(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031906
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】電解水モジュールの極性反転平衡方法、装置及び電解水システム
(51)【国際特許分類】
C25B 15/023 20210101AFI20240229BHJP
C02F 1/461 20230101ALI20240229BHJP
C25B 1/01 20210101ALI20240229BHJP
C25B 15/08 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
C25B15/023
C02F1/461 Z
C25B1/01 Z
C25B15/08
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135058
(22)【出願日】2023-08-22
(31)【優先権主張番号】202211018735.8
(32)【優先日】2022-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523287919
【氏名又は名称】▲じゃん▼州松霖智能家居有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhangzhou Solex Smart Home Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 12 Shunxiang Road, Gunong Farm, Changtai County, Zhangzhou City, Fujian Province, 363900, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】蘇 友鵬
(72)【発明者】
【氏名】盧 偉
(72)【発明者】
【氏名】盧 江群
(72)【発明者】
【氏名】林 素月
【テーマコード(参考)】
4D061
4K021
【Fターム(参考)】
4D061DA01
4D061DB07
4D061EA02
4D061EB05
4D061EB19
4D061EB37
4D061EB39
4D061EB40
4D061GA15
4D061GC16
4K021BA02
4K021CA06
4K021CA08
4K021DC07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電解水モジュールの極性反転平衡方法、装置及び電解水システムを提供する。
【解決手段】正極通電総時間と負極通電総時間との差を取得するステップと、前記差の絶対値が設定値以下である場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御するステップと、前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ現在の極性が通電総時間が大きい極性である場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御し、そうでない場合、極性反転させないステップと、を含んでいる極性反転平衡方法である。
【効果】正極通電総時間と負極通電総時間との差に基づき極性反転を制御することにより、電解水モジュールで生成される電解殺菌水が酸アルカリ度のバランスをとることができ、電解水モジュールの寿命の向上に寄与し、より高い殺菌効果を達成することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解水モジュールの極性反転平衡方法であって、
正極通電総時間と負極通電総時間との差を取得するステップと、
前記差の絶対値が設定値より大きくない場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御するステップと、
前記差の絶対値が設定値より大きく、かつ現在の極性が通電総時間の大きい極性である場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御し、そうでない場合、極性反転させないステップと、
を含んでいることを特徴とする電解水モジュールの極性反転平衡方法。
【請求項2】
正極通電総時間と負極通電総時間との差を取得する前に、
ユーザの出水指令を受信し、電気を流すように電解水モジュールを制御して、水を放出するステップと、
ユーザの断水指令を受信し、電源を遮断するように電解水モジュールを制御して、水を切るステップと、
電解水モジュールの今回通電時間を取得し、電解水モジュールの現在の極性を判断し、正極であれば、正極通電総時間を今回通電時間だけ増加させ、負極であれば、負極通電総時間を今回通電時間だけ増加させるステップと、
を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の電解水モジュールの極性反転平衡方法。
【請求項3】
前記設定値は、固定値又は可変値であることを特徴とする請求項1に記載の電解水モジュールの極性反転平衡方法。
【請求項4】
前記設定値が可変値である場合、取得方法は以下のとおりであり、
T1=n*(V2-V1)/((V2/V1)*2)
そのうち、T1は設定値であり、nは電解水モジュールが既に極性反転した回数であり、V1は電解水モジュールの初回使用時の電圧であり、V2はリアルタイムで検出される電解水モジュールの電圧値であることを特徴とする請求項3に記載の電解水モジュールの極性反転平衡方法。
【請求項5】
前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ現在の極性が通電総時間の大きい極性である場合、電解水モジュールの極性反転を制御し、そうでない場合、極性反転させないステップを含み、具体的に、
前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ、正極通電総時間が負極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを負極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御し、
前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ、負極通電総時間が正極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを正極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御することを特徴とする請求項1に記載の電解水モジュールの極性反転平衡方法。
【請求項6】
前記電解水モジュールを極性反転させるように制御することは、電解水モジュールを制御して水を切った後に極性反転性させるか、又は電解水モジュールを制御して水を放出する前に極性反転性させることを含むことを特徴とする請求項1に記載の電解水モジュールの極性反転平衡方法。
【請求項7】
正極通電総時間と負極通電総時間との差を取得する通電時間差取得モジュールと、
前記差の絶対値が設定値の以下である場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御し、前記差の絶対値が設定値より大きく、かつ現在の極性が通電総時間の大きい極性である場合、前記電解水モジュールを極性反転させるように制御し、そうでない場合、極性反転させない極性反転制御モジュールと、を含むことを特徴とする電解水モジュールの極性反転平衡装置。
【請求項8】
電解水モジュールと、極性反転回路と、制御回路とを含み、
前記電解水モジュールは、正極と負極を含み、
前記制御回路は、極性反転回路に接続され、電解水モジュールの正極通電総時間と負極通電総時間との差に基づいて極性反転回路を制御するように用いられ、
前記極性反転回路は、前記電解水モジュールに接続され、前記制御回路の出力指令に基づいて電解水モジュールが極性反転を行うか否かを制御するように用いられ、
前記制御回路は、前記電解水モジュールにも接続され、ユーザの指令に基づいて電解水モジュールの出水又は断水を制御するように用いられることを特徴とする電解水システム。
【請求項9】
前記極性反転回路は、前記電解水モジュールに接続され、前記制御回路の出力指令に基づき、電解水モジュールが極性反転するか否かを制御し、具体的に、
電解水モジュールの正極通電総時間と負極通電総時間との差を取得し、前記差の絶対値が設定値より大きくない場合、極性反転回路を制御して電解水モジュールを極性反転させ、前記差の絶対値が設定値より大きく、かつ、現在の極性が通電総時間の大きい極性である場合、極性反転回路を制御して電解水モジュールを極性反転させ、そうでない場合、極性反転させないことを特徴とする請求項8に記載の電解水システム。
【請求項10】
前記極性反転回路は、接続されたリレーとスイッチ管とを有し、前記リレーは、常開接点と常閉接点を備える接点を2組含み、前記制御回路は、スイッチ管に接続され、スイッチ管の開閉を制御し、前記スイッチ管は前記リレーのコイルに連結され、
前記リレーの第1組の接点の常開接点は、第2組の接点の常閉接点に連結され、且つ電解水モジュールの一極に連結され、前記リレーの第2組の接点の常閉接点は、第2組の接点の常開接点に接続され、且つ電解水モジュールの他方の極に接続されていることを特徴とする請求項8に記載の電解水システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解水モジュールの技術分野に関し、特に、電解水モジュールの極性反転平衡方法、装置及び電解水システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電解水は、水が電解水モジュールにより電気分解されて生成された一定の酸アルカリ度と酸化還元性を有する殺菌水である。電解作用により、電解水モジュールの負極で強アルカリ性の水が生成され、正極で強酸性水が生成される。電解水モジュールがある極性のままに長時間を渡って放置されると、モジュール内部にスケールが発生し、モジュール内部に細菌が発生して殺菌効果に影響を与える。酸アルカリ度の強弱は、電解時間、電流強度、食塩濃度を調節することで調整できるが、電解水モジュールの極性を頻繁に反転させることは、電解水モジュールの寿命にも影響する。以上のように、電解水モジュールの極性反転が妥当ではない場合、電解水の殺菌効果が不良となり、ユーザの体感に影響を与える。
【0003】
特許文献1「定電流極性反転制御回路(202122016506.X)」は、定電流回路、正負極性切り替え回路、シングルチップコンピューター、及び電圧切り替え回路を含み、この定電流極性反転制御回路は、電極と定電流の切り替えが必要な場合に使用することができ、電解水分野での応用において、リアルタイムで電極を切り替えることができ、電極構造の問題を解決することができる。特許文献2「水道水を電気分解して殺菌に用いる電極スケール除去可能な電解水装置(201520778476.8)」は、電解槽ケース(1)、陽極(2)及び陰極(3)から構成される電解槽を含み、電解槽ケース(1)に陽極(2)と陰極(3)が設けられ、陽極(2)と陰極(3)がそれぞれ導線を介して極性反転回路(4)に接続され、極性反転回路(4)がそれぞれ導線を介して制御回路(5)及び電解槽電源(6)に接続され、電解槽ケース(1)に超音波変換器(7)が設けられ、超音波変換器(7)は導線を介して変換器駆動回路(8)に接続され、変換器駆動回路(8)が導線を介して制御回路(5)に接続され、電極表面のスケール生成を低減でき、スケール生成の後に自動的にスケールを除去できるとともに、ヒドロキシラジカル(・OH)の生成速度を高め、スケール除去効果が高い。特許文献1及び2のいずれにも、極性反転のタイミングをどのように制御するかについては開示されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、正極通電総時間と負極通電総時間との差に応じて極性反転を制御することにより、電解水モジュールから生成される電解殺菌水の酸アルカリ度の平衡を達成することができる電解水モジュールの極性反転平衡方法、装置及び電解水システムを提供することにあり、電解水モジュールの寿命の向上に寄与し、より高い殺菌効果を達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の技術手段を採用する。
一態様において、本発明の電解水モジュールの極性反転平衡方法は、
正極通電総時間と負極通電総時間との差を取得するステップと、
前記差の絶対値が設定値より大きくない場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御するステップと、
前記差の絶対値が設定値より大きく、かつ現在の極性が通電総時間の大きい極性である場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御し、そうでない場合、極性反転させないステップと、を含んでいる。
【0006】
好ましくは、正極通電総時間と負極通電総時間との差を取得する前に、
ユーザの出水指令を受信し、電気を流すように電解水モジュールを制御して、水を放出するステップと、
ユーザの断水指令を受信し、電源を遮断するように電解水モジュールを制御して、水を切るステップと、
電解水モジュールの今回通電時間を取得し、電解水モジュールの現在の極性を判断し、正極であれば、正極通電総時間を今回通電時間だけ増加させ、負極であれば、負極通電総時間を今回通電時間だけ増加させるステップと、を含んでいる。
【0007】
好ましくは、前記設定値は、固定値又は可変値である。
【0008】
好ましくは、前記設定値が可変値である場合、取得方法は以下のとおりであり、
T1=n*(V2-V1)/((V2/V1)*2)
そのうち、T1は設定値であり、nは電解水モジュールが既に極性反転した回数であり、V1は電解水モジュールの初回使用時の電圧であり、V2はリアルタイムで検出される電解水モジュールの電圧値である。
【0009】
好ましくは、前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ現在の極性が通電総時間の大きい極性である場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御し、そうでない場合、極性反転させないステップを含み、具体的に、
前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ、正極通電総時間が負極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを負極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御し、
前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ、負極通電総時間が正極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを正極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御する。
【0010】
好ましくは、前記電解水モジュールを極性反転させるように制御することは、電解水モジュールを制御して水を切った後に極性反転性させるか、又は電解水モジュールを制御して水を放出する前に極性反転性させることを含む。
【0011】
別の態様において、本発明は、電解水モジュールの極性反転平衡装置であって、正極総通電時間と負極総通電時間との差を取得する通電時間差取得モジュールと、前記差の絶対値が設定値の以下である場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御し、前記差の絶対値が設定値より大きく、かつ現在の極性が通電総時間の大きい極性である場合、前記電解水モジュールを極性反転させるように制御し、そうでない場合、極性反転させない極性反転制御モジュールと、を含む。
【0012】
好ましくは、前記電解水モジュールは、さらに、使用者の出水指令を受信し、電気を流すように電解水モジュールを制御して、水を放出するための水放出制御モジュールと、使用者の断水指令を受信し、電源を遮断するように電解水モジュールを制御して、水を切るための断水制御モジュールと、電解水モジュールの今回通電時間を取得し、電解水モジュールの現在の極性を判定し、正極であれば、正極通電総時間を今回通電時間だけ増加させ、負極であれば、負極通電総時間を今回通電時間だけ増加させる通電時間蓄積モジュールと、を含む。
【0013】
好ましくは、前記電解水モジュールの極性反転平衡装置は、固定の設定値又は変化する設定値を取得するための設定値取得モジュールを更に含み、前記設定値が可変値である場合、取得方法は以下の通りであり、
T1=n*(V2-V1)/((V2/V1)*2)
そのうち、T1は設定値であり、nは電解水モジュールが既に極性反転した回数であり、V1は電解水モジュールの初回使用時の電圧であり、V2はリアルタイムで検出される電解水モジュールの電圧値である。
【0014】
好ましくは、前記極性反転制御モジュールは、具体的に、
前記差の絶対値が設定値より大きくない場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御し、
前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ、正極通電総時間が負極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを負極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御し、
前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ、負極通電総時間が正極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを正極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御する。
【0015】
さらに別の態様において、本発明は、電解水システムであって、電解水モジュールと、極性反転回路と、制御回路とを含み、前記電解水モジュールは、正極と負極を含み、前記制御回路は、極性反転回路に接続され、電解水モジュールの正極通電総時間と負極通電総時間との差に基づいて極性反転回路を制御するように用いられ、前記極性反転回路は、前記電解水モジュールに接続され、前記制御回路の出力指令に基づいて電解水モジュールが極性反転を行うか否かを制御するように用いられ、前記制御回路は、前記電解水モジュールにも接続され、ユーザの指令に基づいて電解水モジュールの出水又は断水を制御するように用いられる。
【0016】
好ましくは、前記極性反転回路は、前記電解水モジュールに接続され、前記制御回路の出力指令に基づき、電解水モジュールが極性反転するか否かを制御し、具体的に、
電解水モジュールの正極通電総時間と負極通電総時間との差を取得し、前記差の絶対値が設定値より大きくない場合、極性反転回路を制御して電解水モジュールを極性反転させ、前記差の絶対値が設定値より大きく、かつ、現在の極性が通電総時間の大きい極性である場合、極性反転回路を制御して電解水モジュールを極性反転させ、そうでない場合、極性反転させない。
【0017】
好ましくは、前記極性反転回路は、接続されたリレーとスイッチ管とを有し、前記リレーは、常開接点と常閉接点を備える接点を2組含み、前記制御回路は、スイッチ管に接続され、スイッチ管の開閉を制御し、前記スイッチ管は前記リレーのコイルに連結され、前記リレーの第1組の接点の常開接点は、第2組の接点の常閉接点に連結され、且つ電解水モジュールの一極に連結され、前記リレーの第2組の接点の常閉接点は、第2組の接点の常開接点に接続され、且つ電解水モジュールの他方の極に接続されている。
【発明の効果】
【0018】
先行技術と比較した本発明の有利な効果は、以下の通りである。
(1)本発明は、正極通電総時間と負極通電総時間との差に基づいて極性反転を制御することで、電解水モジュールで生成される電解殺菌水が酸アルカリ度のバランスをとることができ、電解水モジュールの寿命の向上に寄与し、より高い殺菌効果を達成することができる。
(2)電解水モジュールの極性反転回数に一定の上限があり、極性反転回数が上限に達すると、電解水モジュール内部の酸アルカリイオン濃度が不均衡の状態となり、殺菌効果が不良となる。本発明は極性反転回数、電解水モジュールの初期電圧値及びリアルタイム電圧値に基づいて設定値を設定して、極性反転を制御するものであり、このような極性反転方法は設定値の変化に伴い、電解水モジュールの極性反転回数を減らし、電解水モジュールの使用寿命を長くするのに有利である。
(3)出水時に極性反転を行う、すなわち出水時に電解水モジュールの極性を切り替えることは、生成される電解水の酸アルカリイオン濃度のアンバランスを招くため、本発明は、電解水モジュールの出水時に極性反転させないように制御し、さらに電解水モジュールで生成される電解殺菌水の酸アルカリ度のバランスを達成する。
【0019】
以上の説明は、本発明の技術的思想の概要であり、本発明の技術手段をより明確的に理解し、明細書の内容に従って実施するとともに、本発明の前記及びその他の目的、特徴、利点をより分かりやすくために、以下に例として本発明の具体的実施態様を挙げる。
【0020】
添付の図面に基づき本発明の具体的実施形態を詳細に説明するが、本発明の前記及び他の目的、利点、及び特徴は、当業者にとってさらに明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施例に係る電解水モジュールの極性反転平衡方法の概略的なフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例1に係る設定値が固定値である時の電解水モジュールの極性状態の表である。
【
図3】本発明の実施例1に係わる電解水モジュールの極性反転平衡方法の詳細的なフローチャートである。
【
図4】本発明の実施例1に係わる電解水モジュールの極性反転平衡装置のブロック構成図である。
【
図5】本発明の実施例2に係わる電解水モジュールの極性反転波形を示す図である。
【
図6】本発明の実施例2に係る設定値が可変値である場合の時間差計算を示す表である。
【
図7】本発明の実施例2に係わる電解水モジュールの極性反転平衡方法の詳細的なフローチャートである。
【
図8】本発明の実施例2に係わる電解水モジュールの極性反転平衡装置のブロック構成図である。
【
図9】本発明の実施例3に係る電解水システムの回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的態様を明確且つ完全に説明する。記述される実施例は、本発明の一部の実施例にすぎず、全ての実施例を説明するものではなく、本発明の実施例に基づいて、当業者が創作的な労力を踏まずに実施し得る他の全ての実施例が、本発明の保護範囲に含まれることは、明らかである。
【0023】
本発明の説明において、「備える」、「含む」という用語、またはそれらの任意の他の変形形態は、非排他的な包含をカバーするように意図され、したがって、要素のリストを含むプロセス、方法、品目、または装置は、それらの要素だけでなく、明示的に列挙されていない他の要素も含み、またはそのようなプロセス、方法、品目、または装置に固有の要素も含むことが意図されることが理解されるべきである。「一つの……を含む」という表現によって定義される要素は、これ以上限定せずに、追加の同一の要素が、前記要素を含むプロセス、方法、物品、又は装置内に存在することを除外しない。
【0024】
本発明の説明において、「上」、「下」、「内」、「外」、「頂部/底部」等の用語によって示される位置又は位置関係は、図面に示される位置又は位置関係に基づいており、単に本発明の説明を容易にし、説明を簡略化するためのものであり、言及される装置又は要素が特定の位置を有し、特定の位置で構成され、動作しなければならないことを明示又は暗示するものではなく、したがって、本発明の限定として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。さらに、「第1の」、「第2の」という用語は、説明の目的のためだけであり、相対的な重要性を明示または暗示するものとして理解されるべきではない。
【0025】
本発明の説明において、特に明記、限定する場合を除き、「装着」、「備える」、「セット/接続」、「接続」等の用語は、広義に理解されるべきであり、例えば、「接続」は、固定的に接続されても、着脱可能に接続されても、一体的に接続されても、機械的に接続されても、電気的に接続されても、直接的に接続されても、介在物を介して間接的に接続されても、2つの要素の内部の連通であってもよく、当業者であれば、本発明における前記用語の具体的な意味を具体的な状況に基づき理解することができる。
【0026】
なお、本発明の説明において、特に明示および限定しない限り、ステップ標識S101、S102、S103等は、便宜上のものであり、実行順序を示すものではなく、各実行順序を調整することが可能である。
【0027】
<実施例1>
図1に示すように、本発明の電解水モジュールの極性反転平衡方法は、
正極通電総時間と負極通電総時間との差を取得するS101と、
前記差の絶対値が設定値より大きくない場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御するS102と、
前記差の絶対値が設定値より大きく、かつ、現在の極性が通電総時間の大きい極性である場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御し、そうでない場合、極性反転させないS103と、を含んでいる。
【0028】
具体的に、本実施例の電解水モジュールの極性反転平衡方法の実行主体は、上述した方法を実現するためのソフトウェアプログラムが格納されたMCUなどのコントローラを含む制御回路/端末機器などであってよい。
【0029】
電解水モジュールの初回使用時には、正極通電総時間および負極通電総時間をそれぞれ0に初期化し、その後の使用に伴って、電解水モジュールの通電極性に応じて正極通電総時間および負極通電総時間をそれぞれ積算する。今回の水流出時に極性が正極であれば、正極通電総時間を今回通電時間だけ増加させ、そうでなければ、負極通電総時間を今回通電時間だけ増加させる。
【0030】
具体的には、正極通電総時間と負極通電総時間との差を求める前に、正極通電総時間と負極通電総時間とを求める必要があり、
ユーザの出水指令を受信し、電気を流すように電解水モジュールを制御して、水を放出し、
ユーザの断水指令を受信し、電源を遮断するように電解水モジュールを制御して、水を切り、
電解水モジュールの今回通電時間を取得し、電解水モジュールの現在の極性を判断し、正極であれば、正極通電総時間を今回通電時間だけ増加させ、負極であれば、負極通電総時間を今回通電時間だけ増加させる。
【0031】
なお、電解水モジュールに通電して出水する時に、通電時間のカウントを始め、電解水モジュールに通電して断水する時に、通電時間のカウントを止め、両者の間の時間が今回通電時間となる。
【0032】
前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ現在の極性が通電総時間の大きい極性である場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御して、そうでない場合、極性反転させない。
【0033】
具体的に、前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ、正極通電総時間が負極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを負極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御し、
前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ、負極通電総時間が正極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを正極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御する。
【0034】
本実施形態では、設定値は、例えば15sの固定値に設定される。
【0035】
具体的に、
図2に示すように、電解水モジュールの通電時に、通電時間及び電解水モジュールの対応の極性を毎回カウントし、ユーザが水を切る毎に、毎回の出水時間を記録する。また、水を切る毎に、正極通電総時間T2と負極通電総時間T3を検出し、正極通電総時間と負極通電総時間の差が設定値T1(例えば、15秒)を超えたことを検出した場合、電解水モジュールの極性時間補償を行う。
【0036】
そして、正極通電総時間と負極通電総時間との差が設定値T1を超えたことを検知すると、ソフトは、まず、正極通電総時間と負極通電総時間との関係、すなわち(1)T2>T3、または(2)T2<T3を判断する。(1)の場合、電解水モジュールは、負極通電総時間を補償して、すなわち、次の出水時に負極に通電される。(2)の場合、正極通電総時間を補償して、次回の出水時に電解水モジュールが正極に通電される。両者の差がT1(15s)を超えない場合は、補正を停止し、電解水モジュールは正常に極性反転する。
【0037】
すなわち、|T2-T3|<T1を満たす場合、水を切るときに極性反転させ、|T2-T3|>T1を満たす場合、水を切るときに極性反転せず、補償を行い、
|T3-T2|<T1を満たす場合、水を切るときに極性反転させ、|T3-T2|>T1を満たす場合、水を切るときに極性反転せず、補償を行う。
【0038】
なお、水を切った後に(例えば、ユーザの断水指令を受けたとき)、電解水モジュールを極性反転させるように制御してもよいし、出水前に(例えば、ユーザの出水指令を受けたとき)、電解水モジュールを極性反転させるように制御してもよい。本実施形態は、電解水モジュールの出水時に極性反転を行わない限り、特に限定しない。出水時に極性反転を行う、すなわち出水時に電解水モジュールの極性を切り替えることは、生成された電解水の酸アルカリイオン濃度のアンバランスを招くため、本発明は、電解水モジュールの出水時に極性反転を行わないように制御し、さらに電解水モジュールで生成される電解殺菌水の酸アルカリ度のバランスを実現する。
【0039】
結論として、
図3に示すように、本発明の電解水モジュールの極性反転平衡方法は、詳細には、
ユーザの出水指令を受信し、電気を流すように電解水モジュールを制御し、水を放出するステップと、
ユーザの断水指令を受信し、電源を遮断するように電解水モジュールを制御し、水を切るステップと、
電解水モジュールの今回通電時間を取得し、電解水モジュールの現在の極性を判断し、正極であれば、正極通電総時間を今回通電時間だけ増加させ、負極であれば、負極通電総時間を今回通電時間だけ増加させるステップと、
正極通電総時間と負極通電総時間との差を取得するステップと、
前記差の絶対値が固定の設定値を超えない場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御するステップと、
前記差の絶対値が固定の設定値より大きく、且つ正極通電総時間が負極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを負極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御するステップと、
前記差の絶対値が固定の設定値より大きく、且つ負極通電総時間が正極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを正極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御するステップと、を含んでいる。
【0040】
図4を参照すると、本発明の他の態様によれば、本発明は、上述した電解水モジュールの極性反転平衡方法に対応する電解水モジュールの極性反転平衡装置をさらに含み、具体的に、
正極通電総時間と負極通電総時間との差を取得する通電時間差取得モジュール401と、
前記差の絶対値が設定値の以下である場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御して、前記差の絶対値が設定値より大きく、かつ現在の極性が通電総時間の大きい極性である場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御して、そうでない場合、極性反転させない極性反転制御モジュール402と、を含む。
【0041】
さらに、前記電解水モジュール極性反転平衡装置は、
ユーザの出水指令を受信し、電気を流すように電解水モジュールを制御して水を放出するための出水制御モジュール403と、
ユーザの断水指令を受信し、電源を遮断するように電解水モジュールを制御して水を切るための断水制御モジュール404と、
電解水モジュールの今回通電時間を取得し、電解水モジュールの現在の極性を判断し、正極であれば、正極通電総時間を今回通電時間だけ増加させ、負極であれば、負極通電総時間を今回通電時間だけ増加させる通電時間蓄積モジュール405と、を含む。
【0042】
前記極性反転制御モジュール402は、具体的に、
前記差の絶対値が設定値より大きくない場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御し、
前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ、正極通電総時間が負極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを負極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御し、
前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ、負極通電総時間が正極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを正極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御する。
【0043】
本実施例では、正極通電総時間と負極通電総時間との差に応じて極性反転を制御し、電解水モジュールで生成される電解殺菌水が酸アルカリ度のバランスを取得することができ、電解水モジュールの寿命に向上に寄与し、より高い殺菌効果を達成することができる。
【0044】
<実施例2>
本実施例は、前記設定値が変動値であり、具体的には、極性反転回数、電解水モジュールの初期電圧値、及びリアルタイム電圧値に基づいて計算で得られる点が、実施例1と異なる。
【0045】
実施例1と同様に、
図1に示すように、本発明の電解水モジュールの極性反転平衡方法は、
正極通電総時間と負極通電総時間との差を取得するS101と、
前記差の絶対値が設定値より大きくない場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御するS102と、
前記差の絶対値が設定値より大きく、かつ、現在の極性が通電総時間の大きい極性である場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御して、そうでない場合、極性反転させないS103と、を含んでいる。
【0046】
具体的に、本実施例の電解水モジュールの極性反転平衡方法の実行主体は、前記方法を実現するためのソフトウェアプログラムが格納されたMCU等のコントローラを含む制御回路/端末機器であってよい。
【0047】
電解水モジュールの初回使用時には、正極通電総時間および負極通電総時間をそれぞれ0に初期化し、その後の使用に伴って、電解水モジュールの通電極性に応じて正極通電総時間および負極通電総時間をそれぞれ積算する。今回の水流出時に極性が正極であれば、正極通電総時間を今回通電時間だけ増加させ、そうでなければ、負極通電総時間を今回通電時間だけ増加させる。
【0048】
具体的には、正極通電総時間と負極通電総時間との差を求める前に、正極通電総時間と負極通電総時間とを取得することをさらに含み、
ユーザの出水指令を受信し、電気を流すように電解水モジュールを制御し、水を放出し、
ユーザの断水指令を受信し、電源を切るように電解水モジュールを制御し、水を切り、
電解水モジュールの今回通電時間を取得し、電解水モジュールの現在の極性を判断し、正極であれば、正極通電総時間を今回通電時間だけ増加させ、負極であれば、負極通電総時間を今回通電時間だけ増加させる。
【0049】
なお、電解水モジュールに通電して水を放出する時に、通電時間のカウントを始め、電解水モジュールに通電して水を切る時に、通電時間のカウントを停止し、両者の間の時間が今回通電時間となる。
【0050】
前記差の絶対値が設定値より大きく、現在の極性が通電総時間の大きい極性である場合、電解水モジュールを制御して極性反転させ、そうでない場合、極性反転せず、具体的に、
前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ、正極通電総時間が負極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを負極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御し、
前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ、負極通電総時間が正極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを正極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御する。
【0051】
本実施例において、前記設定値は可変値であり、具体的な計算方法は以下の通りであり、
T1=n*(V2-V1)/((V2/V1)*2)
そのうち、T1は設定値であり、nは電解水モジュールが既に極性反転した回数であり、V1は電解水モジュールの初回使用時の電圧であり、V2はリアルタイムで検出される電解水モジュールの電圧値である。
【0052】
図5及び
図6に示すように、電解水モジュール電圧値の変化量の相違及び極性反転回数の増加に伴って、正極及び負極の通電補正時間の差の設定値T1も変化する。T1が動的に変化する利点は、電解水モジュールの極性反転回数に上限があり、極性反転回数が上限に達すると、電解水モジュール内部の酸アルカリイオン濃度がアンバランスになって、殺菌効果が不良になることである。一定の時間を設定して極性反転する欠点は、極性反転回数が多すぎると、殺菌効果及びモジュール寿命に影響を及ぼすことである。この極性反転方法は、T1の変化に伴うモジュール極性反転回数を減らすことができ、電解水モジュールの寿命を長くするのに有利である。
【0053】
なお、水を切った後に(例えば、ユーザの断水指令を受けたとき)、電解水モジュールを極性反転させるように制御してもよいし、出水の前に(例えば、ユーザの出水指令を受けたとき)、電解水モジュールを極性反転させるように制御してもよい。本実施形態は、電解水モジュールの出水時に極性反転性を行わない限り、特に限定しない。出水時に極性反転を行い、即ち、出水時に電解水モジュールの極性を切り替える場合、電解水の酸アルカリイオン濃度のアンバランスを招くおそれがあるため、本発明において、出水時に電解水モジュールを極性反転させないように制御することで、電解水モジュールによる電解殺菌水の酸アルカリ度のバランスがさらに図られる。
【0054】
結論として、
図7に示すように、本発明の電解水モジュールの極性反転平衡方法は、詳細には、
ユーザの出水指令を受信し、電気を流すように電解水モジュールを制御し、水を放出するステップと、
ユーザの断水指令を受信し、電源を遮断するように電解水モジュールを制御し、水を切るステップと、
電解水モジュールの今回通電時間を取得し、電解水モジュールの現在の極性を判断し、正極であれば、正極通電総時間を今回通電時間だけ増加させ、負極であれば、負極通電総時間を今回通電時間だけ増加させるステップと、
正極通電総時間と負極通電総時間との差を求めるステップと、
変化する設定値T1=n*(V2-V1)/((V2/V1)*2)を計算するステップと、
前記差の絶対値が計算された設定値より大きくない場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御するステップと、
前記差の絶対値が計算された設定値より大きく、且つ、正極通電総時間が負極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを負極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御するステップと、
前記差の絶対値が計算された設定値より大きく、且つ負極通電総時間が正極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを正極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールが極性反転させないように制御するステップと、を含んでいる。
【0055】
図8を参照すると、本発明の他の態様によれば、本発明は、上述した電解水モジュールの極性反転平衡方法に対応する電解水モジュールの極性反転平衡装置をさらに含み、具体的に、
正極通電総時間と負極通電総時間との差を取得するための通電時間差取得モジュール801と、
前記差の絶対値が設定値より大きくない場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御し、前記差の絶対値が設定値より大きく、かつ、現在の極性が通電総時間の大きい極性である場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御し、そうでない場合は、極性反転させない極性反転制御モジュール802と、を含む。
【0056】
さらに、前記電解水モジュールの極性反転平衡装置は、
ユーザの出水指令を受信し、電気を流して水を放出するように電解水モジュールを制御するための出水制御モジュール803と、
ユーザの断水指令を受信し、電気を切断して水を切るように電解水モジュールを制御するための断水制御モジュール804と、
電解水モジュールの今回通電時間を取得し、電解水モジュールの現在の極性を判断し、正極であれば、正極通電総時間を今回通電時間だけ増加させ、負極であれば、負極通電総時間を今回通電時間だけ増加させる通電時間蓄積モジュール805と、を含む。
【0057】
前記電解水モジュールの極性反転平衡装置は、固定の設定値又は変化する設定値を取得する設定値取得モジュール806を更に備え、前記設定値が可変値である場合、取得方法は以下の通りであり、
T1=n*(V2-V1)/((V2/V1)*2)
そのうち、T1は設定値であり、nは電解水モジュールが既に極性反転した回数であり、V1は電解水モジュールの初回使用時の電圧であり、V2はリアルタイムで検出される電解水モジュールの電圧値である。
【0058】
極性反転制御モジュール802は、具体的に、
前記差の絶対値が設定値より大きくない場合、電解水モジュールを極性反転させるように制御し、
前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ、正極通電総時間が負極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを負極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御し、
前記差の絶対値が設定値より大きく、且つ、負極通電総時間が正極通電総時間より大きい場合、電解水モジュールの現在の極性が負極であれば、電解水モジュールを正極に反転させるように制御し、電解水モジュールの現在の極性が正極であれば、電解水モジュールを極性反転させないように制御する。
【0059】
本実施例は、極性反転回数、電解水モジュールの初期電圧値及びリアルタイム電圧値に基づいて設定値を設定して、極性反転を制御するものであり、このような極性反転方法は、設定値の変化に伴って電解水モジュールの極性反転回数を減らし、電解水モジュールの使用寿命を長くするのに有利である。
【0060】
<実施例3>
図9に示すように、本実施例の電解水システムは、電解水モジュール90と、極性反転回路91と、制御回路92とを備え、前記電解水モジュール90が正極及び負極を備え、前記制御回路92が極性反転回路91に接続され、電解水モジュール90の正極通電総時間と負極通電総時間との差に基づいて極性反転回路91を制御し、前記極性反転回路91は、前記電解水モジュール90に接続され、前記制御回路92の出力指令に基づき電解水モジュール90の極性反転の有無を制御するためのものであり、前記制御回路92は、前記電解水モジュール90にも接続され、ユーザの指令に応じて電解水モジュール90の出水又は断水を制御する。
【0061】
本実施例において、前記制御回路92は、実施例1又は実施例2に記載の電解水モジュール90の極性反転性平衡方法のステップを実行するためのMCUコントローラを含む。
【0062】
前記極性反転回路91は、接続されたリレーK1及びスイッチ管Q2を含む。前記リレーK1は、常開接点と常閉接点を備える接点を2組含む。前記制御回路92は、スイッチ管Q2に接続されて、スイッチ管Q2のオン/オフを制御する。前記スイッチ管Q2は、前記リレーK1のコイルに連結される。前記リレーK1の第1組の接点の常開接点と第2組の接点の常閉接点とが連結されて、且つ電解水モジュール90の一極に連結される。前記リレーK1の第2組の接点の常閉接点は、第2組の接点の常開接点に接続されて、且つ電解水モジュール90の他方の極に連結される。
【0063】
具体的には、前記スイッチ管Q2は、NPNトランジスタであり、前記トランジスタのベースが、前記制御回路92に接続され、前記トランジスタのエミッタが接地され、前記トランジスタのコレクタが前記リレーK1に接続されている。
【0064】
制御回路92がON_3信号ピンにハイレベルを出力すると、リレーK1の一組の接点が2と7に切り替わり、電解水モジュール90に正電圧が印加され、正イオン電解水が出力される。制御回路92がON_3信号ピンにローレベルを出力すると、リレーK1のもう一組の接点が4と5に切り替わり、電解水モジュール90に負電圧が印加され、マイナスイオン電解水が出力される。日常の使用において、ON_3信号ピンへのハイレベル、ローレベルの制御により、電解水モジュール90が発生する正負イオン電解水濃度がバランスする。
【0065】
以上の内容は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲がこれに限定されない。当業者であれば、本発明の技術的思想及びその改良思想に基づき、本発明の技術的範囲内において、均等な置換又は変更を加えることができ、これらも本発明の保護範囲に含まれる。