(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031960
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理方法、サーバ、システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20240229BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20240229BHJP
G16Y 10/40 20200101ALI20240229BHJP
G16Y 20/10 20200101ALI20240229BHJP
G16Y 20/20 20200101ALI20240229BHJP
G16Y 20/30 20200101ALI20240229BHJP
G16Y 40/10 20200101ALI20240229BHJP
G16Y 40/20 20200101ALI20240229BHJP
G16Y 40/30 20200101ALI20240229BHJP
【FI】
G06Q50/30
G08G1/00 D
G16Y10/40
G16Y20/10
G16Y20/20
G16Y20/30
G16Y40/10
G16Y40/20
G16Y40/30
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023136634
(22)【出願日】2023-08-24
(31)【優先権主張番号】P 2022134804
(32)【優先日】2022-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】514235341
【氏名又は名称】株式会社スマートドライブ
(72)【発明者】
【氏名】中村 圭佐
(72)【発明者】
【氏名】大野 良
【テーマコード(参考)】
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181FF03
5H181FF04
5H181FF33
5H181MB02
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】移動体における燃料消費量に関する情報を簡易かつ正確に把握することができる情報処理技術の提供。
【解決手段】情報処理方法は、移動体のオドメーター情報を取得することと、前記オドメーター情報を取得した時点における位置に関する基準位置情報を取得することと、前記移動体において所定量までの給油を行う第1給油時点における位置に関する第1位置情報を取得することと、前記基準位置情報、及び、前記第1位置情報に基づいて、前記第1給油時点における第1総走行距離情報を取得することと、前記第1給油時点以降であって、前記所定量までの給油を行う第2給油時点における位置に関する第2位置情報及び給油量情報を取得することと、前記基準位置情報又は前記第1位置情報、及び前記第2位置情報に基づいて、前記第1給油時点と前記第2給油時点の間の走行距離情報を取得することと、前記給油量情報、及び前記走行距離情報に基づいて、仮燃費情報を算出することと、を含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体のオドメーター情報を取得することと、
前記オドメーター情報を取得した時点における位置に関する基準位置情報を取得することと、
前記移動体において所定量までの給油を行う第1給油時点における位置に関する第1位置情報を取得することと、
前記基準位置情報、及び、前記第1位置情報に基づいて、前記第1給油時点における第1総走行距離情報を取得することと、
前記第1給油時点以降であって、前記所定量までの給油を行う第2給油時点における位置に関する第2位置情報及び給油量情報を取得することと、
前記基準位置情報又は前記第1位置情報、及び前記第2位置情報に基づいて、前記第1給油時点と前記第2給油時点の間の走行距離情報を取得することと、
前記給油量情報、及び前記走行距離情報に基づいて、仮燃費情報を算出することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項2】
前記移動体の実燃費に関する実燃費情報を取得することと、
前記実燃費情報と前記仮燃費情報とが対応するかどうかを判断することと、
を更に含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記対応するかどうかの判断において、対応しないと判断された場合には、前記第1給油時点と前記第2給油時点の間に別途の給油を行なっていたかどうかを判断することと、
前記別途の給油を行なっていたと判断された場合には、前記第2給油時点における給油量と、前記別途の給油における給油量とを合わせた給油量が、正しい燃料消費量であると判断することと、
を更に含む、請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記対応するかどうかの判断において、対応しないと判断された場合には、前記第1位置情報及び前記第2位置情報の少なくとも1つを取得した、前記移動体に備えられた位置情報取得装置による位置情報取得に異常があったかどうかを判断することと、
前記異常があったと判断された場合には、前記オドメーター情報を再度取得することと、
前記再度取得されたオドメーター情報と、前記第1総走行距離情報との差分距離情報を取得することと、
前記第2給油時点における給油量、及び前記差分距離情報に基づいて、修正仮燃費情報を算出することと、
前記修正仮燃費情報と前記実燃費情報とが対応するかどうかを判断することと、
を更に含む、請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記別途の給油を行なっていないと判断された場合には、前記位置情報取得装置による位置情報取得に異常があったかどうかを判断することと、
前記異常があったと判断された場合には、前記オドメーター情報を再度取得することと、
前記再度取得されたオドメーター情報と、前記第1総走行距離情報との差分距離情報を取得することと、
前記第2給油時点における給油量、及び前記差分距離情報に基づいて、修正仮燃費情報を算出することと、
前記修正仮燃費情報と前記実燃費情報とが対応するかどうかを判断することと、
を更に含む、請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記給油量情報を取得することは、ドライバーが有する給油精算装置を介して行われることを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
移動体のオドメーター情報を取得するオドメーター情報取得部と、
前記オドメーター情報を取得した時点における位置に関する基準位置情報、前記移動体において所定量までの給油を行う第1給油時点の位置に関する第1位置情報、及び、前記第1給油時点以降であって、前記所定量までの給油を行う第2給油時点の位置に関する第2位置情報及び給油量情報を取得する第1取得部と、
前記基準位置情報、及び前記第1位置情報に基づいて、前記第1給油時点における第1総走行距離情報を、並びに、前記基準位置情報又は前記第1位置情報、及び前記第2位置情報に基づいて、前記第1給油時点と前記第2給油時点の間の走行距離情報を取得する第2取得部と、
前記給油量情報、及び前記走行距離情報に基づいて、仮燃費情報を算出する算出部と、
を備える、情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータに、
移動体のオドメーター情報を取得することと、
前記オドメーター情報を取得した時点における位置に関する基準位置情報を取得することと、
前記移動体において所定量までの給油を行う第1給油時点の位置に関する第1位置情報を取得することと、
前記基準位置情報、及び、前記第1位置情報に基づいて、前記第1給油時点における第1総走行距離情報を取得することと、
前記第1給油時点以降であって、前記所定量までの給油を行う第2給油時点の位置に関する第2位置情報及び給油量情報を取得することと、
前記基準位置情報又は前記第1位置情報、及び前記第2位置情報に基づいて、前記第1給油時点と前記第2給油時点の間の走行距離情報を取得することと、
前記給油量情報、及び前記走行距離情報に基づいて、仮燃費情報を算出することと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体における消費燃料量を把握するための情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばCSR(企業の社会的責任)として、CO2(二酸化炭素)削減などが求められている。特に、上場企業においては、気候変動に伴う業績などへの影響を開示するよう義務付けることが検討されている。
【0003】
上記背景に鑑み、ガソリンを燃料として用いる車両の管理において、CO2の排出量を把握することは重要な課題である。ここで、CO2排出量の算定方法には燃料法、燃費法、及び改良トンキロ法がある。この中で、もっとも精度が高く標準手法とされるのは燃料法であるが、燃料法によって車両のCO2排出量を把握するにあたっては、以下の課題があった。
(1)正しい給油状況を把握することが困難であった。例えば、ガソリンスタンドでの給油量等から算出しようとした場合、人的エラー(給油時の記録忘れ)等によりズレが発生することがあった。
(2)オドメーター(移動体に備えられる総走行距離を把握可能な装置)による出力結果と照らし合わせると正確性を担保することが可能であったが、常にオドメーターによる出力結果を確認する必要があり、煩雑であった。
【0004】
また、例えば、特許文献1には、走行時間が短い場合であっても、精度良く燃費を算出することを可能にする装置及び方法が開示されており、例えば、燃料を蓄える燃料タンクと、エンジンと、燃料タンクからエンジンへと燃料を供給するための燃料供給流路と、エンジンで消費されなかった燃料をエンジンから燃料タンクへと戻すリターン流路とを備える車両に用いられる燃費計測装置であって、前記燃料供給流路および前記リターン流路の両方に取り付けられ、各々の流路を流れる燃料の流量を測定する流量計と、前記車両の走行距離を計測する走行距離計測手段と、前記車両の燃費を算出する燃費演算手段とを備え、前記燃費演算手段が、前記流量計により測定した前記燃料供給流路の流量と前記リターン流路の流量との差から所定時間枠における燃料消費量を算出し、かつ算出した前記燃料消費量と、前記走行距離測定手段により計測した同じ所定時間枠における前記走行距離とから燃費を算出する燃料計測装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来技術においては、給油量が燃料消費量と等しいかどうかを適切に確認する技術は開示されていなかった。
【0007】
本発明は、移動体における燃料消費量に関する情報を簡易に把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様によると、情報処理方法は、移動体のオドメーター情報を取得することと、前記オドメーター情報を取得した時点における位置に関する基準位置情報を取得することと、前記移動体において所定量までの給油を行う第1給油時点における位置に関する第1位置情報を取得することと、前記基準位置情報、及び、前記第1位置情報に基づいて、前記第1給油時点における第1総走行距離情報を取得することと、前記第1給油時点以降であって、前記所定量までの給油を行う第2給油時点における位置に関する第2位置情報及び給油量情報を取得することと、前記基準位置情報又は前記第1位置情報、及び前記第2位置情報に基づいて、前記第1給油時点と前記第2給油時点の間の走行距離情報を取得することと、前記給油量情報、及び前記走行距離情報に基づいて、仮燃費情報を算出することと、を含む。
本発明の第2の態様によると、情報処理システムは、移動体のオドメーター情報を取得するオドメーター情報取得部と、前記オドメーター情報を取得した時点における位置に関する基準位置情報、前記移動体において所定量までの給油を行う第1給油時点の位置に関する第1位置情報、及び、前記第1給油時点以降であって、前記所定量までの給油を行う第2給油時点の位置に関する第2位置情報及び給油量情報を取得する第1取得部と、前記基準位置情報、及び前記第1位置情報に基づいて、前記第1給油時点における第1総走行距離情報を、並びに、前記基準位置情報又は前記第1位置情報、及び前記第2位置情報に基づいて、前記第1給油時点と前記第2給油時点の間の走行距離情報を取得する第2取得部と、前記給油量情報、及び前記走行距離情報に基づいて、仮燃費情報を算出する算出部と、を備える。
本発明の第3の態様によると、コンピュータに実行させるためのプログラムは、移動体のオドメーター情報を取得することと、前記オドメーター情報を取得した時点における位置に関する基準位置情報を取得することと、前記移動体において所定量までの給油を行う第1給油時点の位置に関する第1位置情報を取得することと、前記基準位置情報、及び、前記第1位置情報に基づいて、前記第1給油時点における第1総走行距離情報を取得することと、前記第1給油時点以降であって、前記所定量までの給油を行う第2給油時点の位置に関する第2位置情報及び給油量情報を取得することと、前記基準位置情報又は前記第1位置情報、及び前記第2位置情報に基づいて、前記第1給油時点と前記第2給油時点の間の走行距離情報を取得することと、前記給油量情報、及び前記走行距離情報に基づいて、仮燃費情報を算出することと、を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る情報処理方法等によれば、燃料法を考慮して、移動体における燃料消費量を簡易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施形態における車両燃料消費量把握システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態におけるサーバ10の機能構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態における走行情報取得装置20の概略構成例を説明するブロック図である。
【
図4】本実施形態における走行情報取得装置20とサーバ10との間のデータ通信の態様を示した模式図である。
【
図5】本実施形態における情報処理端末30の機能構成の一例を示す図である。
【
図6】本実施形態における各情報のサーバ10への送信およびサーバ10において行われる各処理の概念図である。
【
図7】本実施形態におけるサーバ10が他の装置と共同して行う、燃料消費量出力処理のフローチャートである。
【
図8】本実施形態における給油・走行検証処理のフローチャートである。
【
図9】変形例における給油精算装置の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の一例について図面を参照して説明する。
なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する場合がある。
また、これらの実施形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらに限定する趣旨のものではない。
【0012】
[実施形態]
以下、本発明の情報処理技術を実現するための実施形態について説明する。
本実施形態に記載の内容は、他の各実施例や各変形例のいずれにも適用可能である。
【0013】
以下では、例えば、車両を運用する事業者が、かかる運用対象の車両における燃料消費量を把握する例について説明する。なお、説明の都合上、以下において運用対象の車両は1台であるとして説明するが、運用対象の車両台数は任意であってよい。
【0014】
図1は、本実施形態における車両燃料消費量把握システムのシステム構成の一例を示す図である。
システムとは、サーバ10、走行情報取得装置20、情報処理端末30等を含んで構成され、それらの装置が協働し処理を実行する仕組みである。
本実施形態における車両管理システムでは、例えば、ネットワークNW(例えば、インターネット)を介して、サーバ10と、移動体1に備えられた走行情報取得装置20と、サーバ10によって各情報を解析した結果等を閲覧可能な情報処理端末30とが通信可能に接続される。
【0015】
移動体1は、本実施形態においては、燃料消費量把握の対象となるものであり、例えば、ビジネス上利用される自動車であるが、特に自動車に限定されず、任意の移動体(自動二輪車、トラック、自転車等も含む)が適用可能である。移動体1には、後述する走行情報取得装置20が備えられている。
【0016】
また、移動体1には、製造されてからの積算走行距離を計測するオドメーターが備えられている。すなわち、ある期間における移動体1による走行距離を把握したい際には、期間の開始時点におけるオドメーターの情報と、終了時点におけるオドメーターの情報との差分を取得することで可能となる。
しかしながら、正しい走行距離を常に把握すべく、頻繁に(例えば、毎日)オドメーターの情報を確認することは煩雑であり、例えば複数の移動体を管理する管理者が、これら移動体を運用するドライバー全員に対して、高頻度でオドメーターの情報を確認させるように管理することは煩雑であった。
【0017】
サーバ10は、例えば、移動体1において取得された走行情報を処理し、移動体1の走行距離を取得する機能を有する。また、サーバ10は、移動体1における燃料消費量を把握し、ネットワークNWを通じて外部へ、例えば情報処理端末30へ出力する機能を有する。
【0018】
図2に、サーバ10の機能構成の一例を示す。サーバ10は、例えば単一のサーバとして、あるいは機能ごとに別々のサーバから構成される分散サーバとして構成される。クラウドサーバと呼ばれるクラウド環境に作られた分散型の仮想サーバとしてサーバ10を構成することもできる。サーバ10は、
図2に示すように、例えば、通信部110と、記憶部120と、処理部130と、時計部140等を備えて構成される。
【0019】
通信部110は、サーバ10内部で利用される情報を外部の装置との間でネットワークを介して送受信するための通信装置である。通信部110の通信方式としては、イーサネットやUSB(Universal Serial Bus)等所定の通信規格に準拠したケーブルを介して有線接続する形式や、Wi-Fi(登録商標)や5G(第5世代移動通信システム)等所定の通信規格に準拠した無線通信技術を用いて無線接続する形式、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を利用して接続する形式等、種々の方式を適用可能である。
【0020】
記憶部120は、ROMやEEPROM、フラッシュメモリ、RAM等の揮発性又は不揮発性のメモリや、ハードディスク装置等を有して構成される記憶装置である。記憶部120には、例えば、本実施形態にて行われる各処理に対応するプログラムやシステムプログラム等の各種プログラムや、走行情報取得装置20から受信した走行情報及び各種プログラムによる処理結果等が記憶される。
【0021】
処理部130は、記憶部120に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従ってサーバ10の各部を統括的に制御し、情報処理に係る各種の処理を行う処理装置であり、CPUやGPU、DSP等のプロセッサーやASIC等の集積回路を有して構成される。
【0022】
時計部140は、サーバ10の内蔵時計であり、例えば、水晶発振器を利用したクロックに基づいて取得した時刻情報(計時情報)を出力する。なお、時計部140は、NITZ(Network Identity and Time Zone)規格等に準じて、通信部110とネットワークNWとを介して時刻情報を取得するようにしてもよい。
【0023】
走行情報取得装置20は、例えば、走行情報取得装置20が備えられる移動体1についての走行情報を収集する機能を有する。また、走行情報取得装置20は、収集した走行情報をネットワークNWを通じてサーバ10に送信する機能を有する。
例えば、走行情報取得装置20は、移動体1のソケット(一例として、シガーソケット、電気供給用ソケット、又は、接続用ソケット)に挿入して、自動車の車両内に固定することができる。電気供給用ソケット又は接続用ソケットは、たとえばUSB(Universal Serial Bus)をサポートするソケットである。無論、走行情報取得装置20はかかるものに限定されず、例えば、ドライブレコーダーや、ETC2.0に対応した装置(例えば、ETC2.0対応車載器やDSRC(Dedicated Short Range Communications)対応車載器)、その他任意のIoT機器などであってよく、それらが単体で、または複数の機器を組み合わせることで、走行情報取得装置20の各構成要素を備えていれば、どのような態様で車両に備えられてもよい。
【0024】
図3は、走行情報取得装置20の概略構成例を説明するブロック図である。
図2に示すように、走行情報取得装置20は、例えば、制御部210、記憶部220、通信部230、位置情報取得部240、速度情報取得部250、加速度情報取得部260、及び、時計部270等を備えて構成される。
【0025】
制御部210は、所定のプログラム(例えば、記憶部220に記憶されたプログラム)を実行することによって、走行情報取得装置20の各機能を実現する。例えば、位置情報取得部240によって取得された位置情報、速度情報取得部250により取得された速度情報、加速度情報取得部260により取得された加速度情報に対し、時計部270によってそれぞれの情報を取得した時間に対応して取得された時間情報を紐付け、外部装置、例えばサーバ10へと通信部230を介して送信する制御を行う。
【0026】
記憶部220は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を含み、制御部210が処理する制御プログラムや、各種データ、例えば、位置情報取得部240によって取得された位置情報、速度情報取得部250により取得された速度情報、加速度情報取得部260によって取得された加速度情報などを記憶する。なお、記憶部220は、デバイス20に内蔵されるものに限らず、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。
【0027】
通信部230は、例えば、LTE(Long Term Evolution)や3G、4G、5G等の移動体通信、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の狭帯域通信を用いて、インターネット等の公共のネットワークNWに接続し、同ネットワークNWに接続されたサーバ10等の各機器とのデータ通信が可能なモジュールである。
例えば、通信部230を通じて走行情報取得装置20はサーバ10に対してデータ送信を行う。
【0028】
位置情報取得部240は、例えば、GNSS衛星(例えばGPS衛星)から到来する電波に基づいて走行情報取得装置20の位置情報(例えば、緯度経度情報)を時系列的に取得する。この位置情報の取得は、所定時間間隔(例えば、1秒ごと)で行われることが好ましい。すなわち、走行情報取得装置20が備えられた移動体1の位置情報を取得することができる。取得された位置情報は、当該位置情報を取得した時刻(現在時刻)と紐付けられて、記憶部220に格納される。
ここで、位置情報取得部240は、GPSによる位置情報を取得すると共に、その位置情報の精度を示す精度値(例えば、5m、10m、100mといった位置精度、DOP値等)を取得することとしてもよい。この場合、取得された位置情報及び精度値が現在時刻と紐付けられて、記憶部220に格納される。
【0029】
なお、位置情報取得部240による位置情報の観測値の取得方式は、上記のものに限られず、任意の位置情報取得方式を適用してよい。例えば、道路脇に設置された路側機により発せられる当該路側機に固有の位置情報を含んだ電波を、走行情報取得装置20を搭載した移動体1が近接した際に位置情報取得部240が受信することで、走行情報取得装置20の位置情報の観測値を取得することとしてもよい。
【0030】
速度情報取得部250は、移動体1の走行速度を定期的に取得し、当該走行速度を制御部210に供給する。速度取得部250は任意の構成であってよいが、例えば、移動体1から車速パルス情報を取得することで速度情報を取得することとしてもよいし、位置情報取得部240によって取得された位置情報に基づいて速度情報を算出することとしてもよい。この場合、速度情報取得部250は備えなくともよい。または、移動体1に搭載される不図示の車速パルス取得部によって取得される車速パルス情報を取得し、その車速パルス情報に基づいて移動体1の速度を算出することとしてもよい。
【0031】
加速度情報取得部260は、車両の加速度を取得するものであり、例えば、圧電型加速度センサによって加速度を取得するように構成される。なお、位置情報取得部240によって取得される位置情報に基づいて、または速度情報取得部250によって取得される速度情報に基づいて、車両の加速度を算出することとしてもよく、かかる場合には、加速度情報取得部260は備えなくともよい。
【0032】
時計部270は、走行情報取得装置20の内蔵時計であり、例えば、水晶発振器を利用したクロックに基づいて取得した時刻情報(計時情報)を出力する。なお、時計部270は、NITZ(Network Identity and Time Zone)規格等に準じて、通信部270とネットワークNWとを介して時刻情報を取得するようにしてもよい。
【0033】
図4は、走行情報取得装置20とサーバ10との間のデータ通信の態様を示した模式図である。
図4に示すように、走行情報取得装置20は、携帯端末Tを介して、または直接にサーバ10と接続される。
なお、走行情報取得装置20はスマートフォン等の携帯通信機器であってもよい。この際、例えば、移動体1にかかるスマートフォンが配置されている場合のほか、移動体1に乗車するユーザがかかるスマートフォンを保持している場合であってもよい。またこの場合、走行情報取得装置20は後述するドライバー端末の機能を有していてもよい。
【0034】
情報処理端末30は、例えば、サーバ10において移動体1の走行情報等を処理し送信された情報を出力する機能を有する。この場合、例えば、移動体1における所定期間の走行内容に関するレポート情報や、走行情報等に基づいて算出された移動体1の燃料消費量情報を表示する。
【0035】
図5に、情報処理端末30の機能構成の一例を示す。情報処理端末30は、
図5に示すように、例えば、処理部310と、記憶部320と、通信部330と、表示部340と、音声出力部350と、操作部360等を備えて構成される。
【0036】
処理部310は、記憶部320に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従って情報処理装置30の各部を統括的に制御し、情報処理に係る各種の処理を行う処理装置であり、CPUやGPU、DSP等のプロセッサーやASIC等の集積回路を有して構成される。
【0037】
記憶部320は、記憶部220と同様にROMやEEPROM、フラッシュメモリ、RAM等の揮発性又は不揮発性のメモリや、ハードディスク装置等を有して構成される記憶装置である。記憶部320には、例えば、本実施形態にて行われる各処理に対応するプログラムやシステムプログラム等の各種プログラムや、サーバ10等から受信した情報及び各種プログラムによる処理結果等が記憶される。
【0038】
通信部330は、情報処理端末30内部で利用される情報を外部の装置との間でネットワークNWを介して送受信するための通信装置である。通信部330の構成は、例えば、通信部230と同様に構成可能であるため、その詳細説明は省略する。
【0039】
表示部340は、LCD(Liquid Crystal Display)やOELD(Organic Electro-luminescence Display)等を有して構成される表示装置であり、処理部310から出力される表示信号に基づいた各種の表示を行う。
【0040】
音出力部350は、D/Aコンバータやスピーカ等を有して構成される音出力装置であり、処理部310から出力される音出力信号に基づいた各種の音出力を行う。
【0041】
操作部360は、キーボードやマウス等の、ユーザがサーバ10に対する各種の操作入力を行うための入力装置を有して構成される。操作部360からは、ユーザ操作に対応した操作信号が処理部310に出力される。
【0042】
なお、操作部360は、表示部340と一体的に構成された不図示のタッチパネルを有し、このタッチパネルは、ユーザと情報処理端末30との間の入力インターフェースとして機能するようにしてもよい。
【0043】
ネットワークNWは、各装置間を、有線接続あるいは無線接続、あるいはその両方で接続する通信網である。
【0044】
[実施例]
以下説明する実施例は、移動体1が第1の給油を行なってから次回の給油と想定される第2の給油を行うまでの間の走行距離と、第2の給油における給油量を把握し、把握された走行距離及び給油量から算出される仮燃費情報と、移動体1のスペックに基づいて定められる実燃費情報とを比較し、その差異が所定の範囲内にあるならば給油に関する情報が正しいと判断し、第2の給油における給油量を正しい燃料消費量であるとして出力するものである。
【0045】
図6は、本実施例における、各情報のサーバ10への送信およびサーバ10において行われる各処理の概念図である。
本実施例においては、走行情報に基づいて移動体1の走行距離に関する情報である走行距離情報を取得しつつ、ドライバー端末におけるドライバーによる入力等によりオドメーター情報の確認があれば走行距離情報を適宜補正しする。また、ドライバー若しくは経理部門などによる給油情報の入力によって給油量及び給油した日時を取得する。これら取得した情報に基づいて、仮燃費情報を算出し、仮燃費情報と実燃費情報とを比較することにより、給油に関する情報が正しいかどうかを判断する。
【0046】
ここで、ドライバー端末とは、移動体1のドライバーが保持する携帯通信端末であって、ネットワークNW等を通じてサーバ10や情報処理端末30等と通信可能であり、情報を受信し表示部に表示可能であるとともに、情報を入力部を通じて入力し入力された情報を送信することを可能とするものである。例えば、情報処理端末30からのリクエストに応じた表示をするとともに、情報処理端末30から所定の情報の入力をドライバーに要求し、入力された情報をサーバ10や情報処理端末30に送信する。
ドライバー端末は、例えば本発明の実施を可能とする所定のアプリケーションがインストールされたスマートフォンである。
【0047】
図6に示すように、移動体1からは、移動体1に備えられた走行情報処理装置20によって取得された走行情報が時系列的にサーバ10に送信される。
ドライバーからは、ドライバー端末に対して、給油情報やオドメーター情報が入力され、サーバ10に送信される。ドライバー端末からサーバ10に送信される給油情報は、例えば、ドライバーがガソリンスタンドにおいて給油を行なった際に、その給油量をドライバー端末に入力することによって取得される。同様に、オドメーター情報は、例えば、ドライバーが移動体1のオドメーターを確認した際や、サーバ10からオドメーターを確認するようドライバーに要請する情報をドライバー端末に送信して表示させることをトリガーとして、その数値をドライバー端末においてドライバーに入力させることによって取得される。
更に、経理部門等からは、経理部門等端末に対して入力がなされた際において、給油情報がサーバ10に送信される。経理部門等端末からサーバ10に送信される給油情報は、例えば、移動体1について行われた給油についての精算処理において受理する領収書における情報を経理部門等端末に入力することによって取得される。
【0048】
ここで、オドメーター情報のドライバー端末への入力方法は任意であってよく、例えば、ドライバーがオドメーターにおける数値を読み取ってその数値を入力することとしてもよいし、ドライバー端末が撮像部を有し、撮像部によって撮影されたオドメーターの数値をドライバー端末の処理部が分析し解読することとしてもよいし、撮影された画像がサーバ10に送信され、サーバ10の制御部130によって分析し解読することで、数値を把握することとしてもよい。
【0049】
以下、本実施例における処理の手順例について説明する。
図7は、サーバ10が他の装置と共同して行う、燃料消費量出力処理のフローチャートである。
【0050】
まず、サーバ10は、移動体1におけるオドメーター情報を取得する(S1001)。オドメーター情報の取得は、例えばサーバ10がドライバー端末にオドメーター情報の取得が必要である旨を表示させる等により、移動体1のドライバー等により数値を把握してもらい、把握した数値をドライバー端末を通じてサーバー10に送信させることによって行う。なお、オドメーター情報の取得は、移動体1に備えられた走行情報取得装置20による走行情報の取得及びサーバー10への送信が開始された後であれば、任意のタイミングで行ってよい。
【0051】
次に、移動体1において給油可能容量上限まで給油(いわゆる満タン給油)を行った時点(以降、「第1給油時点」と呼ぶ)における総走行距離を算出する(S1003)。第1給油時点における総走行距離の算出は、ステップS1001におけるオドメーター情報における総走行距離に、走行情報取得装置20の位置情報取得部240により取得される位置情報等により算出されるステップS1001からステップS1003までの間の移動体1の走行距離を足すことによって取得される。
以降、ステップS1003において算出された総走行距離を、第1総走行距離と呼ぶ。
【0052】
そして、第1給油時点から次回となる給油可能容量上限までの給油を行ったと思われる時点(第2給油時点)における総走行距離を算出する(S1005)。この総走行距離の算出は、ステップS1003と同様に、オドメーター情報における総走行距離に、走行情報取得装置20の位置情報取得部240により取得される位置情報等により算出されるステップS1001からステップS1005までの間の移動体1の走行距離を足すことによって取得される。
以降、ステップS1005において算出された総走行距離を、第2総走行距離と呼ぶ。
【0053】
なお、ステップS1003とステップS1005の間にオドメーター情報を再度取得することがあった場合(S1004)は、その再度取得したオドメーター情報を反映させて第2総走行距離を算出する。ここで、オドメーター情報の再度の取得は、ドライバーの任意によって行われてもよいし、サーバ10が所定のタイミング(例えば1週間ごと)で、若しくは所定のタイミングまたはランダムなタイミングでオドメーター情報の取得を行うようドライバー端末に表示させ、ドライバーに入力させること等によって行われてもよい。
この場合、第2総走行距離は、ステップS1004における総走行距離に、走行情報取得装置20の位置情報取得部240により取得される位置情報等により算出されるステップS1004からステップS1005までの間の移動体1の走行距離を足すことによって取得される。
【0054】
また、第2給油時点において、どれだけの給油を行ったかを示す給油量も取得する(S1007)。第2給油時点における給油量の取得は、例えば、移動体1のドライバーがドライバー端末に入力することによって行われるか、第2給油時点における給油のレシートの精算処理を行う経理部門等により経理部門等端末に入力することによって行われる。
【0055】
そして、第1走行距離と第2走行距離の差分、すなわち、第1給油時点から第2給油時点までの間の走行距離と、第2給油時点における給油量から求められる燃費情報(以降、「仮燃費情報」と呼ぶ)を求める(S1009)。
【0056】
そして、仮燃費情報と、移動体1のカタログ情報等により定まる実燃費情報(例えば、いわゆるカタログ燃費の情報)とが大きな乖離がなく、仮燃費情報が実燃費情報に対応するかどうかをチェックする。対応するかどうかを判断するとは、例えば、仮燃費情報と実燃費情報との差異が所定閾値以内かどうかを判断する(S1011)。所定閾値は任意のものであってよいが、例えば、2.5ポイント(パーセンテージ上の差異)とすることなどが挙げられる。
【0057】
差異が所定閾値以内であった場合(S1011;Y)、第2給油時点における給油量情報が正しい燃料消費量であると判断する(S1013)。すなわち、第2給油時点における給油量が、第1給油時点から第2給油時点の期間の燃料消費量として正しいことを保証するものである。
例えば、仮燃費情報が19.8km/L、実燃費情報が20.5km/Lであった場合においては、その差異は0.7ポイントであるので、所定閾値の2.5ポイント以内であり、給油量情報が正しい燃料消費量であると判断する。
【0058】
一方で、差異が所定閾値以内ではなかった場合(S1011;N)、第2給油時点における給油量が正しい燃料消費量ではないと判断する(S1014)。すなわち、第2給油時点における給油量が、第1給油時点から第2給油時点の期間の燃料消費量として正しくなく、走行情報及び給油に関する情報のいずれかに何らかの間違いがあることを示している。
【0059】
この場合、走行情報及び給油に関する情報の検証を行うべく、給油・走行検証処理を行う(S2000)。給油・走行検証処理の詳細は以下に行う。
【0060】
[給油・走行検証処理]
以下、給油・走行検証処理について説明する。給油・走行検証処理は、ステップS1013において、第2給油時点における給油量が、第1給油時点から第2給油時点の期間の燃料消費量として正しくなく、走行情報及び給油に関する情報のいずれかに何らかの間違いがあることが判明したことから、その原因を探り、可能であれば適宜修正を行って正しい燃料消費量を導出するためのものである。
【0061】
図8は、給油・走行検証処理のフローチャートである。
図8に示すように、まず、第1給油時点から第2給油時点の期間に別途の給油を行なっていたかどうかを判断する(S2001)。別途の給油を行なっていたかどうかの判断手法は任意であってよく、例えば、対応するドライバーにドライバー端末を介して質問(例えば、第1給油時点から第2給油時点の間に別途の給油を行なったかどうか)をし、その回答を取得することや、移動体1について取得される位置情報に基づいて、かかる期間においてガソリンスタンドと認識されている場所に停車したことがあったかどうかを確認すること等によって行われる。
【0062】
ステップS2001において、別途の給油を行なっていたと判断された場合(S2001;Y)、第2給油時点における給油量と、別途の給油による給油量とを合わせた給油量を正しい燃料消費量と判断する(S2002)。そして、給油・走行検証処理を終了する。
なお、ステップS2001において別途の給油を行なっていたと判断された場合においては、第2給油時点における給油量と、別途の給油による給油量とを合わせた給油量に基づいて改めて仮燃費情報を取得し、ステップS1009以下の処理を再度行うこととしてもよい。
【0063】
ステップS2001において、別途の給油は行なっていないと判断した場合(S2001;N)、走行情報の取得において異常があったかどうかを判断する(S2003)。走行情報の取得において異常があったとは、例えば、走行情報取得装置20を移動体1からドライバー等が取り外した、走行情報取得装置20が故障した、等が挙げられる。
走行情報の取得において異常があったかどうかの判断は、例えば、サーバ10において走行情報取得装置20から定常的に情報が取得できなくなった期間が存在するかどうか、走行情報取得装置20において何らかの異常が発生し異常状態であることがサーバ10に送信されていたかどうか、走行情報に含まれる位置情報に異常があった(例えば、時系列的に隣接する取得した位置情報の間隔が通常想定される移動体の走行可能距離よりも大きくなっていた)等によって行われる。
【0064】
走行情報の取得において異常があったと判断された場合(S2003;Y)、オドメーター情報を新たに確認し、第1給油時点における第1走行距離との差分を、第1給油時点と第2給油時点との間の走行距離と判定する(S2004)。そして、給油・走行検証処理を終了する。
なお、ステップS2004にて第1給油時点と第2給油時点との間の走行距離を取得した後に、改めて仮燃費情報を取得し、ステップS1009以下の処理を再度行うこととしてもよい。
【0065】
ステップS2003において、走行情報の取得において異常はなかったと判断された場合(S2003;N)、取得・算出した走行情報及び給油情報には間違いがないと判断し、第2給油時点における給油量が正しい燃料消費量であると判断する(S2005)。
すなわち、仮燃費情報は実燃費情報と乖離してはいるが、その原因は別途の給油の存在や走行情報の取得の異常ではなく、運転内容によるもの等であると判断するものである。
そして、給油・走行検証処理を終了する。
【0066】
ここで、ステップS2002において、第2給油時点の給油量と別途の給油による給油量とを合わせた給油量を正しい燃料消費量と判断することとしているが、これに限られない。
例えば、第2給油時点の給油量と別途の給油による給油量とを合わせた給油量と、第1走行距離と第2走行距離との差分の距離とに基づいて改めて仮燃費情報を算出し、以降はステップS1011の処理を行うこととしてもよい。
【0067】
同様に、ステップS2004において、新たに確認したオドメーター情報と第1走行距離との差分を第1給油時点と第2給油時点との間の走行距離と判定することとしているが、これに限られない。
例えば、かかる走行距離と、第2給油時点の給油量とに基づいて改めて仮燃費情報を算出し、以降はステップS1011の処理を行うこととしてもよい。
【0068】
このようにすることにより、2回以上の別途の給油が発生していたり、2回以上の確認が必要な走行情報の取得における異常が発生していたり、別途の給油と走行情報の取得における異常の両方が発生していたりする場合においても、正しい燃料消費量であることを確認することができる。
【0069】
[実施例の効果]
本実施例では、上記のように、オドメーター情報を少なくとも1回取得し、その後、走行情報を継続的に取得し、また第2給油時点における給油情報を取得することで、第1給油時点から第2給油時点までの間の燃費と思われる仮燃費情報を取得する。そして、取得した仮燃費情報を実燃費情報と比較することで、仮燃費情報の確らしさを判断している。
【0070】
本来的には、オドメーター情報を第1給油時点及び第2給油時点において確認することで、走行情報の取得は不要となるが、オドメーター情報を定期的に確認する運用が必要となり、煩雑であるという問題がある。特に、仮燃費情報と実燃費情報とを比較した際に、仮燃費情報が確かではないという判断となったときに、その検証が煩雑でリカバリーしづらいという課題となる。
【0071】
そのような課題を考慮し、オドメーター情報を少なくともどこかのタイミングで確認しておき、後に数値不整合の際のみ確認を行うという運用、すなわち、数値が合わないときにおいては所定のオートメーションを行うことで管理者が能動的に運用しなくてもよく、効率的な給油情報管理が行えるという利点がある。
【0072】
[変形例]
変形例として、例えば、クレジットカード情報と紐づけられた給油精算装置をドライバーに保持させる例を以下説明する。
給油精算装置は、例えば、
図9に示すように、移動体1の車キーと紐づけて(共通のリングに通して)ドライバーに保持される態様において用いられるものである。給油精算装置により、給油時においては、給油精算装置を給油機に備えられた入力装置にかざすことで給油及び精算を可能にするとともに、給油量情報を不図示の通信部を介してサーバ10に送信する。
【0073】
すなわち、給油精算装置によって、ドライバーや経理部門等による入力を介することなく給油情報を取得可能となる。
従って、第2給油時点における給油を給油精算装置を用いて行った場合、仮燃費情報を速やかに算出することができ、またその結果、第2給油時点における給油量が正しい燃料消費量であるかどうかについても速やかに判断することができる。
【0074】
また、上記の実施例では、オドメーター情報を最初に取得し、その後に第1給油時点及び第2給油時点があることとしているが、オドメーター情報の取得タイミングは最初にすることに限られず、任意のタイミングとしてよい。例えば、第1給油時点と第2給油時点の間であってもよいし、第2給油時点の後であってもよい。すなわち、オドメーター情報を取得した時点から、第1給油時点及び第2給油時点のそれぞれについての走行距離を算出して、第1総走行距離及び第2総走行距離を算出すればよい。また更に、第1給油時点又は第2給油時点と同時にオドメーター情報を取得することとしてもよい。
【0075】
また、上記の実施例では、第1給油時点及び第2給油時点において給油可能容量上限まで給油することを前提としているが、これに限られない。第1給油時点及び第2給油時点において同一の所定量(例えば、20リットル)まで給油することとして、各処理を行なってもよい。
【0076】
また、上記の実施例では、各種の処理に係る各種のプログラムやデータが、記憶部に記憶されており、処理部がこれらのプログラムを読み出して実行することで、上記の各実施例における処理が実現された。この場合、各装置の記憶部は、ROMやEEPROM、フラッシュメモリ、ハードディスク、RAMといった内部記憶装置の他に、メモリカード(SDカード)やコンパクトフラッシュ(登録商標)カード、メモリスティック、USBメモリ、CD-RW(光学ディスク)、MO(光磁気ディスク)といった記録媒体(記録メディア、外部記憶装置、記憶媒体)を有していてもよく、これらの記録媒体に上記の各種のプログラムやデータを記憶させることとしてもよい。
【0077】
以上、本発明の実施形態及び変形例について詳細に説明したが、本発明の範囲は上記の実施形態及び変形例に限定されない。また、上記の実施形態及び変形例は、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び変更が可能である。また、上記の実施形態及び変形例は、組合せ可能である。
【符号の説明】
【0078】
1 移動体
10 サーバ
20 走行情報取得装置
30 情報処理端末
【手続補正書】
【提出日】2023-09-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体のオドメーター情報を取得することと、
前記オドメーター情報を取得した時点における位置に関する基準位置情報を取得することと、
前記移動体において所定量までの給油を行う第1給油時点における位置に関する第1位置情報を取得することと、
前記基準位置情報、及び、前記第1位置情報に基づいて、前記第1給油時点における第1総走行距離情報を取得することと、
前記第1給油時点以降であって、前記所定量までの給油を行う第2給油時点における位置に関する第2位置情報及び給油量情報を取得することと、
前記基準位置情報又は前記第1位置情報、及び前記第2位置情報に基づいて、前記第1給油時点と前記第2給油時点の間の走行距離情報を取得することと、
前記給油量情報、及び前記走行距離情報に基づいて、推定燃費情報を算出することと、
を含む、情報処理方法。
【請求項2】
前記移動体の実燃費に関する実燃費情報を取得することと、
前記実燃費情報と前記推定燃費情報とが対応するかどうかを判断することと、
を更に含む、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記対応するかどうかの判断において、対応しないと判断された場合には、前記第1給油時点と前記第2給油時点の間に別途の給油を行なっていたかどうかを判断することと、
前記別途の給油を行なっていたと判断された場合には、前記第2給油時点における給油量と、前記別途の給油における給油量とを合わせた給油量が、正しい燃料消費量であると判断することと、
を更に含む、請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記対応するかどうかの判断において、対応しないと判断された場合には、前記第1位置情報及び前記第2位置情報の少なくとも1つを取得した、前記移動体に備えられた位置情報取得装置による位置情報取得に異常があったかどうかを判断することと、
前記異常があったと判断された場合には、前記オドメーター情報を再度取得することと、
前記再度取得されたオドメーター情報と、前記第1総走行距離情報との差分距離情報を取得することと、
前記第2給油時点における給油量、及び前記差分距離情報に基づいて、修正推定燃費情報を算出することと、
前記修正推定燃費情報と前記実燃費情報とが対応するかどうかを判断することと、
を更に含む、請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記別途の給油を行なっていないと判断された場合には、前記位置情報取得装置による位置情報取得に異常があったかどうかを判断することと、
前記異常があったと判断された場合には、前記オドメーター情報を再度取得することと、
前記再度取得されたオドメーター情報と、前記第1総走行距離情報との差分距離情報を取得することと、
前記第2給油時点における給油量、及び前記差分距離情報に基づいて、修正推定燃費情報を算出することと、
前記修正推定燃費情報と前記実燃費情報とが対応するかどうかを判断することと、
を更に含む、請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記給油量情報を取得することは、ドライバーが有する給油精算装置を介して行われることを含む、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
移動体のオドメーター情報を取得するオドメーター情報取得部と、
前記オドメーター情報を取得した時点における位置に関する基準位置情報、前記移動体において所定量までの給油を行う第1給油時点の位置に関する第1位置情報、及び、前記第1給油時点以降であって、前記所定量までの給油を行う第2給油時点の位置に関する第2位置情報及び給油量情報を取得する第1取得部と、
前記基準位置情報、及び前記第1位置情報に基づいて、前記第1給油時点における第1総走行距離情報を、並びに、前記基準位置情報又は前記第1位置情報、及び前記第2位置情報に基づいて、前記第1給油時点と前記第2給油時点の間の走行距離情報を取得する第2取得部と、
前記給油量情報、及び前記走行距離情報に基づいて、推定燃費情報を算出する算出部と、
を備える、情報処理システム。
【請求項8】
コンピュータに、
移動体のオドメーター情報を取得することと、
前記オドメーター情報を取得した時点における位置に関する基準位置情報を取得することと、
前記移動体において所定量までの給油を行う第1給油時点の位置に関する第1位置情報を取得することと、
前記基準位置情報、及び、前記第1位置情報に基づいて、前記第1給油時点における第1総走行距離情報を取得することと、
前記第1給油時点以降であって、前記所定量までの給油を行う第2給油時点の位置に関する第2位置情報及び給油量情報を取得することと、
前記基準位置情報又は前記第1位置情報、及び前記第2位置情報に基づいて、前記第1給油時点と前記第2給油時点の間の走行距離情報を取得することと、
前記給油量情報、及び前記走行距離情報に基づいて、推定燃費情報を算出することと、
を実行させる、プログラム。