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▶ ウェラ ジャーマニー ゲーエムベーハーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031840
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】サルフェートを含まないシャンプー
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/44 20060101AFI20240229BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20240229BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
A61K8/44
A61K8/46
A61Q5/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023118919
(22)【出願日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】22191865
(32)【優先日】2022-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】523044356
【氏名又は名称】ウェラ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュプリンゴブ, クリスティアン
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC172
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC422
4C083AC522
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC791
4C083AC792
4C083AD132
4C083AD352
4C083CC38
4C083DD23
4C083EE06
4C083EE21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】良好な起泡性を示し、毛髪コンディショニング性能を損なわないと同時にサルフェート含有界面活性剤を含まない洗浄組成物を提供する。
【解決手段】本願発明は、少なくとも1つのタウレート界面活性剤;イセチオネート界面活性剤およびメチルイセチオネート界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1つの界面活性剤;少なくとも1つのN-アシル化アミノ酸界面活性剤;ならびに毛髪コンディショニング組成物として使用される少なくとも1つのベタインを含む洗浄組成物、洗浄組成物を毛髪に塗布するための方法ならびに毛髪を洗浄するための洗浄組成物の使用に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄組成物であって、
(A)≧1.0~≦8.0wt.%の少なくとも1つのタウレート界面活性剤と、
(B)イセチオネート界面活性剤およびメチルイセチオネート界面活性剤からなる群より選択される≧1.0~≦10.0wt.%の少なくとも1つの界面活性剤と、
(C)≧0.5~≦5.0wt.%の少なくとも1つのN-アシル化アミノ酸界面活性剤と、
(D)≧1.0~≦8.0wt.%の少なくとも1つのベタインと
を含み、wt.%は、それぞれ洗浄組成物の全重量に基づいており、少なくとも1つのN-アシル化アミノ酸界面活性剤は、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、オレオイルサルコシンナトリウムおよびラウロイルサルコシンアンモニウムからなる群より選択される、洗浄組成物。
【請求項2】
少なくとも1つのタウレート界面活性剤(A)が、メチルココイルタウリンナトリウムおよびメチルオレオイルタウリンナトリウムからなる群より選択される、請求項1に記載の洗浄組成物。
【請求項3】
少なくとも1つの成分(A)が、洗浄組成物の全重量に基づき、≧1.5~≦5.0wt.%の範囲の量で存在する、請求項1または2に記載の洗浄組成物。
【請求項4】
少なくとも1つの界面活性剤(B)が、ココイルイセチオン酸ナトリウムおよびココイルメチルイセチオン酸ナトリウムからなる群より選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項5】
少なくとも1つの成分(B)が、洗浄組成物の全重量に基づき、≧2.0~≦8.0wt.%の範囲の量で存在する、請求項1から4のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項6】
少なくとも1つのN-アシル化アミノ酸界面活性剤(C)がラウロイルサルコシンナトリウムからなる群より選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項7】
少なくとも1つの成分(C)が、洗浄組成物の全重量に基づき、≧1.0~≦4.0wt.%の範囲の量で存在する、請求項1から6のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項8】
少なくとも1つのベタイン(D)がココアミドプロピルベタインである、請求項1から7のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項9】
少なくとも1つの成分(D)が、洗浄組成物の全重量に基づき、≧2.0~≦6.0wt.%の範囲の量で存在する、請求項1から8のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項10】
洗浄組成物が水を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項11】
洗浄組成物が少なくとも1つのコンディショニング剤(E)を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項12】
洗浄組成物が≧5.0~≦6.0の範囲のpHを有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項13】
洗浄組成物がラウリルエーテル硫酸ナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウムを含まない、請求項1から12のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項14】
洗浄組成物が非イオン界面活性剤を含まない、請求項1から13のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項15】
少なくとも1つの成分(A)、少なくとも1つの成分(B)および少なくとも1つの成分(C)のwt.%の和と少なくとも1つの成分(D)のwt.%との比が、≧1.8:1.0~≦3.0:1.0の範囲である、請求項1から14のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の洗浄組成物を毛髪に塗布することを含む、毛髪を洗浄するための方法。
【請求項17】
毛髪を洗浄するための請求項1から15のいずれか一項に記載の洗浄組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、少なくとも1つのタウレート界面活性剤;イセチオネート界面活性剤およびメチルイセチオネート界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1つの界面活性剤;少なくとも1つのN-アシル化アミノ酸界面活性剤;ならびに毛髪コンディショニング組成物として使用される少なくとも1つのベタインを含む洗浄組成物、洗浄組成物を毛髪に塗布するための方法ならびに毛髪を洗浄するための洗浄組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、毛髪シャンプーおよびパーソナルケア洗浄製品には、通常アニオン界面活性剤を配合するか、またはアニオン界面活性剤および他の界面活性剤クラスより選択される1つもしくは複数の二次界面活性剤の組み合わせを配合する。アニオン界面活性剤は、組成物のシャンプー効率の認識に直接関するその優れた起泡性で知られている。特にサルフェート系界面活性剤、すなわち、ラウリル硫酸ナトリウムおよびラウリルエーテル硫酸ナトリウムは、泡の生成におけるその有効性のためにシャンプー組成物中に使用されることが多い。それにもかかわらず、サルフェート系界面活性剤は、皮膚に対してきつく刺激性がある場合があり、毛髪の退色および乾燥の一因となる可能性がある。
【0003】
サルフェートを含まない組成物は通常起泡性が乏しいために、サルフェート界面活性剤をシャンプー組成物から除去することは依然として困難である。
【0004】
EP3416613A1には、特定の両性界面活性剤または双性イオン界面活性剤と共に、アニオン界面活性剤の特定の組み合わせを含有するパーソナルケア組成物が開示されており、このアニオン界面活性剤のうちの1つは特定のタウレート界面活性剤であり、もう1つは特定のイセチオネート界面活性剤である。このパーソナルケア組成物によって、許容可能な起泡性およびコンディショニング性がもたらされる。
【0005】
WO2020/043336A1には、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、メチルココイルタウリンナトリウムおよびココアミドプロピルベタインを含む組成物が記載されている。
【0006】
EP3079654B1には、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性置換グアーおよびアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリドの共重合体の混合物を含むパーソナルケア組成物が開示されている。
【0007】
先行技術に開示されている方法および組成物には、限界がある。
【0008】
毛髪コンディショニング性能を損なわない良好な起泡性を有すると同時に、サルフェート含有界面活性剤を含まないパーソナルケア洗浄製品が必要とされている。
【0009】
したがって、本願発明の一目的は、良好な起泡性を示し毛髪コンディショニング性能を損なわないと同時に、サルフェート含有界面活性剤を含まない洗浄組成物を提供することである。
【発明の概要】
【0010】
驚くべきことに、少なくとも1つのN-アシル化アミノ酸界面活性剤を、アニオン界面活性剤および少なくとも1つのベタインの混合物に添加することによって、良好な起泡性を示し毛髪コンディショニング性能を損なわない洗浄組成物が形成されることが見出された。
【0011】
したがって、一態様において、本願発明は、
洗浄組成物であって、
(A)≧1.0~≦8.0wt.%の少なくとも1つのタウレート界面活性剤と、
(B)≧1.0~≦10.0wt.%のイセチオネート界面活性剤およびメチルイセチオネート界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1つの界面活性剤と、
(C)≧0.5~≦5.0wt.%の少なくとも1つのN-アシル化アミノ酸界面活性剤と、
(D)≧1.0~≦8.0wt.%の少なくとも1つのベタインと
を含み、wt.%がそれぞれ洗浄組成物の全重量に基づく、洗浄組成物を対象とする。
【0012】
別の態様において、本願発明は、本明細書に記載される本願発明の洗浄組成物を毛髪に塗布することを含む、毛髪を洗浄するための方法を対象とする。
【0013】
別の態様において、本願発明は、毛髪を洗浄するための本明細書に記載される本願発明の洗浄組成物の使用を対象とする。
【0014】
本願発明の他の目的、利点および用途は、以下の発明を実施するための形態から当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下の発明を実施するための形態は、本質的に例示的なものにすぎず、本願発明または本願発明の用途および使用を限定することを意図するものではない。さらに、前述の技術分野、背景技術、発明の概要または以下の発明を実施するための形態に提示されるいかなる理論にも束縛されることを意図するものではない。
【0016】
本明細書で使用される「含む(comprising)」、「含む(comprises)」および「からなる(comprised of)」という用語は、「含む(including)」、「含む(includes)」または「含有する(containing)」、「含有する(contains)」と同義であり、包括的または非限定的であり、追加の、記載されていないメンバー、要素または方法工程を除外しない。本明細書では、「含む(comprising)」、「含む(comprises)」および「からなる(comprised of)」という用語は、「からなる(consisting of)」、「なる(consists)」および「からなる(consists of)」という用語を含むことを理解されたい。
【0017】
さらに、本説明および本特許請求の範囲における「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」などの用語等は、同様の要素間を区別するために使用され、必ずしも順序または時系列順を記載するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下では交換可能であり、本明細書に記載される対象物の実施形態は、本明細書に記載されるかまたは説明される以外の順序で動作可能なことを理解すべきである。「(A)」、「(B)」および「(C)」または「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」、「(i)」、「(ii)」などの用語が、方法または使用またはアッセイの工程に関連し、工程の間に時間または時間間隔の干渉性がない場合、すなわち、本明細書の上記または下記に記載の用途において別途指示がない限り、工程は同時に実行され得るか、またはそのような工程の間に秒、分、時間、日、週、月、もしくは年までもの時間間隔があってもよい。
【0018】
以下の一節において、本対象物の異なる態様がより詳細に定義される。そのように定義されるそれぞれの態様は、それとは反対であることを明らかに示されない限り、任意の他の1つまたは複数の態様と組み合わされてもよい。特に、好ましいまたは有利であるとして示される任意の特徴は、好ましいまたは有利であるとして示される任意の他の1つまたは複数の特徴と組み合わされてもよい。
【0019】
本明細書の全体を通じて、「一実施形態」、または「実施形態」または「好ましい実施形態」への言及は、実施形態との関連で記載される特定の特徴、構造または特性が、本願発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体を通じる様々な場所で、「一実施形態において」または「実施形態において」または「好ましい実施形態において」という語句が出ることは、必ずしも全てが同じ実施形態を指していないが、指すこともある。さらに、特徴、構造または特性は、本開示から当業者には明らかとなるように、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方法に組み合わされてもよい。さらに、当業者によって理解されるように、本明細書に記載されるいくつかの実施形態には、他の実施形態には含まれる他の特徴を含まない、いくつかの特徴を含むが、異なる実施形態の特徴の組み合わせは、本対象物の範囲内であることを意味し、異なる実施形態を形成する。例えば、添付の特許請求の範囲において、特許請求されるいずれの実施形態も、任意の組み合わせで使用され得る。
【0020】
さらに、本明細書の全体を通じて定義される範囲には、端部の値も含まれ、すなわち、1~10の範囲は、1および10の両方がその範囲に含まれることを意味する。疑義を回避するために、本出願人は、適用法によって、いずれの等価物も得る権利がある。
【0021】
本願発明の目的に関して、本願発明に使用される場合、「重量%」または「wt.%」は、洗浄組成物の総重量に対するものである。さらに、本明細書に記載されるそれぞれの成分における全ての化合物のwt.-%の和は、合計すると100wt.-%となる。
【0022】
本願発明の目的に関して、「起泡性」いう表現によって瞬時の泡立ち(flash foam)および泡量を意味し、これらは泡質についての消費者の認識に影響を及ぼす主な要因である。特に実施例の部分に記載されるような周知の試験を、これらの要因を測定するために使用することができる。
【0023】
本願発明の目的に関して、「毛髪のコンディショニング」という表現によって、毛髪に有益な特性を与えることを意味する。例えば、「コンディショニングの改善」は、ほどきやすさの改善および/またはとかしやすさの改善を包含し得る。ほどきやすさは、毛髪をほどくために必要とされる時間を測定することによって決定することができる。ほどく時間が短いほど、毛髪をほどきやすい。とかしやすさは、毛髪をとかすために必要とされる作業を測定することによって決定することができる。とかす作業が少ないほど、毛髪をとかしやすい。
【0024】
上記および本明細書に記載される測定技術は当業者には周知であり、したがって本願発明を限定するものではない。
【0025】
本願発明の態様は、
洗浄組成物であって、
(A)≧1.0~≦8.0wt.%の少なくとも1つのタウレート界面活性剤と、
(B)≧1.0~≦10.0wt.%のイセチオネート界面活性剤およびメチルイセチオネート界面活性剤からなる群より選択される少なくとも1つの界面活性剤と、
(C)≧0.5~≦5.0wt.%の少なくとも1つのN-アシル化アミノ酸界面活性剤と、
(D)≧1.0~≦8.0wt.%の少なくとも1つのベタインと
を含み、wt.%がそれぞれ洗浄組成物の全重量に基づく、洗浄組成物を対象とする。
【0026】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物は、一般式(I)の化合物である少なくとも1つのタウレート界面活性剤を含み、
-C(=O)-N(CH)-CH-CH-SO-X (I)、
式中、Rは炭化水素ラジカルであり、Xは対イオンである。
【0027】
炭化水素ラジカルRは、10~22個の炭素原子を含有することが好ましい。対イオンXは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンまたはアンモニウムイオンであることが好ましい。アルカリ金属イオンは、ナトリウムイオンであることが好ましい。アルカリ金属イオンは、カリウムまたはリチウムなどの別のアルカリ金属イオンであることが好ましい。アルカリ土類金属イオンは、カルシウムまたはマグネシウムであることが好ましい。アンモニウムイオンは、イソプロピルアンモニウムなどの最大6個の炭素原子を有するアルキルアンモニウムイオンであることが好ましい。
【0028】
好ましい実施形態において、少なくとも1つのタウレート界面活性剤(A)は、メチルラウロイルタウリンナトリウム、メチルミリストイルタウリンナトリウム、メチルミリストイルタウリンカリウム、メチルココイルタウリンナトリウム、メチルオレオイルタウリンナトリウム、メチルラウロイルタウリンカルシウム、メチルラウロイルタウリンカリウムおよびメチルラウロイルタウリンアンモニウムからなる群より選択され、より好ましくはメチルココイルタウリンナトリウムおよびメチルオレオイルタウリンナトリウムからなる群より選択される。
【0029】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの成分(A)が、洗浄組成物の全重量に基づき、≧1.5~≦5.0wt.%の範囲の量で、より好ましくは≧1.5~≦4.0wt.%の範囲の量で、さらにより好ましくは≧2.0~≦3.0wt.%の範囲の量で本願発明の洗浄組成物に存在する。
【0030】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物は、一般式(II)の化合物である少なくとも1つのイセチオネート界面活性剤、
-C(=O)-O-CH-CH-SO-Y (II)、
または
一般式(III)の化合物である少なくとも1つのメチルイセチオネート界面活性剤、
-C(=O)-O-CH-CH(CH)-SO-Y (III)、
を含み、
式中、Rは6~30個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基またはアルキルアリール基であり、Yは対イオンであり、好ましくはRは6~30個の炭素原子を有する非置換のアルキル基であり、より好ましくはRは7~21個の炭素原子を有する非置換のアルキル基である。
【0031】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの界面活性剤(B)は、一般式(II)のイセチオネートまたは式(III)のメチルイセチオネートの混合物を形成するために脂肪酸の混合物を含み、式中、Rは同じまたは異なっている。脂肪酸は、脂肪酸の混合物を含むことが多い天然油から得られることが好ましい。例えば、ヤシ油から得られる脂肪酸は、C12ラウリン酸、C14ミリスチン酸、C16パルミチン酸およびC8カプリル酸を含む脂肪酸の混合物を含有する。
【0032】
好ましい実施形態において、Rは、1つもしくは複数の天然に存在する脂肪酸の残留物または1つもしくは複数の合成脂肪酸の残留物を含む。Rが好ましくは由来するカルボン酸の例としては、ココ酸(coco acid)、ヘキサン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、ヤシ油、パーム核油、乳脂肪、パーム油、オリーブ油、コーン油、亜麻仁油、落花生油、魚油および菜種油から得られる脂肪酸などの天然に存在する脂肪酸が挙げられる。
【0033】
好ましい実施形態において、対イオンYは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンまたはアンモニウムイオンである。アルカリ金属イオンはナトリウムイオンであることが好ましい。アルカリ金属イオンは、カリウムまたはリチウムなどの別のアルカリ金属イオンであることが好ましい。アルカリ土類金属イオンは、カルシウムまたはマグネシウムであることが好ましい。アンモニウムイオンは、イソプロピルアンモニウムなどの最大6個の炭素原子を有するアルキルアンモニウムイオンであることが好ましい。
【0034】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの界面活性剤(B)は、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、オレオイルイセチオン酸アンモニウムおよびオレオイルメチルイセチオン酸アンモニウムからなる群より選択され、より好ましくはココイルイセチオン酸ナトリウムおよびココイルメチルイセチオン酸ナトリウムからなる群より選択される。
【0035】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの成分(B)が、洗浄組成物の全重量に基づき、≧1.5または2.0~≦8.0wt.%の範囲の量で、より好ましくは≧3.0~≦7.0wt.%の範囲の量で、さらにより好ましくは≧4.0~≦6.0または5.0wt.%の範囲の量で本願発明の洗浄組成物に存在する。
【0036】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物は、一般式(IV)の化合物である少なくとも1つのN-アシル化アミノ酸界面活性剤(C)を含み、
-C(=O)-NR-CHR-(CH-C(=O)-O-Z (IV)、
式中、Rは6~30個の炭素原子を有する非置換のアルキル基であり、好ましくはRは7~21個の炭素原子を有する非置換のアルキル基であり、
は水素またはメチルであり、好ましくはRは水素であり、
は水素、C1~C4アルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4カルボキシアルキルおよびC1~C4アミノアルキルからなる群より選択され、好ましくはRは水素であり、
mは0または1、好ましくはmは0であり、
Zは対イオンである。
【0037】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの界面活性剤(C)は、N-アシル化アミノ酸界面活性剤の混合物を形成するために脂肪酸の混合物を含み、式中、Rは同じまたは異なっている。脂肪酸は、脂肪酸の混合物を含むことが多い天然油から得られることが好ましい。例えば、ヤシ油から得られる脂肪酸は、C12ラウリン酸、C14ミリスチン酸、C16パルミチン酸およびC8カプリル酸を含む脂肪酸の混合物を含有する。
【0038】
好ましい実施形態において、Rは、1つもしくは複数の天然に存在する脂肪酸の残留物または1つもしくは複数の合成脂肪酸の残留物を含む。Rが好ましくは由来するカルボン酸の例としては、ココ酸、ヘキサン酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキジン酸、ガドレイン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、リグノセリン酸、ヤシ油、パーム核油、乳脂肪、パーム油、オリーブ油、コーン油、亜麻仁油、落花生油、魚油および菜種油から得られる脂肪酸などの天然に存在する脂肪酸が挙げられる。
【0039】
好ましい実施形態において、対イオンZは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンまたはアンモニウムイオンである。アルカリ金属イオンはナトリウムイオンであることが好ましい。アルカリ金属イオンは、カリウムまたはリチウムなどの別のアルカリ金属イオンであることが好ましい。アルカリ土類金属イオンは、カルシウムまたはマグネシウムであることが好ましい。アンモニウムイオンは、イソプロピルアンモニウムなどの最大6個の炭素原子を有するアルキルアンモニウムイオンであることが好ましい。
【0040】
好ましい実施形態において、少なくとも1つのN-アシル化アミノ酸界面活性剤(C)は、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、オレオイルサルコシンナトリウムおよびラウロイルサルコシンアンモニウムからなる群より選択され、より好ましくは少なくとも1つのN-アシル化アミノ酸界面活性剤(C)は、ラウロイルサルコシンナトリウムからなる群より選択される。
【0041】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの成分(C)が、洗浄組成物の全重量に基づき、≧1.0~≦4.0wt.%の範囲の量で、より好ましくは≧1.0~≦3.0wt.%の範囲の量で、さらにより好ましくは≧1.0~≦2.0wt.%の範囲の量で本願発明の洗浄組成物に存在する。
【0042】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物は、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタインおよびアルキルスルホベタインからなる群より選択される少なくとも1つのベタイン(D)を含む。
【0043】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物は、一般式(V)の少なくとも1つのアルキルベタインを含み、
-CH-C(=O)-O (V)
式中、Rは7~22個の炭素原子を有する置換または非置換のアルキル基またはアルケニル基であり、RおよびRはそれぞれ同じまたは異なっていて、C1~C6アルキル、C1~C6ヒドロキシアルキルおよびC1~C6カルボキシアルキルからなる群より選択される。Rは、好ましくはココナツに由来するC12アルキル基およびC14アルキル基の混合物であり、したがってこれらの基Rの少なくとも半分、好ましくは少なくとも4分の3は10~14個の炭素原子を有する。RおよびRはメチルであることが好ましい。
【0044】
好ましい実施形態において、少なくとも1つのベタイン(D)は、ココベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルベタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ベヘニルベタイン、カプリルベタイン、カプラミドプロピルベタインおよびステアリルベタインからなる群より選択され、より好ましくは少なくとも1つのベタイン(D)はココアミドプロピルベタインである。
【0045】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの成分(D)が、洗浄組成物の全重量に基づき、≧2.0~≦6.0wt.%の範囲の量で、より好ましくは≧3.0~≦5.0wt.%の範囲の量で、さらにより好ましくは≧4.0~≦5.0wt.%の範囲の量で本願発明の洗浄組成物に存在する。
【0046】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物は水を含み、より好ましくは水は洗浄組成物の全重量に基づき、≧80.0~≦96.5wt.%の範囲の量で存在する。別の実施形態において、本願発明の洗浄組成物は、洗浄組成物の全重量に基づき、≧80.0~≦96.5wt.%の範囲の量で水を含有する本願発明の組成物を調製するのに適切な濃縮物の形態で存在する。洗浄組成物は普通、個々の界面活性剤とコンディショニング剤を混合することによって調製される。これらの成分は濃縮溶液として供給されてよく、濃縮溶液は配合者(formulator)によって適切な比率で希釈および/または組み合わされる。本願発明は、本願発明の組成物を調製するための成分原料として使用されるいずれの界面活性剤濃縮物、および特に限定的なレベルの水を含有する界面活性剤濃縮物を包含する(コストおよび環境保護の観点からより有利である)。
【0047】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物は、少なくとも1つのコンディショニング剤(E)を含む。コンディショニング剤(E)は、カチオン性コンディショニング剤または両性コンディショニング剤であることが好ましい。コンディショニング剤は、オイルの付着を補助する。これらのコンディショニング剤は、いくらかのコンディショニング効果を提供することが好ましい。これらのコンディショニング剤は、例えば、毛髪の外観および感触を向上させ、毛髪の厚みまたは毛髪の柔軟性を増加させ、とかすことおよびスタイリングすることを容易にし、艶または光沢を改善し、ならびに化学作用または物理作用によって傷んだ毛髪の質感を改善することができる。これらのコンディショニング剤は、毛髪の静電気特性を変化させることに静電気防止効果を提供する場合がある。
【0048】
好ましい実施形態において、少なくとも1つのコンディショニング剤(E)は、カチオン性セルロースである。カチオン性セルロースは、この業界でポリクオタニウム-10と呼ばれるトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの塩を含む。別のタイプのカチオン性セルロースには、この業界でポリクオタニウム-24と呼ばれるラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応したヒドロキシエチルセルロースの高分子四級アンモニウム塩が含まれる。
【0049】
別の好ましい実施形態において、少なくとも1つのコンディショニング剤(E)は、カチオン性多糖類重合体、特にSolvayから市販のJAGUARという登録商標シリーズであるグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどのカチオン性グアーガム誘導体である。
【0050】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの成分(E)が、ポリクオタニウム-1、ポリクオタニウム-2、ポリクアテルニウム-4、ポリクアテルニウム-5、ポリクアテルニウム-6、ポリクアテルニウム-7、ポリクアテルニウム-8、ポリクアテルニウム-9、ポリクアテルニウム-10、ポリクアテルニウム-11、ポリクアテルニウム-12、ポリクアテルニウム-13、ポリクアテルニウム-14、ポリクアテルニウム-15、ポリクアテルニウム-16、ポリクアテルニウム-17、ポリクアテルニウム-18、ポリクアテルニウム-19、ポリクアテルニウム-20、ポリクアテルニウム-22、ポリクアテルニウム-24、ポリクアテルニウム-27、ポリクアテルニウム-28、ポリクアテルニウム-29、ポリクアテルニウム-30、ポリクアテルニウム-31、ポリクアテルニウム-32、ポリクアテルニウム-33、ポリクアテルニウム-34、ポリクアテルニウム-35、ポリクアテルニウム-36、ポリクアテルニウム-37、ポリクアテルニウム-38、ポリクアテルニウム-39、ポリクアテルニウム-43、ポリクアテルニウム-44、ポリクアテルニウム-45、ポリクアテルニウム-46、ポリクアテルニウム-47、ポリクアテルニウム-48、ポリクアテルニウム-49、ポリクアテルニウム-50、ポリクアテルニウム-52、ポリクアテルニウム-53、ポリクアテルニウム-54、ポリクアテルニウム-55、ポリクアテルニウム-56、ポリクアテルニウム-57、ポリクアテルニウム-58、ポリクアテルニウム-59、ポリクアテルニウム-60、ポリクアテルニウム-63、ポリクアテルニウム-64、ポリクアテルニウム-65、ポリクアテルニウム-66、ポリクアテルニウム-67、ポリクアテルニウム-70、ポリクアテルニウム-73、ポリクアテルニウム-74、ポリクアテルニウム-75、ポリクアテルニウム-76、ポリクアテルニウム-85、ポリクオタニウム-86、ポリベータ-アラニン、ポリイプシロン-リジン、ポリリジン、PEG-8/SMDI共重合体、PPG-12/SMDI共重合体、PPG-51/SMDI共重合体、PPG-7/コハク酸共重合体、IPDI/PEG-15コカミン共重合体、IPDI/PEG-15コカミン共重合体ダイマージリノレート、IPDI/PEG-15ソイアミン共重合体、IPDI/PEG-15ソイアミンオキシド共重合体、IPDI/PEG-15ソイエトニウムエトサルフェート共重合体、ポリクオタニウム-4/ヒドロキシプロピルデンプン共重合体、カッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、キトサンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、デキストランヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ガラクトアラビナンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ニンジン(ginseng)ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ロカストビーンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、デンプンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コーンスターチ、ヒドロキシプロピル酸化デンプンPG-トリモニウムクロリド、タマリンド(tamarindus indica)ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、ポリメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、ポリアクリルアミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、プロピルトリモニウムクロリドメタクリルアミド/ジメチルアクリルアミド共重合体、アクリルアミド/エタルコニウムクロリドアクリレート共重合体、アクリルアミド/エチルトリモニウムクロリドアクリレート/エタルコニウムクロリドアクリレート共重合体、アクリレート/カルバメート共重合体、アジピン酸/メチルDEA架橋重合体、ジエチレングリコール/DMAPアクリルアミド/PEG-180/HDI共重合体、ジヒドロキシエチル牛脂アミン(tallowamine)/IPDI共重合体、ジメチルアミン/エチレンジアミン/エピクロロヒドリン共重合体、HEMAグルコシド/エチルメタクリレートトリモニウムクロリド共重合体、加水分解コムギタンパク質/PEG-20アセテート共重合体、加水分解コムギタンパク質/PVP架橋重合体、エチルトリモニウムクロリドメタクリレート/ヒドロキシエチルアクリルアミド共重合体および四級化ホスフェートエステル、すなわちリノールアミドプロピルPG-ジモニウムクロリドホスフェートからなる群より選択され、より好ましくは少なくとも1つの成分(E)は、ポリクオタニウム-10およびグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドからなる群より選択される。
【0051】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの成分(E)は、洗浄組成物の全重量に基づき、≧0.1~≦1.0wt.%の範囲の量で、より好ましくは≧0.15~≦0.9wt.%の範囲の量で、さらにより好ましくは≧0.2~≦0.8、0.7、0.6または0.5wt.%の範囲の量で本願発明の洗浄組成物に存在する。
【0052】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物は、少なくとも1つの化粧品的に許容されるアジュバント(F)を含む。
【0053】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物は、防腐剤、抗フケ剤、電解質、pH調整剤、香料、染料、封鎖剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、ジカルボン酸、炭化水素、ビタミンE、ビタミンEエステル、パンテノール、パンテニルエチルエーテル、加水分解ケラチン、タンパク質、ペプチド、植物抽出物、栄養素および抗脱毛剤からなる群より選択される少なくとも1つの成分(F)を含む。
【0054】
好ましい実施形態において、防腐剤は、ベンジルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニル尿素、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、サリチル酸、ギ酸ナトリウムおよびフェノキシエタノール、メチルクロロイソチアゾリノンおよびメチルイソチアゾリノンからなる群より選択される。
【0055】
好ましい実施形態において、抗フケ剤は、クリンバゾール、オクトピロックスおよびジンクピリチオン、サリチル酸、元素状硫黄、二酸化セレン、ならびにアゾール抗真菌薬からなる群より選択される。好ましい実施形態において、抗フケ剤は、洗浄組成物の全重量に基づき、≧0.1~≦1.0wt.%の範囲の量で、より好ましくは≧0.2~≦0.9wt.%の範囲の量で、さらにより好ましくは≧0.3~≦0.8、0.7、0.6または0.5wt.%の範囲の量で本願発明の洗浄組成物に存在する。
【0056】
好ましい実施形態において、pH調整剤は、クエン酸およびその塩、コハク酸およびその塩、リン酸およびその塩、水酸化ナトリウム、ならびに炭酸ナトリウムからなる群より選択され、より好ましくはpH調整剤はクエン酸およびその塩であり、特にpH調整剤はクエン酸三ナトリウム塩である。好ましい実施形態において、pH調整剤は、洗浄組成物の全重量に基づき、≧0.1~≦0.5wt.%の範囲の量で存在する。
【0057】
好ましい実施形態において、「電解質」という用語は、使用されている濃度で本願発明の洗浄組成物に完全に可溶型であるイオン性塩を指す。好ましくは電解質は、アルカリ塩およびアンモニウム塩からなる群より選択され、より好ましくは電解質は、NaClまたはKClなどのアルカリ塩である。好ましい実施形態において、電解質は、洗浄組成物の全重量に基づき、≧0.1~≦0.3wt.%の範囲の量で存在する。
【0058】
好ましい実施形態において、洗浄組成物には、天然または合成の供給源から得られた香料が含まれる。香料は、適切な溶媒、希釈剤または担体と共に使用され得る。香料は、洗浄組成物に所望の香りの特性を増加させるか、または与えるのに有用であることがわかる量で、例えば、組成物に混合し、または組成物を形成するために使用される他の原料と配合するなど、任意の従来知られている方法で添加されてもよい。本出願のための香料は、化合物の以下の非限定的な群、例えば、飽和化合物および不飽和化合物、ならびに脂肪族化合物、炭素環式化合物および複素環式化合物を含む、精油、アブソリュート(absolute)、レジノイド、レジン、コンクリート、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル、酸、エステル、アセタール、ケタール、ニトリルなどより選択される1つまたは複数であり得る。
【0059】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物には染料が含まれ、これはここでは、天然染料ならびに食品用途、薬用途および化粧品用途に適切な染料が含まれる。これらの着色剤は、FD&C染料およびD&C染料ならびにレーキとしても知られており、これらは本来水可溶型であることが好ましい。
【0060】
さらに別の実施形態において、洗浄組成物は、封鎖剤を含む。本明細書では、「封鎖剤」という用語は、化合物の2つ以上の原子の間で金属イオンを結合または錯体化させることができる化合物に関し、それによってそのような金属イオンの有害性を中和または制御し、金属イオンの保持または結合は、配位結合および/またはイオン結合を含む1つまたは複数の異なるタイプの結合を組み合わせることによる。適切な有機封鎖剤または無機封鎖剤は、ポリオール、グルコネート、ソルビトール、マンニトール、カーボネート、ヒドロキサメート、カテコール、アルカノールアミン、金属イオン封鎖剤、ヒドロキシ-カルボン酸、アミノカルボン酸、アミノポリカルボン酸、ポリアミン、ポリホスフェート、ホスホン酸、クラウンエーテル、アミノ酸、ポリカルボン酸、シクロデキストリン、ホスホネート、ポリアクリレートまたはポリカルボキシレート重合体および縮合ホスフェートからなる群より選択される。
【0061】
さらに別の実施形態において、洗浄組成物は、脂肪酸またはそのエステルを含む。適切な脂肪酸には、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、およびイソステアリン酸が含まれる。
【0062】
さらに別の実施形態において、洗浄組成物は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、ガラクタル酸、クエン酸、オキソマロン酸およびケトグルタル酸からなる群より選択されるジカルボン酸を含む。
【0063】
さらに別の実施形態において、洗浄組成物は、炭化水素および/またはポリテルペンを含む。
【0064】
好ましい実施形態において、洗浄組成物はタンパク質、より好ましくは加水分解カチオン性タンパク質または非カチオン性タンパク質を含む。これらの化合物の例としては、トリメチルアンモニウム基およびトリメチルステアリルアンモニウムクロリド基を有する加水分解コラーゲン、トリメチルベンジルアンモニウム基を有する加水分解動物性タンパク質(ベンジルトリモニウム加水分解動物性タンパク質)、ポリペプチド鎖に四級アンモニウムの基を有する加水分解タンパク質が挙げられる。セラミドタイプの化合物には、セラミド、グリコセラミド、擬似セラミド(pseudoceramide)、またはネオセラミド(neoceramide)が含まれる。
【0065】
好ましい実施形態において、洗浄組成物は、チアミン、ニコチン酸、ビオチン、パントテン酸、コリン、リボフラビン、ビタミンB6、ビタミンB12、ピリドキシン、イノシトール、カルニチンを含むビタミンB複合体、ビタミンAパルミテートなどのビタミンA、C、D、E、Kおよびその誘導体、ならびにプロビタミン、例えば、パンテノール(プロビタミンB5)、パンテノールトリアセテートおよびそれらの混合物などのビタミンまたはその誘導体を含む。
【0066】
好ましい実施形態において、適切な抗酸化剤は、本願発明の洗浄組成物の有効期間の向上を容易にするために添加されてもよい。使用され得る抗酸化剤には、ビタミンE、ビタミンEアセテート、ビタミンC、ビタミンA、およびビタミンD、ならびにその誘導体などのビタミンが含まれる。追加の例示的抗酸化剤には、没食子酸のプロピル、オクチルおよびドデシルエステル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ならびにノルジヒドログアヤレト酸が含まれるが、それだけには限定されない。
【0067】
好ましい実施形態において、洗浄組成物は、ハンノキ、アルニカ、カワラヨモギ(artemisia capillaris)、アジア蒟蒻(Asia arum root)、キンセンカ、カモミール、分生子、コンフリー、フェンネル、サンザシ、ドクダミ、オトギリソウ、ナツメ、キーウィ、カンゾウ、モクレン、オリーブ、ペパーミント、フィロデンドロンおよびサルビアからなる群より選択される植物抽出物を含む。
【0068】
好ましい実施形態において、洗浄組成物は、カフェインおよびサンダルペンタノール(sandal pentanol)からなる群より選択される抗脱毛剤を含む。
【0069】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの成分(F)は、洗浄組成物の全重量に基づき、≧0.5~≦4.0wt.%の範囲の量で存在する。
【0070】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物は、≧4.0~≦6.5の範囲の、より好ましくは≧5.0~≦6.0の範囲のpHを有する。
【0071】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物は、サルフェート含有界面活性剤を含まない、すなわち、この組成物は、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウレス硫酸ナトリウム(SLES)、ラウリル硫酸アンモニウム(ALS)またはラウレス硫酸アンモニウム(ALES)などのサルフェートの誘導体であるいずれのアニオン界面活性剤も含有せず(0%)、より好ましくは本願発明の洗浄組成物は、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウムを含まない。
【0072】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物は、非イオン界面活性剤を含まない、すなわち、この組成物は非イオン界面活性剤を含有しない(0%)。非イオン界面活性剤は、脂肪アルコールポリオキシアルキレンエステル、C1~C6アルコールまたはC7~C30脂肪アルコールに由来するアルキルポリオキシアルキレンエーテル、アルキルアリールアルコールポリオキシエチレンエーテル、アルコキシル化動物および/または植物脂肪および/または油、グリセロールエステル、アルキルフェノールアルコキシレート、脂肪アミンアルコキシレート、脂肪酸アミドおよび脂肪酸ジエタノールアミドアルコキシレート、そのエトキシレート、糖界面活性剤、ソルビトールエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、N-アルキルグルコンアミド、アルキルメチルスルホキシドおよびアルキルジメチルホスフィンオキシドからなる群より選択される。
【0073】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物は、アルカノールアミド界面活性剤およびグリコシド界面活性剤からなる群より選択される非イオン界面活性剤を含まない、すなわち、この組成物は、アルカノールアミド界面活性剤およびグリコシド界面活性剤からなる群より選択される非イオン界面活性剤を含有しない(0%)。
【0074】
アルカノールアミド界面活性剤は、アセトアミドMEA、コカミドMEA、コカミドDEA、コカミドメチルMEA、コカミドMIPA、ヒドロキシステアルアミドMEA、PEG-5コカミドMEA、ラクトアミドMEA、ラウラミドMEAおよびラウラミドDEAを含むことが好ましい。
【0075】
グリコシド界面活性剤は、好ましくはブチルグルコシド、ノニルグルコシド、デシルグルコシド、ドデシルグルコシド、ヘキサデシルグルコシド、オクタデシルグルコシド、ココグルコシド、ラウリルグルコシド、カプロイルエチルグルコシド、カプリリル/カプリルグルコシド、カプリリルグルコシドなどのC4~C22アルキルヘキソシド(alkylhexoside)、ブチルポリグルコシド、ノニルポリグルコシド、デシルポリグルコシド、テトラデシルポリグルコシド、ヘキサデシルポリグルコシド、エルシルポリグルコシド(erucylpolyglucoside)などのC4~C22アルキルポリヘキソシド、ノニルアルビノシド、デシルアラビノシド、ヘキサデシルアラビノシド、オクチルキシロシド、ノニルキシロシド、デシルキシロシド、ヘキサデシルキシロシド、エルシルキシロシドなどのC4~C33アルキルペントシドならびにブチルポリアラビノシド、ノニルポリアルビノシド、デシルポリアラビノシド、ヘキサデシルポリアルビノシド、オクタデシルポリアラビノシド、エルシルポリアラビノシド、ブチルポリキシロシド、ノニルポリキシロシド、デシルポリキシロシド、オクタデシルポリキシロシドおよびエルシルポリキシロシドなどのC4~C22アルキルポリペントシド、ブチルポリ(アラビノ-co-キシロ)シド、ノニルポリ(アルビノ-co-キシロ)シド、デシルポリ(アルビノ-co-キシロ)シド、ヘキサデシルポリ(アラビノ-co-キシロ)シド、オクタデシルポリ(アラビノ-co-キシロ)シドおよびエルシルポリ(アラビノ-co-キシロ)シドを含み、「ポリ(アラビノ-co-キシロ)シド」という用語は、アラビノースおよびキシロースの単量体残留物の共重合体の鎖を意味する。
【0076】
好ましい実施形態において、アニオン界面活性剤、すなわち、少なくとも成分(A)、少なくとも成分(B)および少なくとも成分(C)の総量は、両性界面活性剤または双性イオン界面活性剤の総量、すなわち、少なくとも1つの成分(D)の総量以上であり、より好ましくは少なくとも1つの成分(A)、少なくとも1つの成分(B)および少なくとも1つの成分(C)のwt.%の和と少なくとも1つの成分(D)のwt.%との比は、≧1.8:1.0~≦3.0:1.0の範囲である。
【0077】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物は、RVスピンドル4または5を有するBrookfield ViscosimeterDV-II型を10RPMで使用して恒温室(21℃)で24時間後に測定される≧1500~≦50000mPa.sの範囲の、より好ましくは≧2500~≦30000mPa.sの範囲の、さらにより好ましくは≧3000~≦25000mPa.sの範囲の粘度を有する。
【0078】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物は、
(A)メチルココイルタウリンナトリウムおよびメチルオレオイルタウリンナトリウムからなる群より選択される≧1.5~≦5.0wt.%の少なくとも1つのタウレート界面活性剤と、
(B)ココイルイセチオン酸ナトリウムおよびココイルメチルイセチオン酸ナトリウムからなる群より選択される≧2.0~≦8.0wt.%の少なくとも1つの界面活性剤と、
(C)ラウロイルサルコシンナトリウムからなる群より選択される≧1.0~≦4.0wt.%の少なくとも1つのN-アシル化アミノ酸界面活性剤と、
(D)≧2.0~≦6.0wt.%のココアミドプロピルベタインと、
(E)ポリクオタニウム-10およびグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドからなる群より選択される≧0.1~≦1.0wt.%の少なくとも1つのコンディショニング剤と
を含み、wt.%は、それぞれ洗浄組成物の全重量に基づく。
【0079】
好ましい実施形態において、本願発明の洗浄組成物は、例えば、シャンプーの場合、シャンプーを皮膚および/または毛髪に塗布することによって、ならびに場合によりシャンプーを水で皮膚および/または毛髪から洗い流すことによってなど、当分野で公知の方法で使用される。したがって、本願発明は、本明細書に記載される洗浄組成物を皮膚および/または毛髪に塗布することを含む、毛髪を洗浄するための方法も対象とする。
【0080】
別の好ましい実施形態において、本願発明は、毛髪および/または皮膚を洗浄するための本明細書に記載される洗浄組成物の使用を対象とする。
【0081】
本願発明は、1つまたは複数の以下の利点に関連している。
・本願発明の洗浄組成物は、優れた起泡挙動をもたらす。
・本願発明の洗浄組成物は、毛髪の良好なコンディショニングを示す。
・本願発明の洗浄組成物は、満足な粘度、すなわち、≧1500~≦50000mPa.sの範囲の粘度を有する。
・本願発明の洗浄組成物は、少量の界面活性剤を含有する。
【0082】
実施形態
本開示を以下に列挙した特定の実施形態に限定することを意図することなく、本開示をさらに説明するために以下の実施形態のリストを記載する。
【0083】
1.洗浄組成物であって、
(A)≧1.0~≦8.0wt.%の少なくとも1つのタウレート界面活性剤と、
(B)イセチオネート界面活性剤およびメチルイセチオネート界面活性剤からなる群より選択される≧1.0~≦10.0wt.%の少なくとも1つの界面活性剤と、
(C)≧0.5~≦5.0wt.%の少なくとも1つのN-アシル化アミノ酸界面活性剤と、
(D)≧1.0~≦8.0wt.%の少なくとも1つのベタインと
を含み、wt.%はそれぞれ洗浄組成物の全重量に基づく、洗浄組成物。
【0084】
2.少なくとも1つのタウレート界面活性剤(A)が、メチルラウロイルタウリンナトリウム、メチルミリストイルタウリンナトリウム、メチルミリストイルタウリンカリウム、メチルココイルタウリンナトリウム、メチルオレオイルタウリンナトリウム、メチルラウロイルタウリンカルシウム、メチルラウロイルタウリンカリウムおよびメチルラウロイルタウリンアンモニウムからなる群より選択される、実施形態1に記載の洗浄組成物。
【0085】
3.少なくとも1つのタウレート界面活性剤(A)が、メチルココイルタウリンナトリウムおよびメチルオレオイルタウリンナトリウムからなる群より選択される、実施形態2に記載の洗浄組成物。
【0086】
4.少なくとも1つの成分(A)が、洗浄組成物の全重量に基づき、≧1.5~≦5.0wt.%の範囲の量で存在する、実施形態1から3のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【0087】
5.少なくとも1つの界面活性剤(B)が、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルイセチオン酸ナトリウム、ミリストイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、オレオイルイセチオン酸アンモニウムおよびオレオイルメチルイセチオン酸アンモニウムからなる群より選択される、実施形態1から4のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【0088】
6.少なくとも1つの界面活性剤(B)が、ココイルイセチオン酸ナトリウムおよびココイルメチルイセチオン酸ナトリウムからなる群より選択される、実施形態5に記載の洗浄組成物。
【0089】
7.少なくとも1つの成分(B)が、洗浄組成物の全重量に基づき、≧1.5~≦8.0wt.%の範囲の量で存在する、実施形態1から6のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【0090】
8.少なくとも1つのN-アシル化アミノ酸界面活性剤(C)が、ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、オレオイルサルコシンナトリウムおよびラウロイルサルコシンアンモニウムからなる群より選択される、実施形態1から7のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【0091】
9.少なくとも1つのN-アシル化アミノ酸界面活性剤(C)がラウロイルサルコシンナトリウムからなる群より選択される、実施形態8に記載の洗浄組成物。
【0092】
10.少なくとも1つの成分(C)が、洗浄組成物の全重量に基づき、≧1.0~≦4.0wt.%の範囲の量で存在する、実施形態1から9のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【0093】
11.少なくとも1つのベタイン(D)が、ココベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウリルジメチルベタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ベヘニルベタイン、カプリルベタイン、カプラミドプロピルベタインおよびステアリルベタインからなる群より選択される、実施形態1から10のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【0094】
12.少なくとも1つのベタイン(D)がココアミドプロピルベタインである、実施形態11に記載の洗浄組成物。
【0095】
13.少なくとも1つの成分(D)が、洗浄組成物の全重量に基づき、≧2.0~≦6.0wt.%の範囲の量で存在する、実施形態1から12のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【0096】
14.洗浄組成物が水を含む、実施形態1から13のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【0097】
15.水が、洗浄組成物の全重量に基づき、≧80.0~≦96.5wt.%の量で存在する、実施形態14に記載の洗浄組成物。
【0098】
16.洗浄組成物が少なくとも1つのコンディショニング剤(E)を含む、実施形態1から15のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【0099】
17.少なくとも1つの成分(E)が、ポリクオタニウム-1、ポリクオタニウム-2、ポリクアテルニウム-4、ポリクアテルニウム-5、ポリクアテルニウム-6、ポリクアテルニウム-7、ポリクアテルニウム-8、ポリクアテルニウム-9、ポリクアテルニウム-10、ポリクアテルニウム-11、ポリクアテルニウム-12、ポリクアテルニウム-13、ポリクアテルニウム-14、ポリクアテルニウム-15、ポリクアテルニウム-16、ポリクアテルニウム-17、ポリクアテルニウム-18、ポリクアテルニウム-19、ポリクアテルニウム-20、ポリクアテルニウム-22、ポリクアテルニウム-24、ポリクアテルニウム-27、ポリクアテルニウム-28、ポリクアテルニウム-29、ポリクアテルニウム-30、ポリクアテルニウム-31、ポリクアテルニウム-32、ポリクアテルニウム-33、ポリクアテルニウム-34、ポリクアテルニウム-35、ポリクアテルニウム-36、ポリクアテルニウム-37、ポリクアテルニウム-38、ポリクアテルニウム-39、ポリクアテルニウム-43、ポリクアテルニウム-44、ポリクアテルニウム-45、ポリクアテルニウム-46、ポリクアテルニウム-47、ポリクアテルニウム-48、ポリクアテルニウム-49、ポリクアテルニウム-50、ポリクアテルニウム-52、ポリクアテルニウム-53、ポリクアテルニウム-54、ポリクアテルニウム-55、ポリクアテルニウム-56、ポリクアテルニウム-57、ポリクアテルニウム-58、ポリクアテルニウム-59、ポリクアテルニウム-60、ポリクアテルニウム-63、ポリクアテルニウム-64、ポリクアテルニウム-65、ポリクアテルニウム-66、ポリクアテルニウム-67、ポリクアテルニウム-70、ポリクアテルニウム-73、ポリクアテルニウム-74、ポリクアテルニウム-75、ポリクアテルニウム-76、ポリクアテルニウム-85、ポリクオタニウム-86、ポリベータ-アラニン、ポリイプシロン-リジン、ポリリジン、PEG-8/SMDI共重合体、PPG-12/SMDI共重合体、PPG-51/SMDI共重合体、PPG-7/コハク酸共重合体、IPDI/PEG-15コカミン共重合体、IPDI/PEG-15コカミン共重合体ダイマージリノレート、IPDI/PEG-15ソイアミン共重合体、IPDI/PEG-15ソイアミンオキシド共重合体、IPDI/PEG-15ソイエトニウムエトサルフェート共重合体、ポリクオタニウム-4/ヒドロキシプロピルデンプン共重合体、カッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、キトサンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、デキストランヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ガラクトアラビナンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ニンジンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ロカストビーンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、デンプンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヒドロキシプロピルトリモニウム加水分解コーンスターチ、ヒドロキシプロピル酸化デンプンPG-トリモニウムクロリド、タマリンド(tamarindus indica)ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリアクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、ポリメタクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド、ポリアクリルアミドプロピルトリモニウムメトサルフェート、プロピルトリモニウムクロリドメタクリルアミド/ジメチルアクリルアミド共重合体、アクリルアミド/エタルコニウムクロリドアクリレート共重合体、アクリルアミド/エチルトリモニウムクロリドアクリレート/エタルコニウムクロリドアクリレート共重合体、アクリレート/カルバメート共重合体、アジピン酸/メチルDEA架橋重合体、ジエチレングリコール/DMAPアクリルアミド/PEG-180/HDI共重合体、ジヒドロキシエチル牛脂アミン/IPDI共重合体、ジメチルアミン/エチレンジアミン/エピクロロヒドリン共重合体、HEMAグルコシド/エチルメタクリレートトリモニウムクロリド共重合体、加水分解コムギタンパク質/PEG-20アセテート共重合体、加水分解コムギタンパク質/PVP架橋重合体、エチルトリモニウムクロリドメタクリレート/ヒドロキシエチルアクリルアミド共重合体からなる群より選択される、実施形態16に記載の洗浄組成物。
【0100】
18.少なくとも1つの成分(E)が、ポリクオタニウム-10およびグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドからなる群より選択される、実施形態17に記載の洗浄組成物。
【0101】
19.少なくとも1つの成分(E)が、洗浄組成物の全重量に基づき、≧0.1~≦1.0wt.%の範囲の量で存在する、実施形態16から18のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【0102】
20.洗浄組成物が少なくとも1つの化粧品的に許容されるアジュバント(F)を含む、実施形態1から19のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【0103】
21.少なくとも1つの成分(F)が、防腐剤、抗フケ剤、電解質、pH調整剤、香料、染料、封鎖剤、脂肪酸、脂肪酸エステル、ジカルボン酸、炭化水素、ビタミンE、ビタミンEエステル、パンテノール、パンテニルエチルエーテル、加水分解ケラチン、タンパク質、ペプチド、植物抽出物、栄養素および抗脱毛剤からなる群より選択される、実施形態20に記載の洗浄組成物。
【0104】
22.少なくとも1つの成分(F)が、洗浄組成物の全重量に基づき、≧0.5~≦4.0wt.%の範囲の量で存在する、実施形態20または21に記載の洗浄組成物。
【0105】
23.洗浄組成物が≧4.0~≦6.5の範囲のpHを有する、実施形態1から22のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【0106】
24.洗浄組成物が≧5.0~≦6.0の範囲のpHを有する、実施形態23に記載の洗浄組成物。
【0107】
25.洗浄組成物がラウリルエーテル硫酸ナトリウムおよびラウリル硫酸ナトリウムを含まない、実施形態1から24のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【0108】
26.洗浄組成物が非イオン界面活性剤を含まない、実施形態1から25のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【0109】
27.少なくとも1つの成分(A)、少なくとも1つの成分(B)および少なくとも1つの成分(C)のwt.%の和と少なくとも1つの成分(D)のwt.%との比が≧1.8:1.0~≦3.0:1.0の範囲である、実施形態1から26のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【0110】
28.(A)メチルココイルタウリンナトリウムおよびメチルオレオイルタウリンナトリウムからなる群より選択される≧1.5~≦5.0wt.%の少なくとも1つのタウレート界面活性剤と、
(B)ココイルイセチオン酸ナトリウムおよびココイルメチルイセチオン酸ナトリウムからなる群より選択される≧1.5~≦8.0wt.%の少なくとも1つの界面活性剤と、
(C)ラウロイルサルコシンナトリウムからなる群より選択される≧1.0~≦4.0wt.%の少なくとも1つのN-アシル化アミノ酸界面活性剤と、
(D)≧2.0~≦6.0wt.%のココアミドプロピルベタインと、
(E)ポリクオタニウム-10およびグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドからなる群より選択される≧0.1~≦1.0wt.%の少なくとも1つのコンディショニング剤と
を含み、wt.%はそれぞれ洗浄組成物の全重量に基づく、実施形態1から27のいずれか一項に記載の洗浄組成物。
【0111】
29.実施形態1から28のいずれか一項の洗浄組成物を毛髪に塗布することを含む、毛髪を洗浄するための方法。
【0112】
30.毛髪を洗浄するための実施形態1から28のいずれか一項に記載の洗浄組成物の使用。
【0113】
本願発明を特定の実施形態の観点から記載してきたが、ある一定の変更形態および等価物は当業者には明らかであり、本願発明の範囲内に含まれることを意図している。
【実施例0114】
本願発明を、以下の非制限的な実施例によって詳細に説明する。より詳細には、以下に明記した試験方法は、本出願の一般的な開示の一部であり、特定の実施例に制限されない。
【0115】
材料
・メチルオレオイルタウリンナトリウムは、Innospec Performance Materialsから市販されている(PUREACT MS-CG)
・メチルココイルタウリンナトリウムは、Innospec Performance Materialsから市販されている(PUREACT MS-WS)
・ラウロイルサルコシンナトリウムは、Crodaから市販されている(Crodasinic LS30 NT MBAC)
・ココイルグルタミン酸ナトリウムは、BASFから市販されている(PLANTAPON(登録商標)ACG 50)
・ココイルメチルイセチオン酸ナトリウムは、Innospec Performance Materialsから市販されている(Iselux(登録商標)SCMI)
・ココアミドプロピルベタインは、Evonikから市販されている(TEGO(登録商標)Betain F 50)
・ポリクオタニウム-10は、Dow Chemicalsから市販されている(UCARE(商標)Polymer JR-400)
・グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドは、Solvayから市販されている(JAGUAR Excel)
・クエン酸は、Jungbunzlauerから市販されている
・安息香酸ナトリウムは、KALAMA CHEMICALSから市販されている
【0116】
シャンプーの調製
例示した組成物は、従来の配合技術および混合技術によって調製することができる。毛髪ケア配合分野の当業者の技術の範囲内である本発明の他の変更形態は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行うことができることを理解されたい。そうだと明記しない限り、本明細書の全ての部、%、および比は、重量による。いくつかの成分は、希釈溶液として供給業者から来ることがある。
表1
*本発明の範囲外
**クエン酸レベルはpH調整のために定められた範囲内で変動し得る。
【0117】
試験方法
半頭部試験(Half head test)
半頭部試験をスタイリストによって実行した。半頭部比較によって、ヘアスタイリストが毛髪製品の効果を定義された標準と比較して評価することが可能になる。半頭部試験は、第1の試料を1人のモデルの半頭部に塗布し、評価されるスタイリング製品および/もしくはスタイリング技術によって第2の試料を同じモデルの他の半頭部に塗布するかまたは同じモデルの未処理の半頭部と比較することを含んだ。この試験を、試験試料を頭部の半分のみに塗布したので半頭部比較と呼び、半頭部比較によって完全に同一の試験条件下(同一の毛髪構造、痛みの度合い、毛髪の色など)で直接比較することが可能となった。本願発明のサルフェートを含まないシャンプー(組成物2~4)の性能を、いずれの酸系界面活性剤を含有しない組成物1の性能と比較した。
【0118】
ラウロイルサルコシンナトリウムの利点を実証するために、異なる濃度のラウロイルサルコシンナトリウムを含みサルフェートを含まないシャンプーの試料およびこのアニオン界面活性剤を含まないサルフェートを含まないシャンプーの試料を配合し、製品の性能および安定性に関して評価した。
【0119】
組成物2-2は基本的に組成物2と等しく、組成物1-2および2-3はそれぞれ、no/0%および10%のラウロイルサルコシンナトリウムを含む例である。
表2:組成物
ラウロイルサルコシンナトリウムが本発明の洗浄組成物の製品の性能および安定性に与える影響を、半頭部比較および粘度/レオロジー測定によって調べる。半頭部試験を上記のように実行した。
【0120】
半頭部試験の評価基準
洗浄前の起泡
両側にそれぞれのシャンプーの量の半分をドット状に塗布し、ついで一定のマッサージ動作で分配する。起泡力を、最初の30秒の起泡によって判断し、より容易である/より難しいとして評価する。
【0121】
本洗浄の起泡
シャンプー手順を上記のようにもう一度繰り返す。それぞれの区画の中央から毛先に泡を絞り出す。それぞれの手から頭の頂部(頭頂)の領域に泡を移す。どちらの側がより多い/より少ない量の泡を有するか、観察する。
【0122】
泡の感触
本洗浄工程時に、手のひらでそれぞれの区画から泡をそっと押し出し、指先で泡をこすってどちらの泡がよりクリームのように滑らかかより水っぽいか、濃さを評価する。
【0123】
泡質
頭の頂部の領域からそれぞれの区画の毛先に再度泡を絞り出す。手の甲で泡を観察し、起泡の大きさを視覚的に評価する。小さな泡=小さな気泡、大きな泡=大きな気泡
【0124】
湿潤時および乾燥時の櫛通り
アルミニウムの櫛を中央の分け目に平行に置き、櫛を肩に向けて毛髪に通すことによって、毛髪の櫛通りを評価する。櫛の角度が変わるのを避けるために、櫛をずっと90°の角度に維持し、とかしている間ずっと頭皮に接触したままにしなければならない。とかしている時の抵抗/必要とされる労力の量が、よりとかしやすい/よりとかしにくいとして製品を評価するための基準である。この試験は、濡れた毛髪および乾燥した毛髪にも実行することができる。評価を手作業で行い、対照コンディショナーを用いた毛髪の櫛通りと比較する。
【0125】
抗縮れ効果(Anti-Frizz)
直毛スタイルでは、分け目および毛髪の長さの全体に「毛髪本体から突き出している」短い毛髪の房が跳ねているかどうかを評価することによって、縮毛では、どのくらいの癖毛または縮毛の房が明確なウェーブまたはカールを形成するための他の房と揃っていないかを評価することによって、毛髪の縮れを光学的に評価する。直毛により少ない跳ねている毛髪を、およびより明確な/より少ないまとまらないカールまたはウェーブを観察するほど、毛髪はより縮れが少ない。
【0126】
ボリューム/厚み
目の粗い櫛を使用して毛髪をスタイルの方向にとかし、モデルが彼女の頭を2回振る。モデルの約1m背後に立ち、ついで「ボリューム」をより多い/より少ないボリューム、すなわち、頭部からの間隔がよりあるか、またはよりないかとして視覚的に評価する。
【0127】
半頭部試験を5人の試験員で実行し、数字はそれぞれの判断基準について何名の試験員をどのように判定したかを示す。
表3:半頭部試験結果
* 乾燥時の櫛通りの半頭部試験は、4人の試験員/パネリストにおいて実行した。
半頭部試験の結果(表3)は、ラウロイルサルコシンナトリウムが起泡性能を向上させること(60%のパネリストに起泡の改善が認められた。すなわち、洗浄前の起泡、本洗浄の起泡、泡の感触、泡質である。)を明らかに示すが、毛髪コンディショニング性能(湿潤時の櫛通り、乾燥時の櫛通り、ボリューム/厚み、抗縮れ効果)は影響を受けなかった(平均すると、5つの半頭部試験の間に差はなかった)。
【0128】
したがって、ラウロイルサルコシンナトリウムは比較的低濃度(1.5%)であっても本発明の組成物中で起泡性能を驚くほどに向上させる。
【0129】
粘度
組成物1-2、2-2および2-3の粘度をBrookfield R/S PLUS Rheometerを用いて、26.7℃、せん断速度2s-1、コーンC75-1、試料の量2.5mlで測定した。結果:
表4:粘度結果
粘度のデータは、本発明の組成物の粘度に対するラウロイルサルコシンナトリウムの濃度の驚くほどに強い影響を示した。つまり、本発明のシャンプーの粘度は10%のラウロイルサルコシンナトリウムでは高すぎ/濃すぎ(21735mPas)、no/0%のラウロイルサルコシンナトリウムでは低すぎ/薄すぎる。
【0130】
比較的低い濃度(1.5%)のラウロイルサルコシンナトリウムによって、最適なシャンプー粘度がもたらされる。
【0131】
結論
本発明のシャンプー組成物中の低濃度のラウロイルサルコシンナトリウムによって、驚くべきことに、追加の増粘剤または粘度調整剤を添加する必要なく、最適なシャンプー粘度がもたらされ、ある一定のシャンプーの起泡性の増大も得られる。
【0132】
サルコシネートは、本発明の組成物の他の界面活性剤と共凝集するように思われ、これは典型的なシャンプー粘度を得るために必要とされる大きさのミセル凝集体を形成するのに有利である。サルコシネートを含まない本発明のシャンプーの界面活性剤コロイドは小さすぎ、粘度は低い/薄いままである。一方で、10%のより高い濃度のサルコシネートによって、シャンプーとしても使用することができない高すぎる粘度/粘稠すぎるシャンプーがもたらされる。
【外国語明細書】