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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031944
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】磁界が低減された誘導加熱
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/36 20060101AFI20240229BHJP
【FI】
H05B6/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】29
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023135975
(22)【出願日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】63/373,672
(32)【優先日】2022-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/307,478
(32)【優先日】2023-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヴォス, ブレット アラン マクギネス
(72)【発明者】
【氏名】マットセン, マーク アール.
【テーマコード(参考)】
3K059
【Fターム(参考)】
3K059AA08
3K059AB13
3K059AD27
3K059CD44
3K059CD47
3K059CD63
(57)【要約】      (修正有)
【課題】誘導加熱回路の外側の磁界を低減した誘導加熱のための方法および装置を提供する。
【解決手段】誘導加熱システムおよび誘導加熱システムを形成する方法が提示される。誘導加熱システムは、導体、導体を取り囲むサセプタ、および磁界低減機構を備える。サセプタは、キュリー温度を有する。磁界低減機構は、誘導加熱デバイス内の誘導加熱システムのレイアウトとは無関係に、サセプタがキュリー温度にあるときに誘導加熱システムから漏れる磁界を低減するように、構成されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導加熱システム(208)であって、
導体(214)、
前記導体(214)を取り囲むサセプタ(216)であって、キュリー温度(220)を有するサセプタ(216)、および
誘導加熱デバイス(202)内の前記誘導加熱システム(208)のレイアウト(212)とは無関係に、前記サセプタ(216)が前記キュリー温度(220)にあるときに前記誘導加熱システム(208)から漏れる磁界(222)を低減するように構成された磁界低減機構(218)、
を備える誘導加熱システム(208)。
【請求項2】
前記磁界低減機構(218)が、前記サセプタ(216)を取り囲む遮蔽体(228)である、請求項1に記載の誘導加熱システム(208)。
【請求項3】
前記遮蔽体(228)が、導電性金属(230)の螺旋(232)を備える、請求項2に記載の誘導加熱システム(208)。
【請求項4】
前記遮蔽体(228)が、導電性金属(230)の編組(236)を備える、請求項2に記載の誘導加熱システム(208)。
【請求項5】
前記遮蔽体(228)が、導電性金属(230)の箔(234)を備える、請求項2に記載の誘導加熱システム(208)。
【請求項6】
前記遮蔽体(228)が、銅またはアルミニウムを含む、請求項2に記載の誘導加熱システム(208)。
【請求項7】
前記磁界低減機構(218)が、中心軸(244)の周りに撚られた(242)誘導加熱回路の対(240)の設計(238)を備え、誘導加熱回路の前記対(240)が、反対の電流方向(246)を有し、誘導加熱回路の前記対(240)のうちの第1の誘導加熱回路(231)が、前記導体(214)と前記サセプタ(216)を備える、請求項1に記載の誘導加熱システム(208)。
【請求項8】
前記誘導加熱システム(208)は、誘導加熱回路の前記対(240)が前記導体(214)と前記サセプタ(216)とで形成されるように、ベンド部(258)を備える、請求項7に記載の誘導加熱システム(208)。
【請求項9】
誘導加熱回路の前記対(240)が、第2の導体(254)と第2のサセプタ(256)とを備える第2の誘導加熱回路(250)をさらに備える、請求項7に記載の誘導加熱システム(208)。
【請求項10】
誘導加熱回路(231)であって、
導体(214)、
前記導体(214)を取り囲む、キュリー温度(220)を有するサセプタ(216)、および
前記サセプタ(216)が前記キュリー温度(220)にあるときに前記誘導加熱回路(231)から漏れる磁界(222)を低減するように構成された、前記サセプタ(216)と前記導体(214)とを取り囲む導電性金属(230)の遮蔽体(228)、
を備える誘導加熱回路(231)。
【請求項11】
前記遮蔽体(228)が、導電性金属(230)の螺旋(232)を備える、請求項10に記載の誘導加熱回路(231)。
【請求項12】
前記遮蔽体(228)が、導電性金属(230)の編組(236)を備える、請求項10に記載の誘導加熱回路(231)。
【請求項13】
前記遮蔽体(228)が、導電性金属(230)の箔(234)を備える、請求項10に記載の誘導加熱回路(231)。
【請求項14】
前記遮蔽体(228)が、銅またはアルミニウムを含む、請求項10に記載の誘導加熱回路(231)。
【請求項15】
第1の電流方向(248)を有する第1の誘導加熱回路(231)、ならびに
前記第1の誘導加熱回路(231)および中心軸(244)の周りに撚られた(242)第2の誘導加熱回路(250)であって、前記第1の電流方向(248)とは反対の第2の電流方向(252)を有する第2の誘導加熱回路(250)、
を備える誘導加熱システム(208)。
【請求項16】
前記第1の誘導加熱回路(231)と前記第2の誘導加熱回路(250)が、同じ導体(214)と、前記同じ導体(214)を取り囲む同じサセプタ(216)とによって形成されるように、前記第1の誘導加熱回路(231)と前記第2の誘導加熱回路(250)が、ベンド部(258)によって接続されている、請求項15に記載の誘導加熱システム(208)。
【請求項17】
前記第1の誘導加熱回路(231)と前記第2の誘導加熱回路(250)が、サセプタ(216)によって取り囲まれた別々の長さの導体(214)によって形成され、前記第1の誘導加熱回路(231)と前記第2の誘導加熱回路(250)が、別々の電気的バスを有する、請求項15に記載の誘導加熱システム(208)。
【請求項18】
前記第1の誘導加熱回路(231)と前記第2の誘導加熱回路(250)は各々、それぞれのサセプタ(216)が前記それぞれのサセプタ(216)のキュリー温度(220)にあるときに、それぞれの誘導加熱回路から漏れる磁界(222)を低減するように構成された遮蔽体(228)を備える、請求項15に記載の誘導加熱システム(208)。
【請求項19】
前記第1の誘導加熱回路(231)と前記第2の誘導加熱回路(250)の各々のための前記遮蔽体(228)が、導電性金属(230)を含み、編組(236)、箔(234)、または螺旋(232)のうちの少なくとも1つである、請求項18に記載の誘導加熱システム(208)。
【請求項20】
前記第1の誘導加熱回路(231)と前記第2の誘導加熱回路(250)が、誘導加熱回路の撚られた(242)対(240)であり、前記誘導加熱システム(208)が、
誘導加熱回路の前記撚られた(242)対(240)を取り囲む遮蔽体(228)であって、誘導加熱回路の前記撚られた(242)対(240)が誘導加熱回路の前記撚られた(242)対(240)のキュリー温度(220)にあるときに、誘導加熱回路の前記撚られた(242)対(240)から漏れる磁界(222)を低減するように構成された遮蔽体(228)を、
さらに備える、請求項15に記載の誘導加熱システム(208)。
【請求項21】
誘導加熱中に誘導加熱システム(208)から漏れる磁界(222)を低減する方法(1200)であって、
誘導加熱回路(231)を遮蔽体(228)で取り囲むこと(1202)であって、前記誘導加熱回路(231)は、導体(214)と、前記導体(214)を取り囲むサセプタ(216)とを備え、前記サセプタ(216)はキュリー温度(220)を有し、前記遮蔽体(228)は、前記サセプタ(216)が前記キュリー温度(220)にあるときに前記誘導加熱回路(231)から漏れる磁界(222)を低減するように構成されている、誘導加熱回路(231)を遮蔽体(228)で取り囲むこと(1202)、および
前記誘導加熱システム(208)を形成するために、前記誘導加熱回路(231)を誘導加熱デバイス(202)内で、あるレイアウト(212)に配置すること(1204)、
を含む方法(1200)。
【請求項22】
前記誘導加熱回路(231)を遮蔽体(228)で取り囲むことが、前記導体(214)と前記サセプタ(216)を導電性金属(230)の螺旋(232)で包むことを含む(1206)、請求項21に記載の方法(1200)。
【請求項23】
前記誘導加熱回路(231)を遮蔽体(228)で取り囲むことが、前記導体(214)と前記サセプタ(216)の周りに導電性金属(230)を編組することを含む(1208)、請求項21に記載の方法(1200)。
【請求項24】
前記誘導加熱回路(231)を遮蔽体(228)で取り囲むことが、前記導体(214)と前記サセプタ(216)を導電性金属(230)の箔(234)で包むことを含む(1210)、請求項21に記載の方法(1200)。
【請求項25】
前記誘導加熱回路(231)を遮蔽体(228)で取り囲むことが、前記導体(214)と前記サセプタ(216)の周りに導電性金属(230)を編組することと、前記導体(214)と前記サセプタ(216)を導電性金属(230)の箔(234)で包むことと、を含む(1212)、請求項21に記載の方法(1200)。
【請求項26】
前記誘導加熱回路(231)を、あるレイアウト(212)に配置することが、前記誘導加熱回路(231)を非サーペンタイン形状である前記レイアウト(212)に配置することを含む(1214)、請求項21に記載の方法(1200)。
【請求項27】
誘導加熱中に誘導加熱システム(208)から漏れる磁界(222)を低減する方法(1300)であって、
中心軸(244)の周りに撚られた(242)誘導加熱回路の対(240)であって、反対の電流方向(246)を有する誘導加熱回路の対(240)を形成するように、第1の誘導加熱回路(231)と第2の誘導加熱回路(250)を前記中心軸(244)の周りに巻き付けること(1302)、
前記第1の誘導加熱回路(231)と前記第2の誘導加熱回路(250)に電力を印加すること(1304)、および
電力が前記第1の誘導加熱回路(231)と前記第2の誘導加熱回路(250)に印加されているとき、前記第1の誘導加熱回路(231)と前記第2の誘導加熱回路(250)の各々からの前記磁界(222)を、前記反対の電流方向(246)によって打ち消すこと(1306)、
を含む方法(1300)。
【請求項28】
誘導加熱デバイス(202)内に前記誘導加熱システム(208)を形成するために、誘導加熱回路の前記対(240)を、あるレイアウト(212)に配置すること(1308)を、さらに含み、前記反対の電流方向(246)が、前記レイアウト(212)とは無関係に前記磁界(222)を打ち消す、請求項27に記載の方法(1300)。
【請求項29】
前記レイアウト(212)が、非サーペンタイン形状である(1310)、請求項28に記載の方法(1300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2022年8月26日に出願され、その全体が参照により本明細書に援用される「Induction Heating with Reduced Magnetic Fields」と題された米国仮出願第63/373,672号の利益を主張する。
【0002】
[0002] 本開示は、一般に、複合材料部品の脱オートクレーブ硬化のための方法および装置に関し、より詳細には、誘導加熱回路の外側の磁界を低減した誘導加熱のための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 従来の誘導加熱回路では、回路の導体に交流電流が流れることにより磁界が発生する。サセプタと導体は、サセプタのキュリー温度より低い温度では、その透磁率のため磁界がサセプタ内に集中するように設計されている。
【0004】
[0004] キュリー温度に達すると、サセプタは、非強磁性になる。サセプタが非強磁性になると、磁界は、サセプタ内に集中しなくなる。サセプタがそれぞれのキュリー温度に達すると、磁界は、従来の誘導加熱回路から漏れ出る。
【0005】
[0005] FCC規制には、電磁放出規制が含まれる。現在、誘導加熱回路は、隣接する回路からの長距離電磁効果を打ち消し、FCC規制の磁界限度値を下回るように、平行回路パターンで配置されている。いくつかの例では、FCC規制の磁界限度値を下回るように、より低い周波数が、誘導加熱回路において使用される。
【0006】
[0006] したがって、上述した問題および考えられる他の問題の少なくともいくつかを考慮した方法および装置を有することが望ましいであろう。例えば、誘導加熱回路のレイアウトの自由度が高いことが望ましい。いくつかの例では、より高い周波数の電源を使用することが望ましい。
【発明の概要】
【0007】
[0007] 本開示の一実施形態は、誘導加熱システムを提供する。誘導加熱システムは、導体、導体を取り囲むサセプタ、および磁界低減機構を備える。サセプタは、キュリー温度を有する。磁界低減機構は、誘導加熱デバイス内の誘導加熱システムのレイアウトとは無関係に、サセプタがキュリー温度にあるときに誘導加熱システムから漏れる磁界を低減するように、構成されている。
【0008】
[0008] 本開示の別の実施形態は、誘導加熱回路を提供する。誘導加熱回路は、導体と、導体を取り囲むキュリー温度を有するサセプタと、サセプタがキュリー温度にあるときに誘導加熱回路から漏れる磁界を低減するように構成された、サセプタおよび導体を取り囲む導電性金属の遮蔽体とを備える。
【0009】
[0009] 本開示の別の実施形態は、誘導加熱システムを提供する。誘導加熱システムは、第1の電流方向を有する第1の誘導加熱回路と、第1の誘導加熱回路および中心軸の周りに撚られた第2の誘導加熱回路とを備える。第2の誘導加熱回路は、第1の電流方向とは反対の第2の電流方向を有する。
【0010】
[0010] 本開示のさらなる実施形態は、誘導加熱中に誘導加熱システムから漏れる磁界を低減する方法を提供する。誘導加熱回路が、遮蔽体で取り囲まれている。誘導加熱回路は、導体と、導体を取り囲むサセプタを備える。サセプタは、キュリー温度を有し、遮蔽体は、サセプタがキュリー温度にあるときに誘導加熱回路から漏れる磁界を低減するように構成されている。誘導加熱回路は、誘導加熱デバイス内においてあるレイアウトに配置されて、誘導加熱システムを形成する。
【0011】
[0011] 本開示のさらに別の実施形態は、誘導加熱中に誘導加熱システムから漏れる磁界を低減する方法を提供する。第1の誘導加熱回路と第2の誘導加熱回路が、中心軸の周りに巻き付けられ、中心軸の周りに撚られた一対の誘導加熱回路を形成し、一対の誘導加熱回路は、反対の電流方向を有する。電力が、第1の誘導加熱回路と第2の誘導加熱回路に印加される。電力が第1の誘導加熱回路と第2の誘導加熱回路に印加されているとき、第1の誘導加熱回路と第2の誘導加熱回路の各々からの磁界は、反対の電流方向によって打ち消される。
【0012】
[0012] 特徴および機能は、本開示の様々な実施形態において独立して達成することができ、または、さらに他の実施形態では組み合わせてもよく、そのさらなる詳細は、以下の説明および図面を参照して理解され得る。
【0013】
[0013] 例示的な実施形態を特徴付けると考えられる新規な特徴が、添付の特許請求の範囲に記載されている。しかしながら、例示的な実施形態、ならびにその好ましい使用形態、さらなる目的、および特徴は、添付の図面と併せて、本開示の例示的な実施形態についての以下の詳細な説明を参照することによって、最もよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】例示的な実施形態が実施され得る航空機の説明図である。
図2】例示的な実施形態が実施され得る製造環境のブロック図である。
図3】例示的な実施形態による誘導加熱回路の断面図である。
図4】例示的な実施形態による誘導加熱回路の断面図である。
図5】例示的な実施形態による螺旋遮蔽体を有する誘導加熱回路の部分分解図である。
図6】例示的な実施形態による箔遮蔽体を有する誘導加熱回路の部分分解図である。
図7】例示的な実施形態による編組遮蔽体を有する誘導加熱回路の部分分解図である。
図8】例示的な実施形態による箔および編組遮蔽体を有する誘導加熱回路の部分分解図である。
図9】例示的な実施形態による誘導加熱回路の撚られた対を有する誘導加熱システムの側面図である。
図10】例示的な実施形態による誘導加熱回路の撚られた対を有する誘導加熱システムの断面図である。
図11】例示的な実施形態による誘導加熱回路の撚られた対を有する誘導加熱システムの断面図である。
図12】例示的な実施形態による、誘導加熱中に誘導加熱システムから漏れる磁界を低減する方法のフローチャートである。
図13】例示的な実施形態による、誘導加熱中に誘導加熱システムから漏れる磁界を低減する方法のフローチャートである。
図14】例示的な実施形態による、ブロック図の形態の航空機製造およびサービス方法の説明図である。
図15】例示的な実施形態が実施され得るブロック図の形態の航空機の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0029] 例示的な実施例は、1つ以上の異なる考慮事項を認識し、考慮している。例示的な実施例は、硬化プロセス中に部品の形状を維持する硬化ツールに支持された状態で部品に熱が加えられるオーブンまたはオートクレーブ内で複合材料部品が硬化され得ることを認識し、考慮している。例示的な実施例は、オートクレーブを使用して複合材料を硬化させる場合、望ましくない長さの時間または望ましくない量のエネルギーの少なくとも一方を使用する可能性があることを認識し、考慮している。
【0016】
[0030] 例示的な実施例は、オーブンまたはオートクレーブを必要とせずに複合材料部品を硬化させるために誘導加熱技術が開発されているが、これらの技術は、誘導電流の周波数および誘導ツールの設計によって制限されていることを認識し、考慮している。
【0017】
[0031] 例示的な実施例は、より高い周波数の電源が、強い電磁放出を発生させ得るより大きな電流を生成することを認識し、考慮している。例示的な実施例は、電磁ノイズが電子機器に干渉する可能性があることを認識し、考慮している。また、例示的な実施例は、電磁放出に関するFCC規制があることも認識し、考慮している。例示的な実施例は、渦電流が周囲の材料に望ましくない熱を発生させる可能性があることを認識し、考慮している。
【0018】
[0032] 例示的な実施例は、従来の誘導加熱回路が、隣接する回路からの電磁効果を打ち消すために平行回路パターンで配置されることを認識し、考慮している。例示的な実施例は、現在、誘導加熱回路では、FCC規制の磁界限度値を下回るように、より低い周波数が使用されていることを認識し、考慮している。
【0019】
[0033] 例示的な実施例は、強い電磁放出を発生させることなく、より高い周波数を有する電源を利用することが望ましい場合があることを認識し、考慮している。例示的な実施例は、誘導加熱ツールの設計においてより大きな自由度を持つことが望ましいことを認識し、考慮している。
【0020】
[0034] 例示的な実施例は、誘導加熱システムを提供する。誘導加熱システムは、導体、導体を取り囲むサセプタ、および磁界低減機構を備える。サセプタは、キュリー温度を有する。磁界低減機構は、誘導加熱デバイス内の誘導加熱システムのレイアウトとは無関係に、サセプタがキュリー温度にあるときに誘導加熱システムから漏れる磁界を低減するように、構成されている。例示的な実施例は、誘導加熱回路のレイアウトにより大きな自由度を提供する。例示的な実施例は、より弱い電磁放出を発生させる誘導加熱システムを提供する。
【0021】
[0035] 図1に目を向けると、例示的な実施形態による航空機の図が描かれている。航空機100は、胴体106に取り付けられた翼102と翼104を有する。航空機100は、翼102に取り付けられたエンジン108と、翼104に取り付けられたエンジン110を含む。
【0022】
[0036] 胴体106は、尾部112を有する。水平スタビライザー114、水平スタビライザー116、および垂直スタビライザー118が、胴体106の尾部112に取り付けられている。
【0023】
[0037] 航空機100は、磁界低減機構を有する誘導加熱システムを用いて製造することができる大型複合材料部品を有する航空機の一例である。例えば、胴体106、翼102、または翼104の一部は、磁界低減機構を有する誘導加熱システムを用いて製造することができる。
【0024】
[0038] 次に図2に目を向けると、例示的な実施形態が実施され得る製造環境のブロック図が描かれている。製造環境200は、航空機100の部品を製造できる製造環境である。例えば、胴体106、翼102、または翼104の一部は、製造環境200において誘導加熱デバイス202を用いて製造され得る。
【0025】
[0039] 誘導加熱デバイス202は、誘導加熱ブランケット204または硬質の誘導ツール206の形態をとることができる。誘導加熱デバイス202は、誘導加熱デバイス202内に熱を供給する誘導加熱システム208を備える。誘導加熱システム208は、誘導加熱デバイス202内のレイアウト212を有する誘導加熱回路のセット210を備える。本明細書において、項目の「セット」とは、1つ以上の項目のことである。例えば、誘導加熱回路のセット210は、1つ以上の誘導加熱回路である。
【0026】
[0040] 誘導加熱システム208は、導体214、導体214を取り囲むサセプタ216、および磁界低減機構218を備える。サセプタ216は、キュリー温度220を持つ。磁界低減機構218は、誘導加熱デバイス202内の誘導加熱システム208のレイアウト212とは無関係に、サセプタ216がキュリー温度220にあるときに誘導加熱システム208から漏れる磁界222を低減するように、構成されている。
【0027】
[0041] 磁界低減機構218は、磁界222の許容できない放出を伴わずに、誘導加熱回路のセット210のレイアウト212が従来の平行設計から逸脱することを可能にする。磁界低減機構218は、誘導加熱回路のセット210のレイアウト212が非サーペンタイン(非蛇行)形状になることを可能にする。
【0028】
[0042] いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱回路のセットをレイアウト212に配置することは、誘導加熱回路のセットを非サーペンタイン形状であるレイアウト212に配置することを含む。磁界低減機構218は、望ましくない量の磁気放出を伴わずに、誘導加熱回路のセット210の非サーペンタイン形状レイアウトを可能にする。
【0029】
[0043] サセプタ216は、金属、合金、または導電性で、材料に所望の操作を実行するための範囲内のキュリー温度220を有する任意の他の適切な材料からなる。いくつかの例示的な実施例では、サセプタ216は、鉄、コバルト、ニッケル、モリブデン、またはクロムのうちの少なくとも1つからなる。
【0030】
[0044] 電源224は、導体214に交流電流226を供給する。導体214は、交流電流226を受け取り、交流電流226に応答して磁界222を発生させる。導体214は、電気抵抗の低い任意の望ましい材料からなる。いくつかの例示的な実施例では、導体214は、誘導加熱ブランケット204において第1の誘導加熱回路231の使用を可能にするために、可撓性材料で形成される。いくつかの例示的な実施例では、導体214は、曲面での導体214の使用を可能にするために、可撓性材料で形成される。いくつかの例示的な実施例では、導体214は、リッツ線227からなる。
【0031】
[0045] サセプタ216は、導体214に隣接して配置された磁性材料である。磁性材料は、磁界222に応答して熱を発生させる。キュリー温度220は、サセプタ216が非強磁性になる温度である。磁界222によるサセプタ216の加熱は、サセプタ216がキュリー温度220に達すると停止する。
【0032】
[0046] サセプタ216は、「スマートサセプタ」と呼ばれることがある。サセプタ216は、導体214に沿って延びている。いくつかの例示的な実施例では、サセプタ216は、導体214に同軸に取り付けられ、磁界222に応答して誘導加熱するために導体214から電気的に絶縁されている。
【0033】
[0047] いくつかの例示的な実施例では、磁界低減機構218は、サセプタ216を取り囲む遮蔽体228を備える。遮蔽体228は、磁界222が第1の誘導加熱回路231から漏れるのを遮断する。磁界222を遮断することにより、遮蔽体228は、誘導加熱システム208から漏れる磁界222を減少させる。
【0034】
[0048] 遮蔽体228は、導電性金属230で形成されている。導電性金属230は、導電性、コスト、製造可能性の少なくとも1つに基づいて選択される。いくつかの例示的な実施例では、導電性金属230は、銅またはアルミニウムから選択される。いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体228は、銅またはアルミニウムからなる。
【0035】
[0049] いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体228は、サセプタ216がキュリー温度220に達した後に、磁界222が第1の誘導加熱回路231から出るのを、物理的に遮断する。いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体228は、サセプタ216がキュリー温度220に達した後に、遮蔽体228内の反対の磁界を伴う誘導電流を用いて、磁界222が第1の誘導加熱回路231から出るのを遮断する。
【0036】
[0050] いくつかの例示的な実施例では、磁界222を遮断するために誘導電流を使用する場合、わずかな熱が、遮蔽体228内に生じ得る。電流が印加されたときに遮蔽体228内に生じる熱を低減するために、遮蔽体228の導電性金属230の電気抵抗は、低い電気抵抗が選択される。いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体228は、磁界222の物理的遮断と磁界222の電流誘導遮断の組み合わせを含む。これらの例示的な実施例では、物理的遮断と電流誘導遮断の比率と組み合わせは、用途に基づいて設計される。
【0037】
[0051] いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体228は、導電性金属230の螺旋232を備える。いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体228は、導電性金属230の箔234を備える。いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体228は、導電性金属230の編組236を備える。
【0038】
[0052] いくつかの例示的な実施例では、磁界低減機構218は、中心軸244の周りに撚られた242誘導加熱回路の対240の設計238を備える。誘導加熱回路の対240は、反対の電流方向246を持つ。誘導加熱回路の対240の第1の誘導加熱回路231は、導体214とサセプタ216を備え、第1の電流方向248を有する。第2の電流方向252を有する第2の誘導加熱回路250は、サセプタ256と導体254を備える。
【0039】
[0053] いくつかの例示的な実施例において、誘導加熱システム208は、第1の電流方向248を有する第1の誘導加熱回路231と、第1の誘導加熱回路231および中心軸244の周りに撚られた242第2の誘導加熱回路250とを備え、第2の誘導加熱回路250は第2の電流方向252を有する。
【0040】
[0054] いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱回路の撚られた242対240は、より高い磁界(B)の強さを発生させる。これらの例示的な実施例では、ワイヤ間の間隔は、2xBとなる。磁界の強さが高いほど、キュリー温度220の降下が大きくなり、誘導加熱回路の撚られた242対240の「スマートさ」が向上する。
【0041】
[0055] 誘導加熱回路の撚られた242対240の設計238は、磁界222の打ち消しを提供する。第1の誘導加熱回路231と第2の誘導加熱回路250の間の磁界の強さが増加するが、誘導加熱回路のそれぞれが撚れているので、方向が変化する。いくつかの例示的な実施例では、第1の誘導加熱回路231と第2の誘導加熱回路250についての磁界の和は、従来の平行線設計よりもゼロにより近い。
【0042】
[0056] いくつかの例示的な実施例では、第1の誘導加熱回路231および第2の誘導加熱回路250は、第1の誘導加熱回路231および第2の誘導加熱回路250が同じ導体および導体を取り囲む同じサセプタによって形成されるように、ベンド(曲がり)部258によって接続されている。これらの例示的な実施例では、サセプタ216とサセプタ256は、単一の長さのサセプタで形成されている。これらの例示的な実施例では、誘導加熱システム208は、誘導加熱回路の対240が導体214とサセプタ216とで形成されるようなベンド部を備える。
【0043】
[0057] いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱回路の対240は、第2の導体である導体254と第2のサセプタであるサセプタ256とを備える第2の誘導加熱回路250を備える。これらの例示的な実施例において、第1の誘導加熱回路231および第2の誘導加熱回路250は、独立した長さのサセプタおよび独立した長さの導体を有する。
【0044】
[0058] いくつかの例示的な実施例では、第1の誘導加熱回路231は、導体214、導体214を取り囲むキュリー温度220を有するサセプタ216、ならびにサセプタ216および導体214を取り囲む導電性金属230の遮蔽体228を備える。遮蔽体228は、サセプタ216がキュリー温度220にあるときに第1の誘導加熱回路231から漏れる磁界222を低減するように構成されている。
【0045】
[0059] いくつかの例示的な実施例において、第1の誘導加熱回路231および第2の誘導加熱回路250は、サセプタに取り囲まれた別々の長さの導体によって形成され、第1の誘導加熱回路231および第2の誘導加熱回路250は、別々の電気的バスを有する。これらの例示的な実施例では、サセプタ216は、サセプタ256とは別の長さである。これらの例示的な実施例では、導体214は、導体254とは別の長さである。
【0046】
[0060] いくつかの例示的な実施例では、第1の誘導加熱回路231および第2の誘導加熱回路は各々、それぞれのサセプタがそれぞれのサセプタのキュリー温度にあるときに、それぞれの誘導加熱回路から漏れる磁界を低減するように構成された遮蔽体228を備える。第1の誘導加熱回路231と第2の誘導加熱回路250の各々における遮蔽体228は、導電性金属からなり、編組、箔、または螺旋の少なくとも1つである。
【0047】
[0061] 磁界低減機構218は、望ましくない磁気放出を伴わずに、誘導加熱回路のセット210の隣接部分間の間隔を大きくすることを可能にする。磁界低減機構218は、望ましくない磁気放出を伴わずに、非サーペンタイン形状のレイアウト212を可能にする。磁界低減機構218はまた、望ましくない磁気放出を伴わずに、より大きな径の誘導加熱回路のセット210を可能にする。磁界低減機構218は、望ましくない磁気放出を伴わずに、より高い周波数の電源224の使用を可能にする。レイアウト212において間隔を大きくした、より大きな径の誘導加熱回路のセット210を使用することにより、硬質の誘導ツール206の製造難易度と製造コストを低減することができる。誘導加熱回路のセット210は、硬質の誘導ツール206内の削られた溝に配置される。削られる溝の量を減らすことで、硬質の誘導ツール206の製造難易度または製造コストの少なくとも一方が低減される。削られる溝のレイアウトの難易度を下げることにより、硬質の誘導ツール206の製造難易度または製造コストの少なくとも一方が低減される。
【0048】
[0062] 図2の誘導加熱デバイス202の図は、例示的な実施形態が実施され得る態様に対する物理的または構造上の制限を意味するものではない。図示されたものに加えて、あるいは代えて、他の部品を使用することもできる。不要な部品もあるかもしれない。また、いくつかの機能部品を示すためにブロックが示されている。例示的な実施形態で実施される場合、これらのブロックの1つ以上を組み合わせたり、分割したり、組み合わせて異なるブロックに分割したりすることができる。
【0049】
[0063] 例えば、熱センサが、誘導加熱デバイス202内に存在し得る。別の例として、第2の誘導加熱回路250は、任意選択であってもよい。
【0050】
[0064] 別の例として、遮蔽体228は第1の誘導加熱回路231に関連付けられたものとして描かれているが、遮蔽体228は、誘導加熱回路のセット210内の任意の望ましい誘導加熱回路に関連付けることができる。いくつかの例示的な実施例では、第1の誘導加熱回路231と第2の誘導加熱回路250の各々が、別々の遮蔽体228を有する。例えば、第1の誘導加熱回路231は、導体214とサセプタ216の周囲に遮蔽体228を有することができるが、第2の誘導加熱回路250は、サセプタ256と導体254の周囲に別の長さの遮蔽体228を有することができる。いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体228は、遮蔽体228がサセプタ216、導体214、サセプタ256、および導体254を取り囲むように、第1の誘導加熱回路231および第2の誘導加熱回路250の両方を包み込んでいる。遮蔽体228が第1の誘導加熱回路231と第2の誘導加熱回路250の両方を取り囲む場合、遮蔽体228は、第1の誘導加熱回路231と第2の誘導加熱回路250の「共有遮蔽体」と呼ばれることがある。第1の誘導加熱回路231と第2の誘導加熱回路250の両方で共有される遮蔽体228の直径は、第1の誘導加熱回路231と第2の誘導加熱回路250を個別に取り囲む遮蔽体228の直径よりも大きい。
【0051】
[0065] これらの例示的な実施例では、第1の誘導加熱回路231および第2の誘導加熱回路250は、誘導加熱回路の撚られた242対240である。いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体228は、誘導加熱回路の撚られた242対240を取り囲み、遮蔽体228は、誘導加熱回路の撚られた242対240が誘導加熱回路の撚られた242対240のキュリー温度220にあるとき、誘導加熱回路の撚られた242対240から漏れる磁界222を低減するように構成されている。
【0052】
[0066] 次に図3に目を向けると、例示的な実施形態による誘導加熱回路の断面図が、描かれている。誘導加熱回路300は、図2の第1の誘導加熱回路231の物理的実施態様である。
【0053】
[0067] 誘導加熱回路300は、導体302、サセプタ304、および磁界低減機構306を備える。サセプタ304は、導体302を取り囲んでいる。サセプタ304は、導体302と同軸である。サセプタ304はスリーブとして描かれているが、サセプタ304は、任意の望ましい形態をとることができる。いくつかの例示的な実施例では、サセプタ304は、螺旋、コイル、複数の短いスリーブの形態、または導体302を取り囲むための任意の他の望ましい形態をとる。
【0054】
[0068] 磁界低減機構306は、誘導加熱回路300を有する誘導加熱システムのレイアウトとは無関係に、サセプタ304がキュリー温度にあるときに誘導加熱回路300から漏れる磁界を低減するように、構成されている。磁界低減機構306は、遮蔽体308の形態をとる。遮蔽体308は、サセプタ 304 を取り囲んでいる。遮蔽体308は、導電性金属であり、螺旋、編組、箔のうちの1つである。遮蔽体308は、サセプタ304がキュリー温度に達した後に、誘導加熱回路300から磁界が出るのを、物理的に遮断するか、または誘導電流を用いて磁界を遮断するかの少なくとも一方によって遮断する。
【0055】
[0069] 次に図4に目を向けると、例示的な実施形態による誘導加熱回路の断面図が、描かれている。誘導加熱回路400は、図2の第1の誘導加熱回路231の物理的実施態様である。
【0056】
[0070] 誘導加熱回路400は、導体402、サセプタ404、および磁界低減機構406を備える。サセプタ404は、導体402を取り囲んでいる。サセプタ404は、導体402と同軸である。サセプタ404はスリーブとして描かれているが、サセプタ404は、任意の望ましい形態をとることができる。いくつかの例示的な実施例では、サセプタ404は、螺旋、コイル、複数の短いスリーブの形態、または導体402を取り囲むための任意の他の望ましい形態をとる。
【0057】
[0071] 磁界低減機構406は、遮蔽体408の形態をとる。遮蔽体408は、サセプタ404を取り囲んでいる。この例示的な実施例では、遮蔽体408は、第1の層410と第2の層412を備える。第1の層410と第2の層412は、螺旋、箔、編組から選択された2つの異なるタイプの導電性金属の遮蔽体を備える。遮蔽体408は、サセプタ404がキュリー温度に達した後に、誘導加熱回路400から磁界が出るのを、物理的に遮断するか、または誘導電流を用いて磁界を遮断するかの少なくとも一方によって遮断する。
【0058】
[0072] 次に図5に目を向けると、例示的な実施形態による螺旋遮蔽体を有する誘導加熱回路の部分分解図が、描かれている。誘導加熱回路500は、図2の第1の誘導加熱回路231の物理的実施態様である。誘導加熱回路500は、図3の誘導加熱回路300の物理的実施態様である。
【0059】
[0073] 誘導加熱回路500は、導体502、サセプタ504、および磁界低減機構506を備える。サセプタ504は、導体502を取り囲んでいる。サセプタ504は、導体502と同軸である。サセプタ504はスリーブとして描かれているが、サセプタ504は、任意の望ましい形態をとることができる。いくつかの例示的な実施例では、サセプタ504は、螺旋、コイル、複数の短いスリーブの形態、または導体502を取り囲むための任意の他の望ましい形態をとる。
【0060】
[0074] 磁界低減機構506は、遮蔽体508の形態をとる。遮蔽体508は、サセプタ504を取り囲んでいる。この例示的な実施例では、遮蔽体508は、導電性金属で形成された螺旋510を備える。外装512は、任意選択の、ポリマー材料の層を提供する。取り扱いを容易にするため、外装512を設けることができる。
【0061】
[0075] 次に図6に目を向けると、例示的な実施形態による箔遮蔽体を有する誘導加熱回路の部分分解図が、描かれている。誘導加熱回路600は、図2の第1の誘導加熱回路231の物理的実施態様である。誘導加熱回路600は、図3の誘導加熱回路300の物理的実施態様である。
【0062】
[0076] 誘導加熱回路600は、導体602、サセプタ604、および磁界低減機構606を備える。サセプタ604は、導体602を取り囲んでいる。サセプタ604は、導体602と同軸である。サセプタ604はスリーブとして描かれているが、サセプタ604は、任意の望ましい形態をとることができる。いくつかの例示的な実施例では、サセプタ604は、螺旋、コイル、複数の短いスリーブの形態、または導体602を取り囲むための任意の他の望ましい形態をとる。
【0063】
[0077] 磁界低減機構606は、遮蔽体608の形態をとる。遮蔽体608は、サセプタ604を取り囲んでいる。この例示的な実施例では、遮蔽体608は、導電性金属で形成された箔610を備える。外装612は、任意選択の、ポリマー材料の層を提供する。取り扱いを容易にするため、外装612を設けることができる。
【0064】
[0078] 次に図7に目を向けると、例示的な実施形態による編組遮蔽体を有する誘導加熱回路の部分分解図が、描かれている。誘導加熱回路700は、図2の第1の誘導加熱回路231の物理的実施態様である。誘導加熱回路700は、図3の誘導加熱回路300の物理的実施態様である。
【0065】
[0079] 誘導加熱回路700は、導体702、サセプタ704、および磁界低減機構706を備える。サセプタ704は、導体702を取り囲んでいる。サセプタ704は、導体702と同軸である。サセプタ704はスリーブとして描かれているが、サセプタ704は、任意の望ましい形態をとることができる。いくつかの例示的な実施例では、サセプタ704は、螺旋、コイル、複数の短いスリーブの形態、または導体702を取り囲むための任意の他の望ましい形態をとる。
【0066】
[0080] 磁界低減機構706は、遮蔽体708の形態をとる。遮蔽体708は、サセプタ704を取り囲んでいる。この例示的な実施例では、遮蔽体708は、導電性金属で形成された編組710を備える。外装712は、任意選択の、ポリマー材料の層を提供する。取り扱いを容易にするため、外装712を設けることができる。
【0067】
[0081] 次に図8に目を向けると、例示的な実施形態による箔および編組遮蔽体を有する誘導加熱回路の部分分解図が、描かれている。誘導加熱回路800は、図2の第1の誘導加熱回路231の物理的実施態様である。誘導加熱回路800は、図3の誘導加熱回路300の物理的実施態様である。
【0068】
[0082] 誘導加熱回路800は、導体802、サセプタ804、および磁界低減機構806を備える。サセプタ804は、導体802を取り囲んでいる。サセプタ804は、導体802と同軸である。サセプタ804はスリーブとして描かれているが、サセプタ804は、任意の望ましい形態をとることができる。いくつかの例示的な実施例では、サセプタ804は、螺旋、コイル、複数の短いスリーブの形態、または導体802を取り囲むための任意の他の望ましい形態をとる。
【0069】
[0083] 磁界低減機構806は、遮蔽体808の形態をとる。遮蔽体808は、サセプタ804を取り囲んでいる。この例示的な実施例では、遮蔽体808は、第1の層810と第2の層812を備える。第1の層810と第2の層812は、螺旋、箔、編組から選択された2つの異なるタイプの導電性金属の遮蔽体を備える。
【0070】
[0084] いくつかの例示的な実施例では、第1の層810は、導電性金属の編組を備え、第2の層812は、導電性金属の箔を備える。図示の例では、第1の層810は、導電性金属の箔を備え、第2の層812は、導電性金属の編組を備える。螺旋、箔、編組のうちの少なくとも1つの他の組み合わせを使用することもできる。外装814は、任意選択の、ポリマー材料の層を提供する。取り扱いを容易にするため、外装814を設けることができる。
【0071】
[0085] 次に図9に目を向けると、例示的な実施形態による誘導加熱回路の撚られた対を有する誘導加熱システムの側面図が、描かれている。誘導加熱システム900は、図2の誘導加熱システム208の物理的実施態様である。
【0072】
[0086] 誘導加熱システム900は、第1の電流方向を有する第1の誘導加熱回路902と、第1の誘導加熱回路902および中心軸906の周りに撚られた第2の誘導加熱回路904とを備える。第2の誘導加熱回路904は、第1の電流方向とは反対の第2の電流方向を有する。
【0073】
[0087] いくつかの例示的な実施例では、第1の誘導加熱回路902および第2の誘導加熱回路904は、第1の誘導加熱回路902および第2の誘導加熱回路904が同じ導体および導体を取り囲む同じサセプタによって形成されるように、ベンド部(描かれていない)によって接続されている。いくつかの例示的な実施例では、第1の誘導加熱回路902および第2の誘導加熱回路904は、サセプタに取り囲まれた別々の長さの導体によって形成されている。これらの例示的な実施例では、第1の誘導加熱回路902と第2の誘導加熱回路904は、別々の電気的バスを有する。いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱システム900の磁界低減機構は、反対の電流の電磁的打ち消しによって提供される。
【0074】
[0088] いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱システム900の磁界低減機構は、電磁的打ち消しと遮蔽体の両方によって提供される。いくつかの例示的な実施例では、第1の誘導加熱回路902および第2の誘導加熱回路904は各々、それぞれのサセプタがそれぞれのサセプタのキュリー温度にあるときに、それぞれの誘導加熱回路から漏れる磁界を低減するように構成された遮蔽体を備える。いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体(描かれていない)は、1つの長さであり、第1の誘導加熱回路902および第2の誘導加熱回路904の撚りにより、誘導加熱システム900内で巻かれている。他の例示的な実施例では、第1の誘導加熱回路902および第2の誘導加熱回路904の遮蔽体(描かれていない)は、2つの別々の長さの遮蔽体である。
【0075】
[0089] いくつかの例示的な実施例では、第1の誘導加熱回路および第2の誘導加熱回路の各々の遮蔽体は、導電性金属からなり、編組、箔、または螺旋のうちの少なくとも1つである。いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱システム900内に遮蔽体は存在しない。いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体は、第1の誘導加熱回路902または第2の誘導加熱回路904のうちの一方の周囲にのみ存在し得る。
【0076】
[0090] 次に図10に目を向けると、例示的な実施形態による誘導加熱回路の撚られた対を有する誘導加熱システムの断面図が、描かれている。誘導加熱システム1000は、図2の誘導加熱システム208の物理的実施態様である。いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱システム1000は、各誘導加熱回路の周囲に遮蔽体を有する誘導加熱システム900の実施態様である。
【0077】
[0091] 誘導加熱システム1000は、誘導加熱回路の対1001を備える。誘導加熱システム1000は、第1の電流方向を有する第1の誘導加熱回路1002と、第1の誘導加熱回路1002および中心軸1005の周りに撚られた第2の誘導加熱回路1004とを備える。第2の誘導加熱回路1004は、第1の電流方向とは反対の第2の電流方向を有する。
【0078】
[0092] この例示的な実施例では、磁界低減機構は、中心軸1005の周りに撚られた誘導加熱回路の対1001の設計を備える。誘導加熱回路の対1001は、反対の電流方向を有する。サセプタ1008とサセプタ1014がキュリー温度に達したとき、磁界は、電流方向が反対であるために打ち消される。第1の誘導加熱回路1002と第2の誘導加熱回路1004の電流方向が反対であるため、互いの磁界が打ち消される。
【0079】
[0093] 誘導加熱回路の対1001の第1の誘導加熱回路1002は、導体1006とサセプタ1008を備える。いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱システム1000は、誘導加熱回路の対1001が1つの長さの導体およびサセプタで形成されるようなベンド部(描かれていない)を備える。これらの例示的な実施例では、導体1006と導体1012は、単一の長さの導電性金属で形成されている。これらの例示的な実施例では、サセプタ1008とサセプタ1014は、単一の長さのサセプタで形成されている。
【0080】
[0094] いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱回路の対1001は、第2の導体と第2のサセプタとを備える第2の誘導加熱回路1004を備える。これらの例示的な実施例では、導体1006と導体1012は、別々の長さの導電性材料で形成されている。これらの例示的な実施例では、サセプタ1008とサセプタ1014は、別々の長さのサセプタで形成されている。これらの例示的な実施例では、第1の誘導加熱回路1002と第2の誘導加熱回路1004は、2つの別々の電気的バスを利用する。
【0081】
[0095] いくつかの例示的な実施例では、磁界低減機構は、サセプタ1008を取り囲む遮蔽体1010を、さらに備える。遮蔽体1010は、磁界が第1の誘導加熱回路1002から漏れるのを遮断する。磁界を遮断することにより、遮蔽体1010は、誘導加熱システム1000から漏れる磁界を減少させる。
【0082】
[0096] いくつかの例示的な実施例では、磁界低減機構は、サセプタ1014を取り囲む遮蔽体1016を、さらに備える。遮蔽体1016は、磁界が第2の誘導加熱回路1004から漏れるのを遮断する。磁界を遮断することにより、遮蔽体1016は、誘導加熱システム1000から漏れる磁界を減少させる。
【0083】
[0097] 遮蔽体1010および遮蔽体1016は、導電性金属で形成されている。いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体1010または遮蔽体1016の少なくとも一方は、導電性金属の螺旋を備える。いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体1010または遮蔽体1016の少なくとも一方は、導電性金属の箔を備える。いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体1010または遮蔽体1016の少なくとも一方は、導電性金属の編組を備える。
【0084】
[0098] いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体1010と遮蔽体1016は、個別かつ別々の長さの遮蔽体である。いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体1010と遮蔽体1016は、ベンド部によって接続されており、連続した長さの遮蔽体の一部である。
【0085】
[0099] 次に図11に目を向けると、例示的な実施形態による、撚られた対を有する誘導加熱回路の断面図が、描かれている。誘導加熱システム1100は、図2の誘導加熱システム208の物理的実施態様である。いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱システム1100は、両方の誘導加熱回路を取り囲む遮蔽体を有する誘導加熱システム900の実施態様である。
【0086】
[00100] 誘導加熱システム1100は、誘導加熱回路の対1101を備える。誘導加熱システム1100は、第1の電流方向を有する第1の誘導加熱回路1102と、第1の誘導加熱回路1102および中心軸1105の周りに撚られた第2の誘導加熱回路1104とを備える。第2の誘導加熱回路1104は、第1の電流方向とは反対の第2の電流方向を有する。
【0087】
[00101] この例示的な実施例では、磁界低減機構は、中心軸1105の周りに撚られた誘導加熱回路の対1101の設計を備える。誘導加熱回路の対1101は、反対の電流方向を有する。サセプタ1108とサセプタ1112がキュリー温度に達したとき、磁界は、電流方向が反対であるために打ち消される。第1の誘導加熱回路1102と第2の誘導加熱回路1104の電流方向が反対であるため、互いの磁界が打ち消される。
【0088】
[00102] 誘導加熱回路の対1101の第1の誘導加熱回路1102は、導体1106とサセプタ1108を備える。いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱システム1100は、誘導加熱回路の対1101が1つの長さの導体およびサセプタで形成されるようなベンド部(描かれていない)を備える。これらの例示的な実施例では、導体1106と導体1110は、単一の長さの導電性金属で形成されている。これらの例示的な実施例では、サセプタ1108とサセプタ1112は、単一の長さのサセプタで形成されている。
【0089】
[00103] いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱回路の対1101は、第2の導体と第2のサセプタとを備える第2の誘導加熱回路1104を備える。これらの例示的な実施例では、導体1106と導体1110は、別々の長さの導電性材料で形成されている。これらの例示的な実施例では、サセプタ1108とサセプタ1112は、別々の長さのサセプタで形成されている。これらの例示的な実施例では、第1の誘導加熱回路1102と第2の誘導加熱回路1104は、2つの別々の電気的バスを利用する。
【0090】
[00104] いくつかの例示的な実施例では、磁界低減機構は、サセプタ1108とサセプタ1112を取り囲む遮蔽体1114を、さらに備える。遮蔽体1114は、磁界が第1の誘導加熱回路1102および第2の誘導加熱回路1104から漏れるのを遮断する。磁界を遮断することにより、遮蔽体1114は、誘導加熱システム1100から漏れる磁界を減少させる。
【0091】
[00105] 遮蔽体1114は、導電性金属で形成されている。いくつかの例示的な実施例では、遮蔽体1114は、導電性金属の螺旋、導電性金属の箔、または導電性金属の編組のうちの少なくとも1つを備える。
【0092】
[00106] 誘導加熱システム1100では、遮蔽体1114は、第1の誘導加熱回路1102と第2の誘導加熱回路1104の両方を包み込んでいる。遮蔽体1114は、個々の誘導加熱回路を取り囲む図10の遮蔽体1010および遮蔽体1016の両方よりも大きな直径を有する。
【0093】
[00107] 誘導加熱システム1000と誘導加熱システム1100の両方が、遮蔽体を伴って描かれている。しかしながら、いくつかの図示されていない実施例では、図9の誘導加熱システム900などの、誘導回路の撚られた対を有する誘導加熱システムを、遮蔽体なしで利用することができる。
【0094】
[00108] 次に図12に目を向けると、例示的な実施形態による、誘導加熱中に誘導加熱システムから漏れる磁界を低減する方法のフローチャートが、描かれている。方法1200は、図2の誘導加熱システム208を形成するために使用することができる。方法1200は、図3の誘導加熱回路300、図4の誘導加熱回路400、図5の誘導加熱回路500、図6の誘導加熱回路600、図7の誘導加熱回路700、または図8の誘導加熱回路800のいずれかを形成するために使用することができる。
【0095】
[00109] 方法1200は、誘導加熱回路を遮蔽体で取り囲み、誘導加熱回路は、導体と、導体を囲むサセプタとを備え、サセプタはキュリー温度を有し、遮蔽体は、サセプタがキュリー温度にあるときに誘導加熱回路から漏れる磁界を低減するように構成されている(操作1202)。方法1200は、誘導加熱回路を誘導加熱デバイス内において、あるレイアウトに配置し、誘導加熱システムを形成する(操作1204)。その後、方法1200は終了する。
【0096】
[00110] いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱回路を遮蔽体で取り囲むことは、導電性金属の螺旋で導体とサセプタを包むことを含む(操作1206)。いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱回路を遮蔽体で取り囲むことは、導体とサセプタの周りに導電性金属を編組することを含む(操作1208)。いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱回路を遮蔽体で取り囲むことは、導電性金属の箔で導体とサセプタを包むことを含む(操作1210)。いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱回路を遮蔽体で取り囲むことは、導体およびサセプタの周りに導電性金属を編組することと、導体およびサセプタを導電性金属の箔で包むことと、を含む(操作1212)。
【0097】
[00111] いくつかの例示的な実施例では、誘導加熱回路をあるレイアウトに配置することは、誘導加熱回路を非サーペンタイン形状のレイアウトに配置することを含む(操作1214)。遮蔽体は、望ましくない量の磁気放出を伴わない誘導加熱回路の非サーペンタイン形状レイアウトを可能にする。
【0098】
[00112] 次に図13に目を向けると、例示的な実施形態による、誘導加熱中に誘導加熱システムから漏れる磁界を低減する方法のフローチャートが、描かれている。方法1300は、図2の誘導加熱システム208を形成するために使用することができる。方法1300は、図9の誘導加熱システム900、図10の誘導加熱システム1000、または図11の誘導加熱システム1100のいずれかを形成するために使用することができる。
【0099】
[00113] 方法1300は、第1の誘導加熱回路と第2の誘導加熱回路を中心軸の周りに巻き付けて、中心軸の周りに撚られた一対の誘導加熱回路を形成し、一対の誘導加熱回路は、反対の電流方向を有する(操作1302)。方法1300は、第1の誘導加熱回路および第2の誘導加熱回路に電力を印加する(操作1304)。方法1300は、電力が第1の誘導加熱回路と第2の誘導加熱回路に印加されているとき、第1の誘導加熱回路と第2の誘導加熱回路の各々からの磁界を、反対の電流方向によって打ち消す(操作1306)。その後、方法1300は終了する。
【0100】
[00114] いくつかの例示的な実施例では、方法1300は、誘導加熱デバイス内に誘導加熱システムを形成するために、一対の誘導加熱回路をあるレイアウトに配置することを、さらに含み、ここで、反対の電流方向が、レイアウトとは無関係に磁界を打ち消す(操作1308)。いくつかの例示的な実施例では、レイアウトは、非サーペンタイン形状である(操作1310)。
【0101】
[00115] 本明細書において、「~のうちの少なくとも1つ」という語句は、項目のリストとともに使用される場合、リストの項目のうちの1つ以上の項目の様々な組み合わせを使用することができるが、リスト内の各項目のうちの1つのみが必要とされればよい、ということを意味する。例えば、「項目A、項目B、または項目Cのうちの少なくとも1つ」とは、限定するものではないが、項目A、項目Aおよび項目B、または、項目Bを含むことができる。この例はまた、項目A、項目B、および項目C、または、項目Bおよび項目Cを含むこともできる。もちろん、これらの項目の任意の組み合わせが存在し得る。他の例では、「~のうちの少なくとも1つ」とは、例えば、限定されないが、項目Aが2個;項目Bが1個;項目Cが10個;項目Bが4個と項目Cが7個;または他の適切な組み合わせであってよい。項目は、ある特定の物体、事物、またはカテゴリであり得る。言い換えると、「~のうちの少なくとも1つ」とは、リストから任意の組み合わせの項目および任意の数の項目を使用することができるが、リスト内の項目の全てが必要なわけではない、ということを意味する。
【0102】
[00116] 描かれている様々な実施形態におけるフローチャートおよびブロック図は、例示的な実施形態における装置および方法のいくつかの可能な実施態様のアーキテクチャ、機能、および操作を示す。これに関して、フローチャートまたはブロック図における各ブロックは、モジュール、セグメント、機能、または操作もしくはステップの一部のうちの少なくとも1つを表すことができる。
【0103】
[00117] 例示的な実施形態のいくつかの代替的な実施態様では、ブロックに記された機能(複数可)は、図に記された順序から外れて発生することができる。例えば、場合によっては、連続して示された2つのブロックが実質的に同時に実行されることもあれば、関係する機能に応じて、ブロックが逆の順序で実行されることもある。また、フローチャートやブロック図に図示されているブロックに加えて、他のブロックを追加することもできる。一部のブロックは、任意選択であってもよい。例えば、操作1212から操作1218のいずれかが、任意選択であってもよい。
【0104】
[00118] 本開示の例示的な実施形態が、図14に示されるような航空機製造およびサービス方法1400、ならびに図15に示されるような航空機1500の文脈で説明され得る。最初に図14に目を向けると、例示的な実施形態による航空機の製造およびサービスの方法の図が描かれている。生産開始前の間、航空機製造およびサービス方法1400は、図15の航空機1500の仕様および設計1402、ならびに材料調達1404を含み得る。
【0105】
[00119] 生産中、航空機1500のコンポーネントおよびサブアセンブリの製造1406、ならびにシステムインテグレーション1408が行われる。その後、航空機1500は、運航1412に供されるために、認証および引渡し1410を経ることができる。顧客による運航1412の間、航空機1500には、改造、再構成、改修、または他の整備および保守を含み得る定期的な整備および保守1414が予定されている。
【0106】
[00120] 航空機製造およびサービス方法1400のプロセスのそれぞれは、システムインテグレータ、サードパーティ、および/またはオペレータによって実行または実施され得る。これらの例では、オペレータは、顧客であってもよい。この説明の目的のためには、システムインテグレータは、限定されないが、任意の数の航空機製造業者および主要システム下請け業者を含むことができ、サードパーティは、限定されないが、任意の数のベンダ、下請け業者、およびサプライヤを含むことができ、オペレータは、航空会社、リース会社、軍隊、サービス組織などであり得る。
【0107】
[00121] 次に図15を参照すると、例示的な実施形態が実施され得る航空機の図が描かれている。この例では、航空機1500は、図14の航空機製造およびサービス方法1400によって生産され、複数のシステム1504および内部1506を有する機体1502を含み得る。システム1504の例は、推進システム1508、電気システム1510、油圧システム1512、および環境システム1514のうちの1つ以上を含む。任意の数の他のシステムを含めることもできる。
【0108】
[00122] 本明細書に具現化された装置および方法は、航空機製造およびサービス方法1400の段階のうちの少なくとも1つで使用され得る。1つ以上の例示的な実施形態が、図14のコンポーネントおよびサブアセンブリの製造1406、システムインテグレーション1408、運航1412、または整備および保守1414の少なくとも1つで製造または使用され得る。
【0109】
[00123] 航空機1500の機体1502の一部は、方法1200によって形成された誘導加熱回路によって形成することができる。航空機1500の機体1502の一部は、方法1300によって形成することができる。方法1200または方法1300のいずれかによって形成された誘導加熱デバイスは、コンポーネントおよびサブアセンブリの製造1406中に使用することができる。方法1300の一部は、コンポーネントおよびサブアセンブリの製造1406中に実行することができる。誘導加熱デバイス202は、コンポーネントおよびサブアセンブリの製造1406中に複合材料構造体を形成するために使用することができる。誘導加熱デバイス202は、整備および保守1314時に交換部品を形成するための複合材料構造体を形成するために使用することができる。
【0110】
[00124] 例示的な実施例は、オートクレーブを使用しない高速生産のためのスマートサセプタ加熱と金属ツールの使用を可能にする。例示的な実施例は、非金属ツールだけでなく、金属ツールを高速生産に使用できるように、スマートサセプタ磁界の遮蔽体を提供する。
【0111】
[00125] 例示的な実施例は、スマートサセプタを金属ツールで使用する際の熱問題に対する保護を提供する。いくつかの例示的な実施例では、誘導回路の外側の磁界の強さは、遮蔽体を使用して低減される。遮蔽体は、箔ラップ、編組スリーブ、巻き線のうちの少なくとも一つの形態をとることができる。遮蔽体材料は、金属箔、金属被覆ポリマーシート、錫メッキ銅、炭素繊維、グラファイトのうちの少なくとも1つの形態をとることができる。誘導加熱回路の外側に電磁遮蔽要素を追加することで、放出を緩和する。
【0112】
[00126] 1つの例示的な実施例では、平面内に交互の(反対の)方向に配置されたリッツ線が、サセプタの磁界を遮蔽するためにサセプタ線に巻かれている。別の例示的な実施例では、サセプタ磁界を打ち消すために、電流が平行に流れるように、サセプタ線が撚られている。どちらの例でも、電流は、同時に交互/平行方向に流れている。
【0113】
[00127] 誘導加熱回路の遮蔽体または撚られた設計のいずれかによって電磁放出を低減することにより、誘導加熱デバイス内の誘導加熱回路のレイアウトの自由度を高めることができる。例示的な実施例は、誘導加熱回路が平行回路に制約されないことを可能にしている。例示的な実施例は、誘導加熱回路間の間隔をより遠くし、より大きな高アンペア回路を提供する。
【0114】
[00128] 例示的な実施例の誘導加熱回路がツール表面に組み込まれる場合、遮蔽体または撚られた設計のいずれかを備える磁界低減機構は、意図しない渦電流を防止または低減する。例示的な実施例の誘導加熱回路がツール表面に組み込まれる場合、ツールの不注意な加熱が低減または排除される。スマートサセプタの近くに磁界を集中させることで、スマートサセプタの加熱効率を向上させることができる。
【0115】
[00129] 電磁的打ち消しを提供するために、撚り線設計を提供することができる。回路内の単一の長さのサセプタと導体が、ベンド部を用いて折り返されると、打ち消しが得られる。別々の長さのサセプタと導体で形成された平行回路でも、打ち消しが得られる。平行回路によって得られる打ち消しは、ベンド部を有する単一の長さによって得られる打ち消しより小さいことがある。
【0116】
[00130] 様々な例示的な実施形態の説明が、例示および説明の目的で提示されてきたが、余すところなく網羅していることを意図しておらず、開示された形態の実施形態に限定されることも意図していない。当業者には、多くの修正と変形が明らかであろう。さらに、異なる例示的な実施形態は、他の例示的な実施形態と比較して、異なる特徴を提供し得る。選択された実施形態は、実施形態の原理、実際の適用を最もよく説明するために、また、企図された特定の使用に適するような様々な変更を伴う種々の実施形態のために、他の当業者が本開示を理解できるようにするために、選択され、説明されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【外国語明細書】