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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024031995
(43)【公開日】2024-03-07
(54)【発明の名称】壁面処理システム
(51)【国際特許分類】
   E04F 21/00 20060101AFI20240229BHJP
   E04G 21/16 20060101ALI20240229BHJP
   B25J 11/00 20060101ALI20240229BHJP
   E04G 23/02 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
E04F21/00 Z
E04G21/16
B25J11/00 D
E04G23/02 A
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023201661
(22)【出願日】2023-11-29
(62)【分割の表示】P 2020016560の分割
【原出願日】2020-02-03
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】土井 暁
(57)【要約】
【課題】壁面に対して垂直方向に工具を接近させることにより、壁面処理を実行させることができる壁面処理システムを提供する。
【解決手段】壁面処理システムは、壁面に沿って移動するケース部内に収容された壁面処理装置21と制御ユニットとを備える。壁面処理装置21は、壁面に対して処理を行なう削孔工具70を把持する把持部35と、パラレルリンク機構34と、パラレルリンク機構34を支持するベース板31とを備える。パラレルリンク機構34は、削孔工具70を壁面に対向させる把持部35の壁面処理姿勢で、把持部35を壁面に対して直進させる。ケース部には、推進力を発生させてケース部を壁面に押し付ける第1プロペラ機構を備える。この第1プロペラ機構により、把持部35の前進力の反力を受け止めて把持部35を壁面に近接させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面処理を行なう工具を動作させる動作ユニットと、
前記動作ユニットを内部に収容して、壁面に沿って移動可能なケース部とを備え、
前記動作ユニットは、
前記工具を把持する把持部と、
前記把持部を前記壁面に向かって前進させるパラレルリンク機構と、
前記パラレルリンク機構を支持するベース板とを備え、
前記ケース部は、前記把持部の前進力の反力を受け止めて前記把持部を前記壁面に近接させる受止部を備え、
前記パラレルリンク機構は、前記工具を前記壁面に向かって直進可能とするように、前記ケース部に横方向に取り付けられていることを特徴とする壁面処理システム。
【請求項2】
前記ベース板は、水平方向から前記ケース部に支持されることを特徴とする請求項1に記載の壁面処理システム。
【請求項3】
前記ベース板は、前記ケース部に回動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の壁面処理システム。
【請求項4】
垂直面と平行な水平軸を中心軸として前記ベース板を回動させることにより、前記壁面に対向する壁面処理姿勢と、工具収納部の前記工具を着脱する前記把持部の着脱姿勢との変更を行なう姿勢変更部とを備えることを特徴とする請求項2又は3に記載の壁面処理システム。
【請求項5】
前記パラレルリンク機構は、前記把持部の可動板と前記ベース板とに固定される複数のリンク機構と、前記リンク機構毎に設けられる駆動モータとを備え、
前記駆動モータは、前記壁面に対向する壁面処理姿勢における位置に応じて異なる出力特性を有する請求項1に記載の壁面処理システム。
【請求項6】
前記パラレルリンク機構は、3つのリンク機構をそれぞれ駆動させる3つのモータを備え、前記壁面に対向する壁面処理姿勢において、前記3つのモータのうちの2つのモータが、前記把持部において前記工具を把持する位置よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の壁面処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工具を用いて壁面に処理を実行する壁面処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物の外壁の経年劣化により、壁の一部や壁に設けたタイルが剥離することがある。そのため、外壁の補修工事が行なわれている。外壁の補修工事として、一般的に、外壁の壁面部分のモルタルやコンクリートが浮いている部分に孔を設けたり、エポキシ樹脂系接着剤を注入したり、孔にピンを挿入して浮いていた部分を抑えたりすることが行なわれる。しかしながら、壁面の補修箇所が高い位置にある場合には、人が近づくことが難しく、補修作業を迅速に行なうことは難しかった。
【0003】
また、広範な作動範囲を有する軽量なロボットとして、パラレルリンク機構を用いたロボットが知られている(例えば、特許文献1参照)。この文献においては、パラレルリンク機構は、支持体の上端部から第1アーム及び第2アームを介して、下方に突出する回転軸の下部に設けられたリンク作動装置に用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-167350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した補修作業を行なうために、上述したパラレルリンク機構のロボットを用いることも考えられる。通常、壁面における補修箇所まで自由に移動させるために、壁面処理装置を吊るすことが多い。この場合、開孔、ピン挿入、接着剤注入等の壁面処理を行なう工具を前進させようとした場合、その反力で壁面処理装置が後方に移動してしまうことがある。従って、工具を用いた壁面処理装置を効率的に行なうことは難しかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する壁面処理システムは、壁面処理を行なう工具を動作させる動作ユニットと、前記動作ユニットを内部に収容して、壁面に沿って移動可能なケース部とを備え、前記動作ユニットは、前記工具を把持する把持部と、前記把持部を前記壁面に向かって前進させるパラレルリンク機構と、前記パラレルリンク機構を支持するベース板とを備え、前記ケース部は、前記把持部の前進力の反力を受け止めて前記把持部を前記壁面に近接させる受止部を備え、前記パラレルリンク機構は、前記工具を前記壁面に向かって直進可能とするように、前記ケース部に横方向に取り付けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、壁面に対して垂直方向に工具を接近させることにより、壁面処理を実行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態における壁面処理システムを壁面に沿って配置した全体構成を説明する説明図。
図2】実施形態における壁面処理装置の壁面処理姿勢時の斜視図。
図3】実施形態における壁面処理装置の壁面処理姿勢時の上面図。
図4】実施形態における壁面処理装置の壁面処理姿勢時の側面図。
図5】実施形態における壁面処理装置の壁面処理姿勢時の背面図。
図6】実施形態における壁面処理装置の動作ユニットの斜視図。
図7】実施形態におけるパラレルリンク機構の構造を説明する正面図。
図8】実施形態における把持部の構造を説明する上面図。
図9】実施形態における工具収納部を説明する斜視図。
図10】実施形態における削孔工具を説明する正面図。
図11】実施形態における打込み工具を説明する説明図であって、(a)は打込み工具の全体の側面図、(b)は打込み工具の先端の拡大図。
図12】実施形態における注入工具を説明する説明図であって、(a)は注入工具の側面図、(b)は注入工具の供給ホースに接続された構造を説明する概念図。
図13】実施形態における壁面処理装置のケース部の構成を説明する斜視図。
図14】実施形態における壁面補修処理の処理手順を説明する流れ図。
図15】実施形態における壁面処理装置の着脱姿勢時の斜視図。
図16】実施形態における壁面処理装置の着脱姿勢時の上面図。
図17】変更例における注入工具の説明図であって、(a)は注入工具の要部の斜視図、(b)は注入工具の要部の上面図、(c)は注入工具の要部の断面図。
図18】変更例における注入工具の説明図であって、(a)は接着剤筒体が装填領域に配置された状態、(b)はアンカーピンが接着剤筒体に挿入し始めた状態、(c)はアンカーピンが接着剤筒体に挿入された状態、(d)は次の接着剤筒体がアンカーピンを押しながら装填領域に装填される状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1図16を用いて、壁面処理システムを具体化した一実施形態を説明する。
本実施形態では、垂直面である壁面に設けられたタイルの浮きを補修する補修処理(壁面処理)を実行する装置として説明する。この補修処理では、本実施形態では、壁面に孔を開ける削孔処理、壁面に形成した孔にアンカーを打ち込む打込み処理、壁面の孔及びアンカーに接着剤を注入する注入処理の3つの処理を実行する。このため、工具として、削孔工具70、打込み工具80、注入工具85を用いる。削孔処理及び打込み処理が第1壁面処理に対応し、打込み処理及び注入処理が第2壁面処理に対応する。更に、削孔工具70及び打込み工具80が第1工具に対応し、打込み工具80及び注入工具85が第2工具に対応する。
【0010】
図1に示すように、本実施形態における壁面処理システム10は、吊架ユニット11,12、地上ユニット13,14、ケース部C60、壁面処理装置21及び制御ユニット25を備える。
【0011】
吊架ユニット11,12は、壁面Wa1の上方の屋上において、壁面処理の範囲の両端部に固定される。吊架ユニット11,12は、屋上から壁面Wa1側に先端を突き出して、第1ワイヤW11,W12を壁面Wa1に沿って延在させる。第1ワイヤW11,W12は、ケース部C60の上面の吊下部C62に固定される。吊架ユニット11,12は、ウインチを備え、制御ユニット25の指示に応じて、第1ワイヤW11,W12の巻き取り又は巻き出しを行なって、吊架ユニット11,12から吊下部C62までの第1ワイヤW11,W12の長さを変更することにより、ケース部C60を壁面Wa1の任意の箇所(位置)に移動させる。
地上ユニット13,14は、地上に配置され、ケース部C60の下面の係合部C63に固定された第2ワイヤW21,W22の巻き取り又は巻き出しを行なって、ケース部C60の移動時の揺れや傾斜を抑制する。
【0012】
ケース部C60は、壁面処理装置21を収容し、壁面Wa1に沿って移動する。このケース部C60の詳細については詳述する。
壁面処理装置21は、壁面処理としての補修処理を実行する。
制御ユニット25は、吊架ユニット11,12のウインチ、壁面処理装置21等の制御を行なう。この制御ユニット25の詳細は、後述する。
【0013】
(壁面処理装置21の構造)
図2図5は、この壁面処理装置21の斜視図、上面図、側面図及び背面図である。本実施形態の壁面処理装置21は、動作ユニット30、工具収納部50及びフレーム部60を備える。工具収納部50は、フレーム部60の後方(壁面Wa1側である前方とは反対側)に寄って配置される。
【0014】
図2に示すように、フレーム部60は、底面を構成する板形状の基台部61、棒状の縦枠62及び横枠63,64を備える。基台部61の上に、4つの縦枠62が立設される。縦枠62の上端部同士が、横枠63,64によって連結される。
また、基台部61には、アンカー収納部(図示せず)が設けられている。このアンカー収納部は、複数のアンカーを収納し、順次、アンカーを立てた状態で取出可能にする。
【0015】
図2に示すように、フレーム部60の短手方向に配置された2つの縦枠62の中央には、取付板65,66がそれぞれ固定される。取付板65,66には、ベアリングが設けられ、動作ユニット30の回転軸32bを回動可能に支持する。取付板66には、正逆回転可能な第1モータ67が固定される。第1モータ67の出力軸には、図3及び図5に示す第1ギア68が固定される。
【0016】
<動作ユニット30の構造>
図6に示すように、動作ユニット30は、ベース板31、取付部32、第2ギア33、パラレルリンク機構34、把持部35を備える。動作ユニット30の姿勢を変更する姿勢変更部は、第1モータ67、第1ギア68、第2ギア33及び取付部32で構成される。
【0017】
図2及び図5に示すように、ベース板31は、リング形状を有する。
図3及び図5に示すように、ベース板31には、中央から左右方向(基台部61の長手方向)にそれぞれ突出する2つの取付部32が取り付けられる。各取付部32は、前方(壁面Wa1側)に突出する突出部32aと、この突出部32aに固定された回転軸32bとを備える。
【0018】
回転軸32bは、壁面Wa1(基台部61の長手方向)と平行な水平軸である。この回転軸32bの取付板66側の端部には、第2ギア33が固定される。この第2ギア33は、第1モータ67の出力軸の第1ギア68に噛み合う。これにより、第1モータ67の出力軸の回転によって、第1ギア68、第2ギア33及び取付部32を介して、ベース板31は、回転軸32bを中心として回動する。
【0019】
図5に示すように、ベース板31には、パラレルリンク機構34が取り付けられている。パラレルリンク機構34は、3つのリンク機構34a,34b,34cを備える。リンク機構34a,34b,34cは、ベース板31の外周に等間隔(中心角で120度毎)で固定され、把持部35の可動板36の外周に等間隔(中心角で120度毎)で固定される。各リンク機構34a~34cは、同じ構造及び同じ大きさで構成される。
【0020】
3つのリンク機構34a~34cに用いる駆動モータとしての第2モータ42には、壁面処理姿勢における位置に応じて異なる出力特性を有するモータを用いる。これにより、動作ユニット30が壁面に対向する壁面処理姿勢において、配置に寄らず出力トルクがほぼ同じとなる。
【0021】
具体的には、リンク機構34aは、可動板36が鉛直状態となる壁面処理姿勢において、可動板36の中心C2の上方に位置し、リンク機構34b,34cは、可動板36の中心C2の下方に位置する。そして、上方に位置するリンク機構34aを駆動する第2モータ42には、他のリンク機構34b,34cを駆動する第2モータ42よりも大きな負荷が加わる。このため、リンク機構34aの第2モータ42として、リンク機構34b,34cの第2モータ42よりも大きなトルクを出力可能なモータを用いる。また、リンク機構34b,34cの第2モータ42は、同じトルクを出力するモータを用いる。
【0022】
(リンク機構34aの構造)
次に、リンク機構34aの構造について詳細に説明する。他のリンク機構34b,34cは、リンク機構34aと同じ構造であるため、その詳細な説明は省略する。
【0023】
図7に示すように、リンク機構34aは、固定側取付部41、第2モータ42、プーリ43、ベルトB1、連結軸44、アーム部45、固定側連結部材46、リンク部材47、可動側連結部材48及び可動側取付部49を備える。
【0024】
固定側取付部41は、2枚の取付板41a,41bと複数の連結部材41cとを有する。連結部材41cは、取付板41a,41bを間隔をおいて連結する。
図4に示すように、取付板41bは取付板41aより長く、取付板41a,41bは、ベース板31に斜めに取り付けられる。この取付板41bには、第2モータ42が固定される。
【0025】
図7に示すように、取付板41a,41bの間には、プーリ43,44a、ベルトB1が配置される。第2モータ42の先端には、プーリ43が固定されている。このプーリ43は、ベルトB1を介して、連結軸44の先端に固定されたプーリ44aに回転力を伝達する。
【0026】
連結軸44におけるプーリ44aの反対側の端部44bには、アーム部45の取付板45a,45bの一端部が固定される。取付板45a,45bの他端部には、固定側連結部材46が固定される。そして、固定側連結部材46には、2対(4本)のリンク部材47の一端部が回動可能に取り付けられる。リンク部材47は、固定側連結部材46を挟むように対で配置される。
【0027】
図8に示すように、リンク部材47の他端部は、可動側連結部材48の一端部に回動可能に取り付けられる。可動側連結部材48は、固定側連結部材46と同様に、対となるリンク部材47で挟まれる。
【0028】
図7に示すように、可動側連結部材48の他端部には、可動側取付部49が固定される。可動側取付部49は、長さが異なる取付板49a,49bを備える。取付板49a,49bは、把持部35の可動板36に間隔をおいて斜めに取り付けられる。
【0029】
(把持部35の構造)
図8に示すように、把持部35は、可動板36、2つの電動シリンダ37、2つの工具保持部38を備える。
【0030】
図5及び図6に示すように、リンク機構34a,34b,34cが固定される可動板36は、中心C2領域に切欠き36aを有する形状の平板である。切欠き36aは、壁面処理姿勢において下側が開口する配置で設けられている。この切欠き36aには、更に、左右方向に延在する2条の切欠き36bが設けられている。
【0031】
図8に示すように、可動板36のベース板31側の面には、切欠き36aの左右に、電動シリンダ37が固定される。この電動シリンダ37のロッド37aは、工具保持部38に固定される。これにより、電動シリンダ37が駆動されてロッド37aが伸縮すると、両方の工具保持部38が接近又は離隔する。
【0032】
工具保持部38は、矩形状の上面部38a、下面部38b、2つの側面部38c及び取付部38dを備える。上面部38a及び下面部38bには、保持する工具(70,80,85)の第1係合部T1及び第2係合部T2にそれぞれ外嵌可能な略半円形状を有する。各側面部38cは、可動板36の切欠き36bを貫通し、上面部38aと下面部38bの端部に固定される。取付部38dは、電動シリンダ37側で2つの側面部38cに固定される。この取付部38dには、電動シリンダ37のロッド37aが固定される。
【0033】
以上、説明したように、各リンク機構34a~34cは、固定側取付部41を介してベース板31に斜めに取り付けられるとともに、可動側取付部49を介して可動板36に斜めに取り付けられる。更に、各リンク機構34a~34cがベース板31及び可動板36に等間隔で固定されている。これにより、各リンク機構34a~34cの第2モータ42が同じ回転量で回転すると、リンク部材47が連結部材(46,48)に対して回動して、可動板36が前後に直進する。
【0034】
<工具収納部50の構造>
図9に示すように、工具収納部50は、フレーム部60の基台部61の上に固定された台座部51と、第3モータ52と、工具支持部55とを備える。
【0035】
台座部51は、2つのブロック51aと、円板形状のモータ固定部51b及び載置部材51cとを備える。ブロック51aの上には、下部脚部を介してモータ固定部51bが固定される。モータ固定部51bの中心には、出力軸を上に向けた第3モータ52が固定される。
【0036】
モータ固定部51bの上には、上部脚部を介して載置部材51cが固定される。載置部材51cの上には、工具支持部55が、回動可能に載置される。工具支持部55は、円板形状の中央部に対して、外周に等間隔で配置された4つの係止部55aを備える。中央部の中心には、回転軸(シャフト)が下方に突出している。この回転軸は、第3モータ52の出力軸とカップリングを介して固定されており、第3モータ52の駆動によって、工具支持部55が回動する。
【0037】
各係止部55aは、外側一端部の中央領域を含む切欠きを備えた板部材である。この係止部55aは、把持部35の可動板36の切欠き36aに挿入可能な幅を有する。係止部55aの切欠き部は、外側の切欠き幅が広い段付き形状を有する。切欠き幅が広い外側部の周囲に、工具(70,80,85)が引っ掛けられて、工具(70,80,85)が支持される。また、切欠き幅が小さい内側部には、電磁石57が固定される。電磁石57は、通電により係止部55aに支持された工具(70,80,85)を固定する。
【0038】
(各工具の構造)
図10図11(a)及び図12(a)は、それぞれ削孔工具70、打込み工具80、注入工具85の側面図を示している。これら各工具(70,80,85)は、同じ形状の筐体部T0を有する。筐体部T0は、動作ユニット30の把持部35の工具保持部38が嵌合する形状を有する。具体的には、筐体部T0は、円筒形状の第1係合部T1、リング形状の第2係合部T2、四角筒形状の収容部T3を備える。収容部T3の上面及び下面には、第1係合部T1及び第2係合部T2が固定される。
【0039】
第1係合部T1及び第2係合部T2は、対向する2つの工具保持部38の上面部38a及び下面部38bによってそれぞれ挟まれて保持される。
第2係合部T2は、工具支持部55の係止部55aの切欠きの幅よりも大きいため、第2係合部T2の外端部が係止部55aの切欠きの周囲に係止することにより、工具支持部55は各工具(70,80,85)を支持する。なお、第2係合部T2は、工具保持部38の下面部38bより少し大きい厚みを有する。
収容部T3の内部は、第1係合部T1及び第2係合部T2の内部と連通する。収容部T3には、ソレノイドやモータ等が収納される。
【0040】
<削孔工具70の構造>
図10に示すように、削孔工具70は、筐体部T0、第4モータ71、ロータリージョイント72、コアドリル74、ケーブル76、水供給ホース77及び排水ホース78を備える。
【0041】
筐体部T0の収容部T3内には、第4モータ71が収容される。第4モータ71には、ケーブル76を介して電力及び信号が供給される。第4モータ71の出力軸の先端は、ロータリージョイント72を介してコアドリル74が固定される。コアドリル74は、形成する段付き孔の形状に応じた位置に段が設けられた段付きコアドリルである。このコアドリル74は、壁面Wa1に段付きの孔を形成する。また、コアドリル74の中心軸は、筐体部T0の中心に一致するように配置される。
【0042】
ロータリージョイント72には、水供給ホース77と、先端部72a側に排水ホース78とが接続されている。そして、ロータリージョイント72において、第4モータ71の出力軸の回転をコアドリル74に伝達しながら、出力軸及びコアドリル74を水で冷却する。更に、筐体部T0の第1係合部T1を貫通するケーブル76、水供給ホース77及び排水ホース78は、第1係合部T1の上の開口部から制御ユニット25や冷却装置等に接続される。
【0043】
<打込み工具80の構造>
図11(a)に示すように、打込み工具80は、筐体部T0、ソレノイド81、段差棒82、スプリング83及びケーブル84を備える。
【0044】
筐体部T0の収容部T3内には、通電時にプランジャが引き込まれるプル型のソレノイド81が収容される。ソレノイド81のプランジャの先端には、磁性材料で形成された段差棒82が固定される。段差棒82の中心軸は、筐体部T0の中心に一致するように配置される。段差棒82の途中には、リング状の係止部82aが設けられている。この係止部82aとソレノイド81のプランジャとの間にスプリング83が配置される。
【0045】
図11(b)は、段差棒82の先端の拡大図である。この図に示すように、段差棒82の先端近傍には、壁面に形成した孔に打込むアンカーA1を係合する段差部が設けられている。この段差部には、スポンジ82bが固定されている。
ソレノイド81の通電時には、段差棒82の先端が貫通したアンカーA1の一端部を吸着して保持する。
【0046】
<注入工具85の構造>
図12(a)に示すように、注入工具85は、注入パイプ86を備える。この注入パイプ86は、筐体部T0の収容部T3の内部及び第2係合部T2の内部を貫通して固定される。また、注入パイプ86は、その中心軸が筐体部T0の中心に一致するように配置され、アンカーA1が配置された孔に挿入可能な径を有する。更に、注入パイプ86は、第1係合部T1の内部において供給ホース87に接続される。本実施形態では、接着剤として、エポキシ樹脂を主成分とする二液(A液とB液)とを混合して使用する。
【0047】
図12(b)は、供給ホース87が接続される液供給部88を示す。液供給部88は、基台部61上に配置される。液供給部88は、吐出部88m、内部に区画された第1液体供給室88a及び第2液体供給室88bを備える。第1及び第2液体供給室88a,88bには、接着剤となる二液(A液とB液)がそれぞれ収容される。吐出部88mは、第1及び第2液体供給室88a,88bからの二液が供給されて混合されて、混合した接着剤が供給ホース87に供給される。そして、吐出部88mには、流量計及び圧力計(図示せず)が設けられている。流量計及び圧力計は、吐出部88mから押し出される各液体(A液及びB液)の流量及び注入圧を計測する。
【0048】
(ケース部C60の構造)
図13に示すように、上述した壁面処理装置21を収容するケース部C60は、開口した裏面C6aを有する本体部C61を備える。裏面C6aから、ケース部C60内に収容された壁面処理装置21の把持部35が壁面Wa1へと突出する。
【0049】
本体部C61の上面及び下面には、吊下部C62及び係合部C63が取り付けられる。吊下部C62は、吊架ユニット11,12からケース部C60を吊るす第1ワイヤW11,W12の端部を、傾斜角度が自由な状態で固定する。
【0050】
本体部C61の裏面C6aと対向する側面には、2つの第1プロペラ機構C64が設けられている。第1プロペラ機構C64は、受止部として機能し、壁面Wa1とほぼ平行に配置され、水平軸回りに回転する羽根を有する。そして、羽根の回転により発生した推進力で、ケース部C60を裏面C6a側(壁面Wa1側)に押し付ける。これにより、壁面処理装置21の把持部35の可動板36が前進した際の反力を受け止めて、可動板36に設けた工具の先端を壁面Wa1へと直進させる。
【0051】
また、本体部C61には、第2プロペラ機構C65及び左右方向に突出した第3プロペラ機構C67を備える。第2プロペラ機構C65及び第3プロペラ機構C67は、軸回りに回転する羽根を有し、本体部C61に設けた風力計や加速度計の計測値に応じて羽根を回転させることにより推進力を発生させる。これにより、第2プロペラ機構C65は、左右方向の位置の調整を行ない、第3プロペラ機構C67は、上下の傾きを調整して、水平を維持する。
【0052】
(制御ユニット25の構成)
図1に示すように、制御ユニット25は、管理部251、収納制御部252、把持制御部253、移動制御部254、リンク制御部255、削孔制御部256、打込み制御部257及び注入制御部258を備える。更に、制御ユニット25には、距離計が接続されている。この距離計は、可動板36から壁面Wa1までの距離を計測する。
【0053】
管理部251は、壁面補修処理の全体を管理する処理を実行する。管理部251は、壁面補修処理を行なう壁面Wa1における補修箇所(処理対象箇所)の位置情報を取得する。更に、管理部251は、把持部35の可動板36と、把持部35に把持された状態における各工具(70,80,85)の先端までの距離とを記憶している。そして、管理部251は、距離計によって計測した距離を用いて、各工具(70,80,85)の先端から壁面Wa1までの距離を特定する。
【0054】
収納制御部252は、工具収納部50の第3モータ52の駆動を制御して、工具支持部55の回動を制御する。また、収納制御部252は、電磁石57の通電を制御することにより、工具(70,80,85)の着脱を制御する。
【0055】
把持制御部253は、第1モータ67の駆動を制御して、動作ユニット30の姿勢(向き)を制御する。更に、把持制御部253は、把持部35の電動シリンダ37の駆動を制御して、工具(70,80,85)の把持や取り外しを制御する。
【0056】
移動制御部254は、壁面処理装置21を補修箇所まで移動する処理を制御する。この場合、移動制御部254は、壁面Wa1において指定された補修箇所の位置(xy座標)を特定し、これに応じて吊架ユニット11,12のウインチを制御して、第1ワイヤW11,W12の巻き出し及び巻き取りを行なう。これにより、吊架ユニット11,12からケース部C60までの第1ワイヤW11,W12の長さを変更することにより、補修箇所に壁面処理装置21を移動させる。
【0057】
リンク制御部255は、動作ユニット30の第2モータ42の駆動を制御して、把持部35の可動板36の直進移動を制御する。この場合、リンク制御部255は、各リンク機構34a~34cの第2モータ42を、回転角度が同じとなるように同期して制御する。更に、リンク制御部255は、削孔制御部256と連動して、把持部35の前進速度を、コアドリル74の回転数と第2モータ42の負荷とに基づいて調整する。例えば、コアドリル74の前進速度が速くなり、回転数が低くなったり負荷が大きくなったりした場合には、前進速度を遅くする。更に、リンク制御部255は、打込み制御部257と連動して、把持部35の前進速度を第2モータ42の負荷に基づいて調整する。また、リンク制御部255は、注入制御部258と連動して、注入工具85の先端を、壁面Wa1に形成した孔に挿入する。
【0058】
削孔制御部256は、壁面Wa1に孔を開けるために、削孔工具70を用いた壁面処理装置21の動作を制御する。
打込み制御部257は、壁面Wa1に形成した孔にアンカーを打ち込むために、打込み工具80を用いた壁面処理装置21の動作を制御する。
【0059】
注入制御部258は、アンカーを打ち込んだ孔に接着剤を注入するために、注入工具85を用いた壁面処理装置21の動作を制御する。本実施形態では、注入制御部258は、壁面Wa1の孔に注入パイプ86の先端を挿入し、注入パイプ86の先端から二液の混合液(接着剤)を注入する。そして、注入制御部258は、接着剤の注入圧及び流量に基づいて、接着剤の注入の終了を判定する。
【0060】
(壁面補修処理)
次に、上述した構造の壁面処理システム10を用いた壁面補修処理について説明する。
壁面処理システム10の制御ユニット25の管理部251は、壁面において補修箇所の位置を、作業者からの指示に応じて取得する。そして、壁面処理システム10の移動制御部254は、第1プロペラ機構C64を駆動して、壁面処理装置21を壁面Wa1側に押し付ける。その後、管理部251は、取得した補修箇所のうち1の補修箇所を特定し、補修箇所毎に、以下の壁面補修処理を実行する。
【0061】
図14に示すように、まず、壁面処理システム10の制御ユニット25は、処理位置への移動処理を実行する(ステップS1-1)。具体的には、制御ユニット25の移動制御部254は、吊架ユニット11,12のウインチを制御することにより、特定した補正箇所(移動先)の座標(xy座標)に応じて吊架ユニット11,12からケース部C60までの第1ワイヤW11,W12の長さを変更する。これにより、ケース部C60に収容された壁面処理装置21を移動先に移動させる。
【0062】
この場合、図8に点線で示すように、電動シリンダ37のロッド37aは短くなって、2つの工具保持部38が離間した位置にある。更に、工具収納部50の電磁石57により、各工具(70,80,85)を吸着している。
【0063】
そして、図14に示すように、制御ユニット25は、削孔工具の把持処理を実行する(ステップS1-2)。具体的には、把持制御部253は、取付板66の第1モータ67を駆動させる。この第1モータ67の出力軸の回転により、第1ギア68、動作ユニット30の第2ギア33を介して、取付部32の回転軸32bを回転させ、この回転軸32bに固定されたベース板31を回転させる。これにより、動作ユニット30を、工具支持部55と干渉しない退避姿勢に変更させる。更に、収納制御部252は、第3モータ52を駆動させることにより工具収納部50を回転させ、削孔工具70を支持する係止部55aを、壁面Wa1側(工具の着脱位置)に位置させる。
【0064】
次に、把持制御部253は、第1モータ67を駆動させることにより動作ユニット30を、ベース板31及び可動板36が水平に延在する下向きの着脱姿勢に変更する。そして、把持制御部253は、電動シリンダ37を駆動させてロッド37aを伸長させることにより工具保持部38を接近させる。そして、工具保持部38の上面部38a及び下面部38bが、削孔工具70の第1係合部T1及び第2係合部T2を嵌合して、削孔工具70を把持する。その後、収納制御部252は、削孔工具70を支持する係止部55aに配置された電磁石57への通電を停止して、削孔工具70の吸着を停止する。
【0065】
次に、制御ユニット25は、削孔工具の壁面への対向配置処理を実行する(ステップS1-3)。具体的には、把持制御部253は、第1モータ67を駆動することにより、動作ユニット30を、着脱姿勢から壁面処理姿勢に変更する。
【0066】
次に、制御ユニット25は、処理位置の特定処理を実行する(ステップS1-4)。具体的には、管理部251は、距離計を用いて壁面Wa1までの距離を計測する。そして、管理部251は、削孔工具70のコアドリル74が壁面Wa1から所定距離(例えば1mm)離れた位置となるように、第2モータ42を駆動して、可動板36の前後の位置を調整する。
【0067】
次に、制御ユニット25は、削孔処理を実行する(ステップS1-5)。具体的には、削孔制御部256は、削孔工具70の第4モータ71を駆動させてコアドリル74を回転させる。この場合、削孔工具70のロータリージョイント72には、水供給ホース77を介して水が供給され、かつ排水ホース78を介して水が排出される。これにより、コアドリル74は冷却されながら回転する。
【0068】
そして、削孔制御部256は、リンク制御部255と連動することにより、各リンク機構34a~34cの第2モータ42を駆動させて、把持部35の可動板36を前方に直進させる。この場合、ケース部C60の第1プロペラ機構C64の推進力によって壁面処理装置21は壁面Wa1側に押し付けられているため、可動板36の前方直進力の反力より壁面処理装置21が壁面Wa1と反対側に逃げることなく、可動板36を前進させることができる。これにより、コアドリル74を回転させながら前進させて、壁面Wa1に、開口側が大径となる段付きの孔を形成する。この場合、削孔制御部256におけるコアドリル74の回転数、第2モータ42の負荷に基づいて、リンク制御部255は、可動板36の前進速度を調整する。そして、リンク制御部255は、予め定めた指定深さまで、可動板36及びコアドリル74を前進させる。
【0069】
その後、削孔制御部256は、第4モータ71を停止し、リンク制御部255は、各リンク機構34a~34cの第2モータ42を逆回転させる。これにより、可動板36を後方に直進させて、コアドリル74を孔から引き抜く。
【0070】
次に、制御ユニット25は、打込み工具への交換処理を実行する(ステップS1-6)。具体的には、把持制御部253は、第1モータ67を駆動させて、回転軸32bを回転させることにより、動作ユニット30を、横向きの壁面処理姿勢から下向きの着脱姿勢に変更する。
【0071】
この場合、図15及び図16に示すように、削孔工具70の第2係合部T2は、着脱位置の工具支持部55の係止部55aの切欠きの上に位置する。ここで、着脱位置とは、壁面Wa1側であって、係止部55aが、壁面処理装置21の中央垂直面C1上となる位置である。
【0072】
そして、把持制御部253は、電動シリンダ37を駆動させてロッド37aを縮小させることにより工具保持部38を離間させる。これにより、削孔工具70の第2係合部T2が、係止部55aの切欠きの周囲の上面に引っ掛かり、削孔工具70が係止部55aに載置される。収納制御部252は、削孔工具70を載置した係止部55aの電磁石57に通電して、削孔工具70を吸着する。
【0073】
次に、把持制御部253は、第1モータ67を駆動させて、動作ユニット30を退避姿勢に変更させる。そして、収納制御部252は、第3モータ52を駆動させることにより、工具支持部55を回転させて、打込み工具80を工具の着脱位置に配置する。次に、把持制御部253は、第1モータ67を駆動させて動作ユニット30を退避姿勢から着脱姿勢に変更した後、電動シリンダ37を駆動してロッド37aを伸長させて、打込み工具80を把持する。この場合、工具保持部38の上面部38a及び下面部38bを、打込み工具80の第1係合部T1及び第2係合部T2に嵌合させる。その後、収納制御部252は、打込み工具80を吸着していた電磁石57への通電を停止する。
【0074】
そして、把持制御部253は、第1モータ67を駆動させて、動作ユニット30を回転させて、アンカー収納部からアンカーを取り出すアンカー取出姿勢に変更する。打込み制御部257は、アンカー取出姿勢の向きで、リンク制御部255と連動して、第2モータ42を駆動させて、可動板36を前進させることにより、打込み工具80の段差棒82の先端をアンカー収納部に挿入させる。そして、打込み制御部257は、打込み工具80のソレノイド81に通電して、段差棒82の先端に、アンカー収納部の装着位置にある1つのアンカーを吸着させて保持する。次に、リンク制御部255は、可動板36を後退させることにより、アンカーを吸着した段差棒82をアンカー収納部から取り出す。そして、把持制御部253は、第1モータ67を駆動させて、アンカー取出姿勢の動作ユニット30を、横向きの壁面処理姿勢に変更する。
【0075】
次に、制御ユニット25は、打込み処理を実行する(ステップS1-7)。具体的には、打込み制御部257は、リンク制御部255と連動することにより、第2モータ42を駆動させ、かつ壁面処理装置21が壁面Wa1と反対側に逃げないため、把持部35の可動板36を前方に直進させる。これにより、アンカーを保持した段差棒82を前進させて、壁面Wa1に形成した孔にアンカーを押し入れる。この場合、リンク制御部255は、可動板36の前進速度を、第2モータ42の負荷に基づいて調整する。
【0076】
その後、第2モータ42の負荷が大きくなって、アンカーの頭部が孔に係止したと判断した場合には、打込み制御部257は、ソレノイド81への通電を停止することにより、アンカーの吸着を停止する。そして、リンク制御部255は、第2モータ42を逆回転させることにより可動板36を後退させて、段差棒82を孔から引き抜く。これにより、壁面Wa1に形成された孔にアンカーが収容される。
【0077】
次に、制御ユニット25は、注入工具への交換処理を実行する(ステップS1-8)。具体的には、ステップS1-6と同様に、把持制御部253は、第1モータ67を駆動させることにより、動作ユニット30を壁面処理姿勢から着脱姿勢に変更し、打込み工具80を着脱位置にある工具支持部55の係止部55aの切欠きの上に位置させる。そして、把持制御部253は、電動シリンダ37を駆動させることにより工具保持部38を離間させて、打込み工具80を係止部55aに載置する。収納制御部252は、電磁石57により打込み工具80を吸着する。
【0078】
次に、把持制御部253は、第1モータ67を駆動させて動作ユニット30を退避位置に移動させる。その後、収納制御部252は、工具収納部50の第3モータ52を駆動させる。これにより工具支持部55が回転して、係止部55aに支持された注入工具85を着脱位置まで移動させる。そして、把持制御部253は、第1モータ67を駆動させることにより、退避位置にあった動作ユニット30を着脱姿勢に変更して、注入工具85の両側に電動シリンダ37を配置する。次に、把持制御部253は、電動シリンダ37のロッド37aを伸長させて、把持部35の工具保持部38で注入工具85を把持し、収納制御部252は、注入工具85を吸着していた電磁石57への通電を停止する。そして、把持制御部253は、第1モータ67を駆動させて、動作ユニット30を着脱姿勢から壁面処理姿勢に変更する。
【0079】
次に、制御ユニット25は、注入処理を実行する(ステップS1-9)。具体的には、注入制御部258は、リンク制御部255と連動して第2モータ42を駆動することにより可動板36を前方に直進させて、アンカーが挿入されている孔に、注入工具85の注入パイプ86の先端を挿入する。そして、注入制御部258は、第2モータ42を停止した後、液供給部88の第1及び第2液体供給室88a,88bを加圧して、接着剤を構成する二液を吐出部88mから吐出させる。この吐出部88mにおいて二液が混合された接着剤は、供給ホース87を介して、注入パイプ86の先端から孔に供給される。この場合、注入制御部258は、吐出部88mおける注入圧及び流量に基づいて、注入が終了したか否かを判定する。ここで、注入制御部258は、注入した流量が基準量以上で、かつ注入圧が判定圧以上となった場合には、孔に接着剤が充填されて注入が終了したと判定する。注入制御部258が注入終了と判定した場合、リンク制御部255は、第2モータ42を駆動させることにより、注入工具85を把持している可動板36を後退させる。
【0080】
次に、制御ユニット25は、工具の収納処理を実行する(ステップS1-10)。具体的には、把持制御部253は、第1モータ67を駆動させることにより、動作ユニット30を壁面処理姿勢から着脱姿勢に変更し、着脱位置の係止部55aの切欠きの上に注入工具85を位置させる。更に、把持制御部253は、電動シリンダ37を駆動させることにより工具保持部38を離間させて、注入工具85を係止部55aに載置する。収納制御部252は、電磁石57に通電して注入工具85を吸着する。
【0081】
次に、制御ユニット25は、動作ユニット30を退避姿勢に変更し、工具支持部55を回転させる。これにより、打込み工具80を着脱位置まで移動させて、着脱位置に位置する係止部55aに対向した工具を支持していない係止部55aを壁面Wa1の反対側に位置させる。
そして、この状態で、次の補修箇所について、処理位置への移動処理(ステップS1-1)以降の処理を繰り返して実行する。
以上の処理を、指定されたすべての補修箇所について行なう。
【0082】
(作用)
壁面処理装置21は、パラレルリンク機構34を動かして、工具(70,80,85)を把持した把持部35の可動板36を、壁面に対向する壁面処理姿勢で、前方に直進させる。この場合、第1プロペラ機構C64の推進力によって壁面処理装置21は壁面Wa1側に押し付けられているため、可動板36の前方直進力の反力より壁面処理装置21が壁面Wa1と反対側に逃げることなく、可動板36を前進させることができる。従って、パラレルリンク機構34を同時に動かすことにより、可動板36及び工具(70,80,85)を精度よく壁面に直進させることができる。
【0083】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の壁面処理装置21は、工具(70,80,85)を把持した可動板36を、パラレルリンク機構34を介してベース板31に取り付けた動作ユニット30を備える。そして、動作ユニット30を横向きの壁面処理姿勢とした状態で、パラレルリンク機構34を動かす。この場合、第1プロペラ機構C64の推進力によって壁面処理装置21は壁面Wa1側に押し付けられているため、可動板36の前方直進力の反力より壁面処理装置21が壁面Wa1と反対側に逃げることなく、可動板36を前進させることができる。従って、可動板36に支持した工具(70,80,85)を精度よく前方(壁面Wa1)に直進させることができるので、壁面Wa1に対して工具(70,80,85)を用いた壁面処理を精度よく行なうことができる。
【0084】
(2)本実施形態では、パラレルリンク機構34は、3つのリンク機構34a,34b,34cを備える。壁面処理姿勢において、各リンク機構34a~34cの出力トルクがほぼ同じとなる第2モータ42を用いる。これにより、パラレルリンク機構34を滑らかに動かして、工具(70,80,85)をスムーズに前進させることができる。
【0085】
(3)本実施形態では、動作ユニット30のベース板31には、第1モータ67により回動する回転軸32bを備える。これにより、第1モータ67を駆動させることにより、動作ユニット30は、横向きの壁面処理姿勢と下向きの着脱姿勢とに効率的に変更することができる。
【0086】
(4)本実施形態では、着脱姿勢の動作ユニット30の把持部35の工具保持部38は、着脱位置の係止部55aの幅が大きい切欠き(工具が配置される箇所)の両側に配置される。これにより、工具(70,80,85)の把持又は取り外しを効率的に行なうことができる。
【0087】
(5)本実施形態では、工具収納部50は、工具(70,80,85)が1つずつ載置された係止部55aを有する回動可能な工具支持部55を備える。これにより、工具支持部55を回動させて、使用する工具(70,80,85)を着脱位置に配置できる。更に、工具(70,80,85)を一列に並べて収納する場合に比べて、工具収納部50を小さくすることができる。
【0088】
(6)本実施形態では、工具収納部50の係止部55aには、工具(70,80,85)を吸着する電磁石57が配置される。これにより、電磁石57に通電して、工具収納部50に収納された各工具(70,80,85)を吸着して、壁面処理装置21から落下し難くすることができる。
【0089】
(7)本実施形態では、各工具(70,80,85)は、同じ構造の筐体部T0を備える。筐体部T0は、動作ユニット30の把持部35の工具保持部38が嵌合する形状を有する。これにより、把持部35によって各工具(70,80,85)を強固に把持することができる。
【0090】
(8)本実施形態では、制御ユニット25は、壁面補修処理において、削孔工具70を用いた削孔処理(ステップS1-5)、打込み工具80を用いた打込み処理(ステップS1-7)、注入工具85を用いた注入処理を実行する(ステップS1-9)。これにより、工具(70,80,85)を変更することにより、壁面補修処理における削孔処理、打込み処理及び注入処理を連続して自動的に実行することができる。この場合、動作ユニット30は、各工具(70,80,85)を前進させる壁面Wa1の位置が同じになるので、壁面処理対象の箇所を精度よく特定して、3つの処理を実行することができる。
【0091】
(9)本実施形態では、制御ユニット25は、動作ユニット30に削孔工具70を把持して前進させる。削孔工具70は、第4モータ71の先端にコアドリル74を設けている。これにより、コアドリル74を前進させて、壁面Wa1に孔を形成することができる。
【0092】
(10)本実施形態では、制御ユニット25は、動作ユニット30に打込み工具80を把持して前進させる。打込み工具80は、ソレノイド81に固定された段差棒82の先端にアンカーA1を吸着している。これにより、段差棒82を前進させて、壁面Wa1の孔にアンカーA1を挿入することができる。
【0093】
(11)本実施形態では、制御ユニット25は、動作ユニット30に注入工具85を把持して前進させて、注入工具85の先端を孔に挿入する。そして、制御ユニット25は、注入工具85の注入パイプ86の先端から接着剤を孔に注入する。これにより、壁面Wa1に形成した孔に、接着剤を注入して補修処理を行なうことができる。
【0094】
(12)本実施形態では、制御ユニット25は、削孔工具70の前進速度を、コアドリル74の回転数と、各リンク機構34a~34cの第2モータ42の負荷とに基づいて調整する。打込み工具80の前進速度を、各リンク機構34a~34cの第2モータ42の負荷に基づいて調整する。これにより、無理な力を発生させずに、スムーズに工具(70,80)を用いて壁面処理を実行することができる。
【0095】
(13)本実施形態では、制御ユニット25は、接着剤の注入圧及び流量に応じて、接着剤の注入の終了を判定する。これにより、接着剤が十分に孔に供給されたか否かの判定を自動的に行なって、注入処理を終了させることができる。
【0096】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態においては、制御ユニット25は、工具保持部38を用いて各工具(70,80,85)を保持した。各工具(70,80,85)を保持する把持部の形状はこれに限られない。例えば、収容部T3を把持してもよい。
【0097】
・上記実施形態においては、工具収納部50において、回転により着脱位置に工具(70,80,85)を配置する。複数の工具を収納する工具収納部50の構造は、これに限られず、例えば、工具を1列に並べて配置してもよい。この場合には、工具の変更時に、工具収納部50又は動作ユニット30を直線移動させる。
【0098】
・上記実施形態においては、ケース部C60の第1プロペラ機構C64の推進力によって壁面処理装置21を壁面Wa1に押し付けて、可動板36の前方直進力の反力より壁面処理装置21が後方に逃げることなく、可動板36を前進させた。可動板36の前方直進力の反力を受け止める受止部は、第1プロペラ機構C64に限られない。例えば、補修箇所に到着した場合に、壁面に吸着する吸着部を設けてもよい。また、受止部はケース部C60を設ける場合に限られず、例えば、フレーム部60に設けてもよい。
【0099】
・上記実施形態における壁面処理装置21は、動作ユニット30が壁面処理姿勢の場合、リンク機構34aが可動板36の中心C2よりも上方、リンク機構34b,34cが中心C2よりも下方に位置するように配置した。パラレルリンク機構34の数、配置及び構造は、これに限られない。例えば、動作ユニット30の壁面処理姿勢において、パラレルリンク機構34を構成する3つのリンク機構のうち、1つを可動板36の中心C2よりも下方に配置し、2つを中心C2よりも上方に配置してもよい。この場合においては、工具収納部50を上面に設けて、動作ユニット30の着脱姿勢を、上向きにしてもよい。リンク機構を中心C2よりも上方に2つ設けることにより、上に設けたリンク機構を駆動する第2モータ42の負荷を低減することができるので、パラレルリンク機構34全体の第2モータ42の負荷を低減することができる。従って、第2モータ42を小さくできるので、壁面処理装置21を小型化することができる。
【0100】
・上記実施形態においては、壁面補修処理として、1つの補修箇所について削孔処理、打込み処理及び注入処理を行なった。壁面補修処理としては、これら3つの処理すべてを実行する場合に限られず、例えば、補修箇所の状況に応じて、1つ又は2つの処理を行なってもよいし、他の壁面処理を追加して実行してもよい。他の壁面処理としては、モルタルの剥離処理や化粧釘の打込み処理等がある。
【0101】
・上記実施形態においては、制御ユニット25は、接着剤を構成する二液を加圧して孔に注入した。壁面に接着剤を供給する方法は、これに限られない。例えば、予め定めた所定量の接着剤を供給してもよい。この場合、例えば、所定量の接着剤が封入された筒体(接着剤筒体)を用いてもよい。
【0102】
図17には、一定量の接着剤を筒体に封入した接着剤筒体101を装着する注入工具90を用いて、接着剤を壁面Wa1に供給する注入工具90の要部を示す。図17(a)は注入工具90の要部の斜視図、図17(b)は要部の上面図、図17(c)は要部の断面図である。
【0103】
ここでは、接着剤筒体101と、アンカーピン102とを、2つのベルト103を用いて固定した帯体100を用いる。この帯体100においては、接着剤筒体101とアンカーピン102とを、交互に一定間隔(送り間隔)で並べる。接着剤筒体101は、両端が丸くなった円筒体形状を有する。アンカーピン102は、先端が楔型に尖った円筒体で、後端部が円筒体よりも大きい円板を有する。
【0104】
注入工具90は、装填部92、送り出し機構部93及び押出部95を備える。押出部95及び送り出し機構部93は、上記実施形態の筐体部の収容部に固定され、装填部92は筐体部の第2係合部から突出するように固定される。
【0105】
装填部92には、丸孔の装填領域92hが中心軸上に貫通して形成されている。装填部92の一方側には、送り出し機構部93が下方に中心軸をずらして設けられる。送り出し機構部93は、離間した2つの歯車形状の係合突起部94を備えた円筒体を有する。係合突起部94同士の隙間には、接着剤筒体101又はアンカーピン102が係止される。最上部における係合突起部94同士の隙間は、装填領域92hと整合する。
【0106】
押出部95は、ロッド96を伸縮させる電動シリンダを備える。ロッド96の先端が、装填領域92hの手前の接着剤筒体101又はアンカーピン102を押し出して、ベルト103から取り外されて、装填領域92hに挿入する。
【0107】
注入処理において、制御ユニット25は、動作ユニット30を壁面処理姿勢に変更した後、注入工具90の先端を、壁面Wa1の孔の開口部に当接させる。
そして、制御ユニット25は、押出部95の電動シリンダを駆動させて、ロッド96の伸長により、接着剤筒体101を装填部92の装填領域92hに押し出す。
その後、制御ユニット25は、送り出し機構部93を、送り間隔に対応する回転角で回転させて、次の押し込みの準備を行なう。
【0108】
これにより、図18(a)に示すように、装填領域92hに接着剤筒体101が配置された後、図18(b)に示すように、装填領域92hにアンカーピン102が押し込まれる。この場合、アンカーピン102の先端が接着剤筒体101を突き抜けて、接着剤が装填領域92hから吐出される。その後、図18(c)に示すように、アンカーピン102が装填領域92hに完全に押し込まれると、アンカーピン102の周囲に接着剤筒体101の接着剤が付着する。そして、図18(d)に示すように、次の修繕箇所に用いる後続の接着剤筒体101の先端で、接着剤筒体101の接着剤が纏わり付いたアンカーピン102が装填領域92hから押し出すことにより、壁面Wa1に形成された孔に挿入される。これにより、接着剤とともに、アンカーピン102を、壁面Wa1の孔に挿入することができる。
【0109】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(a)前記パラレルリンク機構は、前記可動板と前記ベース板とに固定される複数のリンク機構と、前記リンク機構毎に設けられる駆動モータとを備え、
前記駆動モータは、前記壁面処理姿勢における位置に応じて異なる出力特性を有する請求項1又は2に記載の壁面処理システム。
(b)前記垂直面と平行な水平軸を中心軸として前記ベース板を回動させることにより、前記壁面処理姿勢と、前記工具収納部の工具を着脱する前記把持部の着脱姿勢との変更を行なう姿勢変更部とを備えることを特徴とする前記(a)、請求項1又は2に記載の壁面処理システム。
(c)前記工具収納部は、外周縁部に複数の工具を離間して支持し、回動可能な工具支持部を備え、
前記工具支持部を回動させることにより、前記着脱姿勢の把持部が前記工具を把持する着脱位置に前記工具の1つを位置させることを特徴とする前記(a)、(b)、請求項1又は2に記載の壁面処理システム。
(d)前記姿勢変更部、前記パラレルリンク機構の駆動モータ及び前記工具支持部の回動を制御する制御ユニットを更に備え、
前記複数の工具には、第1工具及び第2工具が含まれ、
前記制御ユニットは、
前記壁面処理姿勢の第1工具を、前記パラレルリンク機構を用いて前進させて、前記第1工具を用いた第1壁面処理を実行し、
前記第1壁面処理が終了した前記第1工具を、前記パラレルリンク機構を用いて後退させた後、前記姿勢変更部を制御して前記把持部を前記壁面処理姿勢から着脱姿勢に変更して、前記第1工具を前記工具収納部に収納し、
前記工具支持部を回転させて、前記工具収納部に収容されている前記第2工具を前記着脱位置に配置し、
前記着脱位置に配置された第2工具を取り出した後、前記姿勢変更部を制御して前記把持部を前記着脱姿勢から壁面処理姿勢に変更し、
前記壁面処理姿勢の前記第2工具を、前記パラレルリンク機構を用いて前進させて、前記第2工具を用いた第2壁面処理を実行することを特徴とする前記(c)に記載の壁面処理システム。
【0110】
(e)前記パラレルリンク機構は、3つのリンク機構をそれぞれ駆動させる3つのモータを備え、前記壁面処理姿勢において、前記3つのモータのうちの2つのモータが、前記把持部において前記工具を把持する位置よりも上方に配置されていることを特徴とする前記(a)~(d)の何れか1つ、請求項1又は2に記載の壁面処理システム。
(f)前記工具は、接着剤を注入するための工具であって、孔への前記接着剤の注入を制御する制御部を更に備え、前記制御部は、前記接着剤の注入圧及び流量に基づいて、前記孔への前記接着剤の注入が終了したことを判定することを特徴とする前記(a)~(d)の何れか1つ、請求項1又は2に記載の壁面処理システム。
(g)前記工具は、接着剤を注入するための工具であって、前記工具は、前記接着剤を収容した接着剤筒体と、前記接着剤筒体を押し出すアンカーピンとが交互に並べられた帯体を装填する装填部と、前記接着剤筒体と前記アンカーピンとの配置間隔で、前記帯体を送り出す送り出し機構と、前記接着剤筒体及び前記アンカーピンが、順番に装填領域に装着されることを特徴とする前記(a)~(e)の何れか1つ、請求項1又は2に壁面処理システム。
【0111】
(h)壁面に沿って移動可能なケース部に収容され、壁面処理を行なう工具を動作させる動作ユニットを備えた壁面処理装置であって、
前記動作ユニットは、
前記工具を把持する把持部と、
前記把持部を壁面に向かって前進させるパラレルリンク機構と、
前記パラレルリンク機構を支持するベース板とを備え、
前記把持部の前進力の反力を受け止める受止部を用いて、前記把持部を前記壁面に近接させることを特徴とする壁面処理装置。
(i)押出部材によって押し出される管部材を収容する装填領域が区画された装填部と、前記管部材である第1筒体と、前記第1筒体とは異なる前記管部材の第2筒体とを予め決まった送り間隔で交互に並べた帯体を装着する装着部と、前記送り間隔で前記帯体を送り出す送り出し機構とを備えたことを特徴とする装置。
(j)第1筒体と、前記筒体とは異なる第2筒体とが予め定められた送り間隔で交互に並べられていることを特徴とする帯体。
【符号の説明】
【0112】
A1…アンカー、B1,103…ベルト、C1…中央垂直面、C2…中心、C60…ケース部、C61…本体部、C61a…裏面、C62…吊下部、C63…係合部、C64…受止部としての第1プロペラ機構、C65…第2プロペラ機構、C67…第3プロペラ機構、T0…筐体部、T1…第1係合部、T2…第2係合部、T3…収容部、W11,W12…第1ワイヤ、W21,W22…第2ワイヤ、Wa1…壁面、10…壁面処理システム、11,12…吊架ユニット、13,14…地上ユニット、21…壁面処理装置、25…制御ユニット、30…動作ユニット、31…ベース板、32,38d…取付部、32a…突出部、32b…回転軸、33…第2ギア、34…パラレルリンク機構、34a,34b,34c…リンク機構、35…把持部、36…可動板、36a,36b…切欠き、37…電動シリンダ、37a,96…ロッド、38…工具保持部、38a…上面部、38b…下面部、38c…側面部、41…固定側取付部、41a,41b,45a,45b,49a,49b,65,66…取付板、41c…連結部材、42…駆動モータとしての第2モータ、43,44a…プーリ、44…連結軸、44b…端部、45…アーム部、46…固定側連結部材、47…リンク部材、48…可動側連結部材、49…可動側取付部、50…工具収納部、51…台座部、51a…ブロック、51b…モータ固定部、51c…載置部材、52…第3モータ、55…工具支持部、55a,82a…係止部、57…電磁石、60…フレーム、61…基台部、62…縦枠、63,64…横枠、67…第1モータ、68…第1ギア、70…削孔工具、71…第4モータ、72…ロータリージョイント、72a…先端部、74…コアドリル、76,84…ケーブル、77…水供給ホース、78…排水ホース、80…打込み工具、81…ソレノイド、82…段差棒、82b…スポンジ、83…スプリング、85,90…注入工具、86…注入パイプ、87…供給ホース、88…液供給部、88a…第1液体供給室、88b…第2液体供給室、88m…吐出部、92…装填部、92h…装填領域、93…送り出し機構部、94…係合突起部、95…押出部材としての押出部、100…帯体、101…接着剤筒体、102…アンカーピン、251…管理部、252…収納制御部、253…把持制御部、254…移動制御部、255…リンク制御部、256…削孔制御部、257…打込み制御部、258…注入制御部。
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