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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031828
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】電子パッケージ構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 9/00 20060101AFI20240229BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20240229BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
H05K9/00 Q
H05K3/00 X
H05K1/02 G
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023112308
(22)【出願日】2023-07-07
(31)【優先権主張番号】111131739
(32)【優先日】2022-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】311005208
【氏名又は名称】▲き▼邦科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 晨聿
(72)【発明者】
【氏名】鄭 百勝
(72)【発明者】
【氏名】陳 煥坤
【テーマコード(参考)】
5E321
5E338
【Fターム(参考)】
5E321AA22
5E321GG05
5E338AA02
5E338AA16
5E338BB35
5E338BB47
5E338BB75
5E338CC05
5E338EE31
(57)【要約】
【課題】電子パッケージ構造の製造方法を提供する。
【解決手段】回路構成に複数の第1溝部が形成され、各第1溝部中に第2溝部が形成され、回路構成を複数の回路層110とする。第2溝部の幅が第1溝部の幅より小さいため、回路層110が環状面113及び環状面113に位置している凹部114を有し、シールド層が回路層110に位置している封入体130を被覆すると、凹部114の空間114aを露出し、シールド層の除去予定部が除去される際に、除去予定部が電子パッケージ構造100に残留してバリを形成する状況を回避している。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導通面(111)と、第2導通面(112)と、環状面(113)と、凹部(114)と、を有する回路層(110)であって、前記環状面は前記第1導通面と前記第2導通面との間に位置し、前記凹部は前記環状面に位置し、前記凹部は空間(114a)を有している前記回路層と、
前記回路層の前記第2導通面に設置されている電子素子(120)と、
前記電子素子を密封すると共に前記回路層の前記第2導通面を被覆する封入体(130)と、
前記封入体を被覆すると共に前記凹部の前記空間を露出している第1遮蔽部(141)を有しているシールドカバー(140)と、を備えていることを特徴とする電子パッケージ構造。
【請求項2】
前記凹部は第1面(114b)及び第2面(114c)を有し、前記第1面は前記回路層の前記第1導通面に連結され、前記シールドカバーの第2遮蔽部(142)は前記第1面を被覆していることを特徴とする請求項1に記載の電子パッケージ構造。
【請求項3】
前記第1遮蔽部は第1の厚さ(D1)を有し、前記第2遮蔽部は第2の厚さ(D2)を有し、前記第2の厚さは前記第1の厚さより薄いことを特徴とする請求項2に記載の電子パッケージ構造。
【請求項4】
前記凹部の前記第2面は前記回路層の前記環状面に連結され、前記シールドカバーの第3遮蔽部(143)は前記第2面を被覆していることを特徴とする請求項3に記載の電子パッケージ構造。
【請求項5】
前記第3遮蔽部は第3の厚さ(D3)を有し、前記第3の厚さは前記第1の厚さより薄いことを特徴とする請求項4に記載の電子パッケージ構造。
【請求項6】
前記第3遮蔽部の両側は前記第1遮蔽部及び前記第2遮蔽部にそれぞれ連結されていることを特徴とする請求項4に記載の電子パッケージ構造。
【請求項7】
前記第1遮蔽部は前記回路層の前記環状面を被覆していると共に前記第3遮蔽部に連結されていることを特徴とする請求項6に記載の電子パッケージ構造。
【請求項8】
電子パッケージ構造の製造方法であって、
複数の電子素子(120)を回路構成(11)の第2接合面(11b)に設置するステップと、
封止層(13)によりこれら前記電子素子を密封し、前記第2接合面を被覆するステップと、
前記封止層を第1キャリア(10)に設置し、前記回路構成の第1接合面(11a)を露出するステップと、
切断線(L)に沿って、前記回路構成の前記第1接合面に複数の第1溝部(A)を形成するステップと、
各前記第1溝部中に第2溝部(B)を形成し、前記回路構成を第1導通面(111)及び第2導通面(112)を有している複数の回路層(110)とし、前記封止層を複数の封入体(130)とし、各前記回路層は、前記第2導通面に設置されている各前記電子素子及び前記電子素子を密封している各前記封入体により電子パッケージ半製品(100’)を構成し、前記第2溝部の第2の幅(W2)は各前記第1溝部の第1の幅(W1)より小さく、前記回路層が環状面(113)及び前記環状面に位置している凹部(114)を有するステップと、
前記電子パッケージ半製品を第2キャリア(20)に設置し、前記電子パッケージ半製品の前記回路層を前記第2キャリアの表面(21)に向け、前記封入体、前記回路層の前記環状面、前記凹部、及び前記第2キャリアの前記表面を露出するステップと、
除去予定部(14a)及び第1遮蔽部(141)を有するシールド層(14)を形成し、前記除去予定部が前記第2キャリアの前記表面を被覆し、前記第1遮蔽部が前記封入体を被覆し、前記シールド層は前記凹部の空間(114a)を露出するステップと、
前記第2キャリア及び前記除去予定部を除去し、前記電子パッケージ半製品を電子パッケージ構造(100)とし、前記シールド層を前記電子パッケージ構造を被覆するシールドカバー(140)とし、前記シールドカバーが前記第1遮蔽部を有し、前記シールドカバーが前記凹部の前記空間を露出するステップと、を含むことを特徴とする電子パッケージ構造の製造方法。
【請求項9】
前記凹部は第1面(114b)及び第2面(114c)を有し、前記第1面は前記回路層の前記第1導通面に連結され、前記第2キャリア及び前記除去予定部を除去した後、前記シールドカバーが第2遮蔽部(142)を有し、前記第2遮蔽部が前記第1面を被覆することを特徴とする請求項8に記載の電子パッケージ構造の製造方法。
【請求項10】
前記第1遮蔽部は第1の厚さ(D1)を有し、前記第2遮蔽部は第2の厚さ(D2)を有し、前記第2の厚さは前記第1の厚さより薄いことを特徴とする請求項9に記載の電子パッケージ構造の製造方法。
【請求項11】
前記除去予定部の端部は前記第2遮蔽部に連結され、前記端部は前記凹部の前記空間中に位置し、前記端部の第4の厚さ(D4)は前記第2遮蔽部の前記第2の厚さより厚くないことを特徴とする請求項10に記載の電子パッケージ構造の製造方法。
【請求項12】
前記除去予定部の厚みは前記凹部の方向に向けて減少していることを特徴とする請求項11に記載の電子パッケージ構造の製造方法。
【請求項13】
前記凹部の前記第2面は前記環状面に連結され、前記第2キャリア及び前記除去予定部を除去した後、前記シールドカバーが第3遮蔽部(143)を有し、前記第3遮蔽部が前記第2面を被覆することを特徴とする請求項12に記載の電子パッケージ構造の製造方法。
【請求項14】
前記第3遮蔽部は第3の厚さ(D3)を有し、前記第3の厚さは前記第1の厚さより薄いことを特徴とする請求項13に記載の電子パッケージ構造の製造方法。
【請求項15】
前記第3遮蔽部の両側は前記第1遮蔽部及び前記第2遮蔽部にそれぞれ連結されていることを特徴とする請求項13に記載の電子パッケージ構造の製造方法。
【請求項16】
前記第1遮蔽部は前記環状面を被覆すると共に前記第3遮蔽部に連結されていることを特徴とする請求項15に記載の電子パッケージ構造の製造方法。
【請求項17】
前記除去予定部の厚みは前記凹部の方向に向けて減少していることを特徴とする請求項8に記載の電子パッケージ構造の製造方法。
【請求項18】
前記回路構成は、第1誘電体層(11c)と、第2誘電体層(11d)と、少なくとも1つの回路(11e)と、を備え、前記回路は前記第1誘電体層と前記第2誘電体層との間に位置し、これら前記第1溝部は前記第1誘電体層に形成されていることを特徴とする請求項8に記載の電子パッケージ構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子パッケージ構造及びその製造方法に関し、より詳しくは、バリの発生を回避できる電子パッケージ構造及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子パッケージ構造200は回路層210と、回路層210に設置されている電子素子220(例えば、チップ)と、電子素子220を密封する封入体230(図8参照)と、を備えている。電子素子220が電磁干渉を受ける状況を回避するため、電子パッケージ構造200をキャリア300に設置し、且つ電子パッケージ構造200の外側にシールド層240を形成する。シールド層240が電子パッケージ構造200を被覆するカバー部241及びカバー部241に連結されている除去予定部242を備えている。次は、キャリア300及び除去予定部242を除去する(図9参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、除去予定部242を除去する際に、除去予定部242がカバー部241に残留し、カバー部241がバリ243を発生し、電子パッケージ構造200の歩留まりに影響が及んだ。
【0004】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0005】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、シールド層の除去予定部が電子パッケージ構造に残留してバリを形成する問題を解決し、電子パッケージ構造の歩留まりを高める電子パッケージ構造及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様の電子パッケージ構造は、回路層(110)と、電子素子(120)と、封入体(130)と、シールドカバー(140)と、を備える。前記回路層は、第1導通面(111)と、第2導通面(112)と、環状面(113)と、凹部(114)と、を有している。前記環状面は前記第1導通面と前記第2導通面との間に位置し、前記凹部は前記環状面に位置し、前記凹部は空間(114a)を有する。前記電子素子は前記回路層の前記第2導通面に設置されている。前記封入体は前記電子素子を密封すると共に前記回路層の前記第2導通面を被覆する。前記シールドカバーは第1遮蔽部(141)を有し、前記第1遮蔽部は前記封入体を被覆すると共に前記凹部の前記空間を露出している。
【0007】
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様の電子パッケージ構造の製造方法は、複数の電子素子(120)を回路構成(11)の第2接合面(11b)に設置するステップと、封止層(13)により前記電子素子を密封し、前記封止層が前記第2接合面を被覆するステップと、前記封止層を第1キャリア(10)に設置し、前記回路構成の第1接合面(11a)を露出するステップと、切断線(L)に沿って、前記回路構成の前記第1接合面に複数の第1溝部(A)を形成するステップと、各前記第1溝部中に第2溝部(B)を形成し、前記回路構成を第1導通面(111)及び第2導通面(112)を有している複数の回路層(110)とし、前記封止層を複数の封入体(130)とし、前記回路層は、前記第2導通面に設置されている前記電子素子及び前記電子素子を密封する前記封入体により電子パッケージ半製品(100’)を構成し、前記第2溝部の第2の幅(W2)は前記第1溝部の第1の幅(W1)より小さく、前記回路層が環状面(113)及び前記環状面に位置している凹部(114)を有するステップと、前記電子パッケージ半製品を第2キャリア(20)に設置し、前記電子パッケージ半製品の前記回路層を前記第2キャリアの表面(21)に向け、前記封入体、前記回路層の前記環状面、前記凹部、及び前記第2キャリアの前記表面を露出するステップと、除去予定部(14a)及び第1遮蔽部(141)を有するシールド層(14)を形成し、前記除去予定部が前記第2キャリアの前記表面を被覆し、前記第1遮蔽部が前記封入体を被覆し、前記シールド層は前記凹部の空間(114a)を露出するステップと、前記第2キャリア及び前記除去予定部を除去し、前記電子パッケージ半製品を電子パッケージ構造(100)とし、前記シールド層を前記電子パッケージ構造を被覆するシールドカバー(140)とし、前記シールドカバーが前記第1遮蔽部を有し、前記シールドカバーが前記凹部の前記空間を露出するステップと、を含む。
【0008】
好ましくは、前記第2溝部の前記第2の幅は前記第1溝部の前記第1の幅より小さく、前記回路層は前記環状面及び前記環状面に位置している前記凹部を有している。前記シールド層が前記封入体を被覆する際に、前記凹部の前記空間を露出し、前記シールド層の前記除去予定部を除去する際に、前記除去予定部が前記電子パッケージ構造に残留してバリを形成する状況を回避する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シールド層の除去予定部が電子パッケージ構造に残留してバリを形成する問題を解決し、電子パッケージ構造の歩留まりを高める。
【0010】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施例に係る電子パッケージ構造の製造方法を示す断面図である。
図2】本発明の一実施例に係る電子パッケージ構造の製造方法を示す断面図である。
図3】本発明の一実施例に係る電子パッケージ構造の製造方法を示す断面図である。
図4】本発明の一実施例に係る電子パッケージ構造の製造方法を示す断面図である。
図5】本発明の一実施例に係る電子パッケージ構造の製造方法を示す断面図である。
図6】本発明の一実施例に係る電子パッケージ構造を示す断面図である。
図7】本発明の他の実施例に係る電子パッケージ構造を示す断面図である。
図8】従来の電子パッケージ構造を示す断面図である。
図9】従来の電子パッケージ構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態による電子パッケージ構造及びその製造方法を図面に基づいて説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0013】
まず、図1図7を参照しながら、本発明に係る電子パッケージ構造の製造方法について説明する。
【0014】
本発明に係る電子パッケージ構造の製造方法は、電子パッケージ構造100を形成するために使用される。
【0015】
図1に示すように、複数の電子素子120を回路構成11の第2接合面11bに設置し、次に、封止層13により電子素子120を密封し、封止層13が第2接合面11bを被覆する。電子素子120はチップから選択されるが、ただし、本発明はこれに限定されるものではない。回路構成11は再分配回路構成から選択され、回路構成11は第1誘電体層11cと、第2誘電体層11dと、少なくとも1つの回路11eと、を備え、回路11eは第1誘電体層11cと第2誘電体層11dとの間に位置している。第1誘電体層11c及び第2誘電体層11dの材料はポリイミド(Polyimide、PI)等の絶縁材料から選択されている。次に、封止層13を第1キャリア10に設置し、回路構成11の第1接合面11aを露出する。第1接合面11a及び第2接合面11bは回路構成11の異なる表面である。
【0016】
切断線Lに沿って、回路構成11の第1接合面11aに複数の第1溝部Aを形成する(図2参照)。本実施例では、第1溝部Aは第1誘電体層11cに形成する。第1溝部Aの形成方法はレーザー、カッター切断等の方法から選択されるが、ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0017】
図2及び図3に示すように、各第1溝部A中に第2溝部Bを形成し、回路構成11を複数の回路層110とし、封止層13を複数の封入体130とする。第2溝部Bの形成方法はレーザー、カッター切断等の方法から選択されるが、ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。各回路層110は第1導通面111及び第2導通面112を有し、第1導通面111及び第2導通面112は回路層110の異なる表面であり、電子素子120は第2導通面112に設置されている。第2溝部Bの第2の幅W2は第1溝部Aの第1の幅W1より小さく、回路層110が環状面113及び凹部114を有している。環状面113は第1導通面111と第2導通面112との間に位置し、凹部114は環状面113に位置している。凹部114は、空間114aと、第1面114bと、第2面114cと、を有し、第1面114bは回路層110の第1導通面111に連結され、第2面114cは環状面113及び第1面114bに連結されている。
【0018】
続いて、第2溝部Bを形成した後、回路層110は、第2導通面112に設置されている電子素子120及び電子素子120を密封している封入体130により電子パッケージ半製品100’を構成している(図3参照)。続いて、図4に示すように、電子パッケージ半製品100’を第2キャリア20に設置し、回路層100を第2キャリア20の表面21に向け、封入体130、回路層110の環状面113、凹部114、及び第2キャリア20の表面21を露出する。
【0019】
図4及び図5に示すように、電子パッケージ半製品100’を第2キャリア20に設置した後、シールド層14を形成し、シールド層14が封入体130及び第2キャリア20の表面21を被覆し、ただし、凹部114の空間114aを露出する。シールド層14は除去予定部14a及び第1遮蔽部141を有し、除去予定部14aは第2キャリア20の表面21を被覆し、第1遮蔽部141は封入体130を被覆している。本実施例では、第1遮蔽部141は回路層110の環状面113を被覆し、且つ凹部114の空間114aを露出している。除去予定部14aの厚みDは凹部114の方向に向けて徐々に減少している。シールド層14の形成方法はスパッタリング(Sputtering)、スプレー塗装(Spray Coating)、或いは蒸着(Evaporation)等の方法から選択され、シールド層14の材料は金属、合金、或いは化合物等のシールド材料から選択されているが、ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。本実施例では、シールド層14は第2遮蔽部142を更に有し、第1遮蔽部141を形成する際に、第2遮蔽部142が凹部114の第1面114bに同時に形成され、第2遮蔽部142が第1面114bを被覆する。凹部114の第2面114cの遮蔽により、第2遮蔽部142の第2の厚さD2が第1遮蔽部141の第1の厚さD1よりも薄くなっている。
【0020】
続いて、本実施例では、除去予定部14aの端部14bは第2遮蔽部142に連結され、端部14bは凹部114の空間114a中に位置している(図5参照)。好ましくは、端部14bの第4の厚さD4は第2遮蔽部142の第2の厚さD2よりも厚くない。
【0021】
図5を参照すれば、本実施例では、シールド層14が第3遮蔽部143を更に有し、第1遮蔽部141及び第2遮蔽部142を形成する際に、第3遮蔽部143が凹部114の第2面114cに同時に形成され、第3遮蔽部143が第2面114cを被覆する。好ましくは、第3遮蔽部143の両側は第1遮蔽部141及び第2遮蔽部142にそれぞれ連結され、凹部114の第2面114cの遮蔽により、第3遮蔽部143の第3の厚さD3が第1遮蔽部141の第1の厚さD1より薄くなっている。
【0022】
続いて、シールド層14を形成した後、第2キャリア20及び除去予定部14aを除去し、複数の電子パッケージ半製品100’を複数の電子パッケージ構造100とし、且つシールド層14を電子パッケージ構造100を被覆する複数のシールドカバー140とする(図5及び図6参照)。本実施例では、第2キャリア20及び除去予定部14aを除去した後、シールドカバー140は、封入体130及び環状面113を被覆する第1遮蔽部141と、第1面114bを被覆する第2遮蔽部142と、第2面114cを被覆する第3遮蔽部143と、を有し、且つシールドカバー140が凹部114の空間114aを露出している。
【0023】
図5及び図6に示すように、除去予定部14aの厚みDは凹部114の方向に向けて徐々に減少し、端部14bが第2遮蔽部142に連結されている接続箇所14cの構造強度は、凹部114の外に位置している除去予定部14aよりも低い。よって、第2キャリア20及び除去予定部14aを除去する際に、除去予定部14aが接続箇所14cから第2遮蔽部142を切断し、除去予定部14aが第2遮蔽部142に残留する状況を回避している。
【0024】
異なる実施例では、凹部114の第2面114cの遮蔽により、第1面114b及び第2面114cに第2遮蔽部142及び第3遮蔽部143を形成しないようにしている(図7参照)。第2キャリア20及び除去予定部14aを除去する際に、シールドカバー140が凹部114の空間114aを露出し、除去予定部14aが電子パッケージ構造100に残留する状況を回避している。
【0025】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0026】
10 第1キャリア
11 回路構成
11a 第1接合面
11b 第2接合面
11c 第1誘電体層
11d 第2誘電体層
11e 回路
13 封止層
14 シールド層
14a 除去予定部
14b 端部
14c 接続箇所
20 第2キャリア
21 表面
100’ 電子パッケージ半製品
100 電子パッケージ構造
110 回路層
111 第1導通面
112 第2導通面
113 環状面
114 凹部
114a 空間
114b 第1面
114c 第2面
120 電子素子
130 封入体
140 シールドカバー
141 第1遮蔽部
142 第2遮蔽部
143 第3遮蔽部
200 電子パッケージ構造
210 回路層
220 電子素子
230 封入体
240 シールド層
241 カバー部
242 除去予定部
243 バリ
300 キャリア
A 第1溝部
B 第2溝部
D 厚み
D1 第1の厚さ
D2 第2の厚さ
D3 第3の厚さ
D4 第4の厚さ
L 切断線
W1 第1の幅
W2 第2の幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9