(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032026
(43)【公開日】2024-03-11
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
A01D 69/02 20060101AFI20240304BHJP
A01D 69/03 20060101ALI20240304BHJP
【FI】
A01D69/02
A01D69/03
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129669
(22)【出願日】2022-08-16
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-01
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003834
【氏名又は名称】弁理士法人新大阪国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】上加 郁朗
(72)【発明者】
【氏名】奥村 和哉
(72)【発明者】
【氏名】五島 一実
(72)【発明者】
【氏名】板山 真
【テーマコード(参考)】
2B076
【Fターム(参考)】
2B076AA03
2B076DA15
2B076DA19
(57)【要約】
【課題】左右の走行クローラを各々電動モータで駆動し、減速時や停止時に生じる回生力を利用して発電し電力を得るコンバインがある。然しながら、低速で走行するコンバインの走行系統だけでは十分な電力を確保することはできず、バッテリの稼働時間を多少延長するに留まっている。そこで、油圧アクチュエータを作動させない時に油圧ポンプの供給圧油で駆動して発電する発電用油圧モータを装備したコンバインを提供する。
【解決手段】油圧ポンプ30からの供給圧油の送油方向を油圧アクチュエータ10,16,17側と発電用油圧モータ32側に切り替える方向制御弁31を設け、油圧アクチュエータ10,16,17を油圧ポンプ30からの供給圧油で作動させない時に油圧ポンプ30からの供給圧油を発電用油圧モータ32に送り、発電用油圧モータ32にて発電した電力を蓄電装置34,35に蓄電する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(4)を装備した車台(2)に刈取装置(15)と脱穀装置(6)を設けたコンバインにおいて、油圧ポンプ(30)からの供給圧油の送油方向を油圧アクチュエータ(10,16,17)側と発電用油圧モータ(32)側に切り替える方向制御弁(31)を設け、油圧アクチュエータ(10,16,17)を油圧ポンプ(30)からの供給圧油で作動させない時に油圧ポンプ(30)からの供給圧油を発電用油圧モータ(32)に送り、発電用油圧モータ(32)にて発電した電力を蓄電装置(34,35)に蓄電することを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
油圧アクチュエータ(10,16,17)が排穀オーガ(8)を昇降させるオーガ昇降シリンダ(10)、刈取装置(15)を昇降させる刈取昇降シリンダ(16)又は/及び車台(2)を昇降させて前後傾斜を制御するピッチングシリンダ(17)であり、オーガ昇降シリンダ(10)、刈取昇降シリンダ(16)及びピッチングシリンダ(17)が油圧ポンプ(30)からの供給圧油で伸長して各部(8,15,2)を上昇させる単動式油圧シリンダであり、オーガ昇降シリンダ(10)、刈取昇降シリンダ(16)又は/及びピッチングシリンダ(17)の各部(8,15,2)を下降させる際の縮小による排油が発電用油圧モータ(32)に送られることを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
蓄電装置(34,35)がキャパシタ(34)と、該キャパシタ(34)から電力が移されるバッテリ(35)であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンバイン。
【請求項4】
オーガ昇降シリンダ(10)、刈取昇降シリンダ(16)又は/及びピッチングシリンダ(17)から発電用油圧モータ(32)への油路に流量調節ダイヤルの操作で流量を調整する流量調整バルブ(37)を設けたことを特徴とする請求項2に記載のコンバイン。
【請求項5】
エンジン(22)に可変電圧式のオルタネータ(36)及びエンジン(22)の作動を制御管理すると共に負荷を監視するエンジンECUを設け、該エンジンECUがエンジン(22)の負荷上昇状態を検出し、且つ、バッテリECUが検出するキャパシタ(34)及びバッテリ(35)の充電量が所定量以上ある場合には、可変電圧式のオルタネータ(36)の発電電圧を減圧してオルタネータ(36)の作動負荷を軽減することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンバイン。
【請求項6】
エンジン(22)に可変電圧式のオルタネータ(36)及びエンジン(22)の作動を制御管理すると共に負荷を監視するエンジンECUを設け、該エンジンECUがエンジン(22)の負荷上昇状態を検出し、且つ、バッテリECUが検出するキャパシタ(34)及びバッテリ(35)の充電量が所定量以上ある場合には、可変電圧式のオルタネータ(36)の発電電圧を減圧してオルタネータ(36)の作動負荷を軽減することを特徴とする請求項3に記載のコンバイン。
【請求項7】
エンジン(22)に可変電圧式のオルタネータ(36)及びエンジン(22)の作動を制御管理すると共に負荷を監視するエンジンECUを設け、該エンジンECUがエンジン(22)の負荷上昇状態を検出し、且つ、バッテリECUが検出するキャパシタ(34)及びバッテリ(35)の充電量が所定量以上ある場合には、可変電圧式のオルタネータ(36)の発電電圧を減圧してオルタネータ(36)の作動負荷を軽減することを特徴とする請求項4に記載のコンバイン。
【請求項8】
グレンタンク(7)に貯留された穀粒を機外に排出する穀粒排出機構(40,42,43)を駆動する排出駆動電動モータ(44)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項9】
排出駆動電動モータ(44)の駆動を入り切りする排出入切スイッチを設け、該排出入切スイッチを入りにして排出駆動電動モータ(44)を駆動すると、エンジンECUにてエンジン(22)の回転数をアイドリング状態まで低下させることを特徴とする請求項8に記載のコンバイン。
【請求項10】
排出駆動電動モータ(44)の回転出力を増減操作する排出速度ダイヤルを設けたことを特徴とする請求項8または請求項9に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電用油圧モータを装備したコンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
左右の走行クローラを各々電動モータで駆動し、減速時や停止時に生じる回生力を利用して発電し電力を得るコンバインがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
然しながら、低速で走行するコンバインの走行系統だけでは十分な電力を確保することはできず、バッテリの稼働時間を多少延長するに留まっている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、油圧アクチュエータを作動させない時に油圧ポンプの供給圧油で駆動して発電する発電用油圧モータを装備したコンバインを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、走行装置4を装備した車台2に刈取装置15と脱穀装置6を設けたコンバインにおいて、油圧ポンプ30からの供給圧油の送油方向を油圧アクチュエータ10,16,17側と発電用油圧モータ32側に切り替える方向制御弁31を設け、油圧アクチュエータ10,16,17を油圧ポンプ30からの供給圧油で作動させない時に油圧ポンプ30からの供給圧油を発電用油圧モータ32に送り、発電用油圧モータ32にて発電した電力を蓄電装置34,35に蓄電するコンバインである。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、油圧ポンプ30からの供給圧油の送油方向を油圧アクチュエータ10,16,17側と発電用油圧モータ32側に切り替える方向制御弁31を設け、油圧アクチュエータ10,16,17を油圧ポンプ30からの供給圧油で作動させない時に油圧ポンプ30からの供給圧油を発電用油圧モータ32に送り、発電用油圧モータ32にて発電した電力を蓄電装置34,35に蓄電するので、油圧アクチュエータ10,16,17を油圧ポンプ30からの供給圧油で作動させない時に油圧ポンプ30からの供給圧油を発電用油圧モータ32に送って発電した電力を蓄電装置34,35に蓄電して電動部品が消費する電力として利用することができる。
【0008】
請求項2記載の発明は、油圧アクチュエータ10,16,17が排穀オーガ8を昇降させるオーガ昇降シリンダ10、刈取装置15を昇降させる刈取昇降シリンダ16又は/及び車台2を昇降させて前後傾斜を制御するピッチングシリンダ17であり、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17が油圧ポンプ30からの供給圧油で伸長して各部8,15,2を上昇させる単動式油圧シリンダであり、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16又は/及びピッチングシリンダ17の各部8,15,2を下降させる際の縮小による排油が発電用油圧モータ32に送られる請求項1に記載のコンバインである。
【0009】
請求項3記載の発明は、蓄電装置34,35がキャパシタ34と、該キャパシタ34から電力が移されるバッテリ35である請求項1または請求項2に記載のコンバインである。
【0010】
請求項3記載の発明によれば、蓄電装置34,35がキャパシタ34と、該キャパシタ34から電力が移されるバッテリ35であるので、キャパシタ34とバッテリ35を併用することにより、バッテリ35の充電量が多いときでもキャパシタ34に蓄電することができてエネルギーロスが抑えられると共に、バッテリ35が過充填による負荷で劣化することを防止できる。
【0011】
請求項4記載の発明は、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16又は/及びピッチングシリンダ17から発電用油圧モータ32への油路に流量調節ダイヤルの操作で流量を調整する流量調整バルブ37を設けた請求項2に記載のコンバインである。
【0012】
請求項4記載の発明によれば、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16又は/及びピッチングシリンダ17から発電用油圧モータ32への油路に流量調節ダイヤルの操作で流量を調整する流量調整バルブ37を設けたので、流量を少なくすると、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16又は/及びピッチングシリンダ17の縮小による各部8,15,2の下降速度を調節することができて下降時の位置を適切にすることができ良好な作業が行える。
【0013】
また、流量を多くすると、発電用油圧モータ32による発電量が増し(回生発電による発電優先にして)電力不足による作業能率の低下を防止できる。
【0014】
請求項5記載の発明は、エンジン22に可変電圧式のオルタネータ36及びエンジン22の作動を制御管理すると共に負荷を監視するエンジンECUを設け、該エンジンECUがエンジン22の負荷上昇状態を検出し、且つ、バッテリECUが検出するキャパシタ34及びバッテリ35の充電量が所定量以上ある場合には、可変電圧式のオルタネータ36の発電電圧を減圧してオルタネータ36の作動負荷を軽減する請求項1または請求項2に記載のコンバインである。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、エンジン22に可変電圧式のオルタネータ36及びエンジン22の作動を制御管理すると共に負荷を監視するエンジンECUを設け、該エンジンECUがエンジン22の負荷上昇状態を検出し、且つ、バッテリECUが検出するキャパシタ34及びバッテリ35の充電量が所定量以上ある場合には、可変電圧式のオルタネータ36の発電電圧を減圧してオルタネータ36の作動負荷を軽減するので、刈取装置15や脱穀装置6が穀稈の刈取及び脱穀・選別作業を行うエンジン負荷が上昇した状態で、オルタネータ36の作動負荷を軽減することにより、刈取装置15や脱穀装置6への駆動力を上げて収穫作業が適正に行えるようにすると共に、燃料消費の低減による稼働時間の延長が図れる。
【0016】
請求項6記載の発明は、エンジン22に可変電圧式のオルタネータ36及びエンジン22の作動を制御管理すると共に負荷を監視するエンジンECUを設け、該エンジンECUがエンジン22の負荷上昇状態を検出し、且つ、バッテリECUが検出するキャパシタ34及びバッテリ35の充電量が所定量以上ある場合には、可変電圧式のオルタネータ36の発電電圧を減圧してオルタネータ36の作動負荷を軽減する請求項3に記載のコンバインである。
【0017】
請求項7記載の発明は、エンジン22に可変電圧式のオルタネータ36及びエンジン22の作動を制御管理すると共に負荷を監視するエンジンECUを設け、該エンジンECUがエンジン22の負荷上昇状態を検出し、且つ、バッテリECUが検出するキャパシタ34及びバッテリ35の充電量が所定量以上ある場合には、可変電圧式のオルタネータ36の発電電圧を減圧してオルタネータ36の作動負荷を軽減する請求項4に記載のコンバインである。
【0018】
請求項8記載の発明は、グレンタンク7に貯留された穀粒を機外に排出する穀粒排出機構40,42,43を駆動する排出駆動電動モータ44を設けた請求項1に記載のコンバインである。
【0019】
請求項8記載の発明によれば、グレンタンク7に貯留された穀粒を機外に排出する穀粒排出機構40,42,43を駆動する排出駆動電動モータ44を設けたので、エンジン22から穀粒排出機構40,42,43への駆動機構が不要となり、部品点数の削減及び機体の軽量化が図れる。
【0020】
請求項9記載の発明は、排出駆動電動モータ44の駆動を入り切りする排出入切スイッチを設け、該排出入切スイッチを入りにして排出駆動電動モータ44を駆動すると、エンジンECUにてエンジン22の回転数をアイドリング状態まで低下させる請求項8に記載のコンバインである。
【0021】
請求項9記載の発明によれば、排出駆動電動モータ44の駆動を入り切りする排出入切スイッチを設け、該排出入切スイッチを入りにして排出駆動電動モータ44を駆動すると、エンジンECUにてエンジン22の回転数をアイドリング状態まで低下させるので、排出入切スイッチを入りにして穀粒排出作業を行う際にエンジン22の回転数がアイドリング状態まで低下し、穀粒排出中の燃料消費や排気ガスの排出量が抑えられる。
【0022】
請求項10記載の発明は、排出駆動電動モータ44の回転出力を増減操作する排出速度ダイヤルを設けた請求項8または請求項9に記載のコンバインである。
【0023】
請求項10記載の発明によれば、排出駆動電動モータ44の回転出力を増減操作する排出速度ダイヤルを設けたので、排出速度ダイヤルにて排出駆動電動モータ44の回転出力を増減操作することができ、例えば、排出中に脱ぷ(籾殻の剥離)が生じやすい時には回転出力を低下させて穀粒の排出搬送速度を下げて、排出作業中に脱ぷが生じて収穫物の品質が低下することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態にかかるコンバインの左側面図である。
【
図2】同コンバインの作動説明用の油圧回路図である。
【
図3】同コンバインのグレンタンクから穀粒排出説明用の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施形態であるコンバイン1について添付図面を参照して説明する。なお、理解を容易にするために、操縦者から見て、前方を前側、後方を後側、右手側を右側、左手側を左側として便宜的に方向を示して説明しているが、これらにより構成が限定されるものではない。
【0026】
図1に示すように、コンバイン1は、車台2の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ3を張設した走行装置4を配設すると共に、該車台2上の左右に、フィードチェン5に挟持して搬送供給される穀稈を脱穀選別処理する脱穀装置6と、その穀粒を一時貯留するグレンタンク7と、このグレンタンク7に貯留された穀粒を機外へ排出する排穀オーガ8を載置配設し、この脱穀装置6の後端部に排藁処理装置9を装架する。排穀オーガ8は、穀粒の排出時にオーガ昇降シリンダ10を作動して起伏する。
【0027】
脱穀装置6の前方に、前端側から未刈穀稈を分草する分草体11と、分草した穀稈を引き起こす引起部12と、引き起こした穀稈を刈り取る刈刃部13と、刈り取った穀稈を掻き込むと共に搬送途中において扱深さを調節して前記フィードチェン5へ引き継ぎを行う供給調節搬送部14等を有する刈取装置15を、刈取昇降シリンダ16により土壌面に対して昇降自在なるよう車台2の前端部へ懸架配設して構成する。
【0028】
車台2は、走行装置4に対してピッチングシリンダ17で前後方向の傾きを変更して前後方向で水平にする。
【0029】
前記刈取装置15の後側上部にコンバインの操作制御を行う操作装置20と、操縦者が座る操作席21を設け、この操作席21の下方側にエンジン22を搭載し、後方側に前記グレンタンク7を配置すると共に、該操作装置20と操作席21を覆うキャビン23を設け、これら走行装置4,脱穀装置6,刈取装置15,操作装置20,エンジン22,キャビン23等をコンバインの車台2に装着する。
【0030】
操作席21において、オペレータによる前後操作により車台2の前後進の切替え及び主変速伝動を行う主変速レバー24と、左右側への傾倒操作により直進時の左右操向作用及び各種旋回モードによる旋回作用を行わせるパワステレバー25とを各々操作装置20の一側に配設する。
【0031】
図2に基づいて、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17の作動構成について説明する。
【0032】
オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17は、単動油圧シリンダであって、エンジン22にて駆動される油圧ポンプ30からの供給圧油で伸長作動し、排油することで縮小する。
【0033】
油圧ポンプ30からの供給圧油の油路は、方向制御弁31にてオーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17に送る油路と発電用油圧モータ32に送る油路に切り換えられる。
【0034】
オーガ昇降シリンダ10は、操作装置20の一つであるオーガ昇降スイッチの操作にて方向制御弁31及びオーガ昇降油圧バルブ33aを切り換えることにより伸縮作動して、排穀オーガ8を昇降させる。
【0035】
即ち、オーガ昇降スイッチを上昇に操作すると、方向制御弁31がオーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17に送る油路に切り換えられ、オーガ昇降油圧バルブ33aが油圧ポンプ30からの供給圧油をオーガ昇降シリンダ10に送り込む方向に切り換えられて、オーガ昇降シリンダ10が伸長作動し、排穀オーガ8が上昇する。
【0036】
オーガ昇降スイッチを下降に操作すると、方向制御弁31が発電用油圧モータ32に送る油路に切り換えられ、オーガ昇降油圧バルブ33aがオーガ昇降シリンダ10から排油する方向に切り換えられてオーガ昇降シリンダ10が縮小作動し、排穀オーガ8が下降する。
【0037】
従って、オーガ昇降スイッチを下降に操作したことによるオーガ昇降シリンダ10から排油された圧油及び油圧ポンプ30からの供給圧油は、発電用油圧モータ32を駆動して発電し。発電された電力はキャパシタ34に蓄電される。
【0038】
刈取昇降シリンダ16は、刈取装置15の対地高さを検出するセンサまたは操作装置20の一つである刈取昇降スイッチの操作にて方向制御弁31及び刈取昇降油圧バルブ33bを切り換えることにより伸縮作動して、刈取装置15を昇降させる。
【0039】
即ち、刈取装置15の対地高さを検出するセンサによる地上高が設定値よりも低いことの検出または刈取昇降スイッチを上昇に操作すると、方向制御弁31がオーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17に送る油路に切り換えられ、刈取昇降油圧バルブ33bが油圧ポンプ30からの供給圧油を刈取昇降シリンダ16に送り込む方向に切り換えられて、刈取昇降シリンダ16が伸長作動し、刈取装置15が上昇する。
【0040】
刈取装置15の対地高さを検出するセンサによる地上高が設定値よりも高いことの検出または刈取昇降スイッチを下降に操作すると、方向制御弁31が発電用油圧モータ32に送る油路に切り換えられ、刈取昇降油圧バルブ33bが刈取昇降シリンダ16から排油する方向に切り換えられて刈取昇降シリンダ16が縮小作動し、刈取装置15が下降する。
【0041】
従って、刈取装置15の対地高さを検出するセンサによる地上高が設定値よりも高いことの検出または刈取昇降スイッチを下降に操作したことによる刈取昇降シリンダ16から排油された圧油及び油圧ポンプ30からの供給圧油は、発電用油圧モータ32を駆動して発電し。発電された電力はキャパシタ34に蓄電される。
【0042】
ピッチングシリンダ17は、車台2の前後傾斜を検出するセンサまたは操作装置20の一つであるピッチング手動スイッチの操作にて方向制御弁31及びピッチング油圧バルブ33cを切り換えることにより伸縮作動して、車台2の前部側を昇降させて前後傾斜を制御する。
【0043】
即ち、車台2の前後傾斜を検出するセンサによる車台2前部が低く前後傾斜していることの検出またはピッチング手動スイッチを前部上昇に操作すると、方向制御弁31がオーガ昇降シリンダ10、ピッチングシリンダ17及びピッチングシリンダ17に送る油路に切り換えられ、ピッチング油圧バルブ33cが油圧ポンプ30からの供給圧油をピッチングシリンダ17に送り込む方向に切り換えられて、ピッチングシリンダ17が伸長作動し、車台2前部が上昇する。
【0044】
車台2の前後傾斜を検出するセンサによる車台2前部が高く前後傾斜していることの検出またはピッチング手動スイッチを前部下降に操作すると、方向制御弁31が発電用油圧モータ32に送る油路に切り換えられ、ピッチング油圧バルブ33cがピッチングシリンダ17から排油する方向に切り換えられてピッチングシリンダ17が縮小作動し、車台2前部が下降する。
【0045】
従って、車台2の前後傾斜を検出するセンサによる車台2前部が高く前後傾斜していることの検出またはピッチング手動スイッチを前部下降に操作したことによるピッチングシリンダ17から排油された圧油及び油圧ポンプ30からの供給圧油は、発電用油圧モータ32を駆動して発電し。発電された電力はキャパシタ34に蓄電される。
【0046】
以上のように、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17を伸長させて各部を上昇させる際には、方向制御弁31が油圧ポンプ30からの供給圧油をオーガ昇降シリンダ10、ピッチングシリンダ17及びピッチングシリンダ17に送る油路に切り換えられる。
【0047】
また、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17を縮小させて各部を下降させる際には、方向制御弁31が油圧ポンプ30からの供給圧油を発電用油圧モータ32に送る油路に切り換えられると共に、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17から排油された圧油は発電用油圧モータ32に送られて、発電用油圧モータ32を駆動して発電し。発電された電力はキャパシタ34に蓄電される。
【0048】
従って、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17を縮小させて各部を下降させる際には、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17から排油された圧油及び油圧ポンプ30からの供給圧油にて発電用油圧モータ32を駆動して発電し。発電された電力はキャパシタ34に蓄電し、各部の電動部品が消費する電力として利用することができる。
【0049】
また、発電した電力はキャパシタ34に蓄電するので、バッテリ35が過充電になって劣化することを防止できる。
【0050】
そして、キャパシタ34及びバッテリ35の放充電を制御管理すると共に充電率を監視するバッテリECUを設けて、バッテリ35の充電率に余裕がある場合は、キャパシタ34からバッテリ35に電力を移す。
【0051】
なお、キャパシタ34及びバッテリ35の充電率が共に満量(100%)である場合は、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17を縮小させて各部を下降させても、方向制御弁31を油圧ポンプ30からの供給圧油を発電用油圧モータ32に送る油路に切り換えない(油圧ポンプ30からの供給圧油にて発電用油圧モータ32を駆動して発電しない)。よって、キャパシタ34及びバッテリ35が過充電になって劣化することや破損することが防止できる。
【0052】
また、エンジン22の作動を制御管理すると共に負荷を監視するエンジンECUを設けて、該エンジンECUがエンジン22の負荷上昇状態(所定以上の燃料噴射量)を検出し、且つ、バッテリECUがキャパシタ34及びバッテリ35の充電量が所定量(例えば、50%)以上ある場合には、可変電圧式のオルタネータ36の発電電圧を減圧(25Vから12Vに減少させ)してオルタネータ36の作動負荷を軽減することにより、脱穀装置6等の収穫作業部への駆動力を上げて収穫作業が適正に行えるようにすると共に、燃料消費の低減による稼働時間の延長を図る。
【0053】
また、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17から排油された圧油が発電用油圧モータ32に送られる油路に操作装置20の一つである流量調節ダイヤルの操作にて流量を調節する流量調整バルブ37を設けている。
【0054】
流量調節ダイヤルを操作して流量調整バルブ37の流量を少なくすると、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17から排油された圧油が発電用油圧モータ32に送られる流量が少なくなって、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17の縮小作動が遅くなって各部の下降速度が遅くなり、各部の下降時の位置を適切にすることができて良好な作業が行える。
【0055】
即ち、オーガ昇降シリンダ10の縮小作動が遅くなって排穀オーガ8の下降速度が遅くなると、排穀オーガ8先端の穀粒排出口を穀粒回収容器の位置に適切に合わせることができて良好な作業が行える。
【0056】
また、刈取昇降シリンダ16の縮小作動が遅くなって刈取装置15の下降速度が遅くなると、刈取装置15の対地高さを適切に合わせることができて良好な作業が行える。
【0057】
また、ピッチングシリンダ17の縮小作動が遅くなって車台2前部の下降速度が遅くなると、車台2の傾斜調節が適切に行えて(ピッチング制御が適切に作動して)良好な作業が行える。
【0058】
一方、流量調節ダイヤルを操作して流量調整バルブ37の流量を多くすると、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17から排油された圧油が発電用油圧モータ32に送られる流量が多くなって、発電用油圧モータ32による発電量が増し(回生発電による発電優先にして)電力不足による作業能率の低下を防止できる。
【0059】
次に、
図3に基づいて、グレンタンク7に貯留された穀粒を排穀オーガ8にて機外に排出するグレンタンク7内の底部に設けた横排出螺旋40、縦排出筒41内の縦排出螺旋42及び排穀オーガ8内のオーガ排出螺旋43の駆動構成について詳述する。なお、穀粒排出機構は、横排出螺旋40、縦排出螺旋42及びオーガ排出螺旋43よりなる。
【0060】
グレンタンク7は、車台2後部の右側に配置され、後部側に回動支点を設けて前部側が機体外方に向けて回動して、メンテナンスが行える一般的な構成である。
【0061】
グレンタンク7内部の下部には横排出螺旋40が設けられておりグレンタンク7内の穀粒を縦排出筒41下部まで送り、縦排出筒41内には縦排出螺旋42が設けられており排穀オーガ8基部まで送り、排穀オーガ8内にはオーガ排出螺旋43が設けられており排穀オーガ8先端部の排出口8aから機外に穀粒を排出する。
【0062】
グレンタンク7前部の下部位置には、排出駆動電動モータ44が固定され、グレンタンク7を後部側の回動支点まわりに前部側が機体外方に向けて回動する際に、グレンタンク7と共に機体外方に回動する。
【0063】
排出駆動電動モータ44の駆動軸は、横排出螺旋40の螺旋軸前端部に連結され横排出螺旋40を回転駆動する。
【0064】
横排出螺旋40の螺旋軸後端部は、縦排出螺旋42の螺旋軸下端部とベベルギヤにて駆動連結され、縦排出螺旋42を回転駆動する。
【0065】
縦排出螺旋42の螺旋軸上端部は、オーガ排出螺旋43の螺旋軸基端部とベベルギヤにて駆動連結され、オーガ排出螺旋43を回転駆動する。
【0066】
従って、排出駆動電動モータ44は、横排出螺旋40、縦排出螺旋42及びオーガ排出螺旋43を回転駆動するので、エンジン22から横排出螺旋40等への駆動機構が不要となり、部品点数の削減及び機体の軽量化が図れる。
【0067】
また、排出駆動電動モータ44の駆動を入り切りする操作装置20の一つである排出入切スイッチを設け、該排出入切スイッチを入りにして排出駆動電動モータ44を駆動する際には、エンジンECUにてエンジン22の回転数をアイドリング状態(1,200rpm)まで低下させる。なお、このエンジンECUにてエンジン22をアイドリング状態(1,200rpm)まで低下させる制御は、他のエンジン回転数制御に優先して行われる。
【0068】
従って、排出入切スイッチを入りにして穀粒排出作業を行う際にエンジン22がアイドリング状態(1,200rpm)まで低下するので、穀粒排出中の燃料消費や排気ガスの排出量が抑えられる。
【0069】
また、排出駆動電動モータ44の回転出力を増減操作する操作装置20の一つである排出速度ダイヤルを設ける。
【0070】
従って、該排出速度ダイヤルにて排出駆動電動モータ44の回転出力を増減操作することができるので、例えば、排出中に脱ぷ(籾殻の剥離)が生じやすい時には回転出力を低下させて穀粒の排出搬送速度を下げて、排出作業中に脱ぷが生じて収穫物の品質が低下することを防止できる。
【符号の説明】
【0071】
2 車台
4 走行装置
6 脱穀装置
7 グレンタンク
8 排穀オーガ
10 油圧アクチュエータ(オーガ昇降シリンダ)
15 刈取装置
16 油圧アクチュエータ(刈取昇降シリンダ)
17 油圧アクチュエータ(ピッチングシリンダ)
22 エンジン
30 油圧ポンプ
31 方向制御弁
32 発電用油圧モータ
34 蓄電装置(キャパシタ)
35 蓄電装置(バッテリ)
36 オルタネータ
37 流量調整バルブ
40 穀粒排出機構(横排出螺旋)
42 穀粒排出機構(縦排出螺旋)
43 穀粒排出機構(オーガ排出螺旋)
44 排出駆動電動モータ
【手続補正書】
【提出日】2023-12-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(4)を装備した車台(2)に刈取装置(15)と脱穀装置(6)を設けたコンバインにおいて、油圧ポンプ(30)からの供給圧油の送油方向を油圧アクチュエータ(10,16,17)側と発電用油圧モータ(32)側に切り替える方向制御弁(31)を設け、油圧アクチュエータ(10,16,17)を油圧ポンプ(30)からの供給圧油で作動させない時に油圧ポンプ(30)からの供給圧油を発電用油圧モータ(32)に送り、発電用油圧モータ(32)にて発電した電力を蓄電装置(34,35)に蓄電し、
油圧アクチュエータ(10,16,17)が排穀オーガ(8)を昇降させるオーガ昇降シリンダ(10)、刈取装置(15)を昇降させる刈取昇降シリンダ(16)又は/及び車台(2)を昇降させて前後傾斜を制御するピッチングシリンダ(17)であり、オーガ昇降シリンダ(10)、刈取昇降シリンダ(16)及びピッチングシリンダ(17)が油圧ポンプ(30)からの供給圧油で伸長して各部(8,15,2)を上昇させる単動式油圧シリンダであり、オーガ昇降シリンダ(10)、刈取昇降シリンダ(16)又は/及びピッチングシリンダ(17)の各部(8,15,2)を下降させる際の縮小による排油が発電用油圧モータ(32)に送られ、
オーガ昇降シリンダ(10)、刈取昇降シリンダ(16)又は/及びピッチングシリンダ(17)から発電用油圧モータ(32)への油路に流量調節ダイヤルの操作で流量を調整する流量調整バルブ(37)を設け、
蓄電装置(34,35)がキャパシタ(34)と、該キャパシタ(34)から電力が移されるバッテリ(35)であり、
エンジン(22)に可変電圧式のオルタネータ(36)及びエンジン(22)の作動を制御管理すると共に負荷を監視するエンジンECUを設け、該エンジンECUがエンジン(22)の負荷上昇状態を検出し、且つ、バッテリECUが検出するキャパシタ(34)及びバッテリ(35)の充電量が所定量以上ある場合には、可変電圧式のオルタネータ(36)の発電電圧を減圧してオルタネータ(36)の作動負荷を軽減することを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
グレンタンク(7)に貯留された穀粒を機外に排出する穀粒排出機構(40,42,43)を駆動する排出駆動電動モータ(44)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
排出駆動電動モータ(44)の駆動を入り切りする排出入切スイッチを設け、該排出入切スイッチを入りにして排出駆動電動モータ(44)を駆動すると、エンジンECUにてエンジン(22)の回転数をアイドリング状態まで低下させることを特徴とする請求項2に記載のコンバイン。
【請求項4】
排出駆動電動モータ(44)の回転出力を増減操作する排出速度ダイヤルを設けたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のコンバイン。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
第1の本発明は、走行装置(4)を装備した車台(2)に刈取装置(15)と脱穀装置(6)を設けたコンバインにおいて、油圧ポンプ(30)からの供給圧油の送油方向を油圧アクチュエータ(10,16,17)側と発電用油圧モータ(32)側に切り替える方向制御弁(31)を設け、油圧アクチュエータ(10,16,17)を油圧ポンプ(30)からの供給圧油で作動させない時に油圧ポンプ(30)からの供給圧油を発電用油圧モータ(32)に送り、発電用油圧モータ(32)にて発電した電力を蓄電装置(34,35)に蓄電し、
油圧アクチュエータ(10,16,17)が排穀オーガ(8)を昇降させるオーガ昇降シリンダ(10)、刈取装置(15)を昇降させる刈取昇降シリンダ(16)又は/及び車台(2)を昇降させて前後傾斜を制御するピッチングシリンダ(17)であり、オーガ昇降シリンダ(10)、刈取昇降シリンダ(16)及びピッチングシリンダ(17)が油圧ポンプ(30)からの供給圧油で伸長して各部(8,15,2)を上昇させる単動式油圧シリンダであり、オーガ昇降シリンダ(10)、刈取昇降シリンダ(16)又は/及びピッチングシリンダ(17)の各部(8,15,2)を下降させる際の縮小による排油が発電用油圧モータ(32)に送られ、
オーガ昇降シリンダ(10)、刈取昇降シリンダ(16)又は/及びピッチングシリンダ(17)から発電用油圧モータ(32)への油路に流量調節ダイヤルの操作で流量を調整する流量調整バルブ(37)を設け、
蓄電装置(34,35)がキャパシタ(34)と、該キャパシタ(34)から電力が移されるバッテリ(35)であり、
エンジン(22)に可変電圧式のオルタネータ(36)及びエンジン(22)の作動を制御管理すると共に負荷を監視するエンジンECUを設け、該エンジンECUがエンジン(22)の負荷上昇状態を検出し、且つ、バッテリECUが検出するキャパシタ(34)及びバッテリ(35)の充電量が所定量以上ある場合には、可変電圧式のオルタネータ(36)の発電電圧を減圧してオルタネータ(36)の作動負荷を軽減することを特徴とするコンバインである。
第2の本発明は、グレンタンク(7)に貯留された穀粒を機外に排出する穀粒排出機構(40,42,43)を駆動する排出駆動電動モータ(44)を設けたことを特徴とする第1の本発明のコンバインである。
第3の本発明は、排出駆動電動モータ(44)の駆動を入り切りする排出入切スイッチを設け、該排出入切スイッチを入りにして排出駆動電動モータ(44)を駆動すると、エンジンECUにてエンジン(22)の回転数をアイドリング状態まで低下させることを特徴とする第2の本発明のコンバインである。
第4の本発明は、排出駆動電動モータ(44)の回転出力を増減操作する排出速度ダイヤルを設けたことを特徴とする第2または第3の本発明のコンバインである。
本発明に関連する第1の発明は、走行装置4を装備した車台2に刈取装置15と脱穀装置6を設けたコンバインにおいて、油圧ポンプ30からの供給圧油の送油方向を油圧アクチュエータ10,16,17側と発電用油圧モータ32側に切り替える方向制御弁31を設け、油圧アクチュエータ10,16,17を油圧ポンプ30からの供給圧油で作動させない時に油圧ポンプ30からの供給圧油を発電用油圧モータ32に送り、発電用油圧モータ32にて発電した電力を蓄電装置34,35に蓄電するコンバインである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明に関連する第1の発明によれば、油圧ポンプ30からの供給圧油の送油方向を油圧アクチュエータ10,16,17側と発電用油圧モータ32側に切り替える方向制御弁31を設け、油圧アクチュエータ10,16,17を油圧ポンプ30からの供給圧油で作動させない時に油圧ポンプ30からの供給圧油を発電用油圧モータ32に送り、発電用油圧モータ32にて発電した電力を蓄電装置34,35に蓄電するので、油圧アクチュエータ10,16,17を油圧ポンプ30からの供給圧油で作動させない時に油圧ポンプ30からの供給圧油を発電用油圧モータ32に送って発電した電力を蓄電装置34,35に蓄電して電動部品が消費する電力として利用することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明に関連する第2の発明は、油圧アクチュエータ10,16,17が排穀オーガ8を昇降させるオーガ昇降シリンダ10、刈取装置15を昇降させる刈取昇降シリンダ16又は/及び車台2を昇降させて前後傾斜を制御するピッチングシリンダ17であり、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16及びピッチングシリンダ17が油圧ポンプ30からの供給圧油で伸長して各部8,15,2を上昇させる単動式油圧シリンダであり、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16又は/及びピッチングシリンダ17の各部8,15,2を下降させる際の縮小による排油が発電用油圧モータ32に送られる本発明に関連する第1の発明のコンバインである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明に関連する第3の発明は、蓄電装置34,35がキャパシタ34と、該キャパシタ34から電力が移されるバッテリ35である本発明に関連する第1または第2の発明のコンバインである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明に関連する第3の発明によれば、蓄電装置34,35がキャパシタ34と、該キャパシタ34から電力が移されるバッテリ35であるので、キャパシタ34とバッテリ35を併用することにより、バッテリ35の充電量が多いときでもキャパシタ34に蓄電することができてエネルギーロスが抑えられると共に、バッテリ35が過充填による負荷で劣化することを防止できる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明に関連する第4の発明は、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16又は/及びピッチングシリンダ17から発電用油圧モータ32への油路に流量調節ダイヤルの操作で流量を調整する流量調整バルブ37を設けた本発明に関連する第2の発明のコンバインである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明に関連する第4の発明によれば、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16又は/及びピッチングシリンダ17から発電用油圧モータ32への油路に流量調節ダイヤルの操作で流量を調整する流量調整バルブ37を設けたので、流量を少なくすると、オーガ昇降シリンダ10、刈取昇降シリンダ16又は/及びピッチングシリンダ17の縮小による各部8,15,2の下降速度を調節することができて下降時の位置を適切にすることができ良好な作業が行える。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
また、流量を多くすると、発電用油圧モータ32による発電量が増し(回生発電による発電優先にして)電力不足による作業能率の低下を防止できる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
本発明に関連する第5の発明は、エンジン22に可変電圧式のオルタネータ36及びエンジン22の作動を制御管理すると共に負荷を監視するエンジンECUを設け、該エンジンECUがエンジン22の負荷上昇状態を検出し、且つ、バッテリECUが検出するキャパシタ34及びバッテリ35の充電量が所定量以上ある場合には、可変電圧式のオルタネータ36の発電電圧を減圧してオルタネータ36の作動負荷を軽減する本発明に関連する第1または第2の発明のコンバインである。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明に関連する第5の発明によれば、エンジン22に可変電圧式のオルタネータ36及びエンジン22の作動を制御管理すると共に負荷を監視するエンジンECUを設け、該エンジンECUがエンジン22の負荷上昇状態を検出し、且つ、バッテリECUが検出するキャパシタ34及びバッテリ35の充電量が所定量以上ある場合には、可変電圧式のオルタネータ36の発電電圧を減圧してオルタネータ36の作動負荷を軽減するので、刈取装置15や脱穀装置6が穀稈の刈取及び脱穀・選別作業を行うエンジン負荷が上昇した状態で、オルタネータ36の作動負荷を軽減することにより、刈取装置15や脱穀装置6への駆動力を上げて収穫作業が適正に行えるようにすると共に、燃料消費の低減による稼働時間の延長が図れる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
本発明に関連する第6の発明は、エンジン22に可変電圧式のオルタネータ36及びエンジン22の作動を制御管理すると共に負荷を監視するエンジンECUを設け、該エンジンECUがエンジン22の負荷上昇状態を検出し、且つ、バッテリECUが検出するキャパシタ34及びバッテリ35の充電量が所定量以上ある場合には、可変電圧式のオルタネータ36の発電電圧を減圧してオルタネータ36の作動負荷を軽減する本発明に関連する第3の発明のコンバインである。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本発明に関連する第7の発明は、エンジン22に可変電圧式のオルタネータ36及びエンジン22の作動を制御管理すると共に負荷を監視するエンジンECUを設け、該エンジンECUがエンジン22の負荷上昇状態を検出し、且つ、バッテリECUが検出するキャパシタ34及びバッテリ35の充電量が所定量以上ある場合には、可変電圧式のオルタネータ36の発電電圧を減圧してオルタネータ36の作動負荷を軽減する本発明に関連する第4の発明のコンバインである。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明に関連する第8の発明は、グレンタンク7に貯留された穀粒を機外に排出する穀粒排出機構40,42,43を駆動する排出駆動電動モータ44を設けた本発明に関連する第1の発明のコンバインである。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
本発明に関連する第8の発明によれば、グレンタンク7に貯留された穀粒を機外に排出する穀粒排出機構40,42,43を駆動する排出駆動電動モータ44を設けたので、エンジン22から穀粒排出機構40,42,43への駆動機構が不要となり、部品点数の削減及び機体の軽量化が図れる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
本発明に関連する第9の発明は、排出駆動電動モータ44の駆動を入り切りする排出入切スイッチを設け、該排出入切スイッチを入りにして排出駆動電動モータ44を駆動すると、エンジンECUにてエンジン22の回転数をアイドリング状態まで低下させる本発明に関連する第8の発明のコンバインである。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
本発明に関連する第9の発明によれば、排出駆動電動モータ44の駆動を入り切りする排出入切スイッチを設け、該排出入切スイッチを入りにして排出駆動電動モータ44を駆動すると、エンジンECUにてエンジン22の回転数をアイドリング状態まで低下させるので、排出入切スイッチを入りにして穀粒排出作業を行う際にエンジン22の回転数がアイドリング状態まで低下し、穀粒排出中の燃料消費や排気ガスの排出量が抑えられる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
本発明に関連する第10の発明は、排出駆動電動モータ44の回転出力を増減操作する排出速度ダイヤルを設けた本発明に関連する第8または第9の発明のコンバインである。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
本発明に関連する第10の発明によれば、排出駆動電動モータ44の回転出力を増減操作する排出速度ダイヤルを設けたので、排出速度ダイヤルにて排出駆動電動モータ44の回転出力を増減操作することができ、例えば、排出中に脱ぷ(籾殻の剥離)が生じやすい時には回転出力を低下させて穀粒の排出搬送速度を下げて、排出作業中に脱ぷが生じて収穫物の品質が低下することを防止できる。