(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031914
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】水素駆動内燃エンジンを備える自動車
(51)【国際特許分類】
B60K 15/063 20060101AFI20240229BHJP
F02M 21/02 20060101ALI20240229BHJP
F01N 1/00 20060101ALI20240229BHJP
F02B 29/04 20060101ALI20240229BHJP
F02M 37/00 20060101ALI20240229BHJP
B60K 13/02 20060101ALI20240229BHJP
B60K 13/04 20060101ALI20240229BHJP
B60K 5/02 20060101ALI20240229BHJP
B60K 6/40 20071001ALI20240229BHJP
B60K 6/48 20071001ALI20240229BHJP
B60K 6/52 20071001ALI20240229BHJP
B60K 6/54 20071001ALI20240229BHJP
F16H 3/08 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
B60K15/063 B
F02M21/02 X ZHV
F01N1/00 D
F02B29/04 K
F02M37/00 301D
B60K13/02 C
B60K13/04 A
B60K5/02 E
B60K6/40
B60K6/48
B60K6/52
B60K6/54
F16H3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023135264
(22)【出願日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】102022000017559
(32)【優先日】2022-08-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】519463178
【氏名又は名称】フェラーリ エッセ.ピー.アー.
【氏名又は名称原語表記】FERRARI S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Emilia Est, 1163, 41100 MODENA, Italy
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファブリツィオ ファヴァレット
【テーマコード(参考)】
3D038
3D202
3D235
3G004
3J528
【Fターム(参考)】
3D038BA06
3D038BA14
3D038BA15
3D038BB01
3D038BC02
3D038BC15
3D038BC17
3D038CA11
3D038CA14
3D038CB01
3D038CC18
3D038CD18
3D202AA08
3D202EE23
3D202FF02
3D202FF04
3D235AA02
3D235BB17
3D235BB18
3D235CC32
3D235DD05
3D235DD12
3D235FF23
3D235FF24
3D235FF32
3G004AA01
3G004BA01
3G004DA01
3J528EA22
3J528EA30
3J528EB33
3J528EB62
3J528EB79
3J528FA06
3J528FA14
3J528FC32
3J528FC42
3J528FC57
3J528GA02
3J528JG02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ペナルティを課すことなく(特に、サーキット上でのスポーツ運転において)高性能を可能にする水素駆動内燃エンジンを備える自動車を提供する。
【解決手段】2つの前輪2と、2つの後部駆動輪4と、水素を動力源とする内燃エンジン5であって、内部で各ピストンが摺動する複数のシリンダと、ピストンに接続された駆動シャフト20とを備え、中央位置または後部位置に長手方向に配置されている、内燃エンジン5と、内燃エンジン5の駆動シャフト20を後部駆動輪4に接続する変速機システムと、内燃エンジン5のエンジンブロックの両側に配置された2つのタンク15と、を有する自動車1。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車(1)であって、
2つの前輪(2)と、
2つの後部駆動輪(4)と、
前記2つの前輪(2)と前記2つの後部駆動輪(4)との間に配置された乗員室(9)と、
水素を収容するように構成された少なくとも1つの第1のタンク(15)と、
水素を動力源とし、内部で各ピストン(19)が摺動する複数のシリンダ(18)と、前記ピストン(19)に接続された駆動シャフト(20)とを備え、前記乗員室(9)の背後に前後方向に配置された内燃エンジン(5)と、
前記内燃エンジン(5)の前記駆動シャフト(20)を前記後部駆動輪(4)に接続する変速機システム(6)と、を備え、
前記自動車(1)が、前記内燃エンジン(5)のエンジンブロックの両側において前記エンジンブロックの横に配置された少なくとも2つの第1のタンク(15)を備えることを特徴とする、自動車(1)。
【請求項2】
各第1のタンク(15)が球形を有する、請求項1に記載の自動車(1)。
【請求項3】
水素を含むように構成され、前記内燃エンジン(5)の上方に配置された少なくとも1つの第2のタンク(16)を備える、請求項2に記載の自動車(1)。
【請求項4】
前記内燃エンジン(5)の上方に互いに前方に配置された2つの第2のタンク(16)を備える、請求項3に記載の自動車(1)。
【請求項5】
前記第2のタンク(16)が円筒形状を有する、請求項3に記載の自動車(1)。
【請求項6】
前記第2のタンク(16)が横方向に配向されている、請求項5に記載の自動車(1)。
【請求項7】
前記駆動シャフト(20)が前記シリンダ(18)よりも高く配置された状態で、前記内燃エンジン(5)が垂直に配向されている、請求項1から6のいずれか一項に記載の自動車(1)。
【請求項8】
前記内燃エンジン(5)、下方に開口する前記シリンダ(18)が得られるクランクケース(17)と、前記シリンダ(18)のクラウンを構成し、前記クランクケース(17)の下方に配置されるシリンダヘッド(21)と、を備える、請求項7に記載の自動車(1)。
【請求項9】
前記変速機システム(6)が、前記内燃エンジン(5)の前記駆動シャフト(20)に直接接続され、前記内燃エンジン(5)と位置合わせされ、前記内燃エンジン(5)の背後に配置されたギアボックス(7)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の自動車(1)。
【請求項10】
前記ギアボックス(7)が、前記内燃エンジン(5)の前記駆動シャフト(20)と同軸の少なくとも1つの一次シャフト(66)を備える、請求項9に記載の自動車(1)。
【請求項11】
路面(14)に面し、前記ギアボックス(7)の下方に配置された後部空力抽出器(75)を備える、請求項9に記載の自動車(1)。
【請求項12】
前記内燃エンジン(5)が、前記シリンダ(18)から始まり、前記内燃エンジン(5)のエンジンブロックの横で且つ後部駆動輪(4)の前方で前記自動車(1)の側部に配置されたサイレンサ(44)内で終わる少なくとも1つの排気ダクト(41)を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の自動車(1)。
【請求項13】
前記サイレンサ(44)が、前記自動車(1)の側面または前記自動車(1)の底部(14)を通って得られる少なくとも1つの出口開口部(46)に通じる排気ダクト端管(45)を有する、請求項12に記載の自動車(1)。
【請求項14】
前記内燃エンジン(5)が、
互いに独立して分離された2つの第1の吸気ダクト(34)と、
それぞれが対応する第1の吸気ダクト(34)に結合された、2つの圧縮機(49)と、
前記2つの圧縮機(49)から始まり、前記内燃エンジン(5)の吸気マニホールド(30)内で終わる単一の第2の吸気ダクト(38)と、
前記第2の吸気ダクト(38)に沿って配置された第1のインタークーラ(39)と、
を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の自動車(1)。
【請求項15】
前記2つの圧縮機(49)が、前記第1のインタークーラ(39)の背後の後方に配置され、
前記内燃エンジン(5)が、前記第2の吸気ダクト(38)に沿って前記第1のインタークーラ(39)と直列に配置された第2のインタークーラ(40)を備え、
前記第1のインタークーラ(39)が、前記内燃エンジン(5)のエンジンブロックの上方に配置され、
前記第2のインタークーラ(40)が、前記内燃エンジン(5)のエンジンブロックの横であって、後部駆動輪(4)の前方の前記自動車(1)の側方に配置されている、請求項14に記載の自動車(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本特許出願は、2022年8月25日に出願されたイタリア特許出願第102022000017559号の優先権を主張し、その全開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、水素駆動内燃エンジンを備える自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
水素は、分子内で他の原子(例えば、水または炭化水素)と結合しているため、地球上にその自然状態では存在せず、したがって水素を得るためには、改質または電気分解によって水素を生成する必要があり、より多くのエネルギーを消費する(したがって、水素は、エネルギー源ではなくエネルギーキャリアである)。
【0004】
水素駆動内燃エンジンを備える自動車の環境への影響は、水素駆動内燃エンジンが温室効果ガス(CO2)を発生せず、CO、HCおよび粒子状物質(少量の潤滑油が燃焼室で燃焼されることに起因して発生する)をほとんど発生させないため、化石燃料駆動内燃エンジンを備えた同様の自動車の環境への影響よりもはるかに低い。
【0005】
水素は、密度が低い(2つの水素原子のみからなる非常に単純な分子を有する)ため、十分な量(質量)の水素を貯蔵することができるためには、最大水素貯蔵圧力が700バール(現在市場標準である)に達しても、非常に大きな水素タンクを使用する必要がある。とりわけ、水素タンクは、あらゆる方向からの衝撃に対して十分に保護された位置に配置されなければならず、水素タンクは、水素の高い内圧に耐えることができるように、必然的に球形または円筒形のいずれかの形状でなければならない。これらの制約は、自動車における水素タンクの配置をさらに複雑にする。
【0006】
その結果、水素駆動内燃エンジンを搭載した自動車は、石油駆動の内燃エンジンを搭載した同様の自動車よりも(同じ範囲で)長くて重く、したがって、動的性能の点で著しく損なわれる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、ペナルティを課すことなく(特に、サーキット上でのスポーツ運転において)高性能を可能にする水素駆動内燃エンジンを備える自動車を提供することである。
【0008】
本発明によれば、水素駆動内燃エンジンを備える自動車が、添付の特許請求の範囲にしたがって提供される。
【0009】
特許請求の範囲は、本明細書の不可欠な部分を形成する、本発明の好ましい実施形態を記載するものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
ここで、本発明を、そのいくつかの非限定的な実施形態を示す以下の添付の図面を参照して説明する。
【
図1】内燃エンジンを備える自動車の斜視図である。
【
図5】
図1の自動車の内燃エンジンの概略図である。
【
図6】明確にするために部品を取り除いた、
図1の自動車のシャーシの斜視図である。
【
図10】内燃エンジンの2つの異なる斜視図である。
【
図13】
図1の自動車の変速機システムの斜視図である。
【
図14】
図1の自動車の変速機システムの側面図である。
【
図16】
図1の自動車の内燃エンジンの圧縮機ユニットの斜視図である。
【
図17】
図1の自動車の内燃エンジンのタービンユニットの斜視図である。
【
図18】内燃エンジンの代替的な実施形態の2つの異なる斜視図である。
【
図19】内燃エンジンの代替的な実施形態の2つの異なる斜視図である。
【
図20】内燃エンジンの代替的な実施形態の平面図である。
【
図21】内燃エンジンの代替的な実施形態の底面図である。
【
図22】
図18~
図21の内燃エンジンに結合された変速機システムおよび圧縮機ユニットの斜視図である。
【
図23】
図18~
図21の内燃エンジンに結合された変速機システムおよび圧縮機ユニットの背面図である。
【
図24】
図22および
図23の圧縮機ユニット、ならびに対応する作動システムの斜視図である。
【
図25】
図22および
図23の圧縮機ユニット、ならびに対応する作動システムの斜視図である。
【
図27】潤滑ポンプおよび冷却ポンプの配置を強調した内燃エンジンの2つのカムシャフトの斜視図である。
【
図28】潤滑ポンプおよび冷却ポンプの配置を強調した内燃エンジンの2つのカムシャフトの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1において、符号1は、(少なくとも)1つの電気機械3(
図4に概略的に示す)から駆動トルクを受け取る2つの前部駆動輪2と、内燃エンジン5(
図4に概略的に示す)から駆動トルクを受け取る2つの後部駆動輪4とを備えるハイブリッド自動車(すなわち、ハイブリッド推進を用いる)を示している。
【0012】
図4に示すように、電気機械3は、前部差動装置を備えた変速機システム(既知であり、図示せず)によって2つの前部駆動輪2に接続されている。同様に、内燃エンジン5もまた、ギアボックス7および後部差動装置8(
図15に概略的に示されている)を備えた変速機システム6によって2つの後部駆動輪4に接続されている。
【0013】
好ましくは、電気機械3は、可逆的である(すなわち、電気エネルギーを吸収して機械的駆動トルクを発生させることによって電気モータとして、または機械的エネルギーを吸収して電気エネルギーを発生させることによって発電機として動作することができる)。図示されていない他の実施形態によれば、電気機械3は設けられていない。
【0014】
図1および
図2に示すように、自動車1は、2つの前輪2と2つの後輪4との間に配置され、左側に配置された(あるいは、右側に配置されることもできる)運転者ステーション10(
図4に概略的に示す)を内部に含む乗員室9を備える。
図4に示すように、運転者ステーション10は、ステアリングホイール11と、運転席(図示せず)と、いくつかの他の(既知であり、図示せず)運転者操作制御装置(例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、およびギアを選択するための少なくとも1つのレバーを含む)とを備える。
【0015】
図1および
図2に示すように、自動車1は、(とりわけ)乗員室9を画定し、少なくとも2つのドア13が得られる2つの側面を有する本体12を備える。左側のドア13は、運転者ステーション10への直接アクセスを提供する。
【0016】
図3に示すように、自動車1は、自動車1の最も低い部分を形成し、使用中に自動車1が移動する路面に面している底部14を備える。
【0017】
1つの可能な実施形態によれば、内燃エンジン5は、水素(または他の気体燃料)によって動力供給される。異なる実施形態によれば、内燃エンジン5は、ガソリン(または他の液体燃料)によって動力供給される。
【0018】
図4に示すように、内燃エンジン5は、水素によって動力供給され、水素は、4つの異なるタンク15および16に高圧で(例えば、約700バールの最大圧力で)貯蔵され、2つのタンク15は、球形を有し、同じサイズであり、一方、2つのタンク16は、円筒形を有し、異なるサイズである(すなわち、一方のタンク16は、他方のタンク16よりも大きい)。
【0019】
2つのタンク15(球形)は、内燃エンジン5の両側で内燃エンジン5のエンジンブロックに隣接して配置され、すなわち、一方のタンク15は、内燃エンジン5のエンジンブロックの右に配置され、他方のタンク15は、内燃エンジン5のエンジンブロックの左に配置されている。換言すれば、2つのタンク15(形状が球形)は、同じ垂直高さに配置され、同じ長手方向高さに配置され、横方向に(内燃エンジン5のエンジンブロックを挟んで)互いに分離され、すなわち、それらは、互いに横方向にのみ分離される。
【0020】
2つのタンク16(円筒形状)は、内燃エンジン5の上方で互いに前方に配置されている。換言すれば、2つのタンク16(形状が円筒形)は、同じ垂直高さに(ほぼ)配置され、同じ横断高さに配置され、長手方向に互いに分離されている、すなわち、それらは互いに長手方向にのみ分離されている(すなわち、一方が他方の前方に配置されている)。特に、両方のタンク16(形状が円筒形)は、横方向に配向されている、すなわち、それらの対称中心軸は、横方向に配向されている。
図4に示す実施形態では、前方に配置された(すなわち、前方に近い)タンク16は、背後に配置された(すなわち、後方に近い)タンク16よりも大きい。
【0021】
図5に示すように、内燃エンジン5は、内部に複数のシリンダ18(そのうちの一方のみが
図5に示されている)が収容されるクランクケース17を備える。好ましくは(強制的ではないが)、この解決策が内燃エンジン5の横方向寸法を減少させ、したがってとりわけタンク15のためのより多くの空間を可能にするため、シリンダ18は一列に配置される。添付の図面に示す実施形態では、6つのシリンダ18が一列に設けられているが、シリンダ18の数および配置は明らかに異なることができる。
【0022】
各シリンダ18は、それぞれの燃焼室と、燃焼によって生成された力を駆動シャフト20に伝達するために(それぞれのコネクティングロッドを介して)駆動シャフト20に機械的に接続されたそれぞれのピストン19とを有する。クランクケース17には、シリンダ18のクラウン(すなわち、いわゆる「フレームプレート」を備えたシリンダ18の上部閉鎖)を形成するシリンダヘッド21が取り付けられている(接続されている)。シリンダ18の直列配置の場合、単一のシリンダヘッド21があり、シリンダ18の「V」配置の場合、シリンダ18の2つのバンクのためのツインのシリンダヘッド21がある。
【0023】
クランクケース17とシリンダヘッド21との組み合わせは、内燃エンジン5のエンジンブロックを構成する。
【0024】
添付の図面に示される実施形態では、内燃エンジン5は、長手方向に配置(配向)され、すなわち駆動シャフト20は、長手方向に配置(配向)されるが、これは、この解決策が内燃エンジン5の横方向フットプリントを低減することを可能にし、したがってとりわけタンク15のためのより多くの空間を残すことを可能にするからである。図示されていない他の実施形態によれば、内燃エンジン5は、横方向に配置(配向)される。
【0025】
添付の図面に示される実施形態では、内燃エンジン5は、中央位置または後部位置のいずれかに配置され、すなわち、内燃エンジン5は、乗員室9の背後に配置され、前輪2と後輪4との間に配置されている(添付の図面に示される中央配置)か、または後輪4を越えて配置されている(後方配置は図示せず)。
【0026】
各シリンダ18は、ベルト駆動装置24(
図26に示す)を介して駆動シャフト20から運動を受けるカムシャフト23によって制御される2つの吸気弁22を備える。ベルト駆動装置24の代わりに、チェーン駆動装置またはギア駆動装置が使用されることもできる。さらに、各シリンダ18は、ベルト駆動装置24(
図26に示す)を介して駆動シャフト20から運動を受けるカムシャフト26によって制御される2つの排気弁25を備える。吸気弁22、排気弁25および対応する制御手段(すなわち、伸縮ばねおよびカムシャフト23および26)は、シリンダヘッド21内に収容されている。
【0027】
各シリンダ18はまた、シリンダ18内に燃料を周期的に噴射する(少なくとも)1つの燃料噴射器27を備える。
図5は、シリンダ18内への直接燃料噴射を示しているが、シリンダ18内への燃料噴射も(部分的または完全に)間接的とすることができる。各シリンダ18は、圧縮段階の終わりに燃焼室内の空気(酸化剤)と燃料との混合物を点火するために周期的に作動される(少なくとも)1つのスパークプラグ28を備える。
【0028】
添付の図面に示されるように、内燃エンジン5は、駆動シャフト20がシリンダ18よりも高く配置された状態で垂直に配向される。換言すれば、内燃エンジン5は、シリンダ18が上部にあり、駆動シャフト20が下部にある従来の配置とは対照的に、「上下逆」に配置されている。結果として、各シリンダ18のクラウンを構成するシリンダヘッド21は、クランクケース17の下方に配置され、内燃エンジン5の最下部を代表するものとなる。
【0029】
内燃エンジン5は、外部環境からシリンダ18内に空気を引き込む吸気システム29を備える(シリンダ18内への空気の吸気は、吸気弁22によって調整される)。とりわけ、吸気システム29は、全てのシリンダ18に直接接続された吸気マニホールド30を備える。吸気マニホールド30への吸気は、スロットル弁31によって調節される。
【0030】
内燃エンジン5は、排気ガスをシリンダ18から外部環境に放出する排気システム32を備える。とりわけ、吸気システム29は、(少なくとも)1つの排気ガス処理装置33(典型的には触媒コンバータ)を備える。
【0031】
図9~
図12に示すように、吸気システム29は、自動車1の両側に配置され(すなわち、一方の吸気ダクト34が右側に配置され、他方の吸気ダクト34が左側に配置されている)、本体12を通って得られたそれぞれの吸気口35から生じるツインの別個の吸気ダクト34を備える。エアフィルタ36は、各吸気ダクト34に沿って、それぞれの吸気口35に近接して配置されている。各吸気ダクト34は、シリンダ18の容積効率を高めるために空気圧を増加させる圧縮機ユニット37内で終端する。圧縮機ユニット37から、直列に配置された2つのインタークーラ39および40を通過した後に吸気マニホールド30内で終端する唯一の(単一の)吸気ダクト38が始まる。すなわち、吸気ダクト38の最初のセクションは、圧縮機ユニット37をインタークーラ39に接続し、次に吸気ダクト38の中間セクションは、インタークーラ39をインタークーラ40に接続し、最後に吸気ダクト38の最後のセクションは、インタークーラ40を吸気マニホールド30に接続する。
【0032】
好ましい実施形態によれば、インタークーラ39は、空気/空気型であり、インタークーラ40もまた、空気/空気型である。好ましい実施形態によれば、インタークーラ39は、インタークーラ40よりも大きな容積を有する。この点に関して、インタークーラ39は、対応する吸気口からさらに離れて配置され、より大きな容積を有することと、(インタークーラ39は、圧縮機ユニット37から直接空気を受け取り、インタークーラ40は、インタークーラ39と直列に配置されており、インタークーラ39によって既に部分的に冷却されている空気を受け取るため)より高い入口温度で空気を冷却しなければならないこととの両方によってこの欠点を補償するため、インタークーラ40に対して不利であることに留意することが重要である。
【0033】
図9~
図12に示すように、排気システム32は、個別に接続されているそれぞれのシリンダ18から排気ガスを受け取るツインの別個の排気ダクト41を備える。特に、各排気ダクト41は、3つのシリンダ18から始まり、排気ダクト41の入口で終端するそれぞれのチャネルによって、3つのシリンダ18に接続されている(別の観点では、各排気ダクト41は、最初に、それぞれの3つのシリンダ18と接続するために3つの部分に分割される)。対応する排気ガス処理装置33(典型的には触媒コンバータ)は、各排気ダクト41に沿って配置されている。したがって、全体として、排気システム32は、2つのツインの別個の排気ガス処理装置33を備える。
【0034】
タービンユニット42は、それぞれが対応する排気ダクト41に結合されたツインのタービン43(
図17によりよく示されている)を備えた排気ダクト41に沿って配置されている。すなわち、各排気ダクト41は、それぞれのタービン43を通過し、2つのタービン43は、タービンユニット42を形成するように並んで配置されている。換言すれば、各排気ダクト41に沿って接続され、内燃エンジン5のエンジンブロック(クランクケース17およびシリンダヘッド21からなる)に沿って配置されたタービン43がある。
【0035】
2つの排気ダクト41は、両方の排気ダクト41から排気ガスを受け取る単一の共通のサイレンサ44で終端する。図示されていない他の実施形態では、それぞれがそれぞれの排気ダクト41からの排気ガスのみを受け取るツインおよび別個のサイレンサ44がある。
【0036】
添付の図面に示される好ましい実施形態では、サイレンサ44は、出口開口部46に流入する単一の最終排気管45を有する。図示されていない他の実施形態によれば、サイレンサ44は、それぞれが対応する出口開口部46に流入する2つ以上の最終管45を有する。
【0037】
図16に示すように、圧縮機ユニット37(過給内燃エンジン5での使用を目的とする)は、回転軸48を中心に回転可能に取り付けられた単一のシャフト47を備える。添付の図面に示される実施形態では、シャフト47(したがって、回転軸48)は、横方向に配向されている。図示されていない異なる実施形態によれば、シャフト47(したがって、回転軸48)は、長手方向に配向されているか、または長手方向および横方向の両方に対して傾斜している(非平行である)。
【0038】
圧縮機ユニット37は、それぞれがシャフト47とともに回転するようにシャフト47と一体であり、過給内燃エンジン5によって吸い込まれるように意図された空気を圧縮するように構成されたツインの(同一の)圧縮機49を備える。特に、各圧縮機49は、それぞれの吸気ダクト34から空気を受け取る(すなわち、各吸気ダクト34は、対応する圧縮機49で終端する)。
【0039】
圧縮機ユニット37は、シャフト47を回転させる(したがって、シャフト47に取り付けられた両方の圧縮機49を回転させる)ためにシャフト47と一体である単一の共通の電気モータ50を備える。添付の図面に示される実施形態では、電気モータ50は、2つの圧縮機49の間に配置され、2つの圧縮機49から完全に等距離にある。図示されていない他の実施形態では、電気モータ50は、両方の圧縮機49に対して一方側に配置されている(すなわち、一方の圧縮機49に近く、他方の圧縮機49から遠く離れている)。
【0040】
上述したように、2つの圧縮機49は、同一であり、遠心型である。特に、各圧縮機49は、シャフト47の反対側に配置され、それぞれの吸気ダクト34および半径方向出口52に接続された軸方向入口51を備える。好ましい実施形態によれば、圧縮機ユニット37は、2つの圧縮機49の両方の出口52に接続されて両方の圧縮機49から圧縮空気を受け取り、結合する接続ダクト53(
図9~
図12に示す)を備える。接続ダクト53は、吸気ダクト38内で終端し、すなわち、吸気ダクト38は、接続ダクト53から始まり、両方の圧縮機49から圧縮空気を受け入れて結合する。
【0041】
添付の図面に示される実施形態では、接続ダクト53は、横方向に配向されている。図示されていない異なる実施形態によれば、接続ダクト53は、長手方向に配向されているか、または長手方向および横方向の両方に対して傾斜している(非平行である)。
【0042】
添付の図面に示される実施形態では、接続ダクト53は、シャフト47(したがって、回転軸48)に平行に配向されている。図示されていない異なる実施形態によれば、接続ダクト53は、シャフト47、したがって回転軸48に平行に配向されていない。
【0043】
図17に示すように、タービンユニット42は、同じ発電機54を一緒に駆動するツインの(同一の)タービン43を備える。特に、2つのタービン43は、並んで配置され、互いに平行で離間した2つのそれぞれの回転軸55を有する。タービンユニット42は、両方のタービン43を同じ発電機54に接続する変速装置56を備える。変速装置56は、それぞれが対応するタービン43のシャフトと一体化されてタービン43から回転運動を受け取る2つの歯付きホイールと、両方の歯付きホイールを一緒に同じ速度で回転させるように2つの歯付きホイールを一緒に連結する接続要素(歯付きベルト、チェーン、ギアのカスケード)とを備える。1つの可能な実施形態によれば、変速装置56の2つの歯付きホイールのうちの歯付きホイールは、発電機54が2つのタービン43と同じ回転速度で回転するように、発電機54のシャフトに直接結合される。あるいは、変速装置56の2つの歯付きホイールのうちの歯付きホイールは、発電機54が2つのタービン43の回転速度よりも低い回転速度で回転するように、減速機(典型的には歯車減速機)の介在によって発電機54のシャフトに接続される。
【0044】
添付の図面に示される好ましい実施形態によれば、発電機54は、タービン43と同軸である。すなわち、一方のタービン43および発電機54は、同じ第1の回転軸55の周りを回転し、他方のタービン43は、第1の回転軸55に平行であり、第1の回転軸から離間した第2の回転軸55の周りを回転する。
【0045】
2つのタービン43は、同一であり、遠心型である。特に、各タービン43は、それぞれの排気ダクト41の一方の側に接続された半径方向入口57と、変速装置56の反対側に配置され、それぞれの排気ダクト41の他方の側(サイレンサ44に流入する)に接続された軸方向出口52とを備える。
【0046】
図11および
図12によりよく示される好ましい実施形態によれば、サイレンサ41は、内燃エンジン5のエンジンブロック(クランクケース17およびシリンダヘッド21からなる)の隣に(排気弁側25に)配置されている。サイレンサ41の出口開口部46は、(
図1に示すように)自動車1の側壁を通して、または別の実施形態によれば、(
図3に示すように)自動車1の底部14を通して得られる。
【0047】
換言すれば、サイレンサ44の出口開口部46は、自動車1の片側のみに非対称に配置され、後輪4とドア13との間に位置している。好ましい実施形態によれば、サイレンサ44の出口開口部46は、運転者ステーション16が位置する側に配置されているため、運転者ステーション16に座っている運転者は、サイレンサ44の出口開口部46に近く、したがってサイレンサ44の出口開口部46を通って拡散した騒音を最適に聞くための最良の位置にある。
【0048】
図1に示す実施形態では、サイレンサ44の出口開口部46は、本体12の側壁を通して得られるが、
図3に示す代替的な実施形態では、サイレンサ44の出口開口部46は、底部14を通して得られる。
【0049】
添付の図面に示される実施形態では、サイレンサ44は、単一の出口開口部46を備える。図示されていない他の実施形態によれば、サイレンサ44は、多少並んでいてもよいいくつかの出口開口部46を備える(サイレンサ44の一方の出口開口部46が本体12の側壁を通って得られる一方で、サイレンサ44の他方の出口開口部46が底部14を通って得られることも可能である)。
【0050】
図11および
図12によりよく示される好ましい実施形態によれば、サイレンサ44は、内燃エンジン5のエンジンブロック(クランクケース17およびシリンダヘッド21からなる)に沿って自動車1の片側に、且つ後部駆動輪4の前方に配置されている。
【0051】
図11および
図12によりよく示される好ましい実施形態によれば、タービンユニット42は、内燃エンジン5のエンジンブロック(クランクケース17およびシリンダヘッド21からなる)に沿って(排気弁側25に)配置されている。特に、タービンユニット42は、内燃エンジン5とサイレンサ44との間(すなわち、クランクケース17からなるエンジンブロックとシリンダヘッド21との間)に配置されている。このようにして、排気ダクト41は、特に短く、比較的ねじれがない。
【0052】
図9~
図12に示す実施形態では、圧縮機ユニット37(ツインの圧縮機49を備える)は、2つの吸気ダクト34および38の間に接続され、内燃エンジン5のエンジンブロック(クランクケース17およびシリンダヘッド21を備える)の背後に配置され、内燃エンジン5のエンジンブロックよりも上方に配置され、電気モータ50によって駆動される。
【0053】
図9~
図12によりよく示されているように、圧縮機ユニット37(2つのツインの圧縮機49を備える)は、インタークーラ39の背後の後部に配置されている(すなわち、圧縮機ユニット37の2つの圧縮機49は、インタークーラ39の背後の後方に配置されている)。インタークーラ39は、水平に配向され、内燃エンジン5のエンジンブロック(クランクケース17およびシリンダヘッド21からなる)の背後(後方)に配置されている。特に、インタークーラ39は、内燃エンジン5のエンジンブロックよりも上方に配置され、内燃エンジン5のエンジンブロックの背後に位置する。その代わりに、インタークーラ40(吸気ダクト38に沿ってインタークーラ39に直列に接続されている)は、内燃エンジン5のエンジンブロック(クランクケース17およびシリンダヘッド21からなる)の隣であって、後部駆動輪4の前方の自動車1の片側に配置されている。特に、インタークーラ40は、サイレンサ44とは反対側の自動車1の片側に配置されている。すなわち、インタークーラ40およびサイレンサ44は、内燃エンジン5のエンジンブロック(クランクケース17およびシリンダヘッド21からなる)によって隔てられた自動車1の両側に配置されている。すなわち、インタークーラ40およびサイレンサ44は、内燃エンジン5のエンジンブロックの両側に配置されている。
【0054】
図28に示すように、内燃エンジン5は、内燃エンジン5の全ての可動部品を通して潤滑油を循環させるドライサンプ潤滑回路59を備える。潤滑回路59は、潤滑油を循環させるように構成された送達潤滑ポンプ60を備える。すなわち、送達潤滑ポンプ60は、油リザーバから潤滑油を吸い込んでエンジンブロック(クランクケース17およびシリンダヘッド21を備える)内に潤滑油を送り込む。潤滑回路59は、潤滑油を循環させるように構成された2つの回収潤滑ポンプ61を備える。すなわち、各回収ポンプ61は、エンジンブロック(クランクケース17およびシリンダヘッド21からなる)から、特にエンジンブロックの最下部から、次いでシリンダヘッド21から油を引き込み、潤滑油をリザーバ(シリンダヘッド21よりも上方に配置されている)に送る。
【0055】
好ましい実施形態によれば、2つの回収潤滑ポンプ61は、シリンダヘッド21の対向する両側に配置され、それにより、潤滑油がシリンダヘッド21の対向する領域から引き出される。
【0056】
図28に示すように、内燃エンジン5は、内燃エンジン5のエンジンブロック(クランクケース17およびシリンダヘッド21からなる)内で冷却剤(例えば、水およびグリコールの混合物)を循環させる冷却回路62を備える。冷却回路62は、冷却剤を循環させるように構成された冷却ポンプ63を備える。
【0057】
図27および
図28に示すように、カムシャフト23は、両側でシリンダヘッド21から軸方向に突出し、潤滑ポンプ61がカムシャフト23と同軸に配置され、カムシャフト23に直接接続されてカムシャフト23によって回転され、同様に、冷却ポンプ63は、潤滑ポンプ61の反対側でカムシャフト23と同軸に配置され、カムシャフト23に直接接続されてカムシャフト23によって回転される。
【0058】
図27および
図28に示すように、カムシャフト26は、両側でシリンダヘッド21から軸方向に突出し、他方の潤滑ポンプ61(カムシャフト23に接続された潤滑ポンプ61以外)は、カムシャフト26と同軸に配置され、カムシャフト26によって回転されるようにカムシャフト26に直接接続され、同様に、潤滑ポンプ60は、潤滑ポンプ61の反対側でカムシャフト26と同軸に配置され、カムシャフト26によって回転されるようにカムシャフト26に直接接続される。
【0059】
このようにして、4つのポンプ60、61、および63は、全て、それぞれのカムシャフト23および26と同軸であり、それぞれのカムシャフト23および26によって直接回転される。
【0060】
図示されていない他の実施形態によれば、例えば、送達潤滑ポンプ61のみが設けられてもよいため、ポンプ60、61および63の数は異なる(より少ない)。この場合、(少なくとも)一方のカムシャフト23または26が、シリンダヘッド21から一方の側のみに軸方向に突出している。
【0061】
図示されていない他の実施形態によれば、ポンプ60、61および63の配置は異なることができ、すなわちそれらは異なることができる。例えば、冷却ポンプ63は、カムシャフト26に接続されることができ、または潤滑ポンプ60は、カムシャフト23に接続されることができる。
【0062】
図15に示すように、ギアボックス7は、内燃エンジン5の駆動シャフト20に直接接続され、内燃エンジン5と位置合わせされ、内燃エンジン5の背後に配置されている。特に、ギアボックス7は、内燃エンジン5のエンジンブロックの上部と垂直に位置合わせされる。すなわち、ギアボックス7は、クランクケース17の上部と垂直に位置合わせされる。
【0063】
ギアボックス7は、ダブルクラッチであり、内燃エンジン5の駆動シャフト20と後部駆動輪4との間に介在される。ギアボックス7は、駆動シャフト20によって回転させられるバスケット64と、バスケット64から運動をとるようにバスケット64内に並んで収容された2つのクラッチ65とを備える。さらにまた、ギアボックス7は、互いに同軸であり、一方が他方の内部に挿入され、対応するクラッチ65から運動を受け取るために対応するクラッチ65にそれぞれ接続された2つの一次シャフト66を備える。各クラッチ65は、バスケット64と一体の駆動ディスク(したがって、バスケット64が拘束されている駆動シャフト20とともに常に回転する)と、駆動ディスクと散在し、対応する一次シャフト66と一体の駆動ディスク(したがって、対応する一次シャフト66とともに常に回転する)とを備える。
【0064】
デュアルクラッチ65のギアボックス7のバスケット64は、内燃エンジン5の反対側(すなわち、駆動シャフト20)に2つの一次シャフト66から配置されている。さらにまた、デュアルクラッチ65のギアボックス7は、駆動シャフト20をバスケット64に接続し、2つの一次シャフト66と同軸であり、2つの一次シャフト66に挿入される駆動シャフト67を備える。換言すれば、変速シャフト67は、バスケット64の端壁で終端し、バスケット64の端壁に拘束される。具体的には、外側に第1の一次シャフト66が配置され、内側に変速シャフト67が配置され、変速シャフト67と第1の一次シャフト66との間に他方(第2)の一次シャフト66が配置されている。換言すれば、内側から外側に向かって、変速シャフト67(中心にある)および連続して2つの一次シャフト66がある(一方が他方の内側に挿入され、両方が変速シャフト67を囲む)。
【0065】
添付の図面に示される好ましい実施形態によれば、ギアボックス7の一次シャフト66および変速シャフト67は、内燃エンジン5のシャフト20と同軸である。すなわち、内燃エンジン5は、ギアボックス7と位置合わせされる。
【0066】
デュアルクラッチ65のギアボックス7は、後部駆動輪4に運動を伝達する差動装置8に接続された単一の二次シャフト68を備える。代替の同等の実施形態によれば、デュアルクラッチギアボックス7は、両方が差動装置8に接続された2つの二次シャフト68を備える。差動装置8からは、後部駆動輪4と一体の一対のアクスルシャフト69が離脱する。
【0067】
ギアボックス7は、ローマ数字(第1のギアI、第2のギアII、第3のギアIII、第4のギアIV、第5のギアV、第6のギアVI、および第7のギアVII)で示される7つの前進ギアと、1つの後退ギア(文字Rで示される)とを有する。各一次シャフト66および二次シャフト68は、複数のギアによって互いに機械的に結合され、各ギアは、それぞれのギアを画定し、一次シャフト66に取り付けられた一次歯付きホイール70と、二次シャフト68に取り付けられた二次歯付きホイール71とを備える。ギアボックス7が適切に機能するために、全ての奇数ギア(第1のギアI、第3のギアIII、第5のギアV、第7のギアVII)は同じ一次シャフト66に結合され、全ての偶数ギア(第2のギアII、第4のギアIV、第6のギアVI)は、他の一次シャフト66に結合される。
【0068】
各一次歯付きホイール70は、それぞれの一次シャフト66にスプライン結合されて、常に一次シャフト66と一体に回転し、それぞれの二次歯付きホイール71と恒久的に噛み合う。一方、各二次歯付きホイール71は、二次シャフト68上に遊転して取り付けられている。さらにまた、ギアボックス7は、それぞれが二次シャフト68に同軸に取り付けられ、2つの二次歯付きホイール19の間に配置され、二次シャフト68にそれぞれの二次歯付きホイール19を交互に係合させるように作動されるように(すなわち、2つのそれぞれの二次歯付きホイール19を二次シャフト68と角度的に一体化させるように)適合された4つのデュアルシンクロナイザー72を備える。換言すれば、各シンクロナイザー72は、二次歯付きホイール71を二次シャフト68に係合させるために一方向に移動されてもよく、または他の二次歯付きホイール71を二次シャフト68に係合させるために他方向に移動されてもよい。
【0069】
図13および
図14に示すものによれば、自動車1は、内部に(また)デュアルクラッチギアボックス7を収容し、収容体73の高さが前方から後方に向かって漸進的に減少するように後方に向かって先細形状を有する収容体73を備える。すなわち、収容体73の前壁は、収容体73の後壁よりも高い延長部を有する。特に、収容体73は、収容体73の先細形状のために水平に対して傾斜している底部に後壁74を有する。
【0070】
差動装置8(ギアボックス7の二次シャフト68から運動を受け取り、2つのそれぞれのアクスルシャフト69を介して2つの後部駆動輪4に運動を伝達する)は、ギアボックス7の前後で収容体73の内側に配置されている。2つのアクスルシャフト69は、収容体73から横方向に出ている。
【0071】
上記から、ギアボックス7が内燃エンジン5の駆動シャフト20に直接接続され、内燃エンジン5と位置合わせされ(すなわち、ギアボックス7の一次シャフト66および変速シャフト67は、内燃エンジン5の駆動シャフト20と同軸である)、内燃エンジン5の背後に配置されていると要約することができる。さらにまた、インタークーラ39は、ギアボックス7の上方に(すなわち、ギアボックス7が配置されている収容体73の上方に)水平に配置されている。
【0072】
図3、
図7、および
図8に示すように、自動車1は、路面14に面し、内燃エンジン5のエンジンブロック(クランクケース17およびシリンダヘッド21を備える)の後壁で始まり、ギアボックス7の下方(すなわち、ギアボックス7が配置されている収容体73の下方)に配置されている後部空力抽出器75を備える。
【0073】
好ましい実施形態によれば、(ギアボックス7が配置されている)収容体73の底壁74は、後部空力抽出器75と同じ傾斜を有する。すなわち、収容体73の底壁74は、同じ傾斜を呈することによって後部空力抽出器75の形状を再現する。このようにして、後部空力抽出器75は、ギアボックス7の下方(すなわち、ギアボックス7が配置されている収容体73の下方)の利用可能な空間を全て利用する。
【0074】
図6に示すように、自動車1は、シャーシ76(
図6に部分的に示されている)を備える。シャーシ76の後部は、球形タンク15を側面衝突から保護するために球形タンク15に配置されたサイドバー77を備える。サイドバー77は、四面体を形成して、より大きな耐衝撃性を提供する。
【0075】
図6に示すように、内燃エンジン5が配置されるシャーシ76の内側にエンジンコンパートメント78がある。
図3に示すように、自動車1の底部14は、エンジンコンパートメント78に配置される開口部79と、取り外し可能に固定され且つ開口部79を閉鎖する取り外し可能パネル80とを備える。開口部79は、エンジンコンパートメント78の寸法と同様の寸法を有する。すなわち、開口部79の寸法は、開口部79を通ってエンジンコンパートメント78に完全にアクセスすることができるように、エンジンコンパートメント78の寸法にほぼ(可能な限り)等しい。
【0076】
好ましい実施形態によれば、取り外し可能パネル80は、少なくとも部分的に透明である。特に、取り外し可能パネル80は、中央に透明な窓81(例えば、ガラス)を有する。透明窓81の機能は、取り外し可能パネル80を取り外す必要なく内燃エンジン5を視覚的に検査することを可能にするという点で本質的に技術的である。
【0077】
好ましい実施形態によれば、本体12は、エンジンコンパートメント78へのアクセスを可能にする(エンジンコンパートメント78の上方に配置されている)開口部ボンネットを有しない。すなわち、エンジンコンパートメント78へのアクセスは、エンジンコンパートメント78の上部が本体12の固定された取り外し不能なパネルによって恒久的に閉鎖されるとき、開口部79を通って下方からのみである。
【0078】
好ましい実施形態によれば、取り外し可能パネル80は、複数のねじ82(好ましくは1/4回転ねじ82)によってシャーシ76に直接固定される。
【0079】
後部空力抽出器75は、路面14に面し、取り外し可能パネル80の後部に配置され、取り外し可能パネル80に接する。すなわち、後部空力抽出器75は、取り外し可能パネル80が終わるところから開始する。空力抽出器75はまた、ギアボックスハウジング7の収容体73へのより容易なアクセスを可能にするために取り外し可能である。
【0080】
図9~
図12に示す実施形態では、発電機54によって電気エネルギーを生成するタービンユニット42が設けられ、圧縮機ユニット37は、タービンユニット42の発電機54によって生成された電気エネルギーを(少なくとも部分的に)利用する電気モータ50によって2つの圧縮機49を駆動する。
【0081】
図18~
図21に示す実施形態では、タービンユニット42がなく、圧縮機ユニット37には電気モータ50がない。これは、2つの圧縮機49がギアボックス7のクラッチ65のバスケット64から運動をとることによってギアボックス7によって駆動されるためである(以下でさらに説明する)。すなわち、2つの圧縮機49は、ギアボックス7の変速シャフト67によって駆動される(クラッチ65のバスケット64を直接回転させ、駆動シャフト20に直接接続される)。この実施形態は、エネルギー的にやや効率が悪い(タービンユニット42を介して排気ガスからエネルギーの一部を回収しない)が、電気部品を完全に排除することにより(実際には、タービンユニット42の発電機54も圧縮機ユニット37の電気モータ50も存在しない)、より軽量で、よりコンパクトで、より単純である。
【0082】
図22~
図26に示すように、ギアボックス7のバスケット64から運動をとって圧縮機ユニット37の2つの圧縮機49を回転させるように、ギアボックス7のバスケット64を圧縮機ユニット37に(すなわち、圧縮機ユニット37の2つの圧縮機49に)接続する作動システム83がある。例として、作動システム83は、圧縮機ユニット37の2つの圧縮機49が常にギアボックス7のバスケット64よりも速く回転するように回転速度を増加させる。例えば、圧縮機ユニット37の2つの圧縮機49は、ギアボックス7のバスケット64よりも7~8倍速く回転することができる。
【0083】
図15に示すように、作動システム83は、変速シャフト67の反対側のギアボックス7のバスケット64の端壁に接続されている。すなわち、ギアボックス7のバスケット64は、一方側で変速シャフト67に接続され、反対側で作動システム83に接続される端壁を有する。
【0084】
図24に概略的に示す可能な実施形態によれば、作動システム83は、ギアボックス7のバスケット64と圧縮機49との間に介在し、可変ギア比を有するバリエータ装置84を備える。好ましくは、バリエータ装置84は、ギアボックス7のバスケット64の回転速度に応じてギア比を自律的に変更するように遠心作動を有する。特に、バリエータ装置84は、ギアボックス7のバスケット64の回転速度が増加するにつれてギア比を減少させるように構成されている。すなわち、ギアボックス7のバスケット64の回転速度が遅いとき、ギア比はより大きく、したがって(バスケット64の同じ回転速度に対して)圧縮機49はより速く作動し、一方、ギアボックス7のバスケット64の回転速度が速いとき、ギア比はより小さく、したがって(バスケット64の同じ回転速度に対して)圧縮機49はより遅く作動する。このようにして、圧縮機49は、ギアボックスバスケット64が速く回転しているときに「回転から外れる」ことなく、ギアボックスバスケット64がゆっくり回転しているときであっても効果的な圧縮を生成することができる。
【0085】
好ましい実施形態によれば、バリエータ装置84は、2つの異なるギア比のみを有する。例として、バリエータ装置84を介して得られることができる2つのギア比は、互いに30~40%異なることができる。
【0086】
好ましい実施形態によれば、バリエータ装置84は、遠心クラッチによって係合されるダイレクトドライブと、ダイレクトドライブからより低いギア比を実現する遊星ギアとを備え、遠心クラッチは、ギアボックス7のバスケット64の回転速度が閾値を超えるときにダイレクトドライブを係合させることによってクラッチディスクを圧縮する遠心力によって作動される(したがって、ギアボックス7のバスケット64の回転速度が閾値を超えるときにギア比の減少をもたらす)。好ましい実施形態によれば、バリエータ装置84のギア比は、直接駆動(すなわち、1:1のギア比)に対応することができ、他方のギア比は、1:1.3から1:1.4の間に含まれることができる。
【0087】
好ましい実施形態によれば、バリエータ装置84は、一次シャフト66および変速シャフト67の反対側でギアボックス7のバスケット64に接続される。
【0088】
図22~
図26に示す実施形態では、2つの圧縮機49は、互いに平行で離間して配置され且つ(一次シャフト66、変速シャフト67、および駆動シャフト20と同軸である)ギアボックス7のバスケット64の回転軸86に平行である2つの回転軸85の周りを回転するように、互いに平行で離間して配置されている。特に、ギアボックス7のバスケット64の回転軸86は、2つの圧縮機49の回転軸85の間に配置されている。すなわち、2つの圧縮機49は、ギアボックス7のバスケット64の回転軸86の両側に配置されている。
【0089】
図26に示す好ましい実施形態によれば、作動システム83は、ギアボックス7のバスケット64から運動を受け取り、ギアボックス7のバスケット64の回転軸88に平行であり、それから離間した回転軸86の周りを回転する中間シャフト87を備える。具体的には、ギアボックス7のバスケット64と中間シャフト87との間にバリエータ装置84がある。作動システム83は、中間シャフト87から運動を受け取る(すなわち、中間シャフト87に拘束される)中央歯付きホイール89と、中央歯付きホイール89の両側に配置され、中央歯付きホイール89と係合し、それぞれが対応する圧縮機49に運動を伝達する2つの側歯付きホイール90(すなわち、各側歯付きホイール90は、対応する圧縮機49のシャフトに拘束される)とを備える。各側歯付きホイール90と対応する圧縮機49との間に変速機91が介在され、圧縮機49が側歯付きホイール90よりも速く回転することができるように回転速度を増加させる。
【0090】
全体として、圧縮機49は、駆動シャフト20(すなわち、ギアボックス7のバスケット64)よりもはるかに速く回転する:圧縮機49は、駆動シャフト20よりも約10倍速く回転する(すなわち、圧縮機49は、100,000rpmに達することができ、一方、駆動シャフト20は、10,000rpmに達することができる)。
【0091】
図22および
図25に示すように、各圧縮機49は、作動システム83の反対側に配置された軸方向入口51と、半径方向出口52とを備える。上述したように、2つの圧縮機49の両方の出口52に接続されて両方の圧縮機49から圧縮空気を受け入れて結合する接続ダクト53(
図22~
図25には図示せず)がある。
【0092】
図9~
図12に示す実施形態では、シリンダ18から始まり、サイレンサ44で終端し、シリンダ18からサイレンサ44まで完全に分離されて独立している2つの排気ダクト41がある。対照的に、
図18~
図21に示す実施形態では、両方の排気ダクト41が流入し、サイレンサ44内で終端する排気ダクト92がある。すなわち、排気ダクト41は、サイレンサ44の上流で一緒に流れ、サイレンサ44で終端する排気ダクト92に一緒に流れる。換言すれば、排気システム32は、両方の排気ダクト41から排気ガスを受け取る単一の排気ダクト92を備える。すなわち、2つの排気ダクト41は、単一の排気ダクト92に向かって収束するように合流する。排気ダクト92は、2つの排気ダクト41の合流点から始まり、サイレンサ44で終わる。
【0093】
添付の図面に示される実施形態では、圧縮機ユニット37は、2つのツインの圧縮機49を備える。図示されていない異なる実施形態によれば、圧縮機ユニット37は、単一の圧縮機49を備える。
【0094】
添付の図面に示される実施形態では、タービンユニット42は、(存在する場合)2つのツインのタービン43を備える。図示されていない異なる実施形態では、タービンユニット42は、(存在する場合)単一のタービン43を備える。
【0095】
本明細書に記載された実施形態は、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、互いに組み合わせられることができる。
【0096】
上述した自動車1は、多くの利点を有する。
【0097】
第1に、上述した自動車1は、大きな水素貯蔵容量(したがって、満足のいく範囲を提供することができる)と、最適なホイールベース、全体重量、および重量分布のおかげで非常に高い動的性能とを組み合わせている。これらの結果は、自動車1の動的性能を損なうことなく水素タンク9および10を収容するための大量の自由空間を可能にする内燃エンジン5および変速機システム6の特別な構造および配置のおかげで達成される。
【0098】
上述したような自動車1は、非常に大きな後部空力シュート(抽出器)の構築を可能にし、したがって空力抗力の不利益を伴わずに非常に高い空力負荷の発生を可能にする。
【0099】
上述した自動車1では、乗員室15内(特に運転者が着座する運転者ステーション16内)の排気音を十分に強く且つ非常に良好な音質で聴取することができる。この結果は、出口開口部が乗員室15に非常に近く、運転者ステーション16の側にあるという事実のおかげで得られ、この解決策は、乗員室15の近くの音強度を「濃縮」することと、非常に自然な排気ノイズ(すなわち、形成されていないか、またはいずれの場合も人工的に改変されていない)を有することとの両方を可能にする。すなわち、排気ノイズは、非自然な伝達チャネルを介して乗員室15に人工的に「向けられ」ているのではなく、反対に、排気ノイズは、排気システムを通過することによって、すなわち排気ノイズの自然な出口ルートをたどることによってのみ乗員室15に到達する。
【0100】
上述した自動車1では、バスケット64が内燃エンジンの反対側に配置されるデュアルクラッチギアボックス7の特別な設計のおかげで、ホイールベースの長さ(すなわち、前車軸と後車軸との間の距離)を最小にするために、全てのパワートレイン要素の特に好ましい(すなわち、非常に機能的でありながらコンパクトである)位置決めを達成することが可能である。
【0101】
上述した自動車1では、ツインの圧縮機49が電気モータ50の両側に同軸に配置される圧縮機ユニット37の特定の構造のおかげで、パワートレインシステムの全ての要素の特に好ましい配置(すなわち、非常に機能的でありながらコンパクトである)を得ることが可能である。同時に、ツインの圧縮機49の存在は、特に高い空気流量が圧縮されることを可能にする。
【0102】
上述した自動車1では、2つのツインのタービン42が共通の発電機54を駆動するように並んで配置されたタービンユニット42の特定の構造のおかげでも、パワートレインシステムの全ての要素の特に好ましい配置(すなわち、非常に機能的でありながらコンパクトである)を得ることが可能である。同時に、2つのツインのタービン42の存在は、大量のエネルギーが排気ガスから回収されることを可能にする。
【0103】
上述した自動車1(特に、
図18~
図26に示す実施形態)では、吸気ダクト34および38の幾何学的形状は、圧縮機ユニット37の電気的作動に頼る必要なく、全体寸法および圧力降下の両方の点で最適である。この結果は、圧縮機ユニット37の2つの圧縮機49をデュアルクラッチギアボックス7のバスケット64から直接回転させるのに必要な運動をとることによって得られ、これは、圧縮機ユニット37を位置決めするための非常に好ましい位置にある。
【0104】
上述した自動車1では、2つのインタークーラ39および40の特定の設計および配置は、内燃エンジン5の他の全ての構成要素の位置に過度に厳しい制約を必要とすることなく、圧縮空気の冷却の有効性および効率を最大化することを可能にする。
【0105】
上述したような自動車1では、内燃エンジン5が中央/後部位置に配置されている(したがって、前車軸と後車軸との間の質量の最適な分布を有する)場合であっても、空力抽出器75は、非常に大きく(したがって、抗力の若干の増加とともに高い下向きの力が生成されることを可能にする)、同時にホイールベースは比較的短い(すなわち、自動車1は、非常に高性能の動的挙動を示す)。これは、内燃エンジン5を駆動シャフト20がより高くなるように配置することによって達成される。これはまた、ギアボックス7をより高く配置することを可能にし、したがって、非常に大きな空力抽出器75を収容するために自動車の後部の下部の空間を解放する。
【0106】
上述した自動車1では、内燃エンジン5の全ての領域へのアクセス性が良好で完全である。これは、自動車1が持ち上げられると、作業者が常に作業対象の構成要素の真下に立つことを可能にする下方からのアクセス可能性によって達成される。すなわち、作業者が自動車1の形状に制約されず、自動車1が持ち上げられるのに伴って内燃エンジン5の全領域を容易に移動することができるため、内燃エンジン5の下方からのアクセス可能性は、メンテナンスを容易で簡単にする。
【0107】
上述した自動車1では、取り外し可能パネルが少なくとも部分的に透明であるという事実は、上記で説明したような明白な技術的利点を構成するだけでなく、審美的革新を構成し、取り外し可能パネルを審美的要素にもする。大きな空力抽出器75のおかげで、過度に屈曲する必要なく、取り外し可能パネルの透明部分を通して内燃エンジン5の少なくとも一部を見ることが比較的容易であることに留意することが重要である。
【0108】
上述した自動車1では、本体12は、エンジンコンパートメント78にアクセスするための開口部が完全に存在しない(且つ通常はボンネットによって閉じられている)ことに起因して、特に剛性且つ強固である。したがって、同じ剛性に対して、本体12の全体の質量が低減されることができる。さらに、エンジンコンパートメント78へのアクセスのための開口部が存在しないことも、本体12を完全に連続的にし(すなわち、中断なしで)、したがって空力貫通係数を減少させる。本体12を通ってエンジンコンパートメント78にアクセスするための開口部をなくす可能性は、内燃エンジン5が(クランクケース17からなる)上部のいかなるメンテナンスも必要とせず、したがってもはやエンジンコンパートメント78に上方からアクセスする必要がないという事実に起因する。実際に、内燃エンジン5の全ての主要構成要素は、エンジンコンパートメント78の下部に配置され、取り外し可能パネル80によって閉じられた開口部79を介して底部14から容易にアクセス可能である。
【0109】
上述した自動車1では、潤滑ポンプ60および61ならびに冷却ポンプ63は、ポンプ60、61および63の回転駆動に必要な部品点数を最小限に抑えつつ、潤滑回路59および冷却回路62の圧力降下を小さく抑えるように最適に配置されている。すなわち、4つのポンプ60、61および63の2つのカムシャフト23および26を介した同時のグループ化および作動は、現在市販されている既知の解決策よりも安価で軽量でコンパクトな解決策をもたらす。
【符号の説明】
【0110】
1 自動車
2 前輪
3 電気機械
4 後輪
5 内燃エンジン
6 変速機システム
7 ギアボックス
8 後部差動装置
9 乗員室
10 運転ステーション
11 ステアリングホイール
12 本体
13 ドア
14 底部
15 タンク
16 タンク
17 クランクケース
18 シリンダ
19 ピストン
20 駆動シャフト
21 シリンダヘッド
22 吸気弁
23 カムシャフト
24 ベルト駆動装置
25 排気弁
26 カムシャフト
27 燃料噴射器
28 点火プラグ
29 吸気システム
30 吸気マニホールド
31 スロットル弁
32 排気システム
33 処理装置
34 吸気ダクト
35 吸気口
36 エアフィルタ
37 圧縮機ユニット
38 吸気ダクト
39 インタークーラ
40 インタークーラ
41 排気ダクト
42 タービンユニット
43 タービン
44 サイレンサ
45 端管
46 出口開口部
47 シャフト
48 回転軸
49 圧縮機
50 電気モータ
51 軸方向入口
52 半径方向出口
53 接続ダクト
54 発電機
55 回転軸
56 変速装置
57 半径方向入口
58 軸方向出口
59 潤滑回路
60 潤滑ポンプ
61 潤滑ポンプ
62 冷却回路
63 冷却ポンプ
64 バスケット
65 クラッチ
66 一次シャフト
67 変速シャフト
68 二次シャフト
69 アクスルシャフト
70 一次歯付きホイール
71 二次歯付きホイール
72 シンクロナイザー
73 収容体
74 後壁
75 空力抽出器
76 シャーシ
77 サイドバー
78 エンジンコンパートメント
79 開口部
80 取り外し可能パネル
81 透明窓
82 ねじ
83 作動システム
84 バリエータ装置
85 回転軸
86 回転軸
87 中間シャフト
88 回転軸
89 中央歯付きホイール
90 側歯付きホイール
91 変速機
92 排気ダクト
【外国語明細書】