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特開2024-31884ヒート機能を有するスティック型製品(Stick-type product with heating function)
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  • 特開-ヒート機能を有するスティック型製品(Stick-type  product  with  heating  function) 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031884
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ヒート機能を有するスティック型製品(Stick-type product with heating function)
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
A45D34/04 510A
A45D34/04 515Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023134359
(22)【出願日】2023-08-22
(31)【優先権主張番号】10-2022-0106673
(32)【優先日】2022-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】アモーレパシフィック コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【住所又は居所原語表記】100, Hangang-daero, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100179648
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 咲江
(74)【代理人】
【識別番号】100222885
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 康
(74)【代理人】
【識別番号】100140338
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100227695
【弁理士】
【氏名又は名称】有川 智章
(74)【代理人】
【識別番号】100170896
【弁理士】
【氏名又は名称】寺薗 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100219313
【弁理士】
【氏名又は名称】米口 麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100161610
【弁理士】
【氏名又は名称】藤野 香子
(72)【発明者】
【氏名】キム セリン
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョンイン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明は、ヒート機能を有するスティック型製品に関する。
【解決手段】本発明の一側面において、ユーザが把持することが可能な取手部と、前記取手部から延びるブラシ台と、前記ブラシ台の一方の側の端部に提供されて化粧料を塗布することができる塗布部とを含み、前記塗布部は発熱可能に提供され、熱伝導率が互いに異なる素材で提供されて温度が互いに異なる部分を備えるヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが把持することが可能な取手部と、
前記取手部から延びるブラシ台と、
前記ブラシ台の一方の側の端部に提供されて化粧料を塗布することができる塗布部とを含み、
前記塗布部は発熱可能に提供され、熱伝導率が互いに異なる素材で提供されて温度が互いに異なる部分を備える、ヒート機能を有するスティック型製品。
【請求項2】
前記塗布部は、
外周に沿って複数個の金属ブラシが形成された発熱塗布部と、
前記発熱塗布部と着脱可能に提供され、前記金属ブラシより熱伝導率が低い素材で形成される非金属ブラシを含むブラシ部とを含む、請求項1に記載のヒート機能を有するスティック型製品。
【請求項3】
前記金属ブラシは、金属で形成され、
前記非金属ブラシは、前記金属より熱伝導率が低いナイロンで形成されている、請求項2に記載のヒート機能を有するスティック型製品。
【請求項4】
それぞれの前記金属ブラシは、
前記発熱塗布部が延びる方向と平行な平坦面と、
前記平坦面の一方の側から延び、前記発熱塗布部が延びる方向に対して一方向に傾斜した第1の傾斜面と、
前記平坦面の他方の側から延び、前記発熱塗布部が延びる方向に対して他の方向に傾斜した第2の傾斜面とを含む、請求項2に記載のヒート機能を有するスティック型製品。
【請求項5】
複数個の前記金属ブラシの間には、前記化粧料が貯留し得る空間である金属ブラシ溝が形成されている、請求項2に記載のヒート機能を有するスティック型製品。
【請求項6】
前記発熱塗布部の内部には、あらかじめ設定された温度で発熱することが可能な発熱体が提供されている、請求項2に記載のヒート機能を有するスティック型製品。
【請求項7】
前記発熱塗布部は、
前記ブラシ部を収容し得る第1の空間が形成された第1発熱塗布部と、
前記第1発熱塗布部と一体で形成され、あらかじめ設定された温度で発熱し得る発熱体が挿入される第2の空間が形成される第2発熱塗布部とを含み、
前記金属ブラシは、前記第1発熱塗布部と前記第2発熱塗布部の外周に沿って形成されている、請求項2に記載のヒート機能を有するスティック型製品。
【請求項8】
前記塗布部を第1の方向に切断した断面を基準として、前記第1発熱塗布部に形成されている金属ブラシと前記第2発熱塗布部に形成されている金属ブラシとは、任意の仮想の第1の直線B-B’を基準として互いに反対側に位置する、請求項7に記載のヒート機能を有するスティック型製品。
【請求項9】
前記塗布部を第1の方向に切断した断面を基準として、前記ブラシ部が配置される前記第1の空間は、前記発熱塗布部に形成される凹状の溝として提供されている、請求項7に記載のヒート機能を有するスティック型製品。
【請求項10】
前記塗布部を第1の方向に切断した断面を基準として、前記第2発熱塗布部に形成されている金属ブラシは、任意の仮想の第1の直線B-B’を基準として第1の角度を有するように分布し、一方の側に配置され、前記第1発熱塗布部に形成されている金属ブラシは、前記仮想の第1の直線B-B’を基準として第2の角度を有するように分布し、他方の側に配置され、前記第1発熱塗布部に形成されている金属ブラシは、前記仮想の第1の直線B-B’を基準として第3の角度を有するように分布し、
前記第1の角度は180°であり、前記第2の角度及び前記第3の角度はそれぞれ1°ないし60°である、請求項7に記載のヒート機能を有するスティック型製品。
【請求項11】
前記金属ブラシの端部と前記非金属ブラシの少なくとも一部とは接触する、請求項2に記載のヒート機能を有するスティック型製品。
【請求項12】
前記金属ブラシは、ユーザによって加えられる一定の大きさ以下の外力によって変形しない金属で形成され、
前記非金属ブラシは、前記外力によって変形する素材で形成されている、請求項2に記載のヒート機能を有するスティック型製品。
【請求項13】
前記ヒート機能を有するスティック型製品は、
前記化粧料を保存し、前記ブラシ台と前記塗布部とを収容し得る容器とをさらに含む、請求項1に記載のヒート機能を有するスティック型製品。
【請求項14】
前記ヒート機能を有するスティック型製品が作動する際に、前記金属ブラシは45℃ないし65℃を示す、請求項2に記載のヒート機能を有するスティック型製品。
【請求項15】
前記塗布部を第1の方向に切断した断面を基準として、前記塗布部の中心から第1の距離だけ離隔した前記金属ブラシは特定の温度を示し、
前記中心から前記第1の距離だけ離隔した非金属ブラシは、前記特定の温度より低い温度を示す、請求項2に記載のヒート機能を有するスティック型製品。
【請求項16】
前記ブラシ部は、
前記発熱塗布部と結合する第1連結部と、
前記第1連結部が延びる方向に対して異なる方向に結合される複数個の非金属ブラシとを含み、
前記塗布部を第1の方向に切断した断面を基準として、前記非金属ブラシは前記第1連結部を通る仮想の第4の直線に対して一方の側面にのみ配置されている、請求項2に記載のヒート機能を有するスティック型製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒート機能を有するスティック型製品に関する。
【背景技術】
【0002】
マスカラ(mascara)は女性が使用する化粧品の一種であって、まつ毛を化粧するために使用される。
【0003】
一般的に東洋人は西洋人に比べてまつ毛が短く、カーリング角度が下がっているため、まつ毛のカーリングに多くの時間と努力が必要とされる。
【0004】
例えば、まつ毛のカーリングのためにユーザはビューラーを利用してまつ毛を上に巻き上げたり、まつ毛パーマをかけたり、加熱したツールを利用してまつ毛を上に巻き上げたりする。
【0005】
しかし、ビューラーはまつ毛を摘まんで物理的な力を加える方法であって、まつ毛が抜ける問題、及びまつ毛ではなくまぶたを摘まむことで傷が生じる問題がある。
【0006】
また、まつ毛パーマの場合、まつ毛に化学的な変形を加える方法であって、化学的物質によるまつ毛の抜け、まつ毛のもつれが発生する問題がある。
【0007】
また、加熱されたツールは、特定の物体(例えば、木の串)に熱を加えて形成され得、このような加熱されたツールはまつ毛のカーリングに最適化されたツールではないため、まつ毛のカーリングに最適化された温度に合わせにくいだけでなく、ツールを加熱する過程において火傷が発生する危険がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2009-0012373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施例は、上記のような問題を解決するために提案されたものであって、まつ毛のカーリングを容易にし得るヒート機能を有するスティック型製品を提供する。
【0010】
また、化粧料の塗布によるまつ毛の化粧と加熱によるカーリングとを同時に行えるヒート機能を有するスティック型製品を提供する。
【0011】
また、ユーザに接触しても火傷が発生せず、かつ、まつ毛のカーリングに最適化された温度を提供することができるヒート機能を有するスティック型製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施例において、ユーザが把持することが可能な取手部と、前記取手部から延びるブラシ台と、前記ブラシ台の一方の側の端部に提供されて化粧料を塗布することができる塗布部とを含み、前記塗布部は発熱可能に提供され、熱伝導率が互いに異なる素材で提供されて温度が互いに異なる部分を備える、ヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【0013】
また、前記塗布部は、外周に沿って複数個の金属ブラシが形成された発熱塗布部と、前記発熱塗布部と着脱可能に提供され、前記金属ブラシより熱伝導率が低い素材で形成される非金属ブラシを含むブラシ部とを含む、ヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【0014】
また、前記金属ブラシは金属で形成され、前記非金属ブラシは、前記金属より熱伝導率が低いナイロンで形成される、ヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【0015】
また、それぞれの前記金属ブラシは、前記発熱塗布部が延びる方向と平行な平坦面と、前記平坦面の一方の側から延び、前記発熱塗布部が延びる方向に対して一方向に傾斜した第1の傾斜面と、前記平坦面の他方の側から延び、前記発熱塗布部が延びる方向に対して他の方向に傾斜した第2の傾斜面とを含む、ヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【0016】
また、複数個の前記金属ブラシの間には、前記化粧料が貯留し得る空間である金属ブラシ溝が形成される、ヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【0017】
また、前記発熱塗布部の内部には、あらかじめ設定された温度で発熱することが可能な発熱体が提供される、ヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【0018】
また、前記発熱塗布部は、前記ブラシ部を収容し得る第1の空間が形成された第1発熱塗布部と、前記第1発熱塗布部と一体で形成され、あらかじめ設定された温度で発熱し得る発熱体が挿入される第2の空間が形成される第2発熱塗布部とを含み、前記金属ブラシは、前記第1発熱塗布部と前記第2発熱塗布部の外周に沿って形成される、ヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【0019】
また、前記塗布部を第1の方向に切断した断面を基準として、前記第1発熱塗布部に形成されている金属ブラシと前記第2発熱塗布部に形成されている金属ブラシとは、任意の仮想の第1の直線B-B’を基準として互いに反対側に位置する、ヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【0020】
また、前記塗布部を前記第1の方向に切断した断面を基準として、前記ブラシ部が配置される前記第1の空間は、前記発熱塗布部に形成される凹状の溝として提供される、ヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【0021】
また、前記塗布部を前記第1の方向に切断した断面を基準として、前記第2発熱塗布部に形成されている金属ブラシは、任意の仮想の第1の直線B-B’を基準として第1の角度を有するように分布し、一方の側に配置され、前記第1発熱塗布部に形成されている金属ブラシは、前記仮想の第1の直線B-B’を基準として第2の角度を有するように分布し、他方の側に配置され、前記第1発熱塗布部に形成されている金属ブラシは、前記仮想の第1の直線B-B’を基準として第3の角度を有するように分布し、前記第1の角度は180°であり、前記第2の角度及び前記第3の角度はそれぞれ1°ないし60°である、ヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【0022】
また、前記金属ブラシの端部と前記非金属ブラシの少なくとも一部とは接触する、ヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【0023】
また、前記金属ブラシは、ユーザによって加えられる一定の大きさ以下の外力によって変形しない金属で形成され、前記非金属ブラシは、前記外力によって変形する素材で形成される、ヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【0024】
また、前記ヒート機能を有するスティック型製品は、前記化粧料を保存し、前記ブラシ台と前記塗布部とを収容し得る容器とをさらに含む、ヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【0025】
また、前記ヒート機能を有するスティック型製品が作動する際に、前記金属ブラシは45℃ないし65℃を示す、ヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【0026】
また、前記塗布部を第1の方向に切断した断面を基準として、前記塗布部の中心から第1の距離だけ離隔した前記金属ブラシは特定の温度を示し、前記中心から前記第1の距離だけ離隔した非金属ブラシは、前記特定の温度より低い温度を示す、ヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【0027】
また、前記ブラシ部は、前記発熱塗布部と結合する第1連結部と、前記第1連結部が延びる方向に対して異なる方向に結合される複数個の非金属ブラシとを含み、前記塗布部を第1の方向に切断した断面を基準として、前記非金属ブラシは前記第1連結部を通る仮想の第4の直線に対して一方の側面にのみ配置される、ヒート機能を有するスティック型製品が提供され得る。
【発明の効果】
【0028】
本実施例において、ヒート機能を有するスティック型製品は、まつ毛のカーリングを容易にし得る長所がある。
【0029】
また、化粧料の塗布によるまつ毛の化粧と加熱によるカーリングとを同時に行える効果がある。
【0030】
また、ユーザに接触しても火傷が発生せず、かつ、まつ毛のカーリングに最適化された温度を提供することができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施例において、ヒート機能を有するスティック型製品の斜視図である。
図2図1のヒート機能を有するスティック型製品の分解斜視図である。
図3図2のヒート機能を有するスティック型製品の発熱塗布部を拡大した図面である。
図4図3の発熱塗布部を第1の方向に切断した断面である。
図5図3の発熱塗布部を第2の方向に切断した断面である。
図6図2のヒート機能を有するスティック型製品のブラシ部の一実施例を概略的に示した図面である。
図7】本発明の他の実施例において、ブラシ部を概略的に示す図面である。
図8図7のブラシ部を第1の方向に切断した断面を概略的に示す図面である。
図9図7のブラシ部と発熱塗布部とが結合された塗布部を第1の方向に切断した断面を概略的に示す図面である。
図10】本発明のまた他の実施例において、ブラシ部を概略的に示す図面である。
図11】本発明のまた他の実施例において、ブラシ部を概略的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下においては、本発明の具体的な実施例について図面を参照して詳細に説明する。併せて、本発明を説明するにおいて、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にし得ると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0033】
図1は、本発明の一実施例においてヒート機能を有するスティック型製品1の斜視図であり、図2は、図1のヒート機能を有するスティック型製品1の分解斜視図であり、図3は、図2のヒート機能を有するスティック型製品1の発熱塗布部300を拡大した図面であり、図4は、図3の発熱塗布部300を第1の方向に切断した断面であり、図5は、図3の発熱塗布部300を第2の方向に切断した断面であり、図6は、図2のヒート機能を有するスティック型製品1のブラシ部400の一実施例を概略的に示した図面である。
【0034】
図1ないし図6を参照すると、本発明の一実施例においてヒート機能を有するスティック型製品1は、ユーザが把持することが可能な取手部10と、取手部10から延びるブラシ台20と、ブラシ台20の一方の側の端部に提供されて化粧料を塗布することが可能な塗布部30とを含むことができる。
【0035】
ここで、塗布部30は発熱可能に提供され、熱伝導率が互いに異なる素材で提供されて温度が互いに異なる部分を含むことができる。
【0036】
具体的に、塗布部30は特定の温度で発熱可能であり、金属で形成された金属ブラシ330を含む発熱塗布部300と、金属ブラシ330より熱伝導率の低い素材で形成される非金属ブラシ430を含むブラシ部400とを含むことができる。
【0037】
本実施例において、スティック型製品は一方向に延びるブラシ台を有する製品であって、まつ毛の化粧のためのマスカラ(mascara)、唇の化粧のためのリップティント(lip tint)またはリップグロス(lip gloss)、シミなどをカバーするためのコンシーラー(concealer)などを含むことができる。本実施例においては、スティック型製品はマスカラであることを例に挙げて説明する。
【0038】
また、ヒート機能を有するスティック型製品1は化粧料を保存し、ブラシ台20と塗布部30とを収容することが可能な容器50を含むことができる。容器50に保存される化粧料は、ヒーティングにおいて安定した組成物として提供され得、これに関する詳細な説明は後述する。
【0039】
本実施例において、図3に示されている仮想の「E」面は、発熱塗布部300を第1の方向に切断したものと理解され得、図3に示されている仮想の「F」面は、発熱塗布部300を第2の方向に切断したものと理解され得る。
【0040】
取手部10は、ユーザが把持することが可能であるように一定の形状を有することができる。
【0041】
本実施例において、取手部10と容器50とは円柱状に形成されることを例に挙げて説明する。ただし、取手部10と容器50の形状が制限されるわけではない。
【0042】
取手部10の内部には、後述する発熱体60のエネルギー源であるバッテリー(図示せず)が内蔵され得る。
【0043】
取手部10の一方の側には、発熱体60の作動のためのボタン110が配置され得る。
【0044】
また、取手部10の他方の側には、バッテリー(図示せず)を充電するための充電端子が提供され得る。
【0045】
ブラシ台20は、取手部10から一方向に延びることができる。
【0046】
ブラシ台20の内部には、バッテリー(図示せず)と発熱体60とを電気的に連結する電線が配置され得る。
【0047】
ブラシ台20を取り囲む取手部10の下側内部には、容器50のネック部と結合可能なねじ線(図示せず)が形成され得る。
【0048】
ブラシ台20の一方の側の端部には、化粧料を塗布することが可能な塗布部30が提供され得る。
【0049】
塗布部30の長さL1とブラシ台20の長さL2との割合は、1:1~2で提供され得る。
【0050】
例えば、塗布部30の長さL1は25mmで形成され、ブラシ台20の長さL2は40mmで形成され得る。
【0051】
また、塗布部30の直径とブラシ台20の直径との割合は、1:0.5~1、好ましくは6:5で提供され得る。
【0052】
塗布部30は、金属で形成された金属ブラシ330を含む発熱塗布部300と、金属より熱伝導率の低い素材で形成されている非金属ブラシ430を含むブラシ部400とを含むことができる。
【0053】
発熱塗布部300は発熱体60を内蔵し、発熱体60から熱が伝達されて外側に熱を発散することができる。
【0054】
すなわち、ヒート機能を有するスティック型製品1の作動の際に、発熱体60は金属ブラシ330を特定の温度に加熱することができる。
【0055】
ヒート機能を有するスティック型製品1の作動の際に、金属ブラシ330が示す特定の温度は45℃ないし65℃であり、好ましくは50℃ないし60℃であり、より好ましくは55℃である。
【0056】
このとき、非金属ブラシ430は45℃未満を示し得、好ましくは35℃未満を示し得る。
【0057】
発熱塗布部300の外周には、金属で形成された金属ブラシ330が提供され得る。
【0058】
それぞれの金属ブラシ330は、発熱塗布部300が延びる方向と平行な平坦面332と、平坦面332の一方の側から延び、発熱塗布部300が延びる方向に対して一方向に傾斜した第1の傾斜面334と、平坦面332の他方の側から延び、発熱塗布部300が延びる方向に対して他の方向に傾斜した第2の傾斜面336とを含む(図5を参照)。
【0059】
第1の傾斜面334と第2の傾斜面336とは、傾斜する方向が互いに反対方向に形成され得る。
【0060】
平坦面332と第1の傾斜面334と第2の傾斜面336の形態は、発熱塗布部300を第2の方向に切断した断面を基準として示したものと理解され得る。
【0061】
また、複数個の金属ブラシ330の間には、化粧料が貯留し得る空間である複数個の金属ブラシ溝338が形成される。
【0062】
複数個の金属ブラシ330は、互いに平行に形成され得る。
【0063】
例えば、金属ブラシ330は10個~100個であり得、金属ブラシ330によって形成される金属ブラシ溝338も10個~100個であり得る。
【0064】
金属ブラシ溝338には、化粧料が貯留することができる。
【0065】
ユーザは、特定の温度(例えば、45℃ないし65℃)を示し、化粧料を含んでいる金属ブラシ330をまつ毛にタッチすることができる。これにより、まつ毛が曲線状に巻き上げられ得ると同時に、まつ毛の化粧が実行され得る。
【0066】
また、複数個の金属ブラシ330は、ねじ線状に形成されてもよい。
【0067】
発熱塗布部300は、ブラシ部400を収容することが可能な第2の空間S2が形成されている第1発熱塗布部310と、第1発熱塗布部310と一体で形成され、あらかじめ設定された温度で発熱し得る発熱体60が挿入される第2の空間S2が形成される第2発熱塗布部320とを含む(図4を参照)。
【0068】
ここで、金属ブラシ330は、第1発熱塗布部310と第2発熱塗布部320の外周に沿って形成される。
【0069】
第1発熱塗布部310、第2発熱塗布部320、及び金属ブラシ330は、一体で形成され得る。
【0070】
第1発熱塗布部310、第2発熱塗布部320、及び金属ブラシ330は、同一の素材である金属で形成され得る。
【0071】
発熱塗布部300は、化粧料と対比される特定の色を示すように提供されるか、化粧料と異なる色を示すように提供され得る。
【0072】
例えば、発熱塗布部300は、黄色または金色を示し得る。
【0073】
この場合、ユーザは発熱塗布部300が吸収している化粧料を容易に識別することができる。
【0074】
また、発熱塗布部300とブラシ部400とは、互いに異なる色を示すように形成されてもよい。
【0075】
塗布部30を第1の方向に切断した断面を基準として(図4を参照)、第2発熱塗布部320に形成されている金属ブラシ330は、任意の仮想の第1の直線B-B’に対して一方の側(例えば、下側)に位置し、第1発熱塗布部310に形成されている前記金属ブラシ330は、仮想の第1の直線B-B’に対して他方の側(例えば、上側)に位置し得る。
【0076】
すなわち、発熱塗布部300を第1の方向に切断した断面を基準として、第2発熱塗布部320に形成されている金属ブラシ330と第1発熱塗布部310に形成されている金属ブラシ330とは、仮想の第1の直線B-B’を基準として互いに反対側に位置することができる。
【0077】
ここで、第1の方向は、発熱塗布部300が延びる方向と垂直な方向であると理解され得る。
【0078】
例えば、図2の「E」面は、発熱塗布部300を第1の方向に切断した面である。
【0079】
また、塗布部30または発熱塗布部300を第1の方向に切断した断面を基準として、第2発熱塗布部320に形成されている金属ブラシ330は、仮想の第1の直線B-B’を基準として第1の角度θ1を有するように分布し得る(図4を参照)。ここで、第1の角度θ1は180°である。
【0080】
また、塗布部30又は発熱塗布部300を第1の方向に切断した断面を基準として、一方の側(図4を基準として右側)に配置され、第1発熱塗布部310に形成されている金属ブラシ330は、仮想の第1の直線B-B’を基準として第2の角度θ2を有するように分布し得る(図4を参照)。ここで、第2の角度θ2は1°ないし60°である。
【0081】
第2の角度θ2は、仮想の第1の直線B-B’と仮想の第2の直線O-Cとがなす角度であると理解され得る。
【0082】
ここで、仮想の第2の直線O-Cは、発熱塗布部300の中心Oと、一方の側(図4を基準として右側)に配置され、第1発熱塗布部310に形成されている金属ブラシ330の端部とを結ぶ仮想の線であると理解され得る。
【0083】
また、塗布部30又は発熱塗布部300を第1の方向に切断した断面を基準として、他方の側(図4を基準として左側)に配置され、第1発熱塗布部310に形成されている金属ブラシ330は、仮想の第1の直線B-B’を基準として第3の角度θ3を有するよう分布し得る(図4を参照)。ここで、第3の角度θ3は1°ないし60°である。すなわち、第2の角度θ2と第3の角度θ3とは同一に形成され得る。
【0084】
第3の角度θ3は、仮想の第1の直線B-B’と仮想の第3の直線O-Dとがなす角度であると理解され得る。
【0085】
ここで、仮想の第3の直線O-Dは、発熱塗布部300の中心Oと、他方の側(例えば、図4を基準として左側)に配置され、第1発熱塗布部310に形成されている金属ブラシ330の端部とを結ぶ仮想の線であると理解され得る。
【0086】
上述した第1の角度θ1は180°であり、第2の角度θ2及び第3の角度θ3は1°ないし60°(好ましくは10°ないし45°)を有することができる。
【0087】
ここで、塗布部30または発熱塗布部300を第1の方向に切断した断面を基準として、仮想の第1の直線B-B’は発熱塗布部300の中心Oと接し、第1発熱塗布部310と第2発熱塗布部320とを区分する任意の直線であると理解され得る。
【0088】
すなわち、仮想の第1の直線B-B’は、図4を基準としてx軸と平行な線であると理解され得る。塗布部30を第1の方向に切断した断面を基準として、第1発熱塗布部310は、対称の形状に形成され得る。
【0089】
塗布部30を第1の方向に切断した断面を基準として、ブラシ部400が配置される第1の空間S1は、前記発熱塗布部300に形成された凹状の溝として提供され得る。
【0090】
また、塗布部30を第2の方向に切断した断面を基準として(図5を参照)、一方の側(例えば、下側)には金属ブラシ330が形成され得、他方の側(例えば、上側)にはブラシ部400が配置される第1の空間S1が形成され得る。
【0091】
すなわち、発熱塗布部300の第1の空間S1にブラシ部400が装着される場合、塗布部30を第2の方向に切断した断面を基準として、一方の側(例えば、下側)には金属ブラシ330が形成され得、他方の側(例えば、上側)には非金属ブラシ430が形成され得る。
【0092】
ここで、第2の方向は、発熱塗布部300が延びる方向であって、発熱塗布部300を二等分する方向であると理解され得る。
【0093】
上述の第1の方向と第2の方向とは直交する。
【0094】
上述の第1の方向に切断した断面は、図3の発熱塗布部300に対して「E」面を基準として切断した断面であると理解され得、第2の方向に切断した断面は、図3の発熱塗布部300に対して「F」面を基準として切断した断面であると理解され得る。
【0095】
第1発熱塗布部310に形成されている金属ブラシ330は、ブラシ部400の少なくとも一部を取り囲むことができる。
【0096】
具体的に、発熱塗布部300の第1の空間S1は凹状に形成され、非金属ブラシ430の少なくとも一部は、凹状に形成された第1の空間S1に配置され得る。
【0097】
また、金属ブラシ330の少なくとも一部と非金属ブラシ430の少なくとも一部とは接触し得る。
【0098】
具体的に、第1発熱塗布部310に形成されている金属ブラシ330の端部339と非金属ブラシ430の少なくとも一部である端部439とは接触し得る。
【0099】
また、ユーザから外力が加えられない場合、金属ブラシ330と非金属ブラシ430とは非接触状態であり、ユーザから外力が加えられる場合、金属ブラシ330と非金属ブラシ430とは接触状態ともなり得る。
【0100】
塗布部30または発熱塗布部300を第1の方向に切断した断面を基準として、塗布部30の中心Oから第1の距離だけ離隔した金属ブラシ330は特定の温度を示し、塗布部30の中心Oから第1の距離だけ離隔した非金属ブラシ430は、特定の温度より低い温度を示し得る。
【0101】
例えば、塗布部30の中心Oから第1の距離だけ離隔した非金属ブラシ430の温度は、金属ブラシ330より30℃~65℃低くてもよい。
【0102】
ここで、第1の距離は、第1発熱塗布部310または第2発熱塗布部320の直径と同一に提供され得る。
【0103】
発熱塗布部300の内側には、ブラシ部400が結合する第1連結部350が形成され得る。
【0104】
第1連結部350は、ブラシ部400の第2連結部410が挿入し得る溝として形成され得る。
【0105】
第1連結部350は、第1の空間S1と連結され、発熱塗布部300が延びる方向に形成され得る。
【0106】
発熱塗布部300の内部には、発熱体60が配置され得る。
【0107】
発熱体60は発熱塗布部300に内蔵され、発熱塗布部300が延びる方向に沿って発熱塗布部300の全体にわたって形成され得る。
【0108】
発熱体60は、発熱塗布部300が延びる方向に沿って、発熱塗布部300の長さの80%以上にわたって形成され得る(図5を参照)。
【0109】
発熱体60には、安全な温度制御のためにサーミスター(thermister)を含んでいてもよい。
【0110】
また、金属ブラシ330は、発熱塗布部300が延びる方向と垂直な方向に形成され得る。すなわち、金属ブラシ330は、第1の方向に延びることができる。
【0111】
非金属ブラシ430もブラシ部400が延びる方向と垂直な方向に形成され得、すなわち、非金属ブラシ430も第1の方向に延びることができる。
【0112】
ブラシ部400は、発熱塗布部300と着脱可能に提供され得る。
【0113】
ブラシ部400は、金属ブラシ330より熱伝導率の低い素材で提供される非金属ブラシ430を含むことができる。
【0114】
ブラシ部400は、発熱塗布部300に着脱可能であるところ、多様な形状で提供され得る。
【0115】
例えば、ブラシ部400は射出成形して形成され得る。
【0116】
一実施例においてブラシ部400は、発熱塗布部300の第1連結部350と結合する第2連結部410と、外力によって変形可能な材質(例えば、ナイロンまたはゴム素材)で形成される非金属ブラシ430とを含むことができる。
【0117】
非金属ブラシ430は複数個形成され、複数個の非金属ブラシ430は互いに平行に形成され得る。
【0118】
複数個の非金属ブラシ430の間には、非金属ブラシ溝420が形成され得る。
【0119】
本実施例において、第2連結部410は突起で形成され、第1連結部350は溝で形成されることを例に挙げて説明する。
【0120】
第2連結部410は、第1連結部350に嵌合し得るように弾性変形可能に提供され得る。
【0121】
ブラシ部400の非金属ブラシ430は非金属で形成され、第2連結部410は弾性変形が可能な金属で形成されてもよい。
【0122】
以下では、ヒート機能を有するスティック型製品1の使用方法について説明する。
【0123】
ユーザは取手部10を把持し、ブラシ台20を容器50に対して分離した後、ボタン110を押す。この場合、発熱体60が発熱して金属ブラシ330に熱を伝達し、金属ブラシ330は特定の温度を示し得る。
【0124】
その後、ユーザは特定の温度で加熱された金属ブラシ330とまつ毛とを接触させて、まつ毛を巻き上げることができる。このとき、金属ブラシ330及び非金属ブラシ430には化粧料が付着しているところ、まつ毛の化粧を同時に行うことができる。
【0125】
一使用例として、ユーザは金属ブラシ330の端部339と非金属ブラシ430の端部439とを同時にまつ毛に接触させることができる。この場合、ユーザは加熱によるまつ毛の巻き上げと同時に、化粧料によるまつ毛の化粧をさらに容易に行うことができる。
【0126】
図7は、本発明の他の実施例においてブラシ部400’を概略的に示す図面である。
【0127】
図8は、図7のブラシ部400’を第1の方向に切断した断面を概略的に示す図面である。
【0128】
図9は、図7のブラシ部400’と発熱塗布部300とが結合された塗布部30を第1の方向に切断した断面を概略的に示す図面である。
【0129】
図7ないし図9に示されている実施例は、図1ないし図6に示されている実施例と対比してブラシ部において主な差異があるところ、その相違点を中心として説明することとし、同一の部分については図1ないし図6で上述したヒート機能を有するスティック型製品1の説明を援用する。
【0130】
図7ないし図9を参照すると、本発明の他の実施例においてブラシ部400’は、一方向に延びる第1連結部410’と、第1連結部410’に嵌合し、第1連結部410’と異なる方向に延びる複数個の非金属ブラシ430’とを含むことができる。
【0131】
非金属ブラシ430’は、変形可能な材質(例えば、ナイロンまたはゴム素材)で形成され得る。
【0132】
塗布部30を第1の方向に切断した断面を基準として(図8及び図9を参照)、非金属ブラシ430’は仮想の第1の直線B-B’と平行な仮想の第4の直線E-E’に対して一方の側面(例えば、上部)にのみ配置され得る。
【0133】
すなわち、塗布部30を第1の方向に切断した断面を基準として、非金属ブラシ430’は、仮想の第4の直線E-E’に対して90°ないし180°の角度、好ましくは120°ないし150°の角度を有するように分布し得る。
【0134】
発熱塗布部300とブラシ部400’とが結合した場合、仮想の第4の直線E-E’の一方の側面には非金属ブラシ430’が配置され、仮想の第4の直線E-E’の他方の側面には金属ブラシ330が配置され得る。
【0135】
ここで、仮想の第4の直線E-E’は、塗布部30を第1の方向に切断した断面を基準として発熱塗布部300とブラシ部400’とが結合した時、仮想の第1の直線B-B’と平行であり、第1連結部410’を通る仮想の線であると理解され得る。
【0136】
また、非金属ブラシ430’は、第1連結部410’が延びる方向に沿って配置され得る。
【0137】
また、それぞれの非金属ブラシ430’は、細いナイロン毛で形成され得る。
【0138】
図10は、本発明のまた他の実施例においてブラシ部400’’を概略的に示す図面である。
【0139】
図10に示されているブラシ部400’’は、図7に示されているブラシ部400’と対比して非金属ブラシ430’’の配置関係において主な差異があるところ、その相違点を中心として説明することとし、同一の部分については図7に示されているブラシ部400’の説明を援用する。
【0140】
図10を参照すると、本発明のまた他の実施例においてブラシ部400’’は、第1連結部410’’と、第1連結部410’’に結合する複数個の非金属ブラシ430’’とを含むことができる。
【0141】
第1連結部410’’が延びる方向を基準として、第1連結部410’’の中心部分に配置された非金属ブラシ430’’の長さは、第1連結部410’’の中心部分より相対的に外郭に配置された非金属ブラシ430’’の長さより長く形成され得る。
【0142】
ブラシ部400’’を第1の方向に切断した断面を基準として、非金属ブラシ430’’は第1連結部410’’の全周に沿って配置され得る。
【0143】
すなわち、本実施例に示されている非金属ブラシ430’’は、仮想の第4の直線E-E’に対して両側面のいずれにも配置され得る。
【0144】
本実施例のブラシ部400’’の第1連結部410’’が発熱塗布部300の第1連結部350に挿入されて、ブラシ部400’’と発熱塗布部300とが結合する場合、非金属ブラシ430’’は金属ブラシ330の端部339によって加圧されて一方向に集められ得る。
【0145】
一例として、ブラシ部400’’の非金属ブラシ430’’は、金属ブラシ330の端部339で集められることにより、金属ブラシ330の端部339において高密度に配置され得る。
【0146】
図11は、本発明のまた他の実施例においてブラシ部400’’’を概略的に示す図面である。
【0147】
図11に示されているブラシ部400’’’は、図7に示されているブラシ部400’と比較して非金属ブラシ430’’’の長さにおいて主な差異があるところ、その相違点を中心として説明することとし、同一の部分については図7に示されているブラシ部400’の説明を援用する。
【0148】
図11を参照すると、第1連結部410’’’が延びる方向を基準として、第1連結部410’’’の中心部分に配置された非金属ブラシ430’’’の長さは、第1連結部410’’’の中心部分よりも相対的に外郭に配置された非金属ブラシ430’’’の長さより長く形成され得る。
【0149】
上述したように、本実施例の発熱塗布部300には、多様な形態のブラシ部400が挿入され得る。
【0150】
以下では、容器50に保存された化粧料の成分について説明する。容器50に保存された化粧料は、特定の温度で加熱されても変性のない安定した組成物であると理解され得る。
【0151】
容器50に保存される化粧料は、マスカラ組成物を含むことができる。
【0152】
容器50に保存されるマスカラ組成物は、組成物の総重量を基準として、未結晶性ワックス1~30重量%及び揮発性溶剤10~50重量%を含み、前記未結晶性ワックスはマイクロスタリンワックス及びパラフィンワックスを含み、前記組成物は、80~90℃範囲の加熱及び20~30℃範囲の冷却を15回以上繰り返した後に、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計での測定時に、組成物の最初の粘度と繰り返し後の粘度(cps)の変化が30%以下であり得る。
【0153】
本実施例のマスカラ組成物は、乳剤または分散剤の形態の連続性無水物、または一部水性相を含むエマルジョンであり得る。前記連続性無水物は、水のない分散剤形である油分散剤形であり、水性相を含む場合エマルジョンとなる。エマルジョンはO/WまたはW/Oとなり得る。一側面から見た本実施例のマスカラ組成物は連続性無水物であって、油分散剤形がメイン剤形である。
【0154】
本実施例のマスカラ組成物は、ワックス、オイル、増粘剤またはこれらの混合物を含む脂肪相(fatty phase)を含むことができる。
【0155】
ここで、ワックスは、Performalene PLのような低密度または中密度のポリエチレンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの直鎖飽和炭化水素を主成分とし、常温において固体であるワックスであり得る。前記ワックスは温度変化に敏感でなく、その他の結晶性ワックスとの混合時に可塑剤の役割を果たすことができる。すなわち、本実施例のワックスは未結晶で可塑性が非常に優れているため、通常の結晶性ワックスとの混合使用時に結晶を微細化させることで繰り返しの加熱及び冷却にも結晶の構造が大きくならずに安定し得る。
【0156】
既存のマスカラ組成物が結晶性ワックスを多量に含んでいるのに対し、本実施例のマスカラ組成物は結晶性ワックスを含まないか、結晶性ワックスと共に前記の直鎖飽和炭化水素を主成分とするワックスを含む。一側面において、マスカラ組成物は結晶性ワックスを組成物の総含量を基準として10重量%以下程度に含むことができ、未結晶性ワックスは結晶性ワックスを微細化させる機能も有する。
【0157】
既存のマスカラ組成物は結晶性ワックスを多量に含有しているため、溶融点を有している。したがって、最終溶融点以上の温度に加熱される場合、非常に短い時間内に非結晶状態となり、冷却されるに伴って再び結晶状態に変わる物性を示すのが一般的である。すなわち、加熱及び冷却の繰り返しによって組成物の物性が変わるようになる。
【0158】
既存のマスカラ組成物は、加熱された場合に溶融ピークを有する組成物内のワックスの結晶化が加速化し、加熱及び冷却を繰り返した場合に溶融ピークの面積が増えるようになる。
【0159】
しかし、本実施例のマスカラ組成物は特定の溶融点がなく、溶融ピークが存在しない。したがって、溶融点のない油分散組成物は、加熱によって溶媒が急速に揮発することでまつ毛のセッティング/カーリングを可能にし、繰り返しの加熱及び冷却にも組成物の安定性を維持するようになる。
【0160】
ワックスの含量は、組成物全体の総重量を基準として1~50重量%であり得る。ワックスは1重量%未満の場合、剤形上においてその影響が微々たるものであり、50重量%以上では使用感が硬くなる問題点があるためである。一側面において、ワックスの含量は組成物全体の総重量を基準として10~30重量%であり得る。
【0161】
前記オイルは、揮発性または不揮発性炭化水素、シリコーンオイル及びこれらの組み合わせからなる群から選択された1つ以上を含むことができる。前記オイルは、具体的な例として、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルヒドロキシシリコーンオイル、フロロシリコーンオイル、ポリオキシエーテル共重合体、アルキル変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、重質イソパラフィン、スクアレン、流動パラフィンなどがある。
【0162】
前記オイルは、これを組成物全体の総重量に対して一側面において5ないし30重量%、他の一側面において7ないし25重量%含まれ得る。これは、5重量%範囲未満の場合、剤形上においてその影響が微々たるものであり、30重量%範囲以上では剤形の形成が難しいためである。
【0163】
前記増粘剤は、親油性、有機性、無機系及びこれらの混合物から選択され得る。前記増粘剤は、組成物の粘性を高めるために添加するものであって、例えばアラビアゴム、トラガントガム、ガラクタン、カロブガム、グアーガム、カラギナン、ペクチン、寒天、デンプン(トウモロコシ、小麦、サツマイモ、米)などの植物系高分子、デキストラン、フルランなどの微生物系高分子、デキストリンミリステート、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプンなどのデンプン系高分子、コラーゲン、カゼイン、ゼラチンなどの動物系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロースなどのセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、POE系高分子、POEポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸などの無機系水溶性高分子などが挙げられるが、これに限定されるわけではない。
【0164】
前記増粘剤は、これを組成物全体の総重量に対して一側面において0.05ないし15重量%、他の一側面において0.1ないし13重量%含まれ得る。増粘剤の含量が0.05重量%未満であると増粘剤としての役割が十分でなく、15重量%を超過すると増粘剤の過剰使用によって粘硬度の上昇及びまつ毛の固まり現象が極度に現れ、きれいな化粧効果を得ることが難しい。
【0165】
本実施例のマスカラ組成物は、顔料(pigment)をさらに含むことができる。前記顔料は、酸化鉄、D&C、FD&C着色剤、またはこれらのレーキであり得、具体的な例としては、赤色、黄色鉄、黒色酸化鉄、ウルトラマリン、酸化鉄チタン化雲母、アルミニウム、バリウムまたはカルシウムの塩、カーボンブラックまたはレーキなどであり得る。
【0166】
前記顔料の含量は、組成物全体の総重量に対して一側面において0.1ないし20重量%、他の一側面において1ないし10重量%であり得る。
【0167】
本発明のマスカラ組成物は、フィルム形成ポリマーをさらに含むことができ、分散型、乳化型、または乳化重合型からなり得る。フィルム形成ポリマーは、まつ毛への塗布時にフィルム膜を形成してケラチン繊維にカーリング効果や所望の形へのセッティングを可能にする。前記フィルム形成ポリマーとしては、ベタつきがなく均一なフィルム膜の形成を可能にするフィルム形成剤として、ビニルポリマー、アクリレート共重合体、アルキルアクリレート共重合体、アクリル系、シリコーン系、シロキサン系、シラン系または前記ポリマーの2以上の組み合わせなどを挙げることができ、具体的に、例えばハイドロジェネイティドポリシクロペンタジエン(hydrogenated polycyclopentadiene)、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリメタクリレートなどがある。
【0168】
前記フィルム形成ポリマーは、組成物全体の総重量に対して一側面において1ないし30重量%、他の一側面において5ないし20重量%であり得る。フィルム形成ポリマーの含量が1重量%未満であると、まつ毛にフィルム膜を形成するのが難しく、目の下のにじみ現象が発生するおそれがあり、カーリング効果やセッティング力に劣るようになる。また、30重量%を超過すると、ケラチン繊維にコーティングされたフィルムが強すぎてまつ毛が絡まってしまう問題が発生し得る。
【0169】
本実施例のマスカラ組成物は、前記成分以外に本発明の目的と効果を阻害しない範囲内で乳化剤、消泡剤、防腐剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤などをさらに含むことができる。
【0170】
本実施例のマスカラ組成物は、通常のマスカラの繰り返しの使用により、80~90℃範囲の加熱及び20~30℃範囲の冷却が繰り返されてもマスカラ組成物の粘度変化が一側面において30%以下、他の一側面において15%以下に変わる組成物である。前記粘度変化は、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計で測定することができる。
【0171】
本実施例のマスカラ組成物は、揮発性溶剤、特にシリコーン、炭化水素、またはフッ素系溶剤を含む無水相であり得、例示的な実施形態において前記溶剤は、イソドデカン、イソパラフィン等であり得るが、これに制限されない。無水相溶剤は、まつ毛のカーリング効果を図り、維持力を増加させることができる。すなわち、前記溶剤は、毛髪内の二硫化結合を保護して完成されたカールを長時間維持させることができる。
【0172】
本実施例のマスカラの油分散剤形は、ワックスを加熱して溶媒に溶解させた後、顔料に分散させ、フィルム形成ポリマーなどのその他の組成物を投入して冷却させることで製造され得る。また、エマルジョン剤形は、ワックスを溶媒に溶解させた後に顔料に分散させ、油相パートを水相パートとは別途に準備して加熱した後に投入し、その他の組成物をさらに添加して冷却させることで製造することができる。
【0173】
以下、実施例及び実験例を挙げて、本発明の構成及び効果をより具体的に説明する。しかし、これらの実施例及び実験例は、本発明に対する理解の一助とするために例示の目的としてのみ提供されたものであって、本発明の範疇及び範囲がそれによって制限されるわけではない。
【実施例0174】
[実施例1]
通常のマスカラ組成物の製造方法にしたがって油分散剤形のマスカラ組成物を製造し、下記組成を使用した。
- ワックス(マイクロスタリンワックス10重量%+ビーズワックス2重量%+パラフィンワックス2重量%)
- オイル(ジメチルシリコーンオイル5重量%)
- 増粘剤(ベントナイト2重量%+デキストリンミリステート3重量%)
- フィルム形成ポリマー(DC MQ 1640樹脂(ダウ・コーニング(登録商標))10重量%+granacrysil BMAS(Grant Industry社)10重量%)
- 溶媒(イソドデカン+イソパラフィン to 100)
- 色素(適量)
【0175】
[実験例1]
実施例1のマスカラ組成物の温度変化に対する安定性を実験した。マスカラ組成物を90℃で1時間置いてから、再び30℃で2時間の間放置した後、組成物の粘度を測定した。実験は通常のマスカラ組成物の使用の現実に基づいたものであって、通常マスカラは3ヶ月間使用され、90回、1回当たり4分程度使用されるとすると合計6時間の間使用される。これを加速化実験に条件を変更したものであり、通常の使用の場合よりもさらに過酷な条件として15回(サイクル)繰り返して加熱及び冷却を行った。これはマスカラ組成物を約15時間の間加熱したのと同一の条件である。最初のサイクルと最後のサイクルとの間のマスカラ組成物の粘度偏差が25%未満であれば、繰り返しの加熱及び冷却に対して安定的であると見ることができ、組成物の物性が変質しなかったと結論づけることができる。
【0176】
比較のために、一般的なマスカラ組成物(HERAリッチカーリングマスカラ、製造社:(株)アモーレパシフィック)も上記と同一の方法で加熱及び冷却を繰り返した。実施例1のマスカラ組成物と一般的なマスカラ組成物の粘度を最初の実験前に測定し(0回)、2回単位で15回まで加熱及び冷却サイクル後の粘度を測定した。
【0177】
粘度の測定は、50/60Hzの電力供給で作動するLV spindle(スピンドル)が装着されたブルックフィールド(Brookfield) HADV-III U粘度計を使用して測定した。
【0178】
一般的なマスカラの場合、3回のサイクル後にはすでに組成物の粘度が極めて上昇するため、最初のような方法で粘度を測定するのが難しかったのであり、実施例1のマスカラ組成物の場合には、15回のサイクル後にも25%未満の粘度偏差を示した。
【0179】
[実験例2]
アルミニウムサンプラーに一般的なマスカラ組成物及び実施例1のマスカラ組成物をそれぞれ10mg入れ、5℃/minの速度で20℃から90℃に加熱した後、再び90℃から20℃に冷却するサイクルを15回繰り返した。Ta instruments社のDSC Q1000機器を使用して、組成物の時間に伴う温度の変化を測定した。
【0180】
実施例1のマスカラ組成物の場合、溶融点及び溶融ピークが目視で識別されなかった。
【0181】
以上、本発明の実施例においてヒート機能を有するスティック型製品1を具体的な実施形態でもって説明したが、これは例示に過ぎないものであって、本発明はこれに限定されるものではなく、本明細書に開示された基礎思想に基づく最も広い範囲を有するものと解釈されるべきである。当業者は開示された実施形態を組み合わせ、置換して摘示されていない実施形態を実施することができるが、これもまた本発明の権利範囲を逸脱しないものである。この他にも、当業者は本明細書に基づいて開示された実施形態を容易に変更または変形することができ、このような変更または変形も本発明の権利範囲に属することは明らかである。
【符号の説明】
【0182】
1 ヒート機能を有するスティック型製品
10 取手部
20 ブラシ台
30 塗布部
300 発熱塗布部
310 第1発熱塗布部
320 第2発熱塗布部
330 金属ブラシ
400 ブラシ部
430 非金属ブラシ
50 容器
60 発熱体
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