む構成を意味する事もある。
【0009】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成に「電気的に接続されている」と言った場合、第1の構成は第2の構成に直接接続されていても良いし、第1の構成が第2の構成に配線、半導体部材又はトランジスタ等を介して接続されていても良い。例えば、3つのトランジスタを直列に接続した場合には、2つ目のトランジスタがOFF状態であったとしても、1つ目のトランジスタは3つ目のトランジスタに「電気的に接続」されている。
【0010】
また、本明細書において、第1の構成が第2の構成及び第3の構成の「間に接続されている」と言った場合、第1の構成、第2の構成及び第3の構成が直列に接続され、且つ、第2の構成が第1の構成を介して第3の構成に接続されていることを意味する場合がある。
【0011】
また、本明細書において、回路等が2つの配線等を「導通させる」と言った場合には、例えば、この回路等がトランジスタ等を含んでおり、このトランジスタ等が2つの配線の間の電流経路に設けられており、このトランジスタ等がON状態となることを意味する事がある。
【0012】
また、本明細書においては、基板の上面に対して平行な所定の方向をX方向、基板の上面に対して平行で、X方向と垂直な方向をY方向、基板の上面に対して垂直な方向をZ方向と呼ぶ。
【0013】
また、本明細書においては、所定の面に沿った方向を第1方向、この所定の面に沿って第1方向と交差する方向を第2方向、この所定の面と交差する方向を第3方向と呼ぶことがある。これら第1方向、第2方向及び第3方向は、X方向、Y方向及びZ方向のいずれかと対応していても良いし、対応していなくても良い。
【0014】
また、本明細書において、「上」や「下」等の表現は、基板を基準とする。例えば、上記Z方向に沿って基板から離れる向きを上と、Z方向に沿って基板に近付く向きを下と呼ぶ。また、ある構成について下面や下端と言う場合には、この構成の基板側の面や端部を意味する事とし、上面や上端と言う場合には、この構成の基板と反対側の面や端部を意味する事とする。また、X方向又はY方向と交差する面を側面等と呼ぶ。
【0015】
また、本明細書において、構成、部材等について、所定方向の「幅」、「長さ」又は「厚み」等と言った場合には、SEM(Scanning electron microscopy)やTEM(Transmission electron microscopy)等によって観察された断面等における幅、長さ又は厚み等を意味することがある。
【0016】
また、本明細書において、「配線」という場合、配線、ビアコンタクト電極、配線及びビアコンタクト電極を接続するための接続部、貼合電極等を含む場合がある。
【0017】
[第1実施形態]
[メモリダイMDの回路構成]
図1は、第1実施形態に係るメモリダイMDの構成を示す模式的なブロック図である。
図2は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な回路図である。
図3は、電圧生成回路VG、ドライバ回路DRV及びロウデコーダRDの構成を示す模式的な回路図である。
図4は、ロウ制御回路RowC及びブロックデコーダBLKDの構成を示す模式的なブロック図である。
【0018】
尚、
図1には、複数の制御端子等を図示している。これら複数の制御端子は、ハイアクティブ信号(正論理信号)に対応する制御端子として表される場合がある。また、複数の制御端子は、ローアクティブ信号(負論理信号)に対応する制御端子として表される場合がある。また、複数の制御端子は、ハイアクティブ信号及びローアクティブ信号の双方に対応する制御端子として表される場合がある。
図1において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、オーバーライン(上線)を含む。本明細書において、ローアクティブ信号に対応する制御端子の符号は、スラッシュ(“/”)を含む。尚、
図1の記載は例示であり、具体的な態様は適宜調整可能である。例えば、一部又は全部のハイアクティブ信号をローアクティブ信号としたり、一部又は全部のローアクティブ信号をハイアクティブ信号としたりすることも可能である。
【0019】
図1に示す様に、メモリダイMDは、メモリセルアレイMCAと、周辺回路PCと、を備える。周辺回路PCは、電圧生成回路VGと、ロウデコーダRDと、センスアンプモジュールSAMと、シーケンサSQCと、を備える。また、周辺回路PCは、キャッシュメモリCMと、アドレスレジスタADRと、コマンドレジスタCMRと、ステータスレジスタSTRと、を備える。また、周辺回路PCは、入出力制御回路I/Oと、論理回路CTRと、を備える。
【0020】
[メモリセルアレイMCAの回路構成]
メモリセルアレイMCAは、
図2に示す様に、上述した複数のメモリブロックBLKを備える。これら複数のメモリブロックBLKは、それぞれ、複数のストリングユニットSUを備える。これら複数のストリングユニットSUは、それぞれ、複数のメモリストリングMSを備える。これら複数のメモリストリングMSの一端は、それぞれ、ビット線BLを介して周辺回路PCに接続される。また、これら複数のメモリストリングMSの他端は、それぞれ、共通のソース線SLを介して周辺回路PCに接続される。
【0021】
メモリストリングMSは、ドレイン側選択トランジスタSTDと、複数のメモリセルMC(メモリトランジスタ)と、ソース側選択トランジスタSTSと、を備える。ドレイン側選択トランジスタSTD、複数のメモリセルMC、及び、ソース側選択トランジスタSTSは、ビット線BL及びソース線SLの間に直列に接続される。以下、ドレイン側選択トランジスタSTD及びソース側選択トランジスタSTSを、単に選択トランジスタ(STD、STS)と呼ぶ事がある。
【0022】
メモリセルMCは、電界効果型のトランジスタである。メモリセルMCは、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える。半導体層は、チャネル領域として機能する。ゲート絶縁膜は、電荷蓄積膜を含む。メモリセルMCのしきい値電圧は、電荷蓄積膜中の電荷量に応じて変化する。メモリセルMCは、1ビット又は複数ビットのデータを記憶する。尚、1のメモリストリングMSに対応する複数のメモリセルMCのゲート電極には、それぞれ、ワード線WLが接続される。これらワード線WLは、それぞれ、1のメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。
【0023】
選択トランジスタ(STD、STS)は、電界効果型のトランジスタである。選択トランジスタ(STD、STS)は、半導体層、ゲート絶縁膜、及び、ゲート電極を備える。半導体層は、チャネル領域として機能する。ゲート絶縁膜は電荷蓄積層を含んでいても良い。選択トランジスタ(STD、STS)のゲート電極には、それぞれ、選択ゲート線(SGD、SGS)が接続される。1つのドレイン側選択ゲート線SGDは、1つのストリングユニットSU中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。1つのソース側選択ゲート線SGSは、1つのメモリブロックBLK中の全てのメモリストリングMSに共通に接続される。尚、ドレイン側選択ゲート線SGD及びソース側選択ゲート線SGSを、それぞれ、選択ゲート線SGと呼ぶ場合がある。
【0024】
[電圧生成回路VGの回路構成]
電圧生成回路VG(
図1)は、例えば
図3に示す様に、複数の電圧生成ユニットvg1~vg3を備える。電圧生成ユニットvg1~vg3は、読み出し動作、書き込み動作及び消去動作において、所定の大きさの電圧を生成し、電圧供給線L
VGを介して出力する。例えば、電圧生成ユニットvg1は、書き込み動作において、プログラム電圧を出力する。また、電圧生成ユニットvg2は、読み出し動作において、読み出しパス電圧を出力する。また、電圧生成ユニットvg2は、書き込み動作において、書き込みパス電圧を出力する。また、電圧生成ユニットvg3は、読み出し動作において、読み出し電圧を出力する。また、電圧生成ユニットvg3は、書き込み動作において、ベリファイ電圧を出力する。電圧生成ユニットvg1~vg3は、例えば、チャージポンプ回路等の昇圧回路でも良いし、レギュレータ等の降圧回路でも良い。これら降圧回路及び昇圧回路は、それぞれ、電圧供給線L
Pに接続される。電圧供給線L
Pには、電源電圧V
CC又は接地電圧V
SS(
図1)が供給される。これらの電圧供給線L
Pは、例えば、パッド電極Pに接続される。電圧生成回路VGから出力される動作電圧は、シーケンサSQCからの制御信号に従って適宜調整される。
【0025】
尚、上記
図3を参照して説明した電圧生成回路VG(
図1)は、配線CGIを介してワード線WLに印加される、プログラム電圧、読み出しパス電圧、書き込みパス電圧、読み出し電圧、及びベリファイ電圧を生成する構成であった。しかしながら、電圧生成回路VGは、ワード線WLに印加される動作電圧だけでなく、メモリセルアレイMCAに対する読み出し動作、書き込み動作及び消去動作に際してビット線BL、ソース線SL、及び選択ゲート線(SGD、SGS)に印加される複数通りの動作電圧を生成し、複数の電圧供給線に出力することが可能である。これらの動作電圧は、シーケンサSQCからの制御信号に従って適宜調整される。
【0026】
[ロウデコーダRDの回路構成]
ロウデコーダRDは、例えば
図3に示す様に、ロウ制御回路RowCと、ワード線デコーダWLDと、ドライバ回路DRVと、図示しないアドレスデコーダと、を備える。ロウ制御回路RowCは、例えば
図4に示す様に、複数のブロックデコーダユニットblkdと、ブロックデコーダBLKDと、を備える。
【0027】
複数のブロックデコーダユニットblkdは、メモリセルアレイMCA中の複数のメモリブロックBLKに対応する。ブロックデコーダユニットblkdは、複数のワード線スイッチWLSWと、複数の選択ゲート線スイッチSGSWと、を備える。複数のワード線スイッチWLSWは、メモリブロックBLK中の複数のワード線WLに対応する。複数の選択ゲート線スイッチSGSWは、メモリブロックBLK中のドレイン側選択ゲート線SGD及びソース側選択ゲート線SGSに対応する。
【0028】
ワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWは、例えば、電界効果型のNMOSトランジスタである。ワード線スイッチWLSWのドレイン電極は、ワード線WLに接続される。選択ゲート線スイッチSGSWのドレイン電極は、ドレイン側選択ゲート線SGD及びソース側選択ゲート線SGSに接続される。ワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWのソース電極は、配線CGIに接続される。配線CGIは、ロウ制御回路RowC中の全てのブロックデコーダユニットblkdに接続される。ワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWのゲート電極は、信号供給線BLKSELに接続される。信号供給線BLKSELは、全てのブロックデコーダユニットblkdに対応して複数設けられる。また、信号供給線BLKSELは、ブロックデコーダユニットblkd中の全てのワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWに接続される。
【0029】
ブロックデコーダBLKDは、読み出し動作、書き込み動作等に際して、ブロックアドレスをデコードする。読み出し動作、書き込み動作等においては、例えば、アドレスレジスタADR(
図1)中のブロックアドレスに対応する一つの信号線BLKSELが“H”状態となり、その他の信号線BLKSELが“L”状態となる。例えば、一つの信号線BLKSELに正の大きさを有する所定の駆動電圧が供給され、その他の信号線BLKSELに接地電圧V
SS等が供給される。これにより、このブロックアドレスに対応する一つのメモリブロックBLK中の全てのワード線WL及び選択ゲート線SGが全ての配線CGIと導通する。また、その他のメモリブロックBLK中の全てのワード線WL及び選択ゲート線SGがフローティング状態となる。
【0030】
ワード線デコーダWLDは、複数のワード線デコードユニットwldを備える。複数のワード線デコードユニットwldは、メモリストリングMS中の複数のメモリセルMCに対応する。
図3の例において、ワード線デコードユニットwldは、2つのトランジスタT
WLS,T
WLUを備える。トランジスタT
WLS,T
WLUは、例えば、電界効果型のNMOSトランジスタである。トランジスタT
WLS,T
WLUのドレイン電極は、配線CGIに接続される。トランジスタT
WLSのソース電極は、配線CGI
Sに接続される。トランジスタT
WLUのソース電極は、配線CGI
Uに接続される。トランジスタT
WLSのゲート電極は、信号線WLSEL
Sに接続される。トランジスタT
WLUのゲート電極は、信号線WLSEL
Uに接続される。信号線WLSEL
Sは、全てのワード線デコードユニットwldに含まれる一方のトランジスタT
WLSに対応して複数設けられる。信号線WLSEL
Uは、全てのワード線デコードユニットwldに含まれる他方のトランジスタT
WLUに対応して複数設けられる。
【0031】
読み出し動作、書き込み動作等においては、例えば、アドレスレジスタADR(
図1)中のページアドレスに対応する一つのワード線デコードユニットwldに対応する信号線WLSEL
Sが“H”状態となり、これに対応するWLSEL
Uが“L”状態となる。また、それ以外のワード線デコードユニットwldに対応する信号線WLSEL
Sが“L”状態となり、これに対応するWLSEL
Uが“H”状態となる。また、配線CGI
Sには、選択ワード線WLに対応する電圧が供給される。また、配線CGI
Uには、非選択ワード線WLに対応する電圧が供給される。これにより、上記ページアドレスに対応する一つのワード線WLに、選択ワード線WLに対応する電圧が供給される。また、その他のワード線WLに、非選択ワード線WLに対応する電圧が供給される。
【0032】
ドライバ回路DRVは、例えば、6つのトランジスタTDRV1~TDRV6を備える。トランジスタTDRV1~TDRV6は、例えば、電界効果型のNMOSトランジスタである。トランジスタTDRV1~TDRV4のドレイン電極は、配線CGISに接続される。トランジスタTDRV5,TDRV6のドレイン電極は、配線CGIUに接続される。トランジスタTDRV1のソース電極は、電圧供給線LVG1を介して、電圧生成ユニットvg1の出力端子に接続される。トランジスタTDRV2,TDRV5のソース電極は、電圧供給線LVG2を介して、電圧生成ユニットvg2の出力端子に接続される。トランジスタTDRV3のソース電極は、電圧供給線LVG3を介して、電圧生成ユニットvg3の出力端子に接続される。トランジスタTDRV4,TDRV6のソース電極は、電圧供給線LPを介して、パッド電極Pに接続される。トランジスタTDRV1~TDRV6のゲート電極には、それぞれ、信号線VSEL1~VSEL6が接続される。
【0033】
読み出し動作、書き込み動作等においては、例えば、配線CGISに対応する複数の信号線VSEL1~VSEL4のうちの一つが“H”状態となり、その他が“L”状態となる。また、配線CGIUに対応する2つの信号線VSEL5,VSEL6の一方が“H”状態となり、他方が“L”状態となる。
【0034】
図示しないアドレスデコーダは、例えば、シーケンサSQC(
図1)からの制御信号に従って順次アドレスレジスタADR(
図1)のロウアドレスRAを参照する。ロウアドレスRAは、上述したブロックアドレス及びページアドレスを含む。アドレスデコーダは、上記信号線BLKSEL,WLSEL
S,WLSEL
Uの電圧を“H”状態又は“L”状態に制御する。
【0035】
尚、
図3の例において、ロウデコーダRDには、1つのメモリブロックBLKについて1つずつブロックデコーダユニットblkdが設けられる。しかしながら、この構成は適宜変更可能である。例えば、2以上のメモリブロックBLKについて1つずつブロックデコーダユニットblkdが設けられても良い。
【0036】
[センスアンプモジュールSAMの回路構成]
センスアンプモジュールSAM(
図1)は、メモリセルMCのON状態/OFF状態を検出し、このメモリセルMCの状態を示すデータを取得する。この様な動作を、センス動作と呼ぶ場合がある。センスアンプモジュールSAMは、複数のセンスアンプユニットを備える。複数のセンスアンプユニットは、複数のビット線BLに対応する。複数のセンスアンプユニットは、それぞれ、センスアンプ回路と、ラッチ回路と、を備える。
【0037】
[キャッシュメモリCMの回路構成]
キャッシュメモリCM(
図1)は、複数のラッチ回路を備える。複数のラッチ回路は、配線DBUSを介してセンスアンプモジュールSAM内のラッチ回路に接続される。これら複数のラッチ回路に含まれるデータDATは、順次センスアンプモジュールSAM又は入出力制御回路I/Oに転送される。
【0038】
また、キャッシュメモリCMには、図示しないデコード回路及びスイッチ回路が接続される。デコード回路は、アドレスレジスタADRに保持されたカラムアドレスCAをデコードする。スイッチ回路は、デコード回路の出力信号に応じて、カラムアドレスCAに対応するラッチ回路をバスBUS(
図1)と導通させる。
【0039】
[シーケンサSQCの回路構成]
シーケンサSQC(
図1)は、コマンドレジスタCMRに保持されたコマンドデータD
CMDに従い、ロウデコーダRD、センスアンプモジュールSAM、及び、電圧生成回路VGに内部制御信号を出力する。また、シーケンサSQCは、適宜自身の状態を示すステータスデータD
STをステータスレジスタSTRに出力する。
【0040】
また、シーケンサSQCは、レディ/ビジー信号を生成し、端子RY//BYに出力する。端子RY//BYが“L”状態の期間(ビジー期間)では、メモリダイMDへのアクセスが基本的には禁止される。また、端子RY//BYが“H”状態の期間(レディ期間)においては、メモリダイMDへのアクセスが許可される。
【0041】
[入出力制御回路I/Oの回路構成]
入出力制御回路I/Oは、データ信号入出力端子DQ0~DQ7と、トグル信号入出力端子DQS,/DQSと、複数の入力回路と、複数の出力回路と、シフトレジスタと、バッファ回路と、を備える。複数の入力回路、複数の出力回路、シフトレジスタ及びバッファ回路は、それぞれ、電源電圧VCCQ及び接地電圧VSSが供給される端子に接続される。
【0042】
データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して入力されたデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、バッファ回路から、キャッシュメモリCM、アドレスレジスタADR又はコマンドレジスタCMRに出力される。また、データ信号入出力端子DQ0~DQ7を介して出力されるデータは、論理回路CTRからの内部制御信号に応じて、キャッシュメモリCM又はステータスレジスタSTRからバッファ回路に入力される。
【0043】
複数の入力回路は、例えば、データ信号入出力端子DQ0~DQ7のいずれか、又は、トグル信号入出力端子DQS,/DQSの双方に接続されたコンパレータを含む。複数の出力回路は、例えば、データ信号入出力端子DQ0~DQ7のいずれか、又は、トグル信号入出力端子DQS,/DQSのいずれかに接続されたOCD(Off Chip Driver)回路を含む。
【0044】
[論理回路CTRの回路構成]
論理回路CTR(
図1)は、外部制御端子/CEn,CLE,ALE,/WE,RE,/REを介してコントローラダイCDから外部制御信号を受信し、これに応じて入出力制御回路I/Oに内部制御信号を出力する。
【0045】
[メモリダイMDの構造]
図5は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の構成例を示す模式的な分解斜視図である。
図5に示す通り、メモリダイMDは、メモリセルアレイMCA側のチップC
Mと、周辺回路PC側のチップC
Pと、を備える。
【0046】
チップCMの上面には、図示しないボンディングワイヤに接続可能な複数の外部パッド電極PXが設けられている。また、チップCMの下面には、複数の貼合電極PI1が設けられている。また、チップCPの上面には、複数の貼合電極PI2が設けられている。以下、チップCMについては、複数の貼合電極PI1が設けられる面を表面と呼び、複数の外部パッド電極PXが設けられる面を裏面と呼ぶ。また、チップCPについては、複数の貼合電極PI2が設けられる面を表面と呼び、表面の反対側の面を裏面と呼ぶ。図示の例において、チップCPの表面はチップCPの裏面よりも上方に設けられ、チップCMの裏面はチップCMの表面よりも上方に設けられる。
【0047】
チップCM及びチップCPは、チップCMの表面とチップCPの表面とが対向するよう配置される。複数の貼合電極PI1は、複数の貼合電極PI2にそれぞれ対応して設けられ、複数の貼合電極PI2に貼合可能な位置に配置される。貼合電極PI1と貼合電極PI2とは、チップCMとチップCPとを貼合し、かつ電気的に導通させるための、貼合電極として機能する。
【0048】
尚、
図5の例において、チップC
Mの角部a1、a2、a3、a4は、それぞれ、チップC
Pの角部b1、b2、b3、b4と対応する。
【0049】
図6は、チップC
Mの構成例を示す模式的な底面図である。
図6では、貼合電極P
I1等の一部の構成を省略している。
図7及び
図8は、メモリダイMDの一部の構成を示す模式的な断面図である。
図9は、チップC
Mの一部の構成を示す模式的な底面図である。
図9では、左側の領域においてワード線WLの位置のXY断面を示し、右側の領域においてドレイン側選択ゲート線SGDの位置のXY断面を示している。尚、
図9の右側の領域では、半導体層120とビット線BLとの接続部分を表すために、ビアコンタクト電極ch,Vy、及びビット線BLも示している。
図9の左側の領域においても、ビアコンタクト電極ch,Vy、及びビット線BLが設けられている。
図10は、チップC
Mの一部の構成を示す模式的な断面図である。
図10は、YZ断面を示しているが、半導体層120の中心軸に沿ったYZ断面以外の断面(例えば、XZ断面)を観察した場合にも、
図10と同様の構造が観察される。
図11は、フックアップ領域R
HUの構成例を示す模式的な平面図である。
図12は、チップC
Pの構成例を示す模式的な平面図である。
図12では、貼合電極P
I2等の一部の構成を省略している。
図13は、
図12のAで示した部分の模式的な拡大図である。
図13では、チップC
Pの構成(
図12のAで示したXY平面の部分)に対応するチップC
Mの構成(XZ断面の部分)も示している。
【0050】
[チップC
Mの構造]
図6の例において、チップC
Mは、X方向に並ぶ4つのメモリプレーンMP0~MP3を備える。尚、4つのメモリプレーンMP0~MP3を、それぞれ、単にメモリプレーンMPと呼ぶ場合がある。また、これら4つのメモリプレーンMP0~MP3は、それぞれ、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKを備える。また、
図6の例において、これら4つのメモリプレーンMP0~MP3は、それぞれ、X方向の両端部に設けられたフックアップ領域R
HUと、これらの間に設けられたメモリホール領域R
MH(メモリ領域)と、を備える。また、
図6の例では、メモリホール領域R
MHがX方向に4つの領域R
MHUに分割されている。これら4つの領域R
MHUのX方向における幅は、全て同じでも良いし、同じでなくても良い。また、チップC
Mは、4つのメモリプレーンMP0~MP3よりもY方向の一端側に設けられた周辺領域R
Pを備える。
【0051】
尚、図示の例では、フックアップ領域RHUがメモリプレーンMPのX方向の両端部に設けられている。しかしながら、この様な構成は例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。例えば、フックアップ領域RHUは、メモリプレーンMPのX方向の両端部でなく、X方向の一端部に設けられていても良い。また、フックアップ領域RHUは、メモリプレーンMPのX方向の中央位置又は中央近傍の位置に設けられていても良い。
【0052】
チップC
Mは、例えば
図7に示す様に、基体層L
SBと、基体層L
SBの下方に設けられたメモリセルアレイ層L
MCAと、メモリセルアレイ層L
MCAの下方に設けられたビアコンタクト電極層CHと、ビアコンタクト電極層CHの下方に設けられた複数の配線層M0,M1と、配線層M0,M1の下方に設けられたチップ貼合電極層MBと、を備える。
【0053】
[チップC
Mの基体層L
SBの構造]
例えば
図7に示す様に、基体層L
SBは、メモリセルアレイ層L
MCAの上面に設けられた導電層100と、導電層100の上面に設けられた絶縁層101と、絶縁層101の上面に設けられた裏面配線層MAと、裏面配線層MAの上面に設けられた絶縁層102と、を備える。
【0054】
導電層100は、例えば、リン(P)等のN型の不純物又はホウ素(B)等のP型の不純物が注入されたシリコン(Si)等の半導体層を含んでいても良いし、タングステン(W)等の金属を含んでいても良いし、タングステンシリサイド(WSi)等のシリサイドを含んでいても良い。
【0055】
導電層100は、ソース線SL(
図1)の一部として機能する。導電層100は、4つのメモリプレーンMP0~MP3(
図6)に対応して4つ設けられている。メモリプレーンMPのX方向及びY方向の端部には、導電層100を含まない領域VZが設けられている。
【0056】
絶縁層101は、例えば、酸化シリコン(SiO2)等を含む。
【0057】
裏面配線層MAは、複数の配線maを含む。これら複数の配線maは、例えば、アルミニウム(Al)等を含んでいても良い。
【0058】
複数の配線maのうちの一部は、ソース線SL(
図2)の一部として機能する。この配線maは、4つのメモリプレーンMP0~MP3(
図6)に対応して4つ設けられている。この配線maは、それぞれ、導電層100に電気的に接続されている。
【0059】
また、複数の配線maのうちの一部は、外部パッド電極PXとして機能する。この配線maは、周辺領域RPに設けられている。この配線maは、導電層100を含まない領域VZにおいてメモリセルアレイ層LMCA中のビアコンタクト電極CCに接続されている。また、配線maの一部は、絶縁層102に設けられた開口TVを介してメモリダイMDの外部に露出する。
【0060】
絶縁層102は、例えば、ポリイミド等の絶縁材料からなるパッシベーション層である。
【0061】
[チップC
Mのメモリセルアレイ層L
MCAのメモリホール領域R
MHにおける構造]
図6を参照して説明した様に、メモリセルアレイ層L
MCAには、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKが設けられている。
図7に示す様に、Y方向に隣り合う2つのメモリブロックBLKの間には、酸化シリコン(SiO
2)等のブロック間絶縁層STが設けられる。Z方向に並ぶ複数の導電層110を含み、Y方向に並ぶ複数の積層構造が、複数のメモリブロックBLKに対応する。
【0062】
メモリブロックBLKは、例えば
図7に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層110と、Z方向に延伸する複数の半導体層120と、を備える。また、
図10に示す様に、複数の導電層110及び複数の半導体層120の間には、それぞれ、ゲート絶縁膜130が設けられている。
【0063】
導電層110は、X方向に延伸する略板状の形状を備える。導電層110は、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)、モリブデン(Mo)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、導電層110は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。Z方向に並ぶ複数の導電層110の間には、酸化シリコン(SiO2)等の層間絶縁層111が設けられている。
【0064】
複数の導電層110のうち、最上層に位置する一又は複数の導電層110は、ソース側選択トランジスタSTS(
図2)のゲート電極及びソース側選択ゲート線SGSとして機能する(
図7参照)。これら複数の導電層110は、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0065】
また、これよりも下方に位置する複数の導電層110は、メモリセルMC(
図2)のゲート電極及びワード線WLとして機能する。これら複数の導電層110は、それぞれ、メモリブロックBLK毎に電気的に独立している。
【0066】
また、これよりも下方に位置する一又は複数の導電層110は、ドレイン側選択トランジスタSTDのゲート電極及びドレイン側選択ゲート線SGDとして機能する。例えば
図9に示す様に、これら複数の導電層110のY方向の幅Y
SGDは、ワード線WLとして機能する導電層110のY方向の幅Y
WLよりも小さい。また、Y方向に隣り合う2つの導電層110の間には、酸化シリコン(SiO
2)等のストリングユニット間絶縁層SHEが設けられている。
【0067】
半導体層120は、例えば
図9に示す様に、X方向及びY方向に所定のパターンで並ぶ。半導体層120は、それぞれ、1つのメモリストリングMS(
図2)に含まれる複数のメモリセルMC及び選択トランジスタ(STD,STS)のチャネル領域として機能する。半導体層120は、例えば、多結晶シリコン(Si)等を含む。半導体層120は、略円筒状の形状を有し、中心部分には酸化シリコン等の絶縁層125が設けられている。半導体層120の外周面は、それぞれ複数の導電層110によって囲まれており、これら複数の導電層110と対向している。
【0068】
また、半導体層120の上端には、図示しない不純物領域が設けられている。この不純物領域は、上記導電層100に接続されている(
図7参照)。この不純物領域は、例えば、リン(P)等のN型の不純物又はホウ素(B)等のP型の不純物を含む。
【0069】
また、半導体層120の下端には、図示しない不純物領域が設けられている。この不純物領域は、ビアコンタクト電極ch及びビアコンタクト電極Vyを介してビット線BLに接続される。この不純物領域は、例えば、リン(P)等のN型の不純物を含む。
【0070】
ゲート絶縁膜130は、例えば
図9に示す様に、半導体層120の外周面を覆う略円筒状の形状を有する。ゲート絶縁膜130は、例えば
図10に示す様に、半導体層120及び導電層110の間に積層されたトンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132及びブロック絶縁膜133を備える。トンネル絶縁膜131及びブロック絶縁膜133は、例えば、酸化シリコン(SiO
2)、窒酸化シリコン(SiON)等を含む。電荷蓄積膜132は、例えば、窒化シリコン(SiN)等の電荷を蓄積可能な膜を含む。トンネル絶縁膜131、電荷蓄積膜132、及び、ブロック絶縁膜133は略円筒状の形状を有し、半導体層120と導電層100との接触部を除く半導体層120の外周面に沿ってZ方向に延伸する。
【0071】
尚、
図10には、ゲート絶縁膜130が窒化シリコン等の電荷蓄積膜132を備える例を示した。しかしながら、ゲート絶縁膜130は、例えば、N型又はP型の不純物を含む多結晶シリコン等のフローティングゲートを備えていても良い。
【0072】
[チップC
Mのメモリセルアレイ層L
MCAのフックアップ領域R
HUにおける構造]
図8に示す様に、フックアップ領域R
HUには、複数のビアコンタクト電極CCが設けられている。これら複数のビアコンタクト電極CCは、それぞれ、Z方向に延伸し、上端において導電層110(WL,SGD,SGS)に接続されている。
【0073】
図11に示す様に、フックアップ領域R
HUがメモリプレーンMPのX方向負側及びX方向正側に設けられ、2つのフックアップ領域R
HUの間にメモリホール領域R
MHが設けられている。メモリホール領域R
MHにおいて、Y方向正側から数えて1番目~8番目のメモリブロックを、メモリブロックBLK(1)~BLK(8)であるものとする。X方向負側のフックアップ領域R
HUは、メモリブロックBLK(1)~BLK(8)に対応して、フックアップ領域R
HU(N1)~R
HU(N8)に分けられる。また、X方向正側のフックアップ領域R
HUは、メモリブロックBLK(1)~BLK(8)に対応して、フックアップ領域R
HU(P1)~R
HU(P8)に分けられる。
【0074】
フックアップ領域RHU(N1),RHU(N4),RHU(N5),RHU(N8),RHU(P2),RHU(P3),RHU(P6),RHU(P7)には、Y方向に並ぶ3つのビアコンタクト電極CCの列がX方向に複数並んでいる。
【0075】
フックアップ領域RHU(N1)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(1)における各層の導電層110に接続される。フックアップ領域RHU(P2)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(2)における各層の導電層110に接続される。フックアップ領域RHU(P3)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(3)における各層の導電層110に接続される。フックアップ領域RHU(N4)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(4)における各層の導電層110に接続される。フックアップ領域RHU(N5)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(5)における各層の導電層110に接続される。フックアップ領域RHU(P6)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(6)における各層の導電層110に接続される。フックアップ領域RHU(P7)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(7)における各層の導電層110に接続される。フックアップ領域RHU(N8)の複数のビアコンタクト電極CCは、メモリブロックBLK(8)における各層の導電層110に接続される。
【0076】
[チップC
Mのメモリセルアレイ層L
MCAの周辺領域R
Pにおける構造]
周辺領域R
Pには、例えば
図7に示す様に、外部パッド電極P
Xに対応して、複数のビアコンタクト電極CCが設けられている。これら複数のビアコンタクト電極CCは、上端において外部パッド電極P
Xに接続されている。
【0077】
[ビアコンタクト電極層CHの構造]
ビアコンタクト電極層CHに含まれる複数のビアコンタクト電極chは、例えば、メモリセルアレイ層LMCA中の構成及びチップCP中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0078】
ビアコンタクト電極層CHは、複数の配線として、複数のビアコンタクト電極chを含む。これら複数のビアコンタクト電極chは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。ビアコンタクト電極chは、複数の半導体層120に対応して設けられ、複数の半導体層120の下端に接続されている。
【0079】
[チップCMの配線層M0,M1の構造]
配線層M0,M1に含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層LMCA中の構成及びチップCP中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0080】
配線層M0は、複数の配線m0を含む。これら複数の配線m0は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タンタル(TaN)とタンタル(Ta)との積層膜等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。尚、複数の配線m0のうちの一部は、ビット線BLとして機能する。ビット線BLは、例えば
図9に示す様に、X方向に並びY方向に延伸する。
【0081】
配線層M1は、例えば
図7に示す様に、複数の配線m1を含む。これら複数の配線m1は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。尚、配線層M1中の配線パターンについては、後述する。
【0082】
[チップ貼合電極層MBの構造]
チップ貼合電極層MBに含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層LMCA中の構成及びチップCP中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0083】
チップ貼合電極層MBは、複数の貼合電極PI1(貼合パッド)を含む。これら複数の貼合電極PI1は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タンタル(TaN)とタンタル(Ta)との積層膜等のバリア導電膜pI1B及び銅(Cu)等の金属膜pI1Mの積層膜等を含んでいても良い。
【0084】
[チップC
Pの構造]
チップC
Pは、例えば
図12に示す様に、X方向に並ぶ4つのメモリプレーンMP0~MP3と重なる領域MP0´~MP3´を備える。これら4つの領域MP0´~MP3´の、X方向における両端部には、それぞれ、ロウ制御回路領域R
RCが設けられている。また、これら2つのロウ制御回路領域R
RCの間には、X方向に並ぶ2つのブロックデコーダ領域R
BDが設けられている。また、これら2つのブロックデコーダ領域R
BDの間には、周辺回路領域R
PCが設けられている。周辺回路領域R
PCには、X方向及びY方向に並ぶ4つのカラム制御回路領域R
CCが設けられている。また、図示は省略するものの、周辺回路領域R
PC中のその他の領域にも、回路が配置されている。また、チップC
Mの周辺領域R
P(
図6)に対向するチップC
Pの領域には、回路領域R
Cが設けられている。
【0085】
ロウ制御回路領域R
RCには、
図3及び
図4を参照して説明した複数のブロックデコーダユニットblkdが設けられている。即ち、ロウ制御回路領域R
RCには、複数のブロックデコーダユニットblkdを構成する、複数のワード線スイッチWLSW及び複数の選択ゲート線スイッチSGSWが設けられている。ブロックデコーダ領域R
BDには、
図4を参照して説明したブロックデコーダBLKDが設けられている。カラム制御回路領域R
CCには、
図1を参照して説明したセンスアンプモジュールSAMが設けられている。回路領域R
Cには、図示しない入出力回路が設けられている。この入出力回路は、
図7を参照して説明したビアコンタクト電極CC等を介して、外部パッド電極P
Xに接続されている。
【0086】
また、
図12及び
図13には、Z方向から見てフックアップ領域R
HU(
図6)と重なる領域を、点線で示している。
図12及び
図13の例では、ロウ制御回路領域R
RCの一部が、Z方向から見てフックアップ領域R
HU(
図6)と重なる領域に設けられている。また、ロウ制御回路領域R
RCの一部が、Z方向から見てメモリホール領域R
MH(
図6)と重なる領域に設けられている。また、
図12及び
図13の例では、ロウ制御回路領域R
RCのX方向における幅が、フックアップ領域R
HU(
図6)のX方向における幅よりも大きい。この様に、ロウ制御回路領域R
RCの複数のワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチは、Z方向から見てフックアップ領域R
HU及びメモリホール領域R
MHの一部と重なる位置に設けられている。
【0087】
また、
図12の例では、カラム制御回路領域R
CCのX方向における中央位置が、X方向負側から数えて1番目及び2番目の領域R
MHUの境界、又は、X方向負側から数えて3番目及び4番目の領域R
MHUの境界と一致する。尚、カラム制御回路領域R
CCのX方向における中央位置は、X方向負側から数えて1番目及び2番目の領域R
MHUの境界、又は、X方向負側から数えて3番目及び4番目の領域R
MHUの境界と一致しなくても良い。
【0088】
また、チップC
Pは、例えば
図7に示す様に、半導体基板200と、半導体基板200の上方に設けられた電極層GCと、電極層GCの上方に設けられた配線層D0,D1,D2,D3,D4と、配線層D0,D1,D2,D3,D4の上方に設けられたチップ貼合電極層DBと、を備える。
【0089】
[チップCPの半導体基板200の構造]
半導体基板200は、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型のシリコン(Si)を含む。半導体基板200の表面には、例えば、リン(P)等のN型の不純物を含むN型ウェル領域200Nと、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型ウェル領域200Pと、N型ウェル領域200N及びP型ウェル領域200Pが設けられていない半導体基板領域200Sと、絶縁領域STIと、が設けられている。P型ウェル領域200Pの一部は半導体基板領域200Sに設けられており、P型ウェル領域200Pの一部はN型ウェル領域200Nに設けられている。N型ウェル領域200N、N型ウェル領域200N及び半導体基板領域200Sに設けられたP型ウェル領域200P、並びに、半導体基板領域200Sは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTr、及び、複数のキャパシタ等の一部として機能する。尚、複数のトランジスタTrの一部は、ワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWとして機能する。
【0090】
[チップCPの電極層GCの構造]
半導体基板200の上面には、絶縁層200Gを介して、電極層GCが設けられている。電極層GCは、半導体基板200の表面と対向する複数の電極gcを含む。また、半導体基板200の各領域及び電極層GCに含まれる複数の電極gcは、それぞれ、ビアコンタクト電極CSに接続されている。
【0091】
半導体基板200のN型ウェル領域200N、N型ウェル領域200N及び半導体基板領域200Sに設けられたP型ウェル領域200P、並びに、半導体基板領域200Sは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのチャネル領域、及び、複数のキャパシタの一方の電極等として機能する。
【0092】
電極層GCに含まれる複数の電極gcは、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのゲート電極、及び、複数のキャパシタの他方の電極等として機能する。
【0093】
ビアコンタクト電極CSは、Z方向に延伸し、下端において半導体基板200又は電極gcの上面に接続されている。ビアコンタクト電極CSと半導体基板200との接続部分には、N型の不純物又はP型の不純物を含む不純物領域が設けられている。ビアコンタクト電極CSは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0094】
[チップC
Pの配線層D0,D1,D2,D3,D4の構造]
例えば
図7に示す様に、D0,D1,D2,D3,D4に含まれる複数の接続部及び複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層L
MCA中の構成及びチップC
P中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0095】
配線層D0,D1,D2は、それぞれ、複数の接続部d0,d1,d2及び複数の配線(例えば、後述する
図27のフックアップ配線W0、
図26のフックアップ配線W1、及び
図25のフックアップ配線W2,通過配線TW2,シールド配線s2)を含む。これら複数の接続部d0,d1,d2及び複数の配線は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0096】
配線層D3,D4は、それぞれ、複数の接続部d3,d4及び複数の配線(例えば、後述する
図23のフックアップ配線W3,通過配線TW3,シールド配線s3、
図20の配線CGI)を含む。これら複数の接続部d3,d4及び複数の配線は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タンタル(TaN)とタンタル(Ta)との積層膜等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0097】
配線層D0,D1,D2,D3,D4における接続部d0,d1,d2,d3,d4及び複数の配線の構成については、後述する(
図17~
図27参照)。
【0098】
[チップ貼合電極層DBの構造]
チップ貼合電極層DBに含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層LMCA中の構成及びチップCP中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0099】
チップ貼合電極層DBは、複数の貼合電極PI2を含む。これら複数の貼合電極PI2は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、窒化タンタル(TaN)とタンタル(Ta)との積層膜等のバリア導電膜pI2B及び銅(Cu)等の金属膜pI2Mの積層膜等を含んでいても良い。
【0100】
尚、貼合電極PI1と貼合電極PI2とに銅(Cu)等の金属膜pI1M,pI2Mを用いると、金属膜pI1Mと金属膜pI2Mとが一体化して、互いの境界の確認が困難となる。但し、貼り合せの位置ずれによる貼合電極PI1と貼合電極PI2とを貼り合せた形状の歪み、バリア導電膜pI1B,pI2Bの位置ずれ(側面における不連続箇所の発生)により貼り合せ構造が確認できる。また、貼合電極PI1及び貼合電極PI2をダマシン法により形成する場合、それぞれの側面はテーパー形状を有する。このため貼合電極PI1と貼合電極PI2とを貼り合せた部分におけるZ方向に沿った断面の形状は、側壁が直線状とはならず、非矩形形状となる。また、貼合電極PI1と貼合電極PI2とを貼り合せた場合、これらを形成する各Cuの底面、側面、及び上面をバリアメタルが覆う構造となる。これに対し、一般的なCuを用いた配線層では、Cuの上面にCuの酸化防止機能を有する絶縁層(SiNまたはSiCN等)が設けられ、バリアメタルは設けられていない。このため、貼り合せの位置ずれが発生していなくても、一般的な配線層との区別は可能である。
【0101】
[配線層M1中の配線パターン]
図4等を参照して説明した様に、ワード線WLには、それぞれ、ワード線スイッチWLSWが接続される。また、選択ゲート線SGには、それぞれ、選択ゲート線スイッチSGSWが接続される。ここで、ワード線WL及び選択ゲート線SGには、比較的大きい電圧が供給される場合があるため、ワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWとしては、高耐圧のトランジスタが使用される。ここで、高耐圧のトランジスタは比較的大きくなってしまう場合がある。この関係から、
図12を参照して説明したロウ制御回路領域R
RCの面積は、比較的大きくなってしまう場合がある。
【0102】
ここで、ロウ制御回路領域RRCの面積がフックアップ領域RHUの面積よりも大きい場合、ロウ制御回路領域RRCの一部を、Z方向から見てフックアップ領域RHUと重なる領域に設け、残りの一部を、Z方向から見て領域MP´と重ならない領域に設けることも考えられる。しかしながら、この場合、領域MP´全体の面積が大きくなってしまい、メモリダイMDの回路面積が増大してしまう場合がある。
【0103】
そこで、本実施形態においては、
図12を参照して説明した様に、ロウ制御回路領域R
RCの一部を、Z方向から見てフックアップ領域R
HUと重なる領域に設け、残りの一部を、Z方向から見てメモリホール領域R
MHと重なる領域に設けている。
【0104】
この様な構造を採用する場合、一部のビット線BLが、Z方向から見て、カラム制御回路領域RCCではなく、ロウ制御回路領域RRCやブロックデコーダ領域RBDと重なる位置に設けられることとなる。
【0105】
そこで、本実施形態においては、配線層M1に、X方向に延伸する配線m1aを設け、この配線m1aを介して、一部のビット線BLとカラム制御回路領域RCC中の構成とを電気的に接続している。この様な構成によれば、ロウ制御回路領域RRCの面積の増大に伴うメモリダイMDの回路面積の増大を抑制して、高集積化が可能な半導体記憶装置を提供することが可能となる。
【0106】
尚、ロウ制御回路領域RRCの面積がフックアップ領域RHUの面積と同一の場合や、フックアップ領域RHUの面積よりも小さい場合でも良い。この場合、配線層M1には、一部のビット線BLとカラム制御回路領域RCC中の構成とを電気的に接続するための配線m1aを設ける必要はない。
【0107】
[制御回路SYN及び通過配線TW]
図14は、制御回路SYN及び通過配線TWを示す模式的な平面図である。尚、
図14において、
図12の構成と同一構成については同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0108】
制御回路SYNは、入力信号に基づき、チップC
P内の各種周辺回路PCの制御信号を出力するモジュールである。制御回路SYNは、
図1を参照して説明したシーケンサSQC等を含む場合がある。また、制御回路SYNから出力される制御信号は、電圧制御信号(チャージポンプ回路、レギュレータ等に入力される)、アドレス信号等を含む場合がある。
図14の例では、制御回路SYNは、領域MP3´の周辺回路領域R
PCにおけるY方向負側の領域に設けられている。尚、制御回路SYNは、
図14に示す位置とは異なる位置に設けられても良い。
【0109】
複数の通過配線TWは、複数の領域MP´の周辺回路PC間を接続する。
図14に示す様に、X方向及びY方向に延伸する複数の通過配線TWが、複数の領域MP´に亘って設けられている。複数の通過配線TWは、制御信号を含む各種信号を伝達する。複数の通過配線TWの一部は、制御回路SYNに接続され、制御回路SYNからの制御信号を伝達する。これら複数の通過配線TWは、例えばチップC
Pの配線層D2,D3, D4に形成される。
【0110】
図14に示す様に、複数の領域MP´に亘って設けられている複数の通過配線TWは、半導体基板200におけるロウ制御回路領域R
RC及びブロックデコーダ領域R
BDの上方を通過する。
【0111】
[ワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWの構造]
図15は、ワード線スイッチWLSWの構成例を示す模式的な平面図である。尚、
図15は、例えば
図14のBで示した部分に対応する。
図16は、ワード線スイッチWLSW及びメモリブロックBLKの位置関係を示す模式的な図である。尚、
図15及び
図16には、ワード線スイッチWLSWとメモリブロックBLKとの対応関係を説明するために、メモリブロックBLKの境界を示す点線を示している。
【0112】
図15には、共通のソース領域を有する2つのワード線スイッチWLSW(トランジスタ)を示している。以下、この様な2つのワード線スイッチWLSW(トランジスタ)を、「トランジスタグループTG3」と呼ぶ。
【0113】
図15に示す様に、トランジスタグループTG3は、Y方向に延伸する半導体領域(拡散領域)203を備える。半導体領域203は、Y方向に並ぶと共に、X方向に並ぶ。半導体領域203の周囲には、絶縁領域STIが形成されている。また、半導体領域203のY方向の両端部には、それぞれ、ワード線スイッチWLSWのドレイン端子として機能するビアコンタクト電極CS2が設けられている。また、これらビアコンタクト電極CS2の間には、2つのワード線スイッチWLSWの共通のソース端子として機能するビアコンタクト電極CS1が設けられている。また、ドレイン端子として機能するビアコンタクト電極CS2と、ソース端子として機能するビアコンタクト電極CS1との間には、それぞれ、ゲート絶縁膜205(
図17参照)及びゲート電極206が設けられている。
【0114】
図15に示す様に、Y方向に並ぶ一対の半導体領域203のうち、一方の半導体領域203のY方向負側の端部及び他方の半導体領域203のY方向正側の端部から等距離の中間線の位置が、Z方向から見てブロック間絶縁層ST(
図7、
図9)の位置と一致する。また、半導体領域203のY方向における中心線の位置が、Z方向から見てブロック間絶縁層ST(
図7、
図9)の位置と一致する。Y方向に並ぶブロック間絶縁層STの間隔が、ワード線スイッチWLSWのY方向におけるピッチ(
図15のYpitch)である。即ち、本実施形態においては、ワード線スイッチWLSWのY方向におけるピッチは、メモリブロックBLKのY方向におけるピッチと同じである。ワード線スイッチWLSW及びメモリブロックBLKのY方向におけるピッチが同じであることを、1Tr/1BLKと表記する場合がある。
【0115】
尚、
図15は、ワード線スイッチWLSWの構造を示しているが、選択ゲート線スイッチSGSWの構造も、ワード線スイッチWLSWの構造と同様としてもよい。
【0116】
図16のメモリブロックBLK(1)における各層の導電層110は、フックアップ領域R
HU(N1)の複数のビアコンタクト電極CC(
図11)、貼合電極P
I1,P
I2及び配線層D0~D4を介して、X方向負側のロウ制御回路領域R
RCにおけるワード線スイッチWLSW(1L),WLSW(2L)のビアコンタクト電極CS2に電気的に接続される。
【0117】
メモリブロックBLK(2)における各層の導電層110は、フックアップ領域R
HU(P2)の複数のビアコンタクト電極CC(
図11)、貼合電極P
I1,P
I2及び配線層D0~D4を介して、X方向正側のロウ制御回路領域R
RCにおけるワード線スイッチWLSW(1R),WLSW(2R)のビアコンタクト電極CS2に電気的に接続される。
【0118】
メモリブロックBLK(3)における各層の導電層110は、フックアップ領域R
HU(P3)の複数のビアコンタクト電極CC(
図11)、貼合電極P
I1,P
I2及び配線層D0~D4を介して、X方向正側のロウ制御回路領域R
RCにおけるワード線スイッチWLSW(3R),WLSW(4R)のビアコンタクト電極CS2に電気的に接続される。
【0119】
メモリブロックBLK(4)における各層の導電層110は、フックアップ領域R
HU(N4)の複数のビアコンタクト電極CC(
図11)、貼合電極P
I1,P
I2及び配線層D0~D4を介して、X方向負側のロウ制御回路領域R
RCにおけるワード線スイッチWLSW(3L),WLSW(4L)のビアコンタクト電極CS2に電気的に接続される。
【0120】
メモリブロックBLK(5)~BLK(6)における各層の導電層110と複数のワード線スイッチWLSWとの接続についても、メモリブロックBLK(1)~BLK(4)における各層の導電層110と複数のワード線スイッチWLSWとの接続と同様である。この様に、一対のメモリブロックBLKの幅に設けられた一対のワード線スイッチWLSWは、同じメモリブロックBLKの導電層110(ワード線WL)に接続される。尚、選択ゲート線SGと選択ゲート線スイッチSGSWとの接続についても同様である。
【0121】
[導電層110とワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWとの間の経路]
図17は、ワード線スイッチWLSW、接続部及びビアコンタクト電極の構造を示す模式的な断面図である。尚、
図17は、
図15に示すC-C´線に沿って切断し、矢印の方向に沿って見た場合の図である。
図18は、導電層110とワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWとの間の経路を示す模式的な断面図である。
【0122】
図17に示す様に、半導体基板200には、2つのワード線スイッチWLSWを構成する半導体領域203が形成されている。半導体領域203の上面には、X方向に延伸する2つの電極gcが設けられている。電極gcは、半導体領域203の上面に設けられたゲート絶縁層204と、ゲート絶縁層204の上面に設けられたゲート電極206と、ゲート絶縁層204及びゲート電極206のY方向の両側面に設けられたゲート絶縁膜205と、を備える。
【0123】
ゲート絶縁層204は、例えば、酸化シリコン(SiO2)及び窒化シリコン(SiN)の少なくとも一方を含んでいても良いし、酸化アルミニウム(AlO)、酸化ハフニウム(HfO)又はその他の、絶縁性の金属酸化膜を含んでいても良い。ゲート電極206は、例えば、N型又はP型の不純物を含む多結晶シリコン(Si)、タングステン(W)等の金属、ニッケルシリサイド(NiSi)、ニッケルプラチナシリサイド(NiPtSi)、及びコバルトシリサイド(CoSi)、タングステンシリサイド(WSi)等のシリサイド、又は、これらのうちの2以上を組み合わせた積層膜等を含んでいても良い。ゲート絶縁膜205は、例えば、酸化シリコン(SiO2)及び窒化シリコン(SiN)の少なくとも一方を含んでいても良い。
【0124】
半導体領域203のソース領域RSOは、2つの電極gcの間の領域である。半導体領域203のドレイン領域RDRは、Y方向正側の電極gcとY方向正側の絶縁領域STIとの間の領域、及びY方向負側の電極gcとY方向負側の絶縁領域STIとの間の領域である。
【0125】
ビアコンタクト電極C41,C31,C21,C11,CS1及び接続部d31,d21,d11,d01は、配線CGIと半導体領域203のソース領域RSOを接続するためのビアコンタクト電極及び接続部である。配線CGIの接続用のビアコンタクト電極C41,C31,C21,C11,CS1及び接続部d31,d21,d11,d01は、Z方向から見て、X方向に並ぶ複数のソース領域RSOをまたがる領域と重なる第1領域RCGIに設けられている。
【0126】
図17に示す様に、配線層D4において、配線CGIがY方向に延伸する。ビアコンタクト電極C41は、上端において配線CGIに接続され、下端において配線層D3の接続部d31に接続される。
図17では、配線CGI及びビアコンタクト電極C41は、接続部d31やビアコンタクト電極C31等とX方向の位置がずれているので、配線CGI及びビアコンタクト電極C41は点線で示している。ビアコンタクト電極C31は、上端において接続部d31に接続され、下端において配線層D2の接続部d21に接続される。ビアコンタクト電極C21は、上端において接続部d21に接続され、下端において配線層D1の接続部d11に接続される。ビアコンタクト電極C11は、上端において接続部d11に接続され、下端において配線層D0の接続部d01に接続される。ビアコンタクト電極CS1は、上端において接続部d01に接続され、下端において半導体領域203のソース領域R
SOに接続される。
【0127】
この様に、ビアコンタクト電極C41,C31,C21,C11,CS1及び接続部d31,d21,d11,d01は、配線CGIから半導体領域203のソース領域RSOまで真下又は略真下に接続する。
【0128】
ビアコンタクト電極C42,C32,C22,C12(C12b),CS2及び接続部d42,d32,d22,d12(d12b),d02(d02b)は、貼合電極P
I2と半導体領域203のドレイン領域R
DRを接続するためのビアコンタクト電極及び接続部である。貼合電極P
I2の接続用のビアコンタクト電極C42,C32,C22,C12及び接続部d42,d32,d22,d12,d02は、Z方向から見て半導体領域203のソース領域R
SOと重なる第1領域R
CGIの近傍の一対の第2領域R
WLHU1に設けられている。第2領域R
WLHU1は、第1領域R
CGIとY方向の両側に近接した領域である。尚、
図17の例では、ビアコンタクト電極C12は設けられていない。ビアコンタクト電極C12は、後述する
図18等に示している。貼合電極P
I2の接続用のビアコンタクト電極C12b,CS2及び接続部d12b,d02bは、Z方向から見て半導体領域203の一対のドレイン領域R
DRと重なる第3領域R
WLHU2に設けられている。
【0129】
図17に示す様に、チップ貼合電極層DBの貼合電極P
I2は、配線層D4の接続部d42に接続される。
図17において、貼合電極P
I2は接続部d42等とX方向の位置が一致しているが、X方向の位置がずれていても良い。ビアコンタクト電極C42は、上端において接続部d42に接続され、下端において配線層D3の接続部d32に接続される。ビアコンタクト電極C32は、上端において接続部d32に接続され、下端において配線層D2の接続部d22に接続される。ビアコンタクト電極C22は、上端において接続部d22に接続され、下端において配線層D1の接続部d12に接続される。配線層D1の接続部d12及び接続部d12bは、
図17において図示しない配線(後述する
図26のフックアップ配線W1)で接続される。ビアコンタクト電極C12bは、上端において接続部d12bに接続され、下端において配線層D0の接続部d02bに接続される。ビアコンタクト電極CS2は、上端において接続部d02bに接続され、下端において半導体領域203のドレイン領域R
DRに接続される。
【0130】
図17においては、配線層D1の接続部d12及び接続部d12bが、フックアップ配線(後述する
図26のフックアップ配線W1)で接続されている。この場合、ビアコンタクト電極C12は設けられない。配線層D0の接続部d02は、配線層D1の接続部d12に電気的に接続されていないダミーの接続部(配線)である。すなわち、接続部d02は電気的に絶縁されており、フローティングである。リソグラフィの観点から、ダミーの接続部d02を配線層D0に形成している。また、ダスト影響に起因した隣接配線とのショートリスクを減らすため、接続部d02は接続部d12と接続されていない。ただし、配線層D0の接続部d02及び接続部d02bが、フックアップ配線(後述する
図27のフックアップ配線W0)で接続される場合がある。この場合、ビアコンタクト電極C12が設けられ、ビアコンタクト電極C12bは設けられない。この場合も、配線層D1の接続部d12bは、配線層D0の接続部d02bに電気的に接続されていないダミーの接続部(配線)である。すなわち、この場合、接続部d12bは電気的に絶縁されており、フローティングである。
【0131】
この様に、第2領域R
WLHU1に設けられたビアコンタクト電極及び接続部と、第3領域R
WLHU2に設けられたビアコンタクト電極及び接続部を用いて、貼合電極P
I2と半導体領域203のドレイン領域R
DRとが接続される。この場合、第2領域R
WLHU1の接続部d12と第3領域R
WLHU2の接続部d12bとが配線層D1のフックアップ配線(後述する
図26のフックアップ配線W1)で接続され、又は、第2領域R
WLHU1の接続部d02と第3領域R
WLHU2の接続部d02bとが配線層D0のフックアップ配線(後述する
図27のフックアップ配線W0)で接続される。
【0132】
尚、
図17において、配線層D4の接続部d42は、
図7及び
図8の接続部d4に対応する。配線層D3の接続部d31,d32は、
図7及び
図8の接続部d3に対応する。配線層D2の接続部d21,d22は、
図7及び
図8の接続部d2に対応する。配線層D1の接続部d11,d12(d12b)は、
図7及び
図8の接続部d1に対応する。配線層D0の接続部d01,d02(d02b)は、
図7及び
図8の接続部d0に対応する。
【0133】
図18に示す様に、チップC
Mのメモリセルアレイ層L
MCAにおける、ワード線WL及び選択ゲート線SG(SGD、SGS)は、ビアコンタクト電極CC、貼合電極P
I1,P
I2、配線層D4の接続部d42、ビアコンタクト電極C42、配線層D3の接続部d32、ビアコンタクト電極C32、配線層D2の接続部d22、ビアコンタクト電極C22、配線層D1の接続部d12、ビアコンタクト電極C12、及び配線層D0の接続部d02を介して、ワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWのドレイン端子として機能するビアコンタクト電極CS2に電気的に接続される。尚、
図18では、ビアコンタクト電極層CHを省略している。上記の様なワード線WL及び選択ゲート線SGからワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWに至る経路を、
図18において経路RTと記す。
【0134】
図18に示す様に、メモリセルアレイ層L
MCAにおける最上層のソース側選択ゲート線SGSは、経路RT1を経由して、ロウ制御回路領域R
RCにおけるX方向負側の端部の選択ゲート線スイッチSGSW(この選択ゲート線スイッチSGSWをSGSW(1)とする。)に接続される。ソース側選択ゲート線SGSの下方のワード線WL(2)は、経路RT2を経由して、選択ゲート線スイッチSGSW(1)よりもX方向正側のワード線スイッチWLSW(このワード線スイッチWLSWをWLSW(2)とする。)に接続される。ワード線WL(2)の下方のワード線WL(3)は、経路RT3を経由して、ワード線スイッチWLSW(2)よりもX方向正側のワード線スイッチWLSW(このワード線スイッチWLSWをWLSW(3)とする。)に接続される。
【0135】
上記の経路RT1,RT2,RT3では、
図18において図示していないが、配線層D0の接続部d02及び接続部d02bがフックアップ配線(後述する
図27のフックアップ配線W0)で接続され、接続部d02bがビアコンタクト電極CS2に接続される。
【0136】
ワード線WL(3)の下方のワード線WL(4)は、経路RT4を経由して、ワード線スイッチWLSW(3)よりもX方向正側のワード線スイッチWLSW(このワード線スイッチWLSWをWLSW(4)とする。)に接続される。
【0137】
上記の経路RT4では、
図18において図示していないが、配線層D1の接続部d12及び接続部d12bがフックアップ配線(後述する
図26のフックアップ配線W1)で接続され、接続部d12bがビアコンタクト電極C12bを介して接続部d02bに接続され、接続部d02bがビアコンタクト電極CS2に接続される。
【0138】
ワード線WL(4)の下方のワード線WL(5)は、経路RT5を経由して、ワード線スイッチWLSW(4)よりもX方向正側のワード線スイッチWLSW(このワード線スイッチWLSWをWLSW(5)とする。)に接続される。
【0139】
上記の経路RT5では、
図18において図示していないが、配線層D2の接続部d22と、この接続部d22よりもX方向正側の位置の接続部d22とがフックアップ配線(後述する
図25のフックアップ配線W2)で接続される。そして、接続部d22がビアコンタクト電極C22を介して接続部d12に接続され、接続部d12及び接続部d12bがフックアップ配線(後述する
図26のフックアップ配線W1)で接続され、接続部d12bがビアコンタクト電極C12bを介して接続部d02bに接続され、接続部d02bがビアコンタクト電極CS2に接続される。
【0140】
ワード線WL(5)の下方のドレイン側選択ゲート線SGDは、経路RT6を経由して、ワード線スイッチWLSW(5)よりもX方向正側の選択ゲート線スイッチSGSW(6)に接続される。
【0141】
上記の経路RT6では、
図18において図示していないが、配線層D3の接続部d32と、この接続部d32よりもX方向正側の位置の接続部d32とがフックアップ配線(後述する
図23のフックアップ配線W3)で接続される。そして、接続部d32がビアコンタクト電極C32を介して接続部d22に接続され、接続部d22がビアコンタクト電極C22を介して接続部d12に接続され、接続部d12がビアコンタクト電極C12を介して接続部d02に接続される。接続部d02及び接続部d02bがフックアップ配線(後述する
図27のフックアップ配線W0)で接続され、接続部d02bがビアコンタクト電極CS2に接続される。
【0142】
図18に示す様に、複数の接続部d42,d32,d22,d12,d02は、それぞれ、ビアコンタクト電極及び配線に接続されているか否かに拘わらず、X方向及びY方向に離間して形成されている。ビアコンタクト電極及び配線に接続されていない接続部d42,d32,d22,d12,d02は、電気的な接続経路を構成しないダミーの接続部である。また、
図18において図示していないが、複数の接続部d12b,d02bは、それぞれ、ビアコンタクト電極及び配線に接続されているか否かに拘わらず、X方向及びY方向に離間して形成されている。ビアコンタクト電極及び配線に接続されていない接続部d12b,d02bは、電気的な接続経路を構成しないダミーの接続部である。ただし、ダミーの接続部が形成されなくても良い。
【0143】
また、ワード線WL及び選択ゲート線SGにビアコンタクト電極CCを介して接続される複数の貼合電極PI1,PI2は、フックアップ領域RHUに設けられている。これら複数の貼合電極PI1,PI2の数は、ワード線WL及び選択ゲート線SGの本数に応じて決められる。複数の貼合電極PI1,PI2のうち、ワード線WL及び選択ゲート線SGに接続されないダミーの貼合電極PI1,PI2が設けられても良い。
【0144】
尚、
図18において、選択ゲート線スイッチSGSW(1)、ワード線スイッチWLSW(2),(3),(4),(5)、及び選択ゲート線スイッチSGSW(6)は、X方向正側に順に配置されている。しかしながら、この様な選択ゲート線スイッチSGSW(1),(6)及びワード線スイッチWLSW(2),(3),(4),(5)の配置は一例であって、
図18に示す配置に限定されない。
【0145】
また、
図18の経路RT1~RT6においては、X方向負側の経路(例えば経路RT1,RT2)よりもX方向正側の経路(例えばRT5,RT6)の方が、上方の配線層のフックアップ配線を使用して接続部同士を電気的に接続している。しかしながら、この様な経路RT1~RT6は一例であって、
図18に示す経路に限定されない。
【0146】
例えば、上記の経路RT5は、配線層D2の接続部d22と、この接続部d22よりもX方向正側の位置の接続部d22とがフックアップ配線(後述する
図25のフックアップ配線W2)で接続される。そして、接続部d22がビアコンタクト電極C22を介して配線層D1の接続部d12に接続され、接続部d12がビアコンタクト電極C12を介して配線層D0の接続部d02に接続される。そして、接続部d02及び接続部d02bがフックアップ配線(後述する
図27のフックアップ配線W0)で接続され、接続部d02bがビアコンタクト電極CS2に接続されてもよい。
【0147】
また、例えば、上記の経路RT6は、配線層D2の接続部d22と、この接続部d22よりもX方向正側の位置の接続部d22とがフックアップ配線(後述する
図25のフックアップ配線W2)で接続される。そして、接続部d22がビアコンタクト電極C22を介して接続部d12に接続され、接続部d12がビアコンタクト電極C12を介して接続部d02に接続される。接続部d02及び接続部d02bがフックアップ配線(後述する
図27のフックアップ配線W0)で接続され、接続部d02bがビアコンタクト電極CS2に接続されてもよい。
【0148】
また、例えば、上記の経路RT6は、配線層D2の接続部d22がビアコンタクト電極C22を介して接続部d12に接続され、接続部d12及び接続部d12bがフックアップ配線(後述する
図26のフックアップ配線W1)で接続され、接続部d12bがビアコンタクト電極C12を介して接続部d02bに接続される。接続部d02bがビアコンタクト電極CS2に接続されてもよい。
【0149】
[チップ貼合電極層DBの貼合電極P
I2の位置]
図19は、フックアップ領域R
HUにおける貼合電極P
I2の位置を示す模式的な平面図である。尚、
図19において、半導体領域203及びゲート電極206を点線で示している。また、
図19において、ワード線スイッチWLSWのX方向におけるピッチをXpitchと表記し、ワード線スイッチWLSWのY方向におけるピッチをYpitchと表記している。また、
図19は、領域MP´におけるX方向負側のロウ制御回路領域R
RC(
図15のDで示す領域に対応する上方の領域)を示している。
【0150】
図19に示す様に、複数の貼合電極P
I2がX方向に等間隔又は所定間隔に並んでいる。X方向に並ぶ複数の貼合電極P
I2の列が、1つのワード線スイッチWLSWのY方向の幅(Ypitch)当たり、2列並んでいる。また、1つのワード線スイッチWLSWのX方向及びY方向の領域(Xpitch、Ypitch)当たり、3つの貼合電極P
I2が設けられている。
【0151】
[配線層D4の配線CGI及び接続部d42の位置]
図20は、配線層D4に設けられた配線CGI及び接続部d42の位置を示す模式的な平面図である。尚、
図20において、半導体領域203及びゲート電極206を点線で示している。また、
図20において、
図19に示した貼合電極P
I2の位置を点線で示している。また、
図20において、ワード線スイッチWLSWのX方向におけるピッチをXpitchと表記し、ワード線スイッチWLSWのY方向におけるピッチをYpitchと表記している。また、
図20は、領域MP´におけるX方向負側のロウ制御回路領域R
RC(
図15のDで示す領域に対応する上方の領域)を示している。
【0152】
図20に示す様に、1つのワード線スイッチWLSWのX方向の幅(Xpitch)当たり、Y方向に延伸する2つの配線CGIが並んでいる。2つの配線CGIのうち、X方向負側の配線を配線CGI(1)とし、X方向正側の配線を配線CGI(2)とする。2つの配線CGI(1),CGI(2)の間に、Y方向に延伸する2つの接続部d42が設けられている。2つの接続部d42のうちの一方は、Z方向から見てソース領域R
SOの上方(Y方向正側)の貼合電極P
I2と重なり、他方は、Z方向から見てドレイン領域R
DRの上方(Y方向負側)の貼合電極P
I2と重なる。また、隣り合う2つのワード線スイッチWLSWの領域にうち、一方の領域に設けられた配線CGI(2)と、他方の領域に設けられた配線CGI(1)との間に、Y方向に延伸する1つの接続部d42が設けられている。この接続部d42は、Z方向から見てゲート電極206のY方向正側又はゲート電極206のY方向負側の貼合電極P
I2と重なる。
【0153】
この様に、1つのワード線スイッチWLSWの領域当たり、3つの接続部d42が設けられている。上述した様に、3つの接続部d42は、それぞれ、3つの貼合電極PI2と接続されている。
【0154】
[配線層D3の接続部d31,d32の位置、及び配線層D3中の配線パターン]
図21は、配線層D3に設けられた接続部d31,d32の位置を示す模式的な平面図である。
図22は、配線層D3に設けられたシールド配線s3及び通過配線領域R
TW3の位置を示す模式的な平面図である。
図23は、配線層D3における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。尚、
図21において、半導体領域203及びゲート電極206を点線で示している。また、
図21において、ワード線スイッチWLSWのX方向におけるピッチをXpitchと表記し、ワード線スイッチWLSWのY方向におけるピッチをYpitchと表記している。また、
図21~
図23は、領域MP´におけるX方向負側のロウ制御回路領域R
RC(
図21及び
図22は
図15のDで示す領域に対応する上方の領域)を示している。
【0155】
図21に示す様に、1つのワード線スイッチWLSWのX方向におけるピッチXpitch当たり、X方向に延伸する1つの接続部d31が設けられている。即ち、接続部d31がXpitch毎に等間隔又は所定間隔に並んでいる。接続部d31は、半導体領域203のソース領域R
SOと重なる第1領域R
CGIに設けられている。接続部d31は、ビアコンタクト電極C41を介して配線CGIに接続される。
【0156】
また、1つのワード線スイッチWLSWのX方向におけるピッチXpitch当たり、X方向に延伸する3つの接続部d32が設けられている。即ち、接続部d32がXpitch毎に3つずつ等間隔又は所定間隔に並んでいる。接続部d32は、第1領域RCGIとY方向の両側に並ぶ第2領域RWLHU1に設けられている。3つの接続部d32は、それぞれ、ビアコンタクト電極C42を介して接続部d42に接続される。
【0157】
図22に示す様に、Y方向の正側及び負側に離間して配置された一対のワード線スイッチWLSWのうち、一方のワード線スイッチWLSW側の複数の接続部d32の列と、他方のワード線スイッチWLSW側の接続部d32の列との間に、X方向に延伸する一対のシールド配線s3が配線層D3に設けられている。一対のシールド配線s3(少なくとも一対の接続部d32)の間の領域が配線層D3の通過配線領域R
TW3である。また、シールド配線s3と複数の接続部d32の列との間の領域が配線層D3の配線領域R
W3である。
【0158】
通過配線領域R
TW3には、
図23に示す様に、複数の通過配線TW3が設けられている。通過配線TW3は、
図14を参照して説明した通過配線TWに対応する。複数の通過配線TW3は、X方向に延伸し、Y方向に並んでいる。また、配線領域R
W3には、複数のフックアップ配線W3が設けられている。複数のフックアップ配線W3は、X方向に延伸し、Y方向に並んでいる。フックアップ配線W3は、一の接続部d32と、その接続部d32とは異なるX方向の位置の他の接続部d32とを接続する。
図23の例では、フックアップ配線W3は、一の接続部d32と、その接続部d32よりもX方向正側の位置の他の接続部d32とを接続する。
【0159】
フックアップ配線W3が接続された一の接続部d32は、ビアコンタクト電極C42を介して配線層D4の接続部d42と接続されるが、ビアコンタクト電極C32と接続されない。フックアップ配線W3が接続された他の接続部d32は、ビアコンタクト電極C32を介して配線層D2の接続部d22と接続されるが、ビアコンタクト電極C42と接続されない。フックアップ配線W3が接続されていない接続部d32は、ビアコンタクト電極C42,C32を介して配線層D4,D2の接続部d42,d22と接続される。尚、フックアップ配線W3及びビアコンタクト電極C42,C32のいずれにも接続されていないダミーの接続部d32も設けられている。ダミーの接続部d32は、電気的に絶縁されており、フローティングである。
【0160】
配線領域R
W3では、フォトリソグラフィー等の露光に際して、フックアップ配線W3を、略一定のピッチで形成することが望ましい。また、複数の配線層を形成する際にCMP(Chemical Mechanical Polishing)が行われるが、CMPを行う際に配線層D3の配置密度が均一であることが好ましい。従って、
図23に示す様に、配線領域R
W3においてフックアップ配線W3を略一定に配置するために、フックアップ配線W3として、いずれの接続部d32にも接続されていないダミーの配線が設けられている。
【0161】
尚、通過配線領域RTW3においても、通過配線TW3を、略一定のピッチで形成することが好ましい。従って、通過配線領域RTW3においても、ダミーの通過配線を設けても良い。
【0162】
また、
図21~
図23の例では、配線領域R
W3が設けられていたが、配線領域R
W3が設けられない場合もあり得る。この場合、配線領域R
W3をなくした分だけ、通過配線領域R
TW3を拡大することができる。
【0163】
シールド配線s3は、フックアップ配線W3と通過配線TW3をシールドするための配線である。読み出し動作、書き込み動作、消去動作等に際して、フックアップ配線W3には、読み出しパス電圧VREADや書き込み電圧VPGM、消去電圧VERA等の高電圧が印加されるのに対し、通過配線TW3の多くの配線には、接地電圧VSSから電源電圧VCC程度までの比較的低い電圧が印加される。高電圧が印加された配線に隣接する配線は、容量カップリングにより、意図せず電圧が上昇しやすい。通過配線TW3の電圧変動を抑制するため、シールド配線s3は、配線領域RW3と通過配線領域RTW3との間に設けられ、フックアップ配線W3と通過配線TW3とをシールドする。シールド配線s3には、例えば、接地電圧VSSが印加される。ただし、シールド配線s3には、電圧生成回路VGで生成される電圧VDDが印加されても良い。この場合、電圧VDDは、所定の配線の電源電圧として使用されても良い。
【0164】
配線層D3においては、接続部d31、接続部d32及びフックアップ配線W3に高電圧が印加される場合がある。仮に、接続部d31、接続部d32及びフックアップ配線W3が様々な場所に設けられていると、それらの場所毎に、接続部d31、接続部d32及びフックアップ配線W3のシールドが必要になってしまう。本実施形態では、接続部d31、接続部d32及びフックアップ配線W3は、それぞれ、Y方向に並ぶ第1領域RCGI,第2領域RWLHU1,配線領域RW3に設けられ、これらの第1領域RCGI,第2領域RWLHU1,配線領域RW3は、1つのワード線スイッチWLSWのY方向の両端部に設けられている。また、一方の第1領域RCGI,第2領域RWLHU1,配線領域RW3と他方の第1領域RCGI,第2領域RWLHU1,配線領域RW3との間に通過配線領域RTW3が設けられ、配線領域RW3と通過配線領域RTW3との間にシールド配線s3が設けられている。この様な構成によれば、高電圧が印加される接続部d31,d32及びフックアップ配線W3と、様々な電圧が印加される通過配線TW3とをシールドすることができると共に、シールド配線s3の本数の増加を抑えて、広い通過配線領域RTW3を確保することができる。
【0165】
[配線層D2の接続部d21,d22の位置、及び配線層D2中の配線パターン]
図24は、配線層D2に設けられたシールド配線s2及び通過配線領域R
TW2の位置を示す模式的な平面図である。
図25は、配線層D2における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。尚、
図24において、ワード線スイッチWLSWのX方向におけるピッチをXpitchと表記し、ワード線スイッチWLSWのY方向におけるピッチをYpitchと表記している。また、
図24及び
図25は、領域MP´におけるX方向負側のロウ制御回路領域R
RC(
図24は
図15のDで示す領域に対応する上方の領域)を示している。
【0166】
図24に示す様に、1つのワード線スイッチWLSWのX方向におけるピッチXpitch当たり、X方向に延伸する1つの接続部d21が設けられている。即ち、接続部d21がXpitch毎に等間隔又は所定間隔に並んでいる。接続部d21は、第1領域R
CGIであって、Z方向から見て接続部d31と重なる位置に設けられている。接続部d21は、ビアコンタクト電極C31を介して接続部d31に接続され、ビアコンタクト電極C21を介して接続部d11に接続される。
【0167】
また、1つのワード線スイッチWLSWのX方向におけるピッチXpitch当たり、X方向に延伸する3つの接続部d22が設けられている。即ち、接続部d22がXpitch毎に3つずつ等間隔又は所定間隔に並んでいる。接続部d22は、第2領域R
WLHU1であって、Z方向から見て接続部d32と重なる位置に設けられている。3つの接続部d22は、それぞれ、ビアコンタクト電極C32を介して接続部d32に接続され、ビアコンタクト電極C22を介して接続部d12に接続される。ただし、接続部d22は、ビアコンタクト電極C22を介して接続部d12に接続されず、異なるX方向の位置の接続部d22とフックアップ配線(
図25のフックアップ配線W2)で接続される場合がある。
【0168】
図24に示す様に、Y方向に並ぶ一対のワード線スイッチWLSWのうち、一方のワード線スイッチWLSW側の複数の接続部d22の列と、他方のワード線スイッチWLSW側の複数の接続部d22の列との間に、X方向に延伸する一対のシールド配線s2が配線層D2に設けられている。一対のシールド配線s2(少なくとも接続部d22)の間の領域が配線層D2の通過配線領域R
TW2である。また、シールド配線s2と複数の接続部d22の列との間の領域が配線層D2の配線領域R
W2である。
【0169】
図22及び
図24の例では、通過配線領域R
TW2は、通過配線領域R
TW3よりも狭く、配線領域R
W2は、配線領域R
W3よりも広い。ただし、通過配線領域及び配線領域の広さは、適宜調整することが可能である。
【0170】
通過配線領域R
TW2には、
図25に示す様に、複数の通過配線TW2が設けられている。複数の通過配線TW2は、X方向に延伸し、Y方向に並んでいる。通過配線TW2は、
図14を参照して説明した通過配線TWに対応する。また、配線領域R
W2には、複数のフックアップ配線W2が設けられている。複数のフックアップ配線W2は、X方向に延伸し、Y方向に並んでいる。フックアップ配線W2は、一の接続部d22と、その接続部d22とは異なるX方向の位置の他の接続部d22とを接続する。
図25の例では、フックアップ配線W2は、一の接続部d22と、その接続部d22よりもX方向正側の位置の他の接続部d22とを接続する。
【0171】
フックアップ配線W2が接続された一の接続部d22は、ビアコンタクト電極C32を介して配線層D3の接続部d32と接続されるが、ビアコンタクト電極C22と接続されない。フックアップ配線W2が接続された他の接続部d22は、ビアコンタクト電極C22を介して配線層D1の接続部d12と接続されるが、ビアコンタクト電極C32と接続されない。フックアップ配線W2が接続されていない接続部d22は、ビアコンタクト電極C32,C22を介して配線層D3,D1の接続部d32,d12と接続される。尚、フックアップ配線W2及びビアコンタクト電極C32,C22のいずれにも接続されていないダミーの接続部d22も設けられている。ダミーの接続部d22は、電気的に絶縁されており、フローティングである。
【0172】
配線領域RW2においては、配線領域RW3と同様に、フックアップ配線W2を、略一定のピッチで形成するために、フックアップ配線W2として、いずれの接続部d22にも接続されていないダミーの配線が設けられている。
【0173】
尚、通過配線領域RTW2においても、通過配線TW2を、略一定のピッチで形成することが好ましい。従って、通過配線領域RTW2においても、ダミーの通過配線を設けても良い。
【0174】
また、
図24及び
図25の例では、配線領域R
W2が設けられていたが、配線領域R
W2が設けられない場合もあり得る。この場合、配線領域R
W2をなくした分だけ、通過配線領域R
TW2を拡大することができる。
【0175】
シールド配線s2は、フックアップ配線W2と通過配線TW2をシールドするための配線である。シールド配線s2は、例えば、接地電圧VSSが印加される。ただし、シールド配線s2は、電圧生成回路VGで生成される電圧VDDが印加されても良い。この場合、電圧VDDは、所定の配線の電源電圧として使用されても良い。
【0176】
本実施形態では、接続部d21、接続部d22及びフックアップ配線W2は、それぞれ、Y方向に並ぶ第1領域RCGI,第2領域RWLHU1,配線領域RW2に設けられ、これらの第1領域RCGI,第2領域RWLHU1,配線領域RW2は、1つのワード線スイッチWLSWのY方向の両端部に設けられている。また、一方の第1領域RCGI,第2領域RWLHU1,配線領域RW2と他方の第1領域RCGI,第2領域RWLHU1,配線領域RW2との間に通過配線領域RTW2が設けられ、配線領域RW2と通過配線領域RTW2との間にシールド配線s2が設けられている。この様な構成によれば、高電圧が印加される接続部d21,d22及びフックアップ配線W2と、様々な電圧が印加される通過配線TW2とをシールドすることができると共に、シールド配線s2の本数の増加を抑えて、広い通過配線領域RTW2を確保することができる。
【0177】
[配線層D1の接続部d11,d12,d12bの位置、及び配線層D1中の配線パターン]
図26は、配線層D1における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。尚、
図26は、領域MP´におけるX方向負側のロウ制御回路領域R
RCを示している。
【0178】
1つのワード線スイッチWLSWのX方向におけるピッチXpitch当たり、X方向に延伸する1つの接続部d11が設けられている。即ち、接続部d11がXpitch毎に等間隔又は所定間隔に並んでいる。接続部d11は、第1領域R
CGIであって、Z方向から見て接続部d21と重なる位置に設けられている(
図17)。接続部d11は、ビアコンタクト電極C21を介して接続部d21に接続され、ビアコンタクト電極C11を介して接続部d01に接続される(
図17)。
【0179】
また、1つのワード線スイッチWLSWのX方向におけるピッチXpitch当たり、X方向に延伸する3つの接続部d12が設けられている。即ち、接続部d12がXpitch毎に3つずつ等間隔又は所定間隔に並んでいる。接続部d12は、第2領域R
WLHU1であって、Z方向から見て接続部d22と重なる位置に設けられている(
図17)。3つの接続部d12は、それぞれ、ビアコンタクト電極C22を介して接続部d22に接続され、ビアコンタクト電極C12を介して接続部d02に接続される(
図17)。
【0180】
また、1つのワード線スイッチWLSWのX方向におけるピッチXpitch当たり、X方向に延伸する1つの接続部d12bが設けられている。即ち、接続部d12bがXpitch毎に1つずつ等間隔又は所定間隔に並んでいる。
図26に示す様に、接続部d12bは、第3領域R
WLHU2に設けられている。ただし、第3領域R
WLHU2には、接続部d12bが設けられていない領域がある。接続部d12bは、ビアコンタクト電極C12bを介して接続部d02bに接続される(
図17)。
【0181】
図26に示す様に、Y方向に並ぶ一対のワード線スイッチWLSWのうち、一方のワード線スイッチWLSW側の複数の接続部d12の列と、他方のワード線スイッチWLSW側の複数の接続部d12の列との間に、配線層D1の配線領域R
W1が設けられている。この様に、配線層D1には、シールド配線及び通過配線領域が設けられていない。ただし、配線層D1にも、シールド配線及び通過配線領域が設けられても良い。
【0182】
配線領域R
W1には、複数のフックアップ配線W1が設けられている。複数のフックアップ配線W1は、X方向に延伸し、Y方向に並んでいる。フックアップ配線W1は、接続部d12と、その接続部d12とは異なるX方向の位置の接続部d12bとを接続する。
図26の例では、フックアップ配線W1は、接続部d12と、その接続部d12よりもX方向正側の位置の接続部d12bとを接続する。
図26に示す様に、配線領域R
W1における一部の領域では、フックアップ配線W1は、X方向に延伸しつつ、所定間隔毎にクランク形状に折れ曲がっている。また、配線領域R
W1における他の一部の領域では、折れ曲がらずにX方向に直線状に延伸している。
【0183】
フックアップ配線W1が接続された接続部d12は、ビアコンタクト電極C22を介して配線層D2の接続部d22と接続されるが、ビアコンタクト電極C12と接続されない。フックアップ配線W1が接続された接続部d12bは、ビアコンタクト電極C12bを介して配線層D0の接続部d02bと接続される。フックアップ配線W1が接続されていない接続部d12は、ビアコンタクト電極C22,C12を介して配線層D2,D0の接続部d22,d02と接続される。尚、フックアップ配線W1及びビアコンタクト電極C22,C12のいずれにも接続されていないダミーの接続部d12も設けられている。ダミーの接続部d12は、電気的に絶縁されており、フローティングである。
【0184】
配線領域RW1においては、配線領域RW3及び配線領域RW2と同様に、フックアップ配線W1を略一定のピッチで形成するために、フックアップ配線W1として、いずれの接続部d12,d12bにも接続されていないダミーの配線が設けられている。
【0185】
[配線層D0の接続部d01,d02,d02bの位置、及び配線層D0中の配線パターン]
図27は、配線層D0における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。尚、
図27は、領域MP´におけるX方向負側のロウ制御回路領域R
RCを示している。
【0186】
1つのワード線スイッチWLSWのX方向におけるピッチXpitch当たり、X方向に延伸する1つの接続部d01が設けられている。即ち、接続部d01がXpitch毎に等間隔又は所定間隔に並んでいる。接続部d01は、第1領域R
CGIであって、Z方向から見て接続部d11と重なる位置に設けられている(
図17)。接続部d01は、ビアコンタクト電極C11を介して接続部d11に接続され、ビアコンタクト電極CS1を介して半導体領域203のソース領域R
SOに接続される(
図17)。
【0187】
また、1つのワード線スイッチWLSWのX方向におけるピッチXpitch当たり、X方向に延伸する3つの接続部d02が設けられている。即ち、接続部d02がXpitch毎に3つずつ等間隔又は所定間隔に並んでいる。接続部d02は、第2領域R
WLHU1であって、Z方向から見て接続部d12と重なる位置に設けられている(
図17)。3つの接続部d02は、それぞれ、ビアコンタクト電極C12を介して接続部d12に接続される。
【0188】
また、1つのワード線スイッチWLSWのX方向におけるピッチXpitch当たり、X方向に延伸する1つの接続部d02bが設けられている。即ち、接続部d02bがXpitch毎に1つずつ等間隔又は所定間隔に並んでいる。接続部d02bは、ビアコンタクト電極CS2を介して半導体領域203のドレイン領域R
DRに接続される。
図27に示す様に、接続部d02bは、第3領域R
WLHU2に設けられている。
【0189】
図27に示す様に、Y方向に並ぶ一対のワード線スイッチWLSWのうち、一方のワード線スイッチWLSW側の複数の接続部d02の列と、他方のワード線スイッチWLSW側の複数の接続部d02の列との間に、配線層D0の配線領域R
W0が設けられている。この様に、配線層D0には、シールド配線及び通過配線領域が設けられていない。
【0190】
配線領域R
W0には、複数のフックアップ配線W0が設けられている。複数のフックアップ配線W0は、X方向に延伸し、Y方向に並んでいる。フックアップ配線W0は、接続部d02と、その接続部d02とは異なるX方向の位置の接続部d02bとを接続する。
図27の例では、フックアップ配線W0は、接続部d02と、その接続部d02よりもX方向正側の位置の接続部d02bとを接続する。
図27に示す様に、配線領域R
W0における一部の領域では、フックアップ配線W0は、X方向に延伸しつつ、所定間隔毎にクランク形状に折れ曲がっている。また、配線領域R
W0における他の一部の領域では、折れ曲がらずにX方向に直線状に延伸している。
【0191】
フックアップ配線W0が接続された接続部d02は、ビアコンタクト電極C12を介して配線層D1の接続部d12と接続される。フックアップ配線W0が接続された接続部d02bは、ビアコンタクト電極CS2を介してドレイン領域RDRと接続される。尚、フックアップ配線W0及びビアコンタクト電極C12のいずれにも接続されていないダミーの接続部d02も設けられている。ダミーの接続部d02は、電気的に絶縁されており、フローティングである。
【0192】
配線領域RW0においては、配線領域RW3~配線領域RW1と同様に、フックアップ配線W0が設けられていないスペースができないようにするために、フックアップ配線W0として、いずれの接続部d02,d02bにも接続されていないダミーの配線が設けられている。
【0193】
図19~
図27では、配線CGIとワード線スイッチWLSWの接続、及びワード線WLとワード線スイッチWLSWの接続について説明した。しかしながら、配線CGIと選択ゲート線スイッチSGSWの接続、及び選択ゲート線SGと選択ゲート線スイッチSGSWの接続についても同様の構成で実現される。
【0194】
図23、
図25、
図26及び
図27では、フックアップ配線W3,W2,W1,W0は、接続部と、その接続部よりもX方向正側に位置する接続部とを接続していた。しかしながら、フックアップ配線W3,W2,W1,W0は、接続部と、その接続部よりもX方向負側に位置する接続部とを接続する場合がある。
【0195】
[配線幅]
図28は、接続部d02及びフックアップ配線W0の幅を示す模式的な平面図である。
図28に示す様に、接続部d02のY方向の幅は“w
1”であり、フックアップ配線W0の幅は“w
2”であるものとする。幅w
2は幅w
1よりも小さい。例えば、幅w
2は幅w
1の半分以下である。ただし、幅w
1及び幅w
2は適宜調整することが可能である。尚、
図28に示す接続部d02及びフックアップ配線W0のY方向の幅の関係は、配線層D1の接続部d12及びフックアップ配線W1のY方向の幅の関係、及び配線層D2の接続部d22及びフックアップ配線W2のY方向の幅の関係についても同様である。
【0196】
接続部d01のY方向の幅は、
図28の接続部d02の幅w
1と同じでも良いし、異なっていても良い。また、接続部d11,d12,d21,d22,d31,d32,d42のY方向の幅は、接続部d02の幅w
1と同じでも良いし、異なっていても良い。接続部d11,d21,d31のY方向の幅は、それぞれ、接続部d12,d22,d32のY方向の幅と同じでも良いし、異なっていても良い。また、
図23の例では、フックアップ配線W3のY方向の幅は、フックアップ配線W0,W1,W2の幅よりも大きいが、フックアップ配線W1,W2,W3のY方向の幅は、フックアップ配線W0の幅w
2と同じでも良いし、異なっていても良い。これらの接続部及び配線のY方向の幅は適宜調整することが可能である。一般的には、配線のY方向の幅は接続部の幅よりも小さい。
【0197】
図22及び
図23を参照して説明したシールド配線s3のY方向の幅と通過配線TW3のY方向の幅との比は、例えば、1:0.6~6程度であっても良い。即ち、通過配線TW3の幅は、シールド配線s3の幅より小さいものも、シールド配線s3の幅より大きいものもあっても良い。
図24及び
図25を参照して説明したシールド配線s2のY方向の幅と通過配線TW2のY方向の幅との比は、例えば、1:0.8~10であっても良い。即ち、通過配線TW2のY方向の幅も、シールド配線s2のY方向の幅より小さいものも、シールド配線s2のY方向の幅より大きいものもあっても良い。尚、シールド配線s2,s3は、同じ幅であっても異なる幅であっても良い。
【0198】
図23、
図25、
図26及び
図27では、配線領域R
W3,R
W2,R
W1,R
W0のフックアップ配線W3,W2,W1,W0のY方向の幅及びY方向のピッチ、並びに、通過配線TW3,TW2のY方向の幅及びY方向のピッチは、それぞれ同じ又は略同じ幅及びピッチとして示している。しかしながら、配線領域R
W3,R
W2,R
W1,R
W0のフックアップ配線W3,W2,W1,W0のY方向の幅は、通過配線TW3,TW2のY方向の幅よりも小さくてもよい。また、配線領域R
W3,R
W2,R
W1,R
W0のフックアップ配線W3,W2,W1,W0のY方向のピッチは、通過配線TW3,TW2のピッチよりも小さくてもよい。ただし、上述したフックアップ配線W3~W0、及び通過配線TW3,TW2のY方向の幅は、一例であって、適宜調整可能である。例えば、配線領域R
W2,R
W1,R
W0のフックアップ配線W2,W1,W0のY方向の幅もしくはピッチは、通過配線TW3,TW2のY方向の幅もしくはピッチよりも小さくてもよい。また、配線領域R
W3のフックアップ配線W3のY方向の幅もしくはピッチは、通過配線TW3の幅もしくはピッチよりも小さくてもよいし、大きくてもよい。
【0199】
図29に示す様に、例えば、接続部d32からY方向に所定距離の領域R
W31では、フックアップ配線W3のY方向の幅は“w
31”である。接続部d32からY方向に所定距離以上の領域R
W32では、フックアップ配線W3のY方向の幅は“w
32”である。Y方向の幅w
32は、Y方向の幅w
31よりも大きい。これにより、フックアップ配線W3と通過配線TW3の境界部分で配線のY方向の幅が急激に変化することを回避することができる。
【0200】
また、
図30に示す様に、例えば、接続部d22からY方向に所定距離の領域を領域R
W21とし、接続部d22からY方向に所定距離以上の領域を領域R
W22とする。領域R
W22におけるフックアップ配線W2のY方向の幅は、領域R
W21におけるフックアップ配線W2のY方向の幅よりも大きい。これにより、フックアップ配線W2と通過配線TW2の境界部分で配線のY方向の幅が急激に変化することを回避することができる。尚、フックアップ配線W2の幅は、接続部d22からY方向に所定距離が大きくなる程(シールド配線s2に近付く程)、大きくなっても良い。
【0201】
一般的に、制御回路SYNに近い場所の通過配線領域RTW3,RTW2の方が、制御回路SYNから遠い場所の通過配線領域RTW3,RTW2よりも、数多くの通過配線TW3,TW2が設けられる。
【0202】
通過配線領域RTW3,RTW2の通過配線TW3,TW2の数が少ない場合、例えば、ダミーの通過配線TW3,TW2を設ける。また、通過配線TW3,TW2のY方向の幅を大きくする。また、2本もしくはそれ以上の通過配線で同じ信号を伝達する。これにより、略一定のピッチで形成する通過配線が設けられていないスペースが生じることが回避される。
【0203】
[効果]
図14を参照して説明した様に、複数の領域MP´に亘って複数の通過配線TWが設けられる場合、ワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWが設けられるロウ制御回路領域R
RCの上方に複数の通過配線TWが設けられる。この場合、ロウ制御回路領域R
RCの上方に、複数のワード線WL(及び選択ゲート線SG)と複数のワード線スイッチWLSW(及び選択ゲート線スイッチSGSW)とを接続する複数のフックアップ配線W3~W0と、複数の通過配線TWと、を設ける必要がある。
【0204】
本実施形態では、配線CGIとワード線スイッチWLSW等を接続する接続部d31,d21,d11,d01、及びワード線WL等とワード線スイッチWLSW等を接続する接続部d32,d22,d12,d02を、ワード線スイッチWLSW等のY方向端部の第1領域RCGI,第2領域RWLHU1に設け、Y方向に並ぶ一方の第1領域RCGI,第2領域RWLHU1と他方の第1領域RCGI,第2領域RWLHU1との間に通過配線領域RTWを設けている。そして、第1領域RCGI,第2領域RWLHU1と通過配線領域RTWとの間にシールド配線を設けている。この様な構成によれば、広い配線領域及び通過配線領域を確保することができる。
【0205】
また、上記の様な構成によれば、少ないシールド配線数で、高電圧が印加される接続部及び配線と、様々な電圧が印加される通過配線とをシールドすることができる。
【0206】
フックアップ配線W3~W0は、それぞれ同等のY方向の幅となり、かつ狭ピッチ配線が使われる傾向にある。本実施形態では、フックアップ配線W3~W0は配線領域RW3~RW0に設け、通過配線TW3,TW2は通過配線領域RTW3,RTW2に設けているので、同じ又は近いY方向の幅の配線をまとめて配置することができる。
【0207】
また、通過配線領域RTWとして広い領域を確保することができるので、伝達する信号に応じて通過配線のY方向の幅を適宜変化させることができる。例えば、電圧を伝達する通過配線(所謂、電源線)のY方向の幅は大きく、制御信号を伝達する通過配線(所謂、信号線)のY方向の幅は小さくすることができる。その結果、通過配線によって確実に信号を伝達することができ、周辺回路PCの動作の安定を図ることができる。
【0208】
また、配線層D0~D2の接続部d0,d1,d2及び配線は、タングステン(W)等の金属膜の積層膜等であり、配線層D3,D4の接続部d3,d4及び配線は、銅(Cu)等の金属膜の積層膜等である場合、配線層D3,D4の方が配線層D0~D2よりも抵抗が小さい。この場合、電圧を伝達する通過配線は、比較的抵抗の小さい配線層D3に設け、制御信号を伝達する通過配線は、比較的抵抗の大きい配線層D2に設けても良い。
【0209】
[第2実施形態]
[メモリダイMD2の構造]
図31は、第2実施形態に係るメモリダイMD2の構成例を示す模式的な平面図である。
図32は、メモリダイMD2の構成例を示す模式的な断面図である。尚、
図32はメモリダイMD2の模式的な構成について説明するための図であり、具体的な構成の数、形状、配置等を示すものでは無い。
図33は、
図31のEで示した部分の模式的な拡大図である。ただし、
図33では、
図31の一部の構成(後述する第1フックアップ領域R
HU21)が省略されている。
【0210】
メモリダイMD2は、例えば
図31に示す様に、半導体基板500を備える。図示の例において、半導体基板500にはX方向及びY方向に並ぶ4つのメモリプレーンMP20~MP23が設けられる。また、メモリプレーンMP20~MP23のメモリセルアレイ領域R
MCAは、X方向に並ぶ2つのメモリホール領域R
MH2(メモリ領域)と、これらの間においてX方向に並ぶ2つの第1フックアップ領域R
HU21と、これらの間に設けられた第2フックアップ領域R
HU22と、を備える。第1フックアップ領域R
HU21及び第2フックアップ領域R
HU22を、フックアップ領域R
HU2と呼ぶ場合がある。
【0211】
メモリダイMD2は、例えば
図32に示す様に、半導体基板500と、半導体基板500上に設けられたトランジスタ層L
TRと、トランジスタ層L
TRの上方に設けられた配線層D100と、配線層D100の上方に設けられた配線層D101と、配線層D101の上方に設けられた配線層D102と、配線層D102の上方に設けられた配線層D103と、メモリセルアレイ層L
MCAの上方に設けられた配線層M100と、配線層M100の上方に設けられた図示しない配線層と、を備える。
【0212】
[半導体基板500の構造]
半導体基板500は、例えば、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型のシリコン(Si)からなる半導体基板である。半導体基板500の表面には、リン(P)等のN型の不純物を含むN型ウェル領域と、ホウ素(B)等のP型の不純物を含むP型ウェル領域と、N型ウェル領域及びP型ウェル領域が設けられていない半導体基板領域と、絶縁領域STIと、が設けられている。
【0213】
[トランジスタ層L
TRの構造]
例えば
図32に示す様に、半導体基板500の上面には、図示しない絶縁層を介して、電極層GCが設けられている。電極層GCは、半導体基板500の表面と対向する複数の電極gcを含む。また、半導体基板500の各領域及び電極層GCに含まれる複数の電極gcは、それぞれ、ビアコンタクト電極CSに接続されている。尚、
図32の電極層GC、電極gc及びビアコンタクト電極CSは、
図7等に示した電極層GC、電極gc及びビアコンタクト電極CSに対応する。
【0214】
半導体基板500のN型ウェル領域、P型ウェル領域及び半導体基板領域は、それぞれ、周辺回路PCを構成する複数のトランジスタTrのチャネル領域、及び、複数のキャパシタの一方の電極等として機能する。
【0215】
ビアコンタクト電極CSは、Z方向に延伸し、下端において半導体基板500又は電極gcの上面に接続されている。ビアコンタクト電極CSと半導体基板500との接続部分には、N型の不純物又はP型の不純物を含む不純物領域が設けられている。ビアコンタクト電極CSは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0216】
[配線層D100,D101,D102,D103の構造]
例えば
図32に示す様に、配線層D100,D101,D102,D103に含まれる複数の接続部及び複数の配線は、メモリセルアレイMCA中の構成及び周辺回路PC中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0217】
配線層D100,D101,D102,D103は、それぞれ、複数の接続部d100,d101,d102,d103及び複数の配線を含む。これら複数の接続部d100,d101,d102,d103及び複数の配線は、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0218】
配線層D100,D101,D102,D103,D104における接続部d100,d101,d102,d103及び複数の配線の構成については、後述する(
図36参照)。
【0219】
[メモリセルアレイ層L
MCAのメモリホール領域R
MH2における構造]
例えば
図32に示す様に、メモリセルアレイ層L
MCAには、Y方向に並ぶ複数のメモリブロックBLKが設けられている。メモリブロックBLKは、基本的には、上述した第1実施形態の構成と同様の構成である。ここで、第1実施形態における複数の導電層110及び複数の絶縁層111は、第2実施形態における複数の導電層510及び複数の絶縁層510Aに対応する。第1実施形態における複数の半導体層120は、第2実施形態における複数の半導体層520に対応する。第1実施形態では、導電層100がソース線SLとして機能していたが、第2実施形態では導電層512がソース線SLとして機能する。第1実施形態では、複数のビット線BLが複数の半導体層120の下端に接続されていたが、第2実施形態では、複数のビット線BLが複数の半導体層520の上端に接続されている。
【0220】
メモリブロックBLKは、例えば
図32に示す様に、Z方向に並ぶ複数の導電層510と、Z方向に延伸する複数の半導体層520と、を備える。複数のメモリブロックBLKは、複数の積層構造に対応する。
【0221】
導電層510の下方には、例えば
図32に示す様に、導電層511が設けられている。導電層511は、例えば、リン(P)又はホウ素(B)等の不純物を含む多結晶シリコン等を含んでいても良い。また、導電層511及び導電層510の間には、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層が設けられている。
【0222】
導電層511は、ソース側選択ゲート線SGS及びこれに接続された複数のソース側選択トランジスタSTSのゲート電極として機能する。また、複数の導電層510のうち、最下層に位置する一又は複数の導電層510は、ソース側選択ゲート線SGS及びこれに接続された複数のソース側選択トランジスタSTSのゲート電極として機能する。
【0223】
また、これよりも上方に位置する複数の導電層510は、ワード線WLの一部及びこれに接続された複数のメモリセルMCのゲート電極として機能する。
【0224】
また、これよりも上方に位置する一又は複数の導電層510は、ドレイン側選択ゲート線SGD及びこれに接続された複数のドレイン側選択トランジスタSTDのゲート電極として機能する。
【0225】
半導体層520の上端は、ビアコンタクト電極chh,Vyを介して、ビット線BLに接続されている。
【0226】
[メモリセルアレイ層L
MCAの第2フックアップ領域R
HU22における構造]
図33に示す様に、第2フックアップ領域R
HU22には、複数のメモリブロックBLKに対応して、複数のコンタクト接続小領域r
CC2と、複数の上記コンタクト接続領域R
C4Tと、が設けられている。
【0227】
コンタクト接続小領域rCC2には、ワード線WL又はソース側選択ゲート線SGSとして機能する複数の導電層510の一部が設けられている。また、コンタクト接続小領域rCC2には、Z方向から見てX方向に並ぶ複数のビアコンタクト電極CCが設けられている。これら複数のビアコンタクト電極CCはそれぞれ導電層510に接続されている。
【0228】
ビアコンタクト電極C400は、X方向に複数並んでいる。例えば
図32に示す様に、ビアコンタクト電極C400は、Z方向に延伸し、上端において配線層M100中の配線m100と接続され、下端において配線層D103中の接続部d103と接続されている。
【0229】
これら複数のビアコンタクト電極CCは、配線層M100等の配線m100等、ビアコンタクト電極C400、配線層D100,D101,D102,D103中の接続部d100(d1002),d101(d1012),d102(d1022),d103(d1032)及びビアコンタクト電極CS(CS2)を介して、トランジスタTrのドレイン電極に接続されている。
【0230】
尚、図示していないが、メモリセルアレイ層LMCAの第1フックアップ領域RHU21には、ドレイン側選択ゲート線SGDとして機能する複数の導電層510のX方向における端部が設けられている。また、第1フックアップ領域RHU21には、Z方向から見てマトリクス状に並ぶ複数のビアコンタクト電極CCが設けられている。これら複数のビアコンタクト電極CCはZ方向に延伸し、下端において導電層510と接続されている。
【0231】
これら複数のビアコンタクト電極CCは、配線層M100等の配線m100等、ビアコンタクト電極C400、配線層D100,D101,D102,D103中の接続部d100(d1002),d101(d1012),d102(d1022),d103(d1032)及びビアコンタクト電極CS(CS2)を介して、ワード線スイッチWLSW又は選択ゲート線スイッチSGSW(トランジスタTr)のドレイン領域RDRに接続されている。
【0232】
[配線層M100等の構造]
図32に示す様に、配線層M100に含まれる複数の配線は、例えば、メモリセルアレイ層L
MCA中の構成及びトランジスタ層L
TR中の構成の少なくとも一方に、電気的に接続される。
【0233】
配線層M100は、複数の配線m100を含む。これら複数の配線m100は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0234】
複数の配線m100のうちの一部は、ビット線BLとして機能する。ビット線BLは、X方向に並びY方向に延伸する。また、これら複数のビット線BLは、それぞれ、各ストリングユニットSUに含まれる1の半導体層520に接続されている。
【0235】
また、上述の通り、配線層M100の上方には、更に配線層が設けられている。これらの配線層は、それぞれ、複数の配線を含む。これら複数の配線は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)等のバリア導電膜及び銅(Cu)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。
【0236】
[制御回路SYN及び通過配線TW]
図34は、第2実施形態に係る半導体基板500の構成例を示す模式的な平面図である。
図35は、
図34のEで示した部分の模式的な拡大図である。
図35では、半導体基板500の構成(
図34のEで示したXY平面の部分)に対応するメモリセルアレイMCAの構成(XZ断面の部分)も示している。
【0237】
図34に示す様に、半導体基板500には、X方向及びY方向に並ぶ4つのメモリプレーンMP20~MP23を備える。これら4つのメモリプレーンMP20~MP23の中央部には、それぞれ、X方向に並ぶ2つのロウ制御回路領域R
RCが設けられている。また、これら2つのロウ制御回路領域R
RCのX方向の負側及び正側に並ぶ、2つのブロックデコーダ領域R
BDが設けられている。また、これら2つのブロックデコーダ領域R
BDのX方向の負側及び正側に並ぶ、2つの周辺回路領域R
PCが設けられている。また、2つの周辺回路領域R
PCには、それぞれ、X方向に並ぶ2つのカラム制御回路領域R
CCが設けられている。
【0238】
図34及び
図35の例では、ロウ制御回路領域R
RCは、フックアップ領域R
HU2に設けられている。周辺回路領域R
PCは、メモリホール領域R
MH2に設けられている。
【0239】
図34の例では、制御回路SYNは、4つのメモリプレーンMP20~MP23の中央部に設けられている。尚、制御回路SYNは、複数の通過配線TWは、メモリプレーンMPの内部の周辺回路PC間を接続し、複数のメモリプレーンMPの周辺回路PC間を接続する。
図34に示す様に、X方向及びY方向に延伸する複数の通過配線TWが、メモリプレーンMPの内部及び複数のメモリプレーンMPに亘って設けられている。これら複数の通過配線TWは、例えば配線層D102に形成される。
【0240】
[ビアコンタクト電極C400とワード線スイッチWLSWの接続、及び配線CGIとワード線スイッチWLSWの接続]
図33のメモリブロックBLK(1)における各層の導電層510は、メモリブロックBLK(1)に対応するコンタクト接続小領域r
CC2の複数のビアコンタクト電極CC、メモリブロックBLK(1)に対応するコンタクト接続領域R
C4Tの複数のビアコンタクト電極C400、配線層D103~D100を介して、Z方向から見てメモリブロックBLK(1),(2)と重なる位置に設けられた複数のワード線スイッチWLSW(1),(2)のビアコンタクト電極CS2に接続される。
【0241】
メモリブロックBLK(2)における各層の導電層510は、メモリブロックBLK(2)に対応するコンタクト接続小領域rCC2の複数のビアコンタクト電極CC、メモリブロックBLK(2)に対応するコンタクト接続領域RC4Tの複数のビアコンタクト電極C400、配線層D103~D100を介して、Z方向から見てメモリブロックBLK(1),(2)と重なる位置に設けられた複数のワード線スイッチWLSW(1),(2)のビアコンタクト電極CS2に接続される。
【0242】
メモリブロックBLK(3)~BLK(8)における導電層510とワード線スイッチWLSWとの接続についても、メモリブロックBLK(1),BLK(2)における導電層510とワード線スイッチWLSWとの接続と同様である。この様に、メモリブロックBLK(1)~(8)における導電層510は、それぞれ、Z方向から見てメモリブロックBLK(1)~(8)と重なる位置に設けられたワード線スイッチWLSW(1)~WLSW(8)に接続される。従って、Y方向に隣り合う2つのワード線スイッチWLSWは、異なるメモリブロックBLK(Y方向に隣り合うメモリブロックBLK)における導電層510に接続される。また、Y方向に隣り合う2つの配線領域の配線は、異なるメモリブロックBLKにおける導電層510に接続される。尚、選択ゲート線SGと選択ゲート線スイッチSGSWとの接続についても同様である。
【0243】
図36は、第2実施形態に係るワード線スイッチWLSW、接続部及びビアコンタクト電極の構造を示す模式的な断面図である。
図36は、第1実施形態における
図17に対応する図である。
図36において、
図17の構成と同一の構成については同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0244】
第1実施形態では、配線層として5つの配線層D0~D4が設けられていた(
図17)。これに対し、第2実施形態では、配線層として4つの配線層D100,D101,D102,D103が設けられている。また、第1実施形態では、貼合電極P
I2と配線層D4の接続部d42とが接続されていた(
図17)。これに対し、第2実施形態では、ビアコンタクト電極C400の下端と配線層D103の接続部d1032とが接続されている。また、第1実施形態では、配線CGIは配線層D4に設けられていた(
図17)。これに対し、第2実施形態では、配線CGIは例えば配線層D103に設けられている。ただし、上記の差異以外の構成は、基本的に第1実施形態の構成と第2実施形態の構成は同じである。
【0245】
ビアコンタクト電極C1031,C1021,C1011,CS1及び接続部d1021,d1011,d1001は、配線CGIと半導体領域203のソース領域RSOを接続するためのビアコンタクト電極及び接続部である。
【0246】
例えば、
図36のビアコンタクト電極C1031は、
図17のビアコンタクト電極C41に対応し、
図36の接続部d1021及びビアコンタクト電極C1021は、
図17の接続部d21及びビアコンタクト電極C21に対応し、
図36の接続部d1011及びビアコンタクト電極C1011は、
図17の接続部d11及びビアコンタクト電極C11に対応し、
図36の接続部d1001及びビアコンタクト電極CS1は、
図17の接続部d01及びビアコンタクト電極CS1に対応するものとする。この場合、
図17の接続部d31及びビアコンタクト電極C31が削除されている。尚、
図17の接続部d21及びビアコンタクト電極C21が削除されても良く、
図17の接続部d11及びビアコンタクト電極C11が削除されても良い。
【0247】
この様な構成により、第2実施形態の構成においても、第1実施形態の構成と同様に、配線CGIとワード線スイッチWLSWのソース領域R
SOとを電気的に接続することが可能である。例えば、配線層D103は
図20に示した構成となり、配線層D102は
図24及び
図25に示した構成となり、配線層D101は
図26に示した構成となり、配線層D100は
図27に示した構成となる。
【0248】
ビアコンタクト電極C1032,C1022,C1012(C1012b),CS2及び接続部d1032,d1022,d1012(d1012b),d1002(d1002b)は、ビアコンタクト電極C400と半導体領域203のドレイン領域RDRを接続するためのビアコンタクト電極及び接続部である。
【0249】
例えば、
図36の接続部d1032及びビアコンタクト電極C1032は、
図17の接続部d42及びビアコンタクト電極C42に対応し、
図36の接続部d1022及びビアコンタクト電極C1022は、
図17の接続部22及びビアコンタクト電極C22に対応し、
図36の接続部d1012,d1012b及びビアコンタクト電極C1012bは、
図17の接続部d12,d12b及びビアコンタクト電極C12bに対応し、
図36の接続部d1002,d1002b及びビアコンタクト電極CS2は、
図17の接続部d02,d02b及びビアコンタクト電極CS2に対応するものとする。この場合、
図17の接続部d32及びビアコンタクト電極C32が削除されている。
【0250】
この様な構成により、第2実施形態の構成においても、第1実施形態の構成と同様に、ビアコンタクト電極C400とワード線スイッチWLSWのソース領域R
SOとを電気的に接続することが可能である。例えば、配線層D103は
図20に示した構成となり、配線層D102は
図24及び
図25に示した構成となり、配線層D101は
図26に示した構成となり、配線層D100は
図27に示した構成となる。尚、上記の構成の場合、通過配線領域R
TWは配線層D102にだけ設けられることになる。
【0251】
尚、
図36において、配線層D103の接続部d1031,d1032は、
図32の接続部d103に対応する。配線層D102の接続部d1021,d1022は、
図32の接続部d102に対応する。配線層D101の接続部d1011,d1012(d1012b)は、
図32の接続部d101に対応する。配線層D100の接続部d1001,d1002(d1002b)は、
図32の接続部d100に対応する。
【0252】
尚、
図36はワード線スイッチWLSWの構成を示したが、選択ゲート線スイッチSGSWの構成も同様である。
【0253】
以上の様な構成によっても、少ないシールド配線数で、高電圧が印加される接続部及び配線と、様々な電圧が印加される通過配線とをシールドすることができると共に、広い配線領域及び通過配線領域を確保することができる。
【0254】
[第3実施形態]
図37は、第3実施形態に係る配線層D3に設けられた接続部d31,d32の位置を示す模式的な平面図である。
図37において、
図21及び
図22と同一構成については同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0255】
第1実施形態の構成では、接続部d31は第1領域R
CGIに設けられ、接続部d32は第2領域R
WLHU1に設けられていた(
図21及び
図22)。これに対し、第3実施形態の構成では、接続部d31,d32は、いずれも第1領域R
CGIに設けられている(
図37)。
図37の例では、接続部d31,d32がX方向に一列に並び、2つの接続部d32の間に接続部d31が設けられている。この様な構成によれば、第2領域R
WLHU1を削除することができ、その分だけ配線領域R
W3及び通過配線領域R
TW3のいずれか一方又は両方を広くすることができる。
【0256】
尚、
図37においては、配線層D3の接続部d31,d32について説明したが、配線層D2の接続部d21,d22、配線層D1の接続部d11,d12、及び配線層D0の接続部d01,d02についても同じパターンを用いることができる。この場合、Z方向から見て接続部d31,d21,d11,d01は重なり、Z方向から見て接続部d32,d22,d12,d02は重なる。
【0257】
[第4実施形態]
図38は、第4実施形態に係る配線層D3に設けられた接続部d31,d32の位置を示す模式的な平面図である。
図38において、
図21及び
図22と同一構成については同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0258】
第4実施形態の構成では、接続部d31は第1領域R
CGIに設けられ、接続部d32は第2領域R
WLHU1に設けられている。第1実施形態の構成では、第1領域R
CGI及び第2領域R
WLHU1は、Y方向において必要な配線間距離程度、離れて位置する。これに対し、第4実施形態の構成では、第1領域R
CGI及び第2領域R
WLHU1は、Y方向において互いに接している、あるいはY方向において必要な配線間距離未満の距離を有する。
図38の例では、第1領域R
CGIの接続部d31と、第1領域R
CGIに隣接する第2領域R
WLHU1にX方向に所定距離だけ離れて並ぶ2つの接続部d32とが、X方向に交互に並んでいる。接続部d31と、接続部d32とは、Y方向において重ならない。この様な構成によれば、第1領域R
CGI,第2領域R
WLHU1の間に位置していた空白領域を小さくするあるいは無くすことができ、その分だけ配線領域R
W3及び通過配線領域R
TW3のいずれか一方又は両方を広くすることができる。尚、第1領域R
CGI及び第2領域R
WLHU1は、Y方向において一部重複していてもかまわない。
【0259】
尚、
図38においては、配線層D3の接続部d31,d32について説明したが、配線層D2の接続部d21,d22、配線層D1の接続部d11,d12、及び配線層D0の接続部d01,d02についても同じパターンを用いることができる。この場合、Z方向から見て接続部d31,d21,d11,d01は重なり、Z方向から見て接続部d32,d22,d12,d02は重なる。
【0260】
[第5実施形態]
図39は、第5実施形態に係るワード線スイッチWLSW及びメモリブロックBLKの位置関係を示す模式的な図である。
図39において、
図16と同一構成については同一符号を付して、重複する説明を省略する。
【0261】
第1実施形態では、ワード線スイッチWLSWのY方向におけるピッチは、メモリブロックBLKのY方向におけるピッチと同じである(
図16)。即ち、第1実施形態では、1Tr/1BLKである。これに対し、第5実施形態では、
図39に示す様に、ワード線スイッチWLSWのY方向のピッチの3倍は、メモリブロックBLKのY方向のピッチの2倍と同じである。即ち、第5実施形態では、3Tr/2BLKである。
【0262】
図40は、第5実施形態に係る配線層D3に設けられた接続部d31,d32の位置を示す模式的な平面図である。
図40に示す様に、半導体領域203のソース領域R
SOにおけるY方向中心位置の上方に接続部d31が設けられ、接続部d31のY方向負側及び正側に接続部d32が設けられている。また、接続部d32のY方向負側及び正側にシールド配線s3が設けられている。また、シールド配線s3の間に通過配線領域R
TW3が設けられている。この様な構成は、基本的に、第1実施形態(
図21及び
図22)の構成と同様である。
【0263】
尚、
図40では、配線領域R
W3を設けていない点で第1実施形態の構成と異なる。また、第1実施形態(
図21及び
図22)では、ワード線スイッチWLSWのXpitchに対して3つの接続部d32を設けていたが、
図40では、ワード線スイッチWLSWのXpitchに対して1つの接続部d32を設けている。また、
図40においても、接続部d32とシールド配線s3との間に配線領域R
W3を設けても良い。また、
図40においても、ワード線スイッチWLSWのXpitchに対して3つの接続部d32を設けても良い。
【0264】
図41は、第5実施形態に係る配線層D3に設けられた接続部d31,d32の他の位置を示す模式的な平面図である。
図41では、接続部d31(2),d31(3)のY方向の負側及び正側に接続部d32が設けられているが、接続部d31(1),d31(4)のY方向の負側及び正側に接続部d32が設けられていない。この場合、通過配線領域R
TW3(1),R
TW3(3)を通過配線領域R
TW3(2)よりも広くすることができる。
【0265】
図42は、第5実施形態に係るワード線スイッチWLSW及びメモリブロックBLKの配線接続の関係を示す模式的な図である。
図42に示す様に、メモリブロックBLK(1)のワード線WLは、
図11のフックアップ領域R
HU(N1)のビアコンタクト電極CCを介して、X方向負側のロウ制御回路領域R
RCにおけるワード線スイッチWLSW(1),WLSW(2),WLSW(4)のドレイン領域R
DRに接続される。メモリブロックBLK(4)のワード線WLは、
図11のフックアップ領域R
HU(N4)のビアコンタクト電極CCを介して、X方向負側のロウ制御回路領域R
RCにおけるワード線スイッチWLSW(3),WLSW(5),WLSW(6)のドレイン領域R
DRに接続される。
【0266】
メモリブロックBLK(2)のワード線WLは、
図11のフックアップ領域R
HU(P2)のビアコンタクト電極CCを介して、X方向正側のロウ制御回路領域R
RCにおけるワード線スイッチ(例えば
図42のWLSW(1),WLSW(2),WLSW(4))のドレイン領域R
DRに接続される。メモリブロックBLK(3)のワード線WLは、
図11のフックアップ領域R
HU(N4)のビアコンタクト電極CCを介して、X方向正側のロウ制御回路領域R
RCにおけるワード線スイッチ(例えば
図42のWLSW(3),WLSW(5),WLSW(6))のドレイン領域R
DRに接続される。
【0267】
尚、
図42に示すワード線スイッチWLSW及びメモリブロックBLKの配線接続の関係は、第2実施形態(
図31~
図36)についても適用可能である。
【0268】
この様な構成によっても、少ないシールド配線数で、高電圧が印加される接続部及び配線と、様々な電圧が印加される通過配線とをシールドすることができると共に、広い配線領域及び通過配線領域を確保することができる。
【0269】
尚、1Tr/1BLKや3Tr/2BLKに限定されず、例えば2Tr/1BLKや4Tr/3BLK等であっても良い。
【0270】
[第6実施形態]
図43は、第6実施形態の配線層D3における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
図44は、第6実施形態の配線層D2における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
図45は、第6実施形態の配線層D1における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
図46は、第6実施形態の配線層D0における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
【0271】
【0272】
[配線層D3の接続部d31,d32の位置、及び配線層D3中の配線パターン]
図43において、接続部d31,d32及びシールド配線s3の位置は、
図23に示したものと同様であるので、重複する説明を省略する。
【0273】
通過配線領域R
TW3には、
図43に示す様に、複数の通過配線TW3a,TW3bが設けられている。複数の通過配線TW3a,TW3bは、X方向に延伸し、Y方向に並んでいる。通過配線TW3a,TW3bのY方向の幅は、
図23に示した通過配線TW3のY方向の幅よりも大きい。通過配線TW3aのY方向の幅は、通過配線TW3bのY方向の幅よりも大きい。例えば、複数の通過配線TW3aは電源線であり、複数の通過配線TW3bは信号線である。通過配線TW3a,TW3bによって確実に信号を伝達することができ、周辺回路PCの動作の安定を図ることができる。
【0274】
また、配線領域R
W3には、複数のフックアップ配線W3aが設けられている。複数のフックアップ配線W3aは、X方向に延伸し、Y方向に並んでいる。フックアップ配線W3aのY方向の幅は、
図23に示したフックアップ配線W3のY方向の幅よりも小さい。
【0275】
配線領域R
W3では、フォトリソグラフィー等の露光に際して、フックアップ配線W3aを、略一定のピッチで形成することが望ましい。また、複数の配線層を形成する際にCMP(Chemical Mechanical Polishing)が行われるが、CMPを行う際に配線層D3の配置密度が均一であることが好ましい。従って、
図43に示す様に、配線領域R
W3においてフックアップ配線W3aを略一定に配置するために、フックアップ配線W3aとして、櫛形の配線が設けられている。
【0276】
[配線層D2の接続部d21,d22の位置、及び配線層D2中の配線パターン]
図44において、接続部d21,d22及びシールド配線s2の位置は、
図25に示したものと同様であるので、重複する説明を省略する。また、
図44において、通過配線領域R
TW2の複数の通過配線TW2も、
図25に示したものと同様であるので、重複する説明を省略する。
【0277】
配線領域RW2には、複数のフックアップ配線W2aが設けられている。複数のフックアップ配線W2aは、X方向に延伸し、Y方向に並んでいる。
【0278】
図44に示す様に、配線領域R
W2において、フックアップ配線W2aを略一定に配置するために、フックアップ配線W2aとして、櫛形の配線が設けられている。
【0279】
[配線層D1の接続部d11,d12,d12bの位置、及び配線層D1中の配線パターン]
図45において、接続部d11,d12,d12bの位置は、
図26に示したものと同様であるので、重複する説明を省略する。
【0280】
配線領域RW1には、複数のフックアップ配線W1aが設けられている。複数のフックアップ配線W1aは、X方向に延伸し、Y方向に並んでいる。
【0281】
図45に示す様に、配線領域R
W1においては、フックアップ配線W1aを略一定のピッチで形成するために、フックアップ配線W1aとして、櫛形の配線が設けられている。
【0282】
[配線層D0の接続部d01,d02,d02bの位置、及び配線層D0中の配線パターン]
図46において、接続部d01,d02,d02bの位置は、
図27に示したものと同様であるので、重複する説明を省略する。
【0283】
配線領域RW0には、複数のフックアップ配線W0aが設けられている。複数のフックアップ配線W0aは、X方向に延伸し、Y方向に並んでいる。
【0284】
配線領域RW0においては、フックアップ配線W0aを略一定のピッチで形成するために、フックアップ配線W0aとして、櫛形の配線が設けられている。
【0285】
[第7実施形態]
図47は、第7実施形態の配線層D2における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
図48は、第7実施形態の配線層D1における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
図49は、第7実施形態の配線層D0における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
【0286】
【0287】
[配線層D2の接続部d21,d22の位置、及び配線層D2中の配線パターン]
図47において、接続部d21,d22及びシールド配線s2の位置は、
図25に示したものと同様であるので、重複する説明を省略する。また、
図47において、通過配線領域R
TW2の複数の通過配線TW2も、
図25に示したものと同様であるので、重複する説明を省略する。
【0288】
配線領域RW2には、複数のフックアップ配線W2bが設けられている。複数のフックアップ配線W2bの一部分は、X方向に対して所定の角度をなす方向に延伸し、複数のフックアップ配線W2bの他の部分は、X方向に延伸している。複数のフックアップ配線W2bは、Y方向に並んでいる。
【0289】
配線領域RW2においては、フックアップ配線W2bを略一定のピッチで形成するために、フックアップ配線W2bとして、X方向のダミーの配線、及びX方向に対して所定の角度をなす方向のダミーの配線が設けられている。
【0290】
[配線層D1の接続部d11,d12,d12bの位置、及び配線層D1中の配線パターン]
図48において、接続部d11,d12の位置は、
図26に示したものと同様であるので、重複する説明を省略する。尚、
図48において、接続部d12bの位置は、
図25に示した接続部d12bの位置と異なり、配線領域R
W1の中央付近に設けられている。この場合、
図48の接続部d12bは、ビアコンタクト電極C12bを介して、Z方向から見て接続部d12bと重なる位置の配線層D0の接続部d02c(
図49参照)に接続され、その接続部d02cがフックアップ配線W0bを介して接続部d02bに接続される。
【0291】
配線領域RW1には、複数のフックアップ配線W1bが設けられている。複数のフックアップ配線W1bの一部分は、X方向に対して所定の角度をなす方向に延伸し、複数のフックアップ配線W1bの他の部分は、X方向に延伸している。複数のフックアップ配線W1bは、Y方向に並んでいる。
【0292】
配線領域RW1においては、フックアップ配線W1bを略一定のピッチで形成するために、フックアップ配線W1bとして、X方向のダミーの配線、及びX方向に対して所定の角度をなす方向のダミーの配線が設けられている。
【0293】
[配線層D0の接続部d01,d02,d02bの位置、及び配線層D0中の配線パターン]
図49において、接続部d01,d02bの位置は、
図27に示したものと同様であるので、重複する説明を省略する。尚、
図49の第2領域R
WLHU1において、X方向の領域R
X2には接続部d02が設けられているが、X方向の領域R
X1には接続部d02が設けられていない。この領域R
X1に対応する配線領域R
W0aには、第2領域R
WLHU1においても複数のフックアップ配線W0bが設けられている。従って、領域R
X1に対応する配線領域R
W0aのY方向の幅は、
図27に示した配線領域R
W0のY方向の幅よりも大きい。一方、領域R
X2に対応する配線領域R
W0bのY方向の幅は、
図27に示した配線領域R
W0のY方向の幅と同じである。
【0294】
図49に示す様に、配線領域R
W0a,R
W0bには、複数のフックアップ配線W0bが設けられている。複数のフックアップ配線W0bの一部分は、X方向に対して所定の角度をなす方向に延伸し、複数のフックアップ配線W0bの他の部分は、X方向に延伸している。複数のフックアップ配線W0bは、Y方向に並んでいる。
【0295】
また、配線領域R
W0aには、上述した複数の接続部d02cが設けられている。複数の接続部d02cは、Z方向から見て
図48の複数の接続部d12bと重なる位置に設けられている。複数の接続部d02cは、それぞれ、ビアコンタクト電極C12bを介して複数の接続部d12bに電気的に接続される。また、複数の接続部d02cは、それぞれ、フックアップ配線W0bを介して複数の接続部d02bの一部又は全部に電気的に接続される。
【0296】
配線領域RW0a,RW0bにおいては、フックアップ配線W0bを略一定のピッチで形成するために、フックアップ配線W0bとして、X方向のダミーの配線、及びX方向に対して所定の角度をなす方向のダミーの配線が設けられている。ダミーの配線は、電気的に絶縁されており、フローティングである。
【0297】
尚、
図47~
図49において、フックアップ配線W2b,W1b,W0bの一部分は、X方向に対して所定の角度をなす方向に延伸している。この所定の角度は、
図47~
図49において30度程度であるが、この様な角度に限定されず、適宜調整可能である。例えば、所定の角度は、30度以下や、45度程度でも良い。
【0298】
[第8実施形態]
第8実施形態では、フックアップ配線W0~W3の配線抵抗及びフックアップ配線W0~W3の密度(混み具合)に応じて、フックアップ配線W0~W3の太さ(Y方向の幅)を変化させる。尚、第8実施形態に係る構成は、例えば第1実施形態に係る構成に付加される。
【0299】
図51は、第8実施形態に係るフックアップ配線W0~W3の配線抵抗R
WRを示す図である。
図51に示す様に、ワード線WLは、フックアップ配線W0~W3を介してワード線スイッチWLSWに接続されている。尚、
図51では、ビアコンタクト電極CC、貼合電極P
I1,P
I2等については省略している。
【0300】
読み出し動作及び書き込み動作の実行単位をページという場合がある。
図51に示す様に、ワード線WLには、ページ長分のワード線WL間の静電容量(以下、容量という。)と、ワード線WL及び半導体層120(メモリホールMH)間の容量とを有する。また、ワード線WL自体が抵抗を持っている。ワード線WL間の距離は縮小される傾向にあり、ワード線WLの抵抗と容量が大きくなってきている。
【0301】
図52は、
図51の等価回路を示す回路図である。
図52の抵抗R
0は、
図51のフックアップ配線W0~W3の配線抵抗R
WRに対応する。遅延時間tpdは、以下のElmore Delayの式より求められる。
【0302】
tpd=R0C0+(R0+R1)C1+(R0+R1+R2)C2+・・・+(R0+R1+R2+・・・+Rn)Cn…Elmore Delayの式
【0303】
Elmore Delayの式において、R0はフックアップ配線W0~W3の配線抵抗RWRに相当し、C0はフックアップ配線W0~W3の配線間の容量CWRに相当し、抵抗R1、R2、・・・Rnはワード線WLの抵抗に相当し、C1、C2、・・・Cnはワード線WL間の容量、並びにワード線WL及び半導体層120間の容量に相当する。フックアップ配線W0~W3の配線抵抗RWRに相当するR0は、Elmore Delayの式における全ての項に影響を及ぼす。このため、ワード線WLの抵抗と容量が大きくなると、フックアップ配線W0~W3の配線抵抗RWRが遅延時間tpdに比較的大きな影響を与えるようになる。特に、ページ長が16kバイトなどのように大きく、ワード線WLの容量が大きい場合に問題となる。
【0304】
図53は、第8実施形態に係るフックアップ配線W0の配線長の概略を示す図である。尚、フックアップ配線W0の配線長が長くなるほど、フックアップ配線W0の配線抵抗R
WRが大きくなる。
図53において、矢印の線は、配線層D0のフックアップ配線W0におけるX方向の長さを示している。点線は、フックアップ領域R
HUとメモリホール領域R
MHとの境界を示している。
【0305】
上記第1実施形態で説明した様に、ワード線WL及びワード線スイッチWLSWは、ビアコンタクト電極CC、配線層M0,M1の配線m0,m1、貼合電極P
I1,P
I2、配線層D4~D0の接続部d42,d32,d22,d12,d12b,d02,d02b、及びビアコンタクト電極CS2を介して接続される。また、
図53に示していないが、配線層D0の接続部d02は、フックアップ領域R
HUにおいてX方向に等間隔で設けられている。また、
図53に示していないが、配線層D0の接続部d02bは、ロウ制御回路領域R
RCにおいてX方向に等間隔で設けられている。尚、接続部d42,d32,d22,d12,d12b,d02,d02b、及びビアコンタクト電極CS2を、ノードという場合がある。
【0306】
接続部d02と接続部d02bとをフックアップ配線W0で接続する場合、
図53に示す様に、X方向負側の接続部d02b(即ちワード線スイッチWLSW)ほどフックアップ配線W0のX方向の長さが短く、X方向正側の接続部d02b(即ちワード線スイッチWLSW)ほどフックアップ配線W0のX方向の長さが長くなる。この場合、X方向の位置によって、フックアップ配線W0が密になる部分と疎になる部分とが生じる。
図53の例では、フックアップ領域R
HUとメモリホール領域R
MHとの境界部分が、フックアップ配線W0が最も密になっている。この部分を最密部分PDという場合がある。
【0307】
図54は、フックアップ配線W0の密度の求め方を示す図である。
図54では、配線層D0のフックアップ配線W0を実線で示している。尚、
図54では、フックアップ配線W0の密度を理解しやすくするために、フックアップ配線W0のX方向を直線で示しているが、
図27及び
図46等の様に、フックアップ配線W0はクランク形状に折れ曲がっていても良い。
【0308】
図54を参照して、フックアップ配線W0の最密部分PDの求め方について説明する。
図54では4つの位置においてフックアップ配線W0の密度を求める。ここで、フックアップ配線W0の密度は、X方向の所定の位置においてY方向に延伸する直線を横切るフックアップ配線W0の数である。Aは、フックアップ配線W0の密度を求めるX方向の位置よりもX方向正側にある接続部d02b(即ちワード線スイッチWLSW)の数である。Bは、フックアップ配線W0の密度を求めるX方向の位置よりもX方向正側にある接続部d02の数である。
【0309】
X方向正側から数えて1番目の位置において、Aは5であり、Bは0であり、その位置でのフックアップ配線W0の密度(A-B)は5である。X方向正側から数えて2番目の位置において、Aは9であり、Bは0であり、その位置でのフックアップ配線W0の密度(A-B)は9である。X方向正側から数えて3番目の位置において、Aは10であり、Bは3であり、その位置でのフックアップ配線W0の密度(A-B)は7である。X方向正側から数えて4番目の位置において、Aは13であり、Bは10であり、その位置でのフックアップ配線W0の密度(A-B)は3である。従って、X方向正側から数えて2番目の位置、即ちフックアップ領域RHUとメモリホール領域RMHとの境界部分が最密部分PDである。
【0310】
図55は、フックアップ配線W1の密度の求め方を示す図である。
図55では、配線層D1のフックアップ配線W1を実線で示している。尚、
図55では、フックアップ配線W1の密度を理解しやすくするために、フックアップ配線W1のX方向を直線で示しているが、
図26及び
図45等の様に、フックアップ配線W1はクランク形状に折れ曲がっていても良い。尚、
図55に示すフックアップ配線W1と
図54に示したフックアップ配線W0は整合させているわけではない。
図55に示すフックアップ配線W1が配線層D1に形成される場合は、
図54に示したフックアップ配線W0が配線層D0に形成されない。
【0311】
図55を参照して、フックアップ配線W1の最密部分PDの求め方について説明する。
図55では4つの位置においてフックアップ配線W1の密度を求める。フックアップ配線W0の密度と同様に、フックアップ配線W1の密度は、X方向の所定の位置においてY方向に延伸する直線を横切るフックアップ配線W1の数である。Aは、フックアップ配線W1の密度を求めるX方向の位置よりもX方向正側にある接続部d02b(即ちワード線スイッチWLSW)の数である。Bは、フックアップ配線W1の密度を求めるX方向の位置よりもX方向正側にある接続部d02の数である。
【0312】
X方向正側から数えて1番目の位置において、Aは5であり、Bは0であり、その位置でのフックアップ配線W1の密度(A-B)は5である。X方向正側から数えて2番目の位置において、Aは9であり、Bは0であり、その位置でのフックアップ配線W1の密度(A-B)は9である。X方向正側から数えて3番目の位置において、Aは10であり、Bは3であり、その位置でのフックアップ配線W1の密度(A-B)は7である。X方向正側から数えて4番目の位置において、Aは13であり、Bは10であり、その位置でのフックアップ配線W1の密度(A-B)は3である。従って、X方向正側から数えて2番目の位置、即ちフックアップ領域RHUとメモリホール領域RMHとの境界部分が最密部分PDである。
【0313】
図56は、フックアップ配線W2の密度の求め方を示す図である。
図56では、配線層D2のフックアップ配線W2を実線で示している。尚、
図56に示すフックアップ配線W2と
図54及び
図55に示したフックアップ配線W0,W1は整合させているわけではない。
図56に示すフックアップ配線W2が配線層D2に形成される接続部d22については、
図54及び
図55に示したフックアップ配線W0,W1が配線層D0,D1に形成される。
【0314】
図56を参照して、フックアップ配線W2の最密部分PDの求め方について説明する。
図56では3つの位置においてフックアップ配線W2の密度を求める。フックアップ配線W0,W1の密度と同様に、フックアップ配線W2の密度は、X方向の所定の位置においてY方向に延伸する直線を横切るフックアップ配線W2の数である。
【0315】
X方向正側から数えて1番目の位置における、フックアップ配線W2の密度は4である。X方向正側から数えて2番目の位置における、フックアップ配線W2の密度は4である。X方向正側から数えて3番目の位置における、フックアップ配線W2の密度は1である。従って、X方向正側から数えて1番目及び2番目の位置が最密部分PDである。尚、
図56に示す様に、最密部分PDは、X方向正側から数えて1番目及び2番目の位置を含む所定のX方向の幅を持つ範囲である。
【0316】
図57は、第8実施形態に係るフックアップ配線W0のY方向の幅w
a,W
bを示す図である。尚、
図54~
図56では、フックアップ配線W0~W2の最密部分PDを求めていたが、
図57では、フックアップ配線W0の最密部分PDに関する配線幅及び配線本数について説明する。
【0317】
図57における最密部分PDは、フックアップ配線W0が接続部d02に終端する位置よりX方向正側であり、かつ、フックアップ配線W0が接続部d02bに終端する位置よりX方向負側である。
図57における最密部分PD以外の部分は、フックアップ配線W0が接続部d02に終端する位置よりX方向負側の部分である。
図57における最密部分PD以外の部分は、フックアップ配線W0が接続部d02bに終端する位置よりX方向正側の部分である。
【0318】
図57に示す様に、最密部分PD以外の部分については、フックアップ配線W0のY方向の幅をw
bとする。最密部分PDについては、フックアップ配線W0のY方向の幅をw
bよりも狭いw
aとする。
【0319】
図57に示す様に、最密部分PD以外の部分では、接続部d02と接続部d02bとの間に配線が8本通過するのに対し、最密部分PDでは、接続部d02と接続部d02bとの間に配線が9本通過する。
【0320】
以上説明した様に、最密部分PDでは、Y方向の狭い範囲内において数多くのフックアップ配線W0を形成することができる。尚、
図57では、フックアップ配線W0について説明したが、フックアップ配線W1,W2についても同様である。
【0321】
図58は、第8実施形態の配線層D0における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
図58は、
図27に対応する図である。
【0322】
図27では、X方向負側の領域において、フックアップ配線W0に夫々接続する5つの接続部d02がX方向に並ぶ集まりと、フックアップ配線W0に接続しない複数の接続部d02がX方向に並ぶ集まりと、が設けられている。これに対して、
図58では、X方向負側の領域R(-X)において、フックアップ配線W0に夫々接続する複数の接続部d02は、一つ置きにX方向に等間隔に並ぶ。換言すると、フックアップ配線W0に接続する接続部d02と、フックアップ配線W0に接続しない接続部d02とが交互にX方向に設けられている。また換言すると、
図58では、X方向に等間隔に並ぶ複数の接続部d02を2つの接続部d02の集まりに分ける。そして、2つの接続部d02の一方(X方向正側又は負側)の接続部d02にフックアップ配線W0が接続されている。尚、X方向に等間隔に並ぶ複数の接続部d02をm個の接続部d02の集まりに分け、m個の接続部d02のうちX方向正側又は負側から数えてn番目の接続部d02にフックアップ配線W0を接続しても良い。
【0323】
また、
図27では、フックアップ配線W0のY方向の幅は、均等であった。これに対して、
図58では、フックアップ配線W0のY方向の幅が異なるフックアップ配線W0(1),W0(2),W0(3)が形成されている。フックアップ配線W0(1)のY方向の幅はフックアップ配線W0(2)のY方向の幅よりも小さく、フックアップ配線W0(2)のY方向の幅はフックアップ配線W0(3)のY方向の幅よりも小さい。
【0324】
フックアップ配線W0の密度が高いY方向の位置では、フックアップ配線W0の本数が多くなるため、フックアップ配線W0のY方向の幅を小さくする。フックアップ配線W0の密度が低いY方向の位置では、フックアップ配線W0の本数が少なくなるため、フックアップ配線W0のY方向の幅を大きくする。フックアップ配線W0のY方向の幅を大きくすることで、フックアップ配線W0の配線抵抗RWRを小さくすることができる。
【0325】
尚、
図58は、フックアップ配線W0について説明したが、フックアップ配線W1についても同様である。
【0326】
[効果]
メモリホール領域RMH(メモリセルアレイMCAの下方)に数多くのワード線スイッチWLSWを配置することにより、チップCM,CPのサイズを小さくすることができる。一方、メモリホール領域RMHに数多くのワード線スイッチWLSWを配置すると、フックアップ領域RHUとメモリホール領域RMHの境界から遠いX方向の位置にワード線スイッチWLSWを配置することになる。この場合、フックアップ配線の配線長が長くなり、配線抵抗RWRも大きくなる。その結果、遅延時間tpdも大きくなってしまう。
【0327】
第8実施形態に係る構成によれば、フックアップ配線の最密部分を含む配線部分を可能な限りライン・アンド・スペース(L/S)の細い配線でレイアウトし、それ以外の部分を太くする。従って、メモリホール領域RMH(メモリセルアレイMCAの下方)におけるワード線スイッチWLSWの数を増加することができると共に、フックアップ配線の配線抵抗RWRの増加を極力回避することができる。その結果、フックアップ配線の配線抵抗RWRを小さくすることができ、遅延時間tpdも小さくすることができる。
【0328】
尚、
図57では、フックアップ配線W0の太さ(Y方向の幅)は、2つの幅w
a,w
bを切り替えており、
図58では、フックアップ配線W0の太さ(Y方向の幅)は、3つの幅を切り替えていた。しかしながら、この様な構成に限定されず、4つ以上の幅を切り替えても良い。また、配線長の長いフックアップ配線ほど、Y方向の幅を大きくし、配線長の短いフックアップ配線ほど、Y方向の幅を小さくしても良い。これにより、より一層、配線抵抗R
WRを減少させることができる。
【0329】
[第9実施形態]
図59は、第9実施形態に係るフックアップ配線W0の密度の求め方を示す図である。
図54では、接続部d02はX方向に等間隔で並んでいた。しかしながら、
図59では、1つの接続部d02と、5つの接続部d02がX方向に並ぶ集まりと、3つの接続部d02が設けられていないスペースと、3つの接続部d02がX方向に並ぶ集まりと、が配置されている。この様な構成の場合、
図54におけるフックアップ配線W0の最密部分PDと異なる部分が最密部分PDとなり得る。
【0330】
図59の例では、X方向正側から数えて1番目の位置において、Aは5であり、Bは0であり、その位置でのフックアップ配線W0の密度(A-B)は5である。X方向正側から数えて2番目の位置において、Aは9であり、Bは0であり、その位置でのフックアップ配線W0の密度(A-B)は9である。X方向正側から数えて3番目の位置において、Aは10であり、Bは1であり、その位置でのフックアップ配線W0の密度(A-B)は9である。X方向正側から数えて4番目の位置において、Aは11であり、Bは2であり、その位置でのフックアップ配線W0の密度(A-B)は9である。X方向正側から数えて5番目の位置において、Aは13であり、Bは6であり、その位置でのフックアップ配線W0の密度(A-B)は7である。従って、X方向正側から数えて2番目、3番目及び4番目の位置が最密部分PDである。
【0331】
この様な構成においても、2つの最密部分PDを含む配線部分について、フックアップ配線W0のY方向の幅を小さくし、それ以外の部分を大きくする。従って、メモリホール領域R
MH(メモリセルアレイMCAの下方)におけるワード線スイッチWLSWの数を増加することができると共に、フックアップ配線の配線抵抗R
WRの増加を極力回避することができる。その結果、フックアップ配線の配線抵抗R
WRを小さくすることができ、遅延時間tpdも小さくすることができる。尚、
図59は、フックアップ配線W0について説明したが、フックアップ配線W1,W2についても同様である。
【0332】
図60は、第9実施形態の配線層D0における配線パターンの一例を示す模式的な平面図である。
図60は、
図27に対応する図である。
【0333】
図60では、
図27と同様に、X方向負側の領域において、フックアップ配線W0に夫々接続する5つの接続部d02がX方向に並ぶ集まりと、フックアップ配線W0に接続しない複数の接続部d02がX方向に並ぶ集まりと、が設けられている。尚、X方向に等間隔に並ぶ複数の接続部d02をm個の接続部d02の集まりに分け、m個の接続部d02のうちX方向正側又は負側から数えてn番目の接続部d02にフックアップ配線W0を接続しても良い。
【0334】
図27では、フックアップ配線W0のY方向の幅は、均等であった。これに対して、
図60では、フックアップ配線W0のY方向の幅が異なるフックアップ配線W0(1),W0(2),W0(3)が形成されている。フックアップ配線W0(1)のY方向の幅はフックアップ配線W0(2)のY方向の幅よりも小さく、フックアップ配線W0(2)のY方向の幅はフックアップ配線W0(3)のY方向の幅よりも小さい。
【0335】
フックアップ配線W0の密度が高いY方向の位置では、フックアップ配線W0の本数が多くなるため、フックアップ配線W0のY方向の幅を小さくする。フックアップ配線W0の密度が低いY方向の位置では、フックアップ配線W0の本数が少なくなるため、フックアップ配線W0のY方向の幅を大きくする。フックアップ配線W0のY方向の幅を大きくすることで、フックアップ配線W0の配線抵抗RWRを小さくすることができる。
【0336】
図60では、複数の接続部d02はX方向に等間隔に並び、X方向負側の領域R(-X)に設けられている複数の接続部d02は、それぞれ、フックアップ配線W0が接続されている。即ち、
図60の領域R(-X)は、
図27の領域R(-X)と同様である。
【0337】
尚、
図59では、フックアップ配線W0に接続しない接続部d02は図示されていない。
図59に示した接続部d02が設けられていないスペースの代わりに、
図60に示したように、フックアップ配線W0に接続しない5つの接続部d02が設けられていてもかまわない。
【0338】
また、
図60では、フックアップ配線W0に接続される5つの接続部d02の集まりと、フックアップ配線W0に接続しない5つの接続部d02の集まりと、が繰り返し配置されていた。しかしながら、5つの接続部d02に限られず、フックアップ配線W0に接続される複数の接続部d02の集まりと、フックアップ配線W0に接続しない複数の接続部d02の集まりと、が繰り返し配置されても良い。
【0339】
また、
図60は、フックアップ配線W0について説明したが、フックアップ配線W1についても同様である。
【0340】
[第10実施形態]
図61は、第10実施形態に係るフックアップ配線W0を示す図である。
図57では、最密部分PDとそれ以外の部分とで、フックアップ配線W0のY方向の幅を変化させていた。これに対し、
図61では、最密部分PDを1本のフックアップ配線W0とし、それ以外の部分を2本のフックアップ配線W0を並列に接続する。尚、1本のフックアップ配線W0のY方向の幅は、例えば
図57と同じw
aである。
【0341】
図61における最密部分PDは、フックアップ配線W0が接続部d02に終端する位置よりX方向正側であり、かつ、フックアップ配線W0が接続部d02bに終端する位置よりX方向負側である。
図61における最密部分PD以外の部分は、フックアップ配線W0が接続部d02に終端する位置よりX方向負側の部分である。
図61における最密部分PD以外の部分は、フックアップ配線W0が接続部d02bに終端する位置よりX方向正側の部分である。
【0342】
図61に示す様に、最密部分PD以外の部分については、1本のフックアップ配線W0が2本のフックアップ配線W0に分岐している(
図61中、“2Tracks”と表記している)。最密部分PDについては、1本のフックアップ配線W0が設けられている。
【0343】
この様に、最密部分PD以外の部分については、1本のフックアップ配線W0が2本のフックアップ配線W0に分岐することにより、フックアップ配線W0のY方向の幅を大きくすることと同様の効果を得ることができる。従って、フックアップ配線W0の密度が低いY方向の位置では、フックアップ配線W0のY方向の幅を大きくすることで配線抵抗RWRを小さくすることができる。
【0344】
以上説明した様に、最密部分PDでは、Y方向の狭い範囲内において数多くのフックアップ配線W0を形成することができる。尚、
図61では、フックアップ配線W0について説明したが、フックアップ配線W1,W2についても同様である。
【0345】
この様な構成によっても、
図57で説明した場合と同様、メモリホール領域R
MH(メモリセルアレイMCAの下方)におけるワード線スイッチWLSWの数を増加することができると共に、フックアップ配線の配線抵抗R
WRの増加を極力回避することができる。その結果、フックアップ配線の配線抵抗R
WRを小さくすることができ、遅延時間tpdも小さくすることができる。尚、
図61は、フックアップ配線W0について説明したが、フックアップ配線W1,W2についても同様である。
【0346】
[第11実施形態]
図62は、第11実施形態に係るフックアップ配線W0の密度の求め方を示す図である。尚、
図62では、4つの接続部d02がX方向に並ぶ集まりと、4つの接続部d02が設けられていないスペースと、が繰り返し配置されている。
【0347】
例えば
図27等に示した様に、フックアップ配線W0を形成可能な領域(即ち、ワード線スイッチWLSWのY方向におけるピッチYpitch)において、接続部d02bが設けられる第3領域R
WLHU2よりもY方向負側の領域にフックアップ配線W0が形成されることがある。
図62においては、第3領域R
WLHU2よりもY方向負側の領域を、領域R
WLHUYとしている。この領域R
WLHUYに形成されたフックアップ配線W0を考慮して、フックアップ配線W0の密度を求めても良い。
図62の例では、フックアップ領域R
HUとメモリホール領域R
MHとの境界部分が、フックアップ配線W0が最密部分PDになっている。
【0348】
尚、選択ゲート線スイッチSGSWと選択ゲート線(SGD、SGS)とを接続するフックアップ配線W0は、領域R
WLHUYに形成されても良い。
図62は、フックアップ配線W0について説明したが、フックアップ配線W1についても同様である。
【0349】
尚、上記第8実施形態~第11実施形態では、ワード線WLとワード線スイッチWLSWを接続するフックアップ配線について説明した。しかしながら、選択ゲート線(SGD、SGS)と選択ゲート線スイッチSGSWを接続するフックアップ配線についても適用しても良い。
【0350】
また、
図51に示す様に、動作の実行単位であるページは16kバイトとしていたが、16kバイト以上であっても良い。また、16kバイト以下であっても良い。
【0351】
本明細書には、以下の発明が開示されている。
【0352】
第1方向(X方向)の第1の位置において第2方向(Y方向)に延伸する直線を横切るフックアップ配線の数が、前記第1方向(X
方向)の第2の位置において前記直線を横切る前記フックアップ配線(W0~W2)の数よりも多い場合、前記第1の位置を含む前記フックアップ配線の第1部分における前記第2方向の幅を、前記第1部分以外の第2部分における前記第2方向の幅よりも小さくする。
【0353】
前記第1部分は、前記メモリ領域(RMH)と前記フックアップ領域(RHU)との境界部分を含む。
【0354】
前記第1部分は、前記直線を横切る前記フックアップ配線(W0~W2)の数が最も多い前記第1方向の位置を含む。
【0355】
前記直線を横切る前記フックアップ配線(W0~W2)の数が最も多い前記第1方向の位置において、その位置よりも前記第1方向の前記メモリ領域側にあるトランジスタに接続されるノードの数(A)と、前記位置より前記第1方向の前記メモリ領域側にある、前記ノードと前記フックアップ配線を介して接続されるノードの数(B)と、の差分(A-B)が最大となる。
【0356】
配線長の長い前記フックアップ配線ほど、前記第2方向(Y方向)の幅を大きくし、配線長の短い前記フックアップ配線ほど、前記第2方向(Y方向)の幅を小さくする。
【0357】
前記第3方向(Z方向)に並ぶ前記複数の導電層(510、WL、SG)を含み、前記複数の導電層が前記第2方向(Y方向)に並ぶ複数の積層構造(メモリブロックBLK)と、前記複数の積層構造に対応して設けられ、前記第3方向に延伸し、前記複数の導電層と対向する複数の半導体柱(520、MH)を含むメモリ領域(RMH)と、前記複数の積層構造に対応して設けられ、前記第3方向に延伸し、前記複数の導電層に電気的に接続された複数の第1ビアコンタクト電極(CC)を含むフックアップ領域(RHU)と、を備え、前記フックアップ領域(RHU)は、メモリプレーン(MP)の前記第1方向(X方向)の中央位置又は略中央位置、もしくは前記第1方向の端部に設けられる。
【0358】
前記第1の位置を含む前記フックアップ配線の第1部分は1本の配線で形成され、前記第1部分以外の第2部分は2本(又は2本以上)の配線で形成される。
【0359】
[その他の実施形態]
以上、第1実施形態~第10実施形態に係る半導体記憶装置について説明した。しかしながら、以上において説明した構成はあくまでも例示に過ぎず、具体的な構成は適宜調整可能である。
【0360】
例えば、
図18に例示する複数の貼合電極P
I1,P
I2は、フックアップ領域R
HUの全領域に設けられていた。しかしながら、複数の貼合電極P
I1,P
I2は、フックアップ領域R
HUの一部の領域又はフックアップ領域R
HU以外の領域(例えばメモリホール領域R
MH)に設けても良い。この場合、複数のビアコンタクト電極CCの一部は、配線層M0,M1の配線m0,m1に接続され、配線m0,m1を介して、フックアップ領域R
HUの一部の領域又はフックアップ領域R
HU以外の領域の貼合電極P
I1に接続される。
【0361】
また、例えば、
図21~
図23の配線層D3には、配線領域R
W3が設けられていたが、配線領域R
W3が設けなくても良い。また、
図24及び
図25の配線層D2には、配線領域R
W2が設けられていたが、配線領域R
W2が設けなくても良い。また、
図26の配線層D1には、通過配線領域が設けられていないが、通過配線領域(例えばR
TW1)が設けられても良い。
【0362】
また、フックアップ領域R
HU,R
HU2において、各層の導電層110(ワード線WL及び選択ゲート線SG)を階段状に形成し、ビアコンタクト電極CCの下端又は上端が各層の導電層110に接続されていた。しかしながら、フックアップ領域R
HU,R
HU2において、次の工程によりビアコンタクト電極CCを形成しても良い。例えば、各層の導電層110に到達する複数のコンタクトホールを形成する。複数のコンタクトホールの外周面に酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層を形成する。複数のコンタクトホールの外周面の内部に窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を形成する。
図50は、上記の工程により形成されたビアコンタクト電極CCを示す模式的な断面図である。フックアップ領域R
HUに設けられた複数のビアコンタクト電極CCは、
図50に示す様に、Z方向に延伸し、上端において導電層100と接続されている。ビアコンタクト電極CCは、例えば、窒化チタン(TiN)等のバリア導電膜及びタングステン(W)等の金属膜の積層膜等を含んでいても良い。また、ビアコンタクト電極CCの外周面には、酸化シリコン(SiO
2)等の絶縁層103が設けられている。
【0363】
また、例えば、
図15等を参照して説明した様に、2つのワード線スイッチWLSWはソース領域R
SOを共有する構成であった。しかしながら、2つのワード線スイッチWLSWはソース領域R
SOを共有しない構成、即ち、半導体領域203のソース領域R
SOが分離している構成(Single Finger 構造)であっても良い。同様に、選択ゲート線スイッチSGSWは、半導体領域203のソース領域R
SOが分離している構成(Single Finger 構造)であっても良い。
【0364】
また、ワード線スイッチWLSW及び選択ゲート線スイッチSGSWは、ロウ制御回路領域RRCに設けられていたが、ワード線スイッチWLSWは、ロウ制御回路領域RRCに設けられ、選択ゲート線スイッチSGSWは、ブロックデコーダ領域RBDに設けられても良い。
【0365】
また、
図34及び
図35において、ロウ制御回路領域R
RC及びブロックデコーダ領域R
BDのX方向の幅と、フックアップ領域R
HU2のX方向の幅は、同じであった。しかしながら、ロウ制御回路領域R
RC及びブロックデコーダ領域R
BDのX方向の幅が、フックアップ領域R
HU2のX方向の幅よりも大きくても良い。この場合、
図12を参照して説明した様に、配線層M1中の配線m1aを介してビット線BLをカラム制御回路領域R
CCに接続しても良い。
【0366】
また、
図7、
図8及び
図17では、貼合電極P
I2と接続部d42はビアコンタクト電極を介さずに接続されているが、ビアコンタクト電極を介して接続しても良い。
【0367】
また、
図12を参照して説明した様に、ロウ制御回路領域R
RCの一部を、Z方向から見てフックアップ領域R
HUと重なる領域に設け、残りの一部を、Z方向から見てメモリホール領域R
MHと重なる領域に設け、かつ、
図34を参照して説明した様に、ロウ制御回路領域R
RCを領域MP0´~MP3´の中央部に設ける構成であっても良い。この場合、フックアップ領域R
HUも領域MP0´~MP3´の中央部に設けられる。また、フックアップ領域R
HUに設けられた複数のビアコンタクト電極CCは、
図50に示した構成であっても良い。
【0368】
また、上述した各実施形態に係る半導体記憶装置には、以下の構成が開示されている。半導体基板(例えば、
図7の半導体基板200、
図32の半導体基板500)と複数の配線CGI(電圧供給配線)との間に設けられた、Z方向に隣接して並ぶ2つの配線層(例えば配線層D0,D1、配線層D1,D2、又は配線層D2,D3)を備え、2つの配線層に設けられる複数の配線(フックアップ配線、シールド配線、通過配線)は、X方向を長手方向とする配線がY方向を長手方向とする配線より多い。
【0369】
また、上述した各実施形態に係る半導体記憶装置には、以下の構成が開示されている。半導体基板(例えば、
図7の半導体基板200、
図32の半導体基板500)と複数の配線CGI(電圧供給配線)との間に設けられた、Z方向に隣接して並ぶ3つの配線層(例えば配線層D0,D1,D2、又は配線層D1,D2,D3)を備え、3つの配線層に設けられる複数の配線(フックアップ配線、シールド配線、通過配線)は、X方向を長手方向とする配線がY方向を長手方向とする配線より多い。
【0370】
また、上述した各実施形態に係る半導体記憶装置には、以下の構成が開示されている。半導体基板(例えば、
図7の半導体基板200、
図32の半導体基板500)と複数の配線CGI(電圧供給配線)との間に設けられた、Z方向に隣接して並ぶ複数の配線層(例えばD0~D3)を備える。複数の配線層(例えばD0~D3)は、それぞれ、Z方向から見て複数のソース領域R
SOと重なる位置に設けられた、複数のドレイン領域R
DR及び複数の導電層110に電気的に接続された複数の接続部(例えばd02~d32)を備える。複数の配線層(例えばD0~D3)における複数の接続部(d02~d32)は、それぞれ、Z方向から見て重なる位置に設けられている(例えば
図17参照)。複数の接続部(例えばd02~d32)のうち、フックアップ配線(例えばフックアップ配線W3~W0のいずれか)が接続された接続部(例えばd02~d32のいずれか)は、ビアコンタクト電極(例えばC12~C42)を介して、隣接する電圧供給配線側の配線層における接続部と接続され、複数の接続部(例えばd02~d32)のうち、フックアップ配線(例えばフックアップ配線W3~W0のいずれか)が接続された接続部(例えばd02~d32のいずれか)に隣接する半導体基板側の配線層における接続部は、電気的に絶縁されている。
【0371】
また、以上の実施形態では、NANDフラッシュメモリに適用する例について説明した。しかしながら、本明細書において説明した技術は、例えば三次元型のNORフラッシュメモリ等、NANDフラッシュメモリ以外の構成にも適用可能である。また、本明細書において説明した技術は、例えば三次元型のDRAM等、フラッシュメモリ以外の構成にも適用可能である。
【0372】
[その他]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0373】
110…導電層、120…半導体層(半導体柱)、200,500…半導体基板、CM…チップ(第1チップ)、CP…チップ(第2チップ)、BL…ビット線、WL…ワード線、SG…選択ゲート線、CC,C400…ビアコンタクト電極(第1ビアコンタクト電極)、CS1…ビアコンタクト電極(第2ビアコンタクト電極)、CS2…ビアコンタクト電極(第3ビアコンタクト電極)、C11,C12,C12b,C21,C22,C31,C32,C41,C42,C1011,C1012,C1012b,C1021,C1022,C1031,C1032…ビアコンタクト電極、d01,d02,d02b,d11,d12,d12b,d21,d22,d31,d32,d42,d1001,d1002,d1002b,d1011,d1012,d1012b,d1021,d1022,d1032…接続部、CGI…配線(電圧供給配線)、MC…メモリセル、M0,M1,D0,D1,D2,D3,D4,D100,D101,D102,D103…配線層、MB,DB…チップ貼合電極層、W0,W1,W2,W3…フックアップ配線、s2,s3…シールド配線、TW2,TW3…通過配線(第1配線)、WLSW…ワード線スイッチ(トランジスタ)、SGSW…選択ゲート線スイッチ(トランジスタ)、PI1,PI2…貼合電極、RMH,RMH2…メモリホール領域(メモリ領域)、RHU,RHU2,RHU21,RHU22…フックアップ領域、RTW2,RTW3…通過配線領域(第1配線領域)、RW0,RW1,RW2,RW3…配線領域(第2配線領域)、RCGI…第1領域、RWLHU1…第2領域、RWLHU2…第3領域。