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  • 特開-高温排気ガスエネルギー回収システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031908
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】高温排気ガスエネルギー回収システム
(51)【国際特許分類】
   F02B 39/08 20060101AFI20240229BHJP
   F02B 39/12 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
F02B39/08
F02B39/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023135133
(22)【出願日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】10 2022 016812 1
(32)【優先日】2022-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(71)【出願人】
【識別番号】514227911
【氏名又は名称】アルアナ エネルギア エス/アー
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルキーニ,サンドロ
(72)【発明者】
【氏名】ブルーワー,ブライアン レイ
(72)【発明者】
【氏名】マッキノン,ロバート ジェームス
【テーマコード(参考)】
3G005
【Fターム(参考)】
3G005DA02
3G005DA07
3G005EA04
3G005EA16
3G005FA37
3G005GA13
3G005HA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本発明によるシステムは、10MW未満の小型の発電機アセンブリにおいて、排気ガスからエネルギーを回収する。
【解決手段】システムは、小型の発電プラントの発電機アセンブリ内の排気ガス出口(2)に接続されたターボ(1)を備える。ターボ(1)は、油圧ポンプ(4)に接続される。油圧ポンプ(4)は、圧力を発生させてその圧力を油圧アキュムレータ(5)に送る。油圧アキュムレータ(5)は、圧力下で作動油を定速油圧モータ(6)に送る。定速油圧モータ(6)は、プーリを動かし、プーリは、発電機アセンブリのオルタネータシャフト(9)に直接取り付けられた別のプーリを動かす。この動きは、プーリに加えて、ギア・クラッチシステムまたはトルクコンバータによって実行可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃エンジン用の油圧ターボコンプレッサシステムであって、小型プラントの発電機アセンブリ(3)内の排気ガス出口(2)に接続されたターボ(1)を備え、前記ターボ(1)は、油圧ポンプ(4)に接続され、前記油圧ポンプ(4)は、圧力を発生させてその圧力を油圧アキュムレータ(5)に送り、前記油圧アキュムレータ(5)は、圧力下で作動油を定速油圧モータ(6)に送り、前記定速油圧モータ(6)は、プーリ(7)を動かし、前記プーリ(7)は、前記発電機アセンブリ(3)のオルタネータシャフト(9)に直接取り付けられた別のプーリ(8)を動かすことを特徴とする、システム。
【請求項2】
前記油圧ポンプ(4)から排出された低圧の作動油は、流体タンク(10)によって排出され、前記流体タンク(10)は、無圧の蓄積槽として機能し、その機能は、油圧サイクルを維持するために前記ターボ/前記油圧ポンプに流体を供給することであることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記動きは、前記プーリ(7,8)に加えて、ギア・クラッチシステムまたはトルクコンバータによって実行可能であることを特徴とする、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高温排気ガスからのエネルギー回収の分野に関する。このタイプのシステムは、工業プロセスで使用される蒸気を生成するため、または生鮮食品などの冷却や室内の冷却に使用される冷気を生成するための工業用発電機アセンブリで広く使用されている。
【背景技術】
【0002】
従来のターボチャージャは、エンジンの排気力を利用してターボチャージャの排気タービンを駆動する。排気タービンは、エンジンに高圧の燃焼用空気を供給するエアコンプレッサに動力を提供する。現代の自動車には、より高いエンジン比出力、低燃費、および低排出ガスが求められている。これらに応えるには、広いエンジン回転域で達成可能な高推力を必要とする、より小型の高速エンジンが必要である。現代の高速エンジンに特有のニーズは、車両加速を向上させるために低いエンジン回転域でエンジントルクを大きくすることである。このため、エンジン回転数が高くなると、エンジンの排気エネルギーが過剰になることが多い。ターボチャージャの過回転と過圧を回避するために、従来技術で見出された解決策は、エンジン排気流の「ウェイストゲート」のかなりの部分を利用しているが、これは燃料の浪費に繋がる。排気ガス流としてテールパイプから排出される無駄なエネルギーは、小型エンジンでは最大20%であると推定される。
【0003】
排気ガスを利用するためのいくつかの解決策が先行技術で見られる。例えば、米国特許第7640643号には、負荷管理圧縮空気エネルギー貯蔵(CAES)プラントにおける複合サイクル(CC)発電プラントに適用されるシステムが記載されている。CC発電プラントは、少なくとも1つの燃焼タービンと、関連する燃焼タービンから排熱を受け取る排熱回収ボイラ(HRSG)と、HRSGと関連する蒸気タービンと、蒸気タービンに関連する発電機と、を含む。空気貯蔵器が圧縮空気を貯蔵する。少なくとも1つのコンプレッサが圧縮空気を空気貯蔵器に供給する。これにより、オフピークエネルギーを、空気貯蔵器に貯蔵された圧縮空気エネルギーに変換することができる。貯蔵器からの圧縮空気は、HRSGで受け取られ、HRSGは、熱を空気貯蔵器から受け取った圧縮空気に供給する。蒸気タービンは、HRSGから加熱された圧縮空気を取り込み、加熱された圧縮空気を膨張させて発電する。
【0004】
その一方で、中国特許出願第110953763号には、ガス熱電併給システムおよびその制御方法が記載されている。ガス熱電併給システムは、第1のコンプレッサと、高温ボイラと、第2のコンプレッサと、材料貯蔵室と、ガスエンジンと、ガスタービン装置と、発電機と、高温廃熱リサイクル装置と、低温廃熱リサイクル装置と、廃熱ボイラと、空気予熱器と、を備える。ガス熱電併給システムおよびその制御方法において、高温ボイラ、ガスエンジン、ガスタービン装置、発電機、高温廃熱リサイクル装置、低温廃熱リサイクル装置、廃熱ボイラ、および空気予熱器によってガス熱電併給の機能が総合的に達成され、電気エネルギーと熱エネルギーの総合的なリサイクルが達成され、システムのエネルギー変換効率を向上させることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、高温排気ガスからエネルギーを回収することに焦点を当てている。このタイプのシステムは、工業プロセスで使用される蒸気を生成するため、または生鮮食品などの冷却や小規模なプラント内の環境を冷却するための冷気を生成するための工業用発電機アセンブリで広く使用されている。大型の発電機アセンブリを含む大規模な発電プラントでは、排気ガスはエネルギー回収ボイラで結合されて、追加量の電気エネルギーを生成することができる蒸気タービンを駆動するのに十分なエネルギーが生成される。しかしながら、このタイプのシステムは、多数の大型の発電機アセンブリを含むプラントでのみ経済的に実行可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、高温排気ガスからエネルギーを回収することを目的とする。このタイプのシステムは、工業プロセスで使用される蒸気を生成するため、または生鮮食品などの冷却や室内の冷却に使用される冷気を生成するための工業用発電機アセンブリで広く使用されている。
【0007】
これまで、10MW未満の小型の発電機アセンブリにおいて、排気ガスからエネルギーを回収することは実現することができなかった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明によるシステムを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
経済的な観点から、本発明によるシステムは、より小型の発電機アセンブリを含むプラントで実現可能である。
【0010】
本発明によるシステムは、
1.排気ガス出口におけるターボ、
2.圧力を発生させてその圧力を前方に送る、ターボに接続された油圧ポンプ、
3.圧力下で作動油を定速油圧モータに送る油圧アキュムレータ、
4.プーリを駆動させる定速油圧モータ、および
5.上記プーリによって動かされる、発電機アセンブリのオルタネータシャフトに直接取り付けられた別のプーリ
という基本的な構成要素から構成される。これにより、システムから発生した機械的出力が増加し、その後、発電機アセンブリから発生した総電力が増加する。
【0011】
上記の動きは、プーリに加えて、ギア・クラッチシステムまたはトルクコンバータによって実行可能である。
【0012】
本発明によるシステムにおいて、油圧ポンプから排出された低圧の作動油は、オイルタンク(6)によって排出される。オイルタンクは、無圧の蓄積槽として機能する。その機能は、油圧サイクルを維持するためにターボ/ポンプにオイルを供給することである。
【0013】
本発明によるシステムは、同じ量の燃料を使用して、発電機アセンブリから発生した総電力を5%~10%増加させることができる。これは、連続発電プラントにおいて大きな利益となる。
【0014】
図1を参照して、本発明の好ましい第1の実施形態を説明することができる。
【0015】
図1は、本発明の重要な特徴の一部を示している。ここで、ターボ(1)は、小型プラントの発電機アセンブリ(3)内の排気ガス出口(2)に接続されている。ターボ(1)は、油圧ポンプ(4)に接続されている。油圧ポンプ(4)は、圧力を発生させて、この圧力を油圧アキュムレータ(5)に送る。油圧アキュムレータ(5)は、圧力下で作動油を定速油圧モータ(6)に送る。定速油圧モータ(6)は、プーリ(7)を動かす。
【0016】
プーリ(7)は、発電機アセンブリ(3)のオルタネータシャフト(9)に直接取り付けられた別のプーリ(8)を動かす。このようにして、システムから発生した機械的出力が増加し、その後、発電機アセンブリ(3)から発生した総電力も増加する。
【0017】
本願に記載のシステムの動きは、プーリに加えて、ギア・クラッチシステムまたはトルクコンバータによって実行可能である。
【0018】
本発明によるシステムにおいて、油圧ポンプ(4)から排出された低圧の作動油は、流体タンク(10)によって排出される。流体タンク(10)は、無圧の蓄積槽として機能する。その機能は、油圧サイクルを維持するためにターボ/ポンプに流体を供給することである。
【0019】
本発明によるシステムにおいて、油圧モータは、
1.フライホイール上、
2.エンジンとオルタネータとの間のカップリング内、および
3.オルタネータシャフト上
に接続され得る。
【0020】
システムの残りの部分は従来のものと同じであるので、迅速に元をとることができる。このシステムは、同じ量の燃料を使用して、発電機アセンブリから発生した総電力を5%~10%増加させることができる。これは、連続発電プラントにおいて大きな利益となる。
【0021】
本明細書に記載の説明は、本発明の好ましい実施形態に言及しており、本発明の精神から逸脱することなく変更可能であることに留意されたい。
【0022】
例えば、本発明は、自動車のエンジンだけでなく、多種多様で様々な大きさの定置ディーゼルエンジンにも適用可能である。参照により本明細書に組み込まれた先行技術文献の多くの態様は、本発明に関連して使用されてもよい。
【0023】
上述したすべての理由から、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるものであり、本明細書に記載の特定の実施形態によって限定されるものではない。
図1
【外国語明細書】