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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031921
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ブラカップ内蔵衣類
(51)【国際特許分類】
   A41C 3/08 20060101AFI20240229BHJP
   A41C 3/00 20060101ALI20240229BHJP
   A41C 3/10 20060101ALI20240229BHJP
   A41B 9/06 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
A41C3/08
A41C3/00 A
A41C3/10 A
A41B9/06 D
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135509
(22)【出願日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】10-2022-0105821
(32)【優先日】2022-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ベルクロ
(71)【出願人】
【識別番号】523321006
【氏名又は名称】ユン ミン ジ
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユン ミン ジ
【テーマコード(参考)】
3B128
3B131
【Fターム(参考)】
3B128FB03
3B128FC04
3B131AA15
3B131AA22
3B131AB03
3B131BA04
3B131BA11
3B131BA21
3B131BA41
3B131BB01
3B131BB08
3B131CA21
3B131CA32
(57)【要約】
【課題】本発明はブラカップ内蔵衣類に関する。
【解決手段】トップス部と、上記トップス部の内側において上記トップス部と重なるように備えられ、着用者の肌に直接接触し、上記着用者の胸を保護するブラカップと、を含み、上記ブラカップは、上記トップス部の内側において肩及び脇の部分と縫製されて一体に形成され、上記トップス部に比べて相対的に伸縮性の高い素材からなり、上記縫製は、上記ブラカップのサイズが上記トップス部のサイズより小さい状態で縫製されることにより伸縮性の高い上記ブラカップによる上記トップス部の収縮現象が発生しない。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トップス部と、
前記トップス部の内側において前記トップス部と重なるように備えられ、着用者の肌に直接接触し、前記着用者の胸を保護するブラカップと、を含み、
前記ブラカップは、
前記トップス部の内側において肩及び脇の部分と縫製されて一体に形成され、
前記トップス部に比べて相対的に伸縮性の高い素材からなり、
前記縫製は、
前記ブラカップのサイズが前記トップス部のサイズより小さい状態で縫製されることにより伸縮性の高い前記ブラカップによる前記トップス部の収縮現象が発生しない、ブラカップ内蔵衣類。
【請求項2】
前記トップス部は、
前記ブラカップより相対的に伸縮性が低いかまたは伸縮性のない生地からなる、請求項1に記載のブラカップ内蔵衣類。
【請求項3】
前記縫製は、
前記ブラカップが前記トップス部の内側において前記肩及び前記脇の部分に沿って互いに縁が一致するように縫製される、請求項2に記載のブラカップ内蔵衣類。
【請求項4】
前記トップス部にはポリエステルを含む生地が使用され、
前記ブラカップにはモダール繊維を含む生地が使用される、請求項3に記載のブラカップ内蔵衣類。
【請求項5】
前記ブラカップは、
前記縫製が行われる前記肩において前記トップス部のサイズより1.5cm以上7cm以下小さい状態で前記縁が一致するように縫製される、請求項4に記載のブラカップ内蔵衣類。
【請求項6】
前記トップス部はポリエステル100%からなり、
前記ブラカップは前記モダール繊維にスパン繊維を合成したモダール30番手からなる、請求項5に記載のブラカップ内蔵衣類。
【請求項7】
前記ブラカップの上端は自己仕上げ処理され、
前記ブラカップの下端は前記着用者の肌に当接するようにニッティングまたはバンディング処理される、請求項6に記載のブラカップ内蔵衣類。
【請求項8】
前記トップス部は、
襟及び袖を含み、
前記着用者が前記トップス部の着用時に前記トップス部の形態のまま着用する、請求項7に記載のブラカップ内蔵衣類。
【請求項9】
前記ブラカップは、
ブラパッドの挿入及び取り出しを可能にする開口部を含む、請求項8に記載のブラカップ内蔵衣類。
【請求項10】
胴部及び袖を含むトップス部と、
前記トップス部の内側において縫製されて着用者の肌に直接接触し、前記着用者の胸を保護するブラカップと、を含み、
前記ブラカップは、
前記トップス部と縫製される前と後の幅のサイズが変わり、
前記トップス部と縫製される前は前記ブラカップが伸びておらず前記胴部の幅より小さい幅であるが、前記トップス部との縫製過程において前記ブラカップは前記トップス部と縫製される区間で前記胴部の幅と一致する幅を有するように縫製されることにより前記ブラカップは伸びた状態で前記トップス部と縫製される、ブラカップ内蔵衣類。
【請求項11】
前記ブラカップは、
前記トップス部の内側において肩及び脇の部分の少なくとも一部区間が前記トップス部と縫製されて一体に形成され、
前記トップス部の幅よりそれぞれ1.5cm以上5cm以下小さい状態で前記トップス部の幅と一致する幅になるように伸びた状態で前記トップス部と縫製される、請求項10に記載のブラカップ内蔵衣類。
【請求項12】
前記縫製は、
前記トップス部よりサイズは小さいが、伸縮性の高い単一素材で一体に形成される前記ブラカップが全体的に伸びた状態で前記トップス部と縫製されて伸縮性の高い前記ブラカップの伸縮性が減少するため、前記トップス部と前記ブラカップの伸縮性の差による前記トップス部の収縮現象の発生を防止する、請求項11に記載のブラカップ内蔵衣類。
【請求項13】
前記ブラカップは、
前記トップス部との伸縮性の差に応じて前記縫製過程で伸びる長さが変わり、前記トップス部との伸縮性の差が大きくなると、前記縫製過程で伸びる長さが長くなる、請求項12に記載のブラカップ内蔵衣類。
【請求項14】
胴部及び袖を含むトップス部と、
前記トップス部の内側において縫製されて着用者の肌に直接接触し、前記着用者の胸を保護するブラカップと、を含み、
前記ブラカップは、
前記トップス部と縫製される前と後の断面のサイズが変わり、
前記トップス部と縫製される前は前記ブラカップが伸びておらず前記胴部の断面より小さい断面であるが、前記トップス部との縫製過程において前記ブラカップは前記トップス部と縫製される区間で前記胴部の断面の縁と一致する断面を有して前記トップス部と縫製されることにより前記ブラカップは伸びた状態で前記トップス部と縫製される、ブラカップ内蔵衣類。
【請求項15】
前記ブラカップは、
前記トップス部の内側において肩及び脇の部分の少なくとも一部区間が前記トップス部と縫製されて一体に形成され、
前記トップス部の断面の縁よりそれぞれ1.5cm以上5cm以下小さい状態で前記トップス部の断面の縁と一致する断面になるように伸びた状態で前記トップス部と縫製される、請求項14に記載のブラカップ内蔵衣類。
【請求項16】
前記縫製は、
前記トップス部よりサイズは小さいが、伸縮性の高い単一素材からなる前記ブラカップが全体的に伸びた状態で前記トップス部と縫製されて伸縮性の高い前記ブラカップの伸縮性が減少するため、前記トップス部と前記ブラカップの伸縮性の差による前記トップス部の収縮現象の発生を防止する、請求項15に記載のブラカップ内蔵衣類。
【請求項17】
前記ブラカップは、
前記トップス部との伸縮性の差に応じて前記縫製過程で伸びる長さが変わり、前記トップス部との伸縮性の差が大きくなると、前記縫製過程で伸びる長さが長くなる、請求項16に記載のブラカップ内蔵衣類。
【請求項18】
前記ブラカップは、
ブラパッドの挿入及び取り出しを可能にする開口部を含み、
前記ブラカップの上端は自己仕上げ処理され、
前記ブラカップの下端は前記着用者の肌に当接するようにニッティングまたはバンディング処理されて前記トップス部とは異なる幅または断面を有し、
前記着用者が前記トップス部の着用時に前記トップス部の形態のまま着用する、請求項10または14に記載のブラカップ内蔵衣類。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブラカップ内蔵衣類に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、トップスの中に着用する女性用下着であるブラは女性の胸の外部への露出を遮断し、胸を保護及びカバーしサポートして女性の体型を維持し、女性の胸と密着して使用される。
【0003】
しかし、ブラは女性の胸の部分を圧迫し続けるため、ブラを着用した女性は息苦しさや痛みを感じることがあり、特に夏場は胸のあたりに多量の汗が発生し得るため、不快感を誘発し、肌トラブルなどを引き起こす可能性がある。
【0004】
当該問題点を解決すべく、ブラが内臓されているかまたは胸の露出を防ぐことができる様々な形態の下着またはトップスなどの衣類が提案されたが、Tシャツ、ノースリーブ、キャミソールなどの衣類及びメッシュ材質の裏地が使用されるなど通気性に焦点を当てた衣類が多く、特にメッシュ材質は着用者によって着心地が悪いと感じることがあり、伸縮性が落ちて様々な着用者の身体に適用しにくいという短所がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記のような従来技術の問題点を解決するために創出されたものであり、本発明の目的は内部にブラカップが結合されており、別途のブラの着用なしに向上した着用感を提供し、滑らかで伸縮性のある裏地を使用することにより、様々な着用者の身体に適用可能なブラカップ内蔵衣類を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類は、トップス部と、上記トップス部の内側において上記トップス部と重なるように備えられ、着用者の肌に直接接触し、上記着用者の胸を保護するブラカップと、を含み、上記ブラカップは、上記トップス部の内側において肩及び脇の部分と縫製されて一体に形成され、上記トップス部に比べて相対的に伸縮性の高い素材からなり、上記縫製は、上記ブラカップのサイズが上記トップス部のサイズより小さい状態で縫製されることにより伸縮性の高い上記ブラカップによる上記トップス部の収縮現象が発生しないことができる。
【0007】
具体的に、上記トップス部は上記ブラカップより相対的に伸縮性が低いかまたは伸縮性のない生地からなってもよい。
【0008】
具体的に、上記縫製は上記ブラカップが上記トップス部の内側において上記肩及び上記脇の部分に沿って互いに縁が一致するように縫製されてもよい。
【0009】
具体的に、上記トップス部にはポリエステルを含む生地が使用され、上記ブラカップにはモダール繊維を含む生地が使用されてもよい。
【0010】
具体的に、上記ブラカップは上記縫製が行われる上記肩において上記トップス部のサイズより1.5cm以上7cm以下小さい状態で上記縁が一致するように縫製されてもよい。
【0011】
具体的に、上記トップス部はポリエステル100%からなり、上記ブラカップは上記モダール繊維にスパン繊維を合成したモダール30番手からなってもよい。
【0012】
具体的に、上記ブラカップの上端は自己仕上げ処理され、上記ブラカップの下端は上記着用者の肌に当接するようにニッティングまたはバンディング処理されてもよい。
【0013】
具体的に、上記トップス部は襟及び袖を含み、上記着用者が上記トップス部の着用時に上記トップス部の形態のまま着用することができる。
【0014】
具体的に、上記ブラカップはブラパッドの挿入及び取り出しを可能にする開口部を含んでもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のブラカップ内蔵衣類は、内部にブラカップが結合されており、別途のブラの着用なしに向上した着用感を提供し、滑らかで伸縮性のある裏地を使用することにより、様々な着用者の身体に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類のトップス部の正面図である。
図2】本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類のトップス部の背面図である。
図3】本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類の内側(裏返した状態)を概略的に示す正面図である。
図4】本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類の内側(裏返した状態)を概略的に示す背面図である。
図5】本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類のトップス部にブラカップが透視された正面図である。
図6】本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類のトップス部にブラカップが透視された背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の目的、特定の利点及び新規な特徴は、添付の図面と関わる以下の詳細な説明及び好ましい実施例によりさらに明らかになるであろう。本明細書では、各図面の構成要素に参照番号を付するにおいて、同じ構成要素に限ってはたとえ異なる図面上に表示されても可能な限り同じ番号を付したことに留意されたい。また、本発明を説明するにあたり、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にすると判断される場合はその詳細な説明を省略する。
【0018】
図1は本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類のトップス部の正面図であり、図2は本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類のトップス部の背面図であり、図3は本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類の内側(裏返した状態)を概略的に示す正面図であり、図4は本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類の内側(裏返した状態)を概略的に示す背面図である。
【0019】
図1図4を参照すると、本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類1は女性服であってもよく、トップス部11と、トップス部の内側に縫製されるブラカップ12と、を含んでもよい。
【0020】
女性服の外形を構成するトップス部11をブラウスまたはワイシャツで示しているが、トップス部11はTシャツ、ワンピースなどの様々な女性服の何れか1つの形態であってもよい。
【0021】
トップス部11は胴部に首の挿入口(符号不図示)、両側の袖(符号不図示)、襟(符号不図示)などを含んでもよく、下部が開口された形状であってもよい。
【0022】
トップス部11は、トップス部11の内側に縫製されるブラカップ12より相対的に伸縮性が低いかまたは伸縮性のない生地からなってもよいため、トップス部11とブラカップ12の生地は互いに異なってもよい。
【0023】
トップス部11の生地としてはポリエステルが含まれた生地が使用され、引っ張ったときに硬くて伸縮性は低下するものの、乾燥が早く、形態を維持する形態安定性が高くて端正に見える。
【0024】
トップス部11の生地としてポリエステル以外の他の生地を使用することも可能であり、ポリエステルの比率は変わってもよく、場合によってはポリエステル100%であってもよい。
【0025】
図1を参照すると、トップス部11としてブラウスが示されており、通常のブラウスまたは女性の衣類にはボタンまたはファスナーが備えられているため、着用者はボタンまたはファスナーを通じて服の形態を変えて服を着用することができる。
【0026】
服にボタンまたはファスナーが備えられる場合、着用者の服の着用は容易になることはあるが、着用後にボタンまたはファスナーを閉めるという不便があり、特に、女性服はファスナーが背中に配置されており、不便が大きくなる可能性がある。
【0027】
これに対して、本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類1は、ボタンまたはファスナーが備えられておらず、服の形態変更なしにトップス部11に含まれる首の挿入口を介してトップス部11の形態のまま着用者が容易に着脱できる。
【0028】
ブラカップ12はトップス部11の内側においてトップス部11と一部重なるように備えられてもよく、着用者の肌に直接接触して着用者の胸を保護することができる。
【0029】
図3及び図4を参照すると、ブラカップ12はトップス部11の肩21及び脇22の部分で重なり、脇22の部分よりも長く備えられてトップス部と一部が重なる二重構造であることが分かる。
【0030】
図3及び図4は本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類1の内側(裏返した状態)を概略的に示す図であり、図3及び図4におけるトップス部11とブラカップ12は内側に裏返された状態である。
【0031】
ブラカップ12は着用者の肌に直接接触するため、通気性を確保するためにトップス部11に比べて相対的に伸縮性の高い素材からなってもよい。
【0032】
通常、裏地としてはメッシュ材質が多く使われるが、メッシュ材質は通気性には優れるものの、汗を吸収できず、ざらざらとした感触があり、着用者の肌に直接触れるように配置されると、着用者によっては着心地の悪さを訴える可能性がある。
【0033】
これに対し、本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類1におけるブラカップ12は、柔らかく、汗を吸収する吸湿性も有し、通気性が確保されたモダール繊維を使用することができる。
【0034】
ブラカップ12にはモダール繊維にスパン繊維を合成した生地を使用してもよく、使用される糸の太さに応じてブラカップ12の厚さ及び伸縮性が変わることができ、例えば、通称、モダール30番手を使用することができる。
【0035】
ブラカップ12の全体をモダール繊維のみを使用すると、通気性が確保され、着用感が向上することはできるが、一部で透けて見える可能性があり、トップス部11を通じて一部露出が発生し得る。これを防ぐために、ブラカップ12の胸の中央部分にはブラパッド13を備えて露出を防止することができる。
【0036】
ブラカップ12はブラパッド13の挿入及び取り出しを可能にする開口部14を含んでもよく、違うサイズのブラパッド13に交換することができ、着用者の選択に応じてブラパッド13なしで着用することも可能であり、衣類の洗濯時にはブラパッド13を外して洗濯することができる。
【0037】
開口部14はブラパッド13の下端に設けられてもよく、ファスナーまたはベルクロが備えられて開閉することができる。
【0038】
トップス部11と裏地の生地の伸縮性が異なる場合は、伸縮性の差により生地が縮む収縮現象が発生し得る。
【0039】
トップス部11と裏地の生地に伸縮性がある場合、例えば、トップス部11と裏地の生地がともに綿である場合があり得る。トップス部11と裏地の生地を同じものを使用するか、異なる種類の綿を使用して伸縮性に差が生じても基本的に生地が伸縮性を有しており、収縮現象が発生しないか、大きくないため、問題にならない可能性がある。
【0040】
トップス部11と裏地の生地に伸縮性がない場合、例えば、トップス部11と裏地の生地がともにポリエステルである場合があり得る。トップス部11と裏地の生地を同じものを使用するか、生地のポリエステルの比率が異なって伸縮性に差が生じても基本的に生地に伸縮性がないため、伸縮性の差による収縮現象が発生しないか、大きくなくて問題にならない可能性がある。
【0041】
トップス部11のみに伸縮性がある場合、例えば、トップス部11の生地は綿で、裏地の生地はメッシュまたはポリエステルなどである場合があり得る。
【0042】
トップス部11に使用される生地の伸縮性が裏地に使用される生地より大きい場合に該当し、伸縮性の差により伸縮性の低い裏地において収縮現象が発生することはあるが、伸縮性の大きいトップス部11では収縮現象が発生しないことができる。
【0043】
裏地はトップス部11の内側に備えられるため、収縮現象が発生しても肉眼では見えにくくて問題にならず、裏地の伸縮性が低いため、トップス部11と縫製される裏地のサイズを調整すると、収縮現象が発生しないこともある。
【0044】
裏地のみに伸縮性がある場合、例えば、トップス部11の生地がポリエステルで、裏地の生地が綿である場合があり得る。本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類1がこの場合に該当し、裏地は本発明のブラカップ12に該当することができる。
【0045】
裏地に伸縮性があると、着用者の体型に合わせて伸縮できるメリットがあるが、トップス部11に伸縮性がない場合は裏地の伸縮性によりトップス部11に収縮現象が発生し得る。上述した裏地に収縮現象が発生する場合とは異なり、トップス部11に収縮現象が発生すると、肉眼ですぐ確認でき、美観上良くないため、問題となり得る。
【0046】
トップス部11に収縮現象が発生する問題点は、裏地であるブラカップ12として備えられる伸縮性のある綿またはモダール30番手のサイズをトップス部11のサイズより小さい状態で縫製することで解決した。
【0047】
伸縮性のある裏地を伸縮していない状態でトップス部11に縫製する場合、裏地の伸縮性によってトップス部11に収縮現象が発生したが、裏地のサイズが小さい状態でトップス部11と縫製をすると、裏地がある程度伸びた状態でトップス部11と縫製されるため、裏地の伸縮性が減少し、トップス部11で収縮現象が発生する問題点が解決されることができる。
【0048】
本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類1では、トップス部11とブラカップ12は肩21と脇22の部分で縫製されて一体に形成されるが、縫製が行われる肩21においてブラカップ12のサイズをトップス部11のサイズより1.5cm以上7cm以下小さい状態で縁が一致するように縫製すると、トップス部11の収縮現象を解決することができる。
【0049】
トップス部11とブラカップ12とのサイズの差は服のサイズによって変わってもよく、スモールサイズを基準として1.5cm以上5cm以下小さい状態で縫製が行われてもよい。
【0050】
好ましくは、伸縮性のある生地を使用するブラカップ12は、伸縮性のない生地を使用するトップス部11より、スモールサイズを基準として肩21において2.04cm小さい状態で縫製が行われてもよい。
【0051】
ブラカップ12は、肩21または脇22においてトップス部11より小さい状態で縫製が行われてもよく、具体的な数値は、肩21または脇22においてブラカップ12が小さな状態で縫製されるか否か及びブラカップ12の生地の種類によって変わってもよい。
【0052】
ブラカップ12は、トップス部11の内側において肩21及び脇22の部分と縫製されて一体に形成されてもよい。縫製は、ブラカップ12とトップス部11の内側において肩21及び脇22の部分に沿って互いに縁が一致するように縫製されることができる。
【0053】
トップス部11の内側である裏返した状態で、肉眼で肩21及び脇22の部分におけるトップス部11の内側とブラカップ12が一致するように縫製及び上述したトップス部11の収縮現象を防止するために、ブラカップ12のサイズがトップス部11より小さく備えられてもよい。
【0054】
図3及び図4を参照すると、トップス部11の内側である裏返した状態で肩21及び脇22の部分においてトップス部11とブラカップ12の縁が一致して縫製されていることが分かる。トップス部11とブラカップ12の生地を比較すると、トップス部11の生地に比べてブラカップ12の生地にしわが多くてブラカップ12の伸縮性が相対的に高いことが分かる。
【0055】
図3及び図4を参照すると、ブラカップ12の肩21及び脇22の部分はトップス部11と縫製されているが、上端(符号不図示)及び下端(符号不図示)はトップス部11と縫製されていないことが分かる。
【0056】
ブラカップ12の上端は自己仕上げ処理され、トップス部11の首の挿入口及び襟より下部に位置し、着用時に肉眼で確認されないことができる。ブラカップ12の上端は服のサイズに応じて着用者の肌に当接するか、着用者の肌に触れるが余裕空間が生じて通気性を向上させることができる。
【0057】
ブラカップ12の下端は着用者の肌に当接するようにニッティングまたはバンディング処理されてブラカップ12の位置を固定することができ、着用者の胸及びブラカップ12の揺れを最小化することができる。
【0058】
ブラカップ12の肩21及び脇22の部分は縫製によりトップス部11に固定され、ブラカップ12の下端は着用者の肌に当接するようにニッティングまたはバンディング処理されて固定され、ブラカップ12の上端はトップス部11に固定されずに自己仕上げ処理され、ブラカップ12の生地が伸縮性のあるものからなることによって、本発明の一実施例によるブラカップ12内装衣類におけるブラカップ12は密着性により様々な身体の着用者が使用でき、胸の形に限定されず、身だしなみを維持することができ、着用時の活動が便利な効果が得られる。
【0059】
図5は本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類のトップス部にブラカップが透視された正面図であり、図6は本発明の一実施例によるブラカップ内蔵衣類のトップス部にブラカップが透視された背面図である。
【0060】
図5及び図6を参照すると、トップス部11にブラカップ12が透視されて縫製した縁が詳細に確認できる。トップス部11とブラカップ12は肩21及び脇22の部分で縫製されていることが分かり、伸縮性のあるブラカップ12をしっかりと支持するために肩21及び脇22の縁に沿って一体に縫製されていることが分かる。
【0061】
ブラカップ12の上端はトップス部11の前面及び背面と縫製されておらず、ブラカップ12の下端はニッティングまたはバンディング処理されていることが分かる。ブラカップ12の上端及び下端はトップス部11の内側と縫製されずに分離できるように形成されることにより、着用者の行動を妨げないことができる。
【0062】
トップス部11の前面にはボタンまたはファスナーが設けられず、縫製によりトップス部11の前面の左右側が縫製されて着用者がトップス部11の着用時にトップス部11の形態のまま着用するため、ボタンまたはファスナーを開閉するものに比べて着用が容易である。
【0063】
トップス部11の前面の縫製は、首の挿入口を介して着用者がブラカップ内蔵衣類1を着用できるようにするため、首の挿入口まで縫製されないようにトップス部11の前面の一部分が縫製されてもよい。
【0064】
図5を参照すると、ブラパッド13は互いに離隔して配置され、それぞれのブラパッド13の間に縫い目が設けられて開口部14のサイズを制限することができる。
【0065】
本発明は上述した実施例に限定されず、上記実施例と公知技術の組み合わせをさらに他の実施例として含むことができる。
【0066】
以上、本発明を具体的な実施例をもって詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者によってその変形や改良が可能であることは明らかである。
【0067】
本発明の単なる変形ないし変更はすべて本発明の領域に属し、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲によって明らかになるであろう。
【符号の説明】
【0068】
1 ブラカップ内蔵衣類
11 トップス部
12 ブラカップ
13 ブラパッド
14 開口部
21 肩
22 脇
図1
図2
図3
図4
図5
図6