(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024032035
(43)【公開日】2024-03-11
(54)【発明の名称】小型自動麻雀機の牌プッシュ機構
(51)【国際特許分類】
A63F 9/20 20060101AFI20240304BHJP
【FI】
A63F9/20 517F
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023148897
(22)【出願日】2023-09-14
(31)【優先権主張番号】202211038030.2
(32)【優先日】2022-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523249755
【氏名又は名称】杭州上▲沖▼▲実▼▲業▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Hangzhou Shangchong Industrial Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Fenghuangshan Village, Evolutionary Town, Xiaoshan District, Hangzhou City Zhejiang Province, China
(74)【代理人】
【識別番号】100188134
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 武幸
(72)【発明者】
【氏名】汪建洋
(72)【発明者】
【氏名】汪▲農▼茂
(57)【要約】 (修正有)
【課題】より省スペースに設置可能な小型自動麻雀機の牌プッシュ機構を提供する。
【解決手段】牌プッシュヘッド10と駆動モーター11とを含み、牌プッシュヘッド10が並進ベースに接続され、並進ベースが伝動機構13を介して駆動モーター11に接続される小型自動麻雀機の牌プッシュ機構に関し、該牌プッシュ機構は、隣接する、水平方向に互いに垂直に設置される第1牌貯蔵通路14と第2牌貯蔵通路15との間に設置され、牌プッシュヘッドは、第1牌貯蔵通路14の軸方向延長線に位置し、第1牌貯蔵通路14端部と伝動機構13との間に牌受け昇降ベース16が設けられ、伝動機構13は、第1牌貯蔵通路端部14と第2牌貯蔵通路端部15との間に位置し、牌受け昇降ベース16は、伝動機構13を介して駆動モーター11に接続され、駆動モーター11は、第2牌貯蔵通路15の第1牌貯蔵通路14に隣接する端の下方に固定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
牌プッシュヘッド(10)と駆動モーター(11)とを含み、前記牌プッシュヘッド(10)が並進ベース(12)に接続され、前記並進ベース(12)が伝動機構(13)を介して駆動モーター(11)に接続される小型自動麻雀機の牌プッシュ機構であって、該牌プッシュ機構は、隣接する、水平方向に互いに垂直に設置される第1牌貯蔵通路(14)と第2牌貯蔵通路(15)との間に設置され、前記牌プッシュヘッド(10)は、第1牌貯蔵通路(14)の軸方向延長線に位置し、前記第1牌貯蔵通路(14)の端部と伝動機構(13)との間に牌受け昇降ベース(16)が設けられ、前記伝動機構(13)は、第1牌貯蔵通路(14)の端部と第2牌貯蔵通路(15)の端部との間に位置し、前記牌受け昇降ベース(16)は、前記伝動機構(13)を介して駆動モーター(11)に接続され、前記駆動モーター(11)は、第2牌貯蔵通路(15)の第1牌貯蔵通路(14)に隣接する端の下方に固定され、前記駆動モーター(11)のパワー出力軸と第1牌貯蔵通路(14)とは、互いに垂直に設置され、前記牌プッシュヘッド(10)が牌受け昇降ベース(16)に位置する牌を第1牌貯蔵通路(14)にプッシュする過程で、駆動モーター(11)は、常に牌プッシュヘッド(10)の第1牌貯蔵通路(14)の端部から離れた側に位置する、ことを特徴とする小型自動麻雀機の牌プッシュ機構。
【請求項2】
前記伝動機構(13)は、カム(17)を含み、前記カム(17)は、駆動モーター(11)のパワー出力軸に固定して接続され、前記並進ベース(12)は、水平に設置される少なくとも1本のスライドバー(18)に摺接され、前記並進ベース(12)に第1シュート(19)が設けられ、前記カム(17)の一面に第1スプール(20)が設けられ、前記第1スプール(20)は、第1シュート(19)に摺接され、カム(17)は、回動する時、並進ベース(12)をスライドバー(18)に沿って摺動させることができ、前記カム(17)の他面に第2シュート(21)が設けられ、前記第2シュート(21)内に第2スプール(22)が設けられ、前記第2スプール(22)は、揺動ロッド(23)の中部領域に設置され、前記揺動ロッド(23)の一端は、揺動端であり、揺動端は、牌受け昇降ベース(16)に回動接続され、前記揺動ロッド(23)の他端は、回動可能な位置決め端であり、カム(17)は、回動する時、牌受け昇降ベース(16)を昇降させることができる、ことを特徴とする請求項1に記載の小型自動麻雀機の牌プッシュ機構。
【請求項3】
前記第1シュート(19)は、縦方向摺動部(24)と下曲がり摺動部(25)とを含み、前記縦方向摺動部(24)と下曲がり摺動部(25)は、J字状に接続され、前記第2シュート(21)は、対向して設置される大円弧状部(26)と小円弧状部(27)とを含み、前記大円弧状部(26)と小円弧状部(27)とは、接続部(28)を介して接続され、前記カム(17)の回動中に、揺動ロッド(23)により牌受け昇降ベース(16)を下降させて牌を受けるように駆動し、且つ牌を受けた後、揺動ロッド(23)により牌受け昇降ベース(16)を牌受け昇降ベース(16)の上面まで上昇させて第1牌貯蔵通路(14)の上面と面一となり、カム(17)の回動中に、並進ベース(12)により、牌プッシュヘッド(10)を動かして、牌受け昇降ベース(16)に位置する牌を第1牌貯蔵通路(14)にプッシュした後、牌プッシュヘッド(10)を牌受け昇降ベース(16)の第1牌貯蔵通路(14)の端部から離れた側まで戻すように駆動し、次の牌プッシュを待つ、ことを特徴とする請求項2に記載の小型自動麻雀機の牌プッシュ機構。
【請求項4】
前記駆動モーター(11)は、第2牌貯蔵通路(15)の端部の外側に位置する位置決めベース(29)に固定され、前記駆動モーター(11)のパワー出力軸は、位置決めベース(29)に回動可能に穿設され、前記カム(17)は、パワー出力軸の延出端に固定され、前記揺動ロッド(23)の回動可能な位置決め端は、位置決めベース(29)に回動接続される、ことを特徴とする請求項3に記載の小型自動麻雀機の牌プッシュ機構。
【請求項5】
前記位置決めベース(29)には、カム(17)及び並進ベース(12)の外周を覆うカバーケース(30)が固定され、前記スライドバー(18)は、カバーケース(30)内に固定される、ことを特徴とする請求項4に記載の小型自動麻雀機の牌プッシュ機構。
【請求項6】
前記牌受け昇降ベース(16)は、台座(31)と、台座の最上部に固定された消音パッド(32)とを含み、前記牌プッシュヘッド(10)は、リンク(33)を介して並進ベース(12)に固定される、ことを特徴とする請求項5に記載の小型自動麻雀機の牌プッシュ機構。
【請求項7】
前記台座(31)に接続孔(34)が設けられ、前記揺動ロッド(23)の揺動端に接続体(35)が設けられ、前記接続体(35)は、接続孔(34)に回動可能に設けられる、ことを特徴とする請求項6に記載の小型自動麻雀機の牌プッシュ機構。
【請求項8】
前記台座(31)は、昇降案内構造(36)に接続され、前記昇降案内構造(36)は、台座(31)に固定される少なくとも1本の案内ピラー(37)と、固定して設置される案内ベース(38)とを含み、前記案内ベース(38)に案内ピラー(37)に対応する案内孔(39)が設けられ、前記案内ピラー(37)は、案内孔(39)に穿設される、ことを特徴とする請求項7に記載の小型自動麻雀機の牌プッシュ機構。
【請求項9】
前記案内ベース(38)は、カバーケース(30)の外側に吊って固定される、ことを特徴とする請求項8に記載の小型自動麻雀機の牌プッシュ機構。
【請求項10】
前記並進ベース(12)に摺動孔(40)が設けられ、前記摺動孔(40)は、周方向に分布する複数の切り欠き(41)を有し、前記スライドバー(18)は、摺動孔(40)に穿設される、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の小型自動麻雀機の牌プッシュ機構。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、麻雀機の分野に属し、特に小型自動麻雀機の牌プッシュ機構に関する。
【背景技術】
【0002】
自動麻雀機は、麻雀牌を整理して机面まで押し上げる前に、麻雀牌に対して積み及び整理操作を行う必要がある。上記操作は、通常、麻雀機の牌プッシュヘッドにより行われ、積まれた牌を整理する過程で、牌受けベースが下降し、麻雀牌が牌受けベースに積まれた後、牌受けベースは、牌貯蔵通路と同一の水平面になるまで上昇し、牌プッシュヘッドは、積まれた麻雀牌を牌貯蔵通路にプッシュする。すべての麻雀牌を積んで整理し、牌貯蔵通路に積載するまで繰り返す。積まれて整理された麻雀牌を牌貯蔵通路に積載した後、牌プッシュアセンブリ及び牌リフトアップアセンブリにより麻雀牌を机面まで押し上げる。
【0003】
従来技術では、牌プッシュヘッドの牌プッシュ機構は、牌貯蔵通路に対応して設置され、牌プッシュヘッドの牌プッシュ機構及び駆動モーターは、対応する牌貯蔵通路の下方に位置する。例えば、中国発明[出願番号CN202022064764.0]は、小型麻雀機の牌リフトアッププッシュ構造を開示している。この先行文献は、ヘッド装置、主板体、牌リフトアップアルミニウムバー、牌プッシュロッド、牌リフトアッププッシュモーター、牌リフトアッププッシュ伝動構造、牌プッシュ部、牌プッシュ取り付け部、牌プッシュスライダー、スライダー屈曲部及び牌プッシュ突出部を含み、牌プッシュ突出部及びスライダー屈曲部の一側に牌プッシュ部を超えない牌プッシュ面が形成され、牌プッシュスライダーの両端は、それぞれスライダー連動部を有し、牌プッシュスライダーと、スライダー連動部と、スライダー屈曲部と、牌プッシュ突出部とは、一体成形され、主板体の牌リフトアッププッシュモーター側は、制限取り付け構造を介して牌プッシュスライダーのストッパーシートが設けられる。この先行文献に記載されている効果としては、拡幅されたダブルプッシュ機構により、牌プッシュ過程の安定性がより高く、牌プッシュ効果が高く、全体構造の小体積化を実現することで、麻雀機の牌リフトアッププッシュ機構の取り付けに必要なスペースを低減し、信頼性も高いことである。
牌プッシュヘッドの各部分構造のレイアウトを容易にするために、この文献では、駆動モーター及び少なくとも一部の伝動機構は、対応する牌貯蔵通路の一端の下方に設置され、駆動モーターのパワー出力軸と対応する牌貯蔵通路とは、互いに垂直に設置される。
【0004】
他方、他の先行文献として中国特許文献[出願番号:CN202122987875.3]が発明されており、それには、麻雀機のヘッド、及び牌リフトアッププッシュアセンブリが開示されている。麻雀牌を貯蔵するための牌貯蔵板を含み、前記牌貯蔵板の下方には、整理された麻雀牌を机面までリフトアップするための牌リフトアップ機構が設けられ、前記牌リフトアップ機構の裏側には、机面までリフトアップされた麻雀機を牌貯蔵板から机面まで押すための牌プッシュ機構が設けられ、前記牌貯蔵板の左側には、麻雀機を整理し且つ牌貯蔵板に送るための消音式牌供給機構が設けられる。該方案の駆動モーター及び少なくとも一部の伝動機構は、同様に、対応する牌貯蔵通路の一端の下方に設置され、駆動モーターのパワー出力軸と対応する牌貯蔵通路とは、互いに平行に設置される。
【0005】
上記先行技術文献は、スペースのレイアウトを考慮して、できるだけ合理的にスペースを利用して、構造のコンパクト化という目的を達成しようとしているが、駆動モーター及び少なくとも一部の伝動機構は、対応する牌貯蔵通路の下方に設置されるため、該領域のために十分なスペースを残さなければならず、対応する牌貯蔵通路の長さを短縮できなくなってしまう。すなわち、上へ移動するように牌貯蔵通路をプッシュする駆動構造が牌貯蔵通路の下方に位置するため、牌プッシュ機構のドライバを収容するスペースが必要となる。これには、牌貯蔵通路が十分な長さを持つ必要があり、麻雀機の内部スペースの利用率が低いため、麻雀機のサイズが大きく、運搬が面倒になる。また、従来技術の構造では、牌プッシュ操作を行う時、駆動モーターは、いずれも「プル」する方式で牌プッシュを実現している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記課題に対して、より省スペースに設置可能な小型自動麻雀機の牌プッシュ機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、下記技術的解決手段を用いる。
【0008】
牌プッシュヘッドと駆動モーターとを含み、前記牌プッシュヘッドが並進ベースに接続され、前記並進ベースが伝動機構を介して駆動モーターに接続される小型自動麻雀機の牌プッシュ機構であって、、該牌プッシュ機構は、隣接する、水平方向に互いに垂直に設置される第1牌貯蔵通路と第2牌貯蔵通路との間に設置され、前記牌プッシュヘッドは、第1牌貯蔵通路の軸方向延長線に位置し、前記第1牌貯蔵通路の端部と伝動機構との間に牌受け昇降ベースが設けられ、前記伝動機構は、第1牌貯蔵通路の端部と第2牌貯蔵通路の端部との間に位置し、前記牌受け昇降ベースは、前記伝動機構を介して駆動モーターに接続され、前記駆動モーターは、第2牌貯蔵通路の第1牌貯蔵通路に隣接する端の下方に固定され、前記駆動モーターのパワー出力軸と第1牌貯蔵通路とは、互いに垂直に設置され、前記牌プッシュヘッドが牌受け昇降ベースに位置する牌を第1牌貯蔵通路にプッシュする過程で、駆動モーターは、常に牌プッシュヘッドの第1牌貯蔵通路の端部から離れた側に位置する。
【0009】
上記小型自動麻雀機の牌プッシュ機構では、前記伝動機構は、カムを含み、前記カムは、駆動モーターのパワー出力軸に固定して接続され、前記並進ベースは、水平に設置される少なくとも1本のスライドバーに摺接され、前記並進ベースに第1シュートが設けられ、前記カムの一面に第1スプールが設けられ、前記第1スプールは、第1シュートに摺接され、カムは、回動する時、並進ベースをスライドバーに沿って摺動させることができ、前記カムの他面に第2シュートが設けられ、前記第2シュート内に第2スプールが設けられ、前記第2スプールは、揺動ロッドの中部領域に設置され、前記揺動ロッドの一端は、揺動端であり、揺動端は、牌受け昇降ベースに回動接続され、前記揺動ロッドの他端は、回動可能な位置決め端であり、カムは、回動する時、牌受け昇降ベースを昇降させることができる。
【0010】
上記小型自動麻雀機の牌プッシュ機構では、前記第1シュートは、縦方向摺動部と下曲がり摺動部とを含み、前記縦方向摺動部と下曲がり摺動部は、J字状に接続され、前記第2シュートは、対向して設置される大円弧状部と小円弧状部とを含み、前記大円弧状部と小円弧状部とは、それぞれ接続部を介して接続され、前記カムの回動中に、揺動ロッドにより牌受け昇降ベースを下降させて牌を受けるように駆動し、牌を受けた後、揺動ロッドにより牌受け昇降ベースを牌受け昇降ベースの上面まで上昇させて第1牌貯蔵通路の上面と面一となり、カムの回動中に、並進ベースにより、牌プッシュヘッドを動かして、牌受け昇降ベースに位置する牌を第1牌貯蔵通路にプッシュした後、牌プッシュヘッドを牌受け昇降ベースの第1牌貯蔵通路の端部から離れた側に戻すように駆動し、次の牌プッシュを待つ。
【0011】
上記小型自動麻雀機の牌プッシュ機構では、前記駆動モーターは、第2牌貯蔵通路の端部の外側に位置する位置決めベースに固定され、前記駆動モーターのパワー出力軸は、位置決めベースに回動可能に穿設され、前記カムは、パワー出力軸の延出端に固定され、前記揺動ロッドの回動可能な位置決め端は、位置決めベースに回動接続される。
【0012】
上記小型自動麻雀機の牌プッシュ機構では、前記位置決めベースには、カム及び並進ベースの外周を覆うカバーケースが固定され、前記スライドバーは、カバーケース内に固定される。
【0013】
上記小型自動麻雀機の牌プッシュ機構では、前記牌受け昇降ベースは、台座と、台座の最上部に固定される消音パッドとを含み、前記牌プッシュヘッドは、リンクを介して並進ベースに固定される。
【0014】
上記小型自動麻雀機の牌プッシュ機構では、前記台座に接続孔が設けられ、前記揺動ロッドの揺動端に接続体が設けられ、前記接続体は、接続孔に回動可能に設けられる。
【0015】
上記小型自動麻雀機の牌プッシュ機構では、前記台座は、昇降案内構造に接続され、前記昇降案内構造は、台座に固定される少なくとも1本の案内ピラーと、固定して設置される案内ベースとを含み、前記案内ベースに案内ピラーに対応する案内孔が設けられ、前記案内ピラーは、案内孔に穿設される。
【0016】
上記小型自動麻雀機の牌プッシュ機構では、前記案内ベースは、カバーケースの外側に吊って固定される。
【0017】
上記小型自動麻雀機の牌プッシュ機構では、前記並進ベースに摺動孔が設けられ、前記摺動孔は、周方向に分布する複数の切り欠きを有し、前記スライドバーは、摺動孔に穿設される。
【発明の効果】
【0018】
従来の技術に比べて、本発明は次の効果を有する。
【0019】
駆動モーターを隣接する牌貯蔵通路の下方に設置し、伝動構造を第1牌貯蔵通路と第2牌貯蔵通路との間に設置する。このようにすることで元々牌貯蔵通路の下方に置かれた牌プッシュ構造のスペースを小さくすることができるため、牌貯蔵通路を短くすることができ、第1牌貯蔵通路と第2牌貯蔵通路との間のスペースを活用する。それにより麻雀機のサイズを小型化することが可能となる。
【0020】
位置決めベースは、駆動モーターを固定するために用いられるとともに、揺動ロッドを回動可能な位置決め端に回動接続されるために用いられ、集積作用を有し、不必要な固定接続構造を減少させ、構造の簡易化及び体積を減少させることが可能となり、麻雀機の体積も小さくする効果を有する。
【0021】
伝動機構によって牌受け昇降ベースと並進ベースを交互に運動させることができ、伝動機構の構造もコンパクトとなり、スペースを活用し、麻雀機の体積を小さくする効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図2】カバーケースを隠した後の
図1の立体構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面及び発明を実施するための形態を併せて本発明を更に詳細に説明する。
【0024】
図1-5に示すように、牌プッシュヘッド10と駆動モーター11とを含み、前記牌プッシュヘッド10は、並進ベース12に接続され、前記並進ベース12は、伝動機構13を介して駆動モーター11に接続され、該牌プッシュ機構は、隣接する、水平方向に互いに垂直に設置される第1牌貯蔵通路14と第2牌貯蔵通路15との間に設置され、前記牌プッシュヘッド10は、第1牌貯蔵通路14の軸方向延長線に位置し、前記第1牌貯蔵通路14の端部と伝動機構13との間に牌受け昇降ベース16が設けられ、前記伝動機構13は、第1牌貯蔵通路14の端部と第2牌貯蔵通路15の端部との間に位置し、前記牌受け昇降ベース16は、前記伝動機構13を介して駆動モーター11に接続され、前記駆動モーター11は、第2牌貯蔵通路15の第1牌貯蔵通路14に隣接する端の下方に固定される。駆動モーター11のパワー出力軸と第1牌貯蔵通路14とは、互いに垂直に設置され、前記牌プッシュヘッド10が牌受け昇降ベース16に位置する牌を第1牌貯蔵通路14にプッシュする過程で、駆動モーター11は、常に牌プッシュヘッド10の第1牌貯蔵通路14の端部から離れた側に位置する。
【0025】
麻雀機は、牌をリフトアップするための4つの牌貯蔵通路を有し、各牌貯蔵通路のそれぞれに、牌をリフトアップするための牌プッシュ機構のドライバが接続されている。前述した様に従来技術では、牌プッシュ機構のドライバは、牌貯蔵通路の下方に位置し、上へ移動するように牌貯蔵通路をプッシュする駆動構造は、牌貯蔵通路の下方に位置し、牌プッシュ機構のドライバを収容するスペースが必要となり、牌貯蔵通路が十分な長さを持つ必要がある。
【0026】
本実施例では、牌プッシュ操作を行う時、駆動モーターは、「押す」方式を用いて牌プッシュを実現する。駆動モーター11を隣接する牌貯蔵通路の下方に置き、2つの第1牌貯蔵通路14と第2牌貯蔵通路15との間のスペースを利用し、伝動機構13をすべて第1牌貯蔵通路14と第2牌貯蔵通路15との間に設置し、該スペースを活用する。従って、従来技術に比べて、元々牌貯蔵通路の下方に位置した牌プッシュ構造を2つの牌貯蔵通路間に置き、このように元々牌貯蔵通路の下方に置かれた牌プッシュ構造のスペースを小さくすることができる。そのため牌貯蔵通路を短くすることができ、それにより麻雀機のサイズを小さくして小型麻雀機機種の効果を達成することができる。
【0027】
本実施例では、伝動機構13は、牌受け昇降ベース16の上下移動及び並進ベース12の左右移動を駆動することができる。すなわち駆動モーター11の作動により、同時に牌受け昇降ベース16を上下に移動させ、更に並進ベース12を左右に移動させることができる。麻雀牌がコンベアで搬送され、牌受け昇降ベース16に麻雀牌が置かれていない時、牌受け昇降ベース16が伝動機構13の作用下で上へ移動し、麻雀牌を牌受け昇降ベース16まで移動させ、麻雀牌が落下することを防止する。そして牌受け昇降ベース16が伝動機構13の作用下で下へ移動し、2番目の麻雀牌を1番目の麻雀牌の上方まで移動させて積み、そして伝動機構13により並進ベース12が牌プッシュヘッド10を持って移動し、牌受け昇降ベース16に積まれた1対の麻雀牌を第1牌貯蔵通路14までプッシュし、一連の麻雀牌が第1牌貯蔵通路14までプッシュされるまで、同様に繰り返す。
【0028】
前記伝動機構13は、カム17を含み、前記カム17は、駆動モーター11のパワー出力軸に固定して接続され、前記並進ベース12は、水平に設置される少なくとも1本のスライドバー18に摺接され、前記並進ベース12に第1シュート19が設けられ、前記カム17の一面に第1スプール20が設けられ、前記第1スプール20は、第1シュート19に摺接され、カム17は、回動する時、並進ベース12をスライドバー18に沿って摺動させることができ、前記カム17の他面に第2シュート21が設けられ、前記第2シュート21内に第2スプール22が設けられ、前記第2スプール22は、揺動ロッド23の中部領域に設置され、前記揺動ロッド23の一端は、揺動端であり、揺動端は、牌受け昇降ベース16に回動接続され、前記揺動ロッド23の他端は、回動可能な位置決め端であり、カム17は、回動する時、牌受け昇降ベース16を昇降させることができる。
【0029】
本実施例では、第1シュート19は、垂直状であり、駆動モーター11が回動するようにカム17を駆動する時、第1スプール20は、第1シュート19内を摺動し、垂直状の第1シュート19は、第1スプール20の垂直方向における変位を克服するために用いられ、第1スプール20は、水平に移動して、並進ベース12を水平方向に移動させることができ、スライドバー18は、案内して移動方向を制限する作用を果たし、
駆動モーター11が回動するようにカム17を駆動する時、第2スプール22は、不規則な円弧状の第2シュート21内を摺動し、揺動ロッド23の一端が麻雀機又はケーシングに回動して位置決めされるため、第2シュート21は、回動して、第2スプール22を上下に移動させることができる。また、第2スプール22が揺動ロッド23の中部領域に設置され、揺動ロッド23の他端が牌受け昇降ベース16に接続されるため、第2スプール22の上下移動及びレバー原理により、牌受け昇降ベース16を同期に上下に移動させ、移動幅が第2スプール22の移動幅より大きい。
【0030】
前記第1シュート19は、縦方向摺動部24と下曲がり摺動部25とを含み、前記縦方向摺動部24と下曲がり摺動部25は、J字状に接続され、
本実施例では、縦方向摺動部24は、垂直状であり、下曲がり摺動部25は、円弧状であり、第1スプール20が縦方向摺動部24を移動する時、並進ベース12を水平方向に移動させ、それにより牌プッシュヘッド10に牌プッシュを行わせることができ、第1スプール20が下曲がり摺動部25内を摺動する時、下曲がり摺動部25は、この時の第1スプール20の水平及び垂直方向における変位を克服することができ、すなわち第1スプール20が下曲がり摺動部25内を摺動する時、並進ベース12は、移動することがなく、この期間内に、牌受け昇降ベース16は、1対の麻雀牌を昇降させ且つ受けるために用いられる。
【0031】
前記第2シュート21は、対向して設置される大円弧状部26と小円弧状部27とを含み、前記大円弧状部26と小円弧状部27とは、それぞれ接続部28を介して接続され、
本実施例では、第2スプール22が小円弧状部27内を摺動する時、上へ移動してから下へ移動して最も低い位置まで復帰するように第2スプール22をプッシュし、第2スプール22が上へ移動する過程で、牌受け昇降ベース16を上へ移動させ、この時、1番目の麻雀牌を受けるために用いられ、そして、下へ初期位置まで移動させ、2番目の麻雀牌を受け、及び後続の牌プッシュを行うために用いられる。
【0032】
大円弧状部26の形状は、第2スプール22の運動軌跡と一致し、第2スプール22が大円弧状部26内を摺動する時、揺動ロッド23は、揺動することがなく、この期間に、牌受け昇降ベース16は、2番目の麻雀牌を受けており、並進ベース12は、水平方向に移動し、それにより、牌プッシュヘッド10に牌プッシュを行わせる。
【0033】
前記カム17の回動中に、揺動ロッド23により牌受け昇降ベース16を下降させて牌を受けるように駆動し、牌を受けた後、揺動ロッド23により牌受け昇降ベース16を牌受け昇降ベース16の上面まで上昇させて第1牌貯蔵通路14の上面と面一となり、カム17の回動中に、並進ベース12により、牌プッシュヘッド10を動かして、牌受け昇降ベース16に位置する牌を第1牌貯蔵通路14にプッシュした後、牌プッシュヘッド10を牌受け昇降ベース16の第1牌貯蔵通路14の端部から離れた側まで戻すように駆動し、次の牌プッシュを待つ。
【0034】
前記駆動モーター11は、第2牌貯蔵通路15の端部の外側に位置する位置決めベース29に固定され、前記駆動モーター11のパワー出力軸は、位置決めベース29に回動可能に穿設され、前記カム17は、パワー出力軸の延出端に固定され、前記揺動ロッド23の回動可能な位置決め端は、位置決めベース29に回動接続される。
【0035】
本実施例では、位置決めベース29は、駆動モーター11を固定するために用いられるとともに、揺動ロッド23の回動可能な位置決め端に回動接続されるために用いられ、集積作用を有し、不必要な固定接続構造を減少させ、構造の数及び体積をできるだけ減少させ、第1牌貯蔵通路14と第2牌貯蔵通路15のスペースをできるだけ小さくし、第1牌貯蔵通路14と第2牌貯蔵通路15がいずれも伝動機構13を置くために用いられ、麻雀機の体積を小さくする作用を達成する。
【0036】
前記位置決めベース29には、カム17及び並進ベース12の外周を覆うカバーケース30が固定され、前記スライドバー18は、カバーケース30内に固定される。
【0037】
本実施例では、カバーケース30は、カム17などの伝動構造13を遮蔽するために用いられ、不純物を遮蔽する作用を果たし、麻雀機の耐用年数を延ばし、故障率を低下させる。
【0038】
前記牌受け昇降ベース16は、台座31と、台座の最上部に固定される消音パッド32とを含み、前記牌プッシュヘッド10は、リンク33を介して並進ベース12に固定される。
【0039】
本実施例では、麻雀牌が牌受け昇降ベース16まで移動する時、段差があるため、一定の衝撃力があり、一方では、消音パッド32により、緩衝の役割を果たし、麻雀牌の落下による衝撃音を弱め、他方では、消音パッド32が一定の摩擦力を提供し、コンベアの駆動下で麻雀牌の生じた慣性によって麻雀牌の搬送速度が速すぎることによる他側の衝突を防止する。
【0040】
また、リンク33により牌プッシュヘッド10と並進ベース12との間の距離を増加させ、並進ベース12が牌プッシュヘッド10を移動させる過程で、並進ベース12と牌貯蔵通路との間の距離が遠く、衝突衝撃が発生することがない。
【0041】
前記台座31に接続孔34が設けられ、前記揺動ロッド23の揺動端に接続体35が設けられ、前記接続体35は、接続孔34に回動可能に設けられる。
【0042】
本実施例では、接続孔35の長軸方向の内径は、接続体35の長さよりも長く、揺動ロッド23の揺動中に、接続体35は、水平方向にずれる。
【0043】
前記台座31は、昇降案内構造36に接続され、前記昇降案内構造36は、台座31に固定される少なくとも1本の案内ピラー37と、固定して設置される案内ベース38とを含み、前記案内ベース38に案内ピラー37に対応する案内孔39が設けられ、前記案内ピラー37は、案内孔39に穿設される。
【0044】
本実施例では、案内ピラー37が案内孔39を摺動する方式は、台座31が垂直方向にしか移動できないように制限するために用いられる。
【0045】
前記案内ベース38は、カバーケース30外側に吊って固定される。
【0046】
本実施例では、案内ベース38とカバーケース30との間には、揺動ロッド23が穿設されるための隙間があり、また、台座31は、移動中にカバーケース30と衝撃することがない。
【0047】
前記並進ベース12に摺動孔40が設けられ、前記摺動孔40は、周方向に分布する複数の切り欠き41を有し、前記スライドバー18は、摺動孔40に穿設される。
【0048】
本実施例では、切り欠き41は、摺動孔40を貫通し、摺動孔40の内壁とスライドバー18との間の接触面積を減少させ、摩擦力を減少させる。
【0049】
本発明の作動原理は、以下のとおりである。駆動モーター11が作動してカム17を回動させ、揺動ロッド23によって牌受け昇降ベース16を上へ移動させ、この時、第1スプール20が下曲がり摺動部25内を摺動し、それにより並進ベース12が移動することがなく、牌受け昇降ベース16が1番目の麻雀牌を受けた後、揺動ロッド23によって牌受け昇降ベース16を下へ移動させ、そして牌受け昇降ベース16に2番目の麻雀牌を受けさせ且つ1番目の麻雀牌を積み、この時、第2スプール22が大円弧状部26内を摺動し、牌受け昇降ベース16が移動することがなく、第1スプール20が縦方向摺動部24内を摺動することにより、並進ベース12が牌プッシュヘッド10を持って移動し、それにより1対の麻雀牌を第1牌貯蔵通路14内にプッシュし、カム17の回動中に、並進ベース12によって牌プッシュヘッド10を動かして、牌受け昇降ベース16に位置する牌を第1牌貯蔵通路14にプッシュした後、牌プッシュヘッド10を牌受け昇降ベース16の第1牌貯蔵通路14の端部から離れた側に戻すように駆動し、次の牌プッシュを待つ。
【0050】
本明細書に説明される具体的な実施例は本発明の精神を説明するための例に過ぎない。当業者は説明される具体的な実施例に対して様々な修正や補足を行いたり、類似する方式で置き換えたりすることができ、それらは本発明の精神から逸脱し又は添付の特許請求の範囲に定義される範囲を超えるものではない。
【0051】
本明細書において、牌プッシュヘッド10、駆動モーター11、並進ベース12、伝動機構13、第1牌貯蔵通路14、第2牌貯蔵通路15、牌受け昇降ベース16、カム17、スライドバー18、第1シュート19、第1スプール20、第2シュート21、第2スプール22、揺動ロッド23、縦方向摺動部24、下曲がり摺動部25、大円弧状部26、小円弧状部27、接続部28、位置決めベース29、カバーケース30、台座31、消音パッド32、リンク33、接続孔34、接続体35、昇降案内構造36、案内ピラー37、案内ベース38、案内孔39、摺動孔40、切り欠き41などの用語が多く使用されているが、他の用語が使用される可能性は排除されない。これらの用語は、本発明の本質をより便宜的に説明及び解釈するためにのみ使用されており、これらを何れかの追加の制限として解釈することは、本発明の精神に反している。
【符号の説明】
【0052】
牌プッシュヘッド10
駆動モーター11
並進ベース12
伝動機構13
第1牌貯蔵通路14
第2牌貯蔵通路15
牌受け昇降ベース16
カム17
スライドバー18
第1シュート19
第1スプール20
第2シュート21
第2スプール22
揺動ロッド23
縦方向摺動部24
下曲がり摺動部25
大円弧状部26
小円弧状部27
接続部28
位置決めベース29
カバーケース30
台座31
消音パッド32
リンク33
接続孔34
接続体35
昇降案内構造36
案内ピラー37
案内ベース38
案内孔39
摺動孔40
切り欠き41。