(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024000319
(43)【公開日】2024-01-05
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20231225BHJP
H10B 41/27 20230101ALI20231225BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20231225BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L27/11556
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022099042
(22)【出願日】2022-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒井 伸也
(72)【発明者】
【氏名】田口 雄太
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP02
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA39
5F083JA40
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083PR03
5F083PR21
5F083PR40
5F101BA02
5F101BA46
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
(57)【要約】
【課題】製造歩留まりを向上させる。
【解決手段】実施形態によれば、半導体装置は、基板201を含む第1チップ20と、第1面(貼合面)で第1チップと貼り合わされた第2チップ10とを含む。第1チップ及び第2チップの各々は、素子領域ERとチップ端部を含む端部領域KRとを有する。第1チップは、端部領域の第1面に配置され、電気的に非接続状態とされた複数の第1電極211dkを含む。第2チップは、端部領域の第1面に配置され、電気的に非接続状態とされ、複数の第1電極とそれぞれ接する複数の第2電極110dkを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を含む第1チップと、
第1面で前記第1チップと貼り合わされた第2チップと
を備え、
前記第1チップ及び前記第2チップの各々は、素子領域と、チップ端部を含む端部領域とを有し、
前記第1チップは、前記端部領域の前記第1面に配置され、電気的に非接続状態とされた複数の第1電極を含み、
前記第2チップは、前記端部領域の前記第1面に配置され、電気的に非接続状態とされ、前記複数の第1電極とそれぞれ接する複数の第2電極を含む、
半導体装置。
【請求項2】
前記端部領域は、
前記複数の第1電極及び前記複数の第2電極が配置される電極配置領域と、
前記電極配置領域を囲み、いかなる電極も配置されていない最外縁領域と
を含む、
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
基板を含む第1チップと、
第1面で前記第1チップと貼り合わされた第2チップと
を備え、
前記第1チップ及び前記第2チップの各々は、第1領域及び前記第1領域を囲む第2領域を含む素子領域と前記素子領域を囲む第3領域とを有し、
前記第2領域の第1面には、第4領域と第5領域とが設けられ、
前記第1チップは、
前記第4領域に、前記基板に電気的に接続された複数の第1電極が配置され、
前記第5領域に、電気的に非接続状態とされた複数の第1ダミー電極が配置され、
前記第2チップは、
前記第4領域に、外部接続端子に電気的に接続され、前記複数の第1電極とそれぞれ接する複数の第2電極が配置され、
前記第5領域に、電気的に非接続状態とされ、前記複数の第1ダミー電極とそれぞれ接する複数の第2ダミー電極が配置され、
前記第4領域の面積に対して前記複数の第1電極の面積が占める割合と、前記第5領域の面積に対して前記複数の第1ダミー電極の面積が占める割合との差は、5%未満である、
半導体装置。
【請求項4】
前記第4領域における前記複数の第2電極の個数は、3個以上であり且つ前記外部接続端子に同電位に接続される、
請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2領域における前記第1領域と前記第3領域との間の幅は、30μm以内である、
請求項3に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の1つとして、NAND型フラッシュメモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2021/0265314号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2021/0202458号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2021/0320141号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2021/0384246号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2020/0035737号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態では、製造歩留まりを向上した半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体装置は、基板を含む第1チップと、第1面で第1チップと貼り合わされた第2チップとを含む。第1チップ及び第2チップの各々は、素子領域とチップ端部を含む端部領域とを有する。第1チップは、端部領域の第1面に配置され、電気的に非接続状態とされた複数の第1電極を含む。第2チップは、端部領域の第1面に配置され、電気的に非接続状態とされ、複数の第1電極とそれぞれ接する複数の第2電極を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態に係る半導体装置の全体構成を示すブロック図。
【
図2】第1実施形態に係る半導体装置に含まれるメモリセルアレイの回路図。
【
図3】第1実施形態に係る半導体装置の貼合構造の概要を示す斜視図。
【
図5】第1実施形態に係る半導体装置の貼合面の平面図。
【
図6】第1実施形態に係る半導体装置が複数配置されたウェハの平面図。
【
図7】
図6におけるカーフ領域の交差領域における貼合面の拡大図。
【
図8】第1実施形態に係る半導体装置において、カーフ領域の貼合面における貼合パッドの平面レイアウトの一例を示す平面図。
【
図9】第1実施形態に係る半導体装置の断面構造の一例を示す断面図。
【
図10】第1実施形態に係る半導体装置における導電体120_1~120_4の平面レイアウトの一例を示す平面図。
【
図11】第1実施形態に係る半導体装置における貼合パッドの断面構造の一例を示す断面図。
【
図12】第1実施形態に係る半導体装置におけるメモリセルアレイの断面構造の一例を示す断面図。
【
図14】第1実施形態の第1変形例に係る半導体装置の貼合面の平面図。
【
図15】第1実施形態の第2変形例に係る半導体装置におけるカーフ領域の交差領域における貼合面の拡大図。
【
図16】第1実施形態の第2変形例に係る半導体装置の貼合面の平面図。
【
図17】第1実施形態の第3変形例に係る半導体装置の貼合面の平面図。
【
図18】第1実施形態の第3変形例に係る半導体装置におけるカーフ領域の交差領域における貼合面の拡大図。
【
図19】第1実施形態の第3変形例に係る半導体装置の断面構造の一例を示す断面図。
【
図20】第1実施形態の第3変形例に係る半導体装置における導電体120_1~120_6の平面レイアウトの一例を示す平面図。
【
図22】第2実施形態に係る半導体装置の貼合面の平面図。
【
図23】第2実施形態に係る半導体装置において、アクティブパッド領域AR1における貼合パッドBPa及びダミーパッド領域DARにおける貼合パッドBPdiの平面レイアウトの一例を示す平面図。
【
図24】第2実施形態に係る半導体装置において、アクティブパッド領域AR2における貼合パッドBPaの平面レイアウトの一例を示す平面図
【
図25】第2実施形態に係る半導体装置の断面構造の一例を示す断面図。
【
図26】第2実施形態の変形例に係る半導体装置の貼合面の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付す。重複説明は不要な場合には省略する場合がある。また、以下に示す各実施形態は、この実施形態の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものである。実施形態の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。実施形態の技術的思想は、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることができる。これら実施形態やその変形は、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0008】
1.第1実施形態
第1実施形態に係る半導体装置について説明する。以下では、半導体装置として、メモリセルトランジスタが半導体基板上に三次元に積層された三次元積層型NAND型フラッシュメモリを例に挙げて説明する。
【0009】
1.1 構成
1.1.1 半導体装置の全体構成
まず、
図1を参照して、半導体装置1の全体構成の一例について説明する。
図1は、半導体装置1の全体構成を示すブロック図である。なお、
図1では、各構成要素の接続の一部を矢印線により示しているが、構成要素間の接続はこれらに限定されない。
【0010】
半導体装置1は、例えば、三次元積層型NAND型フラッシュメモリである。三次元積層型NAND型フラッシュメモリは、半導体基板上に三次元に配置された複数の不揮発性のメモリセルトランジスタを含む。
【0011】
図1に示すように、半導体装置1は、アレイチップ10と、回路チップ20とを含む。半導体装置1は、アレイチップ10と回路チップ20とを貼り合わせた構造である(以下、「貼合構造」と表記する。
【0012】
アレイチップ10は、不揮発性のメモリセルトランジスタのアレイが設けられたチップである。回路チップ20は、アレイチップ10を制御する回路が設けられたチップである。本実施形態の半導体装置1は、アレイチップ10と、回路チップ20とを貼り合わせて形成される。以下、アレイチップ10と回路チップ20とのいずれかを限定しない場合は、単に「チップ」と表記する。なお、アレイチップ10は、複数設けられてもよい。この場合、回路チップ20上に複数のアレイチップ10が積層されるように貼り合わされてもよい。
【0013】
アレイチップ10は、1つまたは複数のメモリセルアレイ11を含む。メモリセルアレイ11は、不揮発のメモリセルトランジスタが三次元に配置された領域である。
図1の例では、アレイチップ10は、1つのメモリセルアレイ11を含む。
【0014】
回路チップ20は、シーケンサ21、電圧発生回路22、ロウデコーダ23、及びセンスアンプ24を含む。
【0015】
シーケンサ21は、半導体装置1の制御回路である。例えば、シーケンサ21は、電圧発生回路22、ロウデコーダ23、及びセンスアンプ24に接続される。そして、シーケンサ21は、電圧発生回路22、ロウデコーダ23、及びセンスアンプ24を制御する。また、シーケンサ21は、外部コントローラの制御に基づいて、半導体装置1の全体の動作を制御する。より具体的には、シーケンサ21は、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作等を実行する。
【0016】
電圧発生回路22は、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作等に用いられる電圧を発生させる回路である。例えば、電圧発生回路22は、ロウデコーダ23及びセンスアンプ24に接続される。電圧発生回路22は、発生した電圧を、ロウデコーダ23及びセンスアンプ24等に供給する。
【0017】
ロウデコーダ23は、ロウアドレスのデコードを行う回路である。ロウアドレスは、メモリセルアレイ11のロウ方向の配線を指定するアドレス信号である。ロウデコーダ23は、ロウアドレスのデコード結果に基づいて、電圧発生回路22から印加された電圧を、メモリセルアレイ11に供給する。
【0018】
センスアンプ24は、データの書き込み及び読み出しを行う回路である。センスアンプ24は、読み出し動作時に、メモリセルアレイ11から読み出されたデータをセンスする。また、センスアンプ24は、書き込み動作時に、書き込みデータに応じた電圧をメモリセルアレイ11に供給する。
【0019】
次に、メモリセルアレイ11の内部構成について説明する。メモリセルアレイ11は、複数のブロックBLKを有する。ブロックBLKは、例えば、一括してデータが消去される複数のメモリセルトランジスタの集合である。ブロックBLK内の複数のメモリセルトランジスタは、ロウ及びカラムに対応付けられる。
図1の例では、メモリセルアレイ11は、ブロックBLK0、BLK1、及びBLK2を含む。
【0020】
ブロックBLKは、複数のストリングユニットSUを含む。ストリングユニットSUは、例えば、書き込み動作または読み出し動作において、一括して選択される複数のNANDストリングの集合である。NANDストリングは、直列に接続された複数のメモリセルトランジスタの集合を含む。
図1の例では、各ブロックBLKは、4つのストリングユニットSU0~SU3を含む。なお、メモリセルアレイ11内のブロックBLKの個数及びブロックBLK内のストリングユニットSUの個数は任意である。
【0021】
1.1.2 メモリセルアレイの回路構成
次に、
図2を参照して、メモリセルアレイ11の回路構成の一例について説明する。
図2は、メモリセルアレイ11の回路図である。なお、
図2の例は、1つのブロックBLKの回路構成を示している。
【0022】
図2に示すように、ストリングユニットSUは、複数のNANDストリングNSを含む。
【0023】
NANDストリングNSは、複数のメモリセルトランジスタMC並びに選択トランジスタST1及びST2を含む。
図2の例では、NANDストリングNSは、8個のメモリセルトランジスタMC0~MC7を含む。なお、NANDストリングNSに含まれるメモリセルトランジスタMCの個数は、任意である。
【0024】
メモリセルトランジスタMCは、データを不揮発に記憶するメモリ素子である。メモリセルトランジスタMCは、制御ゲート及び電荷蓄積膜を含む。メモリセルトランジスタMCは、MONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon)型であってもよいし、FG(Floating Gate)型であってもよい。MONOS型は、電荷蓄積膜に絶縁層を用いる。FG型は、電荷蓄積膜に導電体を用いる。以下では、メモリセルトランジスタMCがMONOS型である場合について説明する。
【0025】
選択トランジスタST1及びST2は、スイッチング素子である。選択トランジスタST1及びST2は、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択にそれぞれ使用される。NANDストリングNSに含まれる選択トランジスタST1及びST2の個数は任意である。選択トランジスタST1及びST2は、NANDストリングNSにそれぞれ1個以上含まれていればよい。
【0026】
NANDストリングNS内の選択トランジスタST2、メモリセルトランジスタMC0~MC7、及び選択トランジスタST1の電流経路は、直列に接続される。選択トランジスタST1のドレインは、ビット線BLに接続される。選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに接続される。
【0027】
同一のブロックBLK内のメモリセルトランジスタMC0~MC7の制御ゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に共通に接続される。より具体的には、例えば、ブロックBLKは、4つのストリングユニットSU0~SU3を含む。そして、各ストリングユニットSUは、複数のメモリセルトランジスタMC0をそれぞれ含む。ブロックBLK内の複数のメモリセルトランジスタMC0の制御ゲートは、1つのワード線WL0に共通に接続される。メモリセルトランジスタMC1~MC7も同様である。
【0028】
ストリングユニットSU内の複数の選択トランジスタST1のゲートは、1つの選択ゲート線SGDに共通に接続される。より具体的には、ストリングユニットSU0内の複数の選択トランジスタST1のゲートは、選択ゲート線SGD0に共通に接続される。ストリングユニットSU1内の複数の選択トランジスタST1のゲートは、選択ゲート線SGD1に共通に接続される。ストリングユニットSU2内の複数の選択トランジスタST1のゲートは、選択ゲート線SGD2に共通に接続される。ストリングユニットSU3内の複数の選択トランジスタST1のゲートは、選択ゲート線SGD3に共通に接続される。
【0029】
ブロックBLK内の複数の選択トランジスタST2のゲートは、選択ゲート線SGSに共通に接続される。なお、選択ゲート線SGDと同様に、ストリングユニットSU毎に、異なる選択ゲート線SGSが設けられてもよい。
【0030】
ワード線WL0~WL7、選択ゲート線SGD0~SGD3、及び選択ゲート線SGSは、ロウデコーダ23にそれぞれ接続される。
【0031】
ビット線BLは、各ブロックBLKの各ストリングユニットSU内の1つのNANDストリングNSに共通に接続される。1つのビット線BLに接続された複数のNANDストリングNSには、同一のカラムアドレスが割り当てられる。各ビット線BLは、センスアンプ24に接続される。
【0032】
ソース線SLは、例えば複数のブロックBLK間で共有される。
【0033】
1つのストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMCの集合は、例えば、「セルユニットCU」と表記される。例えば、書き込み動作及び読み出し動作は、セルユニットCU単位で実行される。
【0034】
1.1.3 半導体装置の貼合構造
次に、
図3を参照して半導体装置1の貼合構造の概要について説明する。
図3は、半導体装置1の貼合構造の概要を示す斜視図である。
【0035】
図3に示すように、アレイチップ10及び回路チップ20の各々は、互いに向かい合う面に設けられた複数の貼合パッドBPを含む。貼合構造では、アレイチップ10の貼合パッドBPと、回路チップ20の貼合パッドBPとが貼り合わされて、1つの貼合パッドBPが形成される。換言すれば、アレイチップ10に設けられた貼合パッドBPを構成する電極(導電体)と、回路チップ20に設けられた貼合パッドBPを構成する電極(導電体)とが貼り合わされることにより、貼合パッドBPが形成される。
【0036】
以下では、アレイチップ10と回路チップ20とが貼り合わされる面(以下、「貼合面」と表記する)をXY面とする。XY面において互いに直交する方向をX方向及びY方向とする。また、XY平面に略垂直であり、アレイチップ10から回路チップ20に向かう方向をZ1方向とする。XY平面に略垂直であり、回路チップ20からアレイチップ10に向かう方向をZ2方向とする。Z1方向及びZ2方向のいずれかを限定しない場合は、Z方向と表記する。
【0037】
1.1.4 半導体装置の平面レイアウト
次に、
図4を参照して、半導体装置1の平面レイアウトの一例について説明する。
図4は、半導体装置1の平面図である。
【0038】
図4に示すように、半導体装置1の平面レイアウトは、大まかに、素子領域ERと、壁領域WRと、外周領域ORと、カーフ領域KRとを含む。更に、素子領域ERは、コア領域CRと、周辺回路領域PRとを含む。
【0039】
素子領域ERは、メモリセルアレイ11、シーケンサ21、電圧発生回路22、ロウデコーダ23、及びセンスアンプ24等の半導体装置1を構成する素子が設けられた領域である。
【0040】
コア領域CRは、例えば、素子領域ERの中央部に設けられた矩形の領域である。アレイチップ10のコア領域CRには、メモリセルアレイ11が配置される。回路チップ20のコア領域CRは、ロウデコーダ23及びセンスアンプ24が配置され得る。なお、コア領域CRは、任意の形状及び任意の領域に配置され得る。半導体装置1が複数のメモリセルアレイ11を有する場合、素子領域ERは、複数のコア領域CRを含み得る。
【0041】
周辺回路領域PRは、素子領域ERにおいて、コア領域CRの外周を囲むように設けられた、例えば四角環状の領域である。例えば、周辺回路領域PRには、シーケンサ21及び電圧発生回路22等が配置される。または、周辺回路領域PRには、半導体装置1と外部機器との接続に用いられる複数の外部接続端子が配置される。半導体装置1は、外部接続端子を介して、外部機器との信号の送受信を行う。また、半導体装置1は、外部接続端子を介して、外部から電源を供給される。
【0042】
壁領域WRは、素子領域ERの外周を囲むように設けられた、例えば四角環状の領域である。壁領域WRには、半導体装置1の外周を同電位(接地電位VSS)に固定して、電源線、ウェル等の電位を安定させるための部材が設けられる。例えば、壁領域WRに設けられた部材は、静電気を基板に逃がす機能を有する。これにより、静電気による素子等の破壊が抑制される。
【0043】
外周領域ORは、壁領域WRを囲むように設けられた、例えば四角環状の領域である。半導体装置1は、ウェハ上に複数形成され、ダイシング工程において、チップ毎に切り分けられる。外周領域ORは、例えばダイシング工程において、半導体装置1の端部にクラックや層間絶縁膜等の剥離が発生した際、半導体装置1の内側にクラックあるいは剥離が到達するのを抑制するために設けられる。
【0044】
カーフ領域KRは、外周領域ORの外周を囲むように設けられた、例えば四角環状の領域である。カーフ領域KRは、チップ端部を含む端部領域である。カーフ領域KRは、ウェハ上に形成された複数の半導体装置1の間に設けられた領域である。ダイシング工程において、カーフ領域KRを切断することにより、ウェハ上に形成された複数の半導体装置1がチップ毎に切り分けられる。例えば、カーフ領域KRには、半導体装置1の製造時に使用されるアライメントマーク及び特性チェック用パターン等が設けられる。また、本実施形態のカーフ領域KRには、貼合パッドBPが設けられる。カーフ領域KR内の構造体は、ダイシング工程によって除去されてもよい。
【0045】
1.1.5 貼合面の平面レイアウト
次に、
図5を参照して、貼合面の平面レイアウトの一例について説明する。
図5は、貼合面の平面図である。なお、以下で参照される図面において、平面図には、図を見易くするためにハッチングが適宜付加されている。平面図に付加されたハッチングは、ハッチングが付加された構成要素の素材や特性とは必ずしも関連していない。
【0046】
図5に示すように、素子領域ERの貼合面は、アクティブパッド領域AR及びダミーパッド領域DRを含む。
図5の例では、アクティブパッド領域ARは、素子領域ERの中央近傍に設けられた矩形状の領域である。なお、素子領域ER内に設けられるアクティブパッド領域ARの個数は任意である。アクティブパッド領域ARは、素子領域ER内のコア領域CR及び周辺回路領域PRのいずれにも配置可能である。
【0047】
アクティブパッド領域ARは、貼合パッドBPa(を構成する電極)が配置される領域である。貼合パッドBPaは、半導体装置1を動作させる際に、信号または電源の経路として機能する。すなわち、貼合パッドBPaは、信号及び電源のいずれかの経路に電気的に接続されるアクティブパッドである。
図5の例では、複数の貼合パッドBPaが、アクティブパッド領域AR内において、正方格子状に配置されている。なお、1つのアクティブパッド領域AR内に配置される貼合パッドBPaの個数及び配列は任意である。
【0048】
ダミーパッド領域DRは、複数の貼合パッドBPdiが配置される領域である。ダミーパッド領域DRは、素子領域ERの貼合面において、アクティブパッド領域ARを除いた領域である。貼合パッドBPdiは、半導体装置1を動作させる際に、信号及び電源のいずれの経路としても機能しない。すなわち、貼合パッドBPdiは、信号及び電源のいずれの経路とも電気的に接続されないダミーパッドである。ダミーパッドは、電気的に非接続状態(フローティング状態)とされる。例えば、複数の貼合パッドBPdiは、正方格子とは異なるパターンで配置される。
【0049】
壁領域WRの貼合面には、貼合パッドBPw2及びBPw3が配置される。例えば、貼合パッドBPw2及びBPw3は、アレイチップ10側から回路チップ20側に静電気を逃がすための放電経路の一部として機能する。貼合パッドBPw2及びBPw3は、放電経路に電気的に接続される。例えば、貼合パッドBPw2及びBPw3の各々は、略四角形の環状形状を有する。例えば、貼合パッドBPw2は、素子領域ERを囲むように配置されている。貼合パッドBPw3は、貼合パッドBPw2と離間しつつ、貼合パッドBPw2を囲むように配置される。なお、貼合パッドBPw2及びBPw3は、連続的な環状形状ではなくてもよい。
【0050】
外周領域ORの貼合面には、複数の貼合パッドBPdoが配置される。貼合パッドBPdoは、半導体装置1を動作させる際に、信号及び電源のいずれの経路としても機能しない。すなわち、貼合パッドBPdoは、貼合パッドBPdiと同様に、ダミーパッドである。例えば、複数の貼合パッドBPdoは、正方格子とは異なるパターンで配置される。
【0051】
カーフ領域KRの貼合面には、複数の貼合パッドBPdkが配置される。貼合パッドBPdkは、半導体装置1を動作させる際に、信号及び電源のいずれの経路としても機能しない。すなわち、貼合パッドBPdkは、貼合パッドBPdi及びBPdoと同様に、ダミーパッドである。例えば、複数の貼合パッドBPdkは、正方格子とは異なるパターンで配置される。貼合パッドBPdkの配置の詳細については後述する。
【0052】
なお、貼合パッドBPdi、BPdo、及びBPdkのパッドサイズ及び配置パターンは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。以下、貼合パッドBPdi、BPdo、及びBPdkのいずれかを限定しない場合は、「貼合パッドBPd」と表記する。
【0053】
1.1.6 カーフ領域における貼合面の平面レイアウト
次に、
図6及び
図7を参照して、カーフ領域KRにおける貼合面の平面レイアウトの詳細について説明する。
図6は、複数の半導体装置1が配置されたウェハの平面図である。
図7は、
図6におけるカーフ領域KRの交差領域R1における貼合面の拡大図である。
【0054】
図6に示すように、ダイシング工程前のウェハ上には、カーフ領域KRを間に介在させて、複数の半導体装置1が配置されている。
【0055】
図7に示すように、アライメントパターン及び特性チェック用パターン等を除くカーフ領域KRの貼合面の全面に複数の貼合パッドBPdkが配置されている。なお、
図7の例では、各半導体装置1の外周領域ORとカーフ領域KRとの境界にも貼合パッドBPdが配置されているが、境界部分に貼合パッドBPdが配置されていなくてもよい。
【0056】
1.1.7 貼合パッドBPdkの配置パターン及び被覆率
次に、
図8を参照して、貼合パッドBPdkの配置パターン及び被覆率について説明する。被覆率とは、貼合面の或る領域内に配置された複数の貼合パッドBPが当該領域に占める面積の割合である。
図8は、カーフ領域KRの貼合面における貼合パッドBPdkの平面レイアウトの一例を示す平面図である。
図8の例では、説明を簡略化するため、カーフ領域KRの貼合面を、一辺がLの正方格子状のマスに分割して示している。そして、貼合パッドBPdkが、1マスに対応して配置される場合を示している。なお、貼合パッドBPdkは、1マスに対応して配置されなくてもよい。また、貼合パッドBPdkのXY平面における形状は、正方形でなくてもよい。
【0057】
図8に示すように、例えば、貼合パッドBPdkは、1マスに対応して配置される。この場合、貼合パッドBPdkの面積は、L
2である。以下では、アレイチップ10または回路チップ20の貼合面に設けられた貼合パッドBPdkを構成する電極の面積を、貼合面における貼合パッドBPdkの面積と定義する。なお、アレイチップ10の貼合面に設けられた電極と、回路チップ20の貼合面に設けられた電極との接合面の面積を貼合面における貼合パッドBPdkの面積としてもよい。
【0058】
貼合パッドBPdkは、所定のパターンにしたがって配置される。
図8の例では、15×15マスの単位領域UKR内に、15個の貼合パッドBPdkが配置されるパターンが示される。この場合、基準となる貼合パッドBPdkが配置されたマスに対して、X方向及びY方向にそれぞれ4マス及び1マス離れたマス、並びにX方向及びY方向にそれぞれ1マス及び4マス離れたマスに、更なる貼合パッドBPdkが配置される。換言すれば、貼合パッドBPdkは、XY平面において、三角形(または平行四辺形)の格子状に配置される。貼合パッドBPdkは、X方向及びY方向とは異なるA1方向及びA2方向に並んで配置される。A1方向とA2方向とが交差する角度をθとすると、角度θは、90°未満である。角度θ並びにA1方向及びA2方向における2つの貼合パッドBPdk間の距離は、被覆率に基づいて設計される。例えば、角度θまたは2つの貼合パッドBPdk間の距離が小さくなると、被覆率は高くなる。
【0059】
以下、貼合パッドBPの配列をX方向及びY方向から傾けてXY平面に配置するパターンを、「ずらし配置」と表記する。ダミーパッド領域DRにおける貼合パッドBPdi及び外周領域ORにおける貼合パッドBPdoは、貼合パッドBPdkと同様に、ずらし配置とされる。すなわち、ダミーパッドは、ずらし配置とされる。
【0060】
例えば、半導体装置1の製造工程では、アレイチップ10または回路チップ20の貼合面において、貼合パッドBPを構成する電極(金属材料)がCMP(Chemical Mechanical Polishing)により研磨される。このとき、ダミーパッドをずらし配置とすることにより、X方向またはY方向に並んで貼合パッドBPが配置された場合と比較して、CMPによる平坦性が向上される。また、アレイチップ10が形成されたウェハと回路チップ20が形成されたウェハとを貼り合わせる貼合工程では、例えば、ウェハの中心部から端部に向かって貼合が進行する。このとき、貼合面が絶縁体である場合と、金属である場合とで貼り合わせが進む速度(進貼速度)が異なる。ダミーパッドをずらし配置とするにより、進貼速度のばらつきが低減されるため、貼合不良が抑制される。
【0061】
次に、被覆率について説明する。貼合パッドBPdkの被覆率は、例えば、単位領域UKRの面積に占める貼合パッドBPdkの面積の割合として算出される。カーフ領域KRの貼合面における貼合パッドBPdkの被覆率は、5%以上15%以下となるように設計される。
【0062】
例えば、貼合面のCMPでは、被覆率が高くなると、貼合パッドBP及び貼合パッドBP間の絶縁膜を含めた領域全体の研磨量が大きくなる。例えば、カーフ領域KRにおける貼合パッドBPdkの被覆率が5%未満であると、外周領域ORの全体の研磨量に対してカーフ領域KRの全体の研磨量が小さくなる。このため、貼合面において、外周領域ORに対してカーフ領域KRが凸状となる段差が生じる。段差が生じると、貼合工程において、外周領域ORとカーフ領域KRとの境界近傍で、ボイドが発生し、貼合不良が発生する可能性が高くなる。
【0063】
また、カーフ領域KRの貼合面における貼合パッドBPdkの被覆率が15%より高くなると、カーフ領域KRにおいて貼合パッドBPdkを構成する金属(電極)の比率が高くなる。このため、ダイシング工程において、カーフ領域KRをブレード等で切断する際に、チッピング等が発生しやすくなり、チップ切断が困難になる。
【0064】
1.1.8 半導体装置の断面構造
次に、
図9を参照して、半導体装置1の断面構造の一例について説明する。
図9は、半導体装置1の断面構造の一例を示す断面図である。
【0065】
図9に示すように、半導体装置1は、アレイチップ10と回路チップ20が貼り合わされた貼合構造を有する。アレイチップ10は、半導体層101、絶縁層102、111、112、113、114、115、117、118、及び121、配線層103、106、108、及び116、導電体104、105、107、109、120、及び130、電極110、表面保護層119、並びにメモリピラーMPを含む。電極110は、電極110a、110di、110w2、110w3、110do、及び110dkを含む。回路チップ20は、半導体基板201、N型不純物拡散領域NW、P型不純物拡散領域PW、トランジスタTR、ゲート絶縁膜202、ゲート電極203、導電体204、206、208、及び210、配線層205、207、及び209、電極211、並びに絶縁層212及び213を含む。電極211は、電極211a、211di、211w2、211w3、211do、及び211dkを含む。
【0066】
1.1.8.1 アレイチップの断面構造
引き続き、
図9を参照して、アレイチップ10の断面構造について説明する。
【0067】
1.1.8.1.1 コア領域の構造
まず、アレイチップ10のコア領域CRについて説明する。アレイチップ10のコア領域CRには、メモリセルアレイ11及びメモリセルアレイ11と回路チップ20とを接続するための各種配線が設けられる。
【0068】
半導体層101は、X方向及びY方向に延びる。コア領域CRに設けられた半導体層101は、ソース線SLとして機能する。例えば、半導体層101は、シリコンを含む。コア領域CRでは、Z1方向における半導体層101の上面上に、複数の絶縁層102と複数の配線層103とが一層ずつ交互に積層されている。
図9の例では、10層の絶縁層102と10層の配線層103とが1層ずつ交互に積層されている。換言すれば、回路チップ20と半導体層101との間に、Z方向に離れて積層された複数の配線層103が設けられている。配線層103は、X方向に延びる。複数の配線層103は、ワード線WL、並びに選択ゲート線SGD及びSGSとして機能する。絶縁層102は、絶縁材料として、酸化シリコン(SiO)を含む。配線層103は、例えば、導電材料としてタングステン(W)を含む。
【0069】
コア領域CRには、複数のメモリピラーMPが設けられる。1つのメモリピラーMPが1つのNANDストリングNSに対応する。メモリピラーMPは、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。メモリピラーMPは、複数の絶縁層102及び複数の配線層103を貫通(通過)する。メモリピラーMPのZ2方向の端部(底面)は、半導体層101に達する。メモリピラーMPは、Z方向に延びる半導体層を含む。メモリピラーMP内の半導体層の一部は、半導体層101と接する。メモリピラーMPの構造の詳細については、後述する。
【0070】
Z1方向におけるメモリピラーMPの上面上には、導電体104が設けられる。導電体104は、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。Z1方向における導電体104の上面上には、導電体105が設けられる。コア領域CRに設けられた導電体105は、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。更に、Z1方向における導電体105の上面上には、配線層106が設けられる。コア領域CRには、例えば、X方向に並び、各々がY方向に延びる複数の配線層106が設けられる。複数のメモリピラーMPの各々は、導電体104及び105を介して、複数の配線層106のいずれかに電気的に接続される。メモリピラーMPが接続された配線層106は、ビット線BLとして機能する。導電体104は、例えば、タングステンを含む。導電体105及び配線層106は、例えば、銅(Cu)を含む。
【0071】
Z1方向における配線層106の上面上には、導電体107が設けられる。コア領域CRに設けられた導電体107は、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。Z1方向における導電体107の上面上には、配線層108が設けられる。Z1方向における配線層108の上面上には、導電体109が設けられる。コア領域CRに設けられた導電体109は、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。コア領域CRにおいて、Z1方向における導電体109の上面上には、電極110aが設けられる。電極110aは、回路チップ20の電極211aと接する。電極110a及び211aは、貼合パッドBPaとして機能する。
【0072】
コア領域CRにおける複数の配線層106の各々は、導電体107、配線層108、及び導電体109を介して、いずれかの電極110aに電気的に接続される。導電体107及び109、配線層108、並びに電極110aは、例えば、導電材料として銅を含む。なお、配線層106と電極110aとの間に設けられる配線層の層数は、任意である。
【0073】
また、
図9では図示が省略されているが、コア領域CRには、上述したメモリピラーMP(及び配線層106)と回路チップ20との間を電気的に接続する電極110a以外にも、配線層103と回路チップ20との間を電気的に接続する電極110aが設けられる。
【0074】
絶縁層111は、絶縁層102、配線層103、メモリピラーMP、導電体104、導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、及び導電体109を覆うように設けられる。Z1方向における絶縁層111の上面上には、絶縁層112が設けられる。絶縁層112と同層には、複数の電極110aが設けられる。絶縁層112は、回路チップ20の絶縁層213に接する。すなわち、絶縁層112と絶縁層213とが接する面が、貼合面である。
【0075】
Z2方向における半導体層101の上面上には、絶縁層113及び114が積層される。そして、半導体層101並びに絶縁層113及び114を覆うように、絶縁層115が設けられる。絶縁層113及び115は、例えば、絶縁材料として、酸化シリコンを含む。絶縁層114には、金属(例えば銅)の酸化防止機能を有する絶縁材料が用いられる。絶縁層114は、例えば、炭窒化シリコン(SiCN)または窒化シリコン(SiN)を含む。なお、絶縁層114は、省略されてもよい。
【0076】
Z2方向における絶縁層115の上面上には、配線層116が設けられる。コア領域CRに設けられた配線層116は、半導体層101上の絶縁層113~115が除去された領域において、半導体層101と接する。コア領域CRに設けられた配線層116は、半導体層101に接することにより、半導体層101(ソース線SL)と回路チップ20とを電気的に接続する配線層の一部として機能する。配線層116は、例えば、アルミニウム(Al)を含む。
【0077】
Z2方向における配線層116の上面上には、絶縁層117が設けられる。Z2方向における絶縁層117の上面上には、絶縁層118が設けられる。そして、Z2方向における絶縁層118の上面上には、表面保護層119が設けられる。絶縁層117及び118並びに表面保護層119は、素子領域ER、壁領域WR、及び外周領域ORの内周部分を覆うように設けられている。すなわち、外周領域ORの外周部分及びカーフ領域KRでは、絶縁層117及び118並びに表面保護層119は、除去されている。絶縁層117は、例えば、絶縁材料として、酸化シリコンを含む。絶縁層118は、例えば、透水性の低い絶縁材料として、窒化シリコンを含む。表面保護層119は、例えば、ポリイミド等の樹脂材料を含む。
【0078】
1.1.8.1.2 周辺回路領域の構造
次に、アレイチップ10の周辺回路領域PRについて説明する。アレイチップ10の周辺回路領域PRは、外部接続端子が設けられる外部接続端子領域BRを含む。外部接続端子領域BRでは、絶縁層117及び118並びに表面保護層119が除去され、配線層116の一部が露出している。外部接続端子として機能する配線層116は、導電体130に接続される。例えば、導電体130は、Z方向に延びる円柱形状を有する。Z1方向において、導電体130は、導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、及び導電体109を介して、いずれかの電極110aに電気的に接続される。すなわち、周辺回路領域PRには、外部機器と回路チップ20との間を電気的に接続するための電極110aが設けられる。
【0079】
コア領域CR及び周辺回路領域PR内のダミーパッド領域DRにおいて、絶縁層112と同層に、複数の電極110diが設けられる。複数の電極110diはそれぞれ、対応する回路チップ20の電極211diに接する。電極110di及び211diは、貼合パッドBPdiとして機能する。複数の電極110diは、アレイチップ10内のメモリセルアレイ11及び各種配線、並びに回路チップ20内の半導体基板201及び各種配線に対して電気的に絶縁される。すなわち、電極110diは、ダミー電極である。
【0080】
周辺回路領域PRに設けられる半導体層101の内部には、絶縁層121が設けられる。例えば、絶縁層121は、酸化シリコンを含む層と、窒化シリコンを含む層と、酸化シリコンを含む層の3層構造である。周辺回路領域PRに設けられる半導体層101は、ソース線SLとしては機能しない。
【0081】
1.1.8.1.3 壁領域の構造
次に、アレイチップ10の壁領域WRについて説明する。アレイチップ10の壁領域WRには、壁構造W、及び壁構造Wと回路チップ20とを接続するための各種配線が設けられる。壁構造Wは、例えば、壁構造W_1、W_2、W_3、及びW_4を含む。壁構造W_1~W_4はそれぞれ、導電体120_1~120_4を含む。
【0082】
図10を参照して、導電体120_1~120_4の平面レイアウトについて説明する。
図10は、導電体120_1~120_4の平面レイアウトの一例を示す平面図である。なお、
図10では、説明を簡略化するため、導電体120_1~120_4以外は、省略されている。
図10に示すように、例えば、導電体120_1~120_4は、XY平面において、略四角環状の形状を有する。導電体120_1~120_4は、互いに接していない。なお、導電体120_1~120_4は、環状であれば、四角環状でなくてもよい。導電体120_1は、素子領域ER(周辺回路領域PR)を囲むように設けられる。導電体120_2は、導電体120_1を囲むように設けられる。導電体120_3は、導電体120_2を囲むように設けられる。導電体120_4は、導電体120_3を囲むように設けられる。
【0083】
図9に示すように、導電体120_1~120_4の各々は、Z方向に延びる。導電体120_1及び120_4の各々のZ2方向の端部は、例えば、絶縁層115に接する。なお、導電体120_1及び120_4のZ2方向の端部は、半導体層101または配線層116に接してもよいし、絶縁層111内部にあってもよい。導電体120_2及び120_3の各々のZ2方向の端部は、例えば、半導体層101及び絶縁層113~115が除去された領域において配線層116に接する。
【0084】
なお、壁領域WRに設けられた配線層116は、コア領域CRに設けられた配線層116及び周辺回路領域PRに設けられた配線層116とは電気的に絶縁される。壁領域WRに設けられた配線層116は、表面保護層119等によって覆われる。
【0085】
導電体120_1及び120_4の各々のZ1方向の端部は、導電体105に接続されない。導電体120_2のZ1方向の端部は、導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、及び導電体109を介して、電極110w2に電気的に接続される。電極110w2は、回路チップ20の電極211w2に接する。同様に、導電体120_3のZ1方向の端部は、導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、及び導電体109を介して、電極110w3に電気的に接続される。電極110w3は、回路チップ20の電極211w3に接する。
【0086】
導電体120_2と電気的に接続された導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、導電体109、電極110w2、及び電極211w2は、素子領域ERを囲む四角環状の形状を有し得る。例えば、XY平面において、導電体120_2と電気的に接続された配線層108の配線幅は、導電体120_2と電気的に接続された配線層106の配線幅よりも大きい。
【0087】
導電体120_3と電気的に接続された導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、導電体109、電極110w3、及び電極211w3の各々は、導電体120_2と電気的に接続された導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、導電体109、電極110w2、及び電極211w2を囲む四角環状の形状を有し得る。例えば、XY平面において、導電体120_3と電気的に接続された配線層108の配線幅は、導電体120_3と電気的に接続された配線層106の配線幅よりも大きい。
電極110w2及び211w2は、貼合パッドBPw2として機能する。電極110w3及び211w3は、貼合パッドBPw3として機能する。
【0088】
1.1.8.1.4 外周領域の構造
次に、アレイチップ10の外周領域ORについて説明する。アレイチップ10の外周領域ORにおいて、絶縁層112と同層に、複数の電極110doが設けられる。複数の電極110doはそれぞれ、対応する回路チップ20の電極211doに接する。電極110do及び211doは、貼合パッドBPdoとして機能する。複数の電極110doは、アレイチップ10内の各種配線、及び回路チップ20内の各種配線に対して電気的に絶縁される。すなわち、電極110doは、ダミー電極である。
【0089】
外周領域ORに設けられた半導体層101は、コア領域CRに設けられた半導体層101及び周辺回路領域PRに設けられた半導体層101とは電気的に絶縁される。以下、外周領域ORに設けられた半導体層101を特定する場合、半導体層101_1と表記する。半導体層101_1の少なくとも一部は、表面保護層119によって覆われて(保護されて)いない。すなわち、半導体層101_1の少なくとも一部は、Z方向において、回路チップ20と表面保護層119との間に設けられていない。すなわち、外周領域ORの一部は、表面保護層により表面が保護されていない。
【0090】
Z2方向における半導体層101_1の上面上には、Z2方向に延びる複数の突出部分PTが設けられる。突出部分PTは、例えば、絶縁層113を貫通する。Z2方向における突出部分PTの上面は、絶縁層114に接する。半導体層101_1の内部に設けられた絶縁層121のうち、Z方向に見て突出部分PTと重なる部分は、半導体層101_1によって分断される。突出部分PTは、アレイチップ10の製造工程において、半導体層101をアレイチップ10の基板(図示せず)に接地する。例えば、突出部分PTは、ドライエッチング時における半導体層101のチャージアップによるアーキングの抑制に使用される。なお、突出部分PTは、設けられていなくてもよい。
【0091】
1.1.8.1.5 カーフ領域の構造
次に、アレイチップ10のカーフ領域KRについて説明する。アレイチップ10のカーフ領域KRにおいて、絶縁層112と同層に、複数の電極110dkが設けられる。複数の電極110dkはそれぞれ、対応する回路チップ20の電極211dkに接する。電極110dk及び211dkは、貼合パッドBPdkとして機能する。複数の電極110dkは、アレイチップ10内の各種配線、及び回路チップ20内の各種配線に対して電気的に絶縁される。すなわち、電極110dkは、ダミー電極である。
【0092】
また、カーフ領域KRには、半導体層101及び配線層116、並びにこれらを保護する表面保護層119は設けられない。
【0093】
1.1.8.2 回路チップの断面構造
次に、回路チップ20の断面構造について説明する。
【0094】
素子領域ER(コア領域CR及び周辺回路領域PR)では、Z2方向における半導体基板201の上面上に複数のトランジスタTRが設けられる。トランジスタTRは、シーケンサ21、電圧発生回路22、ロウデコーダ23、及びセンスアンプ24内の素子として用いられる。トランジスタTRは、ゲート絶縁膜202、ゲート電極203、半導体基板201に形成された図示せぬソース及びドレインを含む。ゲート絶縁膜202は、Z2方向における半導体基板201の上面上に設けられる。ゲート電極203は、Z2方向におけるゲート絶縁膜202の上面上に設けられる。
【0095】
壁領域WR及び外周領域ORには、ゲート絶縁膜202、及びゲート電極203は設けられない。一方、カーフ領域KRには、トランジスタTRの一部として機能しないゲート絶縁膜202及びゲート電極203が設けられる。カーフ領域KRにおけるトランジスタTRの一部として機能しないゲート絶縁膜202、及びゲート電極203は、例えば、アライメントマークの形成に使用される。トランジスタTRの一部として機能しないゲート電極203の端部により、カーフ領域KRと外周領域ORとの間の境界が規定される場合がある。
【0096】
素子領域ERでは、ゲート電極203、ソース、及びドレインのZ2方向における上面上に、導電体204が設けられる。壁領域WRでは、半導体基板201に設けられたN型不純物拡散領域NW、及び半導体基板201に設けられたP型不純物拡散領域PWのZ2方向における上面上に、導電体204が設けられる。
【0097】
Z2方向における導電体204の上面上には、配線層205が設けられる。Z2方向における配線層205の上面上には、導電体206が設けられる。Z2方向における導電体206の上面上には、配線層207が設けられる。Z2方向における配線層207の上面上には、導電体208が設けられる。Z2方向における導電体208の上面上には、配線層209が設けられる。Z2方向における配線層209の上面上には、導電体210が設けられる。素子領域ERに設けられた導電体204、206、208、及び210は、例えば、Z方向に延びる円柱形状を有する。壁領域WRに設けられた導電体204、206、208、及び210、並びに配線層205、207、209は、例えば、素子領域ERを囲む四角環状の形状を有する。壁領域WRに設けられたN型不純物拡散領域NW及びP型不純物拡散領域PWについては、これらと同様に四角環状の形状を有していてもよいし、素子領域ERを囲むように、四角環状の形状に沿って互いに離れて並ぶ複数の領域を有するように設けられてもよい。なお、回路チップ20に設けられる配線層の層数は、任意である。
【0098】
Z2方向における半導体基板201の上面上には、絶縁層212が設けられる。絶縁層212は、トランジスタTR、導電体204、配線層205、導電体206、配線層207、導電体208、配線層209、及び導電体210を覆うように設けられる。Z2方向における絶縁層212の上面上には絶縁層213が設けられる。
【0099】
素子領域ERのアクティブパッド領域ARに設けられた導電体210のZ2方向における上面上には、絶縁層213と同層に電極211aが設けられる。素子領域ERのダミーパッド領域DRにおいて、絶縁層213と同層に電極211diが設けられる。壁領域WRに設けられた導電体210のZ2方向における上面上には、絶縁層213と同層に電極211w2及び211w3が設けられる。電極211w2は、素子領域ERを囲む四角環状の形状を有する。電極211w3は、電極211w2を囲む四角環状の形状を有する。外周領域ORにおいて、絶縁層213と同層に電極211doが設けられる。カーフ領域KRにおいて、絶縁層213と同層に電極211dkが設けられる。複数の電極211di、211do、及び211dkは、アレイチップ10内の各種配線、及び回路チップ20内の各種配線に対して電気的に絶縁される。すなわち、電極211di、211do、及び211dkは、ダミー電極である。
【0100】
ゲート電極203、導電体204、206、208、及び210、配線層205、207、及び209、並びに電極211a、211di、211do、211w2、211w3、及び211dkは、導電材料により構成され、金属材料、p型半導体、またはn型半導体等を含み得る。電極211a、211di、211do、211w2、211w3、及び211dkは、例えば、銅を含む。ゲート絶縁膜202、絶縁層212、及び絶縁層213は、例えば、絶縁材料として、酸化シリコンを含む。
【0101】
図9の例では、アレイチップ10の導電体120_2は、電極110w2及び211w2を介して、回路チップ20の半導体基板201のP型不純物拡散領域PWに電気的に接続される。アレイチップ10の導電体120_3は、電極110w3及び211w3を介して、回路チップ20の半導体基板201のN型不純物拡散領域NWに電気的に接続される。なお、導電体120_3がP型不純物拡散領域PWに電気的に接続され、導電体120_2がN型不純物拡散領域NWに電気的に接続されてもよい。
【0102】
1.1.9 貼合パッドの断面構造
次に、
図11を参照して、貼合パッドBPの断面構造について説明する。
図11は、貼合パッドBPの断面構造の一例を示す断面図である。
図11の例では、カーフ領域KRの貼合パッドBPdkに含まれる電極110dk及び211dkが示される。なお、以下の貼合パッドBPdkに関する説明は、貼合パッドBPa、BPdi、BPw2、BPw3、及びBPdoについても、同様に成り立つ。
【0103】
図11に示すように、アレイチップ10と回路チップ20との貼合工程において、電極110dkは、電極211dkに接続される。
図11の例では、貼合面における電極110dkの面積と電極211dkの面積とは、略等しい。このような場合、電極110dkと電極211dkとに銅を用いると、電極110dkの銅と電極211dkの銅とが一体化して、互いの銅の境界の確認が困難となり得る。但し、貼り合わせの位置ずれによる電極110dkと電極211dkとを貼り合わせた形状の歪み、銅のバリアメタルの位置ずれ(側面における不連続箇所の発生)により貼り合わせが確認できる。
【0104】
また、電極110dk及び211dkをダマシン法により形成する場合、それぞれの側面はテーパー形状を有する。このため、電極110dkと電極211dkとを貼り合わせた部分におけるZ方向に沿った断面の形状は、側壁が直線状とはならず、非矩形形状となる。
【0105】
また、電極110dkと電極211dkとを貼り合わせた場合、これらを形成する銅の底面、側面、及び上面をバリアメタルが覆う構造となる。これに対し、銅を用いた一般的な配線層では、銅の上面に銅の酸化防止機能を有する絶縁層(SiNまたはSiCN等)が設けられ、バリアメタルは設けられていない。このため、貼り合わせの位置ずれが発生していなくても、一般的な配線層との区別は可能である。
【0106】
1.1.10 メモリセルアレイの断面構造
次に、
図12を参照して、メモリセルアレイ11の断面構造について説明する。
図12は、メモリセルアレイ11の断面構造の一例を示す断面図である。
図12では、メモリセルアレイ11に含まれる2個のメモリピラーMPが示される。
【0107】
図12に示すように、半導体層101は、例えば、3層の半導体層101a、101b、101cを含む。Z1方向における半導体層101aの上面上に、半導体層101bが設けられる。Z1方向における半導体層101bの上面上に、半導体層101cが設けられる。半導体層101bは、例えば、半導体層101aと半導体層101cとの間に設けられた絶縁層121を置き換えることにより形成される。半導体層101a~101cは、例えば、シリコンを含む。また、半導体層101a~101cは、例えば、半導体の不純物としてリン(P)を含む。
【0108】
Z1方向における半導体層101の上面上には、10層の絶縁層102と10層の配線層103とが1層ずつ交互に積層されている。
図10の例では、10層の配線層103は、半導体層101に近い側から順に、選択ゲート線SGS、ワード線WL0~WL7、及び選択ゲート線SGDとして機能する。なお、選択ゲート線SGS及びSGDとして機能する配線層103は、複数設けられてもよい。例えば、配線層103の導電材料として、窒化チタン(TiN)/タングステン(W)の積層構造が用いられ得る。この場合、TiNは、タングステンを覆うように形成される。窒化チタンは、例えばCVD(chemical vapor deposition)によりタングステンを成膜する際、タングステンの酸化を抑制するためのバリア層、あるいはタングステンの密着性を向上させるための密着層としての機能を有する。また、配線層103は、酸化アルミニウム(AlO)等の高誘電率材料を含み得る。この場合、高誘電率材料は、導電材料を覆うように形成される。例えば、配線層103の各々において、配線層103の上下に設けられた絶縁層102及びメモリピラーMPの側面と接するように高誘電率材料が設けられる。そして、高誘電率材料と接するように窒化チタンが設けられる。そして、窒化チタンと接し、配線層103の内部を埋め込むようにタングステンが設けられる。
【0109】
Z1方向における選択ゲート線SGDとして機能する配線層103の上面上には、絶縁層111が設けられる。
【0110】
メモリセルアレイ11内には、複数のメモリピラーMPが設けられている。メモリピラーMPは、Z方向に延びる略円柱形状を有している。メモリピラーMPは、10層の配線層103を貫通する。メモリピラーMPの底面は、半導体層101に達する。なお、メモリピラーMPは、Z方向に複数のピラーが連結された構造であってもよい。
【0111】
次に、メモリピラーMPの内部構成について説明する。メモリピラーMPは、ブロック絶縁膜140、電荷蓄積膜141、トンネル絶縁膜142、半導体膜143、コア膜144、及びキャップ膜145を含む。
【0112】
メモリピラーMPの側面の一部及びZ2方向の底面には、外側から順に、ブロック絶縁膜140、電荷蓄積膜141、及びトンネル絶縁膜142が積層される。より具体的には、半導体層101bの同層及びその近傍において、メモリピラーMPの側面のブロック絶縁膜140、電荷蓄積膜141、及びトンネル絶縁膜142が除去される。トンネル絶縁膜142の側面及び底面、並びに半導体層101bに接するように半導体膜143が設けられる。半導体膜143は、メモリセルトランジスタMC並びに選択トランジスタST1及びST2のチャネルが形成される領域である。半導体膜143の内部は、コア膜144により埋め込まれる。Z1方向におけるメモリピラーMPの上部では、半導体膜143及びコア膜144の上端に、キャップ膜145が設けられる。キャップ膜145の側面は、トンネル絶縁膜142に接する。キャップ膜145は、例えば、シリコンを含む。Z1方向におけるキャップ膜145の上面上には、導電体104が設けられる。Z1方向における導電体104の上面上には、導電体105が設けられる。導電体105は、配線層106に接続されている。
【0113】
図13は、メモリピラーMPの断面構造の一例を示す、
図12のXI-XI線に沿った断面図である。より具体的には、
図13は、配線層103を含む層におけるメモリピラーMPの断面構造を示す。
【0114】
配線層103を含む断面において、コア膜144は、例えば、メモリピラーMPの中央部に設けられる。半導体膜143は、コア膜144の側面を囲む。トンネル絶縁膜142は、半導体膜143の側面を囲む。電荷蓄積膜141は、トンネル絶縁膜142の側面を囲む。ブロック絶縁膜140は、電荷蓄積膜141の側面を囲む。配線層103は、ブロック絶縁膜140の側面を囲む。
【0115】
半導体膜143は、メモリセルトランジスタMC0~MC7並びに選択トランジスタST1及びST2のチャネル(電流経路)として使用される。トンネル絶縁膜142及びブロック絶縁膜140のそれぞれは、例えば、酸化シリコンを含む。電荷蓄積膜141は、電荷を蓄積する機能を有する。電荷蓄積膜141は、例えば、窒化シリコンを含む。
【0116】
メモリピラーMPと、ワード線WL0~WL7として機能する配線層103が組み合わされることにより、メモリセルトランジスタMC0~MC7が構成される。同様に、メモリピラーMPと、選択ゲート線SGDとして機能する配線層103とが組み合わされることにより、選択トランジスタST1が構成される。メモリピラーMPと、選択ゲート線SGSとして機能する配線層103とが組み合わされることにより、選択トランジスタST2が構成される。これにより、各メモリピラーMPは、1つのNANDストリングNSとして機能し得る。
【0117】
1.2 本実施形態に係る効果
第1実施形態によれば、半導体装置1の製造歩留りを向上させることができる。本効果について以下に説明する。
【0118】
本実施形態に係る構成であれば、半導体装置1は、カーフ領域KRの貼合面に貼合パッドBPdkを有する。この際、カーフ領域KRの貼合面における貼合パッドBPdkの被覆率は、5%以上15%以下に設計される。被覆率を5%以上にすることにより、アレイチップ10及び回路チップ20の各々の貼合面のCMP工程において、カーフ領域KRと外周領域ORとの段差を抑制できる。したがって、アレイチップ10及び回路チップ20の貼合工程における貼合不良の発生を低減できる。また、被覆率を15%以下にすることにより、ダイシング工程におけるチップの切断不良を抑制できる。よって、半導体装置1の製造歩留まりを向上できる。
【0119】
更に、本実施形態に係る構成であれば、ダミーパッドの配置をずらし配置とすることができる。これにより、貼合面のCMPにおける平坦性の低下、及び貼合工程における貼合不良を抑制できる。
【0120】
1.3 第1実施形態の変形例
次に、第1実施形態の変形例について3つの例を説明する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0121】
1.3.1 第1変形例
まず、
図14を参照して、第1実施形態の第1変形例について説明する。第1変形例では、第1実施形態と異なる貼合パッドBPw2及びBPw3の形状について説明する。
図14は、貼合面の平面図である。
【0122】
図14に示すように、貼合パッドBPw2は、連続的な環状形状を有していなくてもよい。例えば、環状に配置された複数の貼合パッドBPw2が設けられてもよい。貼合パッドBPw3も同様である。貼合パッドBPw2及びBPw3の両方が連続的な環状形状を有していなくてもよいし、いずれか一方が環状形状であってもよい。
【0123】
1.3.2 第2変形例
次に、
図15を参照して、第2変形例について説明する。第2変形例では、第1実施形態と異なるカーフ領域KRの貼合面における貼合パッドBPdkのレイアウトについて説明する。
図15は、カーフ領域KRの交差領域R1における貼合面の拡大図である。
【0124】
図15に示すように、ダイシング工程前に複数の半導体装置1の間に設けられたカーフ領域KRの貼合面は、中央に貼合パッドBPdkが配置されない領域SRと、領域SRと外周領域ORとの間において、貼合パッドBPdkが配置されている領域QRとを含む。領域SRは、ダイシング工程において、ブレードにより切断される領域である。領域SRの幅Wsは、ブレードの幅よりも広い方が好ましい。領域SRを設けることにより、チップ切断時の不良発生を抑制できる。
【0125】
領域SRの幅より細いブレードにより複数の半導体装置1がチップ毎に切り分けられた場合の、半導体装置1の貼合面の平面図を
図16に示す。
【0126】
図16に示すように、チップ端部を含むカーフ領域KRにおいて、チップ切断面が形成されない領域QRに貼合パッドBPdkが配置されている。一方で、チップ切断面と接し最外縁に位置する領域SRには、貼合パッドBPbkが設けられていない。換言すれば、領域QRは、電極110dk及び211dk(貼合パッドBPdk)が配置される電極配置領域である。領域SRは、電極配置領域を囲み、いかなる電極(貼合パッドBP)も配置されない最外縁領域である。
【0127】
1.3.3 第3変形例
次に、第1実施形態の第3変形例について説明する。第3変形例では、外周領域ORにクラックストッパが設けられている場合について説明する。
【0128】
1.3.3.1 貼合面の平面レイアウト
まず、
図17及び
図18を参照して、貼合面の平面レイアウトの一例について説明する。
図17は、貼合面の平面図である。
図18は、カーフ領域KRの交差領域R1における貼合面の拡大図である。
【0129】
図17及び
図18に示すように、外周領域ORには、貼合パッドBPw5及び複数の貼合パッドBPdoが配置される。例えば、貼合パッドBPw5は、略四角形の環状形状を有する。なお、貼合パッドBPw5は、第1実施形態の第1変形例の貼合パッドBPw2及びBPw3と同様に、連続的な環状形状でなくてもよい。例えば、貼合パッドBPw5は、壁領域WRを囲むように配置されている。貼合パッドBPw5と壁領域WRの貼合パッドBPw3との間に、貼合パッドBPdoが配置されてもよいし、配置されていなくてもよい。貼合パッドBPw5とカーフ領域KRの貼合面との間に、貼合パッドBPdoが配置される。
【0130】
1.3.3.2 半導体装置の断面構造
次に、半導体装置の断面構造の一例について説明する。
図19は、半導体装置1の断面構造の一例を示す断面図である。
【0131】
図19に示すように、コア領域CR、周辺回路領域PR、壁領域WR、及びカーフ領域KRの構造は、第1実施形態の
図9と同様である。
【0132】
アレイチップ10の外周領域ORには、壁構造W_5及びW_6、並びに壁構造W_5と回路チップ20とを接続するための各種配線が設けられる。壁構造W_5及びW_6はそれぞれ、導電体120_5及び120_6を含む。なお、外周領域ORに設けられる壁構造Wの個数は、2個に限定されない。
【0133】
壁構造W_5及びW_6は、ダイシング工程において、半導体装置1の端部にクラックや絶縁層の剥離等が発生した際、素子領域ERにクラックあるいは剥離が到達するのを抑制するクラックストッパとして機能する。また、壁構造W_5及びW_6は、半導体装置1の端部から内部に水等が浸透するのを抑制する。例えば、外周領域OR(表面保護層119等が除去された領域)に壁構造W_5及びW_6を設けることにより、半導体装置1の端部から進展してきたクラックまたは水分等は、外周領域ORで、半導体装置1の上方(すなわち外部)に導かれる。半導体装置1の外部に、クラックまたは水分等を導きやすくするために、外周領域ORでは、絶縁層117及び118並びに表面保護層119が除去されている。
【0134】
図20を参照して、導電体120_1~120_6の平面レイアウトについて説明する。
図20は、導電体120_1~120_6の平面レイアウトの一例を示す平面図である。なお、
図20では、説明を簡略化するため、導電体120_1~120_6以外は、省略されている。
【0135】
図20に示すように、例えば、導電体120_5及び120_6は、XY平面において、略四角環状の形状を有する。導電体120_5及び120_6は、互いに接していない。なお、導電体120_5及び120_6は、環状であれば、四角環状でなくてもよい。導電体120_5は、壁領域WRを囲むように設けられる。導電体120_6は、導電体120_5を囲むように設けられる。
【0136】
図19に示すように、導電体120_5及び120_6の各々は、Z方向に延びる。導電体120_5及び120_6の各々のZ2方向の端部は、例えば、絶縁層115に接する。なお、導電体120_5及び120_6のZ2方向の端部は、絶縁層111内部にあってもよい。導電体120_5のZ1方向の端部は、導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、導電体109、及び電極110w5を介して、回路チップ20の電極211w5に電気的に接続される。導電体120_6のZ1方向の端部は、導電体105に接続されない。
【0137】
導電体120_5と電気的に接続された導電体105、配線層106、導電体107、配線層108、導電体109、電極110w5、及び電極211w5は、壁領域WRを囲む四角環状の形状を有し得る。電極110w5及び211w5は、貼合パッドBPw5として機能する。
【0138】
回路チップ20の外周領域ORにおいて、絶縁層213と同層に設けられた電極211w5は、導電体210、配線層209、導電体208、配線層207、導電体206、配線層205、及び導電体204を介して、半導体基板201に接続される。
【0139】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、素子領域ERにおける貼合パッドBPaの配置について説明する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0140】
2.1 半導体装置の平面構成
まず、
図21を参照して、半導体装置1の平面構成の一例について説明する。
図21は、半導体装置1の平面図である。なお、
図21の例では、各領域の説明のため、貼合パッドBPの一部が示されている。
【0141】
図21に示すように、周辺回路領域PRは、内側領域PiRと、外側領域PoRとを含む。内側領域PiRは、コア領域CRを囲む。例えば、内側領域PiRは、四角環状の領域である。外側領域PoRは、内側領域PiRと壁領域WRとの間の領域である。外側領域PoRは、内側領域PiRを囲む。例えば、外側領域PoRは、四角環状の領域である。外側領域PoRには、半導体装置1に電源を供給するための外部接続端子が設けられる。外側領域PoRの幅をWpとする。外側領域PoRは、壁領域WR(より具体的には、貼合パッドBPw2)から半導体装置1の中心に向かって幅Wpの領域である。例えば、幅Wpは30μm以内とされる。
【0142】
コア領域CRと、内側領域PiR及び外側領域PoRとを含む素子領域ERの貼合面には、アクティブパッド領域AR1及びAR2、並びにダミーパッド領域DAR及びDRが設けられる。
【0143】
より具体的には、コア領域CR及び内側領域PiRの貼合面は、アクティブパッド領域AR1及びダミーパッド領域DARを含む。アクティブパッド領域AR1には、貼合パッドBPaが配置される。ダミーパッド領域DARは、アクティブパッド領域AR1を囲む。例えば、ダミーパッド領域DARは、四角環状の領域である。ダミーパッド領域DARには、貼合パッドBPdiが配置される。
【0144】
外側領域PoRの貼合面には、アクティブパッド領域AR2が設けられる。アクティブパッド領域AR2には、1つの外部接続端子(電源端子)に共通に接続される少なくとも3つ以上の貼合パッドBPaが配置される。すなわち、アクティブパッド領域AR2内の複数の貼合パッドBPaは、電源端子と同電位に共通接続されて電源の経路として機能する。アクティブパッド領域AR2の周りには、ダミーパッド領域DARは設けられない。
【0145】
本実施形態では、素子領域ERの貼合面において、アクティブパッド領域AR1及びAR2並びにダミーパッド領域DARを除いた領域がダミーパッド領域DRとされる。
【0146】
アクティブパッド領域AR1における貼合パッドBPaの被覆率は、アクティブパッド領域AR2における貼合パッドBPaの被覆率よりも高い。また、アクティブパッド領域AR1における貼合パッドBPaの被覆率は、ダミーパッド領域DARにおける貼合パッドBPdiの被覆率と概略等しい。アクティブパッド領域AR1における貼合パッドBPaの被覆率及びダミーパッド領域DARにおける貼合パッドBPdiの被覆率は、ダミーパッド領域DRにおける貼合パッドBPdiの被覆率よりも高い。
【0147】
アクティブパッド領域AR2における貼合パッドBPaの被覆率は、隣接するダミーパッド領域DRにおける貼合パッドBPdiの被覆率に対して±5%未満となるように設計される。換言すると、素子領域ERにおいて、貼合パッドBPw2(壁領域WR)から30μm以内にアクティブパッド領域AR2を設ける場合、アクティブパッド領域AR2内における貼合パッドBPaの被覆率は、ダミーパッド領域DRにおける貼合パッドBPdiの被覆率に対して±5%未満とする。
【0148】
本実施形態では、貼合パッドBPw2から幅Wp(30μm)以内の領域を外側領域PoRとしている。そして、外側領域PoRに配置されるアクティブパッド領域AR2における貼合パッドBPaの被覆率は、ダミーパッド領域DRにおける貼合パッドBPdiの被覆率に対して±5%未満となるように設計される。例えば、外側領域PoRにおいて、貼合パッドBPaの被覆率が、貼合パッドBPdiの被覆率に対して±5%以上乖離すると、貼合面のCMPにおいて、外周領域ORと素子領域ERとの間の段差が大きくなり得る。更には、カーフ領域KRと素子領域ERとの段差が大きくなり得る。このため、貼合工程において、貼合不良が発生する可能性が高くなる。
【0149】
2.2 貼合面の平面レイアウトの具体例
次に、
図22を参照して、貼合面の平面レイアウトの具体例について説明する。
図22は、貼合面の平面図である。
【0150】
図22に示すように、コア領域CR及び周辺回路領域PRの内側領域PiRには、複数のアクティブパッド領域AR1が設けられている。そして、アクティブパッド領域AR1をそれぞれ囲むように複数のダミーパッド領域DARが設けられている。
図22の例では、コア領域CRの貼合面には、貼合パッドBPa(電極110a及び211a)が3×7列に配列されたアクティブパッド領域AR1と、貼合パッドBPaが1×2列に配列されたアクティブパッド領域AR1とが設けられている。また、内側領域PiRの貼合面には、貼合パッドBPaが1×2列に配列されたアクティブパッド領域AR1が設けられている。各アクティブパッド領域AR1において、複数の貼合パッドBPaは、正方格子状に配置されている。アクティブパッド領域AR1を囲むダミーパッド領域DARの貼合パッドBPdi(電極110di及び211di)は、貼合パッドBPaと同様に、正方格子状に配置されている。
【0151】
周辺回路領域PRの外側領域PoRには、複数のアクティブパッド領域AR2が設けられている。
図22の例では、外側領域PoRの貼合面には、貼合パッドBPa(電極110a及び211a)が1×3列に配列されたアクティブパッド領域AR2と、貼合パッドBPaが8×3列に配列されたアクティブパッド領域AR2と、貼合パッドBPaが2×8列に配列されたアクティブパッド領域AR2と、が設けられている。各アクティブパッド領域AR2において、内部に配置された複数の貼合パッドBPaは、同電位に接続されている。各アクティブパッド領域AR2において、複数の貼合パッドBPaは、正方格子状に配置されている。アクティブパッド領域AR2における貼合パッドBPa間の距離は、アクティブパッド領域AR1における貼合パッドBPa間よりも広い。
【0152】
コア領域CRと、内側領域PiR及び外側領域PoRとを含む素子領域ERのダミーパッド領域DRには、複数の貼合パッドBPdi(電極110di及び211di)がずらし配置により配置されている。
【0153】
壁領域WRには、第1実施形態と同様に、貼合パッドBPw2及びBPw3が設けられている。例えば、貼合パッドBPw2及びBPw3は、第1実施形態と同様に、略四角形の環状構造を有している。なお、貼合パッドBPw2及びBPw3は、第1実施形態の第1変形例と同様に、連続的な環状構造で無くてもよい。
【0154】
外周領域ORには、複数の貼合パッドBPdoがずらし配置により配置されている。
【0155】
本実施形態では、カーフ領域KRに貼合パッドBPdkが設けられていない。
【0156】
2.3 貼合パッドBPaの配置パターン及び被覆率
次に、貼合パッドBPaの配置パターン及び被覆率について説明する。
【0157】
2.3.1 アクティブパッド領域AR1における貼合パッドBPaの配置パターン及び被覆率
まず、
図23を参照して、アクティブパッド領域AR1における貼合パッドBPaの配置パターン及び被覆率について説明する。
図23は、アクティブパッド領域AR1における貼合パッドBPa及びダミーパッド領域DARにおける貼合パッドBPdiの平面レイアウトの一例を示す平面図である。
図23の例では、説明を簡略化するため、素子領域ERを、一辺がLの正方格子状のマスに分割して示している。そして、貼合パッドBPaが、1マスに対応して配置される場合を示している。なお、貼合パッドBPaは、1マスに対応して配置されなくてもよい。
【0158】
図23に示すように、例えば、貼合パッドBPaは、1マスに対応して配置される。この場合、貼合パッドBPaの面積は、L
2である。なお、貼合パッドBPaのXY平面における形状は、正方形でなくてもよい。
【0159】
5マス×5マス(5L×5L)のアクティブパッド領域AR1において、例えば、9個の貼合パッドBPaが、2マス間隔で3×3列の正方格子状に配置される。
図23の例では、貼合パッドBPaが等間隔に配置されているが、これに限定されない。貼合パッドBPaの配置は、接続の対象となる配線層及びコンタクトプラグの配置に依存するため、貼合パッドBPa間の距離は、等間隔でなくてもよい。
【0160】
同様に、アクティブパッド領域AR1を囲むダミーパッド領域DARにおいて、40個の貼合パッドBPdiが、2マス間隔で正方格子状に配置される。
【0161】
アクティブパッド領域AR1における貼合パッドBPaの被覆率は、例えば、アクティブパッド領域AR1の面積に占める貼合パッドBPaの面積の割合として算出される。また、ダミーパッド領域DARにおける貼合パッドBPdiの被覆率は、例えば、ダミーパッド領域DARの面積に占める貼合パッドBPdiの面積の割合として算出される。
【0162】
2.3.2 アクティブパッド領域AR2における貼合パッドBPaの配置パターン及び被覆率
次に、
図24を参照して、アクティブパッド領域AR2における貼合パッドBPaの配置パターン及び被覆率について説明する。
図24は、アクティブパッド領域AR2における貼合パッドBPaの平面レイアウトの一例を示す平面図である。
【0163】
図24に示すように、11マス×11マス(11L×11L)のアクティブパッド領域AR2において、例えば、9個の貼合パッドBPaが、5マス間隔で3×3列の正方格子状に配置される。
図24の例では、
図23の例と同様に、貼合パッドBPaが等間隔に配置されているが、これに限定されない。貼合パッドBPa間の距離は、等間隔でなくてもよい。
【0164】
アクティブパッド領域AR2における貼合パッドBPaの被覆率は、例えば、アクティブパッド領域AR2の面積に占める貼合パッドBPaの面積の割合として算出される。
【0165】
2.4 半導体装置の断面構造
次に、半導体装置の断面構造の一例について説明する。
図25は、半導体装置1の断面構造の一例を示す断面図である。
【0166】
図25に示すように、コア領域CR、壁領域WR、及び外周領域ORの構造は、第1実施形態の
図9と同様である。
【0167】
アレイチップ10の周辺回路領域PRについて説明する。アレイチップ10の外側領域PoRは、電源供給に対応する外部接続端子領域BRを含む。1つの外部接続端子として機能する配線層116には、複数の導電体130が接続される。例えば、Z1方向において、1つの配線層116に接続された複数の導電体130は、1つの配線層106に接続される。配線層106は、複数の導電体107、配線層108、及び導電体109の組を介して、複数の電極110aに電気的に接続される。複数の電極110aは、対応する回路チップ20の複数の電極211aとそれぞれ接する。1つの配線層116に共通に接続された複数の貼合パッドBPaが、1つのアクティブパッド領域AR2に配置される。
【0168】
回路チップ20の外側領域PoRにおいて、1つのアクティブパッド領域AR2に対応する複数の電極211aは、各々導電体210を介して、例えば、1つの配線層209に共通に接続される。そして、配線層209は、導電体208、配線層207、導電体206、配線層205、及び導電体204を介して、半導体基板201に電気的に接続される。
【0169】
本実施形態では、カーフ領域KRにおいて、第1実施形態の
図9で説明した電極110dk及び211dkが廃されている。
【0170】
2.5 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、壁領域WRの貼合パッドBPw2から幅Wp(30μm)以内の外側領域PoRに配置される貼合パッドBPaの被覆率を、ダミーパッド領域DRにおける貼合パッドBPdiの被覆率に対して±5%未満となるように設計できる。これにより、貼合面における外周領域ORやカーフ領域KRとの段差を低減でき、貼合工程における貼合不良を抑制できる。よって、半導体装置1の製造歩留まりを向上できる。
【0171】
2.6 第2実施形態の変形例
次に、
図26を参照して、第1実施形態の変形例について説明する。
図26は、貼合面の平面図である。
【0172】
図26に示すように、第1実施形態と同様に、カーフ領域KRに貼合パッドBPdkを配置してもよい。これにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0173】
3.変形例等
上記実施形態に係る半導体装置は、基板(201)を含む第1チップ(20)と、第1面(貼合面)で第1チップと貼り合わされた第2チップ(10)とを含む。第1チップ及び第2チップの各々は、素子領域(ER)とチップ端部を含む端部領域(KR)とを有する。第1チップは、端部領域の第1面に配置され、電気的に非接続状態とされた複数の第1電極(211dk)を含む。第2チップは、端部領域の第1面に配置され、電気的に非接続状態とされ、複数の第1電極とそれぞれ接する複数の第2電極(110dk)を含む。
【0174】
上記実施形態を適用することにより、半導体装置1の製造歩留まりを向上できる。
【0175】
なお、実施形態は上記で説明した形態に限られず、種々の変形が可能である。
【0176】
更に、上記実施形態における「接続」とは、間に例えばトランジスタあるいは抵抗等、他の何かを介在させて間接的に接続されている状態も含む。
【0177】
実施形態は例示であり、発明の範囲はそれらに限定されない。
【符号の説明】
【0178】
1…半導体装置
10…アレイチップ
11…メモリセルアレイ
20…回路チップ
21…シーケンサ
22…電圧発生回路
23…ロウデコーダ
24…センスアンプ
101、101a~101c…半導体層
102、111~115、117、118、121、212、213…絶縁層
103、106、108、116、205、207、209…配線層
104、105、107、109、120、120_1~120_6、130、204、206、208、210…導電体
110、110a、110di、110dk、110do、110w2、110w3、110w5、211、211a、211di、211dk、211do、211w2、211w3、211w5…電極
119…表面保護層
140…ブロック絶縁膜
141…電荷蓄積膜
142…トンネル絶縁膜
143…半導体膜
144…コア膜
145…キャップ膜
201…半導体基板
202…ゲート絶縁膜
203…ゲート電極
AR、AR1、AR2…アクティブパッド領域
BP、BPa、BPdi、BPdk、BPdo、BPw2、BPw3、BPw5…貼合パッド
CR…コア領域
DAR、DR…ダミーパッド領域
ER…素子領域
KR…カーフ領域
OR…外周領域
PiR…内側領域
PoR…外側領域
PR…周辺回路領域
WR…壁領域