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特開2024-3204運転支援装置、運転支援方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024003204
(43)【公開日】2024-01-11
(54)【発明の名称】運転支援装置、運転支援方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/042 20060101AFI20231228BHJP
【FI】
G05B19/042
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023194638
(22)【出願日】2023-11-15
(62)【分割の表示】P 2019069857の分割
【原出願日】2019-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荻野 翼
(57)【要約】
【課題】作業手順書の作成に要する労力を低減することができる運転支援装置、運転支援方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
【解決手段】実施形態の運転支援装置は、ロジック編集部と、ロジック情報生成部とを持つ。ロジック編集部は、1つ以上の単位ロジックの組み合わせによって構成され、前記単位ロジックの接続関係及び前記単位ロジックに入力するパラメータの値によって定義される診断ロジックの編集に関する操作の入力を受け付ける。ロジック情報生成部は、前記診断ロジックの編集が新規の診断ロジックの追加であった場合に、追加された前記診断ロジックについて、前記接続関係を示す配置情報と、前記パラメータの値を示すパラメータ情報と、を生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の単位ロジックの組み合わせによって構成され、前記単位ロジックの接続関係及び前記単位ロジックに入力するパラメータの値によって定義される診断ロジックの編集に関する操作の入力を受け付けるロジック編集部と、
前記診断ロジックの編集が新規の診断ロジックの追加であった場合に、追加された前記診断ロジックについて、前記接続関係を示す配置情報と、前記パラメータの値を示すパラメータ情報と、を生成するロジック情報生成部と、
を備える運転支援装置。
【請求項2】
前記ロジック情報生成部は、前記診断ロジックの編集が登録済みの診断ロジックの変更であった場合に、前記診断ロジックについて、前記配置情報又は前記パラメータ情報の変更前後における差分を示す差分情報を生成する、
請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
ある診断ロジックについて生成された前記配置情報及び前記パラメータ情報に基づいて、前記診断ロジックを自装置に登録する診断ロジック登録部をさらに備える、
請求項1又は2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
1つ以上の単位ロジックの組み合わせによって構成され、前記単位ロジックの接続関係及び前記単位ロジックに入力するパラメータの値によって定義される診断ロジックの編集に関する操作の入力を受け付けるロジック編集ステップと、
前記診断ロジックの編集が新規の診断ロジックの追加であった場合に、追加された前記診断ロジックについて、前記接続関係を示す配置情報と、前記パラメータの値を示すパラメータ情報と、を生成するロジック情報生成ステップと、
を有する運転支援方法。
【請求項5】
1つ以上の単位ロジックの組み合わせによって構成され、前記単位ロジックの接続関係及び前記単位ロジックに入力するパラメータの値によって定義される診断ロジックの編集に関する操作の入力を受け付けるロジック編集ステップと、
前記診断ロジックの編集が新規の診断ロジックの追加であった場合に、追加された前記診断ロジックについて、前記接続関係を示す配置情報と、前記パラメータの値を示すパラメータ情報と、を生成するロジック情報生成ステップと、
をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、運転支援装置、運転支援方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プラント等の監視制御システムには、既定の単位ロジック(以下「ロジックブロック」という。)を組み合わせによって監視制御に関する種々の診断ロジックを作成できるようにするユーザインタフェース(以下「ロジックツール」という。)を提供する機能を備えたものがある。しかしながら、従来のロジックツールは、作成された診断ロジックの定義情報をエクスポート又はインポートする機能を備えていない場合があった。そのため、あるシステムの診断ロジックを他のシステムに展開しようとした場合、当該診断ロジックを展開先のシステムに登録する手順(以下「作業手順書」という。)を作成して展開先の担当者に提供する必要があった。また、ロジックツールが、登録済みの診断ロジックに関する情報を適切な形式で出力する機能を備えていない場合には、画面のスクリーンショットを取得したり、その印刷物に情報を手書きしたりするといった作業が必要になる場合もあり、作業手順書の作成に大きな労力を要する可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5971575号公報
【特許文献2】特開2005-310162号公報
【特許文献3】特開2010-250841号公報
【特許文献4】特開2016-6682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、診断ロジックの編集に係る作業手順書の作成に要する労力を低減することができる運転支援装置、運転支援方法及びコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の運転支援装置は、ロジック編集部と、ロジック情報生成部とを持つ。ロジック編集部は、1つ以上の単位ロジックの組み合わせによって構成され、前記単位ロジックの接続関係及び前記単位ロジックに入力するパラメータの値によって定義される診断ロジックの編集に関する操作の入力を受け付ける。ロジック情報生成部は、前記診断ロジックの編集が新規の診断ロジックの追加であった場合に、追加された前記診断ロジックについて、前記接続関係を示す配置情報と、前記パラメータの値を示すパラメータ情報と、を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態の運転支援装置1の機能構成の具体例を示すブロック図。
図2】第1の実施形態の運転支援装置1によって生成されるロジック情報の具体例を示す図。
図3】第1の実施形態におけるロジック情報出力部106の機能構成の具体例を示すブロック図。
図4】第1の実施形態における運転支援装置1の第1の動作例を示すフローチャート。
図5】第1の実施形態における運転支援装置1の第2の動作例を示すフローチャート。
図6】第2の実施形態における運転支援装置1aの機能構成の具体例を示すブロック図。
図7】第2の実施形態におけるロジック情報出力部106aの機能構成の具体例を示すブロック図。
図8】第2の実施形態における運転支援装置1aの動作例を示すフローチャート。
図9】第2の実施形態における運転支援装置1aの動作例を示す図。
図10】第2の実施形態における運転支援装置1aの動作例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の運転支援装置、運転支援方法及びコンピュータプログラムを、図面を参照して説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の運転支援装置1の機能構成の具体例を示すブロック図である。図1に示す運転支援装置1は、実施形態の運転支援装置の一例であり、診断ロジックの実行によってプラントの運転管理を支援する装置である。診断ロジックは、既定の単位ロジック(以下「ロジックブロック」という。)を組み合わせることで作成される一種のコンピュータプログラムである。運転支援装置1は、このような診断ロジックを作成するためのユーザインタフェース(以下「ロジックツール」という。)を提供する機能を有している。
【0009】
運転支援装置1は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、プログラムを実行する。運転支援装置1は、プログラムの実行によって記憶部101、表示部102、入力部103、ロジック編集部104、ロジック実行部105、及びロジック情報出力部106を備える装置として機能する。なお、運転支援装置1の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。プログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0010】
記憶部101は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。記憶部101は、ロジックデータを記憶する。ロジックデータは、登録済みの診断ロジックの定義情報であり、診断ロジックの実行によってプラントの診断が行われる際に、ロジック実行部105によって読み込まれるデータである。このようなロジックデータは、一般に、人がその内容を容易に把握できるような形式で記録されないことが多い。例えば、ロジックデータはバイナリデータとして記録される。
【0011】
表示部102は、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等の表示装置を用いて構成される。又は、表示部102は、これらの表示装置を自装置に接続するインタフェースとして構成されてもよい。表示部102は、診断ロジックの編集や実行、診断ロジックに関する情報の出力等の処理において各種情報の表示に用いられる。
【0012】
入力部103は、タッチパネル、マウス及びキーボード等の入力装置を用いて構成される。また、入力部103は、外部の入力装置を運転支援装置1に接続する外部入力インタフェースとして構成されてもよい。例えば、入力部103は診断ロジックの編集や実行、診断ロジックに関する情報の出力等の処理に関する各種操作の入力を受け付ける。
【0013】
ロジック編集部104は、診断ロジックの登録、変更又は削除(以下「編集」という。)を行う機能を有する。例えば、ロジック編集部104は、診断ロジックの編集画面を表示部102に表示させる。また、例えば、ロジック編集部104は、入力部103を介して診断ロジックの編集画面に対する編集操作の入力を受け付ける。ロジック編集部104は、入力された編集操作に応じて表示部102の表示を更新してもよい。
【0014】
なお、ロジック編集部104は、行われた編集が既存の診断ロジックに対する変更である場合には、記憶部101に記憶されているロジックデータにその編集結果を反映させる。また、一方で、ロジック編集部104は、行われた編集が診断ロジックの新規追加である場合には、編集内容に応じた新たなロジックデータを生成して記憶部101に記録する。
【0015】
ロジック実行部105は、診断ロジックを実行する機能を有する。例えば、ロジック実行部105は、入力部103を介して診断ロジックの実行指示が入力されたことに応じて記憶部101から実行対象のロジックデータを読み出し、読み出したロジックデータを実行する。ロジック実行部105は、診断ロジックの実行に関する情報を表示部102に表示させてもよい。
【0016】
ロジック情報出力部106は、登録済みの診断ロジックの内容を所定の形式で出力する機能を有する。以下、登録済みの診断ロジックの内容を示す情報であって、ロジック情報出力部106によって所定の形式で出力される情報を「ロジック情報」という。ここで、ロジック情報は、ロジックデータとは異なり、ユーザがその内容を容易に把握できる形式であれば、どのような形式で出力されてもよい。例えば、ロジック情報は、テキストデータとして出力されてもよいし、音声データとして出力されてもよいし、画像データとして出力されてもよい。
【0017】
ロジック情報出力部106は、入力部103を介してロジック情報の出力指示が入力されたことに応じて記憶部101から出力対象のロジックデータを読み出し、読み出したロジックデータを分析又は解釈することによってロジック情報を生成する。ロジック情報出力部106は、生成したロジック情報を所定の形式で出力する。出力形式は、予め定められた所定の形式であってもよいし、出力指示の入力の際にユーザによって指定されてもよい。
【0018】
図2は、第1の実施形態の運転支援装置1によって生成されるロジック情報の具体例を示す図である。一般に、診断ロジックは、各ロジックブロックの接続関係と、各ロジックブロックに入力するパラメータの値とによって定義される。図2(A)は各ロジックブロックの接続関係を示す情報(以下「配置情報」という。)の一例を示し、図2(B)は各ロジックブロックに入力するパラメータの値を示す情報(以下「パラメータ情報」という。)の一例を示す。第1の実施形態におけるロジック情報出力部106は、ロジックデータを分析又は解釈することによって配置情報及びパラメータ情報を生成し、生成したこれらの情報をロジック情報として出力する。
【0019】
なお、図2(A)には、ロジックブロックの接続関係を矢印で表現する画像形式の配置情報の具体例を示しているが、これは一例であり、配置情報は必ずしも画像形式の情報である必要はない。配置情報は、ロジックブロックの接続関係をユーザが容易に把握することができる態様で表現することができれば、どのような形式で表されてもよい。例えば、配置情報は、HTML(Hyper-Text Markup Language)やXML(Extensible Markup Language)等の形式で記載されたテキストデータであってもよい。
【0020】
また、図2(B)には、各ロジックブロックの識別情報(ID)を記載することにより複数のロジックブロックのパラメータ情報を1つのデータとして生成した例を示しているが、これは一例であり、パラメータ情報は必ずしも1つのデータとして生成される必要はない。パラメータ情報は、ロジックブロックの識別情報と、そのロジックブロックに入力するパラメータの値とが対応づけられていれば、どのような単位で生成されてもよい。
【0021】
図3は、第1の実施形態におけるロジック情報出力部106の機能構成の具体例を示すブロック図である。ロジック情報出力部106は、配置情報生成部111及びパラメータ情報生成部112を備える。ロジック情報出力部106は、ロジック情報を出力指示に応じて記憶部101からロジックデータを読み出し、読み出したロジックデータを配置情報生成部111及びパラメータ情報生成部112に入力する。
【0022】
配置情報生成部111は、入力したロジックデータを分析又は解釈することによって、そのロジックデータによって実行される診断ロジックを構成する各ロジックブロックの接続関係を識別する。配置情報生成部111は、識別した接続関係を示す情報を配置情報として出力する。
【0023】
パラメータ情報生成部112は、入力したロジックデータを分析又は解釈することによって、そのロジックデータによって実行される診断ロジックを構成する各ロジックブロックに入力されるパラメータの値を取得する。パラメータ情報生成部112は、取得したパラメータの値を示す情報をパラメータ情報として出力する。
【0024】
図4は、第1の実施形態における運転支援装置1の第1の動作例を示すフローチャートである。まず、ロジック情報出力部106が、ロジック情報の出力指示が入力されたか否かを判定する(ステップS101)。ロジック情報の出力指示が入力されていない場合(ステップS101-NO)、ロジック情報出力部106は、ステップS101を繰り返し実行し、ロジック情報の出力指示が入力されるのを待機する。
【0025】
一方、ロジック情報の出力指示が入力された場合(ステップS101-YES)、ロジック情報出力部106は、記憶部101を参照し、登録済みの診断ロジックの一覧を作成し、作成した一覧を表示部102に表示させる(ステップS102)とともに、一覧表示した診断ロジックのうちから出力対象の診断ロジックを選択する操作の入力を受けつける(ステップS103)。
【0026】
ロジック情報出力部106は、選択された診断ロジックのロジックデータを記憶部101から読み出す(ステップS104)。ロジック情報出力部106は、読み出したロジックデータを配置情報生成部111及びパラメータ情報生成部112に入力する。配置情報生成部111は、入力されたロジックデータに基づいて出力対象の診断ロジックについての配置情報を生成する(ステップS105)。また、パラメータ情報生成部112は、入力されたロジックデータに基づいて出力対象の診断ロジックについてのパラメータ情報を生成する(ステップS106)。ロジック情報出力部106は、生成された配置情報及びパラメータ情報を出力する(ステップS107)。
【0027】
図5は、第1の実施形態における運転支援装置1の第2の動作例を示すフローチャートである。まず、ロジック編集部104が、診断ロジックの編集指示が入力されたか否かを判定する(ステップS201)。診断ロジックの編集指示が入力されていない場合(ステップS201-NO)、ロジック編集部104は、ステップS201を繰り返し実行し、診断ロジックの編集指示が入力されるのを待機する。
【0028】
一方、診断ロジックの編集指示が入力された場合(ステップS201-YES)、ロジック編集部104は、診断ロジックの編集画面を表示部102に表示させる(ステップS202)とともに、診断ロジックの編集操作の入力を受け付ける(ステップS203)。ここで、診断ロジックの編集指示が登録済みの診断ロジックの編集を指示している場合には、ロジック編集部104は記憶部101から対応するロジックデータを読み出し、その内容を編集画面に表示させる。一方、診断ロジックの編集指示が新規の診断ロジックの追加を指示している場合には、ロジック編集部104は空の編集画面を表示させる。
【0029】
ロジック編集部104は、診断ロジックの編集が完了したか否かを判定する(ステップS204)。診断ロジックの編集が完了していない場合(ステップS204-NO)、ロジック編集部104は、ステップS204を繰り返し実行し、診断ロジックの編集が完了するのを待機する。一方、診断ロジックの編集が完了した場合(ステップS204-YES)、ロジック編集部104は、編集内容を記憶部101に記録する(ステップS205)とともに、今回の編集が新規の診断ロジックの追加であったか否かを判定する(ステップS206)。
【0030】
今回の編集が新規の診断ロジックの追加でなかった場合(ステップS206-NO)、ロジック編集部104は、診断ロジックの編集処理を終了する。一方、今回の編集が新規の診断ロジックの追加であった場合(ステップS206-YES)、ロジック編集部104は、追加した診断ロジックについてのロジック情報の出力をロジック情報出力部106に指示する。ロジック情報出力部106は、追加された診断ロジックについてロジック情報を生成し、生成したロジック情報を出力する(ステップS207)。
【0031】
このように構成された第1の実施形態の運転支援装置1は、登録済みの診断ロジックについて、その配置情報及びパラメータ情報をロジック情報として出力することができる。さらに、第1の実施形態の運転支援装置1は、診断ロジックが新規追加されたことに応じて、追加された診断ロジックについて、ロジック情報を自動的に生成する機能を有する。このような構成を備えることにより、診断ロジックの追加時又は編集時において、その作業手順書の作成に要する労力を低減することが可能となる。
【0032】
特に、下水処理場や浄水場等の水処理プラントにおいては、1つの診断ロジックに含まれるロジックブロックの数や、個々のロジックブロックに入力するパラメータの数が非常に多くなることがあり、このような複雑な診断ロジックを編集する作業手順書を作成するためには多大な労力を要する場合がある。そのため、実施形態の運転支援装置1は、水処理プラント等の複雑な診断ロジックを運用するシステムにおいてより大きな効果を奏することができる。
【0033】
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態における運転支援装置1aの機能構成の具体例を示すブロック図である。運転支援装置1aは、ロジック情報出力部106に代えてロジック情報出力部106aを備える点で第1の実施形態の運転支援装置1と異なる。運転支援装置1aのその他の構成は、第1の実施形態と同様である。そのため、図6では、第1の実施形態と同様の構成については図1と同じ符号を付すことにより説明を省略する。
【0034】
図7は、第2の実施形態におけるロジック情報出力部106aの機能構成の具体例を示すブロック図である。ロジック情報出力部106aは、差分情報生成部113をさらに備える点で第1の実施形態におけるロジック情報出力部106と異なる。差分情報生成部113は、ある診断ロジックについて、編集前後におけるロジック情報の差分を示す情報(以下「差分情報」という。)を生成する機能を有する。
【0035】
ロジック情報出力部106aは、診断ロジックの編集指示が入力された場合、配置情報生成部111及びパラメータ情報生成部112によって生成された編集前後のロジック情報を差分情報生成部113に入力することにより、編集前後におけるロジック情報の差分情報を取得する。ロジック情報出力部106aは、取得した差分情報を、編集前後のロジック情報とともに出力する。
【0036】
図8は、第2の実施形態における運転支援装置1aの動作例を示すフローチャートである。なお、ここでは、第1の実施形態における動作例と同様の処理には、図5と同じ符号を付すことにより説明を省略する。ロジック編集部104は、編集内容を記憶部101に記録する(ステップS205)と、今回の編集が新規の診断ロジックの追加又は登録済みの診断ロジックの編集のいずれであったかを判定する(ステップS301)。
【0037】
今回の編集が新規の診断ロジックの追加であった場合(ステップS206:新規追加)、ロジック編集部104は、追加した診断ロジックについてのロジック情報の出力をロジック情報出力部106aに指示する(ステップS207)。一方、今回の編集が登録済みの診断ロジックの編集であった場合(ステップS301:編集)、ロジック編集部104は、ロジック情報出力部106aに対して、編集前後のロジック情報と、編集前後におけるロジック情報の差分情報と、の出力を指示する(ステップS302)。
【0038】
図9及び図10は、第2の実施形態における運転支援装置1aの動作例を示す図である。図9(A)は編集前の配置情報の具体例を示し、図9(B)は編集前のパラメータ情報の具体例を示す。また、図9(C)は編集後の配置情報の具体例を示し、図9(D)は編集後のパラメータ情報の具体例を示す。また、図10は、図9に例示した編集がなされた診断ロジックについて取得される差分情報の具体例を示す。
【0039】
図10(A)は差分情報の第1の具体例を示し、図10(B)は差分情報の第2の具体例を示す。差分情報生成部113は、図10(A)に示すように、編集前後のパラメータ情報を上下又は左右に並べて配置し、差分があった箇所に所定の目印(例えば図中の表示P)を付与した差分情報を生成してもよい。また、差分情報生成部113は、このような目印を付与する代わりに、図10(B)に示すように、差分があった箇所のみを示す差分情報を生成してもよい。この場合、差分情報生成部113は、どのロジックブロックにおいて差分があったかが分かるように、パラメータの差分をロジックブロックの識別情報とともに示す差分情報を生成してもよい。
【0040】
このように構成された第2の実施形態の運転支援装置1aは、登録済みの診断ロジックが変更されたことに応じて、変更された診断ロジックについて、変更前後のロジック情報に加え、変更前後におけるロジック情報の差分情報を自動的に生成する機能を有する。このような構成を備えることにより、診断ロジックの編集時において、その作業手順書の作成に要する労力を低減することが可能となる。
【0041】
(変形例)
運転支援装置は、ロジック情報を入力する機能を有してもよい。さらに、運転支援装置は、入力したロジック情報に基づいて、当該ロジック情報によって表される診断ロジックのロジックデータを生成するロジックデータ生成部(診断ロジック登録部の一例)をさらに備えてもよい。このような機能を備えることにより、運転支援装置は、自装置に登録済みの診断ロジックをエクスポートするととともに、他の運転支援装置に登録されている診断ロジックをインポートすることが可能となる。
【0042】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、1つ以上の単位ロジックの組み合わせによって構成され、前記単位ロジックの接続関係及び前記単位ロジックに入力するパラメータの値によって定義される診断ロジックの編集に関する操作の入力を受け付けるロジック編集部と、前記診断ロジックの編集が新規の診断ロジックの追加であった場合に、追加された前記診断ロジックについて、前記接続関係を示す配置情報と、前記パラメータの値を示すパラメータ情報と、を生成するロジック情報出力部(ロジック情報生成部の一例)と、を持つことにより、診断ロジックの編集に係る作業手順書の作成に要する労力を低減することができる。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0044】
1,1a…運転支援装置、101…記憶部、102…表示部、103…入力部、104…ロジック編集部、105…ロジック実行部、106,106a…ロジック情報出力部、111…配置情報生成部、112…パラメータ情報生成部、113…差分情報生成部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10