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特開2024-32031故人情報管理システム、故人情報管理サーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032031
(43)【公開日】2024-03-11
(54)【発明の名称】故人情報管理システム、故人情報管理サーバ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240304BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135463
(22)【出願日】2022-08-28
(71)【出願人】
【識別番号】522342570
【氏名又は名称】株式会社Swell
(74)【代理人】
【識別番号】100203460
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 肇
(72)【発明者】
【氏名】坂元 充
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC14
(57)【要約】
【課題】故人のアカウントを適切に処理可能な故人情報管理システム提供する。
【解決手段】
死亡した故人の情報を管理する故人情報管理システムであって、故人の葬儀を実施する葬儀社が使用する端末である葬儀社端末30と、故人が使用していた又は故人の関係者が使用する端末である故人関連端末20と、の少なくとも一方と、故人情報管理システムを運営する運営者のサーバである運営者サーバ10と、故人のアカウントが存在するシステムを運営する事業者50とが通信ネットワークを介して接続されている。運営者サーバ10は、葬儀社端末30及び故人関連端末20の少なくとも一方から故人が死亡したことを示す故人情報を取得する取得手段と、取得手段が取得した故人情報を事業者へ送信する送信手段と、を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
死亡した故人の情報を管理する故人情報管理システムであって、
故人の葬儀を実施する葬儀社が使用する端末である葬儀社端末と、前記故人が使用していた又は前記故人の関係者が使用する端末である故人関連端末と、の少なくとも一方と、前記故人情報管理システムを運営する運営者のサーバである運営者サーバと、前記故人のアカウントが存在するシステムを運営する事業者とが通信ネットワークを介して接続されており、
前記運営者サーバは、
前記葬儀社端末及び前記故人関連端末の少なくとも一方から前記故人が死亡したことを示す故人情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記故人情報を前記事業者へ送信する送信手段と、を備える、故人情報管理システム。
【請求項2】
前記取得手段は、前記葬儀社端末及び前記故人関連端末の一方から前記故人情報を取得するものであり、
前記葬儀社端末及び前記故人関連端末の一方は、前記葬儀社端末及び前記故人関連端末の他方から前記故人情報の前記運営者サーバへの送信の同意を得る同意形成手段を備える、請求項1に記載の故人情報管理システム。
【請求項3】
前記運営者サーバは、
前記取得手段が取得した前記故人情報の一部を隠蔽するマスク手段をさらに備える、請求項1又は2に記載の故人情報管理システム。
【請求項4】
前記送信手段は、前記故人情報に加えて、前記故人の通夜、葬儀、及び告別式の少なくともひとつの日時及び場所を示す情報を前記事業者へ送信する、請求項1~3のいずれか1項に記載の故人情報管理システム。
【請求項5】
故人の葬儀を実施する葬儀社が使用する端末である葬儀社端末と、前記故人が使用していた又は前記故人の関係者が使用する端末である故人関連端末と、の少なくとも一方と、前記故人のアカウントが存在するシステムを運営する事業者とが通信ネットワークを介して接続された故人情報管理サーバであって、
前記葬儀社端末及び前記故人関連端末の少なくとも一方から前記故人が死亡したことを示す故人情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記故人情報を前記事業者へ送信する送信手段と、を備える、故人情報管理サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SNS(Social Networking System)等の利用者が死亡した際に、その個人の情報を管理する個人情報管理システム、及び、その個人情報管理システムを管理する故人情報管理サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、SNSの利用は広く一般的となっており、多くの人がSNSを利用している。このSNSを利用すれば、SNSの利用者が死亡した場合に、故人とSNSを通じて繋がりのある友人等に通夜、葬儀及び告別式の日時場所を通知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-133619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
故人がSNSを使用していた場合、死亡後に遺族がそのSNSのアカウントに対して所定の手続きを行ってアカウントの削除等を行う必要があるが、遺族は故人の通夜や葬儀の準備で慌ただしく、死亡後ただちにアカウントの削除手続き等を行うことは困難であった。また、故人の遺族がアカウントの削除についての手続きについて認知していないこともあり、通夜や葬儀等が行われた後にもアカウントの削除手続きが行われないこともあった。その結果として、SNSの利用者が死亡したにも関わらず、SNSのアカウントがいわゆるデジタル遺産とし残存し続けることとなっていた。また、SNSに限らず、故人がアカウントを有するシステムがあれば、同様の問題が生じていた。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、故人のアカウントを適切に処理可能な故人情報管理システム提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の構成は、第1の構成は、死亡した故人の情報を管理する故人情報管理システムであって、故人の葬儀を実施する葬儀社が使用する端末である葬儀社端末と、前記故人が使用していた又は前記故人の関係者が使用する端末である故人関連端末と、の少なくとも一方と、前記故人情報管理システムを運営する運営者のサーバである運営者サーバと、前記故人のアカウントが存在するシステムを運営する事業者とが通信ネットワークを介して接続されており、前記運営者サーバは、前記葬儀社端末及び前記故人関連端末の少なくとも一方から前記故人が死亡したことを示す故人情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記故人情報を前記事業者へ送信する送信手段と、を備える。
【0007】
第1の構成では、葬儀社又は遺族は、故人情報管理システムを運営する運営者サーバへ故人情報を送信すればよいため、特に個人が生前に複数のSNS等を利用していた場合に手続きが一つだけで済み、葬儀前の慌ただしい状況下でもSNS等に関する故人情報の処理を容易に行うことができる。
【0008】
第2の構成は、第1の構成に加えて、前記取得手段は、前記葬儀社端末及び前記故人関連端末の一方から前記故人情報を取得するものであり、前記葬儀社端末及び前記故人関連端末の一方は、前記葬儀社端末及び前記故人関連端末の他方から前記故人情報の前記運営者サーバへの送信の同意を得る同意形成手段を備える。
【0009】
SNSによっては、故人のアカウントに対する処理が異なるため、遺族によっては直ちに故人情報を送信することを臨まない場合もある。第2の構成では、故人情報を送信する前に葬儀社と遺族等との間で送信の同意を得ることができるため、SNSの事業者に対して個人情報を送信することに同意した場合に故人情報を送信することとしているため、故人情報を適切なタイミングで送信することができる。
【0010】
第3の構成は、第1又は第2の構成に加えて、前記運営者サーバは、前記取得手段が取得した前記故人情報の一部を隠蔽するマスク手段をさらに備える。
【0011】
死亡診断書等の故人情報には、死因等の情報も記載されており、その情報が外部へ送信されることは好ましくない。第3の構成では、運営者サーバが故人情報の一部を隠蔽するため、死因等の情報を確認できない状態でSNSの事業者へ送信されることとなり、故人のプライバシーを十分に担保することができる。
【0012】
第4の構成は、第1~第3のいずれかの構成に加えて、前記送信手段は、前記故人情報に加えて、前記故人の通夜、葬儀、及び告別式の少なくともひとつの日時及び場所を示す情報を前記事業者へ送信する
【0013】
第4の構成では、SNSの事業者等から故人とSNSにおいて友人関係にある人に対して故人の通夜、葬儀、及び告別式の少なくともひとつの日時及び場所を示す情報を送信することができるため、遺族又は葬儀社から故人の友人に対して葬儀等の情報を通知する手間を省くことができる。また、遺族は個人のSNSにおける友人関係までは把握していない場合もあるため、故人の友人に対して漏れなく葬儀などの情報を通知することができる。
【0014】
第5の構成は、故人の葬儀を実施する葬儀社が使用する端末である葬儀社端末と、前記故人が使用していた又は前記故人の関係者が使用する端末である遺族端末と、の少なくとも一方と、前記故人のアカウントが存在するシステムを運営する事業者とが通信ネットワークを介して接続された故人情報管理サーバであって、前記葬儀社端末及び前記故人関連端末の少なくとも一方から前記故人が死亡したことを示す故人情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記故人情報を前記事業者へ送信する送信手段と、を備える。
【0015】
第5の構成では、第1の構成と同等の効果を奏するサーバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る故人情報管理システムの構成を示す図である。
図2】運営者サーバ及びSNSサーバの構成を示す図である。
図3】故人関連端末、葬儀社端末、及び友人端末の構成を示す図である。
図4】個人情報管理システムにおいて実行される処理を示すフローチャートである。
図5】死亡診断書の画像データを示す図である。
図6】死亡診断書のテンプレート画像を示す図である。
図7】テンプレート画像を用いて死亡診断書の画像データにマスク処理を施した状態を示す図である。
【0017】
<実施形態>
各図を参照して、本発明の実施形態に係る故人情報管理システムについて説明する。本実施形態に係る故人情報管理システムは、図1に示すように、本システムを運営する運営者のサーバである運営者サーバ10と、故人の遺族が使用する端末である故人関連端末20と、葬儀を実施する葬儀社が使用する端末である葬儀社端末30と、故人とSNSを通じた繋がりのある友人の端末である友人端末40と、故人のアカウントが存在するSNSを運営する企業のサーバであるSNSサーバ50が、インターネット100を介して相互に通信可能に接続されている。なお、故人関連端末20を使用する故人の遺族としては、一般的に相続人となる三親等以内の親族に限るものとしてもよいし、葬儀に遺族として参列する三親等以外の親族も含めるものとしてもよい。
【0018】
運営者サーバ10及びSNSサーバ50は、図2に示すように、制御部11,51、通信部12,52、及び、記憶部13,53を備えている。制御部11,51は、プロセッサ及びメモリ(いずれも図示略)を備えており、メモリに記憶されているプログラムに従ってプロセッサが所定の処理を行う。通信部12,52は、光回線等を介してインターネット100と接続されており、運営者サーバ10とSNSサーバ50との間での情報の送受信、及び、故人関連端末20、葬儀社端末30、友人端末40との間で情報の送受信が可能となっている。記憶部13,53は、複数のメモリ、例えばHDD等で構成されている。
【0019】
故人関連端末20、葬儀社端末30、及び友人端末40は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等の広く一般的に普及している端末である、具体的には、故人関連端末20、葬儀社端末30、及び友人端末40は、図3に示すように、制御部21,31,41、通信部22,32,42、記憶部23,33,43、入力部24,34,44、表示部25,35,45、及び撮影部26,36,46を備えている。
【0020】
制御部21,31,41は、プロセッサ及びメモリ(いずれも図示略)を備えており、メモリに記憶されているプログラムに従ってプロセッサが所定の処理を行う。通信部22,32,42は、無線通信回線や光回線等を介してインターネット100と接続されており、故人関連端末20、葬儀社端末30、及び友人端末40の間での情報の送受信、及び、運営者サーバ10、SNSサーバ50との間での情報の送受信が可能となっている。また、この通信部22,32,44は無線LAN(Local Area Network)の機能も備えており、近距離の位置する故人関連端末20、葬儀社端末30、及び友人端末40どうしの無線通信も可能となっている。記憶部23,33,43は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリとで構成されている。揮発性メモリは、例えばDRAMであり、不揮発性メモリは、例えばHDD又はSSDである。
【0021】
入力部24,34,44は、表示部25,35,45の表面に設けられたタッチパネルや、キーボード、マウス等であり、端末20,30,40の使用者による入力部24,34,44への操作入力により、制御部21,31,41が所定の制御を実行する。表示部25,35,45は例えば液晶パネルであり、制御部21,31,41による制御により、文字や画像等を表示する。撮影部26,36,46は例えばレンズ及びイメージセンサにより構成されているカメラであり、端末20,30,40の使用者による入力部24,34,44への操作入力により制御部21,31,41が撮影部26,36,46を機能させ、静止画又は動画を撮影する。撮影された静止画又は動画は、記憶部23,33,43に記憶される。
【0022】
以上のように構成されている故人情報管理システムにおいて行われる制御について、図4を参照して説明する。まず、葬儀社端末30と運営者サーバ10とがインターネット100を介して接続され、葬儀社端末30から故人情報管理システムに対してログインする。これにより、故人名や式の内容等である訃報情報の入力画面が葬儀社端末30の表示部35に表示され、ステップS101において、葬儀社端末30の入力部34に対する操作入力により、故人名や式の内容等である訃報情報が入力される。具体的には、故人名、通夜と葬儀告別式の日時、式場名、その住所・電話番号、喪主、儀式形態(仏式、神式等)の情報等が訃報情報として入力される。
【0023】
入力された訃報情報は、インターネット100を介して運営者サーバ10へ送信され、その訃報情報は運営者サーバ10の記憶部13に格納され、運営者サーバ10は、ステップS102において、その訃報情報に基づいて故人専用(喪家専用)のウェブページを作成する。そして、運営者サーバ10は、作成したウェブページをインターネット100を介して閲覧可能となるようにアップロードするとともに、ステップS103において、故人関連端末20及び葬儀社端末30へそのURLを送信する。
【0024】
次に、ステップS104において、葬儀社は葬儀社端末30を操作し、撮影部36により、故人の死亡診断書(死体検案書)を撮影する。この死亡診断書(死体検案書)は、図5に示すように、医師から発行されるものであり、所定のフォーマットが印刷された記入用紙に、故人の氏名、性別、生年月日、死亡日時、死亡した場所、死亡の原因等が記載されたものである。葬儀社端末30により死亡診断書(死体検案書)が撮影されれば、その画像をビットマップ形式の画像データとして記憶部33に一時的に格納する。なお、死亡診断書(死体検案書)を撮影した画像データは、故人が死亡したことを示す情報であるため、故人情報ということができる。
【0025】
続いて、この死亡診断書(死体検案書)を撮影した画像データを運営者サーバ10にアップロードする前に、ステップS105において、葬儀社は遺族からアップロードする旨の同意を得る。具体的には、葬儀社端末30と故人関連端末20とを無線LANにより接続し、故人関連端末20の表示部25にアップロードに同意する旨を入力する画面を表示する。このとき、葬儀社端末30の制御部31及び通信部32が協働して同意形成手段として機能するといえる。そして、ステップS106において、遺族による故人関連端末20の入力部24への入力操作により同意する旨の入力がなされれば、その入力結果が葬儀社端末30へ送信され、続くステップS107において、死亡診断書(死体検案書)を撮影した画像データが葬儀社端末30から運営者サーバ10へ送信される。このとき、故人情報を取得する側である運営者サーバ10の制御部11及び通信部12が協働して、故人情報を取得する取得手段として機能するといえる。
【0026】
なお、葬儀社が遺族からアップロードする旨の同意を得る具体的手段は上記のものに限られない。例えば、故人関連端末20からもインターネット100を介して運営者サーバ10に接続したうえで、同意を得る旨の入力を行うものとしてもよい。また、葬儀社端末30と故人関連端末20とを無線LANにより接続する場合には、種々の公知の手段が採用されるが、例えば、葬儀社端末30の表示部35に二次元バーコード等を表示し、故人関連端末20の撮影部26で撮像することを契機として接続するものとしてもよい。同様に、故人関連端末20から運営者サーバ10に接続する手段を採用する場合でも、葬儀社端末30の表示部35に二次元バーコード等を表示し、故人関連端末20の撮影部26で撮像することを契機として運営者サーバに接続するものとしてもよい。
【0027】
以上のようにして死亡診断書(死体検案書)を撮影した画像データをアップロードする旨の同意が得られれば、葬儀社端末30から運営者サーバ10へインターネット100を介してその画像データが送信される。運営者サーバ10が死亡診断書(死体検案書)を撮影した画像データを受信すれば、運営者サーバ10の記憶部13に画像データが格納されるとともに、ステップS108において、制御部11がその画像データの一部を視認不能に隠蔽するマスク処理を行う。具体的には、死亡診断書(死体検案書)において故人が死亡していることを証明するためには、故人の氏名、性別、生年月日、死亡日時があれば済むが、死亡した場所、死亡の原因等は個人のプライバシーに関する情報であるため、死亡した場所に関する記入欄及び死亡の原因に関する記入欄に対してマスク処理を行う。
【0028】
このマスク処理について、詳述する。死亡診断書(死体検案書)は、所定のフォーマットが印刷された記入用紙に対して記入されたものであるため、そのフォーマットにおいて、マスク処理を行う記入欄を決定する処理を行う。運営者サーバ10の記憶部13には、図6に示すように、死亡診断書(死体検案書)のフォーマットの外枠及び各記入欄の形状・配置と同形状であり、且つ、マスク処理を行う記入欄が特定されているデータであるテンプレートデータが記憶されており、マスク処理の際にはそのテンプレートデータを用いる。
【0029】
まず、画像データ中の死亡診断書の外枠と、テンプレートデータの外枠とを一致させる処理を行う。この処理は、画像データはそのまま使用し、テンプレートデータを拡大縮小したり、回転させたり、射影変換させたりすることにより一致させるようにしてもよいし、その逆に、テンプレートデータはそのまま使用し、画像データを拡大縮小したり、回転させたり、射影変換させたりすることにより一致させるようにしてもよい。
【0030】
続いて、テンプレートデータにおいて予め設定されているマスク領域に位置が一致している画像データ中の領域をマスク領域として設定して、マスク処理を行う。具体的には、画像データ中のマスク領域中に位置する画素の全てについて、色を一律の色(例えば黒色)とする処理を行う。このマスク処理を画像データ中のマスク領域の全てに対して行うことで、画像データのマスク処理が終了し、図7に示すようなマスク処理がなされた画像データが運営者サーバ10の記憶部13に格納される。そして、ステップS109において、運営者サーバ10からSNSサーバ50へマスク処理がなされた画像データが送信される。なお、運営者サーバ10において、SNSサーバ50へマスク処理がなされた画像データが送信された後には、その画像データを削除する処理を行うものとしてもよい。また、上述した葬儀社端末30においても、運営者サーバ10へ画像データを行った後にその画像データを削除する処理を行うものとしてもよい。なお、運営者サーバ10においてマスク処理を行ううえで、運営者サーバ10の制御部11は故人情報の一部を隠蔽するマスク手段として機能するといえ、運営者サーバ10からSNSサーバ50へ故人情報を送信する処理を行ううえで、運営者サーバ10の制御部11と通信部12が協働して送信手段として機能するといえる。
【0031】
運営者サーバ50がマスク処理がなされた画像データを受信すれば、SNSを運営する運営業者は、ステップS110において、故人のアカウントに対して、その利用者が故人となった場合に対応する所定の処理を行う。この所定の処理とは、SNSの運営業者ごとに定められた処理が行われるため一律ではないが、例えば、故人のアカウントが追悼用のアカウントに変更され、友人からは過去の投稿等の閲覧のみを可能とするなど、種々の処理が挙げられる。
【0032】
また、上述した葬儀社端末30から運営者サーバ10へ死亡診断書(死体検案書)の画像データを送信する際に、故人のSNSのアカウントに対していかなる手続きを行うかを選択可能としてもよい。例えば、上述した故人のアカウントを追悼用のアカウントに変更する処理のほか、故人のアカウントを追悼用のアカウントに変更せず削除するものとしてもよいし、一定期間のみ追悼用のアカウントとし、その期間の終了後にはアカウントを削除するようにしてもよい。また、故人が使用していたSNSが複数存在する場合には、SNSごとに対応を変更するものとしてもよい。例えば、あるSNSについては追悼用のアカウントに変更し、別のSNSについてはアカウントを直ちに削除するように設定してもよい。
【0033】
また、SNSサーバ50は、ステップS111において、故人と友人関係にある利用者に対して、故人の葬儀等が行われる旨を示す通知が行われるとともに、故人専用(喪家専用)のウェブページのURLが送信される。この通知においては、葬儀等の日時、場所を通知するものとしてもよいが、故人のSNSのページに葬儀等の日時や場所を表示するものとしてもよい。また、通知において利用者が故人となった旨、及び、故人専用(喪家専用)のウェブページのURLの表示にとどめ、故人の友人は故人専用(喪家専用)のウェブページにアクセスすることで葬儀等の日時及び場所を知ることができるようにしてもよい。
【0034】
故人とSNSを通じて友人関係にあったSNSの利用者が、友人端末40と利用して個人専用(喪家専用)のウェブページにアクセスすれば、故人の葬儀等の日時、及び場所を把握することができる。また、故人の葬儀等に関する物品の購入を行うこともできる。具体的には、故人の葬儀に対する供花の購入や香典の購入を行うことができる。
【0035】
運営者サーバ10は、友人端末40により供花の購入がなされた場合には、通夜、葬儀及び告別式の会場へ供花を納入する手続きを行う。また、友人端末40により香典が購入されれば、その香典を通夜、葬儀及び告別式の会場へ現金を含めて発送しても良いし、香典の額面分の金額を遺族の銀行口座等に対して振り込みを行うものとしてもよい。
【0036】
個人の遺族は、故人関連端末20を利用して、個人専用(喪家専用)のウェブページに故人の生前の写真等の画像データをアップロードすることもできる。こうすることで、故人の友人が故人専用(喪家専用)のウェブページにアクセスして個人の生前の写真を拝見することができる。また、故人の友人が友人端末40から故人専用(喪家専用)のウェブページにアクセスするとともに、その友人が所有する故人の生前の写真を故人専用(喪家専用)のウェブページにアップロードするようにしてもよい。なお、この場合には、故人の友人が何の制限も無く故人専用(喪家専用)のウェブページにアップロードできるようにしても良いが、そのアップロードした写真等を公開することを遺族が了承した場合に限り、その写真を公開するものとしてもよい。
【0037】
上記構成により、実施形態に係る故人情報管理システムは以下の効果を奏する。
【0038】
・葬儀社又は遺族は、故人情報管理システムを運営する運営者サーバ10へ死亡診断書を撮影した画像データを送信すればよいため、特に個人が生前に複数のSNSを利用していた場合に手続きが一つだけで済み、葬儀前の慌ただしい状況下でもSNSに関する故人情報の処理を容易に行うことができる。
【0039】
・SNSによっては、故人のアカウントに対する処理が異なるため、遺族によっては直ちに故人情報を送信することを臨まない場合もある。本実施形態では、SNSの事業者に対して故人情報を送信することに同意した場合に故人情報を送信することとしているため、故人情報を適切なタイミングで送信することができる。
【0040】
・死亡診断書等の故人情報には、死因等の情報も記載されており、その情報が外部へ送信されることは好ましくない。本実施形態では、運営者サーバ10が故人情報の一部にマスク処理を行うため、死因等の情報を確認できない状態でSNSの事業者へ送信されることとなり、故人のプライバシーを十分に担保することができる。
【0041】
・SNSの事業者から故人とSNSにおいて友人関係にある人に対して故人の通夜、葬儀、及び告別式の少なくともひとつの日時及び場所を示す情報を送信することができるため、遺族又は葬儀社から故人の友人に対して葬儀等の情報を通知する手間を省くことができる。また、遺族は個人のSNSにおける友人関係までは把握していない場合もあるため、故人の友人に対して漏れなく葬儀などの情報を通知することができる。
【0042】
<変形例>
・実施形態では、故人が生前に使用していた端末を故人情報管理システムに組み込んでいないが、故人が生前に使用していた端末を使用可能であれば、その端末を故人情報管理システムに組み込んでもよい。この場合には、故人関連端末20として故人が生前に使用していた端末を利用するものとしてもよいし、が使用している端末において実行される処理の一部を故人が生前に使用していた端末において実行するものとしてもよい。また、故人専用(喪家専用)のウェブページに故人の生前の写真をアップロードする際に、故人端末から写真をアップロードするものとしてもよい。
【0043】
・実施形態では、死亡診断書(死体検案書)の一部にマスク処理を施した後に運営者サーバ10からSNSサーバ50へ送信するものとしたが、マスク処理を行わず、トリミングを行い死因などが記入されている部分を削除した後、送信するものとしてもよい。
【0044】
・実施形態では、故人が死亡したことを示す故人情報として死亡診断書(死体検案書)を撮影した画像データを採用したが、故人情報としてはこれに限られず、死亡診断書(死体検案書)をスキャンした画像データであってもよい。また、故人情報は死亡診断書(死体検案書)に関するデータでなくてもよく、故人が死亡したことが証明される情報、例えば、故人が死亡したことを示す新聞記事や、除籍謄本などであってもよい。これらについては、SNSによって必要となるものが異なるため、故人が使用していたSNSに合わせて採用すればよい。また、死亡診断書(死体検案書)以外を用いる場合についても、故人が死亡したことを示すために必要な情報以外については、実施形態と同様にマスク処理をおこなえばよい。
【0045】
・実施形態では、故人のアカウントが存在するSNSの事業者が使用しているSNSサーバ50を故人情報管理システムに組み込むものとしているが、故人のアカウントが存在するSNS以外の事業者が使用しているサーバ等を故人情報管理システムに組み込むものとしてもよい。ここでいう故人のアカウントが存在するSNS以外の事業者としては、インターネットを介して動画を配信している事業者や、インターネットを介して商品の売買を行う事業者等のEC(electronic commerce)サイトを運営している事業者が挙げられる。
【符号の説明】
【0046】
運営者サーバ・・・10、故人関連端末・・・20、葬儀社端末・・・30、友人端末・・・40、SNSサーバ・・・50、インターネット・・・100
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7