(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031988
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】自己適応連動制御の機能シングルチェア
(51)【国際特許分類】
A47C 1/032 20060101AFI20240229BHJP
A47C 7/38 20060101ALI20240229BHJP
A47C 7/54 20060101ALI20240229BHJP
A47C 1/036 20060101ALI20240229BHJP
A47C 7/02 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
A47C1/032
A47C7/38
A47C7/54
A47C1/036
A47C7/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023182080
(22)【出願日】2023-10-23
(31)【優先権主張番号】202211018965.4
(32)【優先日】2022-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523402143
【氏名又は名称】顧家家居股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】JASON FURNITURE (HANGZHOU) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 113, 11th Street, Hangzhou Economic and Technological Development Area, Qiantang District, Hangzhou, Zhejiang 310018, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】邱晨曦
(72)【発明者】
【氏名】趙亮
(72)【発明者】
【氏名】姚有貴
(72)【発明者】
【氏名】趙▲シン▼建
(72)【発明者】
【氏名】蔡海輝
【テーマコード(参考)】
3B084
3B099
【Fターム(参考)】
3B084DB09
3B099BA07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自己適応連動制御の機能シングルチェアを提供する。
【解決手段】フットレストと支持フレームと肘掛けと、座フレームとバックフレームと固定回転軸とを含む自己適応連動制御の機能シングルチェアに関し、バックフレームとヘッドレストフレームとの間に中継機構が設けられ、固定回転軸と中継機構との間に連動機構が設けられ、座フレームの両側には、減衰の大きさを調節可能な減衰スライド機構が対称的に設けられ、座フレームとバックフレームとの間に回転接続を採用し、ヘッドレストフレームとバックフレームとの間は、中継端によって同期連動制御され、座フレームとバックフレームとの間は、連動機構によって同期連動制御され、バックフレームとヘッドレストフレームとの間の傾斜角度は、中継機構によって調節される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フットレスト(1)と、前記フットレスト(1)に設けられる支持フレーム(11)と、前記支持フレーム(11)の両側に設けられる肘掛け(10)と、2つの前記肘掛け(10)間に設けられる座フレーム(2)とバックフレーム(9)と、前記バックフレーム(9)に設けられるヘッドレストフレーム(8)と、前記バックフレーム(9)と前記肘掛け(10)とを接続する固定回転軸(5)とを含み、前記バックフレーム(9)は、前記固定回転軸(5)によって前記肘掛け(10)に対して回転可能である自己適応連動制御の機能シングルチェアであって、前記バックフレーム(9)と前記ヘッドレストフレーム(8)との間に中継機構(7)が設けられ、前記固定回転軸(5)と前記中継機構(7)との間に連動機構(6)が設けられ、前記座フレーム(2)の両側には、減衰の大きさを調節可能な減衰スライド機構(3)が対称的に設けられ、前記座フレーム(2)の両側は、前記減衰スライド機構(3)によって前記支持フレーム(11)又は前記肘掛け(10)にスライド接続され、前記座フレーム(2)と前記バックフレーム(9)との間は、回転接続され、前記ヘッドレストフレーム(8)と前記バックフレーム(9)との間は、中継端によって同期連動制御され、前記座フレーム(2)と前記バックフレーム(9)との間は、前記連動機構(6)によって同期連動制御され、前記バックフレーム(9)と前記ヘッドレストフレーム(8)との間の傾斜角度は、前記中継機構(7)によって調節されることができることを特徴とする機能シングルチェア。
【請求項2】
前記バックフレーム(9)は、U字型の支持棒(93)と、前記支持棒(93)の両側に設けられる複数組の接続釦(91)とを含み、両端は、それぞれ両側の前記接続釦(91)上のソファースプリング(92)に取り外し可能に設けられ、前記支持棒(93)の両端には、いずれも前記ヘッドレストフレーム(8)を接続するための前記中継機構(7)が設けられ、前記固定回転軸(5)には、腰当て部材(4)がさらに設けられ、前記腰当て部材(4)と腰を支持するための前記ソファースプリング(92)との間に緩衝空間が形成されており、座り姿勢の状態で腰を支持するための前記ソファースプリング(92)は、後方に曲がった後に前記腰当て部材(4)を押し当てることによって支持し、位置を止め、前記腰当て部材(4)と腰を支持するための前記ソファースプリング(92)との間の緩衝空間距離は、前記バックフレーム(9)の後方への反転につれて徐々に大きくなることを特徴とする請求項1に記載の自己適応連動制御の機能シングルチェア。
【請求項3】
前記腰当て部材(4)に当接する前記ソファースプリング(92)には、スリーブ(12)が設けられ、前記スリーブ(12)は、前記ソファースプリング(92)の1つの突出部に取り外し可能に装着され、前記固定回転軸(5)の上方に位置する前記支持棒(93)は、縦棒構造を採用し、前記固定回転軸(5)の下方に位置する前記支持棒(93)は、後方に曲がった円弧状棒の構造を採用することを特徴とする請求項2に記載の自己適応連動制御の機能シングルチェア。
【請求項4】
前記中継機構(7)は、前記ヘッドレストフレーム(8)に設けられる第1の接続部材(71)と、前記バックフレーム(9)に設けられる第2の接続部材(73)と、前記第1の接続部材(71)と前記第2の接続部材(73)との間に設けられるロックピース(72)とを含み、前記第1の接続部材(71)と前記第2の接続部材(73)との間は、回転軸によって接続され、前記第1の接続部材(71)と前記第2の接続部材(73)が相対的に回転した後に前記ロックピース(72)によって固定されることを特徴とする請求項1に記載の自己適応連動制御の機能シングルチェア。
【請求項5】
前記連動機構(6)は、前記固定回転軸(5)に設けられる固定リンク(61)と、両端がそれぞれ前記固定リンク(61)と前記第2の接続部材(73)との間に中継される連動棒(62)とを含み、前記第2の接続部材(73)と前記バックフレーム(9)との間は、回転軸によって接続されることを特徴とする請求項4に記載の自己適応連動制御の機能シングルチェア。
【請求項6】
前記第2の接続部材(73)には、U字型のストッパ溝(13)が設けられ、前記ストッパ溝(13)の両側には、ロック孔(17)とロック解除孔(18)が対称的に設けられ、前記ロック孔(17)は、ロック解除孔(18)の一端に連通した後にL字型構造を形成し、前記第1の接続部材(71)の一端は、回転軸によって前記ストッパ溝(13)内に回転接続され、前記第1の接続部材(71)には、円弧状の遷移孔(14)が設けられ、前記遷移孔(14)の一側には、若干のロック溝(15)が設けられ、頂部の前記ロック溝(15)と前記遷移孔(14)の上端ストッパ部との間にロック解除ガイド面(16)が設けられ、前記ロック孔(17)内に位置する前記ロックピース(72)は、前記ロック解除ガイド面(16)によって外方に押した後に前記ロック解除孔(18)内に入り、前記ロック解除孔(18)内に位置する前記ロックピース(72)は、前記遷移孔(14)の下端ストッパ部によって上方に持ち上がった後に前記ロック孔(17)内に入ることを特徴とする請求項5に記載の自己適応連動制御の機能シングルチェア。
【請求項7】
前記減衰スライド機構(3)は、一端が前記肘掛け(10)又は前記支持フレーム(11)に固定される固定スライド軸(33)と、前記座フレーム(2)の両側に設けられるスライドベース(32)と、前記スライドベース(32)内に設けられ、前記固定スライド軸(33)を接続するための長尺状のスライド孔(34)と、前記固定スライド軸(33)の一端に設けられる減衰アジャスタ(31)とを含むことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の自己適応連動制御の機能シングルチェア。
【請求項8】
前記減衰アジャスタ(31)は、前記固定スライド軸(33)の端部に設けられる調節減衰ダイヤル(20)と、前記固定スライド軸(33)に外嵌する圧縮コイルばね(19)と減衰押圧片(21)とを含み、前記スライドベース(32)の両側は、それぞれ前記固定スライド軸(33)と前記減衰押圧片(21)によってストッパされることを特徴とする請求項7に記載の自己適応連動制御の機能シングルチェア。
【請求項9】
前記長尺状のスライド孔(34)の後端には、二段の減衰緩衝用の緩衝孔(23)がさらに設けられ、前記固定スライド軸(33)は、前記座フレーム(2)と前記バックフレーム(9)の展開中、スライドして前記緩衝孔(23)に入った後に展開抵抗を徐々に大きくすることを特徴とする請求項8に記載の自己適応連動制御の機能シングルチェア。
【請求項10】
前記スライドベース(32)は、金属座体(25)と、プラスチック座体(26)とを含み、前記長尺状のスライド孔(34)は、前記プラスチック座体(26)に設けられ、前記プラスチック座体(26)は、前記金属座体(25)内に設けられることを特徴とする請求項9に記載の自己適応連動制御の機能シングルチェア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、機能シングルチェアの技術分野に関し、特に自己適応連動制御の機能シングルチェアに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、人々の仕事のストレスがますます大きくなるにつれて、特に座りっぱなしの作業者にとって、椅子又はソファーに適当に横になってリラックスして休むことは、すでに常態化されている。現在の機能性シングルチェアは、例えば、座り姿勢、TV姿勢、横姿勢などの様々な姿勢シーンモードを切り替える際に、一般的には、背もたれの傾きを調節することで操作を完了するが、クッションが、背もたれの反転中、傾き調節の同期調節を実現することができないため、椅子をTV姿勢又は横姿勢に切り替える際に、クッションの傾斜角度が好ましくなく、快適性が比較的に悪い。しかし、椅子の背もたれとクッションとの間に対して連動構造を採用して調節する場合、減衰調節機構がないため、使用していない利用者が様々な姿勢の切替時に連動が速過ぎ、又は遅すぎる現象が発生しやすく、例えば、体重が比較的に軽い人が後方にもたれかかると、クッションと背もたれとの間に順調に展開できないことにより座枠と背もたれの連動体験が悪く、連動が順調でなく、体重が比較的に大きい人が背もたれに寄った後に、突飛に限界位置まで急速に展開する問題がある。同時に、従来の座枠の両側のスライド箇所には、一般的には、ローラー又は長尺状のストッパ穴を採用してスライドし、背もたれが後方に寄った後に、スライド部を限界展開のストッパ領域に直接衝突させやすくすることにより背もたれが展開した後に緩衝領域がなく、体験感が良くない。しかし、現在の機能性シングルチェアの背もたれは、一般的には、一体構造であり、背もたれが後方に反転し、リクライニングする時に頭部の支持領域も同期に後方にリクライニングし、椅子がTV姿勢にならないが、背もたれが互いに回動可能な背もたれ部とヘッドレスト部から構成されている場合、背もたれが後方に反転する時にも一体型の欠陥があり、後期にはヘッドレスト部を回転することでTV姿勢の切り替えを実現することができるが、使用が相対的に煩雑であり、座り姿勢とTV姿勢から切り替える場合、連動構造がなく、自己適応の連動調節を実現できないとともに、座り姿勢、TV姿勢と横姿勢という3つの姿勢間の切り替えが面倒で、体験が悪く、また、背もたれの回転調節構造が複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のシングルチェアが様々な姿勢シーンモード間に切り替わる際に、クッションと背もたれとの間に自己適応連動調節が実現できず、及び背もたれヘッドレスト部の角度が調節できないという問題を解決するために、本出願は、自己適応連動制御の機能シングルチェアを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
自己適応連動制御の機能シングルチェアは、フットレストと、前記フットレストに設けられる支持フレームと、前記支持フレームの両側に設けられる肘掛けと、2つの前記肘掛け間に設けられる座フレームとバックフレームと、前記バックフレームに設けられるヘッドレストフレームと、前記バックフレームと前記肘掛けとの間に設けられる固定回転軸とを含み、前記バックフレームは、前記固定回転軸によって前記肘掛けに対して回転可能であり、前記バックフレームと前記ヘッドレストフレームとの間に中継機構が設けられ、前記固定回転軸と前記中継機構との間に連動機構が設けられ、前記座フレームの両側には、減衰の大きさを調節可能な減衰スライド機構が対称的に設けられ、前記座フレームの両側は、前記減衰スライド機構によって前記支持フレーム又は前記肘掛けにスライド接続され、前記座フレームと前記バックフレームとの間に回転接続を採用し、前記ヘッドレストフレームと前記バックフレームとの間は、中継端によって同期連動制御され、前記座フレームと前記バックフレームとの間は、前記連動機構によって同期連動制御され、前記バックフレームと前記ヘッドレストフレームとの間の傾斜角度は、前記中継機構によって調節されることができる。
【0005】
上記技術案を採用することにより、座フレームとバックフレームとの間が回転軸によって接続され、ヘッドレストフレームが中継機構によってバックフレームに回転接続され、固定回転軸と中継機構との間に連動機構がさらに接続されることによって、バックフレームが後方に反転する作用力を受けた時に、ヘッドレストフレームは、バックフレームの中継端推力によって減衰スライド機構に沿って同期に前方に移動することができる。同時に、連動機構によって中継機構を下向きに反転させることによって、座フレームとヘッドレストフレームとバックフレームに連動制御を実現させることができる。利用者がリクライニング中、ヘッドレストフレームとバックフレームが共に回転し、その挟角が絶えずに小さくなり、バランスが取れた時にTV姿勢であり、それによって各利用者がいずれもTV姿勢でホバリングでき、TV姿勢の状態での使用がより快適になる。中継機構によってヘッドレストフレームとバックフレームとの間の傾斜角度を二次的に調節することができ、利用者が後方にヘッドレストフレームを回転した後に人体の重心を後方に移動させることによって、横姿勢の状態に達することができ、椅子の背もたれがTV姿勢から横姿勢に切り替わる時により便利且つ簡単であり、ヘッドレストフレームに対して中継機構によって再び後方に反転させるだけで、TV姿勢から横姿勢への切り替えを実現することができ、それによって椅子の座り姿勢、TV姿勢と横姿勢という3つの姿勢シーンモード間の切り替え時に簡単且つ便利になり、利用者の体験感がより良く、適応範囲がより広く、従来のシングルチェアの背もたれとクッションとの間に椅子姿勢の違いによって相対的な位置関係を同期に調節できないという問題を効果的に解決した。クッションと背もたれに対して相対的な位置の同期連動調節を行う過程で、減衰スライド機構の減衰の大きさを調節することで、座フレームとバックフレームの展開と収縮中の抵抗の大きさに対して自己適応の調節を行うことができ、座フレームとバックフレームのスライド中の摩擦力を大きく又は小さくすることで、一体連動がより順調で快適になり、異なる利用者の抵抗需要に適応でき、従来の椅子における連動する座枠と背もたれとの間に使用時に存在する連動体験が悪く、連動が順調でなく、及び減衰効果を有しないなどの問題を効果的に解決した。
【0006】
選択的には、前記バックフレームは、U字型の支持棒、前記支持棒の両側に設けられる複数組の接続釦と、両端がそれぞれ両側の前記接続釦に取り外し可能に設けられるソファースプリングとを含み、前記支持棒の両端には、いずれも前記ヘッドレストフレームを接続するための前記中継機構が設けられ、前記固定回転軸には、腰当て部材がさらに設けられ、前記腰当て部材と腰を支持するための前記ソファースプリングとの間に緩衝空間が形成されており、座り姿勢の状態で腰を支持するための前記ソファースプリングは、後方に曲がった後に前記腰当て部材を押し当てることで支持し、位置を止め、前記腰当て部材と腰を支持するための前記ソファースプリングとの間の緩衝空間距離は、前記バックフレームの後方への反転につれて徐々に大きくなる。
【0007】
上記技術案を採用することにより、ソファースプリングの両端は、接続釦に取り外し可能に接続され、ソファースプリングを組み立てる際により便利で、バックフレーム構造全体が簡単であり、且つソファースプリングによって背中が後ろに寄った時により快適であり、柔軟性をよくすることができるとともに、腰当て部材によって腰を支持するためのソファースプリングが後方へ曲がった時に支持と位置づけの役割を果たすことができ、それによって座り姿勢の状態で、腰を支持するためのソファースプリングが力を受けた後に後方へ曲がりすぎて背中が背もたれにめり込む場合の発生を回避し、座り姿勢の時に腰の後方が十分な剛性支持効果を有し、背もたれの頼り心地をより高めるが、バックフレームがTV姿勢又は横姿勢に後方に反転する過程で、腰当て部材が徐々に背もたれの後方を遠ざけることによって、緩衝空間を形成することができ、バックフレームが力を受けてリクライニングする過程で、人体の腰をゆっくりと後方に背もたれ内にめり込み、利用者を横になった時に背中をより快適にすることができ、従来の背もたれが腰の力受け領域のベアラ状況を改善していないことにより着座時に腰が硬すぎ、又は柔らかすぎるという問題を効果的に解決した。
【0008】
選択的には、前記腰当て部材に当接する前記ソファースプリングには、スリーブが設けられ、前記スリーブは、前記ソファースプリングの1つの突出部に取り外し可能に装着され、前記固定回転軸の上方に位置する前記支持棒は、縦棒構造を採用し、前記固定回転軸の下方に位置する前記支持棒は、後方に曲がった円弧状棒の構造を採用する。
【0009】
上記技術案を採用することにより、ソファースプリング自体に支持可能な面がないため、腰当て部材が後方に突出した背もたれを支持と位置づける時に背もたれの表面を直接破壊する問題があるため、腰当て部材に当接するソファースプリングには、スリーブを装着し、バックフレームが力を受けた後にスリーブによって腰当て部材の支持端面に接触することによって、ソファースプリングと腰当て部材の面との接触を形成し、腰当て部材が内部に当接面がないため、背もたれの後面を直接破壊するという問題を効果的に回避することができ、固定回転軸の上方に位置する支持棒が、縦棒構造を採用し、固定回転軸の下方に位置する支持棒が、後方に曲がった円弧状棒の構造を採用することで、利用者が背もたれにフィットする際に、どのような傾斜角度でも良好な支持効果を有することができる。
【0010】
選択的には、前記中継機構は、前記ヘッドレストフレームに設けられる第1の接続部材と、前記バックフレームに設けられる第2の接続部材と、前記第1の接続部材と前記第2の接続部材との間に設けられるロックピースとを含み、前記第1の接続部材と前記第2の接続部材との間が回転軸によって接続され、前記第1の接続部材と前記第2の接続部材が相対的に回転した後に前記ロックピースによって固定される。
【0011】
上記技術案を採用することにより、第1の接続部材と第2の接続部材の相対的な回転によって、ヘッドレストフレームの前後反転を実現することによって、ヘッドレストフレームの位置調節をより便利にすることができ、利用者が背もたれに寄った後に、ヘッドレストフレームによって頭部をより良く支持することができ、特にシングルチェアの背もたれがTV姿勢の状態から横姿勢の状態に切り替わる際に、第1の接続部材によって後方に反転し、ロックピースによって固定させるだけで、ヘッドレストフレームを横姿勢の状態に必要な角度にすることによって、姿勢モードの急速な切り替えを実現することができ、ヘッドレストフレームの後方への傾斜角度の調節によって、異なる利用者の角度需要に合わせ、背もたれのリクライニング後により快適にすることができる。
【0012】
選択的には、前記連動機構は、前記固定回転軸に設けられる固定リンクと、両端がそれぞれ前記固定リンクと前記第2の接続部材との間に中継される連動棒とを含み、前記第2の接続部材と前記バックフレームとの間は、回転軸によって接続される。
【0013】
上記技術案を採用することにより、バックフレームが固定回転軸に沿って前後反転する際に、連動棒の長さが固定されているため、連動棒によって第2の接続部材がバックフレームの傾斜角度に対して同期回転調節を行うことによって、中継機構とヘッドレストフレームがバックフレームの傾斜角度に対して同期回転調節を行うことができ、バックフレームが後方に反転する時に、ヘッドレストフレームをバックフレームに対して前方に反転させることで、背もたれがTV姿勢の状態になるが、バックフレームが前方に反転してリセットし、座り姿勢を呈する場合、ヘッドレストフレームは、自動的に後方に反転した後に座り姿勢の状態の背もたれになることができ、構造が簡単であり、連動性が良い。
【0014】
選択的には、前記第2の接続部材には、U字型のストッパ溝が設けられ、前記ストッパ溝の両側には、ロック孔とロック解除孔が対称的に設けられ、前記ロック孔は、ロック解除孔の一端に連通した後にL字型構造を形成し、前記第1の接続部材の一端は、回転軸によって前記ストッパ溝内に回転接続され、前記第1の接続部材には、円弧状の遷移孔が設けられ、前記遷移孔の一側には、若干のロック溝が設けられ、頂部の前記ロック溝と前記遷移孔の上端ストッパ部との間にロック解除ガイド面が設けられ、前記ロック孔内に位置する前記ロックピースは、前記ロック解除ガイド面によって外方に押した後に前記ロック解除孔内に入り、前記ロック解除孔内に位置する前記ロックピースは、前記遷移孔の下端ストッパ部によって上方に持ち上がった後に前記ロック孔内に入る。
【0015】
上記技術案を採用することにより、第1の接続部材の一端は、回転軸によってストッパ溝内に回転接続された後に、第1の接続部材の安定性をより良くすることができ、回転中に左右に揺れる現象が発生せず、遷移孔によってロックピースがロック孔とロック解除孔との間に位置の切り替えを行うことができ、それによってロックピースの第1の接続部材と第2の接続部材に対するロックとロック解除がより簡単且つ便利になり、第1の接続部材と第2の接続部材の角度を制御する際に便利であり、且つ機構が簡単であり、制御が簡便であり、使用寿命が長く、従来のバックフレームとヘッドレストフレームとの間の角度調節が面倒で、及び調節機構の構造が複雑であり、破損しやすいという問題を効果的に解決した。
【0016】
選択的には、前記減衰スライド機構は、一端が前記肘掛け又は前記支持フレームに固定される固定スライド軸と、前記座フレームの両側に設けられるスライドベースと、前記スライドベース内に設けられ、前記固定スライド軸を接続するための長尺状のスライド孔と、前記固定スライド軸の一端に設けられる減衰アジャスタとを含む。
【0017】
上記技術案を採用することにより、座フレームは、スライドベースによって固定スライド軸に沿って前後に移動することができ、固定スライド軸が長尺状のスライド孔の両端にある場合、座フレームの伸縮限界位置であり、座フレームの肘掛け又は支持フレームに対するスライド接続に対し、より簡単且つ便利であり、バックフレームの反転によって連動調節をさらに形成することができるとともに、固定スライド軸の端部には、減衰アジャスタが取り付けられ、減衰アジャスタによってスライドベースと固定スライド軸との間の減衰の大きさを調節することができ、それによって座フレームとバックフレームの様々な姿勢のシーンモードの切り替え時、座フレームの減衰を調節することで、シングルチェア全体の連動制御をより柔らかく快適にし、減衰アジャスタの取り付け固定により便利である。
【0018】
選択的には、前記減衰アジャスタは、前記固定スライド軸の端部に設けられる調節減衰ダイヤルと、前記固定スライド軸に外嵌する圧縮コイルばねと減衰押圧片とを含み、前記スライドベースの両側は、それぞれ前記固定スライド軸と前記減衰押圧片によってストッパされる。
【0019】
上記技術案を採用することにより、減衰アジャスタによって固定スライド軸とスライドベースとの間の減衰の大きさを調節する場合、調節減衰ダイヤルを回転させるだけで、圧縮コイルばねに減衰押圧片の圧力を調節させることができ、それによって固定スライド軸と減衰押圧片によるスライドベースのクランプ力の調節ことを実現し、減衰の大きさを調節する際により便利且つ簡単であり、操作がより直接的であり、且つ圧縮コイルばねによる減衰押圧片への押し出しによって、減衰押圧片自体に後方へ収縮する冗長な空間が存在し、減衰の大きさの調節範囲をより大きくし、適応性をより広くすることができる。
【0020】
選択的には、前記長尺状のスライド孔の後端には、傾斜して設けられる緩衝孔がさらに設けられ、前記固定スライド軸は、前記座フレームと前記バックフレームの展開中に、スライドして前記緩衝孔に入った後に展開抵抗を徐々に大きくする。
【0021】
上記技術案を採用することにより、長尺状のスライド孔の後端の背もたれに近い側に減衰緩衝効果を有する一セグメントの緩衝孔を追加することによって、バックフレームと座フレームが長尺状のスライド孔に沿ってTV姿勢に展開する時により順調になり、且つ固定スライド軸が長尺状のスライド孔にスライドした後に緩衝孔に入ることによって、バックフレームが後方に反転する過程で突然カトン感が出ることを回避し、椅子の座り姿勢からTV姿勢への展開時に体験感をより良くする。しかし、椅子がTV姿勢から横姿勢に切り替わる場合、重力がバックフレームに向かって再び傾斜するため、バックフレームがリクライニングした後に固定スライド軸によって緩衝孔に沿って一定の角度だけ後方に再び反転することができ、且つ固定スライド軸の緩衝孔への進入が深いほど、座フレームとバックフレームとの間の展開抵抗が大きくなることによって、利用者が展開時に固定スライド軸とストッパ穴又は緩衝孔に直接衝突する場合の発生を予防することによって、TV姿勢から横姿勢への切り替え中、より快適になり、体験感が良くなり、シングルチェアが、背もたれが後方に傾斜して反転する過程で長尺状のスライド孔の端部に硬く、直接に引っかかる問題を効果的に解決するとともに、減衰アジャスタと緩衝孔の組み合わせによって、減衰スライド機構は、二重減衰制御の効果を有することができる。
【0022】
選択的には、前記長尺状のスライド孔の一側には、内側に凹むストッパシュートが設けられ、前記減衰押圧片は、前記ストッパシュート内に設けられる。
【0023】
上記技術案を採用することにより、ストッパシュートによって減衰押圧片をストッパと収納することができるとともに、一部又は圧縮コイルばねを収納して隠すことによって、減衰アジャスタの隠蔽性をよくし、美観をより良くし、調節時に、外部の干渉を受けず、固定スライド軸の長さもより短くすることができる。
【0024】
選択的には、前記スライドベースは、金属座体と、プラスチック座体とを含み、前記長尺状のスライド孔と前記ストッパシュートは、前記プラスチック座体に設けられ、前記プラスチック座体は、前記金属座体内に設けられる。
【0025】
上記技術案を採用することにより、プラスチック座体の使用寿命をより長くし、ベアラ効果をより良くすることができ、プラスチック座体が、長期間の使用中に重力を受けて破断しやすいという問題を効果的に解決した。
【0026】
選択的には、前記スライドベースと前記座フレームとの間には、座枠底板がさらに設けられ、前記スライドベースは、前記座枠底板によって前記座フレームに固定される。
【0027】
上記技術案を採用することにより、両方間が座枠底板によって接続されることで、スライドベースの体積をより小さくすることができるし、スライドベースと座フレームとの間の接続安定性をより高くすることができ、スライドベースの一体高度を効果的に低減するとともに、ストッパ穴を必要な位置に確保した。
【発明の効果】
【0028】
以上のことから、本出願は、以下の有益な効果を有する。
【0029】
1、連動機構と減衰スライド機構の組み合わせによって、ヘッドレストフレーム、バックフレーム及び座フレーム間の連動制御ができないという問題を解決することによって、ユーザの体験感をより良くし、減衰スライド機構の調節によって従来のシングルチェアが各利用者の座り姿勢習慣と体重に応じて横姿勢とTV姿勢の傾斜角度の自己適応の連動調節を実現することができないという問題をさらに解決し、利用者に座り姿勢、TV姿勢、横姿勢という三重のシーンモードの自己適応の調節を与えることができ、利用者は、自身の重力と黄金分割比率に基づいて減衰スライド機構の緩みを調節し、全てのユーザの自己適応効果の需要を満たすことができる。
【0030】
2、中継機構によってヘッドレストフレームの傾斜角度を再び後方に反転させることによって、TV姿勢の状態でのシングルチェアを横姿勢の状態に直接切り替えることができ、ヘッドレストフレーム角度が調節できないことによりシングルチェアが座り姿勢、TV姿勢と横姿勢の姿勢シーンモードの柔軟的な切り替えを実現できないという問題を効果的に解決し、横姿勢とTV姿勢の切り替えをより簡単且つ便利にし、且つ座り姿勢の状態で頭部に対する支持がより便利で、座り姿勢からTV姿勢になる場合、後方に横になるだけで実現でき、TV姿勢から横姿勢になる場合、利用者は、ヘッドレストフレームを回転するだけで実現でき、一番目の状態で任意の操作がなく、二番目の状態でヘッドレストフレームを回転することで実現し、利用者の行為習慣により合っている。
【0031】
3、座フレームとバックフレームとの間が回転軸によって接続され、ヘッドレストフレームが中継機構によってバックフレームに回転接続され、固定回転軸と中継機構との間に連動機構がさらに接続されることによって、バックフレームが後方に反転する作用力を受けた時に、ヘッドレストフレームは、バックフレームの中継端推力によって減衰スライド機構に沿って同期に前方に移動することができるとともに、連動機構によって中継機構を下向きに反転させることによって、座フレームとヘッドレストフレームとバックフレームに連動制御を実現させることができ、シングルチェアの座り姿勢からTV姿勢への切り替えは、より便利になり、TV姿勢の状態で重心の相対的な固定回転の分布が比較的に均一であるため、TV姿勢の状態で使用は、より快適になり、往復小振幅揺動が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明における機能シングルチェアの座り姿勢の状態の構造概略図である。
【
図2】本発明における機能シングルチェアのTV姿勢の状態の構造概略図である。
【
図3】本発明における機能シングルチェアの横姿勢の状態の構造概略図である。
【
図4】本発明におけるバックフレームと中継機構の接続構造概略図であり、バックフレームの具体的な構造及びスリーブの接続位置を示す。
【
図5】本発明における連動機構の接続構造概略図であり、連動機構の構成及び取り付け位置を示す。
【
図6】本発明における中継機構の分解状態概略図であり、第1の接続部材の内部構造を示す。
【
図7】本発明における減衰スライド機構の一体構造概略図である。
【
図8】本発明における減衰スライド機構が座枠底板によって座フレームに取り付けられる接続構造概略図である。
【符号の説明】
【0033】
1、フットレスト、2、座フレーム、3、減衰スライド機構、31、減衰アジャスタ、32、スライドベース、33、固定スライド軸、34、長尺状のスライド孔、4、腰当て部材、5、固定回転軸、6、連動機構、61、固定リンク、62、連動棒、7、中継機構、71、第1の接続部材、72、ロックピース、73、第2の接続部材、8、ヘッドレストフレーム、9、バックフレーム、91、接続釦、92、ソファースプリング、93、支持棒、10、肘掛け、11、支持フレーム、12、スリーブ、13、ストッパ溝、14、遷移孔、15、ロック溝、16、ロック解除ガイド面、17、ロック孔、18、ロック解除孔、19、圧縮コイルばね、20、調節減衰ダイヤル、21、減衰押圧片、22、ストッパシュート、23、緩衝孔、24、座枠底板、25、金属座体、26、プラスチック座体。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を結び付けながら本出願をさらに詳細に説明し、なお、互いに衝突しない前提で、以下に記述する各実施例間又は各技術的特徴間は、任意の組み合わせで新しい実施例を形成してもよい。
【0035】
本出願の記述では、理解すべきこととして、「上」、「下」、「左」、「右」などの用語が指示する方位又は位置関係は、添付図面に示す方位又は位置関係に基づいており、本出願の記述と記述の簡略化を容易にするためのものであるが、指している装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位で構成され、操作されなければならないことを指示したり示唆したりするものではないため、本出願に対する制限として理解できない。
【0036】
実施例1:
図1~3に示すように、自己適応連動制御の機能シングルチェアは、フットレスト1と、前記フットレスト1に設けられる支持フレーム11と、前記支持フレーム11の両側に設けられる肘掛け10と、2つの前記肘掛け10間に設けられる座フレーム2とバックフレーム9と、前記バックフレーム9に設けられるヘッドレストフレーム8と、前記バックフレーム9と前記肘掛け10との間に設けられる固定回転軸5とを含み、前記バックフレーム9は、前記固定回転軸5によって前記肘掛け10に対して回転可能であり、前記バックフレーム9と前記ヘッドレストフレーム8との間に中継機構7が設けられ、前記固定回転軸5と前記中継機構7との間に連動機構6が設けられ、前記座フレーム2の両側には、減衰の大きさを調節可能な減衰スライド機構3が対称的に設けられ、前記座フレーム2の両側は、前記減衰スライド機構3によって前記支持フレーム11又は前記肘掛け10にスライド接続され、前記座フレーム2と前記バックフレーム9との間に回転接続を採用し、前記ヘッドレストフレーム8と前記バックフレーム9との間は、中継端によって同期連動制御され、前記座フレーム2と前記バックフレーム9との間は、前記連動機構6によって同期連動制御され、前記バックフレーム9と前記ヘッドレストフレーム8との間の傾斜角度は、前記中継機構7によって調節可能である。
【0037】
実際の使用中、両側の肘掛け10は、支持フレーム11によってフットレスト1に取り付けられるが、バックフレーム9の両側は、固定回転軸5によってバックフレーム9と肘掛け10に回転接続され、座フレーム2の両側は、減衰スライド機構3によって支持フレーム11又は肘掛け10にスライド接続されるとともに、座フレーム2とバックフレーム9との間は、回転軸によって接続され、ヘッドレストフレーム8は、中継機構7によってバックフレーム9に回転接続され、固定回転軸5と中継機構7との間に連動機構6がさらに連続されることによって、バックフレーム9が後方に反転する作用力を受けた時に、ヘッドレストフレーム8は、バックフレーム9の中継端推力によって減衰スライド機構3に沿って同期に前方に移動することができるとともに、連動機構6は、中継機構7を下向きに反転させることによって、座フレーム2とヘッドレストフレーム8とバックフレーム9との連動制御を実現することができる。ヘッドレストフレーム8は、中継機構7によってバックフレーム9に取り付けられ、且つ連動機構6は、バックフレーム9と中継機構7との間に取り付けられ、中継機構7によってヘッドレストフレーム8を前後に反転させることができ、背もたれが後方へ傾斜してリクライニングする過程で、利用者の重心は、ヘッドレストフレーム8側に移動し、各利用者の重心比率と最も初期の座深さにいずれも差があるため、各利用者が、背もたれがTV姿勢になった場合、バックフレーム9と床面との挟角がいずれも異なり、連動機構6によってヘッドレストフレーム8とバックフレーム9との間の挟角は、バックフレーム9が後方へ傾斜するとともに徐々に小さくなることができ、バックフレーム9の傾きが大きいほど、ヘッドレストフレーム8とバックフレーム9との間の挟角が小さくなり、ヘッドレストフレーム8とバックフレーム9が共に回転し、その挟角が絶えずに小さくなり、バランスが取れた時にTV姿勢であり、それによって各利用者がいずれもTV姿勢でホバリングでき、TV姿勢の状態での使用がより快適になる。且つバックフレーム9が後方に反転する過程で、連動機構6によって背もたれのバックフレーム9とヘッドレストフレーム8は、前後に回転する時に相対的な傾斜角度の連動調節を実現することができ、それによって背もたれの座り姿勢とTV姿勢との間の自己適応の切り替えの柔軟性がより高くなり、従来の背もたれが後方に反転する時に、ヘッドレストフレーム8が同期に後方に反転する問題を効果的に解決し、椅子がTV姿勢になった時により快適且つ便利になる。同時に、中継機構7によってヘッドレストフレーム8とバックフレーム9との間の傾斜角度を二次的に調節することができ、利用者が後方へヘッドレストフレーム8を回転した後に人体の重心を後方に移動させることによって、横姿勢の状態に達することができ、椅子の背もたれがTV姿勢から横姿勢に切り替わった時により便利且つ簡単になり、ヘッドレストフレーム8を中継機構7によって再び後方に反転させるだけで、TV姿勢から横姿勢への切り替えを実現することができ、それによって椅子の座り姿勢、TV姿勢と横姿勢という3つの姿勢シーンモード間の切り替え時に簡単且つ便利になり、利用者の体験感をよりより良くし、適応範囲がより広く、従来のシングルチェアの背もたれとクッションとの間に椅子姿勢の違いによって相対的な位置関係を同期に調節できないという問題を効果的に解決した。
【0038】
利用者が座り姿勢の状態で、頭が背中に対して斜めの角度をなす癖があるため、座り姿勢の時にヘッドレストフレーム8は、中継機構7によって利用者に必要な角度に前方に反転することができ、利用者が座り姿勢の状態で背もたれに寄る時に、背中と頭部がいずれも良好な支持を有するようになり、異なる利用者の異なるレジャー状況での需要を効果的に満たしている。クッションと背もたれに対して相対的な位置の同期連動調節を行う過程で、減衰スライド機構3の減衰の大きさを調節することで、座フレーム2とバックフレーム9の展開と収縮中の抵抗の大きさを適応的に調節することができ、座フレーム2とバックフレーム9のスライド中の摩擦力を大きく又は小さくすることで、一体連動は、より順調且つ快適になり、異なる利用者の抵抗需要に適応でき、従来の椅子における連動する座枠と背もたれとの間に使用時に存在する連動体験が悪く、連動が順調でなく、及び減衰効果を有しないなどの問題を効果的に解決した。
【0039】
例えば、減衰スライド機構3の抵抗の大きさがゼロ又は無視される場合、バックフレーム9は、比較的に低い作用力を受ければ、それと座フレーム2とを互いに展開させた後にTV姿勢又は横姿勢の状態になることができるが、収縮時に、利用者は、作用力を座フレーム2に作用するだけで、座フレーム2上の作用力によって座り姿勢の状態に素早く戻すことができ、それに対し、減衰スライド機構3の駆動減衰を大きくすると、バックフレーム9と座フレーム2の展開と収縮時に必要な作用力も大きくなり、且つ減衰スライド機構3の調節が完了すると、バックフレーム9と座フレーム2の全体的なスライド中、減衰効果が一定であるため、減衰スライド機構3の減衰の大きさの違いを調整することで、異なる座り姿勢、体重及び身長などの利用者の連動需要に適用されることができ、且つ椅子の伸縮中、より順調且つ自然になり、伸展が難しく、又は突飛に展開する問題がなく、利用者に座り姿勢、TV姿勢、横姿勢などの異なるシーンモードの自己適応の調節の需要を与えることができる。ここで、フットレスト1は、五星足構造を優先的に採用し、フットレスト1と支持フレーム11との間に回転接続を採用する。
【0040】
実施例2:実施例1のもとで以下の通りにさらに改善し、
図1に示すように、前記バックフレーム9は、U字型の支持棒93と、前記支持棒93の両側に設けられる複数組の接続釦91と、両端がそれぞれ両側の前記接続釦91に取り外し可能に設けられるソファースプリング92とを含み、前記支持棒93の両端には、いずれも前記ヘッドレストフレーム8を接続するための前記中継機構7が設けられ、前記固定回転軸5には、腰当て部材4がさらに設けられ、前記腰当て部材4と腰を支持するための前記ソファースプリング92との間に緩衝空間が形成されており、座り姿勢の状態で腰を支持するための前記ソファースプリング92は、後方に曲がった後に前記腰当て部材4を押し当てることで支持し、位置を止め、前記腰当て部材4と腰を支持するための前記ソファースプリング92との間の緩衝空間距離は、前記バックフレーム9が後方に反転するとともに徐々に大きくなる。
【0041】
実際の取り付け中、U字型の支持棒93の両端は、上方に向け、U字型の支持棒93の両側は、固定回転軸5に中継され、且つU字型の支持棒93の両端には、ヘッドレストフレーム8を接続するための中継機構7が取り付けられ、U字型の支持棒93間に複数本のソファースプリング92が横向きに取り付けられ、ソファースプリング92の両端は、接続釦91に取り外し可能に接続され、ソファースプリング92を組み立てる時により便利であり、バックフレーム9の構造全体は、簡単であり、且つソファースプリング92によって背中が後ろに寄る時により快適であり、柔軟性をよくすることができ、ここで、人体の腰部の後方の力受け領域には、ソファースプリング92が取り付けられ、両側の固定回転軸5には、腰を支持するためのソファースプリング92が後方へ曲がった時の位置をストッパし、支持する腰当て部材4が取り付けられ、腰当て部材4によって腰を支持するためのソファースプリング92が後方へ曲がった時に支持と位置づけの役割を果たすことによって、座り姿勢の状態で、腰を支持するためのソファースプリング92が力を受けた後に後方へ曲がりすぎて背中が背もたれにめり込む場合の発生を回避することができ、座り姿勢の時に腰の後方が十分な剛性支持効果を有し、背もたれの頼り心地をより高めるが、バックフレーム9がTV姿勢又は横姿勢に後方に反転する過程で、腰当て部材4が徐々に背もたれの後方を遠ざけることによって、緩衝空間を形成することができ、バックフレーム9が力を受けてリクライニングする過程で、人体の腰をゆっくりと後方に背もたれ内にめり込むことができ、ソファースプリング92が腰当て部材4を遠ざけ、利用者にTV姿勢又は横姿勢に異物感がないことを与えることができ、利用者に横になった時に背中をより快適にし、従来の背もたれが腰の力受け領域のベアラ状況を改善していないことにより着座時に腰が硬すぎ、又は柔らかすぎるという問題を効果的に解決した。
【0042】
実施例2のもとで以下の通りにさらに改善し、
図4に示すように、前記腰当て部材4に当接する前記ソファースプリング92には、スリーブ12が設けられ、前記スリーブ12は、前記ソファースプリング92の1つの突出部に取り外し可能に装着され、前記固定回転軸5の上方に位置する前記支持棒93は、縦棒構造を採用し、前記固定回転軸5の下方に位置する前記支持棒93は、後方に曲がった円弧状棒の構造を採用する。
【0043】
ソファースプリング92自体に支持可能な面がないため、腰当て部材4が後方に突出した背もたれを支持と位置づける時に背もたれの表面を直接破壊する問題があるため、腰当て部材4に当接するソファースプリング92には、スリーブ12が装着され、スリーブ12を組み立てる際に、スリーブ12は、ソファースプリング92の1つの突出部に取り付けられ、取り付ける時により柔軟になり、特にスリーブ12が扁平な管状構造を採用する場合、取り付ける際に、より簡単になり、それを対応するソファースプリング92上の、腰当て部材4に係合する突出部に被せるだけで、当接面を増やす効果を実現することができ、それによってバックフレーム9が力を受けた後にスリーブ12によって腰当て部材4と面接触し、腰当て部材4が内部に当接面がないために背もたれの後面を直接破壊する問題を効果的に回避することができる。しかし、前記固定回転軸5の上方に位置する前記支持棒93は、縦棒構造を採用し、前記固定回転軸5の下方に位置する前記支持棒93は、後方に曲がった円弧状棒の構造を採用する。バックフレーム9の両側の、固定回転軸5の上方に位置する支持棒93は、縦棒構造を採用し、人体背中を支持する際に、支持棒93の縦棒領域で背中を支持することで、背中にフィットした後にフラットな状態にすることができるが、固定回転軸5の下方に位置する支持棒93が後方に曲がった円弧状棒の構造を採用することで、臀部から腰部までの領域に自然に丸みを形成させることができ、それによって人体の座り姿勢の時に腰部と背中に良好なフィット効果が形成されるようになり、傾斜後もバックフレーム9が人体の背骨の自然な曲げ丸みに応じて円弧状のオーバーゾーンを形成することができ、利用者が背もたれにフィットする際に、どのような傾斜角度からでも良好な支持効果を有することができる。
【0044】
実施例3:実施例1のもとで以下の通りにさらに改善し、
図4に示すように、前記中継機構7は、前記ヘッドレストフレーム8に設けられる第1の接続部材71と、前記バックフレーム9に設けられる第2の接続部材73と、前記第1の接続部材71と前記第2の接続部材73との間に設けられるロックピース72とを含み、前記第1の接続部材71と前記第2の接続部材73との間は、回転軸によって接続され、前記第1の接続部材71と前記第2の接続部材73は、相対的に回転した後に前記ロックピース72によって固定される。
【0045】
中継機構7によってヘッドレストフレーム8をバックフレーム9に対して回転させる場合、ロックピース72がロック解除されてから、ヘッドレストフレーム8によって第1の接続部材71が回転軸に対して回転するように駆動することで、第1の接続部材71と第2の接続部材73の相対的な回転を実現することによって、ヘッドレストフレーム8の前後反転を実現することができ、ヘッドレストフレーム8が必要な角度に回転した後にロックピース72によってロックすることによって、ヘッドレストフレーム8の角度調節を実現し、バックフレーム9と一定の角度をなすヘッドレストフレーム8がバックフレーム9とほぼ平行になるように後方に反転すると、TV姿勢の状態での背もたれから横姿勢の状態での背もたれに切り替える調節を実現し、反転後、ロックピース72によって固定させることで、ヘッドレストフレーム8とバックフレーム9の傾斜角度は、異なる利用者の角度需要に合わせ、背もたれをリクライニング後により快適にすることができる。
【0046】
実施例4:実施例3のもとで以下の通りにさらに改善し、
図5に示すように、前記連動機構6は、前記固定回転軸5に設けられる固定リンク61と、両端がそれぞれ前記固定リンク61と前記第2の接続部材73との間に中継される連動棒62とを含み、前記第2の接続部材73と前記バックフレーム9との間は、回転軸によって接続される。
【0047】
実際の取り付け中、固定リンク61が、バックフレーム9の両側の固定回転軸5に取り付けられ、第2の接続部材73が、バックフレーム9に回転接続されるが、連動棒62の両端が第2の接続部材73と固定リンク61に回転接続されることによって、固定リンク61、連動棒62、第2の接続部材73及びバックフレーム9の間に四角形のリンク構造を形成し、固定リンク61と腰当て部材4は、一体構造であり、連動棒62の両端は、ヒンジ接続を優先的に採用し、構造がより簡単であり、回転接続がより便利である。バックフレーム9が固定回転軸5を中心に後方へ回転する時に、固定リンク61と固定回転軸5が固定接続であり、相対運動がなく、連動棒62と固定リンク61とのなす挟角が小さくなり、連動棒62部材の長さが変わらないため、連動棒62部材と第2の接続部材73の中継点から固定リンク61の固定端までの距離が短縮されているため、第2の接続部材73が連動棒62と第2の接続部材73との接続点を中心に回転することで、ヘッドレストフレーム8を回転させ、ヘッドレストフレーム8とバックフレーム9の共同回転を実現し、バックフレーム9が外側に反転する時に、両方間の挟角が絶えずに小さくなり、バランスが取れた時にTV姿勢である。しかし、バックフレーム9が前方に反転してリセットし、座り姿勢を呈する時に、ヘッドレストフレーム8は、自動的に後方に反転した後に座り姿勢の状態の背もたれになることができ、構造が簡単であり、連動性が良い。ここで、第2の接続部材73は、L字型構造を採用し、連動棒62とヘッドレストフレーム8を接続する時により便利になり、連動棒62が上下に移動する時にヘッドレストフレーム8に対する回転制御は、より柔軟になり、バックフレーム9とヘッドレストフレーム8との間の連動中の回転挟角に対する制御は、便利になり、従来の連動機構6の構造が複雑である問題を効果的に解決した。
【0048】
実施例5:実施例4のもとで以下の通りにさらに改善し、
図6に示すように、前記第2の接続部材73には、U字型のストッパ溝13が設けられ、前記ストッパ溝13の両側には、ロック孔17とロック解除孔18が対称的に設けられ、前記ロック孔17とロック解除孔18の一端は、連通した後にL字型構造を形成し、前記第1の接続部材71の一端は、回転軸によって前記ストッパ溝13内に回転接続され、前記第1の接続部材71には、円弧状の遷移孔14が設けられ、前記遷移孔14の一側には、若干のロック溝15が設けられ、頂部の前記ロック溝15と前記遷移孔14の上端ストッパ部との間にロック解除ガイド面16が設けられ、前記ロック孔17内に位置する前記ロックピース72は、前記ロック解除ガイド面16によって外方に押した後に前記ロック解除孔18内に入り、前記ロック解除孔18内に位置する前記ロックピース72は、前記遷移孔14の下端ストッパ部によって上方に持ち上がった後に前記ロック孔17内に入る。
【0049】
実際の操作中、中継機構7全体が椅子内部に包まれるため、ヘッドレストフレーム8とバックフレーム9との間の接続安定性を向上させるために、第2の接続部材73上の、第1の接続部材71を接続するための一端は、下方に凹むU字型ストッパ溝13を形成し、第1の接続部材71の一端が回転軸によってストッパ溝13内に回転接続された後に、第1の接続部材71の安定性をより良くすることができ、回転中に左右に揺れる現象が発生しない。しかし、角度調節の機械的操作の実現を容易にするために、第2の接続部材73の側壁には、互いに連通した後にL字型構造を形成するロック孔17とロック解除孔18が設けられ、ここで、第1の接続部材71に対応する円弧状遷移孔14は、ロック解除孔18にマッチングし、ロック孔17は、各ロック溝15にマッチングし、ロックピース72は、第1の接続部材71と第2の接続部材73を貫通し、且つロック溝15は、遷移孔14の一側に位置し、ロックピース72は、第1の接続部材71と第2の接続部材73を貫通し、第1の接続部材71と第2の接続部材73を回転し、ロックする時に、ロックピース72がロック孔17とそのうちの1つのロック溝15内にある場合、この時、第1の接続部材71と第2の接続部材73は、ロック状態にあり、第1の接続部材71は、上方に反転できない。しかし、ヘッドレストフレーム8とバックフレーム9との間の傾斜角度を回転調節する必要がある場合、第1の接続部材71を下向きに反転させるだけで、ロックピース72は、ロック溝15の遷移接続縁によって押された後にロック孔17の外端に移動することによって、ロックピース72は、ロック孔17の外端に移動してロック解除状態を形成することができ、次のロック溝15がロック孔17に合致すると、ロックピース72がロック孔17に沿ってリセットした後に再びロックすることによって、ヘッドレストフレーム8の角度調節を実現する。しかし、ロックピース72が最上部のロック溝15にある場合、ヘッドレストフレーム8とバックフレーム9は、調節可能な最小挟角位置にあり、ヘッドレストフレーム8が最大ロック角度まで下向きに反転した後に最大挟角までリセットされる必要がある場合、頂部のロック溝15と遷移孔14の上端ストッパ部との間にロック解除ガイド面16が形成されるため、ヘッドレストフレーム8によって下方に回転し続けた後にロックピース72をロック解除ガイド面16に沿って遷移孔14の上端ストッパ部に移動させ、下方に押圧するだけで、ロックがロック孔17に沿って外側に移動した後にロック解除孔18内に係止し、固定することができ、それによって第1の接続部材71が上下に反転する時にロック現象がないが、第1の接続部材71が遷移孔14に沿って遷移孔14の下端ストッパ部に上方に反転すると、遷移孔14の下端ストッパ部によってロックピース72に上向きの駆動の作用力を発生させることによって、ロックピース72は、ロック解除孔18内から上方に持ち上がった後にロック孔17に再び入ることで、再びの各角度調節制御及びロックを実現することができ、一般的には、下端のロック溝15の上方は、円弧状のガイド面を有し、ロック溝15内のロックピース72が外側に押し出す際にガイド面に沿って移動することができ、それによって調節時により簡単且つ柔軟になり、隣接する2つのロック溝15内に角度調節を行う場合、ロックピース72への外側への駆動長さがロック孔17の長さより小さく、それによってロックピース72がロック溝15による角度調節時にロック解除孔18内に係止することを回避することができる。ロック解除ガイド面16は、一般的には、傾斜又は円弧状遷移を採用し、遷移は、より柔軟になり、第1の接続部材71と第2の接続部材73の角度を制御する時に便利であり、且つ機構が簡単であり、制御は簡便であり、使用寿命が長く、全体的に機械調節を採用し、より壊れにくく、且つロック解除とロックの制御方式がより簡単であり、使用体験感がより良く、従来のバックフレーム9とヘッドレストフレーム8との間の角度調節が面倒で、及び調節機構の構造が複雑であり、破損しやすいという問題を効果的に解決した。
【0050】
ロックピース72がU字型のバネ鉄骨を採用することができることによって、ロックピース72がロック解除孔18とロック孔17との間を移動する際に、弾性に応じて自動的にリセットすることができ、構造がより簡単であり、取り付けより便利であり、制作コストがより低く、ロックピース72上の外側に押し出す作用力が無くなると、同期引き込みリセットすることができ、リセット弾力がより持続するとともに、ロックピース72がロック状態で自然な開閉状態にあり、U型段によってより持続的な弾性を確保することができる。
【0051】
座り姿勢の状態でバックフレーム9、座フレーム2と床面がなす挟角で固定され、遷移孔14の一側には、一般的には、少なくとも3つのロック溝15が設けられ、隣接する2つのロック溝15間の挟角は、13~15又は15~18°であり、異なるロック溝15によってヘッドレストフレーム8に少なくとも3つの角度調節を実現することができ、異なる利用者の異なる座り姿勢での角度需要を効果的に満たし、調節角度がより大きくなり、必要な角度により迅速に調節することができ、特に挟角が15°である場合、現在の人々の使用習慣により合い、適用範囲がより広い。
【0052】
実施例6:以上の任意の実施例のもとで以下の通りにさらに改善し、
図7に示すように、前記減衰スライド機構3は、一端が前記肘掛け10又は前記支持フレーム11に固定される固定スライド軸33と、前記座フレーム2の両側に設けられるスライドベース32と、前記スライドベース32内に設けられ、前記固定スライド軸33を接続するための長尺状のスライド孔34と、前記固定スライド軸33の一端に設けられる減衰アジャスタ31とを含む。
【0053】
ここで、固定スライド軸33の一端は、肘掛け10又は支持フレーム11に固定され、且つスライドベース32は、座フレーム2に固定され、座フレーム2が長尺状のスライド孔34によって固定スライド軸33と接続することによって、座フレーム2にスライド中、固定スライド軸33に沿って前後に移動させることができ、座フレーム2を固定スライド軸33に沿って前後に移動させる場合、座フレーム2とバックフレーム9との間に回転軸を採用して接続するため、座フレーム2に対してもバックフレーム9に対しても移動しても、両方の時間の同期運動を実現することによって、両方間の挟角を変化させることができ、固定スライド軸33が長尺状のスライド孔34の両端にある場合、座フレーム2の伸縮限界位置であり、座フレーム2の肘掛け10又は支持フレーム11に対するスライド接続がより簡単且つ便利であるとともに、固定スライド軸33の端部には、減衰アジャスタ31が取り付けられ、減衰アジャスタ31の取り付け固定により便利であり、減衰アジャスタ31の調節がより簡便であり、構造柔軟性がより高い。例えば、固定スライド軸33とスライドベース32との間の減衰の大きさを調節する必要がある場合、減衰アジャスタ31によってスライドベース32の固定スライド軸33に対する作用力を調整するだけで、減衰の調整を実現することができ、減衰アジャスタ31によってスライドベース32と固定スライド軸33の接触面又は張力を大きくすることで減衰の大きさの調整を行うことができる。
【0054】
実施例7:実施例6のもとで以下の通りにさらに改善し、
図7に示すように、前記減衰アジャスタ31は、前記固定スライド軸33の端部に設けられる調節減衰ダイヤル20と、前記固定スライド軸33に外嵌する圧縮コイルばね19と減衰押圧片21とを含み、前記スライドベース32の両側は、それぞれ前記固定スライド軸33と前記減衰押圧片21によってストッパされる。
【0055】
減衰アジャスタ31によって固定スライド軸33とスライドベース32との間の減衰の大きさを調節する場合、長尺状のスライド孔34の両側がそれぞれ固定スライド軸33と減衰押圧片21によってクランプされ、且つ減衰押圧片21と調節減衰ダイヤル20との間が圧縮コイルばね19によって接続されるため、調節減衰ダイヤル20を回転させるだけで、圧縮コイルばね19が減衰押圧片21の圧力を調節することによって、固定スライド軸33と減衰押圧片21によるスライドベース32のクランプ力の調節を実現することができ、クランプ力が大きいほど、スライド抵抗が大きくなり、クランプ力が小さいほど、スライド抵抗が小さくなり、減衰の大きさを調節する際により便利且つ簡単であり、操作がより直接的であり、利用者は、自身の重力と黄金分割比に基づいて調節減衰ダイヤル20の緩みを制御することで、全ての利用者に必要な減衰効果を満たすことができ、且つ圧縮コイルばね19によって減衰押圧片21を押し出すことで、減衰押圧片21の自体に後方へ収縮する冗長な空間が存在し、減衰の大きさの調節範囲をより大きくし、適応性をより広くすることができる。
【0056】
実施例8:実施例7のもとで以下の通りにさらに改善し、
図8に示すように、前記長尺状のスライド孔34の後端には、傾斜して設けられる緩衝孔23がさらに設けられ、前記固定スライド軸33は、前記座フレーム2と前記バックフレーム9の展開中にスライドして前記緩衝孔23に入った後に展開抵抗を徐々に大きくする。
【0057】
現在の長尺状のスライド孔34が一般的に、直線型又は一定の丸みがある長尺状の構造であるため、連動時のストッパガイドスライド役割を果たすことができ、且つ減衰アジャスタ31によって固定スライド軸33が長尺状のスライド孔34内にスライドする時の減衰の大きさを調節することができるが、バックフレーム9に受ける作用力が比較的に大きい場合、固定スライド軸33が長尺状のスライド孔34の一端に直接衝突する場合の発生が発生しやすくなることによって、使用体験感の低減、ひいてはスライドベース32の損傷をもたらすため、長尺状のスライド孔34の後端の背もたれに近い一側には、減衰緩衝効果を有する緩衝孔23を追加することによって、バックフレーム9と座フレーム2が長尺状のスライド孔34に沿ってTV姿勢に展開する時により順調になり、且つ固定スライド軸33が長尺状のスライド孔34にスライした後に緩衝孔23内に入ることによって、バックフレーム9が後方に反転する過程で突然カトン感が出ることを回避し、椅子の座り姿勢からTV姿勢への展開時に体験感をより良くする。しかし、椅子がTV姿勢から横姿勢に切り替わる場合、重力が再びバックフレーム9に向かって傾斜するため、バックフレーム9がリクライニングした後に固定スライド軸33によって緩衝孔23に沿って一定の角度だけ後方に反転させることができ、且つ固定スライド軸33の緩衝孔23への進入が深いほど、座フレーム2とバックフレーム9との間の展開抵抗が大きくなることによって、利用者が展開時に固定スライド軸33がストッパ穴又は緩衝孔23と直接衝突する場合の発生を予防することによって、TV姿勢から横姿勢への切り替え中、より快適になり、体験感が良くなり、シングルチェアが、背もたれが後方に傾斜して反転する過程で長尺状のスライド孔34の端部に硬く、直接に引っかかるという問題を効果的に解決するとともに、減衰アジャスタ31と緩衝孔23の組み合わせによって、減衰スライド機構3が二重減衰制御の効果を有することができる。
【0058】
緩衝孔23と長尺状のスライド孔34との間に、一般的には、円弧状接線遷移を採用することで、固定スライド軸33の遷移がより滑らかになり、カトンの現象が起こらない。しかし、緩衝孔23の構造は、一般的には、長尺孔の構造又は弧状孔構造を採用し、長尺孔の構造を採用する場合、緩衝孔23の傾斜角度が大きいほど、緩衝孔23の減衰増大率も直線的に向上し、その減衰効果は、主に緩衝孔23と長尺状のスライド孔34の傾きに依存し、それに対して、長尺状のスライド孔34が円弧状孔構造を採用する場合、緩衝孔23の減衰増大率を柔らかい状態にすることができ、体験感をより快適にすることができ、且つその減衰効果は、円弧状孔の曲げ丸みに依存する。スライドベース32は、スライド中、スライドベース32の軌跡接線と水平とのなす挟角が九十度に近づくほど、単位スライドの距離が重力ポテンシャルに打ち勝つことが多くなり、利用者が苦労し、減衰効果が強くなり、全過程で、減衰効果はますます大きくなる。
【0059】
実施例9:実施例8のもとで以下の通りにさらに改善し、
図7に示すように、前記長尺状のスライド孔34の一側には、内側に凹むストッパシュート22が設けられ、前記減衰押圧片21は、前記ストッパシュート22内に設けられる。
【0060】
上記技術案を採用することにより、ストッパシュート22によって減衰押圧片21をストッパと収納することができるとともに、一部又は圧縮コイルばね19を収納し、隠すことによって、減衰アジャスタ31の隠蔽性をよりより良くし、美観をより良くし、調節時に、外部の干渉を受けず、固定スライド軸33の長さもより短くすることができる。
【0061】
実施例10:実施例6のもとで以下の通りにさらに改善し、
図8に示すように、前記スライドベース32は、金属座体25と、プラスチック座体26とを含み、前記長尺状のスライド孔34と前記ストッパシュート22は、前記プラスチック座体26に設けられ、前記プラスチック座体26は、前記金属座体25内に設けられ、前記スライドベース32と前記座フレーム2との間には、座枠底板24がさらに設けられ、前記スライドベース32は、前記座枠底板24によって前記座フレーム2に固定される。
【0062】
スライドベース32は、金属座体25とプラスチック座体26によって構成され、且つプラスチック座体26が一般的に、金属座体25内に埋設されることによって、プラスチック座体26の使用寿命をより長くし、ベアラ効果をより良くすることができ、プラスチック座体26が、長期間の使用中に重力を受けて破断しやすいという問題を効果的に解決した。スライドベース32と座フレーム2を取り付けて固定させる際に、両方間が座枠底板24によって接続されることで、スライドベース32の体積を小さくすることができるし、スライドベース32と座フレーム2との間の接続安定性をより高くすることができ、スライドベース32の一体高度を効果的に低減するとともに、ストッパ穴を必要な位置に確保する。
【0063】
本具体的な実施の形態の実施例が、いずれも本出願の好ましい実施例であり、これによって本出願の保護範囲を制限するものではないため、本出願の構造、形状、原理に基づく等価的な変化は、いずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。