IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星電子株式会社の特許一覧

特開2024-31923エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法
<>
  • 特開-エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法 図1
  • 特開-エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法 図2
  • 特開-エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法 図3
  • 特開-エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法 図4
  • 特開-エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法 図5
  • 特開-エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法 図6
  • 特開-エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法 図7
  • 特開-エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法 図8
  • 特開-エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法 図9
  • 特開-エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法 図10
  • 特開-エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法 図11
  • 特開-エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法 図12
  • 特開-エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法 図13
  • 特開-エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法 図14
  • 特開-エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031923
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20240229BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
H01L21/302 101G
H01L21/68 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023135562
(22)【出願日】2023-08-23
(31)【優先権主張番号】10-2022-0106347
(32)【優先日】2022-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】黄 賢植
(72)【発明者】
【氏名】邦 晋榮
(72)【発明者】
【氏名】趙 誠一
(72)【発明者】
【氏名】嚴 正煥
【テーマコード(参考)】
5F004
5F131
【Fターム(参考)】
5F004AA16
5F004BB13
5F004BB22
5F004BB23
5F004BB25
5F004BB29
5F004BB30
5F004BD03
5F004DA00
5F004DA24
5F004DB03
5F004DB07
5F004DB08
5F004DB09
5F004DB10
5F004EA03
5F004EA30
5F131AA02
5F131BA19
5F131CA04
5F131DA42
5F131EA03
5F131EB11
5F131EB82
(57)【要約】
【課題】エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法を提供する。
【解決手段】低温環境でエッチング工程が可能な工程チャンバーと、工程チャンバーの内部で基板を支持する支持ユニットと、工程チャンバーの内部に、水素ガス(H)及びフッ化炭素ガス(C)を含む工程ガスを供給するガス供給ユニットと、工程チャンバーの内部で、工程ガスからプラズマを生成するプラズマソースと、を含み、支持ユニットは、基板が配置される静電チャックと、静電チャックの周囲に沿って配置され、基板のエッジ領域を支持するエッジリングと、静電チャックとエッジリングとの間に配置される粘着性ゲルパッドと、を含み、エッジリングにおいて、プラズマに露出される上部表面にのみコーティング層が形成される、ドライエッチング装置である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温環境でエッチング工程が可能な工程チャンバーと、
前記工程チャンバーの内部で基板を支持する支持ユニットと、
前記工程チャンバーの内部に、水素ガス(H)及びフッ化炭素ガス(C)を含む工程ガスを供給するガス供給ユニットと、
前記工程チャンバーの内部で、前記工程ガスからプラズマを生成するプラズマソースと、を含み、
前記支持ユニットは、
前記基板が配置される静電チャックと、
前記静電チャックの周囲に沿って配置され、前記基板のエッジ領域を支持するエッジリングと、
前記静電チャックと前記エッジリングとの間に配置される粘着性ゲルパッドと、を含み、
前記エッジリングにおいて、前記プラズマに露出される上部表面にのみコーティング層が形成される、ドライエッチング装置。
【請求項2】
前記コーティング層は、フッ化炭素系を含むポリマーの単層で構成されることを特徴とする請求項1に記載のドライエッチング装置。
【請求項3】
前記コーティング層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)(PVDF-TrFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)及びポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)のうち選択されたいずれか1つであることを特徴とする請求項2に記載のドライエッチング装置。
【請求項4】
前記コーティング層は、フェニルリング(phenyl ring)または環状カーボン(cyclic carbon)を含むポリマーの単層で構成されることを特徴とする請求項1に記載のドライエッチング装置。
【請求項5】
前記コーティング層は、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)及びポリジシクロペンタジエン(pDCPD)のうち選択されたいずれか1つであることを特徴とする請求項4に記載のドライエッチング装置。
【請求項6】
前記コーティング層は、互いに異なるポリマーの二重層で構成され、
前記二重層のうち1つは、フッ化炭素系を含むポリマーで構成され、
前記二重層のうち他の1つは、フェニルリングまたは環状カーボンを含むポリマーで構成されることを特徴とする請求項1に記載のドライエッチング装置。
【請求項7】
前記コーティング層は、シリコン窒化物系を含むセラミックの単層で構成されることを特徴とする請求項1に記載のドライエッチング装置。
【請求項8】
前記エッジリングは、シリコン、シリコン炭化物、シリコン窒化物、シリコン酸化物及びアルミニウム酸化物のうち選択されたいずれか1つで構成されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のドライエッチング装置。
【請求項9】
前記コーティング層の厚みは、約100nmないし約1mmの範囲で選択されることを特徴とする請求項1に記載のドライエッチング装置。
【請求項10】
前記工程チャンバーの前記低温環境は、前記基板の温度が約0℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のドライエッチング装置。
【請求項11】
低温環境でエッチング工程が可能な工程チャンバーと、
前記工程チャンバーの内部で基板を支持する支持ユニットと、
前記工程チャンバーの内部に、水素ガス(H)及びフッ化炭素ガス(C)を含む工程ガスを供給するガス供給ユニットと、
前記工程チャンバーの内部で、前記工程ガスからプラズマを生成するプラズマソースと、を含み、
前記支持ユニットは、
前記基板が配置される静電チャックと、
前記静電チャックの周囲に沿って配置され、前記基板のエッジ領域を支持するエッジリングと、
前記静電チャックと前記エッジリングとの間に配置される粘着性ゲルパッドと、を含み、
前記エッジリングは、
前記静電チャックに付着し、前記プラズマに露出されない下部リングと、
前記下部リング上に配置され、前記プラズマに露出される上部リングと、を含む、ドライエッチング装置。
【請求項12】
前記上部リングは、フッ化炭素系を含むポリマーで構成されるか、あるいはフェニルリングまたは環状カーボンを含むポリマーで構成されることを特徴とする請求項11に記載のドライエッチング装置。
【請求項13】
前記上部リングは、シリコン窒化物系を含むセラミックで構成されることを特徴とする請求項11に記載のドライエッチング装置。
【請求項14】
前記上部リングの厚みは、約1mmないし前記エッジリングの全体厚の約50%の範囲で選択されることを特徴とする請求項11に記載のドライエッチング装置。
【請求項15】
前記上部リングを構成する物質によって、前記下部リングを構成する物質が決定され、
前記上部リングと前記下部リングとを構成する物質による前記エッジリングの全体の誘電定数は、前記工程チャンバーの内部で、前記基板及び前記エッジリング上に形成されるプラズマシースの境界面までの距離を一定に維持することを特徴とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載のドライエッチング装置。
【請求項16】
低温環境でエッチング工程が遂行されるドライエッチング装置で使用され、
下部表面及び前記下部表面に対向する上部表面を有する環状のボディと、
前記下部表面上に付着する熱伝導性の粘着性ゲルパッドと、
前記上部表面上に形成され、水素ガス(H)及びフッ化炭素ガス(C)に対するエッチング耐性を有する物質で構成されるコーティング層と、を含む、エッジリング。
【請求項17】
前記コーティング層は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)(PVDF-TrFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)及びポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)のうち選択されたいずれか1つであるか、あるいは
前記コーティング層は、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)及びポリジシクロペンタジエン(pDCPD)のうち選択されたいずれか1つを含むポリマーの単層で構成されることを特徴とする請求項16に記載のエッジリング。
【請求項18】
前記コーティング層は、互いに異なるポリマーの二重層で構成され、
前記二重層のうち1つは、フッ化炭素系を含むポリマーで構成され、
前記二重層のうち他の1つは、フェニルリングまたは環状カーボンを含むポリマーで構成されることを特徴とする請求項16に記載のエッジリング。
【請求項19】
前記コーティング層は、シリコン窒化物系を含むセラミックの単層で構成されることを特徴とする請求項16に記載のエッジリング。
【請求項20】
前記低温環境は、前記エッジリングの一部に配置される基板の温度が約0℃以下であり、
前記コーティング層の厚みは、約100nmないし約1mmの範囲で選択され、
前記エッジリングを構成する物質は、シリコン、シリコン炭化物、シリコン窒化物、シリコン酸化物及びアルミニウム酸化物のうち選択されたいずれか1つを含むことを特徴とする請求項16乃至19のいずれか1項に記載のエッジリング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法に係り、より詳しくは、プラズマによるエッジリングの上部損傷を防止するためのエッジリング、それを含むドライエッチング装置、及びエッチング装置の動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の製造工程において、半導体基板上のエッチング対象膜を所定のパターンにエッチングするエッチング工程が必要である。そのようなエッチング工程には、ドライエッチング工程とウェットエッチング工程があり、プラズマエッチング工程は、ドライエッチング工程の一種類である。プラズマエッチング工程は、ドライエッチング装置において工程ガスがシャワーヘッドを通じて工程チャンバー内に噴射されて生成されたプラズマを利用して、半導体基板上のエッチング対象膜をエッチングする特徴を有する。但し、プラズマによってエッジリングの上部が損傷されるという問題点が発生しうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、プラズマによるエッジリングの上部損傷を防止するためのドライエッチング装置及びエッチング装置の動作方法を提供することである。
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、前述の課題に制限されず、言及されていない他の課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるドライエッチング装置は、低温環境でエッチング工程が可能な工程チャンバーと、前記工程チャンバーの内部で基板を支持する支持ユニットと、前記工程チャンバーの内部に、水素ガス(H)及びフッ化炭素ガス(C)を含む工程ガスを供給するガス供給ユニットと、前記工程チャンバーの内部で、前記工程ガスからプラズマを生成するプラズマソースと、を含み、前記支持ユニットは、前記基板が配置される静電チャックと、前記静電チャックの周囲に沿って配置され、前記基板のエッジ領域を支持するエッジリングと、前記静電チャックと前記エッジリングとの間に配置される粘着性ゲルパッドと、を含み、前記エッジリングにおいて、前記プラズマに露出される上部表面にのみコーティング層が形成される。
【0006】
本発明によるドライエッチング装置は、低温環境でエッチング工程が可能な工程チャンバーと、前記工程チャンバーの内部で基板を支持する支持ユニットと、前記工程チャンバーの内部に、水素ガス(H)及びフッ化炭素ガス(C)を含む工程ガスを供給するガス供給ユニットと、前記工程チャンバーの内部で、前記工程ガスからプラズマを生成するプラズマソースと、を含み、前記支持ユニットは、前記基板が配置される静電チャックと、前記静電チャックの周囲に沿って配置され、前記基板のエッジ領域を支持するエッジリングと、前記静電チャックと前記エッジリングとの間に配置される粘着性ゲルパッドと、を含み、前記エッジリングは、前記静電チャックに付着し、前記プラズマに露出されない下部リングと、前記下部リング上に配置され、前記プラズマに露出される上部リングと、を含む。
【0007】
本発明によるエッジリングは、低温環境でエッチング工程が遂行されるドライエッチング装置で使用され、下部表面及び前記下部表面に対向する上部表面を有する環状のボディと、前記下部表面上に付着する熱伝導性の粘着性ゲルパッドと、前記上部表面上に形成され、水素ガス(H)及びフッ化炭素ガス(C)に対するエッチング耐性を有する物質で構成されるコーティング層と、を含む。
【0008】
本発明によるエッチング装置の動作方法は、エッチング対象膜が形成された基板を準備する段階と、前記基板を工程チャンバーの内部の支持ユニットに移送する段階と、前記工程チャンバーにおいて工程ガスでプラズマを生成し、前記基板上のエッチング対象膜をドライエッチングする段階と、前記基板を工程チャンバーの外部に搬送する段階と、を含み、前記支持ユニットは、前記基板が配置される静電チャックと、前記静電チャックの周囲に沿って配置され、前記基板のエッジ領域を支持するエッジリングと、前記静電チャックと前記エッジリングとの間に配置される粘着性ゲルパッドと、を含み、前記エッジリングにおいて、前記プラズマに露出される上部表面にのみ、約100nmないし約1mm厚のコーティング層が形成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態によるドライエッチング装置を示す概略図である。
図2図1の支持ユニットを拡大して示す拡大断面図である。
図3図2のIII部分を拡大して示す拡大断面図である。
図4】本発明の他の実施形態によるドライエッチング装置の一部を示す断面図である。
図5】本発明の他の実施形態によるドライエッチング装置の一部を示す断面図である。
図6】本発明の一実施形態によるドライエッチング装置に含まれる冷却装置を示す構成図である。
図7】本発明の一実施形態によるドライエッチング装置において、物質による相対的なエッチング率を示すグラフである。
図8】本発明の一実施形態によるドライエッチング装置に含まれるエッジリングを示す斜視図である。
図9図8のエッジリングが静電チャックに付着する過程を示す断面図である。
図10】本発明の一実施形態によるドライエッチング装置を利用する半導体素子のパターン形成工程を示すフローチャートである。
図11図10の半導体素子のパターン形成工程を説明するために、工程順序によって示す断面図である。
図12図10の半導体素子のパターン形成工程を説明するために、工程順序によって示す断面図である。
図13図10の半導体素子のパターン形成工程を説明するために、工程順序によって示す断面図である。
図14図10の半導体素子のパターン形成工程を説明するために、工程順序によって示す断面図である。
図15図10の半導体素子のパターン形成工程を説明するために、工程順序によって示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態によるドライエッチング装置を示す概略図であり、図2は、図1の支持ユニットを拡大して示す拡大断面図であり、図3は、図2のIII部分を拡大して示す拡大断面図である。
【0012】
図1ないし図3を共に参照すれば、ドライエッチング装置10は、エッチング工程が遂行される工程チャンバー100と、基板WFを支持する支持ユニット200と、支持ユニット200を冷却する冷却ユニット300と、工程ガスを供給するガス供給ユニット400と、ガス供給源500と、電源部600とを含む。
【0013】
工程チャンバー100は、所定サイズの内部空間100Sを有し、耐摩耗性及び耐腐食性に優れる材質を含む。工程チャンバー100は、チャンバーハウジングとも称される。工程チャンバー100は、例えば、アルミニウムブロックで構成されてもよい。工程チャンバー100は、プラズマ処理工程(例えば、プラズマを利用したドライエッチング工程)において、内部空間100Sを密閉状態または真空状態に維持することができる。工程チャンバー100は、複数のチャンバーを含むドライエッチング装置10の一部分でもある。
【0014】
支持ユニット200は、前記工程チャンバー100の内部空間100Sの下部に配置されうる。支持ユニット200は、冷却チャネル201と、静電チャック210と、エッジリング220とを含むこともできる。前記静電チャック210及び前記エッジリング220の上面に、被処理対象である基板WFが配置されうる。
【0015】
支持ユニット200は、エッチング工程が遂行される間、基板WFを固定して支持する。前記支持ユニット200は、導電性物質と絶縁物質との組み合わせによって構成され、静電気力供給源(図示せず)から静電気力を供給される導電部、及び極性のある凹凸状の突出部を含むこともできる。
【0016】
前記静電気力供給源から供給されたバイポーラ静電気力を利用して、基板WFと静電チャック210との間に静電気力が印加されれば、エッチング工程が遂行される間、基板WFを静電チャック210に安定して固定することができる。前記凹凸状の突出部は、前記静電チャック210に配置され、バイポーラ静電気力で基板WFを固定することができる。但し、支持ユニット200がそのような方式に限定されるものではなく、例えば、支持ユニット200は、真空吸着方式や機械的クランピング方式のような多様な方式によって基板WFを固定することができる。
【0017】
被処理対象である基板WFは、前記エッジリング220と一定距離ほど離隔して配置されうる。それは、基板WFに形成された半導体素子の種類に起因した特徴でもある。一部実施形態において、前記エッジリング220は、絶縁物質で構成される。例えば、エッジリング220は、セラミック物質で形成されるが、それに限定されるものではない。例えば、前記エッジリング220は、シリコン、シリコン炭化物、シリコン窒化物、シリコン酸化物及びアルミニウム酸化物のうち選択されたいずれか1つで構成されることも可能である。
【0018】
静電チャック210とエッジリング220との間に、粘着性ゲルパッド230が配置されうる。すなわち、本発明のドライエッチング装置10において、静電チャック210とエッジリング220とは、ボルトのような締結部材を使用せず、粘着性ゲルパッド230を通じて互いに接合される。前記粘着性ゲルパッド230は、接着性と熱伝導性とを有する物質で構成される。本発明のエッジリング220についての詳細な特徴は後述する。
【0019】
冷却ユニット300は、支持ユニット200を冷却するように構成される。冷却ユニット300は、支持ユニット200の冷却チャネル201に冷却流体を供給することができる。前記支持ユニット200の冷却チャネル201は、冷却流体が流動可能な通路であって、支持ユニット200の中心軸を中心に同心円状(concentrical)または螺旋状(helical)のパイプ状を有することができる。冷却ユニット300は、支持ユニット200の冷却チャネル201に供給される冷却流体の温度、流量、流速などを調節することにより、支持ユニット200の温度、及び支持ユニット200上に配置された基板WFの温度を調節することができる。
【0020】
冷却ユニット300は、プラズマエッチング工程が遂行される間、支持ユニット200上に配置された基板WFを低温または極低温に調節及び維持することができる。例えば、冷却ユニット300は、約0℃ないし約-100℃の間で選択される一定温度に基板WFを冷却することができる。そのような低温または極低温の環境において、基板WFに対するプラズマエッチング工程を遂行し、基板WF上に高アスペクト比のパターンを形成することができる。
【0021】
ガス供給ユニット400は、ガス導入部410、ガス分配プレート420及びシャワーヘッド430を順次に含むこともできる。ガス供給ユニット400は、支持ユニット200と対向する位置において所定間隔で離隔され、前記工程チャンバー100の上部に配置されうる。ガス供給ユニット400は、ガス供給管510を通じて、工程ガスを前記内部空間100Sに供給することができる。
【0022】
ガス供給源500は、ガス供給管510を通じて、ガス供給ユニット400にも連結される。ガス供給管510は、工程ガスをガス供給源500から前記ガス供給ユニット400に供給し、ガス流動を切り替えるためのバルブ(図示せず)を含むこともできる。前記工程ガスは、例えば、フッ化炭素ガス(C)、水素ガス(H)、不活性ガスなどを含んでもよい。
【0023】
前記ガス供給源500は、ガス制御部(図示せず)によっても制御される。すなわち、前記ガス制御部は、ガス供給源500を制御することにより、前記ガス供給ユニット400に供給されるガスの種類、ガスの供給始点及び終点、ガスの流量などを制御することができる。
【0024】
電源部600は、ガス供給ユニット400(ここで、上部電極として役割を行う)と支持ユニット200(ここで、下部電極として役割を行う)とに連結され、前記電源部600から供給される電力を利用して、前記ガス供給ユニット400と前記支持ユニット200との間の内部空間100SにプラズマPSが生成されうる。
【0025】
前記電源部600は、例えば、前記ガス供給ユニット400を通じて、約60MHzの高周波電力を印加し、前記ガス供給ユニット400と対向して配置された前記支持ユニット200を通じて、約2MHzの高周波電力を印加することができる。
【0026】
ここで、プラズマPSの生成過程を簡略に説明すれば、工程チャンバー100の外部に配置されたガス供給源500から、工程ガスがガス供給ユニット400を通じて内部空間100Sに供給され、前記電源部600によって形成される電力が、前記工程ガスをプラズマPSに変換する。これにより、前記内部空間100Sの下部に配置された支持ユニット200上の基板WFに、前記プラズマPSが噴射される。
【0027】
前記プラズマPSは、工程ガスのイオン及び/またはラジカル(以下、イオンと通称する)で構成され、前記基板WF上に形成されたエッチング対象膜をエッチングするためのエッチング用プラズマPSとして役割を行う。前記ガス供給ユニット400は、前記イオンを基板WFの上部空間に均一な密度で分布するように誘導することにより、基板WFの上部に均一な密度を有するプラズマシース(plasma sheath)を形成することができる。これにより、前記基板WFの全面(whole surface)に均一なエッチング工程が遂行されうる。
【0028】
基板WFだけでなく、エッジリング220の一部上面も、前記プラズマPSに露出される。したがって、エッジリング220の上面を前記プラズマPSから保護するために、コーティング層240を形成することができる。すなわち、前記コーティング層240は、ドライエッチング工程において工程ガスから来由の成分ではなく、意図的に予め形成したものである。保護機能を行うために、前記コーティング層240の厚みは、約100nmないし約1mmの範囲で選択されるが、それに限定されるものではない。
【0029】
一部実施形態において、前記コーティング層240は、フッ化炭素系を含むポリマーの単層によっても構成される。具体的には、前記コーティング層240は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)(PVDF-TrFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)及びポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)のうち選択されたいずれか1つでもある。そのような物質で形成される前記コーティング層240は、プラズマPSからエッジリング220を化学的に保護する機能を行うことができる。
【0030】
他の実施形態において、前記コーティング層240は、フェニルリング(phenyl ring)または環状カーボン(cyclic carbon)を含むポリマーの単層によっても構成される。具体的には、前記コーティング層240は、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)及びポリジシクロペンタジエン(pDCPD)のうち選択されたいずれか1つでもある。そのような物質で形成される前記コーティング層240は、プラズマPSからエッジリング220を物理的に保護する機能を行うことができる。
【0031】
さらに他の実施形態において、前記コーティング層240は、シリコン窒化物系を含むセラミックの単層によっても構成される。具体的には、前記コーティング層240は、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiON)及びシリコン炭窒化物(SiCN)のうち選択されたいずれか1つでもある。そのような物質で形成される前記コーティング層240は、プラズマPSからエッジリング220の相対的なエッチング率を減少させる機能を行うことができる。それに係わる詳細な内容は後述する。
【0032】
本発明のドライエッチング装置10には、前述の構成要素だけでなく、基板WFに対するプラズマエッチング工程が遂行される間、基板WFと工程チャンバー100の内部空間100Sとの温度を一定に維持するための温度制御手段(図示せず)、及びエッチング工程の反応副産物や残留工程ガスを排出するための排気手段(図示せず)がさらに配置されてもよい。
【0033】
一方、ドライエッチング装置10の被処理対象である基板WFは、半導体素子が形成される活性面、及び前記活性面に対向し、支持ユニット200に接触する不活性面を有することができる。前記活性面は、基板WFの前面(front-side surface)に該当し、前記不活性面は、基板WFの背面(back-side surface)に該当する。
【0034】
一般に、プラズマPSを利用したドライエッチング工程は、工程ガスがガス供給ユニット400を通じて工程チャンバー100の内部空間100Sに噴射されて生成されたプラズマPSを利用して、基板WF上のエッチング対象膜または基板WF自体を異方性エッチングする特徴を有する。しかし、プラズマPSは、基板WF上のエッチング対象物質膜または基板WF自体だけでなく、ドライエッチング装置10を構成するエッジリング220までエッチングし、所望しないオーバーエッチングが発生するという問題点がある。
【0035】
また、基板WFのプラズマエッチング工程において、基板の温度が約0℃以下である低温または極低温の環境で使用される工程ガスは、水素ガス(H)を含む。これにより、本発明者らは、エッジリング220上にエッチング副産物によって自然的に生成されるポリマー保護層が、エッジリング220を保護することができる十分な厚みに形成されないことが分かった。前述のように、低温または極低温の環境で使用される工程ガスは、エッチング対象膜の種類によって決定される。したがって、エッジリング220上に自然的に形成されるポリマー保護層の厚みを任意に調節するために、前記工程ガスの構成を異ならせることは実質的に困難である。
【0036】
これにより、本発明者らは、エッジリング220上に意図的に予めコーティング層240を形成する方式を採用した。適切な条件(例えば、コーティング層の構成物質、コーティング層の厚み)において、本発明者らは、エッジリング220上に予め形成されたコーティング層240が、プラズマPSからエッジリング220を十分に保護することができることが分かった。
【0037】
また、前記コーティング層240を、エッジリング220だけでなく、ドライエッチング装置10を構成し、プラズマPSに露出される他の構成要素(例えば、カバーリング、上部電極、下部電極、ライナー、バッフル(baffle)など)にも実質的に同様に適用可能であることは、本発明の技術分野において通常の技術者に自明であるので、具体的な説明は省略する。
【0038】
そのような方式により、本発明によるドライエッチング装置10は、エッジリング220上に意図的に予めコーティング層240を形成することにより、プラズマPSによってエッジリング220の上部表面が損傷されるという問題点を効果的に解決することができる。したがって、エッジリング220の寿命が延長され、ドライエッチング装置10に対するメンテナンス(maintenance)を行う周期を増やすことができる。これにより、究極的にドライエッチング装置10の信頼性及び生産性を高めることができる。
【0039】
図4及び図5は、それぞれ本発明の他の実施形態によるドライエッチング装置の一部を示す断面図である。
【0040】
後述するドライエッチング装置20、30を構成するほとんどの構成要素及び前記構成要素をなす物質は、図1ないし図3で説明したところと実質的に同一または類似している。したがって、前述のドライエッチング装置10との相違点を中心に説明する。
【0041】
説明の便宜上、ドライエッチング装置20、30は、図2のIII部分を拡大して示す拡大断面図を中心に説明する。
【0042】
図4を参照すれば、支持ユニット200Aにおいて、エッジリング220の上面を保護するために、二重層のコーティング層240Aが形成されたドライエッチング装置20を示す。
【0043】
本実施形態のドライエッチング装置20において、エッジリング220の上面には、第1コーティング層241及び第2コーティング層242を順次に含む二重層のコーティング層240Aが形成されうる。
【0044】
具体的には、前記コーティング層240Aは、互いに異なるポリマーの二重層によっても構成される。一部実施形態において、第1コーティング層241は、フッ化炭素系を含む第1ポリマーで構成され、第2コーティング層242は、フェニルリングまたは環状カーボンを含む第2ポリマーで構成される。他の実施形態において、第1コーティング層241は、フェニルリングまたは環状カーボンを含む第2ポリマーで構成され、第2コーティング層242は、フッ化炭素系を含む第1ポリマーで構成される。
【0045】
前記第1ポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)(PVDF-TrFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)及びポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)のうち選択されたいずれか1つでもある。そのような物質は、プラズマPS(図1参照)からエッジリング220を化学的に保護する機能を行うことができる。
【0046】
前記第2ポリマーは、フェニルリングまたは環状カーボンを含むポリマーの単層によっても構成される。具体的には、前記コーティング層240は、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)及びポリジシクロペンタジエン(pDCPD)のうち選択されたいずれか1つでもある。そのような物質は、プラズマPS(図1参照)からエッジリング220を物理的に保護する機能を行うことができる。
【0047】
本実施形態のドライエッチング装置20において、前記コーティング層240Aは、物理的及び化学的に、ドライエッチング工程中にプラズマPS(図1参照)からエッジリング220を保護することができる。
【0048】
図5を参照すれば、支持ユニット200Bにおいて、下部リング221及び前記下部リング221上に配置される上部リング222を含むエッジリング220Bを具備するドライエッチング装置30を示す。
【0049】
本実施形態のドライエッチング装置30は、静電チャック210に粘着性ゲルパッド230を利用して付着し、プラズマPS(図1参照)に露出されない下部リング221、及び前記下部リング221上に配置され、プラズマPS(図1参照)に露出される上部リング222で構成されるエッジリング220Bを含む。
【0050】
前記下部リング221は、シリコン、シリコン炭化物、シリコン窒化物、シリコン酸化物及びアルミニウム酸化物のうち選択されたいずれか1つを含んでもよい。
【0051】
一部実施形態において、前記上部リング222は、フッ化炭素系を含むポリマーで構成されるか、あるいはフェニルリングまたは環状カーボンを含むポリマーで構成される。具体的には、前記上部リング222は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ(フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン)(PVDF-TrFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)及びポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)のうち選択されたいずれか1つであるか、あるいはポリエーテルイミド(PEI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)及びポリジシクロペンタジエン(pDCPD)のうち選択されたいずれか1つでもある。
【0052】
他の実施形態において、前記上部リング222は、シリコン窒化物系を含むセラミックによっても構成される。具体的には、前記上部リング222は、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiON)及びシリコン炭窒化物(SiCN)のうち選択されたいずれか1つでもある。そのような物質で形成される前記上部リング222は、プラズマPS(図1参照)から上部リング222の相対的なエッチング率を減少させる機能を行うことができる。
【0053】
上部リング222は、前記プラズマPS(図1参照)に直接的に露出されうる。したがって、上部リング222は、前記プラズマPS(図1参照)から物理的及び化学的耐性を有する物質で形成される。すなわち、前記上部リング222は、ドライエッチング工程において前記下部リング221を保護することができる。保護機能を行うために、前記上部リング222の厚みは、約1mmないしエッジリング220Bの全体厚の約50%の範囲で選択されるが、それに限定されるものではない。
【0054】
また、本実施形態のドライエッチング装置30において、上部リング222を構成する物質の種類によって、下部リング221を構成する物質の種類が決定される。なぜならば、前記上部リング222と前記下部リング221とを構成するそれぞれの物質によって、エッジリング220Bの全体の誘電定数が決定されるためである。
【0055】
前記誘電定数は、工程チャンバー100(図1参照)の内部空間100S(図1参照)において、基板WF及びエッジリング220B上に形成されるプラズマPS(図1参照)のシースの境界面(点線で示す)までの距離dshを一定に維持することができる条件を満足するように提供されうる。前記距離dshが一定に維持されなければ、基板WFのエッジ付近で過度なエッチングが行われうる。したがって、エッジリング220Bの前記誘電定数を適切に調節するために、下部リング221及び上部リング222を構成する物質を適切に選択することができる。
【0056】
図6は、本発明の一実施形態によるドライエッチング装置に含まれる冷却ユニットを示す構成図である。
【0057】
図6を参照すれば、冷却ユニット300は、冷却流体が循環する冷却流体サイクル301、及び冷媒(refrigerant)が循環する冷媒サイクル303を含むこともできる。
【0058】
冷却流体サイクル301及び冷媒サイクル303は、熱交換器305を通じて連結されうる。前記熱交換器305は、冷媒と冷却流体との間の熱交換を行うことができる。
【0059】
冷却流体サイクル301は、冷却流体を加熱するように構成されたヒータ320、及び冷媒との熱交換を通じて冷却流体を冷却するように構成された熱交換器305を含むこともできる。前記支持ユニット200、熱交換器305及びヒータ320は、冷却流体が流動する流路を通じて連結され、前記流路には、冷却流体を循環させるためのポンプ340が装着されうる。
【0060】
冷却流体サイクル301は、熱交換器305を経由する冷却流体の流量と、ヒータ320を経由する冷却流体の流量とを調節するための三方バルブ(3-way valve)330を含むこともできる。例えば、冷却ユニット300は、三方バルブ330を通じて、熱交換器305を経由する冷却流体の流量と、ヒータ320を経由する冷却流体の流量とを調節し、支持ユニット200に供給される冷却流体の温度を調節することができる。冷却ユニット300は、熱交換器305を経由する冷却流体と、ヒータ320を経由する冷却流体とが混合した混合冷却流体を支持ユニット200に供給し、支持ユニット200及び支持ユニット200上の基板WFの温度を制御することができる。
【0061】
具体的には、クーラー310と冷却チャネル201の流出口とは、第1流路351によって連結され、クーラー310と支持ユニット200の冷却チャネル201の流入口とは、第2流路353によって連結され、ヒータ320は、第1流路351と第2流路353とを連結するバイパス流路355に設置されうる。バイパス流路355は、熱交換器305を経由せず、第1流路351と第2流路353とを直接連結することができる。バイパス流路355は、冷却流体の全部または一部が熱交換器305を経由せずに支持ユニット200に供給されるようにする。三方バルブ330は、第1流路351とバイパス流路355とが交差する地点に配置され、熱交換器305を経由する冷却流体の流量と、ヒータ320を経由する冷却流体の流量とを調節することができる。この場合、支持ユニット200に供給される冷却流体の温度は、熱交換器305を経由する冷却流体と、ヒータ320を経由する冷却流体との混合によっても決定される。
【0062】
冷媒サイクル303は、クーラー310と、冷媒が循環する冷媒流路311とを含むこともできる。クーラー310は、冷媒流路311に沿って流動する冷媒を冷却させるための各種装置を含む。例えば、クーラー310は、冷媒サイクル303を構成する凝縮器、圧縮器、膨脹バルブなどを含んでもよい。前記熱交換器305は、冷媒が流動する冷媒流路311から供給された冷媒と、第1流路351を通じて供給された冷却流体とを熱交換させ、冷却流体を冷却させることができる。
【0063】
本発明によるドライエッチング装置10において、三方バルブ330を通じて、熱交換器305を経由する流量と、ヒータ320を経由する流量とを調節し、冷却流体の温度を迅速に調節することができるので、低温または極低温のエッチング工程を遂行するのに好適な温度を迅速に基板WFに提供することができる。
【0064】
図7は、本発明の一実施形態によるドライエッチング装置において、物質による相対的なエッチング率を示すグラフである。
【0065】
図7を参照すれば、本発明者らは、互いに異なる物質の実験例を通じて、約0℃以下(グラフにおいて斜線部)である低温または極低温の環境において、コーティング層240(図2参照)がシリコン酸窒化物で構成される場合、シリコン酸化物の場合と比べて、相対的なエッチング率が約1/50に減少することが分かった。
例えば、約-100℃(グラフにおいて173K地点)において、シリコン酸化物(上方のグラフ)の相対的なエッチング率は、約110であり、シリコン酸窒化物(下方のグラフ)の相対的なエッチング率は、約1.4である。すなわち、本発明者らは、低温または極低温の環境において、相対的なエッチング率が低いシリコン酸窒化物をコーティング層240(図2参照)として利用すれば、エッジリング220(図2参照)を効率的に保護することができることが分かった。
【0066】
図8は、本発明の一実施形態によるドライエッチング装置に含まれるエッジリングを示す斜視図であり、図9は、図8のエッジリングが静電チャックに付着する過程を示す断面図である。
【0067】
図8及び図9を共に参照すれば、エッジリング220と、前記エッジリング220を静電チャック210に付着する様子を示す。
【0068】
エッジリング220は、ドライエッチング装置10(図1参照)において支持ユニット200(図1参照)の一部分として使用され、下部表面220B及び前記下部表面220Bに対向する上部表面220Tを有し、中心部に空いている空間220Hが形成された環状のボディからなる。
【0069】
まず、エッジリング220の上部表面220Tに、ポリマー系のコーティング層240またはセラミック系のコーティング層240を形成する。前記コーティング層240を構成する物質は、前述のところと同様であるので、ここで、詳細な説明を省略する。
【0070】
このように、エッジリング220の製作過程において、エッジリング220の上部表面220Tにコーティング層240を予め形成するので、前記コーティング層240は、ドライエッチング工程で発生する副産物であるポリマーとは形成時点が異なっており、膜質の均質性が異なっている。
【0071】
次いで、エッジリング220の下部表面220Bに粘着性ゲルパッド230を付着し、粘着性ゲルパッド230を利用して、エッジリング220を静電チャック210に接合することができる。すなわち、静電チャック210とエッジリング220とは、ボルトのような締結部材を使用せず、粘着性ゲルパッド230を通じて互いに接合される。前記粘着性ゲルパッド230は、接着性と熱伝導性とを有する物質で構成される。
【0072】
そのような方式により、本発明によるドライエッチング装置10は、エッジリング220上に意図的に予めコーティング層240を形成することにより、エッジリング220の寿命が延長され、ドライエッチング装置10(図1参照)に対するメンテナンスを行う周期を増やすことができる。これにより、究極的にドライエッチング装置10(図1参照)の信頼性及び生産性を高めることができる。
【0073】
図10は、本発明の一実施形態によるドライエッチング装置を利用する半導体素子のパターン形成工程を示すフローチャートである。
【0074】
図10を参照すれば、半導体素子のパターン形成工程S10は、第1ないし第6段階S110ないしS160の工程順序を含む。
【0075】
ある実施形態が異なって具現可能な場合に、特定の工程順序は、述べられる順序と異なって行われることもある。例えば、連続して述べられる2つの工程が実質的に同時に行われてもよく、述べられる順序と逆の順序で行われてもよい。
【0076】
本発明による半導体素子のパターン形成工程S10は、エッチング対象膜が形成された基板を準備する第1段階S110と、エッチング対象膜上にハードマスク形成層を形成する第2段階S120と、ハードマスク形成層上にフォトマスクパターンを形成する第3段階S130と、フォトマスクパターンをエッチングマスクとして利用して、ハードマスク形成層をエッチングし、ハードマスクパターンを形成する第4段階S140と、ハードマスクパターンをエッチングマスクとして利用して、エッチング対象膜をエッチングし、ホールパターンを形成する第5段階S150と、ハードマスクパターンを除去する第6段階S160とを含む。
【0077】
電子製品の小型化、多機能化及び高性能化が要求されるにつれて、高容量の半導体素子が要求され、高容量の半導体素子を提供するために、増加した集積度が要求されている。このように、半導体素子の集積度が増加するにつれて、半導体素子の構成要素に対するデザインルールが減少しており、高アスペクト比のパターンが要求されている。高度に縮小した半導体素子の製造工程において、エッチングプロファイルの不良などが発生し、高アスペクト比のパターンを形成することが次第に困難になっている。
【0078】
本発明による半導体素子のパターン形成工程S10は、エッチング対象膜に高アスペクト比のパターンを形成するためのプラズマドライエッチングを進行する過程において、ハードマスクの入口で発生するマスククロギング(mask clogging)不良を改善しながらも、コーティング層240を利用して、エッジリング220を十分に保護することができる。
【0079】
前記第1ないし第6段階S110ないしS160それぞれに係わる技術的特徴は、後述する図11ないし図15を通じて詳細に説明する。
【0080】
図11ないし図15は、図10の半導体素子のパターン形成工程を説明するために、工程順序によって示す断面図である。
【0081】
図11を参照すれば、半導体基板110上に、下部エッチング対象膜120、上部エッチング対象膜130、ハードマスク形成層140及びフォトマスクパターンPMを順次に形成することができる。
【0082】
半導体基板110は、半導体物質を含み、例えば、シリコン(Si)を含んでもよい。あるいは、前記半導体基板110は、ゲルマニウム(Ge)のような半導体元素物質、またはSiC(silicon carbide)、GaAs(gallium arsenide)、InAs(indium arsenide)及びInP(indium phosphide)のような化合物半導体物質を含むこともできる。一部実施形態において、前記半導体基板110は、SOI(silicon on insulator)構造を有することができる。前記半導体基板110は、導電領域、例えば、不純物がドーピングされたウェル(well)、または不純物がドーピングされた構造体などを含むこともできる。
【0083】
前記半導体基板110には、半導体素子が配置されうる。前記半導体素子は、メモリ素子及び/またはロジック素子を含んでもよい。また、前記半導体素子は、多様な種類の複数の個別素子を含むこともできる。前記複数の個別素子は、トランジスタ、ダイオード、キャパシタまたは抵抗体のうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0084】
前記半導体基板110上に、下部エッチング対象膜120及び上部エッチング対象膜130を形成することができる。一部実施形態において、下部エッチング対象膜120及び上部エッチング対象膜130は、互いに異なる絶縁物質でもある。例えば、下部エッチング対象膜120及び上部エッチング対象膜130は、シリコン酸化物及びシリコン窒化物が積層されて形成されたものでもある。下部エッチング対象膜120及び上部エッチング対象膜130は、形成される方法及び使用される用途によって、層間絶縁膜(Inter layer Dielectric: ILD)、金属間層間絶縁膜(Inter Metal Dielectric: IMD)、メモリ半導体素子の素子分離膜などでもある。
【0085】
前記下部エッチング対象膜120及び前記上部エッチング対象膜130の種類及び用途は、それに限定されるものではない。他の実施形態において、下部エッチング対象膜120及び上部エッチング対象膜130は、伝導性物質でもある。下部エッチング対象膜120及び上部エッチング対象膜130は、タングステン(W)、タングステン合金、銅(Cu)または銅合金を含んでもよい。あるいは、下部エッチング対象膜120及び上部エッチング対象膜130は、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、モリブデン(Mo)、金属シリサイド、またはそれらの組み合わせを含むこともできる。
【0086】
次いで、上部エッチング対象膜130上にハードマスク形成層140を形成することができる。ハードマスク形成層140は、上部エッチング対象膜130との関係において、エッチング選択比が高い、すなわち、高選択比を有する物質のうち選択される。一般に、ハードマスク形成層140は、色々なシリコン系物質及び/またはシリコン系物質に不純物が添加された物質が使用される。本発明の実施形態において、ハードマスク形成層140は、ホウ化ケイ素(Silicon Boride)及びシリコン(Si)で構成される物質を含むが、それに限定されるものではない。
【0087】
次いで、ハードマスク形成層140上にフォトレジストを塗布し、露光及び現像工程により、前記フォトレジストをパターニングし、フォトマスクパターンPMを形成することができる。前記フォトマスクパターンPMにより、エッチング対象膜である下部エッチング対象膜120及び上部エッチング対象膜130がエッチングされる領域が定義されうる。一部実施形態において、ハードマスク形成層140とフォトレジストとの間に、反射防止膜(Anti Reflective Coating: ARC)(図示せず)を形成することもできる。
【0088】
図12を参照すれば、フォトマスクパターンPMをエッチングマスクとして利用して、ハードマスク形成層140(図11参照)をエッチングし、ハードマスクパターン140Mを形成することができる。
【0089】
前記エッチング工程は、プラズマを利用するドライエッチング工程でもある。具体的には、半導体基板110が位置した方向にプラズマが噴射され、前記プラズマは、工程ガスのイオン及び/またはラジカルで構成され、前記半導体基板110上に形成されたハードマスク形成層140(図2参照)をエッチングするためのエッチング用プラズマとして役割を行うことができる。
【0090】
図13を参照すれば、フォトマスクパターンPM(図12参照)をアッシング及びストリップ工程によって除去することができる。
【0091】
次いで、ハードマスクパターン140Mをエッチングマスクとして利用して、水素ガス(H)及びフッ化炭素ガス(C)を含む工程ガスをエッチングガスEGとして利用して、上部エッチング対象膜130をエッチングすることができる。
【0092】
図14を参照すれば、ハードマスクパターン140M及び上部エッチング対象膜130をエッチングマスクとして利用して、下部エッチング対象膜120をエッチングし、下部エッチング対象膜120に複数のホールパターン120Hを形成することができる。
【0093】
一部実施形態において、下部エッチング対象膜120を貫通するように、複数のホールパターン120Hを形成し、半導体基板110の上面の一部が露出されうる。図面には、説明の便宜上、前記下部エッチング対象膜120の厚みを小さく示しているが、それに限定されるものではない。
【0094】
半導体基板110の温度が約0℃以下である低温または極低温の環境で使用される工程ガスは、水素ガス(H)を含む。これにより、エッチング副産物150が複数のホールパターン120Hの内側壁に形成されても、ハードマスクパターン140Mの入口を塞ぐ程度のマスククロギング不良は発生しない。
【0095】
図15を参照すれば、ハードマスクパターン140M(図14参照)を除去し、下部エッチング対象膜120及び上部エッチング対象膜130に、複数のホールパターン120Hのような高アスペクト比のパターンを形成する工程を完了することができる。
【0096】
ハードマスクパターン140M(図14参照)及びエッチング副産物150(図14参照)を、ウェットエッチング工程を通じて全て除去することができる。前記ウェットエッチング工程は、フッ化水素酸またはBOE(Buffered Oxide Etchant)溶液などのウェットエッチング溶液を利用して遂行することができる。前記ウェットエッチング工程は、前記下部エッチング対象膜120、上部エッチング対象膜130及び前記複数のホールパターン120Hに及ぼす影響を最小にする工程としても遂行される。
【0097】
このように、本発明によるドライエッチング装置10(図1参照)は、半導体基板110上に高アスペクト比の複数のホールパターン120Hを形成しながらも、低温または極低温の環境においてエッジリング220(図1参照)の上部表面が損傷されるという問題点を効果的に解決することができる。
【0098】
したがって、エッジリング220(図1参照)の寿命が延長され、ドライエッチング装置10(図1参照)に対するメンテナンスを行う周期を増やすことができる。これにより、究極的にドライエッチング装置10(図1参照)の信頼性及び生産性を高めることができる。
【0099】
以上、添付された図面を参照して、本発明の技術的思想の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明が、その技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態に実施可能であるということを理解できるであろう。したがって、前述の実施形態は、あらゆる面において例示的なものであり、限定的ではないものと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0100】
10 ドライエッチング装置
100 工程チャンバー
100S 内部空間
200 支持ユニット
201 冷却チャネル
210 静電チャック
220 エッジリング
230 粘着性ゲルパッド
240 コーティング層
300 冷却ユニット
400 ガス供給ユニット
410 ガス導入部
420 ガス分配プレート
430 シャワーヘッド
500 ガス供給源
510 ガス供給管
600 電源部
PS プラズマ
WF 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15