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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031946
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】ヘッドセット調整
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20240229BHJP
   G06T 7/20 20170101ALI20240229BHJP
   G06F 3/048 20130101ALI20240229BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
G06F3/01 510
G06T7/20 300B
G06F3/048
G02B27/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023136021
(22)【出願日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】17/894,470
(32)【優先日】2022-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】モデル, ドミトリー
(72)【発明者】
【氏名】ポファム, ジェイコブ ディーン
(72)【発明者】
【氏名】ケラー, ブレイズ マイケル
【テーマコード(参考)】
2H199
5E555
5L096
【Fターム(参考)】
2H199CA43
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA72
2H199CA73
2H199CA74
2H199CA92
2H199CA96
5E555AA42
5E555BA38
5E555BB38
5E555BC04
5E555CA42
5E555CB65
5E555DA08
5E555DD01
5E555EA22
5E555FA00
5L096DA01
5L096FA66
5L096FA69
5L096HA05
5L096JA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ヘッドセットまたはヘッドマウントディスプレイ、およびユーザのフィットの最適化を支援する方法を提供する。
【解決手段】方法は、ユーザがヘッドセットを着用したことを検出することと、センサーを使用してユーザの眼の眼線追跡データを捕捉することと、眼線追跡データを使用して、着用したヘッドセットと所定の最適な着用位置との間の6自由度オフセットを推定することと、カメラによって取得されたユーザの顔の下部の画像内の顔ランドマークを使用して、着用したヘッドセットと所定の最適な着用位置との間のピッチオフセットを推定することと、6自由度オフセットおよびピッチオフセットに基づいて、所定の最適な着用位置に近づくようにヘッドセットを調整するようにユーザをガイドする命令を生成することとを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ実装方法であって、
ユーザがヘッドセットを着用したことを検出することと、
前記ヘッドセットの眼線追跡センサーを使用して、前記ユーザの眼の眼線追跡データを捕捉することと、
前記ヘッドセットのカメラを使用して、前記ユーザの顔の下部の画像を捕捉することと、
前記眼線追跡データを使用して、前記ユーザによって着けられた前記ヘッドセットと前記ヘッドセットの所定の最適な着用位置との間の6自由度(6DoF)オフセットを推定することであって、前記6DoFオフセットが、3つの並進オフセット、ロールオフセット、ヨーオフセットおよび瞳孔間距離(IPD)オフセットを含む、6DoFオフセットを推定することと、
前記画像内の顔ランドマークを使用して、前記ユーザによって着けられた前記ヘッドセットと前記ヘッドセットの前記所定の最適な着用位置との間のピッチの差を示すピッチオフセットを推定することと、
前記6DoFオフセットおよび前記ピッチオフセットに基づいて、前記ヘッドセットの前記所定の最適な着用位置により近くなるように前記ヘッドセットを調整するように前記ユーザをガイドするための1つまたは複数のユーザ命令を生成することと
を含む、方法。
【請求項2】
現在の眼の位置のオフセットが、6自由度に対する瞳孔位置を検出する眼線追跡プログラムを従事させることによって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
生成された前記命令が、ロールおよびヨーを調整することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ピッチオフセットの値が、前記ユーザの顔上の1つまたは複数のランドマークを検出することによって決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
最適な顔の位置が、前記ユーザの顔上の前記1つまたは複数のランドマークのうちの1つ以上が前記カメラの検出限界内にないという決定に応答して、デフォルトに設定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザがアプリケーションを開くことに応答して始動される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
現在の眼の位置のオフセットおよび前記ピッチオフセットが設定パラメータ内にあるという決定後に前記方法が始動および終了する前にプログラムが従事する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
現在の眼の位置のオフセットを減少させるために前記ヘッドセットの調整方向を決定することと、前記ピッチオフセットを減少させるために前記ヘッドセットの調整方向を決定することとが、同時に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ソフトウェアを具現化する1つまたは複数のコンピュータ可読非一時的記憶媒体であって、前記ソフトウェアは、実行されたときに、
ユーザがヘッドセットを着用したことを検出することと、
前記ヘッドセットの眼線追跡センサーを使用して、前記ユーザの眼の眼線追跡データを捕捉することと、
前記ヘッドセットのカメラを使用して、前記ユーザの顔の下部の画像を捕捉することと、
前記眼線追跡データを使用して、前記ユーザによって着けられた前記ヘッドセットと前記ヘッドセットの所定の最適な着用位置との間の6自由度(6DoF)オフセットを推定することであって、前記6DoFオフセットが、3つの並進オフセット、ロールオフセット、ヨーオフセットおよび瞳孔間距離(IPD)オフセットを含む、6DoFオフセットを推定することと、
前記画像内の顔ランドマークを使用して、前記ユーザによって着けられた前記ヘッドセットと前記ヘッドセットの前記所定の最適な着用位置との間のピッチの差を示すピッチオフセットを推定することと、
前記6DoFオフセットおよび前記ピッチオフセットに基づいて、前記ヘッドセットの前記所定の最適な着用位置により近くなるように前記ヘッドセットを調整するように前記ユーザをガイドするための1つまたは複数のユーザ命令を生成することと
を行うように動作可能な、
媒体。
【請求項10】
前記ソフトウェアが、実行されたときに、5自由度に対する瞳孔位置を検出する眼線追跡プログラムを従事させることによって、現在の眼の位置のオフセットを決定するようにさらに動作可能である、請求項9に記載の媒体。
【請求項11】
生成された前記命令が、ロールおよびヨーを調整することを含む、請求項9に記載の媒体。
【請求項12】
前記ピッチオフセットの値が、前記ユーザの顔上の1つまたは複数のランドマークを検出することによって決定される、請求項9に記載の媒体。
【請求項13】
最適な顔の位置が、前記ユーザの顔上の前記1つまたは複数のランドマークのうちの1つ以上が前記カメラの検出限界内にないという決定に応答して、デフォルトに設定される、請求項9に記載の媒体。
【請求項14】
前記ソフトウェアが、実行されたときに、現在の眼の位置のオフセットを減少させるために前記ヘッドセットの調整方向を決定し、同時に、前記ピッチオフセットを減少させるために前記ヘッドセットの調整方向を決定するようにさらに動作可能である、請求項9に記載の媒体。
【請求項15】
1つまたは複数のプロセッサと、
前記プロセッサのうちの1つまたは複数に結合された、1つまたは複数のコンピュータ可読非一時的記憶媒体と
を備える、システムであって、前記媒体は、前記プロセッサのうちの1つまたは複数によって実行されたときに、前記システムに、
ユーザがヘッドセットを着用したことを検出することと、
前記ヘッドセットの眼線追跡センサーを使用して、前記ユーザの眼の眼線追跡データを捕捉することと、
前記ヘッドセットのカメラを使用して、前記ユーザの顔の下部の画像を捕捉することと、
前記眼線追跡データを使用して、前記ユーザによって着けられた前記ヘッドセットと前記ヘッドセットの所定の最適な着用位置との間の6自由度(6DoF)オフセットを推定することであって、前記6DoFオフセットが、3つの並進オフセット、ロールオフセット、ヨーオフセットおよび瞳孔間距離(IPD)オフセットを含む、6DoFオフセットを推定することと、
前記画像内の顔ランドマークを使用して、前記ユーザによって着けられた前記ヘッドセットと前記ヘッドセットの前記所定の最適な着用位置との間のピッチの差を示すピッチオフセットを推定することと、
前記6DoFオフセットおよび前記ピッチオフセットに基づいて、前記ヘッドセットの前記所定の最適な着用位置により近くなるように前記ヘッドセットを調整するように前記ユーザをガイドするための1つまたは複数のユーザ命令を生成することと
を実行させるように動作可能な命令を含む、
システム。
【請求項16】
前記プロセッサが、前記命令を実行するときに、5自由度に対する瞳孔位置を検出する眼線追跡プログラムを従事させることによって現在の眼の位置のオフセットを決定するようにさらに動作可能である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
生成された前記命令が、ロールおよびヨーを調整することを含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記ピッチオフセットの値が、前記ユーザの顔上の1つまたは複数のランドマークを検出することによって決定される、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
最適な顔の位置が、前記ユーザの顔上の前記1つまたは複数のランドマークのうちの1つ以上が前記カメラの検出限界内にないという決定に応答して、デフォルトに設定される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
現在の眼の位置のオフセットを減少させるために前記ヘッドセットの調整方向を決定することと、前記ピッチオフセットの値を減少させるために前記ヘッドセットの調整方向を決定することとが、同時に行われる、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ヘッドセットまたはヘッドマウントディスプレイ、およびユーザのフィットの最適化を支援する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドマウントディスプレイ(HMD)およびニアアイディスプレイ(NED)などのウェアラブルディスプレイシステムを使用して、仮想風景およびオブジェクトをユーザに提示することができるか、または現実環境を動的情報、データもしくは仮想オブジェクトで拡張することができる。仮想現実(VR)または人工現実(AR)の風景は、体験を向上させるとともに、仮想オブジェクトとユーザによって観察される実オブジェクトとを一致させるために、3次元(3D)とすることができる。シミュレートされた環境または拡張された環境へのより良い没入体験を提供するために、眼の位置、注視方向および/またはユーザの向きがリアルタイムで追跡され得、表示される風景および/またはオブジェクトは、ユーザの頭の向きおよび注視方向に応じて動的に調整され得る。いくつかのウェアラブルディスプレイシステムは、個人化された表情を捕捉し、時には再現するために、ユーザの顔の下部に向けられたカメラをさらに含む。
【0003】
ウェアラブルディスプレイシステムおよびその個々の構成要素(カメラ、センサーなど)の配置は、「スイートスポット」を有することが多い。ユーザの眼に焦点が合っている部分については、この「スイートスポット」は、すなわち、ユーザの眼の幾何学的領域であり得、仮想風景または拡張風景のビューが画質、視野、画像アーチファクト、眼線追跡精度および忠実度などの点で最適である場所であり得る。これを達成するために、ユーザの片眼または両眼の周りで調整が必要な場合がある。このタスクは、多種多様な人々の頭部形状および瞳孔間距離(IPD)、ならびに眼のくぼみ、額および鼻の突出などの異なる顔の特徴を考慮すると、実際には達成することが困難な場合がある。さらに、顔の下部に向けられたカメラおよび/またはセンサーの1つまたは複数は、最適な位置/配置/角度を有し得る。これについても、カメラおよびセンサーの配置が、ユーザに所望の体験を提供するために必要なデータを正確に捕捉することができる点で最適である「スイートスポット」が存在し得る。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、VR/ARプログラムで使用するためのヘッドセットの適切なフィットを決定する方法を説明する。この方法は、7自由度からのオフセット、眼線追跡からの6自由度のオフセット、および顔追跡からのピッチからのオフセットに依存するプログラムを使用することを含み得、これらのオフセットはすべて、ユーザの眼に向けられたセンサー、およびユーザの顔の下部の画像を捕捉するように配置されたカメラの両方から取得される。一実施形態は、ユーザがヘッドセットを着用したことをコンピュータが検出した後にプログラムを実行することを含む。ユーザがヘッドセットを着用したことをプログラムが検出した後、眼線追跡センサーから取得された眼線追跡データを使用して、ユーザによって着けられたヘッドセットと事前定義されたヘッドセットの最適な着用位置との間の6自由度(6DoF)オフセットを推定することができる。6DoFオフセットは、3つの並進オフセット(水平、垂直、深さ)、ロールオフセット、ヨーオフセット、および瞳孔間距離(IPD)オフセットを含み得る。並進オフセットは、ユーザの顔に対して上/下、左/右、および前/後であり得る。ロールオフセットは、ヘッドセットがユーザの一方の耳から他方の耳まで中心からずれて傾いている距離または角度を表し得る。言い換えれば、これは、長手方向軸、すなわち右耳から左耳へ、またはその逆に頭部を通って描かれた軸に沿ったオフセットであり得る。ヨーオフセットは、ユーザの首が垂直軸としても知られる軸である場合など、ヘッドセットがユーザの頭部の周りで中心からずれて回転している距離または角度を表し得る。IPDオフセットは、軸間距離(IAD)、すなわち左右のアイカップ間の間隔と、ユーザの瞳孔間距離(IPD)との間の差を表し得る。6DoFに加えて、プログラムは、画像内の顔ランドマークを使用してピッチオフセットを推定することができ、ピッチオフセットは、ユーザによって着けられたヘッドセットと事前定義されたヘッドセットの最適な着用位置との間のピッチの差を示す。ピッチオフセットは、ユーザの鼻を通って頭部の後ろまで描かれたような軸に沿って回転しているような、ユーザの頭部中央の中心からずれている距離または角度であり得る。一実施形態では、これらの推定オフセット(6DoFオフセットおよびピッチオフセット)を使用して、ユーザに表示するための1つまたは複数の命令を生成することができ、この命令は、ユーザがヘッドセットをどのように調整してヘッドセットの所定の最適な着用位置に近づけることができるかを詳述し、したがってユーザへのガイドとして機能する。
【0005】
本明細書で開示される実施形態は例にすぎず、本開示の範囲はそれらに限定されない。特定の実施形態は、本明細書で開示される実施形態の構成要素、要素、特徴、機能、動作、またはステップのすべてを含むか、いくつかを含むか、またはいずれをも含まないことがある。本発明による実施形態は、特に、方法、記憶媒体、システムおよびコンピュータプログラム製品を対象とする添付の特許請求の範囲で開示され、1つの請求項カテゴリー、たとえば、方法において述べられた任意の特徴は、別の請求項カテゴリー、たとえば、システムにおいても請求され得る。添付の特許請求の範囲における従属関係または参照は、形式的理由で選定されるにすぎない。ただし、前の請求項への意図的な参照(特に複数の従属関係)から生じる主題も請求され得、その結果、請求項とその特徴との任意の組合せが、開示され、添付の特許請求の範囲で選定された従属関係にかかわらず請求され得る。請求され得る主題は、添付の特許請求の範囲に記載の特徴の組合せだけでなく、特許請求の範囲における特徴の任意の他の組合せをも含み、特許請求の範囲において述べられた各特徴は、特許請求の範囲における任意の他の特徴または他の特徴の組合せと組み合わせられ得る。さらに、本明細書で説明または示される実施形態および特徴のいずれも、別個の請求項において、ならびに/あるいは、本明細書で説明もしくは示される任意の実施形態もしくは特徴との、または添付の特許請求の範囲の特徴のいずれかとの任意の組合せで請求され得る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】VR/ARディスプレイシステムのヘッドセットとしても知られる例示的なヘッドマウントデバイスを示す。
図2】ヘッドセット着用最適化のための例示的な方法を示す。
図3】コンピュータを使用してヘッドセットのフィットを最適化する例示的な方法を示す。
図4】プログラムが、この方法の一部として使用され得る異なるタイプの着用ガイダンスのために実装することができる命令を示す。
図5】例示的なコンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示は、ユーザがヘッドセットを最適に着用することを保証するためにコンピュータによって実行されるシステムのための方法を説明する。限定ではなく、明確さおよび効率を目的として、このようなシステムは、本開示を通して「ヘッドセット調整」と呼ばれる。ガイダンスは、1)ヘッドセットを使用している間にユーザが最適な視聴体験を有することを保証すること、2)ソーシャルプレゼンスのより良い体験を提供するために顔追跡システムが顔(特に顔の下部)を適切に見ることができることを保証すること、および3)ソーシャルプレゼンスおよび視線中心窩レンダリング(GFR)または眼線追跡を使用する任意の他のアプリケーションのより良い体験を提供するために眼線追跡システムが眼を適切に見ることができることを保証すること、のいずれかまたはすべての利益を提供することができる。ソーシャルプレゼンスは、仮想体験を現実の体験により近づけるためにユーザのより正確な表現を作成するVR/AR体験の一部である。良好なソーシャルプレゼンスが存在するためには、ユーザに関連付けられたアバターがユーザのように見えなければならない。本開示では、ヘッドマウントデバイス上の1つまたは複数のカメラによって検出および追跡され得る顔の特徴によって、顔の特徴および表情の両方を含む、よりユーザに似て見えるアバターを作成する、アバターを生成するコンピュータプログラムが可能になる。1つまたは複数のカメラがユーザの顔の特徴および表情の正確な表現を作成するために、1つまたは複数のカメラは、特徴および表情を捕捉できるように配置されなければならない。したがって、コンピュータプログラムを使用してユーザにフィットを補正する命令を提供する方法またはシステムが必要とされている。
【0008】
上記で説明したように、仮想現実デバイスおよび人工現実デバイスは、より自然な社会的体験の感覚を作り出すのを助けるソーシャルプレゼンスを作成する能力を有する。ソーシャルプレゼンスの効果を最大化するために、ユーザの顔の特徴および表情は、リアルタイムで捕捉され得る。これにより、コンピューティングシステムが、ユーザの外観およびユーザの変化する表情の両方をより正確に再現することが可能になる。両方を正確に捕捉するために、ヘッドセットは適切な位置になければならない。したがって、いくつかの実施形態では、ユーザが最適な位置を得るのを助けるために、命令が生成され、ユーザに提示されてもよい。さらに、本開示は、他の方式で快適さおよび体験の質の両方を高める。体験の質は、たとえば、ユーザの動きおよびモーションをより良く捕捉することによって高めることができる。しかしながら、命令の生成および提示が効率的に行われない場合、命令は長々しくなり、ユーザ体験の妨げになる可能性がある。したがって、本開示は、これらの懸念を均衡させるヘッドセット補正手法を提示する。
【0009】
本開示によれば、ウェアラブルディスプレイヘッドセットのセンサーから取得可能な情報を使用して、ユーザの頭部へのヘッドセットの正しい配置、およびヘッドセットの正しい調整を容易にすることができる。たとえば、眼線追跡カメラなどのセンサーを使用して、たとえば、現在のユーザの瞳孔間距離(IPD)に対応するように、各眼に画像を提示するディスプレイモジュールまたはディスプレイモジュール部分間の距離を調整することができる。この情報はまた、ユーザの頭部のヘッドセット位置を調整するようにユーザをガイドするために使用され得る。調整は手動であってもよく、または自動であってもよい。追加的または代替的に、ET推定瞳孔位置は、仮想世界が公称の眼の位置ではなくユーザの実際の眼の位置の視点からレンダリングされ得るように、各ディスプレイパネルの元の座標、すなわち(0,0)座標がある場所を電子的に操作するために使用され得る。
【0010】
本開示によれば、ヘッドセット調整の方法であって、ヘッドセットが、センサーと、ユーザに画像を表示する電子ディスプレイを備えるディスプレイモジュールとを備え、方法が、センサーを使用して、ヘッドセットのアイボックス内の最適な眼の位置に対するヘッドセットを着けているユーザの現在の眼の位置のオフセット、および最適な位置に対するヘッドセットを着けているユーザの現在の顔の位置のオフセットを決定することと、オフセットを減少させるためにヘッドセットの調整方向を決定することと、決定された方向にヘッドセットの調整を実行するための命令を提供することとを含む、方法が提供される。
【0011】
本開示によれば、プロセッサによって実行された場合に、プロセッサに、ユーザに画像を表示する電子ディスプレイを備えるディスプレイモジュールを備えるヘッドセットの1つまたは複数のセンサーおよび/またはカメラを使用して、ヘッドセットのアイボックス内の最適な眼の位置に対するヘッドセットを着けているユーザの現在の眼の位置のオフセット、および顔ランドマークに基づくピッチオフセットを決定させ;オフセットを減少させるためにヘッドセットの調整方向を決定し;決定された方向にヘッドセットの調整を実行する命令を提供する命令を記憶した非一時的メモリが提供される。
【0012】
本開示によれば、ヘッドセットと処理モジュールとを備えるウェアラブルディスプレイシステムがさらに提供される。ヘッドセットは、ヘッドセット本体と、ヘッドセット本体内のディスプレイモジュールと、ヘッドセットのユーザに画像を表示する電子ディスプレイを備えるディスプレイモジュールとを含む。処理モジュールは、1つまたは複数のセンサーおよび/またはカメラを使用して、現在の眼の位置対公称の眼の位置のオフセットおよび顔ランドマークに基づくピッチオフセットを決定し、オフセットを減少させるためにヘッドセットの調整方向を決定し;決定された方向にヘッドセットの調整を実行する命令を提供するように構成される。
【0013】
いくつかの実施形態では、眼線追跡は、3つの並進オフセット(水平、垂直、深さ)、ロールオフセット、ヨーオフセットおよびIPDオフセットを含む、6自由度(6DoF)に対するオフセットを決定することを含む。追加的または代替的に、顔追跡は、ユーザの顔の特徴の位置およびピッチオフセットを決定することを含む。特徴の位置は、それらの特徴の可視性を確認するシステムによって追跡され、その結果、それらは、ソーシャルプレゼンスの作成に使用するためにカメラおよび/またはセンサーによって後で捕捉され得る。ガイダンスアルゴリズムの役割は、現在の着用推定を、3つの結果:1)どのタイプのガイダンスを示すべきか(たとえば、ロールピッチ、アイレリーフの調整など)、2)ユーザをどの方向にガイドすべきか(上/下、内/外、CW/CWW)、および3)補正の大きさに変換することである。
【0014】
ソーシャルプレゼンスを作成すること以外に、本開示で提示される方法の別の利益は、カメラまたはセンサーがユーザの視線、顔の特徴および/または表情を正確に検出することを困難にする可能性がある特徴またはオブジェクトの検出である。本開示の目的のために、カメラおよび/またはセンサーが適切に機能することができないユーザは、「マージナルユーザ」として説明される。これは、1つまたは複数の特定の特徴の測定値が、カメラおよび/またはセンサーが最適に機能することができる範囲内に入らないためである。たとえば、瞳孔検出は、ユーザが着けている眼鏡からのグレアによって妨げられ得る。状況によってはカメラおよび/またはセンサーの処理を妨げる可能性があるものの別の例は、顔の毛であり、これは、たとえばユーザの口角を隠す可能性がある。ユーザがプログラムによってマージナルユーザであると決定された場合、プログラムは、適切な瞳孔検出および追跡にとって過大なグレアを生成する眼鏡を人が着けている場合、デフォルトの視線などのデフォルトを使用することができる。
【0015】
本開示は、少なくとも2つのアルゴリズムを含むことができ、1つは眼線追跡、1つは顔追跡のためである。アイボックスは、眼線追跡のためのより良い位置合わせを行うために移動可能であり得る。眼線追跡システムは、ユーザの眼の位置および向きを追跡することができる。これは、たとえば、典型的には赤外光などの不可視光を用いてユーザの眼を照らす照明器のアレイ、電子ディスプレイからの可視光を透過しながら、ユーザの眼および顔の眼領域によって散乱された赤外光を反射するホットミラー、ならびに眼の位置および向きを決定する、瞳孔および「グリント」と呼ばれることもある眼からの照明器の反射を有する眼の画像を検出するカメラを使用して行うことができる。ここで、「眼領域」とは、眼を含む顔の領域を表し、眉毛、鼻梁、両眼の目尻、および両眼の下の頬骨までを含み得る。眼領域は、眼自体を含み、特に視線追跡の対象となるのは、角膜、虹彩および瞳孔である。それらの眼線追跡システムは、眼の位置および視線角度の決定の精密度および忠実度が許容可能なレベルで動作するように構成されてもよい。ヘッドセット自体は、眼線追跡および/または顔追跡のためのより良い位置合わせを行うために移動可能であり得る。
【0016】
本開示の方法は、ユーザがヘッドセットを最適な位置に調整する方法に関する命令を見て実行する効率を改善する。これは、5自由度のオフセットおよびピッチオフセットを使用するので、可能であり得る。したがって、そうでない場合に可能であるステップよりも少ないステップを使用して、配置を固定するようにユーザをガイドすることができる。ユーザのフラストレーションを可能な限り最低レベルにして、最小限の時間で最高の着用を提供することが目標である。これを行う1つの方式は、ヘッドマウントデバイスの配置における誤差のマージンを許容することであり、これは、バウンディングボックスによって表すことができる。バウンディングボックスは、許容可能なDoF(mm、度、または他の何らかの測定形式)の範囲を指すことができる。使用事例に応じて異なるバウンディングボックス閾値を使用することができる。いくつかの実施形態では、ユーザの混乱を制限するために完全なフィットは必要とされない場合がある。
【0017】
図1は、VR/ARディスプレイシステムのヘッドセットとしても知られる例示的なヘッドマウントデバイスを示す。HMD100は、AR/VR環境への没入の程度を高めるための、ユーザの顔を取り囲むAR/VRウェアラブルディスプレイシステムの一例である。HMD100は、ウェアラブルディスプレイシステムの一実施形態である。HMD100の機能は、コンピュータ生成された像で物理的現実世界の環境のビューを拡張すること、および/または、完全に仮想の3D像を生成することである。HMD100は、前部本体102およびバンド104を含むことができる。前部本体102は、安定性が高く快適な様式でユーザの眼の前に配置されるように構成され、バンド104は、前部本体102をユーザの頭に固定するように伸ばされ得る。ディスプレイシステム180は、AR/VR像をユーザに提示するために、前部本体102に配置され得る。前部本体102には、AR/VRプログラムに関連付けられたデータを捕捉および表示するのに有用および/または必要なHMD100の構成要素が取り付けられてもよい。前部本体102の側面106は、不透明または透明であり得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、前部本体102は、ロケータ108と、HMD100の加速度を追跡する慣性測定ユニット(IMU)110と、HMD100の位置を追跡する位置センサー112とを含む。IMU110は、HMD100のモーションに応答した1つまたは複数の測定信号から受信した測定信号に基づいて、HMD100の位置を示すデータを生成する電子デバイスである。位置センサー112の例には、1つまたは複数の加速度計、1つまたは複数のジャイロスコープ、1つまたは複数の磁力計、モーションを検出する別の好適なタイプのセンサー、IMU110の誤差補正に使用されるタイプのセンサー、またはそれらの何らかの組合せが含まれる。位置センサー112は、IMU110の外部、IMU110の内部、またはそれらの何らかの組合せに配置され得る。
【0019】
ロケータ108は、仮想現実システムが、HMD100全体の位置および向きを追跡することができるように、仮想現実システムの外部撮像デバイスによって追跡される。IMU110および位置センサー112によって生成された情報は、HMD100の位置および向きの追跡精度を高めるために、ロケータ108を追跡することによって取得された位置および向きと比較され得る。正確な位置および向きは、ユーザが3D空間を移動および回転するときにユーザに適切な仮想風景を提示するために重要である。
【0020】
HMD100は、リアルタイムでユーザの眼の向きおよび位置を決定する眼線追跡システム114をさらに含むことができる。ユーザの眼の決定された位置により、HMD100は、図4A図4Fにさらに示すように、HMD100を最も効率的に調整する方法についてユーザに与えられる命令を含み得る、記載の(自己)調整手順を実行することが可能になる。取得されたユーザの眼の位置および向きはまた、HMD100が、ユーザの注視方向を決定することと、それに応じてディスプレイシステム180によって生成された画像を調整することとを可能にする。一実施形態において、ユーザの視線の輻輳角、すなわち収束角度が決定される。決定された注視方向および輻輳角は、画角および眼の位置に応じて視覚的アーチファクトをリアルタイムで補償するためにも使用され得る。さらに、決定された輻輳角および視線角度は、ユーザとの対話、オブジェクトの強調表示、オブジェクトの最前面への移動、追加のオブジェクトまたはポインタの作成などに使用され得る。たとえば、前部本体102内に内蔵された1組の小さなスピーカーを含む、音響システムも設けられ得る。
【0021】
HMD100は、眼の位置および向きの追跡、視線角度および収束角度の決定などを行う眼線追跡システム114と、3D空間内のHMD100の位置および向きを決定するIMU110と、外部環境を捕捉するDCA111と、HMD100の位置を独立して決定する位置センサー112と、AR/VRコンテンツをユーザに表示するディスプレイシステム180とを含み得る。ディスプレイシステム180は、電子ディスプレイを含み得る。これは、たとえば、限定されるものではないが、液晶ディスプレイ(LCD:liquid crystal display)、有機発光ディスプレイ(OLED:organic light emitting display)、無機発光ディスプレイ(ILED:inorganic light emitting display)、アクティブマトリックス式有機発光ダイオード(AMOLED:active-matrix organic light-emitting diode)ディスプレイ、透明有機発光ダイオード(TOLED:transparent organic light emitting diode)ディスプレイ、プロジェクタ、またはこれらの組合せであり得る。ディスプレイシステム180は、光学ブロック130をさらに含み、光学ブロック130の機能は、電子ディスプレイ125によって生成された画像をユーザの眼に伝えることである。光学ブロックは、たとえば屈折レンズ、フレネルレンズ、回折レンズ、能動または受動パンチャラトナム-ベリー位相(PBP:Pancharatnam-Berry phase)レンズ、液体レンズ、液晶レンズなどの様々なレンズ、瞳複製導波路、格子構造、コーティングなどを含むことができる。ディスプレイシステム180は、光学ブロック130の一部であり得る、可変焦点モジュール135をさらに含むことができる。可変焦点モジュール135の機能は、たとえば、輻輳調節矛盾(vergence-accommodation conflict)を補償すること、特定のユーザの視覚障害を補正すること、光学ブロック130の収差をオフセットすることなどのために、光学ブロック130の焦点を調整することである。
【0022】
HMD100は、ユーザの顔の特徴および表情を追跡する顔追跡システムをさらに含み得る。HMD100は、顔データ、特に人物の顔の下部からの顔データを捕捉するためのカメラ120を含み得る。これは、たとえば、ピッチオフセットを計算するために、および/またはより優れたソーシャルプレゼンスを作成するために使用されるアルゴリズムへの入力として使用され得る。
【0023】
I/Oインターフェース115は、ユーザがアクション要求を送り、コンソール190から応答を受信することを可能にするデバイスである。アクション要求は、特定のアクションを実行するための要求である。たとえば、アクション要求は、画像データもしくは映像データの捕捉を開始もしくは終了するための命令、またはアプリケーション内で特定のアクションを実行するための命令であり得る。I/Oインターフェース115には、キーボード、マウス、ゲームコントローラ、またはアクション要求を受信してアクション要求をコンソール190に通信する任意の他の好適なデバイスなどの1つまたは複数の入力デバイスが含まれ得る。I/Oインターフェース115によって受信されたアクション要求は、コンソール190に通信され、コンソール190は、そのアクション要求に対応するアクションを実行する。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース115は、I/Oインターフェース115の初期位置に対するI/Oインターフェース115の推定位置を示す較正データを捕捉するIMUを含む。いくつかの実施形態では、I/Oインターフェース115は、コンソール190から受信された命令に従って、ユーザに触覚的フィードバックを提供し得る。たとえば、触覚的フィードバックは、アクション要求が受信されたとき、すなわち、コンソール190がアクションを実行したときに、コンソール190がI/Oインターフェース115に命令を通信してI/Oインターフェース115に触覚的フィードバックを生成させたときに、提供され得る。
【0024】
コンソール190は、HMD100に、IMU110、DCA111、眼線追跡システム114、およびI/Oインターフェース115のうちの1つまたは複数から受信した情報に従って、処理のためにコンテンツを供給し得る。いくつかの実施形態では、コンソール190は、アプリケーションストア155と、追跡モジュール160と、処理モジュール165とを含む。コンソール190のいくつかの実施形態は、これとは異なるモジュールまたは構成要素を有し得る。同様に、以下でさらに説明される機能は、図1に関して説明したものとは異なる様式でコンソール190の構成要素の間で分散され得る。
【0025】
アプリケーションストア155は、コンソール190によって実行される1つまたは複数のアプリケーションを記憶することができる。アプリケーションは、プロセッサによって実行されると、ユーザに提示するためのコンテンツを生成する命令群である。アプリケーションによって生成されたコンテンツは、HMD100またはI/Oインターフェース115の動きを介してユーザから受信した入力に応答し得る。アプリケーションの例には、ゲームアプリケーション、プレゼンテーションおよび会議アプリケーション、ビデオ再生アプリケーション、またはその他の好適なアプリケーションが含まれる。
【0026】
追跡モジュール160は、HMD100もしくはI/Oインターフェース115の動き、IMU110、またはそれらの何らかの組合せを追跡することができる。追跡モジュール160はまた、1つまたは複数の較正パラメータを使用してAR/VRシステム150を較正することができ、1つまたは複数の較正パラメータを調整して、HMD100またはI/Oインターフェース115の位置決定における誤差を低減することができる。追跡モジュール160によって実行される較正は、HMD100中のIMU110および/または、もしあれば、I/Oインターフェース115中に含まれるIMUから受信した情報も考慮する。さらに、HMD100の追跡が失われた場合、追跡モジュール160は、AR/VRシステム150の一部または全部を再較正することができる。
【0027】
処理モジュール165は、AR/VRシステム150内でアプリケーションを実行し、追跡モジュール160から、HMD100の位置情報、加速度情報、速度情報、予測される今後の位置、またはこれらの何らかの組合せを受信する。処理モジュール165は、受信した情報に基づいて、HMD100に提供する、ユーザに提示するためのコンテンツを決定する。さらに、処理モジュール165は、I/Oインターフェース115から受信したアクション要求に応答して、コンソール190上で実行されているアプリケーション内でアクションを実行し、アクションが実行されたとのフィードバックをユーザに提供する。提供されるフィードバックは、HMD100による視覚的もしくは聴覚的フィードバック、またはI/Oインターフェース115による触覚的フィードバックであり得る。
【0028】
図2は、HMDまたはヘッドセットの着用最適化のための例示的な方法を示す。本方法は、開始コマンドが開始されるステップ201で始動し得る。一実施形態では、ヘッドセット調整を開始して着用するために、コンピュータシステムが開始コマンドを発行する。この開始コマンドは、様々な時間に、様々なトリガに応答して発行され得る。たとえば、ユーザがヘッドマウントデバイスを着用してすぐに、またはユーザが特定のアプリケーションを起動したときに始動し得る。いくつかの実施形態では、較正は連続的であってもよい。具体的には、一実施形態では、ヘッドセット調整は、システムのセットアップ時に起動し得る。これは、ユーザがユーザの最初の体験のためにヘッドセットを適切に着用することを保証し、さらにヘッドセットがどのように感じられるべきかの感覚をユーザに与えることができる。これは各セッションの始動時に行われてもよいため、ヘッドセットが各セッションで適切に着用されることを保証することができる。別の実施形態では、ソーシャルプレゼンスもしくはGFR対応アプリ、または眼線追跡(ET)に依存する任意の他のアプリの最初の起動時に起動されてもよい。これは、ユーザがソーシャルプレゼンス、GFR、またはETに依存する任意の他のアプリを使用することを明示的に選択しているときに行われるという利益を有し得る。このことの潜在的な利益は、既に長い場合があるシステムセットアップのプロセスに追加のステップを追加しないことであり得る。いくつかの実施形態では、ユーザはヘッドセット調整を実行することに同意するので、システムセットアップ時にヘッドセット調整を起動させると、初期セットアップ中に追加のプロンプトも追加され、実際に着用を利用するアプリケーションから調整期間が分離され、ヘッドセット調整が追加する利益をユーザが理解する可能性が低くなる。アプリを開く際にヘッドセット調整を起動することにより、この分離が減少し、ユーザにとって利益がより明白になり、ユーザがそれを利用する可能性が高くなる。別の任意選択の実施形態は、ソーシャルプレゼンスまたはGFR対応アプリが実行されている間の継続的な監視を含む。このシナリオでは、ヘッドセット調整は、ソーシャルプレゼンス/GFRアプリケーションがアクティブに実行されているときはいつでもバックグラウンドで静かに実行される。ユーザを混乱させる閾値は、煩わしさを最小限に抑えるためにより高くなる。これには、特徴が常に最適に実行されるという利点がある。GFR対応アプリの場合、いくつかの実施形態では、眼線追跡監視のみで十分であり得る。
【0029】
1つまたは複数のカメラおよび/または1つまたは複数のセンサーは、眼および/またはユーザの顔の残りの部分の位置および詳細を捕捉する位置に配置され得る。ステップ210において、カメラおよび/またはセンサーを使用して眼の位置を捕捉することができ、動きに対して、眼線追跡サービス215の一部として使用されるプログラムが従事する。眼線追跡サービス215は、少なくともML瞳孔推定器212および6DoF推定器214を含み得る。ML瞳孔推定器212は、左眼および/または右眼の瞳孔座標を3次元で、たとえば、mm単位のx、y、zで出力することができる。6DoF推定器214は、各自由度の推定デルタまたは変化を出力することができる。言い換えれば、左眼および/または右眼の3D座標に基づいて、プログラムは、現在のヘッドセットの着用対公称位置を推定し、それらの2つの値からデルタを見つける。眼線追跡サービス215を使用して、リアルタイムでユーザの眼の向きおよび位置を決定することができる。眼線追跡サービス215によって取得された眼の位置および向きにより、プログラムがユーザの視線および方向を決定し、それに応じてディスプレイシステムによって生成された画像を調整することが可能になり得る。いくつかの実施形態では、輻輳、すなわちユーザの眼の視線の収束角度は、システムによって決定される。決定された注視方向および輻輳角は、画角および眼の位置に応じて視覚的アーチファクトをリアルタイムで補正するためにも使用され得る。さらに、決定された輻輳角および視線角度は、ユーザとの対話、オブジェクトの強調表示、オブジェクトの最前面への移動、追加のオブジェクトまたはポインタの作成などに使用され得る。たとえば、前部本体内に内蔵された1組の小さなスピーカーを含む、音響システムも設けられ得る。
【0030】
眼線追跡サービス215を実行するプログラムの動作より前に、それに続いて、またはそれと同時に、プログラムは顔追跡サービス225に従事することができる。ステップ220において、カメラおよび/またはセンサーを使用して、顔ランドマークなどのユーザの顔に関連するデータを捕捉することができる。顔追跡サービス225は、少なくともランドマーク検出器222およびピッチ推定器224を含み得る。ランドマーク検出器222は、「n」点の顔ランドマークを出力することができる。言い換えれば、プログラムは、顔の下部に対してランドマーク検出を実行することができる。この段階でのランドマーク検出により、ランドマークがカメラに見えるようにカメラが配置されているかどうかを決定することができる。一実施形態では、焦点は、ランドマークを顔モデルにフィットさせることではなく、可視性にあり得る。この目的は、仮想環境でユーザを表すために作成されたアバターが表情を正確に模倣することができるようにすることであり得る。ピッチ推定器224は、推定ピッチオフセットを出力することができる。ピッチオフセットは、ヘッドセットのピッチ対公称位置を推定し、それら2つの間の差を計算することによって計算され得る。眼線追跡サービス215および顔追跡サービス225のいずれかまたは両方によって処理されたデータは、収集されたデータまたは機械学習アルゴリズムから決定され得るコンテキスト固有の許容範囲でプログラムされたヘッドセット調整ガイダンスコンピュータ230によって受信され得る。いくつかの実施形態では、ヘッドセット調整ガイダンスコンピュータ230は、眼線追跡サービス215および顔追跡サービス225から取得した少なくともデータと、コンテキスト固有の許容範囲とを使用して、HMD100のフィットを補正するために必要な方向および大きさのコマンド235を生成する。ヘッドセット調整ガイダンスコンピュータは、各サービスからの出力を組み合わせて7DoF推定値にする。現在位置に基づいて、コンピュータは、ユーザに与える最良の命令と、行う必要がある補正の方向および大きさを決定する。方向および大きさのコマンド235は、HMD100をユーザの頭部の最適な位置に調整するために必要な方向および大きさの命令を含む。次いで、方向および大きさのコマンド235は、ユーザ体験240の一部としてユーザに提示される。(方向および大きさのコマンド235の形態で)ユーザに命令が提示された後、ユーザは、HMD100のフィットを調整することができる。次いで、ステップ250において、プロセスが繰り返され、眼線追跡サービス215および顔追跡サービス225を実行するプログラムによって検出された変動が、コンテキスト固有の許容範囲に基づいて指定された閾値を下回るまで続けて繰り返される。特定の実施形態は、適切な場合、図2の方法の1つまたは複数のステップを繰り返し得る。本開示は、図2の方法の特定のステップが特定の順序で発生するものとして説明し、示すが、本開示は、図2の方法の任意の好適なステップが任意の好適な順序で発生することを企図する。その上、本開示は、図2の方法の特定のステップを含む、ヘッドセット着用最適化のための例示的な方法を説明し、示すが、本開示は、適切な場合、図2の方法のステップのすべてを含むか、いくつかを含むか、またはいずれも含まないことがある、任意の好適なステップを含む、ヘッドセット着用最適化のための任意の好適な方法を企図する。さらに、本開示は、図2の方法の特定のステップを実行する特定の構成要素、デバイス、またはシステムを説明し、示すが、本開示は、任意の好適な構成要素、デバイス、またはシステムの任意の好適な組合せが、図2の方法の任意の好適なステップを実行することを企図する。
【0031】
図3は、コンピュータを使用してヘッドセットのフィットを最適化する例示的な方法を示す。ステップ301において、プログラムは、ユーザがデバイスを着用したことを検出する。ステップ302において、ヘッドセット調整(例示的なプログラム)は、設定の読取りを開始および/または始動する。ステップ303において、ヘッドセット調整はバックグラウンド監視を実行する。ステップ303は、ステップ320において、コンピュータプログラムがフィット不良を検出するまで続く。同じまたは別の実施形態では、ヘッドセット調整は、各DoFに対してアルゴリズムを実行し、特定のパラメータに適合しているか、または不適合であるかを決定する。DoFが許容範囲内にあるか、または適合する場合、コンピュータは停止コマンドを発行することができる。次いで、ステップ321において、システムは、顔追跡および眼線追跡がマージナルであるかどうかを決定する。これは、何らかの理由でユーザの1つまたは複数の特徴を検出することが困難になるために最適化アルゴリズムを不正確にする可能性が高い特徴がユーザの顔にあることを意味する。たとえば、ユーザは、眼線追跡システムがユーザの瞳孔を適切に追跡できないように光を反射する眼鏡を着けている可能性がある。眼線追跡プログラムが最適に動作することができないために、プログラムが、ユーザがマージナルユーザであると決定した場合、システムは、プログラムの残りを実行するのではなく、デフォルトの設定に切り替えることができる。追加的または代替的に、ユーザは、デバイスのカメラまたはセンサーの範囲外にある顔の特徴を有し得る。たとえば、顔追跡装置が、カメラおよび/またはセンサーがユーザの顔の特徴を適切に検出できないと決定した場合、プログラムをトリガしてリップシンク・デフォルト・モードを実装することができる。顔追跡および眼線追跡がマージナルである場合、ステップ322において、ヘッドセット調整がセッションに対して無効にされ、プロセスはステップ324において終了し、適切なデフォルトが設定され得る。顔追跡および眼線追跡のいずれかまたは両方がマージナルでない場合、プログラムは、ステップ323において、現在のフィットが許容可能なフィットよりも良いかどうかを決定する。現在のフィットが許容可能なフィットよりも良い場合、ステップ328において、ヘッドセット調整が抑制され、プロセスはステップ340において終了する。しかしながら、現在のフィットが許容可能なフィットよりも良いと決定されなかった場合、プログラムは、ステップ325においてヘッドセット調整が抑制されるかどうかを決定し、この抑制は、設定の際にユーザによって、またはさらなる最適化が効率的および/または可能ではないという以前の決定によって行われている場合がある。ヘッドセット調整が抑制されている場合、プロセスはステップ324で終了する。ヘッドセット調整が抑制されていない場合、ステップ326において、プログラムはヘッドセット調整ユーザインターフェース(UI)体験を開始する。次いで、ステップ327において、プログラムは、ユーザがプログラムを終了したかどうかを決定する。答えが「はい」である場合、プログラムはステップ328でヘッドセット調整を抑制し、プロセスはステップ340で終了する。しかしながら、答えが「いいえ」である場合、プログラムは、ステップ329で、ユーザの顔に対してフィットが許容可能であるか否かを決定する。答えが「いいえ」である場合、ステップ332において、セッションは、顔追跡がマージナルであることを意味する「FTマージナル」とマークされ、ステップ334において、顔追跡プログラムとの通信が行われ、顔追跡に対して次の最良オプション、たとえば、リップシンクを提供するデフォルト設定に戻る。ステップ334の後、またはステップ329でユーザの顔に対してフィットが許容可能であるとプログラムが決定した場合、ステップ330で最後の許容可能な顔のフィットが記憶される。次いで、ステップ329でユーザの顔に対してフィットが許容可能であるかどうかを判定する前または判定した後に、ステップ315において、プログラムは、ユーザの眼に対してフィットが許容可能であるかどうかを決定する。答えが「いいえ」である場合、ステップ312において、セッションは「ETマージナル」とマークされ、これは眼線追跡がマージナルであることを意味し、ステップ314において、眼線追跡との通信が行われ、眼線追跡に対して次の最良オプションを提供するデフォルト設定に戻る。ステップ314の後、またはステップ315でユーザの眼に対してフィットが許容可能であると決定された場合、プログラムは、ステップ310で、最後の許容可能な眼を記憶する。最後の許容可能な顔のフィットおよび最後の許容可能な眼のフィットのいずれかまたは両方が記憶された後、プログラムは、ヘッドセット調整バックグラウンド監視に戻る。
【0032】
いくつかの実施形態では、プログラムは、ユーザが設定の際にこれを決定した場合など、デバイスの初期化時にのみ実行され得る。特定の実施形態は、適切な場合には、図3の方法の1つまたは複数のステップを繰り返し得る。本開示は、図3の方法の特定のステップが特定の順序で発生するものとして説明し、示すが、本開示は、図3の方法の任意の好適なステップが任意の好適な順序で発生することを企図する。その上、本開示は、図3の方法の特定のステップを含む、ヘッドセットのフィットを最適化する例示的な方法を説明し、示すが、本開示は、適切な場合、図3の方法のステップのすべてを含むか、いくつかを含むか、またはいずれも含まないことがある、任意の好適なステップを含む、ヘッドセットのフィットを最適化する任意の好適な方法を企図する。さらに、本開示は、図3の方法の特定のステップを実行する特定の構成要素、デバイス、またはシステムを説明し、示すが、本開示は、任意の好適な構成要素、デバイス、またはシステムの任意の好適な組合せが、図3の方法の任意の好適なステップを実行することを企図する。
【0033】
図4A図4Fは、プログラムが、この方法の一部として使用され得る異なるタイプの着用ガイダンスのために実装することができる命令を示す。たとえば、図4Aに示すように、1命令セットは、左右のレンズを互いに近づけたり遠ざけたりすることによって軸間距離(IAD)を調整するように、ユーザに命令することができる。たとえば、図4Bに示すように、別の命令セットは、ユーザに、アイレリーフを調整するように命令することができる。図4Cに示すように、別の命令セットは、ヘッドセットロールを調整するか、時計回りまたは反時計回りに回転させることによって湾曲したヘッドセットを固定するようにユーザに命令することができる。図4Dに示すように、別の命令セットは、ヘッドセットを上または下に回転させることによってヘッドセットピッチを調整するようにユーザに命令することができる。図4Eに示すように、別の命令セットは、ヘッドセットを上または下に調整するようにユーザに命令することができ、別の命令セットは、たとえば図4Fに示すように、ヘッドセットを左または右に調整するようにユーザに命令することができる。命令の具体的な組合せおよび順序は、ヘッドセットの配置を固定するためのタスクの最も効率的な組合せであるとプログラムが決定したものに応じて変わる。
【0034】
いくつかの実施形態では、ヘッドセット調整のための視覚的合図は、最適な位置に対する両眼の位置を示す目標画像を含み得る。たとえば、表示された画像は、現在のユーザの眼の位置およびIPDに対応する生成された目標位置と、それぞれのオフセットによって目標位置から離れた、生成された現在のアイボックス位置とを含む。ユーザは、第1の現在のアイボックス位置を対応する第1の目標位置に一致させ、第2の現在のアイボックス位置を対応する第2の目標位置に一致させることによって、オフセットを低減するようにヘッドセット本体位置およびディスプレイモジュール間の距離を調整することができる。いくつかの実施形態では、ディスプレイモジュールは、たとえば、電子ディスプレイを見ながらヘッドセットに配置されたダイヤルを回すことによってユーザによって移動され得る、並進ステージ上に配置されてもよい。ユーザは、現在のアイボックス位置間の距離が目標位置間の距離と一致するまで、ダイヤルを回すことができる。次いで、ユーザは、ヘッドセットを左から右に調整して、両方の現在位置を対応する目標位置と重ね合わせ、理想的にはオフセットを0に低減することができる。この調整の順序は逆であってもよく、すなわち、左から右への調整が最初に行われてもよい。両方の調整は、交互に反復的に行うこともできる。
【0035】
システムおよび方法
図5は、例示的なコンピュータシステム500を示す。特定の実施形態では、1つまたは複数のコンピュータシステム500は、本明細書で説明または示される1つまたは複数の方法の1つまたは複数のステップを実行する。特定の実施形態では、1つまたは複数のコンピュータシステム500は、本明細書で説明または示される機能性を提供する。特定の実施形態では、1つまたは複数のコンピュータシステム500上で稼働しているソフトウェアは、本明細書で説明または示される1つまたは複数の方法の1つまたは複数のステップを実行するか、あるいは本明細書で説明または示される機能性を提供する。特定の実施形態は、1つまたは複数のコンピュータシステム500の1つまたは複数の部分を含む。本明細書では、コンピュータシステムへの言及は、適切な場合、コンピューティングデバイスを包含し得、その逆も同様である。その上、コンピュータシステムへの言及は、適切な場合、1つまたは複数のコンピュータシステムを包含し得る。
【0036】
本開示は、任意の好適な数のコンピュータシステム500を企図する。本開示は、任意の好適な物理的形態をとるコンピュータシステム500を企図する。限定としてではなく一例として、コンピュータシステム500は、組込み型コンピュータシステム、システムオンチップ(SOC)、シングルボードコンピュータシステム(SBC)(たとえば、コンピュータオンモジュール(COM)またはシステムオンモジュール(SOM)など)、デスクトップコンピュータシステム、ラップトップまたはノートブックコンピュータシステム、対話型キオスク、メインフレーム、コンピュータシステムのメッシュ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、サーバ、タブレットコンピュータシステム、拡張/仮想現実デバイス、あるいはこれらのうちの2つまたはそれ以上の組合せであり得る。適切な場合、コンピュータシステム500は、1つまたは複数のコンピュータシステム500を含むか、単一または分散型であるか、複数のロケーションにわたるか、複数のマシンにわたるか、複数のデータセンターにわたるか、あるいは1つまたは複数のネットワーク中の1つまたは複数のクラウド構成要素を含み得るクラウド中に常駐し得る。適切な場合、1つまたは複数のコンピュータシステム500は、実質的な空間的または時間的制限なしに、本明細書で説明または示される1つまたは複数の方法の1つまたは複数のステップを実行し得る。限定としてではなく一例として、1つまたは複数のコンピュータシステム500は、リアルタイムでまたはバッチモードで、本明細書で説明または示される1つまたは複数の方法の1つまたは複数のステップを実行し得る。1つまたは複数のコンピュータシステム500は、適切な場合、異なる時間においてまたは異なるロケーションにおいて、本明細書で説明または示される1つまたは複数の方法の1つまたは複数のステップを実行し得る。
【0037】
特定の実施形態では、コンピュータシステム500は、プロセッサ502と、メモリ504と、ストレージ506と、入出力(I/O)インターフェース508と、通信インターフェース510と、バス512とを含む。本開示は、特定の配置において特定の数の特定の構成要素を有する特定のコンピュータシステムを説明し、示すが、本開示は、任意の好適な配置において任意の好適な数の任意の好適な構成要素を有する任意の好適なコンピュータシステムを企図する。
【0038】
特定の実施形態では、プロセッサ502は、コンピュータプログラムを作成する命令など、命令を実行するためのハードウェアを含む。限定としてではなく一例として、命令を実行するために、プロセッサ502は、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ504、またはストレージ506から命令を取り出し(またはフェッチし)、それらの命令を復号および実行し、次いで、内部レジスタ、内部キャッシュ、メモリ504、またはストレージ506に1つまたは複数の結果を書き込み得る。特定の実施形態では、プロセッサ502は、データ、命令、またはアドレスのための1つまたは複数の内部キャッシュを含み得る。本開示は、適切な場合、任意の好適な数の任意の好適な内部キャッシュを含むプロセッサ502を企図する。限定としてではなく一例として、プロセッサ502は、1つまたは複数の命令キャッシュと、1つまたは複数のデータキャッシュと、1つまたは複数のトランスレーションルックアサイドバッファ(TLB)とを含み得る。命令キャッシュ中の命令は、メモリ504またはストレージ506中の命令のコピーであり得、命令キャッシュは、プロセッサ502によるそれらの命令の取出しを高速化し得る。データキャッシュ中のデータは、プロセッサ502において実行する命令が動作する対象のメモリ504またはストレージ506中のデータのコピー、プロセッサ502において実行する後続の命令によるアクセスのための、またはメモリ504もしくはストレージ506に書き込むための、プロセッサ502において実行された前の命令の結果、あるいは他の好適なデータであり得る。データキャッシュは、プロセッサ502による読取りまたは書込み動作を高速化し得る。TLBは、プロセッサ502のための仮想アドレストランスレーション(virtual-address translation)を高速化し得る。特定の実施形態では、プロセッサ502は、データ、命令、またはアドレスのための1つまたは複数の内部レジスタを含み得る。本開示は、適切な場合、任意の好適な数の任意の好適な内部レジスタを含むプロセッサ502を企図する。適切な場合、プロセッサ502は、1つまたは複数の算術論理ユニット(ALU)を含むか、マルチコアプロセッサであるか、または1つまたは複数のプロセッサ502を含み得る。本開示は、特定のプロセッサを説明し、示すが、本開示は任意の好適なプロセッサを企図する。
【0039】
特定の実施形態では、メモリ504は、プロセッサ502が実行するための命令、またはプロセッサ502が動作する対象のデータを記憶するためのメインメモリを含む。限定としてではなく一例として、コンピュータシステム500は、ストレージ506または別のソース(たとえば、別のコンピュータシステム500など)からメモリ504に命令をロードすることができる。プロセッサ502は、次いで、メモリ504から内部レジスタまたは内部キャッシュに命令をロードすることができる。命令を実行するために、プロセッサ502は、内部レジスタまたは内部キャッシュから命令を取り出し、それらの命令を復号することができる。命令の実行中または実行後に、プロセッサ502は、(中間結果または最終結果であり得る)1つまたは複数の結果を内部レジスタまたは内部キャッシュに書き込むことができる。プロセッサ502は、次いで、メモリ504にそれらの結果のうちの1つまたは複数を書き込むことができる。特定の実施形態では、プロセッサ502は、1つまたは複数の内部レジスタまたは内部キャッシュ中の、あるいは(ストレージ506または他の場所ではなく)メモリ504中の命令のみを実行し、1つまたは複数の内部レジスタまたは内部キャッシュ中の、あるいは(ストレージ506または他の場所ではなく)メモリ504中のデータのみに対して動作する。1つまたは複数のメモリバス(各々がアドレスバスおよびデータバスを含み得る)が、プロセッサ502をメモリ504に結合することができる。バス512は、以下で説明されるように、1つまたは複数のメモリバスを含み得る。特定の実施形態では、1つまたは複数のメモリ管理ユニット(MMU)が、プロセッサ502とメモリ504との間に常駐し、プロセッサ502によって要求されるメモリ504へのアクセスを容易にする。特定の実施形態では、メモリ504は、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む。このRAMは、適切な場合、揮発性メモリであり得る。適切な場合、このRAMは、ダイナミックRAM(DRAM)またはスタティックRAM(SRAM)であり得る。その上、適切な場合、このRAMは、シングルポートまたはマルチポートRAMであり得る。本開示は、任意の好適なRAMを企図する。メモリ504は、適切な場合、1つまたは複数のメモリ504を含み得る。本開示は、特定のメモリを説明し、示すが、本開示は任意の好適なメモリを企図する。
【0040】
特定の実施形態では、ストレージ506は、データまたは命令のための大容量ストレージを含む。限定としてではなく一例として、ストレージ506は、ハードディスクドライブ(HDD)、フロッピーディスクドライブ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、またはユニバーサルシリアルバス(USB)ドライブ、あるいはこれらのうちの2つまたはそれ以上の組合せを含み得る。ストレージ506は、適切な場合、リムーバブルまたは非リムーバブル(または固定)媒体を含み得る。ストレージ506は、適切な場合、コンピュータシステム500の内部または外部にあり得る。特定の実施形態では、ストレージ506は、不揮発性ソリッドステートメモリである。特定の実施形態では、ストレージ506は、読取り専用メモリ(ROM)を含む。適切な場合、このROMは、マスクプログラムROM、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、電気的書き換え可能ROM(EAROM)、またはフラッシュメモリ、あるいはこれらのうちの2つまたはそれ以上の組合せであり得る。本開示は、任意の好適な物理的形態をとる大容量ストレージ506を企図する。ストレージ506は、適切な場合、プロセッサ502とストレージ506との間の通信を容易にする1つまたは複数のストレージ制御ユニットを含み得る。適切な場合、ストレージ506は、1つまたは複数のストレージ506を含み得る。本開示は、特定のストレージを説明し、示すが、本開示は任意の好適なストレージを企図する。
【0041】
特定の実施形態では、I/Oインターフェース508は、コンピュータシステム500と1つまたは複数のI/Oデバイスとの間の通信のための1つまたは複数のインターフェースを提供する、ハードウェア、ソフトウェア、またはその両方を含む。コンピュータシステム500は、適切な場合、これらのI/Oデバイスのうちの1つまたは複数を含み得る。これらのI/Oデバイスのうちの1つまたは複数は、人とコンピュータシステム500との間の通信を可能にし得る。限定としてではなく一例として、I/Oデバイスは、キーボード、キーパッド、マイクロフォン、モニタ、マウス、プリンタ、スキャナ、スピーカー、スチールカメラ、スタイラス、タブレット、タッチスクリーン、トラックボール、ビデオカメラ、別の好適なI/Oデバイス、またはこれらのうちの2つまたはそれ以上の組合せを含み得る。I/Oデバイスは1つまたは複数のセンサーを含み得る。本開示は、任意の好適なI/Oデバイスと、それらのI/Oデバイスのための任意の好適なI/Oインターフェース508とを企図する。適切な場合、I/Oインターフェース508は、プロセッサ502がこれらのI/Oデバイスのうちの1つまたは複数を駆動することを可能にする1つまたは複数のデバイスまたはソフトウェアドライバを含み得る。I/Oインターフェース508は、適切な場合、1つまたは複数のI/Oインターフェース508を含み得る。本開示は、特定のI/Oインターフェースを説明し、示すが、本開示は任意の好適なI/Oインターフェースを企図する。
【0042】
特定の実施形態では、通信インターフェース510は、コンピュータシステム500と、1つまたは複数の他のコンピュータシステム500または1つまたは複数のネットワークとの間の通信(たとえば、パケットベース通信など)のための1つまたは複数のインターフェースを提供する、ハードウェア、ソフトウェア、またはその両方を含む。限定としてではなく一例として、通信インターフェース510は、イーサネットまたは他のワイヤベースネットワークと通信するためのネットワークインターフェースコントローラ(NIC)またはネットワークアダプタ、あるいはWI-FIネットワークなどのワイヤレスネットワークと通信するためのワイヤレスNIC(WNIC)またはワイヤレスアダプタを含み得る。本開示は、任意の好適なネットワークと、そのネットワークのための任意の好適な通信インターフェース510とを企図する。限定としてではなく一例として、コンピュータシステム500は、アドホックネットワーク、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、またはインターネットの1つまたは複数の部分、あるいはこれらのうちの2つまたはそれ以上の組合せと通信し得る。これらのネットワークのうちの1つまたは複数の1つまたは複数の部分は、ワイヤードまたはワイヤレスであり得る。一例として、コンピュータシステム500は、ワイヤレスPAN(WPAN)(たとえば、BLUETOOTH WPANなど)、WI-FIネットワーク、WI-MAXネットワーク、携帯電話ネットワーク(たとえば、モバイル通信用グローバルシステム(GSM)ネットワークなど)、または他の好適なワイヤレスネットワーク、あるいはこれらのうちの2つまたはそれ以上の組合せと通信し得る。コンピュータシステム500は、適切な場合、これらのネットワークのいずれかのための任意の好適な通信インターフェース510を含み得る。通信インターフェース510は、適切な場合、1つまたは複数の通信インターフェース510を含み得る。本開示は、特定の通信インターフェースを説明し、示すが、本開示は任意の好適な通信インターフェースを企図する。
【0043】
特定の実施形態では、バス512は、コンピュータシステム500の構成要素を互いに結合する、ハードウェア、ソフトウェア、またはその両方を含む。限定としてではなく一例として、バス512は、アクセラレーテッドグラフィックスポート(AGP)または他のグラフィックスバス、拡張業界標準アーキテクチャ(EISA)バス、フロントサイドバス(FSB)、HYPERTRANSPORT(HT)相互接続、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、INFINIBAND相互接続、ローピンカウント(LPC)バス、メモリバス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MCA)バス、周辺構成要素相互接続(PCI)バス、PCI-Express(PCIe)バス、シリアルアドバンストテクノロジーアタッチメント(SATA)バス、ビデオエレクトロニクス規格協会ローカル(VLB)バス、または別の好適なバス、あるいはこれらのうちの2つまたはそれ以上の組合せを含み得る。バス512は、適切な場合、1つまたは複数のバス512を含み得る。本開示は、特定のバスを説明し、示すが、本開示は任意の好適なバスまたは相互接続を企図する。
【0044】
本明細書では、1つまたは複数のコンピュータ可読非一時的記憶媒体は、適切な場合、(たとえば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向けIC(ASIC)などの)1つまたは複数の半導体ベースまたは他の集積回路(IC)、ハードディスクドライブ(HDD)、ハイブリッドハードドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピーディスケット、フロッピーディスクドライブ(FDD)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ(SSD)、RAMドライブ、セキュアデジタルカードまたはドライブ、任意の他の好適なコンピュータ可読非一時的記憶媒体、あるいはこれらのうちの2つまたはそれ以上の任意の好適な組合せを含み得る。コンピュータ可読非一時的記憶媒体は、適切な場合、揮発性、不揮発性、または揮発性と不揮発性との組合せであり得る。
【0045】
本明細書では、「または」は、明確に別段に指示されていない限り、またはコンテキストによって別段に指示されていない限り、包括的であり、排他的ではない。したがって、本明細書では、「AまたはB」は、明確に別段に指示されていない限り、またはコンテキストによって別段に指示されていない限り、「A、B、またはその両方」を意味する。その上、「および」は、明確に別段に指示されていない限り、またはコンテキストによって別段に指示されていない限り、共同と個別の両方である。したがって、本明細書では、「AおよびB」は、明確に別段に指示されていない限り、またはコンテキストによって別段に指示されていない限り、「共同でまたは個別に、AおよびB」を意味する。
【0046】
本開示の範囲は、当業者が理解するであろう、本明細書で説明または示される例示的な実施形態に対するすべての変更、置換、変形、改変、および修正を包含する。本開示の範囲は、本明細書で説明または示される例示的な実施形態に限定されない。その上、本開示は、本明細書のそれぞれの実施形態を、特定の構成要素、要素、特徴、機能、動作、またはステップを含むものとして説明し、示すが、これらの実施形態のいずれも、当業者が理解するであろう、本明細書のどこかに説明または示される構成要素、要素、特徴、機能、動作、またはステップのうちのいずれかの任意の組合せまたは置換を含み得る。さらに、特定の機能を実施するように適応されるか、配置されるか、実施することが可能であるか、実施するように構成されるか、実施することが可能にされるか、実施するように動作可能であるか、または実施するように動作する、装置またはシステムあるいは装置またはシステムの構成要素に対する添付の特許請求の範囲における参照は、その装置、システム、または構成要素が、そのように適応されるか、配置されるか、可能であるか、構成されるか、可能にされるか、動作可能であるか、または動作する限り、その装置、システム、構成要素またはその特定の機能が、アクティブにされるか、オンにされるか、またはロック解除されるか否かにかかわらず、その装置、システム、構成要素を包含する。さらに、本開示は、特定の実施形態を、特定の利点を提供するものとして説明するかまたは示すが、特定の実施形態は、これらの利点のいずれをも提供しないか、いくつかを提供するか、またはすべてを提供し得る。
図1
図2
図3
図4
図5
【外国語明細書】