IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イモコグ カンパニー リミテッドの特許一覧

特開2024-31842改善された認知機能訓練アプリケーションの制御方法及びその装置
<>
  • 特開-改善された認知機能訓練アプリケーションの制御方法及びその装置 図1
  • 特開-改善された認知機能訓練アプリケーションの制御方法及びその装置 図2
  • 特開-改善された認知機能訓練アプリケーションの制御方法及びその装置 図3
  • 特開-改善された認知機能訓練アプリケーションの制御方法及びその装置 図4
  • 特開-改善された認知機能訓練アプリケーションの制御方法及びその装置 図5
  • 特開-改善された認知機能訓練アプリケーションの制御方法及びその装置 図6
  • 特開-改善された認知機能訓練アプリケーションの制御方法及びその装置 図7A
  • 特開-改善された認知機能訓練アプリケーションの制御方法及びその装置 図7B
  • 特開-改善された認知機能訓練アプリケーションの制御方法及びその装置 図8
  • 特開-改善された認知機能訓練アプリケーションの制御方法及びその装置 図9
  • 特開-改善された認知機能訓練アプリケーションの制御方法及びその装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031842
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】改善された認知機能訓練アプリケーションの制御方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20240101AFI20240229BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023119259
(22)【出願日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0106636
(32)【優先日】2022-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0043674
(32)【優先日】2023-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.YouTube
(71)【出願人】
【識別番号】521502757
【氏名又は名称】イモコグ インク.
【氏名又は名称原語表記】Emocog Inc.
【住所又は居所原語表記】(Bongcheon-dong,Character Greenville) 411-ho 7 Boramae-ro 5ga-gil Gwanak-gu, Seoul 08708 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】ノ、ユフン
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】認知機能障害を患っているユーザの症状を格段に改善する認知機能訓練アプリケーション制御方法を提供する。
【解決手段】方法は、端末へのユーザの入力によって認知機能訓練アプリケーションが開始されたか否かを判断するステップと、前記認知機能訓練アプリケーションが開始されたか否かを判断した結果及び前記端末のユーザ情報で、前記認知機能訓練アプリケーションが提供する認知機能訓練を前記ユーザに合わせて最適化するステップと、前記認知機能訓練アプリケーションが前記ユーザによって開始または再開されると、前記最適化された認知機能訓練を前記端末を通じて提供するステップと、を含む。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末へのユーザの入力によって認知機能訓練アプリケーションが開始されたか否かを判断するステップと、
前記認知機能訓練アプリケーションが開始されたか否かを判断した結果及び前記端末のユーザ情報で、前記認知機能訓練アプリケーションが提供する認知機能訓練を前記ユーザに合わせて最適化するステップと、
前記認知機能訓練アプリケーションが前記ユーザの入力によって開始または再開されると、前記最適化された認知機能訓練を前記端末を通じて提供するステップと、を含む、改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法。
【請求項2】
前記ユーザ情報は、
前記端末のセンサによって予め収集されていた情報である、請求項1に記載の改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法。
【請求項3】
前記ユーザ情報は、
前記端末のセンサによって収集された前記ユーザの生体信号に基づいた概日リズム(Circadian rhythm)及び日程(schedule)に関する情報である、請求項1に記載の改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法。
【請求項4】
前記ユーザ情報は、
前記認知機能訓練アプリケーションが最初に実行されてから入力されるユーザの睡眠時間、ユーザの同居人数、外部活動レベル及び憂鬱レベルのうち少なくとも一つである、請求項1に記載の改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法。
【請求項5】
前記最適化するステップは、
一日のうち前記ユーザに最も適した訓練時間範囲を視覚的または聴覚的に出力する、請求項1に記載の改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法。
【請求項6】
前記ユーザ情報は、
前記認知機能訓練アプリケーションが認知機能訓練を提供する当日に対する外部情報及び当日に対するユーザの個人情報である、請求項1に記載の改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法。
【請求項7】
前記最適化するステップは、
前記認知機能訓練アプリケーションが開始されたと判断された後、収集された前記ユーザの入力を考慮して認知機能訓練をリアルタイムで最適化する、請求項1に記載の改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法。
【請求項8】
前記最適化するステップは、
前記ユーザの入力が一定レベルを超えると、認知機能訓練を一定時間中断するか、認知機能訓練の訓練速度を変更する、請求項7に記載の改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法。
【請求項9】
前記最適化するステップは、
前記ユーザの入力が一定レベル以下である場合、認知機能訓練を一定時間中断するか、認知機能訓練の訓練速度を変更する、請求項7に記載の改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法。
【請求項10】
前記最適化するステップは、
前記ユーザの入力以外にユーザとは無関係の入力を収集し、収集された入力が一定レベルを超えると、前記認知機能訓練を中断する、請求項7に記載の改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法。
【請求項11】
前記最適化された認知機能訓練を前記端末を通じて提供するステップは、
前記収集された入力が一定レベル未満に落ちるまで、認知機能訓練を中断する、請求項10に記載の改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法。
【請求項12】
前記最適化された認知機能訓練を前記端末を通じて提供するステップは、
前記ユーザの入力が予め設定された条件を満たすと、視覚的案内情報及び聴覚的案内情報のうち少なくとも一つを前記端末を通じて出力する、請求項1に記載の改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法。
【請求項13】
前記最適化するステップは、
前記ユーザの入力に基づいて前記ユーザの疲労度を算出し、算出された疲労度に基づいて前記最適化された認知機能訓練の進行速度を調整する、請求項1に記載の改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法。
【請求項14】
前記最適化するステップは、
前記ユーザの入力に基づいて前記ユーザの疲労度を算出し、算出された疲労度に基づいて前記最適化された認知機能訓練を進行するか否かを決定する、請求項1に記載の改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法。
【請求項15】
コンピュータを通じて、請求項1に記載の方法を実行するためのプログラムを記憶しているコンピュータ可読記録媒体。
【請求項16】
端末へのユーザの入力によって認知機能訓練アプリケーションが開始されたか否かを判断する開始判断部と、
前記認知機能訓練アプリケーションが開始されたか否かを判断した結果及び前記端末のユーザ情報で、前記認知機能訓練アプリケーションが提供する認知機能訓練を前記ユーザに合わせて最適化する訓練最適化部と、
前記認知機能訓練アプリケーションが前記ユーザの入力によって開始または再開されると、前記最適化された認知機能訓練を前記端末を通じて提供する訓練提供部と、を含む、改善された認知機能訓練アプリケーション制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末にインストールされるアプリケーションの制御方法であり、より具体的には、認知機能を訓練させるアプリケーションを制御するための方法及びその方法を具現するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大韓民国はすでに高齢化社会に入ったと評価されている。高齢化社会が進むにつれて認知症患者の数も急激に増え、認知症患者を治療してケアするために発生する社会的費用も徐々に増加するしかない。
【0003】
認知症予防及び既に発症した認知症症状を改善するには、脳内の認知機能を担う領域に刺激を与えられる訓練が有効であることが証明され、認知症の前段階に該当する認知機能障害患者の場合、認知機能を向上させることができる訓練を受けると、既に認知症が発症した患者に比べてより大きい幅で認知機能が向上することがいくつかの論文を通じて証明された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】大韓民国公開特許第10-2020-0066578号(2020.06.10公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする技術的課題は、認知機能を訓練させるアプリケーションを制御する方法及びその方法を具現するための装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するための本発明の一実施形態に係る方法は、端末へのユーザの入力によって認知機能訓練アプリケーションが開始されたか否かを判断するステップと、前記認知機能訓練アプリケーションが開始されたか否かを判断した結果及び前記端末のユーザ情報で、前記認知機能訓練アプリケーションが提供する認知機能訓練を前記ユーザに合わせて最適化するステップと、前記認知機能訓練アプリケーションが前記ユーザによって開始または再開されると、前記最適化された認知機能訓練を前記端末を通じて提供するステップと、を含む。
【0007】
前記方法において、前記ユーザ情報は、前記端末のセンサによって予め収集されていた情報であることができる。
【0008】
前記方法において、前記ユーザ情報は、前記端末のセンサによって収集された前記ユーザの概日リズム(Circadian rhythm)及び日程(schedule)に関する情報であることができる。
【0009】
前記方法において、前記ユーザ情報は、前記認知機能訓練アプリケーションが最初に実行されてから入力されるユーザの睡眠時間、ユーザの同居人数、外部活動レベル及び憂鬱レベルのうち少なくとも1つであることができる。
【0010】
前記方法において、前記最適化するステップは、一日のうち前記ユーザに最も適した訓練時間範囲を視覚的または聴覚的に出力することができる。
【0011】
前記方法において、前記ユーザ情報は、前記認知機能訓練アプリケーションが認知機能訓練を提供する当日に対する外部情報及び当日に対するユーザの個人情報であることができる。
【0012】
前記方法において、前記最適化するステップは、前記認知機能訓練アプリケーションが開始されたと判断された後、収集された前記ユーザの入力を考慮して認知機能訓練をリアルタイムで最適化することができる。
【0013】
前記方法において、前記ユーザの入力が一定レベル以上を超えると、認知機能訓練を一定時間中断するか、認知機能訓練の訓練速度を変更することができる。
【0014】
前記方法において、前記ユーザの入力が一定レベル以下である場合、認知機能訓練を一定時間中断するか、認知機能訓練の訓練速度を変更することができる。
【0015】
前記方法において、前記ユーザの入力以外にユーザとは無関係の入力を収集し、収集された入力が一定のレベルを超えると、前記認知機能訓練を中断することができる。
【0016】
前記方法において、前記最適化された認知機能訓練を前記端末を通じて提供するステップは、前記収集された入力が一定レベル未満に落ちるまで、認知機能訓練を中断することができる。
【0017】
前記方法において、前記ユーザの入力が予め設定された条件を満たすと、視覚的案内情報及び聴覚的案内情報のうち少なくとも一つを前記端末を通じて出力することができる。
【0018】
前記方法において、前記ユーザの入力に基づいて前記ユーザの疲労度を算出し、算出された疲労度に基づいて前記最適化された認知機能訓練の進行速度を調整することができる。
【0019】
前記技術的課題を解決するための本発明の他の一実施形態に係るシステムは、端末へのユーザの入力によって認知機能訓練アプリケーションが開始されたか否かを判断する開始判断部、前記認知機能訓練アプリケーションが開始されたか否かを判断した結果及び前記端末のユーザ情報で、前記認知機能訓練アプリケーションが提供する認知機能訓練を前記ユーザに合わせて最適化する訓練最適化部と、前記認知機能訓練アプリケーションが前記ユーザによって開始または再開されると、前記最適化された認知機能訓練を前記端末を通じて提供する訓練提供部と、を含む。
【0020】
本発明の一実施形態は、前記方法を実行するためにコンピュータが読み取り可能な記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムを提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、認知機能障害を患っているユーザの症状を格段に改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、本発明を具現するための全体システムを概略的に示す図である。
図2図2は、本発明の一実施形態に係る訓練アプリケーションを論理的な装置で表現したブロック図に示す。
図3図3は、機能別に細分化した処理部の一例をブロック図で示す図である。
図4図4は、図3の処理部のサブモジュールの動作プロセスの一例をフローチャートで示す図である。
図5図5は、本発明の一実施形態に係る、改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法を説明するための図である。
図6図6は、ユーザの不在を検知して認知機能訓練の最適化が行われる実施形態を説明する図である。
図7A図7Aは、ユーザの音声が正常に入力される状況で認知機能訓練が最適化される例を模式的に示す図である。
図7B図7Bは、ユーザの音声が正常に入力される状況で認知機能訓練が最適化される例を模式的に示す図である。
図8図8は、認知機能訓練が中断された状況を例示的に示す図である。
図9図9は、ユーザに最も適した訓練時間範囲を出力する例を模式的に示す図である。
図10図10は、図5図9で説明した認知機能訓練アプリケーション制御方法の一例をフローチャートで示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は、様々な変換を加えることができ、様々な実施形態を有することができるため、特定の実施形態を図面に例示し、詳細に説明しようとする。本発明の効果及び特徴、並びにそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述する実施形態を参照することで明らかになるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、様々な形態で具現されることができる。
【0024】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明するものとし、図面を参照して説明するとき、同一又は対応する構成要素は同一の図面符号を付与し、これに対する重複の説明は省略する。
【0025】
以下の実施形態において、第1、第2などの用語は限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的で用いられた。
【0026】
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。
【0027】
以下の実施形態において、含むまたは有するなどの用語は、明細書上に記載された特徴または構成要素が存在することを意味するものであり、1つ以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
【0028】
ある実施形態が他の方法で具現可能である場合、特定の工程順序は、説明される順序と異なる方法で実行されてもよい。例えば、連続して説明される2つの工程が実質的に同時に実行されてもよく、説明される順序とは逆の順序で実施されてもよい。
【0029】
図1は、本発明を具現するための全体システムを概略的に示す図である。
【0030】
図1を参照すると、本発明に係る全体システム1は、ユーザ端末グループ110と管理サーバ20とが通信網130を介して接続された構造を有する。
【0031】
ユーザ端末グループ110は、少なくとも1つ以上のユーザ端末を含むことができる。例えば、ユーザ端末グループ110に含まれたユーザ端末は、1つでもよく、図1に示すようにn個であってもよい。図1において、nは1に等しいか、1より大きい整数であることができる。
【0032】
ユーザ端末グループ110に含まれた各ユーザ端末は、本発明に係る訓練プログラムを使用するユーザの端末であり、管理サーバ20と通信できる通信モジュールを搭載した電子装置を意味する。
【0033】
ユーザ端末とは、ユーザの入力を受信する入力装置、ユーザ端末の入力や端末の処理結果を視覚的に出力する出力装置(ディスプレイ)、外部装置と通信できる通信モジュールを含むスマートデバイスを意味するため、前述した入力装置、出力装置及び通信モジュールのみを含む場合であれば、大きさや種類に制限されない。例えば、図1では、ユーザ端末はスマートフォンの形態で示されているが、ユーザ端末は管理サーバ20と通信可能なPC、ノートパソコン、ネットブックなどであってもよい。
【0034】
ユーザ端末を使用するユーザは、認知機能障害患者の症状を改善するためのアプリケーションを使用する人を意味し、認知機能障害判定を受けた患者であるか、その患者の保護者であることができる。他の例として、ユーザはアプリケーションを繰り返して実行し、性能を改善させるためのテスタであることもできる。
【0035】
管理サーバ20は、統合管理プログラムがインストールされたサーバであり、ユーザ端末グループ110に含まれた複数のユーザ端末と通信しながらデータフローを管理、制御するサーバを意味する。管理サーバ20には統合管理プログラム(統合管理アプリケーション)がインストールされており、実施形態によって、統合管理プログラムの一部はユーザ端末で駆動されるクライアント(client)形態に具現され、ユーザ端末グループ110に含まれたユーザ端末にインストールすることができる。
【0036】
通信網130は、ユーザ端末グループ110に含まれているユーザ端末を管理サーバ20と接続させる機能を実行し、データ網、移動通信網、インターネットなど各種有無線通信網を含むことができる。
【0037】
本発明においてアプリケーションとは、管理サーバ20の制御を受けてユーザ端末グループ110に含まれたユーザ端末から出力される画面を制御することができる論理的な装置を意味する。アプリケーションは物理的な形態を持たず、アプリケーションを使用するユーザに最適化される過程を複数回経ることができる。すなわち、アプリケーションは、ユーザがユーザ端末を通じて入力する入力と、管理サーバ20で受信する命令とに基づいて継続的に更新することができる。認知機能障害患者は、ユーザ端末で駆動されるアプリケーションを繰り返し使用し、認知機能障害の症状が改善されることができる。アプリケーションは認知機能障害の症状を改善させることができるプロセスで具現されたプログラムであるため、以下では、説明の便宜のために「訓練アプリケーション」と略称する。
【0038】
訓練アプリケーションは、ユーザ端末及び管理サーバ20のうち少なくともいずれか1つにインストールされて駆動されることができる。一例として、訓練アプリケーションは、ユーザ端末にインストールされ、ユーザの認知機能障害の症状を改善させることができる様々な訓練アルゴリズムが視覚的、聴覚的、触覚的に出力されるように制御することができる。他の例として、訓練アプリケーションは、管理サーバ20にインストールされ、ユーザ端末のディスプレイに出力される内容を制御する形態で具現されることもできる。この場合、ユーザ端末には管理サーバ20から受信したデータを視覚的、聴覚的、触覚的に表示する単純なクライアント(client)のみがインストールされ、ユーザの入力に応じて流動的に訓練アルゴリズムの実行を制御する機能は、管理サーバ20にインストールされている訓練アプリケーションによって行われる。さらに他の例として、訓練アプリケーションは、ユーザ端末及び管理サーバ20に分割してインストールされる形態で具現されることもできる。すなわち、訓練アプリケーションの動作特性のみが本発明の範囲に該当するのであれば、訓練アプリケーションがインストールされる形態または訓練アプリケーションがインストールされるデバイスの種類によって本発明の権利範囲は制限されない。
【0039】
図2は、本発明の一実施形態に係る訓練アプリケーションを論理的な装置で表現したブロック図に示すものである。
【0040】
訓練アプリケーションは物理的に検知されないが、本発明に従って認知機能障害の症状を改善させるための機能を具現するために論理的に実在する装置であり、以下では、訓練アプリケーションは「訓練装置」と別称されることができる。
【0041】
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係る訓練装置200は、データベース210、通信部230、処理部250及び出力部270を含むことが分かる。実施形態によって、本発明に係る訓練装置は、通信部230及び出力部270が処理部250に含まれる形態で具現され、実質的にデータベース210及び処理部250のみで動作可能に具現されることもできる。
【0042】
データベース210は、訓練装置が動作するために必要な各種データを記憶している。一例として、データベース210は、管理サーバ20と通信しながら認知機能を改善させるための訓練アルゴリズムを実行するためのプログラムを記憶しており、処理部250が処理したデータを一時的または半永久的に記憶する機能を実行することができる。
【0043】
通信部230は、訓練装置がユーザ端末にインストールされた場合、管理サーバ20と通信するための処理を行う。具体的には、通信部230は、管理サーバ20と通信しながら訓練装置を実行させるために必要な認証手続きを処理することができる。認証手続きは、医師が発行する処方コードによって行われることができ、これについては後述する。訓練装置が管理サーバ20に具現される場合、通信部230は省略されることができる。
【0044】
処理部250は、通信部230が受信したデータ及び送信するデータを処理し、訓練装置がユーザ端末のディスプレイに出力する画面を準備、制御する機能を行う。処理部250は、プログラム内に含まれるコードまたは命令語で表現された機能を実行するための構造化された回路を有するデータ処理装置を意味することができる。例えば、処理部250は、マイクロプロセッサ(microprocessor)、プロセッサコア(processor core)、マルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(application-specific integrated circuit)及びFPGA(field programmable gate array)のうち少なくとも1つであることができる。前述したように、訓練装置が物理的な装置として具現されず、論理的な装置のみで具現される場合、処理部250は、マイクロプロセッサ、プロセッサコア、マルチプロセッサ、ASIC及びFPGAのうち少なくとも1つの動作特性を模倣して動作する仮想マシン(virtual machine)の形態で具現されることができる。
【0045】
一実施形態として、処理部250は、通信部230が受信したデータをデータベース210に記憶されている情報と結合して処理するか、本発明に係る方法を具現するために通信部230及び出力部270が適切に動作するように命令を出す機能を実行することができる。処理部250が実行する機能は特定の機能に限定されず、図2では処理部250が単一モジュールとして示されているが、処理部250のプロセスによって、処理部250は複数のモジュールに細分化されることができる。細分化されたモジュールで構成された処理部250については、図3を参照して後述する。
【0046】
出力部270は、処理部250の命令を受けて各種データを算出して出力する機能を実行する。出力部270は、処理部250の命令を受けて各種データを算出して出力する機能を実行し、実施形態によって処理部250に含まれる形態で具現され、省略されることもできる。
【0047】
図3は、機能別に細分化した処理部の一例をブロック図で示す図である。
【0048】
図3において、ユーザ端末110-1は、図1で説明したユーザ端末グループ110に含まれたn個のユーザ端末のうち1つを例示的に示したものであり、ユーザ端末110-1はユーザ端末110-1がデータを処理した結果を視覚的に出力するディスプレイ装置、聴覚的に出力するスピーカ及びユーザの入力を受信する入力装置を備えた電子機器を意味する。
【0049】
図3を参照すると、ユーザ端末110-1はスマートフォンの形態で示されているが、本発明が具現されるときのユーザ端末110-1はスマートフォンに限定されず、一般的なパーソナルコンピュータ(PC)のような固定位置に設置される機器や、タブレットパーソナルコンピュータ(Tablet PC)、ネットブックなどの携帯端末を全て含むことができる。したがって、訓練装置200は、マイクロプロセッサまたは汎用コンピュータシステムなどの他のハードウェア装置に含まれた形態で駆動されることができる。すなわち、訓練装置200は、端末110-1にそのまま搭載されることもでき、端末110-1に有無線ネットワークで接続され、端末110-1のディスプレイ及びスピーカに出力される各種データを制御する形態で具現されることもできる。
【0050】
図3では、訓練装置200で処理部250のみを強調して示しており、図3を参照すると、処理部250は第1出力制御部251、第2出力制御部253、訓練評価部255及び視覚的表示制御部257を含むことが分かる。図3の処理部250及び処理部250のサブモジュールは、本発明の実施形態の特徴のみを強調するための構成要素のみを示したものである。したがって、図3に示す実施形態とは異なる実施形態による場合は、図3に示す構成要素以外に他の汎用構成要素をさらに含むことができるというのは、この技術分野の通常の知識を持つ者なら理解できるだろう。
【0051】
第1出力制御部251は、ユーザ端末への入力に対応し、第1訓練アルゴリズムがユーザ端末に出力されるように制御する。ここで、ユーザ端末への入力は、ユーザが入力装置を通じてユーザ端末に特定の入力を加えることを意味し、文を構成するために母音、子音を入力するだけでなく、ユーザ端末のタッチパッドに対するタッチ入力、ユーザ端末のスピーカに対する音声入力、ユーザ端末を握って振るシェイク(shake)入力などを全て含むことができる。
【0052】
ユーザは、ユーザ端末から出力される訓練アルゴリズムを確認し、訓練アルゴリズムに対応する入力を加えることで、認知機能障害の症状を改善させるための訓練を行うことができ、第1出力制御部251は適切なユーザの入力が検知されると、第1訓練アルゴリズムがユーザ端末に出力されるように制御することができる。ここで、適切なユーザの入力は、第1の訓練アルゴリズムが出力されるようにするための認証情報であることができる。例えば、ユーザは、ユーザ端末110-1にインストールされたアプリケーションを実行し、ログイン(log-in)することができ、まだアプリケーションを利用できる権限が与えられていない場合、会員登録(sign-up)を通じて会員登録手続きを行うことができる。
【0053】
一実施形態として、ユーザは、通常のログイン手順以外に、医師からもらった処方コードを入力し、第1訓練アルゴリズムを出力することができる。第1出力制御部251は、入力された処方コードが有効なコードであるかどうか、EMR(Electronic Medical Record)サーバとの通信を通じて検証することができ、処方コードが有効であれば、第1訓練アルゴリズムが出力されるように制御することができる。処方コードは8桁であることができるが、これに限定されない。第1出力制御部251は実施形態によって、ログイン情報に処方コードによって認証された情報まで含めて処理することもできる。
【0054】
本発明において、第1訓練アルゴリズムは、ユーザの認知機能障害の症状を改善させるために最初に行われる正規訓練アルゴリズムを意味し、後述する第2訓練アルゴリズムと区別される。第1訓練アルゴリズムは、複数の詳細訓練アルゴリズムを含むことができ、複数の詳細訓練アルゴリズムを含む特性上、アルゴリズムセット(algorithm set)の一種として扱われることもできる。
【0055】
第2出力制御部253は第1訓練アルゴリズムが終了すると、第2訓練アルゴリズムがユーザ端末110-1に出力されるように制御することができる。第2訓練アルゴリズムも第1訓練アルゴリズムと同様に、複数の詳細訓練アルゴリズムを含むことができ、複数の詳細訓練アルゴリズムを含む特性上、アルゴリズムセット(algorithm set)の一種として扱われることもできる。第2出力制御部253は、第1出力制御部251によって第1訓練アルゴリズムが実行されて終了したことに関する履歴情報(history information)を受信することができ、有効な履歴情報があれば、第2訓練アルゴリズムがユーザ端末110-1に出力されるように制御することができる。第2訓練アルゴリズムに含まれた詳細訓練アルゴリズムは、第1訓練アルゴリズムに含まれた詳細訓練アルゴリズムとは互いに異なり、第2訓練アルゴリズムは、第1訓練アルゴリズムによってユーザの認知機能障害の症状に対する1次的な訓練が実行された場合、その1次的な訓練効果を大きく増幅させるためのアルゴリズムで構成されている。すなわち、第2訓練アルゴリズムは、第1訓練アルゴリズムが先制的に実行されることを前提とする訓練アルゴリズムを意味する。
【0056】
一実施形態として、第2出力制御部253は、第1訓練アルゴリズムが終了してから所定時間が経過した後に、ユーザ端末110-1から第2訓練アルゴリズムが出力されるように制御することができる。本発明に係る認知機能障害の症状改善効果は、第1訓練アルゴリズム及び第2訓練アルゴリズムが順次的に繰り返して実行されながら発現されることができ、特に、第2訓練アルゴリズムに対する訓練効果を最大化するためには、第1訓練アルゴリズムに従って訓練を実行した後、一定時間の間脳を休ませることが望ましい。第2出力制御部253は、上記のように訓練効果を最大化するために、所定時間が経過した後にのみユーザ端末110-1に第2訓練アルゴリズムが出力されるように制御することができ、所定時間が経過していない状態では、第1訓練アルゴリズムが終了しても第2訓練アルゴリズムが出力されないように制御することができる。ここで、所定時間は1時間であってもよく、実施形態によって、1時間より短いか長い時間が設定されてもよい。
【0057】
本発明において、第1訓練アルゴリズムに含まれる詳細訓練アルゴリズムの数は固定された第1個数であることができる。例えば、第1個数は3個になることもできるが、これに限定されない。
【0058】
また、本発明において第2訓練アルゴリズムに含まれる詳細訓練アルゴリズムの数は、固定された第2個数で予め設定された条件によって、第3個数だけ選択された数であることができる。例えば、第2個数は9個であり、第3個数は4個になることもできるが、これに限定されない。第2出力制御部253に設定されている予め設定された条件は様々であることができる。
【0059】
また、本発明において第3個数が選択される基準は、ユーザの入力の評価結果となることができる。ユーザが訓練中に脆弱であると評価された詳細訓練アルゴリズムがある場合、第3個数に含まれる訓練に必須的に含まれることができる。第2出力制御部253は、訓練評価部255と連動してユーザの強みと弱みを把握し、弱みを補完する方式で訓練が進むように誘導することができる。すなわち、第1訓練アルゴリズムは必須的に全て実行されるが、第2訓練アルゴリズムに含まれる詳細訓練アルゴリズムは一部のみ実行されることができ、その一部を選択する基準はユーザの訓練達成度となることができる。
【0060】
本発明に従って行われる認知機能障害の症状改善訓練は、一日を基本単位とすることができる。すなわち、第1訓練アルゴリズム及び第2訓練アルゴリズムは、同じ日に順次的に実行されてこそ有効に処理されることができる。一例として、第2出力制御部253は、特定日付の23時30分に第1訓練アルゴリズムが終了し、第2訓練アルゴリズムが出力されるのに必要な所定時間が1時間と設定されている場合、ユーザが第1訓練アルゴリズムが終了した後に特定日付の翌日の0時30分に訓練アプリケーションを実行しても、第2訓練アルゴリズムではなく、その日付の最初の訓練として、ユーザ端末110-1に第1訓練アルゴリズムが出力されるように第1出力制御部251を制御することができる。第1訓練アルゴリズム及び第2訓練アルゴリズムの同一日付実行プロセスについては後述する。
【0061】
訓練評価部255は、第2訓練アルゴリズムが終了すると、第1訓練アルゴリズム及び第2訓練アルゴリズムへのユーザの入力について評価することができる。ここで、第1訓練アルゴリズム及び第2訓練アルゴリズムへのユーザの入力は、訓練アルゴリズムに対する訓練結果であることができる。第1訓練アルゴリズムまたは第2訓練アルゴリズムがユーザ端末に出力されたとき、ユーザがユーザ端末110-1の入力装置を通じて入力する入力のうち少なくとも一部は、第1訓練アルゴリズムまたは第2訓練アルゴリズムの訓練結果となることができ、訓練評価部255は訓練結果を収集し、ユーザの認知機能障害の症状が過去より改善されているか悪化しているかを等級やスコアで計量することになる。
【0062】
視覚的表示制御部257は、訓練評価部255が評価した結果に基づいて、ユーザ端末110-1に第1視覚的表示が出力されるように制御することができる。ここで、第1視覚的表示は、ユーザ端末110-1のディスプレイを通じて出力されることができ、第1視覚的表示の視覚的効果(色、形状、模様、きらめきなど)は、ユーザが行った訓練アルゴリズムに対する訓練誠実度と訓練実行度によって異なることができる。
【0063】
一例として、第1視覚的表示は記憶の花(flower of memory)になることができる。本発明において記憶の花は、ユーザの認知機能障害の症状改善のための訓練が重なれば重なるほど多様に表示されることができる視覚的表示の代表的な例であり、ユーザが訓練に誠実に参加するほど、ユーザが訓練をうまく実行するほどそれに比例して改善された見た目を持つようになる特徴がある。
【0064】
記憶の花は、つぼみ(bud)の形から満開(in full bloom)の形に見た目が変わることができる。本発明において記憶の花は、ユーザに単に審美的な効果だけを提供するのではなく、ユーザの訓練性実度や訓練実行度に応じてより良い視覚的効果を示すことができ、ユーザが訓練により一生懸命参加できるように、ユーザに訓練動機を与えることができる。すなわち、記憶の花は訓練の持続可能性を向上させる。
【0065】
また、視覚的表示制御部257は、記憶の花のように美しい自然現象を繰り返して時系列的にユーザに見せることで、ユーザの脳で認知機能を担う領域を視覚的に刺激し、ユーザの認知機能障害の症状が改善されるように誘導することができる。他にも、ユーザはユーザ端末を通じて、ますます多くなる記憶の花を視覚的に確認しながら、達成感を感じることができるようになる。
【0066】
図4は、図3の処理部のサブモジュールの動作プロセスの一例をフローチャートで示す図である。
【0067】
図4による方法は、図3で説明した第1出力制御部251、第2出力制御部253、訓練評価部255及び視覚的表示制御部257によって具現されることができるため、以下では、図3を参照して説明し、図3で説明した内容と重複する説明は省略する。
【0068】
第1出力制御部251は、ユーザ端末への入力に対応し、第1訓練アルゴリズムが出力されるように制御することができるS410。
【0069】
第2出力制御部253は、第1訓練アルゴリズムが終了すると、第2訓練アルゴリズムが出力されるように制御することができるS430。
【0070】
訓練評価部255は、第2訓練アルゴリズムが終了すると、第1訓練アルゴリズム及び第2訓練アルゴリズムへのユーザの入力について評価することができるS450。
【0071】
視覚的表示制御部257は、訓練評価部255が実行した評価の結果に基づいて、ユーザ端末に視覚的表示が出力されるように制御することができるS470。
【0072】
図5は、本発明の一実施形態に係る、改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法を説明するための図である。
【0073】
図3において処理部250は、第1出力制御部251、第2出力制御部253、訓練評価部255及び視覚的表示制御部257を含むことができ、第1出力制御部251、第2出力制御部253、訓練評価部255及び視覚的表示制御部257は、ユーザ端末110-1に出力される画面を制御することにより、ユーザの認知機能を訓練させることができるアプリケーション(以下、「認知機能訓練アプリケーション」)を論理的に具現できるということをすでに説明したことがある。
【0074】
以下では、上述した認知機能訓練アプリケーションのプロセスを効果的に制御することにより、ユーザに提供される認知機能訓練の効果を著しく向上させることができる改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法について説明する。
【0075】

表1は、上述した改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法を具現するための装置を説明するための表である。より具体的には、表1に記載されたモジュールは、図3に直接示されていないが、上述した改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法を具現する装置の詳細モジュールを意味し、処理部250に物理的または論理的に含まれる形態で具現されることができる。
【0076】
制御システム259は、本発明の一実施形態に係る改善された認知機能訓練アプリケーション制御方法を具現することができるモジュールを物理的または論理的に含むシステムであり、開始判断部2591、訓練最適化部2593及び訓練提供部2595を含むことができる。
【0077】
開始判断部2591は、認知機能訓練アプリケーションが開始されたか否かを判断することができる。より具体的には、開始判断部2591は、ユーザ端末110-1へのユーザの入力によって認知機能訓練アプリケーションが開始されたか否かを判断し、その判断した結果を訓練最適化部2593に伝達する機能を行うことができる。
【0078】
一例として、ユーザがユーザ端末110-1に備えられている各種入力装置(マイク、タッチパッド、キーボード等)を通じてユーザ端末110-1にインストールされている認知機能訓練アプリケーションを実行して駆動に成功した場合、開始判断部2591は、認知機能訓練アプリケーションが開始されたと判断することができる。他の例として、ユーザBが、ユーザAが所有するユーザ端末110-1にインストールされている認知機能訓練アプリケーションを実行し、ユーザBのアカウント情報(ID及びパスワード)を入力してユーザBでログインした場合、開始判断部2591は認知機能訓練アプリケーションが正常に開始されていないと判断することができる。すなわち、ユーザが所有している端末でユーザの身元情報で認知機能訓練アプリケーションが正常に駆動された場合に限って、開始判断部2591は認知機能訓練アプリケーションが開始されたと判断することができる。開始判断部2591は、上記の認証手続きを処理するために、ユーザのログイン情報だけでなく、ユーザの指紋情報などの他の情報を活用することもできる。
【0079】
そして、訓練最適化部2593は、認知機能訓練アプリケーションが開始されたか否かを判断した結果及びユーザ端末110-1のユーザ情報で認知機能訓練アプリケーションが提供する認知機能訓練をユーザに合わせて最適化(optimization)することができる。
【0080】
このとき、訓練最適化部2593は、認知機能訓練アプリケーションが開始されたか否かを開始判断部2591から受信することにより知ることができる。また、訓練最適化部2593が判断するユーザ端末110-1のユーザ情報は、ユーザ端末110-1に予め記憶されていた情報であってもよく、他の例として、訓練最適化部2593が認知機能訓練アプリケーションを最適化しようとするときから一定時間以内にユーザ端末110-1にユーザから入力されるユーザ情報であってもよい。訓練最適化部2593は、ユーザ端末110-1に予め記憶されていた情報をユーザ情報として取得するために、ユーザから個人情報収集に関する同意を受けることができる。
【0081】
一実施形態として、ユーザ端末110-1のユーザ情報は、ユーザ端末110-1のセンサによって予め収集されていた情報であることができる。ここで、センサは、ユーザ端末110-1に分離されない形で結合されているセンサだけでなく、ユーザ端末110-1に着脱可能なセンサを全て含むため、マイク、カメラ、近接センサ、照度センサ、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ、GPS、加速センサ、重力センサ、回転センサ、地磁気センサ、距離センサ、指紋認識センサ、虹彩認識センサ、心拍計センサ(光センサの一種)のうち少なくとも1つ以上になることができる。また、ユーザ端末110-1のセンサによって収集されたユーザの生体信号に基づいた概日リズム(circadian rhythm)及び日程(schedule)に関する情報も訓練最適化部2593が取得するユーザ情報であることができる。
【0082】
他の実施形態として、ユーザ端末110-1のユーザ情報は、認知機能訓練アプリケーションが最初に実行されてから入力される情報であることができる。例えば、認知機能訓練アプリケーションがユーザ端末110-1にインストールされて駆動されると、認知機能訓練アプリケーションは、アンケートの形態でユーザの睡眠時間、ユーザの同居人数、ユーザの外部活動レベル及び憂鬱レベルのうち少なくとも1つに関する情報を収集することができ、このとき収集した情報はユーザの同意を受けて訓練最適化部2593によって活用されることができる。
【0083】
ここで、ユーザの睡眠時間及びユーザの同居人数は、所定の範囲の整数から選択される値であることができる。また、ユーザの外部活動レベルは、ユーザの主観的な感覚を数値化した値であることができ、例えば、5レベルは外部活動を非常に多くするユーザが選択する値であり、1レベルは室内で一人でのみ活動するユーザが選択する値であることができる。
【0084】
憂鬱レベルは、外部活動レベルのようにユーザの主観的な感覚を数値化した値であることもでき、実施形態によって、従来知られているベック(Beck)憂鬱評価で得られる評価値及びPHQ-9憂鬱尺度を数値化した値となることもできる。前述した外部活動レベル及び憂鬱レベルに関する情報は例示であるため、本発明において特定の1つの方法に制限されない。
【0085】
他の一実施形態として、ユーザ端末110-1のユーザ情報は、認知機能訓練アプリケーションが認知機能訓練を提供する当日(the day)の外部情報及び当日のユーザの個人情報であることができる。ここで、認知機能訓練を提供する当日に関する外部情報の例として、認知機能訓練が行われる日の天気及び気温に関する情報は、当日に関する外部情報であることができる。
【0086】
本実施形態において、ユーザの個人情報は当日に関する情報であることもでき、ユーザの個人情報が写真、メモ、メッセージ形態の情報であれば、当日から1~2週間前に収集された情報、ユーザの個人情報が日程(schedule)に関する情報であれば、当日から1~2週間前の日程、当日から1~2週間後の日程に関する情報であることができる。
【0087】
他にも、ユーザ端末110-1のユーザの個人情報は、ユーザの端末に記憶されたSMS、MMS形態のメッセージ、検索語、メッセンジャー上の会話、YouTube、国家医療記録のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0088】
訓練最適化部2593が認知機能訓練アプリケーションを最適化するという意味は、適法な手続きを経てログインし、ユーザ端末110-1を通じて認知機能訓練を受けるユーザに可能な限り適切に認知機能訓練アプリケーションのプロセスを調整するという意味であり、認知機能訓練アプリケーションが最適化されると、ユーザに認知機能訓練をより高い効率で提供できるようになるだけでなく、ユーザが認知機能訓練を受けながら楽しさを感じることができ、持続可能性が向上されることができる。
【0089】
ここで、認知機能訓練アプリケーションのプロセスを調整するということは、認知機能訓練アプリケーションが認知機能訓練をユーザに提供する形式を一定範囲内で変更することを意味する。例えば、ユーザの認知機能が大幅に低下した状態であって、認知機能訓練アプリケーションによる認知機能訓練の速度があまりに速く感じられる場合、本発明の一実施形態に係る方法は、認知機能訓練の速度を一定レベル下げることで、ユーザが認知機能訓練を受けて認知機能障害から回復できるように助けることができる。また、ユーザを取り巻く外部状況が急変してユーザが認知機能訓練を開始したとしても正常に認知機能訓練を行うことができない場合、本発明によれば、開始された認知機能訓練を一旦中断した後、一定時間が経過しても、ユーザを取り巻く外部状況が改善された場合に認知機能訓練が再開されるように制御することができる。他にも、ユーザの健康状態が急激に悪化したり、ユーザの疲労度が過度に高い場合、ユーザ端末110-1で活性化されたセンサがユーザの健康状態の悪化や高い疲労度を検知し、訓練最適化部2593が認知機能訓練をユーザの現在状態に合わせて中断(進行可否に対する決定)したり、進行速度を適切に遅延させることができる。
【0090】
本発明において、認知機能訓練の最適化は、1サイクル(cycle)が繰り返し行われる認知機能訓練のプロセスをユーザに合わせて変化させることを意味することができる。例えば、正確に10分で構成された認知機能訓練プロセスが開始されてから4分間進行された後、最適化の必要性によって5分間中断された後に再開されて完了した場合、元の1サイクルが10分だった認知機能訓練は15分で完了したものと記録され、このようなサイクルの長さの増加が本発明における最適化の一例となることができる。
【0091】
他の例として、本発明において、認知機能訓練の最適化は、任意の視覚的資料または聴覚的資料を使用する認知機能訓練のプロセスをユーザに合わせて変更することを意味することもできる。例えば、認知機能訓練のプロセスが進行されている途中、ユーザ端末110-1を通じてユーザの集中力または注意力を高めることができる画像や音楽をユーザに提供することができ、このような画像と音楽の挿入は、特定ユーザだけのためであるため、ユーザに対する最適化とみなすことができる。
【0092】


表2及び表3は、特定ユーザの独白を例示的に示す。表2及び表3において、コグテラアプリケーションは認知機能訓練アプリケーションの一例を呼称したものとみなす。
【0093】
より具体的には、表2は、訓練最適化部2593が天気、ユーザ端末110-1に記憶されている写真、ユーザ端末110-1に記憶されているメモ、ユーザ端末110-1に記憶されている日程などから画像やテキストを抽出し、抽出された画像及びテキストに基づいて認知機能訓練を最適化してユーザに提供した結果を示したものであり、ユーザは馴染みの画像やテキストを通じて効果的に認知機能を向上させるための訓練を行うことができるようになる。
【0094】
また、表3は、ユーザが速いビートの音楽を聴くことや、集中力を向上させることができる色や画像のおかげで効果的に認知機能訓練を行うことを例示的に示している。
【0095】
訓練提供部2595は、認知機能訓練アプリケーションがユーザによって開始または再開されると、最適化された認知機能訓練をユーザ端末110-1を通じてユーザに提供することができる。すなわち、訓練提供部2595は、訓練最適化部2593で決定されたユーザのみの最適化要素(optimizated component)が認知機能訓練に反映されると、その最適化要素が反映された認知機能訓練を実行してユーザに提供することになり、このような訓練提供部2595の機能は、既存のデータベース210に記憶されている認知機能訓練を変形せずにそのまま実行するモジュールの機能と差別化される点であることができる。
【0096】
以下から、前述で説明した制御システム259及び制御システム259に属するサブモジュールの機能を図5と共に説明する。
【0097】
図5の第1画面510は、ユーザ端末110-1で認知機能訓練アプリケーションを実行したときに出力可能な画面の一例である。具体的には、図5の第1画面510は、ユーザに「単語を声を出して話しながら覚えること」を要求しており、一定時間が経過した後にユーザが発音すべき単語を出力することができる。
【0098】
訓練最適化部2593は、ユーザ端末110-1のマイクを通じてユーザの音声と無関係な音が一定の大きさ(一定レベル)を超えて入力されることを検知し、認知機能訓練を一時的に中断させ、視覚的案内情報及び聴覚的案内情報をユーザに提供するように認知機能訓練を最適化することができる。図5の第2画面550は、視覚的案内情報がユーザに提供されることを模式的に示している。一時的に中断された認知機能訓練が一定時間経過したか、ユーザが能動的に「続行する」ボタンをクリックすると、認知機能訓練は再開されることができ、図5の第3画面590は認知機能訓練が再開されたことを模式的に示している。
【0099】
ユーザの音声とは無関係の音は、カップに水を注ぐ音、トイレの洗面台や便器で発生する騒音、電話着信音、ユーザを除いた他人の音声、テレビ音、案内放送、サイレン、生活騒音以上の音などになり得る。
【0100】
選択的な一実施形態として、ユーザの音声とは無関係の音が一定の大きさを超えて入力されるとしても、ユーザの音声が明確に入力される場合、訓練最適化部2593は訓練の遅延を防ぎ、ユーザの利便性を確保するために、認知機能訓練の最適化を行わないこともできる。このとき、訓練最適化部2593は、認知機能訓練の最適化を省略するために、ユーザの同意を追加で要求することもできる。
【0101】
図6は、ユーザの不在を検知して認知機能訓練の最適化が行われる実施形態を説明する図である。
【0102】
図6の第1画面610は、認知機能訓練アプリケーションがユーザによって正常に開始されたことを示す。このとき、ユーザ端末110-1のセンサによってユーザがユーザ端末110-1に隣接しておらず、認知機能訓練を正常に実行することができない状況では、訓練最適化部2593は図6の第2画面650をユーザ端末110-1に出力し、認知機能訓練を一時的に中断し、ユーザが検知されると、図6の第3画面690を出力して認知機能訓練を続行させることができる。
【0103】
図7A及び図7Bは、ユーザの音声が正常に入力される状況で認知機能訓練が最適化される例を模式的に示す図である。
【0104】
まず、図7Aは、ユーザ端末110-1のセンサを通じて収集されるユーザの音声を分析した際、ユーザの発話がぼやけていたり、ユーザの発話速度が遅かったり、またはユーザの発話の大きさが小さい場合、直ちに認知機能訓練を行わずに、一時的に認知機能訓練を遅延させながらユーザの再発話を誘導することを模式的に示す図である。この過程で、訓練最適化部2593は、認知機能訓練アプリケーションが開始されたと判断した後、収集されたユーザの入力を考慮し(ユーザの入力が一定レベルを超えるか一定レベルに達しない場合)、認知機能訓練をリアルタイムで最適化することになり、図5のようにユーザとは無関係の入力が全くなくても発生することができる。ユーザは、図7Aの案内画面730aを視覚的に確認するか、ユーザ端末110-1を通じて出力される聴覚的案内情報を確認し、再度話して認知機能訓練が再開されるようにすることができる。
【0105】
続いて、図7Bはユーザの疲労度を算出し、算出された疲労度に基づいて訓練最適化部2593が認知機能訓練を最適化することを模式的に示す図である。図7Bのような状況は、以下の状況で有効であることができる。
【0106】

表4は、68歳の女性であるユーザの独白を示したもので、認知機能訓練アプリケーションを使用するユーザが高い疲労度を感じる状況を例示的に描いたものである。訓練最適化部2593は、ユーザ端末110-1で活性化された各種センサ(マイク、カメラ、タイマー、虹彩認識センサなど)を通じてユーザの声の大きさ、発話開始タイミング、発話速度、発話習慣、瞬き回数、瞬き速度、瞳孔の大きさを収集し、そのうち少なくとも1つを考慮してユーザの疲労度をリアルタイムで算出し、算出された疲労度が一定のレベルを超えた場合、認知機能訓練のプロセスを中断または遅延させる方法で認知機能訓練を最適化することができる。一例として、声の大きさが小さかったり、発話開始タイミングが遅かったり、発話速度が遅かったり、瞬き回数が著しく少なくなった場合、訓練最適化部2593は、ユーザの疲労度が通常よりも高いと判断することができる。
【0107】
図8は、認知機能訓練が中断された状況を例示的に示す図である。
【0108】
図8の第3画面850は、図7A及び図7Bのような状況において、認知機能訓練が正常に進行できないと判断された場合にユーザ端末110-1を通じて出力される画面であり、訓練最適化部2593及び訓練提供部2595は、ユーザが十分に休むことができるように、認知機能訓練アプリケーションを一定時間中断して再開することができる。
【0109】
図9は、ユーザに最も適した訓練時間範囲を出力する例を模式的に示す図である。
【0110】
ユーザは認知機能訓練アプリケーションを実行して、ユーザに適した訓練時間を自ら設定することができ、図9の訓練時間設定画面910のように、認知機能訓練アプリケーションが訓練時間を自動的に提案するように設定することもできる。訓練最適化部2593は、認知機能訓練アプリケーションが開始されていない状態で、ユーザ端末110-1のセンサを通じて収集されたユーザの日常をパターン化して分析し、分析した結果を通じて、ユーザにとって認知機能訓練に最も適した訓練時間範囲をユーザ端末110-1を通じて視覚的または聴覚的に出力することができる。図9の訓練時間推奨画面950は、訓練最適化部2593によって訓練時間が決定された状態で、ユーザの入力に関係なくユーザ端末110-1が活性化されて訓練を提案する実施形態を模式的に示したものである。訓練最適化部2593は、ユーザの概日リズム、日程などの情報を全体的に考慮し、1日24時間のうち認知機能訓練を行うのに最も適した時間範囲を算出し、これをユーザに提案するプロセスを認知機能訓練の導入部に含める方法で、1サイクルの認知機能訓練を最適化することができる。
【0111】

表5は、図9で説明した訓練時間推薦プロセスを説明するためのユーザの感想の一例である。表5に示すように、ユーザは自分に最も適した訓練時間を推奨され、その時間に訓練を実行して高い成果を達成することができるようになる。推奨される訓練時間は、ユーザの日程を考慮したときにユーザが最も忙しくなく、ユーザの概日リズムが最も安定した時であることができる。
【0112】
図10は、図5図9で説明した認知機能訓練アプリケーション制御方法の一例をフローチャートで示す図である。
【0113】
図10は、図5で説明した制御システム259及び制御システム259のサブモジュールによって実行されることができるため、図5図9で説明した内容と重複する説明は省略する。
【0114】
開始判断部2591は、ユーザ端末110-1へのユーザの入力によって認知機能訓練アプリケーションが開始されたか否かを判断することができるS1010。
【0115】
訓練最適化部2593は、認知機能訓練アプリケーションが開始されたか否かを判断した結果及びユーザ端末110-1のユーザ情報で、認知機能訓練アプリケーションが提供する認知機能訓練をユーザ(ユーザの環境及びユーザの状態)に合わせて最適化することができるS1030。
【0116】
訓練提供部2595は、認知機能訓練アプリケーションがユーザによって開始または再開されると、最適化された認知機能訓練をユーザ端末110-1を通じて提供することができるS1050。
【0117】
本発明によれば、認知機能障害の症状を有する患者の認知機能障害の症状を劇的に改善するための訓練アルゴリズムを様々な形態で提供することができる。
【0118】
以上説明した本発明に係る実施形態は、コンピュータ上で様々な構成要素を通じて実行することができるコンピュータプログラムの形態で実装されることができ、そのようなコンピュータプログラムはコンピュータで読み取り可能な媒体に記録されることができる。このとき、媒体は、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープなどの磁気媒体、CD-ROM及びDVDなどの光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)などの光磁気記録媒体(magneto-optical medium)、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどの、プログラム命令語を記憶及び実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含むことができる。
【0119】
一方、前記コンピュータプログラムは、本発明のために特別に設計及び構成されているか、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知され使用可能なものであることができる。コンピュータプログラムの例には、コンパイラによって作成されるような機械語コードだけでなく、インタプリタなどを使用し、コンピュータによって実行されることができる高級言語コードも含まれることができる。
【0120】
本発明で説明する特定の実行は、一実施形態であり、いかなる方法でも実施形態の範囲を限定するものではない。本明細書の簡潔さのために、従来の電子的な構成、制御システム、ソフトウェア、前記システムの他の機能的側面の記載は省略することができる。さらに、図面に示されている構成要素間の線の連結または連結部材は、機能的連結及び/または物理的または回路的連結を例示的に示したものであり、実際の装置では代替可能または追加の様々な機能的連結、物理的連結、または回路的連結として示すことができる。さらに、「必須」、「重要」などの具体的な言及がなければ、本発明を適用するために必ずしも必要な構成要素ではない可能性がある。
【0121】
本発明の明細書(特に特許請求の範囲におき)において「前記」の用語及び同様の指示用語の使用は、単数及び複数の両方に該当するものであることができる。また、本発明において範囲(range)を記載した場合、前記範囲に属する個別の値を適用した発明を含むものとして(これに反する記載がない場合)、発明の詳細な説明に前記範囲を構成する各個別の値を記載したのと同じである。最後に、本発明に係る方法を構成するステップについて明らかに順序を記載するか、またはそれに反する記載がない場合、上記ステップは適切な順序で行われてもよい。必ずしも前記ステップの記載順序に従って本発明が限定されるものではない。本発明において、すべての例または例示的な用語(例えば、等)の使用は、単に本発明を詳細に説明するためのものであり、特許請求の範囲によって限定されない限り、前記の例または例示的な用語によって本発明の範囲が限定されるものではない。さらに、当業者は、様々な修正、組み合わせ及び変更が追加された特許請求の範囲またはその均等物の範囲内で設計条件及び要因によって構成され得ることを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10